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13回国会衆議院1952/03/28

地方行政委員会 第20号

発言数
38
登壇者
5
会派数
3
開催日
1952/03/28

会議録

金光義邦自由党

○金光委員長 これより会議を開きます。  日程に入ります前にお諮りいたします。理事でありました門司亮君が去る二十五日一度委員を辞任されましたので、理事が一名欠員になつております。この際理事の補欠選挙を行いたいと思いますが、先例によりまして委員長より指名するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

金光義邦自由党

○金光委員長 御異議がないようでありますので、門司亮君を理事に指名いたします。     —————————————

金光義邦自由党

○金光委員長 地方税法の一部を改正する法律案を議題に供します。初めに政府の説明を求めます。奥野政府委員。

奥野誠亮総理府事務官(地方自治庁財政課長)

○奥野政府委員 便宜お手元に配付してあります改正法律案と現行法との対照をごらんいただきたいと思います。その対照に従いまして改正されております点を御説明申し上げて行きます。  第四條は、漁業権税を削除しておりますが、廃止した関係であります。  第五條も広告税、接客人税等を廃止した関係であります。  第三十一條の二は、附加価値税の実施を一年延明いたします関係上、加算法を採用しようとする法人がそれを採用したいという届出の期限を一年間ずらそうとする改正であります。三十一條の三は、これもやはり附加価値税を一年延期いたします関係上、算定方法に変更がありました場合に、固定資産についての特別な取扱いをいたします。場合の固定資産の取得の時期も、一年間ずらして行くという改正であります。  第六十三條では、国税徴收法を引用しております條文を改めておりますけれども、これは国税徴収法が改正されまして、前に引用しておりました條文が違つた條文になりましたので、それに合せまして改正しようとするものであります。  第七十條は、附加価値税に関する規定の適用の始期を一年間ずらすための改正であります。  第七十一條は、附加価値税が始まりますときの計算につきましては、事業税との関係で特例を設けなければならないわけでありますが、その際の時期を一年間ずらすための改正であります。  第七十二條も同様附加価値税一年延期に伴いまして、法人に関します事業年度の始期について、一年間ずらして行くだけの改正であります。  第七十三條、これも一年延期に伴いまして二十七年度分を二十八年度分に改めるだけの問題であります。  七十四條もまつたく同様であります。七十四條の二、これもまつたく同様の形式的な字句の改正であります。  第百四條は、先ほど申し上げました国税徴收法が改正されましたために、引用されておつた條文番号がかわりましたに伴う字句の修正であります。  第百三十六條、第百六十九條、第二百二條もまつたく同様の修正であります。  第六節の漁業権税は、これは廃止されることになりますので、二百九條から二百三十五條までの漁業権税に関する規定は削除したいと考える改正であります。  第二百五十五條は、国税徴収法について引用いたしておりました條文が、同法の改正によつてかわつて参りました関係の修正であります。  第二百八十七條も同様であります。  第二百九十五條の改正は、不具者、未成年者、六十五歳以上の者または寡婦でありまして、所得十万円未満のものにつきましては、市町村民税を課することができないわけであります。しかしながら、所得税法の規定の適用におきましては、たとえば父、その子供が共同して農業を営むとか、あるいは商売をやつておる場合には、子供さんの所得がその父の所得とみなされまして、子供さんの所得も父の所得として課税されて行きます関係上、子供さんには所得税の課税の基礎となるべき所得がない反面、父の所得になる場合には、十万円に満たないときは市町村民税が課されないことになるわけであります。その場合に、必ずしもすべて不適当ではないのでありますけれども、三十、四十の血気盛りの壯年者がたまたまその所得を父に合算されるために、片方では二十を過ぎた娘さんが工場に通つている。それが所得がございますために市町村民税が課される場合と非常に不均衡になりますので、そういう場合には事情によつてその老年者にも市町村民税を課することができるといたしたいわけなのでありまして、実質的には子供さんの所得であります部分について課税の均衡上必要があります場合には、それを市町村民税において捕捉をいたしまして、市町村内の均衡を保てるようにいたしたい、かように考えているわけであります。  第二百九十六條の改正は、木船保險組合というものがなくなりまして船主責任相互保險組合と木船相互保險組合が同種のものとして生れて参りましたのでそれに置きかえて、森林法がその後改正されましたので改正法律番号に入れているだけであります。また信用金庫法に基きまして従来の市街地信用組合が、信用金庫もしくは信用金庫連合会というふうになつて参りますので、これを協同組合と同じ性質のものとして加えることにいたしているわけであります。  三百四條の規定は、所得税法の改正に伴います引用條項の改正であります。内容はかわりございません。  三百十二條の改正は、同様所得税法の改正に伴いまして、内容の同じものを引用の仕方だけをかえているわけであります。  三百十三條の改正は、税率を百分の十五の法人税割の標準税率を百分の十二・五に引下げておるわけでありますけれども、これは従来法人税の税率は、法人の所得の三五%であつたものが、四二%に引上げられたわけであります。法人の所得の三五%に、法人税割の標準税率の百分の十五を乗じましたものは、法人所得の百分の五・二五ということになるわけであります。ところが法人税額が増税されたわけでありますので、法人所得の四二%という新しい税率を乗じましたものに、この改正法人税割の標準税率の百分の十二・五を乗じましても、やはり同じく法人所得の五・二五%ということに、法人税割の額がなるわけであります。要するに法人税の増税が行われたけれども、法人税割の実質的な税率、すなわち法人所得に対する税率は増減しないという意味で、この修正が行われるわけであります。制限税率はそれに伴いまして、若干引下げる方が穏当であると考えられますので、百分の十六を百分の十五に引下げておるわけであります。  三百十四條の二は、昭和二十六年度分の所得税につきましては、たとえば基礎控除が二十七年度からは五万円でありますけれども、三万七千五百円という臨時的な特例が定められておるわけであります。二十七年度の市町村民税の所得割は、二十六年度の所得税額を課税標準に採用して行くわけでございますので、これらの基礎になりますものは、昭和二十六年度分の所得税の特例によりますものを採用して参らなければなりませんので、その趣旨において引用いたしております所得税法の規定を、このように読みかえて行く必要が生じて参るわけであります。  三百二十一條の五の五項は、市町村民税の特別徴収につきまして、特別徴収義務者が市町村の指定いたしました金融機関に拂い込んだときに、納入の義務が完了するわけでありますけれども、この特別徴収義務者が国の機関であります場合には、まず納入金に相当する金額を日本銀行に交付する。そうして日本銀行から所要の金融機関に、あるいは市町村に送金手続をとることにいたしております関係上、日本銀行に納入したときにすでに納入義務が完了するということにいたしませんと、さらに送金手続を経まして、その先に到着したときに拂い込みがあつたといたしますと、その間に納入が遅れたということで、延滞金を徴収しなければならないというような問題になりまして、不合理になりますので、国の機関が取扱います場合において、日本銀行に交付して、送金手続をとることになつておりますので、日本銀行に交付して納入金の拂込みをしたときには、市町村に納入金の納入があつたものとみなしたいという改正であります。また六項は、市町村が拂込み先として郵便官署を指定いたします場合には、その取扱いを定めておきます方が便宜でありますので、郵便振替貯金法の関係規定に基いて行うように規定をいたしておきたいと考えておるわけであります。  三百二十七條の改正は、徴収猶予の問題につきまして市町村民税の法人税割につきましては、税額の二分の一以内につきまして、期間三月以内は申請によつて当然徴収猶予がなされることになつておるわけでありますけれども、法人税につきましてもこの場合の延滞金を引下げておりますのと歩調を合せまして、一日四銭の割合を一日二銭の割合にいたしたいというふうに考えるわけであります。元来この種の部分につきましては、納期を個人と同様に四回にわけるべきだという意見もあるわけでありますけれども、さしあたりこれをわけませんで、たとえば事業年度の六箇月のものにつきましては、やはり事業年度終了後二箇月以内に納めなければならない。しかし会社の都合によりましては、半分だけはさらに三月以内で延納を認める。そういうことにおいて、会社の都合では実質的に個人と同じような四回の納期にしようとしておるわけでありますので、そのような部分には一般並の延滞金を徴収することは若干苛酷に考えられますので、それを半分に引下げようとしておるわけであります。  次に三百三十三條の国税徴収法の引用條文をかえておりますのは、先ほど申し上げた通りであります。  