大蔵委員会 第107号
- 発言数
- 48 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1952/07/29
会議録
○佐久間委員長代理 これより会議を開きます。 本日は、駐留軍徴用の国有財産に関する件について、政府当局より説明を聽取いたしたいと存じますが、本件に関しましては宮原委員より質疑の通告がありますので、まずこれを許します。宮原君。
○宮原委員 今月七日から予備交渉が行われております国連との行政協定に関連しまして、まず大蔵省側の国有財産処理についてお伺いしたいと思うのであります。 第一にお伺いしておきたいことは、施設供与と申しますか、その問題について、国有財産を民有財産に優先して提供するとかいう原則は、かつて日米行政協定の予備委員会の第一次の会合かに、原則的に決定せられたということを聞いたのでありますが、この国有財産優先提供ということは、どういう根拠でそういうことを大蔵省が外務当局に同意をせられ、そして日本政府の方針になつたものであるか。皮相な考えからすれば、民有財産を保護するという点にあるのではないかと思いますが、全国的にこれを観察して行くと、民有財産を優先することはもちろんできないでしようけれども、これに差別をつけて、国有財産を優先提供するということを原則的にきめられるというようなことは、ことに旧軍港市のようなところはほとんど国有財産であり、これが市の盛衰、繁栄に絶大な影響を持つ。それをあるいは米軍といい国連軍という立場から、個人民有財産には影響がないからというので、国有財産の優先提供を日本政府がする、先方さんは無償でこれを使用する、こういうことになりますと、単に旧海軍を失つて、ややもするとほとんど元の漁村に転落する傾向のある旧軍港市のごときは問題であります。全国的に見れば他に多々例はあることでありますが、旧軍港市のごときは、まつたく浮ぶ瀬がないという結果に相なろうと思います。 〔佐久間委員長代理退席、委員長着席〕 その辺のところをもちろん勘案せられないわけではなかつたでありましようが、いかなる理由によつて特に優先というような方針を定められたものであるか。そんな方針などは初めから定めない方が私はよかつたろうと思う。これは大蔵省首脳部にお伺いすべきでありますけれども、本日は御出席が遅れるようでありますから、まずここに御出席になつております管財局の両課長に、お伺いしてみたいと思います。
○小林説明員 お答え申し上げます。ただいまの御質問のことでございますが、駐留軍関係につきまして、国有財産について優先的に扱うというようなことになつております。その優先といいますのは、むしろ提供を優先とするというのではなくて、民有の財産の方を返してもらうというような考え方であつたわけであります。民有財産の問題あるいは国有財産の問題、両方どちらが返還をしてもらうのに重大かどうかというような、いろいろな考慮をめぐらしておるわけであります。大体全体的に申しますと、国有財産につきましては、旧陸海軍関係の財産で、進駐以来すぐ向うに占領されておつたと申しますか、使用されておつたというようなことがございましたが、むしろ民有財産として民間の人が扱つておつた財産については、接収というような事態と幾分違つておつたようなこともございましたので、国有財産の方についてはそういう考え方になつたものだと思つております。この国連軍との関係につきしては、現在でのわれわれの聞いておる範囲におきましては、そうした国有財産優先であるとかいうような原則論的なものは、まだきまつてないように聞いております。問題は現在使用されておる施設につきまして、これが国連軍として必要かどうかという検討に入つておる段階じやないか、こういうふうに考えております。ただいま御質問のありました旧軍港都市につきましては、国有財産であるから優先だというような、特別の考え方は持たないのでございまして、国連軍に提供する必要があるかどうかというような見地におきまして、検討しておるというように御了承おき願いたいと思います。
○宮原委員 ただいまの御説明は一応了承いたしておきますが、現実の問題として、国連軍について米軍並というような取扱いに相なりませんように、御留意を希望いたしておきます。 それから第二にお伺いしたいことは、国連軍と日米行政協定の対象になつた米軍との性格の相違であります。この点は国有財産を御処理に相なる上において、ただに外務省だけでなく、大蔵省においても十分に御留意相なるであろうということは、私から申さないでもおわかりいただいていると思うのであります。これは外務当局に伺うべきことかもしれませんが、国連軍は内容を一皮掘り下げて行けば英連邦であります。英連邦は本国において、国連軍としての米軍の駐留を認めて、その駐留に対して相当の特権を与えておるということを理由の一つとして、そうしてしきりに米軍並の特権を主張しておるかのごとく伝わるのであります。これは新聞情報等でもすでに何回か伝わつて来ておる。外務省にはまたあとで聞きますが、大蔵省としてはこの国連軍すなわち英連邦の強い要求に対しまして、いかなる覚悟でもつて国有財産の処理に当ろうとせられるのであるか。これも大蔵省の首脳部の御方針にまつべきものと思うのでありますが、管財局としてのこれについての心構えを、一応この際お二人に伺つておきたい、こう思います。
