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13回国会衆議院1952/02/29

通商産業委員会 第11号

発言数
65
登壇者
10
会派数
3
開催日
1952/02/29

会議録

多武良哲三自由党

○多武良委員長代理 これより会議を開きます。  委員長が所用のため、理事であります私が委員長の職務を行います。  本日はまず、去る二月二十三日付託されました日本製鉄株式会社法廃止法の一部を改正する法律案を議題といたし、政府より提案理由の説明を求めます。高橋通産大臣。

高橋龍太郎緑風会通商産業大臣

○高橋国務大臣 日本製鉄株式会社法廃止法の一部を改正する法律案について、その提案理由を御説明いたします。日本製鉄株式会社法廃止法は、日本製鉄株式会社が企業再建整備法の規定による決定整備計画に従い昭和二十五年三月三十一日解散して清算事務に入つたのに伴い、日本製鉄株式会社法を廃止するとともに、これに伴う経過的措置を規定したもので、昭和二十五年八月五日法律第二百四十号をもつて公布施行されたものであります。旧日本製鉄株式会社法の規定によれば、いわゆる一般担保制度の適用により、社債の発行にあたつて工場抵当法による工場財団を組織する必要がなかつたため、同社の資産についてはまつたく工場財団の組織に必要な措置が講ぜられていなかつたことにかんがみ、日本製鉄株式会社法廃止法を制定するについては、附則第五項ないし第七項を設けて、日本製鉄株式会社の第二会社である八幡製鉄株式会社及び富士製鉄株式会社の三社に対して財団組織のため猶予期間を認め、二箇年間を限つてなお一般担保による社債の発行を許容するとともに、見返り資金等の担保についても特例を認めたものであります。しかしながら何分にも官営八幡製鉄所以来の長い歴史と、膨大なる資産のため、財団組織手続は予想以上に煩瑣であり、多くの日時を要したのみならず、かたがた同法制定当時から客観情勢もまつたく一変して、わが国鉄鋼業の合理化は内外から強く要請せられることとなつて参りましたため、これら二社の設備資金需要額も、同法制定当時の予想に比し著しく増大し、組織を必要とされる財団の範囲もおのずから大となり、従つて同法に規定された二箇年間の期間である本年八月四日までには所要の財団組織を完了することはきわめて困難となつて参つたのであります。もしこの期限内に財団組織が完成できない場合においては、社債の発行も困難となり、従つて今後の資金の調達に多大の支障を来し、鉄鋼業の合理化にもきわめて大いなる影響をもたらすことが予想せられるのであります従いまして、日本製鉄株式会社法廃止法の附則第五項ないし第七項に規定された期限を、いま一箇年延長することが適当であると認められます。これがこの法律案を提出する理由であります。何とぞ慎重御審議の上、御協賛をくださるようお願いいたします。

多武良哲三自由党

○多武良委員長代理 以上をもつて政府の提案理由の説明は終了いたしました。本案に対する御質疑は次会に行うことといたします。     —————————————

多武良哲三自由党

○多武良委員長代理 次に貿易に関する件について調査を進めたいと存じます。質疑の通告がありますから、順次これを許します。田嶋好文君。

田嶋好文自由党

○田嶋(好)委員 私は国内産業が現在の法規面とどういうようなにらみ合せによつて進んでいるか、このことにつきまして、関係御当局に特に質疑をいたしたいと思うものであります。これはわが国のみに限らないと思うのでありますが、いかなる国におきましても、資本主義経済のもとに国家の財政を運営するためには、どうしても貿易の伸張をはかると同時に、国内産業の隆盛をはかるとともに、また国内のインフレ的な傾向を是正して行く、これ以外に国の富をふやして、国を興隆して行く道はないと思います。特に現存の敗戦後の日本の財政の確立には、こうしたことが強く叫ばれなければならないものだと私考えるものであります。最近新聞紙上その他政府当局の率表を見ますと、ポンド地域に対する貿易は相当活発に行われて、ポンドは相当に過剰を来しておるのだが、ドル地域に対しましてはドルの不足を来して起るというようなことまでいわれておるのであります。そういうようなことを考えますと、日本の貿易にとりまして特に重大なのは、ドル地域に対する貿易を盛んにしなければならない、こういうように考えるものであります。ところがいろいろな面からドル貿易面を検討してみますと、ドル資金が足らないと言いながら、ドルのむだづかいをしておるような傾向が見られる向きがあるのであります。またドルが足らないと言いながら、ドル貿易を故意に、と申し上げますと失礼になるかもしれませんが、故意とまで言つていいくらいドルの獲得に支障を来すような政策がとられておるように思うのであります。この点私は非常に残念に考えておるのでありますが、政府はドル貿易に対しまして、いかような政策、いかような御方針によつてお進みになつておりましようか。まず根本的にこれを伺いまして、後具体的な問題についてお伺いしたいと思います。

高橋龍太郎緑風会通商産業大臣

○高橋国務大臣 ドル輸出貿易を振興することの必要な点は御意見の通りで、私も全面的に賛成するのであります。ところで実際に日本の工業がポンド区域の輸出を目標として進んで来た。実際にいろいろ努力し研究してみましても、ドル区域に出ますものは、遺憾でありますが、非常に少い。そういう状態でありまして、特需は別でありますけれども、通常の輸出品といたしましては、いかにも品種が限られておる。あるいは新しくミシンのようなものが相当盛んに行ましたけれども、これも限度がありますし、少し出ますというといろいろな問題が超る。あるいは関税の問題などで今二、三起つておるような問題。大体昨年などの実績を見ますと、一箇月に四千五百万ドルくらいでありますが、これがなかなか伸びません。むしろ反対の傾向を最近にはとつておるように考えまして非常に憂慮いたしております。これに対しては、それではどういう方法をとつたらいいかということも十分研究しておりますが、とりあえず輸出信用保険法の改正などをはかりまして、輸出業者の便宜をはかりたいと考えております。

田嶋好文自由党

○田嶋(好)委員 一応政府の御方針はわかりましたが、実は高橋通産大臣御存じかと思いますが、私は名古屋市の居住で、名古屋の選挙区の選出の者でありますが、この愛知県等におきまして、現在重大になつておりますのは陶磁器の関係です。陶磁器は御存じでございますように、愛知、岐阜、三重、三県下がほとんど全国の輸出の全パーセントを占なておると言つてもいいくらいです。特にまた愛知県はその重要なところになつております。この陶磁器が、最近の状況を見ますと、非常に不振を来しておる。これに対していろいろとわれわれも研究し、また業者といたしましても、血眼になつてこれが切抜けに奔走しておる次第でありますが、陶磁器業界のドル地域に対する貿易、これを政府はいかようにお考えになつておりましようか、御方針がありましたらひとつお伺いいたしたい。

高橋龍太郎緑風会通商産業大臣

○高橋国務大臣 ちよつと、いかようにというお言葉の意味は……。

田嶋好文自由党

○田嶋(好)委員 もう一度説明しますと、陶磁器が現在非常に不振を来しておりますが、陶磁器のドル地域に対する貿易によるドルの日本への獲得、これは相当大きなものだとわれわれは考えておる。だが、これが現存非常に不振を来しておりますが、この不振を、政府は不振とお認めくださつて、何か振興されるような御対策でもお考えくださつておりましようか、このまま手放しの状態において陶磁器の不振を見送るお気持でいらつしやいましようか。

