地方行政委員会 第50号
- 発言数
- 121 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1952/05/22
会議録
○金光委員長 これより会議を開きます。 地方公営企業法案を議題といたします。質疑を行う前に、審査の参考のため、本案ときわめて関連のある地方公営企業労働関係法案について、政府より説明を聴取いたします。大島労働法規課長。
○大島説明員 地方公営企業労働関係法案につきまして、労働省労働法規課長から御説明申し上げます。 今回地方公営企業法案が国会に提案されまして御審議を願つておるわけなのであります。この地方公営企業に従事いたしております。職員の労働関係につきましては、身分関係におきましては地方公務員ではありますが、その勤務条件その他につきましては、大体現在公共企業体労働関係法に規定しておりますような労働関係に似たような形に持つて行く、すなわち団体交渉権を與える、こういう形に取扱う、こういう趣旨をもちまして労働関係法を立案提案いたして、ただいま御審議を願つておるわけであります。 第一条は、地方公営企業労働関係法の目的を規定しておりますが、公営企業におきまする企業側と職員側との間の平和的な労働関係の確立をはかりまして、企業の正常な運営を確保して、もつて住民の福祉を確保して行きたいこういう目的であります。 第二条は関係者の責務でありまして、この地方公営企業の重要性にかんがみまして、労働関係に関與する関係者は、すべて紛争をできるだけ防止いたしまして、友好的に問題を解決して行くという責務を負うわけであります。 第三条で、定義といたしまして、この地方公営企業労働関係法における地方公営企業の種類を列挙しておるのであります。地方公共団体が経営いたしまする地方鉄道事業、軌道事業、自動車運送事業、電気事業、ガス事業、水道事業、以上の六つの種類の事業につきまして、この労働関係法を適用して参りたいと思うわけであります。この企業の職員と申しますのは、この種類の地方公営企業に勤務いたしまする一般職に属する地方公務員を申すことにいたしております。 それから第四条は他の法律との関係でありますが、公共企業体労働関係法におきまして、公共企業体の特殊性に基きまして、一般労働組合法との関係におきまして、若干モデイフアイを加えておるわけであります。なおかつ公共企業体とその職員との間の労働関係から起りまする紛争の調整につきましては、別個に公共企業体独自の調停委員会、仲裁委員会等を置きまして、これによつて調整して参る、こういう仕組みにいたしておるのでありますが、今回立案いたしました地方公営企業の労働関係法におきましては、そういう特別な調停委員会ないし仲裁委員会を設けないで、現在あります労働委員会によつて円満に処理して参りたい、こういう形になつております。そういう関係からいたしまして、相なるべくは労働組合法あるいは労働関係調整法、こういうものの規定をできるだけ適用して参りたい、こういう関係で、労働組合法と労働関係調整法の適用を——この法律に定めるもの以外につきましては、これらの法律を適用するということを規定いたしておるのであります。但し、たとえば争議行為を禁止いたしておりまする関係上、そういうふうな関係の条文等は除かれることになつております。 それから第五条は職員の団結権でありますが、これは公共企業体労働関係法に規定いたしております通りであります。職員は組合を結成し、結成せず、加入し、または加入しないこと、これは自由であります。それから職員の中で管理、監督の地位にある者、あるいは機密の事務を取扱う者、こういう者は大体使用者側に立つ者、使用者側の利益を代表いたす者として、労働組合に加入もしくは組合を結成することはできない。そういうものの中にどういう職員が入るかということは、政令で基準を定めまして、その基準に従つて条例で定める、こういう仕組みにいたしております。それからこの企業体の「職員でなければ、職員の労働組合の組合員又は役員となることができない。」という規定も、公共企業体労働関係法と同じであります。 次に第六条は専従職員、これも同じ規定でありまして、労働組合の事務に専従する職員を、数を限つて公営企業側は許可することができる。但し給與は支払つてはいかぬ、こういうことになつております。 次に第七条は、団体交渉の範囲でありますが、これも公共企業体労働関係法と同じことでありまして、企業の管理及び運営に関する事項は、団体交渉の対象にならない。但しここに掲げておりますような給與とか、その他の勤務条件、こういうものにつきましては、団体交渉の対象とすることができる、こういうことになつております。この点は現行の公労法と若干文句はかわつておりますが、内容はほとんど同一のものであります。現在公労法のものも、こういうような形に改正いたしたいと思いまして、提案、御審議を願つておる次第であります。 それから第八条は、公営企業と職員の間に、この団体交渉によりまして協約が締結されるわけでありますが、その協約が各条項で、公共団体で定めております条例に違反するような、あるいは条例に牴触するような内容を持つておる協約、協定ができましたときには、これはその締結後十日以内に議会に対して、その承認を求めなければならない。それからもし議会の承認があつたときは、地方公共団体の長は、すみやかにその協定が条例に牴触しなくなるために必要なように、条例を廃止するとか改正するとかの措置をとらなくてはならない。こういうふうな条例の改正、廃止という措置があつて初めて、この条例が效力を生ずる。それま零は条例に牴触する限度において效力を生じない、こういう規定を置いておるわけなのであります。これは条例の範囲内で協定ができなくてはならないのでありますが、協定について議会の同意があつたときは、こういうふうな措置によつて效力を生じて来るという趣旨であります。 それから第九条は規則の場合で、同じような趣旨を書いておるのです。規則に牴触する内容を有する協定の場合は、すみやかにその規則の改正または廃止の措置をとらなければならない、措置をとらなければ效力を生じない、こういうことを規定しておるわけであります。 第十条は、同じく協定が予算上、資金上、不可能な支出を内容とする場合にどうするかという規定でありまして、これは現行の公共企業体労働関係法十六条に規定しておりますのと同じ趣旨であります。やはり議会に付議してその承認を求めなければならない、議会の承認があつたときは、その協定が效力を発する、こういう趣旨を規定いたしております。 第十一条は、争議行為の禁止でありまして、争議行為をすることはできない、またこれと共謀し、これをそそのかし、あおつてはいけない。企業側につきましては作業所閉鎖をしてはならない。 第十二条は、この十一条違反の行為をした職員を解雇することができる。またそういう違反行為をした者については、労働組合法とか、労働関係調整法でいろいろな保護規定がある、あるいはこの法律で保護規定があるのでありますが、そういう手続に参與するとか、救済を受けるとかいう権利を失う、こういうことにいたしております。 それから次に第十三条以下は、職員と企業との間に生じましたいろいろの苦情とか紛議の処理を、どうしてやるかということであります。第十三条は苦情処理でありまして、これは職員の日常の作業条件から起つて参りますいろいろな苦情を円満に解決するために、企業側と職員側で苦情処理のための共同調整会議を設ける、こういうことにいたしております。これは企業側と職員側と、それぞれ同数の委員をもつて構成するわけであります。この苦情処理共同調整会議によつて、日常の苦情をできるだけ円満に解決して参りたいということであります。 次に第十四条は、調停を行う場合であります。いろいろな紛議の関係をいかにして調停を行うかでありますが、これにつきましては、先ほど申しましたように、公労法の場合と違いまして、労働委員会をしてその衝に当らせるわけであります。どういう場合に調停をなし得るか、調停が開始するかということでありますが、ここに一号から五号まで書いておりますような事由、これは大体労働関係調整法にあります一般の労働関係における調停の場合と同じなわけでございます。そういう事由によつて調停を開始するわけであります。これでできるだけ解決をして行きたいと思います。 それから十五条は仲裁の場合でありまして、これも労働委員会の手によつて仲裁を行つて行くわけなのでありますが、その場合労働関係調整法におきまして、一般の場合の仲裁は、御承知の通り、任意仲裁だけに限られておるわけなのであります。すなわち労使双方がこの問題は解決しにくいから仲裁をしてくれと申請がある場合と、協約であらかじめ紛争がもつれたときには仲裁してもらうというきめがあつて、これによつて申請があつた場合、こういう任意仲裁の場合に限つておるわけなのであります。この場合におきましては公労法の場合と同じく、労働委員会が仲裁の必要がありと決議したとき、あるいは調停が非常に長くかかつて、二箇月かかつても調停が成立しない、あるいは労働大臣または都道府県の知事が仲裁の請求をしたとき、こういう場合に仲裁を開始することができる職権と申しますか、強制と申しますか、そういうふうな任意仲裁以外の仲裁の方法を規定いたしております。 それから第十六条は仲裁裁定であります。仲裁裁定の效力は、当然当事者を拘束いたすわけでありますが、ただ先ほど御説明申し上げましたように、第八条、第九条、第十条の場合、すなわち条例に牴触する内容を有する仲裁裁定が出たとき、これは協定と同じようになるわけであります。第九条の場合は規則に牴触する内容を有する仲裁裁定、これも協定の場合と同じような形になる。それから第十条は予算上、資金上不可能な支出を内容とする仲裁裁定が出ております。この場合も協定と同じく、第八条、第九条、第十条、こういうふうな規定と同じような処理がなされる、こういうことにいたしております。 それから第十七条は、公営企業法の方におきまして、先ほど第三条で御説明申し上げました鉄道、軌道、自動車運送、電気、ガス、水道、こういうふうな各種の種類のうち非常に人数の少いものにつきましては落しておるわけであります。一定の人数以上のものを公営企業として規定されておるわけでありますが、それ以外の職員につきましても、すなわち小規模の地方公営企業の職員の身分取扱いにつきましても、地方公営企業法の三十七条から第三十九条までの規定は準用するということを規定いたしております。 以上が労働関係法の各条の説明でありまして、附則におきまして、この法律の施行日は、公布の日から六箇月以内で政令で定めるということにいたしております。これはでき得べくんば地方公営企業法の施行と同じくいたしたいということであります。それから第二で政令二百一号は、この関係の職員には適用いたさない、こういうことにいたしております。 以上非常に大要の御説明でありますが、地方公営企業労働関係法の逐条の御説明を終ります。
○金光委員長 質疑を許します、立花君。
○立花委員 一般的な質問を最初にやりたいと思います。自治庁がお出しになつております。地方公営企業法案は、公営企業の独立採算制が本質的なねらいだと思うのですが、それに間違いがないかどうか。
○鈴木(俊)政府委員 御指摘のような点があるわけであります。
○立花委員 そういたしますと、地方の経営いたします公営企業が、公共事業というような面から、営利的な形態に移るということは必至だと思うのです。ところがそこに雇用されております労働者が、依然として公務員としての拘束を受けるというふうに労働関係法ではなつておるわけなんですが、企業の実体自身が営利的な独立採算制をとりまして、営利的な私企業的な傾向に行く場合に、なおかつ労働者だけを公務員としての特殊な立場から制限して参る、憲法に保障されております労働者の基本的人権を制限して参るということは、大きな矛盾じやないかと思う。経営の面では営利的な、私企業的な方向をとりながら、労働関係の規制の面では、依然として公務員の戰時中の規制を継続し、罷業権まで剥奪して行くという方向は、明らかに矛盾じやないか、この間の矛盾をどう説明なさるのか。当然経営自体がそういう方向へ行くのであれば、同じ私企業の労働者と同じように、一般的な労働法規で規制すればいいのであつて、経営自体がそういう方向へ行つておるのに、労働関係の規制だけはそういうふうにすることは、明らかに矛盾じやないか。その間の調整をどうお考えになつておるか。 それからこれはそれに関連があると思うのですが、公営企業法案だけを自治庁でお出しになつて、労働関係法を労働省でお出しになつておる。ここにやはり政府部内の意見の分裂がはつきりあるのじやないか。なぜこういうふうにばらばらにお出しになつたのか。しかも地方公営企業労働関係法の母法である地方公務員法は、依然として自治庁がやつており、しかも当委員会でも審議いたしたのですが、その特例法である公営企業労働関係法だけは労働省が所管し、他の委員会で扱うという、まつたくこれは分裂症状を起しているわけでありますが、これもあわせてひとつ御説明願いたい。
