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第13回国会衆議院1952/04/03

通商産業委員会建設委員会経済安定委員会連合審査会 第6号

発言数
128 件
登壇者
14 名
会派数
3
開催日
1952/04/03

会議録

中村純一自由党

○中村委員長 これより会議を開きます。  電源開発促進法案を議題といたし、質疑を続行いたします。西村英一君。

西村英一自由党

○西村(英)委員 ただいままでの委員会の提案者の御説明並びに政府の御説明を聞きまして、私は重複しない程度で簡単にお尋ねしたいと思うのであります。  第一番に、電源の開発を促進しなければならぬということは、これはもうどなたも異論はないところであります。これに対しまして政府の答弁並びに提案者の御説明では、資金、資材等については心配はないのだという御説明でありました。一応これを了承するといたしまして、それでは資金、資材があれば、電源開発がこの法案の所期の目的を達するように円滑に行くであろうかどうであろうか、この点について私は多少の危惧の念を持つものであります。と申しますのは、何さま計画しておるところの電源開発の量というものは、いまだかつて前例を見ない程度に、量においても多い、またそのスピードにおいても非常に早い短かい期間でやろう、こういうことにあるのであります。従来いろいろな計画を立てられておりまするが、その計画ではおそらくすべてのものに開きが相当にあるのであります。ところで電源開発の問題につきましては、これはわれわれが期待する所期の目的に達しないと、わが国の自立経済上ないし日米協力の線に非常に困るのでありますから、この所期の目的を達しなければならぬ。従いまして、その観点から見まして、私は資金、資材のほかに、いろいろこの目的を遂行するにつきましての障害があると思うのであります。何さま五十年かかつて今まで開発した日本の電源の約三分の二を、わずか五年間で開発しようというような計画になつておるのであります。第一に私が心配する点は、端的に申しますると、今回のこの計画と申しますか、この法案に対しまする既設電気業者の協力でございます。私は既設電気業者が協力しないであろうということを思うものではありませんが、それには従来わが国の電気行政の行き方を見ますと、その点から考えまして、私は非常に心配いたしておるのであります。電力が国家管理になる前からも、すでに電力の統制という思想があり、国家管理になりまして、それが頂点に達したのであります。従いまして監督官庁の電気の拡充に対するところの行政の仕方あるいは電気業者の考え方というものが、非常に独善的になつておるのであります。供給源を一手に握り、また開発も自分の手でやるのだ、他人の手にまかせることは好まない、このような電気行政の今までの指導の仕方と、またそれに携わりました人々がそういうような考えになれましたために、言葉は悪いですが、排他的になつて、自分の方でやらなければ事は進まぬ、かように考える面が今まで非常に多くあつたのであります。しかしながら今日電力の開発は、国民的要望でありますが、現在の監督官庁は必ずしもそうは思つていない。また電気業者もそういうふうには今は思つておらないでありましようが、何となしにそういうような気分が残つておるのでありまして、かつて配電会社と日発が対立いたしましたように、既設電気業者と、新設の電源開発会社とがまた対立するのではなかろうか、既設電気会社がこの法案に対してどれだけ積極的に協力するであろうかということに対して、私は多少の危惧の念を持つておるのであります。と申しますのは、今回の法案は提案者の説明されるがごとく、電源開発ができる能力のあるところはだれでもやつてもらう。自家発もよかろう、既設電力会社はもちろんのこと、あるいは公営でもやらせよう。しかして大規模でできないものについては特殊の法人をつくつてやるのだ、つまり電気に関係すべきものはすべて協力してやろうではないかというので、大いにこの電気行政の行き方に対しましても、独善性を排しましてやつて行こうというところに観点があるのであります。私はこの辺に非常に敬意を払うものでありまするが、いずれの業者がやるにいたしましても、既設電力業者と密接不可分の関係にあるのであります。既設電力業者に関係なくしてやれるというものは、電源開発は――山で発電所をつくることにつきましては、單独でやれましても、それを受入れ、それを配給するということに対しましては、既設電力業者と密接不可分の関係にあるわけであります。この点につきましてはわが党の村上議員からも、今度の会社は既設業者を圧迫しないか、あるいは既設業者の資材あるいは技術等は活用できるのかという質問に対して、福田さんは、既設業者を圧迫することはない、もちろん活用もできるという簡單なお話でありました。私はこの点につきまして提案者にも相当なお考えがあろうと思うのでありますが、提案者のこれに対するお考えないし、またそれに対する施設等があれば、お聞きしたい。公益事業委員の方がお見えになれば、どういうようなお気持で、現在この既設電力業者を見ておられるか。今までのように、やはり自分の手でやらなければ、何だか開発したような気分にならぬような思想があつたのでは所期の目的を達せない、私はかように考えるものであります。その点提案者並びに公益事業委員会の方から率直な御意見を承りたいと思います。

福田一自由党

○福田(一)委員 お答えをいたします。たいへんごもつともな御意見と考えるのであります。しかしながら実はこの電源開発につきましては、電力会社の方では、自分のところへ国家資金を流してくれれば、自分たちでやるのが一番いいのだという意見を持つておられることは御承知の通りであります。また電気業者としてはそういう考えを持たれるのも一面において無理もないかと思うのであります。しかしながら日本の国が今要請しておりますところは、電力の開発を大規模に、しかも急速にやつて、そうして電源を豊富にして行くということが一番大事なことであります。私は一応やり方として電力会社を尊重してもらいたいということを電力業者が言われることは一面において無理からぬことと思いますが、この法案が通りまして、新しい会社ができて、いよいよ仕事をするという場合になりました以上は、公益事業に携わつておられる電気業者といたしましては議会の決定意思を尊重されまして、この会社に対しましても協力をしてくださるものと確信いたしております。もしまたこのような協力をしないような会社があつたといたしましても、政府としては当然今度は安本に審議会もでき、政府の施策というものがきまるのでありますから、その面から電力業者に対してあらゆる面を通じて協力を求めることができる。なおかつこれが協力しないというようなことでありますならば、一般の世間においても私は電力業者の反省を求めるような動きになつて参るだろうと思うのでありまして、そのような抗争までしてこの新しい会社のじやまをするというような電力業者はあり得ないと考えておるのであります。というのは先ほども申したように、電気というものはいわゆる公共事業であります。国がこれを要請し、国民がこれを必要としてやろうとしておることに反対をされるというようなことはあり得ない。また政策の面から見ましても、監督の面から見ましても、それは行政機構の改革等にも関連いたしますけれども、そういう面は将来は政府としても一元的にして、強くこの電力行政を推し進めて行くという考え方を持つておるようでありまして、その面においても是正が加えられて行きますならば、御心配の点は大体解消いたしまして、順調にこの仕事を進めて行けるのではないかと考えるのであります。しかし御質問の点は非常にけつこうなことでございますので、そういう面につきましては、政府に対しましても特にその点を気をつけるように提案者からも十分説明もし、また勧告もいたす考えでおります。

松田太郎総理府事務官(公益事業委員会事務総長)

○松田(太)政府委員 お答えいたします。ただいまの御質問の点につきましては、電気事業再編成令なり公共事業令というものが施行されております今日におきましては、電気事業者といたしましては、電力の供給について責任を持つてこれが確保をはからなければならぬということについては、もちろんその覚悟でやつておると思いますが、何分にも今日電力の需給関係が非常に逼迫しておりますので、いくら理想を持ち、また自我を主張したところで、実際に電力の需用に対して一度に供給ができません限りは、たとえばお話のように、自家発を営まれるところは自家発をやつて行く、あるいは経営としておやりになつてさしつかえのないところにおきましては経営でやつて行くということにつきましては、電力会社としてもまた公益事業委員会としても何ら拒む、あるいはそれに対して協力しないというものではございません。  それからただいまこの新しい会社ができた場合に、現在の電力会社が協力しないのではないかという御質問のように承りましたが、もちろん現在の電力会社としましても、この新会社ができるにいたしましても、やはり現存の電力会社として当然開発しなければならぬところがございますので、そういう点について開発して行きます上に支障のあるよういろいろな要求がされましては、電力会社としても困ると思いますが、その辺支障のない範囲でいろいろ技術的な点その他の点で御協力を申し上げなければならぬということにつきましては、この法案が国会を通過しました以上、またそういう態勢で国として進むということになりました以上、それに対して協力することを拒むようなことは絶対にない、かように信じております。

西村英一自由党

○西村(英)委員 私の協力と申しましたのはもちろん妨害ということは考えられませんし、また御両人のお話でも十分私は了解するのでありますが、さらに私は既設電気業者として、あるいは今回の電源開発を促進するということにつきましては、そのおのおのの分に応じて協力し合つて仕事をして行くことが一番かんじんなことじやなかろうかと思うのであります。そこでこれはたびたび電気問題のとき重要な問題になるのですが、電力ロスの軽減の問題でございます。電力開発と申しますと、山元へ行つて土木工事をやつて発電所をつくるというはなばなしいところに目がつきやすいのでありまして、私が協力というのは、電力のロスを軽減するという消極的な開発で、これは電気業者は自分の責務として最もやらなければならぬことだと思います。今回の第一期計画にもございましたように、この第一期計画で電力業者が二百四十何方キロの電力を開発するようになつておりますが、そういうような電力を開発することはもちろん必要ですが、それにも増して現在の電気事業者の最大の責務である、電力のロスを軽減し消極的な開発――現在も多少はやられておりますが、はなばなしくないからなかなかとつつかぬのですが、こういうようなことが、今回の急速な電力の開発に対する積極的な協力と私は申すのであります。と申しますのは、電力が飛躍的に増大いたしますと、電力の配給機関を通じて受入れ態勢を負わされておるものはだれかといいますと、それは既設電力業者であります。既設電力業者の責務といたしましては、山元で電力を開発するというよりも、むしろ現在の電力のロスを軽減するという、送電線以下の配給のネット・ワークを完成するというようなことが一番大きい責務ではないか。その点に多大の金をつぎ込むようにすることが、電気業者としては今回のこの計画に対する積極的な責務ではなかろうかと思うのであります。松永さんが公益事業委員会として別案を立てました。こういうようなものについての批判は省きますが、何でも自分の方は山元で発電所をやらなければ開発に従事したような気がしないというようなことを考えずに、今回のこの計画を達成するにはおのおのその分に応じてやることが、既設電気業者の責務であると私は考えておるわけであります。それから四百八十億の供給点における供給量を得るということに対しまして三十一年までは相当に電力のロス軽減の対策をとつておられると思いますが、現在のロスあるいは三十一年の四百八十億キロワツト・アワーの供給ができるようなときには、一体どのくらいのロス軽減対策をとつておられるのか、どのくらい能率を上げるのかということと、それに使う金は電気事業者は幾らくらい見ておるのか、またそのロスの軽減に対する資金はどこから出しておるのか、こういうことについてまず承りたいと思います。

松田太郎総理府事務官(公益事業委員会事務総長)

○松田(太)政府委員 お答え申し上げます。再編成の終りましたころ、大体三割程度のロスでございましたが、その後各電力会社といたしましても、二十六年度中に数十億の金をその方に向けるという計画で、漸次ロスの低下を計画しておりまして、大体二十六年度末におきましては、これはまだいろいろな事情もございますが、大体二七%程度になつております。二十七年度の需給計画を立てます場合にもロスは二六%程度を目標にして考えております。それから三十一年度の、先ほどもお話のような線に持つて参りますためには、大体ロス率は三三%くらいを目標にいたしておりまして、大体五箇年間で三百億程度のロス軽減に要する資金を考えなければならぬということにいたしております。

西村英一自由党

○西村(英)委員 そういたしますと、二十六年が現在の状態で二六%、三十一年の四百八十億キロワツト・アワーを送るときには二三%で、三%の軽減に三百億の資金をつぎ込むということであります。二三%と申しますと、これは一時には直らないものだと思いますが、電力のロスは終局的にはどのくらいのところで目的を達成させるお考えでありますか。

松田太郎総理府事務官(公益事業委員会事務総長)

○松田(太)政府委員 たとえばアメリカ等の例をとりますと、アメリカは御承知のようにどちらかと申しますと火力発電所が主力をなしております。従つて少くとも大きな工場は発電所の周囲に集中いたしまして、ロス率も一二%という非常に低いロス率になつております。日本におきましては水力に期待しなければならぬ、従つて今後は工場側といたしましても、大体発電地帯に近く立地的な條件等を考えて行かなければならないと思つております。しかしそういうぐあいに一挙に持つて行くことはとうていむずかしいので、やはり相当の距離の送電線というものは考えなくちやならぬと思います。戰前におきましては、大体二二%から二三%くらいのロスはあつたわけであります。今私どもの考えておりますのは、先ほど申しました二三%あるいはそれを多少低い目にするところが、現在のいろいろな情勢を考えますところでは精一ぱいではないかと思つておりますが、もちろん五箇年後のことでございますので、そのときのいろいろな状況から判断すれば、さらにこれを低くすることができるかと思いますが、現在の見通しにおきましてはその程度のところが大体せいぜいじやないかと考えております。

西村英一自由党

○西村(英)委員 私はふしぎに思うのですが、五箇年間で三百億の金を使つて能率の改善をやつて、二三%くらいが最終のところじやないかというようなお話でありますが、将来電力の供給がますます大きくなると、電力ロスのために電力の供給量が多ければ多いほどその損失が多くなるのであります。ざつと考えても、もう少し電力ロスのために資金を費して徹底的にロスの軽減の方策をとらなければならぬと思う。ロスの軽減の方策はいろいろあるでしようが、なかんずく現在の送電網といいますか、そういうものが非常に整備されておらないためにこれが起ると思うのであります。わずか三百億の金でやるというのですが、私はもう少しこの電力のロス軽減の方策をとれないものかと思うのであります。たとえば信濃川水域の電力を東京に送つて来ているのでありますが、信濃川水域五十万キロくらいの電力を東京に送つて来る場合には、送電線何本あるか知りませんが、現在の状態では一次変電所渡しで一割かあるいは一割以上のロスがあると思うのです。一割以上と申しますと五十万キロの五万キロもすでにロスとなつている。五万キロの水力を開発するということになつたらたいへんな問題だ。そういうようなことまで考えて、なおこの三百億の金で足り、ロスの軽減は二三%くらいが最終であろうと申すのでありますかどうですか。もう一つ、この三百億という金は、現在の既設電気業者の補修費で出しているのでありましようか、あるいは改良費的な費用で出しているのでありましようか、その辺を私はお聞きしたいと思います。

松田太郎総理府事務官(公益事業委員会事務総長)

○松田(太)政府委員 ただいまのお話はしごくごもつともの点でありまして、電気会社といわず、できるだけ各方面で協力しなければならぬのでありますが、何分にもほつておけばやはりそれだけロス率がふえて参るのであります。従つてそのロス率のふえて参る点をカバーして、しかもロス率を下げて行くというには相当の努力が必要であつて、それには送電線を補修するにいたしましても、あるいはまた送電線を新設するにいたしましても、相当の資金はかかるのですが、大体そういう方面に対する資金についてはいわゆる内部留保のうちからこれを使うようにいたしております。ただいまの御質問の点につきましては、公益事業委員会としてもできるだけロス率を減らすこと、また現在ございます電力施設についてこれの補修をし、たとえばかさ上げをいたしますとか、あるいはいろいろこわれているところを少しの金を使つて修理をし、それによつて、キロワツト自体としてはそのままでも、キロワツト・アワーをふやすというような、現在の電力施設についても、発電施設についても、これを極力出力として増強するというような点につきましては、ロス率の軽減と相伴つて、今後も十分お話のような点について注意をいた上、また電力会社もその線に沿つて極力努力をして参ることと考えております。

西村英一自由党

○西村(英)委員 私は既設電気業者が積極的に協力してもらいたい。と申しますのは、今回の電気の開発が全国的であつて、しかも規模が非常に大きい。その受入れ態勢ができていない。従つて既設電気業者の唯一の責務はそういう受入れ態勢をつくることであつて、電源開発をみずから山に行つてやることもよろしゆうございますが、それは自分の手でやるのだ、人にはやらせないのだというようなことでなくて、自分の責務をそのおのおのの分に応じて果さなければ電源開発はできないということを私はここで申したのでありまして、今の松田さんのお話を聞きましても、この受入れ態勢を電気業者がつくるということにきわめて消極的なので、はなはだ不満足に思うのであります。と申しますのは、現在のような状態ですと、たとい電源が開発されましても、受入れ態勢ができなくて非常に混乱を来すおそれがある。従つて電気事業者はロスの軽減については部内の補修の費用でやるということを考えておりますが、そうではなしに、やはり電源開発として振り向けられた金をそれに相当向けるべきではないか。従つて電気事業者が一期計画で二百四十万キロの開発をする金は受入れ態勢の方に向けて、消極的な電源開発の方に改良資金を相当かけるべきではなかろうか。何でも聞くところによると、電力のロスの軽減等のごときは、補修費に属するものだから、改良関係資金を出すことはなかなか困難だ、見返り資金はその方へは出ない、開発というはでなことでないとなかなか金が出ないということにも起因しておることと思います。私は提案者にお聞きしたいのですが、かくのごとき大規模の電源開発には、電気事業者をして受入れ態勢を十分整えさせなければ、なかなか大問題が起ると思うのでありまして、さらに建設工事開発資金として向けられておるものをロスの軽減に積極的に使うということを考えるべきではないか、そういうことにも改良資金、見返り資金その他を相当に出すことを考えるべきではないか。私はかように思うのですが、提案者はどのようにお考えでありますか。     〔委員長退席、内海委員長代理着席〕