○小林説明員 非常にむずかしい問題でございまして、御質問の中にありましたように、あるいはその衝に当られる外務省の御意見の方がよろしいかと思いますが、国有財産関係の仕事をやつておる者といたしまして、どういう心構えかという御質問でございますので、お答え申し上げます。 私の方といたしましては、いわゆる駐留軍につきましては、日米安全保障條約に基いて、日本に駐留する軍隊の用に供する国有財産あるいは民有財産もありますが、これを施設及び区域として提供するという関係として、われわれの方では考えておるのであります。国連軍というのは、そうした駐留軍とは異なるものというふうに考えておりまして、この法的根拠と申しますか、これにつきましては、私の方としては一応平和条約締結の際に結ばれました吉田総理大臣とアチソン長官との交換公文におきまして、国連軍ということがあるのではないかというように見ておりますが、具体的に国連軍の関係におきまして、国有財産がどういう関係になるかということにつきましては、まだ目下折衝中でございます。駐留軍の関係とは異なるのではないか、またどういうように異なるかということにつきましては、まだ未定であると言うほかはないのではないか、こう考えております。
○宮原委員 行政協定の全般のことは外務省のお取扱いであろうと思いますので、大蔵省の所管と思われる点について、やや具体的にお伺いしてみたい。 米軍の日米行政協定による国有財産等の施設使用について無償であることは、日米行政協定の二十五条の第二項でしたかに明文の規定がある。ただいまの大蔵御当局の見解によると、国連軍と米軍との間にはそこに差別を設くべきものである、こういう御見解であるようであります。この見解の上に立つて、施設の使用については、その間に当然の差別はなされなければならぬ。ついては第一点は、厖大な施設を使用しているのでありますから、これに対しては日本の民間が国有財産を使用する場合に支払つて来ておりますところの使用料、名称はいかが相なるか知りませんが、この使用料に相当するだけの有償使用、こういうことは当然の帰結であろうと思うのでありますが、これについて——外務省が折衝するのでありますから、最終的のことは大蔵御当局にはお見通しが立たないかもわかりませんが、しかし当初から申し上げましたように、国有財産については特に国会人といたしまして重大視しているのでありますから、いくら外務省が折衝に当るのであるからと言つたところで、大蔵御当局の御方針というものが日本政府の方針となり、外務省を動かし得る。この点について使用料を有償にするその額についても、相当のお考えがあろうと思う。この点についてどの程度のものを考えているか。なるべく具体的に、たとえば民間使用料並である、あるいはそれ以上どこかに線を引くか、こういう点について特に今日まで——すでに折衝段階がある程度進んでいる今日でありまして、相当の調査なり研究なりまた方針なりを、大蔵省管財局としてお立てになつていることと信ずる。これは決して最終決定のものでないかもしれませんが、おさしつかえない限りその辺のところを御説明願いたい、こう思います。
○小林説明員 ただいまの御質問でございますが、大蔵省といたしましては、その国連軍の使用の問題の一環として、国有財産の使用につきましては有償であることを希望しております。そうしてただいまどの程度有償の考えで、たとえば民間の方に国有財産を貸すような使用料と比較して、どういうふうな考え方であるかという御質問でございますが、まだこの点についてもどういうものか研究は十分しておりませんけれども、考え方といたしましては、ほかの民間の方々と同じような考え方で行くべきではないか、というように考えております。もし使用料を減額するとか、あるいは割引というような場合におきましては、これはもちろん法律的な関係を要するのではないか、というように考えておりますので、私の今の考えとしては、もしこれを貸すというようなことに国としてきまるならば、これは普通の貸付料と同じく扱われるのではないか、というように考えております。