三百四十三條の固定資産税の納税義務者等に関しまする規定の改正は、都市計画法または特別都市計画法によりまして、区画整理が行われました場合、所有土地の交換が行われることになるわけなのでありますけれども、事実上交換が行われまして、そうして新しい土地を使用することになりましても、形式上の所有権というものの改正が遅れて参りますので、自然土地台帳の所有者名義の切りかえが遅れて参るわけであります。そうしますと、現在は何ら使用していない土地につきまして、固定資産税が課されて来るということになりまして、土地の実質的な使用収益ないし実質的な所有の状態と、固定資産税の課税の状態との間に、乖離を生じて参つて来るわけであります。そこでそういうような部分につきましては、現に使用収益し得る状態に着目いたしまして土地台帳の所有者の名義がかわつておりませんでも、現実の所有状態に着目して固定資産税の納税義務者を定めて行くことができるという改正をいたしたいわけであります。  三百七十五條も、国税徴収法の改正に伴うものであります。  三百八十一條の第七項は、先ほど三百四十三條の第六項で、土地の区画整理に伴います土地の交換がありました場合の、固定資産税の納税義務者を、便宜事実上の所有関係ないし使用関係に着目して、定めることができるのだというふうに、改正するということを申し上げたのでありますが、その場合の固定資産課税台帳の登録事項につきまして、様式等も定めなければなりませんので、地方財政委員会規則の定めるところによりまして、土地台帳の所有者になつていない者に固定資産税を課して行くわけでありますから、その新たなる固定資産税の納税義務者につきまして、住所、氏名等を課税台帳に登録させる手続を規定しているわけであります。  四百三條は、固定資産の評価をいたします場合に、道府県知事が道府県内のものにつきましてみずから決定できる範囲を先の改正において定めておりますので、それに合せまして、地方財政委員会のみになつておりましたのを、道府県知事も挿入いたそうといたしているわけであります。  四百十四條も同じ趣旨の改正であります。  四百十五條の、固定資産課税台帳の縦覧期間は三月一日から十日までの十日間を原則にしておつたのでありますけれども、これでは短か過ぎるという意見がございますので、二十日間に改めようとするものであります。  四百十六條の二は、昭和二十七年度分の固定資産税にかかわる固定資産課税台帳の縦覧期間につきましては、七月一日からに特例を定めておりますが、この部分も十日間を二十日間に改めようとしているわけであります。  四百二十八條の固定資産評価審査委員会の審査のための会議の開会の期間等に関しまする規定も、従来三月一日から四月十日までの四十日間を原則にいたしておりましたのを、四月三十日までの二箇月、六十日を原則にするように改めようとしているわけであります。できる限りこれらの審査につきまして、内容を審査する愼重な手続をとりたいと考えているわけであります。  四百二十九條の二の規定は、今申し上げました点に関しまする昭和二十七年度分の特例に関する規定でありまして、この部分も四十日を原則としておりましたのを、二月を原則とするように改めようとしているわけであります。  四百三十二條の固定資産課税台帳の登録事項に関する審査の請求に対しまして、四百十六條の二を新たに挿入いたしましたのは、四百十六條の二は、固定資産税について、昭和二十七年度分の仮決定の規定がこの前の国会で挿入されておりますので、その條文をここに引用しておく必要があつたわけであります。  四百三十三條は、固定資産評価審査委員会の審査の決定の手続といたしまして、審査の請求を受理した日から二十日以内に決定をしなければならないとしておりますのを、さらに慎重な審査を遂げます必要上、三十日以内に審査の決定をしなければならないというふうに延長したいと考えているわけであります。  四百六十一條は、国税徴収法の條文が改正されました関係に伴う修正であります。四百八十三條も同様であります。  四百九十七條の二項は、引用しておりました條文に間違いがありましたので、四百九十四條ではございません、四百九十五條でございまして、誤謬の訂正手続が適正に行われておりませんでしたために、あらためてここで改正法律案にいたしたいと考えているわけであります。  五百十一條は国税徴收法の改正に伴うものであります。  五百四十三條も同様であります。  五百五十一條は、木材引取税の課税標準が価格一本でありましたのを、価格でも容積でもどちらでもよろしいというふうにしたいと考えておるわけであります。その理由は、木材の取引のありまするようなところは山間地帯でありまして、なかなか変動しやすい木材の価格を的確に押えて行くことは困難でありますので、大体それと均衡をとりながら、一石当り何円というふうな定め方をいたしました方が、課税にかえつて適正が期せられるというふうに考えられますので、市町村の任意によつて、容積を課税標準に採用することができるようにいたしておきたいと考えているわけであります。  五百五十二條は、容積を課税標準にいたしました場合に、どのように税率を用いるかということにつきまして規定をいたしたものでありまして、やはり価格の百分の五の税率による場合の負担と著しく均衡を失することのないように定めるべきものだという趣旨の定を設けているわけであります。  五百七十四條も、国税徴収法の改正に伴うものであります。  第八節、五百八十五條から六百十八條まで削除しておりますのは、広告税を廃止いたしたいために、これらの関係規定を削除しようとするものであります。  六百三十八條は、国税徴収法の規定の改正に伴うものであります。  第十節の削除も接客人税を廃止する関係であります。  六百九十七條は、国税徴収法の改正に伴う修正であります。  七百三條の二は、現行法で国民健康保険税を課することができる市町村は、国民健康保険を行う市町村に限つているわけでありますけれども、一部事務組合を設けて、数市町村によつて国民健康保険を行う場合がございますが、こういう場合には、市町村が国民健康保険を行つているものではないのでありまして、一部事務組合が国民健康保險を行つているということになりまする以上、一部事務組合には課税権がないのであります。そういう場合に、税で必要な収入を徴収して行こうとします場合に不都合でありますので、一部事務組合に課税権を與えるかわりに、当該組合に加入している市町村に課税権を與えて行きたい、かように考えているわけであります。一部事務組合に課税権を與えて行く行き方も一つの方法でありますけれども、現実に他の市町村税を徴収しておりますのは、一部事務組合ではございませんで、組合に加入しておる市町村でございますので、これらとはずを合せまして、徴収の便宜を期しまするためには、むしろ組合に加入している個々の市町村に、国民健康保険税の課税権を與えた方が穏当であろうと考えまして、その趣旨にのつとつた改正をしようとしているわけであります。従つて国民健康保険に要する費用に充てるためというよりは、これらの組合に加入している市町村の場合には、国民健康保険を行う一部事務組合に加入している市町村が、その組合から分賦を受けます費用に充てるためということにせざるを得ませんので、その趣旨の字句の修正を行おうとするものであります。  第二項も同じ問題でありまして、国民健康保險を行つている市町村の場合には、費用総額の見込額の百分の七十に相当する額、爾余のものは給付を受けます者の負担金等によつてまかなつて行くわけでありますけれども、組合に加入している市町村の場合におきましては、分賦を受けました金額の全額を国民健康保険税で徴収できるようにいたさなければなりませんので、その趣旨の字句の修正を行おうとするわけであります。  五項で国民健康保険税の課税額の一人当りの最高限度を一万五千円に押えておるわけでありますけれども、受診率が向上して参りましたり、あるいはまた医療單価が高騰して参りましたりした関係上、一万五千円にそのまま最高限を押えておくことは適当でございませんので、倍額程度の三万円に引上げたいというふうに考えるわけであります。  七百三十條は国税徴収法の改正に伴うものであります。  第六章は附加価値税が実施されますまでの間において、行われる事業税と特別所得税に関する規定なのでありますが、附加価値税がさらに一年延期されました関係上、昭和二十七年度においても、これらの税を存置する必要から、その趣旨の字句の修正を行おうとするものであります。  七百四十條は、二十七年度分につきましても、事業税と特別所得税を徴収して行くということをうたつているわけであります。  それから七百四十二條に、証券投資信託法が新しく生れました関係から、この種の信託財産について生ずる所得について特例を定めておく必要がございますので、規定を挿入しているわけでありますが、証券投資信託法に基く信託財産につきましても、合同運用信託の場合の信託財産と同様の取扱いをする旨の追加をいたしたいわけであります。  七百四十三條の第六号は、先ほど信用金庫法に基きましてできました信用金庫、信用金庫連合会も、協同組合と同じ扱いをしたいという意味の改正であります。  七百四十四條は、事業税をさらに一年延長して存続させることになりました関係上、時期を一年ずつずらす意味の修正であります。  六項は合同運用信託のほかに、証券投資信託を同じ扱いにするために加えている改正であります。  七項と八項とは、商法について改正が行われましたので、拂込み株式金額というふうな趣旨のものがかわつて参りました。それと歩調を合せまして、前と同じ趣旨における改正にいたしたわけであります。実態にはかわりはないわけであります。  九項は事業税がさらに一年延長されるに伴います改正のほかに、個人の事業税につきましては、新たに基礎控除の制度を採用することにいたしました関係上、その最後のところに総収入金額から必要な経費及び十二月分として三万八千円を控除した金額を課税評準にするのだという規定をいたしたいと考えているわけであります。