○鈴木(俊)政府委員 先ほどのお尋ねに対しまして、独立採算の建前をとつておる点もあると、私は申し上げたのでありまして、地方の公営企業の経営の基本原則といたしましては、地方公共団体が経営いたしまする企業でございますから、これは当然民間私企業の企業経営とは基本において違うわけであります。要するに簡單に申せば、当該地域の住民の福祉を増進する、公共の福祉を増進するという公共性が、一方に当然要請されるわけでございまして、それとともに経済性というものをできるだけ考えて行く、要するに公共性、経済性というこの二つが、この公営企業法案の第三条にございますように、経営の基本原則であるわけであります。従つて経済性の点のみから、この法案を立案をいたすということは、もちろん適当でないわけでありまして、両者の要素を適当に調整をいたして立案をいたしたのであります。 なお労働関係もまとめまして、地方公営企業法としてつくりますることは、確かにこれは一つの理想であります。ただ実際に国会の御審議あるいは政府部内の立案というような関係から考えまして、またかねて国会の常任委員会におきましても、別個に立案すべきであるというような御意見を、私どもこの席でも拜聴いたしたことがあるのでありまして、そういうような点も考慮いたしまして、便宜二つの法案に立案いたしたわけでありますが、両者の間におきましては、十分意思の疎通をはかり、政府としては閣議において、もちろん一つに調整をいたして提案をいたしたものであります。
○大島説明員 ただいま自治庁から御説明申し上げましたと同じなのでありますが、私どももこの地方公営企業に従事いたしまする職員は、やはりこれは地方公務員であることは同一なのでありますが、ただこの地方公務員の中で、今申しますようなそういう経済性のありますような企業職員、そういうものについては、地方公務員たる身分は同じであるけれども、その給與その他の勤務条件につきましては、これは團体交渉を許しまして、それによつて実情に沿うような給與その他の勤務条件を確保させまして、これによつて能率を上げる、ひいて企業の成績を上げて行く、こういうふうな形が望ましいのであります。そういう見地から地方公務員たる身分は同一でありますが、同時に給與その他の勤務条件については団体交渉を許す、その他の労働関係について、ただいま御説明したような特別の関係法をもつて律して行く、こういうふうな形が望ましいと思いまして、今回の労働関係法を御提案申し上げたような次第であります。
○立花委員 独立採算制で、経営の公共制から営利的な形態をとつて行くということは、政府の説明自体の中にこう書いてあります。「従来の官庁会計を排して発生主義の原則に基く企業会計を採用し、企業に従事する職員の」等等と書きまして、明らかにこれは一つの企業として、一つの一般営利会社の形態をとる企業会計を採用して、官庁会計を排して企業会計にして、しかもそれはまつたく独立採算制で、いわゆる公共事業の形ではないわけなんです。そうなつて参りますと、明らかにここで規定しております公営企業は、他の一般の会社事業と何ら変化がありませんので、労働者だけを身分が地方公務員だからということで制限いたしますことは、非常にこれは不当じやないか、その点の矛盾は私免れることはできないと思う。その点が今の説明では非常に不十分だと思う。鈴木君の答弁では、そういう点もあると言われておりますが、この法案全体を貫きます基本的な考え方は、やはり独立採算制であり、企業の経営化だと思う。しかるに労働関係法だけはそうじやないということは非常に不可解だと思うのです。質問を次に進めたいと思いますが、こうなつて参りますと、地方の公務員という形から来る制限ばかりでなしに、いわゆる公共事業としての労働者に、労働関係の制限をやる、規制をやるということに、本質的にはなつて来るのじやないか。地方公務員というよりも、公共企業体の労働者あるいは職員としての規制をやろうとしているというふうに考えられるのですが、この地方公営企業を公共事業として理解していいかどうか、それをひとつ承りたい。
○鈴木(俊)政府委員 ちよつと御質問の趣旨が明確でございませんが、国の場合は、いわゆる公社組織のように、一つの公共企業体という独立の別個の法人組織を設けまして、経営するということも可能であるわけでございまするが、この地方公営企業法におきましては、さような形をとらないで、やはりこれは地方団体が直接経営する事業である、しかしながらその経営の責任者である管理者に対しまして、ある程度の独立性を持たせる、要するに議会なり長なりの権限から、ある程度の独立性を持たしまして、できるだけ能率的に企業の経営ができるようにいたそう、こういうところにねらいがあるわけであります。しかしながらそういう面は、要するに経済性の原則に従つて考えているわけでございますが、半面あくまでもこれは地方公共団体の経営する事業でございますから、その点においては民間私企業とはまつたく質を異にするわけであります。そういう意味で、地方公共団体の長なり、あるいは議会が当然に關與する面があるわけでございます。現在私企業につきましては、御承知のごとく地方鉄道法とか軌道法とかいう法律があるのでありますが、現在の法律の建前としては、そういう法律がやはり地方団体の経営する地方鉄道なり、軌道にそのまま適用になつておる、この面では地方公共団体と私企業と区別がないように、現在なつておるわけであります。一方今御指摘の官庁会計というようなことが、地方公営企業に対しても今までは当然に予算編成の原則として、適用されておるわけでありまして、この面では純然たる公共性のみで定められておるわけであります。こういうふうに現在の地方公営企業は、一方においては私企業と同じように扱われ、一方においては官庁の普通の行政機関と同じように律せられておるというところに、不合理があるわけでありまして、この両者のいわば中間区域として、地方公営企業という一つの形態を考えまして、それに対してこの法案において規定をいたしておりまするような、公共性と経済性を加味した一つの制度を考えておる次第であります。
○立花委員 先般政府が協定いたしました行政協定に基きますと、合衆国軍隊は公益事業及び公共の役務を利用する権利を、優先的に持つておるとなつておりますが、この行政協定の第七条と、この地方公営企業との関係をどうお考えになつておるか。それから同じく第七条でいつております、公共の役務の問題と公益事業の労働関係とはどういうふうに考えておられるか、これをひとつ承りたい。しかもここで問題なのは、優先的に享有する権利とありますが、一体優先的とはどういうことなのか、これをひとつ明らかにしていただきたい。
○鈴木(俊)政府委員 ただいまのお話は行政協定の協定条件自身を御指摘してのお話でありますか。
○立花委員 ええ。
○鈴木(俊)政府委員 これはそれに対応いたしまする法律が制定されておりまするかどうか、私今ここでつまびらかにいたしておりませんが、そういう法律が制定されておりますれば、もちろんでございますけれども、制定されていませんでも、そういう一つの協定の効力として、それを承認をいたしたというようなことに相なりますると、あるいはこの地方公共団体の経営しておりまする電気事業等につきましても民間と申しますか、一般の電力会社等の経営をいたしておりまする公共事業と同様な建前において、優先的に使用されるという結果になることは、これはやむを得ないことであろうと思います。
○立花委員 労働関係はどうです。
○大島説明員 ただいまの御質問の御趣旨が、ちよつと私理解いたしがたいのでありますが、行政協定の労務関係と、この公営企業労働関係法とは、別に直接のタッチの問題は生じないのじやないかと思いますが、その点ちよつと御質問の趣旨がわかりかねます。
○立花委員 鈴木君の答弁では、これは法律化されているかどうかわからない、知らないということを言つておりまするが、私は今出して参つております地方公営企業労働関係法、あるいは地方公営企業法等は、やはりこの行政協定の趣旨に従つてつくられておる法律じやないか、明白に意識されておるかどうかは知りませんが、この行政協定でいう占領軍が公益事業を優先的に享有する権利を有する、あるいは公共の役務を優先的に享有する権利を有する、これがやはりこの二つの法案になつて現われておるのじやないか、少くとも客観的にはその役割を果すのじやないかと思うのです。そこからやはり占領軍が公共の役務を、こういう地方公営企業労働者を優先的に利用するところから、この企業は営利的な方向べ行くのだが、労働者だけはやはりはつきりと労働関係を規制しているというふうに、これは実質的にはつきりつながつておると思うのです。今の説明された限りでは、そういうことは意識しておられないようなのですが、そういたしますと、この第七条の公共の役務を利用する権利、しかもそれを優先的に享有する権利とは具体的にはどういうことなのだ、地方の公営企業の労働者に対して、それを優先的に享有するとは一体どういうことなのだ、少くともどういうふうにこの第七条を理解されておるのか、これをひとつ承りたいのであります。
○大島説明員 今回御提案申し上げております地方公営企業労働関係法案と、ただいまお話の点とは、これは決して主観的にも、また客観的にも直接に関連はないと私は思うのですが、そういうふうにひとつ御了解を願いたいと思います。
○立花委員 主観的にはないとあなたはおつしやるのだからそうでしようが、客観的にもないということは私言えないと思うのです。というのはあなたは何も説明されておりませんので、第七条の公共の役務を利用するとはこうこうこういうことなのだ、だから全然関係がないのだという説明があればわかりますが、その説明を抜きにして客観的にも関係がないのだということは、私は言えないと思うのです。だからそう主張されるなら、第七条の内容を一体どう理解されておるのか、これをひとつお示しを願いたい。
○大島説明員 行政協定の関係につきましては、所管の当局からひとつ御説明申し上げさしていただきます。
○立花委員 そうは参りませんので、あなたの方ですでに地方公営企業の労働者に対する法案をお出しになつている、ところがその地方公営企業の労働者については、行政協定でこういう規定がある、こうなるとそういう規定が具体的にはどういうことになるのだということを知らないで、労働関係法は私は出せないと思う。だからこれは外務省あたりに聞いたつてそういうことはわかりませんので、その内容とそれを規制する労働関係法とは、密接不可分なのです。それがわからないでこういうものをお出しになつたとは私理解されませんし、もしそういうことを全然お知りにならないで出したとすると、これを撤回なさつて、そういう事態が明白になつてから、それに適したものをお出しになるのが妥当ではないかと思うのですが、全然これはお知りにならないのですか。
○大島説明員 再度申し上げるようでありますが、別にこの法案とは関係ございません。
○立花委員 わからないというなら話はわかりますが、関係がないとは言えない、内容がわからないで関係がないとは私は言えないと思うのです。占領軍が公共の役務を優先的に利用する、そうなつて参りますと、たとえば市等でやつております水道、バス、あるいは軌道、道路、こういうところで勤務しております職員あるいは労働者は、優先的に占領軍に利用されるわけなのですが、それがどういう形でどういうふうに利用されるか、その場合に当然労働条件の問題が問題になつて来るわけです。だからそれがはつきりいたしませんと、労働関係を規制する具体的なものは出て参らないわけなのです。それがわからないで関係がないとは私は言えないと思うのです。だから当然これは明白にして置くべきじやないか、しかも明白になつていないならば今からでもけつこうだから、それを当然明白にしてその具体的なものの上に立つて、そういう具体的な労働条件をどう規制して行くかというふうな法案をつくるべきである。一方にこういう重大な行政協定の規定があるにかかわらず、その内容を糾明せずして、ただ労働者の労働関係の規制をやるというのでは、これはあまり片手落ちじやないか、労働者を縛りつけておいて、その上にどんな無理な注文でも、けつこうというに至つては、これはまつたく労働者の立場を無視した、労働者の利益に反したことになると思うのですが、その点をもう一度御答弁願いたいと思います。
○大島説明員 御質問の御趣旨は、おそらくは駐留軍に対する労務を提供いたします裏づけとして、こういう地方公営企業の職員についての労働関係について、この法律をつくつたのじやないか、こういう御趣旨の御質問と承知いたすのでありますが、そういう意味でございましたら、決してそういう関係はございませんので、さよう御了承願いたいと思います。
