大蔵委員会 第108号
- 発言数
- 38 件
- 登壇者
- 5 名
- 会派数
- 1
- 開催日
- 1952/07/30
会議録
○佐藤委員長 これより会議を開きます。 議案の審査に入ります前に、ちよつとお諮りいたします。それは閉会中審査の件についてであります。昨日の委員会におきまして、高金利等の板締に関する法律案外二法案を閉会中審査事件として、議長に申出することに御決定願つた次第でありますが、本委員会において目下国政調査を行つております税制に関する件及び金融制度に関する件の両件につきましても、これを閉会中審査事件として議長に申出したいと存じますが、この点御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○佐藤委員長 御異議ないようですから、さよう決定いたします。 —————————————
○佐藤委員長 なお閉会中審査を行うにあたりまして、実地調査のため委員派遣を行う必要が生じました場合、その手続等につきましては、すべて委員長及び理事に御一任いただきたいと存じますが、この点も御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○佐藤委員長 御異議ないようですから、委員派遣の件については、すべて委員長及び理事に御一任願うことに決定いたしました。 —————————————
○佐藤委員長 次に理事の辞任及び補欠選任の件についてお諮りいたします。実は本日理事高間松吉君が理事を辞任せられましたので、これを許可し、その補欠として奧村又十郎君を理事に指名いたしたいと存じますが、この点御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○佐藤委員長 御異議ないようですから、奧村又十郎君を理事に指名いたします。 —————————————
○佐藤委員長 次に本日の請願及び陳情書日程を一括議題として、まず小委員長の報告を求めます。請願及び陳情書審査小委員長宮原幸三郎君。
○宮原委員 大蔵委員会請願及び陳情書審査小委員会における審査の経過並びに結果について、小委員長より御報告申し上げます。 会期延長に伴いまして、六月三十日以後本委員会にさらに付託されました請願件数は十件、送付せられました陳情書は十一件でありまして、請願につきましては昨二十九日小委員会を開会し、紹介議員及び関係政府当局の出席を得て慎重審議検討の結果、次の結論を得た次第であります。 すなわち日程第一、第二、第四及び第六ないし第一〇の各請願は、いずれも採択の上内閣に送付すべきものと議決し、日程第三及び第五の各請願は、いずれも留保すべきものと決定いたしました。 なお陳情書につきましては、すべてその趣旨を了承すべきものと決定いたした次第であります。 以上簡單に御報告申し上げます。
○佐藤委員長 小委員長の報告は終りました。 これより請願及び陳情書の採否を決定いたします。請願及び陳情書につきましては、小委員長の報告の通り決定するに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○佐藤委員長 御異議ないようですからさよう決定いたします。 なお報告書の作成その他については委員長に御一任を願います。
○佐藤委員長 次に金融制度に関する件を議題として質疑を行います。質疑は通告順によつてこれを許可いたします。三宅則義君。
○三宅(則)委員 私は二、三点だけ先に質疑をさせていただきたいと存じます。この前も質問いたしましたが、最近の情勢におきまして、ことに中小企業の金融については最も関心を持つておる一人でございます。要するに商売いたしますのに、金融難で困るというのが現状でありますから、この金融難の打開のためには、あらゆる魚皮から政府もひとつ御考慮を願いたい、こう考えます。時にかつてわが国において最も親しまれておりましたところの国民金融公庫、本国会におきましても、これに対しまする資金の融通等について審議をいたしたのでありまするが、現状を承つてみますると、七月には特に引揚げ援護者もしくはそれらに相当します者等を考慮いたしまして、相当残つておるそうでありますが、実際は貸していない、こういうことを聞いておるわけでございます。貸してないわけではないが、貸しておるのが減つて来た、こういうわけでありますが、これは資金量を相当増さなければならぬということに結論がなるのであろうと思います。政府はさらにこれらに対しまして、資金を増す御用意を持つておられますかどうか、それをひとつ承りたいと思います。
