通商産業委員会 第10号
- 発言数
- 42 件
- 登壇者
- 5 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1952/02/25
会議録
○中村委員長 これより会議を開きます。 本日の日程に入ります前にお諮りいたします。委員でありました風早八十二君が二月十三日委員を辞任せられ、本日再び委員に選任せられましたので、風早八十二君を再び電気及びガスに関する小委員、中小企業に関する小委員、繊維に関する小委員及び費易に関する小委員に補欠選任いたしたいと存じますが御異議ありませんか。 (「異議なし」と呼ぶ者あり)
○中村委員長 御異議なければさよう決します。 —————————————
○中村委員長 本日は旧軍廠施設拂下げに関する件について調査を進めたいと存じます。質疑の通告がありますから、これを許します。山手滿男君。
○山手委員 最近この通産委員会はきわめて不活発であります。この時の流れが非常に急ピツチで流れておつて、ポンドの問題とか、あるいは繊維工業の操短の問題であるとか、あるいは商社の金融対策の問題であるとか、緊急非常事態に対処して行かなければならない問題が山積しておるのでありまするが、それらの事柄がこの通産委員会、国会を素通りをして顧みられないような風潮があるように思つておるのでありまして、私どもはきわめて遺憾に思つております。かつての軍工廠の活用の問題のごときものも、きわめて日本の経済再建にとつては重要な意義を持つものでありまして、これらの経過なり、あるいは具体的ないきさつというものがつぶさに説明をされなければならないと思つておりまするが、これもおざなりなものであつて、私どもはきわめて残念に思つておる次第でありますが、きようちようど議題になりましたので、五人委員会がその後きわめて活発に動いて結論を出そうとしておるように承つておりまするので、五人委員会の今日までの審議し、あるいは協議をいたしました経過なり、あるいは結論的なものが出ておれば、それについて当局より詳細に御報告をお願いをいたします。
○本間政府委員 お答えをいたします。御承知のように五人委員にお願いをいたしております方々は、それぞれ本職がございまして、非常に御多忙なのでございますが、非常に勉強していただきまして、今までに七回ほど会議を開いております。それから大臣の方から過般お話があつたと思うのでありますが、とりあえず播磨の方を先に結論を出したいということで、四日市の方はしばらくの間でございますが、五人委員会の会議には議題にはならずにおるような状況でございます。そこで播磨造船所に関しまする件でございますが、大分資料や、それから各方面からの検討も進んでおりまして、一ぺん現地を視察したいというような御希望もありましたので、過般五人の委員各位にそろつて現場を視察していただいたような次第でございますが、明日また会議を開く予定になつておりますが、まだ結論にまでは到達しておらないという状況でございます。四日市の方も先ほど申し上げましように、しばらく播磨の方にかかつておりました関係上、議題にならなかつたのでございますが、提携をいたしておりまする外国会社の方でいろいろな計画があるようでございまして、一応その計画も聴取する方がよかろうということになりまして、明日大体その方の話を聞く予定にいたしております。
○山手委員 播磨の方を先決にするというお話でございますが、前回の委員会で自由党の今泉委員から五千トンプレスの問題について大臣に質問がありました。大臣は取調べて考えるというお話であつたと思うのでありますが、その点について御調査なり、あるいはいろいろな両者の利用方法をめぐつて御研究がなされたかどうか、その結果についてお尋ねをいたします。
○本間政府委員 御指摘のように過般の委員会におきまして今泉委員から五千トンプレスの施設を持つておつても、稼動しておらないような事実もあるので、この点につきまして十分調査をするようにという御意見がありましたことはお説の通りでございます。従いましてどういう関係で五千トンプレスを神戸製鋼の方で使用いたしておらないか、その事情をただいま調査をいたしております。明日の五人委員会にはその概略の御報告ができようかと思いますが、調査をいたしました経過を通商企業局長の方からでも御報告をいたすごとにいたしたいと思います。