その趣旨は現在は免税点の制度を採用しておりまして、その免税点の金額を二万五千円と定めているわけであります。二万五千円までの所得の人たちは、事業税を一文も納めなくて済むわけなんでありますけれども二万五千一円の人は、二万五千一円に事業税の税率をかけた金額を納めなければならないことになりますので、その人の所得が二万五千円までであるか、以上であるかということによつて、一度に税金がゼロか三千円以上かというふうなことになつて参りまして、かなり少所得者に苛酷な扱いになつておりますので、もつぱら少所得者の税負担の軽減をはかりたいという趣旨から、所得の大小にかかわりませず、一定の金額を控除して、控除した残りの金額に税率を乗じて税額を算定する方法をとろうとしているわけであります。所得に一定の率を乗じた額を控除するわけではありませんで、一定額を控除するわけでありますので、おのずから少所得者に対して負担が軽減されて行くということになつて参るわけであります。  十三項の改正は、すでに法人税につきましては繰越し損金の控除を五年間について認めているわけでありますが、事業税につきましては、従来法人税についてとつておりましたと同じように、繰越し損金の控除の期間は、一年しか認めておりませんでしたのを、改正法人税に合せる意味におきまして、さしあたり二年にこれを延長するという方針をとつて来ているわけであります。具体的に申し上げますと、昭和二十五年度において会社が相当の欠損を出した、その場合もとより欠損を出しておるのですから、事業税を納める必要はございません。かりに二十五年度に百万円の欠損を出したといたします。二十六年度においては九十万円の利益をあげたといたします。そうすると二十五年度に欠損をいたしました百万円を、二十六年度へ繰越すことを認めるわけであります。そうしますと、黒字の九十万円から赤字の百万円を引きますと、なお十万円だけ赤字でありますから、事業税を納める必要はないわけであります。従来の規定でありますと、この赤字の十万円は二十七年度への繰越しは認められなかつたわけであります。かりに二十七年度は利益を十万円あげたといたしますと、やはり十万円に一二%の税率を乗じましたものを、事業税として納めなければならないわけであります。これを繰越し損金の控除期間を二年間にしておるわけでありますから、さらに二十六年度で総益金からいまだ控除されておりません十万円だけは、さらに二十七年分の所得から控除を認めようとするわけであります。     〔委員長退席、河原委員長代理着席〕 これをもし法人税のように五年にも、一ぺんにいたしました場合には、二十二年、二十三年、二十四年の期間において出しました欠損金で、まだ総益金から控除されておりませんものまでも、過去にさかのぼつて控除を認めるということになりましては、穏当を欠きますので、二十五年の欠損金以後の欠損金につきまして、このような取扱いをしたいという意味合いにおいて、さしあたり一年を二年に延長するという方針をとろうとしておるわけであります。  七百四十七條の2の規定は、新たに事業税の課税標準として、特別所得税につきましても同じ趣旨の規定を置いておるわけでありますが、三万八千円の基礎控除をすることになりました関係上、たとえて申し上げますと、薬剤師業を営んでおる人が別途に物品販売業を行つておれば、薬剤師業としては特別所得税が課税され、物品販売業としては事業税が課されるわけであります。特別所得税の課税標準の計算につきましても、所得から三万八千円を控除したものに税率を乗じて特別所得税を計算する。物品販売業の所得からも三万八千円を控除しましたものに税率を乗じて事業税を計算する。そういたしますと、一般には三万八千円しか控除されないものが、七万六千円控除されるということになるわけでありまして、均衡を欠くことになりますので、このような場合には両者を通じて三万八千円しか控除しないのだという建前をとりたいと考えておるわけであります。その場合は、それぞれの総売上金額にあんばいしまして、物品販売業からと薬剤師業の所得のそれぞれから控除する計算方法を選びたいと考えておるわけであります。七百四十八條は、免税点制度を基礎控除制度に改めました関係上、削除したいと考えるものであります。  七百四十九條は、事業税がさらに一年延長されます関係上、期間の延長を行おうとするものであります。  七百五十條の問題もまつたく同様の趣旨であります。  七百六十二條の三は、同族会社の行為または計算につきまして、たとえば同族会社が個人有の財産を不当に高く買い入れまして、必要な経費を多額にして、事業税の税額の減少をはかろうとするというふうな場合におきましては、法人の計算としてはそういう行為を否認いたしまして、反面個人に対する税額の計算方法をとることによつて、不当な行為を否認したいと考えるわけであります。法人税についてすでにこの趣旨の規定が挿入されておるのでありますが、事業税につきましても、まつたく同趣旨のもとに同様の規定をここに挿入しておきたいと考えたわけであります。  七百六十三條の三は、先ほど市町村民税の法人税割の場合に申し上げましたと同じように、税額の二分の一以内において、さらに期間三月以内において延納を申請した場合に認められる延納分についての延滞金は、一般の延滞金が百円について一日四銭の割合であるものを、二銭に引下げたいという趣旨の改正であります。  七百六十九條は、国税徴収法の改正に伴いますものであります。  七百七十七條は、特別所得税がさらに一年延期されます関係上、それに伴いまして期間だけを延長しておきたいという改正、及び第三項では、事業税について申し上げましたと同じ趣旨で、新たに三万八千円の基礎控除の制度を採用するための改正であります。  七百八十條は、免税点の制限がなくなりますので、削除しようとするものであります。  七百八十一條は、特別所得税がさらに、一年延長されます関係上、字句の修正を行うものであります。  八百條は国税徴収法の改正に伴うものであります。  附則は、この法律の規定の適用の時期を定めているわけでありますが、法人税割については二十七年一月一日の属する事業年度分から、その他の部分については昭和二十七年度分の地方税からとしたいわけであります。  二項は、従前の地方税についての取扱いは、やはり従前の例によりたいといたしますほか、この三項で多少こまかい改正を行つておりますのは、現行法によりますと、二十七年の一月からは附加価値税の計算が行われることになつているわけであります。しかしながら、事業税から附加価値税に切りかえられます間において、多少これらの計算に習熟しない点がありましたり、あるいは法律の公布の時期との関係上、若干余裕を置いた方がよろしいというような問題がございますので、昭和二十七年一月一日から三月三十一日までの間において、事業年度が終了いたしますもの、あるいはこれに類するものの事業税の納期限は五月三十一日までとする特例を置いているわけであります。この附加価値税について置いております特例は、改正案によりますと事業税が継続されることになるのでありますけれども、これらの事業税の納期限も、この附加価値税の場合の納期限と同じにしたい、言いかえれば、一月一日から三月三十一日までの間において事業年度が終了しますものは、事業年度終了後二月以内を納期限とするのが普通であります。従つて三月三十一日に事業年度が終了いたします法人は、三月三十一日までに事業税を納めなければならないのでありますけれども、附加価値税の場合と同じように、五月三十一日まででよろしいという趣旨の改正をしたものであります。  四項は、二十六年から法人の事業税について申告納税の制度をとることにして参つたわけであります。しかしながら二十五年度以前の事業税につきましては、府県が一々税額を決定いたしまして、徴税令書を交付して参るわけでありますが、府県が決定いたしますにあたつては、その法人の所得が幾らであるかということについて十分なる調査をし、一たび決定した以上は、任意にこれを増減するわけには参らないわけであります。そういたしますと、国税の法人税において、一応法人税の申告納付を受けておりましても、それが適当でないと考えられます場合には、後日これらを更正するわけであります。法人税について更正決定の済んでおりません部分につきましては、府県が單独で税額を決定して参ります。後に法人税がかわつて参りました場合に、府県の決定額が少な過ぎた場合には、さらに増額して他の法人と均衡をはかるべきでありますけれども、それができなくなります等の関係上、ことさら決定を延期したりしている向きが非常に多いわけであります。これがために府県の収入を確保する面からも、支障が生じて参つておりまするのみならず、企業自身といたしましても不安定な状態に置かれておりまして、会社経理の上にも若干不都合があるようであります。そこでこのようなものにつきましては、さしあたり仮決定をすることができる。そして二十八年十二月三十一日までに仮決定をしておきました部分について、本決定をしなければならないというふうな態度をとりまして、今申し上げました課税団体側における現在起きております困つた状態、あるいは企業者に起きておりまする困つた問題、そういうものをこういう方法で解決して参りたいと考えているわけであります。五項、六項、七項、八項まで、同じ問題につきまして市町村が附加税を課する問題もございますので、これらについての手続を定めているわけであります。それから九項の税理士法を改正しておりますのは、試験科目につきまして、二十七年度から附加価値税になりますものを、やはり事業税にいたします意味の改正であります。

