地方行政委員会 第6号
- 発言数
- 67 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1952/02/07
会議録
○金光委員長 これより開会いたします。 法案の審査に入る前に、この際派遣委員より報告を聴取することにいたします。すでに第一班、第二班の派遣委員よりは報告を聴取いたしましたので、第三班の報告を願います。吉田君。
○吉田(吉)委員 私から第三班の御報告を申し上げます。第三班は大矢委員と私とで長橋専門員を伴いまして、一月十一日から愛知県、名古屋市、愛知県愛知郡の天白村及び幡山村などを調査し、次いで三重県、津市、鳥羽町などを順次調査したのであります。 まず愛知県では、税収は本年度は昨年度より二十二億二千万円増の七十九億九千万円であり、国庫支出金は昨年度より二千五百万円増の十九億円でありますが、平衡交付金の方が昨年度十五億円であつたものが約十一億円の激減で、わずか四億一千万円という次第でありますことと、ルース台風の被害が約二十億円あるのにかかわらず、起債の認証が昨年度の五億円に対し、本年度はわずか三億円にすぎないというような状況で、本年度の歳入、歳出のバランスがとれず、十二億五千万円の赤字に相なるというので、支出面を極度に押えても、一般及び特別の平衡交付金で四億六千万円程度を要求し、また公共事業関係で二億九千万円の起債を要望し、かようにして純赤字は三億七千万円程度に食いとめたいと申しておりました。 次に三重県では、税収は昨年度よりも四億八千万円の上昇で、十六億三千万円と見込んでおりますが、過年度の災害復旧費に多額を要するのに、国庫支出金は昨年度と同じ程度であるので、歳入歳出のバランスがとれず、四億八千万円の赤字は必至であるありさまで、やむを得ず一般物件費の節約、事業の繰越し等を断行するも、なほ純赤字四億五百万円は繰上げ充用の方式によるほかしかたがないと申しておりました。 次に激甚なる戦災をこうむつた名古屋市及び津市の財政状況を見ましたが、ともに戦災の創痍なおいまだいえずというありさまで、庶民住宅の建設、六・三制学校及びその他の学校の整備、ことに戦災復興事業等のため、多額の一般財源の支出を余儀無くせられ、名古屋市では四億五千万円の純赤字が必至であり、津市では二千万円の純赤字をどうすることもできない状態であると申しておりました。 次に愛知県天白村は人口一万余の大村でありますが、名古屋市に近接していますので、同市の火葬場、墓地、塵芥燒却場、結核療養所、さては不良浮浪の少年及び少女の施設、二十六町歩に余る公園地など、固定資産税のらち外に置かれる土地建物が村内に存在するので、百六十四万円に上る固定資産税が入らないというありさまであります。しかして本年度計画してある学校の改築、国民健康保険事業関係の施設等を中止しても、なお八十万円の純赤字を生ずると申しておりました。 幡山村について申上げますと、本村は人口五千人ばかりの小村で、しかも全面積の六割五分ははげ山になつており、耕地はきわめて狭少で、一戸当り三反歩ないし五反歩の農耕地があるにすぎませんので、住民の相当多数は、近接の瀬戸市の陶磁器関係の職人として、かせいでおりますが、村風は平和で、難もおのおの純真で、納税成績はきわめて上々であり、また道路関係に奉仕する精神にも富んでおり、国民健康保険の村営なども順調に運営せられております。本年度の歳入歳出の模様を見ますと、結局歳出が一千四百四十万円程度でありますが、役場費の節減によつて十八万円ほどの一応の赤字をば、皆無にする自信のほどを当局から承つて参りました。 最後に鳥羽町の財政状況を申し述べます。鳥羽町は南海地震以来、年々地盤が沈下し続けておりまして、今日すでに町内三百戸は風浪の際は浸水しておる状態で、緊急対策として道路及び住民について、適当なる対案が必要であります。しかしこれに対しては町民は負担に耐え切れないのみならず、町としては税源の減退となるので苦慮しておりました。しかし当町の生命は観光事業でもあるので、観光施設、水道施設等に多額の起債を要求し、昨年度よりも相当多額の認証を受けたのであります。しかして当町はさき申しました通りの事情から税額は減退するのみならず、町税の徴収歩合も六〇%という不良でありますので、一般財源からの持出しは、真に容易でないのでありますが、本年度一般財源の支出を見ますと、二十六年春のべース改訂等で百五十万円余、ことに地盤沈下という災害関係の公共事業で六百万円、道路関係で四十万円、結核予防法の施行関係で三十六万円、その他で総計三百三十万円に及んでおる状況であります。しかして税収二千二十万円その他で歳入は三千七十二万円にすぎないのに、当初の計画した予算は歳出四千二百万円に達しておりましたところへ、はからずも平衡交付金が昨年度よりも三百五十三万円減の百六十五万円という僅少のため、当局は三百万円の一時借入れをなしたほか、さらに物件費、單独事業費、公共事業費等において、大削減を断行し、歳入歳出のバランスを合せようといたしておつたのであります。 以上で調査団体の財政概況を終りますが、ここに一言結論的なことを申し上げたいと存じます。申すまでもな’、地方公共団体の様相は多種多様でありまして、一言に要約することはいかがかと思いますが、大体県では税種の偏在という関係で、広く県民全般にわたる課税ができないので、行政と税制とが十分にマツチしないこと、税法が大体県には不利にできていること、また地方財政平衡交付金の算定において、特に県財政の大問題たる教育費の算定方が適正でないこと、また災害に追われるが、国の施策がきわめて不十分であることなどの事情が述べられたのであります。都市では六・三制整備、戦災復興事業、失業対策、その他社会及び労働対策、相次ぐ災害復旧対策のために、財政の危機に瀕している事情を述べられたのであります。町村でも六・三制の整備、災害復旧等が財政を脅かしていることを明らかにされました。しかして県市町村を通じ物価高による事務事業両面にわたる経費の激増、平衡交付金の交付額の大変動による地方財政の運営上の不安、国家施策に対する国の財源裏づけの貧困、起債認証の寡少など、苦情として熱心に訴えられた次第であります。 以上簡単に御報告を申し上げます。
○金光委員長 ただいまの御報告に対し、何か御質疑なり御意見がございませんか。
