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13回国会衆議院1952/06/02

通商産業委員会 第45号

発言数
60
登壇者
7
会派数
3
開催日
1952/06/02

会議録

中村純一自由党

○中村委員長 これより会議を開きます。  本日の日程に入ります前に、お諮りいたします。航空機製造法案に関し、参考人より意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

中村純一自由党

○中村委員長 御異議なければ、明後日午後一時より意見を聞くことにいたします。  なお参考人の人選につきましては、委員長に御一任を願います。     —————————————

中村純一自由党

○中村委員長 本日は輸出取引法案を議題といたし、質疑を続行いたします。質疑の通告がありますから、これを許します。加藤鐐造君。

加藤鐐造日本社会党

○加藤(鐐)委員 私は輸出取引法案について質問をいたしたいと思います。まず第一に、この法案を見ますると、日本の経済の自主的な見地から考えて立案されたかどうかということを非常に疑問に思うわけであります。この法律をつくり、そうして業者が協定をし、あるいは輸出組合が事業をいたしまする場合に、大体その協定事項は、仕向地の相手方、たとえば関係業者であるとか、向うの輸入業者に損害を与える場合に限つて、価格、数量、その他の協定をすることになつておるようでありまするが、私はなお日本の輸出業が健全な発達をいたしまする上には、現在の実情におきましては、国内的にもいろいろこうした価値あるいは数量等の協定を行わなければならない場合があるのではないかと思うわけであります。すなわち現在輸出業者は非常にたくさんありまして、その中にはきわめて貧弱な資力をもつてやつておるものも相当ありまするので、その間不当な価格の競争というようなものがしばしば行われて、業者間が非常にうまく行つてない。そうして業者が非常な損害をこうむり、ひいては国の損害となるというような場合もあるわけですが、そういう点については、政府はこの法案の立案にあたつて考慮されなかつたかどうかという点をまずお伺いしたい。

高橋龍太郎緑風会通商産業大臣

○高橋国務大臣 この法案につきましては、ざつくばらんに申し上げまして、通産省でもいろいろ苦心をしていろいろな案を検討したのであります。結局、今提出した法案を決定したわけでありますが、今御発言のような点も、国内の事情としてあるということは私も認めます。認めますが、御承知のように、独禁法というものが今日厳として存しておるわけでありますし、海外的の感情が、今講和発効後ああいうような法案を大幅にかえることは非常に憂慮される場合があると考えまして、現在のところではこの程度のものが一番適当であろうという結論を得たのであります。これで実施しまして、また実際の状況を見まして、修正を要する事情がわかりますれば、またあらためてそのとき考えよう、そういう趣意でこの法案を提出したのであります。実際の輸出業者あるいはメーカーなどから見て、御不満の点もあることは私はよくわかるのですが、この際はこの程度のものが一番適当だと私は考えております。願わくはこの原案に御協賛を賜わりたい。

加藤鐐造日本社会党

○加藤(鐐)委員 独立直後で、独禁法の解除あるいは独禁法の適用の例外規定を設けるようになつたことは、外国の感情等を考慮して遠慮したいというような考え方は私どもしばしば聞くところではありますが、私はこれは主としてアメリカに非常に遠慮せられた考え方ではないかと思うわけであります。私はいろいろな点でそういう考え方は外務省側に強いように思いますので、この点は後ほど外務省の御意見も順次承りたいと思います。  そこでもう一つの問題は、アウト・サイダーの問題であります。アウト・サイダーに対して何らこの法律が適用されないということは非常に大きな問題だと思います。しかもこの法律は、原則として加入、脱退の自由を認めておりまするので、そういう建前から考えて、アウト・サイダーにどの範囲において適用するかということはこの法律の効果を上げる上において非常に重大な問題でありまするが、この点はどういうふうにお考えになりますか。

高橋龍太郎緑風会通商産業大臣

○高橋国務大臣 そのアウト・サイダーを制裁する力がないということも、われわれこれを取上げて研究し、苦心した点でありますが、独禁法もありますので、この際アウト・サイダーに制裁の力を及ぼすということは行き過ぎだと私考えます。この法案によつて輸出組合ができますときに、これは大臣の認可を要するわけでありますから、その際に業者の相当大部分が入つて、きわめて有力な組合ができなければ認可をしない、そういう行政的の措置によつてお言葉のような点をなるべく除外することに努めようという趣旨なのであります。

加藤鐐造日本社会党

○加藤(鐐)委員 行政的措置でそういうことをやるというのは私は非常に危険だと思う。またこれは民主主義の建前からいつてもどうかと思うわけですが、対外的にどうもおもしろくないから、そういう点はそつとしておいて、行政的措置で強く制圧を加えて規制しようという考えであろうと思います。おそらくそういう場合に輸出許可あるいは為替許可というような問題もからんで来ると思いますが、いわゆる法律の上ではむずかしい問題をそつと隠しておいて、行政的措置によつてやるという考えは、私ははなはだまずいと思うわけです。今大臣のおつしやつたようなそういう考えはどうも少し卑屈で、自主性がないと思う。もし同一業者の多数が参加しなかつた場合には許さない方針だと今おつしやいましたが、多数を加える場合に、いわゆる行政的措置において相当強権を加えられるというようなことも想像できるわけですが、そういう点はどのようにお扱いになりますか。

本間俊一自由党通商産業政務次官

○本間政府委員 お答えを申し上げます。大臣からも申し上げましたように、今御指摘になつたような場合についても実はいろいろと研究をいたしたわけでございまして、輸出の方がぐあいが悪ければ、御指摘の通り当然国内の生産者の方へ影響して参りまして、価格とか数量とかいうものが問題になると思います。従つて法文には公正な取引をすることと輸出取引の数量を確実にするという柱を立てまして、その上で三つの場合を規定いたしているわけでありますが、それも日本の輸出全体のためにあるいはその品物の輸出に不利な影響があります場合に、価格及び数量あるいは取引の條件について協議ができるということになつておりますので、私どもの考え方では国内の場合も大体この條文の範囲内でできるのじやないかと考えます。  さらにお尋ねのアウト・サイダーの問題でございますが、これも実はいろいろ関係をいたしております方ともたびたび折衝をいたしまして、実際の問題として輸出貿易管理令があり、承認制度を現にやつているわけでございます。従つてこの方でアウト・サイダーの問題は取締り得ますし、また公正な協定ができた場合その協定を維持しまして、不正のないような措置ができるという考え方をいたしております関係上、アウト・サイダーの問題は、貿易管理令によりまして承認制度の運用で目的を達し得るのじやないかというような考え方をいたしております。