○石原(武)政府委員 私からお答えを申し上げますが、神戸製鋼にいわゆる五千トンプレスがあるといわれておりまして、これはある程度のものが工場にございますが、そのいきさつは戰時中に大型鍛造品をつくるという目的であそこに五千トンプレスを一基入れるということで進んでおりまして、ドイツにこの発注をいたしましたが、いろいろな戰時中の事情で全部輸入ができませんで、一部分だけ輸入ができまして、その後不足の部分を国内でつくるということにして進めておつたわけであります。国内のものを入れて約八〇%くらいといわれておりますが、そろいまして組立てにかかつておつたわけでありますが、戰時中爆撃を受けまして、その一部がまた破砕をされたという状況でございます。これが現在どの程度にできておるかということは、見る人々によつて違うかと思いますが、今普通にいわれておりますのは、五〇%以下くらいのものが残つておのという状況になつております。従いましてこれをもし稼働いたしますためには、その不足あるいは破損された部分を補いますとともに、終戦後六年有余まつたく雨ざらしになつておりましたので、その間の整備を必要とするという事情は当然ございます。それからなお神戸の工場は非常に手狭でございまして、建屋も当初の計画の半分以下しかできておりませんし、その後神戸の山手工場が戦災を受けたためにいろいろ山手工場のものを海岸工場に移しました関係もございまして、現在は非常に手狭で、このプレスを十分に稼働させる余地も少し無理であろうという状況になつておりまして、かりに播磨の五千トンプレスが使用可能であるならば、現在あります神戸の破損しておりますものを今後補修し、修理して参りますよりも、経済的にはるかに有利であろうということは一応考えられると思います。なお大谷の方は二千トンプレスがございまして、戰時中動いておつたのでありますが、御承知のようにあそこは非常に沈下いたしますし、かつて風水害で非常に災害も受けておりまして、大谷といたしましては、現地であれを修理して使うといたしましても、また何時か風水害等のために相当長期間使えなくなるという状況が予想されますので、現地で使うことは、われわれといたしましても、少し無理じやないか。あの場所でたとい修理いたしましても、非常に沈下をしておりますので、将来長くその施設が使えるということは非常に困難であろうというふうに考えております。 以上申しましたように、両社ともそれぞれ、一方はある程度の中間の施設がございますし、ある程度は一応機械自体としてはございますか、ただいま申しましたような事情で、現地でそのまま使うということはなかなか困難であろうというふうに結論づけられると思います。
○山手委員 鍛造施設でありまするが、これは軍需工業と密接な関係を持つておるわけですが、日米経済協力の問題から、最近だんだん兵器や何かも日本において製造するというふうなことも考えられておるのであります。こういう鍛造施設、大型のプレスなんというものが、播磨自体についていえば、日本のウエイトからしてどのくらいのウエイトを占めておるものか。それからまた将来大きく日米経済協力というものが現実になつて来た場合に、昔のよのな形で独立にこれを運営して行くのがいいのか、あるいはまた食い荒されたようなかつこうで、どこかの会社にまかすのがいいのか、その点について私は通産省はもつと真剣に考えて行つた方がよかつたと思いますが、どういうふうにお考えでありますか。
○本間政府委員 御指摘のように、将来いろいろな方面も考慮をしなければならぬということは御説の通りであろうと思います。従いまして五人委員の各位も、今山手委員の御指摘になりましたような点も考慮をいたしまして、できるだけ分割をしないで、かりに一社なら一社が経営をいたすにいたしましても、将来の需要にも応じ得るように、わけないで工場そのものを動かすという考え方に立つて御審議をいただいておるように私どもは見ておるわけでございます。あと技術的な問題がございますので、それは政府委員の方からお答えいたします。
