懲罰委員会 第4号
- 発言数
- 102 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1952/03/12
会議録
○眞鍋委員長 これより会議を開きます。 この際お諮りいたします。理事石川金次郎君が委員を辞任いたしましたので、理事の補欠を選任いたさなければなりませんが、理事の補欠は先例により委員長において指名するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○眞鍋委員長 御異議なければ、石井繁丸君を理事に指名いたします。 —————————————
○眞鍋委員長 議員川崎秀二君懲罰事犯の件を議題にいたします。本人の川崎秀二君が出席されておりますので、前会に引続き同君の一身上の弁明に対する質疑を続行いたします。質疑は通告順によりこれを許します。有田二郎君。
○有田(二)委員 川崎秀二君にお尋ねしますが、本会議の演壇に上るということは、場内交渉係でも嚴に禁ぜられておるところでありまして、演壇に上るということそれ自体について理由はまた別といたしまして、議長の許可なくして他の議員が演壇に上るということは、私はいけないことと思うのでありますが、川崎さんはどうお考えになりますか、承りたい。
○川崎秀二君 議題に直接関係なしに、議事進行の手続をとつておらない者が、もし上るとなれば、それはいけないと思います。
○有田(二)委員 議事進行の動議を出しておられても、議長の許可なくして演壇に上るということはいけないことでありまして、おそらく川崎さんもその点は、この前の答弁である程度お認めになつておられるということを私は考えるのです。しかもこの本会議における川崎君の懲罰動議に対する一身上の弁明の中に「しかるに、私が議長と呼びました際に、議長は当然これを許可したものと思つておりましたが、登壇いたしますると、どうやら議長の指名している登壇者の名前は違つておるようでありました。」こう率直にあなたがその事態をお認めになつておられるのであります。従つて、あなたとしてはあなたの言分がおありになりましようけれども、自分の名前と違つたとお考えになりましたならば、私どもはただちに降壇するのが妥当であると実は考えておつたのであります、あなた自身としては、あなた自身のお考えを当時述べておられたのですが、私はさような考えを持つておつたのであります。 さらに「事件はすでにその日に片づいておるものを、今ごろになりまして懲罰事犯を犯したということで出して来るということは、私は、自由党の諸君がいかなる良識を持つておられるか、いかなるかけひきに基いてかがる行動をされておるか、まことにその心事の随劣を疑うのであります。」とあなたはおつしやつております。あなたも御存じの通り、第二国会の石炭国管のときに、私の懲罰事犯がありました。それは十一月二十一日の事犯を、すでに野党、與党の間において、議院運営委員会で話合いがついて、淺沼君なり私たちの問題は解決しておつた。しかるに翌十二月に入りましてから、生方大吉君の問題が問題になりまして、そうしてあらためて私どもを、相当の日数がたち、しかも一応の話合いがついておつたのにかかわらず、懲罰に付して、登院停止一箇月を、あなたも賛成して御投票なさつたことを御記憶があるだろうと思う。その御記憶のあるあなたが、こういうような「私は、自由党の諸君がいかなる良識を持つておられるか、いかなるかけひきに基いてかかる行動をされておるか、まことにその心事の陋劣を疑うのであります。」ということは、みずから天に向つてつばきを吐くのと一緒であつて、あなたは当時そういうことでおやりになり、しかもあなたみずからが投票なすつて、そうして私を懲罰におかけになつたそのときの一票である。(「何だ、そんな質問がどこにあるか」と呼ぶ者あり)委員外の発言を禁止してください。
○眞鍋委員長 議員の不規則な発言はお愼みください。 〔「一身上の弁明を批判することは許されませんよ」と呼ぶ者あり〕
○有田(二)委員 何が許されないのだ。退席しろ。委員じやないじやないか。(「議員は委員室に入れる」と呼ぶ者あり)入れるけれども、だまつておればいいじやないか。こつちはこつちで質問しておるのを、じやまするやつがあるか。
○眞鍋委員長 御静粛に願います。
○有田(二)委員 委員外から文句を言うな、黙つておれ。またお前も懲罰だぞ。だんだん忙しくなるよ。(「非常識だ」と呼ぶ者あり)非常識はそつちだよ、ばか言うな。そういうような点から考えて、あなたの当時の一身上の弁明のこの言葉というものは、当時の状態から考え合せてみて、私はこの点については、あなたに反省していただきたい、かように考えるものであります。さらにまたその後におきまして、「予算委員会におけるところの野党側の行政協定のあの肉薄ぶりに対して、今一太刀返しておかなければ腹いせにならないというのか、あなた方が今日出して来たところの趣旨である」と、こういうようなことも述べておられるのでありますが、私ども自由党が懲罰動議を出しましたゆえんのものは、あなたが演壇を占拠された、しかも場内交渉係でも通つてはいけないところ、場内交渉係が演壇を通つても懲罰になるというようなところを、しかも場内交渉係でないあなたがお上りになつた、しかも議長の許可なくしてお上りになつたという点で、あの点われわれは非常に遺憾に考えておつたのであります。あなたはまたそのあとで、「自由党が本国会において、暴力的な数をもつてあらゆる案件を葬つたことを、国民とともに痛憤の念やるかたなきものがある」こうおつしやつおられますが、あなたはかつての片山内閣、芦田内閣当時において、当然数によつて法案をお通しになつたのである。数は選挙によつてきまることなんです。しかも自分の一身上の弁明の中にこういうこともおつしやつておられますし、また「自由党の諸君が、数をもつてあらゆる非合理を侵しておる」こういうようなことはあなたの一身上の弁明にしても、非常に議員生活の経験を経られたあなたの言としては、私どもは妥当でない、かように考えておるのであります。とにかくあなたも最初にお認めになつておられる通り、演壇に上るまでは、これは議長が呼んだもの、あるいは自分が当然そういうふうに呼ばれるもの、そう考えてお上りになつた。上つたところが自分ではなかつた。どうやら議長の指名しておる登壇者の名前は違つておるところをはつきり確認しておられますから、あなたがお上りになつたことについて、そのあなたのお考え方は別としてわれわれはこれは当然妥当でない。しかもあなたは場内交渉係でない。しかも交渉係でも通つてはいけない場所にお上りになつたという点について、遺憾の意を表しておるのであつて、それを自由党として報復的であるとかなんとかいうあなたの考え方は、私は当らないと思うのであります。 それで私はあなたにお尋ねしたい点は、あなたはその後本委員会において懲罰事犯にかかるべきものでない、こういう考え方を今日においても断固おかえにならないというのでありますか、それとも幾分はやはり演壇に上つたことは自分にも責任があつた。こうお考えになるかどうか、承りたいと思うのであります。
○川崎秀二君 御質問の点は、一番最後にお述べになつたことと思いますけれども、その当時の——私が最初のこの委員会で弁明いたしましたように、私は成規の手続を経て行つた行為でありますから、従いまして適時かつ適法の行為であると今も思つております。しかしいろいろ、今御質問というよりは、むしろ御批判的なお言葉があつたのでありますが、登壇をいたすまでは当然許さるべきものだと思い、また許されておるという考え方で上つたのであります。また登壇して後議長の指名をせられておる登壇者の名前が違つておるということは、そのときすでに気がついておつて、これは議長は当日の議事日程、つまり議院運営委員会で前日きめた通りに運んでおられる。しかし私が提起した問題は突発事項であり、かつ非常に重大な問題であつて、直接議題と関係があるのであるから、当然議長の方で御撤回になるものと期待もし、また現に院内交渉係と議長の交渉が行われておつたから、私はそれを待つておつたわけであります。 またただいま有田君御自身の昔の問題について、お尋ねともなく、また御議論のようでありましたが、私はそのことはもちろん記憶はいたしておりまするけれども、何箇月たつてやつたということに対しては記憶はいたしておりません。また政治的発言云々、自由党に対する非合理の問題というようなことを私が先般本会議場で述べたことについて御批判がございましたが、これは私は柳澤義男君の提案理由の中に、主として懲罰事犯そのものではなく、むしろその後に起つたところの予算委員会における挑発的な行動がいかぬということで、種々政治的な提案理由もありましたので、当然私といたしましては、それに言及をしたまでのことであります。
○有田(二)委員 まあ私は川崎さんの今度の問題は別として、将来かりに重要であるということを感じて、こういうふうに演壇にお上りになるということが、将来においても絶無とは言えない。やはり議院運営委員会なりあるいは場内交渉係というようなものがあつて、議会の運営というものは円満に行われて行くべき筋合いのものであると思うのでありまして、こういうような議院運営委員会なり場内交渉係の議を経ずして、将来自分が重要だと思うということだけで各議員が壇上に上つて行くということになりますると、議会の秩序というものは保たれない、私はかように考えるのでありまするが、川崎さんの御所見を承りたい。
○川崎秀二君 将来の場合、そういうようなことになることの方が望ましいことはもちろん当然であります。しかしながら私といたしましては、今後といえども議事進行に関する発言は、突発的事項ならば、たとい議院運営委員会の議がまとまつた後でも、與野党が大いに話し合して妥協して、そうして直接議題に関係ある重大な発言は議事進行に関してこれを許すように取運ぶべきが、議会運営として当然ではないかと、かように考えます。
○有田(二)委員 その場合においても、場内あるいは委員会に諮らずに、突発的にそういう事件が起つたということは考えられるわけで、そういう場合においては、場内に各党の交渉係というものがある。なければこれは別でありまするが、あるのでありまするから、そういう場内の交渉係の間で話合いがついてお上りになるということが私は妥当であると思うので、突発的な事情だから、場内交渉係の議を経なくても上れるという考え方は私は当らないと思うのですが、御所見を承りたいと思います。
