電気通信委員会 第26号
- 発言数
- 64 件
- 登壇者
- 8 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1952/05/22
会議録
○田中委員長 これより開会をいたします。 日本電信電話公社法案、日本電信電話公社法施行法案及び国際電信電話株式会社法案を一括議題とし、質疑を続けます。佐藤大臣より今までの答弁に関し補足の説明があります。発言を許します。佐藤大臣。
○佐藤国務大臣 昨日の御質疑に答えました中に、現在までの特別会計において利益金を生じました場合に政府に組み入れるやの発言、組み入れると解釈なさるような発言をいたしたと思います。この点はよく取調べましたところ、電気通信事業特別会計法第六章決算、その第三十五條の第一項に「この会計においては、毎会計年度における決算上利益を生じたときは、これを積立金に組み入れ、欠損を生じたときは、積立金を減額して整理するものとする。」かような明確な規定がありますが、たしか松井さんのお尋ねに答えました中に、ただいまのような明確な説明をいたさなかつたように記憶いたしておりますので、誤解のないようにこの際に発言をいたしておきます。
○田中委員長 質疑を続けます。松井君。
○松井(政)委員 大臣のただいまの発言に対して聞いておきたいのですが、昨日の答弁に対する補足ですか。それとも昨日の答弁の訂正でございますか。この点は速記録を見れば明らかですけれども、明らかにしておいていただきたいと思います。
○佐藤国務大臣 この点はただいま申し上げましたように、いろいろ誤解を受けているように考えますので、はつきり所信を重ねて披瀝いたしたわけでありまして、その点であるいはこれを訂正とお考えになりますれば、その通りでさしつかえありません。
○松井(政)委員 わかりました。
○田中委員長 田島ひで君。
○田島(ひ)委員 私のお開きしたいことは、前委員から大体お聞きになつておられますが、残念なことに政府側の答弁が非常に具体性を欠いている。また科学的な答弁をなされておりませんので、重複いたすかもしれませんが、重ねてその点を少し詳しく御説明いただきたいと思います。と申しますのは、御承知のように明治以来数十年間、二千数百億というような厖大な国民の資産がこのようなあいまいな政府の説明で、しかも法案によつて、国民の財産からばらばらに分離させられてしまつたということは非常に重大なことでありますから、その点をもつと明確にしていただきたいという観点からお尋ねしたいのであります。 そこで今までのいろいろな御質問の中には、新しい公共企業体並びに民営会社の長所なり欠陥なりが相当指摘されておりますが、数十年来国営でやつて来た通信事業のどこに欠陥があつたかという点を、もつと根本的に御説明いただきたい。そしてこれを具体的に御説明いただきたい、それがない以上は、なぜそれをこのようにあいまいな法案のもとでかえなければならないかということが理解できないのでございます。 第一の点でまずお伺いいたしますのは、通信事業が発足以来、だれのために一番多く使用されて来たか、サービスを提供して来たか、これが一番大きな問題になるのではないかと思います。公益性とか、国民のためとか言われておりまするけれども、一体どこに一番多く通信事業が使われて来たかという点を、具体的に大臣に御説明願いたいと思います。
○佐藤国務大臣 田島委員におかれましては、この委員会に毎回御出席でありまするし、質疑応答等の経過についてもよくお聞き取りを願つたことと思います。申すまでもなく電信電話は一言で申せば、国家、国民のために使われて来ておるという言葉に尽きると思うのであります。しかしながら今日までの普及度合いから考えますると、まことに低い状態であります。従いましてただいまお尋ねがあつたような御疑念を生じておるのではないかと私は懸念いたしまするが、普及度が非常に低いこと自身が、特定の人たちのみがこれを利用したと考えるのは、論理的に必ずしも当を得たものではないだろうと思うのでございます。問題は、現在までの普及度といたしましては、確かに非常に低いものであり、公益性を主張し、またその使命を達成しようとして、関係者、政府一体になつて努力いたして参つておるその気持を十分御了承願いますならば、国家、国民のためにこれが使われておるということを御了承願えるのではないか、かように考えております。
○田島(ひ)委員 大臣のお答えでは私はまだよくわかりません。私の質問がはつきりしなかつたかもしれませんので、もう少しはつきり申し上げますと、大体通信事業は軍関係にも非常に使われておつた。警察関係にも使われておる。それから一般国民より大企業、大資本家に非常に多く使われて来ておる。そういう点の御説明が今ここでできなければ、発足以来の大まかな資料を出していただきたいと思います。そういう点がやはり検討されていなければ、こういう重大な法案を出される基礎にならないと思います。その点のパーセンテージをお持ちでございますれば、一応御説明いただきたいと思います。
○佐藤国務大臣 ただいま正確な数字等については私持合せがありませんが、お尋ねのように、国家、国民ということを申しましたが、国家が活動いたします場合におきまして、通信機関があるいは軍事上使われる場合もありましようし、あるいは治安保持上特に通信として必要性を痛感されておる場合もあるわけであります。あるいはまた純然たる平和部面において、日常の経済活動において、あるいは日常の生活の面からも利用されて参るわけでございまして、この点は今のパーセンテージ云々のお話でありまするが、今までの普及度合いをお考えになれば、一応大まかな点は頭に描けるのではないかと思うのであります。私どもが念願をいたしておりまするのは、これはもつともつと普及さして、あたかも鉄道を利用する国民、あるいは郵便制度を利用する国民、こういうような位置に持つて行くのが、本来の理想的形態だと思うのであります。従いましてこの大使命達成のために極力くふうをいたして参りたい、かように考えておる次第であります。
○田島(ひ)委員 私のお聞きしておるのはそういう一般論ではないのです。少くとも問題は、この大きな国家事業をこういうふうに変革するのですから、私はそれを科学的と申しますか、もつとはつきりした根拠にお立ちになつておられるはずですから、今大臣が具体的にお答えになれないならば、資料を提出していただきたいと思います。と同時に、次にもう一度念を押しておきますが、一体国民のためとかなんとか言つて、それはだれでも言う言葉なんですが、通信事業のサービスは一体だれを第一の目標としておるか、現在までだれのために一番大きな目標を置かれておるかという点もはつきりお示しいただきたい。それから先ほどの私の質問は一般論をお聞きしておるのではありませんから、ここでお答えできなければ、発足以来のはつきりした資料を提出していただきたいと思います。
○靭説明員 ただいまの御質問に対してお答えいたします。軍事上あるいは警察事務用に電気通信が多く使われたのではないか、こういうような御質問でございましたが、大体当時逓信省におきまして経営いたしておりました電気通信というものは、一般的な通信をやつておつたのであります。警察は警察で別の通信系統を持つておつたのでございます。終戦後これを統合いたしたのでございますが、その点過去におきましては、警察は警察として別の電気通信系統を持つておつた、こういう状態でございます。それから軍におきましては、陸軍、海軍とございましたが、これも法制的には軍用通信は陸軍、海軍みずから施設経営できる形になつておつたのは御存じのところかと存じます。もちろん戦争中におきまして公衆通信を軍用に供するということはあつたのでありまするが、平時においては、もちろん全体的に国民全体の需要に応ずる、すなわち政治、経済、文化等を使用の目的として、通信の整備拡充をやつて参つたので、電信におきましては非常に全国的に各地域まで電報が到達するような普及を見たのでございますが、電話におきましては、すでに御承知のように需要に対して供給がマッチしてなかつたために、国営事業でありまして、国の財政政策の影響を受けまして、どうしても財政的な資金の援助ができない、あるいは公債の募集もできないという場合におきまして、現在あるような負担金の制度がとられて参つた。そうなつて参りますと、やはり電話を利用する経済的負担に耐え得る方面でなければ利用できなかつたという過去の事実があるわけです。電気通信省の設置の目的におきましても、電気通信を国民全般にあまねく利用できるような態勢にするという理想のもとに、戦後電気通信省ができたわけですが、在来といえどももちろんそういうような方針で参つたのです。要するに電気通信施設は国、社会活動の基本的施設であるというような点を本旨といたしまして、その目的達成のために施設経営されて参つたことは事実でありますが、ただ国営形態におきまして、この委員会においてしばしば御説明申し上げたような状態におきまして、さらにこれを整備拡充するに必要な企業形態に整備することが、今度のこの公社法案を出した理由に相なつておる次第であります。
○佐藤国務大臣 一言つけ加えておきたいと思います。ただいまのお話で、今回の通信電話事業としてはよくおわかりいただいたと思いますが、もう一つ見のがせない事柄は、電信電話事業を国が経営いたして参りました場合に、いわゆるメーカーと申しますか、機器生産の面におきましては、大部分国内生産で参つておるのでございまして、この意味合いにおいては日本の産業の発展にも寄与し、また同時にその意味においての国民生活の面にも多大の関係を持つておるということは言えるのでございます。その点だけつけ加えておきます。
○田島(ひ)委員 次官のお答えは多少大臣より詳しいのでありますが、私が詳しい資料と申し上げましたのは、代金がどのくらい使われているか、軍の方は建設の方は独自でやつておると言われますが、戦争当時は相当軍の関係にこれが集中されております。私もここに詳しくは持つておりませんが、これは戦後何かの資料の中へ出ていたと思います。そういう点の推移が私ははつきり知りたいと思います。 第二の点は、今までどういう目的でやつておつたか、これは一般的に申しますと、やはり大企業中心、都会中心であるか。現在も今後もまたどういう点に重点を置いて行くかということを、一応念のために聞いておきたい。