○立花委員 報告に対する質問というわけではありません。関連いたしまして委員会としての考えをちよつと委員長にお聞きしておきたいのですが、きようの委員会でも問題になりますのは、ポ勅による銃砲刀剣等の政令の跡始末の問題が主たる問題だとせられておりまして、御出席になつておる政府委員の方々も、そういう関係の方ばかりでございますが、今吉田さんの御報告によりますると、やはり地方の財政が非常に困窮をきわめておる。特に平衡交付金の減額、起債の削減等で非常に困つておるという報告が、はつきり出ておるわけでございますから、現在国会では予算委員会が進行いたしておりまして、その予算委員会で審議しております地方の予算では、平衡交付金が千二百五十億しか組まれていないように思います。この間いただきました地方財政委員会から出ております資料では、千二百億というように見込みが書いてあつたのでございますが、とにかく去年と絶対額がほとんど同じで、相対的に減つておるという形がはつきり出ておるのですが、地方財政の一層の困難をわれわれ聞かしていただきますと、なおさら委員会としては、地方の財政の問題を今こそ取上げなければいけないのじやないか。片一方で予算委員会がそういう関係の国家予算を審議しております場合に、やはり委員会としても、十分その点を取上ぐべきじやないか。私どもが貴重な時間と費用を使いまして地方の調査に出かけますのも、また調査に出かけた結果、その結論がはつきり出ておるわけでありますから、これはやはり委員会の運営の上にも生かしていただくような運営をしていただきたい。その点で、委員長としてどういうふうにお考えになつておられますか、ちよつとお聞きしたい。
○金光委員長 立花君にお答えいたします。ちようど立花委員は二、三日お休みでありましたけれども、その間もそのために引続きただいまの御趣旨のような内容において委員会を運営いたしておりまして、前会も地方財政委員会からおいでをいただきまして、いろいろ二十七年度の計画などのことを話しておつたのでございます。ただいま御発言の御趣旨に沿いまして、十分委員会の運営に注意いたします。
○立花委員 そういうふうにやつていただいておるということを言われましたが、やはりこれは時期の問題がありますので、予算委員会の期間中に、やはり当委員会としても相当まとまつた意見を出していただくべきじやないか。そして今御報告ありましたような実情を、委員会としても改善の方向に具体的な努力を現わさなければならない、こう思うのでございます。そのような委員会の運営をひとつお願いいたします。
○金光委員長 資料など次々に各委員から御請求になりまして、その資料に基いて、次々に説明を聞くようにいたしております。御趣旨の点は十分委員会の運営上気をつけるごとにいたします。 ほかに御質問はございませんか。——ただいまの御報告を承認するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○金光委員長 それではさようにとりはからいます。 —————————————
○金光委員長 次に地方自治に関する件、地方財政に関する件の両件が一括して調査を進めることといたします。 それではただいま御提出いただきました資料につきまして、武岡政府委員より説明を願います。
○武岡政府委員 それでは昭和二十六年度の平衡交付金の配分に関する資料を提出いたしましたから、その資料について御説明いたしたいと思います。 昭和二十六年度の平衡交付金の配分に関しましては、昨年の十月に一応仮決定をいたしたのでございまするが、その後去る臨時国会におきまして、本年度の平衡交付金百億の追加が認められましたので、さらにその額を含めまして、このほど一般交付金の本決定をいたしたのでございます。その状況につきまして御説明いたしますると、お手元の資料の総括表からごらんを願いたいと思います。昭和二十六年度の、今回行いました一般交付金の配付金額は総計で約千八十億になるのであります。お手元の資料の上の欄、総括表の上段の左の方に決定額というのがございますが、そのうちABCのCのところに交付金という欄がございます。これが今回決定をいたしまして、各団体に配付いたしました交付金の総額の欄でございます。その合計の額の欄が明いておりまするから、その数字を申し上げますると、千八十億四百三十九万二千円と相なるのであります。この額は昭和二十六年度の平衡交付金の総額千二百億円の九〇%に該当する数字でございまして、すなわち、普通交付金として配分せらるべき交付金の総額に該当いたすものでございます。去る十月に行いましたいわゆる仮決定におきましては、三十六年度の当初予算で御承認をいただきました千百億円の九〇%、すなわち九百九十億円を一応の目的として、これが配分をいたしたのでございまするが、この算定の基準につきましては、各地方団体から算定の基礎として報告になりましたいわゆる測定單位の基準数値が、私どもの方で当初予定をいたしておりました額に達しませんでしたような関係もございまして、実際に交付金として決定いたしましたのは、予定の九百九十億円より約三十五億円ほど少い九百五十五億円程度に相なつておつたのでございます。そこでその未配付になつておりました三十五億円と、追加予算で計上いたしました百億円のうちの九十億円、すなわち合せて百二十五億円を追加いたしまして、今回の本決定を行つたような次第であります。その算定の状況につきまして、ごく概略を申し上げますると、その下の欄に本決定をいたします決定額及び昨年度、昭和二十五年度の交付金の配分の決定額との比較をいたしてございまするが、その欄についてごらんを願いますと、まず仮決定に比べまして交付金の総額は先ほど申し上げましたように、百二十五億円だけふえておるのでございます。これはまた前年度、昭和三十五年度に比較いたしますると、百五億円ばかりの増加に相なつておるのであります。府県市町村について区別をして見ますると、府県関係におきましては、今回の本決定におきまして、仮決定よりも約七十三億ほどふえておりまするし、市町村関係におきましては、大体五十一億円ほどの増加に相なつております。去年に比べますれば、府県関係で約百億、市町村関係では四億ばかりの増加ということになつておるのであります。昨年に対比してみますると、府県関係に比べまして、市町村関係の伸び方が少いような感じがいたすのでございますが、これはその表にもございますように、基準財政需要額におきまして、府県関係の方が市町村関係よりも相当多くいろいろな財政需要の負担がふえておりまして、その関係で需要額の増加が非常に多いのであります。去年に比べまして、府県関係の方は約三割の増になつておりまするし、それに対しまして市町村は合計いたしましてせいぜい一%程度、大体昨年程度の財政需要額ということになつておるのであります。さような関係で府県関係が昨年よりも約一割五分ほどの増加ということになつたのであります。市町村の中でこれを対比してみますると、大都市すなわち五大都市におきましては八億円の増、それから都市関係は、その他の一般都市におきまして約十三億、それぞれ増加をいたしておりますのに対しまして町村関係は九億ばかり減つております。