○河野(通)政府委員 お答え申し上げます。中小金融の円滑化と申しますか、打開につきましては、かねがね私どもといたしましても、できるだけの努力をいたして参つたのであります。特に今お示しのように、国民金融公庫につきましては、非常に申込みに対して貸出しが実際できる金額の割引というものは、どうしてもまだ十分に行かない。この原因はいろいろありますが、やはり何と申しましても、一番大きい原因は資金量が十分でないということであろうと思います。国民金融公庫の性格から行きまして、この資金はすべて一般会計その他の財政、あるいは資金運用部等の政府資金によつて、これをまかなつて参らなければなりません。しかるに現在のところでは資金量を拡充いたしますためには、やはり予算の形によつてどうしても国会の御議決をいただかなければならぬという段階になつておるのであります。財政全体の問題もございます。私どもは財政事情の許す限り、これらの中小金融機関の資金量を拡充して行くということに、努力をいたして参りたいと思いますけれども、この財政の問題につきましては、現在いろいろな関係で、まだ政府としても方針がきまつておらぬようでありまして、私どもはこの席で、いつどういう形でこの資金量の拡充が実現できるかということを申し上げることは、まだその段階に来ておりません。私の希望といたしましては、できるだけ早い機会に財政の許します限りにおいて、この資金量の拡充に今後といえども努力をいたして参りたい、かように申し上げることでお許しをいただきたいと思います。
○三宅(則)委員 今銀行局長のお話でございますが、これは末端のことでありますから、銀行局長の方にはまだ届いていないかもしれませんが、私どもが現地を視察いたしてみました結果によりますと、こういうふうになつております。私は東京と名古屋を見てまわつたのでありますが、東京におきましては六月、七月でいわゆるお盆の資金を融通いたした、こういう関係でいわゆる枯渇——水が切れた、こういうふうに申し上げた方が適当かと思いますが、資金量が枯渇いたしております関係上、八月にはおそらくいくら申込みがありましても、今の例からいたしますと、三分の一ぐらいに減じなければならぬのではないか、こういうふうに言つておるわけであります。そうしますと、善良にしてまた活発なる活動をしようという中小企業者にとりまして、非常にその恩恵が薄くなる、こういう結果を生ずるかと存ずるのであります。また一方地方では、名古屋を見ましたところによりますと、名古屋の方ではことに資金量も少いでありましようが、名古屋市内だけを中心に考えておりまして、それらに付属いたしておりまする、従属いたしつつある町村あるいは市等におきましては、ほとんど出まわつていないというような現状である。この原因は資金量が足らぬことが一つと、もう一つの重大問題は係員が足らぬ。調査に行こうと思いましても、なかなか調査に行けないということがたまたまありまして、お申込みを受けられないという実情でありまして、やはり周辺都市、名古屋でありますと苅屋とか岡崎とか碧南とか、あるいはそのほかの周辺都市もあるわけでありますから、そういう周辺都市までも手を伸ばしましてやるという方向が必要であろう。それにはもちろん余分なことでございましようが、三割方人員をふやしてもらいたいということを、また直接承つたわけでございます。私はこれを両方勘案いたしますと、東京のようなところ、もしくは地方におきましても、資金量を増大することと、次は調査人員をもう少し充実する。三割方くらい増してもらつて、迅速果敢に供給に応ずる、こういう制度を示してもらいたいということを聞いたわけでございますが、銀行局長はどう考えておりますか、承りたい。
○河野(通)政府委員 資金量の問題につきましては、先ほど申し上げました通りでありますが、特にお示しのように六月、七月から非常に申込みがふえて来ております。これは今お話の通りであります。その上に持つて参りまして例の災害関係、あるいは鳥取でありますとか、あるいは最近の大阪、和歌山等の災害関係、遠くは北海道の十勝沖の震災のとき、これらにつきまして国民金融公庫は、特別の資金の援助をいたしました。これらの関係から、非常に当初予定いたしておりませんような資金が、相当出ておるといつたような点もございます。それらの点で非常に資金量が予定よりもさらに逼迫いたしておりますことは、お示しの通りであります。この点につきましては、先ほどお答え申し上げました通り、今後できるだけの努力をいたして参りたいと考えております。 それから第二点の人員の増加の問題でありますが、この点もお話のように非常に人手が足りないで、従業員の方方が非常に夜おそくまで御苦労になつておることを、私ども承知いたしております。この点につきましても実情に応じまして、できるだけ無理のないように、予算上の措置を考えて参りたいと思いますが、その一つの助けといたしまして、先般国民金融公庫の法律の改正を御決定いただきました。