○靭説明員 お答え申し上げます。過去におきまして一般に負担金等を課した、というと言葉は非常に悪いと思いますが、頂戴したようなときにおきまして、負担金をとらない、すなわち政府機関というものについてはとりません。そういうものは優先順位ということで、大体一%あるいは多くて三%くらいの割合で、過去におきましては年年何個を増設するということで、期間を定めて加入者の申込みを受付けた。その場合の分配方法として、そういうふうにやりまして、あとはまつたく抽籤によつてやられたというような時代もあります。それから抽籤では非常に不公平だ、こちらとしては、国民のもつと電話を利用したいという方面に電話が行かなければならぬというところから、優先順位という基準を設けまして、公益性を中心として、必ずしも金さえあればつくのだというような観念でなく、公益優先というような点で電話の架設が行われて参り、現在におきましてはやはりその公益優先という観念を持ちますと同時に、一方におきましては、電話を申し込むのはだれでも必要だからなのだという意味合いにおきまして、あまり公益優先に偏した、というと語弊がありますが、もう少し自由につけられる幅をつくりたいということが一現在の優先順位の基準になつております。過去におきましては、たとえば戦争中においては、まあ当然の措置かと思われましたが、飲食店等にはまずつけない。しかしその後におきましては、これらの電話の需要という点において、できるだけ全般的に電話が架設されなければならぬという意味合いにおきまして、優先順位基準が非常にかわつて参つた、こういうことに相なつております。すなわちできるだけ区別を設けないで、電話というものは需要に応じて供給するという建前をとるのが根本的な方針でございますが、何分にも需要と供給とがきわめてアンバランスなので、そこに公益優先というような形をどうしてもとらざるを得ないという状況にあるわけであります、 それから都会と地方との関係でございますが、逓信事業というものは郵便と一体的に経営されて参つております。地方においても、できるだけ郵便局で電報を打てる、電話も通話ができるということを基本的な観念といたしましたので、ともかく通話の手段がないというような村等をできるだけなくす方針で、地方村落等におきましても電話の利用ができるような方針のもとに施設して参る、これはただ数だけで申しますれば、加入希望の何パーセントを充足するかというような方法をとりますれば、なかなか農村その他の方に施設の整備ができない。従いまして電話の公共性と申しますか、そういうような観点からともかくできるだけ早く全体的に、各家につくことはできなくても、郵便局へ行つて通話の利用ができるというような形、電報はともかくどこでも大体到達できる、こういうようなことが基本方針として現在経営されて参つております。これに対しまして現在特に非難の高いのは、大都市が非常に戦災をこうむつたところが多い。しかも非常に電話に対する需要が増大している。もう少し都市中心主義に重点を置いて施設計画を立てなければならぬではないか、こういう要望が非常に高いのであります。もちろん現在におきまして大都市中心主義をとりますと同時に、ただいま申したように全体的に電話が普及できるようにという、狭い幅におきましてもそういうくふうをしまして、経営されているわけであります。毎年度の事業の設定計画等につきましては、すでに皆さんも御承知のような状況になつておるのであります。
○田島(ひ)委員 次官の御説明を聞いておりまして、念のためにもう一度御質問をいたしたいのでありますが、事業の公共性ということを強調されておりますが、私どもの見る目では、公共性より企業性が中心になつております。戦時中破壊され、荒廃した電通事業の再建にいたしましても、どこに中心が置かれているかといいますと、今ここに資料を持つておりませんけれども、たとえば局舎なんかでも、千代田局なんかは厖大なものになつている。あれを利用するのは一般国民でもなければ——公共性ということを言われるかもしれませんけれども、やはり大企業中心、丸の内を中心にした大企業を中心に優先的になされているのではないか。その他の局舎は相当荒廃して使いものにならないところがあつてもそのままになつております。だから私が念を押しで聞きたいのは、どこを目標にしておられるか、それがはつきりいたしませんと、公共性とか、企業性とか、国民のものだとか何とかいろいろの美しい言葉で御説明をなされましても、はつきりいたしません。今後企業体になる上におきまして大きな関連があるから、念を押して聞きたいのであります。その点はつきりお答えができないかもしれませんけれども、そういうような漠然としたお答えかもしれませんけれども、私が過去の実績についてもはつきりした数字的資料を出してくれと申しましたのも、どこにどう使われているかということは、やはり検討されているはずだと思う。それに基いてなされなければ、なぜ国営がいけないかという根拠がはつきりしない。そういう点で私は念を押してお伺いしているわけです。
○靭説明員 ただいまお答え申し上げました通りに、結局電話というものを最も平等無差別に考えてみますと、需要が百である。それに対しまして供給は十である。一割であるという場合には、それに応じて全国的に分配するということが、数字的に見ますれば一番公平な方法だという議論も立つかと思います。現在におきましては単にそれだけでなくて、需要供給の関係でいいますと、地方における希望の数というものは、都市における希望の数と比較してはるかに違つておるのでありまして、現在電話の不足は大都会において最も強く現われておるのであります。この事実を私ども無視することはできないのであります。結局究極の目標といたしましては、あまねく国民の利用に供し得るように、電気通信設備を整備発達させて行くということであります。最も合理的な料金でよいサービスを与えるということが一番の基本的な目標でありますが、現在何と申しましてもただちにその理想に到達することはできない。そこで現在限られた予算というものを使つて行きます場合には、先ほども申したように公共性を考慮し、同時に需要の実態もよく調査する。私ども電気通信施設の整備計画といたしましては、発達調査というものをいたしまして、それによつて長期計画を設定する。こういうような形をとつておるのであります。非常に抽象的だとおつしやるかもしれませんが、電話の架設状況につきましては、具体的にたとえば本年度の計画がどうなつておるかという場合におきまして、そういうような構想をもつて計画がつくられておることが明瞭に示されると思います。大手町におきます大局が、国民大衆の利用にならないというような御意見もただいま出ておつたのでありますが、やはり産業経済のほんとうの再建復興のために、現在非常にそういう活動を阻害し、不経済にしておる産業全体を経済的、能率的にするということは、国民全体の利益であると私は思います。現在百三十万程度の加入者であるから、電話というものは特殊の人の利用物であると考えることは私どものとらないところでありまして、それを通じていろいろな国民全体の利益に寄与する。新聞通信のためにかなり専用線も提供しておりますが、そういうものによつて利益を受ける国民大衆があるということは考えられるのではないかと思つております。
○田島(ひ)委員 靱次官の言葉を聞いておりますと、大体のことはわかります。いろいろりくつを言つておられますが、予算の面その他の面から結局普通の国民、中小企業あたりには電話を申し込んでもつかない、大きなところにはついて行く結果になるというようなお答えだろうと思います。いろいろ御説明がございましたけれども、結果としては大企業優先になるのだというお答えのように私は理解しておきます。 次いで国営が成り立たない理由の第二の点といたしまして、資金面が大きく問題にされておりますが、この政府の資料を見てみますと、電通事業が発足した当時におきましては、大体事業は順調に発展を遂げて来ておるように書いてあります。初めは順調に行つた電通事業が国営でうまく行かなくなつたのは、第一は明治二十七、八年の日清戦争における軍事予算の膨脹から、電話の拡張計画が一時停止された反面、軍需工業の隆盛その他の原因で電話の需要が非常に多くなつた。一方では国家の予算が軍事的の方面に向けられて電通面の方が削られ、同時に軍需産業の発達から需要が非常に大きくなつた。それに対して応ずることができなかつた。このためにこのとき初めて民営の問題が出て来ておるのであります。その次にはどうかといいますと、やはり明治三十七、八年の戦争のときに、政府のこの資料によりますと同じような結果になつて、今度はここでは特別会計案が出て来ております。第三には、第一次欧州大戦のときにやはり同じような結果から特別会計の案が出ております。第四回が第二次大戦のあとでこういうことが論ぜられております。公共企業体の問題は今度が初めでありますけれども、企業形態の問題は戦争のたびごとに問題になつている。国営そのものがいけないのではなくて、資金がないのではなくて、こういう大きな原因が予算の上にからまつて出て来ている。その点につきまして政府は検討されているか。大きな国家予算が戦争予算に持つて行かれるときには、どうしても国民の生活の方へ持つて行く予算が削減されますから、自然にこういう文化的な公共的な予算はうんと少くなります。そういうことが原因であるとお認めになりますか。その点をお調べになつておられますかどうか、お聞きしたいと思います。
○靭説明員 今お話に出ましたように、電話の拡張計画の歴史をたどつてみますと、過去におきましてはとにかく戦勝国としての国の発達があつたと思います。従つて電気通信に対する需要も急激にふえて行つた。ところが戦争が終つてから後は、ある時期におきましては景気の変動と申しますか、循環論と申しますか、不景気にもなる。そういたしますと国としてはできるだけ財政を圧縮する、あるいは戦時におきまして非常に公債を出して、その結果政府財政を健全なものにもう一ぺんつくり直さなければならないという要請が出て来ますと、一般会計として電気通信に投資する金も制約を受けざるを得ない。しかし一方におきまして電気通信の需要は、国の発展と同時にますますふえて来た。そこでやむを得ず民間の力を借りる意味におきまして、公債を募集することができない場合には、負担金ということになつたのであります。これは戦争に金が使われたから、戦争が終つてから後に電話の企業形態が問題にされるのだというように、ただいま田島委員は御判断になつたわけでありますが、国の膨脹とともに電話に対する需要が非常に強い。それに対して国の財政といたしましては、非常に巨費を使つたあとにこれを健全財政にとりもどして行かなければならぬという面から、電話に対する資金がなかなか供給できない。国家財政のわくに縛られ、なお国の財政政策によつて左右される。決して電気通信に対する需要供給によつて左右されているのではないという点が、国家企業としての一つの欠陥ではないか、こういう形になつていると思います。今回の公社法案は、第二次世界大戦の後において出たというふうに田島委員から御判断がありましたが、戦争でいまだかつてない大破壊を電気通信は受けたのであります。これの復旧というものは、とりあえず残つている施設を利用できるところは利用して電話をつけて行くということで、この間におきまする電話の加入増設数は、十万から十五万ふえて参つたと私は思つております。過去においては電話拡張で年に四万というのが最高でありましたが、しかし終戦後は十万から十五万でございます。これはすなわち復旧でございまして、線だけひつぱれば通ずるのもある、あるいは機械だけふやせば電話が通ずる、こういう形がありましたから、そういうスピードになつたのであります。しかしその後単に復旧だけでなく、整備拡充ということで、前年度におきましても十二万程度をやつて参りました。これは現在ある施設全部をフルに使つてしまうということで、私どもあき施設の利用と申しておりますが、これは必ずしも需要と供給に対して配られておるものではない。地方において電話の損失がなかつたところは、その局舎を利用し、残つておる機械を利用して、ともかく希望のあるところは全部やる。しかし電話が焼けたのはつかぬ。東京都内でも全然不可能の地域が非常に多いのであります。こういうのは局舎から機械をやらなければならぬものですから、一年ではとてもできない。三年、四年とかかる計画になるわけでありまして、そういう非常なアンバランスが出て来ておる。そういうところだけに資金を投ずるということになれば、それが完成するまで電話の加入というものは十万、二十万ととてもできない計算になつて来る。そこで戦争による通信の破壊を復旧するために、専門の電通省をつくり、能率的経営をやろうという趣旨で出発いたしたのでありますけれども、電気通信事業を一つの企業と考えた場合に、現在の資金の状況、国の全般的な行政を規律する方式というものに関連して、国家企業としていろいろ解決されてない面があるので、その制約を公社によつて解決して行こうというような目的に出ておるのであります。すなわち資金の獲得と事業経営の能率化という二つの目的をもつて、この公社ができておるこういうふうに御説明申し上げたいのであります。