○石原(武)政府委員 ただいまお尋ねのございましたうち、両社がどれくらいの鍛造の生産を実際やつておるかという点につきましては、神戸製鋼は日本の大きな鍛造メーカーでございますが、ことにそのうち今問題になります大型の鍛造品のうちクランク・シヤフトは約四五%くらいのものをつくつておるわけでございます。それから五千トンプレス程度を要する大型鍛造品のパーセンテージはちよつとはつきりいたしませんが、鍛工品全部といたしますると、神戸製鋼は約一四%という数字になります。それから大谷の方は、先ほど申しましたように現在二千トンプレスが動いておりませんので、いわゆる鍛工品は現在はつくつておりません。大谷があそこの施設を利用します計画は、大型のロールを中心に考えておるわけであります。現状としては、鍛工品の実績はさしあたりのとこはございません。
○山手委員 クランク・シャフトみたいなものをあそこであの活用計画に基いて神戸がやるということになると、これはやはり一種の独占禁止なんかにひつかかつて来るということになりはしませんか。
○石原(武)政府委員 神戸製鋼の計画は、現在あそこで二千トンプレスで大型のものを打つておりますが、これは相当古くなつておりますし——たしか明治時代のものかと思いましたが、非常に古いということと、設備自身に亀裂が入つておりまして、神戸の計画といたしましては、播磨の施設が利用できるようになれば当然あの施設は使わないということになります。また技術的に考えましても、今後長くあのプレスをそのままで使えないということだそうでございますので、もし神戸が播磨の施設を利用するようになりましても、現在やつておる製品をあそこで打つということになると思いますから、特に全国の生産技術があの施設を利用するためにそう大きくかわるということはないかと思います。御承知のように北海道に日本製鋼がございまして、ここでも相当やつておりますし、この施設の利用だけによつてただちに独占禁止法にひつかかるというような問題はないのではないかと考えております。
○山手委員 まあどちらにきまつてもいいのですが、あの四日市の問題もそうですが、播磨の問題についても、中央部が他のものによつて利用されておる。播磨の方はずいぶん大きな部分が——機械工場というようなものが、鉄道によつてその機械工場とは別な目的で、貨車なんかをつくる目的に利用されておるようでありますが、こういうふうな戦時中の国の遺産が分散されたり、変なふうに活用されて行くということは非常に国家の損害でありますので、どこに拂い下げたにしてもやはりこういうものを解決をして、一体化して、一本にして、すつきりした姿で渡してやらなければ、私はほんとうの値打がなくなつて来るように、思うのでありますが、その点はどうなつておりますか。あれは鉄道の方が活用しております。しかもほとんど重要でない。何が代償にあそこをもらつたのだというふうなことでもらつておるようでありますが、そういう国鉄の方の活用というふうなものはむしろとりやめて、そうして一本にして、すつきりした姿であれを将来の日本の産業に役立たせるようにこの際やつておかなければいかぬ、こういうことを私は考えるのでありますが、どういうものでありますか。
○本間政府委員 五人委員会員の方々も、これは非公式な話でございますが、ざつくばらんに申し上げますと、今山手委員の御指摘になりましたような感じをみな一様に持つておるようでございます。従いまして、どういう取扱いになりますかはまだ決定をいたしておりませんけれども、ただいま御指摘のような点を十分尊重いたしまして、交渉をすることになりますか、どうなりますか、その点はまだ不明でございますが、御指摘のような点は五人委員会の方でも、同じような感情を持つておられるということを申し上げたいと思うのでございます。
○山手委員 最後に一つ委員長にお伺いをいたします。こういう旧軍施設というものが全国に八百箇所もあつて、町の宝庫といわれておるものがほつたらかしになつておるようでありますが、講和條約の効力発生と同時に、どうしても早急にこれらを全面発に活用する道を開いて行かなければいかぬと思うのでありまして、またまた播磨、四日市の燃料廠というものはその大きなもので、それが手をつけられたのでありますが、この委員会としては関心なきを得ないので、できるならば早急にこういう代表的なものを当員会が現場を見て、活用の道を立てて行くとを考える必要があると思うのでありますが、委員長、これについてどういうふうに処置していただけるか、御答弁をお願いいたします。