加藤鐐造日本社会党

○加藤(鐐)委員 国内的にはいろいろ行政措置でできるという自信を持つておられるようですが、これは輸出許可だとか為替許可の面でも押えられますし、そういうことをやろうと思えばやれるでございましよう。しかし私はそういう法律の委任しないことをやるということで、できるだけ民主的な行き方をしなければならない場合に、戦争中のような強い行政措置が現われて来るということを非常に心配するわけであります。特にもしそれが外国商社の場合になりますと、なかなかそういうことはむずかしいのじやないかと思います。外国商社の場合についてもやはりいろいろな問題が起つて来ると思いますが、特に違反行為があつた場合は民事問題から刑事問題にまで発展するようなことが考えられます。そういう場合にいわゆる属人主義との関連が起つて来ると思いますが、そういう点についてはどういうふうにお考えでありますか。

本間俊一自由党通商産業政務次官

○本間政府委員 御指摘になりました点も日本の今後の輸出の上において非常に大事な問題かと考えているわけでありますが、この法案では特にその区別はしなかつたわけであります。最近の外国商社の関係を見ますと、終戦直後には一攫千金的な考えから来ていたような商社も相当あつたようでありますが、そういうものも漸次少なくなつているように私ども見ているわけであります。従つていろいろな関係で貿易が少くなれば、商品を取扱う商社にも影響がありますので、この法案では特に外国商社あるいは日本の商社というように区別はしませんでしたが、もちろん御指摘のような面も当然考えなければなりませんので、今すぐ審議会の方にそういう代表を入れるとかいう決定はいたしておりませんが、実際にこの法律を運用して参ります場合には、御指摘のような点も十分考慮しましていろいろな方策をとつて行かなければならぬかと思いますが、終戦直後のような悪質な一攫千金的な商社は漸次少くなつているように考えております。

加藤鐐造日本社会党

○加藤(鐐)委員 商社は本間政務次官の言われるようなものばかりではありません。しかし質問事項が多いのでどんどん質問を続けて参りますが、これは非常に大きな問題だと思います。  次に二條の四の問題ですが、「国際取引における公正な商習慣にもとる輸出取引であつて、政令で定めるもの」という條項があります。国際取引における公正な商習慣ということは明確に言うとどういうことですか。要するに仕向地における商習慣ということですか。この法律を一貫して流れる考え方からいうとそういうふうにとれると思う。これは国内的な問題も当然考えられなければならぬと思いますが、この法律では仕向地における商習慣ということをさしているのだろうと思います。しかしながらその公正というものにもいろいろな見方があろうと思います。国によつては習慣の違う国もある。こういうものを政令で定めるというお考えだろうと思いますが、一体どういうことを政令でお定めになるお考えであるか、具体的に御説明願いたいと思います。

本間俊一自由党通商産業政務次官

○本間政府委員 ただいま御指摘になりました考え方は、私どもの方では必ず仕向地におきまする取引ばかりを指さしているのではありませんで、はなはだ観念的な考え方になるわけでありますが、どういう取引が公正な国際取引における商習慣であり、またそれにそむくかというような問題は、なお通産局長の方から御説明いたさせますが、私どもの考え方といたしましては、御指摘のありましたように仕向地ばかりではないわけでありまして、いろいろな場合も考慮されるわけでありますから、これをどういう基準なり、どういうふうにきめて行くかということは非常に大きな問題だろうと思うわけであります。従いましてこれを政令できめます場合には、審議会に十分諮問をいたしまして、そして専門家の意見を十分に聞きました上できめたい、こういう考え方をいたしております。決して役所だけの考え方では処理しないという考えをいたしている次第であります。

加藤鐐造日本社会党

○加藤(鐐)委員 国際取引における公正な商習慣というものは必ずしも対外的なものばかりではない、仕向地におけるものばかりではないというお考えでありますと、先ほど私が申し上げました業者同士の不当なる価格の競争というようなことも本間政務次官の御説明でありますと、おそらく入つて来ることになると思います。そういたしますと第十一條の一というものは、「輸出業者の不公正な輸出取引の防止」ということになりますから、そこで自然国内におきまする業者同士の価格の競争というようなことを防止するという意味で、価格の協定、数量の協定というようなものもこの條項でできるということになつて来るわけですか。

本間俊一自由党通商産業政務次官

○本間政府委員 先ほども申しましたように、この場合におきまする公正な商習慣というものは大事な問題でございますので、審議会に諮問をいたしまして、十分その意見を尊重して参りたいと思うわけでありますが今御指摘になりました点は、組合ができまして、その組合で狭い意味のダンピング防止というような観点から、数量その他の輸出條件などをきめるわけでありますので、その場合は組合の協定いたしました価格、あるいは比率というものが取引の基準になつて参るだろうと思うわけでありますが、ここで具体的な必要が起きた場合でないと、一々明確にはお答えしにくいのでございます。ただいま私どもが考えておりますのは例のリベートの問題でございますとか、根拠がないのに契約をキャンセルするとかいう問題もあるわけであります。それから非常に狭い意味に解釈をいたしました場合のダンピングなどは、もちろん不公正な輸出取引ということになろうかと思いますので、ただいまのところはそういう問題を中心にこの條項を考えておるわけでございます。

加藤鐐造日本社会党

○加藤(鐐)委員 そういたしますと結局仕向地において起り得るであろう問題についてのみ、公正な取引というふうに見ておられるということに帰着するわけじやないですか。必ずしも仕向地の問題のみでないと本間さんはおつしやいましたが、しかし今の御説明でありますと、あなたの狭い意味とおつしやるのは仕向地における不公正な取引のみをさすのであつて、国内的の問題はここに含まれていないということになるのですが、そうするとさつきの言葉は取消されるのですか。

本間俊一自由党通商産業政務次官

○本間政府委員 今狭い意味のダンピングと申し上げましたのは、独占的な商いになりまして起りました問題などもあるわけであります。先方の買手の方が政府機関でありますとか、何かいたしますと、かえつて独占のような問題も起きて来ようと思うのでありますが、そういう場合にはそれによりまして受けます損害は、もちろん日本の品物を扱います商社が受けるわけでありますから、この国際取引における公正な商習慣ということになれば、この法案でも輸出取引そのものを対象にいたしておりますから、どうしてもその方にウエートが大分かかつて来ることになると思うのでありますが、必ずしもそれだけという意味で実はこの文字を使つておるわけではないのであります。ただ前にも御意見がございましたように、取引の方がぐあいが悪くなつて参りますれば、国内でも価格なりあるいは数量というようなものが当然問題になるわけでありますから、輸出取引と国内の価格というものは離すことのできないいろいろ密接な関係に御指摘のようにありますのですが、私どもそのように考えておるわけであります。