○田島(ひ)委員 私は靱次官と理論闘争をするわけではありませんけれども、政府の資料によつて私は今申し上げたのであります。日本の経済の膨脹度に従つて、通信事業は発展したという見解をとつておられますけれども、日本の資本主義経済は帝国主義的な侵略戦争によつて発展した。これはもちろん戦争ごとに膨脹した。だから電話もその戦争ごとに大いに発展したというような御見解をおとりになるかもしれませんけれども、ともあれ戦争によつて国家予算が大きく削除されて来た。そのために常に矛盾を来したという点については、おそらく政府といえども否定なさるまいと思います。そういう点についての大臣の御見解を私はお伺いしたいのです。特に第二次大戦のあとには、今次官も申されましたように、空襲によつて非常に破壊されたことが第一、第二には占領軍、米軍によつて破壊された通信事業が優先的に使用されたことが第二、さらに一昨年の朝鮮事変以来、政府の資料にもありますように、国連協力の名で多くの通信施設がそつちの方に提供させられた。そういう関係から市外電話のごときは、半身不随の状態に近くなつたというような資料も出ております。さらに朝鮮事変後の特需景気、インフレによる資料の高騰によつて予算面が困難になつて来たというところにも原因があると思います。こういう第二次大戦後における大きな原因があるのに、これが国営によるところの資金難とか、あるいは国営によるところの欠陥だと見ることができるかどうか。もちろん予算の面については、現政府の立場ではいろいろ困難があるかもしれません。今年度予算においては軍事予算だけでも二千億からとられておるのです。だから常に軍事予算と、戦争予算にからまつて、通信事業の予算が非常に困難になつておるから、国営では困難なのです。企業体にいたしましたところで、こういう状態に置かれますれば、たとい民間資本を吸収いたしましてもそれは不可能だということは、すでに公聴会の公述人の中からも相当言われております。ですからそういう状態のもとでは、公共企業体であろうとあるいは国営であろうと、公共性を持つたところの事業がうまく行くことはないと私は思います。こういう原因がはつきり究明されているかどうか。占領下において占領軍が使つたもの、それから朝鮮事変以来のもの、また今後行政協定によつてどのくらいそれが変更されて行くかという点の数字をはつきり提供なさらなければ、われわれはこのような大変革に対して納得するわけに行かないと思いますから、その点についてもう一応御説明をいただきたい。
○靭説明員 ただいま申されました国営だけの原因じやないじやないかということは、まさにお話の通りでありまして、日本が敗戦になりまして占領が続いた。占領軍としましては占領目的達成のために電気通信も利用される。これは当然のことかと思うのでありますが、市外回線につきまして地域的に非常に困つた点があるのは事実でございます。加入電話につきまして、これも地域的な限定的なものでございますが、絶対的な数から申しますれば、占顧軍の使いました電話加入個数は、全件の一割にも達しない数字でございます。二万か三万というようなところであつたわけでございまして、全体の数から見る。パーセンテージは低い。しかし地域的には影響を受けておることが明らかだということは否定できない事実であるかと思うのであります。これはわが国の敗戦という点、また電気通信というものが近代の国家活動、あるいは社会生活に絶対的に必要であるという点からいつて、やむを得ないことではなかつたかと思うのであります。ただ私ども国営形態を改めて公社の形態に持つて行くということにつきまして、物の値上り、特に電気通信用資材の値上りというものが、さらに電気通信の拡張整備を妨げたということはおつしやる通りでありますが、これに対する順応性については、私はやはり国家企業より公社形態の方がいいと信じております。と申しますのは、国で公債を出すならば、公社債を出さぬでも同じじやないかという御意見もありましたが、国の借金というものは全体的にどうしても考えられるもので、過去の事実はそれをはつきり証明しております。先般公聴会の公述人からもお話がありました通り、電信電話公債は、需要に応ずる生産的な社債であるから、どんどん出せるようにしたらどうかというような意見も出ておつたように拝聴しておるのであります。私ども今後電信電話公債において、そういうような方向に持つて行けば、現在の民間の資本の蓄積状況から見て、国からの資金の応援を、在来程度を下らない程度にぜひしいたしていただきたいと同時に、むしろそれにプラスするものを民間資金に求めて行くということによつて、ともかく企業として、また電話の需要に対する供給という経済原則に従いまして、しかも電話はぜいたくな消費的なものではない、まつたく生産的な手段であるというふうに考えて参りますれば、国全体の認識というものをそちらに向けていただいて、民間資金を十分取入れて、大きな整備計画をできるようにさるべきものではないかというふうに考えている次第であります。すなわち国営形態では絶対にいかぬということではないのでありますが、こういう事情の変化に順応する順応性を持つものは、やはり公社形態である、こういうふうに申し上げ得ると思うのであります。
○田島(ひ)委員 私は公共企業体の方が民間資本が吸収できていいということについては、後ほどまた御質問いたしますから、その点はここに触れませんけれども、次官の御説明によりましても、国営で決して困難なことはない。結局国家予算を大きくこれにつぎ込まれれば、十分国営でもやつて行ける。そのつぎ込まれなかつた理由は、いろいろ政府の方からは言い分がありましようけれども、私の方では軍事的の方へ持つて行かれていると思う。二千億からの大きな軍事予算が、この国家の基本的な企業の基礎的な復興の方につぎ込まれれば、十分国営形態でもなし得るものである、私の方はそう見ます。結局そういう予算が十分国家で出せれば、国営形態であつていいのだ。公共企業体の方が民間資本が入るだろうという漠然たる政府の希望によつて、これがなされている、こういうふうに解してもよろしゆうございますか。その点についての詳しい点はあとでお伺いいたしますが、政府の方では、別に国営でもやれないわけではないという御答弁に解してもよろしゆうございますか。
○靭説明員 そういうふうに解釈いたしていただくと反対なんでございまして、やはり国家企業としまして、現在国営でやつているものもございますが、電気通信のごときかかる大企業につきまして、ことに現在の発達段階にある電気通信事業におきましては、私は国家企業でなくて公共性を確保した、しかも企業経営に適した形態をとるということが何で悪いのかわからないのでありまして、そういうようなものに適応した形態があるならば、それに移つて行くことが結局必要なんではないか。そういう意味合いでありまして、近代におきまする企業形態の研究というものは、そういうふうになされておる。先ほど……。
○田島(ひ)委員 逆に国営がなぜ悪いかということを聞いているのです。いいかを聞いているのではない。
○靭説明員 御説明いたしました通り、これは前々から大臣より基本的な精神は御説明いたしてあるのであります。また電信電話復興審議会その他におきましても、なぜ国営では困るのかということは、きわめて基本的な点を御説明申し上げてあるのであります。それを重ねて申し上げているのであります。すなわち国の行政というものと、こういう一つの非常に資本を要する企業におきましては、最もその企業が健全であり、これがほんとうに発達できるということが、企業として最も必要なんです。ただいわゆる公共性のみを強調いたしまして、それの経営の技術と申しますか、そういうものが行政機関のようなものでやられる場合におきまして、そこに非能率的、非経済的なものがあれば、結局企業の発達はできないし、公益の増進もできない。国家企業として検討されている点は、すでに御説明申し上げてあつた通りであります。それを改善して行くというところに、公社の一つの理論がある。すなわち経営というものを公社という一法人にできるだけ大幅にまかせて、そこに自由なる法律的な、経済的な企業活動、企業経営ができるような形態にする。しかもそこに公共的な要求を充足するという意味で、国の資本を移し、営利を目的としていないというような形において形成されるのが公共企業体である。もちろん公共企業体におきましても、事業によつていろいろ違つた形態がとられますが、電気通信事業のごときは、まさに公共企業体でやる方が最も能率的にできるのではないか、こういうふうに考えるのであります。
○田島(ひ)委員 次官から何度も同じことを繰近されておりますが、私はそういう抽象的な御返答を聞こうとしてお尋ねしておるのではないのです。公共企業体になればよくなるだろうということは、これは公聴会の公述人のおつしやつたことの中にも、具体性がなくて、大体おそらくよくなるだろう、今まであまりサービスが悪いから、今度はよくなるだろうというような、非常に希望的な條件だけで、具体性を何も持つていない。このような国民の一大財産をこういうふうにばらばらにするという重大な問題を、簡単に処置されるということは私は納得できない。だから国営では何が悪いかということを聞いておるのです。予算の面では非常に困難だと言われますけれども、この点は常に戦争のたびごとにそうなる。だから軍事予算より、こつちに大きく持つて来ればいいのではないかと言つております。私は過去から現在まで、悪い点はどこかと聞いているのです。公共企業体にすればよくなるかということは、後ほど詳しくお聞きいたします。 その次にお尋ねいたしますことは、国営でうまく行かなかつた大きな点に、やはり電通省関係のあの不正、汚職事件が大きな一つの原因をなしておるのではないかと思います。これが公共企業体になつたらよくなるとは見られないと思う。この問題につきましてもおそらく政府の方では、それは今検察庁の方で問題になつておるから、いずれ明るみに出るだろうとしかお答えが得られないと思いますが、私はそういう問題を聞くのではない。こういう不正、汚職事件の起る原因がどこにあるかということ、政府の方からもさきに大体資料をいただいておりますけれども、こういう原因がどこにあつたか。たとえば従業員の待遇が非常に悪かつた、どうしてもこういうような不正行為をしなければ、給与の面で困難だつたからやつたのだ。大体不正事件の根源には、上の方の大きいところは別といたしまして、下の方の労働者が非常に食つて行けないような状態である。それでやむを得ずこういう不正が行われたというところに原因がある。この点も、もちろん公共企業体になつたら労働者の賃金がよくなるとは思われませんが、それは後ほど伺いますが、こういう点について、政府の方はその後原因を究明されておるのか。そして政府の方ではそれらの問題に対して、どのようにその後対処しておられますか。あれ以後相当事件が公にもなつていると思う。たとえば靱次官——これは靱次官に対して非常にお気の毒ですけれども、靱次官は、自分は汚職には関係がないと言つておられましたけれども、その後吉村課長なんかの声明書によりますと、非常にあいまいな問題が投げられておる。上の方は予算にからまつたそういう汚職事件、下の方に至りますと、給与の点から非常に生活困難でいろいろな形の汚職が出て来る。こういう点を十分究明されておるのかおられないのか。その後の状態は、やはり詳しく御説明をいただかないと、この企業にかえますについての大きな問題になると思います。その点がどういうふうになつておるか。今後企業体になつたら、それが解決されるのかされないのか。なおそのまま受け継いでそういうことがなされる可能性があると考える。もつと企業体になれば、利権にからまつて、より大きなところで不正が行われるのじやないか。そういう点も相当疑惑を持たれる点がありますから、その点を一応伺つておきたいと思います。