福田一自由党

○福田(一)委員 たいへんごもつともな御意見でありまして、先ほどからロスの問題が出ておりますが、御存じのようにロスと申しましても、その中で盗電されている面などが五%くらいある。この盗電されているようなものは、メーターでもどんどんつけて行きますと大分節約されるというので、われわれといたしましても従来から公益事業委員会に対しても電力業者に対しましても、合理化の面から強く要望いたし、通産委員会その他を通じまして大いに努力するようにということを要望いたしておるわけであります。また送電と申しましても、第一次変電所までの分と、需用者まで行く面とを考えてみますと、今のところは両方においてロスが起きておりますが、第一次変電所まで行く分のいわゆる幹線の送電においても不必要な面があります。また需用者まで行く末端の分においても裸線を使つているようなところがあつて、そういう面における整備が非常に十分でないということは御存じの通りであります。これを電力業者の義務という立場から見ますれば、電力業者としてはもちろん電源を開発することも重要でありますが、お説の通りこれを受入れる態勢を充実するということが、はなばなしくはないけれども、最も効果的な電源開発になることも明瞭なことでありますので、質問者の御趣旨を体しまして、私どもといたしましては、今後金を出します場合にも、この方面に重点を入れて行くように、政府をして行わせることを忠告したいと考えているわけであります。

西村英一自由党

○西村(英)委員 さらに自家用発電所のことでありますが、この計画の中に、五十万キロ開発をするのだ、五十万キロの電源をしかも二箇年くらいに開発するのだという計画になつております。これを四百八十億キロワツト・アワーの中に含んでいるのであります。自家用発電所も従来の行き方から見ますと、なかなかそう私は行かないと思うのであります。よほど強力にこれを皆が押してやらなければいけない。もちろん資金等につきましては相当な裏づけをやる、こういうふうに政府も申しているわけでありまして、資金は心配はないといたしましても、水利権の問題等につきましても、既設電気業者が持つているところの水利権を、自家用といたしまして讓つてもらいたい、こういうような場合が起つたときに、やはりこれは進んで讓るというような協力的態度をとらなければ、自家用もうまく行かないと思うのであります。積極的協力というのは、電気事業者は、自家用がやるにいたしましても、公営がやるにいたしましても、ないしこのたびの特殊法人がやるにいたしましても、自分たちの協力者がたくさんできたのだ、電源開発をやつてくれる自分たちの兄弟がたくさんできたというような気持で行かないと、水利権一つの問題にいたしましても、自家用としてはそう持つているわけではありませんから、いろいろ問題が起ると思うのであります。自家用といたしまして、そういうような水利権、あるいは電源を開発したけれども、これを送る方法がない、送電線によつて託送してもらいたい、送電線を貸してもらいたい、いろいろな問題が起つて来ると思うのでありますが、この五十万キロの電源を開発するということにつきましては、電気事業者がそういう面についてのどういうような協力をさせるおつもりでありますか、ひとつ承りたいと思います。

福田一自由党

○福田(一)委員 御説の通りでありまして、今は国民全体が電源の開発をしなければならない、またこれに協力すべき立場にあるのであります。ましてこれを担当しております電力業者は大いに自家発の場合についても協力をいたすべきものと考えておるのでありますが、しかしこれは当事者の間で話合いを進めまして、なおかつそれがうまく行かないような場合におきましては、御存じのように調整審議会というものがありますので、発電をすることにつきましては、その審議会において発電所をつくる場合の地点その他の問題については決定ができると思うのでありますが、送電線を利用するがごとき場合においては、どうしても当事者の間の話合いということが一番大きな問題になると思うのであります。これはただいまのところ電力行政を担当している公益事業委員会において十分この点を含んでやつてくれているものと考えておるのでありますが、これについては公益事業委員会側から御答弁があるものと考えておるわけであります。

松田太郎総理府事務官(公益事業委員会事務総長)

○松田(太)政府委員 自家発の問題につきましては、先ほども申し上げましたように、各需用者側の方で、今日の電力事情から、ぜひ自家発をして参りたいという場合には、その地点等について既存の電力会社のいろいろな計画とか、それから今度できます新しい会社として大規模の開発をして参りますような、そういう場合の計画の長い目で見たものと、非常に支障を来すような場合におきましては、いろいろ調整をとり、また将来の條件もつけて行かなければならぬ点があると思いますが、そういうことでない限りは、自家発についての奨励制度については政府としてももちろん、委員会をひつくるめました政府においても、何ら異論はないことと考えております。ただいまお話の水利権等の問題については、そういうような意味で具体的なる例においては検討を加えなければならぬ点が出て来ると思いますが、その際においては、先ほど福田さんからお話になりました方法、その他必要があればもつと積極的な措置を考える必要もあるのではないかと考えておるのでありますが、そういう調整方法を国として考えて、解決して行くべき問題ではないかと思つております。  なお託送等の問題については、現在においても電力会社と、自家発をおやりになる方との間に個々的に契約をされております。またかりに電力会社の方で、その託送等についてこれを拒んだり、またその託送料等について非常に高いことを要求するというようなことがありました場合には、よく委員会の方にそういう話を持つて来られますが、そういう場合には委員会の方におきましても、実際問題として中に入りまして、その辺の御相談をつけるようにいたしているような例も少しはあるのであります。そういう点でこの自家発の問題については、今後水利権等の問題についても、あるいは託送等の問題についても、国全体の電力の供給がふえ、それがまたほんとうに需用者の面に行くようにするためには、これはどこといわずあげて協力して行かなければならないし、また現にそういう線で進んでおります。

西村英一自由党

○西村(英)委員 私は次に電力の開発と産業立地のことでお尋ねしたいのですが、電源地帶は必ずしも産業の立地條件のいい所ではありませんで、むしろ悪い所にある。電源の開発は、電力自体から有利な所を先に開発して行く。産業は産業でまた産業立地から考えて工場ができ、産業が興る。これをなるべく接近せしめることは、国の重要な問題であろうと思うのであります。また今後新規のものにつきましては、相当に考えられると思うのでありますが、現在までの産業の立地の條件と、これからの電源の開発地点とが必ずしも合うとは思われぬのであります。その点につきまして、電源は電源で開発して行く、産業は産業でもつてその所を異にして興るというようなことを、私は相当に考えておかねばならぬと思うのであります。そういうようなこともありまして、先日の委員会でも、荒木さんから送電連絡の問題も出ましたが、これを提案者がどういうふうにお考えになつておられるか、主要幹線は、これをつくらねばならぬということはわかりますが、この辺の総合的な考え方を、どういうようなお気持でおられるか、参考のために承つておきたいと思う。

福田一自由党

○福田(一)委員 お説の通り、国土総合開発の見地から、また産業の立地條件を考慮に入れまして、日本の経済の復興をはかり、民生の安定をはかつて行くということは、国力をフルに使つて行くという意味で非常に大切なことと考えております。今のところ、産業のあり方は、むしろ都市に集中しておるような傾向がありまして、これを急激に、電気が安いからといつて移して行くというようなことは、これはまた非常にむずかしい問題であります。しかし質問者もおわかりのように、電気というものは、何といつても晝間一番よけい工場が運営されておるときが一番需用が多いわけでありまして、深夜にありましてはあまりそういう面の需用はない。そこで夜起きますところの電気などを使つてやつて行けるような産業でありますならば、これはいわば非常に安いコストの電気が使えるということになりまして、こういう面でその産業は大いに能率的な仕事ができ、安いものをつくることができるということになるのでありますから、大きな電源の開発をいたします場合におきましてはこういう面も考慮に入れまして、そうして産業のあり方を次第にかえて行くということが望ましいことであると私たちは考えておるわけであります。しかしながら電力自体は御存じのように、まだいずれにいたしましても足らない状況にございますので、今大規模な電源の開発をはかろうと考えておるのでありますが、どうしても送電面におきまして足らざる所へ持つて行く必要が起きますから、相当大きな送電幹線というものを考えて行く必要もあろうかと存じておるのでありまして、そういう面も考慮いたしましてこの案を考えておるわけであります。

西村英一自由党

○西村(英)委員 次に水力と火力の割合についてでありますが、大体今までのわが国の電気事業は、水主火従と申しまして、水力が主で火力はそれを補つておつたのであります。水力八割、火力二割ぐらいの割合でずつと来たと思いますが、何さま石炭の価格の高くなつたことによりまして、電気料金の問題あるいは電気地域差の問題が起つておるのであります。それでこの補給用の石炭をなるべく少くするというふうに、すべての計画がおそらく心がけられておると思いますが、具体的に三十一年で四百八十億キロワツト・アワーの電力になります場合に、石炭の需要はどうなりますか。現在の水火の比率がどうなるか、あるいは石炭の絶対量はどうなるか。おそらく少くなるように心がけておると思いますが、その辺を私はお聞きしたいのであります。

佐々木義武経済安定事務官(総裁官房経済計画室長)

○佐々木(義)政府委員 お答えいたします。石炭の出炭量の見通しでございますが、現在安定本部の考えておる予想といたしましては、大体五千三百万トンくらいが限度であろうかと思つております。そのうちで、他産業との配分を考えまして火力用炭として使える限界と申しますのは、一千万トンぐらいが限度でなかろうかというふうに考えております。従いましてこの法案の中に盛られましたバツク・データーといたしましては、極力石炭を使わないで済むような大規模なダム式の電源を開発いたしまして、文字通り水力に重点を置きまして火力を従にいたしたい、こういうような計画になつております。

西村英一自由党

○西村(英)委員 数字はどうなのですか。三十一年の四百八十億キロワツト・アワーのときにおける水火の割合はどういうふうになりますか。また三十一年度に一千万トンの石炭を使うということになるのですか、どういうことになりますか。四百八十億キロワツト・アワーのときの水力、火力のパーセンテージですね。現在の火力は二割ぐらいになつておるのですが、三十一年度においては火力はやはり二割ぐらいですか、あるいはずつと一割五分とか、落ちるのですか。

佐々木義武経済安定事務官(総裁官房経済計画室長)

○佐々木(義)政府委員 二十六年度を申し上げますと、二十六年度の出力といたしましては、火力が、電力会社の分が七十三億キロワツト・アワーになつておりまして、自家発電分が二十八億キロワツト・アワーになつております。これが三十一年度になりますと、電力会社の方が、火力が九十三億キロワツト・アワーで、自家発分が九十一億キロワツト・アワーというふうになつております。それに対しまして水力の方は、電力会社の方が現在三百七億キロワツト・アワーが三十一年度に三百九十四億キロワツト・アワーになりまして、県営でやつております分が十二億キロワツト・アワー、特殊会社でやつております分が約十四億キロワツト・アワー、それから自家発でやる分が五十一億キロワツト・アワーというふうな計算であります。

西村英一自由党

○西村(英)委員 数字をそう言われてもちよつとわかりませんが、三十一年度に幾ら使う計算になるのですか。石炭が一千万トンになるのですか、あるいは現在と同じ程度の石炭になるのか。石炭がよほど減るのかふえるのか、その辺を聞きたいのです。

佐々木義武経済安定事務官(総裁官房経済計画室長)

○佐々木(義)政府委員 石炭の現在の所要量は、自家発等も全部合せまして約八百万トン近く消費してございますが、先ほど申しましたように、将来はこれを一千万程度に押えたいと思つております。但し漸次火力の老朽した設備を更新いたしまして、わずかの石炭でなるべく多くの火力を出したい、こういうふうな計算で進んでおります。

西村英一自由党

○西村(英)委員 どうもはつきりしない点がありますが、五千三百万トンがわが国の出炭量のマキシマムである。従つて一千万トンがこの電力の補給用としての最高であると考えておる。この点はわかります。そういたしますとこれからなるべく水路式の発電所はやらないで、ダム式の発電所にしよう。従いましてダム式によりましてこの補給用の石炭のかわりに水力を使おうというような御計画のもとに、今回の電力開発会社も、おそらく今後の電力開発もダム式でやると思うのですが、ダム式でやつた場合でも石炭は、究極一千万トンは電力補給用としているのだ、こういうことに解釈してよろしいのですか、その辺をお聞きしたいと思います。

福田一自由党

○福田(一)委員 ただいま政府委員が説明いたしましたように、一応一千万トン前後の石炭が必要ということに相なつておりますけれども、しかし御存じのように、日本の火力設備というものは効率が非常に悪いのであります。この面に十分改善を加えて行きまするならば、おそらく一割ないし二割くらい石炭の消費量を少くしてもやつて行けることになるのではないか、またそういう方面に努力をいたすことが企業の合理化である、かように私は考えておるわけであります。現在のままで行きますと、これくらいの石炭を消費しなければならないが、それでは企業の合理化というものはないのでありまして、どうしてもアメリカの火力のようにもつと石炭を有効に使うということが必要になるだろうと思うのであります。また石炭のカロリーの問題にいたしましても、現在は割合に高カロリーのものを使いましてやつておりますが、機械設備がよくなりますれば亜炭程度のものでも相当の効率を上げ得ることはアメリカの実情が示しておるのでありますから、私たちといたしましてはそういう方面においても極力この設備を改善して行くという面に努力をいたしまして、要するに二割の火力と八割の水力でもつて日本の電力の運営をいたして行く、そうしてできるだけ石炭の消費量を少くいたしまして、他の目的に石炭を使い得るように指導いたして行くことが必要である、こういう考え方でこの法案をつくつておるわけであります。

西村英一自由党

○西村(英)委員 今までの行き方で水力が八割火力が二割、しかも火力というものが石炭のためにいろいろ問題が起つておるのでありまして、またわが国の石炭の事情から行きましでもこれは相当に節約しなければならないと思うのでありまして、水力、火力の発電量の八割、二割の比率をたとい火力を相当に下げましても、電力全体の供給量、この計画によつて今後どんどん開発されて来ます電力の供給量の補いとして火力には絶対量としてのたくさんの石炭が私はいると思うのであります。たといダム式をつくりましても相当に石炭がいるということを私は考えておるものであります。従つて石炭は、この計画自身相当にセメント、鉄鋼などもいるので、このためにも石炭が非常にいるのですが、この石炭を節約する面につきまして、私は本計画と並行的に相当考慮をいたして行かなければならないと思います。従いまして石炭は一千万トンではなしに、ダム式の計画を完成すれば電力用としては五百万トンくらいで済むのだというふうな、そういう御計画になつておるのかと思つておつたのでありますが、その辺はお聞きしただけで意見は申し述べないことにいたします。  次に、このダム式でやるということにつきましては、前に建設委員会でも申しましたが、非常に問題があるということにつきましてはもうたびたびこれは言われておることでありまして特にそれはダムの埋没ということでございます。いろいろ調査書もありますが、特に天龍の泰阜のごときは五年にして二千立米がもう六五%も埋まつておる。その他のダムにいたしましても相当埋没いたしておるのでありますが、今後ダム式でやる河川につきましては、これは建設大臣の問題ばかりではなく農林大臣に関係するところも相当多いのです。いずれにいたしましても政府といたしましてこのダム式で開発するという河川につきましては、これに並行して上流の方で川を治めるということをやらないと、ダムはできても数年にしてまた大きい問題になる。しかもこれは埋没いたしましたら人力でどうすることもできないことでありますために、今回大規模に電源を開発して、しかも水路式でなく、ダム式でやつて行こうというこの計画につきましては賛成いたしますが、それと並行して国として総合的な埋没を防止する方策を講ずることが私は必要であると思うのであります。もちろん農林大臣も関係しますが、建設大臣は国務大臣としてどういうふうにお考えであるか、公共事業費としてどんどん農林省の予算とくつつけて行くお考えであるか、その辺を承つておきたいと思います。

野田卯一自由党建設大臣・北海道開発庁長官

○野田国務大臣 西村委員の御質問きわめてごもつともなことでありまして、われわれといたしましては、ただダムさえつくればよいという考えは最も幼稚な考えであつて、ダムをつくつてもお話のようにすぐに埋まつてしまうということではいけませんので、どうしても山を固め砂防の完璧を期するということに進まなければならないと考えております。私ども地方に参りますと、ダムの埋沒の状況に非常に注意をいたしておるのでありまして、われわれといたしましてはまずダムを考えるとき、同時に資金計画にいたしましても、その他の公共事業計画にいたしましても、ダムだけを考えることは絶対にいけない。ダムプラス砂防プラス治山、常にダムと言えばすぐ山というように私は考えて推進をいたしたいと思つております。

西村英一自由党

○西村(英)委員 次に水利権の問題について触れてみたいと思います。水利権と申していろいろな権利がありましようが、なかんずく発電水力の問題につきましては、従来の取扱い方が非常にあいまいな点がありましたために、この水利権をめぐりまして電源開発の促進上いろいろ問題が起ると思います。ももろん調整審議会が調整すると思いますが、現在発電水力として水利権を許可しておるところの件数はどれだけあるか。またその中で権利はとつているけれども、未開発のままに放置されているところが相当ある。そういうところについては既設電気業者はそれはおれの方が水利権をとつているのだということを申されて、ややもすると自家用の電源を開発しようというものに対してブレーキをかける結果になるのでありますが、許可件数は幾らであつて、何万キロであるか、そのうちで未開発の分は何件であつて何方キロくらいあるのか。またこの水利権につきまして調整審議会をまつまでもなく再検討をする機会が来ているのではないかと、私はこの法案の提出を機会にいたしましてさように思うものでありますが、建設大臣はどうお考えになりますか。