河原伊三郎自由党

○河原委員長代理 通告順によつて質疑を許します。床次徳二君。

床次徳二改進党

○床次委員 ひとつ市町村税について伺いたいのですが、固定資産税あるいは木材取引税等につきまして、一つの町村でもつて課税標準だけをとらない、従つて業者の立場からいいますと、その分だけをほかよりも軽い負担をしているというものが相当あるのじやないかと思いますが、さようないわゆる過剰といいますか、余裕になつている、取残しになつているところの市町村税というものが、どのくらいになつておりますか、見当つきますか。ほとんど各関係町村で配分しておつて、とるだけのものは固定資産においてもとつているかどうか。発電所所在地の関係町村に税を配付します、その場合に取残しがあるかどうかということです。

奥野誠亮総理府事務官(地方自治庁財政課長)

○奥野政府委員 地方財政委員会が配分するものについてのお話だろうと思うのでありますけれども、地方財政委員会におきまして配分いたしましたものは、まずほとんど全部とつているのじやないかと思います。あるいは若干の例外があるかもしれませんけれども、反面にまた、配分いたしましたものにつきましては、一・六%の固定資産税の税率を若干引上げて課税している団体もございます、でありますので、大体配分した額が標準税率で計算された程度のものは全体的に収入になつているのだろうというふうに考えております。

床次徳二改進党

○床次委員 木材取引税につきまして、私ちよつと事実をはつきり記憶しないのですが、営林署のありまする所でありましたか、相当多額の木材を置く所にありましては、徴収額と申しますか、当然入るべき収入を実はとらずに来ている。できるならばひとつ県税として徴収してもらいたいというくらいな希望が出ているように思うのです。これなんかはある程度まで、地域いかんによつて不当に安い木材取引税を納めているという結果になると思うのですが、こういう具体的の問題が実はあるわけなのでただいま伺つたのですが、どのような対策を考えておられるか承りたい。

奥野誠亮総理府事務官(地方自治庁財政課長)

○奥野政府委員 私固定資産税の問題と思つてお答えしたのでありますけれども、木材引取税の問題につきましては御指摘の問題がたくさんあると思います。実はこれは地方財政平衡交付金の金額を計算いたします際に、個々の市町村別に税収入を測定するわけであります。税収入の測定にあたりましては、それぞれの市町村がどれだけ現実に収入をあげておるかということにはとらわれませんで、通常の努力を抑えばどれだけの収入をあげることができるはずであるかということを客観的に定めて行きたい、こういうような方式をとつているわけであります。木材引取税につきましても、農林省等について調べました二十六年度における木材の伐採量、それと現在の価格等からいたしまして、それぞれの市町村においてこれだけ徴収できるはずである、こういうようなところから個々の市町村の木材引取税にかかる基準財政収入額を測定したのであります。ところが、ほとんど大多数の市町村におきまして、木材引取税はそんなに徴収できないということで、喧々諤々たる反対を受けました。その後よく内容を調査して参りますと、従来木材について検査が行われておりまして、自然木材検査の際に取引量というものを的確に把握できる、また検査の際に同時に税金も徴収できる。こういうことがなくなつたものでありますから、木材引取税の課税客体の捕捉に非常に困難を来しておるようであります。それともう一つは、やはり今まで府県が直接税額を決定して参りましたので、市町村は附加税という形において、言いかえれば県の努力によつて収入を確保しておつた面も多いだろうと思います。それが市町村みずからが課税の態勢を整えて行かなければならない、この切りかえがそう簡單に参りませんために、課税態勢を整える場合の時間的なずれという問題も若干あるだろうと思います。第三には、そのほかにやはり強い力を持つた団体に押されがちであるというような問題も事実あつただろうと思います。しかしながら、木材引取税につきまして、もし収入されるべき額を確保しなかつた場合には、それだけその団体の地方財源が全体として不足して来るのだ。少くとも交付金は、それだけとれなかつたからといつてよけい與えられるものではない。交付金が少くなつて来る。そういうようなところから、この道を打開しようと思つて、近来非常に努力を始めておるだろうと思います。従つてこれらの基準財政収入額の測定を通じまして、市町村の木材引取税課税態勢というものが、漸次改善されて来るのではないだろうか、こういうような期待を持つているわけでありまして、なお一年間それらの推移を眺めながら、適宜必要な対策を講じて参りたいと考えております。

床次徳二改進党

○床次委員 ただいまとは同じようなケースがやはり鉱産税についてもあるのではないか。基準財政収入としまして大体妥当な調査ができておりますると、それに対する努力目標がわかつて、いかにも将来だんだん改善をされるのではないだろうかと思いますが、これはもう少し経験をしてみないと、いずれとも言えないのであります。あるいは県税にした方がこういう種類のものは妥当な結論になる、地方によつてはそういう意見もありますが、今日までの実施の状況から見て、政府としてはどちらの方に処置を考えておられるか承りたい。

奥野誠亮総理府事務官(地方自治庁財政課長)

○奥野政府委員 木材引取税や鉱産税は、府県と市町村が共同して当りました態勢から、どちらかの一本建の徴収にと改めましたときにも、やはり両論はあつたわけであります。正直に申しましてやはり両方の立場の主張はできるだろうと思います。しかしせつかく昭和二十五年の八月から今のような態勢に切りかわつたばかりでありますので、なおしばらく、地方財政平衡交付金の運用にあたりまして、別途徴収が確保されるような指標も與えながら改善をはかつて行きたい。その推移を見た上で、検討を加えても遅くはないであろうというふうに考えております。

床次徳二改進党

○床次委員 それから次に広告税が今度整理されるようになつたのであります。雑税はなるべく整理する方が望ましいわけでありますが、広告税の性質から申しまして、ある程度の負担力はあるのではないかというふうに考えられまするし、また現在の広告税の徴収の方法如何によりましては、税としてはむしろ悪い税ではないということも言えるのではないかという点も、議論があるのであります。また最近非常に立看板その他の大きな広告が出ておる、これに対しまして、依然としてこれが放置されるという場合にありましては、確かに課税いたす相手に問題があると思う。あるいは広告そのものに対して、——意味は多少違いますが、別個の制限を付するというような意味におきましても、便利な税ではないかと思うのでありますが、この点に対していろいろ当局においても議論があつたと思うのでありますが、ひとつ意見を聞かしていただきたい。

奥野誠亮総理府事務官(地方自治庁財政課長)