その関係はその下の備考に書いておいたのでありますが、この表の作成の関係から申しますると、都市、市町村というものをそれぞれ各年、二十五年度及び二十六年度の四月一日現在をもつて算定いたしておりまする関係から、二十五年の四月の二日から二十六年の四月一日までの間に町村合併があつて市になつたり、あるいは市に吸収されたというような町村関係の財政需要額は、本年度におきましてはいずれも市の欄の中に計上されておるというような関係で、町村関係の需要額というものが減つておるというのが、一つの理由であります。 いま一つは自治体警察の廃止、それに伴いまする財政需要額の減、それから社会福祉事務所の設置その他による社会福祉関係の財政需要額に応じ、町村間の移動がございましたことは御承知の通りでございまするが、それらによりましてそれぞれ増減がございました関係から、町村関係が特減につておる、こういうような関係でございます。なおその各府県別等につきましては、詳細にその表をお手元に差上げておきましたので、具体的な点はそれによつてひとつごらんを願いたいと思うのでございます。 なおその他の点は御質問によりましてお答え申し上げたいと思います。
○立花委員 ちよつと平衡交付金のことでお聞きしたい。根本的な点を簡單に伺つておきますが、地方財政委員会が今度二十七年度の交付金で内閣に勧告を出しました。それに対しまして内閣の方から、それじや多過ぎる、国の予算上そうは計上できないから、勧告を修正しろという意見が、地方財政委員会に参りましたことは御存じの通りであります。こういうことは特に不可解なんですが、地方財政委員会が政府並びに地方の資料に基いて、正当な勧告権に基いて勧告をした。それに対して内閣の方から、これはどうも多過ぎて組めないから減らせ、勧告を修正したらどうかという手紙が来る。それに従つて、今度は地方財政委員会の方も勧告を減らす。これはどうしてもやおちようとしかとれないのですが、こんなあり方でいいのかどうか。地方財政委員会の本質はそんなものなのか、勧告とはそんなに権威のないものなのか、というふうに考えられるのですが、しかもその往復の書簡の内容を見ますと、何か政府は適当なことをやつてやろうと言つておるから、それに信頼して減らすのだというようなお手紙を地方財政委員会の方から政府に対して出しておるのですが、それじや何のために役所があるのかわからないと思うのです。地方財政委員会とはそんなものなのか、そこのところをひとつ御説明願いたいと思います。
○武岡政府委員 簡単にお答えいたします。御指摘のように、地方財政委員会におきまして当初勧告をいたしました際には、二十七年度の平衡交付金大体千三百億ほど必要であろう、こういう勧告をいたしましたのであります。それに対しまして、内閣といたしましては本年度の国家財政の状況から、せいぜい予算に見込み得るのは千二百五十億程度であるというような御意見であつたのであります。その間の差は約五十億ということでございます。この五十億の問題につきましては、結局交付金という形になるか、あるいはその形がその他のものでありましても、結局地方としての負担において、五十億程度の軽減が考えられますならば、全体の地方財政計画としてはつじつまが合うわけでございまして、私どもの算定いたしました根拠から見ましても、その五十億の始末がつけられるということでありますれば、しいてこれを平衡交付金に求めなければならぬということもないと考えられるのでありまして、そこらは全体的な国家財政の御事情等もございましようから、ただ五十億の始末の問題につきましては、十分政府としても御考慮を願いたいし、また地方財政委員会といたしましても、この点の措置につきましては、今後とも具体的の実現に努力して参りたい、かように考えておる次第でございます。
○金光委員長 立花さんどうでしようか。今おただしの点は、前会かなり詳しく林さんから御質問になつたので、今大橋国務大臣が見えておるのですが、この次にまわしていただけないでしようか。
○立花委員 もう一つ……。そういたしましたら政府の方で地方財政の負担にならないような形で五十億減らして、平衡交付金で跡始末するという、はつきりと具体的な確約をおとりになつてそういう措置をおとりになつたのか、それだけひとつ。
○武岡政府委員 内閣からはこの点について十分考慮するということを、はつきりわれわれは伺つておるのであります。 —————————————
○金光委員長 ポツダム宣言の受諾に伴い発する命令に関する件に基く警察関係命令の措置に関する法律案を議題といたします。 前会に引続き質疑を続行いたします。質疑を許します。床次君。
○床次委員 一つ伺いたいのですが、この取締令の運用に関しましては、終戦後と今日とでは大分社会情勢も違つておりますが、法文が同じでありましても、運用せられる精神において、相当大きくかわつてしかるべきものと思うのですが、この点について大臣の本法に対する施行の精神を、ひとつ伺つておきたいと思います。
○大橋国務大臣 御承知のごとく銃砲刀剣類等の取締りにつきましては、終戦直後におきまして、一度ポツダム政令が出たわけでございます。このポツダム政令がさらにその後の国内情勢に即応いたしまして法令の趣旨におきましても変更すべきものであるという考えのもとに、その後変更せられまして、今日に及んでおるわけでございます。今日実施いたしておりますポツダム政令というものは、従いまして規定の内容におきましても、当初のものとは著しく異なつているし、また運用の趣旨におきましても、終戦直後の取締り方針とはかわつて来ておるわけであります。今後これを法律化するにつきましても、現状のような方針をもつて進んで行きたいと存ずるのでございます。もとより今後の情勢の変化に応じまして運用の方針等につきましては、時々適切なる考慮を加うべきものである、こう存じますが、さしあたりといたしましては、現在やつております方針にまつて、これを運用いたして参りたい、こう考えております。
○床次委員 きわめて抽象的な御答弁でありまして、社会情勢の変遷に応じて、どういうふうに態度をかえて来られたか、あるいは今後かえて行くかという御趣旨があまり明瞭でない。これを明瞭にしていただけばなおけつこうであります。なお本法の骨子になつております所持することにつきましては、文化財保護委員会の認定によりまして、美術品あるいは骨董品として認定をいただいたものは所持できることになつておりますが、こういう認定等につきましても、これは従来より相当緩和してしかるべきでありますが、さようにとりはからつておられるかどうかという点について伺つておきたいのであります。
○大橋国務大臣 運用の実情につきましては、政府委員から詳しく申し上げたいと存じます。