野田卯一自由党建設大臣・北海道開発庁長官

○野田国務大臣 件数その他のことは調べてあとでお答えいたしたいと思いますが、御趣旨はきわめてごもつともなのでありまして、私は水利権をとるということは、綱をつけることだという考え方がかなりあると思つております。でありますから水利権の整理をやらなければならぬと考えまして、事務当局に調査を命じて今その調査を進めております。ただ前に水利権をとつたから、綱がつけてあるから権利に眠るというようなことがあつて、国全体の開発を遅らせることに相なつてはならぬとわれわれは考えて水利権の内容を検討いたしまして、最も有効に使える方向に進みたいと今準備を整えている次第であります。

西村英一自由党

○西村(英)委員 数字は後ほど頂戴するといたしまして、現在までの水利権は、発電水力の方につきましては比較的いろいろ整つた調査はあるかもしれませんが、農業水利権のことにつきましては、地方長官でやつておつたのでその地方長官が自分の方に許可の権限があつたということで、非常にルーズになつているのだと思いますが、農業水利にいたしましても従来のような、ただ水門をつくるというような簡單なことでは農業水利はうまく行かないので、農林省の方でも全国にわたつてたくさんダムをつくつているのでありますが、こういうことにつきましては一応水利権の再検討をする必要がある。しかも水利権は一ぺん与えたら現在は無期限にその人に与えるということになつておりますが、こういうような問題につきましても、今後政府で十分お考えになつていただきたいという希望を付してこの問題は終ります。  最後に私の提案者にお聞きしたいのは、このたび新設の電源開発株式会社でありますが、今回のこの電源開発がうまく行くかどうかということも、この法案がどんなによくても、今後の問題はこの会社の運営にあると私は思うのであります。従いましてその幹部になられる方々につきましては、愼重な考慮を要することはもちろんでありますが、一体電源開発会社の陣容はどういうふうにお考えになつておりますか。陣容と申しましても漠然といたしておりますが、どれくらいな人間を考えて――これはだんだんふえて行くことと思いますが、しかしそれにいたしましても日発等の例もありまするし、どういうような規模にお考えになつておるかというようなことにつきまして、御計画があれば一応参考のために承つておきたいと思います。

福田一自由党

○福田(一)委員 会社ができまして、工事を進めるについての計画をいたしております間は、非常に小規模だと思いますが、だんだん現場がふえて参るような場合になりますと、相当な人数を必要とします。しかしながらいずれにいたしましても、なるべく少い人員でこれを運営して行かなければならないと考えておるのでありまして、大体予定しておりますのは、当初は百五十人内外、全部の計画を進めて大いに開発するというか、発電工事を進めて行く場合においても五百人内外をもつてとどめたい、またそれで十分できるものと考えておるわけでございます。

西村英一自由党

○西村(英)委員 私は、相当な早さで電源開発をするのに、電源開発会社が五百人くらいな人間で行くという話を聞いて、実は少し見当が違うのであります。もちろん少数の人数でやつて行かなければならぬということもわかりますが、そうしますと開発会社のやり方は、従来のやり方とよほどかえなければならぬ。と申しますのは、五百人が悪いというのではありません、五百人でけつこうでありますが、今までのやり方、結局現在の既設電気業者がやつておるやり方、前の日本発送電株式会社がやつておつたようなやり方、つまり測量をし設計をし、そうして請負人に工事を出すまでの仕事をやつて行くというようなこと、それからそれの監督ということになりますと、とうてい百五十人や五百人くらいの人間ではどうにもならないと思います。それで五百人はけつこうです、少くすることは非常に必要でありますが、そのためにはこういう方策をとつたらどうかと思うのです。今までは請負人には何にもやらせぬ、つまり競争入札をさせるために、自分の方で見積りをちやんとこしらえて、ちやんと設計を全部して工事をするという方法でやつておつたのでありますが、今回の電源開発については国民も一体となつて協力する。そのためには、従来でも善良な請負人もいるし、大きい組は相当設計もできるわけですから、そういうものを育成するために請負人を指名して設計をやらせる。そういう方法をとらないと、設計の技術の方で優秀な方はたくさんないからむずかしい。もし電源開発株式会社の人員を極端に少くしてやるということならば、現在の請負制度のやり方等についても相当に考慮を要するものだと思うのでありまするが、従来のやり方と違うのだというようなお考えがありますれば、その辺もお聞きしておきたいと思います。私の質問はこれで終ります。

福田一自由党

○福田(一)委員 私たちといたしましては先ほど申し上げた人数で工事の設計、監督までできるものと考えておりますが、御説の通り、これは国民全体が協力をしてやらなければならない問題であります。またやり方としてもいろいろのことがあると思います。これはもちろん会社首脳部が決定いたすべき問題ではありますが、その際の参考意見といたしましてただいまのような考え方があるということは、提案者といたしまして会社首脳部に伝えて行きたいと考えておる次第であります。

内海安吉自由党

○内海委員長代理 田中角榮君。

田中角榮自由党

○田中(角)委員 私は電源開発法の制定にあたりまして、この会社の運営とか、それから政府はこれに対してどういう開発方式をとるかという技術的な面について御質問申してみたいと思います。  今電力の開発が日本の現状において何よりも優先的に取上げられなければならないということは私が申し上げるまでもありません。その意味におきまして、かかる法律案が提出せられておりますが、日本の過去を顧みますときに、あまり目的を遂行することに汲々であるために、ほかのことを全然考えないで動くことが往々あります。軍需生産ということを考えた場合には軍需生産一辺倒になりまして、ほかのマイナスも何も考えない。やめた場合の転用も、将来の処置もほとんど考えないで、非常に狭い視野によつてこういうことが行われて来たことは、幾多の事例を持つておるわけであります。その意味におきまして電源開発の実際の方式に対しては十分考えなければならないということをいろいろ考えております。私も提案者の一人でありまして、提案者に御質問するということは何かおかしいようでありますが、私たち自身でもこの法律案を提案して実施いかんの責任は負わなければならないということで、われわれの所信を披瀝するとともに、これが実施の衝に当られる監督政府機関及びこれが会社の運営等に対しては強い條件を付しておかなければならない、こういう意味で私は意見を述べつつ御質問をしたいと考えておるわけであります。一つの例を申し上げますと、終戰後に日本の予算の中に一番大きく取上げられた農林省所管事業に開拓という問題があります。この開拓は水がなければ問題にならない事業でありますが、建設、農林両省の連絡の円滑を欠いたために、開拓は実にうまく行きましたが、山間部門ばかりやつておつて、現在は水がさつぱり通じないということがありまして、戰後に立てられた開拓計画に対しては現在きびしい批判が下されておることは私が申し上げるまでもありません。またいろいろなことを聞いてみますと、電力が必要なんだ、どんな無理をしても電力を開発しなければならない、これは何人も言つておりますし、また知つております。しかしその対策になりますとまつたく電力オンリーであります。電力という専門のものに対しては一般にはわからない、技術者がきめるのだ、こういう非常に高圧的なお考えがあるようでありますが、私はこれは間違いだと思つております。生きるために水を忘れては何もできないのであります。日本が敗戦後荒廃せる国土から立上るには、水を利用する以外にありません。私はその意味において電力オンリーでなく、電源開発というものは必然的に国土保全、資源開発、産業の振興というものと完全にマッチした計画によつて立案せられなければならない、こういうふうに考えておりますが、今までの政府案をいろいろ見ておりますと、現在まで終戰後相当の電力が開発せられましたが、どうも政府案の視野は狭い。私たちもかつて地方開発小委員会を建設委員会に設けまして、在野各学識経験者の意見を徴したのでありますが、建設省で前から計画しておられるところのいわゆる多目的ダムというのも近年二、三年のうちに急速に実施に移されてはおりますけれども、その中で大きな電力を持ち、あわせて多目的な用途に利用せられるような工事は何らかの形でみな阻止せられております。私は、これは一つには日本の今までの電源開発方式が水路式であつたというところに原因しておるのであろうと思います。川の流れのままに水を扱うのだ、水にさからつてはいけないということは、私自身も多少その方面を研究しているものとして、水にはさからわないことが一番水を治める道であるということを知つておりますが、水は場合によつていろいろにこれを利用するということが最も大きく考えられなければならない。建設省で長い間考えておりますところの、木津川の川ぎわに六十メーターのダムをつくつて琵琶湖に入れ、良質の水をつくる、そしてそれを奈良県に落して、非常に安い五十万ないし六十万キロの水をつくる、これによつて和歌山の平野はまつたく灌漑の心配はなくなるという問題もありますし、九州阿蘇の山の水を流域変更して白川の沿岸に引くという問題もあります。なお相模川の堰堤の設置しかり。それよりも私たち委員会でいつも取上げて、ここにおられる目黒河川局長にも山本利水課長にもいろいろな質問を試みている熊野川の電源開発の問題もしかりであります。わずか千戸の部落が埋没するために、長い間かかつてもこれが解決しないというような問題がいろいろあるのでありますが、政府が今までの電力オンリーという考えから、一歩前進し、なかんずく建設省は洪水防禦、治水の面と、電源開発と完全に一致をした考えを持つておられるということは私は非常な進歩だと思います。それよりももう一歩進めて、二十七年度の予算からは利水という面を大きく取上げて来ました。これは私は吉田内閣の一大進歩だと思います。その意味において水を治むる者は国を治むるというのは日本だけでなく、どこでも長い歴史においてはそうでありますが、大体治水というものに一般会計が大きく食われております。と同時に電源開発という面でも今度大きく食われるわけであります。もう一つは利水という面に大きく食われている。この三つを一つにして総合的なものをつくるということは、私たち建設委員会の持論であるのでありますが、今度の電源開発も電力オンリーでなく、いわゆるテネシー・ヴアレーのような、ニユーヨークに与えたミシシツピー・ヴアレーのような、これの型の小さい総合的な電源開発をやるべきである。しかも電源開発会社が取上げる大規模な発電地点は、当然このように多目的なダムがつくられなければならないと考えているのですが、発案者及び国務大臣としての建設大臣はいかなる所見をお持ちになつておられるか。特にこの電源開発会社の有力なるメンバーとして建設大臣がおられるのでありますから、今腹案がないというのではなく、すでに十日ごろからは全国候補地の選定に当られるわけでありますので、これが所信を明らかにせられたいと考えます。

野田卯一自由党建設大臣・北海道開発庁長官

○野田国務大臣 田中委員の御意見には、私は全面的に賛成なのであります。国土の総合開発という観点から、水を極度に利用し、かつまた水を完全にコントロールする、これ以外に私は再建日本を盛り立てて行く道はないと考えておりますので、その方向に沿つて電源の開発もし、またその水を利用して工業、農業その他の分野に役立たせるという方針で進んで行きたいと思つております。

福田一自由党

○福田(一)委員 治山、治水、利水という面と関連して電源の開発をやらなければならぬということについては、私どもも全面的に賛成でございます。大規模な発電所については特にこの点を注意していたすべきでありまして、この法案によつてできます新しい会社は、大規模の地点を開発するのが主目的になつておりますので、今申されたような点は特に考慮を払うべきものであると考えております。また法案自体としましても、審議会を設け、これらの面の関係者がみな集まつて、今言われた方向に進み得るような機構をつくつているわけでありますから、この点については万遺漏なきを期すべきであると考えておる次第であります。

田中角榮自由党

○田中(角)委員 ごもつともな御発言でありまして、非常に意を強うしたわけであります。多目的なダムを築いて、新しい方式によつて新しい地点が新しい観点によつて選ばれるということであれば、私も提案者の一人としてまつたくその通りに考えているわけであります。だから新しくつくられる電源開発会社、また審議会の委員及び技術者もこの線だけは破らないように御注意申し上げておきます。  第二には、現在建設省、各府県でやつております河川の利用には、先ほど申しました通り、洪水調節と水域の利用、灌漑という問題があるのでありますが、なかんずく北上川、胆沢川、猿ケ石等は百五十数億万円の費用をかけて大きなダムを現在施工中であります。しかしこの施工にあたり、ダムは建設省、電力は通産省というようなことで、政府部内でありますから連絡ができないことはないのですが、事務官僚は俗にいうセクシヨナリズムと申しましようか、委員会ではりつぱに、連絡はしております、次官会議にもかけております、閣議は通つておりますと言うのですが、実際ちぐはぐであることは枚挙にいとまがないのであります。その意味において私たちは国土省設置というようないろいろな意見を長いこと出していたのですが、なかなかできないようであります。ここに建設大臣がおられますが、建設大臣は建設大臣をやられながら行政機構をやつているのではどうもまずかろうから、どつちかにしてもらいたいということを私たちも申し上げて来たり、いろいろ考えておるのでありますが、まつたく各省に分属しているこういう事業が円滑を欠いているということの事例はたくさんあります。そういう意味で、電力に利用するダムについてさえもいろいろな問題があるのでありますから、特に総合的な地方開発を目途とした大きな電源開発をやろうという場合には、日発のように自称エキスパートだけで電源開発会社を構成してはならない。今も福田君が言われた通り、十分その趣旨に沿つた人選を行い機構を整備するということでありますので、それ以上に私は申し上げたくないのでありますが、電源開発地点は新しい観点に立つてきめなければならないし、この法律案を出す自由党としても、これが成果に対してはわが党そのものの一つの大きな実績であると同時にまた場合によつては、後世指弾を受けるおそれが十分あろうと考えますので、特にこの機構に対してはオーソリテイのごとき、各界の権威者を網羅し、技能者を網羅したところの機構がよいのではないかということを私は考えておるわけであります。この法案は私も提案者でありますので、どうも言いにくいのでありますが、第九條には開発地点は審議会でもつて委員十名をもつて行うことになつておりまして、この委員十名のうち七人までは大臣であります。これはわが党選出の大臣でありますので、どうにもなると思うのでありますが、大臣の中でもさて地点の選定ということになると、なかなか意見がまとまらないのが通例であると思うのであります。だからこの審議会の委員には、関係省の大臣を入れておりますが、「電源開発に関し学識経験を有する者のうちから経済安定本部総裁が任命する者三人」、すなわち内閣総理大臣が任命する三人、これは閣内におらない在野の有識者が選ばれるわけでありますが、私も提案するときにどうも少し感違いしたかと思うのですが、もう少しふやした方がよいと思つておる。まあ出した手前もありますので、私は十五名、二十五名にふやせとは申し上げません。しかしこの三人の人選は、日本の電源というものに対する最高権威者でなければならぬということを私は申し上げたい。建設大臣もこの点に対しては国務大臣としてどういう人を入れなければならない、またその人選はどういうふうにお考えになつておるか、今腹蔵ない御意見は御発表になれないかもしれませんが、この人選に対しては、私は非常に重大な関心を持つております。なぜなれば、これは一介の電源開発のエキスパートであるということをもつて人選をしていただきたくないと考えているわけであります。率直に申し上げますと、当りさわりがあるかもしれませんが、率直に議員としての立場から申し上げますと、日本の電源開発地点の選定及び開発の方針等に対しては二つの流れがあります。これははつきりとした流れでありまして、官庁同士のセクシヨナリズムというのではなしに、技術屋同士の対立であります。面子による対立、学閥による対立、もつと大きくいつて大陸閥と内地閥という大きな対立があります。これは琵琶湖の問題もしかりであります。熊野川の流域変更の問題に対しても、流域変更を内地側が立案する、大陸側は本流案を支持する。御承知の通り、今新潟県案、福島県案などといつて小ぜり合いをやつている只見川でも、日本に残されたたつた一つの電源であるということが言われており、現在発電されている全国発電総量の三分の一が発電ざれるであろうという大きな問題に対しても、本流案は内地技術者が支持しておる。また内地の技術者陣が面子にかけてもということを言つておられる。流域変更案に対しては大陸技術者が支持しておる。こういう問題があつて、私は内地技術者が悪いとか、大陸技術者がいいと言うのでありませんが、少くとも今までの商工省の電力局、今資源庁の方々がおいでになりますが、私は小委員会当時も相当つつ込んだ意見を述べたのでありますが、当時の商工省電力案は一体何案だ。商工省の電力案は日発案だということをはつきりと委員会で答弁しております。日発案をどうして政府案としたのだ。商工省の電力局にはそれだけのメンバーがおりませんし、また費用もありません。だからやむを得ず日発をしてつくらせたものを政府案としたのですとはつきり答弁しておる。自発の大西総裁を証人として証言を求めた際も、日発に大陸技術者がおるのですか、ほとんどおりません。下にはいるかもわかりませんが、上にはおりません。そうすると全然いないじやないか、大陸技術者が一人も参与していないいろいろな方策が、政府案として日発によつて施行せられて来たことは間違いのない事実であります。私はこういう観点に立つて、新しい国家の大きな資金を投入して、高率の効果をあげなければならぬという重要な問題に対しては、日本の技術陣をフルに活用しなければならぬ。そして最も公正であり、最も理想的な案によつてこの事業が進められなければならない。こう考えるわけであります。そういう意味において私は多くを申し上げませんが、現在の政府部内にいる電力関係者及び旧日発の首脳部の方々は大体内地技術者であります。大陸技術者はその当時追放令にかかつておりましたために、終戰後から今までの政府の電源開発の地点の選定方策等に対しては建議ができない状態にありました。それで批判は別の名前を使つてしたり、意見は間接的にいろいろ述べられたでありましようが、大きなウエートをもつて彼らの意見が真剣に討議されることがなかつたのは事実であります。今度パージも解除せられましたし――内地における電源開発は遅々として進まなかつたとはいいながら、相当の効果を上げております。しかし日本人が一番大きく思い切つてやつてみたのは、大陸における電源開発であります。これは日本が世界の一等国であつた当時、占領国であるというような日本人の優越的な気持をもつて思い切つた工事ができた。ダムをつくるにも、日本では五年もかかるのを一年半でやつてみようというような無理な工事をやつて、松花江のダムにしろ、水豊のダムにしろできたものであります。なお大きなものは黄河のダムであり、戦時中アメリカの技師を雇つて調査をし、支那そのものが全力をあげてつくろうとしたいわゆる揚子江宜昌のダムの問題などに対しても、日本の技術者は大きく手を染めております。ほとんど陰の力は日本の技術者であります。この連中がみんな今日本に帰つて来ているのに、頭はみんな追放になつているというので、今までほとんど政府案に対してはいれられなかつたし、政府自体がこの連中の意見を聞こうとしなかつたということは、私は一つの事実であると指摘をしたいのであります。松永委員長代理あたりが公益事業委員会で言つているのは大体大陸派の線に沿つて発言をしておられるようであります。技術屋というのは、私も技術屋でありますが、実に偏狭なんです。自分の書いたものが一番いいのだ、こういうことを言うから技術屋は出世をしない。だから技術屋ほど出世しないものはありません。事務官僚は内務省に属官として入つて来て、地方まわりをしてもどつて来ると局長になる。ところが技術官僚は十年たつても、課長は相かわらず課長である。こういう連中が、こちこちの頭で、しかも内地閥というもののからをかたくとざしながらつくつているところの――あるいはそのものが最善の案でないとは言えません。しかしこのように大きな問題を実施に移す場合には、当然日本の電源開発に対するエキスパートは全部これを登用して、意見を聴取してもらわなければいけない。私はその意味において少くとも――政府案というものはいつでも強い、十人の委員のうち七人までが政府案の代弁者であると思うので、少くとも三人の技術者は大陸技術者を集めるべきだ、こういうふうに考えているのです。