高橋龍太郎緑風会通商産業大臣

○高橋国務大臣 今の名古屋の陶器は、アメリカに対する輸出品としては今日重要な商品の一つでありまして、この名古屋の食器は、古くから名古屋の業者の努力によつて相当アメリカには広がつて認められておるのですが、最近不振の傾向があるということはお言葉の通りであり、また一方ではダンピングといいますか、値段が安過ぎるというか、そういう非難あるいは関税をふやすというような意見がアメリカの国内に起つております。それを非常に憂慮しております。業者諸君にもお目にかかつていろいろ事情を私直接承つております。何とかこういうものを阻止して行くことに——例のまぐろの問題は御承知の通りでありますが、この阻止運動を政府が直接にやることはかえつてどうかと思いまして、まぐろの場合も政府は直接にはやらないのですが、事実通産省は非常に内面的に努力をしております。名古屋のこの陶器の問題についても、極力内面的に努力したいと考えております。

田嶋好文自由党

○田嶋(好)委員 御説の通りの状況を私も聞き知るものでございますが、そういたしますと、先ほど申し上げましたように、陶磁器がドル地域に対して大きな重要な地位を占めておる。今後もこの産業は助成して行かなければならぬ。また輸出不振を打開して行かなければならぬ。ならないのに、今御説のようなアメリカにおける状況、また最近日本以外の英国、ドイツ、フランス、イタリア、チエコスロヴアキア等輸出陶磁器に対する競事相手がたくさん出ておることもわれわれ認めております。そうなりますと、ここで問題になりますのは、どうしても陶磁器のドル地域への輸出を伸張さして行くためには、価格の点にかかつて来ると思うのであります。今の価格ですら競争するには至難で、引上げしなければならぬというような状況下に、この大きな問題を切抜けて行くためにはどうしても日本の陶磁器の生産価格を、輸出に可能な生産価格まで引上げ、これ以上生産価格を引上げるというような政策がとられた場合、これは自滅する以外にないと考える。どうしても生産価格というものを、出て行ける生産価格におちつかせることのできるような政策が、ぜひとも望ましい政策だと思うのでございますが、いかがなものでごさいましようか。

高橋龍太郎緑風会通商産業大臣

○高橋国務大臣 今の御質問の価格の問題でありますが。これは実際にはなかなか複雑でありまして、私は今当面の問題としては、むしろ名古屋の食器の輸出価格を幾らか引上げる方がいいのではないか、関税の問題などから考えましても、せんだつても名古屋の陶器業者のおもな代表の方が何人か見えたのですが、そういうことを話し合つたのです。そのとつきにも業者諸君から、この際一、三ドルくらい引上げることが適当であろうというような話も出たくらいなのであります。根本的に生産コストを引下げる何か政策を講ずべきだという御意見は、それとは別に考えなくちやなりません。幾らかでも、関税問題が起らなくても、生産コストが下るように努めることが、私どもの一つの仕事であります。もう一つ名古屋で非常に問題になつておりますのは、これは十分御承知の通り、イギリスの方で起つておる問題でありますが、意匠盗用であります。これはイギリスの方で繰返し繰返し問題にされて実は困つております。むろんイギリスと日本と特許法なども違つておりますし、事情も違いますので、イギリス側の業者が述べておる苦情は、私は肯定できる面もあります。而もありますが、それはともかくも、何かこれを展開させなくてはいかぬと考えております。それには非常に苦慮し二、三考えもありますが、それもせんだつてから業者諸君と話合いをいたしております。

田嶋好文自由党

○田嶋(好)委員 関税問題で価格の引上げをはからなくちやならぬ、これは私たちもある程度うなずけるのであります。しかし生産コストをいかなる場合でも引下げる、この大臣の御説を拝聴しまして私もその通りだと思うのでございますが、陶磁器の輸出にとりまして最も大切なもの、特にアメリカ向け、ドル地域向け輸出に対して大切なものは、金の地金を用いた金箔によるところの陶磁器の生産、意匠、これらが非常に重要なる生産価格の一部をなしている。最近承るところによりますと、政府は金の地金の自由販売を断行している、こういうことを承つているのですが、もしも金の地金の自由販売ということになりますと、さしあたり陶磁器の生産価格というものは、大臣の下げなくちやならぬというお説の反対に上げなくちやならぬ、生産コストが上昇する、上げなくてはならないという方針に行くことは、火を見るよりも明らかなことと思うのであります。非常に陶磁器業者はこの点に対して憂慮しております。またわれわれもこれに対しては重大関心を持つておるのでございますが、はたして政府はこうしたこと等も勘案した上で、金の地金の自由販売を断行しようといたしておるものでありましようか。金の地金の自由販売の御計画、その理由等をお聞かせ願いたいと思います。

高橋龍太郎緑風会通商産業大臣

○高橋国務大臣 金の地金を一部分自由価格で出そうというような意見は、政府部内にもあります。これはその結果として、名古屋の陶器業者に影響があるということは、御調の通りだと思うのですが、一面やはり現在の日本では、金の地金を、金の保有額を増すということに努力することが非常に必要だと思うのです。現在の買上げ価格では、金の増産がはばまれておるのです。少しこれを保護しますれば、まだ相当に金の増産はできるのです。最近私の耳にしたところでは、北海道の鴻ノ舞の鉱山では、今までにない非常にいい金床を発見したけれども、それへ手をつけることはできないのだというような話を聞いておりますが、ともかく金の増産、日本の金の保有量を増して、日本の財政を強固にすることの一助にするという面には、実際私どもが調べたところでも今の買上げ価格では増産が望まれない。といつて、御承知のような品物でありますから、買上げ価格を引上げることもいろいろ困難でありまして、その対策として今一部分民間の使用に供する、これも分量を限りまして、自由販売、自由価格を認めよう。これは実際ではなかなか自由価格を認めるといいましても、手放しにするわけではないのですが、そういうことも必要であろうという議論は、相当活発に政府部内に起つております。

田嶋好文自由党

○田嶋(好)委員 金を増産せしめるという政策の面から大臣のお説を承つておりますと、これも一応ごもつともなお説のように受取るのでございますが、ただわれわれ自由党におりましても、自由販売をする場合は、いかなる自由販売でも、ゆるふん的な自由販売、手放し的な自由販売ではいかぬ。過渡期の今日でございますから、どうしても一つの引締める政策をどこかに持つておらなければ、日本の産業のあらゆる面に支障を来さずに行くということはできない。しかし理想としては、あらゆる面といいますが、あらゆる面とは、実際の政治では行けないと思います。しかし政治の目的は理想にあるのでございますから、どうしても多くの産業に支障を来さないようにしなければいけない。そのうちでも特に重要産業に対しては、自由販売によつて支障を来すようなことを與えてはいけない。こういうことをわれわれは考えるものであります。してみると、この金の、自由販売にしようとする地金の使用先、これはどういうようなものを対象にいたしておりましようか。民間の使う金を自由販売にするというようなお説でございましたが、使用金の対象となつている民間事業は、どういうものが対象になりましようか。

