電気通信委員会 第37号
- 発言数
- 41 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1952/06/13
会議録
○田中委員長 これより開会いたします。 この際お諮りをいたします。理事關内正一君より理事を辞任いたしたい旨の申出があります。これを許可するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○田中委員長 御異議なしと認めまして辞任を許可することに決しました。 なおお諮りをいたします。理事の補欠選任につきましては、委員長に御一任願いたいと思いますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○田中委員長 御異議がなければ、その補欠として井手光治君を理事に指名いたします。 —————————————
○田中委員長 この際公衆電気通信法案を議題とし、その補足説明を求めます。田邊政府委員。
○田邊(正)政府委員 公衆電気通信法案につきまして主要な事項を御説明いたします。 まず第一章は総則であります。総則に規定してございますのは、目的と定義がその第一條と第二條にございます。第三條におきましては利用の公平ということが規定してございます。第四條が検閲の禁止でございます。第五條が秘密の確保でございますが、この三條、四條、五條は通信のサービスの仕方を公平にするということと、それから通信の自由と申しますか、今日までありました制限を解除いたしまして、通信の自由を保障するという趣旨から規定したのでございます。なおごの関係において問題になりますのは、現在電信法におきまして規定しておりますところの通信の制限に関する規定、それが電信法の改正によりましてなくなるわけでありますが、そのおもなものを申し上げますと、第一は公安保持のために地域を定めて行う通信の停止または制限に関すること、それから公序良俗に反しまする通信の停止ということ、そういう事項でございます。これは新しい憲法の趣旨に沿いまして通信というものに対して制限を加えることは妥当ではないという考えから、こういうものは電信法の廃止によつてなくなるものといたしたわけであります。なおそのほかに現在電信電話をやつて参ります上に、いろいろな特権的な規定がございます。たとえば配達人が宅地、田畑を通行する場合にいろいろな特権がある。鉄道用地、停車場等の建物の利用の面とか、電信電話専用物件に対する差押え及び課税の免除とか、そういう事業保護の特権がございますが、こういうものはこの法律においては規定いたしません。従つて電信法の廃止によつてこういう特権はなくなるわけであります。 次に第六條は、利用の制限及び業務の停止を規定しております。これは天災、事変その他の非常事態が発生した場合、その他特にやむを得ない場合におきまして、重要な通信を確保するために必要がありますときは、郵政大臣の認可を受けて定める基準に従いまして、公衆電気通信サービスの一部を提供せず、または公衆電気通信業務の一部を停止することができる。たとえばこういうような場合におきましては至急電報でなければ受付けない、あるいはある局において取扱いを一時やめるというようなことでございます。 その次の第七條は、公衆電気通信業務の委託を規定しております。これは現在も地方におきましては郵便局に委託をしておりますし、国有鉄道、私設の鉄道に電報の受付の事務を委託しておりますが、そういうものを整理してここに規定いたしますとともに、それ以外に電報の受付あるいは通話について、窓口機関をできるだけ広くしようという趣旨から、列挙してあるような場合におきまして、公社が公衆電気通信業務の一部を公社以外のものに委託することができるということを規定したわけでございます。 第九條は、国際電気通信業務に関しまして、條約に別段の定めがありますときは、その規定によるということにいたしました。国際電気通信業務につきましては、條約並びに條約に基く協定がございますので、條約または協定に定められた事項は、この法律によらないで、仕事をして参ります。 なお大臣の提案の御説明にもございましたように、国際電信電話会社が設立された場合におきましては、第一條に日本電信電話公社とありますが、日本電信電話公社のほかに国際電信電話会社が加わるわけでございます。なお第三條、第四條、第五條等はすべて会社にも適用になるわけでございますが、その点はただいま取運んでおります施行規則できめることにしてございます。 次は第二章の電報でございますが、電報は現在の取扱い方法、制度とほとんど変更はございません。ただ違いますのは、現在電報の種類に官報、局報、私報という種類がございますが、これを廃止いたしたことでございます。 なお第二章以下の電報あるいは電話サービスにつきましては、現在は大部分が電報規則あるいは電話規則というような規則によつて定められておるわけであります。そういうサービスのうち重要なものにつきましては、法律においてその内容を確定いたしておるわけであります。従つてこの電報または電話の章に規定しておりますサービスのほかに、いろいろな付属的なサービスがあるのでありますが、それは公社営業規則で定めるということになるわけであります。 電報の章は十一條から二十一條でございますが、今申し上げましたように、現在の制度とほとんどかわつておりませんので、説明は省略いたします。 次は第三章電話でございますが、第二十二條は電話の種類をはつきりいた正したわけであります。電話は加入電話と公衆電話の二種になるということが二十二條にございます。 第二十三條は加入電話の種類を定めておるのでございまして、現在とかわりましたのは、現在は加入電話は単独電話と共同電話の二種類だけでありましたが、今度はここに構内交換電話というのを加えました。これは現在いわゆるPBXといわれておるものでありまして現在の制度ではこれは甲種増設電話機ということになつております。それを構内交換電話といたしまして、加入電話の種類に加えたのが二十三條でございます。 第二十四條は加入契約でありますが、加入契約の相手方は一入に限るということをはつきり規定いたしております。これも現在そういうことになつておるわけでありますが、法律によつてはつきりいたしたわけであります。 第二十五條は加入電話の電話機等の設置場所でございますが、これは現在とかわつておりません。 第二十六條の加入区域、これも現在と同様でございます。 第二十七條は加入申込みの承諾でございますが、これも実際の取扱いは現在とかわつてないわけでありますが、ただ二十七條の二項に、「公社の予算の範囲内においては、前項に規定する加入申込の全部を承諾することができないときは、郵政大臣の認可を受けて定める基準に従い、公共の利益のため必要な加入電話に係る加入申込を優先的に承諾しなければならない。」ということを規定しておるわけでありますが、これは現在実行いたしております優先受理制度を法律に書いたわけであります。 第二十八條は公社が加入申込みを承諾しないことができる場合を規定したわけであります。 第二十九條は現在実行しておりません制度であります。この二十九條の大体の趣旨を申し上げますと、普通加入区域外の加入電話をつけてもらいたいという希望がありました場合には、加入区域外の線路をつくるのに実際必要な実費を負担してもらうわけでありますが、そのあとでまたその線路を利用して加入電話をほしいという人が出て参りました場合には、あとから出た人からもまた金をもらう。そうして前の人に返してやるという制度でございます。たとえばもしも二人で入りまして二人で三万円出した。一人一万五千円出すわけであります。ところがそのあとでまた一人入つて来た場合には、三万円を三で割つて一万円になりますから、最初に一万五千円ずつ出した人に対して五千円ずつ返してやる。結果的に見ますと、結局最判に入つた人は、一万五千円出したのを五千円返してもらつて、一万円出したことになる。あとから入つた人は一万円、そうしてその間に負担の公平がはかられるということになるわけであります。 第三十條は、加入者は加入電話の種類の変更、構内交換設備とか、内線電話機の増設などが請求できるということで、現在とほぼ同様でございます。 第三十一條、これも同様でございます。 それから三十三條も、加入電話契約をしたならば、こういう請求ができるということをはつきりしたことでございます。 三十四條も、現在やつている通りでございます。 次は三十五條でございますけれども、これは電話加入権の移転または承継の問題でございまして、いわゆる新電話あるいは旧電話、電話の譲渡の問題が三十五條、三十六條に規定しているわけであります。第三十五條は「加入者が加入契約に基いて加入電話により公衆電気通信役務の提供を受ける権利(以下「電話加入権」という。)は、移転の目的とすることができない。但し、営業とともに讓渡する場合は、この限りでない。」ということでございます。 三十六條は、電話加入権を移転する場合は、公社の承認を受けなければ、その効力を生じないということにしたわけであります。 三十七條は、相続または合併があつた場合に、相続人または合併後存続する法人もしくは合併によつて設立された法人は、加入者の地位を承継することができるということになつております。従いまして電話の加入権は営業とともに讓渡する場合と、相続及び合併の場合、この三つの場合だけに限りまして、加入権が移転されるということであります。これは昭和二十四年二月十五日以降の電話につきましては、営業讓渡の場合も、相続あるいは合併の場合も、」切移転を認めていないわけでありますが、しかし現在の事情から考えまして、この三つの場合は、社会通念上加入権の讓渡を認めることが妥当であろうという考え方から、さようにいたしたわけであります。なお昭和二十四年二月十四日以前のものは旧電話でございますが、これは施行法におきまして、今までと同じように移転することができるということに規定するつもりでございます。 三十八條は、公社は、電話の加入原簿を備えつけるということでございます。 第三十九條は、他人使用の制限であります。現在電話を他人に使わせてたとえば十円とか、場所によつてはもつと高いところもあるようでありますが、そういうふうに金をとつているわけであります。われわれとしてはむろんあまりいいこととは思つておりませんけれども、これを一々まわつて歩きまして取締ることもできません。それで三十九條におきましてははつきりと、とにかく他人に使わせてもいいが、その場合には他人の通話によつて増加した部分、たとえば度数料の五円なら五円だけということにしたわけでありまして、その線をはつきりいたしたわけでございます。 