○中川(董)政府委員 ただいま大臣から御説明がありましたように、終戦直後におきましては銃砲刀剣類等は、禁止を中心といたしまして政令が制定せられておつたのでありますが、昭和二十五年十一月からは、この禁止という考え方を、国内治安確保という見地に趣旨が変更されまして、人を殺傷するに足る刀剣類、銃砲等につきましては、所在を明確にしてその危険物の所持と、国民の危険感を防ぐ、こういう趣旨から非常に変更されまして今日の政令になつておるのでありますが、この運用につきまして、ことに刀剣類につきましては、文化保護委員会に登録する、登録さえすれば所持は自由である、こういうふうになつておりまして、文化財保護委員会におかれましても、今日の状況に照しまして文化財という概念を相当弾力的に運用する、こういうことに相なつておりますので、御了承願いたいと思います。
○床次委員 本法の違反の件数を調べて参りますと、最近は毎年大体平均化して来ているような状態でありまして、この内容がはたしていかなる内容になつておるか、治安確保という点においてこれだけの違反があるのか、あるいは従来の單に届出を怠つておるというようなものがなお今日続いておるのかどうか。この違反の内容につきまして御説明をいただきたい。
○中川(董)政府委員 違反の内容につきましては、禁止令時代はもちろんのこと、取締令になりましても、その当初におきましては、相当この政令によるところの犯罪は、起訴強制を受けておつた関係もありまして、相当きつくと申しますか、その禁止の趣旨に沿うた取締りが当初行われておつたのでありますが、その後文化財保護委員会等におきましても弾力的な登録が認められましたので、今日におきましてはその違反の点につきましても、刑罰の起訴につきましても、今後法律化されました上におきましては、起訴強制はございませんので、そういう危険物の危険性と、それから当該関係人の動機とか、そういつた点を十分勘案して取締られるようになると思います。
○床次委員 ただいま違反の種類について詳しい御説明がないので、わからなかつたのでありますが、単にいわゆる家の家宝、美術物として登録を受けたものが、その後移転その他に関しまして、手続きをしなかつたというような意味においての違反が、この中に数えられておるかどうかという点が問題になるのであります。この点は、いわゆる不良の者が治安に害のある刀剣を新しくつくらして所持しており、そのために違反になり、ここに没収されておる。そういう件数が最近よけいになつておるかとも考えられるのでありますが、その点、社会情勢を反映するものでありますので、当局はこの法令を通じまして、今日の社会情勢をいかように見ておられるか。この点を御説明願いたいと思います。
○中川(董)政府委員 違反の個々の犯罪統計から申しますと、そういう見地に基く正確な調査をしていないのでありますが、今後におきましては、やはり法律化した後におきましては、普通の刑罰と同様いろいろな関係を考慮たしまして、検挙もいたし、起訴も行われる、こういうふうに考えます。
○床次委員 私の申し上げたことを、よく御理解いただかなかつたと思うのでありますが、治安に関係のない形式的な違反につきましては、あまり嚴に失する取締りはすべきでない、むしろ法文そのものを緩和しても、いいのではないかと思うのであります。この取締り状況が現在の社会的必要に合致しておるならばけつこうだと思いますが、これが形式的に執行せられるということになると、非常に社会、国民に対しても迷惑な規定であると思うのでありまして、この点はひとつ十二分に御考慮いただきたい。さような御趣旨において本法の施行に当つていただくならば、弊害は少いのでありますが、この点誤りがありますと、本法というものは国民に非常に迷惑を及ぼすものでありますから、この点特に大臣から、かような御所見であるか明らかにしていただきたい。
○大橋国務大臣 床次君のお述べになりました運用の根本的趣旨の点につきましては、まつたく政府といたしましても同感に存ずるのであります。この刀剣類取締法につきましては、御承知のごとき事情によつてポツダム政令が出ておりました関係上、終戦直後しばらくの間は形式違反といえども、仮借なく起訴をするというような運用でございました。これがためにきわめて気の毒な事案も少くなかつたのでございます。しかしながらこれは行政的な取締りではございまするが、もともと故意に危険なる刀剣類を違法に所持しておるというところを取締るのが、この法規の精神であると考えまするので、従来の家宝等をそのままに引続き所持いたしておる、かようなものがはたして——本人の主観からいえば凶器であるというよりは、むしろ家宝であるというような考えで、これが凶器として取締られるということについての十分なる認識を欠いておる。何ら他に危険なる意図もないというような事案におきましては、その実情に即応いたしました寛大な措置をすることは、これは当然考慮しなければならぬことであると存ずるのであります。政府といたしましては、検察当局等ともよくこの点は打合せをいたしまして、御趣旨のような運用の趣旨を確立いたしまして、検察当局においてもそういう趣旨で今後取締りに当るというようなことにいたしていただきたい、かように存ずる次第であります。まことに御趣旨は同感でございまして、さような運びにいたしたいと思います。
○門司委員 これは私、説明を聞かなかつたので、ちよつとお聞きしておきたいことは、直接この問題、法律をどうするかということでなくして、今までこの問題の取締り方法が非常に苛酷な取締りをしたようでありますが、最近はまた指導の面にかわつておるようであります。これはどういうわけでこういうことをしたかということであります。従来苛酷に取締つたときには相当犯罪者を出しておると思います。それが最近は、何か届出をせよということで、指導に乗り出しておる。ここに矛盾があると思います。これはどういう関係でそういうことになつておりますか。
○大橋国務大臣 実はこの刀剣類等についての取締りは、ポツダム政令によつて出ておりますが、終戰直後における占領方針といたしましては、日本の武装解除に伴いまして、民間に所蔵されております一切の武器を回収するということが眼目にあつたわけでありまして、それを有効に処理して参る上から、取締りについても非常に厳重な取締り方針をもつて臨むことが、期待をされておつたわけでございます。その後占領当局におかれましては、日本国内の情勢についていろいろ新たなる角度から御研究の結果、政令自体についてもその後において改正を行うよう指示があつたのであります。それでこの新しい指示に基きまして、現行の政令が制定せられたわけでありまして、また運用の方針といたしましても、その新しい指示の趣旨に沿うて実施をいたしておるわけであります。