高橋龍太郎緑風会通商産業大臣

○高橋国務大臣 まだそういう点まではきまつておりませんです。今せつかく研究中であります。なおあなたの今の御趣意は、十分参考として承つておきます。

田嶋好文自由党

○田嶋(好)委員 そこで私は、通産大臣は御了解また御存じくださつておると思いますが、陶磁器の金に占める地位というものは、私は日本産業のうちの最高位じやないか、こういうように考える。通産省の資料によりますと、業者の提出いたしました資料とは多少食い違いがありますが、少くとも業者の資料によりますと、日本生産金の三六%程度は、陶磁器で使用する。非常に大きな額であります。三六%のものが陶磁器に使用されるといたしますと、これは手放し的に金の自由販売でほつておけるものではない。特にまた先ほど通産大臣もお答えの通り、陶磁器のドル地域に占めるところの貿易の地位、これは相当高いものなんです。またこれを伸張して行かなければならぬ、その貿易資金に使う金であつてみれば、なおさらこの点を手放し的にいたすことはできない。どうしても政府として考えてやらなければならない。それにはいろいろは対策がござましよう。国内において金が自由販売になるならば外国金の輸入を許してやるとか、また金が自由販売になつた場合、この陶磁器が重要な地位を占める立場から、陶磁器に対する面については一部の自由販売の方面に加わらないようにして別個に考える。また価格の点において考える、いろいろな対策が立つものと思うのであります。どうか政府におかされましては、手放し的な金の自由販売、これはわれわれの自由党がかつて米の統制撤廃で野党諸君からたたかれた、こういう轍と同じような形において見ることは避けなければならない。どうしても私たちは今自由党がやつている自由政策で、政策は進めなければならないのでありますが、われわれは砂糖の自由販売にいたしましても、麦の自由販売にいたしましても手放し的な自由販売、これを今やることがいいか悪いか、これが大きな対策の対象になろうと思う。今日では過渡期でございますから、一度におとなにしてしまうことはできないのでございまして、どうしても子供からおとなへ行くには手を引いて歩かせなければならぬ時代もございましようし、手を引いて歩かせた時代を過ぎて一人前に立つことができる、今は手を引いてやらなければならない時代——立つにはちよつと弱い、しかし立つことは立てるというのが今の時代ではないかと思つておりますから、その点もよくお考えくださいまして、自由販売に対しましては、ぜひともこうした国家にとつて重要な産業の面に対する方面を十分お考えくださつておやりくださいますことをお願いいたす次第でございます。

高橋龍太郎緑風会通商産業大臣

○高橋国務大臣 御意見は十分承つて参考に供します。

田嶋好文自由党

○田嶋(好)委員 次に私は具体的な問題のもう一つといたしまして、最近日本に氾濫いたしております歳入のお菓子、特にアメリカから入つているお菓子、ドル資金がこの方面に流れているという国民の非難、この面についてお尋ねをいたしたいと思うのでございますが、現在ドル地域から輸入されているお菓子はOSSによつているものとSPSによつているものとPXによつているもの、これは御存じの通りと思いますが、この三つの方面において——やみもうんと入つているようでありますが、主として三つの方面においでドル地域からたくさんの菓子が入つている。そうして相当なむだなドル資金使わないでいいようなドル資金が流れているということはある程度公知の事実ではないかと思います。私どもこの内容をつまびらかにいたしておりませんので、特に関心を持つてお聞かせを願いたいと思いますが、一体どれだけの数量が、ドルにしてどれだけのものが日本に輸入されているのか、これをちよつと承りたいと思います。これはどなたでもよろしゆうございます。

高橋龍太郎緑風会通商産業大臣

○高橋国務大臣 ちよつと私わかりませんから……。

牛場信彦通商産業事務官(通商局長)

○牛場政府委員 正確にいいましてどれだけこういうものが入つて来ておりますか。実は私ども存じておりませんが、今のぜいたく品の輸入は昨年一ぱいで例のOSSやSPSという制度がなくなりまして、今年の一月一日から外人も日本人も平等にああいうところで物が買えるということになりました。それで今までああいう商売をやつて来た店がたくさんあるのでありますが、今後相当期関そういう種類のものを輸入さして行きたい、これはアメリカ側ともよく打合せた結果そういうことになつたと思いますが、現在のところ一期で外貨約六百万ドル、そのうち純粋にドルで入つて来るのは四百万ドルじやないかと思います。

田嶋好文自由党

○田嶋(好)委員 甘い方面で甘く政府は見ているかもしれません。しかし今の局長のお答えを聞いておりまして、私は非常に不満足に感じた次第でございます。相当なドルの不足を叫んでおりながらこうしたぜいたく品が流れておる事実を見て、なおそれが正確の数字を知らないというに至つては私は言語道断だと思う。こういうことを網の目のように考えるかもしれないが、これが日本の貿易の伸張、日本の今後の産業に影響する面が大きいと思う。大きな点を大きく考えることも必要でありましようが、やはり小さなものでもむだなものに対して冗費を省いて、破綻した経済から立ち直ろうとしている日本の経済の立て直しを考えなければならない。これも政府にとつても非常に重大なる問題じやないかと考える、そこでさつきかつて取扱つておつた業者を保護するために、この菓子の輸入を継続しているということであります。このかつて取扱つておつた業者というものは日本に幾らくらいあるものでしようか。日本には菓子製造業者はたくさんあります。しかも外国品に劣らない菓子が日本ではでき、ところが外国品は価格が安い、関税の関係でございましよう。日本の菓子は輸入原料によつてつくるがために価格が高い。こういうような矛盾があつて、同じような原料を使つてもどうしてもかつて戰争終了後味わつた品が頭に残つているために、日本の菓子が押される状況にある。日本の菓子業者と外国の菓子業者との競争に非常にハンディキヤツプが敗戦ということによつて生れているわけですが、こういうような点から考えますとぎに、日本の外国菓子を取扱つておる業者が何軒くらいありましようか。これを保護しなければならない理由がどこにありましようか、一点承りたい。

牛場信彦通商産業事務官(通商局長)

○牛場政府委員 私実はそちらの方の主管でございませんのではつきりした数字を申し上げられませんが、いわゆるOSSというのは大体日本人がやつております。明治屋とかそういうような大きな店が全国で二十軒くらいじやないかと思います。SPSの方は二、三倍あると思いますが、最近だんだん数が減つて来ております。この外貨割当、こういうふうなものに外貨を使うということははなはだおもしろくないじやないか。これはまことに私ども同感に存じますので、今後だんだん減らして行きたいというふうに考えております。

田嶋好文自由党

○田嶋(好)委員 聞くところによりますと、どうも政府はアメリカの進駐軍に遠慮し過ぎて、GHQに遠慮し過ぎて、そのためにGHQの意見によつて、これが政府の意向でなしに左右せられる、こういうこと。これは日本の現在の政府に私たち與党の立場から特に申し上げますが、まさかそんなことはないと考えております。またあるべきはずじやないと考える。特に独立を控えましてわれわれが自主性を持つて進まなければならない今日、そういううわさが飛ぶこと自体も私たちは忌まわしいと考えている。少くともむだな方面にドル資金が使われているということだけは認めざるを得ないと思う。どうか独立を控えた今日でありますから、そうしたむだな方面に流れておりますドルというものはぜひとも節約していただくようにお願いをいたしておくのであります。次に私はそれに関連いたしまして、国内の菓子は——菓子というと何か簡單に考えますが、これは主食に対比するところの日常生活嗜好品、なくてはならない品物だと思います。そうだといたしますと国内における菓子業の助成というものは相当考えてやらなければならないと思う。ところが今では自由販売によるところの砂糖の値上り今の国内菓子に対抗するところの外国菓子の輸入の増大と同時に、まつたくこの外国菓子に対して取締りが嚴重でない。手放し的に放任しているような形である。こうしてみますと、少い業者を守るために、ぜひとも守つてやらなければならぬ日本の菓子業界は自滅に陥る、こういうことも一応考える。政府におきましてはこの苦境にありますところの日本の菓子業界に対して、何か御対策でもございましようか、お伺いをいたしたいと思います。