○中村委員長 私から申し上げます。ただいまの御説はごもつともと思うのでありますが、国会開会中に委員会として調査に参りますることについては、議院運営委員会の承認を要する関係になつておりますので、その方面とも協議をいたしました上で、とりはからいをいたしたいと考えております。 次は風早八十二君。
○風早委員 拂下げ問題が国内でいろいろ波紋を起しておるようでありますが、それに関連しまして、いろいろ今切かえの時期にあたつて、考えておかなければならない諸問題があると思うのであります。これを二、三政府当局にお尋ねしてみたい。実はこれは通産大臣にお願いしたいのでありますが、そのつもりでお答えを願いたい。 大体今まで軍工廠、またそれに類似のものもたくさんありました。その中で司令部がこれから継続して使用するという見込みのものがやはり相当あると思うのでありますが、今後もどことどこを司令部が自分でやはり継続して使用するということになりますか、これをひとつお示し願いたい。
○本間政府委員 この実際の所管は、実は大蔵省になるわけでございますが、引続きどの程度のものを司令部の方が継続的に使用せられるかということは、まだ一切わかつておらないのでございます。
○風早委員 そうすると、所管は大蔵省にあるということははつきりしておるわけですね。そうしますと今後司令部が継続して使用するという工廠については、どういう法的な根拠で、どういつた形になるわけですか。この点を明確にしていただきたい。
○本間政府委員 御承知のように、ただいま行政協定が進行中でございまして、その方の決定がどうなりますか、それによるのではないか、こういうふうに一応考えております。
○風早委員 通産委員会にまで行政協定の折衝中という御答弁がずつと引継がれておるわけですが、行政協定は大体きようにも仮調印をなされるというような情勢を承つておるわけです。少くもこういう具体的な帰属関係というようなものについては、もうすでにはつきりしておるはずだと思うのです。今までも大体これこれの工廠は継続使用だというふうに新聞あたりでも伝えられておつたと思うのですが、一歩譲りまして今までのことはとにかくとして、通産省当局としてはどこどこは残す——これは今後は日本がきめる問題だと思うのですよ。どこどこは残す、どこどこは継続使用を許す、こういつたような方針はやはり日本側であると思うのです。その日本側で提示せられておる方針でもいいですからお示しを願いたい。
○本間政府委員 前会にもお答えをしたかと思うのでございますが、原則として日本側の方へ返りますように希望をいたしておるわけでございます。まだ折衝いたしております方面から何らの御連絡もありませんので、個々の場合についてはお答え申し上げるような段階に来ておらないことを御了承賜わりたいと思うのでございます。
○風早委員 一応この問題は預つておきます。ただ個々的な問題として、今後若干は継続使用ということになるだろうと思いますが、そういう場合にそれはいわゆる軍の直轄工場というようなことになるのか、單なる特需工場というようなことになるのか、それらの両方を含むのか、その点はどうでありましよう。
○本間政府委員 その点はまだわかつておりません。
○風早委員 これは秘密條項でも何でもないと思うのです。そう一々何も答えられないとはなはだ審議もやりにくいのでございますが……。 それでは次に問題を移して、今山手さんからもいろいろ御質疑がありましたが、その中で私はちよつと感じたわけですが、いろいろ生産設備、プレスなんかも相当大きなものがある。こういうようなものがほかの用途に分散させられる、これははなはだ望ましくない。やはり一まとめにして産業に役立たせたい、こういうお話でありまして純粹に技術的に考えますと、そういう議論も成り立つと思うのです。五人委員会が同じような感情を持つておられるのもどういう意味か知りませんけれども、純粋に技術的にいえば、そういうこともいえると思うのです。しかし私はこれらの旧軍事施設というものが今度まとめられて、何に役立てられるのかという点でやはりもう少し明確な見通しを持ちたいと思います。おそらくこれはやはり軍需向きに主として新しく役立てられるのであろうと考えられるのでありますが、その点は原則的といいますか、一般的には間違いのない点であるのか、これをお尋ねいたします。
