地方行政委員会 第34号
- 発言数
- 28 件
- 登壇者
- 8 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1952/04/25
会議録
○金光委員長 これより会議を開きます。 地方公務員法の一部を改正する法律案を議題といたします。質疑を許します。立花君。
○立花委員 地方公務員法の根本的な点を聞いておきたいのです。地方公務員法が制定されました経過、事務的な、技術的な経過でなく、地方公務員法が生れざるを得なかつた根本的な問題について、自治庁はどういうふうにお考えになつておるか。地方公務員法は、政府が言われるいわゆる講和成立後の自由を回復した日本におきましては、地方公務員法成立の過程から見ましても、当然廃止されるべきものであるというふうに私は考えておるのですが、そういう点に関して根本的な考え方を承つておきたいと思います。
○鈴木(俊)政府委員 地方公務員法ができましたそもそもの趣旨は、地方公務員は私企業の勤労者と違いまして、公の国なり、地方公共団体に対する奉仕者としての職務を行うものでありますので、やはり普通一般の労働法のみの原則によつて、これを律することは適当でないというところから、国家公務員法なり地方公務員法ができたわけでございまして、この基本的な考え方におきましては、講和発効後においてもかわりはない、かようにわれわれ考えておるのであります。
○立花委員 そういう原則は、占領下という特殊の事情によりまして、そういう條件のもとに考えられたものでありまして、占領というものが少くとも形の上でなくなりました以上は、新しく国民の発意によつて、国民の総意によつて、全然自由な立場から考え直されなければならないものであつて、特殊な状態のもとに、特殊な要請によつて生れました地方自治法を、そのまま一部改正の形で存続するということは不可解にたえないわけです。今の説明によりますと、公職にあるものがこういう制限を受けるのは当然だと言われますが、そもそも地方公務員は、占領下において、日本の労働者の争議行為あるいはその他労働者固有の権利を、占領下という名目のもとに制限するあのマツカーサー書簡に基く政令二百一号に端を発していることは申すまでもないことであります。それがそういう占領下の制約を解かれました新しい日本の法律として、そのまま存置されることは、国民として納得できない。当然地方公務員法は廃棄され、国民の発意によつて新しい法律がつくらるべきだと思うのですが、この点矛盾をお感じにならないかどうか。そういう点で、地方公務員法そのものが出て参つた根拠、歴史的な特殊な條件を十分考えていただきたいと思いますが、今の答弁では、そういうポ政令あるいはマ書簡というものには全然触れられないで、ただ一般的な面をお述べになつただけで、歴史的な特殊性を見逃しておられるのではないかと思うのですが、この点どうお考えになつておりますか。
○鈴木(俊)政府委員 国家公務員法なり地方公務員法が制定されます動機は、いろいろあつたわけでありまして、御指摘のポツダム政令二百一号というようなものがその一つの発端であり、またマツカーサー書簡が一つの方向を示しておつたことはもちろんお話の通りであります。しかしそういう動機は動機といたしまして、国会におきまして十分審議を盡して今日国家公務員法、地方公務員法が成立しているわけでありまして、これらの根本精神、理念といたしますところは、民主的かつ効率的な公務の遂行に資するということに原則があるわけでございまして、民主主義の実際の事務の運営に当る地方公務員の福祉、利益の保護あるいは行政の民主的かつ能率的な運営ということをねらいといたし、それによつて地方自治の本旨の実現に資そうということが、根本の目的でありますので、この点におきましては、地方公務員法を講和発効後において、まつたく廃棄するというような必要はないし、またそういう考え方自体特に変更せられる必要はないと思うのであります。ただ人事に関しまする各種の制度につきましては、地方公務員法は多くいわゆるわくの法律でありまして、具体的にはそれぞれの地方団体が條例できめられる点があるわけでございますので、そういう個々の人事制度自体につきましては、なお今後の研究によつてさらにこれを改善させ、進歩さして行くという点が相当あろうと思いますし、そういう意味では、大いに今後の検討にまつところがあるわけでありますけれども、根本の建前におきましては、これを特に変更する必要はないというふうに私は考えておる次第であります。
○立花委員 地方公務員法がマ書簡の法律化であり、マ書簡に基く政令二百一号の法律化であるということは間違いありません。いくら国会がそれを審議したと申しましても、国会がやはりそういうわく内でこの法案を審議して成立せしめたということは、これは私ども疑いの余地がない。従つて当然占領が廃止され、政令が講和成立後百八十日で効力がなくなるという明らかな基本的な方針がある以上は、当然効力を失うところの政令二百一号に基いて成立した法案は、よろしく撤回いたしまして、当然新しい法律として生れ出なければならないと思う。こういうところがやはり日本の政治が民主的に運営される根本的な問題であつて、こういう問題をずるずるにしておきまては、占領制度そのものが、ずるずるにやはり講和成立後も残されて行くということは、間違いのないところだと思います。こういう問題にはつきりけじめをつけて、占領中の特殊な命令、特殊な政令によるところのものは、一切この際新しくつくり直して行くという方法がとられることこそ、私はこの講和によつて日本が自主的に独立できるということの裏づけじやないか。そういうことなしに、ずるずるべつたりに占領中の向うの特殊な要求に基く法律を、そのまま引き延ばして行くということは、私はどうしても自主的な国民の感情から申して、受入れることはできません。