○宮原委員 この施設の問題に関連して、今度の行政においてわれわれの最も重大な関心を持つておりますことは、ただいま七月二十六日をもつて講和発効後九十日の猶予期間が切れたわけであります。この猶予期間が切れた後の使用の継続という問題であります。協定が成立しないままに猶予期間が切れたが、現実に継続使用している。これの根拠ですね。日米行政協定にはラスク・岡崎交換書簡がありますから、この書簡がやはり日米行政協定の一連の効力を持つているものである、こういうことは了承できますが、しかし今の国連軍の場合においては何も根拠はない。これはおもに外務省の所管であると言われればそれまででありますが、しかし施設の問題としては、大蔵省としては当然重大な関係があるので、これは御研究になつていることと思うのであります。そこで継続使用というものを、両者の協定がととのわない場合にも認めなければならぬのか。現に現実に使用しているようでありますから、政府としては、これをどう考えて処理されているか。また今後できます行政協定に、同じような交換公文みたいなものをこしらえて、合意がととのわない場合は、いつまでもこの継続使用を現実の姿として認めようとされるのであるか。こういう点について大蔵省としても、国内的に外務省との間において相当調査、研究、連絡になつていることと思うのであります。その辺のことについての大蔵省側の御見解。それから外務省から見えましたか。
○佐藤委員長 外務省から外務事務官和田力君というのが説明員として出席しております。
○宮原委員 それでは外務御当局のその辺の法的根拠、大蔵省のそれに対する方針、これは管財局の方針でよろしいが、その辺のことをあわせて伺います。
○小林説明員 国連軍の方に対しましては現在私の方といたしまして考えているのは、先ほど答弁の際に申し上げました交換公文によりまして、国連軍に対しては便宜を供与するというような観点におきまして、現実に国連軍が日本におるという事態を見まして、やはりこれにつきまして必要なものについては、これを使うということは認めざるを得ないのじやないか、こういう見地に立ちまして、国連軍につきましては協定を早くつける。そうして国連軍として明確に協定ができるまでの間におきましては、やはりごの国有財産を、一時使用という形で使用を認めざるを得ないのではないかと考えまして、現実の事実上の使用に対しまして、それを形式的といいますか、合法的な使用の形に切りかえる必要があるということで、目下大体そういう考え方で案を進め、折衝の段階に来ておるわけでございます。
○宮原委員 外務省当局はどうですか。
○和田説明員 ただいま大蔵省からお話のありましたと同様の趣旨で、今大蔵省とよく連絡をいたして実際の処置に当つておると思います。実は私はこの件はよく存じませんので、はつきりした御答弁はいたしかねます。
○宮原委員 事はなかなか重大問題でありますから、存ぜぬなんて言わないで、いやしくも外務省に籍を置く以上は、こういう重要問題は大臣よりも属僚の方が詳しいくらいに、将来の研究調査をなさることを、老婆心ながら申し述べておきます。 この問題は、実は日米行政協定の取扱いにおいて、われわれ国民が実に悲憤僚慨している問題なのです。米軍はこのラスク・岡崎書簡によりまして——例をあげますと、横須賀の武山地区というところがある。そこへ警察予備隊の工務局長が、施設の一部返還の要望のための資料の収集調査に行つた。ところがその工務局長に対しまして、その武山地区の司令部の何者かが、この地設は絶対に返還しない、しいて調査と強行しようとすれば、この海の中へほうり込むからそう思えということで、腰を抜かしかけた事実がある。すべて従来の使用施設は協議がととのわなければ返還しない、一致しない限りは米軍がこれを保留する自由がある、権利がある、こういう現地の米軍の考えが重大な影響を持つておるのであります。国連行政協定で、ただいま御説明の点は何でも米軍並の扱いがあるかのことく聞いたのでありますが、それはよく御研究願いたい。そんな安易な考えでおやりになると、国会は単純に聞きのがすわけに行かない。いやしくも主権独立を回復した今日、そういう安易な考えで国連軍 実は国連軍の本質を外務省の方に伺おうと思つたのですが、今日は首脳部がおいでにならぬので、あるいは伺う時間がないかもしれませんから、その辺はあとの問題になるのでありますが、まことに朝鮮に出兵したことは、ありがたいことはありがたいが、占領下と同様の軍隊が引続き、主権独立を回復した今日、ただ通過地にすぎないのでありながら、米軍並の特権を主張し、また当方がこれに対して妥協的な考えを持つというようなことがもしありとするならば、われわれはこれを拱手傍観するわけには参らない。