四十條は、通話の停止と加入契約の解除であります。加入者が「この法律の規定に違反したとき。」並びに「電話に関する公社の業務の遂行又は公社の電気通信設備に著しい支障を及ぼし、又は及ぼすおそれがある行為であつて、郵政省令で定めるものをしたとき。」こういう場合には、公社の方で通話の停止または加入契約を解除するということがあるわけであります。なおこういうことで通話の停止、加入契約の解除を行います場合には、現在は加入者に対して釈明の機会を與えなかつたわけでありますが、この第二項におきまして、公社は加入契約を解除しようとするときは、あらかじめその旨を本人に通知して、加入者またはその代理人の出席を求めて、釈明のための証拠を提出する機会を與えるために、公社の指定する職員に聴聞させなければならないということを規定いたしまして、加入契約の解除の場合には取扱いに遺漏がないようにとりはからうごとにいたしたわけであります。 第四十一條は、電話取扱局の種類でありまして、これは現在通りでございます。 四十二條は、料金の算定方法により、度数料金局と定額料金局にきめるということ、次に四十三條と四十四條は、通話の種類でありまして、これも現在の通りでございます。現在規則になつておりますのを、法律に改めたわけであります。 四十五條、これも現在通りでございます。 それから四十大條、四十七條は、今の四十五條の通話接続の順序に対する一つの例外でございまして、四十六條は、天災、事変その他の非常事態が発生し、または発生するおそれがある場合におきましては、災害の予防もしくは救援、交通、通信もしくは電力の供給の確保または秩序維持のために必要な事項を内容とする市外通話であつて、公社が郵政大臣の認可を受けて定めるものは、前二條の規定にかかわらず、他の市外通話に先立つて接続するのであります。 四十七條は、前條に定めるもの以外につきましても、なお公共の利益のため緊急に通話することを要する事項を内容とする市外通話につきましては、同じような取扱いをするということを定めたわけでございます。 四十八條以下は構内交換電話、先ほど申しましたPBXのうことでございますが、PBXにつきましては、PBXの交換に従事する人につきましてその資格を定めた規定でございます。これは現在法律にはございませんけれども、規則でもつてやはりPBXの交換に従事する場合には試験を受けまして、試験に合格した人だけがPBXの交換に出ることができるということにいたしておりますから、それをはつきりこの法律に規定したわけであります。 それから次は第四章でございます。第四章は公衆電気通信設備の専用でございます。これはたとえば市外線の専用とか、電信線の専用とか、東京と大阪の間におきまする市外電話回線の一回線を専用にする、あるいは電信の回線を専用する、または市内専用でございまして、そういうような専用に関する規定でございます。この中で御説明申し上げたいと思いますのは、第五十九條でございます。五十九條は加入電話と同じように、「専用者が専用契約に基いて公衆電気通信設備を専用する権利は、移転の目的とすることができない。」これは公社と専用者との間の契約でございますから、これは当然のことでございまして、公社と専用者の間の契約でございますから、専用者が専用契約に基いて得た権利を他人に讓渡することは認めることができないわけでありますが、六十條にその例外を設けまして、相続と合併だけの場合には、これは同じ人格が継続するものでありませんから、そういう場合にまで移転を認あないのは行き過ぎであろうというふうに考えまして相続と合併の場合だけに限りまして、移転を認めたわけでございます。 それから第六十一條は、専用者がその専用設備を他人に使用させてはならないわけでありますが、その例外を規定したのであります。これは一号から七号までございますが、こういう場合に限つて専用者は、その専用設備を他人に使用させてもいいというのであります。 それから六十二條、六十三條は、大体加入契約と同じように、一定の売買がありました場合には専用契約を解除する、専用を停止するということであります。なお専用の申込みが非常にたくさんありまして、公社の提供することができる専用線がそれ以下である場合におきましては、加入電話の場合と同じように、公共の利益のために重要であると認められるものから、優先的に専用を認めてやろうという方針でございます。 第六十四條は共同専用契約でありまして、これは二人以上でもつて共同して専用の契約ができる。これも現在すでに実行していることでありますが、これを法律で明らかに規定いたしたのであります。 次は第五章の料金であります。国際電気通信以外の料金は、すべて電信電話料金法によつて定められているわけでありますが、この法律におきましては、そのうち主要な料金——主要料金と申しますのは、需要者が非常に多い、需要が一般的、普遍的であるということと収入が多いということ、従つてその料金の変更が国民経済、あるいはまた公社の財政に相当な影響を與えるという性質の料金につきましては、現在と同じように法律で定めます。それ以外の料金につきましては、これは公社が郵政大臣の認可を受けてその料金をきめることができるというようにいたしたわけであります。 今の法定料金はこの法案の一番しまいの方にございますが、電報につきましては通常電報の料金、そのうち普通電報料、それから至急電報料、翌日配達電報料等でございます。それから第二の電話使用料におきましては、電話使用料のすべででございますが、度数料金制による場合と定額料金制による場合とを定めたわけであります。次は装置料でございますが、これは加入申込みをした場合に支拂つてもらう四千円の装置料でございます。これも法定料金にいたしました。第四は市外通話料でございますが、これも法定料金であります。第五は公衆電話料でございますが、これも法定料金でございます。第六は専用のうち市外線の専用でございますが、市外線の専用だけ法定料金といたしたわけであります。なおこの料金額なり料金の制度は現在と同様でありまして、変更を加えてありません。 次は第六十七條でございますが、これは国際電気通信料金につきまして、公社が金フランまたは外国通貨の単位をもつて定められております国際電気通信サービスの料金換算の割合を変更いたします場合には、郵政大臣の認可を受けることといたしたわけであります。なお国際電気通信料金を設定いたします場合は、別の條文でもつて郵政大臣の認可を受けることといたし——第百六條でございますが、第百六條におきまして、国際電信業務に関する協定をもつて重要なものは郵政大臣の認可を受けることになつておりますので、料金のごときは当然この百六條によりまして認可を受けることになるわけであります。 次は第六十八條の料金の減免でございます。これは特定の場合に法律できまつております料金、あるいはまた郵政大臣の認可を受けて定める料金を減免することができるというのであります。これも大体現在やつている程度でありまして、現在以上に加えましたのは、災害の場合に罹災者から打つ電報、それから天災、事変その他非常事態が発生し、または発生するおそれがある場合において、人命の危険あるいは財産の危険を通報する電報、それだけは新しく加えたわけであります。六十八條の三号と四号が新しく加わつた事項であります。 第六十九條は新聞電報または新聞無線電報の料金について減額することができるということを加えたのであります。それから六十九條の二項は新聞の予約通話でございますが、新聞社あるいは通信社が使います予約通話は、これも他の予約通話より引下げることができるということであります。それから六十九條の三項は警察あるいは消防署、そういう機関の専門につきまして安い料金を適用できるということになつております。この三つは現在もやはり定額料金にいたしておりますので、これは法律でもつてその根拠をはつきりといたしたわけであります。 それから次は第七十一條におきまして、軽微な料金につきましては公社限りにおいて変更できるということにいたしました。 それから第七十六條でございますが、料金の返還でございます。これは公社がサービスを、たとえば電報を打つた場合に引受けた電報が受取人まで届かなかつたというような場合におきましては、料金を返すということを定めてございます。これは現在もやつているのでございますが、現在とかわりました点は、電報につきまして現在は電報取扱局の過失によつて電報が届かなかつた場合、あるいは普通の郵便よりかも遅れて着いた場合というふうに、こちらの取扱いの過失ということが條件になつているわけであります。今度はそういう條項をやめまして、発信人または受取人、要するに利用者の責めに帰することができない事由によりまして、今申し上げましたようなことが起つた場合には一切支拂う。従つて不可抗力によりました場合においても料金はお返しするということになるわけであります。なお電報につきましては今申し上げましたような條件のほかに、現在は電報が普通の郵便よりかも遅れて着いた場合だけでありますが、今度は電報が速達郵便よりかも遅れて着いた場合には、料金をお返しするというふうに定めたわけであります。照合電報につきましては、現在は照合電報に間違いを生じまして、用をなさなかつたという場合だけに限つておつたのでありますが、今度は照合電報に誤りを生じたならば、すべて料金を返還するということにいたしたのであります。なお現在は料金の返還の請求期間は三十日になつておるわけでありますが、これはあまり短か過ぎますので、六箇月ということにいたしました。返還の事由の発生した日から六箇月間だけは、こちらの方でもつて料金を返す義務があるということにいたしたわけであります。なお電話の方につきましては、大体現在通りでございますが、現在よりも返還する場合を若干減らしてございます。 それから七十七條は、延滞金でございますが、料金の支拂いがなかつた場合には延滞金をもらう、これは料金額百円につきまして一日四銭の割合で延滞金をもらうということを規定いたしております。なお料金の収納が現在滞納の場合におきましては、国税滞納処分の例によつてやつておるわけでありますが、これは公社になりましてからそういうこともいかがかと考えまして、普通の民事の手続によりまして、未納の料金は取立てて参るということにいたしました。 第六章の土地の使用でありますが、土地の使用につきましては、現在電信線電話線建設條例という非常に古い法律でもつてやつておるわけであります。