電気通信委員会 第38号
- 発言数
- 18 件
- 登壇者
- 6 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1952/06/17
会議録
○田中委員長 これより開会いたします。 お諮りいたします。理事井手光治君より理事辞任の申出があります。これを許可するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○田中委員長 御異議なければさように決します。 さらにお諮りいたします。その補欠選任については委員長に御一任願いたいと思いますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○田中委員長 御異議がなければ福永一臣君を理事に指名いたします。 —————————————
○田中委員長 先般有線電気通信法案及び公衆電気通信法案について委員長に御一任を願いました参考人の氏名を御報告申し上げます。参考人氏名、五十音順、全国電気通信従業員組合中央執行委員長久保等君、富士通信機製造株式会社社長高純一君、東京大学教授杉村章三郎君、共同通信社連絡局長瀧口義敏君、株式会社徳田電気工務所所長徳田榮太郎君、元逓信省電務局長藤川靖君。 —————————————
○田中委員長 電波法の一部を改正する法律案を議題といたします。ただいま委員長の手元に橋本登美三郎君、長谷川四郎君、松井政吉君より修正案が提出されております。修正案についてその趣旨の説明を求めます。橋本登美三郎君。 ————————————— 電波法の一部を改正する法律案に対する修正案 電波法の一部を改正する法律案の一部を次のように修正する。 第四十條の表の第二級無線通信士の項の下欄の改正規定中「国内通信のための無線設備の通信操作」を「国内通信のための無線設備の通信操作 東は東経百七十五度、西は東経百十三度、南は北緯二十一度、北は北緯六十三度の線によつて囲まれた区域内における国際通信のための船舶局の無線設備の通信操作」に改める。 第六十五條第一項の改正規定中「第一種局及び第二種局」を「第一種局、第二種局甲及び国際航海に従事する旅客船の第二種局乙」に、同條新第二項中「海岸局及び第三種局甲」を「海岸局、第二種局乙(国際航海に従事する旅客船のものを除く。)及び第三種局甲」に改める。 第百十三條第二号の改正規定の次に次のように加える。 附則第九項を創り、附則第十項を附則第九項とし、以下一項ずつ繰り上げる。 附則第二項の次に次の一項を加える。 3 第六十五條の改正規定施行の際現に免許を受けている第二種局甲及び国際航海に従事する旅客船の第二種局乙の聽守しなければならない時間は、同條第一項の規定にかかわらず、昭和二十九年十一月十八日までは、その運用義務時間とする。 —————————————
○橋本(登)委員 ただいま議題となりました電波法の一部を改正する法律案に対する修正案に関し、提案の趣旨並びに内容を御説明申し上げます。 本委員会におきましては、去る五月十日電波法の一部を改正する法律案の付託を受けまして以来、数回にわたり会議を開きまして政府と質疑応答を重ねましたほか、六月十一日の会議の席上、特に利害関係を有する方面から二名の参考人の出席を求めて、つぶさに意見を聴取する等、慎重審議に当つたのであります。その結果といたしまして、委員多数の意見として、政府提出原案は大部分はこれを適当と認めるのでありますが、なお若干の点において修正を必要とするとの結論に達したのであります。よつて委員会における審議の結果、必要と認められる修正点を作成し、自由党、改進党、日本社会党所属委員の各派共同提案といたしまして、ここに本修正案を提出する次第であります。 以下修正案の内容に関し、概略を御説明申し上げます。修正案はお手元にお届けいたしました別紙の通りでありますが、その修正点は三つの項目にわかれております。 第一点は無線従事者の従事範囲に関するものでありまして、関係條文としては、電波法の一部を改正する法律案による電波法第四十條の表中、第二級無線通信士の項の下欄の改正規定中の修正と、電波法附則第九項の削除の二つを含んでおります。 修正の理由は、船舶安全法及び同施行規則による近海区域第一区の区域内における船舶局の通信は、戰前においては大部分国内通信に属していたのでありますが、わが国の領土喪失に伴つて現在においては国際通信となつたものが多いのでありまして、電波法制定当時、這般の関係と無線通信士の配置状況とにかんがみまして、特に附則第九項を設けて、昭和二十八年五月末までは、第二級無線通信士が独立して国際通信に当り得ることになつているのであります。しかしながら既往二年間の実情並びに国際電気通信條約の規定に照し、この経過措置を恒久措置として規定することが妥当と認められますので、現行附則第九項を削除し、これと同趣旨の規定を本則第四十條に加えようとするものであります。 第二点は聽守義務に関する電波法の一部を改正する法律案による電波法第六十五條第一項の改正規定と、同條新第二項の規定に対する修正であります。