○靭説明員 不正事件につきましては、もう本委員会において大臣からもいろいろ御説明がありました。また原因等につきましても、いろいろ御質問があつたのであります。これに対しまして、非常に申訳ないということで、この対策を電気通信省といたしましては着々と実行いたしておるのであります。今後そういうような事態が起らないように、全職員相戒めて行くという形で、具体的にいろいろな策も講じておるわけであります。そこで世間に伝わるいろいろな点につきましては、一々ここで御説明申し上げる必要はないと思いますので、それはやめさせていただきますが、公社になつた場合にどうだという点につきましては、公社になりましても、今度の公社法におきまして、そういうような事件につきましては、公務員と同じように規律されておるのであります。のみならず公社形態におきまして、公社の監察の強化と申しますか、内部の成績の監査というものにつきましては、特に重点を置きまして、公社になるがゆえに非常にルーズになるというような考えは全然持つてないのであります。むしろ先ほどからいろいろ申し上げるような意味合いにおきまして、事業が最も経済的に、しかも従業員の給与にしましても、能率給も出せる。非常に雨のひどい、冬の寒いときに、特別に勤務しても、給与の一般原則によつて、なかなかその労働に報いられないというような点を、できるだけ解決いたして行こうということで、田島委員の御指摘になつたような点、私どもとしましては公社形態にすることによつて相当改善されて行く、またそれの努力がなされて実現される可能性があるというふうに考えておる次第であります。これは単なる希望とか何とかいうことでなくて、他の具体的な事実によつても証明されておるわけでございます。一応そういうお答えを申し上げる次第でございます。
○佐藤国務大臣 ただいまこの制度を考えたことと、最近うわさされておるような忌まわしい問題との関連はどうだというお尋ねでございまして、靱次官から詳しいお話がございましたが、私一言つけ加えてみたいと思いますのは、給与制度が非常にまずいために、汚職事件が生じたのではないか、こういうようなお説のようにもちよつと拝聴いたしたのでございますが、電通職員十五万人は、委員会等におきまして私しばしば申し上げますように、このうち大部分、九分九厘と申してさしつかえないと思いますが、りつぱな職員ばかりであります。つい最近忌まわしい事件を起しましたのは、きわめて少数の人たちである。これだけははつきり御記憶願いたいと思います。給与の制度が非常に不都合で、そのために汚職が生ずるといたしますれば、多数の不正職員を擁しておるかのような感を与えるのであります。また何らかそのお話自身につきましてもさようにとれるように聞けるのでありまして、私大臣といたしましてまことに遺憾に思いますので、この点は従来の委員会におきましても私明言をいたしております通り、大多数の職員と申しますか、全部と申し上げたいのだが、ごく少数の者ではあるがすでに出ておりますので、さようには申し上げかねますが、事業の遂行に当つておる職員は、皆様が御信頼なすつて、何ら不安が起るような職員ではないということだけは、この機会にはつきり申し上げておきたいと思います。 なお先ほど来のお話を静かに伺つておりまして、公社を設立することについて、私どもと非常な意見の相違を来しております。その点をいろいろ伺つておりまして、こういう点にあるのじやないかというように私考えるのであります。この批判が当るか当らないか、もし当つていなければ、重ねて御高見を拝聴いたしたいと思います。その点は、電気通産省の予算がなかなか思うようにとれない、予算はもつとふえるじやないか、過去においては軍事費を減らせばふえたはずだ、また今後においても治安維持費等を減らすならば、必ずふえるじやないか、こういう御意見のように私拝聴したのであります。もしさような御意見であるとしたら、なるほど片方の費用が減らされて、公益事業の方にまわされれば、それで一応目的は達することになりますが、前提になる治安維持費なり、また過去の軍事費なりを、田島委員が指摘なさるように、これを全廃したりあるいは大幅に減額し得るものかどうか、これは遺憾ながら私ども同一の結論を持つておらないのであります。やはり国として国家活動をする限り、相当の治安維持費は必要である。過去において国家として軍事費の必要であつたことは、私どももはつきり承認するものであります。この点が先ほど申し上げるような立論から、国がやつてもさしつかえないのだと言われるならば、これは私どもの考え方と根本的な食い違いがあるように思いますので、その点は私どもの所信を明確にしておきます。
○田島(ひ)委員 私は国家予算をもつと基本的に入れればこれはできると思います。また入れなければならぬものだ。当然公共性を持つたこの大きな事業は、有機的に運営されなければならない。事業がばらばらになつて企業体になり、民営になつて行くことは、むしろ合理性を欠くものだと思う。当然これは国家としてやつて行かなければならぬと思います。この点について大臣の立場としては観点が違う、軍事費はつぎ込めないと言われるのだつたら、私はそれ以上のことはお伺いいたしませんけれども、私が申し上げたいのは、戦争のためにこういうふうに残念な状態になつている現在、国家として軍事費を使わずに、こちらの方につぎ込むことによつて、これは十分国営として運営できるものであります。またたとい公共企業体にいたしましても、軍事経済のもとでは、民間資本の蓄積がきゆうくつになつて参りまして、とうてい民間資本は得られない。結局戦争経済のもとでは、どつちにしてみても同じである。何も国営が悪いわけはないじやないかと思いますが、この点についてはお答えをいただかなくてもいいです。不正事件について私がお伺いしているのは、申訳ないとかどうとかいうことをお伺いしているのではないのです。とにかく新聞紙上を騒がしたあのような一大汚職事件、これは電通省関係だけではない、今の吉田政府のもとでは、各省とも不正、汚職は一ぱいだということを朝日新聞なんか毎日々々書いておりました。これは私が申し上げるのではなく、常識になつております。その原因が究明されているかということを申し上げているのです。一例として給与の面を申し上げましたが、その他機構の点でも不正が行われていることは、私は知つております。それは戦後ライン・オルガニゼイシヨンのようなアメリカ・システムを機械的に日本に持つて来てやつた。そのために省内の運営の面で非常に困難を来している。たとえば施設部と建設部との間の連絡がうまく行かぬ。それから予算の点でも、こういう機構不備のために、実際は不正でないのに不正のようにいわれているような点もあるのです。こういう点からいえば、実際の衝に当つておられる従業員の方には非常にお気の毒であると思う。上の方では大きな不正が行われて、政党資金として相当出ているようなことが新聞に書かれている。そういう不正については論外でありますが、一般の従業員の方、その他職員の方がこういう機構の不備から、不正というような結果になつているのが相当あるのです。そういう機構なんかの点についても究明されておるのかどうか、その点を私はお聞きしたいのです。この前のときに大臣は、いさぎよく職を辞して、自分は責任をとるとかとらないとかいうような大みえを切つておられたのですけれども、私は別に大臣にやめてくれともやめてくれるなとも申し上げるのではなく、問題はそういう根源を究明しておられるのかどうか。 〔委員長退席、高塩委員長代理着席〕 国営がいいとか悪いとかいうのでなく、一つの原因として私はこれをお聞きしているのです。たとえばシステムの根本が戦後何でもかんでもアメリカ式のものをやられて、言うなりになつて非常に困難を来しておる。これについては従業員の方々が一番よくおわかりだと思う。そういう点を究明されているのかどうか。その点が不正にからまつているかどうか。それから従業員の給与の問題、このことは先に行つてもう少しお尋ねしたいと思うのですか、そういう点を私はお伺いしているのです。
○靭説明員 原因についての究明はやつております。そこで、今田島委員から御指摘になりました機構上にも欠陥があつたのではないかという点でございますが、ライン・オルガニゼイシヨン自体が不正の温床だとはもちろん考えないのでありますが、これの運用にあたりましていろいろ責任の限界が不明瞭になる、あるいは非常に仕事が分断されて参りまして、それぞれに今度逆に来ましては、そこだけである程度の実行はできるというような点が、一応問題として私どもに考えられた点でございます。あるいは経理部門、あるいは資材部門、あるいは人事部門は、サービス面としましてむしろ事業の本体より軽く見るということではないのですが、そこはやはりサービス部門として見られる。すなわち経理局におきましては予算の使用等について勧告ができるというようなシステム、こういうような点につきましてもなかなか熟さなかつたというような原因はあつたかと思います。それらの点はそのケースケースによつて申し上げて行かなければならぬ点でございまして、これはすでに前の委員会におきましていろいろと御説明申し上げておる点でございますが、給与の面と申しますか、あるいはまた社会全体の環境の面と申しますか、そういうようなものも見て行かなければなりませんし、また終戦後のいわゆる会計法規と、便宜的な措置の方法と申しますか、予算の使い方に対する制限というようなものから、どうしてもやりくりをしなければならぬということが、誤りまして不正の範囲にまで入つて来たというような具体的例も、すでに御説明申し上げておいたところでありますが、そういうような点もあります。不正に対する究明につきましては、たとえば電話架設についてはどういうような原因がある、それに対してはいわゆるサービス・オーダー・システムによつてこれを取締つて、そういうような間隙ができるだけないようにするというような方法も講じまして、あるいは資金前渡管理を置きながら、その会計管理が法律上まつたく自由になるというような形で、真に会計管理としての職責を果せないようになり、その任命につきましてもただ形式的に任命せざるを得ないような場合によつて起つたものもあるというふうに、それぞれその原因を究明いたしておるのでございます。
○田島(ひ)委員 私は不正の問題をもつと詳しくお聞きいたしたいのですが、これはまた別の機会に譲りまして、大体こういうような機構の面なんかの不備の点をよくして行けば、国営でも相当よくなる余地がある。これが結局公共企業体になりましても、こういうようなシステムのもとでなされますれば、同じような結果になるのであります。その点で、一昨年占領下でアメリカのシステムを取入れましたところのライン・オルガニゼイシヨン、こういう点につきましても、各部門の有機的な運営が非常に困難になつておる。これは電通従業員の出されました資料にもはつきり出ております。こういう点の改革は十分なされたのかどうか。このまま公共企業体に持つて行けば、そういう点からもやはり同じような不備が出て来るのではないか。いろいろな通信事業の困難な面、不備な面は、決して国営だからではない。やはり何でもかんでもアメリカの言うなりになつて機構改革をして来たこの戦後の状態、こういう点にも原因がある。こういう点についての欠陥を是正して行かれるならば、国営でも十分やつて行ける。そういう点を政府としては十分検討されておるのか。このままやはり公共企業体に持つて行かれるなら、結局同じではないか。従業員の方はこのために非常に合理的な、有機的な運営が困難になつている。ところが政府の方では今後通信事業を合理的に能率的にかえるために公共企業体にすると言われておりますけれども、事実上は合理的にするということはそういうところにあるのではなくして、こういうところにも不合理になつている原因があるのだと思いますから、私はこれを伺うのです。戦後取入れましたところのアメリカ式システムをこのまま受継いでいてよいものかどうか。こういう欠陥が十分是正されているのかいないのか、またされようとしているのかどうか。その点お伺いしたい。