○川崎秀二君 話合いがついて上るべきであろうと思います。しかしあの場合の問題は、話合いがついたかつかないかわからなくて、しかも議長の指名をされている最初の人物は私であると思われるような議長の御発言があつたわけです。従来議長の発言を許さない場合においての慣例によりますと、ほとんど直接議題を取上げないで、施政方針演説に対する議事を続行するということであつたのが、川崎秀二君より発言を求められておりますと言われましたものでありますから、当然これは許されるべきものと思つて、上つたわけでありまして、さよう御了承を願いたいと思うわけであります。
○有田(二)委員 今の川崎君のお話によりますと、議長からもああいうお話があつたから、当然許されると思つてお上りになつた、あなたの今度の場合については、こういうふうに、あなたの議論として私ども承つておくのでありますが、平素場内取締り上場内交渉係というものが各党から出ておるわけでありますから、かりに突発的に議院運営委員会にかからずに場内においてやるという場合には、やはり原則としては場内の交渉係の間で話がまとまつて上るのが妥当である。私はかように思うのですが、もう一度川崎さんの御所見を承りたいと思います。
○川崎秀二君 それはまつたく有田君の御指摘の通りであります。
○有田(二)委員 それでは私の質疑はこれをもつて終ります。
○眞鍋委員長 次に田渕君は……。
○田渕委員 私は留保いたします。
○眞鍋委員長 では梨木君。
○梨木委員 川崎さんが壇上へ上つて待機しておられたということでありますね。そのときに議長から降壇するようにと言われた事実はありますか。
○川崎秀二君 お答えいたします。ありません。
○梨木委員 議事進行に関する発言の通告は議場内で手続をされたのですか。本会議が始まる前議場外でされておりますか。
○川崎秀二君 議場外でしまして、あれでベルの鳴る五分くらい前かと思います。
○梨木委員 そこで議場へ入つてから、自由党の院内交渉係から、あなたの議事進行に関する発言についてどういうように取扱うかということについての何らかの連絡がありましたか。
○川崎秀二君 ただいまの問題は、議場内へ入りまして、私が入りましたときには、もう議事が開会されるまぎわでありましたが、それまでに私の方の院内交渉係と自由党の院内交渉係と話合いは多少はあつたかと思いますけれども、その話合いがついたかつかないかということを確かめるいとまもなく始まつたわけであります。
○梨木委員 そうするとあなたとしては自由党の院内交渉係あるいはあなたの方の党の院内交渉係からは、その点については何らの連絡も受けてはおらなかつたのですか。
○川崎秀二君 入ります前に、ちようどここに見えます椎熊君と自由党の交渉係との間に折衝はあつたようであります。しこうしてそのとき椎熊君の話では、議事進行に関する重大な発言であることを自由党の方も認められておつたようでありますが、先般私がお話いたしましたように、ただちにこれを認めるかについてはまだ疑義を自由党側の方では持つておるという情報はありました。しかし議場内へ入つてあるいは許されることになりはしないか、議長の言うことをまず聞こうじやないかということで、私どもは入つたわけであります。
○梨木委員 そうすると、議場内へ入つてから、議長さんからは非公式にでも議事進行の発言についての扱い方について、何か連絡がありましたか。
○川崎秀二君 何もありません。
○梨木委員 この前のあなたの身上弁明によりますとこうなつております。「議事進行に関する発言が川崎秀二君から出ておる、こういうことでありました。私は議事進行を叫び、また同時に議場内交渉係の数名の諸君並びに改進党の多くの諸君は、議事進行に関する発言が出ておるということを叫んでおりまして、やや騒然となりましたが、」とこうなつておるのであります。そこで議長から、川崎君から議事進行の発言がありますが、とこう聞いて、それからあなたが壇上の方へ進んで行かれた、とこういうことでありましたが、その当時は相当騒然と議場内がしており、議長の発言が正確に聞き取り得る状態であつたかなかつたか、その騒然の状態、そこをお聞きしたいのであります。
○川崎秀二君 議事進行に関する発言を求められておりますというところまでは聞えました。それに対して自由党の方から、何といいますか、ちよつとそれに対して発言があつたように思いますし、それに対して改進党の方で何か言つておる。しかし私は議事進行に関する発言を求められておりますと議長が言われたものでありますから、当然これは、その次は許される言葉が出るものと思つて上つたのでありまして、またそう判定して上つたわけでありますが、その間はそれほど騒がしくはまだなかつたのであります。騒然としたのは、むしろ上つて小川半次君の発言を議長が許されており、私が上つてそのことを聞いたころから非常に騒然となつた、こういうふうに思つております。
○梨木委員 そこであなたは議会生活も長いようでありますからお伺いしたいのでありますが、この議院運営でまだ決定しておらない議事進行の発言などに関して、議運が終つてからその後突発的に議事進行の発言を求めなければならないような場合が起つた場合の扱い方でありますが、大体まず始まる前に院内で交渉が相当進められて、ある程度の見通しをつけてから開会するというようなことが大体慣例になつているのではないでしようか。そこの辺のところのあなたの経験をお伺いしたいのです。
○川崎秀二君 それはそういう場合の方が多いと思います。議事進行に関する発言を議院運営委員会の議を経ないで、突発的に起つた議事進行で発言を優先的に許されている場合はかなりあると思います。しかしそれはやはり話合いをした場合の方が多いとは思つております。しかし私はこれは御質問ではございませんけれども、議事進行に関する発言を求められておりますと言われた場合にはたいがいそのあとには、許される言葉が続くものと大体判定をし得るような状況下にありますので、上つたわけであります。
○梨木委員 私はその点を聞いているのではなくして、むしろすでに議事進行の発言が成規の手続を経て議長の手元に出ている。そこで議長としましても、與党の院内交渉係並びに與党の幹部諸君との間に大体この問題についての話合いをして、あなたの方へも連絡をして、そうして開会を宣する方が議場内において議事進行の発言について紛糾が起らないと思うのです。大体今まではそういう扱いをしておつたのではないでしようかということを聞いている。
○川崎秀二君 ただいまのに対するお答えならばそうであります。
○梨木委員 これは本会議における柳澤君の懲罰動議の趣旨弁明の十二ページに書かれておることでありますが、「川崎君は、それでなくても、常日ごろ私どもが見受けるところ、はなはだ挑発的、暴力的言動が多い。」こういうことになつておるのであります。さらに九ページの終りでありますが、「しかるに、川崎君のその後の院内における行動やいかん。ことに予算委員会における態度は、反省はおろか、まつたく議案の審議をしようとする態度ではなく、いたずらに暴力的な紛擾誘発を事としておつたといつてもさしつかえないと思います。」こういうことを言われておるのでありますが、何かこういうことに思い当る節でもあるのですか、お伺いいたします。
○川崎秀二君 さようなことはもう全然ありません。ただ御存じのように、予算委員会における野党の今では第一党でありまするわが党の予算委員の主任みたいなものをいたしておるわけでありますから、従いまして予算委員会で起つて来る種々な問題について、大体野党側のいろいろな計画などを立てます際に、私が中心でいろいろものを運んでおる。それが柳澤君の方から見られまして、あるいは野党側の種々なる行動について、それを計画かつ推進しておる人間であるということには間違いないかと思うのであります。それを暴力的と見られるのは、さような行為はありませんが、多少体力か増加いたしておりますので、さような意味合いから申されておるかと思います。(笑声)
○牧野委員 簡単に一、二お聞きしたいと思いますが、あなたの緊急質問は党を代表してやつたと思うのでありますが、その点はいかがでございましようか。
○川崎秀二君 議事進行に関する発言は、野党連合で相談をいたしまして、その中でだれを立てるかということで、私に立てということでありました。
○牧野委員 野党連合であなたを質問に立たせるということにきまつたということですが、それは質問するどのくらい前にきまつたのですか。
○川崎秀二君 十分くらい前だと思います。正確に申しまして、開会のベルが鳴る十分くらい前でありました。
○牧野委員 改進党では大体話合いがあつたのはいつころでしようか。
○川崎秀二君 改進党は朝の十時半から国会対策委員会を開いておりまして、十一時ころにはそのことがきまりましたが、しかし野党連合全体としての足並をそろえるために、いま一度十一時二十分ごろから会議を開いて、十二時十分くらいに野党連合が終つたはずでありまして、当日の開会は一時二十五分でありますから、さようであります。
○牧野委員 野党連合は開会の十分くらい前とおつしやるのですが、改進党では相当前に話が出ておつたようです、議運にはどうして出なかつたのでしようか。
○川崎秀二君 議院運営委員会の方はそれと並行的に開かれておつたようでありまして、われわれの方といたしましては、やはり野党連合全体の意見がまとまつた方がより効果的であると思つて、その手続はふんでなかつたわけであります。しかし当然議院運営委員会もまだ開かれておるものと思つて——連絡の機を失したことだけは事実であります。
○牧野委員 議運には全然話が出なかつたのでしようか。
○川崎秀二君 議運には全然話が出ません。