○立花委員 労働関係は別といたしまして、公営事業、公益事業の関係は一体どうなるのか。公益事業を優先的に利用するということは、一体どういうことなのか。地方の公共団体が経営しております公益事業、あるいは公共事業は、あくまでも市民の利用、市民の利便が優先でなければならないと思うのですが、それよりもさらに優先して、占領軍がそれを享有する権利を有するとは、一体どういうことなのか。その場合利害の得失、あるいは経費の支弁はどういうふうにお考えになつているか。これをひとつ具体的に承りたいと思います。
○鈴木(俊)政府委員 そこに書いてあります公益事業、公営企業と申しますのは、ひとり地方公共団体の経営するいわゆる公営企業にとどまりませんで、民間の各種の私企業の経営しております公益的な事業、あるいは国の経営しております輸送事業、その他のものをみな包括しておるだろうと思いますが、それを優先的に使用するということは、要するに一種の公用負担、国際的な条約、協定に基きますところの公用負担であると思うのであります。もちろん地方公営企業の本旨といたしましては、当該地方の住民を主体といたしまして、そういうものに公営企業を利用せしめるということが、第一義でなければならぬことは、これは当然でございますが、ただただいまのような国際協定に基きまして、そのような国の施設あるいは地方の施設に対する一種の公用負担が加わつて來ると思うのであります。しかしながらこれにつきましては、利用の対価というものは、もちろん当然考えられるわけであります。
○立花委員 あまり具体的に行政協定の内容を検討されていないで、この二つの法案をおつくりになつたということが、明白になつたと思うのです。そういうことでは、この労働者の基本的な利益をまつたく顧みない、労働者の活動の制限をまずやつておいて、そしてその上でいろいろな向う様の言うような優先的な利用を無条件で受入れる態勢をつくりあげて行こう、こういうことにしか私客観的にはならないと思います。罷業権を剥奪し、団体交渉を制限いたしまして、そしてしかも無条件的に向う様の優先的な利用に応じさせる態勢をつくり上げて行こう、こういうことに本質的にこの法案はなるのじやないかと思います。 内容に入つて行きたいと思いますが、そういう意味で、この罷業権を禁止したのは、根本的に間違いじやないか。さつきから言つておりますように、経営自体が一箇の営利的な形態と、何らかわらない形態になつている。しかるに労働者だけは、一般企業の労働者と違つて、罷業権を剥奪して行く。これはまつたく矛盾する措置なんで、不当なことは明らかだし、この法案の本質を暴露しておると思いますが、なぜこういう措置をおとりになつたのか。占領下に発せられましたところのマッカーサー書簡、あれに基きまして、国家公務員法あるいは地方公務員法ができたのですが、独立後におきましては、当然あれは廃止さるべきである。占領下に規制されておりましたいろいろな労働運動の制限は、撤廃さるべきだと思います。ところがそれを撤廃しないばかりでなしに、さらに今度はそれを利用いたしまして、逆に公営関係労働者に対する、こういう基本的な罷業権等の剥奪をやつておるということは、一体何に基くのか。これこそ明らかに占領の延長であり、まつたく反動的な労働立法と言わざるを得ないと思うのですが、この点どうお考えになりますか、承りたいと思います。
○大島説明員 先ほども御説明申し上げましたように、地方公営企業に従事いたします職員の身分は、やはり地方公務員でありまして、そういう公務員たる身分の本質は、全体の奉仕者であつて、一部の奉仕者ではない。この公務員の身分の本質から考えまして、争議行為を行うことは適当ではない。ただ給與その他の勤務条件については、できるだけ団体交渉によつて、適切な勤務条件を獲得するようにいたしたい。なおそれらについて紛争のあります際におきましては、あつせんとか、調停とか、仲裁とか、そういう方法によつて、合理的に解決して処置して参りたい。かような意味合いで、争議行為は禁止いたしてあるのであります。その点決して不当、あるいは間違いではないのでありまして、さよう御了承願いたいと思います。
○立花委員 公営企業の中における労働者の賃金は、一体何に基いて決定するのか承りたいと思います。
○大島説明員 賃金の根本的な基準につきましては、条例で定められるのでありまして、その条例の範囲内におきまして、団体交渉において交渉いたしまして、協約を締結いたしまして、それによつて定まつて行く、かように考えます。
○立花委員 賃金をきめます条例は、基礎的には何によつて決定されるのか、承りたいと想います。
○鈴木(俊)政府委員 これは地方公営企業法案の第三十八条に、給與に関する一般原則が規定してございますが、職員の給與は、その職務と責任に応ずるものでなければならない。さらに給與は、生計費並びに国及び地方公共団体の職員並びに民間事業の従事者の給與、その他の事情を考慮しなければならない。こういう二つの原則を示しておりまして、そういうようなことに基いて、給與の種類、給與額の決定の基準を各公営企業を経営しております地方団体の条例で定める、こういうことであります。
○立花委員 このもつともらしい文句と、独立採算制の問題とは、どう関連があるのですか。
○鈴木(俊)政府委員 独立採算制と申します以上は、これはその企業を経営いたして行く場合において、必要なる各種の経費というものを一方において考え、またその企業の減価の償却をして行くという考え方をとつておるわけでございまして、それらの関係のいわゆる発生主義の見地に立つた企業会計を考えまして、一方料金その他の收入というものを考えまして、両者を見合つて独立採算制ということに相なるのであります。
○立花委員 特に賃金との関係を明確にしていただきたいのです。企業が独立採算制をとる以上は、そこに勤務しております労働者は、やはりその独立採算制のわくの中で、賃金が決定されるのじやないかと思うのですが、そういう考え方があるのか、その点を明確にしていただきたいと思います。
○鈴木(俊)政府委員 給與賃金につきましては、労働関係法の方とも関係があるわけでございますが、独立採算制という見地から申しますならば、今申し上げましたような基本的な条例を基礎にいたしまして、職員の労働組合と、企業の経営に関係いたしまする長あるいは管理者との間の、労働協約によつてきまつて来るわけでございますが、その労働協約が、予算上資金上不可能なものである、あるいは給與條例に違反するものであるというような場合には、議会の議を経まして、その点の調整が行われません限りは、効力を生じないのであります。けれども、そうでない限りにおきましては、要するに予算なり、資金なりあるいは給與條例の基礎において、可能なるものでございまするならば、これは団体協約に基きまする賃金が、すなわち企業職員の給與としてきまつて来るわけでありまして、こういうものは独立採算の会計の上におきましては、当然必要なる経費として見込まれて行かなければならぬわけでございます。
○立花委員 だから結局賃金は、独立採算制の建前での企業の経営内で、まかなわれて行くということになるだろうと思うのです。そうなつて参りますと、身分が地方公務員だから、こういう労働関係の規制をやるのだと言われておりますが、それはまつたく形式上にのみこだわつたことなので、実質上は独立採算制をとつておる企業内で賃金が決定され、労働條件が決定されて参るのでありまして、そうなりますと、ここに勤務しております労働者は、明らかに一般労働者と何ら相違がないわけでありまして、單に名目上地方公務員となつておりましても、それはあくまでも形式上の問題であつて、実質上は独立採算制の経営の中での、具体的な労働ということになつて来るだろうと思うのです。それに対して地方公務員だからこういう規制をやるのだ、罷業権も認めないのだということになつて参りますと、これは大きな矛盾だと思うのですが、その点をどうお考えになつておるか。団体交渉で決定すると言われておりますが、明らかに団体交渉が最後の決定権を持つておりませんので、第十條による予算上資金上の制限がありまして、予算上、資金上の制限のわくを越えますと、その団体協約は無敵であるということがはつきり書いてあるわけです。しかもこの予算上という予算は何によつて決定されるかといえば、独立採算という大きな基本的原則に従つて、予算あるいは資金が決定されて参りますので、あくまでもこれは団体協約よりも予算が先行し、さらに独立採算制という企業精神が優先するわけになつて来ると思うのです。そのわく内での賃金なんで、あくまでもそういうものを闘い取る労働者の基本的な権利は保障されていなければならないと思うのです、この点の矛盾をどうお考えになつておるか承りたい。
○大島説明員 この点は、地方公営企業の職員は、地方公務員であるという関係は、御説のように必ずしも形式的ということじやないのであります。やはり地方公務員たる実はあるわけであります。その地方公務員たる本質的な要請から参りまして、争議行為を禁止するということは、妥当なる措置ではないかと考えるのであります。
○立花委員 私は実質的なことを申しておりますので、たとえば公社等におきましても、すでにおれは国家公務員ではないと思うのです。実質的には公社と公営企業とはかわりませんので、片一方はすでに公務員の性格がなくなつておるにかかわらず、こつちだけは公務員の性格を残しておるということはおかしいじやないか。しかも国と公社と違いまして、地方の公営事業にはそういう国家性とか、そういう一般的なものがありませんで、非常に限られた地方で、しかも事業の性格自体が、他の一般的な企業と何ら本質的にはかわりはないわけです。たとえば地下鉄と私鉄がどう違うかということは問題でありして、事業の実態自身は何らかわりはない。しかもそれが独立採算制がとられておるという場合に、地方公務員だから規制してもいいのだということの形式論理一点張りでは困ると思う。そういうことだけで基本的な権限が剥奪されては困ると思うのですが、あくまでもそういう形式的な面だけを主張なさるおつもりなのか。これは明らかに実態と矛盾して参りますので、いつかはその破綻が来るだろうと思うのですが、そういう形式論理だけでお進めになるのかどうか承りたい。
○大島説明員 ただ争議行為を禁止するばかりではないのでありまして、この実質的な面におきまして、給與その他の勤務條件につきまして、いろいろ争いがあり、これが団体交渉によつてなかなか解決がつかない、そういう場合におきましては、労働委員会という第三者的な、労、使、公益の各代表からなります公正な機関の手によりまして、あつせん、調停、仲裁というふうな各種の手段によつて、できるだけ円満合理的に解決して参る。こういうふうな実質的な措置をいたしておりますので、これと相まつてお考え願いたいと存ずる次第であります。 〔委員長退席、吉田(吉)委員長代理着席〕
○立花委員 そうなつて来ると、ますますおかしいと思う、地方公務員であるなれば、地方公務員法に従つて人事委員会があり、公平委員会があるわけなんですが、なぜそこに持つて行かないで、労働委員会に持つて行くのです。一般的な企業の仲裁、調停機関である労働委員会へ、なぜ地方公務員の問題を持つて行くのか。地方公務員法に従つて、明らかにそういう問題を扱うべき人事委員会あるいは公平委員会等があるわけなので、ここにも明らかに矛盾が出ているのじやないか、この点どう御説明なさるか。
○大島説明員 この労働関係につきましては、現在まで各種の調停、あつせん、仲裁等をやつております労働委員会が、現状におきましては一番事情に詳しく、また適切にそういう紛議の調整をやれるという関係と、それから現在の公共企業体労働関係法等におきまして、企業ごとに一種の調停委員会ないしは仲裁委員会を置いておるのでありますが、今回の地方公営企業につきましては、全国的に非常に数も多く、かつ地方的にもなります関係上、労働委員会をしてこの調整に当らしることが妥当だと考えまして、こういうふうな立法にいたしておるわけであります。
○立花委員 そういうことを聞いておるのではありません。あなたは、地方公務員だから、労働関係の規制をやるのだと言いながら、それの仲裁機関あるいは裁定機関の方は、労働委員会に持つて行くと言うので、地方公務員であれば、地方公務員法に従つてそういう別の機関があるのだから、なぜそこに持つて行かないのかということを言つておるわけなんです。国の各公社等とは違つて、非常に部分的なんだし、人間も非常に少いのだし、こういうやつを特に労働委員会に持つて行く必要はないので、人事委員会等で、当然処理すべきだと私は思うのです。そういうことをしないのであれば、他の一般的な企業の労働者と同じように、地方公務員であるというわくをはずして、一般の労働者並みの労働関係法でやつて行く、それなら話はわかりますが、地方公務員だということで縛り上げておきながら、しかも裁定、仲裁の方は労働委員会に持つて行つて、地方公務員の機関の方に持つて行かないというところに矛盾があるのじやないか、その間の矛盾を説明していただきたい。
