通商産業委員会建設委員会経済安定委員会連合審査会 第2号
- 発言数
- 24 件
- 登壇者
- 6 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1952/03/29
会議録
○中村委員長 これより通産、建設、経済安定連合審査会を開会いたします。 電源開発促進法案を議題といたし、これより各党代表による質疑に入ります。村上勇君。
○村上(勇)委員 まず劈頭にお伺いしたいことは、本案はまつたく自由党の発案でありまして、従つてまた自由党の提案となつたのでありますが、世間では政府案であるかのごときうわさもされ、あるいはまた自由党と政府との両案であるかのごとくいわれておるのでありますが、提案者としてこの点をまず明らかにしておくことが、後日のために必要かと思いますので、この問題をまず御説明を願いたいと思います。
○福田(一)委員 お答えを申し上げます。昨年の夏非常な渇水が起きまして、全国的な電力飢餓が起きたころから、自由党といたしましてはどうしても早く電源を開発する、しかも全国的に大規模なものも含めてこれを開発する必要があるということを考えまして、爾来自由党内の政務調査会におきましていろいろ対策を考究いたしておつたのでありまして、その後この法案の骨子となるような案を自由党としてきめたわけであります。その後政府の部内にも電源開発を促進した方がよいという意見があつたようでありますが、私たちといたしましては、この法案をぜひとも実現させなければならないという意味合いで、政府ともいろいろ打合せはいたしましたが、この法案の骨子をなすものは私たちがつくりましたところの自由党の案でありまして、これについていろいろの資料その他について調査を進める必要がありましたので、あるいは安本あるいは通産省の資源庁とかというようなものを、われわれがこれを使うといいますか、使うという言葉が語弊があれば、協力させたことはありますけれども、この法案は明瞭に自由党の政策に基いて自由党自体がつくり上げたものであります。従つて資料の関係その他で安本その他からいろいろの意見が出たりいたしました。その間若干の経緯はございましたけれども、本案自体は明瞭に自由党がその責任において本国会に提出をいたしておるものであります。
○村上(勇)委員 電源開発の重要性、従つてまたその開発促進については、われわれは全面的に賛同するものでありますが、提案者は、開発の目標として、わが国経済の推度、産業構造の様相、さらに国民生活の水準についていかような構想を前提とせられたか、まず明らかにしてもらいたいと思います。
○福田(一)委員 お答えをいたします。御存じのように、日本が敗戦以来非常な苦しい経済的な立場に置かれ、また国民生活も非常な窮迫した事態に置かれたのでありますが、その後徐々に回復はいたしておりますけれども、まだ戦前の水準に遠ざかるところは非常にはるかなりものがあるのであります。そこで、私たちはこの日本の経済を復興し、またこの日本の国民生活を安定するという建前から、いろいろな施策を考えなければならないのでありますけれども、その一番前提條件になりますものは、何といつても動力であると考えるのであります。その動力を見てみますと、日本では御存じのように石炭というものは、われわれが骨を折つて増産をいたしましても、せいぜい年間に五千数百万トン以上出すことは無理だということは定説になつておるのでありまして、五千数百万トンの石炭と、そうして現在日本が持つておりますところの九百数十万キロの電力では、とうてい日本の産業経済を十分に復興して、そうして国民生活を安定することはできないと考えておるのであります。今度この法案によつてできます特殊会社というものがありますけれども、この法案の提案理由をお聞きくださつてもわかりますし、またこの法案の内容を御検討くださいましてもわかりますように、私たちは全国的な規模において電源開発を大きく促進しなければならない、かように考えております。従いまして民間会社にも十分骨を折つてもらう、九つの電力会社にも大いに電源を開発していただく、そのためには政府としても資金の面その他において大いにお骨折りをしよう、御協力をしよう、こういう考えを持つております。また公共企業体あるいは自家発の、自分が電力を使うために発電所をつくるというような人たちのためにも、いろいろ資金面その他で応援をいたそうということにいたしておりますが、大規模なものは、これはどうしてもやはりこの法案にありますような特殊法人をつくりまして、そうして国の力をもつて急速に実現するのでなければ、現在の九つの電力会社等がやるのは非常に無理があろう、その他の理由等もございますけれども、かようにいたしまして私たちは全国的な規模において電源の開発を大いに促進しよう、そうしてそれによつて電力を豊富ならしめ、昭和三十一年度の末には大体四百八十億キロワツト時くらいの発電ができるようにしなければいけないということを目標にしておるわけであります。