加藤鐐造日本社会党

○加藤(鐐)委員 それでは次に進みます。輸出組合に加入し得るものは輸出業に携わるものに限るということになつておりますが、私はメーカーの中でも必要なものがあるのじやないかと思います。たとえばプランド輸出の場合に、メーカーが相当長期にわたつて輸出をすることになりまして、いろいろ備えつけたものの操作や運転はメーカーがやるという建前でありますから、やはりそういう場合はメーカーというものも参加する必要があるのじやないかと思いますがその点どうですか。

本間俊一自由党通商産業政務次官

○本間政府委員 御承知のようにこの法案は輸出取引そのものを対象といたしまして、輸出取引に限りまして独占禁止法の適用をはずす、こういう考え方をいたしておるわけでございまするので、メーカーも全部含むということになりますと、ただいま申し上げました趣旨からはずれて参りますので、一応輸出業者ということにいたしておるわけでございますが、御指摘になりましたように、プラント輸出の問題でありますとか、あるいはその他の、品目によりましてはメーカーの立場というものも非常に重要な関係を持つて参るわけでございます。従いまして今までの輸出実績というようなことをあまりやかましくいたしませんで、輸出の能力と意思のある人は組合員たり得るという広い解釈をいたしておるわけでございます。もちろん輸出組合ができまする場合に、その組合員の資格なども定款で決定することになるであろうとは思いますが、今御指摘のような場合は、ただいま私が申し上げました輸出業者というものの広い解釈で、大体さしつかえなく行けるのではないか。御承知のように戦前の輸出組合も、その組合員の構成は輸出業者ということになつておりましたので、そういう慣例をも考慮いたしまして、輸出業者ということにいたしておるわけであります。

加藤鐐造日本社会党

○加藤(鐐)委員 能力と意思のある者ということになりますると、将来やろうとする者が現在何もやつておらなくても加入することができる、こういうことですね。

本間俊一自由党通商産業政務次官

○本間政府委員 そういうことであります。

加藤鐐造日本社会党

○加藤(鐐)委員 もう一つ重大な問題があると思います。輸出組合は認可することになつておりますが、この認可は一体どういう基準でやられるのか、この法律には一切ございません。また政令で定めるということもありません。おそらくこれも行政的な措置でやられると思います。この点についてはせんだつて新聞で、商品別に認可基準を設けるということが伝えられておりまするが、ああいうふうな構想をもつて、やはり行政的措置でやられる考えですか。

本間俊一自由党通商産業政務次官

○本間政府委員 この組合を認可いたしまする場合の一つの認可基準は、十四條に大ざつぱに規定をいたしておるわけでございますが、これは御承知のように、あまり数がよけいにできますと、かえつていろいろな問題が起きようかと思いますし、また業界にもそういう要望が非常に強くございまするので、私どもの方では、できるだけ組合の数を少くいたしたいという考えを持つております。地域的にはできるだけ広い範囲で、全国組合のような形になるのが望ましいと思つております。ただ品物によりましては、そう行かない場合もあろうかと思いまして、品目別、しかも広汎な地域、全国地域という形で実際は生れて来るであろうと思いますが、できるだけ数は少くいたしたい、こういう基本的な考えを持つております。

加藤鐐造日本社会党

○加藤(鐐)委員 十四條とおつしやいましたが、十四條は別に認可基準にはなつていないと思う。私の申し上げた認可基準というのは、いわゆる地域別にやるか、業種別にやるか、あるいは商品別にやるかということで、せんだつての新聞では、商品別に認可基準を設けるということが書いてありました。そうしてその商品別とは一体どの程度のことか、たとえば繊維製品の場合、繊維全体を同一類の商品とみなすのか、その中で綿糸、綿布というようなものと、他の綿糸、綿布以外のものを原料とするような加工物とわけるのか、そういうような点をお聞きしたのです。今政務次官はできるだけ数を少くしたいというふうにおつしやいましたが、できるだけ数を少くしたいというお考えは、大体の構想があつておつしやることだろうと思います。そこで大体幾つくらいでいいというようにお考えになりますか。さらにそれは法律によらないでおやりになる場合に、一体どういう方法をとられるのか、その点をお伺いします。

本間俊一自由党通商産業政務次官

○本間政府委員 お答え申し上げます。私どもこの法案を運用いたしまして設立認可をいたします場合の基準につきましても、審議会の意見を尊重いたしましてきめたいと思つておりますが、ただいま考えておりますことは、組合員の商社の負担をできるだけ軽減をいたしたい。それから組合が能率的な運用のできるようにぜひしたいという二つの柱を中心に考えまして、先ほども申し上げましたように、組合の構成は原則といたし脅しては、できるだけ商品別にせねばならぬと思います。そういたしまして全国一円のものでやりたい。ただ品物によりましては、雑貨のようなものでありますと、なかなかこの原則にばかり当てはまらぬと思いますので、もちろん例外的に認めねばならぬ場合もあろうかと思いますが、原則としては商品別にいたしまして、できるだけ全国一円のものにして参りたい。こういう考え方をいたしております。それから輸出組合の取扱い商品の種類でございますが、これも商品の小さな分類によりませんで、できる限り類似の商品を包括した広範囲の分類にいたしたい。それから商品別の輸出組合を設立する場合でございますが、その組合員の数が、その商品を取扱つておる輸出業者の過半数であることが大事と思つております。またその組合員の取扱量も、その商品の輸出額の半分以上であることが基準の要件というふうに私ども考えておるわけであります。それから仕向け市場別の輸出組合員でございますが、これは連合会形式のものを除きましては認めないで行こう、その方がいいじやないかという考え方を一応いたしておりますが、正式の基準は、もちろん審議会ができるわけでございますから、ここに諮問をいたしまして、ここの意見をも尊重いたして基準をつくつて参りたいと考えております。

