地方行政委員会 第4号
- 発言数
- 8 件
- 登壇者
- 3 名
- 会派数
- 1
- 開催日
- 1952/01/31
会議録
○金光委員長 これより会議を開きます。 この際お諮りいたします。すなわち、理事龍野喜一郎君より理事を辞任したき旨申出があります。これを許すに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○金光委員長 御異議なしと認め、さよう決します。つきましては理事が一名欠員となりましたので、これより理事の補欠選任を行いたいと思いますが、これは投票の手続を省略し、先例により委員長より指名するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○金光委員長 御異議なしと認め、大泉寛三君を理事に指名いたします。 —————————————
○金光委員長 これより都合により、派遣委員の報告を聽取いたしたいと思います。すなわち、本委員会は、議長の承認を経て地方財政に関する調査のため、委員を派遣いたしたのでありますが、これより順次その報告を聽取することといたします。 まず第一班の大泉寛三君よりその報告を聽取いたします。
○大泉委員 御報告申し上げます。地方財政に関する国政調査のため、東北地方に参りました第一班について、便宜私から御報告申し上げますが、今回の調査は、先般来平衡交付金増額等に関連して問題となりました地方財政の実態についての調査であつて、詳細な調査資料を集めて持つて来たのでありまするが、具体的かつ詳細なことは資料について他の班の方々と連絡いたし、また財政に関する小委員会等でも御検討があるかと思いますので、ここではとりあえず簡單にただ行つて参つたということと、大まかな印象だけを申し上げて御報告にかえたいと思います。 第一班は藤田、大泉両委員が丸山調査員を伴いまして、秋田、青森両県に参り、両県ともそれぞれ県庁と県下の市町村を見て来たのでありますが、この両県はいずれも代表的な東北地方のいわゆる積雪寒冷地帯でありまして、財政的には恵まれない地方であります。大体県も市町村もきゆうくつな財政を運営しておりまして、両県とも本年度それぞれ数億の赤字を出すことになつております。秋田県では半数近くの町村が赤字の状況であり、従つて職員の給與引上げも、大部分の町村ができない実情であります。両県に共通な点は、積雪寒冷地として一般生産力において不利な條件のもとにあり、その上道に被服、燃料、除雪、道路費等に多くの経費を要するので、これが財政に及ぼす影響については、中央諸機関が今日以上に認識を深められて、その対策を講じてほしいということであります。たとえば地方財政平衡交付金制度におきましても、基準財政需要額の算定に関しては、現在も若干の補正の道が講じられてはおるが、あまり実際とかけ離れておるので、さらに実情に即した、積雪寒冷地帯に特別なる補正を考慮すること、また積雪寒冷地帯、いわゆる單作地帯の振興臨時措置法の効果についても、国の財政措置が二十億円の少額ではその目的を達しがたいから、さらに拡充して補助額を引上げて、寒冷地帯の要望に沿うべきであるとの強い希望があつたのであります。なお二、三具体的に申しますならば、平衡交付金制度につきましては、交付金の総額が増加されない限り、県と市町村とが奪い合いの結果となるおそれがあり、交付金の分配については、寒冷度の級別の合理化など、配分の適正をはかる必要がある。また交付金の時期についても、他の国庫の支出金と同じく、事業の実施の季節の関係から、時期遅れにならぬように、早目に交付されたいということを望んでおります。この点に関連して、積雪寒冷地帯としては会計年度の定め方について改正はできぬかという意見もあつたのであります。起債についても種々の不利をこうむつておるが、特に水道、消防、町村役場建築等について、その認可を得たいとの要望があり、六・三制校舎の設備についても、屋内体操場は積雪地帯としては絶対必要なものだが、現在まだ普通教室すら整つていない現状であります。地方税法については、附加価値税の実施は、やはり徴税費が増す上に、かえつて税収は減収となり、青森県では現在の事業税に比して、標準税率で五三%の減収となるとのことであります。またりんご税のなくなつた今日、県としては直接農村とのつながりを持つた法定の県税をほしいとの希望があり、秋田県では主要産業の一としての材木について、木材引取税を府県税にしてほしいとの要望がありました。 これを要するに大体において両県とも農山漁村県で、大工場等の固定資産税の税収の見るべきもの少く、おしなべて県も市町村も税収は少額で、これを本年度予算について見れば、県税收入の総収入額に対する割合は、秋田県は一三%、青森県は一五%で、これに反し平衡交付金と国庫支出金との合計額は、総收入額に対し、秋田県は六八%、青森県は六七%で、これでは財政の自主性はまつたくないわけであり、この上国が十分なる財源措置を講ずることなくして、地方負担の増加を伴う法律を制定することなきようにとの希望をしておるのであります。 なお青森、秋田両県には、ちようど先般来両県間の係争問題となつている久六島の問題があり、両県当局、特に県議会代表者から、それぞれ陳情せられるところがありましたが、この問題は昨年十二月末、閣議了解事項によつて一応政府としての処置がとられておりますので、やがて適切な最後の解決が導き出されることと思うのであります。 以上きわめて簡単でありまするけれども御報告といたします。