たとえば現在におきましても、国家公務員はやはり国家公務員法の廃止を要求しておりますし、地方の公務員は地方公務員法の廃止を要求しておるわけです。こういう国家あるいは地方の公務員の要求を無視いたしまして、あるいは最初に述べましたような国民感情を無視いたしまして、こういう法律を存続するというところに、非常に反動的な政府の意図が含まれておるのではないか。地方公務員法で禁止しておりますところの政治活動の制限、あるいは団体交渉権あるいは罷業権の禁止というようなことは、新しい日本の條件のもとに、どうしたら講和後の日本がほんとうに民主的な国家になるかという見地から、もう一度考え直さなければいけないのである。そういうものを無條件に講和後においても認めて行こうということは、自主性のないのもはなはだしいと思うのです。どういう根拠で、この地方公務員法を存続させようとお考えになつておるのか。地方公務員法がほんとうに自主的な、民主的な新しい日本に妥当だとお考えになる根拠は、一体どこにあるのか、これをひとつお示し願いたい。
○鈴木(俊)政府委員 ただいま立花委員の仰せになりましたことは、これは占領下にできましたすべての法律なり、あるいはその他の規則の多くのものについて、もしそういう見方をなさるならば、そういうことが言えるであろうと思うのであります。地方公務員法もあの制定の経過といたしましても、特に奇異な過程をたどつておるわけではないのでありまして、それらの関係は他の法律と同じようなきめ方をして、でき上つたものであろうと思うのであります。いずれにいたしましても、先ほど申しましたように、国会において御審議をせられた上、今日法律としてでき上つておるわけでございまして、その根本の考え方につきましては、私どもも廃棄する必要はないというふうに考えておるのであります。ただ政府といたしましては、終戰後の地方制度全体につきまして、これは行政につきましても、財政につきましても、あるいは税制につきましても、あるいは地方公務員の制度に対しましても、いま一度全体として、ここで再検討をいたし、そうしてほんとうに日本の独立後の態勢に即応するようなものに考え直す必要があるのではないか、それにはやはり多くの叡知を集めた地方制度調査会というような仕組みを考慮いたしまして、そういうところで検討していただくのがよかろう、こういうふうに考えたわけでありまして、地方公務員の制度につきましても、地方制度調査会におきまして、この点をかように改革したらよかろうという御意見がありまするならば、政府としてはその意見に従つて、できるだけ善処して参りたい、かような一般的の考え方を持つておる次第であります。
○立花委員 政府が、あなたのお言葉のように、ほんとうに民主的な意見を取入れて、新しく地方公務員の制度を確立して行こうという熱意があるならば、よろしく現在のこういう特殊な條件のもとにおいてつくられた法律を廃止して、新しく法律を民主的に、日本人の自主的な決定によつてつくり上げるんだという方法をおとりになるこそ、今あなたが言われた、ほんとうに民主的な意見を取入れて日本に適した法律をつくるんだという根本的な要素になるんじやないかと思う。それを、この地方公務員法はそのままにしておいて、いくら民主的な意見を取入れると申しましても、それは不可能なことじやないかと思いますので、今言われましたような熱意と誠意がおありになるならば、地方公務員法は一応ご破算にいたしまして、新しいほんとうの自主的な、民主的な公務員制度を発案なさるようにお願いいたしておきます。と申しますのは、たとえばストライキ、公務員の政治活動というようなものに対するGHQ側の態度も、最近には相当異なつて参つておりましてこの地方公務員法が生れ出て参りました政令二百一号が出されましたときの、あの二・一ストあるいはその翌年の公務員の闘争、ああいうものの場合にとりました直接的な強圧的な方法とは違つた態度が、今回の四・一二あるいは四・一八のストには見られておるわけで、少くとも表面上は非常に異なつた形をとつております。これはやはり政府としても相当考えなければいけないところだと思う。それを前回の二・一ストのときの態度、あるいはマ書簡が出されたときの態度、それに端を発しますところの地方公務員法、こういうものをそのままそつくり受継いで行こうと言われることは、少し認識が欠けておるのじやないか。しかも今度お出しになりました地方公務員法の改正案の内容を見ますと、それが改正されるどころか、改悪されておる。さいぜんから言つておりますように、地方公務員法はマ書簡に基きまして、日本の労働者の争議行為を制限するということに端を発しておるわけです。その法案の一部には、そのかわり少しは労働者のことも考えて、救済機関をつくつてやろう、公平にそういう問題を扱う機関をつくつてやろうというわけで、人事委員会とかあるいは公平委員会というものを規定いたしておるわけですが、今回の改正案によりますと、労働者の権利は少しも伸ばされないで、かえつて人事委員会とか公平委員会とかいう救済規定、あるいは公平機関が、逆に行政簡素化という美名のもとに、縮小されようとしておる。これはまつたく逆なんでありまして、講和成立後におきましては、当然これはわれわれの主張するように、廃止されなければいけない。少くとも大幅に公務員の人権を認めるような、身分を保障するようなものにかえられなければいけないと思うのですが、政府の改正は、逆にさらに公務員の制約されることに対して保障する機関を縮小しようとしておる。まつたく逆な法案になつておりますので、政府の考え方は根本的に間違つておるのじやないか、今こそ新しく公務員の身分を保障し、人権を尊重するための法案がつくられなければならないのに、占領下の制約から解放されるためにつくつた法案が、さらに改悪されようとしておる、ここが重大問題だと思う。