○田渕委員 今の牧野委員の質問に関連して、私は四、五点ありますけれども、この一点だけであとは留保いたします。御承知の通り川崎秀二君は改進党の国会対策委員長であります。私も自由党の国会対策委員でありまするが、その日の国会の運営をどうやるかということに対しましても、あるいはその他の種々なる対策を立てるのでありまするが、一応議院運営委員会に臨む態度は国会対策委できまるのであります。その場合に、こういうぐあいの案が出ておる、たとえば決議案、これを許すか、緊急質問がこれこれ出ておるのを幾つ許すか、あるいはそれに対する政府側の答弁、大臣が登院しておるか、あるいは司令部との関係はどうか、あるいは総理に質問のある場合には、総理の日程はどうか、参議院をにらみ合せ、衆議院をにらみ合せ、また渉外関係もにらみ合せてきめて、そして議運に臨み、これこれのものをこんなぐあいにしよう、野党の御協力を得て円満に行こうというのが議運であります。その日これらの順序を経て行われるのが、内閣総理大臣並びに大蔵大臣、経済安定本部長官の一般施政、財政、経済問題の演説に対する一般質問であります。そこで一般質問は改進党、当時の民主党の最高幹部でおられた苫米地議員から第一弾が放たれ、第二日目に小川半次君が立つということになつておつた。こういうことが議運できまりまして、議運に乘つたものを今度はわれわれが代議士会にかけるのであります。代議士会にかけて、議院運営委員会においてかくかくれかようなぐあいになつた、本日の議事日程はこんなぐあいに進むという議事の順序、あるいは時間、あるいは起立採決か、全会一致で異議なし採決か、記名投票かというような報告をいたしまして代議士会の承認を経て、われわれは振鈴とともに議場に入る。こういうわけでありますることは、與党、野党を問わず同一行動、同一態勢で行くのだろうと思いまするが、そういたしますると、当日の議院運営委員会に諮られなかつたものを、われわれが党の代議士会に諮るわけに行きませんから、承認を得るわけに行きません。こういうわけで、この一月二十六日の問題は、川崎秀二君から場内において議事進行の発言を求められるかもしれぬ。この場合に、場内の様子、状態、あるいはまた野党との場内交渉によつて、あるいは川崎君の緊急動議を許して登壇さすかもしれぬから、こういう点をも御了承願いたいというようなぐあいに代議士会に諮つて了解を得れば、川崎君の動議が緊急に出されましても、一応代議士会の了解を得ておりまするから、それは議長が許すのが当然であろうということになりまするが、この日に議院運営委員会に乗らずして、代議士会の承諾も承認も経ずして行く。突然場内交渉で一、二のわが党の人と会つたかもしれませんが、私は議場の様子、あるいはまた閣僚の入りぐあい、あるいはまた当時の野党の状況などを自分で見ておるのでありますけれども、不敏にして私はそれを知らなかつたのであります。そこで川崎君が議事進行に関する緊急動議を出されたので、それは許しておらぬじやないかというようなぐあいに議場ではなつたわけであります。なつたから、議長がこれより会議を開きます、この際川崎秀二君より議事進行に関する発言を求められております、議長は、これを許します。川崎君。こう出ればわれわれは上らないのであります。議長の言葉が、これを許します、そこでとぎれて、川崎君。そこで川崎議員は議長と答えて登壇せられるのが従来の順序になつておりますが、突然バツバツと上つてしまつたのでありますから、そこに今梨木君が聞いた点と違いがあるのであります。われわれが当選以来今日まで約三年間議運をやり、場内交渉係をやつて得て来た経験上、大蔵大臣の財政演説、予算に関する問題に対して、これは憲法上疑義がある、参議院でこれこれだというような問題がそれほど重大であるならば、その日の議院運営委員会に野党側からこれを諮られて、與党側でもこれを了承するというのならば、上つてもまだ多少は認められる。けれども、何ら議運に乗らないものを、唐突として、議事進行という意味でただちに演壇を占拠してしまつた、こういうことが問題であるのであります。あなたは三回も御当選されておるのだからわれわれの先輩である。その議員生活の長い方が——しかも野党第一党の改進党の国会対策委員長なんだから、対策に関する点では十分考えられておると思うし、改進党でもそのように考えられたことと思う。それならばそういうことがなぜ当日の議院運営委員会に乘らなかつたかという点がわれわれの納得の行かない点であり、また疑いを持つて来るのでありますが、いずれにしても、野党連合でありますから、あるいは社会党、共産党等との交渉、あるいはまた野党幹部との交渉で、その間に時間の余裕も十分なかつたでありましよう。しかしそれならば、振鈴が鳴ると同時に、議場内で交渉が終るまで待つて上られてもおそくはなかつたのではないかと私は思うのであります。ところがわれわれとしてはまつたく唐突に議事進行という言葉を聞いた。そしてただちに上られた。そこでわれわれとしてはおろさなければならないから、議長に降壇を命じろと言つたが、先ほど梨木君が言つたように、議長の注意があつたかなかつたということも、私は交渉いたしておりません。また速記録を見ても、小川半次君がするまでに議長の注意がなかつたようでありますが、私が思うのに、議院運営委員会にかけなくも、野党連合できめたものは当然これは先議されるべきものだというような意味から上られたのかと思うが、この点はどうか。つまりあなたの方の国会対策委員あるいは院内交渉委員の方と自由党と大体了解がついておるのだ、だから君上れ、君は許されるというような御注意があつたのかどうか。こういうような意味から、その目の議運には乗らぬけれども、場内交渉できめるから、それで君上れというような、つまり議場交渉係からあらかじめ何かの注意か、あるいはそれを予想されたような発言があつたために、あなたは議長と呼んだのかもしれぬが、議長が、川崎秀二君から発言を求められておりますと言つてから、これを許します。川崎君。と言うわずか一秒か二秒の間待てなかつたというのか、これは議場騒然としたからという状態ではなかつたのであります。まず許されるものなりという先入感で行つたということは数回述べられておりますけれども、議会生活の長い経験から見て、議長が、この際これを許します。川崎君、と言うまでの従来のしきたり、やつて来た慣例等から見てこれは何でもかんでも上らなければならぬというような意味で上られたのか。それとも、議院運営委員会にはかけられなかつたけれども、改進党の場内交渉係の議員から、話がつくだろうというような事前の連絡——つまりあなたが上らなければならぬような状態といいましようか、振鈴が鳴つて議場に入るまでの十分間の間に、上つてもいいというような連絡か何かがあなたに対してあつたのかなかつたのか、こういうような点をひとつ伺いたいのです。これがあなたの心証に非常に関係して来るのであります。何でもかんでもかまわずに——場内交渉でも何でもないけれども出しているのだ、そうして成規の手続をしているのだから、議長が登壇を命じなくても、議事進行と言えば議員は上つて行つて演壇を占拠していいものかどうか、こういうような点が非常にはつきりしないのであります。この点について私たちが納得の行かないのは、その間に、何かあなたの精神あるいは感情を動かすような暗示があつたのかなかつたのかということです。これを伺いたい。
○川崎秀二君 田渕委員からその当時の事情に対するだんだんの御分析がありまして、なお御意見もありましたが、その中には、議事運営の方法として私もかなり同感の点はあるのであります。最後のお尋ねの趣旨は、上るまでに院内交渉係が私に対して、たとえば、上つてしまえとか、上つた方がいいというような意味での教唆的な発言があつたかということですが、そういう発言があつたことはありません。但し、院内交渉係と私との話の中に、話合いがつくかつかないかわからぬ。自由党の国会対策委員長あるいは議院運営委員長との話では、問題の重要性は認めておる。しかし最初に発言させるかどうかということについてはまだ話の結着はつかない、という報告はありました。ありましたが、あるいは話がつくかもしれないから、とにかく議長の言うことを聞こうではないかということでありまして、議長の言うことを聞いておりますると、議事進行について川崎秀二君より発言を求められておりますということであつて、それは従来の形式から言うと許されるという前提である。しかして許されておるということで上つたわけであります。御質問に対するお答えはそれだけでありすすが、議事運営の問題について多少御意見がありましたが、こういう問題は、われわれの方としても当然代議士会に報告をし、かつ議員総会できめて運ぶことは自由党とも何らかわりはございません。しかしながら、御承知のようにわれわれ野党第一党が目下六十九名という少数であつて、重大問題についてはでき得る限り多数の勢力と協議をして行くことの方がより効果的であるが、今度の問題は、その議院運営委員会に持ち出す余裕がなかつたというより、むしろ連絡ができなかつたというところに問題も起つて来たと思うのでありまして、この点は、二百九十名も擁しておられる與党の方で御敏察を願いたいと思います。
○田渕委員 私の質問はまだありまするが、私も今の点を十分伺つた上で、さらに一身上の弁明などを検討して、あとで発言したいと思いますから留保しておきたいと思います。
○眞鍋委員長 それでは川崎君に対する本日の質疑はこの程度にとどめます。川崎秀二君の御退席を願います。 なおこの際川崎秀二君から椎熊三郎君にかわつて弁明させたいとの申出がありましたから、これを許可いたします。椎熊三郎君。
○椎熊三郎君 同僚川崎秀二君の案件につきまして、各委員諸君よりすこぶる愼重な御態度をもつて御検討を賜つつておることは、川崎秀二君と同じ政党に属し、しかも国会の運営委員を勤め、本会議の場内交渉係を勤めておる私にとりましてはまことに恐縮に存ずるところでございます。以下私は川崎君にかわつて当時の模様をつぶさにお訴え申し上げて、今なお当委員会で明確になつておらぬ点を明らかにして、あなた方の御審判の参考に供したいと思うのでございます。先ほど来梨木君、牧野君、田渕君等より、この案件処理に関する重大な点についての深刻なる御質疑があつたようでありまするが、私そばに傍聽しておりまして、国会運営委員会に出ており、場内交渉係をしておる私どもから見ると、今なおあの質疑応答は隔靴掻痒の感がある。紙一枚むいてないところがあるような感じがするのであります。実は一月二十六日、総理大臣の一般施政方針に対する質疑の第二日目、その二日目の本会議の運営の仕方は、前日二十五日の運営委員会において全部決定済みでありますことは、田渕君御承知の通りでございます。しかるところ、われわれは二十五に運営の方法を決定しておりましたが、当日二十五日の予算委員会における論議の結果は、非常な重大問題を発見するに至りまして、野党各派では、この予算案片憲法違反であるとの強い主張をするに至りました。従いまして第二日目の質疑は、憲法違反のものを議題として取上げて、それに対する質疑を続けるということには、国会運営上瑕疵があるのではなかろうか、これはどうしても議事進行上明らかにしておかなければならぬということが、前夜二十五日の晩に考えられたことでありまして、先ほど川崎君が言われましたように、二十六日さらに運営委員会を丁重にやるためにその日も開いたのでございますが、この問題のために私どもが運営委員会に入つておる最中に、野党各派の連合会が、午前十一時半ごろだつたと思いますが、やられておつたようでございます。その決定はただいま川崎君のおつしやつたように、私ども運営委員会には何らの連絡がございませんでした。今田渕君のおつしやるように、與党としての自由党の本会議に入るまでの順序等は、まことにその通りでございましよう。これは與党の非常に好都合な点でございます。われわれはその点では非常に不便を感じておるのです。與党は、いつ何どきでも国会対策委員会を開き、総務会を開き、代議士会を開いて、その決定に基いて運営委員会に入つて来ることができましよう。すなわち委員長は與党の委員長なんです。