内海安吉自由党

○内海委員長代理 田中さん、まことに貴重な御意見でありますけれども、この際区切つて質問の要点を言つていただきたい。

田中角榮自由党

○田中(角)委員 実際この問題をこういうふうにずけずけ言う委員はなかつたと思うのですが、こういう問題を委員からはつきりと言つておかないと、私は提案者の一人としてこういうものには責任を持てないのです。そういう意味において私は真実を申し上げているのですから、ひとつ発言をお許し願います。

内海安吉自由党

○内海委員長代理 簡單にお願いします。

田中角榮自由党

○田中(角)委員 私はその意味において、この三人のうち少くとも二人くらいは、日本の政府案や、それから日本人の電源開発方式というものの今までの観念とは違うような、新しい意見をお持ちになつておられるエキスパ―トが、今みんな解除になつておりますので、政府は特にひとつこういう者をお選びになるように仕向けていただきたい。特にここに提案者の代表福田君がおられますので、法案が通過したときには、経済安定本部総裁であるところの吉田総理大臣に対してもその旨厳重に申し込んでいただきたいということと、当然委員になられる建設大臣も、かような線に沿つてお進め願えれば幸甚であると考えております。御意見がありましたら拝聽いたしたいと思います。

野田卯一自由党建設大臣・北海道開発庁長官

○野田国務大臣 ただいま田中委員から非常に貴重な御意見を拝聴して、非常に参考になりました。私も実は揚子江のダムであるとかあるいは黄河のダムを計画した一人でありまして、今お話の点はよくわかります。十分参考にいたしまして、善処したいと思います。  なお先ほど西村委員からお尋ねのありました水利権の箇所でありますが、既開発の分が千四百三十二箇所、発電の能力の方が六百八十二万キロワツト、それから未開発でまだ工事に着手してないのが百六十三箇所で百五十万キロワツトであります。

福田一自由党

○福田(一)委員 御説を拝聽いたしまして、けつこうな御意見と考えるのでありますが、実は委員の数の面は、この委員会におきましてももう少しふやしてはどうかという御意見もありまして、そういう面ももし修正がありますればこれに応じてもいいのではないが、かように提案者としては考えておるわけであります。  なお大陸派とか内地派とかいう御説でございます。私はその面はあまり詳しくはないのでありますけれども、これはだれが見ても納得するという点はおのずから出て来るものだと思うのでありまして、何といつてもこれは国家的な大きな仕事であります。そこで全知識、全知能を集めて最良案を決定いたすべきものであります。人選その他におきましても、今言いましたような派閥的なものがあるといたしますならば、そういう面も十分考慮に入れて人選を政府がする方がよろしいかとも思うのであります。その点は私提案者の一人といたしまして政府側にも一応伝えておくことといたします。

田中角榮自由党

○田中(角)委員 次に政府は電源開発に必要な資金の確保に努むるということを明文化しておるのでありますが、民間及び地方公共団体におきまして外資導入を行わんとするものがあつた場合、政府はこれに対してどういうふうな方針で臨まれるか、また外債に対する政府の補償は電源開発会社のみに限定するとしますならば、今までやつておつたところの民間の電源開発というものは非常つに制約をされるわけでありまして、その問題に対する政府及び発案者の明確なる御答弁を煩わしたい。

福田一自由党

○福田(一)委員 外資導入は、でき得れば非常にけつこうなことでありますけれども、この特殊法人に対しましては国が補償するという規定をはつきりつけておるのであります。民間の方についてはこの点が抜けております。これは必ずしも民間の外資導入を軽視したわけではないのでありまして、その場合に応じて適当に処置ができるであろうというようなことでございましたので、一応抜いておりますが、しかし御説の点はごもつともであり、実はきのうも同じような御質問が荒木さんからありました。これがもしどうしても必要であるということでありますならば、一応また政府側ともよく相談をいたしまして、その上で修正をするというようなことも考えていいのではないか、かように考えておるわけであります。

田中角榮自由党

○田中(角)委員 次に、わが国の電力危機を突破するために、三百三十万キロワツトを五箇年計画でもつて開発する、こういう緊急な問題でありますので、政府が今まで資金を投じたような状態で、十億かかる箇所を五百万円ずつでもつて二十年でやろう、こういうのでは問題にならないと私は思います。今までは政治的にいろいろな問題があつたり、特にこれから政党政治になりますので、場合によつては政治的な圧力がかかるおそれが十分ある。早くつくろう、早く安い電気を出そう、そうして日本の電力危機を乗り切ろうというときにあたつて、あそこの代議士もわしの県の川をやつてくれ、ここの代議士もわしの川をやつてくれ、こういうことになつたらたいへんである。私は、この法律案には大規模なものと、一般でもつてできないものであつて、効率的にまわるものと、こういうふうに書いてありますので、その憂いは十分ないと思つておりますが、いわゆる安く、早くということが何よりも大切であります。どうも技術屋の一面の意見といたしましては、二重になるような施設をやつてはならないということをいろいろな方面から耳にするのでありますが、ある場合には琵琶湖等においては二重施設になつてもやつております。現在東電が群馬県で行つておる工事も、もう二年か三年たつと建設省のダムが完成するにもかかわらず、今巨大なる経費をかけて、建設省のダムができたら不要になつてしまう隧道工事をどんどん行つております。それは三年後、五年後まで待てないという深刻なる電力事情の現われであります。場合によつてはそういう工事も行つて初めてこの法案の趣旨がうまく行くのではないか。三年間やつているうちに二億、三億の巨費を投じてだめになるものをやつても、一年間で十分にペイするという場合であつたならば二年間はただもうけだというふうな無理な使い方もしておりますが、大きな川、特に只見川などを言いますと、今までの階段式な本流案をやつておりますと、大体一番大きな奥只見の水を使うには十年間かかります。十年間かかるものを、私は新潟県出身代議士であるからそう言うのではありませんが、これを流域変更することによつて信濃川に流す、流すことによつて米が百万石増収するということは私は言いませんが、少くも二年でできるものを、十年間水をただ捨てておる。こういう問題も十分取上げられなければならない。私はあえて只見川だけを言つておるのではありません。こういう問題がたくさんありますが、こういうふうな電源開発の基本方式に対してはどういうふうなお考えを持つておられるか。私たちも陳情に経済安定本部、建設省、公益事業委員会等に参つております。参つておりますが、私はただ新潟県の選出の代議士として新潟県の陳情団が来たらお先棒をかついでまわつておるような考えではありません。私も三年、四年前から建設委員会において自分で小委員長となつて地方開発、電源開発というものを相当つつ込んで研究して来ておる。特に私は技術的にいいものであつたならば何案であつてもやらなければいかぬ、こういうふうに考えておるのですが、特に公布の日より即日これが施行されるというのであつて、これは議員提案であるのでこの法律が通つてみなければ政府としてはわからぬ。こういうふうなお考えはないでしよう。特に経済安定本部におきましては、昭和二十三年でありますか、経済安定本部五箇年計画を出しております。三十三箇地点か三十八箇地点の計画を出しておりますし、通産省におきましても奧只見開発協議会というようなものをつくつておりますし、なお只見川につきましてはウエスティングハウス及びレイモンド建設会社から来てすでに何回も調査を行つております。特に政府が巨大なる金をかけてOCIに調査依頼のものが、四月半ば過ぎには政府に提出されるだろうということでありますが、現在安定本部や通産省、資源庁、それからそこにおられる松田さんの手元でまとめられた電源開発会社ができない前のものの案はおありだろうと思います。それには十分優先順位がつけてあるかと思います。そして本法案が通過した場合、この中に織り込む箇所は大体腹案があると思いますので、これに対してざつくばらんな御意見が伺えれば幸甚だと思うのであります。

福田一自由党

○福田(一)委員 候補地点といたしましては腹案がございますので、政府側から答弁をいたさせます。

佐々木義武経済安定事務官(総裁官房経済計画室長)

○佐々木(義)政府委員 お答え申し上げます。特殊会社で今後工事にかかります予定地点といたしましては、法案の趣旨から申しましても、最終的にはこの法案が通りまして審議会ができた際に、その審議会で定めることになつておりまして、まだきまつておりませんが、特殊会社自体のいろいろな経費関係その他を計算する意味合いから、ある程度の試算を必要といたしますので、試算の足しに予定地点として選んでおりますものがございます。先ほど申しましたように、もちろんこれは決定したものではありませんが、試算の箇所だけは申し上げておきたいと思います。その予定地点といたしましては、第一期、第二期にわけておりまして、一期の方は石狩川、北上川、只見川、天龍川、庄川、熊野川、吉野川でございます。それから一応調査費等をはじき出す必要もございましたので、調査の予定地点といたしましては只見川二期、熊野川二期、庄川二期、十勝川、琵琶湖、吉野川二期、四万十川、球磨川等を予定しております。計算の試算上かりに選んだ地点でございますので、さように御了承願いたいと思います。

田中角榮自由党

○田中(角)委員 大体政府の腹案としてお持ちになつているものも、経済安定本部及び今までの日本政府部内におけるこの種問題を討議する機関においてきめられた順位そのままに入つておりますし、これはもう何人も納得する箇所であろうと思いますので、私もこれに対しては異論はありません。  次に申し上げたいことは、政府が行わんとする電源開発は、キロワツトを目標にしておるのか、キロワツト・アワーを目標にしておるのか、いずれを重点とするのが日本経済に役立つかという問題に対する御見解をひとつ伺いたいと思います。  先ほど西村君も質問しておられたようでありますが、キロワツトを重点とすれば、その送電圏の範囲は送電ロスとにらみ合せて限界点がなければならぬという問題があるのであります。どうも私は只見川のことばかり言うようでありまして、まずいのでありますが、そんな意味で言つておるのではないのであります。特に内容を承知しておるので申し上げる通り、こういう意味でもつて熊野川も全部やるとなりますと、必然的に当時考えたような只見川の電力を関西のピーク用の発電に使うというようなことは根本的にかわつて来るわけでありますが、その辺に対しての政府の御見解及び発案者の御見解を承りたいと思います。

福田一自由党

○福田(一)委員 わが国ではキロワツト・アワーもまたキロも、実はどつちの面から考えてみましても不足いたしておるわけでありますが、やはりダム式の発電所をつくりまして、そうしてその調整能力のあるようなものを特に選ぶことが必要かと考えておるわけであります。

田中角榮自由党

○田中(角)委員 建設大臣がおいででありますので、先ほども西村君が言われたように、国務大臣としての御見解を承りたいと思うのであります。先ほど申しました通り、地点等の選定に対して、いわゆる早く、安いという地点を選ばれることはもちろん論をまたないところでありますが、同じ方式によつても農業改良等のいわゆる農業の一大利水になるというような場合は当然一般会計でもつて計上しておりますので、できればそういう多目的ダム式でもつて同じ電源が開発されるというような場合は、そういうところを政府は選ばれることが至当だと思うのでありますが、建設大臣の所見はいかがでありましようか。

野田卯一自由党建設大臣・北海道開発庁長官

○野田国務大臣 田中委員から只見川のことでないという意味合いでのお尋ねかと思いますが、できるだけ水を国家的に最も有効な方法で使いたい、こういう観点から、地点並びに方式をきめたいと思つております。

田中角榮自由党

○田中(角)委員 こういうふうに大きな石狩、北上、只見、天龍、庄川、熊野川、吉野川といつたような日本の電源開発の一つの隘路であつた問題がこの法律案でもつて全部解決するということでありますので、まさに画期的なものだと私自身も考えておりますが、これは場合によつては一朝一夕にはできないと思います。もちろん年次別にずつとやるのでありますが、そのうち、私が先ほど申し上げましたように、ある場合においては県からも発願しており、また自家用発電としての発願もある。もう一つは今までの電力会社が水利権を持つているので、その電力会社でも行いたいという場合、この法律案成立によつて実施計画の中に織り込んだ場合においても、いわゆる早く別の資本においてできるならば電源開発という大目的にまさに合致する問題であるので、特に支障のない場合はこれも従来通り許可をする、許可をするというよりも促進するというような態度が必要であると私は思うのでありますが、これに対する発案者及び国務大臣としての建設大臣の御所見を伺いたいと存じます。

野田卯一自由党建設大臣・北海道開発庁長官

○野田国務大臣 いろいろ従来の沿革あるいは関係もありまして、そういうものをだれにやらせるか、もちろん考える必要がありますが、同時にやはり現状に即して最も適当なものを選んでやるということに相なると思います。これは結局御承知の審議会において決定されるものでありますが、やはりただいま申したような方針で進められるのではないかと私は考えております。

福田一自由党

○福田(一)委員 ただいま建設大臣が答弁されたと同趣旨でございます。

田中角榮自由党

○田中(角)委員 建設大臣はうまく逃げられたようでありまして、その点もう少しはつきりしてもらいたいのですが、私はもちろんそれが至当である、論をまたないというふうに今の答弁を解釈いたします。まあ建設大臣は閣僚であるので、きつとそういう御答弁しか出ないであろうと思いますが、私の質問はまつたく率直な質問であつて、御答弁も率直であるべきでありますが、政治的な御答弁になりましたので、私はそのように了解しておきます。  最後に、この電源開発会社によつてつくられた施設は、今の規定では配電は配電会社にまかすということになるのでありますが、これは二つ三つ関西あたりはそういうことがあります。この電力の開発に対しては、地元還元ということも当然考えられなければなりませんし、もう一つは、当然現実的には私が申し上げるような危惧は持たなくともいいと思うのでありますが、これは国家的な見地から開発したものであるだけに、国家的な割振りをすると思うのでありますけれども、いわゆるこの電源開発会社と、施設を貸与され、電力の供給を受けるという今の九つの配電会社との関係、それから配分に対しては一方に偏しなくて、うまく調整をされるであろうと考えるのでありますが、これに対するお考えを発案者に承りたい。

福田一自由党

○福田(一)委員 お説の通り、これは国家的な見地から開発をされるものでありますから、これをどういうふうに配分するかという問題も、国家的な、全面的な見地からこれを行うべきであるという根本の方針はかわりがないと思うのであります。先ほどもちよつと申し上げましたが、送電ロスというような問題あるいは深夜発電というようなものを考えますと、地元に還元するというか、地元産業を促進する面においても十分効力があるものと私たちは考えておるのであります。ましてこの計画が全部できますと、日本の電力量は豊富とまでは行きませんでも、かなり充足されて参りますので、そういう意味合いで地元に対する供給というような面も、十分考慮が払われ得るような状況が出て来るものと考えておる次第であります。