○奥野政府委員 御承知のように、昔国税に広告税が設けられてあつたのです。その当時は雑誌による広告にも課税されておりました。今日ラジオ放送による広告もずいぶん盛んに行われるようになつて来ているわけであります。広告の主体を占めるものは、やはり新聞、雑誌、ラジオによる放送だろうと思うのであります。現在地方税法に規定をしております広告税は、ちらしの類でありますとか、あるいは看板の類による広告が中心になつておるわけであります。非常に零細な広告だけをとらえまして、広告税を課税するような形になつておるのであります。従つて徴収される税額も、きわめて微々たるものであります反面、徴税には非常に煩瑣な手続を要して参つておるわけであります。そう考えて参りますと、一律に広告税を徴収しがたく、強制的なかつこうになる法定税目の規定のごときは、やめた方がいいのではないかというような考え方を持つておるわけなのであります。もとより今後市町村がどうしても課税したいというものを拒否する理由もないと思うのでありますけれども、少くとも法定税目からは除外した方がよろしい、かように考えたわけであります。

床次徳二改進党

○床次委員 それから次に個人の市町村民税の非課税の範囲の改正が言われておるのでありますが、この今回の改正に対しましては、むしろ地方の実情から申しますると逆である。零細農家におきましては、この改正によつてかえつて負担が多くなるという意見も出ておるのであります。この点私もよくわかりかねるのですが、政府が今日まで研究された程度において、どの程度までの改正による変動というものがありまするか、意見を聞きたいと思います。

奥野誠亮総理府事務官(地方自治庁財政課長)

○奥野政府委員 むしろ課税団体であります市町村側から熱烈な改正の要望が出て参りましたので、それにこたえまして、もし市町村の課税の均衡上必要があるならば、その部分については課税することができるのだという趣旨の改正を行つたわけであります。従つてどの範囲にまでこの規定が適用されるかわからないわけでありますけれども、極端に公平を欠いておるというふうな面についてだけ、この方法が選ばれて行くと思います。またそういうふうな指導もやつて参りたいと考えておるわけであります。先ほど具体的に申し上げたわけでありますけれども、三十、四十の人が六十五歳を越えたお父さんと一緒に商売をやつている場合に、扶養控除の問題もありまして、いろんな点から、所得額が十万円を若干切れる。そうなつて来たら、血気盛んなむすこさんたちまでも、所得がないものとみなされまして、市町村民税は課されない、またその部分の所得に対しては、所得割は全然課されない。六十五歳以上の人が働いて得ている所得でしたら、これは当然あの法の趣旨にのつとりまして、課税すべきではないと考えるわけであります。しかし実質的に所得を得ている者は、その血気盛んのむすこさんたちであるにかかわらず、所得税の課税の取扱いにおいて、たまたま世帯主の所得にされるものでありますから、それが十万円に達しないために、所得割が全然課税されないということになりますと、市町村内におきまする他の所得者との間において、均衡を欠く場合が多いわけであります。そのような均衡を欠くと認められます部分につきまして、実質的にはその老年者の所得でない部分につきましてのみ、所得割を課そうと思えば課することができる、こういうふうな改正をいたしておるわけであります。

床次徳二改進党

○床次委員 次に社会保険税の問題について伺いたいのでありまするが、前回社会保険税の最高額につきましては、一万五千円の制限に対しまして、この制限を撤廃する、ないしもつと高く定めるという意見が当委員会にもあつたのでありますが、今回の改正におきまして、三万円までに直されておることにつきましては、了解できるのでありまするが、先ほど御説明のように、大分診療内容の向上その他によりまして、額が増しておるという理由もあつたのですが、これはこの前の一万五千円が適当だと思つたものが、物価その他の高騰によりまして、これが三万円にまでなつたというのか、あるいは従来のわくが少くていろいろ均衡を欠いておつたためにこの際その分も合せて範囲を広くしたのか、両方を意味するのか、その点をひとつ伺いたいと思います。

奥野誠亮総理府事務官(地方自治庁財政課長)

○奥野政府委員 お話のように両方を意味しておるわけであります。受診率を見て参りますと、二十六年から二十七年にかけまして、一割四分三厘増加を来しております。一件あたり点数が一割九厘の増加を来しております。診療報酬單価が二割三厘の増加を来しております。これをかけ合せますと五割二分の増加になるわけであります。十割の増加でありませんで、五割二分の増加になるわけであります。しかしながら前国会におきましても、今床次さんのおつしやつたような御意見もあつたので、一万五千円を五割の増加じやありませんで、十割、ちようど倍額程度にしたい、かように考えたわけであります。

立花敏男日本共産党

○立花委員 法定外普通税の問題をちよつと聞きたいのでありますが、大体許可を求めて参りました場合の基準ですね。政府の方でお認めになる基準はどういうふうなものであるか。

奥野誠亮総理府事務官(地方自治庁財政課長)

○奥野政府委員 地方税は、その地域内の課税客体から徴収して参るものでございますので、地域の住民が、そういう税金を課したいのだという場合には、原則としてこれにゆだねるべきであるという建前をとつておるわけであります。しかしながらやはり国全体といたしまして、地方団体間における物の流通に重大な障害を與えますとか、あるいは国の経済政策に照しまして適当でないものがありますとかいうふうな場合におきましても、放任いたしますことは適当でございませんので、こういうふうな特殊な事由があると認めます場合に限つて許可することができないのでありまして、それ以外には許可しなければならないという税法の規定になつておりますし、その建前を適当だろうというふうに考えておるわけであります。

立花敏男日本共産党

○立花委員 今御説明になつた、特に国の経済に支障があるというのはどういう意味でありますか。

奥野誠亮総理府事務官(地方自治庁財政課長)

○奥野政府委員 たとえば国全体として特殊な生産の発展をはかつて行かなければならぬというものを考えて、それに対して助長政策をとつておる、ところがその発展を阻害するように、そうしたものに対して逆に法定外普通税を考えて行くというふうな場合には矛盾するわけでありますので、そういうことは避けたいという考えを持つておるわけであります。

立花敏男日本共産党

○立花委員 たとえば非常に一般的な大衆的な税金、これを住民税とかあるいは固定資産税とかいう形でかけまして、その他にこういうものをおかけにならない意味は、やはり大衆の負担となる税金をあまりたくさんつくるのはよろしくないという考え方から出ておると思うのですが、そういうふうに御理解になつておるかどうか。

奥野誠亮総理府事務官(地方自治庁財政課長)

○奥野政府委員 ちよつと御質問の趣旨がわかりにくかつたのでありますけれども、法定外普通税を起します場合には、法定された普通税は徴収してなお財源がない場合に、あるいは増税しなければ得られないという場合に、いずれを選ぶかというふうな問題になるだろうと考えております。

立花敏男日本共産党

○立花委員 具体的な話を進めた方がいいだろうと思うのですが、たとえば鳥取県で教育税を考えられているというような場合に、これは單なる目的税ではなしに、一般の大衆課税の形をとつて来るということが考えられます。あるいは今度北海道で震災がありまして、それの莫大な損害を埋めますために、全道的な税金をとろうとしておる。こうなつて参りますと、目的税であるという意味を非常に離れまして、全般的なその地方の大衆課税となる性質を帯びて来るのですが、こういうものまで目的税としてお認めになる方針なのかどうか、さいぜん奥野政府委員の言われました特殊な経済、特殊な産業を助長しなければいけない場合に、それを除外するような目的税は許可を與えないのだというふうな單なる消極的な意味じやなしに、積極的にこれ以上の大衆課税を禁止して行く、目的税の名をもつて、目的税のわくからはずれて大衆課税になつて行くようなものは禁止して、積極的に民生を安定するという考え方からの考慮を携われないものかどうか、これをひとつ……。

奥野誠亮総理府事務官(地方自治庁財政課長)

○奥野政府委員 法定外普通税を許可するかしないかということにつきましては、先ほど申し上げましたようにかりに民生の安定を阻害するかしないかという問題がありましても、それを認定するものは地方財政委員会でありますよりも、むしろ当該地方団体の住民である方がよろしいのじやないか、あるいはそれらの税金を負担する人たちの方がよろしいのではないか、こういうふうな考え方を持つておるのであります。現在の建前ではそれらの認定をするものは地方団体の議会であります。議会が議決すれば一応地方団体の住民は納得しておるというふうな判断をせざるを得ないのじやないかという考えを持つておるのであります。