自党の最も好都合なる時期に運営委員会を開いておつたということも、これまたやむを得ない事実で、私どもにとりましては、はなはだ遺憾の点だつたのであります。従つて委員長の発言によつて運営委員会が開かれれば、たとい私どもの党内にどのような事情がありましても、五分や十分は待つてくれるかもしれませんが、運営委員会をしかく延長するということは、これまでも許されてない点でありまして、野党側の不利な点であります。これは與党の方々におかれましても、どうか野党の立場というものに御同情ある御見解を持つていただきたい。そういうようなことがしばしばありまして、当日二十六日さらに開かれました運営委員会には、そのような議事進行の発言を出すということは、私には連絡がございませんでした。そうして田渕君御承知の通りの決定を見て、党に帰つて参りましたら、あたかも野党各派の協議会が終りまして、川崎君を代表に立てて緊急質問をさせるという決定に相なつて、成規の手続を踏んだということであります。そこで私は驚きまして、これはもう成規の手続で、議事進行のことですから、間々議場内で突発してそういうことがあるのですから、そういうことはやむを得ないといたしましても、一応私どもは本会議の運営の円滑をはかるために、大体了解の上で本会議の仕組みをやつておつた関係から、本会議の指導勢力を持つところの與党側から出ている国会運営委員長並びに與党の国会対策委員長には、これは了解を求めておかなければならぬことであると私は判断いたしまして、たれの命令も受けませんが、私は石田委員長のところへ参りまして、そのことを申し述べました。石田君は、昨日以来本日の国会の運営はすでに確定済みであるので、そういうことを出されるということははなはだ迷惑だ。しかし事は非常に重大だ。そこで運営委員長としてははからいかねるから、党の国会対策委員長と了解を遂げてくれないかという親切な話がありました。そこで私はただちに自由党の国会対策委員会の席上に参りまして、倉石君に室外に出ていただきまして、実はこういうことになつて運営委員会にはかることができなかつたことは、手続上はなはだ遺憾ではあるけれども、事いやしくも本日の本議題に直接関連する重大案件であるから、これは法規上は当然許さなければならぬものだ。私は政党の仁義上あなたに了解を求めて来たんだ。どうかこの点はお許しを願いたい。そうして川崎君の発言は、国会規則上当然許さざるを得ないものであるから、これは運営委員会にかけないという多少の手続上の瑕疵はおつても、ぜひこのことを許してもらわなければ困るという話を私は非常に懇切をきわめて申し上げて、倉石君も案件の内容の重要性はそのとき御認識があつたようでありますけれども、いかんせんこういう決定をして、もはや代議士会にはかる余裕もないものだから、自分としてはそういうことは困る。しかしながらこれは議事規則上許さなければならぬものだと自分も思うから、許す時期については考慮しよう、こういう話があつた。そこで私は、それは許す時期を考慮するの必要のない問題である。許すか許さぬかがきまるならば、許すということは、案件に先んじて許さなければ、議事進行の発言には相ならぬのです。そこで時期の問題で考慮することは意味がない。許すか許さぬかの問題である。しかしながら国会法上これを許さぬということは、議長の権限でもできない。そういうことを強く主張して、実は話が徹底しないうちに振鈴が鳴つてしまいました。 そこで川崎君に、自由党の国会対策委員長並びに運営委員長には申入れて来て、そのことの重要性は認められたようだが、時期の問題については自分と見解を異にしておるようである。しかし自分は国会法の建前上、この重要性を認めた以上、他の案件に先んじて許すことが当然であると思うから、これは議長としては許さざるを得ない案件だということを川崎君に強く確信を持つて主張したのであります。従いまして私はこの本会議に議長が開会を宣すると同時に、このことは発言を許すべきである、許さざる場合は議長における瑕疵であると私はいまなお確信しておるのであります。従つて私はこの問題につきまして、しばしば運営委員会に出ました際に、議長を目前に置きまして——林議長は実に人格的にもりつぱな人で非常に公平にやつてくださる方で、私どもは反対党の立場ではあるが、常に協力を惜しまない、この人をして無事に国会を切拔けて行くようにと念願しつつ、運営委員会の円満な運営を私どもは願つておる。これほど私どもは崇拝しておる議長の前でも、議長を目前にして、林先生はまだ議長としてはおなれにならぬ。国会の運営上のことについては、長い議員生活ではあるが——たいへん先輩に対して失礼な言葉だとは存じましたが、国会運営の微細な点についてはまだおなれになつておらぬので、今回のこの事犯というものは、議長さんの扱い方に間違いがあつたから起つた問題であつて、必ずしも川崎君一方の犯したる一つの事実ではないのだということを私はたびたび運営委員ににおいて議長の前でそのことを繰返して言つております。議長さんもそのことに対しては、実は自分もふなれなものだから、よろしく頼むというようなことで、多少その点については先輩に対して失礼ではありましたが、私はいまなおそれを確信しておるのであります。 そこでその当日は倉石君とわかれて来て、十分もたたないうちに振鈴が鳴つて、もはやわれわれとしても代議士会を再び開くの余地がなく、本会議場に入らざるを得ない。そうして入ると同時に、これは川崎君の番だということを私は確信して、そこで耳をすましで議長の宣告を待つたのです。議長は開会と同時に、川崎君より議事進行に関する発言がございます、と言つた。その瞬間私は——これは私の悪いくせかもしれませんけれども、そういう微細な点について私は全神経を使つて議場内で心配しておる一人なんです。このことはいいか悪いか批判は別なんです。しかし私はあの発言があつた以上、さあ川崎君、そういうことを私は国会の本会議院内交渉係として、さあ行けということを、川崎君が受取つたかどうかはわかりませんが、私は言つた。同時にその後の発言がどうも明確でなかつたものですから、私は川崎君に許したのか許さぬのか、許さぬということは違法であるということを、議長のところへ言いに行つた。私は向う側の階段から上るし、川崎君はこつちから上つております。ところが議長は小川半次君を指名された。そうして演壇を占拠したということを、有田君などは先ほどから強く言われましたけれども、占拠というのは演壇に向つて議員諸君に面接して場を占めたときに、私は占拠というふうに言えると思う。川崎君は初めから壇に上つてみると、小川半次君というので、それは違うじやないかと立つておる。私は川崎君を目の前に置いて、議長に、国会法上こういうものはどうしても許さなければならぬものだと言つた。議長は私に問いつめられて、もう困つちやつて、それではせつかく小川君を指名してしまつたのだから、この次に指名するから、それで納得してくれ、こう言うのです。それは議事進行の発言を認めて、その案件のあとに許して何になりますか。私はその不当をなじつておつたのです。議長といえどもこれは間違つたなと思つたから、そういう妥協案を出したのですが、私はそれは不服である。小川半次君を指名したことそれ自体が、間違いなんだ。けれども議長がその指名した小川半次君という発言を取消すということも、議長としてはこれは不見識な話でしようから、私もほかならぬ林先生の二とでもあるし、せつかく言うのですから、私は賛成はいたしませんでしたけれども、それでは川崎君、この次にがまんして下ろうじやないかということで、降壇を促しつつ、私も降壇した。そうして小川半次君の演説が終り、答弁が終ると、議長はただちに川崎君を指名しておるのです。それですから、演壇を占拠したなどという不法行為があるならば、議長の職権をもつて退場を命ずべきです。退場を命ぜられないほど、議長にはこの議事運営上の手違いがあつた。 私はこの点に関しまして、議事運営上の練達なる国会職員諸君がおるのですから、この議事進行の発言に対して、いかなる取扱いを旧来の国会はやつて来たかという、慣例上、法規上の点を聞こうと思つたが、それはいかぬと言うものですから、私は遺憾ながら自分の信念で申し上げておる。この議事進行の発言は、その範囲を逸脱して何かを申した場合におきましては、それは不法の行動であります。しかしながら案件に関連して、そうして重要なる緊急性を持つものであるならば、これは国会法上当然許さなければならぬのです。許さぬ方が間違いなんです。そこで私ども長年この国会の運営をやつて来ておりますが、その状況によつて——突発的の問題は常にそうなんですが、運営委員会にかけなくてもよろしいのです。議事規則上明らかなるものは、何も運営委員会で妥協し合わなくてもよろしい。国会法上明確な問題なんです。それだから私どもは強く主張したのであつて、川崎君は演壇を占拠したのでもなく、小川君の発言を妨害したのでもありません。小川君は原稿通り全部の演説をしております。しかも議長は、なおかつ手違いであつたということを自覚されたのでしよう、小川半次君のあとに川崎君に発言させておるのです。そうして私どもは……(「簡單々々」と呼ぶ者あり)長く申し上げて申訳ないのですが、私は一人の同僚の議員が不名誉なる懲罰の動議によつて懲罰委員会にかけられるという事態そのことが、国会議員としての名誉の上から耐えられないことなのであります。あなた方は多数でございますから、何ごとでもできると思つておられましようが、どうか今回の事態の真相を把握せられて、公平なる御判断を私はお願いしたいのでありますから、川崎君にかわつてその当時の状況を申し述べておるのでございます。 なおもう一言お許し願いたい。もうこの問題について発言する機会がないと思いますから、最後のお願いをもう一分か二分聞いていただきたいのは、私は先般議長の許可を得て、北海道に旅行いたしました。その旅行するまでの間、一月二十六日のこの案件について、その私の出発する当日まで、私は議院運営委員長石田君とも国会対策委員長倉石君とも話合いの上で、どうかこれは懲罰事犯にかけないでもらいたいということを、連日のごとく哀訴嘆願して参つた。しかるに自由党の代議士会においてはなかなか硬論があつて、許しそうもないという情報も聞いておりました。その硬論はどこから出て来ておるかということになると、今の田渕君のお話でよくわかる。代議士会としては、そういう内情を知らぬ。見ておらぬ、その情景を知らぬので、ただ軍に演壇を占拠して、議長の命令に反抗したという印象を受けたから、代議士会が強硬な意見があつたのででございます。今のような事情であるならば、いかに多数であつて、いかにあまり好ましからざる人物であるとしても、同僚議員を懲罰に付するという案、件に対して、必ずしも自由党の諸君といえども快く賛成しておるはずはないだろうと思うのです。どうかそういう当日の事情等をよくしんしやくくださいまして、この問題に関する限り、御寛大なる、しかも公平なる御決定を賜わりますれば、非常に光栄でございます。 たいへん駄弁を弄しまして、まことに申訳ないのですが、どうぞお許しを願います。