この点は特に外務省もそうですが、大蔵省とせられてもよほど深い御研究の上で御対処、御善処を願いたいと思うのであります。 それから国連軍の中で英連邦が大部分でありますが、英連邦は広島県呉地区に大体集結しておる。他に岩国地区、東京にもキヤンプがありますけれども、大体九〇%は広島県呉地区に駐留しておるようであります。ただいままで申し述べましたようにいろいろ原則的な問題もありますが、具体的になつて参りますと、昭和二十年まで終戦後から七年間、占領治下に——独立を回復した今日でも、もとより英連邦がそれぞれ地元に対して相当考慮している面のあることは申すまでもないのでありますが、大体において地元はこれがために、実に苦境に突き落されておるというのが現在の段階であります。本月十五日に呉市議会におきましては、その悲痛なる立場を要望書の形において決議して、そして大蔵省、外務省を初め各方面に、この要望決議書を持つて陳情懇請、これ努めておるという事実があります。その内容は一々申さないでもすでに御存じでありましようが、関連事項といたしまして項目だけを申し述べてみますれば、四つありまして、一が「期限付の駐留協定を締決せられたい。」二は「接収諸施設を本市の転換計画が必らず実現出来るよう可及的速やかに返還せしめられたい。なお全面的返還が不可能の場合は接収は最小限度の範囲に止められたい。」三は「裁判権は必らず属地主義にせられたい。」四は「国連軍に対し地方税が適用出来るよう措置せられたい。なおこれが不可能の場合は政府においてこれに代る補償をせられたい。」こういう四項目に、こまかい施設の一々についての添付書類を添えて、政府に要請いたしておるのであります。本日は、この国連との行政協定が近く成立を見るのではないかというような意味の見通しのもとに、国連行政協定に関するところの重要国有財産の点について、政府の御説明があるということを聞き知りまして、呉市議会の正副議長や呉市の市長、助役その他がここに傍聴に見えておる。その熱意というのは、結局国連行政協定というものに対して多大の期待を持つておりまして、この期持するところは、結局この項目書にもあります通り、接収諸施設を大幅に返還せられたい、これが中心であります。こういう要望によりまして、ここに参つておるのでありますから、問題を特に重視せられまして、外務省とせられてはもちろんですが、大蔵省とせられても、この国有財産の処理については、従来の日米行政協定のごとき甘い考えでなくて、どうか徹底的に日本の主権独立を保護するという立場から、あちらがいかに主張が強くても大蔵省は譲歩しない、もちろん外務省としても、大蔵省の趣旨をくんで容易に譲歩しない、こういう立場に立つていただきたいと私は要望するのでありますが、これに対する本日御出席の大蔵、外務両当局の御見解を伺つてみたいと思います。
○和田説明員 ただいまの御趣旨は、帰りまして上司によくお伝えいたします。はなはだきようは失礼でございますけれども、局長はおいでになりませんので、よく伝えておきます。 なお、今大蔵省と外務省との関係をお話がございましたけれども、従来とも外務省と大蔵省とはよく連絡をいたしまして、別に意見の齟齬のないように、交渉の過程において協力して交渉しておりますから、その点は御心配ないと思います。
○佐久間委員 今外務省からの御答弁を聞いておりますと、われわれとしては実に遺憾にたえない御答弁である。一体きようはだれを呼ぶつもりであつたのか、外務省はどういうわけで責任者が来ないのか、この点を委員長からひとつ厳重に聞いてもらいたいと思う。きのうでもそうです。きのうも、未復員者給与法等の問題でも、まさに法案が通る寸前に至つて、外務政務次官はこれに対して何か異議の気持を吐露しておられる。一体法案がそういうぐあいにまさに通ろうとする瞬間まで、そのことに何ら関知していないで、そうしてぼんやりここへ出て来るなんというのは、一体日本の外交をまじめにやつて行くつもりでいるのかどうか、われわれはそれを疑わざるを得ないと思うのであります。(「ヒヤヒヤ」)ふまじめもはなはだしいと私は思う。委員会を軽視することはもとより、国会を軽視しているというように私たちは感じ取るのであります。きようのごときは、本会議が開かれておるのにかかわらず、こういう重大な問題であるから私たちはここに出て、まじめにこれを審議しようとしておるのでありまして、これでは審議ができない。むしろきようはこれでやめた方が私はいいと思う。外務大臣に明日出席を求めて、外務大臣の責任を追究してもらいたいと思うので、委員長からひとつよろしく御配慮をいただきたいと思います。