この手続も一方的でありまして今の法律概念、あるいは財産権に対する考えから申しまして、妥当ではございません。電信線電話線建設條例は廃止しまして、この法律で土地の使用につきまして、合理的な方法によつて土地の使用あるいは土地の立入りということが可能になるようにいたしたのであります。 第七十九條は、土地の使用の一番大きい場合でありますが、第七十九條の大体のことを申し上げますと、公社は、公衆電気通信業務の用に供する線路及び空中線並びにこれらの付属設備を設置するため他人の土地及びこれに定着する建物、そういうものを利用することが必要な場合におきましては、その土地に対しまして使用権を設定することができるという規定でございます。これは性質は公法上の使用権でありまして、従つてそういう使用権が設定されますと、その土地を買つた人に対しましても、その効果は及ぶというふうに考えておるわけであります。その年限は二項に規定してございますが、設備によつて違いまして、地下ケーブルその他の地下工作物または鉄鋼もしくはコンクリートづくりの地上工作物の設置を目的とするものは五十年、その他は十五年、一般は十五年でございますが、地下工作物等につきましては五十年の権利といたしました。これは大体設備の壽命を考えまして、大体その設備の耐用年限で設備の使用権の存読期間をきめたわけでございます。 なお八十條以下は、今の手続についての規定でございまして、八十條から八十三條、八十四條、八十五條、八十六條、八十七條までがこの手続をきめておるのでありますが、これはまず第一に公社が土地等を使用する必要が生じました場合には、まずその土地の所在地を管轄する都道府県知事の認可を受けて、その土地等の所有者と協議をいたしまして、そうして協議がととのわなかつた場合におきましては、公社は郵政省令で定める手続に従まして、都道府県知事に土地の使用等について裁定を申請することができる。そうして八十三條は都道府県知事が裁定する場合の規定でありまして、都道府県知事が裁定して事案の決定をするということになつております。 なお八十五條は、その裁定の内容でありまして、都道府県知事が裁定をします場合には、「使用権を設定すべき土地等の所在地及びその範囲」、「線路の種類及び数」、「使用開始の時期」、「使用権の存続期間を定めたときは、その期間」、こういう事項につきまして都道府県知事が裁定をするということになつたのであります。 それから第八十八條は今のようにして設定されました土地の使用権に対する対価でありますが、この対価は八十八條の二項に「前項の対価の額は、その使用によつて通常生ずる損失を償うように、線路及び土地等の種類ごとに政令で定める。」ごとになつております。 それから八十九條は土地等の一時使用でありまして、今まで申し上げましたのは、十五年あるいは五十年という長期にわたつて利用する場合でありますが、八十九條は一時的に土地を使用する場合を決定したのでありまして、たとえば線路に関する工事をやりますために、資材あるいは車両の置場の設置とか、あるいは非常事態が発生いたしました場合、あるいは特にやむを得ない場合に、重要な通信を確保するために線路をつくるというようなことや、「測標」という抽象的な言葉を使いますが、こういうような土地等を一時使用する場合のためであります。 それから九十條は、線路に関する測量あるいは調査をいたしますために、他人の土地に立入りができるということであります。 それから九十一條は他人の土地を通ることができる。 九十三條は植物の伐採でありますが、植物が線路に障害を及ぼすというような場合には、植物を伐採することができるということであります。 それから九十四條は、立入りまたは伐採等の損失補償を規定いたしたものであります。 九十五條は線路の設置されております土地が、その土地の使用目的を変更するというような場合に、土地の使用に非常にじやまになるという場合は、土地所有者は「公社に、線路の移転その他支障の除去に必要な措置をすべきことを請求することができる。」ということであります。 それから九十八條でございますが、これは公用水面の使用ということでありまして、公社が公共の用に供する水面に水底線路を敷設しようとする場合のことを規定したものであります。 それから九十九條は水底線路の保護でありまして、これは水底線路につきまして、たとえばケーブルというようなものについて九十九條に規定いたしますように、水底線路を敷設してあるところからある距離以内には、このケーブルをこわすようなことをしてはならないということにしてあるわけであります。 第七章に移りまして、第七章は雑則でありますが、第百三條は一項に書いてあります構内交換設備、いわゆるPBXでありますが、このPBXの設置、それから船舶に設置する加入電話、それから専用設備の端末設備、こういうものについては加入者が自由に行うことができるようにいたしたのであります。PBXにつきましては、今日までは電気通信省が直営で設置し、保守することに原則としてなつておつたわけでありますが、いろいろ加入者の要望もありますし、また公社の方のいろいろな事情もあわせ考えますとこの際直営の方針をやめまして、PBXにつきましては加入者において設置することができるというふうにした方がよろしかろうというわけで、かようにいたしたのでございます。しかしこれで公社がPBXについては何もしないということではございませんで、公社においてももとより他日と同じように公社の直営の業務がございますが、加入者の方で自分でつくつて、自分で保守したいという場合には、そういうこともできるというふうにいたしたわけであります。なおこれに関連いたしまして、現在PBXの設置につきましては、設備負担金をもらつておるわけですが、今度のPBX設置あるいは保守につきまして加入者の自営を認めるのに伴いまして、現在のPBXの設備負担金の制度は変更いたしまして、そうして設備に必要な実費の額に相当する電信電話債券を買つてもらうというふうに規定することといたしたいと考えております。これは施行法において規定するつもりであります。 次に百四條でありますが、百四條は私設有線設備——これは有線電気通信設備のうち、公社の設備以外のものをかりに私設有線設備といつておりますが、公社の設備にそういう私設の有線設備をつなぐ場合であります。その際百四條に書いてありますような場合は、公社は公社の業務の遂行に支障のない場合、またその私設の設備が、公社が郵政大臣の認可を受けて定める技術基準に適合とている場合には、私設有線設備との接続を断つてはならないということにいたしたのであります。 次は第百六條であります。百六條は先ほどもちよつと触れましたが、国際電気通信業務についての協定あるいは契約で、重要なものにつきましては郵政大臣の認可を受けるようにいたしておるわけであります。 次は第百七條でありますが、これは公社が一定の場合に損害賠償をすることを定めたわけであります。現在電信電話の取扱いにつきましては、一切損害賠償をしないことになつております。従つて電信電話の取扱いを間違えて、そのために利用者が損害をこうむりましても、電気通信省は一切損害賠償の責めに任じないというふうになつておるわけでありますが、これを改めまして百七條にあるような場合には、公社が損害の賠償をすることになるわけであります。これはいろいろ外国の立法例もございまして、国によりまして、電信電話の取扱いについて損害を賠償するところもありますし、また賠償しないところもあります。また賠償するところにおきましても、その賠償の幅、額あるいは条件がいろいろ違つておるようでありますが、今度公社になりまして、今のように一切何も賠償しないというのでは非常にまずいし、またわれわれ事案を経営いたします場合に、やはり約束したサービスは提供しなければならない、そういうような意味から考えましても、一定の事故につきまして賠償することが適当であろう、かように考えたわけであります。損害賠償をいたします條件といたしましては、損害が不可抗力によつて発生したものである場合、またその損害発生につきまして利用者の方に過失あるいは故意があつた場合、そういう場合には賠償しないわけであります。従つて公社の方に間違いがあつた場合、あるいはまた公社の方におきまして軽過失というか、過失が非常に軽い程度でありましても、損害を賠償することになるわけであります。損害を賠償いたします場合とは、百七條の一号は電報が速達よりも遅れて行つた場合でありますが、その場合には電報の料金の五倍を限度といたしまして、その範囲内においてよつて生じた損害を賠償する。それから二号は照合電報につきまして照合電報に誤謬を生じた場合、その場合は電報料金と照合料金との合計額の五倍を限度として賠償する。三号は加入電話の障害の場合でありますが、この場合には引続き五日以上加入電話によつて通話することができなかつた場合には、やはり料金の五倍を限度として損害を賠償するということであります。四号と五号は定時通話と予約通話で「定時通話というのは一定の時間をきめまして、三時から三時十分までとか、三時十五分までというふうに、通話する時刻を指定して市外通話をやつておる、そういう通話でございます。それから予約通話は、毎日何時から何時までというふうに、ある期間を定めまして市外通話を取扱う方法でございますが、その二つの場合も、そういう指定する時間に定時通話あるいは予約通話をつながなかつた場合に損害を生じた場合は、これも料金の五倍を限度として損害賠償をする、こういうことであります。六号は専用設備でございますが、専用設備も二日以上引続き——四十八時間以上使用できなかつた場合におきましては、やはり料金の五倍を限度として賠償するということであります。なお以上申し上げました事項のほかに、公社が定める場合に該当する場合、そのような場合におきましても損害の賠償をすることにいたしてあります。 それから第八章は罰則でありまして、第百九條は「公衆電気通信業務に従事する者が正当な事由がないのに公衆電気通信役務の取扱をせず、又は不当な取扱をしたときは、」云々ということになつておりますが、これは現在の電信法にいろいろな規定がございます。 それから第百十條は、「公社等の取扱中に係る電報を正当な事由がないのに開き、破り、隠匿し、放棄し、」等の、そういう不当の行為に対しましての罰則であります。 それから第百十一條は、通信の秘密を犯した者に対する罰則であります。これは、一項は公衆電気通信業務に従事する以外の者のことを規定いたしておりまして二項は公衆電気通信業務に従事する者が通信の秘密を犯しました場合には、そうでない人の場合に比べまして罪を加重しておるのであります。 それから第百十三條は、公社の役員がこの法律の規定により郵政大臣の認可を受けなければならない場合において認可を受けなかつた場合には、その役員は十万円以下の罰金とするということであります。 大体これで御説明を終るわけでございますが、先ほど申し上げましたように国際電信電話会社が設立されますれば、この規定において公社と書いてありますうちで国際会社に適用になる部分は、それぞれ公社または会社というふうに施行法の上で読みかえをいたすことにいたしておるのであります。