○眞鍋委員長 ただいまの椎熊君の弁明に対しまして質疑がありますので、これを許します。鍛冶良作君。
○鍛冶委員 椎熊君が同僚川崎君のためにいろいろ弁明なさることは、われわれもまことにきれいなことだと思つて傾聴いたしますが、あなたの結論がわからない。議長が許さなかつたのは議長の手落ちだ。私はこれにも相当議論がありますが、議長の手落ちであつたし、川崎君はしかもまた演壇を占拠しておつた事実はない、こう言われる。そうすると、川崎君の懲罰というものはあるべきものでない、こういう御議論なんですか、それとも懲罰にかけられるのはやむを得ないが、寛大なる処置をしてくれという御意思なのか、これは大事なところですから……。
○椎熊三郎君 私は川崎君にかわつて弁明をしておるものでありまして、今取扱つておる本案件に対する結論を言う資格は私にはない。けれどもしいてあなたのお問いに答えることができますれば、私はこれは懲罰事犯にならぬ問題だという確信を持つております。懲罰の動議が成立したことは、多数の力によつて成立したことであつて懲罰事犯として扱うべき案件でないというのが、私の信念でございます。
○鍛冶委員 それならば先ほどあなたがおつしやつた寛大とかなんとかいうことは、これは心からの言葉でなかつたと聞きますが……。
○椎熊三郎君 そうじやない。これはあなた方は多数の陣容を整えて、先ほど来私がたびたび有田委員などから威嚇的言辞を受けております。川崎君などは一箇月くらい登院禁止だとかいや何だとか、勧進帳を読ますとか、それはあなた方はやろうと思えば、そういうこともできるのです。私はそういうことをなさらずに、ほんとうに事態の真相を把握して、公平な判断を願いたい。そこであなた方の気持は、川崎は憎いやつだからやつてやれというような個人的感情をはさまずに、寛大なる、公平なる気持で、案件をすなおに見ていただきたいという意味で、形容詞が非常に妥当でなかつたら、私は訂正しておきます。
○鍛冶委員 そう言うならば、私は今のまことにどうも同僚に対するあなたの御同情はけつこうなことだと思いますが、どうも聞いておると、罪のない者を、お前らは罪だと言つておる、お前らの言うことは間違いだ、だから懲罰に付すべきものにあらずというのならば、われわれにも見解がある。もう一ぺん聞きます。あなたが今言われた、懲罰に付すべきものでないということは、自由党が多数をもつてかけたというお考えなのか、それとも……。
○椎熊三郎君 その点は誤解であります。先ほど田渕君が言つたように、あの運営委員会の内容もわからず、議場における私と議長との交渉も、代議士会一般の人にはわからないものだから、代議士会の人々は演壇占拠という印象を受けて、この懲罰の動議に賛成されたのだと私は思う。しかし私は信念としては、事実はこうなのだから、これは懲罰に付すべきものでないと思うのであるが、私は今結論を代弁して言うべき立場でも何でもない。またあなた方も、これが有罪であるか、無罪であるかという段階に至つておらぬ。仮定の問題です。今質疑応答の最中なんで、川崎君がはたして罪ありやいなやという段階にまで入つておらぬのです。
○高木(松)委員 椎熊さんは国会でずいぶん尊敬される人なん、だから、椎熊さんのお言葉は、われわれがしごく公平に判断する材料になるのですが、衆議院規則の百二十九條と二百十七條との関係、これは椎熊さんは国会に長くおられて、あらゆることを研究されておるから知つておられると思うが、百二十九條というものは、これは実体規定です。それから二百十七條というものは、これは形式規定というか、とにかくこういう実体のある場合でも、二百十七條はこの適用を受けるのでしようね。あなたのお考えはどうですか。二百十七條は、「何人も、議長の許可がなければ演壇に登つてはならない。」ということです。
○椎熊三郎君 衆議院規則二百十七條というのは一「何人も、議長の許可がなければ演壇に登つてならない。」というので、私はこれを尊重いたします。しかしながら議会というものは——私は必ずしもあなた方よりそう長い議会生活をしたというのではありませんけれども、多くの場合、議会運営上には慣例というものがおのずから生れておるのです。第一この規則から言うなら、議員は議長の許可なくしては、議席から離れることはできない。それでも自由に出たり入つたりすることも、慣行上認められる場合があるが、われわれといえども、二百十七條は守るべきものだということなんです。これを犯してはならないということはわかります。そこで川崎君の場合は、先ほど本人から陳弁した通りであります。
○高木(松)委員 わかりました。私どもはまつたく新しい議員でよくわかりませんが、議場内を歩くのは、慣例になつておるのかどうかわかりませんけれども、演壇に登ることが慣例であるとは考えておりませんが、その点はいかがでありましようか。
○椎熊三郎君 それは慣例でありません。ですから、これは尊重すべきものだ。ただ川崎君の場合は、川崎君から議事進行の発言が求められておりますと、慣例上そこまで議長は言つた。必ずそれを許すという前提のもとに……。許さないときなら、それを言う必要はない。いきなり小川半次君と言えばいい。慣例上当然許す言葉を使つておるものですから、川崎君は許されるものだと思つて登つた。しかしながら登つたということが、この二百十七條から見れば違法かどうかということであれば、私はどつちにも感違いがある。議長も感違いした、間違つておる。川崎君も感違いをしておる。ただこの法文を冷やかに当てはめようとすれば、それはこの法文上からは違つた行動だということは免れないだろうと思います。
○高木(松)委員 今椎熊君が、冷やかにこれを当てはめると言われたことは、どういうことですか。
○椎熊三郎君 法文の解釈は、やはり血の通つた解釈でなければいかぬと思います。私は、すなわち法律の上にも情状の酌量あり、当時の状況を見て、人間が人間を裁く上に、血の通わない文字通りの字句だけにとらわれるという、冷やかなる解釈は、私は刑法上でもとる方針ではないと思います。
○高木(松)委員 情状の問題はおのずから別です。法に反しておるか反していないかをお尋ねするので、われわれといえども血は通つております。人情も持つております。そこでこの條項に、いわゆる川崎君の行動が抵触しておるとお考えになるかどうかを伺つているのです。
○椎熊三郎君 ただ行動の結果から見て、そう言つてはいけないのだと言うのです。それだから私は弁解が必要だと思うのです。ああいう状況の場合は、ああいう結果になることもまたやむを得なかつた事情があつたのではないかと、私は判断している。ただ條文だけで、議長の許可なくして登つたじやないか、それだけならこれは違法です。あなたのおつしやる通りです。けれどもその違法性を確認するためには、その当時の状況というものを考慮に入れずして、文字解釈だけではいかぬということを、私は主張したいのです。
○高木(松)委員 椎熊さんは、なかなか舌が上手で、われわれなどまつたくかないませんが、少くとも椎熊さんの言葉の中にでも、私どもが認め得ることができる言葉があると思います。それでこういうことを、椎熊さんのようにただ口の先で認めてしまうというようなことがあつたならば、一体議会の秩序が維持できるとお思いになりますか。
○椎熊三郎君 国会の状況が、いつでも議事規則通り動いて、整然たるものであるならば、場内交渉係もいらなければ、運営委員会もいらぬのですが、国会内ではしばしば見苦しい争いことなども繰返されておるのでありまして、私はそれを遺憾に思います。先生のおつしやるように、この法文通りスムースに国会が動いて行きまするよう、私どもは念願はしております。そしてそうなるには私はこの衆議院規則というものを、われわれの法典としてほんとうに守つて行かなければならぬものだという信念の上に立つておるのであります。
○高木(松)委員 よくわかりましたが、要するに今椎熊さんのお話を聞けば、理想としてはわれわれの解釈としてよろしいが、しかしいろいろの雰囲気があり、関係があるから、ただちに情状としてはそう考えられないと言われるが、私どもは常にできるだけ理想の運営の方向に向けて行きたい。もとより私どもは懲罰の内容がどうなるかということは、これから考えることであります。そこであなたのような経験者が、いわゆる国会の運営をどういう方向に持つて行くがいいと考えるか、そして百二十九條と二百十七條との関係等をつぶさに研究して——懲罰の内容はおのずから別です。われわれこれから判断しますが、理想に持つて行くのには、嚴粛に二百十七條の規定を運営して行かれることがいいとお考えになりますか。
○椎熊三郎君 われわれがつくつた規則でございますから、私はこの法文が死文になることを悲しむのであります。従つて国会の運営は、われわれのつくつた議事規則に基いて正常に運行されて行くことを、われわれは念願してやみません。
○眞鍋委員長 ちよつと委員長として申し上げますが、発言はすべて委員長の許可を求めてください。かつてな発言は許しません。