○大島説明員 先ほどからも申し上げておりますように、給與その他の勤務條件につきましては、これは団体交渉によつて、適切な結果を得て行く方がいい、こういう観点からいたしまして、今回の労働関係法を立案いたしたわけであります。従つて地方公務員法の給與の面につきましても、この関係の適用ははずしておるわけなのであります。従つて人事委員会その他の手によらずして、賃金その他の勤務関係につきましては、団体交渉によつてやつて行く。それがまとまらないときには、そういう関係について非常に明るい公正な第三者機関である労働委員会に調停を願つて行く、かような関係で立案いたしておる次第であります。
○立花委員 まだはつきりしないのですが、問題を次へ移します。 そういう形で実質的な労働者の労働条件が、独立採算制をとつておる企業のわく内で決定されて参り、賃金もそのわく内で決定されて参る、こうなりますと、労働者は経営の状態が自分たちの賃金に直接影響して来るのだから、当然経営に参加すべきだと思うのですが、この法案では、一般の企業形態をとりながら、しかも労働者の経営への参加を許さぬということは、これは非常に矛盾するのではないか、この点をどうお考えになつておりますか、御説明願いたい。
○鈴木(俊)政府委員 先ほど来繰返して申し上げておりますように、地方公営事業は、一面地方公共団体が経営をいたす事業であります。地方公共団体は、これは住民全体の福祉のためにある団体でございまして、その基本の意思を決定し執行するものは議会であり庁であるわけであります。この議会なり庁の定められた基本の方針のもとにおいて、地方公営企業を運営して行くのが、管理者であるわけでありまして、管理者には自由裁量の余地を與え、ただ住民の福祉ということをねらいとしまして、できるだけ企業としての弾力性を與えるようにはいたしておりますけれども、根本はやはりあくまでも住民全体にサービスする企業であるわけであります。従つてそういう企業は民間の私企業とは、まつたく本質を異にしておるわけでありまして、民間の場合に労働者が経営に参加するという考え方があるから、地方公共団体の経営する企業についても、その企業に従事しておるがゆえに、経営に参加すべきであるという立論にはならないと考えるのであります。あくまでも住民全体の代表として、選挙その他の方式によつて選ばれた者が、その団体の事業経営についての立場を持つておる、かように考えておるのであります。
○立花委員 市電、水道あるいはその他の地方団体の公共事業が独立採算制をとるということについては、電車賃が上る、あるいは水道代が上るということで、住民の大部分はこれに反対なんです。だからこれが住民の総意であつて、そこに勤務しておる労働者も服従すべきであるということは実質上は出て参りません。これが住民の意思であることが、あなたの言うように立証できれば別ですが、私どもこれは住民が双手を上げて反対をしておるのであつて、住民の意思に基いておるものではないということだけは言つておきたいと思う。住民といたしましては、地方の予算の執行、あるいは地方の財政の運営等から考えまして、独立採算制にしなくても、やり方によつては公営企業等がうまく運営される見通しがあり、当然それをやつて水道あるいは市電等は値上げしなくてもいいようにすべきであるという意思を、はつきり持つておりますので、それに逆行する法案であるということは、やはり根本的にひとつ反省しておいていただきたいと思います。その上で論理を進めませんと、これは住民の意思なんだからとかいうようなことになつて参りまして、話が食い違つて来ると思います。 具体的な団体交渉の問題に入つて行きたいと思います。さいぜん問題にいたしました団体協約と十条の予算上、資金上不可能なる協定は無効であるということとの関係ですが、これは一体具体的にはどちらが優位にあるのですか。十条によりますと、公共団体を拘束しないと書いてあるが、一体無効なのか、効力があつても効力が発生しないのかどうか、この点が非常に不明確なので、これをひとつ明確にしていただきたい。それから「予算上資金上」と一本にして書いてございますが、予算上の問題と資金上の問題は、根本的に性格が違いますので、この点もあわせて御答弁願いたいと思います。
○大島説明員 第七条と第十条の関係でございますが、第十条の第三項に書いてありますように、この協定の内容が予算上資金上不可能な支出を内容といたしておりますような場合には、地方公共団体の議会の承認を求めるわけであります。この議会の承認があつたときは、第一項の協定はそれに記載された日付にさかのぼつて、効力が発生するわけであります。 それから第二の御質問の、「予算上質金上不可能な支出を内容とする」ということでありますが、予算上は御承知の通り公営企業関係の予算が含まれておるわけでありますが、その予算上執行不可能な内容の協定なのであります。資金上の問題は、予算の問題じやなしに、資金上の問題で不可能な支出を内容とする協定、こういう意味であります。この十条は御承知の公共企業体労働関係法の十六条と同じような規定になつております。
○立花委員 答弁がはつきりいたしません。予算は地方の議会の問題があるわけです。その反対に資金の方は議会の問題はないと思うのです。これはあくまでも労働協約を結びました当事者の責任において解決できることなんです。この二つを並べまして「予算上資金上不可能」なんというふうな表現の仕方は、これは誤解を招くものではないかと思うのですが、予算と資金の区別をどういうふうにお考えになつておりますか。
○鈴木(俊)政府委員 ただいま説明でございましたように、予算の問題はもちろん議会に関係いたしますが、資金といたしましては、公営企業法案の三十二条に剰余金の処分というものがありますが剰余金の処分はその法定せられました事柄以外については、「別に予算に定があるものを除き、議会の議決を経て定めなければならない。」かように相なつておるわけでございまして、やはり議会との関連があるのであります。
○立花委員 資金は剰余金だけではありません。剰余金とお書きになつておればわかるのですが、資金と書いてあります。資金の責任は理事者側にあると思います。剰余金の処分はなるほど議会に関係があるかもしれませんが、資金一般が議会に関係があるとはいえません。予算上と資金上の同等に扱つておられるのは明らかに間違いである、そう思うのですが、どうなんですか。
○大島説明員 御質問の趣旨は、おそらくは予算上は可能であつても、資金のやり繰りや何かで不可能な場合、こういうことを御懸念じやないかと思うのですが、予算がありますれば資金の関係は当然出て来るわけなんです。そのとき、たとえば七月一日ならで七月一日という当日に資金のやり繰りが不可能な場合はあり得るでしようけれども、そういう場合のことを申しておるわけではありません。これは当然理事者側の責任において、予算の範囲内で支出を協定に従つてやつて行かなければならぬことになるだろうと思います。
○吉田委員長代理 ちよつと立花委員に申し上げますが、まだ改進党、社会党の質問がありますので、なるべく簡單にお願いいたします。
○立花委員 団体交渉と議会の議決の問題なんですが、資金の問題は理事者の責任であるというふうに言われましたのでわかりましたが、そうなればこれは当然ここは予算上ということだけをお書きになればいいので、資金上という言葉は省かれた方がいいのじやないかと思う。それから予算上の問題にいたしましても、議会と団体協約との問題ですが、十条には協定が行われても、所定の行為がなされるまでは、当該地方公共団体を拘束しないとあるのですが、拘束しないということは無数だということとは違うと思うのです。非常に微妙な表現だと思うのですが、この点は一体どうなのか、予算上不当である、措置のできない協定をやつたときは、その協定は当然無效なのであつて、何ら拘束力を有しないという意味なのか、それは有效ではあるが、予算上できないんだから、それが実現するまではやる義務がないということなのか、その点を明確にしていただきたい。
○大島説明員 第一の問題につきましては、やはり先ほど御説明申し上げたように、三十二条との関係におきまして予算上の場合のほかにも、資金上の問題があり得るわけでありまして、こういう規定は公労法と同じくこういう規定にいたしたいと思うわけであります。それから效力の関係につきましては、これまた先ほど御説明申し上げましたように、議会の承認があつたときは記載された日付にさかのぼつて效力を有して来るというわけです。そういう関係で承認があるとなしとによつて效力の発生が違つて参るわけであります。従つてこの第一項におきまして、所定の行為がなされるまでは拘束しない、また実施して行かない、こういう規定になつているわけであります。
○立花委員 三十二条がありまして、どうしても資金という言葉を入れなければいかぬのなら、これは三十二条の剰余金の処分の問題であるということを、どこかで明白にすべきであると思う。こういうふうに一般に資金と書かれますと、理事者に非常に団体協約の履行をサボらすよりどころを與えますので、三十二条の関係でどうしてもこういう言葉を入れなければならぬのなら、三十二条の剰余金の問題であるということを、私は明白にすべきだと思う。そうでありませんと、これは団体協約を実質上無敵ならしめる条文になると思うのです。それから職員の組合団結権の問題ですが、非常に大きな制限をここに加えているわけなんですが、管理、監督の地位にある者、あるいは機密の事務を扱う者は、組合に入ることができないというふうになつておりますが、こういうことはその職場あるいはその公共団体、あるいはその企業の自主性にまかせればいいと思う。こういうことは別に法律で定める必要はないと思うのですが、なぜこれをおきめになつたのか、それからこの範囲は具体的にどれくらいを考えておられるのか、機密の事務を扱う者とは一体どういうものがあるか、これをお伺いしたい。
○大島説明員 第五条の関係でありますが、「管理又は監督の地位にある者及び機密の事務を取り扱う者は、労働組合を結成し、又はこれに加入することができない。」こうありますが、この点は、もう御承知の通り、労働組合の自主性を担保いたします関係上、労働組合にはこういうふうな、いわば対労働組合との関係におきまして、使用者側に立つ者あるいは使用者側の利益を代表いたします者、こういう者につきましては労働組合に参加さすべきではない、こういう趣旨でここに規定いたしておるわけなのであります。それから第二項で、そういうものの範囲は政令で定める基準に従つて条例で定める、こういうことになつております。この点は公労法におきましても、現在まで国鉄と專賣公社の関係におきまして、こういうふうな管理、監督の地位にある者あるいは機密の事務を取扱う者、こういう者につきましては政令でその範囲を定めておるわけなのであります。これは具体的に申しまして、国鉄の本部におきましてもあるいは各駅におきましても、いろいろ適用の範囲が違つて來るわけでありますから、一概に申し上げられないのでありますが、たとえば部課長でありますとか、あるいは労務の事務を担当いたしております者とか、そういうふうな対労働組合との関係におきまして、やはり管理、監督の地位にある者及び機密の事務を取扱う者、こういう者の範囲を政令で定めて参つておるわけであります。今回この地方公営企業につきましては、各企業の実態あるいは地方の状態によりまして、かなりその範囲は複雑になつて参ると思うのであります。そこで大体現在まで公労法によりまして鉄道関係あるいは專売公社等でやつて参りました経験なり、慣行なりも参酌いたしまして、新しく各企業の実態につきまして詳細に調べまして、基準を定めて参る、そのまた具体的な適用につきまして、さらに条例で定めて実情に合して行くようにしたい、こういう考えでございます。
○立花委員 最後に労働委員会の仲裁の問題を聞いておきたいと思うのですが、十五条によりますと、労働委員会が仲裁を行う必要があると決議したときは仲裁をやる。労働組合の要請がなくても労働委員会自身が、そういう決定をしたときは、仲裁を強行するという規定があるわけであります。ところがそういうふうに当事者、労働組合等の意思に基かないで強制的にやります仲裁、独断的にやります仲裁、しかもその仲裁の結果が、何ら当事者、理事者側等を拘束しないということになつておるようなのですが、これは大きな矛盾ではないか。仲裁をする必要があると決定いたしまして、仲裁をする以上は、当然それは理事者側をも拘束するようなものでありませんと、何のためにそういう決定をしてそういうことをやつたのか、意味がないと思うのですが、その点をどうお考えになりますか。
○大島説明員 十五条の仲裁につきましては、やはり仲裁の裁定というのは、労働協約と同一の效力を有するのでありまして、このことは労働関係調整法の三十四条が、やはり第四条の関係で適用になつておりますので、当然当事者を拘束するわけであります。ただ先ほど申しましたように、十六条に規定いたしておりますように、八条、九条、十条の関係については、やはりこういうふうな関係がある、かように存じております。