これによりまして公庫従業員の給与につきましても、ある程度の——これは十分に参りますかどうかわかりませんが、相当程度の従業員の待遇改善もできます。これらとあわせて今お示しの点は十分考えて参ります。 なお店舗その他の問題でありますが、この点は国民金融公庫がどうしても中小企業というものの金融機関として、ほんとうはずつと末端までたくさんの店を持つということが、一番いいのかと思いますけれども、これはやはり公庫の性格等からいいまして、おのずからそこに限界がある。従いまして私どもはいつも申し上げておりますように、代理貸しの制度、代理所の制度をできるだけ活用していただく。これによりまして今お話のように、名古屋の周辺等につきましては代理所の制度をできるだけ活用して、これに資金をあとう限り多く配分することによつて、公庫の人手が足りない、あるいは店舗の数が十分でない点はできるだけ補つて行く。それでもなおかつやはり公庫自体としても十分でない点がありますので、これらの人員の増加、店舗の増設等につきましては、今後必要に応じて考慮して参りたい、かように考えております。
○三宅(則)委員 たいへん末端のことになりまして恐縮でございますが、今われわれといたしましても銀行局長のお話になりました通り、国民公庫に対しましては、公務員ということをはずしてあるわけであります。私の承るところによりますと、公務員ははずれたけれども、まだ給与はかわつてないと言つておりますが、実際いつごろから御改正になるおつもりでありましようか。改正になつても黙つておるのでありましようか。その辺を御調査になつたかと思いますが、承りたいと思います。
○河野(通)政府委員 給与の改善の問題はできるだけ早く実行いたしたいということで、公庫からもすでに私どもの方に申入れがございました。この原案につきまして、現在他の同種の金融機関との振合い等をにらみながら、また予算との関係を見まして、現在私どもの部内で、具体的に申しますと、主計局等と今打合せを続けております。できるだけ早い機会に、さかのぼつて給与の改善をいたしたい、かように考えております。
○三宅(則)委員 今の銀行局長のお話によれば、できるだけすみやかに他と勘案をしてやるということでありますからして、ぜひ実行していただきまして、早く国民大衆に喜ばれ、また感謝さるべきこの金融の円滑を期したい、かように考えるわけでございます。 もう一つ重大なことを承つておきませんでしたが、今の政府といたしましては、最近の機会にこれを全部補正予算等において、そういうような資金量を増大する御用意を持つておられますか。これを承つておきたいと思います。
○河野(通)政府委員 この問題につきましては、私から実はお答え申し上げる資格もないのであります。いつ補正予算が組まれますか、これは私どもといたしましては、十分承知をいたしておりません。しかしできるだけ早い機会に、国民金融公庫の資金量を拡充する方向に、努力をいたしたいということだけを申し上げて、ひとつごかんべんを願います。
○三宅(則)委員 ただいま議題になつておりますところの高金利等の取締に関する法律案は、これは継続審議になつておるのでございますが、私どもは各地をまわつてみまして、前にも申しましたが、相互金融ということにつきましては、あまり感心しない、こういうことを考えておるわけでありますから、こういう相互金融に類するようなもの、もしくは相互金融と申しまして、経済保全会とかなんとかいつておりますが、そういうものをもう少し厳重に取締るようにいたしたいという観念がありまして、私この前にも質問いたしましたが、その後法務局その他と関係を持たれまして、いかようになつたか、承りたいと思います。
○河野(通)政府委員 この問題については法律の制度としては、ちやんとできておるわけであります。全然抜けたところはございません。と申しますのは、いかなる名目をもつてするを問わず、実質上預金を受入れることは銀行法違反である。これは無免許金融業として制裁を受けるわけであります。問題は現在相互金融とかあるいは今お示しの経済保全会等のやつております行為、これが一体預金の受入れであるかどうかという点は、これは結局裁判になつてみないとわからないということであります。法律制度としては、はつきりできておるわけであります。これについては私個人としていろいろ意見がありますが、責任の地位にあります関係上、今ここで個人的意見を申し上げることは差控えたい。問題は法律制度はできておるのだが、結局それがその違反になるかならぬかということは、裁判でなければきまらぬという段階にあります。しかしながらさればといつて、私は責任を転嫁するつもりはございません。これらの事実上行われております金融の制度が、国民大衆にできるだけ迷惑を及ぼすことのないように常に念願しておるので、それ以上のことはちよつと私この席で、まだ申し上げる段階ではないのであります。法律制度としてはできておるということだけは、はつきり申し上げておきます。