○田中委員長 次に有線電気通信法案及び公衆電気通信法案を一括議題とし、質疑に入ります。質疑の通告があります。これを許します。橋本登美三郎君。
○橋本(登)委員 両法案の質疑に入る前に、すでに委員会は通過して、本会議を通過しておるのですが、当時国際関係の電信電話会社法の関係として、公述人を招致したのでありますが、当時公述人が病気のため欠席せられて、従つてその関係の公述人の意見を聞く機会を得なかつたのですが、その後においていろいろ調査をしました結果、政府当局に御意見を求め、また大臣の御所感も伺いたい点が二、三あるのであります。事実関係を最初にお聞きしてあとで大臣の御所感を伺いたいと思うのであります。 今回国際電信電話会社法によつて政府が出資するその財産の大部分は、かつて国際電気通信株引会社、こういつた会社がありまして、その会社が昭和二十二年三月二十五日に連合国最高司令官の覚書によつて政府に移管せられたのであります。その政府に移管せられた国際電気通信株式会社のその財産の一部分でありますが、今回民間の特殊法人として設立せられるところの国際電信電話株式会社の出資に充てられるところの大部分は、このかつての国際電信株式会社の財産が移管をせられるようであります。そこでこの以前の国際電信株式会社、こういうものが当時の連合軍総司令官の覚書によつて、政府に移管をせられたのでありますけれども、当時の事情を調べますと、その移管にあたつては連合国司令官から、この移管の方法についてはやはり具体的な覚書が出ておるようであります。その覚書を一応読んでみますと「国際電気通信株式会社法及びその附属法令を廃棄すること、当会社の所有する通信施設の実際的運営を可及的すみやかに引継ぐこと、これに関係ある通信施設を持株会社整理委員会による鑑定評価の完了後同委員会より買収すること、評価は企業再建整備法による評価基準によること、但しこのため事業の引継を遅滞してはならない。」云々、こういう覚書によつて、政府は同年の五月十九日に当会社法及びその附則法令廃止の政令を公布して五月二十五日にこれを施行し、当日持株会社整理委員会を経て実質的に逓信省に移管をしたのであります。そこで当時企業再建整備法によつて評価基準によることという覚書であつたのありますが、当時持株整理委員会ではこれを帳簿価格によつて政府に移管しております。企業再建整備法によるのでありますれば、大体原則としては時価によつてこれは移管せられなければならないと思うのです。ところが実際問題としては持株整理委員会では、これを帳簿価格によつで政府に移管をした、こういう事情になつておりますが、その事情について、これは大臣が御了解がなければ、政府委員のどなたかに御説明を願いたい。
○山下(知)政府委員 お答えいたします。国際電信電話会社に出資されるべき無線電信電話設備は、大体旧国際電気通信株式会社が所有しておりました送信所及び受信所の大部分が中心体をなすものと考えるのであります。ただいまお読み上げになりましたように、昭和二十二年の三月二十五日に最高司令部の覚書によりまして、国際電気通信株式会社は解散するということに相なりました。かつ五月二十五日に施設は人員とともに当時の逓信省に移管されたのでございます。この施設の引渡しの方法は——私がこう申し上げることは、私はその任にありましたから、その意味から私註釈をつけて申し上げますが、当時の旧国際電気通信株式会社は特殊整理委員会に施設を讓渡いたしました。特殊整理委員会が逓信省へ施設を売り渡すという手続を経たのでございます。当時の逓信省と旧国際電気通信株式会社とは、直接取引いたしたものではございません。この点は明確に御了解願つておきます。それで施設はかようにして逓信省に讓渡いたしましたが、その施設の評価につきましては、その後に価格が決定されたのであります。この価格は私の記憶では、不動産は固定資産は一億七百万円だつたかと思います。この一億七百万円と申す評価は、ただいま御指摘のように全部帳簿価格によつたものでございます。企業再建整備法によるとなつているのに、なぜそれを簿価によつたかというお尋ねでありますが、この企業再建整備法と申しますのは、これは大体において第二会社をつくるということの趣意に立てられたものであります。清算事務をやりますためにこの法律が設けられたのではなく、一つの戦時中の会社で痛手を食つたものがその痛手を切り抜けて、痛手からのがれまして新たな第二会社をつくるという線にはまり得るように、その事務が円満にかつまた他の債権者からそれに対しての支障がないように、いわゆる企業再建のために考えられた法律でございます。従いまして第二会社をつくるものならば、それは簿価によるということは当然のことでございます。ところがこの場合旧国際電気通信株式会社は逓信省に讓渡しました。そういう資産をもとにして第二会社をつくるのではなくしてここれは全然その点からは離れてしまうということに相なりますから、この面から申しますれば、企業再建整備法というものが、第二会社をつくる精神から出ているというのが大部分のものであるにもかかわらず、これが清算事務の方に適用されたということについて、会社側にとつては非常な不幸があつたわけでございます。これは清算事務にしますものならば、御承知のように当時の時価ということでやつてもやり得るのじやないかということは、私は関係者として考えております。しかし当時は純然たる占領下でありまして、これは特殊会社整理委員会の委員長の笹山忠夫氏が参議院で参考人として述べられました言葉の中にもございましたが、当時司令部がこれに対して非常な関心を持つて、司令部の意向で再建整備法のうちの簿価でやらなければならぬ、簿価でやれという非常な主張がありましたために、特殊会社整理委員会では簿価による評価によつたということを述べておられますが、私も当時の関係者としてまさしくその通りであると御報告することができるわけでございます。 ただここで一点、それでは司令部の方でどうしてそういうことを強調しておつたかということにつきまして御参考までに申し上げますと、私はこれは司令部の関係者数氏から当時及びその後において聞いた話でございますが、これら施設を逓信省に讓るということは、これはあげて国の利益になることである、国民の利益のためにやるのだ、日本の再建のためにやるのだ、だからある一部において株主にそういう不便をかけても、これはやむを得ないというような意味合いの発言を再々私は聞いているのでございます。 それからもう一つは、国際電気通信株式会社の前身でございますところの日本無線電信株式会社、これの発足いたしますときからこの会社は、他に例を見ないほど政府から厚い保護を受けておりました。またそれだけ他面に——一割二分以上の利益金があります場合においては、政府にその利益金の超過分の半額を納めなければならぬとか、あるいは配当の上におきましても、法文上ではございませんけれども、実質上はある程度の制限も受けておりました。しかし初期から最後まで——一番最初は七分一厘と記憶いたしますが、その後は七分二厘の配当を続けて来ている。それで十年間は政府に配当しなくてもよろしいという恩惠も受けております。しかしこれも六年目だつたと思いますが、それからやはり政府にも配当を続けて参りました。どうしてそういうことができたかというと、政府から交付されます交付金の割が非常によかつた。その政府から交付されます交付金というのは、つまり外国電報料の日本の取り分の九割を会社にもらえる、一割を逓信省がとる。一割でもつて逓信省の国際電気通信業務をなさつておられたわけでございます。九割というものは全部会社がいただいております。その後それはあまりによ過ぎるからというので七割五分に変更されておりますが、こういつた非常な庇護を受けて来ておりますために、日本無線電信株式会社ができます。ときに最初に出資されましたのは、福島県の原町の送信設備と富岡の受信設備と、それから愛知県及び三重県下の送信所建設用の土地というものの出資を受けて、その後の施設は全部会社自身の増資または剰余金でもつて施設をいたしで来たわけでございます。そういつたような剰余金でもつてあとの施設のできるということは、とりも直さず今申し上げたように厚い庇護があつたからであります。なおまたかくのごとくしてつくりましたところの施設を急速度に償却いたして参りました。当時会社としましてもできるだけ償却する、固定資産に計上できるような事柄もできれば経費でもつて損費でもつて落してしまうというほどの徹底した方針で、償却中心主義でやつて参りました。かように償却しました最後のものが、今申し上げました一億七百万円に相なつているわけでございます。但し一億七百万円の中の大きな部分に有線設備がございます。この有線設備の方は、無線設備ほど庇護を受けていないと言えますから、この面では、償却は無線設備と比べものにはならないと思いますが、ただいま問題にお出しになりました無線設備は、大幅に償却することができない、その償却した結果の場ものである。償却は厚い庇護のもとに、今申し上げたように九割とか七割五歩とかいつたような大きな割合の交付金をいただいておつたからできたものである、かうなことに相なつているわけでございまして、私は株主の立場かと言えば、簿価によらずして、それは時価に近いもので評価されることが望ましかつたと思うのでありますが、全体的に見ますれば、これは私はやむを得なかつたもの、かように考えております。