立花敏男日本共産党

○立花委員 私は議決の手続を聞いておるのじやありませんので、国法として地方税法があり、地方税法の精神というものは中央の主務官庁がよく御存じのはずなんです。そういう精神から見て、目的税あるいは法定外普通税というようなものがそういう立法の精神からはずれて、名目だけは一致しておるようですが、本質的には一般的な大衆課税になるようなものがつくられようとする場合に、その手続の問題ではなしに、そういう実質的な評価について、どういうふうにお考えになつておるかという意味なのです。

奥野誠亮総理府事務官(地方自治庁財政課長)

○奥野政府委員 地方団体がすべき事務を行いますに必要な財源というものは、標準税率で得られます法定普通税の収入と、地方財政平衡交付金、その他によつて確保されるものだとわれわれは考えておるわけであります。さらに法定外普通税を起そうとする場合には、通常の財政需要を越えた何らかの施策を行おうとする場合ではなかろうかと思うのであります。従つて法定外普通税を負担いたしまして、さらに道路をよくする。あるいは教育の内容を高めるために、そういう方法を選ぶか、あるいは道路は荒廃のままにゆだね、あるいは教育の施設はそれほど向上しない反面に税負担は引下げる、法定外普通税は負担しないという、そのどちらを選ぶという問題としてわれわれは考えて行きたいのでありまして、そういう趣旨においては、それらの法定外普通税を起すか起さないかということは、当該地方団体の住民が判断すればよろしいじやないか、非常に大きな住民負担の増加になります場合は、それは地方財政委員会といたしましても、必要な意見を発表して行かなければならない場合も生ずるだろうと思うのでありますけれども、そうでない限りにおきましては、ささいな干渉にわたるようなことはなるたけ避けまして、反面その地方団体にいろいろ異論があります結果、混乱が起きるかもしれませんけれども、それらの混乱を通じながら、住民による政治の運営というものが確立されて行くのではなかろうかというふうな考え方をしておるのであります。

立花敏男日本共産党

○立花委員 どれくらいがささいか、どれくらいがささいでないかということはあとでお聞きしたいのでありますが、奥野君の立論の趣旨は大体確保される建前になつておる。しかし確保されない部分は、特別の事業を起す場合には課税してもよいのじやないか、それが過分でなければ課税してもいいのじやないか、そういう考え方だと思います。大体今のところ全般的に赤字だということは、これは建前なので、確保されるということはないわけなんです。だから何か事業をするとなると、これは当然大衆の負担に求めて行かなければならなくなつているのが通常なので、こういう場合に教育税とか、道路税とか、あるいは北海道のように震災の復旧税まで一般大衆課税としてとるということになつて参りますと、これはもう税法で規定されております精神が根本的につぶれて来るのじやないか、何か特殊な事業に関係のある者だけからとるというならわかりますが、教育税というようなものを一般の住民全体からとる、あるいは道路補修というような基本的なものを、道路補修税という名前で全般住民からとる、あるいは北海道のように、これは数十億に達する税金にしようと言つておるようでございますが、こういうものを全道民からとるということになつて参りますと、地方税の体系がつぶれて参りまして、赤字は全部新らしい大衆課税で地方が自由にとるということになるほかはないと思うのです。こういうようなものを自治庁としてどうお考えになつておるか、こういうところをほつておいて、それで十分地方税法の精神が守られているとお考えになり、また地方の住民がそういう負担力があるとお考えになつておるのかどうか、これをひとつ伺いたい。

奥野誠亮総理府事務官(地方自治庁財政課長)

○奥野政府委員 先ほど通常の規模は確保さるべきであるということを申し上げましたのは、大体それぞれ似通つた団体と同程度の規模が確保されるという意味において、御了承願つておきたいと思うのであります。なおたとえば鳥取の例で申し上げますと、教育の充実に充てるために特別な税金を起す、そういうふうな特別な税金というものは、それぞれ受益者から徴収するような建前をとるべきではないかという御意見も一つの筋の通つた御意見だと思います。ただ、しかしながら現在それでは土木費にはどの税、教育費にはどの税というふうな建前をとつておるかといいますと、そういう建前はとつていないわけであります。事業税とか、入場税とか、遊興飲食税とかいうふうなものを全部集めまして、それぞれ教育、土木、衞生等の仕事をやつておるわけなのであります。ところがここにたとえば先生の員数をもつとたくさんにしたい、たくさんにするためには何か財源がなければならない、その財源を何に求めるか、事業税の増税に求めるか、あるいは特別所得税の増税に求めるか、あるいは自動車税に求めるか、配分の問題としてどこから徴収するのがよろしいかという問題があるわけなのでありまして、それを法定外普通税をつくりましてどの範囲から求めるか、いろいろ議論があるだろうと思いますけれども、そういう方法において徴収をして行こうとしておるのであります。でありますから教育費に充てるため、結果的にはそういうことになるわけでありましようけれども、全体として教育をそこまで上げるためには、全体としての財源がそれだけ足りないということにすぎないわけであります。それを説明の便宜上、法定外普通税で得られた収入は教育に充てるのだ、だから先生の数をふやすか、あるいは減して、税金はそのかわり新しく起さない、こういう判断を住民に求めているのだろうと思います。目的税というわけではないのであつて、やはり普通税であろうと思うのであります。ただどの範囲から税金を上げて行くかという問題につきましては、配分の問題として、公平になるように、全体をよく検討して行かなければならぬと思うのでありますが、大体住民の納得する方法であれば、それにゆだねるべきである。あるいはそこに不穏当な場合が生ずるかもしれませんが、不穏当であるがゆえに、自治があるいは混乱するかもしれませんけれども、その混乱が混乱しないようにと思つて、中央が一々おせつかいをやいたのでは、いつまでたつても地方団体は独立しない、大悟徹底し、地方団体にまかせるべきである、ささいな干渉を加えるべきではないという考え方をいたして参つておるわけであります。

立花敏男日本共産党

○立花委員 奥野君がお考えになつている点は少し端の方だけお考えになつているのではないかと思います。私尋ねておりますのは、もう少し根本的な問題として、やはりお考えになる必要があるのではないか、あなたは先生をふやすのに財源がいるから、その財源を埋めるために、税金を考えるのはやむを得ないじやないか、その税金をどういう形でとるかは地方の議会にまかせればいいじやないか、住民の意思にまかせればいいじやないかとおつしやられますが、その前にやはり問題があるわけで、その前の問題をお考えにならなければいけないのじやないかということを言つているわけです。教育を普通のレベルまでに引上げる、憲法で保障されております文化的な生活を住民が送れるような教育の程度まで引上げて行くということは、これは決して法定外普通税や目的税、形はいろいろあるでしようが、こういうものでそれをやるべきものじやない、ただそれに必要な財源の場合には、ただちに地方の税金でまかなうということには、必ずしも結論が参らないわけです。しかもそれを大衆課税で行くというところまでは、必ずしも結論が参らないと思います。それをその道しかないのだ、その道しかないので、教育のレベルを引上げようとすれば、もう大衆課税でもやむを得ないじやないか、しかもそういう方法を地方自治体が最近特に目立つてとろうとしておりますのに、それは地方の自治にまかせておけばいいので、中央は干渉すべきじやないというようなことは、中央の責任のがれだと私は思います。やはりこの問題は本質的な問題なんで、そういう本質的な問題として取上げていただきたい、これは最近特に現われて参つております、北海道の場合にはさつきも申しましたように、災害復旧を約七十億か八十億と聞いておるのですが、こういうものを何とか道民の負担でやつて行こう、そんなことまでいつているくらいで、鳥取県の教育税の問題がありますし、石川県の公共事業の課税の問題がありますし、こういう形が最近非常に地方で出て来て、これは地方財政の大きな混乱から来ているだろうと思うのですが、そういうものをほうつておきますと、結局国から出すものを出さないで、地方は税金でそういうものをまかなつて行けばいいんだ。教育費などは義務教育費が大部分なんで、義務教育費を国庫が負担しないで、これを大衆課税でまかなつて行くというような方針は、これは国の財政計画、あるいは地方の財政計画としても、本質的な問題なんだ、そういう問題として今現われておりますような教育税の問題、道路補修税の問題、あるいは北海道の災害復旧費の問題、こういう問題を課税技術の上のあるいはそれの審議決定の上の技術の問題に限定しないで、もつと本質的な問題としてお考えになる必要があるじやないか、そういう点をどうお考えになつているかということを聞いているのです。