問題の詳細に入ります前にこういう根本的な点で考えを相当改めていただかないと、末端のことだけを審議しておつても何にもなりませんので、こういう点で今度の地方公務員法の改正を改悪とお考えになつていないのか、なぜそういう方法しかとられなかつたのかということを、お尋ねいたしたいのです。これは地方公務員だけの問題ではございませんので、国家公務員につきましても同じやり方がやられておる。たとえば今度の機構改革で、人事院がなくなろうとしておる。これは国家公務員にとりましては大問題です。地方公務員の問題も同じ問題であります。国家公務員法は依然として残されておりまして、しかもその救済機関である人事院がなくなろうとしておる、これと同じ形が地方公務員にも出て来ておる。地方公務員法で国家公務員法の人事院にあたりますところの公平委員会あるいは人事委員会が縮小されようとしておる。こういう一貫した政府の方針というものが、正しいと考えられておるのかどうか。政府全般の最近の施策を見まして、非常に反動化しようとしておるその一端の現われだと思うのですが、少くとも地方自治庁においては地方公務員法の今度の改正において、そういう反動的な、まつたく時代逆行的な政策を意識的におとりになろうとしておるかどうか、これをひとつ承つておきたい。
○鈴木(俊)政府委員 地方公務員法の今回の一部改正法律案が、昨年来政府が方針としております行政簡素化という線に基きまして、さしあたつてのその線にのつとりました一部改正と、さらに実施後一年あまりの間の実際の経験に基きまして、地方の人事委員会の各当局の体験上、この点をかようにしてほしい、あるいはその他の機関の実際の体験上の要請に基きました二、三の点の改正をいたしておるのにすぎないのであります。従つてこれをもつて地方公務員の制度が完全無欠であるというふうには、私ども考えておりません。その点は先ほど申し上げましたように、さらに地方制度調査会において検討を加えていただきたい、かように思つておるのでありますが、今回の地方公務員法の一部改正の法律案につきましては、行政簡素化という線と施行後一年あまりの実績に基く若干の調整ということでありまして、根本の建前については、何ら変更を加えていないのであります。何かいかにも反動的であるというような仰せでございますが、私どもとしては、決してさようには考えていないのであります。
○立花委員 これはあなたがそれを意識しておられないので、あるいは意識しておられてもはつきり言わないのであつて、政府の一貫した方針として私どもは、私どもだけでなしに国民は、非常に大きな不安を感じておるのですが、特に公務員の問題につきましては、さいぜん述べましたように、国家公務員法におきましても、人事院をなくしてしまう。それと同じ形で、地方では今度の改正によつて公平委員会、人事委員会を縮小する。これは明らかに政府の一貫した、公務員に対する制度改悪でありまして、明らかに私どもは反動的と言わざるを得ないと思う。しかし今あなたの意見を聞きますと、実施後一箇年ばかりの間の経過によつて、地方の機関の要請によつて改正したのだと言われますが、その言葉の通り、これは地方の理事者側の意見によつて改正しておるのであつて、決して地方の公務員側の意見、地方の職員、労働者側の意見を聞いて改正されたものではないということは明白なんです。だからこそ一方的にならざるを得ない。反動的にならざるを得ないと思う。政府の改正は單に理事者だけの要請によつて改正さるべきものじやないと思う。明らかにそれは一方的であつて、少くとも地方の職員の団体、職員の労働組合、そこらのはつきりした意見を聞いて改正の内容がつくられなければいけないのであつて、地方の理事者側だけの要請によつて改正されるということは、完全に誤りである。従つてこういう反動的なものが出る結果になるだろうと思う。もう少し改正案をお出しになるにつきましては、公平な民主的な態度で、改正案をつくつていただきたいことを要望しておきます。
○大矢委員 昨年の二月にこの法律が実施されてからわずかに一年あまりでもつて、次々とどうしてこういうふうな改正案を出すのか、それから以前から問題になつておつた、例の單純労務、すなわち実際公共団体の事業に関係している、事務員にあらざる單純労務者の問題は、その後どうなつたか。それから今度の法律に出ております公共企業体の法案について、それと並行して当然審議さるべきそれらの業務員あるいは公務員の法案が一体いつごろ出るのか、一方この基礎になるべき法律が出ずして、ただ公共企業体の法案だけを出して来た。これはだんだん会期が追つて参りますから、そういうことになると、審議未了のおそれがありますが、その三つについて根本方針が現在決定されているか、日にちでも、大体おわかりならば御説明願いたい。
○鈴木(俊)政府委員 第一のお尋ねの、今回の地方公務員法の改正をなぜそうひんぱんにやるかということでございますが、これは先ほどもちよつと申し上げましたように、特別職の範囲でございますとか、あるいは人事委員会の議決の方式でございますとか、実際の必要上どうしても調整をいたしませんとうまく参らないという、ごく事務的と申しますか、技術的な点を数点、一年後の施行経過にかんがみてかえましたのと、いま一つは、政府の行政簡素化という方針に出ますところの若干の改訂、この二つからいたしたのでございまして、根本の建前を朝三暮四的に変更するということではないのでございます。それから第二のお尋ねの、單純労務に関する特例法はどうしたかということでございますが、これにつきましては、地方公務員法の附則にもございますので、政府としてはその後一応政令で單純労務者の範囲をきめまして、それについて、その範囲に属します者は、従来の法令すなわち労働関係の法律の適用を現在も受けておるようにいたしておるのでございますが、これにつきまして、目下検討中でございまして、労働省と種々打合せをいたしておる次第であります。政府の労働法全体の改正につきましての方針がまとまりますれば、すみやかに提案をして、御審議を願いたい、かように考えておる次第でございます。 それから公営企業労働関係法に関連いたしまして、公営企業に従事いたします企業職員の労働関係の問題は、どうしたかということでございますが、この点に関しましても、これは主としては労働省当局において立案をしていただくようにいたしておるのでありますが、これも全般の労働関係法の改訂の方針が確定した次第、今国会に提案するようにいたしたい、そして御審議を願いたい、かように考えておる次第であります、