○橋本(登)委員 今の御説明でその間の事情は多少わかりましたが、問題は、私のお聞きしたのは総司令官の覚書に企業再建整備法でやれ、こうなつたおつたのを、それによらずして持株整理委員会がおやりになつた、こういう点についての相違を聞いたのでありますが、その点については山下政府委員の方でも、整備法でやることが望ましかつたのだが、当時の情勢からしてやむを得なかつた、こういうようなお話でありますから、その点は大体了承いたします。私も当時の情勢から言えば、ことにこの会社が、政府が三分の二を持つておつて、三分の一がいわゆる民間公募の株主であつた、こういう見解からいえば、当時の気持としては、その大部分が政府が所有しておるのであるから、その大部分所有しておる政府に移管するのであるから、それらが帳簿価格によつて移管されようとも、あるいは再建整備法によつて移管されようとも、その実質においてはあまり違わないじやないか、もちろん三分の一の一般株主が国家のために犠牲になるけれども、それも通信の統一、かつまた非常事態の状態から見てそういうことが必要だという大きな観点から、一部株主が影響をこうむるのはやむを得ないのではないか、こういう見解で、当時の連合軍要路の方々も、政府においてもそうしたことについて最後の妥結に至つたのだろうと思うのであります。ただ問題は、そういうぐあいに国のために一部の人たちが犠牲になるごとについては、時の情勢によつてはやむを得ない。ところが今度は、国のために喜んで——あるいは喜んでおらなかつたかしらぬけれども、とにかく形式上は喜んで国のために犠牲になつた一部の株主の諸君から見れば、今度の国際電信電話会社なるものができ、その会社に、当時の帳簿価格によつて三千六百万円ですか、それくらいの帳簿価格が、約二十億なり二十五億をもつて新会社の方に政府が拂下げを行う。これは一ぺんに行うわけじやないが、拂下げを行う。最初の整備令によれば時価でもらえるものが、国のためである団体の利益のためには一部のある程度の犠牲はやむを得ない。それはそれでよくわかるが、それで渡されたものが、数年ならずして今度は一般の、純然たる民間資本に移されるために時価によつて換算されて、一般公募に移されということになるわけです。そうなるとこれは何も一部の人がもうけたのではなくて、政府がもうけるのだから、国民全体がもうけるのだからいいじやないか、こういう議論もあるいは一部には成り立つかもしれませんが、そうなると、われわれが憲法で保障された私有財産制度、いわゆる私有権の確保というものも、これは問題にならなくなつてしまう。憲法においてわれわれは、いやしくも公衆の利益のためにわれわれの私有権というものは制限されるけれども、そうでない限りにおいては、われわれの私有権、財産権は侵害されない、こういう憲法の明文がある。それで最初の場合においては、政府が公衆の利益のために一部の人の利益を犠牲に移管したということについては、これは文句はない。ところが今度はそうじやなくして、政府が結果においては利益をもうけることになるのですが、政府が利益をもうけるために、いわゆるかつての一部の人を犠牲に供するということはどうかと思われるのです。しかしこの問題はすでに過ぎ去つてしまつた問題でありますからして、われわれはこの問題をもし当時の株主の一部の諸君が問題にするならば、行政訴訟によつて、いわゆる覚書との関係が齟齬しておる点を、法によつて当然明らかにすべきであつたものでありますが、どういう事情であつたか当時のことはわかりませんが、その点については明確にしなかつた。いやしくも法律によつて保障された権利を施行されなかつた、そうして今日においてこういう問題が起きたので、あらためて問題になつて来たようでありますけれども、いずれにせよ、当時の問題は占領下であり、かつまた国家の利益のために行われたのでありますからして、それらの点は関係者によつて了解せられただろうと思います。そこで問題は、当時の連合国の示唆によるものであつて当時の政府もこれを認め、こういう電信電話事業というものを政府の一手に納めることになつたのでありますが、その後の情勢の変化に従つて、必ずしも政府がこれを所有し、政府がこれも運用しなければならぬ性質のものではない、こういうふうな非常な革新的な考えからして、今回の国際電信電話を国の所有、国の運営から引き離した。こはれ非常に革新的なことであつて、われわれはその英断に対して心から敬意を表するのであります。そこでそういうぐあいに当時の情勢と今日の清勢とは異なつて参つて、今日は必ずしも電信電話事業というものは政府が一手専売でやらなくてよろしいのだ、逆に今日の日本からいえば、文化日本、あるいは民主日本というものを外国に宣伝し、あるいは外国との交易を広めるためには、かえつて民営形態をとることの方が便宜だ、こういうような百八十度の転換からして、今度は民営形態に移るに至つたのであります。そこでこれはあえてお互いにりくつを言うべきじやありませんから、私はりくつを申し上げませんが、こういうようなぐあいに、少くとも三分の二は政府が株主でありますから、これは問題はありませんが、残りの三分の一は、旧株主の諸君から見れば、やはり利害関係といいましよか、経済上の関係から見れば、なかなかがまんしにくい点があるだろうと思うのであります。これはあえていえば陳情はありますけれども、どういうようなとことにせいということではないようでありまするが「少くとも政府において、もちろん三分の二の権利があるからして、政府において利益を得られるのもけつこうだが、三分の一の旧株主というものは、やはり民間から、当時の強制的な割当を受けで零細な株主が集まつてできておるのであるから、そういう諸君の将来についても御考慮願いたい、こういうような希望は一応もつともであろうとも考えられるのであります。しかしながらこの問題は当委員会としては、本会議を通過して参議院にまわつておるのでありまするから、国際電信、電話会社法に関連しての問題として、ただちにここでもつてどうこうという取扱い方は困難ではありますけれども、いずれこれらの内容については、設立委員会なりあるいは政府当局において具体的に進められるのでありますから、これらについて特設の御研究と特段の配慮があつてもしかるべきではないか、こう考えますので、大臣からこれに対するところの御所見を聞きたいと思うのであります。
○佐藤国務大臣 このたび国際電信電話会社法案を出しまして、この法案が成立いたしますれば、国際電信電話会社が設立されることになるのでございますが、その際に政府が出資する設備その他資産が、旧国際電気通信株式会社の所有であつた、この一事から、国際電気通信会社の旧株主の利益のために特段の考慮を拂わなければならない、かような理論的根拠はどうも私には解しかねるのであります。先ほど山下政府委員から当時の経過をるる説明いたしております。御承知のように、なるほど国際電気通信会社が政府に買上げされます場合に、占領下の特別の事情のもとにおいてそれが処置された。従つてその処置方法が、旧株主から見まして意に満たないものがある。かような点は、先ほどの話でもいろいろ議論の存することだと、私はかように考える次第でございます。一旦国に納められたものが、二年の経過で会社をつくる。従つてその期間が非常に短かいから、旧国際電気通信会社の株主諸君の利益のためにも考慮しろ、かように言われるのでありますが、これは理論的には私にはなかなか納得が行きかねるのであります。私はこの問題につきまして、しばしば陳情等も伺つておりまするが、適正に一旦国に讓渡されたもの、それがその後また適法に会社に移される、かような場合におきましては、ことに公正取引委員会が仲介しておるというような点を考えますると、どうも理論的には直接のつながりはないように考えられるのです。しかしながら私どもが今回つくろうといたします国際電信電話会社と申しますものは、何と申しましても民間の積極的な協力と支援を得なければならないものであるのであります。この会社設立に際しての設備をいかなる範囲に提供するか、さらにまたその評価をいかにするか、これは最も嚴正を要する問題であります。この点において何ら暗いような感じを残しては相ならない、かように私どもは考えておるものでありますが、ただいま申し上げましたように、この会社がりつぱな業績を上げまして、国家社会の要請にこたえるためには、理解ある国民の各界の方々の御支持はぜひとも得たいものだと考える次第であります。かように考えて参りますると、旧国際電気通信会社の株主の方々は、国際電信電話につきましては、おそらく先覚者と申してもいい方ではないかと思うのであります。これらの方々に対しましては、かねてから敬意を表しておるところであります。ただいま申し上げるような理論的なつながりは私には解しかねる次第でございまするが、これらの方々が過去において国際通信について格段な御支援をいただいておるということにつきましては、心から敬意を表する次第であります。また感情的な問題から申しますると、いかにもお気の毒であるというような点も考えられるであります。もしもこの会社が国に移ることなしに、今日のような時代まで会社が経営されたといたしますならば、おそらくそのまま民間経営として一層発展したであろう、かようなことを考えますと、情愛の問題から見まして、いかにもお気の毒な点もあるように考える次第であります。従いまして先ほど来お話のありました点につきましては、政府といたしましてももちろん考慮を拂わなければならない、かように考えておる次第であります。国会外におきまして、私もしばしば旧株主の諸氏から陳情等も伺つておるのでありまして御同情を申し上げておる次第であります。何らかの処置が考えられますならば、喜んでそういうような方法も講じたい、かように考えておる次第であります。ただこの際申し上げたいことほ、先ほど来のお話のうちでも申しましたように、今回会社を設立いたしまするが、この評価にあたりましては、どこまでも適正、嚴正を期して参らなければならない。言いかえて申しますれば、評価の際にいつも問題になりますのは、その事業ののれん代をいかに見るかという点にあるわけであります。そののれん代の見方が適正でないといたしまするならば、必ずとかくの批判を受けるであろう、ことにこの種の事業といたしましては、特にその点についての関心が深められておる、かように考えますので、適正なる評価をいたしました上で、旧株主でありますとか、あるいはまたこの事業につきまして格段な関係を持ちます従業員等につきましては、株式の割当ということを考えます際には、特に考慮いたしたい、かように考えておる次第でございます。いずれにいたしましても、今後残された問題でございまするが、先ほど来のお話をよく理解いたしまして、できるだけ旧株主のお気持にも沿い得ることができますならば、さような処置をとりたい、かまうに考えている次第ございます。