○門司委員 私は今、時限法がどうこうという法律のむずかしいことは知りませんが、現在の状態からいいますと、実際気の毒な人があるのでございます。單にまき割の程度に使つておつたのがその当時はひつかかつて、それが最近は指導の方にかわつて来ております。その当時見つからなかつた人は、今度届出をするというような、おかしな形になつておるのであります。これがために気持の上からも実際上からも、迷惑しておる人が相当あると思うのであります。実際まき割に使つておつたもの、兵隊さんの持つておつたごぼう劍までも、実際上には役に立たないが、形が刀である、長さが規格に触れておるからということから、処罰されておる者が相当あるのであります。それが、先日ほどの大臣の説明では、関係筋の意向がかわつて来たということになつておるなら、それでいいのでありますが、非常に迷惑をしておるそれらの者に対しては、もし処罰の範囲でこれを何とか考えてやらなければならないというようなものがありますならば、それについては何らかの方法で善処されるような御意思があるかどうか、お聞きしたい。
○大橋国務大臣 ただいま門司君のお述べになりましたことにつきましても、私といたしましては同感に存じます。ちようど一面におきまして、講和の発効に伴いまして恩赦等の措置もあるのじやないかと推察をいたしておるのでございます。検察当局に対しましては、従来の実情等を十分調査をいたしました上で、同情すべき事案が非常に多いというような実例を得ましたならば、それを基礎にいたしまして、その際に法務当局に対して御研究を願うように、申入れていただくようにいたしたいと思います。
○門司委員 これに関連してもう一つ聞いておきたいと思いますことは、警察予備隊との関係であります。これは直接警察予備隊のことを議論しようとは考えておりませんが、私どもの杞憂いたしまらすことは、この法律で刀剣類が取締まられる一面に——警察予備隊が軍隊であるとかないとか言つておりますけれども、これはおたまじやくしがかえるであるかどうかを議論しているのと同じことでありまして、いずれおたまじやくしは、かえるになるにきまつているのであります。そういうことになつて参りますと、だんだん軍国調が強くなつて、私は刀剣所持でなくて、刀剣の製造が始まると思います。こういうことが必ずしもないとはいえない。しかもそれはある程度武器の製造というようなことが——今の警察予備隊は剣を持つているか、鉄砲を持つているか知りませんが、必ず私はどこかで行われることだと思う。そういたしますと、一方では非常にやかましく禁じておるが、一方ではそういうものの製造がある程度許されて来る。そうなつて参りますと、だんだん武器が外に出て来る可能性が濃くなりはしないかと私は考える。そういう面に対して、当局はどういうふうにお考えになつておるかということと、もう一つつつ込んで聞いておきたいと思いますことは、今日本の国で当然武器の製造は禁止せられているとは思いますが、これは私の想像でありますので、はつきりはわかりませんし、あるいはここまで言つては少し言い過ぎるかもしれませんが、進駐軍のおみやげ用だとかなんとかいう刀が、どこかで製造されていることがありはしないか、そういう杞憂を私持つておりますので、そういう事実がありますか、お話を願つておきたいと思います。
○大橋国務大臣 予備隊においては、現在刀剣は武器として携帶はいたしておりません。しかし今後の問題といたしましては、あるいはそういう問題も予備隊自体において研究する必要があるかと心得ております。その際にまたいろいろな角度から、十分この問題は研究いたしたいと存じております。なお刀剣の製造というものにつきましては、現在法令において禁止をされている、こう心得ております。
○立花委員 大橋国務大臣なかなかおいでになりませんので、ちよつとお聞きしておきたいと思いますが、警察予備隊と地方と非常に関係のある問題がありまして大橋国務大臣が予備隊——名前は保安隊とかわるかもしれませんが、これを募集する際に、自治体に責任を負わすというような意味のことを発言なさつたことがおありのように、新聞に出ておるのでございますが、そういう構想をお持ちかどうか、お持ちとすれば、その構想をひとつお聞かせ願いたい。
○大橋国務大臣 今まで警察予備隊の隊員の募集について、町村長に何らかの仕事を頼みたいということを、私何人にも申したことはございません。もし私がそう申したということがあつたとすれば、それは明らかに誤りであります。しかしながら警察予備隊の事務当局といたしましては、さような問題についても研究をいたしておる事実はあるかもしれないと思います。と申しますのは、今年中におきまして三万五千増員をいたすことになつております。これはまつたく新しく募集しなければならない。同時にちようど最初に募集いたしましたものは、二箇年の期間をもつて約束をいたして応募してもらつておる。昨年募集いたしましたのは、一年間ということで応募してもらつております。すべての隊員が一応この十月ごろに満期に相なるわけでございます。そこで当局といたしましては、これらの者のうちで、希望者は引続き隊員として勤めてもらいたいと思つております。しかしこの際にやめたいという者は、自由に退職を認めるほかはございません。そういたしますると、その部分を補充しなければならなくなる。それが大体少くとも三分の一くらいはありはしないか、そうすると、三万五千に三分の一の二万五千でございますから、約六万程度の募集を今年中にはやらなければなるまい、こう考えておるわけでございます。これはなかなか大量の募集でありまするし、またこの募集についてはいろいろ手数もかかるものでございます。また予備隊自体が全国的に適切な機関を、いまだ備えるに至つておりませんので、それについてあるいは町村長に何らかの御援助を願わなければならぬではなかろうかということを、警察予備隊の事務当局として研究をいたしておるように聞いております。しかしそれはまだまつたく研究の程度でございまして、どうしようという構想がまとまつておるわけではございません。
○立花委員 ただいまでも知事会議あるいは町村長会議等で、米の供出が非常に問題になつておりまして、政府は大分困られたようでございますが、予備隊の募集となりますと、これはまつたく人間の供出、血の供出になつて来るわけであります。それを町村に割当てるというようなことになつて参りましてしかもただいま御説明になりました数字だけでも、六万人といわれますが、全国でいえば一万の町村でございますから、一町村に大体六名、大都市ではおそらくおやりにならないでしようから、町村ではもつとふえて来る。この血の供出が自治体に責任を持たされると、とんでもないことになると思いますが、しかもそれより方法がないという見通しが確かにあると思うのですが、政府としても非常にお急ぎになつているので、対策をお持ちになつていないはずはないと思います。今お聞かせ願つた中でも、事務当局はそういう調査研究をやつておるらしいということでございますが、できるだけその内容をお聞かせ願いたいと思います。これは国民の非常な重大問題でございます。自治体としても重大問題でございます。ぜひ事務当局の調査の過程の程度でもけつこうですから、お聞かせ願いたい。