○本間政府委員 ただいまお答えいたしました播磨の問題にいたしましても、申請者の計画に従いまして、それをできるだけ日本の産業のために役立たせるような観点から検討いたしておるのでございます。従つて申請者の計画を見ますと、それぞれの申請者の計画が違つておりまして、ロールのようなものをつくりたいというような計画を立てておるものもありますし、それから船の方に使いますシヤフトのようなものをつくりたい、それも従来つくつておつたようなものをつくりたいというような計画もございまして、申請者の方では日本の産業上必要なものをつくりたいという考えから申請いたしておるような状態でございます。
○風早委員 日本の産業に必要なもの、それはそれにきまつておると思います。そういう抽象的な御答弁ではこれは通産当局としてはどうかと思うのです。一体今後日本の産業というものをどういう方向で盛り上げて行くか、その具体的な内容が問題だと思うのです。これらのたくさんの軍工廠、老朽しておるものもありますが、いずれも巨大な設備を持つており、たとえば相模の工廠なんかにしましても、まだ戰車生産に使用可能であり、そのほかに幾らでもまだそれぞれ役立つものがあるのです。今後これらのものを大きく軍需向きに切りかえて行くことによつて日本の産業に役立てるという考え方もあり得るわけです。そういう点について通産省当局としては日本の産業をどういうふうに勃興させて行くか、これらの拂下げなりあるいはまた管理継続なり、この問題全部を通じてお尋ねしたいと思います。
○本間政府委員 通産省といたしましては、日本の産業を軍需向けに至急に切りかえて行くというような考えは、ただいまのところ持つておらないのでございまして、従つてこれらの稼働いたしておらない施設に対しても、そういう方面にただちに使うというような考えは持つておりません。
○風早委員 そうしますと他の面からお尋ねしてみたいのですが、実は日米経済協力といつても結局は日本の現有生産設備を利用して、一面東南アジア向けの貿易を通じて向うから原料をもらつて来て、他方日本の生産設備能力を百パーセント活用して、アメリカの軍擴とも密接に関連して日本で軍需生産を行つて行く、こういう線が出ておると思うのです。そういうこととまつたく関係がないかのごとく御答弁があるわけです。特別に今後日本の産業を軍需向きに発達させることは考えておらぬ、これは日米経済協力の線とは少し違うと思うのです。そういう点をもう少し率直に言つてもらいたいと思います。
○本間政府委員 日米経済協力の問題も、まだ具体的なものがきまつておらないような状況でございまするし、従つてどういう点で日本が協力いたしますか、まだはつきりいたさない状況でございますので、私どもといたしましては、先ほど御答弁申し上げたような線で、急に日本の産業をそういう方向へ方向転換して行くというふうには考えておらないのでございます。
○風早委員 一部分はこれから軍需向きの生産が考えられて来ていると思うのですが、そうしますと日本の今後の軍需生産は特にアメリカの軍擴にどの程度の比重を持つのか、日本の軍需生産に対しては、アメリカ側はほとんど期待しておらないと了解してよろしいのか、あるいはやはりアメリカとしては日本の生産能力を軍需生産に百パーセント使つて行こうと考えているものと了解してよいのか、考えていたつてそれはやれない場合がたくさんあるわけですから、そういうアメリカの考え方、そして日本政府としてはできるかできないかは一応第二として、どういうふうに役立てて、どの程度に役割を果して行くかという点を知らせていただきたい。
○本間政府委員 先ほども御答弁申し上げたのでございますが、まだこまかな点がきまつておりませんので、どういうようなぐあいに進みますか、通産省といたしましてはまだ明確な連絡がございませんので、具体的なところまで話が行つておりませんので、はなはだ恐縮に存じますが、先ほど申し上げたような線で考えているということを繰返して御答弁申し上げるほかにないのであります。