○石川委員 ちよつと関連して……。大臣にちよつとお伺いいたしますが、実は大臣の、ただいま政府が元の会社の株主に対して特に考慮するというお言葉を聞くと、私は意外に存じます。前半の方を聞きますと、私は大臣の御決心を実にそうあつてほしいと存じておりましたが、あとで政府がここに考慮する、株主には株式募集のときに特段の考慮をする、こうおつしやるのでありますが、ほんとうにそうお考えでありますか。もし犠牲ということになると、農地解放で五十万の人たちが大きな犠牲を拂つておるのはどうなさるかということを、政府にお聞きしなければなりません。この点どうしても明確にしておかなければなりません。
○佐藤国務大臣 しごくごもつともなお話でございます。従いまして前半に申し上げましたのが、私の基本的な考え方であります。しかしながら同時に株式を一般に公募いたしますような際におきましては、いろいろ割当等において特別な関係のある人に優先的に考えるということ、これは今日株式募集の際に普通に行われておる方式であります。私はこの方式をただちに採用すると申し上げるわけではないのでございますが、かような方式が可能でありますならば、十分考えてみたいという意味でございます。
○石川委員 私はそれあるかと存じまして、実は株式の引受け等についても政府当局に質問したはずであります必ず公平にやる、申込み順にやるというように承つて、私は安心しておりましたが、大臣はやはりその点を考えられて、御信用申し上げますから、公平にやつていただきたい。そうでなくても、自由党の諸君の言うように、この会社を建てるについて、世間では何か疑いを持つているようだと質問したところが、そういうことはないと答弁しておられる。たとい何もない公正なことであつても、旧株主にやるというようなことを大臣が言われると、問題が起るのじやないか。私は政界のことは暗いのですが、そういうことに対して大臣は疑われるようなことを言うべきではないと思う。これはあなたのためにも、日本ののためにもお願いしたい。もう一つ言わせていただきますと、あなたがそうおつしやると、過激な青年はそういう言葉じりまでつかまえて来るということを、十分お考え願いたいと思います。
○佐藤国務大臣 ただいまの石川さんのお話、たいへん御好意のある御意見のように伺いますが、私どもはどこまでも正常の方法と申しますか、極端な処置はとらないつもりでありまするが、普通経済界で行われる方式は、これはあえて避ける、べきではないだろう。これはただいまはつきりきまつたわけではございませんが。経済界の問題は、経済界の慣習なり、通常行われる方式をとりますことが普通の処置ではないか、特にこれを別な方向にとりますことが、異常な処置でないか、かような考え方をいたす次第でございます。ことにこの会社をつくりますに際しましては、石川さん初め皆様方からたびたびお尋ねをいただいておるのでありますが、特にこの会社の評価にあたりましては、非常にむずかしい問題があるわけでございます。先ほどちよつと触れましたのれん代をいかに見るかという問題は、ここにいろいろの疑いを持つて見られる点もあるわけでございまして、評価はどこまでも嚴正にいたさなければならない。ことに政府の持分といたしましてのこの株式等を、ただちに処分をいたさないで、大蔵省の所管に移して、時価によつてこれを処分して参ろうと申しますのも、痛くない腹を探られたくないという気持から出ておる次第でございます。しかしながらどこまでも私経済の事柄でありますので、私経済で普通に行われますものは、特に排除する理由がない限り、やはりその原則に沿うべきではないかということを、先ほど抽象的に申し上げた次第であります。この会社設立にあたりまして、特にこれを考えておるので、そこまで断定なさることは、私の表現が、もしさようにとれましたならば、私はその点緩和をいたしますが、さような気持でいることを率直に申し上げた次第であります。
○橋本(登)委員 一応この問題については、政府の所信が大体明らかにされましたので打切りまして、本日議題になつております両法案の問題について、本日は全部にわたつての質疑は困難でありますから、一部の質問を申し上げて、あとは次会に保留したいと思うのであります。今回の公衆電気通信法案及び有線電気通信法案、この両案は、従来の電信法を、政府の申すところによりますれば、性格を異にしたものを全然二つのものにわけまして、そこで電気通信に関するところの体系を整えた。こういろ意味では、非常にりつぱな法律であると思うのであります。そこでわれわれは、ことに大臣が、こういうような国民一般に非常に関連の深い電気通信設備についてはできるだけこれを国民一般に開放したい。いわゆる政府が独占すべきものではない。こういう観点に立つて、できるだけ従来の政府の独占方針から、これを大幅に緩和して、そこでできるだけこうしたものを利用する場合においての自由を認めたということについては、非常に革新的な立法であつて、われわれは心から敬意を表するのであります。そこでこの問題のうちのこまかい点については、本日十二分に質疑をする時間がございませんので、これを残しますが、特に事前調査においてもわれわれが問題にしておりましたいわゆるこのPBXの問題、及びこれらに関連する問題があるのであります。大体この問題については、今回の新立法によつてその区分が明らかにされまして、かつて民間電気通信事業の工事者が行つておつたその仕事が、大体において元にもどされまして、自由競争の原則に立つ立法ができておりますけれども、なお二、三の点については、その点が明確になつておらないようにも感ぜられるのであります。これは逐條審議に讓るべきでありますけれども、とりあえずわれわれはこれを勉強しまして、二、三明確でない点がありますので、この関係について、こまかい点をお聞きいたしまして、政府の意図を明らかにしてもらいたいと思います。それは特にこの問題において、われわれが事前に問題にしたのは、いわゆる第七章の雑則、利用者による設置の問題ですが、これは今回画期的な一つの法案の中心をなすものですが、第百三條の「左の公衆電気通信設備の設置は、加入者又は専用者が行うことを妨げない。」という原則が打立てられたわけであります。「但し、同一の加入電話の電話回線又は同一の専用設備たる回線の一端に接続するものの全部についてする場合に限る。」こういうような但書がついておりまするが、この但書の内容は、どういうことを意味するのか、その点ひとつ具体的に御説明を願いたい。
○吉澤説明員 ただいまの御質問にお答え申し上げます。ただいまの百三條の但書の問題でございますが、これは こういう趣旨のもとに書いたのであります。このPBXの構内交換設備及び内線電話機並びにこれらの付属設備、あるいは専用設備、専用設備と申しますと、市外専用の設備は代表的なものですが、それが専用者の宅内に入りまして、その他の端末設備というものが、自由に設置できる。これがいわゆる今お話の自営の根本方針をきめたものであります。そこでその端末の場合におきまして、たとえば交換機だけは自営するけれども、その回線、回線の電話機が百あるうち、五十だけは直営するけれども、あとの五十は公社のものでやつてもらう。こういうふうな一部分のことでは、これは保守上困るし、そういう意味で全部まとめてもらいたいという意味であります。別に利害の問題はございません。従つて交換設備、内線電話機、付属設備全部一括してやつてもらう。やるなら自営をする。それから専用設備の末端の機器も、全部そういうようにしていただく。こういう趣旨でありまして、むしろこの方が加入者の自営にも非常に適しますし、また部分的に公社の直営する部分あるいは自営する部分がこんがらかることによりましての不便、あるいは保守の困難がない、こういう意味でこの規定を設けた次第であります。
○橋本(登)委員 そうしますと、この専用線といいますか、加入電話が入つていまして、その加入電話から私設のこうした構内交換機でもいいのですが、そういうものが引かれた場合においては、それはこれから除外されるというのですか。
○吉澤説明員 ただいまの御質疑の要点は、こういう意味かと存じますので、それに対してお答えを申し上げますが、今までに私設の設備を持つておるその場合に、そこに加入回線、いわゆる公社の局線といいますか、それを引きたい。そうしてそれと接続すれば、これがりつぱなPBXに入る。今回この自営を認めましたのは、そういう意味の利益もあるのであります。従来は自営なりあるいは直営なりにおきましては、大体においてその加入回線とともにPRXを施設する、こういうのが大体普通のやり方でございましたが、今回は他の方の有線電気通信法によりまして、同一構内、同一建物内におきますところの電気通信設備は自由に設置する、こういうことでございますがゆえに、その重要な設備を持つておつた既設の私設設備を利用いたしまして、新しく公社に申し込んで加入回線を設備して、PBXもできますし、またはすでにその同一構内に加入回線を持つておつた、しかしながら今までは接続を許さないために構内だけの私設設備に終つておつたものも、その構内にあるものと同じように、加入回線とともに接続するということも同一にこの百三條においてできるものと御解釈願いたいと思います。
○橋本(登)委員 そうしますと、これは従来の加入電話を持つておつて、それに対して今度はあらためてPBXといいましようか、私設交換台を設ける、こういう場合においては、この條文において一般の連中も保守及び維持ができるのだ、こう解釈してよろしいですか。
○吉澤説明員 その通り解釈してよろしいと思います。
○橋本(登)委員 なおこの條文も、どうも見ようによりますと、何か新たにこれから第一号の「構内交換設備及び内線電話機並びにこれらの附属設備」及び二、三号、こういうようなことが新しく施設せられる場合において適用せられるものか、従来施設せられておつて現在は電通省が保守及び維持の任に当つておる、こういうものもあらためて今度は利用者の希望によつていずれが利用してもよろしい、こういうふうになるのか、その点について不明確なんですが、それはどう解釈してよろしゆうございましようか。