加藤鐐造日本社会党

○加藤(鐐)委員 審議会に諮つて基準をつくるというお話ですが、新聞には相当こまかいものが出ておりましたが、あれはどこから出たわけですか。

本間俊一自由党通商産業政務次官

○本間政府委員 大体私がただいま申し上げましたような、役所でただいま考えております方針が中心になつておるかと思います。そこで先ほどちよつと申し忘れたのでございますが、どのくらいの数を考えておるかということですが、これは今原局とも相談をいたしまして、いろいろ調べております。まだ明確にどのくらいという数字を申し上げるところまで行つておりませんが、私どもの大体の考え方といたしまして三十以上はとてもいかぬ、ぜひその範囲内で納めてもらいたいというような考え方をいたしております。

加藤鐐造日本社会党

○加藤(鐐)委員 三十以内でとどめるということになりますと、相当大ざつぱな分類になると思いますが、たとえば先ほど私が申し上げてお答えがなかつたが、繊維関係は全部一つにするということにおそらくしなければ、三十以内にとどめるということはむずかしいと思いますが、繊維関係ではそういうふうにきめて大ざつぱに一つにする。それからまた雑貨関係というようなものは、種類が非常に多いわけでございますが、これはそういう分類をされないで、たとえば陶磁器は陶磁器で別にするというようになさるのか、その辺をもう少し詳しく承りたい。

本間俊一自由党通商産業政務次官

○本間政府委員 先ほど繊維の御質問が出ましたが、私うつかりしてはなはだ恐縮いたしましたが、ただいま申し上げましたような考え方で進めたいと思つておりますが、繊維はいろいろな事情もございますので、一つにはとうてい納まらぬと思つております。この点はあまり役所の方はきゆうくつには考えませんで、実際業務に携わつております業界の意見も十分尊重して参りたいと思つておりますが、ただいまの考えでは五つくらいに大体行けるのではないかというように、繊維関係では大体そういうような考え方をいたしております。雑貨の方は今実は原局の方でできるだけ先ほど申し上げましたような趣旨で、あまり小さくわけたくないという考え方でいたしておりますから、雑貨の関係はどのくらいになりますか、これは業界の自主的な希望も十分尊重して参りたいと思つております。

加藤鐐造日本社会党

○加藤(鐐)委員 繊維の関係を五つということになりますと、やはり雑貨も大体商品別にわけなければ筋が通らないと思います。そうすると三十以内で納まらぬのじやないかと思うわけですが、三十以内と考えられるならば、別に三十でなければならぬというわけではないのだから、大体お考えになつている筋があろうと思いますが、その点はむずかしいことを申しませんから、通産省の試案ということで御発表になつたらどうですか。

本間俊一自由党通商産業政務次官

○本間政府委員 御指摘になりました陶磁器の関係は、これはどうしても認めて参らなければならぬと考えておるわけでございますが、繊維は先ほども申し上げましたように大きくわけまして五つぐらいかと思つております。雑貨の関係は実際どのくらいになりますか、今はつきり申し上げることはちよつと困難かと思つておりますが、陶磁器の関係はどうしても認めて行かなければならぬと考えております。それから非鉄金属の方もそうわけないで行けるのではないかと思つておりますので、できるだけそういうふうに指導して参りたいと思つております。鉄鋼関係は御承知のような状態になつておりますので、これはそうわけなくてもいいのではないか、あるいは一つにまとめてもいいのではないかというふうな見通しを持つておるわけであります。それから機械関係でございますが、これもまだ明確には予想が立ちかねておるのでございます。それから農水産物の関係が実はどのくらいになりますか、なかなか種類がありますので、ちよつと今予想が立ちかねるのでございます。このような考え方をして参りますと、大体三十以下に納まるのではなかろうかと思つておりますが、それも絶対それはいかぬというような非常にきゆうくつな考え方ではございませんが、やはり濫立防止という考え方から参りますと、今のところではその辺を一応の目安にいたしておるというふうに御承知願いたいと思います。

加藤鐐造日本社会党

○加藤(鐐)委員 先ほど仕向地の関係では区別しないというお話でしたが、私はこれは考えてもいいのではないか、たとえば主としてアメリカに輸出するものと南方諸地域に輸出するものとはつきり区別する場合には大体わけてもいいのではないかと思いますが、それは絶対にわけないという方針ですか、もう一度承りたい。

本間俊一自由党通商産業政務次官

○本間政府委員 実は御承知でもあろうかと思いますが、以前に商品別と仕向地の方の組合がありました当時は、業者が両方に関係いたしたりなんかしまして、摩擦もありまして、弊害も出ておつたような状況になつておりますので、原則として商品別の組合で参りたい。従いまして仕向地の方は連合会形式のものはもちろんあるだろうと思いますが、仕向地の元の組合はできるだけつくらぬ方がかえつてよくはないかという考え方をいたしております。

加藤鐐造日本社会党

○加藤(鐐)委員 一人の業者が二つの仕向地別の組合に参加するということは、そういうことだけでは弊害はないと思いますけれども、一応この問題はあとにいたしまして、いわゆる全国的になるべく同一商品の一つの組合として組織するということになりますと、中小業者と大手筋の業者との摩擦が非常に起つて来て、どうしても中小業者が大手筋業者に圧迫せられることになると思います。もちろんこれは中小業者でも同一商品としては一緒にしなければならぬという場合が相当あると思いますけれども、しかし中小業者だけで組織して行かれる。たとえば一つの繊維なら繊維の中で五つにわけるとして同一類の中に入れるべきものであつても、大体大手筋業者と中小業者にわけた方がいいというふうに考える場合は、これはわけた方がいいのじやないかと思います。それで大手筋業者が中小業者を圧迫する場合に、加入、脱退は自由ですから、中小業者がどしどし脱退してしまうということになると、やはり今おつしやつた輸出総額の大体半分以上のものが参加しなければ許さないということからいつて基準にはずれるわけですが、そういう場合はどういうふうにお考えになりますか、何かの行政措置でそれを牽制するような方針をとられるか、脱退者はやむを得ないということで放任しておかれますか、さような問題をくるめて御説明を願いたい。

本間俊一自由党通商産業政務次官

○本間政府委員 御指摘のような面も検討いたさなければならぬわけでございますが、御承知のように輸出取引の場合におきましては、中小メーカーが相談をいたしまして価格及び数量をきめましても、大手筋の方がそれに加わらぬということになりますと効果がないわけでございますし、また大手筋だけやりまして、御指摘のような中小の業者もこれに協力をしないということになりますと、やはり効果が上らぬわけでございますので、輸出取引におきましては、もちろんいかなる場合でも利害が一致するというふうには考えられない面もございますけれども、やはり大手も中小の商社も協力をいたしまして、そうして外国の取引と対抗して行くという考え方に立たぬとどうしてもぐあいが悪いものでございますから、ただいま申し上げましたような線でその問題は考えております。