田中角榮自由党

○田中(角)委員 私は二、三時間質問するつもりでありましたが、時間がなくなりましたし、あとに議員諸君の発言もあるようでありますので、きよう出席を要求しました政府委員諸君に、みんなお尋ねできないことをまことに遺憾としておるのであります。おいでになつた方々に対しては質問の條項は準備してあるのでありますが、ひとつあしからずお許しを願いたい。  ただそこに国鉄の技術長になられた藤井さんがおいででありますので、一言お聞きしたいと思うのであります。内地でもつてずつとやつておりました電源開発の技術者は、一様に本流案を――私から言うとばかの一つ覚えだと言うのです。こう言つたら味もそつけもないのでありますが、そういうことばかり言つておるのでありますが、いわゆる流路を変更する、流域の変更ということでもつて国鉄は信濃川の第三期発電所を、しかも藤井さんが御自分の努力と熱意によつて、アメリカの連中が五年かかるであろうと言つたのを、わずか近々二箇年間で上げられたという実績を私は目撃しておるのであります。この問題は日本の電源開発の実施方策に一つの新しい道を開いたものだと私は思つております。その意味において、きようは信濃川の第三期及び第四期の事情を御質問して研究いたしたいと思つておつたのでありますが、そういうこともできなくなりました。あの信濃川を在来の方式通りダム式でやつた場合、すなわち信濃川の第三期を在来の本流案の通りでやつたならば――あれは千メーターに対してきつと千分の幾つというくらいの勾配でありまして、勾配が非常にゆるい勾配であります。ゆるい勾配なので、やむを得ず第三期、第四期を水路でもつて、流域変更とまでは行きませんが、同じ方式をとつたのであります。もう一つここに大きな問題がありますのは、日発に二十三年に証人として証言を求めた場合、圧力隧道は日本においてはできないということを言つておつたのです。私はまさに笑止千万であつたのです。私も土木の技術者でありますが、日本は戦争に負けるまでは、技術的に世界で高水準を持つておると自負しておつたのだから、少くとも世界で三番目か、五番目であつたろう、こう思つておつたのです。どうしても土木技術者は、三十ミリ鉄板の溶接はできないとか、いろいろなことを並べ立てておりましたが、私はそれから三箇年あらゆる文献を読み、あらゆることを聞いてみたら、そういうことは十分できるような自信を持ちました。しかも未発表の海軍の建艦技術では、三十ミリ、四十ミリの鉄板などは楽々と溶接したのだということを聞いて、私は技術的に非常におもしろさを感じておつたのであります。あれを本流式によつてダムをつくつた場合、何年おかかりになつたらあれだけの発電ができるとお思いになるのでありますか。それを国鉄の藤井さんから、もし御説明ができたら、ちよつと御発言願いたいと思います。

藤井松太郎日本国有鉄道技師長

○藤井説明員 お答え申し上げます。ただいまえらく私が大家のようにおほめにあずかつたのでありますが、私は決して大家でもないので、私の御説明が当を得たものであるかということは、はなはだ疑問があるのであります。御承知のように信濃川の第三期工事並びに一期、二期は水路式でやつておりまして、これをダム式でやつたらどうかというような御発言でありました。これは私が申し上げるまでもないのでありますが、ダム式といい、水路式といい、これはおのおの長所短所がございまして、信濃川について申し上げますと、かりに大きなダムをつくるという場合を考えますと、これは工事的には、設備とか何とかに左右されますけれども、おおよそ四年ないし三年といつたようなことで、必ずしも不可能ではないということは申し上げられると思う。ダム式でやりますと、御承知のようにああいつた川の沿線が全部農耕地になつておりますので、水沒する耕地並びに家屋をどうするかというような問題が実は重大問題でございまして、信濃川でやつた水路式は、調整能力はなはだ乏しいということを承知しながら、いわゆるダム式による犠牲を軽減するために水路式をとつた、私はかように考えます。

田中角榮自由党

○田中(角)委員 最後に私の簡單な意見を申し述べておきます。日本で一番大きいダムは、戰前鴨緑江でも約三百メートルでありますが、アメリカのフーヴアー・ダムは七百五十メートルあるそうであります。戰事中、先ほど申し上げました通り、お隣の中華民国さえも揚子江に宜昌ダムという、まつたく日本人の夢のような大きなダム計画をいたしました。ロシヤは復興のとき、申し上げるまでもなくドニエプルストリー・ダムでありますか、もう世界に冠たるダムをつくりました。これは敗戰するときに爆破したために、アメリカはこれが修復にあらゆる技術者を動員したということが大戰記録に書いてあります。ルーズヴエルトは失業救済事業としてアメリカ中にダムをつくつたということが伝えられておりますときに、敗戰日本が講和條約発効を前にして、少くともダムで水を利用することによつて国を興そうということを考えたことは先賢にならつたことであつて、提案した自由党に対していろいろ文句もあるようでありますが、私はこれはもう自由党の相当な飛躍であると考えております。その意味で私も署名をしたのでありますが、しかしそれだけに結論がうまく出ない場合はたいへんであるということを私は考えるので、これが委員になられる閣僚諸公及び会社の理事者となられる方々は特に本法律案が日本復興の使命を持つものであり、まさに日本再建復興のかぎはこの会社の運営いかんにあると言つても過言でないという強い御決意を持たれて、技術的な何人が見ても最高のものである、そうして一滴の水もむだにしない、また国が乏しい血税の中からかけた金に対してはあらゆる面で効果を上げられ、そうして安く、早く回収するようにしなければ外資も導入されないでありましよう。私はその意味において長いことを言わず、二年間、三年間、少くとも五年間でぶち上げるという強大なる自信を持つて着手していただきたい。これは戦後延びるのはあたりまえだ、所定の工期を短縮するということになると、気違いだというようなことでありましたが、こういうような感覚で日本の再建はできません。その意味においてわれわれが理想的な案として理想的な工事を行つた場合、確実にこの大事業がなし遂げられる。今までは資金、資材、人、この三者が一体にならない。各省に分属していたために品物が寄つても金がない。特に認証制度などがありましたので、日本の経済再建のがんになつたことは私が申し上げるまでもない。今度こそまつたく日本の政府自体の手でやれるのであります。国会も一ふんばりしてかかる法案をつくつたのであります。なお国民自体もこれが税の使用に甘んずるのでありますから、これは官営事業だ、半官半民だ、前と同じことだという風評を再び受けないように、慎重な運営を切望して私の質問を終ります。

西村英一自由党

○西村(英)委員 さつきの質問の中で落した点がありますので、簡單でございますからお尋ねいたします。この法案の電源開発株式会社は現在の公共事業令による電気事業者になりますか。

福田一自由党

○福田(一)委員 この点につきましてはいろいろ研究いたしたのでありますが、私たちの考えといたしましては、これは通産省の所管であるというふうに考えておるわけであります。

西村英一自由党

○西村(英)委員 通産省の所管かどうかということじやないのです。所管の問題でなく電気事業者かどうかという点でございます。

福田一自由党

○福田(一)委員 公共事業令によります電気事業者と私どもは考えておりません。

西村英一自由党

○西村(英)委員 こまかいことは通産委員会その他で聞く機会もありますからこれ以上は聞きません。ただ公共事業令による電気事業者ではない、こういうことだけ承つておくことにいたします。

松田太郎総理府事務官(公益事業委員会事務総長)

○松田(太)政府委員 一応公益委員会としての解釈をお伝えいたしますが、公共事業令の第二條におきましては電気を一般の需用に応じ供給する事業またはこれに電気を供給することを主たる目的としている事業を電気事業といつておるのであります。電源開発会社は、その事業の範囲の中の第三号に、電気事業者に電気を供給する業務ということをうたつてあります。それが主たる目的になるのではないかと思いますので、その意味からいいますと、現行法の上では電気事業者になるのではないかと考えております。

野田卯一自由党建設大臣・北海道開発庁長官

○野田国務大臣 私たち行政機構改革をやつておりますが、少しデリケートであるので、研究さしていただきたいと思います。

内海安吉自由党

○内海委員長代理 午前の会議はこの程度にいたし、午後は二時より再開いたします。  暫時休憩いたします。     午後零時五十六分休憩      ――――◇―――――     午後二時三十一分開議

田中角榮自由党

○田中委員長代理 休憩前に引続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。通告順により発言を許します。前田榮之助君。

前田榮之助日本社会党

○前田(榮)委員 電源開発促進法案について質疑をいたしたいと思うのでありますが、今まで質疑を続行されておつた間私出席いたしておりませんので、多少前の質問者と重複する点があろうとは思いますが、できるだけ簡單に質問をいたしたいと思うのでその点御了承をお願い申し上げたいと思うのであります。  本法案はなるほど一応議員提出案という形式をとられてはおりますが。実は経済安定本部におきましては、従来電源開発についてのいろいろな構想を練られ、自由党政府においても五箇年計画等をされて、その線で本法案が大体において安本案として従来発表されておる内容で出ておるので、まず第一に経済安定本部長官の御答弁を願いたいのでありますが、長官がおいでになりませんからその点はあとまわしにいたしておきたいと思うのであります。  わが国は電源開発のいかに重要であるかということにつきましては、他の同僚委員諸君からたびたび申された通りで、本員もその点につきましては同感であります。ことに日本の特殊性は、土地が狭くて利用物資のきわめて少い国でありまして、せめて電源開発によつて産業の興隆をはからなければならぬことは当然なのであります。この点につきましては他産業よりも一層国民の総力をあげてやらねばならぬことは当然だと思うのであります。自由党政府におきましては、さきに電力の九分割を断行されて、国民の相当な反対があつたにもかかわらずそれを押し切つて議会の審議を経ずしてポツダム政令によつてこれを強行された。強行された理由につきましてはいろいろありまするけれども、その中で最も強く主張された点は、従来の日発その他の形式の産業計画では外資導入が困難であるから、九分割によるところの民間産業にすれば外資導入の可能性がある。そういう点も強く主張された上九分割を強行されたのであります。これだけの理由ではもちろんなかつたのでありますが、この点を強く主張されたことは諸君も御承知の通りであります。従つて提案者の諸君は、この新しい電源開発促進法案によるところの電源開発をやるについて、外資導入についての将来の構想なり見通しはどこにあるのか、この点についてまずお尋ね申し上げたいと思うのであります。

福田一自由党

○福田(一)委員 お答えをいたします。外資の導入の見通しでございますが、これにつきましては提案者側といたしましては、直接その衝に当つておりませんので、お答えをするのは不適当かと存ずるのでありますが、私の了承いたしておりまする範囲内におきましては、政府としてどうしても外資を導入しなければならないという意味合いにおいて努力を続けられておると聞いているのであります。なおまたこの特殊会社ができました場合の方が、九つの既存の電力会社に外資を導入するよりは非常に見通しがよいと私は了承いたしておるのであります。

前田榮之助日本社会党

○前田(榮)委員 提案者は直接関係をしておらないから、その点詳細になつていないというお話でありますが、なるほどその通りには違いはございますまいけれども、少くとも特殊会社による電源開発というものは、さきに佐々木政府委員からも御説明になつたように、日本の電力の重要な地点を選んで行われるのでありまして、これだけで日本の電源開発を終るのではないので、この案の中にもあるように、自家発電その他事業会社の発電等、総合的に全国の各地点を開発するのであります。そういう点から考えますと、この外資導入の問題については、あまりつまびらかにいたしておらないといえども、日本の将来の電源開発に自由党政府並びに自由党議員として提案されたのでありますから、單なる提案者、一議員ということでなしに、いわば自由党を代表しての提案と言つてもさしつかえないのでありまして、この点の見通しについてきわめて自信のないようなお話でありまするのは非常に無責任といいますか、われわれとしては不満に感ずるのであります。従つて今周東安本長官がおいでになりましたから、安本長官から、この外資導入についての見通しをお伺いいたしたいと思う。それにつけ加えまして、政府はかつて電力事業を九分割いたしたその際において九分割して、民間産業にいたした方がむしろ外資導入が可能である、こういうように言われており、そういうように国民に思わしめるような発表のもとに分断を行われたのでありまするが、今日の国際諸情勢や、あるいはアメリカの資本の関係は、こういう民間産業にこそ資本を導入することは困難な情勢を報道されておるのであります。すなわち自由党政府が前に国民に約束ざれたこととは結果は違つておる。将来の外資導入の見通し、またその点についての政府の所信、これを安本長官からお聞かせを願いたいと思うのであります。

福田一自由党

○福田(一)委員 ただいま前田さんから、資金の計画においてあるいは資材の面において、非常に自信のない案を出しておるではないかというお話でございますが、実は先ほど御説明いたしますたときには今までしばしばその問題が出ておりまして、説明をいたしておりましたので、あるいは御了承かと思いまして簡單にいたした結果、そういう御疑問を抱かしたことと思うのであります。この電源開発につきましては自由党といたしましては、これによつて外資が導入されればもちろんけつこうでありますけれども、たとい外資が導入されません場合においても、国の力をもつてしても電源の開発は急速にこれを促進しなければならない、こういう考え方に基きまして、この法案を立案いたしておるのでありまして、各年度別につきましても、一応資金の計画を予定しておる。その資金の計画に対しましては、先般の委員会におきまして、大蔵大臣からも、必ずこれは出し得るものであるという明確な答弁をいたされておるような次第であります。もとよりわれわれとしては、このようにいたしまして、資金の計画は万全と一応見通しはつけておるのでありますけれども、しかしながら日本の経済を復興いたし、国民生活を安定して行くという面から考えてみますと、外資が導入されれば、より他の産業その他にも好影響を与えて参りますので、そこで私たちとしては、外資導入は望ましいという立場においてこの法案を立案いたしておりまして、外資が導入されなければこの法案は実現できない、電源開発はできないというような見地はとつておらないのでございます。この点一応重ねてお答えをいたしておきます。

周東英雄自由党経済安定本部総務長官・中央経済調査庁長官

○周東国務大臣 お答えをいたします。外資導入に関する見込みについてということでありますが、これは相手のあることでありますから、いろいろな点からただいま努力をいたしておりますが、今よいとも悪いとも申し上げる時期ではないと思います。今の御質問は、外資導入がないようなら電源開発はやめたらどうかというふうに受取れる御質問でありますが、それはおかしいのであつて、電気は基幹産業として産業に対して絶対なければならぬものであつて、これはよく御承知であると思う。早く電源を開発しなければならぬということで私どもは努力し、自由党の提案になつている。よしんば外資導入がなくてもなし得るだけの計画のもとに進めねばなりますまいし、そういう計画で五箇年計画はできているわけであります。しかし基幹産業に対して、重点的に資金なり資材をつぎ込んでこれをやるという点からして、外資等が入らない場合においては、ほかの産業に影響することが絶無とは言い得ないと思いますが、それでもやらなければならぬと私は思います。資材の面におきましても、今後における五箇年計画の遂行中において年々増産され、また資金の面においても、たまつて来るとは思いますけれども、多少の影響は免れないということを考えつつも、基幹産業である電力を開発することが、次の段階において大きな動力源として役に立つことでありますから、これはまず第一に考えなければならぬと思つております。そういうことを考えることからして外資の導入を望むことはもとよりでありまして、これについて努力はいたしておりますが、今可か否かということの見通しを言う時期でないことを御了承願います。

前田榮之助日本社会党

○前田(榮)委員 外資導入の問題につきましては、今安本長官が申されたように、日本の電源開発は外資によらなくてもやれる、またやるべきものであるという点が私の所論であります。ただ従来九分割をやつた際における政府の態度は、日発等のいわゆる官僚経営といいまするか、国家経営というような方式よりも、民間人でやる方が外資の導入ができるのだというように思わしめた、つまり電気事業の分断ということも一つの明確な條件であるかは別として、国民にそう思わしめたのは事実でありまして、そういう点について私はお尋ねを申し上げているわけであります。しかしながらそういうことは過去のことでございますから、その点は強く追究しようとは思いません。今御答弁をお聞きした私の感じでは外資導入についてはあまり自信がないのだなあというくらいの感じで聞きとつたという程度で、これはこのくらいにしておくことにいたします。  次にこの議員提出案は、従来の安本案が大体そのまま載つていると私は感じておるのであります。公益事業委員会の案がすでに新聞紙上で発表されており、また松本委員長、松永委員長代理等からもいろいろな意見が発表されているが、それは政府案に反対であるということが言われておるのであります。そういう点で、今の公益事業委員会を構成されている連中が政府案には反対だということになりますと、そこに政府の意見と直接それに関連した公益事業委員会の意見との相違が出て来たことになるのであります。この相違はいろいろな点で、もちろん調整はされるでしようが、福田君からのお話にあつたように、国民の各層が協力して、協力一致のもとに全面的な総合電力開発を行うのだということになりますと、その点、不一致のような空気によつてやられたように感ぜられるのでありますが、そういう点については、かつて新聞紙上でも公益事業委員会廃止などというよう五声が起つたこともあると思うのであります。それで公益事業委員会の反対意見を今後どう調整される考えか、また公益事業委員会は現在通り将来も継続して行く考えか、またやつて行くとすれば、今の公益事業委員会の構成メンバーをかえて行く考えかこういう点についての安本長官の御意見をお伺いしたいと思います。