○吉澤説明員 百三條に関する限りは、別に新たにというような意味でございます。先ほど申したように、既設のものも利用できる。そこで過去のものについての問題が一応御疑問になろうかと存ずるのであります。と申しますのは、昭和二十三年もしくは二十五年以来自営を禁止いたしまして、本来ならばその加入者が持つておる設備も電通省に買い取るなり、あるいは寄付するなりいたしまして電通省の設備として所有をし、かつ保守し行くということを当時希望したのでありますが、諸種の事情によりまして所有権は加入者におくが、保守は統一してやつた方が、公衆電気通信全般のより円滑なる疏通をなし、かつ利益であろうということで、一時的な措置として、ただいま加入者に対して、所有権あるものに対して、こちらが保守を引受けて、いわゆる保守引受けのものについて今後どうなるか、この問題が御質問の中に一点あろうかと思います。これにつきましては、今後自由に、公社の方に保守はいらない、わしの方で所有権もあるし、自営をする、また保守をするという御希望があれば、ただちにその方にお許しをする次第であります。なお今後公社の方でやる直営の方に、電信電話債券を買いましてする場合もあるだろうと思います。その場合におきましても保守だけはおれの方でやる、所有だけは公社でやつてくれ、こういう点は因りますがゆえに、今後新しく直営の場合におきましては、これは保守も所有も公社の方でやつて行く、こういうふうに考えております。なおまだ今後におきましても直接自営はしたい、自営はするけれども保守者の適任者がない、そういう場合にひとつ公社の方で保守だけ引受けてくれないかという場合も予想されますために、そのようなことはこちらといたしましてもサービスの点でできるだけ御要望に応じたいと思いますがゆえに、業務上支障ない限りその点も保守だけでも引受けて御希望に応じたい、こういうように考えております。
○橋本(登)委員 そういたしますと、政府が所有しておる分担金といいましようか、措置法によつて金を出して政府の所有になつておるものについては、これは政府の方においてといいましようか、公社の方において今後は保守も行いたい。それからそうでなくして、今日でも民間の所有になつておるものは、もしこれを公社でやつてほしいと言えば公社でやるし、民間でやつてもらいたいと言えば民間でやつてもらいたい、こういうように解釈してよいのですか。
○吉澤説明員 第一の問題につきましては私の御説明で実は漏れましたので、御疑問をお持ちになつたと思いますが、第二以下の問題はおつしやる通りであります。政府が、すでにただいままでこの電話設備費負担臨時措置法によりまして負担金を拂つておる、そうしてその所有権が電通省にある、こういうものは一体どうするかということにつきましては、目下取運び中の施行法におきまして、当時の支拂いした金に当るべき額に相当する電信電話債券を交付したい、もしくはそのまま無償で設備を讓渡する、いずれかの方法によりまして、過去のものを今後自営にすると同じような立場で均衡をとりたいという意思のもとにやつております。従つてその点もやはり自由に自営もできますし、あるいはそうでない場合もできる、こういう形になると思います。
○橋本(登)委員 それから第百三條の問題ですが、その中の一、二、三の三号ですが、三項の「専用設備の端末機器その他端末の設備」、この項目の中には、いわゆる普通いわれるところの転換器、またはこれを分器によつて増設をする電話の設備、この設備は三号の中に入つておると解釈してよろしいか、あるいは入らないのか、その点はどうですか。
○吉澤説明員 この点につきましては、今の転換器によるのは付属設備という中に入つております。実は法案の第三十三條に附属機器という項目がございます。この中の代表的なものがいわゆる転換器すなわち乙増と申しますが、それは直営で行きたいと考えております。その理由といたしましては、実はこの加入電話はこれは直営でやる。加入電話からわずかにスイッチによりまして、その転換器によりましての乙増というものについては、保守する場合に加入電話とともに保守する方がいいのじやないか、またその別々な場合におきましてはいろいろの不便が起り嫁しないか、むしろ今一般の御要望というものを察しますと、PBXの方につきましては各方面から非常に御要望になつておりますが、この乙増に関しましては、ただいまのところあまり強い御要望はない。むしろ最近におきましては私どもとして積極的に、乙増だけは予算あるいは資材ということに関係なく、五千円の負担金を拂つていただけばいつでも即時につくという態勢にやつております。従つで乙増で自営するというような御希望がないということと、先ほど申したような実際上の便宜、かつまた保守の面から、今後も乙増につきましては自営でいきたい、こう考えております。
○橋本(登)委員 どうもこの項目からいうと、転換器及び附属機器というものは入つておらないように考えましたので質問したのでありますが、ただこの点はなるほど政府側から見れば大体加入電話の延長とも見られるので、保守の責任上からいつても、一括してこれを行いたい希望は大体わかるのであります。ただこれを沿革的に、歴史的にいうと、政府が一切をこういうぐあいに独占事業でやる前においでは、この転換器及び電話の増設は、自由に民間業者が行えておつたとわれわれは聞いておるのですが、そういうかつての事情から見て、はたして当時ぐあいが悪くて、政府が加入電話と一括してやつた方がいいということになつてそうなつたのか、それとも、もちろん民間業者にかつての技師がいるのであるから、やらしても技術的には何ら不便はないけれども、いろいろな事情によつて、やはり公社が一手にやる方がいいと考えるかどうか、この点について伺いたい。
○吉澤説明員 実はこの負担法直後あるいは負担法直法におきまして、この乙増の増設整備をいたしましても、なかなか十分に資材がないために、応じない。そこでやみの業者と申しますか、そういう人たちが跋扈いたしまして、なかなか電通省の方へ頼んでもうまく行かぬ、私の方に機械があるから、これをおつけしましようという意味におきまして、不法施設が非常に多かつたのであります。これに対しまして不法施設があるということを発見されますのは、保守に行つたときに発見されるのであります。そのために乙増の機械が悪いかあるいは保守が悪いか知りませんが、加入電話あるいは相手方の電話の疏通を乱すという結果を痛切に感じました。そこで五千円という負担金を出したのでありますが、今日大体電気通信省でメーカーから購入されておりますところの電話機一個の値を申しますと、磁石式の電話が一番高いのであります。これは一個約六千九百円ぐらいいたすのであります。それから共電式がやや安く四千円ぐらいですが、自動式におきましても五千数百円する。そこで五千円を拂つても、これはむしろ加入者が市価で買うよりも安くつくのじやないか。今日では価格的に申しましても、すでに五千円の負担金を拂つてもいいのじやないか。かつその機械は当局の方で十分に吟味いたしますし、また接続につきましても十分検査をいたしますために、加入者においても安心していられる。すでにこういう状況になりましたので、むしろこれこそ直営で公社ができる幅としてのサービスでやるべきじやなかろうか。こういう意味をもちまして今回乙増のものはまず認めて行きたくないという考えでおります。
○橋本(登)委員 政府の希望といいましようか、電通省側の希望はよくわかるのでありますが、ただこれは考えようによりましては、五千円の負担金を出して引く、政府の方は大体五千円でもつて基本金としておるわけですが、その上に毎月損料と申しまして、維持料か何かをもらつているのであります。そうなると、もしこれを自由にした場合に、あるいは二千円なり三千で同じようなものを引けるかもしれない。というのは、あえてこれで買えるというわけじやないのですが、毎月同じような損料をもらつてやつて行けるならば、必ずしも購入価格の五千円に近い金をもらわぬでも、二、三千円のものをもらつて、あるいは無料で貸して、毎月の維持料というものによつて拂わせる、こういう方法もできるのじやないか。こういうところに非常に独占事業の無理があるのであつて、そういう点から言えば、こういうものも電話の本筋から言えば、必ずしも本筋のものではないから、一応開放して、もつと自由な競争の中に利用者の便利に供した方がいいのじやないか、こういうぐあいにも考えられるのですが、そういう点について当局として、今急にはそういうことも困難でありましようが、将来ころいうことについてどう考えられるか。この点についてお聞きしたい。
○田邊(正)政府委員 ただいまの乙種増設電話の問題でございますが、お話のような事情もあるかと思いますが、将来におきましてもこれはやはり公社におきましてやつて参ることが適当ではないかというふうにも考えておるわけであります。と申しますのは、ただいまお話の中にも、乙増の電話は本筋ではないというふうなお言葉もございましたが、私たちといたしましては、普通の加入電話の場合ではございませんで、PBXとか乙種増設電話というものを含めまして、これはすべて市内の電話網と申しますか、そういうものを形成しておるものでございます。従つてそのすべての電話機がやはりりつぱな質の電話機でなければなりませんし、またその保守の程度というものも、やはりある程度統一的に良好であらねばならない。それが全体の市内通話というものを円滑に疏通いたします場合に、一番望ましいことと考えられるわけであります。PBXにつきましてはいろいろ民間の方の御要望もございましたが、公社の方の現在の力におきましては、注文を受けまして、すぐあすからそれをつくるということも困難な事情もあります。乙種増設電話に、つきましては、ただいま吉澤説明員からお答えいたしましたように、注文がありましたならば、手間をかけませんで、御希望に応じることができるような形で着々と参つておるわけであります。そういう意味から申しまして、この乙種増設電話につきましては、将来におきましてはやはり公社の方でやつて参りたい、かように考えております。
○橋本(登)委員 私が今そのことを申し上げるのは、有線電気通信法案の原則として、こういう設備に対しては一応公社が持つものと、民間が自由にできるものというものを区別した。どつちかと言えば、要するに政府の監督及び基準に沿うてやれば、原則としてだれがひつばつてもいい。大ざつばに言えば、そのくらいに設備については一般に開放された法律案が今度できるわけです。ところがこつちの公衆電気通信法案の方では、どつちかと言えば、公社の法律といつたような、主として公社のために法律をつくつているわけですが、唯一のその基本法である有線電気通信法では、できるだけ電気通信設備というものを民間にもやらしていい。しかもものによつては認可もいらない。これくらいに思い切つて開放したのですから、それの一つである電話のごときものも、その根幹はやはり一応政府として、あるいは公社として握つておく必要があるけれども、その末端の運用あるいは部分的なことは、原則として開放することの方が、この有線電気通信法案というものをつくる一方において、公衆電気通信法案というものをつくつた趣旨ではなかろうか、こういうふうに考える。ただこの問題は、公社の財政状態に大きい影響がある、こういう議論から行けば、これは別問題になると思いますが、そうではなくして、電気通信設備から言えば、私の考えの方が合理的じやないか。ただ私の考えが合理的であるが、現在の公社というものを維持運営せしめるためには、あまり開放してしまつてはやつて行けないということもあり得るだろうと思うのですが、そういうことから言えば、いろいろの事柄があるだろうと思いますけれども、原則としては、私の考えていることの方が筋が通つているのじやないかと思うのです。その点について御意見を伺いたい。