○三宅(則)委員 もう一点だけ。私はただいま銀行局長が率直にお話になつたようでありますが、やはり相互金融でありますとか、あるいは国民大衆から資金を集めまして貸し与えておる経済保全会とかいうような問題は、大いに取締ることこそ必要であつて、看過すべきものじやない、こういうような私見を持つておるわけでございますから、さつそくに法務局その他と関係を持たれまして、やはり大蔵省自身が監督をするという熱意を示さなければならぬと、私は思うのでありますが、今のお話によりますと、はなはだむずかしくて手がまわりかねるというような御趣旨かとも存じますけれども、われわれは各地方の財務局あるいはその他のものを動員せられまして、実情に即した金融、しかもまた感謝せらるべき中小金融、こういう点を堅持するように、ひとつ御指導並びに御盡力が願いたいと思いますが、もう一度御答弁を願いたい。
○河野(通)政府委員 お示しの通りの趣旨でやつて参りたいと思います。ただ法務府その他との関係につきましては、われわれ打合せはいたしております。しかしまだ結論に到達いたしておらぬ、こういうことでございます。
○宮幡委員 午前の時間もありませんし、お尋ねするなら根本的な問題を少し検討さしていただきたいと思います。時間がございませんので、三宅君のお話できようは午前中終るのが適当かと思いますが、わずかな時間、二、三お尋ねしておきたいと思います。 理論をはずれまして、大体具体的問題の一つとしてかねがね問題になつておりましたオーバー・ローンの是正ということについて、自由党としても政調会の名におきまして要領を発表いたしたわけであります。この要領なるものは、自由党の全政策の一環ということでありましようが、これをもつて全部の問題を解決しようとするものではないのです。これに対しまして大蔵省あるいは日銀等は相当批判的なものがありまして、それぞれ新聞や雑誌の中にも散見できるのであります。しかし根本問題はかようなことによつて解決せらるべくもない。あえて私は自由党の案に党員として反対するものでもありませんが、どうもこれだけで必ずできるというわけには参りません。要点は御承知の通り政府は保有外貨のうち、貿易などに必要な額を除いた剰余部分を日銀に売り渡す。日銀はこの外貨を通貨の発行準備に充てる。政府は外貨売却で得た円資金を開発銀行に預託する。開発銀行はこの資金で市中銀行の貸出しのうち、長期固定化している部分を肩がわりする。市中銀行はこの肩がわりによつて回収した資金を、日銀借入金の返済に充てる。これは簡單に申せばオーバー・ローン是正の構想であります。しかしながら外貨の余剰部分の算定などという問題については、相当議論もありましよう。そこでただ私が大蔵省で発表しております点について、どうも了解のできない言葉が一つある。外貨の発行準備の制度を設けると、管理通貨との間に相いれない矛盾が生ずるであろうということが、大蔵大臣の話としてしておるのでありますが、こういうことが大蔵省の中に実際あるのかどうか。これは深くやれば切りない議論でありますが、その点だけ私はこの際確かめておきたいと思います。管理通貨制度と発行準備とによるものとの両制度は相いれない、こういう意味でありますが、そういう議論がありますかどうか。これはごくさくい話でありますが、りくつを申すわけではなく、どうも私は納得できない。管理通貨があり、一方は外貨発行準備に引当てた。それは別に通貨の形式の標示等をとらない限りにおいては、イギリスで申します一つの金ドル準備というものとは、少し違うでありましようが、おおむねさような線であるいは対外信用を価価づけるものでありまして、その反面には好影響もあろう、さらには金、ドル準備のような制度に、通貨制度が移行するであろうと考えられるだけの惡い前提になろかもしれません。これらにつきましても、管理通貨制度と相いれないということを言つておりますが、どういう点でありましようか。もしこの問題が、重要問題でありますので、あるいはここでお答えをすぐにいただくのが不適当ならば、保留せられて休会中にでもまたその御構想をお示し願いたい。それまで私の方も十分研究しまして、何か一文をものしまして、系統立つてお話合いをしてみたい。とにかくオーバー・ローンの是正という問題は、いろいろ議論があるのでありまして、これを取上げましたわが党の政調会の真意はどこにあるか。しかし自由党の政調会が取上げました案であります以上、与党であります関係で大蔵当局の意見もまあ大同小異という線でなくちやいかぬ。それがあまりに隔絶した議論になりますと、これは何ら価値がないのでありまして、この線を私は若干調整してみたいというのが、お尋ねする趣旨であります。本日はおわかりの程度で御意見だけ聞き逃して、詳しいことは休会中の審査その他の機会に譲りたいと思います。