加藤鐐造日本社会党

○加藤(鐐)委員 一応法案に直接関係のある質問を終りましたので、ここで公取委員長にお伺いしたい点が一点あります。先ほど来大臣も政務次官もいわゆる独禁法の緩和あるいは適用除外というような問題は、外国を刺戟しては困るからという御説明でしたが、私は中小企業の場合、独禁法を全面的に解除するとか、すべての業者に対してこれを緩和するというようなことはやるべきではないと思います。しかしながら中小企業の場合には、やはり業者自体が結束しなければやつて行かれない場合が相当ありますので、その点についての独禁法の緩和ということが、今日の日本の経済においては必要ではないかと思うわけです。その点が考慮されて、中小企業等協同組合法におきましては中小企業のわくも広げて適用を除外する、いわゆる価格と数量の統制をやらせるということになつております。しかしながらそれには強制権が持たせられておらないという点で、実際適用が除外されておるにもかかわらず、組合自体がそれを強く打出して行かれないという状態になつております。そうしてさらに今度の輸出取引法におきましては、中小企業等協同組合法において緩和された範囲にまでも適用除外が拡大されておらない。たとえば先ほど来の質問によつて明らかになりました国内的に業者の価格競争、数量競争等を規制するということは、全然考えられておりません。その点は独禁法に触れるから、事業者団体法の第四條、第五條に触れるからということでありますが、一体今日そういう問題についてまで、われわれはアメリカに遠慮しなければならないかどうか。日本の中小企業者が生きて行くためにどうしてもここまでは適用除外が必要である、これは業界におきましても、またわれわれが見ましてもほとんど一致した意見でございますが、これをアメリカ側に遠慮をして、そこまではやれないという根拠がございますか。このごろいろいろな問題がその点に触れて参つておりまして、外務省等では特にその点に神経質になつておりますが、公取委員会としては独自の立場に立つてこの問題を研究しておられると思いますので、その点についての委員長の御見解を承りたい。

横田正俊公正取引委員会委員長

○横田(正)政府委員 ただいま御質問の独占禁止法または事業者団体法緩和の問題につきましては、先般当委員会におきましても若干見解を申し上げたのでございますが、結局われわれ反トラストを——この法制を施行いたしまする機関といたしましては、公正自由な競争を促進するというこの線は、何も私たちがアメリカから押し付けられて盛つたというのみでなく、真に日本の自由私企業態勢を整え、いわゆる資本主義の動脈硬化を防ぐという面から、わが日本自体においてこの法制の実際の価値を検討してわずかまだ五年の経験でございまするが、なおこれをよく理解して行く必要もあるように考えられます。なるほどわれわれは、折に触れましてこの法律を緩和することは外国、ことにアメリカの関係において、はなはだ困難であるということを申して参りました。それは事実司令部があります時代には非常に困難でございましたし、またその後日本が独立を回復いたしまして、形式的にははつきりとものを言える日になつておるこの時代におきましても、やはりわれわれが観察するところによりますと、いろいろな外交上の考慮もなされなければならぬように思うのでございます。しかしこれはむしろこの際の問題でございまして、根本の問題は、私が最初に申し上げましたこの法制の日本におけるあり方の問題になろうかと思います。そこで私たちの考え方を率直に申し上げますならば、やはりこの公正自由取引の線は原則的にこれを守りながら、ただいま申されましたような中小企業のまことに気の毒な状態を何とかしなければならぬという場合には、適当なる法制をその個々の問題について設けまして、適用の除外をいたすということが必要であろうと考えております。われわれも、何もこの原則をしやにむに強行し、厳格なる法律の適用をしようとは考えておりません。適当な、是認し得べき範囲におきまする適用除外、独占禁止法の線の修正につきましては、公取みずからも真剣に実は考えておる次第であります。従いましてこれは今後いろいろな形で出て参ると思われまするが、それに対しましては、われわれは慎重にその必要性を検討いたしまして、適当な態度をとり、日本の経済のために貢献いたしたいと考えております。

加藤鐐造日本社会党

○加藤(鐐)委員 大体わかりました。今あなたのおつしやつたいわゆる資本主義の動脈硬化を防ぐためにということは、私どもも賛成でございます。大企業について、従つて独禁法を適用しなければならぬということは私ども十分賛成でございますが、中小企業の場合におきましては、やはりこれはできるだけ適用を除外してやらないと、一方において資本主義経済の動脈硬化を防いだかわりに、一方において中小企業が倒れてしまうと大きな出血を見るわけでございますから、できるだけこれの緩和の方針をとつてもらいたいと思うわけであります。そこで先ほど私が申し上げました輸出組合の場合には、中小企業等協同組合の場合のように、いわゆる価格と数量の点についての協定ができるということはただ対外的の場合においてのみ許されておつて、対内的、国内的にいわゆる業者間の協定が認められておらないということは、やはり独占禁止法をそこまで緩和してはいけないというお考えであつたのか、あるいは初めからそういうことが考えられておらないから公取委員会ではお考えにならなかつたのか、あるいはまたこの組合自体にある程度の強制力を持たせるということについては、どういうふうにお考えになりますか。

横田正俊公正取引委員会委員長

○横田(正)政府委員 この種の組合に強制力を持たせますことにつきましては、独占禁止法本来の建前からいたしますると、あまり好ましくないとは考えます。たとえばアウト・サイダーを縛るところまで行きますとか、あるいは強制加入を認めますというようなことになりますると、それは原則的には認めがたいことでございますが、これも先ほど申しておりますように、いろいろ実際の必要な面から考えまして、むしろその方が適当であると思われます場合には、そこまで行くことがあるいは必要ではないかということは考えております。なお現在中小企業につきましては、御承知のように独占禁止法上積極的に中小企業のプラスの面を助長するというところは割合に少いのでございますが、しかし中小企業等協同組合法によりまして本来事業者のできないいろいろの団結をするということは、この形によりますものは認められておるわけであります。なお今回国会に提出いたしました事業者団体法の改正によりまして、中小企業者のある意味の団結の認められる範囲がふえたように思われます。なおそのくらいのことでは足りないとおつしやる面もよくわかつておりますので、今後なおこの輸出の面につながりますいろいろな問題につきましても、あるいは純然たる国内の問題につきましても、先ほど申しました線に沿いまして、いろいろ考えて行きたいと思つております。