○佐藤委員長 申し上げます。昨日の外務政務次官の態度につきましては、委員長自身も若干遺憾に思つている点もあるのであります。本日はけさほどから政務次官の出席を求めておるのであります。二、三度やかましく督促いたしておりますが、もう見える、もう見えるということでありますから、もうちよつと御猶予をお願いいたします。きようは必ず御出席になることと存じます。 なお、その他の件についても、御注意の点は委員長よく了解いたしました。やかましく当局に申し伝えることにいたします。
○有田(二)委員 外務政務次官が来るまで、ちよつと管財局にお尋ねしておきたいのですが、この前たしか私は管財局の総務課長に、管財局の汚職事件について、各地のことをひとつ統計的に知らせていただきたいと申しておいたのですが、きようは委員長に正式に、全国の財務局の管財関係の汚職事件、過去二箇年間にわたる検察庁の問題になつたものはもちろんでありますが、大蔵省で事前にこれを処理したというようなものの御報告を願いたいのであります。さらにひとつ簡単に、その汚職に対して大体管財局はどういう考えを持つておるか、御所見を承りたいと思います。
○小林説明員 私の至らぬことではなはだ申訳なかつたと思います。有田委員から前にそういう御要求を受けたのに対しまして、非常に申訳ないと思います。至急正式に提出することにしたいと思います。 それからもう一つの汚職の問題に対する管財局の考え方でございますが、私の方でこの汚職を見ておりますと、大体二つにわけることができるかと思つております。一つは売職関係——贈収賄の関係としての売職関係と、それからもう一つは、会計検査院の方で、この仕事はうまくないと不当事項として指摘されるような、そういういわゆる適当でないというような汚職と、この二つにわけることができるかと思つております。お尋ねの件はこの収賄の方の関係の汚職のことではないかというふうに思いますが、この収賄関係の汚職につきましては、私の方としても非常に申訳ないというように考えております。いろいろな機会におきまして、この汚職の出ないように厳重に私どもとしても努力して来ておりまして、現在また努力して参つておるのであります。この終戦後におきまする国有財産の処理が、今までになかつたような大規模のものであると同時に、なれない者と申しますか、旧陸海軍の関係の方、満州あるいは台湾から引揚げられた方、日本の国内におけるそういう財産の処理に経験のない方々が、主として当つたというような関係におきまして、誘惑に陥り、あるいはまた場合によりましては、むしろ積極的にこういう金を要求したというような事例もありまして、われわれの方としても非常に申訳なかつたと思つております。これが対策といたしまして、各財務局の方におきましては、監察室というようなものを設けて、業務の監察のみならず、そういう不当事件の監察についても力を入れておるのでございます。中央の方といたしましては、こういう監察室を督励すると同時に、主務者でありまする財務局長、あるいは直接管財の仕事をやつておりまする管財部長、あるいは関係の課長には、いつも機会をとらえまして、くれぐれもこの汚職の起らないように、少くとも上の人から率先垂範してやれば、自然にそういう汚職もなくなるようになるのだというようなことで、私どもの方としてもそういうことが出ないように、これまで極力努力して参つたのであります。今後におきましてもできるだけそういう汚職のないように 特にそういう国有財産につきましては、われわれの方からいえば適正にお売り申し上げる、あるいは適正に貸すというような考え方に対して、できるだけ安くといいますか、国有財産なるがゆえに安くしてくれとか、あるいは貸してくれというような要望がありまするけれども、これも会計法に命ぜられるような時価でというような考え方を強くして行きまして、この汚職の発生を防止するように努力して参りたいと考えております。
○有田(二)委員 簡単に希望だけ申し上げて終りたいと思います。今のお話を承つて一応了解すると同時に、今申されたように、大体管財については旧陸海軍人の方とか、あるいは船舶公団の清算の場合には、船舶公団に関係しておる方がおられて、これがほんとうに官吏としての長年の訓練を経ていない人がいる。そういう人は、こういう国の財産なり国の資産については、役得であるというような考えを持つ者が多いのであります。特に業者との接触が非常に多い。業者との接触が非常に多いから、誘惑も非常に多いのであります。しかも大蔵省なら大蔵省に役人として入つて、長年の役人的な訓練を経た者は別でありますが、そういつた訓練を経ていない船舶公団であるとか、あるいは旧陸海軍軍人であるとか、あるいは途中失業した人が入つておるとか、あるいは引揚者の方が入つておるというようなものにつきましては、官吏としての訓練が十分にできていないために、業者の誘惑にかかりやすいのであります。監査室を設けましても、監査室の監督をよくやつていただかないと、よく国税庁の監察官というものがかえつて国税庁の役人と結託して、いろいろな悪いことをする例もあるのでありますが、それと同じように、財務局に監査室を設げましても、監査室を十分監査しないと、これまた業者並びに役人と結託して、どういうことが起らないとも限らぬわけであります。これらの傾向を十分御検討願つて、しかも業者というものは、これは金もうけをすることを目的にいたしておるのでありますから、非常に誘惑の多い業者を相手として、しかも官吏としての訓練を経ていない、そういう人たちの指導に万全を期するようにお願いしたいと思います。