○田渕委員 椎熊議員は、衆議院規則の二百三十九條によつて、つまり懲罰委員会に付された川崎君自身の代理ができるという点で、弁明をなさつておるのでありますから、私はその点からひとつ伺いたいのであります。もちろんおつしやる通り、法は運用の妙があり、また情がなくちやなりません、また国会法あるいは衆議院規則の通りに行かぬ場合も多々あることは、あなたも議院運営委員であり、また場内交渉係であつて、三年間ともにこれは苦心して来た点でありますから、われわれはかようなことのないように、議運において、十分審議納得するようにその委員会を運営し、また議場内においても、つまり国会が乱闘事件になつてはよくないという点において十分お互いに意を用いて、人知れず苦心をした一人でありますから、あなたの御苦心もよくわかります。ことにまた同僚議員を懲罰に付するという、議員の一身上に関する重大な問題を決して軽々に扱うことはなりません。愼重に扱わなくてはなりません。そこで慎重に扱うとすれば、自然この委員会の審査というものは、最も嚴粛にしかも冷静に丁重に私は質問応答をして行かなければならぬと思います。お互いに感情に走つたり、やじなどを飛ばすものではないと私は思います。 そこで私は憲法五十八條に、議員の懲罰というものが規定されておるのでありますが、ただ私が申し上げ錢のは、先ほど椎熊議員から、議長は人格非常に高く、また温厚篤実な人である。ままなれないからというようなお話がございましたが、議長がなれなくとも、衆議院の事務総長がはたに補佐いたしておりまして、十分やつて行くのでありまするから、これは十分お互い與党、野党協力して、議事を今まで円満に運営して来たことは御承知の通りであります。御協力願つて行つておるのであります。 しかしながら先ほどおつしやつたように、一月の二十五日の議院運営委員会で大体きまつたのは、総理大臣並びに池田大蔵大臣、周東安本長官の一般施政演説と財政、経済の施政演説、この三つのものに対する総括質問でありまするから——私はここにその疑義を持つて来るのであります。総括質問を、それでは自由党は何時間やろう、当時の民主党は何時間やりましよう、社会党は何時間やりましよう、こういう按分ができている、これと関連しておるのだ、こういうようなぐあいに先ほど椎熊議員は述べられましたが、私はこういうように考えておるのであります。一般質問というものは、つまり一般施政方針、財政、経済、この三つに対するものを一般質問としておる。国務大臣に対する一般質問の継続でありますから、この場合議長がこの問題をはつきり事務総長でも補佐いたしまして、こう言つたのではないかと思うのであります。というのが「川崎秀二君より議事進行に関する発言を求められております。」開会の第二言目にこれを言つておる。三言目には——その間にいろいろごちやごちやがありましたが、そこで議長はさらに三回目の発言にこう言つております。「その内容は、予算書の違法に関する問題とのことであります。本日の議題は国務大臣の演説に対する質疑の継続でありますから、この議事進行は適当な時期に許します。」こういうように議長が言うておるのであります。そこで決して許さぬというのではない。一応あなたの方の、第二日目の質問者小川半次君の質問をした上で許す。議長としては、こういう態度をとつたのは公平であろう。というのは、御承知の通りこれは議院運営にもかからず、場内交渉の結果もまだ議長の手元に行かぬのでありますから、議長としては——事務総長が空気を見た上でこういうふうにしたのであつて、その機会は待てばあつた。待てばあつたのだが、非常に野党連合の方では、あなたが議院運営委員会へ民主党を代表して出席されておる。片方では野党連合があつた、この間の連絡が悪かつた、これは私も議院運営委員でありましたから、よくわかります。少くともこの問題で、先ほどからのお言葉で伺いますと、前日から野党側の各諸君で論議されておつた問題である、こういう問題が今野党連合として話中である、まとまるか、まとまらつぬかは知らぬけれども、ひとつまとまれば議題に載せたいのだというような御発言が、議院運営委員会であつたならば、われわれ党へ帰りまて、代議士会で本日の議院運営はこれこれにきまりました。但し野党連合では国務大臣の一般質問に対して、——民主党の川崎秀三君がひよつとしたら憲法違反の問題その他で、議事進行で緊急に発言を求めるかもしらぬ。この場合は議場交渉係にまかせていただいて、適当に扱うことを御了承願いたい。これで異議なく了承ということになれば、われわれはできるのであります。これが代議士会の了解を得ておらぬからお許しができつこない。何でもかんでも上つた川崎秀二君をおろさなければならぬという、ここが與党の議場交渉係のわれわれのつらいところであります。多少りくつがあつて上つたにしても、時間があれば——ところが議長がこの問題に対してふなれだとかあるいはどうとかいうが、これは議長の過失ではなくして、議長としては、これは事務総長の補佐によつて適当の機会に許すということは、衆議院規則の百二十九條にあります通りで、許す許さぬ、私は議長の権限にあるのではなかろうかと思うわけであります。この点はいかがでございましよう。
○椎熊三郎君 前前段の点の、二十五日の晩から、予算書は憲法違反であるという議論は、私は予算委員会の席上においても、わが党の同僚から聞いております。二十六日の早朝から、この問題は野党各派にとつては、非常なる重大案件として取上げたことは知つております。しかしこれをその日の本会議場で、いかなる形式で発言の機会を得てこのことを指摘するかという問題は、まつたく私は相談にあずかつておりません。相談にあずかるひまもなかつたのであります。私のことですからこれはきようやるんだということでもあれは、運営委員会で相当程度の了解を得ておかれる問題であつたと思います。その点は、非常に私は遺憾に思うのであります。それですから、私は十分間ぐらいの間であつたが、石田君にも会い、倉石君にも会つて、その間の連絡、私と川崎秀二君の連絡が不十分な点を陳弁しつつ、なおかつこれをどうしても優先的に上げてもらいたいという二とを、私はお願いしたのであります。 それから議長の職権に関しては、それは私はあなたの解釈の通りだと思いますが、しかし見解の相違があります。適当のときということは何を意味するか。議事進行の発言に関する限り適当の機会とは、その案件の直前というふうに私は心得ております。そこでそれを、公平無私な議長であることは、それは間違いないし、今の議長さんは公平無私でございましようけれども、適当の機会という時期を自由解釈して、その人のため、あるいはある党派の都合のために悪用されたのでは、私は困る。議事進行の発言に関する限りは、その案件に密着したもの、案件の前が適当な時期であると、私は長年確信して、今後もその解釈は私はかわりないと思つております。
○田渕委員 これは解釈でありますから、そういう解釈もできましよう。但し衆議院規則の百二十九條には、「議事進行に関する発言は、議題に直接関係があるもの又は直ちに処理する必要があると認めたものの外は、これを許可する時期は、議長がこれを定める。」というので、多分この規定で適当の機会、その適当のいい機会というのは、そのときに議長は一応国務大臣の質問に対しては、前日の一月二十五日の議院運営委員会で、民主党は何時間、野党第一党としてやる、それでやられて、社会党もやられた。第二日目は民主党に敬意を表し、またその順序は、第一番に小川半次君がやる。こういうことの議事運営がきまつちやつておるものだから、一旦きまつたものはただちに成規の手続を経たと言うて来ても、これは場内交渉がまとまらなければ、適当の機会に讓る以外にない、こういうように、議長として、事務総長として取扱われた。これは最も偏せずして公平にやられたと私は思うのです。その川崎秀二君の、つまり議事進行の緊急動議というものが、小川半次君のあとにこれを許して行く。ちよつと考えればそこに十分あつたのであるが、何分議場に入りますと、議場心理と申しますか、私も努めて冷静に入りますが、まま私たちは失敗をした経験があり、戒心しておるのであります。努めて厳粛に、これは日本中の縮図であるというような意味から、演壇に向つても本日の議場が円満に進みますことをこい願い、祈祷しまして、私は坐つておるものであります。われわれはそうしておつてもいろいろ騒然として参ると、あつちこつち目が散つて非常に感情に——いわゆる静中の動で、動中の静が得られないのであります。こんなようなことについて私もよくわかります。そこで私が尊敬している椎熊議員でありまして、議会の運営その他についての老練さは、私も見習い、その他わが党の先輩も見習つておるのでありまするが、あの場合に、椎熊さんの今日までの態度から言うならば、川崎君ちよつと待て、何か議長の発言があるだろうというようなことで、ちよつと待てば、従来の慣例からして議長より、「川崎秀二君より議事進行に関する発言を求められております。その内容は、予算書の違法に関する問題とのことであります。本日の議題は国務大臣の演説に対する質疑の継続でありますから、この議事進行は適当な時期にこれを許します。」こう言つたろうと思うのであります。その適当な時期は、公平なる議長であるなら、小川半次君のあとに行くのはあたりまえである。その点から考えても、私は議長の手落ちとか不公平ということはないということを御了解願うとともに、川崎秀二君より議事進行に関する発言を求められております。この際これを許します。川崎秀二君。と呼びまして、川崎君が、議長、と、こう来れば問題はない。その間に、あなたが上れと言われたかどうかという問題になつて来るのであります。先ほども大体伺いましたが、ともあれ成規な手続をしているから許されるべきものだと思つて、もう早合点して来たという。少くとも何事も愼重に、要するに物の間違いを起さないようにわれわれも考えなければならぬ。用意周到に思慮深くなければならぬのに、その点議場心理でふらふらとして行つたという。これは情状の点でいろいろ出て来ましようけれども、そうしたという。そこであなたは先般の議院運営委員会で、これはまつたく川崎君の責任ではない、ぼくがやつたのだから、もし罰するなら、ぼくをやつてくれと言われた。これは同僚議員の気持で、まことにその美しい義侠的なあなたの精神は、傾聴もし、尊敬もしなければならぬのでありますが、要は川崎秀二君が演壇に上つたということに対して、あなたがかりに指導しておつても、本人は用意周到、思慮深くやらなければならぬのに、一応神聖なる演壇を一足でも犯したということは、遺憾であるといわなければならない。これは情状論になつて来ましようが、これを懲罰委員会に付さなければ、共産党の諸君などは、田渕君、まだあの川崎君の懲罰はやらないのか、それならわれわれはいつでも演壇玉つていいかということになつて来る。そこで、いやこれはいずれやるのであるけれども、ともあれ改進党の鬪将としての川崎秀二君を、今懲罰委員会にひつぱり出してやることは、いかにも自由党が下劣なやり方のように見えて……。(「簡單にやつてくれ」と呼ぶ者あり)簡單には行かない、重大な問題だ。(「提案趣旨の弁明と同じじやないか」と呼ぶ者あり)大事なところに来て、そういうことを言われると困る。これは大事なキー・ポイントである。 そこで私はこう思う。つまり椎熊議員から十分なる注意と用意周到、思慮深く川崎君に、今自由党の国会対策委員長に交渉をやつてみたけれども、まとまらぬから、しばらく待てよ、必ずぼくが議場交渉をしてあなたを上げてやるから、というような処置をとることについて、必ずあなたは十分御経験があるはずである。そのあなたが自分で罪があるのだとこうおつしやるところに、非常に私は美しいところもあり、またそうやろうとする気持があつたのじやないかと思う。しかしあなたを罰するとしても、すでに三日を経過して、動議を提出する時期を失しておるのであります。こういうようなことがもし許されるとすると、将来議事進行に名をかりて悪用された場合に、いわゆる野党の諸君にもしも演壇を占領されたならば、国会の議事の運営というようなものは円満に行かない。ここにわれわれが川崎君を懲罰委員会にかけておる理由を御納得いただけると思う。ただ、なぜならばというお話もありましたけれども、これは決してかけひきで延ばしたのではありません。予算委員会において、予算委員である川崎秀二君に十分なる予算の御検討を願うために延ばしたことであつて、決してわれわれはあとからひよこひよこと動議を出して来たものではないのであります。ただ私はこの際非常に、川崎君の心情と情状の点について、われわれが判定を下す上に参考になるので伺うのでありますが、川崎君は全然椎熊さんの教唆を受けない、私の思うままに行つたのだと言われる。川崎さんとして同原議員をかばうというのは当然でありますけれども、少くとも川崎君をそこまで持つて行かせたところに、何かあなたの御発言なり態度が影響しているのではないかと思う。その点をこの際はつきりしておかぬと、これは情状論に参りましてから問題になるのでありますけれども、先ほどの御説明では、この点がはつきりいたしておらぬのであります。