○靭説明員 お答え申し上げます。機構の改革につきましては、すでに田島委員も御存じの通り、終戦後ずいぶん幾回も機構改革が行われております。一番大きいのは何と申しましても電通省を設置して、それに伴うライン・オルガニゼイシヨンの組織と申しますか、しかしそれにしましても若干の改正と申しますか、平均年に一回ぐらい機構をいじくつておるというような非難もあるくらいでありまして、私どもかりに公社になるという場合におきまして、この機構については真に慎重なる検討を加えまして、いたずらに機構を常にいじくりまわしているのでは、職員としても非常に能率が上りませんし、非常にこれは非難の的になるかと思います。そこで現在の組織におきまして、私ども大企業におきまする職能的な一つの機構というものはどうしても必要である。これに対して基本的な反対論はなかなか成り立たぬと思うのであります。しかしながら実行してみまして、さらに理論と実際がうまく合つていない、あるいは十分それをうまくスムースに運用できるような経験がまだ積まれていないというような場合におきましては、そこにいろいろな弊害が出て来るのはやむを得ないと思います。そこで根本的に何でもかんでも一本でやる——昔の組織というものは、できるだけいろいろな仕事も一本にしてやつて行くというような形であつたのであります。これにただちにもどるということは、私どもかえつて近代の大きな企業の経営としましては失敗するのではないかと思います。現在一番問題な点は、仕事が重なつておる。幾つもの段階にわけておるのですが、それぞれの責任において、流れ作業的に仕事ができればよいのでありますが、現場で調べたことを、さらに通信部でもつて調べ、通信局でまた調べ、本省に来てまで調べるというような調子でやることは、一人でやれる仕事を四人でやるというような形になるわけであります。そういうことから私どもは、現場の機構につきまして、やはりほんとうに業務が運用できるような、すなわち単に職能しか与えないで、機械と取組んでおるというような形でも、なかなか日本人の在来の観念としてはむずかしい。要するに在来の日本においては企画と実施が一体的にやられておつたものを、これをわけられると、企画するものはそこに張合いがあるが、実行する方はただ命令通り動いておるのだから、実につまらぬ仕事だというような一つの観念ができる。現業機関といたしましても、ともかく定められた範囲内におきまして、相当独立的に動けるようにしなければならぬ。ある物品を買うにしても、一一通信局まで行かなければ買えないということではまずい。これを是正するような方法をとられなければならないし、幾回もの段階をつくることはやめて行きたい。しこうして管理機構につきましては、やはり職能は相当はつきりさせて行きますが、そこに最も能率的に行けるように、すなわち各段階から上つて来た資料を、ほんとうに生かして使う、使えるような機能にする、二重にそこでやらない、大きな企業としての管理と計画というものを、ほんとうに流れ作業的な形にして行くということが、基本的なものだという考えを持つております。しかしこう申しましても、昔のようにただちにもどすという観念ではなくて、いわゆる大企業経営のフアンクシヨンの分離と申しますか、職能を明らかにして、そこの間の総合調整というものが可能であるような形態に持つて行かなければならない、こういう考えを持つておる次第であります。ただ最初に申しましたように、これらのことにつきましてはよく現場の状態も知り、また過去の経験も分析して、単に拙速主義でなく、望めるならば今後はそう改正をしないでも済むような形で行かなければならない、こういう考えで目下成案を急いでいる次第であります。
○田島(ひ)委員 どうも靱次官の御答弁は、私頭が悪いせいか、よくわからないのであります。もつと簡潔に具体的に説明していただきたいと思います。私の質問に対して、非常に御丁寧な長い御答弁であつたが、どうも意味がよくわからない。とにかくあのライン・オルガニゼイシヨンを日本に取入れられたときに、あれはシステムとしては高度なものである。しかもアメリカのような機械化されたところでは、あれが十分に生きて使われますけれども、日本には向かない。もうほとんど機械でなくて、人間の労力によつて一切をやつて行くというようなところへ、あのようなシステムを持つて来ても、やはり木に竹を継ぐようなもので、運営がうまく行かない。むしろ二重、三重の監督のもとで、現業員はますます労働強化になるということを私は指摘して反対いたしました。現にそういうことになりまして、実際今後の有機的な運営がうまく行かないということを、その任に当つておられるところの従業員が言つておられます。すでに現在いろいろ機構いじりがされまして、うまく行かないところに持つて来て、通信局においてはあくまでも国際、国内のいろいろなものを、別個にばらばらにやつておる。こういうものを運営の面でも有機的に一貫してやつて行くことが、日本のような状態の場合には合理的ではないか。同時に資金の面でも、もう少し詳しくお尋ねいたしたいのでありますが、二十億からの金が年にもうかる。国際部門のことを民営会社に移して、別個にして、そうして国内の方だけを公共企業体にして行くというような、こうしたばらばらなことでは、まさにこれこそ不合理であると思います。有機的な運営を欠くものだと考えますが、その点政府の御意見はいかがですか。政府の機構改革に関して、ここにもしるされてありますように、事業の合理的、能率的な経営体制を確立するということが根本になつておりますが、むしろこれは不合理なんです。そうして有機性を欠くような結果になるのではないか。従業員の方は、ライン・オルガニゼイシヨンのときにすでに申されておりますように、これがばらばらになるならば、ますます資金の面、運営の面で非常に合理性を欠くことになるのではないか、こういうふうに思いますが、この点についての御意見を簡潔に伺いたいと思います。
○靭説明員 簡単にお答え申し上げますと、前の委員会でも一ぺん申し上げた点でありますが、何と申しましても電気通信事業は、全国にまたがる大企業であります。これを真に能率的に管理して行くことは一番重要な問題でございまして、これがために御紹介申し上げました通り、わが国を数ブロックにわけて通信事業を経営したらどうかというような、要するに機構改革、経営形態の改革にあたつては、そういうような議論もあつたくらいであります。これはまさに有機的一体でなければならぬのでありますが、分業的なことで可能なものにつきましてこれを分業的に担当するということは、私は決して企業の有機的態勢を欠くものではなくして、ほんとうに企業の能率を上げるために必要ではないかと思う。国際通信の分離というものは、これは各国にもその具体的な例がありますし、また長い歴史を持つたそういう形態があるわけであります。絶対に分離できないものでもないし、分離によつての利益をも彼我考量されて決定さるべきものではないかと思います。 それから御質問の中に、非常にもうかる、二十億ほどもうかるものを持ち出して何事かというようなお話があつたのでありますが、さきにお配りしました資料で明らかな通り、具体的な数字といたしましては十三億、それも現在のサービスを基準としての数字でございまして、私ども職員の待遇にしましても、あるいは現在使つておるところの機械の取替にいたしましても、あるいはまた国内における通信の速達のサービスの状況等が、はたしてこれでよいだろうかというような、あるいは十三億を利用者の利益に還元する、あるいは職員の待遇の面に還元する、あるいは新たな整備に使つて行くというような考慮がなされてよいのではないか。それをただちに国内の電話につぎ込むべしという論議は、必ずしも成り立たないのではないか、また国内の電信の赤字を埋めるのも当然だという議論も成り立たないのではないか、こういうふうに考えておる次第であります。
○田島(ひ)委員 私は抽象論で靱次官と論争するわけではありませんが、とにかく国営で有機的になされておるものを、ばらばらにしてしまうということは、これはりくつに合わないことであります。資金の面でもう一点念を押しておきたいことは、この公共企業体になりまする大きな原因が、民間資金が得られるという面にあるわけでありますが、この点は他の方からも御質問が出ております。また公述人の方からも、今の日本の経済状態ではむずかしいということでございます。また外資にいたしましても、外資がはたしてどういう形で入つて来るか、また入つて来る見込みがあるか。そういう点もお伺いいたしたいのであります。たとえば電力事業の分割のことが問題になりましたときに、あれはたしか従業員の給与もよくなり、電燈料も安くなるということをずいぶん政府は宣伝いたしました。そして分割がなされたそのすぐあとに、減価償却とかいろいろな理由のもとに、事実上は電燈料の値上げが何回も行われた。この通信事業にいたしましても、公共企業体になりますれば、政府自身も民間資金は現在すぐは得られないけれども、将来得られるであろう、将来の可能性だというお答えだつたと思いますが、一方においては料金の値上げによる国民の負担、一方においては能率の増進というような点、つまり産業の合理化とか、労働強化、首切り、低賃金、こういう負担がそこにかかつて来るのではないかと思います。その点民間資金の見通しについてもう少しはつきり御説明願いたい。もし得られないとすれば、今後どういう計画があるか伺いたいと思います。
○佐藤国務大臣 これを公社にしたら料金の値上げが行われるのではないかというお話でございましたが、私どもは公社にいたしましても今料金をかえるような考え方を持つておりません。またそういう状況のもとで事業を運営して行くとすれば、従業員に対する労働が加重され、さらに整理なり低賃金ということになるのではないかという御懸念のようでありますが、私どもは現在の状況においてはさようなことも考えておらないことを、この機会にはつきり申し上げておきます。 次に、資金の獲得の問題については、これは容易な問題とは考えておりません。また外国資金というか、外資の導入についても、なかなか困難な問題だろうと考えます。たびたびお話申し上げましたように、公社をつくりまして、それによつて短期間のうちに非常に楽な状況になるという見通しは立たないのでございまして、この点では別に誤解はないだろうと思います。しかし公社にいたすことによつて、民間資金を吸収し得る道が開かれるのでございますし、その道が開かれます限り、努力次第によつては国内民間資金もまた確保できると考えておる次第でございます。かように考えておるのでございますが、本二十七年度自身については、すでにお話申し上げたと思いますが、この前御審議をいただいて成立した二十七年度予算を踏襲することにいたしておりますので、事業計画等も、本年内に公社に切りかえますので、予算としては一応現在までで決定を見ておるような次第でございます。この点は誤解のないようにつけ加えておきます。
○田島(ひ)委員 今年度は現在の予算を受継ぐといたしましても、来年度の問題が出て来ると思います。民間資本も今すぐには困難だと大臣は言われますが、これは単に電通関係の資金としてだけ考えるわけには行かなくて、日本経済の全般にわたつての解決の問題と関連して考えなければならない。そうすると現在のような経済状態のもとで、はたしてこういうような民間資本が吸収できるかどうか。またこれには直接関係がありませんけれども、今の日本の、日米協力というか、アメリカ一辺倒の経済のもとで、はたして好転し得るものであるかどうか。その点閣僚の一人としての大臣の御見解を伺つておきたい。そういう点がはつきりしない以上は、電通事業に民間資本を望まれましても、これはまつたく希望條件であつて、近き将来どころか、将来の具体性はほとんど不可能ではないか。現在一般の企業にいたしましても、資本の貧困化はひどいものであつて、この点の解決かなければ、私は電通事業の道は非常に困難だと思う。そうしますとほかに何らか方法を持つておられるか。外資の点についても、外資がこれに入り得る具体的な條件があるのか、話合いがついておるのか、その点もあわせてお聞きいたします。