○河野(通)政府委員 オーバー・ローン是正の問題について、これは非常に大きな根本問題でありまして、御案内のようにいろいろな意見が出ておるわけであります。根本問題につきましては今ここでいろいろ御議論を申し上げるだけの用意を、私ども持つておりませんが、今具体的な問題として、自由党の政調会で一つの結論が出ておるというようなことをお示しになりましたが、私はその考え方は実は新聞で拜見いたしました。従いまして政調会といいますか、自由党としてそういうことがおきまりになつたのかは知りません。これは皆さんの方がよく御存じでありますが、少くとも正式に自由党の政調会から御相談を受けたことはないわけであります。どこかの新聞に日銀、大蔵省はこれに批判的だということを言つておりますが、私ども別にこれに批判を加えたこともないし、また研究をいたしたこともないのであります。その御提案について実はよく承知いたしておらぬのであります。従いまして私もその過程としてお話を申し上げるだけの検討がまだできておりません。従いまして結論といたしましては、本日のところはこのお示しのような案がもしかりにありとすれば、どうだということであれば、もう少し研究をさせていただかないと、何ともお答えができません。それから実は私もけさ大蔵大臣のこの問題に対する見解という点を、新聞で見たわけであります。この点大蔵大臣がどういう趣旨で覆われたかは私はよく存じません。従つて私がこれをお答えすることもできないのであります。事柄自体をまだそういう問題として、私ども大蔵省として別に正式に取上げて研究いたしておらぬわけでありますから、そういう案をもし自由党として御相談をいただくことになりました場合には、十分検討いたしたいと思います。本日のところは研究をいたすということで、留保さぜていただきたいと思います。
○宮幡委員 その問題はそれでけつこうだと思います。お互いに研究してみたいと存ずるわけです。 次にごく簡単なことでありますが、外資導入の呼び声が大分盛んになつて参りまして、その一つの例としまして動産設備の信託ということが考えられる。あるいはこの線がもし引かれるといたしますと相当利用せられるではなかろうか。これは個人的な観測でありますが、期待ができるわけであります。大蔵省としましては動産設備信託制度を、必ずしも外資導入と固定しなくともよいのでありますが、これを実現して行こうという構想をお持ちになつておるかどうか。もしありましたならばその概要をお示し願いたい。
○河野(通)政府委員 この動産設備信託、イクイプメント・トラストと申しますか、この問題は実は去年以来いろいろな形で研究を進めて参つております。お示しのように、この問題は国内の金融を楽につけるという面と、外資を導入いたしますための一つの手段としてこれを利用したらどうかという点と、実は二つあるわけであります。国内の問題にこれを限つて考えますならば、現在国会の御審議をいただきました貸付信託という制度が、実はできておるのであります。この貸付信託の制度は、動産設備信託と実質上非常に似た制度であります。金を集めてその金を設備をする者に貸すという形で行くか、動産信託のようにその設備を自身が保有する形で、貸して行くといつたような形がよいかという問題になると思いまして、実質におきましては、貸付信託の制度を活用するならば、国内的円資金の問題の関する限りにおきましては、ここでは一応解決するのではないかというふうに私ども考えております。 第二の外資導入の問題といたしましては、どの程度この制度の実行によつて外資が導入できるものであるか、この点について私どもはまだ確たる見通しを持つておりません。しかしもしこの制度がほんとうに意味を持つとすれば、外資の導入との関係を考えて初めて意味があるわけであります。貸付信託で同じ制度ができた以上は、国内円資金の問題としては大体それで解決できるのじやないかと考えております。現在外資導入との関連につきましては、いろいろ情報等を集めて検討を加えておる段階であります。まだ結論に到達いたしておりません。