○床次委員 この機会に伺いたいのですが、いわゆる單純労務に対しまして、どういうような考え方を持つておられるか、あるいは單純労務に対しましても、本法と同様な趣旨の程度において適用することについて、政府当局としてはいかように考えておられるか。
○鈴木(俊)政府委員 地方公務員の中の單純労務者と申しますか、そういう表現で言われておりまする者についての身分の取扱いの問題でありまするが、これは現在の地方公務員法の附則二十一項に、別に單純労務に対して適用される法律ができるまでの間は従前の例による、こういうことになつておるわけであります。それは地方公務員法の制定の際に存しましたところの従前の例ということでありまして、従つて当時存しており、また今日あるところの労働関係法規あるいは政令二百一号というような形のものが、單純労務に関する特別法ができますまでの間は適用されて参る、こういうわけであります。單純労務に対しまする特例法につきましては、公営企業の職員でありまするとともに、また單純労務である者、要するに公営企業職員の中で單純労務に属するものがあるわけでありますが、その部分は今回は公営企業の職員として、一般の公営企業職員と同じように扱われるようにしております。公営企業職員でない、それ以外の純然たる地方公務員の單純労務につきましては、国家公務員で單純労務に従事いたしまする者との関係等もございまするので、なお政府としては十分研究の上、しかるべき案を提案いたしまして御審議を願いたい、かように考えて今準備中であります。
○床次委員 大体御趣旨はわかりましたが、いわゆる單純労務に対しまして本法程度の取扱いをするか、あるいは本法よりももう少し自由な、一般労働者と同じような立場において、より自由な行為を認めようとするお考えであるか、その点を伺いたいのです。
○鈴木(俊)政府委員 まだ研究いたさなければならない段階でございまして、この地方公営企業労働関係法に定められておりまするような原則を適用するかどうか。それとも地方公務員法に定められておりまする地方公務員としての基本原則に対して、どの程度の特例を認めるか、これらの点についてはまだ政府としては何ら定められた一つの考えを持つていないのであります。もちろん地方公務員法に対しまして、その適用をさらに若干緩和と申しますか、調整をして行くべきであろうとは考えておりますけれども、この公営企業労働関係法に定められた原則を、そのまま適用するというふうに簡單にも参らぬと考えております。
○吉田(吉)委員長代理 門司委員。
○門司委員 立花君その他からかなり聞かれておりますので、つとめて重複を避けてお聞きしたいと思うのであります。 最初に聞いておきたいと思いますことは、公営企業法の第二条との関係でありますが、公営企業法の第二条にはここに書いてありまする六つの事業が大体限定されております。また労働関係法の三条には「「地方公営企業」とは、」と書いてありまして明らかになつております。そこでこの法律では結局それ以外のものは、公営企業と同じような形でも、全然これを含まないつもりであるかどうか。しかも公営企業法の中には五十人とか三十人とか人間が実は限定してありますが、これに当てはまらないものが必ず私はあると思います。この六つのものは一つの事業体、いわゆる独立採算制ではやつて行けぬという考え方から、こういうものが出て来るのだと思います。従つてこの労働関係法も、どこまでも公営企業法と同じような建前で行つておると思う。そこで問題になつて参りまするのは、これは公営企業法のときにお話をすればいいのでありますが、この水道事業の中には実際下水道を含んでおるのか。あるいはそのほか公営事業として行つておりまするものの中に、たとえば大阪において行つておりまする渡船の事業というものがあるのであります。こういう事業体は、人間がもし三十人以上あつた場合には、当然これに含んでさしつかえないと思いますが、この公営企業法の第二条の範囲だけしか、この中に含まれていないかどうかということを、一応聞いておきたいと思います。
○大島説明員 地方公営企業労働関係法の第十七条に「小規模の地方公営企業の職員の身分取扱」といたしまして、地方公営企業法の三十七条から三十九条までの身分取扱いについての規定を、これらの人数以下の小規模のものについても準用する、こういう規定を加えております。
○門司委員 そうなりますと、公営企業法で公営企業の範囲とはということになつておりまして、これにも書いてありまするし、あるいは「この法律は」と書いて、そうして種類とさらに人間がちやんと書いてある。そうなりますと十七条の規定では、これ以外のものもやはりこれに含んでいい、こういうお考えですか。それともこれは絶対に含まれないお考えであるかということ。それからもう一つ聞いておきたいと思いますが、水道事業の中に下水事業が含まれておるかどうかということであります。
○大島説明員 十七条の関係は同法三十六条の企業職員以外の職員、これは五条一項但書に書いてあるものを除くわけでありますが、これについての身分取扱いは、三十七条から三十九条までの規定を準用する、こう書いてあるわけであります。それから先はどの水道事業につきましては、水道と申しますのは上水道の意味であります。さよう御了承願いたいと思います。
○門司委員 一般水道事業であつて、しかもこれは上水道だけだ、こうなつております。ところが地方の公共団体のあるものは水道事業の中に下水道を含んで、人員が五十人くらいのものがあるとすれば、これはそういうところに適用されないことになるのであります。従つて上水道ならはつきり上水道を入れておきませんと、そういうものが出て来ると思います。地方にこういう御懸念のある公共団体はありませんか。
○鈴木(俊)政府委員 例外であろうと思いますが一、二はあるであろうと考えます。
○門司委員 もしそういうものがあれば、これは当然市の機構がかわつて来るわけであります。やはり明確にしておきませんと市の機構の内部にまで、これを反映して来るという危險性を持つております。その点、なければいいのですが、お調べになつて、もしあれはこの意味を、明確にするか、あるいは書き直すか、どつちかにしておきませんと困ると思います。 それからもう一つの問題は、従来の水道事業は往々にして衛生関係の範囲で行つておるものが、たくさんあるのであります。ところが最近たとえば横浜の例をもつて参りましても、下水道の拡張のために、特に水道料金の中に下水事業の拡張の費用を含めて徴收しておるのであります。いわゆる水道条例というものを議会できめて、料金は一方で徴收しておる。事業の内容は上下水道ほとんど区別つかぬような形が出て来ておる施設をやつておるところがある。現在横浜でもそういうことをやつておるわけであります。こうなつて参りますと、やはり問題は独立採算制のような形をとつておりまして、起債その他でやるなら別でありますが、起債でなくして、事業の施工費あるいは運営する費用というものを、水道料金の中に含んで徴收しておるということは、これらの問題もある程度明確にしておいて、どこまでが上水道事業であつて、どこまでが下水道事業であるか、料金の中に下水道を含んでおりますから、けじめのつかないものが出て来やしないか。その点についてはどうお考えになりますか。
○鈴木(俊)政府委員 下水道事業は上水道事業と比較いたしますると、当初の固定の資産が非常に多いわけであります。そういう意味におきまして、なかなか独立採算制の域に達しまするのには、相当の時日を要するわけであります。現在の下水道事業の普及の状態におきましては、独立採算制で成り立つような下水道事業を経営いたしております地方團体は、非常に少いと考えております。結局一般会計の負担において処理しておるのが多くであろうと思うのでありますが、ただいま御指摘のような、上水道事業の料金の中に、下水道事業の工事に充てますところの経費も考えて、料金に若干プラスしたものを加えておる、こういうお話でありますけれども、そういうようなことにつきましては、企業の経営の上から申しまして、その結果料金が普通の水道料金と比較いたしますならば、非常に高いということになると、若干問題があろうと思うのであります。やはり独立採算制という趣旨を貫いて行くという点から申しますならば、その辺は明確に経理をいたすべきものではないだろうかと考えられるのでありますが、これは個々の團体の実情をよく承知いたしませんと、一般論以上に申し上げかねると思います。
○門司委員 そうすると、こう解釈してよろしゆうございますか。私がさつき申しましたように、そういう疑念が出て來て問題が起ると困りますので、水道事業というものは上水道というお考えなら、上水道とはつきり書いておいた方が私はいいと思います。別に大した問題でなければ、そういうことの方がいいのじやないかと考えております。 その次に聞いておきたいと思いますことは、この基本法になつております地方公営企業法案第十五条との関係でありますが、この法律の五条には、職員の団結権の範囲をきめておりまするが、そこには「管理又は監督の地位にある者及び機密の事務を取り扱う者は、労働組合を結成し、又はこれに加入することができない。」とある。ところが公営企業法の第十五条には、「地方自治法第百七十二条第一項の職員で管理者の権限に属する事務の執行を補助するものは、管理者が任免する。但し」、こう書いております。管理者の権限に属する事務の執行を補助する者は、その管理者が任命するということになつておる。そういたしますと、そういう管理者の権限に属する事務の執行を補助する者は、当然十五条の規定とからみ合わせて申し上げますと、労働組合の中に入ることができないような者が私はありはしないかと思いまするが、そういう関係は全然ないようにお考えになつておるかどうか。
○大島説明員 地方公営企業労働関係法の第五条第一項但書に申しておりますのは、先ほど御説明申し上げましたように、管理、監督の地位にある者及び機密事務を取扱う者、こういう者は、いわば対労働組合との関係におきまして、使用者側と申しますか、使用者側の利益を代表する者、こういう意味で労働組合に加わつてはいかぬ、こういうふうな規定になつておるわけであります。地方公営企業法の十五条の補助職員、これは管理者の権限に関する事務の執行を補助する者を言つておるわけであります。その中にはもちろん組合員というものもありましようし、非組合員というものもあるだろうと思います。
○門司委員 そうすると、こういうふうに解釈してよろしゆうございますか。十五条の規定から申しますと「管理者の権限に属する事務の執行を補助するものは、管理者がこれを任免する。」こう書いてございまして、そうしてその次には、「但し、当該地方公共團体の規則で定める主要な職員を任免する場合においては、あらかじめ、当該地方公共團体の長の同意を得なければならない。」こう書いてあります。それで管理者の権限に属する事務を執行するという補助職員の任命でありますが、これは例の地方自治法百七十二条の一項というのは、「前十一条に定めある者を除く外、普通地方公共團体に必要な吏員を置く。」と書いてあります。第百七十一条は、これはほとんど事務補助員でありませんで、大体特別職に属する者がここに書かれておる。「出納員は、事務吏員の中から、普通地方公共団体の長がこれを命ずる。」「出納員は、出納長若しくは副出納長又は收入役若しくは副收入役の命を受けて分納事務を掌る。」こう書いております。こういう出納事務に携わる特殊の仕事をする職員は別として、これらの職務を除く者の任免ができるように書いてあります。従つてこれは一般職になるわけでありますが、一般職員の中で、管理者が権限を委嘱する場合には、当然私はその人はやはり監督あるいは管理者の代理であります以上は、組合に加入することはできないということに解釈してもさしつかえがないと思う。いわゆる管理者に職務権限を委任された場合は、組合員であつても、それは組合員から常に除去しなければならないからどうか、そのとき組合員の資格を喪失するのかどうかということであります。
○大島説明員 ただいまの御質問に対しましては、公営企業法第十五条の「管理者の権限に属する事務の執行を補助」ということは、公営企業労働関係法第五条の、管理監督あるいは機密、これと直接の関係じやない、別個の考え方であります。この十五条の「管理者の権限に属する事務の執行を補助するもの」すなわち補助職員と申しますのは、地方公営企業労働関係法で申しますならば、大体三条の二項に「職員」とは、地方公営企業に勤務する一般職に属する地方公務員をいう。」大体この範囲と一致するのじやないかと思います。そのうちで、この職員の中で使用者側に立つと思われる若干の者については、これは組合からはずす、 こういう関係になつております。