高橋龍太郎緑風会通商産業大臣

○高橋国務大臣 日本のお菓子屋さんの保護を何か考えておるかという御質問でありましたが、まだ実はそういうものは考えておりません。前の御質問の菓子の輸入について、これはむろんこういうものにドルを使用するということは愼むべきことでありますし、その点はまつたく御同感であります。私実際の事情はよくわかりませんが、SPSなどの本年一月からの取締りについては、今局長がちよつと申し上げましたが、外貨割当を非常に押えまして、東京で店を持つておる外人のそういう店から、せんだつてうちひんぴんとして、この時期の外貨の割当が一箇月に一万ドルくらいに減つてしまつた、これでは店をとじるよりほかしようがないのだというような陳情が続々私のところへ来ておりますから、これはだんだん整理されて御趣旨に沿うようにだんだん向いて行くのかと私は存じております。

長澤武農林技官(食糧庁業務第二部食品課長)

○長澤説明員 ただいま田嶋委員の御質問のうち、われわれに非常に関心が深い菓子の問題があるのでありますが御説の通り相当外国菓子がOSSあるいはSPS、PX等のルートから市中に流れ出ました、それらの現状に対してはわれわれとしても憂慮いたしておるのでありますが、現状から申しますと、一番圧迫を受けておりますのがチヨコレートでございまして、これが推定でございまするが、一箇月の生産が国内のチヨコレートが約百トンでございますに対しまして、外国産のチヨコレートが二百五十五トンに及ぶという状態でございます。次に圧迫をこうむつておりますのがチューインガムでございまして、これが国内月産約百三十トンに対しまして、外国産のチユーインガムが百七十五トンに及んでおるという現状であります。しかしその他の菓子類におきましては、国内産も相当優秀な技術と経営力を持つておりまして、十分対抗し得ておるようでありまを。この二点につきましては、まことに残念でございまするが、相当の圧迫す受けている。これに対応しまして、大蔵省にもお願いを申し上げまして、今回の砂糖の関税の値上りもにらみ合せまして、従来三五%の関税を四〇%に引上げるということが大体内定するに至つている事情にあるのも、これらの事情を十分しんしやくしての上でやつておることりでございます。それからなお問題のチヨコレートに関しましては、原料豆のココア豆に対しまして、関税が二割に、物品税がさらに二割かかつておるというところのことが相当がんになつておりまして、われわれの計算から申しまると、元卸の値段に換算いたしまして、日本のチヨコレートが十五、六円程度の場合に、向うの品ですと関税抜きにいたしますと、九円一、三十銭、九円台の安値で到着できる、こういうような事情にあります。これらに今回の関税がかかつたといたしましても、なお十三円程度の値段で賣られ得るのでありまして、相当額の開きがまだあるわけでありまするが、国内の税の調整によつては相当緩和されるのではないかという見通しを持つておりまして、いろいろ大蔵省のお考え方もございますので、今後これを検討いたしまして、そういうような面からもできるだけ国内菓子業者が安心できるように運びたいと目下検討中でございます。

田嶋好文自由党

○田嶋(好)委員 今の課長のお言葉である程度全貌がわかりましたが、チヨコレートが非常に圧迫を受けている。しかもこのチヨコレートというのは、あとで政府委員にも食べていただきたいと思うのですが、これは外国品と日本品ときようここで味わつてもらいたいのです。委員諸君にも味わつてもらうつもりですが、ちつとも差はない。何も差のないチヨコレートを、日本のチヨコレートの三倍の額に達するものを入れる必要はないと思うのです。これが国内産業の助成であり、これがドル資金のむだな使用の是正である、こう考えるのですが、どうかこの点十分御注意願いたいと思うのであります。次に幸いに大蔵省の関税部長さんがお見えですから、今のチヨコレート豆に対する関税、チヨコレート豆に対する物品税について、お伺いをいたします。実は物品税の条項の中には、チヨコレートに対しては物品税をかけることになつておる。ところがこのチヨコレートとチヨコレート豆とは全然違うのです。チヨコレート豆を輸入して、その輸入したチヨコレ—ト豆によつて脂肪をとつて、要するにハターをとつて、またもう一度精製して残つた粉がチヨコレートというコーヒーのようにして飲む粉です。これはチヨコレ—ト豆から一〇%しかとれないのにかかわらず、大蔵省は税関に命じまして、輸入と同時にチヨコレート豆に対してチヨコレートとして物品税をとつておる。要するにチヨコレートが一〇%しかできないチヨコレート豆に対して、チヨコレートの一〇〇%の税金をとつておる。実にこれは不当だと思う。けしからぬことだと思う。そこでわれわれ自由党でもこの点を取上げまして、大蔵省と折衝することにきまつたのでありますが、一体どういう根拠によつて税関で物品税をとるのでございましようか、税関部長御出席でございますから、この点をお伺いをいたしておきたいと思います。

北島武雄大蔵事務官(主税局税関部長)

○北島説明員 税関におきましては、輸入品に対しまして有税品については関税をかけると同時に、他方内国消費税の各税法によりまして、内国消費税を課すべき物品に対しては、税関において法規に従つて徴収することにいたしております。

田嶋好文自由党

○田嶋(好)委員 内国のものに対しては法規に基いて……。——チヨコレート豆に対する法規がありますか。

北島武雄大蔵事務官(主税局税関部長)

○北島説明員 ちよつとただいま物品税法を持ち合せておりませんので……。

田嶋好文自由党

○田嶋(好)委員 そんなものは持ち合せなくたつてわかるはずです。原料に対してかける物品税はない。物品税は物品に対してかけるのです。そんな役所の方がわかり切つたことを法規がないからなんて言つたつて……。

北島武雄大蔵事務官(主税局税関部長)

○北島説明員 ただいまのは内国税の問題でありまして、実は私の所管ではないのでございますが、なお詳細に調べまして後ほど御答弁いたします。

田嶋好文自由党

○田嶋(好)委員 あなたのところではどういう根拠に基いて税関で物品税をとつておるのか、これを聞いているのです。

北島武雄大蔵事務官(主税局税関部長)

○北島説明員 物品税法におきまして、保税地域から引取るものに対しては、税関において徴収するという規定がございます。

田嶋好文自由党

○田嶋(好)委員 もう一点、それだと、もし物品税の中にココア豆が含まれてないといたしますれば、徴収はいたさない覚悟でございますか、それでもいたす考えでございますか。

北島武雄大蔵事務官(主税局税関部長)

○北島説明員 ただいま非常にこまかいお話で、実は私も物品税法をただいま手元に持つておりませんので、はたして今のココア豆に対して物品税がかかつておるか、私存じませんので、もしかかつておるといたしますれば、法規に基いて徴収いたしておることと私は信じます。