○風早委員 私は本間さんがしいて問題をそらしているようには考えないつもりですが、しかし少くとも安本だけがそういう点について方針を持ち、計画を立てていることではなかろうと思います。やはり通産省が実際には行政面を担当するわけであつて、通産当局としては、それくらいのことは直接行政協定の交渉の内容についての連絡がないにしても、今まで日米経済協力の線で日本に対して一体どういう要求がすでになされておるか。また最近では、工作機械についての視察団までもやつて来ておる。日本の工作機械の転換ということになりますと、これは日本の生産全体の方向、その企画というものを大きくかえて行くことによつて、その方向を與えてしまうことになるわけです。そういう点については、私は常識的に考えて、通産当局として知らないということはあり得ないことだと思う。また実際責任者としても知つておるのが当然であろうと考えざるを得ない。あまりに空漠としておつて、何ら方針がないような御答弁なんですが、ただ成行きで業者の申請にまかすようなものじやなかろうと思う今こそ日本の産業の転換の機なのでありまして、今までもやもやしていたやつをそればこれからいよいよ軍需生産だ、日本の活路はこれしかないのだ、これでやつて行くというのならば、われわれはむろんそれに対してはいろいろお尋ねしたいことはあるわけであります。しかしそういうふうな方針が全然ないというようなことでは、これはもう話にならないのです。われわれがきわめて限られた便宜をもつて集め得る資料によりましても、方々の工場経営において、すでに軍需生産というものは始まつておるわけです。これは、完成品、たとえばダイナマイトといつたようなものが旭化成あるとか、日本化学というよろなところでつくられて、現に旭化成あたりから、朝鮮向けと仏印向けがあつたようであります。仏印向けでは、二千箱も一月二十日に神戸から積出しがなされておるというふうなことも事実聞いておるわけです。また特に中日本重工と冨士自動車といつたようなところにおいて、やはり兵器生産ということが具体的な計画に上つておるとも聞いておるわけです。こういうことが一般的な方向として打出されて来ておるのではないかと考えるのです。そういう点で明確な方針をまず示してもらうことが必要じやなかろうか。われわれは、ただ個々の事例をつかまえて水かけ論をやつてもしようがないのでありまして、通産局としては、日本の産業をこれからどういうふうに持つて行くかということについての方針はありそうなものだと思うので、重ねて政務次官としてのお答えを要求したいと思う。
○本間政府委員 工作機械の問題にいたしましても、この間向うの調査団が参りまして、日本の工作機械に関する調査をいたしただけでございまして、たとえばどういうようなものを注文したいとかいうことは、これらの調査団の権限外のことのように私ども伺つておるのでございまして、かりにどういうような注文があるにいたしましても、その方向もまだまつたく明確になつていないわけでございます。 それから御承知のように、私どもといたしましては、輸出入のバランスをできるだけ擴大したところでその均衡をとつて行きたいという考え方の上に立つて、二十七年度の生産計画も安本と相談をいたしておるようなわけでありまして、特に日本の工業、日本の産業というものを急に軍需に転換をして行くというような考えは持つておらないのでございます。それで御指摘の点もあつたと思いますが、御承知のように、占領軍がその必要から日本の工場などに兵器の一部をつくつらせているというようなことはあろうかと思います。先ほどもお答えいたしましたように、日本の政府は、急に軍需生産の方に日本の産業を転換して行くような考えは今のところ持つておらないわけでございます。
○風早委員 どうも要領を得ないのですけれども、結局今やろうとしても、事実軍需生産は世界的に見て目下中だるみになつている。ことに西ヨーロッパ諸国において、イギリスにおいても同様ですが、非常にこれは停滞している。一方で非常に軍需生産をあせる向きもあるけれども、事実なかなかそうは行かない。ことに日本では、原料高という非常に不利な條件があつて、軍需生産をやつたところでそうもうけにはならぬ。いろいろそういう具体的な事情が前提になつているわけです。そういうふうなわけで、今急にそう簡單にかえるわけに行かぬ、こういうようなお考えなのですが、私はそのもう一つ前を聞いておつたわけです。そういうようなことがいろいろあるので、現在急に軍需生産というようなすつきりした線を出してみたところで、それが実行されるものでないというような前途を見通してのお考えであるのか、あるいはまだ何らきまつておらぬというのか、方針というものと事実それがなかなかやれそうもない、そのいろいろな困難というもとを一応わけて、そうしてその方針というものについて考えておるのか、それをひとつお答え願いたいと思います。