○小林説明員 ただいま御注意をいただきまして、われわれの方といたしましても、そういつた考え方で今までも来ておりましたけれども、さらに御注意を得まして、そういう点を強くして参りたい、こう考えております。
○宮原委員 主として大蔵省に関する質疑を、少し残つたのをいたしまして、あとは簡単に外務省にお尋ね申し上げたいと思います。大蔵省は、行政協定の対象となつている国有財産の処理については、それぞれ調査研究されつつあることでありましようが、その意見を外務省にいかなる方法で御連絡相なつているか。たとえば具体的の問題としては、外務省にも国際協力局長伊関君が、日米合同委員会の日本代表になつているのでありまして、その方面とは自然に御接触があろうと思うのでありますが、国有財産の原則的取扱いについては、それだけではとうてい満足すべきものではないのであります。国連との行政協定の折衝には、もちろん外務大臣以下外務省首脳部が折衝に協力していられることは、言うまでもないのですが、その中でも事務的の中心になつている奥村勝蔵という参与がおられる。その奥村参与に数日前会いましたが、大蔵省からほとんど行政協定の対象となる財産なり資産なりについての資料が、提出せられているような事実がないのであります。それは原則的な協定を締結するのであるから、そういう実際資料は必要でないのかというと、そうではないのです。たとえば一例でありますが、呉市の先ほど申し上げました要望事項等につきましても、その根拠となるところの資料を奥村参与は強く提出方を要望しているのです。一方大蔵省においては現地の出張所長がつぶさに調査せられて、そうして本月の十三日かに大蔵省に持参せられた、こういう事実がある。そういう資料はあちらから要求がなくても、大蔵省から外務省の方へ——奥村参与が折衝の中心であることはよく御承知になつておる大蔵省でありますから、当然御提出なさるべきものであろうと、私どもは好意的に解釈していた。しかるに事実はそうなつていない。それは一つの事例にすぎませんが、そこで大蔵省では外務省との連絡について、大蔵省の今日なされておるところの実行要目、実行状況、それをちよつとここでお伺いしておきたい、こう思うのであります。
○牧野説明員 お答えいたします。大蔵省といたしましては、外務省との連絡は日米行政協定のあの予備作業班というものができましたとき以来、相当密接に連絡をとつてやつておるつもりでございます。また外務省の方といたしましても、大蔵省の方へ非常によく連絡をとつておりまして、われわれの方としても、大体意のあるところは通じておるというふうに考えております。連絡の方法といたしましてはいろいろございますけれども、日米行政協定の予備作業班あるいは現在の合同委員会、その段階におきましても大蔵省から正式に出席する方として、常に二人出席しておりますし、それからわれわれいろいろ事務をやつております者も、常にほとんどだれか知らぬが毎日のように会つているという形で、連絡は十分とつておるつもりでございます。そうして必要があれば文書による連絡、あるいは話をするというようなことは、ほとんどしよつちゆう繰返しており、十分に連絡はとれておると思つております。ただ、今御質問がありました国連協定につきましては、大蔵省として現地の出先の意見をよく聞きまして、外務省に対する意思表示というようなものをするのが、私は数日のうちにできるのではないかと思つております。と申しますのは、やはり役所の間同士ですから、正式に意思表示をいたしますのには、大蔵省としてやはり現地の出張所長の意見、あるいは財務局長の意見をそのままというわけにもなかなか参りません。省内で意見をとりまとめるという段階で、今作業を進めております。近く十分なる連絡がこれについてもできると思つております。