○大矢委員 この法案の説明によると、事務の簡素化のためにこういう改正を必要とするというのでありますが、事務の簡素化ということは今日始まつたことではありません。これは政府の一貫した方針をのべつこういうふうに改正されると、地方はまつたく迷惑する。今度の改正案の中に、従来置かなければならぬものを置かないで、置くことができるとか、あるいは事務を委託できるものとするというように、どつちでもいいような文字がたくさん使つてある。しかしながらこれを一貫して見ますると、事務の簡素化ということが一つの目標であるが、結局府県にこれを行わしめるというのが目的のようです。ところがせんだつて公国の三万以上の都市の議長会議において、二回にわたつて、地方自治のあり方というものは市町村が原則だ、市町村で自主的にやろう。また市町村の自治にまかせ、自治のほんとうの能率を上げようとするためには、それが基礎でなければならぬということを言い、また絶えず答弁でもそう言つておりますが、この改正案によりますると、結局事務の簡素化ということから、今度府県に集中しよう。十五万以下のそういうところには人事委員会を置かないでよろしい、あるいはそれに公平委員会の事務を委託できるものとする。この文字から行くと、してもしなくてもいいということになりますけれども、大体の方針というものは、結局府県にこれをやらそう、そうすることが事務の簡素化になつていいのだ。それでは今の議長会議の決定とは逆な方向に行つておる。そういうことも考えられますし、それからこういう言葉はそのまま地方では受取らない。やはり国の政府とか、あるいはそういう高級機関できめたことは、長い間の日本の慣習からいたしまして、いわゆる上へならえといいますか、官治的な習慣がついておりますから、やはり法律できめたり、あるいは政府の方針がそうであれば、支持する気持が非常に強い。こういうものだけはきちつちつとそういう方針で進んでいる。せんだつて石巻ですか、問題になつた土木局長が不当解雇になりまして、それを委員会で決定した。ああいうような、われわれ常識では判断できぬようなことを決定しても、それに対しては地方自治体はいかんともできない。こういうものだけは法律できめて、いずれにもできるような文句は使つているが、実質上は強制しているというような傾向が各所にある。これは一体根本的な方針が定まらないからだと思う。地方自治体の市町村がいわゆる自治の原則だ、こう言うのなら、それに一切まかす。それで簡素化をやろうというならば、自発的に、たとえば地方で高等学校を建てるために三町村とか、あるいはそれぞれの人が共同してそこに建てるというように、こういうものも自主的にひとつ地方で連絡もとる、そういう一つの習慣をつくればいいので、いつも押しつけるような傾向がある。しかもそれがだんだん府県に集中してしまう。もし府県に集中するなら、もつと府県のあり方というものを根本的に検討して、それで府県でやる一つの方法もありましよう。今のままで自治をやかましく言い、簡素化をやかましく言つて、しかも一年前にきめたことをまた逆にきめる、こういうようなことでは、はなはだ地方では迷惑するのではないか。それよりか、はつきり置くなら置く、置かないなら置かない、こうしたらいいので、どつちへもつくようなあいまいな言葉で、実質上は自治庁なりあるいは中央で、そういう半強制的なことを行つているというのが慣例であります。また下もそう考えている。また與えられた民主主義といいますか、これが日なお浅いので、そういうことに徹せないというかげんかどうか知りませんが、絶えずかわつた指令をやたらに出しますから、地方はまつたく迷惑している。それらの点をもつと一貫して明瞭にすべきではないか。方針をきめて、府県なら府県にやらす。委託することができるものとするとか、置くことができるとかいうように、置いてもいいし、置かないでもいいというような、なまはんかなことはどうかと思いますが、その点についてはつきりした方針、すなわちこれは実際この通りで、強制しないのだ、どつちでもよろしいのだというのか。それともそうであつてほしいという希望が、これに強くうたわれているのですか、どうですか。