○佐藤国務大臣 公社の本年度予算は御了承願つたようでございますが、将来どうなるかということでございます。今政府が力を入れておりますのは、一層の国力の蓄積をはかるべく諸政策を実施しておるわけでございます。この政策は必ずや国民の協力、努力と相まちまして、成績を上げて参るものと確信いたしておるようなわけでございます。そのよろな抽象的な議論をいたしますと、あるいはお尋ねの点からはずれるかと思いまするが、すでに経済安定本部等でいろいろお話申し上げておりますように、将来の計画におきましても、産業振興等について具体的な政策をそれぞれ示しております。これらの政策は他の委員会等において御義を賜わり、またいろいろの御批判をいただいておる次第でございまして、これらの諸政策が具体化して参りますれば、冒頭に申し上げましたような状態に必ずなつて参るのではないか。特にこの事業自身が、今まで議論されておりますごとく、非常な公益性を持つており、しかも増強について大きな要請が示されておる今日であります。かようなことを勘案いたしますと、国内資金を獲得することはなかなか容易なことではありませんし、また無制限な額でこれを獲得することも困難だと思いますが、新たに民間資金を獲得し得る道が開かれるといたしますれば、今後財界の理解ある協力を得ることは、その金額の多寡はいろいろ議論の余地があるだろうと思いますが、確かに一大進歩をもたらすものだ、かように考える次第でございます。しからば一体どのくらいの金ができて来るかということでありますが、これはお尋ねの中にもありましたように、この種の事業といたしましては、国家資金並びに民間資金の中から特に金融的な基本の問題として、それに割当てるものを考えて行くべき性格のもののように思います。従つてただいま二十八年度予算が具体的編成の時期にもなつておりませんので、ただいまその金額等を申し上げることは困難でありますが、この事情はおそらく御了承いただけるのではないかと思います。この事業を整備したいという観点、また一般の整備、増強の要請の強い点等を考えますと、在来の予算編成とは事かわりまして、一層の資金獲得をぜひとも実現したい、またそれにはある程度沿い得るのじやないかという希望を持つている次第でございます。 次に外国資本の導入の問題でありますが、この種の事業と申しましても、特別な方法による外資導入ということは考えられないのでありまして、今まで政府委員等からお話を申し上げておりますように、今後はコマーシャル・ベースによつて外資導入が計画されて来るわけだと思います。しかしただいまのところ外資導入の具体的計画は何らありません。従いまして今日外資導入について道を開くということは申し上げ得るのでありますが、しからば一つの計画を持つているか、あるいは具体的に進んだものがあるかというお尋ねでありますれば、ただいまはそういう状態までは発展しておらないということでございます。
○田島(ひ)委員 民間資本がない、外資導入の見通しがないと言われますならば、今までの各委員の御質問にありましたように、その理由の大半を占めている資金の面において法案自身が非常にずさんで、このようなあいまいな法案のもとに取急いで国営を公共企業体にしなければならないという理由が、私にはますます納得いかなくなるわけであります。ことに経済の問題につきましても、大臣のお答えは非常にあいまいでありましたけれども、現在の日本の経済状態、金融面など非常に困難を来しております。いろいろな御意見もありましようけれども、貿易の収支の面なども見ますと、本年度は七億ドルくらいの欠損であります。それを特需とパンパンさんのかせぎで穴埋めしなければならないというような情ない日本の経済状態なんです。パンパンさんにでもかせいでもらわなければ事業上の資金を得られないというような状態のもとで、民間資本からあるいは外資からのこういうものの導入に希望をかけるというようなことはもつてのほかです。非常に不安定な大臣の御説明だと思います。 もう一つこの点で具体的にお伺いしたいのは、たしか国際会社の方と、最近問題になつておりますところのテレビ網株式会社、正力会社との間に話合いがあるというようなうわさを聞いております。その点はどうなつておりますか。事実そういう話があるのか、また今後そういうような可能性があるのかないのか、大臣は笑つておられますけれども、これは非常に重大な問題であります。なぜこれをお聞きするかというと、マイクロウエーブの問題が問題になつております。もし今後これの中継線が掌握されますならば、通信事業の大部分といいますか、重要なところを占める長距離電話というものは、全部これによつて支配される。それは電波法とかいろいろな法律上の制限がありましようけれども、そういう制限は——また法律なんというものはこのように毎日々々何十も出て来て、多数決によつてかえて来ているのですから、政府でかえようと思えば幾らでもかえられる、非常に重大なことです。そういう関係からいたしますと、公共企業体にしてうまく行くなんと言つている前に、こういう観点から率直に申して、もしここにアメリカ資本がテレビ網の中に入つて参りますならば、これによつて日本の電通事業の大部分は掌握される結果になる、そういう懸念を持つことは当然だろうと思います。そういう懸念から、その間のうわさがうわさであるのかどうか、またそれが何もテレビでなくても、アメリカ会社との関係で今後大きな資本が入つて来る点があるのではないか、そういう点もあわせてお聞きしたいと思います。
○佐藤国務大臣 テレビを計画しておられる正力氏、これはもうすでに具体的なものであります。しかしその正力氏が相手と相談をしたといわれる国際会社なるものがどこに存在しているのか、実は私そのお話を聞いて非常に意外に思いまして、つい笑いを催したのであります。相手がはつきりしているものでありまして、それとの話合いが進んでおるということならば、単なるうわさという程度ではなくて、それは相当根拠のあることともわからないと思います。しかしながら正力氏の方は具体的な、はつきりした実在である。ところが国際電信電話会社というものは、今法案を出しまして御審議をいただいておる最中でございますし、また電信電話公社法案も御審議をいただいておる最中でございます。この陣容等につきましてはまだ私何ら外部にも申し上げたこともありません。もちろん腹案も持つておらないからでございます。従いましてその正力氏が相手として話されたというようなうわさがもしあるのだといたしますと、だれと一体お話なさつたのか、全然その相手方のないものとの話が進んでいるかのようなうわさは、事実無根なものとして抹殺すべき事柄ではないか。非常に明確な判断をなさいます田島さんとして、そのうわさがある程度真であるようにお信じになつたとしたら、ずいぶんおかしな話だと実は思つたわけでありまして、あるいは不謹慎だというおしかりを受けるかわかりませんが、実は意外に思つてつい笑つたようなわけであります。はつきり申しますが、ただいまこの会社法案並びに公社法案を審議願つておる最中でございますので、一体これらをどういう人たちが経営して行くかというような点については、まだ私全然白紙であります。同時に政府自体が全然まだ白紙の状況でございます。従いましてただいま言われましたような点は全然事実無根なものだ、かように御了承をいただきたいと思います。またテレビの問題自身は、今日まで電気通信省並びに郵政大臣の所掌としているところのものではないのでありまして、御承知のように電波監理委員会においていろいろ審議している段階にあるものでございます。従いましてこの点も誤解のないように御了承を願いたいと思います。
○石原(登)委員 ちよつと関連質問で一言……。先ほど資金の面、特に民間資本を導入するという問題について大臣の御答弁中、あるいは私の聞き間違いではないかと思うのですが、非常に重要な問題だと思いますのでお尋ねいたしますが、この法律の六十二條によりますと、今度の公社は特に電信電話の公債を発行できるという條項がありまして、こういう條項をはさんだことは、当然いわゆる潜在資金が国民の中にあるのだというふうにわれわれは了解しており、また事実その通りであると確信をいたしております。従いまして第六十二條の二項にはつきりしております通り、この電信電話の債券の限度については予算において決定することになつております。ですから少くともこの法案に予想されたところの民間資本の導入というものは十二分に考慮され、しかも十二分に保障されているものだとわれわれは了解しております。さらに六十四條によりますと、この債券については、ある場合においては政府が引受けるのだ、こういうことも書いてありますので、おそらく本條に定められたところのいわゆる必要な資金は、国内において当然確保されるものだ、かように了解するのでありますが、さつきの大臣の御答弁中には、何かこの資金の獲得について不安を抱かせるような意味の答弁があつたようでもありますが、これは重大なことでありますから、ひとつはつきりしていただきたいと思います。
○佐藤国務大臣 ただいま石原委員の御意見のごとく、法文におきましてはつきりその道が開かれております。またこの法案が通過いたしまして成立する限り、当然その方法によつて国内資金を獲得するわけでございます。問題は田島委員がどの程度の資金を獲得することを要望しておるかと言われる問題でありまして、具体的な金額をこの機会に申し上げる段階になつておらないという点に尽きるのでございます。お説の通りに私どもも考えて御審議をいただいておる次第であります。
○田島(ひ)委員 先ほど私がお尋ねしましたことに対して、大臣は笑つて両会社の提携の点を否定されました。大臣はここで公共企業体になるときの役員の顔ぶれについても、案がおありになるとは説明なさらないでしようけれども、火のないところに煙は立たないとか何とかいいますように、とにかくうわさがありましたから、念のために聞いておきました。特に国際会社の方は、非常に有利な会社で、公述人の説明にもありましたように、資金はあまりいらなくて、非常に利益が分る日本のこのような困難な経済状態のもとで、通信事業を国営から分離して民営にするという裏には、少くともそこに納得できないものを、人はだれでも常識で考えるわけです。この点はたしか電通従業員の方の公述の中にも、いろいろ理解できない点があると申されておる通りです。だからアメリカ資本を何らかの形で入れるということは重大な問題である。その点でもしマイクロウエーヴによる無線電話を具体的にするといたしますと、通信事業の主要な部分がほとんど左右される。その点についての見通しを御説明いただきたい。
○佐藤国務大臣 私どうもあなたが疑念を持つておられる点が不明確であります。従いまして、できますればこの席で、つかんでおるうわさというものの内容を明確にしていただきたいと思います。明確にされない限り、私の方でいくらそういう事実がないとはつきり申し上げましても、御了承はなかなか得られないだろうと思います。従いまして疑念のある点を明確にしていただきたい。これこれのうわさがあるのだが、こういう事実ありやいなやということからはつきりしていただくことが、問題を明確にするゆえんである。私どももあとに何らの疑念も残らなくて非常に仕合せだと思うのでございます。ことにこの委員会は最も大事な席でございますので、ただ単なるうわさというような問題だけで、御質疑はないことだと思いますが、これはぜひとも明確にしていただきたいと思います。ことに私ども関係者といいますか、政府当局者といたしましては、そのうわさ次第によりましては、非常な迷惑をこうむるのでございます。その点を明確にされない限り、私がいくらそういう事実はないと申しましてもなかなか氷解いたしません。特に捏造されたうわさ等でありますならば、今後その根拠もはつきりいたしたいと思いますので、ぜひともその点を明確にしていただきたいと思います。 次にお尋ねのマイクロウエーヴとはどういう関係を持つかというお話でございますが、マイクロウエーヴの問題と国際電信電話の問題とは関係はありません。これははつきり申し上げてさしつかえないと思います。