田嶋好文自由党

○田嶋(好)委員 その反対、もし法規にココア豆という規定がなかつた場合、とらぬかとるかという、こういうことです。

北島武雄大蔵事務官(主税局税関部長)

○北島説明員 もちろん税関におきましては物品税法に従つて徴収するのでございますから、物品税法で課税物品でなければ当然徴収すべき筋合いではございません。

田嶋好文自由党

○田嶋委員長代理 次は山手滿男君。

山手滿男改進党

○山手委員 田嶋君が出て来ていろいろ各論的なことをやつたのでありまするが、今日日本の経済界で大きな問題になつておるのは、御承知のポンド地域向け輸出調整の措置であろうと思います。これが十八日に実施をされまして、業界は相当に迷惑をこうむつておるし、相当動揺を来しております。昨日は政府におきましてもいろいろな議論が出て、経済協力最高顧問会議などというところでも相当議論をされたようであります。通産省はその独自の立場から大臣を先頭にしていろいろ敢闘をされておることも承知をいたしておりまして、この委員会をもう少し早くやつていただいていろいろ意見を言いたかつたのでありますが、少し遅れて時期はずれの気味があります。ありますが、しかし私どもが考えておるところでは、この輸出調整措置という、昨日あたりの御宣託では、私は最後的な決定をごうもしておるものではないと考えます。それで今までの経過なりいろいろないきさつをこの際通産大臣から承りたいと思います。

高橋龍太郎緑風会通商産業大臣

○高橋国務大臣 その御質問の要点がどこにありますか、昨日顧問会議でポンド対策の問題でいろいろ意見は闘わしましたが、それは何も決定的のものでなくて、別に昨日の顧問会議でそういう議題を出したというわけでもありませんが、この会議が、現在われわれが直面しております重大な問題でありますから、期せずしていろいろな意見を闘わしたにすぎないのでありますが、その内容は今私から御説明をするようなまとまつたものではありません。あの会議は安本長官が世話役をしておりますので、その方へお尋ねを願いたいと思います。

板垣修経済安定事務官(貿易局長)

○板垣政府委員 私も昨日の顧問会議などには参画をしておりませんが、今までの事務当局の段階における経過を、承知しておる限り御説明申し上げます。御承知のように昨年の十一月ごろからポンド貨累増は非常に顯著になつて来たといら傾向が見えましてから、事務当局の間で何とかしなければならぬということで協議は続けておつたのであります。その際輸出調整をするか、輸入促進で行くかという問題が非常に論議されたのでありますが、さしあたり輸出調整はやらない。なるたけそういう手段を避けまして、輸入促進の方に力を入れるということで進んで参つております。その際、但し輸出為替の予約の問題につきましては、六箇月というのはあまり自由であり、長過ぎるというので、これを多少制限する方がいいのではないかということで、事務当局では意見がまとまつておつたのであります。さしあたり輸入促進の方に力を入れるということで、この一—三月の予算にもポンド予算を非常に多くつけまして、約一億ポンドに近い予算をつけまして、輸入促進ということで進んで参つたのでありますところが本年に入りまして非常にポンド貨累増の情勢がひどくなりましたので、二月十八日に実施されました、予約期間の問題、それから貿易手形の掛目の問題、それから為替率の問題、この三つが大蔵省と外国為替委員会との協議の上で発表されたわけであります。幾分この点につきましては事務的の不連絡などもありまして、相当業界に影響を及ぼすことがはつきりいたしましたので、関係各省また協議の上、輸出数量調整の方をある程度やる、そして金融為替面からいたしまする制限の方は緩和するということになりまして、今度の新しい措置になつたわけであります。ごく簡單に申し上げますとそういう経過であります。そして昨日は最高顧問会議で、そういう問題も含めまして今後のポンドに対する根本対策を論議するということになつたわけでありまするが、聞くところによりますれば、まだ結論は出なかつたと承知しております。

山手滿男改進党

○山手委員 最初の、外為と大蔵省の方でいろいろ企画されましたところのポンドの先物予約を、信用状の到着後、完成後だという一つの線をしりぞけて、新しく二十七日にポンド地域向け輸出調整措置に関する件というのをお出しになつて、その点少し期間を延長されたようなかつこうになつておるのでありますが、この措置は最後的に来月早々から実施をされるものでありますかどうか、お伺いいたします。

木内信胤外国為替管理委員会委員長

○木内政府委員 御質問の点、私からお答えいたします。問題の焦点でありました為替予約を信用状到着のときまでさせないと申します点は、これが一番業界に波紋を與えたのでありますが、これは実は取引の実情から見まして、かなり無理な措置であるということは私ども初めから承知であります。承知でありますが現状は日本政府は非常に為替予約を、為替のリスクというものを背負うことに非常に勇敢でありまして、ほとんど無制限に為替リスクを引受けておるのであります。これはいい方針でありますから続行したいと思いますが、一方国家にとつてはかりにボンドの切下げ等がありますと非常な損失を與えることがあり得る措置でありまして、続行するについては、いやしくも不純なものが入らぬということには、特別な戒心も用いなければならないと思います。そこで現在の法制は、何も予約したい者には幾らでもいらつしやいと言つているのではないのであつて、取引のできた者には予約の便宜を與える、こう言つておるのであります。ところが取引が真にできたかどうかを確認する方法においてはなはだ不十分なものがあつて、たとえば十二月にいささか輸出相場をかえまして、英国の新措置に応じまして、あるいは二ドル八十セント、つまり二百八十セントのうち二セント、三百八十分の二の違いが出たのでありますが、それでもその改訂をするというニュースが、約半日くらいと思いますが、早く漏れてしまつた。その間に非常な為替予約の殺到や何かがあつたりして、これはどう考えても、真に取引ができたものが、半日の間に殺到したのではないのでありまして、そこにいささか緩に過ぎるものがある。そこを直したいことはかねて考えておつたのでありますが、今度ほかのことをやりますとともに、一応少しかた過ぎる信用状到着ということにしました。これは契約が確認される、真に取引があつたということが確認される方法を別途備えて緩和したいということは考えていたのであります。その方法はほぼ発見したように思いましたので、不日やるわけであります。それと関連しまして、これは為替予約の始期の問題でありますが、全体の期間を、従来六箇月を許しておりましたが、これを四箇月に縮めたい。これはあまり先まで輸出の契約をしてしまうことは、ポンド累増の今日、ポンド切下げの危険がないとは言えない今日、あまりにルーズに過ぎると思いまして縮めたのであります。この縮める方の措置に関しましては、別途物資側の調整があるならば、その縮めることも、元に返してもよいというようなことを協議しましたのが、二十七日付とおつしやつた最近の申合せであります。大体そのラインで参るつもりであります。

山手滿男改進党

○山手委員 この問題は、終戦後日本が失つておりました海外市場をようやく回復をしたしよつぱなにこういう措置がとられるわけでありまして、非常に大きな影響を與えるであろうと私は思います。海外の市場を一ぺん失いますと、なかなか困難な実情があるように思います。ほかの国の製品がどんどん侵蝕をして参りますと、なかなか回復は困難だと思いますが、この新措置をとられると、業界では相当問題が出て来るだろうと私は思う。ところで今日はまず初めに実際のその業務を担当しておられ、特に日本の輸出の大宗である綿糸布の関係の実際の担当者である綿糸布輸出協会の常務理事の小杉さん、長谷さんをお招きしておりますから、この二十七日の措置を実施した場合にはどういうふうな影響があると考えておられるか、その意見をまず参考にここで聞かしてもらいたい。