○宮幡委員 貸付信託の制度とあわせ考えた動産設備信託というものが、国内的には実現の可能性があるというお答えでありまして、これは私ども大いに期待してよかろうと思うのであります。外資につきましては、外資法との関係もあり、日本の国際的信用力等を対象とした問題でありますので、国際通貨基金の代表として池田さんなり、あるいはその代理として一万田さんなりおいでになりました場合に、あるいは渡邊公使が常務理事として働く等の場合において、世界銀行等の関係において相互的な問題であると思いまして、これはただちに結論は得にくいと存じます。けれども考えてみますと、どうしてもかような制度をもつて外資導入の道も開いて行くべきである、こうう総括的な観念は持ち得るわけでありますから、これらにつきましても金融制度の一環としまして、ぜひ不断の御研究をお願いいたしてわく次第であります。 次にまた小さな問題でありますが、面接金融関係ではありませんが、金融を促進するという意味になりますか、保險制度の一つに債券を対象といたします保險制度を実施し、貸付債券を対象とする保險を実施する、こういうことによつて貸付金の回収を担保して行こうということが、盛んに言われておるのであります。これは保險関係でありますから、必ずしも銀行局だけの考え方というわけにも参りますまいが、現在の状況においては銀行局が中心になつてお考えをいただき、貸付債券を保險にするという制度は実施すべきであるかどうか、また実施することが可能であるかどうか、この点について簡単でよろしゆうございますから、御説明をいただきたいと思います。
○河野(通)政府委員 債券に対する保險は一種の信用保險になると思います。この制度につきましては、実は保險も私どもの所管になつておりますので、両者の関係から今検討を加えております。やり方によつては一種の二重保險になる点もあるわけであります。それらの点等も十分に、いかなる方法で調整を加えて行つたらいいか。そういう点について調整が加えられて、二重保險といつたようなことにならないで済む制度ができますたらば、私はこの制度は認めてやつてもいいのじやないかという考えでおりますが、なお今その方向には検討を加えておるという段階であります。
○宮幡委員 普通損害保險と信用保險制度を併用したら、これは二重保險になるということは確かであろうと思います。二重保險になつて惡いかどうかということが問題なのです。この点は信用保險制度というものと見合いますと、どうもやはり二重保險的になる、そこに詐欺の目的等があつてはいけませんのですが、そういうものを防止する手段さえあるならば、ぜひこの方面にも実施の意欲を進められまして、御研究をいただきたいのであります。これは事実の裏を見ますと、この制度がなくては是正されない、いわゆる金融裏街道の弊害がかなりあるのであります。これらはこの制度によつて救われる面が相当あるのでありますから、これはなお御研究をいただきたいと思います。 時間もありませんから最後に、休会中によく考えてみたいと思つております問題として、銀行経営の健全化ということであります。具体的な例は私が申すまでもなく、店舗の濫設等にも十分思いをいたさなければならぬが、第一の問題はまず経理基準をもつとシビアーにするということでありましよう。従つて店舗の濫設等も適当に調節して、いわゆる自由競争を逸脱しました不正競争という事態が起らないように、政府がやつて行かなければならない。あるいは能率向上については、よく言われます銭單位の取引の整理というようなことも、話題になつておると思いますが、この銀行経営の健全化——いわゆる金融制度は長期と商業銀行と確然と区別されて、順次正常な形になるのでありますが、この機会において、一般市中銀行に対しますところの健全化ということは、どうしても進めなければならないことであろうと思う。これについて概括の構想を要領だけでけつこうでありますから、お示しを願いたい。
○河野(通)政府委員 金融機関、ことに銀行の公共性と申しますか、そういうものが他の企業に比べて非常に強いという点から、これらの企業の経理をできるだけ堅実化して行つて、一方において預金者の保護に欠くるところのないようにするとともに、取引者に対するサービスをできるだけ改善して行く。あるいはその経理の堅実化によつて、余裕があれば貸出し金利を下げて行くとか、そういうことによつてできるだけサービスを向上して行くようにしなければならぬという基本的な考え方については、宮幡さん御指摘の通りだと思います。具体的な問題といたしましてはかねがねいろいろな形でこれをやつて参つておりますが、問題といたしましては、今お示しのような経理基準、これらも従来の考え方におきまして、やはり経営収支の割合というものを——経費支出における収支の割合といものをだんだん低くして行く。当初は八十五ぐらいで押えて参つたのでありますが、前期は八十ということで押えて参つたのでありまして、近くはこれを七十八からだんだん正常な状態に持つて行く、そういうように経営収支の健全化をはかつて参り、経費の節減にできるだけ努めて参りたいと考えております。