○椎熊三郎君 田渕君の非常にありがたい質問をちようだいして、私はむしろ腹の中で泣いております。そこまで言われるのなら、私はこの席上で真相を申し上げて、御判断の参考に供したいと思います。 実は年がいもなく、長年議会の経験がありながら、私どもは遺憾ながら今少数の反対党です。絶対多数をもつて何事でも押しまくられるこの現状は、泣いても泣き切れないくやしさを持つておるのです。遺憾ながら党派で育つた私は、党派的の感情に燃えていることは人一倍強いかもしれないので、それに反抗したい、あなた方の絶対多数の勢力にぶつかつて行きたい、ぶち破りたい、そういうことで私は終始一貫しておるのです。従つてまことに運営委員としては申訳ない次第ではあるが、多少解釈上の違いがあつても敵に突貫する手段としては、軌道を選ばぬ場合もなきにしもあらずです。議員の良心的な考え方からは恥ずべき行動であるかもしれませんが、われわれ苦しい野党の立場としては、そういう感情はあたりまえで、あなた方も時あつて野党の立場に立つならば、おそらくそれ以上であるかもしれないと私は思うのです。従つて私は正直な話、議長は必ず許さねばならぬものだ、川崎のかの字でも出たら、ただちに立ち上れと私は指示しておつたのです。私とともに立とう。そうか、と川崎君は言つた。川崎君はそのことを否定しておりますが、真相はその通りです。断固として敵に体当りする戰術として、私はこの道を選びました。まことに不覚のいたすところでございまして、国会の神聖をほんとうに汚したということでおしかりをこうむるならば、私はいかようにでも御批判を受けます。けれども少数在野党としては、時にこの手を用いることもままあるものだということを、どうか御了承置き願いたいのであります。真相はその通りでございます。
○田渕委員 先日の委員会において、野党連合としてあらゆる苦肉の策を講じてみたが、これ以外に手がない、そこで前日の質問で相当痛手を負わしておるけれども、さらにここにおいてもう一つ與党にかからなければならぬ、それは小川君の前にこの問題つまり憲法違反でひとつ野党として食い下ろう、そういうことでやつたのではないかということを聞いたが、そうじやないということを伺いましたが、今初めてわかつたのであります。私どもも二百八十三名の現在の多数を持つておりますが、私は絶えずそう言つております。また私の崇拝する廣川現農林大臣も言われておりますが、「おごるなよ月のまるさもただ一夜」やがて野党になる日が来ましよう。そのときにおいて、私もそういう心境はよくわかります。私は決して絶対多数だから横暴だとか、多数の力で行こうということは考えておりません。これはお互いに厳粛にやらなければなりませんが、ただわれわれが野党にまわつた場合があれば、やはりそういうことがあるかもわからぬが、それはやはり議院の秩序を乱し、あるいは衆議院規則に触れることであるから、なるべく避けたい。しかしあの場合に、やむを得なかつたことであろうが、川崎君が演壇を侵害したということは事実である。最も神聖であるべき議場の演壇、われわれがちよつと左足を入れても、これはいかぬというので、議場交渉に行つても、あそこの線から入らないように警戒しているあそこを犯したのであります。これに対しては何とか方法を講じておかぬと、われわれが野党になつた場合、そういう手を用いるということがあつてもいけません。 まあこれは考えなければならぬ問題でありますが、私は、川崎君がまつたく議院の秩序を乱す計画で、また規則を無視して、がむしやらに登壇したものではなかろう、こう思つております。そこに議場の交渉係の椎熊議員と国会対策委員長との間に何かあるものだ、しかしこれはもう誤まつて、つまり演壇を侵したということだけの事実は、これはほんとうに見のがせないのでありまするから、この点に対しては、われわれいろわれわれ当委員会で情状論において審判し、審査するでありましよう。ただ。率直なそのお言葉を伺いまして、私どもが不可解であつた点が幾分明瞭になりました。しかしこれからお互いに、あなたも議運のエキスパートであり、何でありまするから、私は努めてこういうことのないように行きたいが、つまり侵したということだけは認めなければならぬ。議長が「川崎君」こう言つて、「議長」と言つて上ればつまり間違いがなかつた。悪意があつたか、なかつたか、そのいずれかの問題については、今のあなたのお説でよくわかりましたが、要はその率直なお言葉を早く川崎議員から伺いたかつたし、あなたにそれを早く伺つておけば、われわれとしても、非常にこれが審理の上に参考になつたと思います。
○椎熊三郎君 私も先ほど少し感情に走つていた点があつて、誤解されても困るので、なお私は敷衍しておきたいと思います。私は自由党に対抗意識を持つているということは隠れなき事実で、これと鬪いたいという気持もその通りです。議場を占拠して、そして当日の議事を妨害するという策謀に出たのではありません。それからまた川崎君とそれを相談したのでもありません。議場に入つて、私の判断で、この絶好のチヤンスをのがしてはならぬ、われわれの言う主張が正しいのであつて、議事進行の発言は、その関連する案件に先んじて許さざれば瑕疵あり、許すのが当然だという信念のもとに、それ川崎君行けということを命じた——命じたということははなはだ失敬かもしれませんが、暗示を與えたといいますか、指導したと申しますか、そういう事実はあつたということです。川崎君がそのことを了解してやつたかどうかは別で、川崎君は先ほどここで発言した通り、自己の判断によつてやつたことは川崎君の心情でありましよう。私としてはそうであつたということを申し上げただけで、関連性はありません。
○梨木委員 ちよつと簡單に。衆議院規則第百二十九條でありますが、この「議事進行に関する発言は、議題に直接関係あるもの又は直ちに処理する必要があると認めたものの外は、これを許可する時機は、議長がこれを定める。」とある。実際運営上の問題を聞きたいのでありますが、この議事進行に関する発言は議題に直接関係あるもの、またはただちに処理する必要があると認めたもの、これ以外のものは、これは許可する時機は議長の裁量でありますが、この二つのものは、これはただちに與えなければならぬというようにわれわれは考えておりますが、一体この判断はだれがするのか。どういうような経過を経て判断がなされるのか。これをひとつ伺いたいのです。
○椎熊三郎君 私はこの百二十九條の規定は例外規定だと思うのです。これは当然原則的にはその案件に関連したものは許すべきだ。この百二十九條は、議長はその直前に許さなくてもいい場合の例外規定なんです。その直接の議事に関係なきものは適当なときにいつでもいい。それですから先ほど田渕君が言われました第三の議長の発言が、私からいえば適当でない発言だというのです。これは当然総理大臣並びに安本長官、大蔵大臣が説明せられたのは予算書を基準にして説明しておるのです。それに対する質疑なんです。一般施政方針とはそれです。その予算書なるものは憲法違反だという解釈を今もつてわれわれは持つておるんです。そういう重大な関連性があるのに、どうして例外規定を適用して、適当なときいつでもいいのだという解釈がどこから出ましようか。しかしそれは議長の、あえて職権を濫用したとは申しませんまでも、議長の職権によつてそういうふうに決定したというのでありますから、私は常に崇拝する議長ですから、それ以上は争わなかつた。しかも議長が認めたればこそ、あの小川半次君の次にそれを許しております。私に問い詰められて、これは初めに許すのが当然だ、しかし自分は宣告してしまつたのだ、それだからこの次に許すからどうかそれで納まつてくれ——私どもの私語ではない。それですから議長は私の意見というものは完全に受入れた。受入れて、処置としてはそれ以上に方法がないからということで、そこで妥協してくれ、そうして次に許しておる。そういう事実をどうか御認識ください。
○梨木委員 そこで現在この問題が起つておる事犯については、議長はただちに議事進行の発言を認めなかつたわけであります。しかしこれは国会の運営上、だれが見ても議題に直接関係があるもの、またはただちに処理しなければならぬものだとわれわれは考えておる。しかしこの議長の処理の仕方が適当であるかどうかということについて、今度の事犯を判断する上においても、これは非常に重要な問題でありますが、これは一体どこで判断したらいいのですか。この点をどう考えておられるか、ひとつ伺いたいのです。
○椎熊三郎君 それは運営委員会で議論すれば議題になると思います。けれども運営委員会の構成されておる今日の状況はあなた御承知の通りです。それは田渕君の発言なんかから聞いても、議長は適法の処理をとつたと主張しておるのです。そうして議運は従来の各派交渉会とは違つて採決で決定される。われわれは絶対多数の採決の前には、民主主義政治を尊重する建前から、そこに不満がありましても従わざるを得ない今日の現状であります。
○梨木委員 そうすると先ほどのあなたの弁明の中で、委員会外において自由党の倉石国会対策委員長とこの議事進行の問題について話されたときに、この議事進行の発言は重要であり、許さなければならぬものだということは、倉石国会対策委員長も認めておつたように言われておりますが、その点をもう少し明確にしておいていただきたいと思います。
○椎熊三郎君 すでに成規の手続をもつて議事課に届け出て議事課はそれを正しい一つの案件の提出と認めて受理した。この受理した事実、そうして倉石君や石田君は練達な議会人でございますから、その案件の内容等を説明して、こういう事態なんだから、これは許さざるを得ぬじやないか、ふだん懇意な間柄でありますから、打解けて話した。それは重大だろう、野党としてはそのくらいのことはあたりまえかもしらぬ、しかし国会の運営委員会はきのうこうきめてあるから困るというので、どうしても私の主張に同意してくれない。そのうちにベルが鳴つたわけです。