○本間政府委員 これはどうもたびたび申し上げて恐縮なんですが、日米経済協力といいましても、その線がまだ明確でないのでございますから、やはり私どもといたしましては、日本の輸出入のバランスをできるだけ擴大したところで均衡を保つて行くような考えから、二十七年度のいろいろな物資の生産計画を立てて行くという考えでございます。どうもお尋ねの線とあるいは一致しないかもしれませんが、正直に私どもの考えを申し上げておるのでございまして、決して故意に歪曲して御答弁を申し上げておるわけではないのでございますから、その点はどうか御了承を賜わりたいと思うのでございます。
○風早委員 それはよくわかりました。ですからこれはその程度にとどめますが、大体そういうことであろうと思います。今日米経済協力といい、軍需生産転換といつたところで、まつたくまでわからない。つまりアメリカとしても、日本の軍需生産をして演じさせる役割についても、まだ明確な方針というか、具体的な内容が打立てられておらぬ。そういうところから方針を立てようにも立てようがない。大体そういうことだと一応了解しております。ですからその点はもう少し明らかになつてからに讓ります。 もう一点だけはつきりさせておきたいと思うのは、今軍需生産を日本で事実やつておる者があるわけですが、将来としても日本で軍需生産をどんどんやるというこは、日本の経済の全体にとつての問題もあるわけです。平和産業に対する資金資材の圧迫というような経済的な問題もありますが、戰争を放棄し、軍隊を廃止する、そして平和を主張するという憲法の根本精神からいつて、かりに日本の軍隊と一応無関係だといわれる場合でも、何か抵触するものはないか、そういう点については明確な確信を持つておられるのか、あらかじめお答え願えればけつこうであります。
○本間政府委員 憲法との関係は、私がお答弁申し上げるのは不適当かと思いますが、御承知のように、ただいまは兵器の生産を禁止いたしておる法律がございますので、ただいまのところは法律改正をいたさなければ、日本政府の方が兵器生産をやるというわけには参らないという見解をとつております。
○風早委員 そうしますと旧軍関係の諸施設が、全部一覧的に司令部なり安本なりにおいて検討され、それぞれの工廠その他において、どういうものがそこ生産可能であるか、非常に詳細に調べられておる。従つて條件が許すようになれば——條件というものは憲法上という意味ではなくして、実際の必要、また経済的、技術的な條件が可能になる場合においては、これがずつと発達して来るような時期が見通されるわけであります。今まで光学兵器関係にしましても、その他航空機の部分品にしても、いろいろつくつておるところもあるわけです。私どももずいぶん指摘したわけでありますから、一々ここで繰返しませんが、今後こういうような詳細な生産能力の調査が生きて来る時期においてという意味でお尋ねするわけですが、はたして日本の憲法上の基本方針、基本原則に対して、それは食い違つて来はしないか。またそれによつて軍需生産に転換して参りますと、産業界そのものが、つくられたものを価値づけて行くために市場を求め、いやでもおうでも戦争を要求するという方向に行かざるを得ないわけです。これは経済法則として当然行かざるを得ない。そういうようなことについては日本の国家百年の大計の上で、どの程度まで考えておられるか。そういう点を考慮して、これはなかなかそう簡単に軍需生産転換ということはできないというふうに考えておられるのか、その辺を最後に伺つておきたいと思います。
○本間政府委員 御承知のように、占領軍当局が兵器と申しますか、そういうものを必要上つくつておりますことは御承知あると思うのでありますが、日本政府が今後兵器のようなものをつくりますならば、これは法律の改正がぜひとも必要であると私どもは考えております。憲法との関係につきましては、私でない方がよろしいかと思いますので、その点の御答弁は遠慮申し上げたいと思うのであります。
○中村委員長 他に御質疑はありませんか。——なければ、本日はこれをもつて散会いたします。次回は二十九日に予定しておりますが、公報をもつてお知らせ申し上げます。 午後二時四十七分散会