多武良哲三自由党

○多武良委員長代理 それはちよつと待つていただきたいと思います。やることにはなつておりますが、計画があるから、あとで……。

山手滿男改進党

○山手委員 それでは木内さんの方にお伺いしたいと思うのであります。この措置をとつた場合に、日本輸出の総額、あるいは品種別にはどういう影響を與えるか。結論から言えば、木内さんのねらつておられるねらいというものは、やはり輸出を相当制限をするというところに行かなければうそだ。それでないとこの措置が意味をなさないのでありまして、どの程度にまで制限をしようというお考えでこの新措置をとつておられるのか、それを伺いたいのであります。

木内信胤外国為替管理委員会委員長

○木内政府委員 ただいま御説明いたしましたように、為替予約の始期を信用状到着までやらぬということは、別途の措置と相まつて、契約次第ということにもどすつもりであります。この措置は、不純な為替予約を排除しただけであつて、業界に影響はない、輸出には影響はないと存じます。ただ為替予約の期間は従来六箇月まであつたものを四箇月に縮める。これは確かに輸出上多少不便になりますから、若干輸出制限的味わいありということは事実であります。しかしながらこれは別途ポンド地域向け輸出の一番大きなもであります繊維製品と鉄鋼について——この両者合せますと、約七割になると思われておりますが、それについては別途制限措置をすることによつて、予約の方は延ばすのであります。私の担当事務であります予約関係、予約の相場の問題で、御質問はありませんでしたが、関係事項でありますから、ついでに御説明いたします。先物相場というものは、今まで時期物と非時期物と同じ相場でやつておつたのであります。これは長い先のリスクを政府が保証するのに対して、ただでやるということはいささか緩に過ぎるのであります。諸国の例から見ましても、それはあまりにも行き過ぎた措置だとかねがね思つておりましたので、この際それ対して、年利にして一分の割合の一種の保証料的なものをいただく、これはポンドであれ、ドルであれ、オープン・アカウントであれ、輸入であれ、輸出であれ、全部政府が為替輸出のリスクを保証するのでありますから一律にいただく、ポンドに対してはその一分ベーシスを二分ベーシスにいたしました。これは申すまでもなく、若干ポンド輸出を制限することになります。ですから、このポンドの輸出に対して一分ベーシスを二分ベーシスにしたことと、それから予約の期限を鉄鋼製品及び綿糸布以外のものについては、原則として従来の六箇月を四箇月に縮めたというこの二点が制限的になるわけであります。この二点をやりましたために、どのくらいに制限されるかということですが、これはこうしたからといつて、私はほんとうの制限にはならぬと思う。ただ私どもはあまり先まで予約すると政府のロスになる。英国が切下げれば政府の巨大なる損失になる行為であるものを、あまり先まで延ばすことはないと思いましたから、縮めたのであります。それによつて幾らか輸出を制限したいという意図でやつたものではございません。しかしそれは幾らか制限的になることは事実でありますが、私どもはポンドの輸出というものは近ごろあるべき姿以上にふえていると思うのであります。三十六年度の予想は、従来ありました実績と三月末までの予想を加えたものはドルにいたしまして、ポンド地域は、六億六千三百万ドルであろうと想像されている。これは安本でおつくりになつたものと思うのですが、大体政府の見込みであります。この六億六千二百万ドルと申しますと、それは二十五年に比しまして非常な増加で、倍以上であります。二十五年度は二億八千六百万ドルしかなかつたわけで、日本の貿易が幾らでも伸びるのはいいには違いありませんけれども、それには相当な問題を含んでいる。ポンド輸出がほんとうにふえ出しましたのは、協定で、いわゆるドル・クローズを落しまして以後の現象です。ですから、これは少しふえ過ぎている。実は今申しました三つの意味の制限的措置というものは軽過ぎる。それだけでは足りないのだと私は個人的には考えております。別途通産の方で歳出の大宗品である繊維製品と鉄鋼製品の方に制限措置を加えなければならぬとすれば、その方はそれをお加えになる程度響くわけです。それには通産の方からおつしやつてもらいます。

山手滿男改進党

○山手委員 別途制限ということもありますが、今の木内さんの発言は非常に私は大切なことだと思うのです。この新しい二十七日付の措置が、業界には相当に影響を與えているのにもかかわらず、現在のポンドの趨勢、実勢が高過ぎるということから来る輸出の抑制、そのほかに対してほとんど影響を與えないという見通しである。しかもそういう措置をするということは私は非常に考えなければいかぬことだと思う。何ら解決をして行くゆえんではないので、ただわずかに危険をのがれる投機的な面からも来ておる。危険をのがれる期間をわずかに短縮したというにすぎないように思われますが、そう解釈してよろしゆうございますか。

木内信胤外国為替管理委員会委員長

○木内政府委員 為替予約に関する件は大体そうおとりくだすつていいと思います。

山手滿男改進党

○山手委員 そういたしますと、そこで問題がまたかわつて来るのでありますが、ごく最近の異常なポンド手持ちの累増というのはやはりドル・クローズを落したあと顕著になつて来たということでありますが木内さんは例の輸入証明制度というようなものをお考えになつておられるようであります。やはりそれはインドネシアのルピー貨の処置と一緒に考えた輸入証明制度というものは確かに効果的な一つの措置であろうと思います。しかしこのドル・クローズを廃したときのいきさつ、あるいはなぜそういうふうになつたかということをもう少しお聞きしなければいけないのでありますが、その辺の事情、当時すでにこういう事態が来るということを見通しておられたかどうか、御説明を願います。

木内信胤外国為替管理委員会委員長

○木内政府委員 あの協定をいたしますときには、この点を非常に心配したのであります。でありますから、どういう態度をもつて交渉に応じようか、政府の中で決心がなかなかつきません。先方から代表者が到着したあと一月以上二月近くも待たしたような関係で、非常に心配しながら——ドル・クローズを落せということを向うが言うことは知つておりましたから、落したなら、こういうことがあり得るということが心配でありましたので、ずいぶん議論を重ねて協定に入つたわけであります。しかして協定をやつております最中は、理論的にこういうことになり得るのだということを考えましたから、非常に心配ではありましたが、最後に、理論的にそういう憂いがあるにもかかわらず、協定にサインしたものは、もしドル・クローズを落すならば、英国は協定を全然がえんじない、無協定になるのだ。そうなつたならば、輸出はがた落ちするであろう。相当パニックの状態になる。その当時過剰輸出をかかえて困難しておる経済界でありますから、とうてい耐えられないと考えたので、理論的にはまずいことになり得るのだが、やむを得ずサインしようかと思つたわけであります。しかしながら当時それではどのくらいこうなることを見通していたかというと、遺憾ながら理論的にはそうだが、もう一年間くらいはひどいことになるまいと考えておりました。従いまして、あの協定は一年間ということでサインしたのであります。今年の八月三十一日になれば、別にそれの延長ということを協定しない限り失効いたします。そういうことでありまして、それではまた、なぜそういう甘い想像をしたかというと、弁解がましいですが、若干弁解があります。イギリスの経済が非常に入超を重ねて、今日天下に発表されましたようにドル・バランスが激減して非常に困つた状態になつた。実は協定を盛んにやつております昨年の七月ごろから減り出したのです。六月ごろまでは非常にドル・バランスがふえたので、ポンドは二ドル八十セントではない、三ドルになるというルーマさえあるという状況が六月まで続いておりましたし、私どもが協定を盛んに討議しております七月には、なかなかイギリスの数字は得られませんし、それからそういうふうに形勢は逆転して行くのだということは存じませんでした。それらのことから甘い想像をしたわけであります。その後アバダンの件などがイギリス経済を非常に悪くした。またイギリスが本格的に軍拡態勢に入つたのも、実は最近のことだということがポンドを混乱に陥れているのでありまして、それらが当時予測し得なかつたことによつてかくのごとくなつたのであります。またイギリスがそういう混乱に陥つたので、日本の金を向うは買いたいのです。ドルを払わないでも買えるのですから、どんどん買われるのでありまして、ポンド輸出がどんどん出るわけでありますが、その間にはそういう事情もありました。一言にして言えば、理論的には見通していたが、こう早くは来ないだろうと思つていた。これが正直な説明であります。