奥野誠亮総理府事務官(地方自治庁財政課長)

○奥野政府委員 御指摘になりましたようないろいろな問題があるだろうと思います。ただしかしながら地方財政委員会で、地方税について許可いたします場合には、地方税法に明記されておりますように、税収入を確保できる税源があること及びその税収入を必要とする財政需要があることが明らかであるときは、これを許可しなければならないと書いております。だから地方財政委員会は法律で定められました規定に準拠して、それぞれの行政処分はしなければならぬだろう、こういうことを考えているわけであります。しかしながら御心配になりますように、財政需要があることが明らかであるかどうかという問題、こういう点につきましては、たとえば鳥取県が教育に充てるために特別税金を起すのだ、その教育に充てるのだという額が、他の府県においても維持されている程度の教員数、あるいは他の県においても給付されているような程度の給與の額、これを支出するために特別な税金を起すのだということは、これは不穏当だろうと思うのであります。他の府県において維持されているよりも、若干上まわつた規模で行きたい、それがために財源がいるのだ、こういうことなら明らかに特別財政需要があるのだ、こういうように行かなければならないだろうと思います。そういう意味合いにおきまして、それぞれの地方団体が法定外普通税の新設を計画いたします際には、それらの財政状況につきましては、今申し上げましたような趣旨における内容の検討はいたしたい、かように考えているわけであります。

立花敏男日本共産党

○立花委員 そういう法定外普通税等の申請書が出て来た場合において、それをどう取扱うか、奥野君の場合、いつも技術的な問題に限定されているのですが、そういうものはもうすでに石川県の県会で決議をされておりますから、これはすぐ出て来ることでありますが、そういう情勢を控えてそういう問題が起つて来る。そういう申請書も出て来る。それをどういうふうに理解されているか、そういう問題に対処してどういうような地方財政政策を地方がとるべきであるか、こういう申請書をどう扱うかという技術的な問題に限らずに、そういう問題が一体どこから出て来るのだ、どういう方針をとつたらいいのだというような基本的な問題としてお答え願いたいと思います。これはさいぜんから言つておりますように、たとえば石川県の場合でも、石川県が特別な道路を敷かなければならぬはずはないと思います。ところがやはり道路補修税というものをこれは二億円だそうですが、大衆課税として、一般県民から徴収して、單に自動車業者、運送業者だけじやなしに、一般県民から二億円の道路補修税をとるということが県会できまつておりますので、こうなつて参りますと、やはり問題は本質的な問題になつて来ると思う。だからそういう問題としてそれは地方財政の現状からして、そういう方向へ行く方が、地方税法の建前上いいいのか、あるいは大衆の生活にとつて、地方自治にとつて、そういう方向へ行く方がいいのか、あるいはそうじやなしにもつと他に解決方法があるとお考えになつているのか。財政需要があるという問題も、財政需要があつたからさつき言いましたように、税金で必ずとらなければいかぬということは決してありませんので、起債の方法もあるし、あるいは平衡交付金の方法もある、北海道のような場合には、特別平衡交付金の問題もあり、あるいは災害対策費の問題もありますので、決してそういうふうな大衆課税の方向へ行くのがいいのだということに、私は参らないと思うのでありますが、そういう本質的の問題としては、これは当然考えていただく必要があると思つて、その点からの見解をお聞きしておきたいと思うのであります。

奥野誠亮総理府事務官(地方自治庁財政課長)

○奥野政府委員 私たちは地方税がまつたく画一的な税負担になるということを理想には考えておりません。もとよりある団体においては、若干増税が行われるというふうな事態があつてもよろしいではないか、しかして国全体の経済がよくなつて参りました場合には、その反面若干の団体においては税負担を軽減する団体も、相当出て来るだろうと思うのであります。そういう意味合いにおいてたとえば道路は多少悪くてもよろしいから負担を下げたい、いや負担は少し多くてもよろしいから、道路はぜひよくしたい、こういうふうな姿があつていいのだろうと思います。極端にそれが行われる場合は適当ではございませんけれども、多少そういう差があつてこそ住民による自治というものが、ほんとうに住民によつて営まれて行くことになるだろうと思うのであります。ただ立花さんがお考えになつておりますように、地方財政が全体として窮乏し過ぎておるのじやないか。これは私も地方財政はかなりきゆうくつだろうと思います。しかし地方財政がきゆうくつだからということだけで、問題が発生するのだというように、われわれは考えたくないのであります。国民経済が必ずしも楽じやございませんので、国家経済も地方財政も非常にきゆうくつであります。きゆうくつでありますけれども、また国民の負担も重いわけでありますけれども、ある団体においては教育をよくしたい、ある団体においては、他の府県の道路よりもよくしたい、こういうような動きがあつてもよろしいのじやないか、それをどの範囲から徴収するかということは、住民が判断すればよろしいのじやないか、こういう考え方を持つております。もとより根本的には国の富を増加して行かなければならない、国の富を増加さす反面、地方財政はゆたかにして行かなければならない、こういう連関は、また忘れておるものじやございませんけれども、地方財政の運営の仕方というものは必ずしも一律的なものではない。そう考えることは、われわれはむしろ穏当ではないというぐあいに考えておるわけであります。

立花敏男日本共産党

○立花委員 これは担税力の問題になつて来るのだろうと思うのですが、この石川県のようなところは、これは日本でも相当辺鄙なところに属しておりまして、特に県の財政も非常にゆたかじやないというようなところで、しかもこういう道路補修税というような公共事業費を、税金で二億円も一般住民に負担さすというようなことが、現在の国民の一般的な担税力から言つて、これはやはり非常に無理じやないか。事業の性質上、そういう公共事業費を、一般地方の大衆課税でまかなつて行くというようなことは、非常に無理じやないか。それが地方議会で議決されたから、そのまま認めるべきであるというふうには、必ずしも参りませんので、こういう形で地方の税金が決定されて行くことは、非常にまずいのじやないか。しかも、最近特にこういうことが目立つて来たということに、私たちはやつぱり注目しなければいかぬ。これは單に石川県だけで突発的に起つて来た問題ではなくして、そういう傾向がやはりずつと出て来ておる。たとえばこの間地方財政委員会がお出しになつた地方税の調査書によりましても、いろいろなひどい法定外普通税がとられておる。これが今度は特徴的に、石川県あるいは鳥取、あるいは北海道などに現われて来ておるのじやないか。こういう傾向が、はたして地方の自治を進める方向になるのか、地方の民生を安定さす方向になつて行くのかということが、やはり根本的に解決されなければいけない。これに対する考え方が明確になつていないと、こういう個々の問題に対する扱い方も非常に違つて来るのじやないか。こういう点で基本的な考え方を明確にしておいていただかないと、私は困ると思うのです。これは大臣あるいはもう少し偉い方に、基本的に考えてもらうべきことだとは思いますが、しかし奥野さんは何といつてもこういう事務は直接第一線でおやりになつておられますので、奥野さんの意見も、やはり相当重要な部分を占めて来るのじやないかと思いますので、こういう問題が特に最近きわだつて出て来ておる、しかも本質的な問題とまで私どもは考えておるのですが、そういう問題に発展して来ようとしておる、これをやはり、單に技術的な問題として解決なさらないで、地方財政の本質的な問題としてお考えくださるように、私はお願いしておきたいと思う。私ども今税法を審議しておりますが、法人税割を百分の二・五減らすとかふやすとか、こういう問題も重大でございましようが、もつとさかのぼつて考えますと、地方財政委員会が廃止されようとしておる、こういうところから問題にして行きませんと、百分の二・五をどうするかこうするかの問題では、もう解決のつかない大きな問題が起つて来ておるのじやないか。その一つの現われが、こういう地方における大衆課税、こういうふうになつて来ておるのじやないか、しかもそれに対して、自治庁あるいは地方財政委員会は、そういう本質的な問題を明確にしないで、これはもう地方の議会が決定すれば、それで万事オーケーだというふうな態度をおとりになつているのは、これはやはり責任の回避であり、ごまかしであり、地方の民主主義というものを、いわば中央の御都合で利用しようという考えとしか私には受取れませんので、あなたたちのような若い方は、もつと本質をつかんで、そういう傾向が現われて来たときには、これはこう判断すべきものだ。これはこういうふうに対処すべきだとして、やはり地方自治の根本的な問題をここで明確にしなければいけないのじやないか。地方財政、地方自治が、今、私非常に危機にあると思うのですが、これを明確にすべき最も具体的な材料として、積極的に取上げていただく必要があるのじやないか、こういう意見を私は持つているのですが、これで終りにしますから、ひとつ御意見を承りたいと思います。