御存じのように、現在はまだ三百二十億ないし五、六十億キロワツト時しか電力が出ておりません。これでは、とうてい私たちは日本の経済を復興したり、あるいはまた今伝えられておりますところの日米経済協力、あるいはまた国民生活の水準を引上げるというようなことはむずかしいと考えておるのでありまして、私たちが今想定いたしておりまするところの四百八十億キロワツト時が出たときになりますと、国民の生活水準も、大体において戦前の九〇%まで引上げられる、かように考えておるわけであります。また鉱工業の生産指数も、大体戦前の二倍くらいまではできるものと予定をいたしておるのでありまして、これによつて初めて日本の産業経済は復興を見ることになるだろう、かように私たちは考えて、この観点からいたしまして本法案を提出いたしておるような次第であります。
○村上(勇)委員 ただいまの御説明によつて、大体の国内的な構想はわかつたのでありますが、日米経済協力の線、及び東南アジア開発計画の点については、いかなる考慮のもとにこれを織り込まれておるかを明らかにせられたいと思います。
○福田(一)委員 お答えをいたします。日米経済協力の点、あるいはまた東南アジア開発計画の点等につきましては、わが党といたしましてもいろいろの調査はいたしておつたのでありまするが、御存じのように、これはある意味において仮定の数字も含んでるわけでありまして、従つてこの点については、主として政府部内の調査を基礎といたしまして私たちはこの法案を立案いたしておりますので、この点につきましては、安本側よりこれを説明いたさせたいと存じますのでさよう御了承を願います。
○佐々木(義)政府委員 日米経済協力の問題に関しましては、現在安定本部といたしましては二つの方向で問題を取上げております。一つは、米国本国ないしは欧洲等に極力日本の工業力を活用しながら協力をするという方向、同時にこちらで足らない物資等に関しましては、アメリカ等からできるだけ所要の物資等を獲得できますように、相互の流通を円満に行きますように施策を講じておる次第であります。 もう一つの点は、東南アジアの開発等に関連いたしまして、何とかして、日本の工業力を向うと結合しながら日本の産業も伸びる、同時に東南アジアの地区に対する民生の向上あるいは産業の発展に寄與するということで計画を進めております。その際、何と申しましても問題の中心になりますのは、生産力をいかに高めるかという問題が中心問題になつておりまして、その生産力を高めるためには、御承知のようにいろいろ原因はありますが、主として現在一番ネツクになつておりますのは電力でありますので、極力電力の増強をはかりまして、これを基礎といたしまして、生産を上げながら、さつき申しましたような線に沿いまして日米経済協力を強力に推進して行きたいと存じております。
○村上(勇)委員 本促進法と電気事業再編成令及び公共事業令とはいかなる関連を有するか、言葉をかえますれば、電気事業再編成命及び会符事業会はこれをいかに措置する考えであるか、この点提案者はこれをいかように考えられて本案を提出したかお伺いいたしたい。
○福田(一)委員 お答えをいたします。本法案が現在の再編成令あるいは公共事業令と相反するものがありはしないかというような御質問が第一点だと考えるのでありますが、さようでございますれば私たちは、これは電気事業再編成令とは全然矛盾いたしておらないと考えておるのであります。と申しますのは、その点でこの法案のうちで問題になるのは、今後新しくつくろうといたしますところの特殊法人が、九つの電力会社をつくつて日本の電力の需給関係をやらせるという電気事業再編成令の考え方に対して新しいものを加える。すなわち日発が再現されることになつて、そうして電気事業再編成令と矛盾するのではないか、こういうふうに考えている方もおありのようでありますけれども、私たちは、この会社では、発電所をつくらせました場合には、そのつくつた発電所を九つの電力会社に売り渡す、あるいは貸し付ける、そうして九つの電力会社にこれを運営させるということを根本の趣旨といたしておるのでありまして、場合によつて一定の期間、建設の途上におきまして大修理をしなければならないような場合もございましたり、あるいはまたどうしてもそういうような買手や貸し付ける人がない場合、引受け手がないような場合等を考慮しますと、そういうことも起きるでありましよう。けれども、再編成前の日発というものは、全国の発電所の八割以上を持つてこれをほんとうといたしておつたのであります。そのようなものができることば全然ないことは御承知の通りであります。また今度できますものは、今申しましたように、これを売り渡す、あるいはまた貸し付ける、こういうことを根本の原則といたしておるのでありまして、九電力会社でできないものをつくつて、そうしてこれを九電力会社に貸し付けたり売り渡したりするというのでありますから、その点は全然矛盾はしないものと考えておるのであります。 次に質問の第二点は、電気事業再編成令及び公共事業令をどういうふうにかえて行くか、どういうふうに処置するつもりかというお話でございますが、これはすでに政府の方から通産委員会に対しましてこれをどう処置したらいいかということが諮られているのでありまして、目下これは審議の途上にあるわけであり、わが党といたしましてもこれをいかにするかということについては月下協議をいたしておる途上にありますので、その点御了承を願いたいと思うのであります。