○田島(ひ)委員 私はうわさだからお伺いしておるのであつて、具体的にはつきりしておれば、別に大臣にお伺いしなくてもよろしいわけであります。もう少し根本的な点を申し上げますと、戦後このような機構を——これは与党委員の方がいつだつたか、政府は機構いじりをしておると言われたほど、機構いじりをして来られました。これは単なる機構いじりじやなかろうと思う。ないばかりではなく、少し冷静にお考えになるならば、これは私が申し上げるまでもなくはつきりしている点です。なぜかといいますと、まつたく占領下に置かれまして、たとえば通信事業にいたしましても、行政協定のもとで日本にとどまるところの米軍のために、大幅に優先的にサービスを提供させられて、その残りのもうかる部分は民営の会社にし、そのあとを公共企業体にし、さらに建設会社というものを別につくりまして、請負工事はこの独占的な建設会社によつて、またいろいろな関係でもうけるというような、先ほどから私が申し上げますように、数十年来の二千数百億の厖大な国家財産をこういうようにばらばらにします原因は何かといいますと、ほかでもありません。結局アメリカに従属した日本の経済が、すつかりアメリカの言いなりにばらばらになつてしまうというところに根本があるのです。われわれはそう見ている。そういう観点からしますれば、当然このもうかる民間会社は——私はテレビジヨンの問題について、ここで申しますと長くなりますから申しませんけれども、いろいろな疑惑を生んでいる。そういうテレビ網会社と提携のうわさがあるので、ちよつと念を押すために伺つておいたわけです。
○佐藤国務大臣 今のお話を伺いまして、私が実は心配していた通りのものが出て来ておる。大部分は今のお尋ねの御自身の御意見に基いて、うわさをどうも裡造されたのではないかと思うのです。今のお話を聞いておりますと、るる御説明なさつたものは、田島委員御自身の御意見であります。この点ははつきりいたしたいと思います。と申しますのは、先ほど建設会社が請負を独占するのではないか、こういうことを言つておられましたが、これは独占権を付与した覚えはありません。今までの委員会等においてしばしば申し上げた通りであります。この点は御自身がお調べになりましてもはつきりするところであります。さらにまた日本は占領下においていろいろと総司令部の指揮を受けて来た、そうして依然として日本は外国に従属するのではないか、こういうような御意見のもとにただいまのようなお話をしておられる。御承知のように講和條約が発効いたしましてから、完全に日本は独立いたしております。占領下において総司令部の指揮命令を受けることは、無條件降伏いたした結果やむを得なかつたと思いますが、現在においては従属関係は絶体にないのであります。これらの事柄を前提にして、いろいろの疑いがあると言われる。これは私が心配したことく、明らかにうわさを捏造されたものだと思う。従いましてただいまなおあなたが疑念を持つておられるというならば、そのうわさをもつと明確にお話を願いたい。お話なさらない限り、前提とされる御自身の御意見によつてうわさを捏造された、かように私は解釈いたしたいと思う。
○石原(登)委員 議事進行について……。私はあまり他の委員の発言についてとやかく言いたくありませんが、田島委員の発言を聞いておりますと、何か委員会を反米思想の宣伝の道具に使つていらつしやるような感じを受けるのですが、これは委員会の権威のために非常に重大であります。全然根拠のない議論に立つておやりになることは、われわれは非常に迷惑すると思います。何か日本の全体の産業がアメリカに支配されておる、こういう議論はわれわれ委員会の権威のために非常に迷惑だ。もしそういう事実がありますれば、具体的な事例をお示し願いたい。また単なる自分の意見によつてそういうようなことを言われるのは、非常に重大な問題でありますから、委員長としても、委員会の議事の進行については十分慎重を期せられたいということを特に要望いたしたいと思います。
○田島(ひ)委員 委員がいろいろ不審な点があつて質問いたしますのに、他の委員がかれこれ制限する理由はなかろうと思います。もし他の委員が私に対して御異論があれば、御異論として堂々と述べられればよい。今まで私の発言に対して、とかく他の委員から——政府からのあれではなくて、委員からの干渉が非常に多い。例をあげろと言われれば、私は議事録からいつでも例をあげられる。間違つた点があれば堂々と反駁なされればよい。大臣は今堂々と反駁されているのですから、他の委員が私にかれこれ言う必要はなかろうと思います。 私は時間がありませんので次の委員に譲りまして、あと簡単にお尋ねしておきますけれども、先ほど私が大臣にお尋ねいたしました点で、言葉じりをつかまえるわけではありませんが、建設会社の問題、これは独占しておると言つたのではなしに、資本を大きく持つたこういう建設会社ができますれば、小さな請負会社などというものは、これは資本主義経済のもとではなぎ倒されてしまつて、りくつはどうであろうとも、そこに独占的に工事が集中されるのは、資本主義経済の必然的なことで、それがよいとか悪いとかいうのではなしに、あたりまえのことなんです。大会社ができれば、今までの小さい会社が下請をしておつたのが、この大きな建設会社に集中されて、そこに独占的に事業を集中されるということはあたりまえだ、私はこういう意味で申し上げたので、別に言葉じりをつかまえて言うわけではありません。それから日本のいろいろな状態で、米国経済に従属しているということを申し上げたことに対して、非常に御議論があつたようでありますが、その点についても詳しくお伺いしたいのですが、次会に譲りまして、簡単にその点でお伺いしたいことは、行政協定によりまして、今まで米軍が使用しておりましたいろいろな施設、状態、それから特に資材などにおきましては、優先的にこれが調達されておりました。それが今後行政協定に基いて、合同委員会でもつてどのように決定されるか。私はこの前いろいろな特例法が出ましたときに、政府に御説明を願つたのですか、説明できないということでまだその説明を受けておりません。それが最近、五月十八日の朝日新聞には、これがはつきり出ておりまして、駐留軍使用の施設、区域などが決定したということが書いてあります。従つてこれに関連いたしまして、通信関係でもこの区域内あるいは区域周辺におけるところのレーダーの基地とか、電信所とか、あるいは測候所その他のいろいろな施設が相当決定されている。こういう米軍に優先的に調達されるところの資材の問題、そういう問題も非常に大きく関連して来ると思います。こういう点も、直接間接ということは別にいたしましても、やはり大きくアメリカの経済に支配される原因になるという点について、私は政府の方に、その後の米軍が使用いたしますところの通信関係の状態がどうなつているかという点の御説明を、あらためてここで詳しくお聞きしておきたいと思います。その点きよう時間がありませんようでしたら、この次に私は続けてさらにお聞きいたしたいと思いますから、あらましの点について聞いておきたいと思います。 それから私の大臣に対する先ほどの質問に対しては、具体的な資料を持つて参りまして、はたして日本の経済がアメリカに従属しているかいないかという点について、私の意見が非常に反米的だということでありましたから、具体性をもつてさらにお聞きして行きたいと思います。
○佐藤国務大臣 ただいまのお尋ねにお答えする前に、先ほどの問題を続けて申し上げたいと思うのであります。私はあなたの個人的御意見を善悪だとか。あるいは当否を議論しておるわけではないのであります。御発言は非常に重大な問題でありまして、このテレビ会社に関係しておる正力氏と何らかの具体的話合いを進めておるといううわさがある、こういうお話でありました。あなたの思想、あるいはあなたの考え方をここで私拘束したりするわけではない。うわさがあると言われた限り、それはいかなるうわさであるか、その事実をここで明白にしていただきたい。うわさたる事実をここではつきりしていただきたいということを申し上げた。そうしてくださらないことには、私どもは非常な疑惑を受けて、非常に迷惑するのであります。そこであなたにお尋ねをしたその結果は、田島さんは、自分はこういう考え方を持つているから、そこでそういううわさをある程度自分は信じざるを得ないというような御発言をなさつた問題は田島さんの持つておられる思想自身——私どもこの委員会で御批判をいただくというようなことは全然考えておりませんし、私自身も田島さん自身を批判するという考え方は持つておりません。どこまでも田島さん自身の御自由だと思います。しかし持つておられるところのうわさというものに根拠があるものかどうか、これは私はどうしても明確にしておきたい。問題はその点でございます。その点についての考え方を、田島さん自身の今まで得ておられるうわさというものを、ひとつここでごひろう願いたい。そうでない限り、そのうわさはあなたが捏造されたものだと私自身は判定いたします。何らそれについてのお話がないならば、田島議員が捏造されたのだということを私自身はつきりしておきたいと思う。いかがですか。
○田島(ひ)委員 捏造というようなお言葉を大臣がお使いになりましたが、お使いになるのは自由でありますから私は何とも申しません。私はそういううわさを聞いているから、一応念のためにそういううわさがあるかないかということを聞いただけで、ないというのならばよろしい。この建設会社にいたしましても、前からいろいろうわさが問題になつておりまして、やはりそういううわさがあるときに、一応委員として、もし政府の方でそういうことを御存じかどうかということを聞いた。だからないというのならば、それでよろしい。私は具体的事実を知つているのならば政府に聞く必要はない。ただそれだけのことであります。それを捏造とかなんとか言われることは自由でありますから、それについては何とも申し上げません。
○佐藤国務大臣 建設会社の問題につきましては、今までたびたび御説明申し上げておりますから、その点は明確であります。今ここで私が非常に憤慨をし、また同時にあなたに説明を求めておりますものは、このテレビ会社を計画しておる正力松太郎氏と国際電信電話会社との間に話合いがある、こういうことを言つておられる。そこでこれは一体どういうことかということを言つたわけであります。テレビ網会社が今設立されつつあることはこれは私ども承知しております。しかしこれがまだ免許されるものかどうか、これは別の問題であります。しかしそれが相手方として話し合つたというが、相手方はまだできておらない。従つてそのうわさは全然根拠がないものだということを私はかたく信じておるのですが、田島さんが相手方と言われるからには、だれとだれが話をして、どういうことを言つたのか、それを明確にされる義務がある。その点を私は要求しておるわけです。
○田島(ひ)委員 私はうわさを聞いておるのであつて、だれとだれが話をしてどうだというのではない。このテレビ会社にアメリカの関係する資本系統の資本が入つて、それとやはり提携をして、そういう会社ができる可能性があるかどうかということのうわさを聞いたわけです。あるいは現在どのように進んでおるのか、どうか私もわかつていれば聞きたくはない。そういうことがないとは言えない、あり得るかもしれないからお聞きしている。あるいはこのテレビ網会社にアメリカの資本が入つておるということも聞いている。これもうわさかもわかりません。しかしアメリカのテレビ会社の資本が入つて来るかもしれません。それが日本の国際会社に資本を入れて、そうして直接の形か間接の形か、提携をする会社ができる可能性があり得ると思います。これは何も驚くにあたらない。それがあるかどうか。私たちはそういううわさがあると言うただけで、そういうことはないと言われればそれだけのことです。何も驚かれることはないと思います。
○佐藤国務大臣 今の田島さんのお話で非常に明白になりました。そういうふうにお話してくだされば、別に声を大にすることもないのです。何らか非常に疑惑に包まれたようなお話をなさるから、ここで問題が起るわけであります。お考えになつておる点は実際そのままをお話しくだされば、別に誤解も生じなかつたと思います。 そこでこのテレビ会社自身につきましては、私どもはただいま全然関係を持つておりません。従いましてテレビ会社が外国資本を集めていようが、あるいは集めようが、そういうことは私自身には関係のない事柄であります。またここにできます国際電信電話会社というものは、まだ法案審議中であり、何らこれは具体的には進んでおりません。この法案をお読みになればわかるように、公社ができまして、その公社から今度は会社をつくるわけであります。これには日数も相当かかることだと思います。この会社ができますれば、この会社法の規定に基きまして外資の導入等もはかるわけであります。従つてこれは外資の入るのを全然禁止されておる会社というふうにお考えにならなくてよいと思います。以上でおそらくその点は明確になつたと思いますので、何らか疑惑を持つておられたとしたら、この際解消願いたいと思います。