○鈴木(俊)政府委員 この法案の中におきまして、公平委員会を共同して設置することができる、また当該都道府県の人事委員会に委託してその事務を処理させることができる、こういう二つの方式を示しているわけでございます。前者の方は、たとえばある府県なら府県の中の全町村が一緒になつて共同して一つの公平委員会を置き、不利益処分として馘首されたような人があつた場合に、そこに訴え出る。こういうふうに一つの公平委員会を共同して設置するということも可能であります。それからまたあるいは郡内の町村が一緒になる、地方事務所の管轄区域の中の町村が一緒になつて、公平委員会を共同設置するということももちろん可能であります。現在ではそういう郡内あるいは地方事務所管内の町村が、共同して公平委員会を設けておるというのが相当多数あると思います。これはよき吏員を得るためには、やはり相当の規模のものでございませんと、なかなか適当な人が得られないということも事実ありまするのと、それからまた経費その他から申しまして、そういうふうな形の方がよろしいということで、実際さようになつておると思うのであります。そういう共同設置の方式で行つてもよろしいし、また特にそういう公平委員会の仕事を、府県の人事委員会に委託して処理さしてもよろしいという、共同設置あるいは事務の委託方式、こういう二つの方式をここでうたつておるわけでございまして、これのいずれをしてももちろんさしつかえない、どちらでもいいわけであります。これはひとりこういう問題だけではございませんで、およそ各種の委員会事務を処理いたします方式といたしましては、御承知のごとく、組合というものをつくつて一緒にやるということもありますし、今回の自治法の改正案におきましては、さらに共同設置という方式を一般的に考えまして、いろいろな委員会とかいうものも共同設置して、町村が一緒にやるというふうにしてよろしい。それからまたここにございますように、学校教育法におきましては、兒童の教育事務を他の市町村に委託して処理させる、こういう方式が現にございます。そういうふうに、そちらによりよき施設があるような場合には、そこに委託してやるということも事務の簡素化、経費の節約という点から考えていいじやないかということで、自治法の改正案におきましては、そのような便法を考慮いたしておりますが、それと同じような考え方で、公平委員会につきましても、共同設置なり、事務委託という方式をここでとろうということでございまして、それは独立に町村に公平委員会を置いてももちろんさしつかえないわけでありますが、そうしないで、共同設置なり、委託という方式をとつてもいいのだ、それをきめるのがそれこそ自治である。かように考えておるわけでございまして、中央からいずれかの方式に必ずよらなければならぬということを申すつもりはございませんし、またそういう趣旨で立案いたしたものでもないのでございます。
○大矢委員 ごく簡單にもう二点だけお尋ねいたしますが、この特別区及び人口十五万以下の市に公平委員会を設置するものとするというこの十五万と切つたのは、何か根拠があるのかどうか。それからいま一つは、この公務員法は申すまでもなく公務員が安心して職務に精励できる保護法であります。従つて人事委員会なり公平委員会を都道府県に委託することができるということでありますが、先ほど立花君も言われるように、理事者はできるだけ簡素な方がいいし、めんどうくさいから、都道府県に委託しろ、こういう意見を持つが、これを保護され、適用される従業員あるいは公務員の人たちは、單独で独立した方がわれわれが保護されるのにいいのだという希望がある、そういつた場合と、理事者が委託したい場合と、これは立場によつて違うと思います。そこでそういう場合にいずれをとるか。理事者の方は事務の簡素化ということを一つの目的として、都道府県にこれを委託しよう。しかし一方、これはわれわれを保護するあだから、人事委員会なり公平委員会をぜひ置いてもらつて、直接扱つてもらいたい、その方が事の事情がよくわかつて、いろいろな申告もできるという場合に、われわれの希望を入れるつもりでおるのか。この法の精神から行くと、職員の希望がそうであれば、当然そうあるのが妥当であると私は思うが、ただ事務の簡素化ということで行きますと、当面の理事者といいますかそういう方面から委託した方がいいということになりますから、これはいずれを重視してやるつもりか、この二点だけをお伺いしたい。
○鈴木(俊)政府委員 人口十五万ということにつきましては、政府といたしましては政令諮問委員会等に諮問をいたしました際に、人口十五万という一つの標準を答申いたしておりますし、また最近人口十五万というのは、たとえば保健所の設置の單位その他として使われておりますので、これを一応の区分と考えたわけでございます。なおその具体的の問題につきましては、公務員課長から追加して御説明申し上げるようにいたします。 第二点の、委託方式にするか、あるいは共同設置にするか、それとも独自の公平委員会なり人事委員会を持つか、こういうことは、すべてその団体といたしましては、ここにもございますように、議会の議決を経て定める規約によつてこういうふうにいたすわけでございます。従つて理事者だけが自分の考えで事をきめることはできないので、議会の議決が必ず必要であるようになつておるわけであります。
○佐久間政府委員 人口十五万で切りました理由につきまして、ただいま次長から御説明申し上げました点に、若干補足的に申し上げたいと思います。実際の実情を見てみますと、地方公務員法が制定になりましてから、五大都市は公務員法で必置になつておりますが、五大都市以外の市で人事委員会を設置いたしましたところが小樽、函館、仙台、延岡、三鷹の五市あつたのであります。そのうち三鷹市につきましては、人事委員会の設置はいたしましたが、その後の運営が円滑に行かなかつたように聞いておりまして、本年の四月から人事委員会を廃止いたしまして公平委員会に切りかえております。従いまして、現在では小樽、函館、仙台、延岡の四市が人事委員会を置いておるわけであります。この実際の状況から見てみましても、小樽、函館、仙台いずれも大体人口二十万前後の市でございまして、事務の簡素化からいたしまして、あるところ、ある線で切ろうといたしました場合に、現在の置いておりますところはおおむね二十万前後の都市であるということを勘案いたしましたことが一つでございます。 それからいま一つは、首長の事務委嘱から独立をいたしました一つの人事委員会をつくりまして、人事行政を両方の機関でそれぞれ分担をいたしまして、その公正な施行をはかつて参ろうというようなことから考えてみますと、相当数の職員数を要する地方団体におきましては、独立の専門的な人事機関を設置することが、経費、人員等とにらみ合せまして、その必要性が肯定されるのじやないだろうかという点から考えて参りますと、人口十五万から二十万くらいのところは、大体千四、五百人くらいの職員数を持つておるのでありまして、その程度の職員数を持つておりますところで、初めて人事委員会が十分活動石きるのではなかろうかということを、実は推測いたした次第でございます。以上申し上げましたような実情を勘案いたしまして、人口十五万ということを考えた次第でございます。