○梨木委員 そうすると倉石国会対策委員長は、この百二十九條にある川崎君の議事進行の発言は、議題に直接関係あるもの、またただちに処理する必要がある内容を持つておるということはお認めになつたというふうに了承していいですか。
○椎熊三郎君 そういう言葉は使つておりません。従つて私の主張する事前にこれを許可すべしということに同意しなかつた。だからあの人の腹の中はどうであつたかということを想像することはできないけれども、案件の重要さというものは、それはそうだと言つておるんですから認めておると思う。しかしいつ許すかということについては、議長と同じ意見であつたのではないのでしようか。あの人たちは自由党の多くの人々と同じ意見であつたのだろうと思います。
○梨木委員 それから川崎君が壇上へ行きまして、それで懲罰動議によりますと、九分間おつてそれで紛糾したというようなことになつておりますが、そういう場合には、議長がその紛糾を除去しようと考えますならば、すぐに降壇を命ずれば事態が收拾できたのじやないかというように私は思うのでありますが、その点はどういうぐあいに観察されておりますか。
○椎熊三郎君 私も同感です。議長が自信があれば川崎君の降壇を命ずべし、がえんじざれば実力を行使する、なお反抗すれば場外に連れ出すべし、これすべて議長の職権にあります。それを議長におかれましても、そういう非常の手段をとらなかつたことは、われわれの主張に十分の理由があることを認めておつた。だからわれわれは折衝しておつた。九分かかろうが十分かかろうが、そのわれわれの主張に理由がないなら、議長はわれわれの主張に受け答えして問答する必要はないのです。われわれの主張の方が正しいということを認めて、わしは宣告してしまつたのだから、この次でいいじやないかという言葉のうちを何と解釈しますか。われわれの主張が正しかつたということに私は今なお良心的な確信があるゆえんのものは、そこにあるのです。
○眞鍋委員長 関連質問を許します。鍛冶君。
○鍛冶委員 これは本物でないのですから、特に議長の許可を得ないで上つた、そうして約九分間占領しておつたというのが、この懲罰の本旨ですから、私はあなたと議論をしたくないけれどもどうしてもあなたの言われることはふに落ちぬからお尋ねしますが、あなたは議長が許可しないことは間違つておつたからあのとき許したんだ、こう言われることが私はふに落ちない。私は、議長に衆議院規則第百二十九條の「認めたものの外は、これを許可する時機は、議長がこれに定める。」これにのつとつているのだと思われる。あなたの言われるのと違う。あまり議論にならぬようにしますが、それというのは、それを読んでごらんになつたらわかる。「その内容は、予算書の違法に関する問題とのことであります。本日の議題は国務大臣の演説に対する質疑の継続でありますから、この議事進行は適当な時期に許します。」きようの問題は国務大臣の演説に対する質疑なんで、さような予算書の違法というようなことは直接関係のあるものでない。だからこの議事進行は適当な時期に、この規則の後段に基いて「適当な時期にこれを許します。」こう言つておる。これはよしあしは別ですが、私はさように解釈しておる。そこにあなたとの違いがあります。もう一ぺん伺います。
○椎熊三郎君 こうなんです。適当な時期に許すなら、あれは不適当な時期に許すべきじやない。議長は適当な時期を選ぶなら、その日の日程の全部済んだあとになぜ許さないか。中途にはさんだのは不適当な時期です。それは許さざるを得ないはめに追い込まれた。それから予算書の内容ということは、当日の議題と関連していないというあなたの解釈がそもそも間違いである。総理大臣その他の閣僚の施政方針とは何ぞや、すべて予算書に基いての説明です。ことに大蔵大臣は、予算の説明をして、その予算が憲法違反だというのと関連がないことはないでしよう。これほど関連性を持つているものはない。われわれはそんな憲法違反の説明を聞いたのかと唖然としたくらいです。それなればこそ関連がある。そうして適当な時期に許したかといえば、議長は不適当な時期に許しているのです。不適当な時期に許さざるを得ないのは、われわれの話に合理性があつたからである。私に追い詰められたから、この次に許すからがまんしてくれと言つたじやないですか。(「簡單」と呼ぶ者あり)簡單じやない。あなたがそういう点で誤解されると困る。議長は何のために私にがまんせいと言つたか。
○鍛冶委員 これ以上はあなたと議論しませんが、適当であるかどうかは議長の專権にあるのですから、これ以上は申し上げません。
○眞鍋委員長 石田君に許しますが、ちよつと申し上げます。質疑は通告順に許しておるのでありますから、あなたに許そうと思つていたのだけれども、一番あとだから——石田一松君。
○石田(一)委員 私は一言だけなんです。問題は要するに当日の国務大臣の演説に対する質疑、すなわち国務大臣の演説そのものが、予算書に関する議事進行について発言を求めたことと直接関連があるかどうかということがキー・ポイントになつておる。 それで私は椎熊さんに聞きたいのは、今まで運営委員会等の慣例で先ほどこれは田渕委員もちよつと指摘されておるのですが、田渕委員の見解としては、二十五日の運営委員会において何党が何時間、何党が何時間と一般施政方針演説に対する各党の割当をきめたので、その継続であるから二十六日も一般施政方針——もちろんこの一般施政方針も予算書に基いてなされたものであるとは言えますが、特に長い間の運営委員会の慣例を見ると、そう思うのですが、あなたの方が特に経験を持つていらつしやるので一度聞いておきたいのです、初めの日にわが党の苫米地当時の最高委員長がおやりになつた。この初めの日にやつたのは、もちろんこれは総理大臣の一般施政方針演説に対してやる。慣例としては二日目にまた同じ党から二度目の人が出てこれを質問するというのは、少くとも最初の日に総理大臣の一般質問をやり、二日目にはほとんどこれは予算、財政、経済ということを主として質問なさつた。このことだけは私はいくら否定しようとしても否定できない。長い間の運営委員会等の時間の割振り、人数の割振りについての原則のような不文律であると思うのですが、この点いかがでございましようか。
○椎熊三郎君 その通りでございます。この点は與党ばかりで過した方にはおわかりにならぬと思います。野党ではこれは非常にかんじんなことでございまして、二名を出す場合には、必ず今度もちやんと総務会で私どもはきめまして、第一日の苫米地さんは外交問題、第二陣の小川君は主として財政経済の内政問題、そういうことにわかれて、それはずつと長い間の伝統がそうなつております。あなた方も野党になれば、きつと時間の関係等からいいまして、そうせざるを得ないだろうと思います。そうして私どもは重複しないような質問をしたい。そのことは、委員会等において、私どもは時間を、一分を争つて多くとろうというときの議論の中に必ずそのことを言つてとつておる。それで一般質問の第一陣は外交問題、第二陣は財政経済に基くところの内政問題、そういうことを主張しつつ時間の割増しを主張しておるのです。
○田渕委員 もう一点だけ。私は決して林議長を擁護し、あるいはまた議長をどうこうする意思から申し上げるのではありません。あなたも尊敬し、われわれも尊敬し、しごく公平なる、むしろ與党からいうと、じれつたいくらいに思う場合があるのであります。たとえば昨日の緊急質問に対して、つまり戦力問題というような問題で、野党連合できめられた平川君に許した質問でも、(「簡單々々」と呼ぶ者あり)簡單だけれども、これは大事なんです。ぼくはこれは公平に聞くのだから、ちよつと静かに聞いてもらいたい。十分の緊急質問ときめても、実際全部で十八分もやつておられる。議長は與党から時間超過と言われてもじもじするくらいだつたが、重大な問題であるから、議長は適当な時期に許しておる。御都合のいいときには……。われわれの言うことは正しいのだから議長はこれをしなかつたというあなたの御解釈はいかがなものでしよう。 もう一つ私はこういうふうに考えておるのですが、この点はいかがですか。もしもあの場合に、あなたのおつしやるようなぐあいに、川崎君に登壇を許しておりません。川崎君に降壇を命じますと、こう言う。必ず川崎君のことだから、おりないに違いないから、議長は衛視執行、そこで執行して今度は引きおろそう、要するに衛視が執行しようとすれば、なお議場がこんとんとして来る。この平和條約を目のあたりに迎え、ことにこの大きな、国の関心の集まつておる一般質問に対する日に、議場でまた紛議がより以上拡大することを察知されて、場内交渉係が喧々ごうごうやり合つておる間に何とか片づくのじやないかというような意味からやられたものであつて、あなたのおつしやることが正しいからこれを黙認しておいたのじやない、こう私は思うのです。長年の御経験上——必ず川崎君をただちに引きおろせ、降壇を命じろと私たちは議長に言うておるのですから、議長が考えておることは、ここで與党側の交渉委員の言う通りに、それでは川崎君に降壇を命ずる、聞かないから衛視執行と来た場合には、それはひつくり返つたような騒動が起きて……(発言する者多し)黙つて聞け、大事なことだ。じようだんじやない、真剣な問題だ。(「議長は風早君を引きずりおろしたじやないか」と呼ぶ者あり)それはずうずうしいから執行した。私は決して梨木君に感情で言うのじやない。人の一身上の問題のしごく重大な問題の解釈であるから、ただ椎熊議員のいわゆる主観で、そういうふうにわれわれの言うことが正しいから議長がやらなかつたというのと、私たちはもどかしい議長だ。なぜ執行を命ぜぬか。與党としては幹部陣から田渕なぜおろさぬか、こう言つて来ます。おろせ、こう言うて来て、もしも衛視が執行した場合には、より以上の紛議が起きるということを察知されて、その円満に片づくのを待つておられたのではないか、私はこう考える。大きな食い違いがある。この点をお聞きします。
○椎熊三郎君 あるいはそうであつたかとも思われます。與党側の議長を擁護する建前からはそういうふうに感ぜられることはもつともであると私は思います。反対党の、少数党のわれわれとしては、やはり自分の主張の正しさに根拠を置かなければ闘いにならぬのです。議長に同情しつつ、もつともだ、もつともだでは議会の論争にならぬですよ。その辺もどうかひとつ御了承願いたい。
○眞鍋委員長 梨木君どうですか。
○梨木委員 もういいです。
○眞鍋委員長 これにて椎熊君の弁明に対する質疑は終了いたしました。 次に動議提出者の柳澤義男君に対する梨木君の質疑が残つておりますが、柳澤君は本日出席ができませんでしたので、次会に留保いたします。 次会は公報をもつて御通知いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後四時四十二分散会