すなわち改正原案によれば、五百キロサイクルの周波数の指定を受けている第二種局はすべて常時聽守の義務を課せられているのでありますが、これは海上における人命の安全のための国際條約の規定以上の義務を課することとなりますので、修正案においては第二種局の常時聽守の義務は、これを第二種局中及び国際航海に従事する旅客船の第二種局乙に限ることといたしまして、その他の第二種局乙は、運用義務時間中の聽守をもつて足りることと改めようとするものであります。 第三点は、同じく聽守義務時間に関して電波法の一部を改正する法律案に附則一項を追加する修正でありますが、その理由は、海上における人命の安全のための国際條約によれば、第二種局甲及び国際航海に従事する旅客船の第二種局乙については、常時聽守義務の実施猶予期間が認められているのにかかわらず、改正原案では、この猶予期間を認めていないのは過酷であると考えまして、第六十五條の改正規定施行の際、現に免許を受けている第二種局甲及び国際航海に従事する旅客船の第二種局乙の聽守義務時間は、昭和二十九年十一月十八日まで、その運用義務時間とすることにして、條約の規定との一致をはかつたものであります。 以上をもつて修正案の説明を終ります。何とぞ全員一致御賛成あらんことをお願いする次第であります。
○田中委員長 右の修正案について御質疑はございませんか。 それではこれより原案及び修正案を一括して討論に付します。討論の通告がありますので、これを許します。高塩三郎君。
○高塩委員 ただいま議題となりました電波法の一部を改正する法律案及びこれに対する修正案に関しまして、私は自由党を代表いたしまして、修正案及び修正部分を除く原案に賛成の意を表するものであります。 本法律案が、平和條約の発効に伴いわが国が国際社会に伍して、航空、航海の両面における自主的活動を展開いたします上に、当然整備を要する立法措置であることは申すまでもないのであります。ことに航空及び航海の安全のために無線局の設備を完備し、その運用を充実いたしますことは、ただに自己または自国の航空機または船舶のためのみでなく、広く各国の航空、海運に協力をするものとなるのでありまして、これによつて寄与し得べき効果は、きわめて高い世界的意義を有するものであります。従つて科学技術の可能とする最高限度の設備を備え、優秀な技術者を豊富に配置いたしましてこれに対応することができますならば、まことに理想的と申すべきものであります。しかしながら事は施設者の経済に支配されて、従事者の能力に制せられるところを免れないのでありまして、本法律案の主として関連いたしまする国際民間航空條約、海上における人命の安全のための国際條約の規定するところも、およそこの間の諸事情に照応する加入各国共通の水準であろうと察せられるのであります。原案の改正規定に対する修正案は、この共通水準に照して愼重に検討された結論でありましてわが国の現状におきましては最も妥当なものと存ずるのであります。修正の結果として、特に無線従事者の資格検定方法につきまして、政府において若干の処置を要することとなるものと認められまするが、私はこの点につきまして当局の善処を希望いたしまして修正案並びに修正部分を除く原案に対し賛成いたすものであります。
○田中委員長 松井政吉君。
○松井(政)委員 日本社会党を代表して、電波法の一部を改正する法律案に対しまして、ただいま橋本君から説明をされた修正部分並びに修正部分を除く原案に賛成をいたします。 御承知のようにわが国は国際民間航空條約への参加を宣言いたしておりまするし、さらに一九二九年の海上人命の安全のための国際條約が締結されておりまするので、今回の電波に関する航空、船舶の部分に対する改正は、当然のことだと考えられます。そこでいろいろ事実上、航空並びに船舶にとりまして、電波というものがいかに安全を保持するために重要であるかということは論をまたないのであります。従いまして私は政府当局に希望意見を付したいのであります。電波の持つ航空、船舶に対する非常な大きな役割を完全に果すために、法律案の内容等につきましては、各委員の熱心なる質疑応答の結果、修正がなされたことは非常に喜びとするのでありますが、さらに電波法全体を考えますと、かなり改正をしなければならない部分があろうと思います。その改正にあたりましては、航空、船舶に関する電波法の部分につきましては、あくまでも安全保持という立場を中心にして、従業員並びに航空、船舶を運営しておる人々の意見等を考慮いたしまして、今後の運営と次に行われるでありましよう電波法の改正について留意をしていただきたいということを希望いたしまして、賛成討論を終ります。
○田中委員長 椎熊三郎君。
○椎熊委員 改進党を代表いたしまして、三派共同で出しました修正案に賛成いたします。なお原案につきましては、修正を除いた部分一切賛成であります。詳しい内容は申し上げるまでもないと思います。松井君と同意見であります。
○田中委員長 加藤充君。