周東英雄自由党経済安定本部総務長官・中央経済調査庁長官

○周東国務大臣 まず政府案というものと、公益事業委員会案との相違の調整をどうするかということでありますが、ただいま政府案というものはございません。自由党から提案されておる案だけであります。もとよりこの案については、これが党で提出されるまでには政府側とよく連絡いたし、参考資料も出して、それに基いて党でおつくりになつたのであります。しかしてでき上つたものについては公益事業委員会を除いての政府というものは、全面的に支持しておりますから、そういう意味での案と公益事業委員会の案との相違というお尋ねと思いましてお答え申し上げます。実は公益事業委員会の案というものは全部の案としてのお示しがないのであります。伝えられるところによりますと、究極のところ公益事業委員会では、新しく開発する大きな地点について、水系的に四つくらいの新しい会社をつくつて、それに政府が出資をするか、もしくは政府が資金を流してつくつたらよいではないかということであります。それに対しまして、自由党の案は、今日の場合一つの会社で数箇所の地点を開発させて、それに対して政府が出資しようという考えであります。従つて私どもはその間に質的の差異はないと思う。向うでも従来の九つの会社に対しての開発ということもそのまま認めつつ、新しく四つつくろうというわけであります。政府が今日の財政状態その他から見て、出資して行く会社は一つにして、そしていろいろコストの点を考えつつ、四つの地点別に、別々の会社をつくらぬでもいいじやないかという考えであります。そこに質的の差はなくて、段階的相違があるだけで、そういう点だけにこだわつて電源開発を遅らせては困ると思いますので、最終的には内閣総理大臣というものがあつてそれを決定する権限を持つておる。しからざれば内閣総理大臣がこうするといつておるのに、別個の方で違うということになりつては、だれが一体きめるかわからぬ。質的に差があるのなら別でありますが、そういう程度の差については最終段階として現在の自由党案が是なりとして、総裁としてまた政府の総理としてこれに同意せられたものと考えます。私も同じ意見を持ちます。先日も申しましたが自由党案と同様な内容を持つものについては、かつて電源開発促進連絡協議会というものをつくつており、それに関係閣僚並びに公益事業委員長、委員長代理というものが出られまして、両三日にわたつてお示ししておるのであります。ただその当時反対だということでそれに対する御意見の提出もございませんし、またその後連絡協議会の開催要求もありません。荏苒日をむなしゆうしておることはこの大事な電源開発を遅らせるばかりであります。しかも私考えましたことは、これは主として自由党でお考えになつたことでありますけれども、電源開発というものは相当長期間にわたつて計画的に立てられて行くべきものである、その間において、かりに政府等の変動がありましても、これを変更すべきものでない、これは超党派的に行くべきものである、むしろこういうことは議員提出の方がよいのではなかろうかという、まつたく真劍な意見が出ましたので、私どもは急ぐということ及び従来の連絡の結果から見ましても、質的差はないということからいたしまして、党の研究されたものをもつて議員提出とし、国会における超党派的協力を求めて行く、こういう立場で議員提出とされましたので、一応御説明申し上げます。

前田榮之助日本社会党

○前田(榮)委員 もちろん議員提出という形式ははつきりしておるのであります。ただ所管官庁である安本の長官は自由党内閣の一員であり、自由党案であるからといつても提案者同様な内容といいますか、実質的なものであろうと思うのであります。従つて公益事業委員会の中の重要なるメンバーであり、電源開発なり電気事業その他の問題については非常な権威者であり、この人にまかしてさしつかえないと内閣が御信任になつた松本委員長なり松永委員長代理等から、今自由党から出された案に対して、この開発なりこれらのすべての事業遂行の上には別々の方がきわめて有効である。国家のためにはこれが最も有効であるという見解を発表された。これは政府への正式な申入れはなかつたように言われますけれども、社会にはすでにそういう発表は出ておるのであります。そういう政府が信任された人々の考えと、現在政府が協力し、政府と与党の成案を見たこの案とは違うものであるということになりますと、政府の案に対して不賛成の意思表示をしたような公益事業委員会を将来続けて行くには、その構成メンバーをかえるか、もしくは何かの方法をとらなければうまく行かないのじやないかという心配もあるのでありますが、そういう点で公益事業委員会を今までの通り進めて行くお考えであるのかどうか。こういう点についての御答弁はなかつたのでありますが、その点をもう一度お聞かせ願いたい。

周東英雄自由党経済安定本部総務長官・中央経済調査庁長官

○周東国務大臣 この点については先日も他の委員からお尋ねがあつてお答えをいたしたのでありますが、国民生活、産業の振興の面等広汎な面にわたつて関係いたすものについては、その行政は單一化されることが望ましいという立脚点に立つて、ただいまの行政機構の改革の上において考究されております。ただ結論はまだ出ておりません。いずれ出ましたら御協賛を仰ぐことになろうと思います。

前田榮之助日本社会党

○前田(榮)委員 次にお尋ね申し上げたいのは、電気事業の九分割をやられる際に、周東安本長官も非常な御努力になつて、豊富な電力と低廉な電力の供給を国民に約束されたのであります。ところが九分割をされたその後において、会社の運営が悪いばかりではないので、天候その他の関係もありますが、豊富低廉な電気を供給すると約束され、そういうことに非常に責任を持つ立場にありながら、昨年電力料金の値上げをされて、今日また再び電力料金の値上げの問題が持ち上つておるのであります。また昨年の暮れ等から、今日までもありますが、豊富な電力を供給すると約束しながら、常に電力の不足のために、使用制限をやつて、国民に不自由を与えておるのであります。従つてそういうことを解消するためにもちろんこういう計画を立てられたのでありますが、そういう見通しのもとにやられておりながら、その見通しが誤つて、あるいはまた逆な結果になつておることを見ますると、国民はただ政府与党の諸君が言われた通りに信用していいのか悪いのか、ちよつと迷うような傾向になつておるのであります。従つて問題は電源開発をいたしまするならば、電力の豊富な供給は当然可能になると思います。この点は信用してもよかろうと思うのでありますが、低廉な電力を供給することができるかどうか、この点の見通しはどうですか。  それからもう一つは、国民の中で問題にされておるのは、地域差の問題であります。電力料金の地域差が起るために、今まで経営しておる地方産業に非常な問題を起しておることは周東安本長官も御承知の通りであります。従つて今後地域差については今日以上に地域差をつけないようにする考えか、あるいはまたそういうことが可能なのかどうか。むしろ私は今日の自由党政府のやり方ではロス等の関係もあつて、地域差がだんだん大きくなるという点が心配なのでありますが、そういう点についての御見解はどうでありますか。見通しについてお聞かせを願いたいと思います。

福田一自由党

○福田(一)委員 豊富低廉な電気を供給するということであつたのでありますが、豊富低廉というのは、私ここでりくつを言うわけではございませんが、一種の比較の問題でございます。九分割をいたしました結果として、同じ施設でもつて前よりは豊富に出たかどうか。また電源がどんどん開発されたかということになりますと、ある程度は豊富になつた面もあると思うのであります。また低廉という言葉も、その言葉の意味を十分解釈いたして参りますと、これも比較の問題でございまして、御存じのように、電気料金はほかの物価に比較いたしまして非常に安いのでございますから、そこで分割をされなかつた場合におきましても、やはり電気料金の値上げというものは当然出て来ただろうと思うのであります。こういう意味合いで、九分割いたしましたときに、豊富低廉という言葉を使つてはおりますけれども、それは比較して実質的に器官低廉なものができるという意味を政府は説明いたしておつたと了承しておるのであります。しかしながらこれは本問題とは大分離れておりますが、ただいまの御質問は、今度電源開発をしたら、豊富な電気が出、低廉になるかどうかという御質問でございます。そこでただいま想定いたしております地点を開発いたして参りますと、大体一キロワツト当り二円前後の電力が出るのでございまして、既設の電力会社が開発するもの、また既設の設備等を合せて考えてみましても、やはりこれは二円から三円ぐらいの電力と相なるわけであります。そうなりますと、今度新しく開発するところの発電所ができましたときに、電力料金に悪影響を与えることはないのでありまして、むしろ非常な好影響を与えることに相なるわけであります。特に大きな電源開発をいたしませんと、どうしてもよけい火力を使わなければならないことになるのでございまして、火力の電気料金というものは六円とか七円とかという、たいへん高い料金でございます。しかしこの電源開発をいたしませんと、たいへん高い石炭を使つて電気を起しますから、電気料金の単価はぐつと上つて来るわけになるのでありまして、こういう意味合いからいたしましても、比較の問題ではございますが、非常に低廉なる電気を豊富に国民に供給することができるものと私たちは考えておるわけであります。

田中角榮自由党

○田中委員長代理 池田峯雄君。

池田峯雄日本共産党

○池田(峯)委員 先ほど自由党の田中さんからも、今度の電源開発促進法案は、アメリカのTVA開発あるいはソヴエトのドニエプル発電等と比較いたしまして、きわめて雄大な構想をもつて始められたものであるというような自画自讃が行われたのであります。しかしながらアメリカのTVA計画というようなものは、当時のルーズヴエルト大統領のニュー・デイール政策を基礎にして生れたものでありまして、国内市場の拡大ということを目途としたものであろうかと思うのであります。つまり当時の生産工場を救うために労働者の賃金を引上げ、これを基礎にして発電計画を大々的に行う。あくまでも国内市場の拡大ということが目標であつたろうと思うのであります。ソビエトのドニエプル発電も当然社会主義生産の拡大、国民生活の向上という国内市場の拡大を目標にして行われたものでありますが、今回の電源開発促進法案の提案理由を見ますると、日米経済協力ということが明らかにうたわれておるのであります。つまりアメリカが日本をアジアの工場にするための最大の弱点というものは何であるかといえば、それは電力であります。日本産業の最も弱き一環である電力を開発しなければ、アメリカは日本をアジアの工場とすることもできない、日本もアメリカの下請工場となることができない。こういうところから電源開発促進法案が生れたものであろうと私は了解するのであります。従つてその点につきましては、提案理由の中にも日米経済協力という点がうたわれておるのであります。従つてニユー・デイールによるTVAとかあるいはソビエトのドニエプル発電とかの目標にしておる国内市場の拡大ではなく、国外市場を目標にしたものであろうと考えられるのであります。何ゆえに国外市場を目標に考えられなければならないのか。日本においても国内市場の拡大ということを目標に電源開発が考えられてもいいのではなかろうか、この点を安本長官にお伺いしたい。

周東英雄自由党経済安定本部総務長官・中央経済調査庁長官

○周東国務大臣 お答えします。きのうからいろいろな所で共産党の方にお尋ねを受けましたが、なぜ共産党の方はそう片寄つてお考えになるのか私にはわからないのであります。電源開発と言えば日米協力でアメリカの軍需生産工場に供給する電力を開発するのだろうという御質問で、日米協力と言えばすぐその点をお話になる。どうも私はその趣旨がわかりかねるのですが、この電源開発促進法というものは明らかに日本の経済復興に資するためでありましてあなた方の党がよくお尋ねになるところの日本の国民生活水準の引上げはどうかということについては、私どもの考え方といたしましては、日本は生産増強によつて国力の増進のできる余地がある、それは未稼働工場をたくさん持つているから、そこに余剰の労力を豊富に持つている。ただ足りないのはこれに対する原材料の供給で、大部分を外国に仰いでおりますから、その点を、せつかく相当原材料が入つたといたしましても、動力源が足りない。これさえ完全に確保することができれば、各地から日本にたくさん送り返されて来た人間の数をまかないつつ、国民生活の水準を徐々にでも引上げることもできるだろうし、どうせ国内資源においてのみ生産を高めようとしてもできないことはあなた方が一番よく御存じだろうと思います。そういう意味においては、外から原材料を確保する、従つてそれを国内市場で売つておつただけでは支払いができない、これを商品化したものを外国の市場に出すのは当然の行き方であろうと思います。日本の経済自立の立場から見れば、そのことはよくあなたは御存じのはずであります。そういう面から見れば、それらを実行するに足るだけの動力源を国内に開発するということは、とりもなおさず日本の国の生産を増強し、国民のためになることは当然であります。そして並行的に今日国際市場に参加し、国際経済に参加した日本が生きる道として、外から原材料を得、生産品を外に売り出す、そして世界人類のためにも協力するということはあたりまえであります。私どもはそう考えております。

池田峯雄日本共産党

○池田(峯)委員 国際経済を考えて生きて行くのは当然だろうと思います。しかしながら日本の場合は、国際といいましてもハーフ・インターナシヨナルというか、半分しか考えられていない国際でありまして、その半分の世界の中で指導権を握つているのはアメリカであります。最近アメリカの軍需品生産が中だるみ状態を呈して来ている。軍事的な目的からも、アメリカでは戰争兵器の大量生産はやらぬというようなことが言われているようであります。それはたとえばソビエトのジエツト機に対して劣つているB二九が大量に第一線をしりぞかなければならなくなつてしまつた。こういう事情で、軍需品、飛行機等の大量生産をやつても、これにまさる兵器ができて来ると全部廃物にしてしまわなければならないといつたような意味から、軍需品の大量生産はやらぬというのがアメリカの軍部筋でも言われていることだというのであります。さらにまた軍需生産と同時にアメリカの国民の購買力が非常に低下いたしまして、民需産業が非常に不景気になつて来た。こういう点から、アメリカの軍需生産を少し先に延ばそうじやないか、計画を少し緩慢化させようではないかというような声もうかがわれるわけであります。従いましてこういうアメリカの計画、特に軍事計画を考えた上でのいわゆる日米経済協力、あなたの言う国際的な通商貿易というようなものは、相当困難な見通しが考えられるのではあるまいか、そういつた場合に、しからば莫大な電源を日本で確保しておきながら、生産された品物に即応する注文がないとかあるいはつくつたけれどもこれを海外に輸出することができぬとかいう状態が生れて来はせぬか、こういうことが考えられるのでありますが、この点はいかがでございますか。

周東英雄自由党経済安定本部総務長官・中央経済調査庁長官

○周東国務大臣 お答えをいたしますが、日本が国際経済の一環に参加するということになつた以上、世界経済の動向に影響を受けることはあたりまえのことであります。これは別にふしぎでも何でもない。従つて世界的な不景気が来れば日本にその影響がないとは言えない。好況が来れば好況がある、これは当然であります。そういうことになりますから、今から電源を開発する必要はないとは私は思わない。しかも電源の開発は一朝一夕できるものではありません。きよう言つてあすできるというものなら、きよう景気がよくなつた、電気を起せ、不景気になつたからやめろということができるかもしれないが、そうはできない。しかし長い見通しから行けば世界における経済の安定はあり得ることであります。これに即応するように日本が立つということについてはあなた方は心配されないが、別の機会においては、非常にふえた日本の人口に対する国民生活をどうして上げるかということをよく言われる。これを上げるためには戰前のような生産工業の水準だけではだめだ、これははつきりしている。それをやるためには日本の生産工業を興さなければならない。それをやるためには原材料の獲得と動力の確保であります。しかもあなた方がよく言われる東南アジアの未開発民族に対する問題については、善隣友交の計画を立てるにしても、やはり共存共栄の立場に立つてこういう人の生活水準を上げて行くことが必要である。従つてわれわれとしては東南アジア地域における未開地を開発し、これを日本に持つて来て商品化して送り返して文化の程度を上げるということも一つの考え方ではないか。もつと大きくものを考えなければならない。目先だけの軍拡がどうなつた、こうなつた、日本の軽工業はだめになるだろうというように、あなた方が所々によつて議論を異にされることを私は遺憾とする。私はそう思います。日本の生きる道は日本における生産を上げるよりほかにない、収縮経済、窒息経済をやるのなら別ですよ。急激に五、六百万ふえた人間をどうするかということから言えば、そういう立場をとらざるを得ない。今日考えている電源開発も五箇年計画、正味四箇年という立場をとつている。これはあすの日にすぐ四百何十億キロワツト・アワーができるわけではないから、その点の調節は十分とれるつもりであります。

池田峯雄日本共産党

○池田(峯)委員 私はたいへん小さいことを考えているようですが、あなたの方がよほど小さいことを考えている。なぜかというと、あなたは世界の半分のことしか考えてない。私は世界全体のことを考えている、アジアならアジアで東南アジアのことしか考えてないが、私は四億数千万の人口を持つ新中国のことを考えている。あるいはシベリアという広大な地域のことを考えている、世界の六分の一の地域を占めるソビエト同盟のことを考えている。こういうことを抜きにして、あなたは電源開発、生産拡充、人口問題を考えても、てんで問題にならないじやないか。アメリカの景気なんててんで当てにならないじやないか。景気、不景気はつきものだと言うが、資本主義社会においてつきものであつて、社会主義社会では景気、不景気というものはない。こういう国と通商貿易も国際関係も結ばないで、アジアにおける小さな範囲、東南アジアというものしか考えない、あるいはアメリカしか考えない。イギリスを考えても日本の商品を買つてくれない状態です。こういう小さいことしか考えないで大きなことを言つてもしようがない、私はそう言つている。大きなことを言う資格がないじやないか。国際的な視野ということを安本長官はたいへん大きくおつしやつているようですけれども、アジアの問題、中国を抜きにして国際問題を論ずる資格がございますか。だから中国あるいはソビエトとの国際関係を回復するとか、これとの貿易をやるとか、こういうことを考えた上で日本の電源開発ということを促進してごらんなさい。それをやれるのはあなた方ではないのだ、私はそう言いたいのです。あなた方にはそういうことはない。アメリカの軍需工業の下請をやる。そのためにこういつた電源開発をやるのだ。そしてますます国民経済を圧迫して来ることになる。私はこれを言いたいのです。議論になりますからこの程度にしてもいいとは思いますけれども、安本長官はまだたくさん何か言いたいことがあるだろうと思いますが、ありましたら……。