○村上(勇)委員 現在電力行政は公益事業委員会と通産省との二つにわかれておるのでありますが、政府は今回の行政改革によつてこの点をいかように措置する考えであるか、これは通産大臣からお答え願いたいと思います。
○高橋国務大臣 お答えをいたりします。今の公益事業委員会、これは再検討を要すると政府は考えておりますが、今検討中でまだ結論を得ておりません。
○村上(勇)委員 紙上伝えるところによりますれば、公益事業委員会は本案に対して反対の意見を持つもののごとくでありますが、かかる意見は委員会として正式の意見であるか、それとも一部の人の私見であるか、公益事業委員会の答弁を求めたいと思います。
○松田(太)政府委員 お答え申し上げます。公益事業委員会の意見というような意味で新聞などにもいろいろ出ているようでありますが、正式に申しまして、委員会として最終的な決定をいたしたものはございません。しかしながらこの問題につきましては、従来から、経済安定本部を中心とせられまして、いわゆる電源開発の連絡会議というものを開かれて、その際委員会としてもいろいろの御意見は申し上げております。そういう点については、時々委員会等においていろいろな意見を持ち出しまして検討はいたして、大体そういうような意見が大勢を占めておるということは事実でありますけれども、繰返して申しますように、委員会として正式な決定を経ているところまではまだ行つておりません。
○村上(勇)委員 ただいま公益事業委員会の正式な決定意見でないという御発言がありましだので、一応了承することができますが、かかる重要な問題に対しまして、事前においていろいろの議論を闘わすということは当然なことであります。しかしながら政府がすでにこの案に同調し、しかも閣議においてこれを支持する決定をした上は、政府の一機関である委員会がこの決定に反対の意見を発表するということについてはわれわれいささか心配しておつたものであります。ただいまの答弁によつてこれを了承することができたのでありますが、私はこれは提案者に御質問申し上げたいのですが、世上に伝えられておる、いわゆる白洲構想といわれるものがありますが、提案者はこの構想をいかに考えておるか。またこれを参考にして立案したのかどうかということを承りたい。
○福田(一)委員 お答え申し上げます。世上あるいは新聞紙上に白洲構想と言いうものが出ておりますが、私たちといたしましては、この法案をつくります場合に、電源開発についてはいろいろの御意見がありましたが、こういう御意見はできるだけこれを全部取入れ、最善の案をつくるということを目標に検討をいたしたわけであります。しかしながら特に白洲案というものについて御本人からお話を聞いたここともございません。またこれを特に重点としてこの法案を考えたこともありません。従いましてわれわれの立場としては、今御質問がございましたけれども、特にこの案を参考にしたということはないことは、この法案の内容を御検討くださいますと、御了承が願えるかと存ずるのであります。
○村上(勇)委員 いわゆる自由党案、本案は特殊会社に重点を置いて、電力会社及び自家発あるいは工業発電事業を圧迫するもののごとく流布されている点がありますが、この点に関して提案者はいかなる考えを持つておられるか、承りたい。
○福田(一)委員 お答えいたします。この法案をやりました場合に、自家発とかあるいは九電力会社、そのほかの発電をしようとしておるものを圧迫しやしないか、こういうような御質問でございますが、御存じのように二十七毎度の計画におきましても、私たちは九電力会社に対しまして、見返り資金その他を通じて、預金部運用資金その他でもつて五百億円以上の金を出した、そうして大いに電源の開発をしてもらいたいということで、政府も骨を折つておりますし、党といたしましてもこのように処置することを強く要望しておるわけであります。また公共企業体に対しましても、あるいは自家発に対しましても、資金の面において大いに協力することを要望いたしておるような次第でございます。従いましてこういう面から見ていただきましても、私たちは絶対に電力会社を圧迫しようというような考えはないのでありまして、先ほども申し上げましたように、全国的な規模において、全国民の協力において電源開発を促進しなければならない、この建前から本法案の名前も電源開発促進法案とつけておるような次第でございまして、この点でも御了承が願えるかと思うのであります。またこの会社がつくりました大きな電源というものは、先ほども申し上げましたように、電力会社に売り渡す、あるいは貸しつけるという方法をとつておるのでありまして、もちろんこれが趣旨でございますからして、決して九電力会社あるいはその他の発電を意図しておる人たちを圧迫したり、あるいは企業意欲をなくするようなことは考えておらないものでございます。