○床次委員 この人事委員会あるいは公平委員会は、施行以来わずかの経験でありますが、今日までの経験に徴しまして、将来まだまだこの委員会の内容が充実されるように見ておられるか、あるいは大体現状の陣容でもつて法律の所期の目的を達せられるように見ておられるのか。その趨勢についてお見込みがありますれば、承りたい。
○鈴木(俊)政府委員 人事委員会及び公平委員会の制度でございますが、たとえば職階制等につきましても、まだ施行いたしていない研究の段階ございますし、従いまして、それを前提といたします給與法の制度、あるいは任用の制度等につきましても、まだ全面的に動いておるという実情ではないわけであります。そういう状態におきまして人事委員会の職務というものは、いわばまだ緒についただけというのが実情でございます。現在人事委員会の事務局の組織といたしましては、東京都のような大きなところでも五十人前後で、多くは十人前後、あるいは都道府県でございますと、二十人くらいというようなところが、最も多いような状況でございますが、しかし各種の公平事務、不利益処分の審査でございますとか、あるいは給與に関します勧告でありますとかいうようなことにつきましては、相当に勉強し、また事実活動をいたしておるようであります。しかしまだまだこの法の所期いたしますところの程度の活動までは達していないというふうに考えております。現在のような地方自治の各種の独立の委員会がありまして、任命権者が相当多数あるというような建前のもとにおきましては、やはりこういうような公平な人事機関が必要のように考えますし、また他面給與の勧告等につきましても、今の公務員の方式から申しますと、相当意義があるのではないかというふうに考えておる次第であります。
○金光委員長 それでは本案に対する質疑は次会に延期することにいたします。 —————————————
○金光委員長 次に去る二十三日本委員会に付託されました地方自治法の一部を改正する法律案、内閣提出第百七十五号を議題といたします。
○立花委員 議事進行について……。自治法の説明に入るわけなんでありますが、やはりこれは非常に重大な法案なので、委員会として取扱い方をきめておいていただきたいと思います。この法案の中には、地方の議員の定数を減らすとか、問題になつております二十三区の問題もありますから、当然公聽会等も開かなければならないと思います。説明を聞いてからでもいいですが、やはり委員会としてはつきり取扱い方針を理事会あたりできめておいていただきたいと思うのですが、委員長にその用意があるかどうか。
○金光委員長 ただいま御発言の御趣旨はごもつともでありますから、理事会においてさようとりはからうつもりでございます。 それではまず政府より提案理由の説明を聽取いたします。岡野国務大臣。 —————————————
○岡野国務大臣 ただいま本委員会に付託になりました地方自治法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び主要な改正事項の概略を御説明申し上げます。 新憲法の精神に基き地方自治の本旨を実現するため、憲法とともに、地方自治が施行になりましてから、本年でちようど五箇年を迎えることとなりました。この間終戰後の悪條件が山積する中におきまして、地方自治確立の途上には幾多の障害が横たわつていたのでありますが、地方自治関係者の不断の努力と協調とによりまして、これらの障害はなお、今後の努力にまつべきものも少くないとはいえ、次第に解決に向つて参つておりますことは、近く国民待望の独立の日を迎えようとしております際、まことに御同慶にたえないところであります。私は、わが国民主化の基礎を確立し、独立を迎える上に果した地方自治関係者のこの五箇年にわたる努力の功績はきわめて大きいものがあると信じて疑わないものであります。しかしながら、わが国の民主主義は、まだようやくその基礎を確立したばかりであり、地方自治のよつて立つ基盤もいまだはなはだ脆弱であることは、率直にこれを認めざるを得ないところであります。政府は深くこれらの点にかんがみまして、この際地方自治法の一部を改正いたしまして地方公共団体の事務処理の自主性を可及的に保障することにより、地方自治の基盤をいよいよ確実にするとともに、独立後の国民負担を少しでも軽減するため、極力地方公共団体の組織及び運営の簡素化及び能率化に努め、もつて今後の新情勢に対処することとし、さらに地方自治法運用の実情に徴しまして、地方公共団体の組織及び運営を真に合理的ならしめて、地方自治運営の不合理、不経済等に名をかつて、地方自治に対する不信の声が台頭して参りますようなことをできるだけ避けるようにいたしたいと存ずるのであります。これが今回地方自治法の一部を改正する法律案を提案し、御審議をお願いするこことした理由の大要であります。 次に、改正法案の主要な事項につきまして、その概略を御説明申し上げたいと存じます、その第一点は、地方公共団体の自主的な事務処理を保障することにより、地方自治の強化をはかるとともに、その運営の合理化に資しようとした点であります。