○加藤(充)委員 共産党は原案並びにその修正案に反対いたします。以下簡單にその理由を申し述べます。 航空、航海の安全というようなことを目的にしておる、こういうのでありまするが、航空、航海の実態を明らかにしなければ、抽象的にその安全だとか、その能率だとか、その運営だとかいうことを問題にしてみても、それは無意味であるばかりでなく、とんでもない間違いであるということを指摘しなければならないと思います。しかも今申し上げましたように、抽象的に航空、航海の安全というようなことを理由に、本改正案を出しておる意図は、まさしくこれはごまかしであります。わが党はサンフランシスコ両條約並びにそれに基く行政協定というようなものが、まつたく売国性、戰争性、従つてまたその結果は、国民の生活、民族の生存というものまでも破壊し、破滅する恐るべきものである。だからこれに反対しなければならないということを主張し続けて参つたのであります。今日その正しさが全国民の間にますますはつきりとして参りました。このことは放言ではありません。与党たる自由党の内部にすら、漁業協定その他の問題について、まさしくその通りに反映しているものであるということをここに一言せざるを得ないのであります。このことについては、わが党や一部の者が言うだけではなくして、毎日の商業新聞にさえ、その本質、その事態はますます明瞭になつて来ているのであります。国際民間航空條約、こういうようなものは、右の條約に基くものでありまして、結局アメリカ侵略者とその傀儡と成り果てた政府のもとでは、こういうような條約は日本のためというよりも、しかもまた日本の平和と自由と、日本の生活のためというよりも、米空軍に奉仕するとともに、日本空軍再建の地ならしを目的としたものであることも明瞭であります。また海上における人員の安全のためという一九四八年の国際條約自体も、現にその條約が締結された国際語情勢のもとにおきましては、アメリカが結局において太平洋、大西洋の海上を支配し、そのために沿岸船舶その他一切の施設等々から情報を提供さし、アメリカの海空軍ないしは陸軍の安全のためにサービスせしめるという性格と本質を持つたものであることも明瞭であります。翻つて日本の国内の事情を見ても、現在多くの無線局がほんとうに日本のために、日本国民のためにおおらかな使用、運営というものが許されておるかどうか、答えは反対でありまして、依佐美の無電局を初めといたしまして、アメリカ占領軍——これは駐留軍と名をかえても実態は同じでありますが、このアメリカのために、同時に、その一部に繰入れられました日本の海上保安隊あるいは警察予備隊、すなわちいよいよ最近では明らかな再軍備のために一歩を踏み出しました保安隊のように、日本の再軍備のために運営され、利用されておることも明らかである。私は特にこの際電波監理委員会に電波の利用ということについて、一言警告を発したいと思うのであります。すなわちVOAや韓国向け放送などは、アメリカの日本、朝鮮、中国、アジアに対する直接、間接の侵略に奉仕しており、放送局は少しでもそれの方向に反するもの、すなわち平和的、民主的な放送はやめさしておる。現に日曜娯楽版というようなものは、これはごく軽微な一部分的なものでありまするが、あの娯楽版の廃止というようなところに、この本質を文字通り露呈しておると思うのであります。しかも半面におきましては、日本の民族の解放と、日本のほんとうの平和に役立つ、そういう目的をもつて運営されるものに対しては、自由日本放送のごときものに対しては、ひたすらこれを犯罪視して、監視所などを設けて取締る。まつたくこれは本末転倒もはなけだしいものであつて、残念ながら吉田政府のアメリカ占領軍に対する文字通りの忠犬ぶりを私はここに見届けざるを得ないと思うのであります。本法案、すなわち電波法の一部を改正することのねらいも、結局以上申し上げましたような目的とその運営のために、一段と進んで全面的にそれを合法化し、さらにそれを躍進させるものでありまして、私どもはこのような改正には絶対に賛成するわけに行かないばかりでなく、一日も早く、こういうような売国性と戰争性の明らかな電波法の改正でなく、新しい電波法の制定をやつてこそ、日本の再建と、ほんとうの電波の運営がなされ得るものであるということを指摘いたします。
○田中委員長 これにて討論は終局いたしました。 これより採決に入ります。まず電波法の一部を改正する法律案に対する修正案について採決いたします。本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○田中委員長 起立多数。よつて修正案は可決いたしました。 次にただいま修正と決定いたしました部分を除く政府原案について採決いたします。これに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○田中委員長 起立多数。よつて政府原案は修正案のごとく修正すべきものと決しました。 お諮りをいたします。ただいま議決いたしました本案に対する報告書につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○田中委員長 御異議なしと認め、さように決しました。 本日はこの程度にとどめ、明十八日午後一時より委員会を開会いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午前十一時五十一分散会