○門司委員 もう一つ聞いておきたいと思いますのは、管理者の権限に属する事務は、もちろん一般職員の中で、当然管理者がある程度の事務を委任するということはわかりますが、またそうでなければならぬと思いますが、その範囲というものはどの辺まで来れば、五条に定める管理者あるいは監督というような立場になるということでありますか。これは事務の委嘱の程度でありますから、割合にやつかいなものができると思う。ことに地方自治法の中には、ちやんと長の職務権限を普通の職員に、順位を定めてこれを行うことができるようにできておりますので、当然事務をまかせる範囲というものが、問題になつて来ると思います。大体どの辺までを委嘱した場合に、五条の規定の組合員としての資格を喪失するようなことになるのかどうか。
○大島説明員 この五条の管理監督あるいは機密の事務を扱う者の非組合員の範囲でございますが、これは先ほども御説明申し上げましたように、政令で基準を定めて、さらにその基準に従つて各条例で定める、こういう関係になるのでございますが、この非組合員の範囲の具体的な問題は、各個の企業体の性質にもよりましようし、またその職場の関係、それから今お話の権限の関係その他にもよることだと思うのでありますが、たとえば先ほども申し上げましたように、国鉄の場合、專賣の場合にいたしましても、やはり政令で各事業ごとにきめておるわけなんであります。本部におきましても、あるいは地方管理事務所とかあるいは駅とか、そういうものにつきましても、きめておるわけであります。具体的にここまでということを抽象的にはなかなか申し上げにくいと思うのでありますが、たとえば局長でありますとか、部長でありますとか、そういうものはもちろんでありますが、たとえば文書の事務について係長まで行くか、あるいは会計の事務につきまして係長まで行くか、あるいは課長どまりか、あるいはその下まで行くか、あるいは労務の関係の職員につきまして全部含ませるか、そういう点につきましては、今おつしやいますような権限の配分とか、その職場における組織の実態、こういうものをよく調べて行かないと、なかなかむずかしい問題であろうと思います。そういう点につきまして、さらに各企業体の実情等も調べまして、政令で一定の基準を定める。それからその基準を定めましても、さらにその具体的な適用について、いろいろ問題も起ると思うのです。そういう問題についても、さらに詳細には条例できめて、実情に即するようにいたしたい、かように考えております。
○門司委員 それからその次の七条の規定でありますが、これは団体交渉権の範囲であります。ところが団体交渉の相手方というものがはつきりしておりません。第八条を見ますと、「地方公共団体の長は、」こう書いてありますが、地方公共団体の長が主たる相手方であるかどうか、この点をひとつはつきりしておきたいと思います。
○大島説明員 この地方の公営事業の団体交渉の範囲、第七条の相手方でありますが、これは長の場合もありましようし、さらに長が具体的に管理者なりその他に権限を委任しております場合には、その権限の委任を受けた者、これが交渉の相手になるわけであります。
○門司委員 そういたしますと、原則的には地方公共団体の長ということに解釈して上よろしゆうございますか。
○大島説明員 企業体の実情にもよることと思いますが、管理者である場合もありましようし、また長であります場合もあろうと考えます。それは具体的な権限の分配いかんによると思います。
○門司委員 その点が私は、やはり法律であります以上は、明確にしておいた方がいいと思います。なぜそういう質問をするかといいますと、八条の規定からいいますと、どうもほかにあるように見える。「地方公共団体の長は、当該地方公共団体の条例にてい触する内容を有する協定が締結されたときは、その締結後十日以内に、」と、こう書いてありまして、何かここにはどうも、地方の公共団体の長は報告を受けて、その後処置をするというようなことの日限が切つてあるようで、まつたくわれわれは割り切れない考えを持つておるのでありまして、お尋ねしておるのでありますが、この点も私は、法律である以上は、そういう条文を明確にしておきませんと、やはり地方の公共団体というものは、まちまちなものができて、取扱い上困るのではないかと考えております。むろん公営企業であります関係においては、最終の問題として、この法律で今盛んに問題になつておりました予算上、資金上というような問題が出て参りまして、公共団体の長ということは間違いありませんが、しかしやはり独立採算制として別個な法律でこれを取扱つております以上は、やはり交渉の相手方というものは、この団体においては別の人がこれに当るのが、私は至当ではないかというように実は考えております。たとえば国有鉄道の場合においても、やはり総裁がこれに大体当つておりまして、その結論が内閣に持込まれる段階に至つて、初めて内閣でこれを処置して行くということになつておりますので、私は相手方をこの辺で明確にすべきじやないか、こういうふうな考え方を持つておりますが、当局はどうお考えになつておりますか。今の通りでいいというお考えでありますか。
○大島説明員 団体交渉の相手方と申しますのは、法律的に申しますれば、地方公共団体が相手方になるわけであります。それの具体的な相手方は、会社で申しますれば社長でありますとか、あるいは重役、そういうものになつて参りますが、これは公共団体における具体的な権限の配分によつて、そのときの具体的な当事者というものがきまつて来るわけであります。以上のように考えております。
○門司委員 それではもうこれ以上この条項は、もうおそくなつておりますので、きようは聞きませんが、もう一つ二つ聞いておきたいと思いますことは、十一条の規定であります。十一条の規定は職員の懲戒解雇の問題でありますが、その中に、「同盟罷業、怠業その他の業務の正常な運営を阻害する一切の行為をすることができない。」とこう書いて、それから、「このような禁止された行為を共謀し、そそのかし、又はあおつてはならない。」こう書いてありますが、これは非常にむずかしい事態でありまして、これは一体だれがこういうことを認定し、だれがこれを決定するかということであります。それと同時に、この共謀したりあるいはそそのかしたり、あるいはあおつたりしたということは、いわゆるそれが事実上に同盟罷業あるいは怠業になつて現われて來なければ、その懲戒処分に該当するかしないかということであります。ただ普通大勢集まつた場合に、ストライキをやれ、あるいは怠業しろということを言つただけでは、これに該当しないというようにお考えになつておるのかどうか。
○大島説明員 十一条の「このような禁止された行為を共謀し、そそのかし、又はあおつてはならない。」これは御承知の通り、公務員法にもこういうふうな言葉が使つてあるわけであります。共謀はもちろんおわかりでありましようが、そそのかし、またはあおるということにつきましても、具体的な事例によつて判定しないと言えません。この判定そのものにつきましては、十一条の違反行為につきましては、十二条に、「職員を、直ちに解雇することができる。」とありますように、雇用関係を排除することができるのでありまして、こういう関係につきまして判定いたしますのは、やはり地方公共団体ということになるわけであります。
○門司委員 私の聞いておりますのは、そそのかしたり、あおつたりするということの一つの判定であります。これは非常に、むずかしい問題でありまして、たとえば、大会を開いたとか、あるいは集合した場合に、この条項に当てはまるような、あおつたり、そそのかしたりした人があつた、そうしてそれがあるいはストライキになつて現われて来た、怠業になつて現われて來た、そこでこういう身分上の処分を受けなければならないことになつて来たという場合には、一体それの限度を、どこで線を引くかということであります。一人の人があおつて、一人の人がやつたのなら、それは一人で片づきますが、やはり団体の行動というものは、一人の発言、一人の意思ではなかなか決定できませんで、多くの人がいろいろのことを言うと思います。その場合にこれを一体だれが判定するかということであります。これは一方だけで解釈できるのかどうか。この十二条の規定を見ますと、ほとんど救済の策がございません。「労働組合法及び労働関係調整法に規定する手続に参與し、又は救済を受けることができない。」こう書いておりまして、まつたくこれは一方的に首を切られるようになつております。従つてこの範囲の認定というものは、非常にむずかしいと思う。一体上から二人あるいは三人というように首を切るのか。これはなかなか判定がむずかしいと思いますが、この判定は一体どういうところでなされるのか。
○大島説明員 これの具体的な限界につきましては、先ほど申し上げましたように、御説の通り非常に判断はむずかしいと思います。これはあくまでやはり具体的な実情を調べて申しませんと、一概に、ここから先はいいんだとか、ここから先はいけないのだということは、ちよつと申し上げにくいと思うのです。この行為の認定につきましては、今申しましたように、第一次的には地方公共団体が認定をいたすわけでありますが、もし認定が誤つておりますれば、地労委に参りますとか、あるいは裁判所に参りますとか、そこで判定を下すということになるわけであります。
○門司委員 それではその次に聞いておきたいと思いますことは、今の調停その他の関係であります。十四條でありますが、十四條の一番しまいに「労働大臣又は都道府県知事が調停の請求をしたとき。」こう書いてあります。そして労働委員会の調停を行いまする一つの条件の中に、こういうことが入れられております。ところが労働委員会の方はこの前の号、第四号には「労働委員会が職権に基いて調停を行う必要があると決議したとき。」こう書いてあります。そこでわれわれから考えてみますると、一体労働大臣であるとか、あるいは都道府県知事が調停の請求をしたときということになつて参りますると、これは当該地方公共団体から離れた一つの労働大臣あるいは都道府県知事というものが、これに調停の請求をすることができるということになりまして、地方の公共団体の自主性を持つておりまするものに、公共の福祉のためとはいいながら、いかにも労働大臣あるいは都道府県知事というものは、上位の官庁にあるように受取れるのでありますが、これを請求してやるということになつておりますので、従つて私はこの第五号なんというものはいらないのじやないかと考える。またこういうものの必要はないのじやないかと考える。ここまで事態が参りますまでには労働委員会が職権に基いて調停を行う必要があると認めた場合には、これを行うことができるように書いてありますが、労働委員会の職権以上に労働大臣あるいは都道府県知事にこれを請求する権利を與えるというのは、少し行き過ぎじやないかと思いますが、この点はどうお考えになつておりますか。
○大島説明員 この点につきましては労調法の最初の方にも書いてありますように、政府並びに公共団体といたしましても、労働関係の円満なる解決のためには、できるだけ努力をいたさねばならぬのであります。そういう観点からいたしまして、政府における主管大臣である労働大臣、また地方におきまする公共団体の長であります都道府県知事、こういうものがこういう労働関係の問題につきましても、やはり重大な関心を持つわけであります。その関係からいたしまして、国家ないしは公共の立場からいたしまして、やはり調停の必要があると考える場合があるわけであります。單に四号に申しますように、労働委員会が決議しない場合でありましても、さらに労働大臣また知事が調停の必要があると認める場合もあるわけでありまして、こういう関係はやはり規定をしておく方がしかるべきじやないか、かように考えたのであります。
○門司委員 私はこの条項は、今のような御答弁でありまするが、もう一つ申し上げておかなければならぬと思いますことは、この四つの条項だけでこれはほとんど十分でありまして、たとえば双方が申し出て調停を申請したとき、あるいは双方または一方が労働協約の定めるところによつて調停の申請をしたとき、こういうふうに書いてありまするし、それからその次にもやはり一方は調停の申請をなして、労働委員会が調停を行う必要があると議決をしたとき、さらに先ほど申し上げました第四号がここに入つておりまして、これ以上私は公共の福祉であるからといつても、労働大臣または都道府県知事が調停の請求をするということになつておりますのは——この請求という文字は、前の申請とは非常に違うのでありまして、この請求をした場合には少くとも私は労働委員会はこれを調停しなければならない義務が生じて来る。請求という文字は一つの職権であります。申請とは非常に違うのであります。従つて請求されたということになつて参りますると、労働大臣あるいは都道府県知事の調停の請求というものは、どうしても労働委員会がこれを受けなければならないということ、同時に一体地方の公共団体のこうした紛争に対して、大臣あるいは知事がそれを請求する権限が一体あるかどうかということであります。これはいろいろ勧告という文字もございましようし、あるいは申請という文字もございましようし、あるいはここに書いてありまするような請求という文字の使い方でありまするが、おのおのその性格を異にいたしておりまして、非常に強く響いたり、あるいは自主的に自分の権利に基く請求もございましようし、あるいは自分の権限ではないが、しかし事態が急迫しておるから、一応勧告をするという建前の行き方もございましよう。ところがこの場合は、請求と書いてありまする以上は、何らか都道府県知事というものが、こういうものに対して権限を持つておるような形に聞こえるのであります。これは私はもしここで入れるとするならば、これは勧告という文字に直した方が妥当性を持つておるというように考えておりまするが、この点についてのお考えをひとつお聞かせを願いたいと思います。