これによつて一方において内部の充実をはかりますとともに、取引先に対するサービスの向上に、できるだけ努めて参りたいと思つております。 それから店舗の問題でありますが、特に大都市——東京、大阪等の繁華街における銀行の店舗が、実は非常にたくさんあり過ぎる。言葉は非常に惡いのでありますが、まあ目ざわりになるという程度までできておりまして、こからの点について実はいろいろ各方面から御批判をいただいておるのであります。これらの店舗の点につきましては、程度問題でありますが、率直に申し上げますならば、現在店舗は大都市において、少し濫設になつておるのではないかというふうに考えております。これらの点につきまして、行政措置としてどういうふうに持つて参りますか、なかなか困難な問題でありますけれども、御指摘の点によつて、できるだけ経費を節減して能率を上げて行くような方向において、この店舗の廃止の問題につきましても、深甚の考慮を払つて参つております。既存の店舗をやめさせるということは、実際問題としてなかなか困難の点があるの参りますけれども、御指摘のようなライゾに沿つて、行政上可能な範囲において善処いたしたい、かように考えておる次第であります。 そのほか経理の堅実化につきましても、いろいろの点でまだしさいな問題がたくさんございますが、これらの点につきましても、一々私どもの方で十分たる配意を加えております。たとえば配当の問題につきましても、人件費全体の問題につきましても、干渉という意味でなくして、経理の堅実性を期するという意味から、いろいろた形で具体的な行政上の指導はいたしております。今後においてもこのラインは続けて参りたいと考えておる次第であります。
○宮幡委員 最後に一つ、これは結論をいただくことは無理だと思いますから、どういう状況に今進んでおるかということだけ伺います。問題は、簡單に申せば第二封鎖預金の復活の問題であります。第二封鎖預金は大体百八十億程度だと思いますが、これが打切りになつているわけであります。最近の国際決済銀行の配当及び払込金の返還が十四億程度、それから調整勘定の利益金が六十四、五億程度あります。それと賠償指定施設の解除の関係で、やはり十二、三億出るでありましようが、合計して約百億というものが復活して来る。これだけのものができて来るのであります。そうすると、この場合百八十億の打切りになりました第二封鎖預金を復活して行くかどうか。これは対外関係もありますから、一概には申されないと思いますが、こういう問題は貯蓄増強という面におきましても、こういうことが、まあ死んだと思つたが生き返つたという簡單な観念でよろしいと思いますが、そういうことが一番貯蓄増強に強力に響いて来るわけです。どの程度までこの第二封鎖預金の復活というものが今考えられておるか、あるいは事務的にどの程度まで進行しておるか、さしつかえない程度で、これは対外関係もありますから、しいて詳しいことまではお尋ねいたしません。
○河野(通)政府委員 具体的には、いわゆる金融機関の調整勘定の処理の問題に来ております。御指摘のように対外関係の問題は、あとでさしつかえない程度で説明さしていただきたいと思いますが、その問題を除外いたしますならば、企業の方の再建整備も大体見通しがつきました。その他の資産についても大体評価ができる段階にたつております。従いまして今のお話のような筋で、百パーセントまでは払えないにしても、銀行によつてみな違いますが、ある程度払える段階に来ております。金額は今お話のように、大体銀行について申し上げますと、約百八十億の調整勘定の負債に対して、大体百億近くの資産が今のところある。各銀行によつて違いますから、百パーセント大体それで払える銀行と、あるいは三、四十パーセントしか払えない銀行、いろいろありますが、大体おしなべていいますと、百八十億に対して百億という程度の計算に相なるわけであります。だだこの問題は、第一点は先ほどちよつと御指摘もありました対外関係、ことに海外に支店を持つておりました銀行における償権債務の関係がどう処理されるかによつて、最惡の場合には相当大きな影響を及ぼす。調整勘定で、打切られた第二封鎖預金者に支払いをして、その後何らかの対外関係で、大きな債務を支払わなければならぬということになつた場合に、その調整勘定で支払えないといつたようなことになつて来た場合に、どうするかという問題がある。従いましてこれらの対外関係の債権債務が、非常に大きなウエートを占めておる金融機関におきましては、これの処理がなかなかむずかしい。実際問題としてこの調整勘定の最終的な処理をいたすことについて、実にむずかしい問題があると思います。 それからもう一点は銀行だけに限つて申し上げますが、銀行の間にAの銀行は100%払えた。Bの銀行は三〇%しか払えなかつた。