○村上(勇)委員 小さな逐條的な問題は質問を留保しておきたいと思いますが、私が最後にお尋ねいたしたいことは、本法案によつて特殊会社が既存の電力会社等とともに電源開発に当ることは、資金源、開発速度、その他の点から考えて納得できると思いますが、特殊会社は現在の発電建設にあたりまして、現電力会社の資材、あるいは技術その他を活用する意図があるかどうか。これは特殊会社の首脳者の運営方針で決定する問題だとも思いますが、提案者の一応の構想を承りたいと思います。
○福田(一)委員 たいへんごもつともな御意見でありまして、私たちといたしましても電源開発ということは国民的な基礎に立つてやらなければならない問題と考えておる。従いまして電源開発に対しては国民は自分のことでありますから、だれもがこれに協力する義務があるとも考えておるのであります。ましていわんや電力に関係を有しておられるところの電力会社の人たちが、この法案ができました場合に、そういう特殊法人に対して大いに協力をしようということは、私は当然なことであると考えるのであります。また現在電力会社の首脳部は、この点について十分おわかりを願えると思つております。しかし新しくできました会社の首脳部に、そういうような措置をしない、そつぽを向かせるようなことをしたのでは、これは問題になりませんけれども、私たちとしてはその新しい首脳部は、当然電力会社に対してもそうでありますけれども、その他あらゆる面にわたつて国民的な協力を求めるような措置をとるべきものである、また首脳部を選任されます場合には、そういうような立場をとられる首脳部を選任されるように、政府に対してこれを要望いたしたいと考えておるものでございます。
○村上(勇)委員 世上流布されているデマと申しますか、この特殊会社によつて、自由党が何かの意図があるかのごとく言われておる者もありますが、こういう点に対する提案者の率直な御意見をひとつ承りたいと思います。
○福田(一)委員 お答えを申し上げます。私たちはただいま申されましたようなうわさがありますことについてはなはだ迷惑に感じておる次第であります。またこの法案をつぶそうという意図あるいはこの法案に反対せんがための反対の理由に、そういうことを言つておる者があるように聞いておるのであります。たとえばこれは一例でありますけれども、朝日新聞社あるいはその他の新聞社のニユースを見ていただいてもおわかりになりますように、電源開発を促進するということは、非常にけつこうだ、またこの自由党が考えておるような案もなかなかよいところがあるということも、輿論でもこれを支持しておつた向きが大分あるように了承いたしておるのであります。今の御質問の点でありますが、これは事があまり詳しくなるかもしれませんが、そもそもこういうわけなんです。開発問題にからみまして、いろいろの悪い問題が起きるということは、これは何もこういう会社をつくつたからできるわけでも何でもないのでありまして、現在の九電力会社が開発をやられます場合においても、やり方いかんにおいては、こういう醜事実というものは出て来るのであります。むしろ特殊法人といたしまして、政府に厳重なる監督をさせるということにいたしました方が、そういうような醜事実は出て来ないとわれわれは考えるのでありまして、これはいささか御質問の趣旨をはずれておるかもしれませんけれども、わが自由党といたしましては、断じてそのような意図を持つておらない、またそういうことはあり得べからざることであるということを、ここで明瞭にお答えを申し上出ておきます。
○村上(勇)委員 この特殊会社が九電力会社と相まつて、わが国電源の開発を促進することは、まことに喜ばしいことであります。しかし私は九電力会社の新発足後日浅いのにもかかわらず、今日各地において相当活発に電源の開発に乗り出しておるのでありますから、これらの育成強化をはかり、これらの開発意欲を阻害しないように、この特殊会社がどこまでもただいま提案者のお話の通り、まつたくただ電源開発の促進あるのみというような気持で発足されんことを希望するものであります。 詳細な逐條的の問題については質問を留保いたしまして、これで私の質問を終ります。
○中村委員長 それでは本日はこの程度といたし、次会は来る三十一日午前十時より開会をいたします。 これにて散会をいたします。 午前十一時二十一分散会