○大島説明員 調停の請求という文字の問題でありますが、これは労調法十八条にもありますように、やはり請求という文字を使つておるのであります。これは請求によつて当然労働委員会としては調停をなさなければならないわけなのであります。勧告という言葉でもいいじやないか、やわらかい方がいいじやないかという御説でありますが勧告という形になりますと、やはり通常のあれといたしまして、勧告することができる、それに伴つて労働委員会が調停を開始しなければならないとか、そういうふうな形がやはりいるような感じがいたすのであります。従つてやはり請求という言葉が妥当ではないかと考えるわけであります。 それから第四号と第五号の関係につきましては、やはり先ほど申しましたように、労働委員会がたとえば職権に基いて調停を行う必要があると決議した場合でなくても、その以外の場合においても行政庁の立場において、調停の必要があると考えられる場合もありましようし、またこの第四号の決議にいたしましても、やはり労働組合法第二十一条の労働委員会としての会議の手続によつて行いますわけであります。そういう関係上いろいろな複雑な労使関係におきましては、むしろ四号の労働委員会が自発的に出るという形を避けて、行政庁が調停を請求いたしまして、労働委員会がそのあとしまつの衝に当る、こういうふうな形がいい場合もありましようし、その辺の関係は、両方ありまして、やはり第五号は必要であろうか、かように考える次第であります。御了承願います。
○門司委員 その次に聞いておきたいと思いますことは、十五条の四号の要するにこの冷却期間のようなものが、ここに二箇月、こう書いてありますが、この二箇月ということをおきめになつたのは、どういう基準——基準というと非常に強く当るようでありますが、当局は二箇月というように日を切られた趣旨を御説明を願つておきた いと思います。
○大島説明員 この十五条の四号の「二箇月以内に調停が成立しなかつたとき。」とある、この二箇月の期間の問題についてでありますが、これは大体公労法の場合に、やはり仲裁開始の要件といたしまして、二箇月を規定いたしておるのであります。と同時に過去におきましても労働委員会が調停をやりまするに要しまする期間等につきましても、大体やはり五十日から六十日ぐらいかかつておるという統計もありまして、大体二箇月程度の間に調停がうまく行かないときには、ひとつ仲裁で行こう、こういうわけであります。
○門司委員 これは字句の解釈の問題でありますが、ちよつと確かめておきたいと思いまするが、ここに二箇月という文字が書いてありまするが、二箇月ということになつて参りますと、どこから算定してよいのかわからぬようなことが出て来ませんか。これは六十日なら六十日と書いてある方が正しいのじやないか。例の労調法その他では五十日とかいうような日にちを切つておりまするが、二箇月と書いてありますると、二月の場合は二十八日しかありませんが、これをどう考えるか。しかも二月の一日に事件が起ればよろしいのでありまするが、そうは参りますまい。やはりこういう字句は疑問の起らぬように、六十日なら六十日と訂正しておいた方がよくはないかと思いますが、これは同じように企業法の中にも二箇月という言葉を使つております。しかし私はこの二箇月というものはやかましくやつて参りますと争いのもとであると考える。これを六十日というふうに、お直しになる御意思があるかどうか。
○大島説明員 この二箇月という書き方は、民法の場合にありまして、暦日によることになつております。さような関係で、公労法等におきましても、やはり二箇月ということにいたしております。
○門司委員 そうすると、二箇月というのは、暦日によるということにいたしましても、私がさつき申し上げましたように、暦日と言つても、日にちの中で長い月と短かい月と出て來まして、一体どこから二箇月というのを勘定するか。三十日が必ずしも暦の上の一箇月とは限つておりません。今月に起つたものは、その次の月の何日までというようなことに一体解釈をしておるか。そうすると、六十日の月もありましようし、六十一日の月もありましようし、二月が入れば五十八日しかないという月も出て來るわけであります。こういう暦日によりますと、私はそういう問題が出て來はしないか、こう考えたので、先ほどお聞きしたわけであります。 なおその次にもう一つ聞いておきたいと思いますことは、これは各条文にわたる私の不明な点を、ごく大ざつぱに聞いたわけでありますが、問題の焦点は、先ほど立花君からもいろいろ話しておりました団体交渉権と、それから罷業権の範囲であります。それから字句の問題でありますが、怠業という文字を使つております。同盟罷業はよくわかりますが、怠業というものは、一体どの辺を怠業と見なされるのか。これは非常にむずかしいのでありまして、総体的の怠業、いわゆるその事業体に属しておりまする者すべての者が怠業に陷つたときに、これが怠業として見なされるのか、あるいは部分的にも怠業と見なされるのか、あるいは與えられた勤務以外の時間外の勤務を拒否した場合に、怠業と見なされるのか、一体どの範囲が含まれていますか。
○大島説明員 最初の二箇月の問題につきましては、今申しましたように、民法の百四十三条の規定によりまして、やはり暦日をもつて計算いたすことになつておるわけであります。 それから争議行為の「同盟罷業、怠業、その他の業務の正常な運営を阻害する一切の行為」怠業、サボタージュというものが、どの程度まで入るのであるかという御質問でありますが、この具体的な判定は、やはり業務の正常な運営を阻害するかどうか、これによつて定めるべきであろうかと思います。業務の正常な運営を阻害するかどうか、この点にかんがみまして、その具体的な行為を判定すべきであろう、かように考えております。
○門司委員 私はさつきから聞いておりますように、怠業の範囲というものは、実際上の問題としては非常にむずかしいのでありまして、正常なる運営を阻害する、こう書いてありますが、正常なる運営というものは、たとえば電車の運転なら運転を考えて見ますると、間隔をどのくらい置かなければならないかということによつて、間隔が伸びたり縮んだりすることは、大きな一つの運転上の阻害になる。しかし実際の車の台数は出ておる。ところが行為自身は、時間を守らない運転をしておる。これが一体怠業に入るかどうか。正常なる運営というのは、どういうふうに規定づけられるか。私はそういう質問をいたしますのは、こういう場合には、往々にしていろいろ双方にりくつが出て来るわけでありまして、たとえば規定通りの運行をいたしておりましても、往々にして市内の電車等におきましては、間隔が開いたり、あるいは間隔が詰まつたりすることはあるのでありまして、これが意識的に行われるか、無意識的に行われるかということの見解だと思いますが、正常なるものでなかつたということを限定する場合には、従つて実質上の面だけでは、判定するのはなかなか困難だと私は思う。それは先ほどから申しておりまするように、十七マイルしか出してはならないという規定があるから、全部十七マイルで動いて行く。そういたしますと、ゴー・ストップに関係して、非常に間隔が離れたりくつついたりする。それを何とか調整しようとすれば、定められた以上のスピードを出さなければならぬというようなことが出て来る。その場合に、その定められた以上のスピードを出すことが、実際上は一つの違反行為でありますが、しかしこれは運行全体を正常に導くというためには、あえてそういう違反行為を犯さなければならない。それが正常なる運営というと、そこに非常にむずかしい限界がありまして、すなわち十七マイル以上走つてはいかぬという規定があるから、これが正常なる運営である。しかし実質的には正常な運営になつてないという情勢が出て来ると考えます。そういう調整を、みずから運転をいたしておりまする者が調整して行つて、現在ではスムーズに行つていると思う。これがもし何か問題が起つて、問題がひつかかつて、通常の運転でないということになると、そういう問題が争いのもとになる。従つてこの法律をお書きになりましたときは、そういうところまで十分に考えられておるかどうか。こういう点は、こういう法律をこしらえる場合に明確にしておきませんと、私は争いの種になると思いますので、一応お聞きしておきますが、当局はどうお考えになつておりますか。
○大島説明員 今お話の通り、怠業の具体的な範囲については、非常に判定がむずかしい、困難な場合も非常に多かろうと思います。従つて、その業務の正常なる運営を阻害する、こういう形において、具体的な場合に応じて、適切に判断して参る、こういうことにせざるを得ないのではないかと思うのであります。たとえば電車の台数と間隔とか、そういうふうなことを詳細にきめて参りませんと、なかなか判定がむずかしい場合もございましようし、またそれ自体もいろいろなそのときの情勢にもよることでございましようが、業務の運営を阻害するという条件におきまして、その具体的な判断を健全な常識によつてやつて参る、かようなことにいたしたいと思うわけであります。なおそういうふうな具体的な場合に一つのはつきりいたします基準は、やはり業務命令の内容いかんにも非常に限定される要素が多いと思います。こういう関係でありますと、はつきりするのではないか。全般的な判断につきましては、やはり業務の正常なる運営、こういうようなことによつて判定するよりしようがない、こう考えております。
○門司委員 私か今聞いておりますことは、業務命令その他の問題は、これは別の問題でありまして、この点は将来この法を取扱う上において、非常に重要な問題になつて来るのでありまして、同盟罷業は明らかになるのでありますが、怠業の方は問題がありまして、正常なる運営というものと怠業というものは違うのであります。先ほどから申し上げておりまするような形になれば、これを客観的に見れば、明らかに怠業というように見えるのであります。非常に間隔が開いておるので、早くその間隔を縮めたら、公衆は便利だろうという間隔がある場合、運転手に言わせれば、十七マイル以上走つてはいかぬという規定になつているから、これが正常運転だということを心得ている。その場合には、車間というものの規定があります。一つの車と一つの車の間はどのくらいの間隔を置かなければならぬという規定があります。そういう問題が輻湊して参りますと、好むと好まざるとにかかわらず、多少双方とも意識的な要素が動いて参りまして、その口実のもとに、いろいろなことが行われる。そういうことにつきましても、こういう規定を設けるならば、もう少しはつきりしておく方がいいと思いますが、しかしそういう問題については、協定の中でこれを補うというようなお考えがあるかどうかという点であります。
○大島説明員 やはり先ほど来申しておりますように、この判断は健全な常識によつて、正常な運営いかん、こういうことによつて判断して参りたいと思うわけであります。