加藤鐐造日本社会党

○加藤(鐐)委員 外務省の方に伺いますが、私は日本の輸出入貿易の問題と切り離すことのできないいろいろな問題があると思います。それは通商航海條約とか、日本の自主性を制約するような法律がアメリカの国会にもいろいろと提案されております。そういうような問題について、外務大臣に聞いてみたいと思いましたが、外務大臣がおいでにならないので、係官の方がおいでになれば、できるだけわかる範囲においてお答え願いたいと思います。まず第一に、日米通商航海條約が二月ごろでありましたか、予備交渉が行われたようでありますが、一体これはいつ締結されるのか、締結の見通しがついておるのか、それは当然いろいろな面において最恵国待遇を与えられるのかどうかという問題について承りたいと思います。

小田部謙一外務事務官(経済局次長)

○小田部説明員 アメリカとの通商航海條約に関しましては、二月ごろから予備会談に入つておりますが、この予備会談が相当かかつておりますのは両方からいろいろの案を持ち寄つて、そして一々それが相互の立場を明らかにしておるからであります。それでこの條約がいつ正式交渉にまで行きますかということは、先方の準備もございますし、当方の準備もございますので、今ここでこのくらいになつたら成立調印まで運ぶということは、ちよつとわかりかねます。ただ今度のアメリカとの通商航海條約におきましては、当然両方が対等の立場に立つて話をしておりますものですから、最恵国待遇を与える場合には両方が与え、内国民待遇を与える場合においては双方が内国民待遇を与えるという立場をとつておりまして、日本だけが最恵国待遇を与えなければならないというふうなラインでは話しておりません。

加藤鐐造日本社会党

○加藤(鐐)委員 アメリカの場合通商航海條約はおそらく今御説明の通りの結果になろうと思いますが、問題はイギリスとの場合であると思います。イギリスは大体日本をいわゆる貿易の競争相手として考えておりますので、イギリスとの通商條約は非常にむずかしいのではないかと考えておりますが、その際このままほうつておきますならば、日本は平和條約において今後四箇年間はイギリスに対して最恵国待遇を与えなければならないという問題があります。そうしてイギリスは日本に対して同等の待遇を与えない、いわゆる最恵国待遇を日本に与えないというふうなことをイギリスで声明しておつたようでありますが、この問題についての見通し、それから国際関税協定に日本が加入することは不可能であるというふうなことが伝えられております。またアメリカの国会にはマグナソン案というふうな海運協定、世界に例のないような海運協定というような問題が持ち出されております。こういう問題を考えて参りますと、一応日米通商航海條約が結ばれましても、いろいろ日本の自主性を妨げるような問題があるわけです。こういう問題に対して、一括してでよろしいが、こういう問題を解決して、日本の独立国としての経済的な自主性が確立されるのか、こういう問題は相当長期にわたらなければ解決されないのか。かつての明治初年のような状態が再び日本に続くのかという問題について一外務省としての見通しを御説明願います。

小田部謙一外務事務官(経済局次長)

○小田部説明員 まず最初に英国との通商航海條約の問題でありますが、外務省としては、アメリカに次ぎまして英国は最も日本の貿易上重要でありますから、英国との間の通商航海條約を結ぶべく努力いたしております。今度松本大使も向うに御赴任になるはずでありますから、それにも経緯をお話いたしまして、できるだけ早い機会に通商航海條約を結ぼうと考えております。ただ英国に対しまして通商航海條約のできない間、十二條の規定でありますが、この十二條の規定は相互主義——相互主義と申しましても必ずしも対等とは申し上げられませんが、関税事項に関しましては最恵国待遇、その他の事項に関しては内国民待遇ということを規定しておりますが、その次の條項によりましてもし先方が日本に対して最恵国待遇もしくは内国民待遇を与えない場合には、日本も与えないでよいというふうなことになつております。ですからもし英国側が最恵国待遇なり内国民待遇をあるものについて与えない限りにおいては、法律上は日本もこれに対して内国民待遇あるいは最恵国待遇を与えなくともよいというぐあいになつております。もちろん通商航海條約を結ぶのも、英国側のいろいろな準備もあるでございましようが、個別的にたとえば船舶に関することとか、また貨物の輸出入に関することとか、そういうふうなものを、もし全般的な通商航海條約ができなければ、そういうような方法に向つて、一つ一つのものをきめて行きたいというふうに考えております。それからガットの加入でございますが、これは今年九月かにガットの締約国の会議がありますので、この会議の際には日本も加入申請をしたいということで準備を進めております。それから英国の反対ということも伝えられておりますので、その方面に関しましても着々と各種の方面を通じて手を打つております。マグナソンの海運協定というのは、私どもまだ今のところ、これは存じませんが、従来のアメリカの態度から見ますと、日本の海運を不当に縛るというような動きは、アメリカの方には少しも見られませんので、今こういう案が出ても、議会の案になるというふうなことはないであろうと考えております。

加藤鐐造日本社会党

○加藤(鐐)委員 それから関税の問題ですが、特に重要な問題になるのはまぐろカン詰、陶磁器等の関税引上げの問題ですが、これらはいわゆる対等の立場で取引をするというアメリカ自体の考え方と、アメリカの業者の考え方との食い違いというものがここに現われて来ておると思うのであります。この問題について私の聞くところによりますと、最近アメリカの国会といたしましても大分反省してこれを握りつぶす公算が非常に大きいというふうに聞いております。しかしながらいろいろ大統領の選挙等がありまして、政府でも業者のごきげんをとらなければならないというような問題もあろうかと思います。この問題についての見通しはどうですか。

小田部謙一外務事務官(経済局次長)

○小田部説明員 今の御質問の関税問題、ことにまぐろの関税の問題でありますが、最近のアメリカの情勢を見ますと景気の中だるみとかいうようなことがございまして、単に日本だけでなく各国に対する商品の関税引上げということを大いに議論しております。一番問題になつておりますのがまぐろの関税問題でありますが、この件に関しましては御質問にもありました通り、一部業者とアメリカ政府筋との見解はまつたく違つておりまして、アメリカ政府筋の方に対しましては、占領中はスキャップを通じあるいは在外事務所を通じまして、それから今度赴任いたします新木大使に対して、本件に関して日米の経済協力、それからドルの獲得、日本の漁民に対する影響を説明いたしまして今後善処するように手配しております。それで国務省の方でもこの案はわかつておりまして、例の関税引上げが両院の財政委員会を通過いたしましたときも、この案が出ることはペルー及び日本に対してアメリカとの関係に非常に悪影響を及ぼすものである、今後こういう案が法律とならないように願うということを国務長官も申しております。さつそく外務省を通じまして、日本政府の考え方として、アチソン国務長官あてに、今後そういうラインにのつとつてアチソン長官の最も適当と思われる措置によつて、関税が引上げられないようにということを申し入れてございます。それで今年は御指摘の通り選挙の年でありますので、議会の動きというものも非常に機微なものがありますが、なお政府といたしましても、特に外務省当局といたしましても、アチソン国務長官なりそういう政府の力というものにたよつて行き、本件を処理して行きたい、こう考えております。