明治以来地方公共団体に委任される国の事務はおびただしい数に達しており、地方公共団体は、いわゆる委任事務の処理に追われて、その創意とくふうとにより、地方の実情に適合した自治行政を行うことができないという実情にあることは御承知の通りであります。終戰後地方自治の強化のため行政の各分野に目ざましい改革がなされたのでありますが、地方公共団体に対するいわゆる委任事務を整理して、地方公共団体が自主的にその事務を処理することができる範囲を拡大するという点につきましては、ほとんど見るべき改善がなされずして今日に至つたのであります。ここにおいて、地方行政調査委員会議は、さきに地方自治を確立するために行政事務を再配分することを勧告するとともに、機関委任の認められる事務の範囲は、地方自治法等において明記し、将来無制限に増されることのないようにすべきである、と述べ、地方公共団体の事務とされたものについては、その義務的処理を建前とするものは、極力これを限定しなければならない、と勧告したのであります。政府としても、近く地方制度調査会を設け、地方行政調査委員会議の勧告実現の具体的な方法その他地方制度の根本に関する事項について諮問する方針でありますが、その結論が得られますまでの間におきましても、地方公共団体に委任される国の事務は、いよいよ多きを加えて行く実情にありますので、この際地方公共団体及び地方公共団体の執行機関に処理を義務づけている事務並びに地方公共団体に設置を義務づけている行政機関及び職員等を、すべて別表として地方自治法中に掲げることとし、もつて地方公共団体の自主的な事務処理の確保に資するこことしたのであります。もとより今回別表に掲げました事務、行政機関及び職員等は、現在法律または政令によつて地方公共団体に義務づけられているものをすべてそのまま掲げたものでありまして、何らこれに整理の手を加えておりませんためおびただしい数に上つておりますので、ただちに地方公共団体の自主性の保障に役立つとは申せないかもわかりませんが、このような措置により、将来地方公共団体に処理を義務づける事務等を増加しようとする際には常に地方自治法の改正を伴うこととなりますので、その際国会におかれましても、十分各種の行政について地方自治の見地から御検討を願う機会もあることとなりましようし、政府としても地方行政簡素化の折柄、愼重にこれを抑制して参る方針でありますから、地方公共団体が義務的に処理しまたは設置しなければならない事務、行政機関及び職員等を現在以上に法令によつて増加して行くことは、かなり反省されるに至ることを期待しているわけであります。また、地方自治法の別表を一見することによつて、いかに多くの、また、特にその義務づけについて疑問のあるような種類の事務、行政機関及び職員等の処理または設置までが地方公共団体に義務づけられているかが明白となりますので、これを簡素合理化しようとする世論も喚起されまして、将来地方公共団体の事務の処理、行政機関及び職員等の設置について、その自主性を強化するとともに、その事務の配分を合理化する上に役立つであろうと信ずるものであります。一方、地方公共団体の側におきましても、地方自治法を見るだけで地方公共団体として義務的処理を負わされている事務及びその組織を系統的に把握できるごととなり、地方自治の現状に対する住民の認識を高める自治教育上の意義も決して少くないと考えられますし、さらに、地方公共団体の当局者に対しましては、今後ますます必要となつて参ります地方行政の総合的な運営について合理的な計画を立てる際にも、またはこれらの事務について検討する機会を與える上にも役立たしめることができるものと存ずるのであります。 また、地方公共団体または地方公共団体の機関に事務を委任しまたは経費を負担させるには、必ず法律またはこれに基く政令によらなければならないこととし、従来総理府令、法務府令、省令その他の政令以外の命令によつて委任しまたは負担させておりましたものにつきましては、この法律施行後一年以内に法律について必要な改正の措置をとらなければならないこととし、総理府令、法務府令、省令その他の政令以外の命令については法律に基く政令に改めなければならないことといたしまして、地方自治の保障をさらに厚くすることとしたのであります。 さらに、議員定数その他地方公共団体の組織につきましても、今回の改正法案におきましては、地方公共団体の組織及び運営の簡素化に努めつつ、制度としては、地方公共団体の組織及び運営に関しては地方公共団体の自主的に決定し得る建前を基本とすることに改め、その自主性の確保をはかることができるよう配慮を加えた次第であります。 次に、改正の第二点は、地方公共団体の組織及び運営の簡素化及び能率化をはかつた点であります。 地方公共団体の組織及び運営の簡素化及び能率化については、地方行政調査委員会議の勧告の次第もあり、政府は、昨秋以来行政簡素化本部を設けて検討を続けて来たのでありますが、今回は、おおむね、地方行政調査委員会議の勧告を中心とし、これに各方面の意見等をも参酌して、立案をいたしたものであります。 まず、地方公共団体の議会につきましては、第一に議員の定数の法定主義を改めて法律には議員定数決定の場合の基準のみを定めることとし、議員字数は、地方公共団体が條例で自主的に定めることができるようにするとともに、その決定の基準として法律に掲げる定数は、おおむね戰前の定数を参考として定めたのであります。次に、議会制度の合理化をはかる措置として定例会制度を通常会制度に改めることとするとともに、議員より臨時会招集の請求のあつた場合には都道府県にあつては三十日、市町村にあつては、二十日以内に必ずこれを招集しなければならないものとし、さらに議員全員の改選または長の更迭のあつた場合には、必ず臨時会を招集しなければならないものとしたのであります。 