田中角榮自由党

○田中委員長代理 池田君、ひとつ御質問を願います。

池田峯雄日本共産党

○池田(峯)委員 私は貿易とかそういうことを一応抜きにいたしまして、今度の資金計画というようなものが国民経済に影響を及ぼして来るのであるまいかと思う。たとえばアメリカのニュー・デイール政策をとつているときは資本が非常に余つたのであります。ところが現在の日本におきましては資本が余るどころか、足らないわけであります。そして戰争によつて被害をこうむつておりますし、解体した財閥がまた復活するぐらいに相当日本の資本家が国民からしぼりとつている。それから国家財政の面でも相当戰前と比較にならない程度に税金をとる。そのほか日本は植民地的な状態で、ほかの国からも相当負担をしいられている状況でありますが、こういう国民経済の多額の資金を電気産業に投ずるということが、これは当然相当の圧迫が国民経済にかかつて来るのではなかろうか。こういうふうに考えられるのでありますが、この点について安本長官の所見を伺つておきたいと思います。

周東英雄自由党経済安定本部総務長官・中央経済調査庁長官

○周東国務大臣 資金計画の上に立つて考えたときに、初年度千二百億程度を優先的に考え、次年度千三百億、その次には八百億余円、最後に五百億余円程度の資金の計画並びにそれに伴う資材の供給程度においては、国民生活を圧迫することはないと考えております。

池田峯雄日本共産党

○池田(峯)委員 たとえば電源開発にセメントとか鉄鋼とか、そういう資材を相当大量に投入することによつて、物価高というようなものが招来しはしないかというふうに考えられるのでありますが、この点はどうでありますか。

周東英雄自由党経済安定本部総務長官・中央経済調査庁長官

○周東国務大臣 今後における計画の遂行上、セメント、鋼材等については、年々年次計画による増産計画のもとに、電源に対する必要量の程度は国民生活に対して圧迫することはないと考えております。

前田榮之助日本社会党

○前田(榮)委員 ちよつと一言お聞きいたしたいのです。この電源開発を全面的に行いますためには、今安本長官の御答弁の中にあつた資材の関係ですが、特にセメント、銅、鉄というものが多量に必要なのであります。この必要なものは計画的にいろいろ生産されることだと思いますが、電源開発を行つて低廉な電気を国民に供給する上からいつて、この生産はできるだけコストを安くする。特にセメント等を国営で生産する御意思があるかどうか。これはいろいろな方法があろう思うのでありますが、現在の民間セメント産業については、大体営業費及び資金の利子というものが相当な部分を占めておるのでありますが、こうした国家が全面的に資金を投じて開発しようという際において、資金等についてはこの計画の範囲内においてうまく運営する、つまり現在の民間産業に対して国家がこれこれのものを国家のものとしてやれという、指名産業といいますか、そういう形で行いますと、実質的には国営と同じ効果を収めることになり、コストは非常に安くなると思いますが、そういうような御計画を考えようという御意見があるかどうか、この一点だけ御答弁願いたいと思います。

周東英雄自由党経済安定本部総務長官・中央経済調査庁長官

○周東国務大臣 お答えします。ただいまのお示しのような点はただいま考えておりません。しかしセメント等に関しましての資金の供給に対しては、実際上の問題として優先的に資金等は流したいと考えております。さらにセメント工業に関して最近発明されたのですが、ソーダ工業との連繋において、ソーダ工業に使われる石灰の粉末というものをセメント工業の方へ送つて行くということになれば、非常に粉砕の労力を避けて安いセメントが相当確保できるということで、一面においてはソーダのコストを下げるとともに、セメントにおける、量的あるいはコスト的の引下げを考えようということが進められております。こういうような問題においては合理化の線から資金の点も考えて行きたい、かように考えております。

前田榮之助日本社会党

○前田(榮)委員 提案者に御質問申し上げます。午前中の提案者からの御説明の中に、審議会の構成について大体内閣の閣僚が六人と、公益事業委員会の委員長を加えまして七人、学識経験者が三名、そういう点でややともすると民間の技術者というか、学識経験者の意見を開く民主的な運営については不十分な点がありはしないか。こういう点をもう少し広げたらどうだという質問に対して、そういうことも考えないことはない。それも一つの方法だというような反対やら賛成やらはつきりしないような御答弁であつたのでありますが、大体自由党はこういう官僚機構というものについては反対の政党であるように考えておるのでありますが、この点もつと民間の学識経験者等を多く加えるか、あるいはまた関係閣僚をこんなに六人も七人も並べないで、三人か五人くらいにして、その比重を民主的な運営のできるようにしなかつたのはどういう考えでやらなかつたのか。そういう方法が必要だと思うのに、何かそれにも賛成のようでありますけれども、事実はこういうことになつておるのでありますが、各種他の審議会や、その他の委員会等を見ましてもそういうきらいがあるのでありますが、そういう点についてのもつと明確な御所信をここで御披瀝を願いたいと思います。

福田一自由党

○福田(一)委員 お答えをいたします。なるほど閣僚が六名になつておりますが、閣僚はすべて政党人であります。ただいまあなたの仰せられたのは、官僚の弊害を除くというのが自由党の党是ではないかという御質問でございますが、その点は私たちは、今でもその方針を一つも変更しておりません。従つて委員会の構成メンバーが政府で、政府の政策が中心になつて、民間側の意見を取入れるという意味合いにおいて若干不公正ではないか、こういう御質問は、前日の委員会においても、前々日の委員会においても、二、三ございました。そのとき私が申し上げましたのは、そういう民間側の意見も十分取入れた方がよいという御意見でありますならば、私たち提案者といたしましては、これで大体民間側の意見を取入れることができると思うけれども、しかしそういう意味で、議会の皆様方がそういうふうに修正した方がよろしいということであれば、その修正に対して絶対反対という立場をとるものではなくて、その修正に應じてもかまわないという考えである。こういうことを申し上げたのでありまして、提案の立場をとつたときから、ぐらぐらした意見でもつてこれを提案したというわけではないのであります。さよう御了承を願います。

前田榮之助日本社会党

○前田(榮)委員 もう一つその点についてお尋ね申し上げておきたいのですが、これら審議会類似の、現在行われている審議会の中には、学識経験者等については国会の承認を求めるという方式がとられておる審議会や、その他各種の委員会があるのでありますが、何ゆえこの審議会だけはそういうものを取入れなかつたか。国会は国民の代表者であり、その代表者の承認を求めることは民主的な今日として、きわめて必要だと思うのでありますが、この点についての御答弁を願いたいと思います。

福田一自由党

○福田(一)委員 お答えいたします。実は行政機関としての審議会と、諮問機関としての審議会と二つあることは前田さんも御承知だと思いますが、行政機関としての審議会の委員につきましては、多くは国会の承認を得ることにいたしておりますけれども、諮問機関の委員については必ずしも国会の承認を得ることは例になつておらないのでありまして、多くは内閣がこれを任命することになつておりますので、その例にならつて国会の承認の問題を取上げなかつたわけであります。

前田榮之助日本社会党

○前田(榮)委員 次にお尋ねを申し上げたいのは、この法案によりますと、特殊会社は土地の立入りについては法律をもつて規定されておりますが、自家発電や配電会社等の立入りについては何らの規定もないのであります。今日提案者が要望されておるように、立入り等については大体この法律の中へ加えるべきだと考えるのであります。もちろん電気産業については他の法律でそういうことを許しておると思いますけれども、やはり計画は、全面的にやる上から、この法律でそういうものを特殊会社と同様に明確にされることがいいのではないかと思うのでありますが、その点についての御説明を願いたいと思います。

福田一自由党

○福田(一)委員 ただいまの御質問でございますが、私たちとしては、非常に大規模なものにつきまして電源を開発する場合を一応想定して、それについてはそういう規定を入れておるのであります。ただ自家発の場合にまでそういうような規定を適用すべきかどうかということは疑問でありますが、仰せのようにほかの発電業者がやる場合におきましても、これは国家的のものでありますから、そういうような規定を入れることは、一応想定して考えてみてもよいと考えておるわけであります。

前田榮之助日本社会党

○前田(榮)委員 次に水利権の問題でございますが、この水利権の問題につきましては、河川局の方で河川法の改正についていろいろ計画をされておるようであります。この問題は、たとえば只見川の開発等につきましては、一部群馬県あるいは新潟県、福島県と各県にわたつておるのでありまして、従つてこの県の水利権の許可権の問題について非常な支障を計画の上に来すと思うのであります。この水利権の問題をこの法律にもつと明確にしなければ、せつかく法律で強力に推進したいと思つても、その点支障がありはせぬかと思うのですが、水利権をどうするかという問題については河川局長から御答弁を願いたいし、これからこの法律にこの水利権の問題を取上げていない点はどういう関係かという点は提案者から御説明が願いたいと思います。

目黒清雄建設技官(河川局長)

○目黒政府委員 水利権の問題は、ただいまの河川法では許可は知事がやることになつております。これをさらに建設大臣のもとで認可をするという段取りになりますが、もし両県にまたがつて非常にトラブルの多い水利権につきましては、おのおの協議の上それがまとまれば幸いでありますが、まとまらなかつた場合には、建設大臣がその決定をして、それを知事に命令するというような段階になると考えております。

福田一自由党

○福田(一)委員 その点は現行の河川法によりまして、これをやることができるのであります。河川法自体については、今改正の意思があるようでございますが、この点は改正にあたりましては、十分電源開発ができるような意味合いにおいて、建設省担当者に連絡をいたしておるわけでございます。

前田榮之助日本社会党

○前田(榮)委員 あと一、二点でございます。この電源開発について、新しい特殊会社をつくつて大きい構想で電源開発をやられるのでありますが、将来のこの電源開発を行う特殊会社の運営の問題にもなるわけでございますがいたずらにこれが政争の具に供されるとか、あるいは官僚機構のために、非常な飛躍的な発展に障害を来すとか、また全国の河川等の工事が地方のいわゆる一種の土建業者というか、こういう人々との間に汚職事件等もいろいろ起つておる現実から考えますと、いろいろこれらの点については十分な用意が必要だと思うのであります。こういう点について、何か国家事業について不正等の起らないようにする一つの構想がありますかどうか、提案者から御説明を願いたいと思います。

福田一自由党

○福田(一)委員 こういうような特殊会社をつくりますことによつていろいろ汚職の問題が起きはしないかという御疑問のようでございますが、これは電源開発工事をいたしますれば、これが電力会社でやりましようと、あるいは公営でやりましようと、どんな方法をとりましても、汚職というような事案は起き得るわけでありまして、この会社でやつたから特に汚職の問題が浮び上つて来る公算が多いということは、ないだろうと私は考えておるのであります。しかしそれだからといつて汚職を前提として認めておるのではないのでありまして、これは政府におきましても、またわが党といたしましても、こういうような汚職事件を払拭するためには、あらゆる面において努力をいたしておるのでございますが、もし前田さんがそういう面について特に新しい機構でいい方法をお考えくださいますならば、ひとつ御提示を願いまして、これは各党各派を越えた問題でありますから、御一緒にそういうような構想を実現するように努力をさせていただきたいと思つております。

前田榮之助日本社会党

○前田(榮)委員 この問題につきましては、いろいろわれわれにも意見はあるのでありますが、これは場所をかえて御相談を申し上げてみたいと思うのであります。ただ提案者の御説明になつた将来の特殊会社にいたしましても、特殊会社を五百人程度の人員をもつてやつて行こうという御説明があつたのでありまして、この点は自由党の委員の諸君からも、こんなことでやれるかというような午前中の御意見も出ておるのであります。この人員についてはいたずらに多くを望んではならないのでありまして、最小限度で最高能率を上げることは当然必要なのでありますが、あまり軽く考え過ぎてやることに非常な将来の問題があると思うので、この点は十分今後の運営等についても愼重な態度でなければならぬと思うのであります。しかしこの点は後日に讓ることといたします。  最後に一点お尋ね申しておきたいのは、現在の国鉄は蒸気機関でやつておる点を電化しなければならぬことは、日本の石炭節約の上からも、その他能率を上げる上からも絶対必要な條件になつて、国鉄の方でも研究をされている。ことにすでに問題になろうといたしておるのは、天龍川の発電を国鉄も計画いたし、そういう点では国鉄の方では相当力んでおるようであります。しかしながらこの天龍川については、特殊会社の計画の中の重要な一部面でもあるわけでありますが、この国鉄の電化に対して国鉄自体に信濃川の発電所のごとく直接開発させる。それはそのままというわけには行きませんで、電力の融通等は行わなければならぬのでありますけれども、そういう点でやらなければ日本の国鉄営業の上からも一大支障を来すと思うので、国鉄にはいわゆる自家発電という意味で、もつと強力にやらせなければならぬと思うのであります。これはもちろん審議会等できめられる問題だと思いますけれども、提案者の方ではこういう点について、かりにこの特殊会社に計画があつたとしても、特殊会社の方に支障がない限り国鉄に直接やらせるという方針で進められるお考えなのかどうか、その点をお聞かせ願いたいと思います。

福田一自由党

○福田(一)委員 天龍川はただいま御説明のように国鉄でも計画いたしておるのでありますが、その地点は、一方国鉄の方は下流でございます。われわれが想定いたしておりまする地点は上流でございます。従つてその地点において競合はいたしておりません。またこの天龍川の開発につきましては、安本を通じまして国鉄の方にも十分話がしてあるわけでございます。そこでこれを並行的にやるかどうかという問題は、お説の通り調整審議会で十分研究して決定すべき問題だと思うのであります。また国の政治自体といいますか、国鉄の経理内容とかあるいは資金の面というようなことからも抑制され、あるいは促進されるものだと思うのでありまして、あげてこれは審議会で国家的に見てやるべきかどうかをきめてやつてはどうかと考えておる次第であります。

前田榮之助日本社会党

○前田(榮)委員 最後に、これは公益事業委員会にも関係があり、安本にも通産省にも関係があると思うのでありますが、電源開発が既設電気会社、あるいは特殊会社、自家発電等によつて全面的に行われるということから、電気については将来に対して非常に明るい感じを国民に与えておる、また与えるべきものだと思うのでありますが、ただ今の日本の国民生活の上からいいますと、できるから濫費するというようなことでなくて、できるだけ節約した国民生活を行わなければ日本国家の再建にはならないと思う。そういう点から考えますと、現在の電気の消費規正というものが、これは自由党の自由主義経済という性格から来ておると思うのでありますが、非常に乱雑になつておると思う。たとえばネオンサインその他不必要な面においては、今の国民生活からいつてもつと節約さすべきである。それはにぎやかで明るくていいということはだれしも考えますけれども、今の国民生活の上からいいまして、電力があるときだから使つていいというようなことでなしに、渇水期等に備えるのに多少でもこれが効果があるという場合にはもつと節約するという建前をとりますならば、たとえば火力電気を節約し、それから水力電気によつて電気料金が少しでも低廉なものが豊富に国民に供給できるはずなのであります。ところが今の全国の消費状態を見ますと、その点がきわめて不十分な点があると思うのでありますが、電力の総合開発というようなことで、かりに電気が将来相当あるんだというようなことで、十分に使われることになつても、今の日本の国民生活からいいますならば、こういうことについてはもつと考えなければならぬ問題があるのではないか。そうしますと、大体においてどの程度やるかというような問題がいろいろあるのでありますが、いずれにしても今の電気の規正の問題については、一般国民から見ますと、きわめて乱雑な状態になつておると考えられるのでありましてこういう点について松田さんあるいは佐々木さん等から御意見があれば、お聞かせを願いたいと思います。

松田太郎総理府事務官(公益事業委員会事務総長)

○松田(太)政府委員 お答え申し上げます。ただいまのお説は、少くとも現状のような電力の需給状況におきましてはきわめて必要なことと思つております。ただ今日この問題につきまして、いろいろ法制的な措置をとりまして国民の方々に強制するということも、実際問題としてなかなかむずかしい点があります。しかしながら実際において、昨年の暮れでありますとか、あるいはことしの初めにおきまして、電力の需給状況が非常に逼迫しております際におきましては、やむを得ず電力の使用制限措置を講じておつたのでありますが、要するにこの問題は、いくら法的な措置を講じましようが、またいくら政府側の方でやかましく申しましようが、要は国民の各位心々にこの問題について考えていただかなければならぬ問題と思います。これは一般の国民の方々のみならず、特に電力を多量に消費せられる産業界の方においても、十分この点については検討していただかなくちやならぬ問題だと思つておるのであります。そういう意味で、ただいま公益事業委員会の方といたしましては、電気協会という方に、依頼をしたと申しますか、ある意味においては電気協会の方で自発的に考えてもらいまして、現在電力は国の宝運動という運動を起しまして、あるいは映画により、あるいは書きものによりその他実際的に、電力がいかにして多くの人々の努力の結集によつて生れて来るか、そのとうとい電力の生れたゆえんについて、十分認識をしていただいて、そうして電力の消費を自発的に締約していただくということが一番大事だと思うのであります。同時に次の時代をになう小学生その他にもこの点については十分な教育をして行かなければならぬと思いまして、今申しましたような運動を通じて、学校側の方にも呼びかけるようにいたしております。それから産業方面につきましては、もちろん各産業におかれましても電力量あるいは使用料金の問題等いろいろの点から、消費の節約、合理化については努めていただいておることとは思いますけれども、しかしながら同時にこの問題は、電力を供給する電力業者側におきましても、むしろ使われる立場に立つた場合に、どういうぐあいに消費節約していただくことがいいか、またどういうぐあいに電気を使つていただくことが最も有効に、少い電力で効果を上げ得るかというような点については、むしろこの際電力会社が率先してそういう点を研究して、そうして各需用者、消費者の方にもそれらの点を、御指導するというと語弊があるかもしれませんが、申し上げて御協力いただくことが必要じやないかというので、ただいま委員会としましては電力会社の方に対しましてもそういう点について十分な研究を遂げ、消費者の方の御協力を得るように努めさすようにいたしております。要はそういつたあらゆる措置を講じまして、産業界といわず、国民全般といわず、極力自主的に、自発的にこの問題について御協力いただくことが何よりも大事だと思つて、そういうような線でただいまいろいろな方法を考えております。