○大橋国務大臣 ただいま米の供出と同じように、血の供出とかあるいは人の供出をやるというお言葉でございましたが、これは共産党諸君の独特の言葉づかいでありまして、特に問題とする必要はないかもしれませんが、私どもは予備隊員の募集は、自由に志願して参るその人たちの中から、試験の上採用いたしたい。あくまで本人の自由意思による志願によつて採用をいたして行こう、こういうわけでございます。従いまして多数の志願者の中で、政府といたしましては、どういう方がはたして予備隊員として適当であるかどうかということについて、十分に調査することが非常に手数である。またそれを適当に処理いたしまするみずからの機構も不十分でございますので、たくさんある応募者の中から、市町村長がこれらの人々は適任者であるという御推薦でもあれば、その市町村長の保証される方を優先的に隊員として採用するような方法を考慮したらどうだろうか。そうすれば、町村長としては地元の町村民の方でございまするから、平素から実情もよく知つておられまするし、予備隊の隊員として本人の適格性、並びに家庭の事情等から申してまことに適任者である、こういう御判断が容易ではなかろうか。そういう点から、御推薦でもあれば、そういう方を優先的に志願者のうちで考慮をするというようなことは、これはわれわれの方で直接に調査をする手数を省くという上からいつて、あるいは一方法ではあるまいかという意味で、調査をいたしておるわけでございます。でございまするから、各町村から必ず何人以上応募させるように努力してくれ、こういうようなことをお願いいたしましたり、あるいはまたぜひとも責任を持つてこれだけは応募者を推薦してくれ、そういうふうなやり方をしようということは全然考えておりません。ただ多数の応募者のうちから、どの方を実際に採用することが適当かということを決定するについて、町村長の推薦というものにある程度重きを置くということが、われわれの方の採用上の都合からいつて、便宜ではないかという問題を研究いたしております。
○立花委員 調査なさつておると申しますと、どういう問題について調査なさつておるというのか……。
○大橋国務大臣 そういう問題を調査いたしております。
○立花委員 そういたしますと、町村長が推薦いたします場合に、その者を予備隊の隊員として非常に適格だという判定を下します基準は、大体どういうふうなものをお考えになつておられましようか。それは政府の方からお示しになるのか、あるいは町村長の権限でおやりになるのか、あるいは地方の議会で決定しておやりになるのか、あるいは国会でおきめになるのか、そういう点まで少し詳しく御答弁いただきたい。
○大橋国務大臣 そういう点を研究いたしております。
○立花委員 その研究の過程でもけつこうであります。これはとにかくやわ方によりましては、自分が適当でない、非常に行きたくないと考えておりましても、知らない間に適当だと推薦されておりまして、優先的に予備隊にひつぱつて行かれるということになりますと、たいへんな問題なんで、そういう問題を研究なさつておるとおつしやられる段階でも、実際研究なさつておられるのでしようから、どういう問題をどういうふうに考えておるというふうな程度でもけつこうですから、もう少し……。
○大橋国務大臣 私は、共産党の諸君のおつしやる言葉が、われわれの使う言葉と少し意味が違う、こういうことをさつき申し上げたのでありまするが、また共産党の諸君は、われわれの使つておる言葉も、ほかの意味におとりになつているのじやないかという疑問を持つたのですが、それはさつきも申し上げました通り、明らかに応募者の多数の中から、これこれが適任者ではないかということについての意見をお述べ願うことが、あるいはわれわれの方の採用上の便宜ではないか、そういう問題を研究しておる、こういうわけでございまして、それは本人が自由に応募された場合に、その中でだれをとるかということでございますから、その点についての御推薦を願つたらどうか、これが根本でございまして、お言葉にありました通り、本人の知らないうちに町村長の推薦でとられるというようなことは、われわれとしては当初から毛頭考えておりません。この点だけはひとつはつきり申しておきます。
○立花委員 本人の知らない間に、地方あるいは政府の機関で、そういう適格者だときめることはない、あるいは推薦することはないと断言なさいましたことは、ひとつ確認していただきます。その場合、私ども非常に疑問に思いますのは、この間予備隊の欠員を募集なさつた場合、非常に成績が悪い。北海道では、一警察管区で六名しか応募しなかつたというような形が出ておりますし、また同じ條件にある西ドイツあたりでも、募集できなくて、徴兵制をやろうといつております。日本でも徴兵制の話が出ているわけなんです。大橋さんのお言葉でも、六万人というような厖大な数をとらなければならないということになつて参りますと、あなたのいわれる自由志願で応募した者だけをとる形で、はたして行ける見通しなのか。応募者が六万人に満たない場合はおやめになるのか、六万人に満たない場合にはどうなさるのか、おそらくこの六万人は絶対命令だろうと思うのですが、その場合、応募者がないからほうつておくのだという形をおとりになるのか、その点まで聞かせていただきませんと、単にやらないというだけでは安心できませんので、その点をひとつ明確にしていただきたい。
○大橋国務大臣 昨年の募集は成績が悪いといわれまするけれども、われわれ政府といたしましては、また予備隊当局といたしましても、昨年の募集の成績はきわめて良好であつたという結論を得ております。そうしてまた定数募集いたしましたが、それらの者の入隊後の成績というものも、非常に優秀でございまして、今日では一昨年入隊いたしました者とあまり違わない程度まで、訓練が進んでおる状況であります。この点は、昨年は成績が悪いどころか非常によかつたという点において、逆に驚いておる次第であります。政府といたしましては、今年も約六万程度の応募というものは、必ず好成績をもつて募集を終えるというかたい確信を持つておりまするので、そのときにもし応募がなかつたらどうするかという御質問でございますが、そういう問題を考える必要は全然ございません。