地方公共団体の執行機関につきましては、まず、都道府県の局部につきましては、現地必置の局が七、部が六で実際には六乃至十二の局部が設けられておりますのを、人口段階別に最低四部、最高八局部の基準を法定することに改め、都道府県知事は、條例で、局部の数を増減し、局部の名称または所掌事務を変更することができることとしたのであります。 次に、都道府県の副知事及び副出納長並びに市の助役の設置を任意制に改め、選挙管理委員は、都道府県及び五大市にあつては四人、その他の市及び町村にあつては、三人とし、四人の監査委員を置くことができる市は、政令で指定する市に限ることとしたのであります。 また、各種委員会の委員及び監査委員は、非常勤を建前とすることに改め、地方公共団体の長と、委員会との協力関係に関する規定を整備して、委員会の事務局または出先機関等の簡素化に資することとしたのであります。 次に、地方公共団体がその事務を共同処理し、もしくは他の地方公共団体に委託し、または行政機関もしくは職員等を共同設置することによつて、その組織及び運営の簡素化及び能率化をはかることができるようにするため、新たに、地方公共団体の協議会、地方公共団体の機関または職員の共同設置及び地方公共団体の事務の委託に関する手続その他の規定を設けることとしたのであります。 さらに、大都市における行政の簡素かつ能率的な処理をはかるため、区の組織につき所要の改革を行うこととし、特別市の行政区及び都の特別区の区長の公選制を廃止するほか、都については、さらに、特別区の性格、都区の間における事務の配分、都区の関係の調整の方法等に改正を加え、大都市における行政の統一的、かつ能率的な処理をできるだけ確保しようとしたのであります。すなわち、特別区の存する区域におきましては現行制度上は都も特別区もともに市としての事務を分割して処理することとなつており、その間の調整がなかなか困難であり、多くの事務について勢い二重機構、二重行政的な取扱いがなされているのでありますが、今回、これを改め、特別区はその実体に即するように、大都市の内部的部分団体としてその性格に変更を加え、都と特別区の一体的関係を明確にするとともに、特別区の区域内の都民に、身近かな事務は原則として特別区が処理することとし、実質的には、特別区の権能に属する事務を増加することといたしたのであります。しこうしてこれらの事務の合理的能率的処理をはかるためには、都及び特別区間並びに特別区相互間の事務処理の一体化をできるだけ確保することが必要でありますが、同時に特別区の性格にかんがみ、これらの要請とその自治権との間の調和をはかる必要がありますので、区長の公選制度を改めて都知事が特別区の議会の議員の選挙権を有する年齢満二十五年以上の者について特別区の議会の同意を得て選任するものと改めた次第であります。 第三は、地方公共団体の組織及び運営の合理化をはかる点であります。まず、市町村の規模の合理化につきましては、地方行政調査委員会議の勧告もあり、政府も、早くから勧奨しているところでありますが、これまでの実績にかんがみ、都道府県及び国の関係行政機関の協力がなければ、十分効果を上げることができませんので、このたび、都道府県知事に市町村の廃置分合または境界変更の計画を立てこれを関係市町村に勧告する権限を認めることとし、この勧告に基く市町村の廃置分合または境界変更につきましては、国の関係行政機関にこれを促進するため、必要な措置を講ずべき義務を課することとしたのであります。 次に、市町村の境界に関する争論その他地方公共団体相互の問または地方公共団体の機関相互の間における紛争を、なるべく当事者の互譲により円満かつ迅速に解決するため、地方行政調査委員会議の勧告に基いて、自治紛争調停委員を設けることとしたのでありますが、地方行政簡素化の趣旨から、自治紛争調停委員は、常置の制をとらず、事件ごとに任命する臨時の機関とすることといたしました。 最後に、地方公共団体が住民の福祉の増進に寄與するとともに、最少の経費で最大の効果を上げるようにする等、地方公共団体の組織及び運営の合理化をはかり、地方自治の内容をさらに質的にも向上するためには、地方公共団体の自主性をできるだけ尊重しつつ、国または都道府県がその有する技術、知識、経験等をもつてできるだけ協力して参る体制を確立する必要があると認められますので、地方行政調査委員会議の勧告に従い、主務大臣並びに都道府県知事及び都道府県の委員会等に技術的な助言、勧告、情報提供等非権力的な関與を認めることとし、国と地方公共団体との間の合理的な協力関係の確立をはかることとしたのであります。 以上がこの委員会に付託になりました地方自治法の一部を改正する法律案の提案理由及び改正の主要な事項の概要であります。 何とぞよろしく御審議のほどをお願いいたします。これをもつて提案理由の説明といたします。
○野村委員 ただいまの本案に対する大臣の説明に対する質疑は、次の委員会で試みたいと思いますが、先般の委員会におきまして地方制度調査会の設置法案に対する要綱の御説明があつたのですが、本案とは最も密接な関係を持つておるわけです。これはまだ具体的に提案の運びになつておらないようですが、これに対して政府はいかなる御用意をなさつておられますか。
○岡野国務大臣 ごく最近に至急提案いたしたいと存じます。
○野村委員 本案の審議の上に非常な関係を持つておる法案でありますので、すみやかに提案の運びに至ることを要望いたしておきます。同時にこの地方行政委員会に付議されるように、どうか至急御提案を願いたいと思います。
○金光委員長 ただいま政府より提案理由の説明を聴取いたしましたが、本案に対する質疑は次会より行うことといたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後零時四十八分散会