○金光委員長 次に第二班の野村專太郎君よりお願いいたします。
○野村委員 私からは第二班の御報告を申し上げます。 第二班は川本委員と私とそれに曽根調査員並びに法制局の藤野課長を伴い一行四名で参つたのでありまして、調査の対象といたしました団体は、四国では愛媛県と同県下の松山市、宇和島市、大洲町、吉田町、九州では大分県及び同県下の大分市、別府市、杵築町、奈狩江村と以上二県四市三町一村にわたつているのでありまして、短時日にしかも地理的に相当かけ離れた市町村を調査しましたため、きわめて限られた時間に要点のみを聴取するほかなかつたのでありますが、幸い詳細な資料を準備して参りましたので、他の班の資料ともつき合せて小委員会において検討審査を加え、何らか結論を見出したいと思つておるのであります。従つて調査の詳細は他の班と同様後日に譲ることといたしますが、概して申し上げますと、われわれの今回調査した限りにおいては、地方財政はいずれも予想以上にきゆうくつであり、一面税源の偏在のはなはだしいものがあるという結論が出て来ると思うのであります。大規模な工場施設を有する市町村を除いては、ほとんどが事業の繰越し、翌年度歳入の繰上げ充用という方途によつて、つじつまを合すよりほかない状態にあるのでありまして、一例を申しますと、宇和島市のごときは、年間税牧の総額に匹敵する金額を繰上げ充用にまつほかないという窮地に追い込まれているのであります。吏員の給與改訂のごときは予算に計上はいたしましても、これを実施しているところは皆無であつたのであります。ベースも国家公務員を上まわるものはまつたく認められず、定期昇給すら満足に行つていないところがあるのであります。もちろん各自治体とも極度に事業を圧縮し、人員の整理を行う一方、それぞれ工場の誘致や観光客の誘致、特産の奨励等財源の拡充、健全財政の維持に涙ぐましい努力を拂つているのでありますが、国の法令による経費の増加、災害復旧費の累増、あるいは戦災による打撃等のため、いずれも歳出の膨脹に悩んでいるのであります。中には厖大な赤字を背負いながら、学校、病院等の公共施設にも分不相応な巨費をつぎ込んでいるように見受けられるところもありまして、県地方課から財政運用に関する助言ないし批判を受けているようなところもあつたのであります。戦災に加うるに台風の災害、しかも産業不振による税收減等悪條件の重なり合つた市町村の苦しさは想像に余るものがあるのであります。これに反しまして大規模な工場施設や発電所等を有する団体は、相当以上に税収が伸びて、たとえば愛媛県の松前町のごときは聞くところによりますれば一レーヨン工場の固定資産税だけで優に町政をまかなつて余りある状態であつて、他町村の羨望の的となつていたのであります。かような税源の編在は税制の一大欠陷でありまして、全体としての地方財政の上に、大きな失費があると思うのであります。今にして調整を加えなければ、将来抜きがたい禍根を残すこととなるであろうことを恐れるのであります。 最後に、地方財政の自主的財源が乏しくかつ弾力性を欠く結果、国庫への依存度が年とともに増大する傾向が認められるのであります。今試みに本年度各地方団体の税収入が、一般予算の総額に対して占める割合を申して見ますと、愛媛県二二%、大分県一六%、大分市四九%、大洲町三八%、別府市三五%、杵築町三三%、吉田町三二%、松山市三〇%、宇和島市二九%、奈狩江村一九%となつているのであります。これに対して平衡交付金は最高大分県の三二%、最低別府市及び大分市のそれぞれ一一%、これに国庫支出金を加えますと、国庫依存率は最低大洲町の三三%、最高大分県の六二%ということになつておるのであります。税収入が国庫に依存する経費を超過するものは、わずかに一市一町があるにすぎません。税収入の占める比率の大小をもつて、ただちにその地方団体の財政の健全性を論ずることは早計でありますが、自己財源中の大宗たる税収入が、総予算の半ばにも満たないということは、国庫への依存度を高める結果を招き、地方自治はその限度において、後退せざるを得ないと思うのであります。これはまことに根本的な問題と思われるのであります。 以上調査によつて感じましたところを、二、三申し上げまして、一応の御報告といたします。
○金光委員長 第三班につきましては、次会に報告を聴取することといたします。 ただいま第一班、第二班の派遣委員の報告を聴取いたしましたが、これに対し何か御質疑なり、御意見があればこれを許します。——格別御意見もないようでありますから、本日はこれにて散会いたします。 午前十一時五十九分散会