○立花委員 大橋さんはあまり数字をお調べになつていないのじやないかと思います。最初予備隊が募集された場合の募集人員に対する応募者のパーセンテージと、欠員を募集になつたときの応募者のパーセンテージとは、非常に率が落ちておりまして、予備隊の性格が非常に国民の目にも軍隊であるということが明確になつて参りまして、どんどん減つております。これ輿論調査にも現われているところなんで、成績がよかつたということを強弁なさるのは、少し無理じやないかと思います。これは当面の問題でありませんので省きますが、六万人集まる確信を持つているということをいわれたのですが、では集まらない場合でも、強制的に町村への割当とか、あるいは徴兵制とか、その他の強行的な手段をとらないで、もしなかつたら、そのままで自由応募だけで済ますのだというお考えかどうか、最後にこれをお伺いいたします。
○大橋国務大臣 集まらないということは絶対にございません。
○立花委員 これはあなたの主観なんで、それは問題にならないと思いますから、そういう主観的なお答えしかできないので、非常に不安定だというふうに理解さしていただきます。 それからもう一つは、やはりあなたのお考えになり、おやりになられたことで、非常に地方に関係のあることは、防空に関して地方防衛局をつくるということが、朝日新聞に発表されております。地方にたくさん基地ができますね。たとえば横田基地、あそこでこの間防空演習をやりまして、東京都の北部、西部の方が防空演習の中に入つたわけですが、そういう問題が非常に大きく起つて来ると思います。たとえば私どもの方で伊丹の飛行場が拡張されまして、その付近の伊丹市、尼崎市、あるいは神戸市の一部が、基地の防衛活動の中に入つて来るだろうと思います。そういう場合を予想して、防衛に協力するという意味で、地方防衛局をおつくりになるということが、朝日に発表されておるのですが、しかもこれは大橋国務大臣がお考えになつたと出ておるのですが、これはどういう構想なのか。新聞を信用にならないのなら、それでけつこうなんですが、そうすれば一般的な問題として、地方にどんどんこういう基地ができます場合に、その防衛について、地方の自治体当局が、どういう協力体制を義務づけられるか、これをお答え願いたいと思います。
○大橋国務大臣 地方の防衛局というのは、私も初耳でございまして、そんなものは考えたことはございません。しかし御趣旨によりますると、何か米軍の基地が設けられた場合に、その周辺町村において、基地防衛に協力する必要がありはしないか。それはいかなる義務を伴うかと、こういう御質問の趣旨かと思いますが、御承知のように、まだ行政協定というものが決定をいたしておりません。従いまして、いかなる地域に米軍の駐留のための施設ができるかということも、きまつておらない状況なんです。それで将来きまりました場合には、それぞれの施設に応じまして、その施設はいかなる用途に利用されるかということが、その施設の性格によつて明らかになるだろうと思うのです。その性格によつて明らかになつた場合に、地元としてどういうことを考究する必要があるかということは、その場合において研究すべき問題であろうと存じます。
○立花委員 基地がきまつてから考えたらいいんじやないかとおつしやつたのですが、やはりきまる前に考えておくがいいじやないか。今きまつていないのは、どこにできるのかということがきまつていないのでありまして、できるということはきまつておるのだから、できることについて起つて来る問題については、当然やはり考えておいていただかなければいけないのじやないか。きまつてから考えるということでは、おそいのじやないか、その際に、やはり地方には重大な義務も生ずるし、危険も生ずるし、負担も生ずるのですから、地方の意見なり、あるいは少くとも地方行政委員会の意見なりを聞いていただいて、行政協定に臨んでいただかないと、できてから君たちの意見を聞くのだというのでは、おそいのじやないか。できることがきまつていないというが、できることはきまつているのです。安全保障協定に判をお押しになつた以上は、できることはきまつている、日本のどこかの自治体のまん中にできるのですから、これはできることには間違いないので、今から当然これは考えておいていただかなければいけないと思うのです。そういう考えで行政協定をおやりになつたら、とんでもないことだと思うのです。今からでもおそくないと思うのですが、お考えになる御意思はございませんか。
○大橋国務大臣 どういうところにどういう施設ができるかということがきまらなければ、その施設についてどういう協力をしなければならぬかということはわかりません。そこでわれわれの方は具体的にきまらなければ、この問題は研究してみてもしかたがないと思います。
○金光委員長 先ほどの理事会の申合せもありますから、あと五、六分程度にお願いいたします。
○立花委員 どういうものができるかわからないというが、結局軍事基地にきまつている。軍港か、航空基地か、キヤンプか、できるものの性格は非常にはつきりしている。特にこの間からも新聞に出ておりますように、もう駐屯軍は原爆の演習、それから細菌戦の演習までやつているので、しかもこの間立川では防空の演習までやつているのです。こういうことが全国的に起つて来るということは迷惑なんです。それに対して何らのお考えも方針も持たないで、行政協定がきまつてから、そんなことはきめるのだというのでは、無責任もはなはだしいと思う。どういうものができるか非常にはつきりしている。これはイギリスの例でもはつきりしている。イギリスは国内にあのアメリカの原爆基地があるので、全国民の問題になりまして、この間チヤ—チルがアメリカに行つて、トルーマンに会つて、イギリスにある原爆基地は、イギリスの承認なしには使わさないというふうに、言質までとつておるわけであります。そういう外国の動きがあるにもかかわらず、日本ではそれを最初から無條件でやつて、そうしてできてからひとつきめようじやないかというのでは、これはまつたくもう国民の利益を保護する政府とは、私考えられないのですが、そういうことで、はたして行政協定を今後もお進めになるのかどうか。ひとつ御返答願いたい。
○大橋国務大臣 御承知の通り、行政協定はまだ始まつたばかりでありまして、そういう話が具体的に協定のとりきめの会合において問題になれば、その際に問題として、われわれの方としても研究をいたすことは当然でございます。しかしその内容等につきまして、まだ申し上げる段階ではございません。
○金光委員長 立花君に申し上げますが、治安関係につきましては、また別の機会に……。
○立花委員 これが最後です。 それでは大橋さんは、きまつてから考えるという言葉を訂正なさつて、行政協定の進行中においてその問題が行政協定において問題になれば、政府として意思をきめるというふうに、態度を変更なさつたと了承してよろしいのですか。それからその場合には、それでは政府はどういう方針でその問題を処理されるのか。その政府の方針を決定される場合に、やはり地方自治体の意向を聞き、あるいは国会の意向、地方行政委員会の意向を聞いておきめになるのかどうか、その点をひとつ……。