加藤鐐造日本社会党

○加藤(鐐)委員 日本の自立経済ということをもしアメリカがまじめに考えておるといたしますならば、こういう関税の不当引上げということは、日本の政府としては反省を求めるべきである、世界の正義観に訴え、アメリカの輿論に訴えるという方法を政府は強力にとつてもらいたい。元来外務省はそういう問題については腰が弱い、ことにこういう経済上の問題は、外務省は比較的冷淡であるということがしばしばいわれます。これは今後の日本の外交上の重大な問題でありますからがんばつてもらいたい。また通産省としても背後から外務省を鞭韃して大いにやつてもらいたいと思うのであります。  次に南方貿易の問題ですが、ポンド圏の諸国がイギリスの影響を受けて輸入の制限をしておりまして、ますます南方輸出貿易が不利な状態になつて来つつあります。また現在のポンド過剰を政府は嘆いておりますが、来年あたりはポンド不足になりはしないかとさえ私は思うのであります。その対策を通産省は考えているかどうか具体的な問題はあとからいろいろ承りますが、この問題について一応御説明願いたいと思います。

本間俊一自由党通商産業政務次官

○本間政府委員 お答えを申し上げます。御指摘の通りポンド過剰の問題は、大きな課題といたしましていろいろな方面から検討されたわけでございます。従いまして通産省といたしましては、日本の貿易の本筋からいたしますならば、もつと簡単にした線で輸出入の均衡をはかりたいというのはだれしも異論のないところでございます。その後商品別あるいは市場別に規制をいたしたような状態があつたのでございますが、御指摘のように品物を買いまする方面でいろいろな輸入制限の措置をとつて参りましたので、過般とつておりまする市場別、商品別というような割当の規則は事実上緩和いたしまして今やつておるわけでございます。基本的な考え方といたしましては、市場別にその国の生産物、それからその生産の余力というものをできるだけ正確に把握いたしまして、できるだけそれらの地方から買い得るものを買いまして、輸出を伸ばして参りたいという基本的な考えに立つてせつかくその方面の努力もいたしております。また日本が取引をいたしておりまする国の実際上の経済の状態を的確に把握いたして参ります行き方と並行いたしまして、こちらから使節団でありますとか、そういうような人々を派遣いたしまして、できるだけ感情上の問題なども緩和して参りたい。それからいろいろ取引をいたします品物などにつきましても、専門家の間で十分話合いのできます機会をなるべくよけいにして参りたいという考え方で、この問題に対処いたしております。

加藤鐐造日本社会党

○加藤(鐐)委員 これに関連しまして、六月中旬からインドネシアとの通商会談が開かれるということでございますが、この問題について成功するかどうかという見通しを承りたいのでありますが、大体商品はどういうようなものを輸出入されますか。また決済の方法というような点について承りたいと思います。

本間俊一自由党通商産業政務次官

○本間政府委員 御指摘の通りインドネシアに対しましてはできるだけ早く協定を結びたいという考えで代表が参ることになつておりますが、具体的なお話の方がよかろうと思いますから、通商局の次長からもう少しこまかい問題についてお答弁いたさせます。

松尾泰一郎通商産業事務官(通商局次長)

○松尾(泰)政府委員 インドネシアにつきましては、現在のところ御存じのように非常に輸出超過になつておりまして、先般も向うから使節団が来られましていろいろ話合つたわけでありますが、不幸にして十分な結論に達せずに今日まで参つておることは御存じの通りであります。輸出超過になつております関係上、向うといたしましては、できるだけ日本側が向うの物を買うようにという希望でありまするが、インドネシアからの輸入につきましては、今許す限りの輸入制度の運用によりまして買うように努めておるのでありますが、何分価格その他物産の量等の関係で思うように入つて参つておりません。その結果といたしまして、依然としてアンバランスが六千万ドル前後にもなつておるというような結果、やむを得ずインドネシア側は日本からの輸入の制限をかなり強くやつておるような実情なのであります。従いましてこの関係をできるだけ早く解決をいたさなければならぬということで、先般来関係各省といろいろ協議をいたしておつたのでありますが、大体向うと会談を始めるということについての話合いもできまして、多分今月半ば過ぎには使節団が現地に参りまして会談を始めることになろうかと思います。大体これは協定でございますので、まだわが方の考えのこまかいことを申し上げる段階ではございませんが、大体の考え方といたしましては、現在貸越しになつている六千万ドル何がしかのものをどう処理するかという問題と、年間なら年間を通じて見た場合に、輸出入の規模をどの程度にするかという問題が一番大きな問題かと思います。そのほか、現在のようなオープン・アカウント決済方式をとるとか、そういう支払い方式の問題があるわけでありますが、大体現行のオープン・アカウント方式を採用しつつ可能な限り貿易を大きな規模で均衡させて行こうということで、輸出入の金額は今ここではちよつと具体的に申し上げにくいのでありますが、向うから輸入し得る最高限の金額を押えまして、輸出も大体それに見合うような貿易計画にして参るということと、それから現在のアンバランスの処理につきましては、一部を延べてもらうことは現行の協定から申しましても当然のことでありますが、一部につきましては若干たな上げと申しますか、延払いのような方式を加味して行くように考えております。性質が交渉事でありますので、ここであまりはつきり申し上げることは差控えたいと思いますが、大体そういう考え方であります。

加藤鐐造日本社会党

○加藤(鐐)委員 それではあまり深く具体的にお伺いすることをやめます。南方貿易の問題は、現在のポンド過剰、ドル不足という傾向から見まして、やはり南方の資源開発ということが中心になると思います。南方資源開発の問題は、従来しばしば頭を出しまして立消えになつております。私どもはその都度質問いたしましたが、政府からおざなりの答弁しか得られておりませんが、大体どういうところに障害があるか。通商條約が南方諸国とはほとんど結ばれておらない。ことに講和條約も結ばれておらないときでありまするので、そこに非常な困難があることは承知いたしておりまするが、この問題が促進されなければ、そうして日本の技術と資力をもつて開発することによつて、これらの国に購買力ができ、手持ちのドルもできるということにならなければ、結局日本の南方貿易は進展しないことにポンドの信用がだんだんと下落することは必然の傾向でございますので、どうしてもそういう行き方を強力にしなければならないと思いますが、その問題について、もし通産政務次官に明確な御答弁が願えればお答え願いたいと思います。