○稻村委員 まず第一に、前の質問者の関連で質問いたしますが、国際電信電話事業の問題で、先ほど二十一億五千万円ばかりもうかつておるというお話に対して、次官はこれを否定しておりました。ところが一昨日の公聴会で配られました電通従業員組合からの国際電信電話事業の実情という資料がございまして、これの別表二に月別の収支がずつと上つております。これによりますと去年の四月から今年の一月末現在までの間に、収入が三十二億六千六百万円、それから事業費として支出したものが十一億一千六百万円、差引二十一億五千万円というように、はつきりした月別収支が出ておるのであります。これは二月、三月が出ておりませんので、従つて年間のものではございませんが、この数字が全然荒唐無稽の数字であるかどうか、この点を明確に御答弁を願いたいと思います。
○横田(信)政府委員 ただいまの御質問にお答えいたします。その資料がどこから出てどう配られたのか私知らないのでありますが、公聴会でどこから出たのですか。
○稻村委員 従業員組合です。
○横田(信)政府委員 従業員組合の会計はどなたか知りませんが、私経理の方を扱つておりますが、本年度の決算報告が各省からようやくほとんど全部集まりまして、今私の方で正式に決算をいたしておるわけであります、一昨日この席でお配りいたしましたこの資料で十三億五千六百万円になつておるのでありますが、これはいささかも手を加えたものではありません。ただこれは一緒に事業をやつておりますために、この経費の分計において、たとえば試験研究費等で幾分不明の点があるので、通信研究所で今無線関係も有線関係も一緒に検討いたしております。その無線関係のうちで、国際通信関係の負担と考えられるものがどのくらいあるかということになりますと、ここにある程度の推定を加えなければならぬ、こういう問題は確かに起るのであります。これは一応理論的に考えられますように、今の通信研究所の費用をこの各研究項目によつて振りわけまして、無線関係の比率を出して、無線関係の比率のうちの三六%を国際通信部と推定する、こういうような推定はもちろん加えております。そういう意味で今のお話の点が、たとえば国際通信に直接かかつておる経費だけを引出したものならば、あるいはそういう計数ができるかもわからない。ところがそれ以外に通信研究所の費用もあれば、訓練経費もあります。あるいは共通経費もあり管理経費もある、こういうものは当然国際通信部門において負担すべきものであります。そういうものを比率的に分計いたして行きますと、一昨日お配りしたような結果になる、こういうように御了承願いたいと思うのであります。
○稻村委員 そうしますとこれはたとえば研究費とか、管理費だとか、そういうふうな国際通信の方で分担すべきものが一緒になつております。その比率がこの中から抜けていないとすれば、それから大体の推算を引けば、きのうお配りしていただいたところの十三億何がしかの収益だ、こういうふうに解釈してよろしうございますか。
○横田(信)政府委員 私それをおつくりになつた方がどなたか知らないものですから、これを調べまして、その人の御説明を聞いてからお答えをいたすことにいたします。
○稻村委員 時間もあまりありませんので、ごく簡単に今日のところ二、三質問してみたいと思うのであります。これは与党の石原委員からも質問がいろいろありましたが、幾ら説明を聞いても私もわからないのでありまして、それで重複になるかと思いますけれども、ひとつ御答弁願いたいと思います。国家財政のわくに縛られて資金調達に困難している。だからこのわくから脱するために公社にした。人事管理が行政官庁と同じであるために、企業活動が非常に制限される、こういうようなことでもつて公社にするのだという理由ですが、私この公社案を読んで見まして、はつきりわからないところがある。というのは、国家財政のわくに縛られて資金調達が非常に困難しているということでありますが、やはり電信電話債と政府出資金がおもな資金になると思うのであります。それから外債の問題は、先ほど石原君の質問によつて、大臣も否定したようなかつこうになつております。そうすると政府出資と電信電話債という二つの問題になるのでありますが、今年政府が要求した予算は、大体一年間に建設費として五百七十三億でしたか、これだけのものを要求しております。これだけのものを要求すればほんとうの復旧ができるかどうか、これはむずかしいが、これくらいのものの復旧を今年はやるのだという要求だつたと思うのであります。ところがそれを百三十五億に削られておる。百三十五億という金ですら、一般の電信電話債ではたしてまかない得るかどうか、その見通しが私たちには非常に困難だと思うのであります。もう一つ問題になるのは、たとえば電気通信特別会計などというようなものに縛られないで、財政の切りまわしが自由にできるかのように考えられるのですけれども、この電信電話公社案を読んでみますと、まず第一に公社は毎年度事業予算を作成する、それを郵政大臣に提出する、郵政大臣はこれを検討して適当であると認定したら、それを大蔵大臣に送付する、大蔵大臣も必要に応じて調整を行いというので閣議に出す、それから国会に提出するというような形で初めて予算ができ上つて、これ使うのにもまたいろいろな制約がございます。こうなりますと、従来の電気通信特別会計における予算との間に、どれだけの差があるのか。予算編成の上において特長的な差があるならば、説明はいりませんが、その特長的な差を箇條的でいいからあげてみてください。
○横田(信)政府委員 いろいろな問題を御提起になつたようでありますが、最後の問題から答えして、建設資金の問題は最後にまわしたいと思います。お話の点は、第一にこういうことだつたと思います。公共企業体というものは公共性を持つがゆえに、これを国家なり政府が監督するけれども、経営管理というものにはできるだけ自主性を持たして行きたい、そして経営能率を上げて行きたいということであろうと思うが、その経営の自主性が現状の財務、会計において、どういうふうに進んだかというようなお話だろうと考えます。そういう意味で現在の特別会計の中における場合と違うおもなる点を申し上げたいと思います。第一に現在の特別会計と申すのは、特別会計法だけでは動いていない。われわれの事業の運営はお客さんにサービスを提供して、お客さんから料金をいただく、その料金で事業運営をやつて行くという形で、現在も特別会計でやつておるわけであります。そういう本質を持つておりますために、特別会計におきましてもできるだけ事業の特性を生かして行こうというようには一応できております。しかしながら現在の国家の組織の中におきましては、特別会計に規定のない事項は、会計法、財政法によるということに相なつておりますので、この特別会計法だけで今の事業が動いておるわけではないのです。消費的というか、事業的な体制にできていない一般の財政法、会計法の適用を受けるように相なつておるわけであります。従つて現在の特別会計と比べただけでは真相が出ないわけでありますが、その点はあらかじめ御了承願いまして、次に進みたいと思います。まず財務、会計におきまして、現在の状況としましては相当進んだ程度の自主性だと一応考えております。もちろんこれは時代とともに進むものでありますから、これが理想だとは申し上げませんが、現在の体制と違いますのは、この事業予算というものは弾力性の予算であつて、マーケツトの変動そのほかによつて動いて行くべき事業の特性を持つものだということを明らかにしておるわけであります。この本案がいろいろな面において具体的に現われて来ることになるわけであります。次に今御指摘になりました予算の作成手順であります。なるほど予算の作成及び提出の手順につきましては、大体現在に準ずるような動き方をいたしております。この点は現在と大体同様であります。予算の内容の文字は割合に現在と似ておるようでありますが、予算総則、収入支出予算、継続費、債務負担行為とあります。継続費は相当違います。歳入歳出予算は収入支出予算と名前が幾分かわつておりますが、ことに実質においてかわつて参りますのは予算総則で、今の弾力性予算の本質を生かして行くような形になつておる。なおあと収入支出予算の関係も事業予算としての特性を生かしまして、今の国家予算のような部局別あるいは款項別でなくして、事業であるので、勘定別の事業会計的な体制をとつて行くというふうに相なつております。それから予備費も、ただいまの予備費は予算自身が非常に固定的でありますので、お客さんの需要がふえて、提供するサービスがふえて、料金がよけい入る、こういう場合のことも予備費に考えておりますが、これは当然予算の弾力性の問題として取扱われております。今の制度では、お客さんの要望が多く、サービスを多く販売して、予定収入を越えるだろうという場合でも、年度途中で使うことができない。あるいは経費を使つてお客さんにサービスを提供すれば、より以上の収入があるだろうという場合にも、そういうことができないのでありますが、これができることになつております。継続費のことは先ほど申し上げました。それから予算の流用、繰越しは、原則として自由になつております。ただいまのように内容が勘定別の予算になつておるだけでなしに、勘定の相互間の融通もできる、繰越しも原則として自由ということに相なつております。また予算自身の構成が現金主義会計を離れて、事業会計としての発生主義会計をとるということを明らかにしておりますので、現在特別会計において、いわゆる現金主義会計の決算と、事業会計的な決算と、二重にやつておりますが、この手数が省かれることは、事業の実際の面において相当実益があるわけでございます。決算は事業会計的なもの一本で行けることに相なるわけであります。利益及び損失の処理につきましては、国営等と幾分かわりまして、独立採算に一歩を進めておるわけであります。借入金及び電信電話債券によりまして、政府資金以外にも民間資金から借入れ、あるいは民間資金の引受けの道が開かれ、あるいは外資導入の道が開かれるわけでありまして、日本の一般経済の発達とともに、この問題が相当効果を上げるものだと考えます。現金の取扱いにつきましても、日本銀行一本の利用から、業務上必要な場合は他の金融機関を利用してもよろしいということに相なつております。以下小さなことは除きまして、この事業の具体的な会計処理については、事業経営上の会計処理をできるだけ取入れて行くという意味におきまして、この会計規程はもちろん認可が必要でありますが、公社が自主的にきめるという方法をとつております。それから給与の総額について、これはいろいろ問題がありますが、給与の総額は予算できめられますが、この人員、給与基準は公社がきめてよろしい、従つて給与総額がきめられるのでありますから、できるだけ利用能率を上げて行つて、できるだけ少い人間でできるだけの効果を上げて行く。もちろんそれは首を切るということではありません。これは当然今後とも相当伸びて行く事業でありますので、それだけの事業がふえて行つても、人はそれほどふやさずにやる。それでいてできるだけ高能率、高賃金を実現して行けるという態勢に相なつておるわけであります。なお電信電話債券の引受けの見通しにつきましては、先ほどから大臣が御答弁いたしておりますように、政府も引受けができるし、民間も引受けるということに相なつておりますが、その具体的数字がどうなるということはまだ確定いたしておりません。
○稻村委員 今の問題でなお質問したいことがたくさんありますが、明日することにいたしまして、きようはこのくらいにいたします。
○田中委員長 それでは本日はこの程度にとどめまして、次会は明日午後一時から開会いたします。 これにて散会いたします。 午後四時三十一分散会