○大橋国務大臣 まだその場合になつておりません。
○大矢委員 大橋さんはなかなかお忙しいので、出る機会がないようですから、この機会に私は簡單に二、三お伺いしたい。 前に私は警察予備隊の件で、装備は一体どの程度にするかということを大橋さんにお聞きしたところが、今アメリカ軍の持つている小銃程度で、それ以外には持たないということをはつきりここで言われた、そこで私どもそれを信用しておつたところが、ときならずして迫撃砲は持つ、機関銃は持つ、私はこの間行つて見たところが、機関銃が三通りある、ずいぶんでかいものを持つている、こういうふうにかわつておる。そこで私が聞きたいのは新聞紙の報ずるところによりますと、今度は二年間になるか年限はよくわからないのでありますが、中途退職、期間内にやめることはできない、それから期間を過ぎても、なお予備として召集に応ずる義務がある、さいぜんから自由意思を尊重するすると言つておるが、これは一旦入つた以上はやめることができない、あるいは期間が過ぎても訓練を受けておるから、召集に対してはただちに応じなければならぬという義務が規定されるということを新聞紙で見た。私は警察であるとか軍隊であるとか、そういう議論はしません、そういうことが実際に行われたとするならば、結局これは自由意思を尊重するということは、あるいはそのことを明らかにしないで応募して、その後において條件が違うという、言いかえればわれわれは予備隊警察だと思つて入つたところが、実は戦争をするんだ、軍隊じやないか、こういうのではいやだと、こういうてやめた場合、あるいは訓練を受けた後において非常に応募のときの條件と違つた場合、それでもなおかつ応じなければならぬか、こういうことについて、まだ法案が出て参りませんから、十分審議する機会がないのですが、新聞紙その他で今まで論議をされておつたところから見まして、その点を一応明らかにしておいていただきたいと思いますから、お尋ねいたします。
○大橋国務大臣 大矢さんにお答えをいたしますが、ただいま伝えられておりまする自由退職の制限であるとか、あるいは退職後一定期間応召義務を認めるという問題は、なお研究中に属する事柄で、ございまして、そういうふうにしようというふうにきめておることではございません。そうしてまたかりにそれではそういうことにしようということになりました場合におきましても、すでにそういうふうになつていないときに応募して入つております現在の人たちに、最初の約束と違つて、そういう一方的な義務を課しようという考えは、毛頭持つておらないわけでございまして、それははつきりとそうしなければならぬということにきまりましたならば、法案の御審議をお願いいたしまして、その法案ができた後に、そういうことを承知の上で入つて来た人についてだけ、そういう義務を課する、こういう趣旨でございます。従いまして入つたときの條件と、違うじやないかというような迷惑を隊員の諸君にかけるということは、絶対あつてはならないと考えております。
○大矢委員 研究中であるということでありますから、私はこの問題はこれでおいておきますが、今議題になつている刀剣、拳銃、銃砲ですか、このポ政令の廃止に対して、さらにこれを効力を発するような法律でありますが、これはおとといの本会議で決定いたしました、もし平和條約の効力が発効いたしましても、その後なお百八十日間効力を有するという決定を見たのですが、このポ政令に限つてのみこれを同じそのまま効力を発するようなものを出して来たところの経緯ですね。私は別に——必要があれば先ほど門司君も問われたように、情勢もかわつて参りますし、別な法律をつくる、そうした方がいいのではないか、なぜ一体こういうことになつたか、そのことが一つと、それから従来ずいぶん苛酷な——ただ火薬を所持しておつたというだけで、七年以下の懲役に処するというような厳重な法律がある。銃砲、火薬というものは、従来非常に統制が厳重になつておるのですが、それを生かせば足りるのではないか、なぜこの小さな、前にも問題になりましたが、十五センチの小さな刀剣までも取締らなければならぬか、こういうようなことは、必要ないのではないか、こういうことを考えるので、どうして一体このまま継続し、別に法律を出す意思がないか、どうしてこういうことを急いでしなければならぬか、それからいま一つは前の法律で十分足りるのではないか、こういうふうに私は考えるので、その点もひとつこの機会にお伺いしたいと思います。
○大橋国務大臣 現在政令におきまして、銃砲火薬類取締法は廃止いたしております。従いましてこのポツダム政令が六箇月後に効力を失効いたしますると、何らの取締りがないことに相なりますので、それで現在の段階におきましては、現在の政令の程度の取締りを引続き実施する必要があろう、こういう趣旨で、との法案の御審議を願つておる次第でございます。なお将来の情勢に応じましては、取締りの方針をかえるなり、あるいはまた法規の内容をかえる方が適当であるという場合には、その際に十分に研究をいたしたい。一応六箇月先に、現在の政令がそのままで切れてしまつて、取締り不可能の状態になるということは、治安上重大であると考えますので、これを引続き法律として、現在の情勢の続く限り、取締りを継続したい、こういう趣旨でございます。
○大矢委員 これはほかの人でけつこうですが、この表によりますと、違反調査の件数の送致の中に二万六千四十七人とありますが、このうちで実際はどれだけ体刑なり罰金なりあつたのか、この点はわからないのですか。
○中川(董)政府委員 この調べましたものは、送致いたしました人員でございまして、その後裁判の結果どういう判決を受けたかにつきましては、正確な調査は持つておりません。
○大矢委員 あとからひとつお知らせ願いたい。
○大石(ヨ)委員 大橋さんにちよつとお尋ねいたしますが、実はあの元の軍港でございますね。横須賀、呉、佐世保、舞鶴、この四大軍港に住んでおりますものは、元の軍港の土地を拂下げてもらつたり、いろいろなことで営業しておる人間が、多数あるのでございますが、この協定によつてもし軍事基地になつたときに、今まで自分たちが会社で営業しておつたのが、いつこれを引上げるかも上れないというので、この四大軍港は非常に動揺を来しておるのですが、大橋さんの御存じの程度において、この四大軍港は、はたして軍事基地の中にあるか、御存じの点をここで詳細ちよつとお聞きしたいと思うのでありますが、いかがでございましようか。
○大橋国務大臣 実は行政協定につきましては、岡崎国務大臣がやつておられまして、私全然現在承知いたしておりませんので、どうぞあしからず。
○金光委員長 本日の質疑はこの程度にいたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後零時三十六分散会