本間俊一自由党通商産業政務次官

○本間政府委員 御指摘になりましたように、日本の今後の南方貿易を考えます場合には、どうしても南方の開発と結びつけて考えなければならぬことは私どももまつたく同感であります。ただ従来おざなりなお答えではなはだ御満足が行かなかつたかと思いますが、御承知のように、南方の開発と申しましても、ただいまある会社などの動きを見ておりますと、技術的な関係から調査などに行つているようなところもぽつぽつありますが、正直なところ、ここをどうしたらよいか、こういう計画でというようなことは、御指摘のようにまだ明確になつておりません。その必要の度合いにおきましては、御意見の通りまつたく同感でございますが、一つにはアメリカの南方諸地域に対する投資のしぶりと申しますか、その開発計画と申しますか、これとももちろんいろいろな関係を持つて来るわけでございまして、それはまつたく御指摘通りの考え方を私もいたしておるのでありますが、まだその程度でございまして、御満足の行く答弁ができないのは残念に存じますが、そういう実情にあります。

加藤鐐造日本社会党

○加藤(鐐)委員 もう一つ外務省の方に承りたいことは、中共貿易の問題です。先方が管理貿易であり、またバトル法というものがあつてその制約を受けなければならぬということで、中共貿易が非常に困難であることはわれわれも承知をしております。しかしながらこのバトル法以外に貿易管理令というもので、禁止ではないかもしれませんけれども、多くの制限品目が数えられておりますが、この中には一体何のために禁止するかわからないというような物があります。たとえば陶器のデイナー・セツトが要許可品目になつておりますが、これはどうもおかしい。陶器のデイナー・セツトが軍需品あるいは資材になるわけでもありませんし、おそらくこれはアメリカに遠慮したものではないか。アメリカは日本のデイナー・セツトの九割以上の需要者でありますので、そういうようなことが考えられてこの品目があげられておるのではないかというふうに思うわけです。申すまでもなくバトル法は、アメリカの援助を受けている国がすべてこれを守らなければアメリカのごきげんを損ずることになるわけですが、西欧諸国のやり方を見ておりますと、明らかにバトル法の範囲内の商品も中共に売つているように聞いております。その具体的な事実もわれわれは知つておりますが、日本だけが厳重に守つて、それ以上にさらに貿易管理令というようなものを設けて非常な制限をしなければならない理由が私にはわからないのです。最近これを緩和するということがしばしば新聞据えられました。従つておそらくその交渉はどこかでやられたものだろうと思うわけです。ところがそれが不調に終つて逆にひどくアメリカからやつつけられた。最近外務大臣が非常に強いことをおつしやつて、中共貿易は日本がイニシアをとつてやるということをおつしやいましたが、こういうことをなぜ日本がやらなければならぬかということをひとつ承りたい。政府は実際にこれを緩和するという考えで折衝をおやりになつたことは、新聞等に報道せられておることであり、明らかでありますが、それが失敗に終つたわけであろうと思います。この問題は西欧諸国とのにらみ合せにおいて、もう少し強腰に出られる必要がありはしないか。また岡崎外務大臣が言われたように、政府はあくまで日本が中心になつてもつと中共の経済封鎖を強化しなければならぬというふうに思つておいでになりますか。そうなりますと日本の実力という問題も考えなければならないのですが、その点、経済局次長にお伺いするのは無理かもしれませんが、経済局次長なり通産次官に伺いたい。

小田部謙一外務事務官(経済局次長)

○小田部説明員 デイナー・セツト云云に関しましては実は私の方はよく存じませんので、むしろ通商局次長からお答えがあると思いますが、中共貿易に関しましては、これは政策問題でございまして、大臣がどうお考えになつておるかということは、新聞等を通じて知るほかありませんが、事務当局として、原則的には、日本は中共に非常に近いところであるから、中共貿易の輸出緩和という方向に持つて行くことは困るということは考えておる次第でございます。ただバトル法との関係とか、そのほか西欧諸国との関係において、この調整措置をどうするか——実は西欧諸国がどういうものを禁止しておるかということは、正式には禁止品目のリストが手に入りませんで、ただ新聞とか雑誌とかいうものを通じて知ることができるのみで、今のところはつきり明言できませんが、幾分あるのではないか。その場合に日本としてはでこぼこを調整しなければならぬということは現在も考えております。アメリカに断られたとか何とかいうような事実はございません。

本間俊一自由党通商産業政務次官

○本間政府委員 ただいま経済局次長がおつしやいましたような関係になつておるわけでございますが、例のデイナー・セツトは実は禁止品目ではないのでございます。ただアメリカとの陶磁器の貿易の関係で、ダンピング防止というような関係から価格の面で承認が必要な品目の中に加えておりますけれども、禁止はいたしておらないわけでございますから、その点はどうか御了承願いたいと思います。

加藤鐐造日本社会党

○加藤(鐐)委員 貿易のことはまたあらためておやりになるそうでありますから、まだ承ることがありますが、法案と直接関係のないことでありますから一応やめておきます。ただ一つ先ほど落しておりましたが、本法の罰則規定は不正競争防止法と重複する点があると思うのですが、その点はどういうふうにお考えになりますか。

本間俊一自由党通商産業政務次官

○本間政府委員 御指摘の法案とは重複しないように調整をいたしておるわけでございます。もし何か御疑問の点がありますればお答えをいたしたいと思いますが、重複しない建前にいたし  ておるわけであります。

加藤鐐造日本社会党

○加藤(鐐)委員 私は今不正競争防止法を忘れて来ましたので具体的に言われませんが、先ほどちよつと見ましたところが重複する点があるように思います。そういう点はまた修正の必要があれば修正意見を出しますから、きようはこれで打切ります。

中村純一自由党

○中村委員長 この際お諮りいたします。本案に対する質疑はこの程度で終了いたすことにいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

中村純一自由党

○中村委員長 御異議なければさよう決定いたします。  本日はこの程度にいたし、明日午前十時より本案に対する討論採決に入りたいと存じますから御了承願います。  本日はこれにて散会いたします。     午後四時四十六分散会

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