○田邊(正)政府委員 お答えいたします。今度の有線電気通信法案におきましては、公社以外のものが設備をする電気通信設備につきましては従来とかわりまして、非常に大幅に制限を緩和いたしたわけであります。しかしそれは一つには、公社が公衆電気通信業務を経営いたします場合の独占と申しますか、その独占に対しまして障害を與えないとこういうと、もう一つは、できるだけ広く一般に電気通信の利便を享受させる道を開いておくということと、その二点の調整の問題でございまして、われわれは有線電気通信設備の設置の自由を認めることが、今申し上げた二つの要請を調整する一番いい方法ではないかというふうに考えたわけでございます。従つて有線電気通信法案におきまして、公社のやる幅と公社以外が設備し得る幅をはつきりきめたわけでございまして、公衆電気通信業務は言うまでもなく公社が当然その任務としてやつて参らなければならぬ。ただ公社が自分の独占に属する仕事をやつて行きます場合に、たとえば局舎を建てる場合、これは自分の手に負えませんし、また民間に建築業者があるのでございますから、そういうものを利用する、あるいはまた市外線路を建設する場合にも請負をやるというふうに、公社が行う事業内容を実際自分の手でやるか、あるいはその一部を民間に請負わせて、民間の助力を求めて行くかということは、仕事のやり方でございまして、仕事の幅ではないと考えるわけであります。それで今の増設電話の問題につきましては、これは当然公社でやるべき仕事である、そしてまた公社の力も、現在において増設電話につきましてはとにかくあまり希望者に御迷惑をかけないで、需要を満たして行けるという形になつておりますので、やはり公社においてやることが適当である。また収入の点につきましても相当な影響があるわけでございます。そういうふうな意味から、やはり増設事業については公社でやつた方がよろしいという考えを持つているわけであります。 なおもう一点申し上げれば、この有線電気通信法案において、公社のやる幅と公社以外が有線電気通信設備を設置できる幅とをはつきりきめてございますが、それをきめましたのは今申し上げた二つの要請を調整するということでやつて参るのでありまして、従つて有線電気通信法案において相当大幅に有線電気通信設備の設置の幅を認めましたけれども、これは公衆電気通信業務のための設備の幅を広げたものではございませんで、自分の専用に供する施設について大幅に制限を広げたわけでございます。従つてこのように大幅に制限を広げられた有線電気通信設備の使用の場合におきましては、公衆電気通信業務にわたらないように一定の制限をいたしておるわけでございます。
○橋本(登)委員 その問題はそのくらいにして、やはりこまかい問題ですが、この中を見てみますと、よく問題になつているビル建築などに施行する供給線工事といいますか、あの規定についてはこの項目でまだ明らかでないようであります。従来は供給線工事については必ずしも特定の人がやらなくても、いわゆる電気事業者といいましようか、だれでも電燈工事というものをやつてもいいようになつていたようですが、これについてはどう考えておられるのか、あるいはまた省令その他によつてそういう問題を別に企図する考えがあるのか、あるいは従来同様にだれがやつてもいい、もし悪ければあとで直せばいいのだという考えでこの問題に触れておらないのか、この問題についてちよつとお伺いいたしたい。
○吉澤説明員 お話のごとく、現在におきましては宅内の配線用の暗渠導管の供給並びに設備は加入者がなすということになつております。その技術基準をどうするか、あるいは特定の資格を持つた業者でなければ許さないということにつきましては、ただいまのところ自由に工事をさせ、かつ技術基準についても積極的なとりきめをしておりません。しからば今後においてはどういう考えを持つているかということでありますが、大体ビル等におきましては、ビルの建築中において、将来そのビル内における電話の需要を予想して暗渠導管をつくるというのが大体のやり方でございます。その場合に電燈線と同一の導管の中に改めるということは非常にまれでありまして、ビルにおいては電話線は電話線だけの導管をもつて各部屋の中に引込線を設けるという実情であります。そこで今後におきましてPBXの設置及び保存の工事につきましては、郵政省令の定めるところによつて、公社が認定する資格を持つた者でなければ許してはいけないということにきめましたが、その業者は右の資格を持つた者に限るという考えをただいま持つております。しからばPBXと同じような技術基準を暗渠導管まで適用させるかということについては、目下検討中でございますが、大体支障ないというならば今のところ自由にいたしたいと思いますが、電話線の暗渠導管ですから、できれば勧告、慫慂の程度でよろしかろうという意味で、そういうような技術基準を指導いたしたいと考えておりますが、これは技術的にちよつとできにくいと考えております。
○橋本(登)委員 それからこれに関連するのですが、第七項に工事担任者の認定ということがあるのですが、従来は業者の認可と、従事者の資格認定と、責任者の三つにわかれていたように思うのです。ところが今度の法令では、工事担任者だけが認定されて、業者の認可とか、責任者の認可という問題がはずされているのですが、どういう事情でこうなつたのですか、その事情を御説明願いたい。
○吉澤説明員 お答えいたします。お説のごとくただいまにおきましては、工事の担当者それから従事者の二つにわけて、それぞれの差異を設けた資格試験をもつて認定いたしております。しからば今度の法律案においては一つになつているじやないかというようにお考えでありましようが、実は第七項は、今日やつていると同じように工事担当者いわゆる責任者である業者、またその業者が責任をもつて使う従事者いわゆる直接工事に従事する者、こういうものを含めた従事者の試験も第七項でやつて行くつもりであります。
○橋本(登)委員 この工事担任者の試験内容ですが、この規定によりますと、四十九條及び五十條の規定を準用するとなつておりますが、四十九條、五十條を見ますと、電話の交換手的なことであつて、工事に関するような技術試験ではないように思われるのですが、この点どう解釈したらよろしいのですか。
○吉澤説明員 この工事に従事すべき者の資格の要件につきましては、おのずから交換手の資格と違うのでありますが、この試験の方法とか、あるいは資格証を交付するとか、そういうようなことにつきまして、この交換手の認定を準用することになりました。内容についてはおのずから必要なる課目なり、あるいは試験の内容を施したいと考えております。
○橋本(登)委員 時間が大分過ぎましたから、あとの問題は次の機会に讓りたいと思いますが、一つだけちよつとお聞きしておきたいのであります。これは有線電信電話ではないのですが、たとえば現在電波の利用については非常に広範囲に認められておる。そこで最近たとえば新聞社が超短波を利用したニュース・カーを利用して電話によつて本社と接続をする、そして電話連絡によつて材料を入手するわけです。あるいはまた最近では通運業者といいましようか、運送業者がそういうような超短波を利用して、荷物がここにあるから寄れということをトラックと連絡をとつてやろうというように、超短波電話というものが非常に広範囲に利用されようとしている。これは今日の有線電信法及び公衆電気通信営業法には触れるわけには行かないのですか。そういうものによつて電信電話の領域がわかれて来るのではないか。そういう問題に対して政府としては、この電波というものは国民のものであり、国民が広くこれを利用するのだという電波法の建前はありますけれども、実際上はこれがなければ、電信なり電話をもつてこれが連絡の用に達している。ところが今度は超短波電話によつてこれを行うということによつて料金はいらないわけですが、こういう将来の問題との関連について、この法案には直接関係がありませんが、将来の公社の財源等にもいろいろ影響があると思いますので、そういう問題についでどう考えておられるか、最後にお聞きいたしまして、あとの問題は次にお聞きしたいと思います。
○田邊(正)政府委員 お話のような事柄は最近たいへん多いのでございまして、私たちもその問題について考えているものでありますが、今度有線電気通信法におきましては、自分の専用に供するもの、そういうものにつきましては大巾に制限を解除したわけであります。同じように電波法につきましても今お話のような場合におきましては、やはり無線でありますけれども、自分の仕事の専用に供する場合もございます。従つて有線電気通信法によつてそういう緩和をいたしましたこの際、無線につきまして逆に制限を強化するというようなことは妥当ではないというふうに考えましたので、その点は規定いたさなかつたのであります。と申しますのはもう一つありまして、むろんそういうふうな事業のために超短波を使います場合には、無線局の免許を受けるわけでありますが、公社といたしましても将来そういう方面におきまして無線電話の仕事をやつて参る必要は考えております。たとえば現在一つ考えておりますのは、東京とか神戸とかいうような港におきまして、港の船と陸上との市外通話を、本年度から東京、横浜港と神戸港におきまして実施に移したいと考えているわけであります。それからまたいろいろと考えて参りますと、公社においても将来無線電話を利用して参るという部面が相当多いと思いますが、現在の状況におきましては、現在やつております仕事につきましてもななか思うにまかせない点がありまして、そこまで手が延びないという実情でございます。従つて今仰せになりました問題につきましては、むろん公社としては将来の営業内容と申しますか、事業内容としては考えて参りたいと思いますけれども、しかしさしむきの問題としてそれを扱つて参るほど財政上の余裕がないというふうに考えているわけであります。
○田中委員長 本日はこの程度にとどめ、来る十七日午前十時より開会いたすごとにいたしまして、これにて散会いたします。 午後四時十七分散会