○門司委員 それからもう一つ聞いておきたいと思いますことは、団体交渉権の問題でありますが、団体交渉権は一応この法律では認めております。しかしその範囲はかなり限定されております。そのことについては、先ほど立花君からかなり長く聞かれておりますので、私はここではそう長くお聞きする必要はないと思いますが、問題は団体交渉と争議権の問題であります。先ほどからの答弁によりますと、公共団体の福祉であるから、争議に対しては争議権を認めることはできない、こういうお話であります。労働者のほんとうの権益を守ろうとするならば、私はストライキをするという一つの権利は、これをただ野放しにいつでもやつていいというわけには参りませんが、どうしても調停のできない場合においては、ある程度こういうものは認める必要があるのではないかということが考えられるのであります。そう申しますのは、この十一条の2に「地方公営企業は、作業所閉鎖をしてはならない。」こう書いてあるのです。これは非常にむずかしい問題でありまして、一方に公共事業はストライキをやつてはならないということになつておる。ところが一方において、事業主の方においても、公共の福祉であるからやかましいことを言うならば、作業をやめてはならない、そういう考え方から、こういう字句が入つておるのだと思います。こうなつて参りますと、どこまで行つても、労働者の持つております最後の権利であるストライキというものが——事業主は作業をやめてはならないということをはつきり書いております以上は、どこまでもこれは継続して行く。そういたしますと、事業自体に対しては何らの影響はないわけであります。そうしてそれに業務命令を出せば、企業体の方にはちつとも影響はないわけであります。そうしてただこれに掲げられておりますいろいろな、調停あるいは仲裁というような言葉を使つてありますけれども、しかし調停、仲裁だけでこれを処理して行こうということになると、一方的に、経営者の方には大した苦痛はないわけであります。運転を行つて行く、あるいは事業を行つて行く。それに対しては、やらなければ業務命令を出せばいいということになつておつて、非常に強い力ができておる。労働者の方にはいかなる場合も罷業をしてはならないということになつておつて、その間が非常に不均衡ではないかと思うのであります。やはり片方にそうした強制力を持たせるならば、労働組合の方にも、ある一定の段階に来た場合には、争議というものもやむを得ない事態ではないかということが、認められてもいいのではないかというように考えております。この点先ほどからの答弁で、大体私はわかるのでありますが、なおこの機会にはつきりしておきたいと思います。
○大島説明員 地方公営企業の労働関係における争議行為の禁止でありますが、地方公営企業の職員も、やはり地方公務員であります関係上、その身分からいたしましても、全体の奉仕者でありまして、一部の奉仕者ではないのであります。そういう関係上、当然争議行為はやつてはいけないということになつておりまして、やはり十一条に争議行為の禁止の規定をいたしております。なお争議行為は禁止いたしますけれども、しかし一方において、給與その他勤務条件につきましては団体交渉権を認めまして、これに基いてまとまらないものにつきましては、あつせんとか調停とか仲裁の方法によりまして、公正な第三者機関である労働委員会によつてこれを解決して行こう、こういうことになつておるのであります。さらに第十一条の第一項、第二項の関係につきましては、職員はこういう争議行為はやつてはいけない、公営企業は作業所閉鎖をしてはならない、こういうことになつておるのであります。この公営企業の作業所閉鎖をやつてはいかぬということは、この規定についても、もちろんでありますし、一方地方公営企業法の精神ないしは地方自治法の精神、そういうふうな関係からいたしましても、こういうふうなことになりますれば、当然そこにその地方住民の代表者である議会の批判もありましようし、また直接住民の批判も出て参るわけなのであります。そういう関係からいたしまして、地方公営企業の理事者と申しますか、当局者は、当然こういうふうなことをやつてはならないという拘束を受けるわけであります。さような関係で、争議行為の禁止につきましても、両方、争議行為もやれない、また作業所閉鎖もやれない、こういう事実を確保して参りたい、かように考えるわけであります。
○門司委員 この十一条は争議行為の禁止ということでできておりまして、職員の方には、この争議行為をした者に対しては、十二条以下に罰則がちやんと書いてある。ところがここに作業所閉鎖をしてはならないと書いてありますが、この公営企業を営んでおる者については罰則はないのであります。もし一つの企業体が、あるいは地方公共団体の長になりますか、あるいはその他の者が、罰則がないから事業所を閉鎖したという場合には、どういうことになりままか。
○大島説明員 そういう関係の場合におきましては、ただいま申しましたように、その地方の住民の代表であります議会の批判もありましようし、また住民の直接の批判もありましよう。こういう点につきましては、十分第二項は確保できるのではないか、かように考えております。
○門司委員 これはやはり一つの法でありまして、しかもこれが別の項にでも書かれておるならば別でありますが、争議行為の禁止というところに書かれておりまして、片方は争議行為を禁止して処罰する、片方はこれは争議行為と見なされておりますが、争議の対象になつておるということになれば、單に、してはならないという規定だけではいけない。もしもしてはならないという場合に犯した場合、やはり罰則がないと、してはならないというだけでは、比較的効果が薄いのではないか。これをさつきのように、社会通念の上で常識的に批判を受けるだろうといいましても、批判を受けても、これを処罰するには、リコールか何かでもやらなければ理事者をやめさせるわけには参りません。これを処罰する規定はほかに何もありません。従つてこういう場合についても、私は何らかの処罰規定を設けるということが、あるいは立法の趣旨から申しますと、むずかしい規定になるかもしれませんが、單にここに、してはならないという規定だけでありませんで、もう少し明確にしておいたらどうかと思うのであります。そういうお考えは、今の答弁で大体わかつたようではありますが、そういうことがあり得ないとは言えませんので、どういう関係になつておるか、もう少し聞かしていただきたいと思います。
○大島説明員 ただいまも申し上げましたように、かりに地方公営企業が作業所閉鎖をするようなことがありといたしましても、これは地方公共団体の本来の性格から申しまして、その議会ないしは住民の強烈な批判を受けるわけでありまして、そういう関係で十分確保できるのではないかと考えております。一方この争議行為をいたしました職員につきましても、この十二条における処分といたしましては、こういう者をその雇用関係から排除するという関係になつておるわけであります。刑罰によつて規制するという関係ではない。そういう関係でありますし、一方公営企業の方につきましては、ただいま申しましたように、全般的な議会の批判なり、住民の批判で確保できる。これで大体所期の目的は達し得るのではないか、かように考えておるのであります。どうか御了承願いたいと思います。
○門司委員 私非常におそくなつておりますので、これ以上は聞きませんが、今のお話によりますと、なるほどそういう企業から排除するということだけでありますが、働いております者はその企業から排除されて職を失うということです。今日のような状態では、おそらく次の就職までは長い聞かかるでありましようし、片方はただ單に社会的な批判を受けるということだけでは、しかも法律の内容でも同じような争議行為の中に取上げられているということについては、私は字句の配列についても非常におかしいと思う。もしこういうことを入れるならば、これはさつきから申し上げておりますように、あなたの方で争議行為と見なされておる以上は、やはり争議行為として取扱つてもらいたい、私はこういうふうに考えておるのであります。 それからもう一つ聞いておきたいと思いますことは、団体交渉の範囲についてでありますが、この団体交渉の範囲について、五つの問題がここに書かれておりますが、これ以上は絶対に団体交渉の中に入れてはならないのかどうかということであります。それはここに書かれておりますことで大体いいのではないかとも考えておりますが、実際上の問題といたしましては、先ほどから申し上げておりますように、ことに電車の運轉その他に従事しております者は、書かれておりますもの以外に、私はいろいろな問題が出て来ると思う。たとえば第二項に書いてあります問題にいたしましても、先任権及び懲戒の基準に関する事項というように書いてありますが、懲戒の基準に関する事項というようなものは、実際上の問題としての取扱いは、事業自体に対する問題であるか、あるいは社会道徳的にこれを見た場合の問題であるかというようなものが、やはり懲戒の基準というものの中には含まれて来ると私は思う。たとえばその例を申し上げますと、業務に対してはきわめて忠実である、別に懲戒に値するものではないが、社会通念的に見ると、そういう行為はあるいはよくなかつたということであります。これは非常に勤務成績に関係するわけでありまして、たとえばこれも先ほどから申し上げておりますように、われわれも往々にして見るのでありますが、時間が来れば発車をしなければならない、かりに一人か二人の者が乗り遅れておる、それを待つてやればいいの荘が、時間が来れば出て行く、そういたしますと、業務に対しては非常に忠実であるが、実際世間から見れば、きわめて不親切であるというような問題が出て来るのであります。そういう場合は本への性格にもよりますが——懲戒の条文の中などにも往々にして服務紀律というものが含まれて来て、それで服務紀律に関するこういう問題が具体的に書いてあると思うのでありますが、これらの問題もそういうものを勘案して参りますと、現在行われております服務規程というものと、ここに書いてありますものとの間に、私は多少の開きが出て来るのではないかと思う。いわゆる二項の中には、現在行つております服務規程が大体この中に含まれると私は思いますが、現在そういう服務規程とこの第二項というものはかけ離れて考えていいかどうかということであります。こういうことを私が聞きますのは、現在の服務規程の中には、いろいろな休職であるとか、あるいは免職であるとか、あるいは先任権であるとかいうようなものは、実際の問題としてはあまり書かれておりませんで、そして單に従業員の服務に対する心得だけしか書かれてありませんので、この第二項の中にはそういう服務規程に類するものが含まれておるかどうかということを、念のためにもう一応聞いておきたいと思います。
○大島説明員 この第七条の団体交渉の範囲、ことに第二項の問題に関連して、服務規程その他との関連でありますが、この点につきましては、服務規程というものはいろいろな形で出される場合がありましようが、たとえば会社で申しますれば就業規則、そういうような形で出されておりますような場合、この団体交渉の各号に該当するような問題につきましては、当然団体交渉の対象になり、その交渉の結果によつてまた就業規則がかわつて行かなければならぬというような関係になるわけでありますが、ただその場合、そういう服務規程というものは、たとえば条例とか規則、そういうふうな一般の法、規範の形でなされております場合におきましては、この第八条、第九条の関係になりまして、やはり条例の場合は議会の承認を要しますし、九条の規則の場合につきましては、その改正、廃止、こういう措置を要して初めてできる、こういうふうになるわけであります。
○門司委員 そうすると、こう解釈してよろしゆうございますか。この団体交渉の範囲というものは、大体市の条例あるいは規則で定めております範囲に牴触しない限りにおいて、大体この団体交渉権というものの範囲は定められておる。それ以上のものは、やはりさつきお話の条文に書いてありますが、一応規則なり、あるいは条例で直なさければならないというように、はつきり解釈しておいてよろしゆうございますか。
○大島説明員 さようでございます。それに抵触するような場合につきましては、八条、九条の規定によりまして、議会の承認あるいは改廃の手続等法令によつてやる、かように解釈いたします。
○門司委員 そうすると、たとえば団体交渉その他でここに書いてありますようなことができるのでありますが、もし市の条例の中に、逆にこれが団体交渉の範囲の中に触れて、それよりも惡い条件が入つているような場合、これを団体交渉によつて改正することができるというように解釈してよろしゆうございますか。
○大島説明員 そういう協定がかりに結ばれまして、さらにそれが議会の承認を得ますれば、この第八条の関係において生きて来る、かように存ずるわけであります。
○吉田(吉)委員長代理 佐藤親弘君。
○佐藤(親)委員 ちよつと一言、地方公営企業労働関係法案の三条に六つだけが書いてあるんですが、地方公営企業法案の第二条に関連すると思うのですが、結局条例できめれば、清掃事業、観光事業等公営企業の六つの事業以外のものも含めてよろしいということに承つてよいでしようか。
○佐久間政府委員 お尋ねの点でございますが、地方公営企業法の方におきましては、第二条の第二項の規定がございまして、この第二条の方に掲げてあります六種類の事業以外のものでも、地方公営企業の規定につきましては、政令で定める基準に従い、条令で定めるところによつて適用になる道を開いておりますが、労働関係の第三条におきましてはそういう規定がございませんので、この法律の解釈といたしましては、お尋ねのようなことができないことになつております。
○佐藤(親)委員 そうすると、これは地方公営企業労働関係法の方では六つ以外は入らない、こういうふうに限定してよろしいと承つていいですか。
○佐久間政府委員 その通りであります。
○佐藤(親)委員 わかりました。
○吉田(吉)委員長代理 暫時休憩いたします。 午後一時四十九分休憩 ————◇————— 〔休憩後は開会に至らなかつた〕