前田榮之助日本社会党

○前田(榮)委員 今、学校や映画館その他で国民運動の上から消費規正をやり、現在の電気事業家からそういう運動をやるということでありますが、そんなことはやめなさい。そういうことは、今までの国民運動がどんな効果を来したか。ことに営利会社であるところの会社は、ただもうけるためにはいろいろなことを考えますけれども、そういうことはだめであつて、やはり政府がネオンサインはこの程度、生活にはどういう程度にしろという点を明示してやらない限り、その効果は上りませんよ。私は今の御答弁については不満であるということを意思表示して、私の質問を終ります。

田中角榮自由党

○田中委員長代理 池田峯雄君。

池田峯雄日本共産党

○池田(峯)委員 建設省にちよつとお伺いしたいのです。総合開発計画とか、総合開発の特定地域というふうなものがあるわけです。こういう総合開発というものの、いわゆる扇のかなめのようなものになつておるのが電源開発だ、こういうふうに言われておるわけです。しかしながらやはり総合ですから、利水あるいは治山治水、道路、農業方面の開発というようなことが考えられておるわけですが、今度のこの電源開発促進法による電源開発の方式と総合開発計画というようなものとの関係、また今度新しく出る河川法による河川計画というようなものと今度の電源開発というようなものとの関係、これをお伺いしたいのです。たとえばこの法律によれば、総合開発というようなことを考えなくても発電ということを考えますから、たとい河川の方で治山治水あるいは利水という点では多少文句のつけようがあるのだけれども電源開発の方が国として最重点にやらなければならない事業だからというので、治水あるいは利水という方は非常な犠牲をこうむる、あるいはまた多少の犠牲をこうむるか、それは程度の差こそあれ、そういう犠牲をこうむつてもがまんしなければならぬといつたような事態が起るのではなかろうか、こういうことが考えられるのであります。あるいはまた利水ということと電気をつくるためのダムというものとは、これは多少矛盾する点があるわけであります。たとえば渇水期において農家の方では水がほしい、あのダムを切つてもらいたいという要望が非常にあるけれども、一方においては電力を送るということが国家最大の要請であるというような場合には、農家の方に水を送るのを多少制限して、そうした電気を送らなければならぬ、つまりダムに水をためておかなければならぬ、こういうふうなことが考えられはしないだろうか。従つて利水、排水というものと電力との矛盾がある。こういう矛盾の調整あるいは建設途上におけるそれらの摩擦の調整、そういつたようなものを、もちろん「協議することができる。」とか、「総合調整を行うべきことを求める」とか書いてはありますけれども、しかしいずれを優先とするのか。総合調整といつても妥協です。ちようど調停裁判みたいなものでありまして、どちらかががまんしなければならぬということになるのでしようが、この総合調整はどつちががまんするのか。電源開発の方ががまんするのか、農民などに非常な影響のある部面ががまんしなければならぬのか、こういつた点を詳しく御説明を願いたい。

目黒清雄建設技官(河川局長)

○目黒政府委員 ただいまのお話ではこの法律というよりは河川法自体の法律の精神といいますか、総合調整の問題と相なると思うのでありますが、河川法の必要なねらいは、おそらくその辺にあるとわれわれは信じております。たたえばいかにその川を利用するかという場合に、建設大臣の認可を要するという点はその辺の調整をはかるのが目的であります。計画につきましても、一つのダムをいかに有効に働かせるかということがわれわれのねらいであります。その間に農業用水と電気の関係、あるいは洪水調節と電気の関係、発電の関係というものが非常にむずかしいのでありますが、これを総合調整、あるいは総合利用いたしますれば、これは必ずしも相反するものではないということをわれわれは信じております。さらにこれにはわれわれの技術的の研究が積まれなければならぬのであります。たとえば洪水の調のために、ある期間ダムの水位を低下するという問題がありますが、洪水期間中水位を低下するようにいたしますれば、その出力は非常に減少するという問題があります。洪水予報の整備等と相まちまして、できるだけ発電力に損害を及ぼさない程度において洪水調節ができるのではないかということを考えておりますが、これは今後の研究にまたなければならぬと思います。それからできましてからあとのいろいろな場合の水の利用の調整につきましては、そのときの状態に応じまして、臨機応変に調整いたさなければならぬと思います。アメリカのように水の少い国においては、まず水道あるいは灌漑用水、洪水調節、最後に電気というようなプライオリテイを非常に考えて法律をつくつてありまするが、日本の状態はそこまで法律でプライオリテイをきめるわけに参らぬと思うのでありまして、その都度そのプライオリテイを決定したいと考えております。

池田峯雄日本共産党

○池田(峯)委員 それをはつきりと法律でうたわないと将来非常に問題点が出て来るのではなかろうかというふうに考えられるわけです。というのは、先ほども安本長官と議論いたしました通り、今度の電源開発というものは相当軍事的な意味が含まれているわけでありまして、軍需工場の操業に重大な支障を来すのだ、農業利水よりも、あるいは洪水予防のためにダムの水をあけるというようなことよりも、電気を起すことが重大なのだから、それはいかぬというようなことがあつて、たとえ各行政機関の長の間で協議いたしましたとしても、そういつた産業方面の発言力が非常に強くて、そのために一般大衆が非常な迷惑をこうむるということがあり得るのでなかろうか。従つてこれは法律で優先順位について、そういう場合の処置をはつきりうたうのが必要なのではなかろうか。こういうふうに考えられるわけです。この点についてひとつ御答弁を願いたいと思います。  それともう一つ、予算の面で、たとえば公共事業費というものが今組んであります。これには河川、あるいは土地改良、あるいは道路というものもあります。ところが今度のこの法律の第六條では、この公共事業の施行について、この特殊会社などにこれを委託することができる、こういつたことがあるわけでありますが、そうなりますと、将来電源開発のために使用する資金と、明確な河川法あるいは、道路法による公共事業の費用が、ますます区別のつかぬようなごちやごちやした関係になつて来るのではなかろうか。場合によつては当然これは発電会社、あるいは今度できる特殊会社が、その経費において負担すべきものを、これを建設省の予算でもつてやつて行かなければならないというように、総合的な多目的のダムという観点から、この関係が明確性を欠いて来るのではなかろうかと考えられるのですが、これらの点について御答弁願います。

目黒清雄建設技官(河川局長)

○目黒政府委員 さつきの総合調整の問題、法律で明確に書くべきではないかというお話ですが、これは今の促進法のときよりは河川法の改正のときに論議していただきたいと考えておる次第であります。河川法の精神はそこにありますからその辺のところであとで御議論願いたいと考えております。  それから公共事業費と電気プロパー、発電プロパーの事業費との振りわけの問題でありますが、これはなかなかやつかいな問題であります。従つてこれを決定するのは最後には審議会になつておりますが、この方式も、アメリカのことを申し上げて悪いのでありますが、アメリカにおいてはいろいろ研究されまして、現在一番いいと思われる二、三の公式をつくつております。現在われわれは公共事業費と発電事業費との割振りをやつております。これは一応その公式を採用してやつておりますが、これにもいろいろまだ議論があるのでありますが、少くともある程度正確にこれの振りわけができるという自信を持つております。さらに日本的な観点に立ちまして検討して審議会においてこれを決定していただきたい、こう考えております。

池田峯雄日本共産党

○池田(峯)委員 農林省の方が来ておりますからお伺いしたいのです。これは午前中に西村委員からも質問がありましたが、ダムをつくると、ダムの埋沒という問題が起る。それについては治山、砂防等の工事を徹底的にやらないとせつかくつくつたものがだめになつてしまう。相当厖大な経費がそのために必要になつて来ると思うのです。農林省の予算でも、電源開発のために相当莫大な経費がかかつて、さらにダムを保護するための治山のための費用が相当厖大にかかつて来て、建設省の方ではこのダムに通ずる道路をつくるのにまた厖大な経費がかがつて、国の財政からいつても相当厖大な予算がかかるだろうと思うが、農林省としてそういうことが可能であるかどうか、つまり現存するダムの埋没すら防ぐだけの予算もないのに、今後新しくできて来るダムの埋沒を防ぐための予算を計上し得るだけの見通しがあるか。それは苛斂誅求をやればできるかもしれませんが、その点をひとつ御説明願いたい。

渡部伍良農林事務官(大臣官房長)

○渡部政府委員 ダムの埋沒でありますが、日本のダムは非常に埋沒が早いのであります。そのためにでも治山治水の造林とか土砂防止の工事を行わなければならないのです。今まではダムの埋沒防止というところまで十分手が伸びていないのが現状ではないかと思います。従いまして今後ダムを建設する場合には水量だけでなしに、土砂の流量というものもよく研究してつくる必要があると思います。今後どれだけ土砂の流れを防止するような造林ができるかという問題は現在造林の費用は数十億に上る経費を計上しておるのでありまして、かりにこれを相当増しても現在以上に土砂の流出を急速に防止することは、御承知のように十年なり、二十年なり長い間たたなければ、その土砂の防止まで行かないのですから、その点はこれからの電源開発のためのダムの建設する地点をきめるときに十分検討しなければならぬと思います。

池田峯雄日本共産党

○池田(峯)委員 提案者並びに建設省、農林省の方にお伺いしたいと思うのですが、このダムをつくるとかいうような場合には、すべての公共事業がそうですが、特にダムの場合は田地が埋沒し人家が湖底に沒するというので、その収用について非常に地元の反対があるわけであります。これに対する補償の方法とかいうようなものをどうするか、これは川などをつくる場合でも相当反対があるわけであります。特に日本においては農業というものが封建的な生産様式から脱しておりませんために、つまり零細な自作農経営が大部分でありますからして、そういうところからどうしてもたんぼをとられたら食べて行けないというので猛烈な反対があるわけであります。こういう点に対する対策をどういうふうに立てておられるのか、この点をお伺いしたいと思います。

福田一自由党

○福田(一)委員 仰せのように埋沒されます家屋の罹災者というか、そういう関係者の方はこれは国のためにそういうような移転、あるいは生活を奪われるというような犠牲を払われるのでありますから、これに対しましては十分な補償の方法を講ずべきであると思うのであります。ただ今までやつておりました例その他もございますが、提案者自体の考えといたしましては今までの例よりはもう少し比重を上げてでもこういう人たちの犠牲がなるべく少くなるような方法を講じたいものと考えておるわけであります。

池田峯雄日本共産党

○池田(峯)委員 それは特殊会社がやる場合は特殊会社がそれを補償しますが、多目的ダムということになりますとちよつとこれがむずかしいことになる。建設省に請願に行つてよいのか、農林省に請願に行つてよいのか、あるいは特殊会社に行けばよいのか、こういう場合には両方で何だかんだと言つて地元民はどこへ行つてよいかわからなくなるのですが、こういう点で明確にしていただければ今後補償の要求をする場合に非常に便利だと思います。

福田一自由党

○福田(一)委員 先ほど目黒河川局長からもお話がございましたが、治山治水の関係でどうしてもダムをつくらなければならないところで、それにあわせて発電所をつくるような場合におきましては、これは建設省になると思います。しかし大規模な開発地点で、電力本来のために大きなダムをつくつてそうして電源の開発をするというような場合には、特殊会社でこれを当然補償すべきだと思います。

池田峯雄日本共産党

○池田(峯)委員 最後にこの補償の問題でもう一ぺんお聞きしたいと思うのですが、とにかく十分な補償をするということでございますが、しかしこの十分な補償というのが実際にはなかなかむずかしいわけです。国の今の財政資金計画からいいましても、何しろちよつと考えても厖大な経費に上るのです。電源開発そのものに相当な経費がかかり、そのほかに公共事業費もたくさんそこに投入しなければならないし、農林省の予算も相当莫大に投入しなければならない、そのほかに補償ということになりますと、この補償の方はちよつとあてにならないのじやないかというふうに考えられるのです。  それからいま一つは、収用される人たちの反対の理由として考えられるのは、どうも国際情勢が険悪だからして、いつ何どき戦争が起るかわからない、そうなると発電ダムというものはどこかへ吹つ飛んでしまう。石淵ダムの堰堤の工事は戦前に土地収用をやられたそうです。一戸当り千二百円かの補償をもらつて立ちのきを強要された。最後までがんばつていたのが立ちのきを必要としなくなつた。ところが建設省の方では、あれは戦前に千二百円で買収を完了したのだから補償なんかする必要はないと立ちのきをすぐ要求する、こういつたような問題が起つているわけです。また千二百円で立ちのいてしまつたあと、また補償してくれるならば立ちのかないでいた方が得だつた、こういう問題も起つて来る。また戦争が起るのではないか、そうなると立ちのいてもばかばかしい、こういう問題もあるだろうと思います。  それから一番根本的な問題は、今の政府を信用しない。今の政府のもとでは補償をするとかなんとか言つたつて目くされ金で、どつちみちおれたちは食えなくなつてしまうのだ、だから何が何でもがんばらなければならない、反対しなければならない、こういう気持があるわけです。これは日本という国の非常に特殊な状態でこうなるのです。つまり農民というものが封建的な生産様式であるがゆえにそういうようになるのでありまして、こういう点では完全な資本主義になつたアメリカとかイギリスだとか、あるいはそれ以上の社会主義になつているソビエトなどではあまり問題のないところなのです。こういう問題がある日本で、ダムの建設をやる、しかもその国家財政資金はきわめて貧弱だということになりますと、場合によつては警察予備隊の出動とまでは行かないかしれませんが、相当強権をもつてこれを立ちのかせるというようなことが発生するのではなかろうかと考えられますので、この点について提案者側の御説明を願いたいと思います。

福田一自由党

○福田(一)委員 お説の点はわれわれも非常に考慮いたしておるところでありまして、実は生計の道を断たれるということは非常に困るから、適当な代替地を見つけるとか、他の土地に行つて生活ができるようにくふうするというようなことまでも含めた意味において十分考慮いたすべきものであると考えておるわけであります。

池田峯雄日本共産党

○池田(峯)委員 地方自治体との関係で自治庁からお出でになつておりますかどうか知りませんが、まず提案者に御説明願いたいと思います。  たとえば地方自治体としてはその村に電源開発が行われることに対してはあまり関係のないことで、賛成もしないし反対もしない。しかしながらここが非常にダムの建設に適当な箇所だというので、その附近に電源開発が行われるという場合に、そこの地方自治体の予算が、電源開発の方に関連した、たとえば道路の建設などで非常に余分に食われる、こういう事態が相当つて来るのではなかろうかと思うのであります。これは県にしても村にしても、市にしてもそういつた電源開発が行われるがために地方自治体の経費が非常にかさんで来る、こういうようなことが予想されるわけですが、そういう場合に、政府の方として、地方自治体に対して何らかの措置が考えられておりますかどうか、それを伺いたい。

福田一自由党

○福田(一)委員 地方自治体が電源を開発いたします場合においても、補償費というのが建設費の一部に入るのでありますが、建設費が非常に高いものでありますれば、コストが高くなる。その面とにらみ合せまして、これが一番有利なものかどうかというようなことを、またやつていいかということをもにらみ合せて、今後調整審議会ができました場合には、ここで十分検討を加えることに相なると思います。

池田峯雄日本共産党

○池田(峯)委員 いや、そうじやないのです。つまり茨城県なら茨城県の附近のある川の上流に電源開発が行われる、ところがそこには県道があつた、今度はその県道を、電源開発の工事が行われるためにつけかえなければならぬとか、あるいは橋をつくらなければならないとかいうような問題がもし起つた場合に、地方自治体としては、国家的な目的による大規模な電源開発が行われるために、かえつて地方自治体の経費がかさんで来るというようなことが起つて来るのではなかろうかということが予想されると思うのです。県としては、電源開発が行われても県の利益にはならない。間接的にはなるかもしれないが直接的にはならない。にもかかわらず相当経費を負担しなければならぬ。そういう場合に、地方自治体に対し、何らかの措置がとられるか、こういうことであります。

福田一自由党

○福田(一)委員 今言われましたような電源開発工事をやるために、直接そういうような必要の起きて来た経費は、この電源を開発する側におきまして、附帯工事として経費を計上いたしてやりますから、地方自治体には関係はないと思います。

田中角榮自由党

○田中委員長代理 これにて通商産業委員会、建設委員会及び経済安定委員会連合審査会は終了いたしました。  本日はこれをもつて散会いたします。     午後四時二十三分散会

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