極端な例をあげますとそういうことで、これはしかたないのだと言つていいのかどうかといつた点も、私どもとしてはやはり全体としての立場から考えて参りたいと思います。 それからこれは銀行ではありませんが、たとえば生命保險会社等の再建整備の処理につきましても、これはやはり外国で、ことに中国、満洲あるいは朝鮮、台湾等におきまして、相当多額の生命保險というものが契約されておる。ことにこれは中国人とかあるいは韓国人とか、そういつた方々が被保險者になつておる契約も相当ある。こういつたものが、一体先ほど銀行について申し上げましたと同じような意味合いにおける渉外的な債権債務の形において、いかに処理さるべきかという問題が非常に大きな問題として残つておる。ただ銀行だけが何とか片づくにいたしましても、そういつた生命保險会社等の調整勘定の整理の問題も、やはり考えて参らなければならぬ。それからもう一点は、銀行にはあまりございませんが、無盡会社その他の金融機関におきましては、政府から補償を受けておる場合に、この補償をまず返さなければならぬ。そういたしました場合には、ある保險会社は一文も第二封鎖預金が払えないというような場合もあり得るわけです。そういつた点をどういうふうに考えて行くか等につきまして、なかなか困難な問題がございます。しかし私どもはこういつた戰後の整理の問題は、事情の許す限り片づけられるだけ早く片づけたいという気持を持つております。打切られた第二封鎖預金者の方々にも、可能な限りにおいてお払いをすることが、やはり今お話のように資本を蓄積するために、非常にプラスの効果があると考えますので、これらの困難な問題が実は非常に山積いたしておりますが、それをできるだけ早く解決いたしまして、打切られた第二封鎖預金者に、許す限りのお支払いをするといつたような方向で考えて参りたい。せつかく現在努力をいたしておりますが、ちよつと今一二の例をあげましたところでもおわかりいただけるように、なかなか困難な問題が多いのです。せつかく努力をいたしておる次第であります。
○佐藤委員長 この際お諮りいたします。本委員会におきましては、本国会中税制及び金融制度に関する件につき、鋭意国政調査を進めて参つたのでありますが、この際公認会計士法改正に関する件、並びに国有財産貸付及び処分状況調査に関する件の両件につきましても、閉会中種々調査する必要があると認められますので、右両件を閉会中審査事件として議長に申出することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○佐藤委員長 御異議ないようでありますから、さよう決定いたしますが、手続等につきましては委員長に御一任をお願いいたします。 —————————————
○佐藤委員長 それから右両件中公認会計士法改正に関する件の閉会中審査方針としましては、小委員会を設置いたし、調査を進めて参りたいと存じますが、この点も御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○佐藤委員長 御奥義ないようですから、閉会中審査方針として、公認会計士法改正に関する小委員会を設置することに決定いたしました。 なお小委員及び小委員長の選任につきましては、すべて委員長に御一任願いたいと存じますが、この点も御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○佐藤委員長 御異議ないようでありますから、小委員及び小委員長は委員長においてただちに指名いたします。 公認会計士法改正に関する閉会中審査小委員会 小委員長 大上 司君 小委員 有田 二郎君 大上 司君 奧村又十郎君 川野 芳滿君 小山 長規君 佐久間 徹君 庄司 一郎君 苫米地英俊君 三宅 則義君 宮幡 靖君 内藤 友明君 松尾トシ子君以上。 この際委員長より一言ごあいさつ申し上げたいと存じます。 今会期も本日をもつてい、よく終了いたすわけでありますが、本会期は会期を延長すること四回、昨年の十二月十日召集以来実に二百三十四日の長期間にわたつた次第でございます。この閲当大蔵委員会としましては、委員会を開会すること百八回、小委員会四回、連合審査会五回、公聽会二回開会いたしております。また国会全部の提出議案数は三百三十件でありますが、本委員会に付託されました議案数は実に七十五件の多きに達し、そのうち七十一件の審査を終了いたした次第であります。 委員各位並びに国会事務局各位におかれましては、この間熱心に御出席くださいまして、議案審査に多大の御協力をいただきましたことを、委員長といたしまして深くお礼申し上げます。 これにて休憩いたします。 午後零時二十分休憩 ————◇————— 〔休憩後は開会に至らなかつた〕