山手滿男改進党

○山手委員 きわめて單刀直入な御説明でございまして、私もそうであろうと思います。そこで日英支払い協定の問題でありますが、向うの方からは、日本側から申入れがあれば、いつでもこれに応じていろいろ考え直すような相談をしよう、こういう意思表示をしておるようでありますが、昨日あたりの会議では日本から日英支払い協定に対して軽率に異議を申し出るようなことをするということは差控えた方がいいのではないかというような話合いがされたように今朝の新聞が報道いたしております。これは一時も早くこのポンド地域からの輸入促進の問題を兼ねていろいろ手を打たなければならないのじやないか。いわんや今木内さんの御説明のように、今度の二十七日の措置というものは、ポンドの根本的な解決にならないということになりますと、やはりこれからもポンドはどんどん累積して行く、切下げが二〇%行われて、二百数十億くらいの国庫損失というふうなことになつて行くだけならいいけれども、さらにこれが累増して行くおそれがあると思うのでありますが、そういうことに対しての手はどうなんですか。

木内信胤外国為替管理委員会委員長

○木内政府委員 私さつき申し上げましたのは、為替予約の面の措置というものはそれほど力はないだろうと申し上げたので、通産省が別途なさいます輸出制限の措置は、輸入の可能性と見合つて、その限度にとめるとおつしやるのでありますから、これははなはだ有効な措置であります。この措置がうまく行くならば、現在よりはふえないということにあるいはなり得るかもしれません。その点ちよつと誤解があつたのではないかと思いますので、御説明申し上げたのであります。

山手滿男改進党

○山手委員 その点は私は実際の業者の方々の御意見も並行していろいろお聞きして結論を出さなければ結論は出ないように思つているのでありますが、いろいろ問題が多かろうと思います。ところで、木内さんのお考えになつておられる輸入証明制度というものについて昨日も議論されたようでありますが、この輸入証明制度というのは、証明書の売買そのほかについていろいろ問題はあろうと思いますけれども、これについては大蔵省側の方でもこれは実際的には国内におけるポンドの切下げと一緒だというふうな観点から異論が出たという話でありますが、あなたのその構想を少しお聞きしたいと思います。

木内信胤外国為替管理委員会委員長

○木内政府委員 あれは新聞に大きく出たのでありまして、迷惑したのでありますが、あれも一つの案だと私は考えておる。事務局は非常に興味を持つております。それで大いに研究してくれといつた程度の状況にあります。しかしながらあれも確かに一つの理論にかなつた解決方策であります。ポンドの輸出が出ます場合は、何といつてもポンド貨は世界的の市場で二ドル八十セントと称しておりまして、その相場で日本は取引しておりますが、実際にはそれ以下であると思われておるばかりじやない。ポンド地域が物価が安くて、ドル地域が物価が高いので、その高い方へ輸出が出る。そういうことから輸入証明制度というものがありまして、輸入をしたい者は、その証明書を輸出希望者売にる。そうすれば、一ポンド当り百円で売れることになる。輸入者は千八円の相場の金で九百円で輸入したことになりますし、輸出者は一ポンド輸出して千円もらうかわりに、今の輸入証明代金百円払えば九百円しかもらえないことになります。その証明制度という制度を通じまして、ポンド貨の日本における相場を実勢相場に持つて行くことができる。のみならずそれは自然的に輸入のできる程度しか輸出ができないことになりますから、輸出入をバランスすることになる。これはりくつにはまつたくかなつた制度でありますが、さてこれを実際にやるとなると、なかなかむずかしいし、第一、実勢相場に合せてしまうことは、ポンド輸出がそれだけ減るというわけです。但しポンド地域から安く物が買えるからけつこうであります。買えることによつて、今想定されておるものより以上に輸入ができて来るから、その程度輸出ができて行くわけで、これはめでたしめでたしでありますが、なかなかそう行かないかもしれません。その経過的措置にいろいろなことがありまして、そう簡單にできるものでもない。私自身は新聞には出ますけれども、何もあの措置で行きましようと申しでいるわけではありません。説明の便宜にあれを使つている。たとえばそういうことをすれば、千八円という公定相場を動かさないでも、実勢に合せる手段というものもあるのです。これは諸国もやつているのであつて、必ずしも英当局において異議はないかもしれない、必ずしも国際通貨基金加入問題とは関係ないかもしれないから、研究はいたしましようという程度であります。

山手滿男改進党

○山手委員 その問題でありますが、これはインドネシアにおいても、すでに立案をして始めておるわけでございまして、私は十分研究をしてみたいと思いまするし、具体的な情報をはつきり英国側とも交換をして御研究を願いたいと思います。ところで通産業側にいろいろお聞きをいたしたいと思うのでありますが、備蓄輸入以来、商社が非常な打撃をこうむつております。その矢先に持つて来て、またこのポンド地域向けの特別措置がとられて、商社は非常に踏んだりけられたりというかつこうになつておることは事実でありますが、この趨勢を何とかして是正をしなければならないということで、最近とられておりまする紡績業の四割操短の問題があります。さらに第二次の操短を強行しようというようなことを考えておられるようであります。ところが、紡績界だけではなく、最近はゴム工業界においてもそういうことが考えられる。あるいはまた中小の絹、人絹、そのほかの機屋関係はもうすでに実施をしておる。ひとりでにそうなつてしまつた。そういう実情があるのでありますが、特にこの紡績の四割操短の問題は、私はいろいろな意味でこれは明らかにしておかなければならぬ問題だと思うのであります。これは繊維局長がおいでになつておりまするが、この四割操短をいたしますのは、私は第一に独占禁止法との関係はどうなるか、化繊協会あたりで、昨年あたり相場の変動に備えて、自粛して、申合せとは行かぬまでも、生産を自重してやろうじやないかというふうな会合があつたときに、公正取引委員会あたりは、非常につけねらつていろいろなことをやつておつた。それから政府が先般おやりになつた、業界に対して自粛をしたらどうかというふうな通達に対しても、公正取引委員会は抗議を申し出て、独占禁止法違反である、こういう極印を押しておる。ところが今度の措置に対しては、公正取引委員会は了承を與えておるというふうに聞いておりますが、その間のいきさつ、見解について、これは繊維局長からお聞きいたしたいと思います。

記内角一通商産業事務官(通商纎維局長)