奥野誠亮総理府事務官(地方自治庁財政課長)

○奥野政府委員 地方財政の進む方向につきまして、いろいろご心配いただいております点は、感謝にたえないのであります。本質的に私と立花さんとの考え方の間において、食い違いがあるからという意味で申し上げるわけではございませんので、御了承を願つておきたいと思いますが、道路をよくするために、特定の県で住民の負担を引上げて行くことが穏当ではないのじやないだろうか、こういうふうな趣旨の御発言がございました。その趣旨は、必ずしも私が言うような意味で、御発言になつているとは思わないのでありますけれども、われわれは地方団体にゆだねられておりまする仕事というものは、道路の仕事でありましても、あるいは教育施設の確保でありましても、原則として地方税でまかなえるようにして行きたい。地方税でありましても、国税でありましても、ともに国民の負担でありますから、できる限り地方において行われまする仕事に必要な経費というものは、地方税でまかなつて行きたい。住民が地方税の面を通じて行政を監視し、批判するような態勢を確立して行きたい、こういうふうな希望を持つているわけであります。もとより国税地方税を通じまして、国民の地域間の租税負担の均衡をはかつて行かなければならないことは、言うまでもございませんので、税源の少いところにつきましては、地方財政平衡交付金を交付するというようなやり方をしているわけでありますけれども、地方財政平衡交付金の交付を受けなければならないような地方団体というものが、できる限り少くなることをわれわれは期待しながら、地方財政制度というものを打立てて行きたい、かような考え方をしているわけであります。そこで、たとえば石川県におきまして、道路の費用にさらに住民の負担を上げる、こういう場合には、住民の負担はふえるが、そのかわり道路の施設というものは、他の県よりも若干よけいに経費を投ぜられている、こういうふうな姿でなければならないと考えているわけであります。そういう意味合いにおいて、かりに法定外普通税の許可の申請がありました場合においても、それじや道路に充てられるとするならば、他の府県における道路の施設費よりも、より多くその府県においては、投じようとしているのかどうかということは、これは検討されなければならない。そういう意味において、道路は他の県よりも多くするのだ、そのかわり住民の負担はふえるのだ、そういうことを住民自身が納得するのならば、これは当然許可しなければならないのじやないだろうか、こういうような考え方を持つているわけであります。しかしながら、根本的に地方財政が窮乏しているのじやないか、これを建て直して行かなければならないのじやないか、これはたいへん御同情のある言葉でして、われわれも将来一面には事務の経費の経減をはかりながら、できる限り地方税を充実するというふうな方向で、地方財政を確立して参りたいという考えでおるわけであります。

立花敏男日本共産党

○立花委員 私神戸ですが、この神戸の町は、御承知のように、細長い町なんですが、その細長い町に、縦に何本も、何十メートル幅の道路が走つておるわけなんです。これは何のために走つているか、市会議長も知らないのです。私議長に会つてびつくりしたのです。議長の家もとられてしまつたそうですが、何十本となくそういう道路が走つておる。その理由を市会議長も知らない、そういう道路工事が一般的なんです。その場合にそういう費用を大衆課税でとつてもいいのだというような端緒が、やはり石川県で開かれて行くのじやないか、奥野君は地方の仕事は地方税でまかなつて行きたいとおつしやつておられます。それは理想だと思うのです。しかしこれはそうなつて行ける建前には今なつていないのです。現在の地方税がそうなつていないわけです。だからこそ石川県では法定外の普通税でとろうとしておるわけです。法定しておるものではまかなえない、地方税の現在の段階で、今の政府が理想とされております形は、現在の地方税に現われておるのでしようが、それではまかなつて行けないから、法定外の普通税でこういう道路補修税をとつて行こう、費用をまかなつて行こうとしておりますので、これはやはり現在の税金ではまかなつて行けないから、やむを得ず現在の法定外の税金としてとつて行こうというので、やはり無理があるわけなのです。奥野さんの言われるように、地方の事業が全部地方税でまかなつて行けるようにするために、建前を税法の方からはつきり現わしてから、こういうものをおとりになつたらいいのですが、今のままでこういうものをとつて行くということは根本的に間違いじやないか。中央の財源を地方に委讓しまして、十分地方で地方の必要なだけの財源が得られるような形にしておいてやつて行くということならいいのですが、中央の財源を與えずにおいて、法定外普通税でとらなければいけないような形にしておいて、地方の事業は地方税でまかないて行つても、やむを得ないじやないかというふうなことは、これは詭弁なんで、いたずらに地方の住民に新しい大衆課税を課して行く、もうたえがたくなつている地方住民に対して、新しい税負担を課しで行く。それを中央が黙認するということになつて行くのじやないか。しかもその道路というものが、さつき言いましたように、神戸のような大都会におきましても、市会議長すら何のために敷かれたか、わからないような道路がどんどんつくられておりまして、その負担は非常に莫大な額に上つておる。こういうような場合に、こういう石川県の事例を容認なさり承認なさることは、やはり全国の自治団体に対して、非常に大きな悪影響を與えるのじやないか。これは教育の問題にしても同じだし、災害の問題にしても同じだと思う。そういう点でもう少し根本的に考えていただきたいという希望を最後に申し述べておきます。これはいくらここだけで議論しましても片づかないと思いますので、そういう意見だけを申し述べておきます。  それからきのうも岡野国務大臣にお尋ねしたのですが、さいぜんあなたの御説明のあつた法人税を、国税の方は引上げたのだから、今度地方税の率は下げたのだ、引上げたものにこの率をかければ元通りになるのだから、それでいいのだというふうに言つておられますが、これもやはり根本的に地方税法の改正、地方財政の確立という方向から申しますと逆の方向じやないか。元々通りなんだからそれでいいのだということは、これも苦しい言いのがれなんで、やはりこれはいわゆる逆コースじやないかと思うのですが、そういう点からお考えになつておられないのかどうか、理想的な地方観法をおつくりになり、地方財政の確立を理想とされておりますのに、こういう行き方が今度の改正法案に出て来たというのは非常に遺憾なんですが、そういう点と関連してお考えになつたのですか、ならないのですか。中央の率が上つたから地方の率を下げても、上つたものに下つたものをかければ元通りなんだというふうに、簡単な考え方からこれを出しているのじやないか、それを伺つておきたいと思います。

奥野誠亮総理府事務官(地方自治庁財政課長)

○奥野政府委員 第一には、法人の負担をどの程度まで引上げることが可能であるかどうかということを検討して、法人税の税率なり、市町村民税の法人割の税率なりを定めるわけであります。法人税の税率を法人所得の三五%から四二%に引上げるにあたりましては、市町村民税の法人税制の法人所得に対する負担はかえない、こういうような見地から引上げが行われているわけであります。でありますから、法人税割の税率を一五%から一二・五%に下げます問題は、法人税の税率を三五%から四二%に引上げます際に、同時に考えられておつた問題であります。  第二に、地方財政の問題から考えて行きました場合に、法人税割の収入というものは、非常に偏在するのであります。偏在する財源をどんどん増額して行きますよりは、やはり増額し得る財源は、他の形において各地方団体に分配する方法を講じた方がよいのではないか、こういうふうな考え方を持つておるわけであります。

河原伊三郎自由党

○河原委員長代理 質疑は次回の委員会に持ち越すことにいたしまして、本日はこれにて散会いたします。     午後一時五分散会

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