○記内政府委員 独占禁止法によりますと、業者間で申合せをしてとかくの行動をするということは禁止になつておるのでありますが、各業者が個々の思惑でもつて増産しようと、生産制限をしようと、これは独占禁止法の少しも容喙するところではないわけであります。今度の措置といたしましては、われわれの方から各紡績会社に対しまして、四割の操短、正式の文書としましては、逆に、現在の設備の六割を動かす程度にとどめたらどうかという要望をいたしておるわけであります。それに応じまして、業者の方で操短をするということになりますれば、業者間でその申合せをするとか何とかいうことにはなつておりません。従いまして、この問題は独占禁止法の問題ではないということで、公正取引委員会も十分了承済みでございます。

山手滿男改進党

○山手委員 独占禁止法の立法的なねらいというものは、やはり半面に公衆の利益ということも考えられてああいう措置がとられておるのでございまして、そこにあの独占禁止法が強力に、なおかつ今日固執をされておる理由があるのだと私は思つております。業者が自分たちで自粛してやろうじやないかというふうな話合いをすることはできないが、こういう状態になつて来て、官の方で勧告をするということになると、これは許されるということになりますと、独占禁止法の立法の趣旨がくずれることになるのではないかと私は思います。業界の方から、独占禁止法の修正なり緩和なりが陳情されることは、当然そういうところにねらいがあるのであつて、もつともであろう、こういう気がいたします。ところで紡績設備の増設は今日フリーにしておられる。以前審議会があつて、大体二万錘を限度にして、どういうふうな資格のものにこれを許可しようかというようなことで、相当嚴格な基準を設けておつた。その当時四百五十万錘くらいであつたと思うのでありますが、これがはずされてしまつたために、またたく間に今日六百五十万錘になつている。今年内には七百万錘にまでなろうとするような実勢だそうであります。貴重な資材や資金を、片一方に設備制限を野放しにしてどんどんそういうことに注ぎ込んでおろ。ところが片一方では総錘数に頭から原綿の割当をして操短の基準にする、そういうことになりますと、何をやつているのかさつぱりわからない。やはり操短のわくをくぐつて行つて、できるだけ外貨資金の割当をよけいもらうために、業者は無理をしてさらに設備を拡張して行くというふうなことが考えられるかもわからない。操短と、設備を野放しにしておく、この問題の矛盾というものをどういうふうに措置しておいでになるのか、局長から所見をお伺いいたします。

記内角一通商産業事務官(通商纎維局長)

○記内政府委員 設備制限の問題でございますが、現行におきましてはこれを押える法律的な根拠はないわけであります。残された問題は、外貨資金の割当に際しまして、いわゆる米綿購入資金の割当の操作によつて若干の手心が加えられるかという程度の問題でございます。現在までのところ、お説の通りに大体設備に応じた割当をいたしておりましたが、減産の勧告までいたした今日におきましては、今後の資金の割当に際しましては、そういう点を十分加味いたしまして手心を加えて参りたいというふうに考えておるわけであります。

山手滿男改進党

○山手委員 今の局長の御答弁はきわめて私は不満足であります。手心を加えてやるなんということが大体おかしい。現有施設の四割も操短して、操業してはいかぬと片一方では言つている。片一方では、今年うちに二十万錘も三十万錘も——一万錘当り何億という金をかけて業者がどんどん設備をふやしておる。そこで通産省の方から出て行つて、お前の方は何ぼ新設したかということで検査される、そうして設備能力に応じて手心を加える、こういうやり方というものには裏ができて来る。設備の増設が縛られておつたときには、二万錘許可すれば何ぼというような醜聞が業界には相当飛んでおつた。それと同じことを今やろうとしておる。今後増設分に対しては外貨資金は一切割当ない、こういうことを言明さるべきである。手心を加えるなどということについては、私は承服できない。そういう手があつちこちつに残されているものでありますから、今日綿糸が採算割れで、九万二、三千円くらいしかしない、いわゆる恐慌一歩手前のところまで来るおうな状態に相なつて参つておるのだと私は考えます。その点について局長にもう一ぺん御答弁をお願いします。

記内角一通商産業事務官(通商纎維局長)

○記内政府委員 設備の制限につきましては、今言つたように法律的な根拠はございませんが、資金的の面におきましては、すでに大蔵省並びに日銀当局から新設、増設に対しては金融はまかりならぬという通達が出ております。おそらく現在のように繊維界の不況な際におきましては、金融機関から資金を新しい設備資金として融通するということは考えられないと思つておるわけであります。但し業者の方面において、自分の運転資金あるいは手元の余裕金をもつてこの方に振り向けるということは、ある程度考えられるのでありますが、現在におきますような不況の著しいとき、また金融梗塞のはなはだしいときに、無理をして設備を増設するということは非常に少いのじやないか。ただ従来の行きがかり上、あるいはある程度の経済単位に達すると申しますか、合理的な運転をするための増設ということは、逐次行われることは予想されるわけであります。今までのような大幅な増設をするということは、一応この程度で終つておるのじやないかというふうに見ておるわけであります。なお手心を加えるということで御意見がございましたが、何もこれは個々別々にわれわれの方で筆先でどうこうするということでなくして、一定の基準に基きまして、設備を増設したものに対する割当はどうするかとか、あるいは勧告に応じなかつたものに対する割当はどうするかとか、一つの確立した基準を設けまして、そのものさしに応じた割当をして行くということでございます。何も個々の業者の内容に応じて、いわゆる文字通りの手心を加えるという考え方ではないのでございます。その点は御了解を願いたいと思います。

山手滿男改進党

○山手委員 ポンド圏に対する輸出調整措置がとられ、それに逆な措置もいろいろとられておるのでありますが、今日商社の窮乏というものは、想像以上にひどいものがあると私は思います。それについて、先般来紡績業者、銀行、そういうものが集まつて、いろいろ危機を切り抜ける相談をいたしておることは御承知の通りでありますが今日一番心配をされておるものは、いろいろな措置によつて一応大商社は危機を切り抜けるかもしれぬのでありますが、その下につながつておるところの、福井とか、桐生とか、足利とか、あるいは尾州とかいうふうな中小の機業地帶が、一時的にではあるかもしれませんけれども、全部苦しい金融難の面をしわ寄せされてしまつて、非常な不況に陥るおそれがあるのじやないかというふうな気がいたしておるのでありますが、繊維局長はその点についてどういうふうにお考えになつておられますか。

記内角一通商産業事務官(通商纎維局長)

○記内政府委員 最近のような金融の逼迫のはげしいときに、また今まで手形取引が主として行われておりましたのが、手形信用がなくなつて現金取引に移行しつつある今日におきまして今まで相当長い期間不況を経験いたしました機業地の方面で相当金融逼迫を告げておるということは、われわれも十分承知いたしておるわけでございます。この点につきましては、いろいろ対策について各方面と打合せを続けておるわけであります。たとえば、根本的には商工中金を中心としまして、この方面の資金のめんどうを見ることによつて、商工中金を通じて業界の方に資金が流れるという方策で、いろいろ折衝をいたしておるという状態であります。

多武良哲三自由党

○多武良委員長代理 大分時間も経過いたしましたので、貿易に関する件につきましては、次会において質疑を継続することにいたし、本日はこの程度にいたしたいと存じます。暫時休憩いたします。     午後零時三十六分休憩      ————◇—————     〔休憩後は開会に至らなかつた〕

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