○宮原委員 ぜひ御方針決定次第、国連行政協定の当局者であるところの外務省首脳部に、漏れなく大蔵省の意思が徹底するように希望しておきます。元来旧軍港市の地元からは、大蔵省の今日までの事務処理については、まことに好意と理解ある処理をせられているということで、感謝をするというような情報が私の方へ参つております。それで私は大蔵省を責めて申し上げているわけではないのであります。その辺は誤解のないようにお願いしたい。ただこのたびの国連行政協定は、ただいまのようなお話でありますと、早急には施設の具体的の問題については決定が予想できないようなことで、まことにわれわれ国会人としては、できればこの十三国会のうちに、その具体化なりまた国会の承認があることを期待して来たのでありますが、それがそういうふうにならないということは、少からず遺憾に存ずるところであります。これは外務省とも関連するのでありますが、国連筋から漏れた情報だとして伝えられるところによりますと、どうも日本の国会はめんどうくさいから、なるべく国会の閉会を待つて、この協定は成立した方がいいじやないかという気持があるということをわれわれは聞いて、まことに意外に思つております。もしそれが真実であれば、相当われわれとしてはこれを取上げなければならないのでありますが、遺憾ながらそれは速記録にとつてあるような正式のものでありませんから、ここで特に問題にするわけではありません。けれどもこういう問題については、たとい国会において否認せられようとも、国会尊重という気持で御処理をなされることは、当然過ぎるくらい当然であろうと思う。そこで大蔵当局にただしておきたいのは、個々の折衝が具体化いたしまして、返還の問題がおよそいつごろになるお見通しであるか。これは外務省との関連でありますから、はつきりしたことはもちろん伺えると思つておりません。しかしおよそ八月中であるとか、九月になる予定であるとか、すべてこういう折衝にはおよそ予定というものがなければならぬ。すでに主権の独立を回復してから九十日の猶予期間を過ぎた今日、のんべんだらりといつまでも、これができるときにできればいいのだというような、そういう無計画な方針は、われわれは絶対了承することはできない。およそ計画というものは、外務省と大蔵省の間においてそれぞれ折衝されていることと思う。その点についてお見通しはいかがでありますか。また呉市の例をとると あまり呉市の例をとり過ぎますが、呉市の要望については、大蔵省はどういう見解を現在の段階で持つているか、こういう点もあわせてお伺いしたい。
○牧野説明員 お答えいたします。施設を返還するといいますか、占領軍が今まで使つておりました形から、新しく国連軍というような形で、どこへ駐留するのが具体的に適当であるかということは、双方が話合いをした上できまるべきだと思つております。これにつきましては、何分ただいま国連との協定と申しますか、条約と申しますか、そういうようなものもできておりません現状でありますので、いつ話合いがつくかということについては、ちよつとわれわれも見通しが立たないのであります。ただわれわれとしては、できるだけ早くやる必要があるというふうに思つております。協定の話は今進行中であるように承知しておりますけれども、その話と並行してでも、できるだけ早くこことここは返してくれとか、あるいはこことここはしばらくおつてもよろしいとかいうふうな話を、具体的に進めて行く方法を考えて、早くまとめたいということで、われわれも荏苒日を送つておるわけではないのであります。今までもいろいろやつたつもりでございます。これからもできるだけ早くやるように、骨を折つて行きたいと思つております。 それからもう一つ、呉市の御要望がいろいろございました。これを私拝見もいたしました。あそこを返してくれ、ここを返してくれという御要望、これは率直に申し上げますが、まことに市の方としては無理からぬ御要求であるというふうに、われわれは考えております。ただ何分にも国連というものの活動は、日本としては援助するといいますか、なるべく好意的に協力するという国の方針であるように、われわれは承知しております。その際に、やはり英連邦軍も朝鮮に行く通過地としてでも、若干必要な施設が今までほどでないにしてもあると思いますので、これはやはり具体的に話を進めてみませんと、市の御要望がどの程度実現性があるのかということについては、ちよつとお答えいたしかねる段階でございます。
○宮原委員 原則的に国連協定の対象になつておる呉市の問題を、大蔵省において非常に好意ある見解観察をなさつておるということを、今ここで了解をいたします。今後とも力強く御推進をお願いしたいと思います。 そこで外務省にお尋ねしたいのですが、国連軍の性格について、これは朝鮮出兵の後方部隊の通過地として、暫定的に駐留するものであるというのであるか、それとも国連軍であるという意味で、これを通過地としてでなくして、他にもつと重要な見方をされておるのであるか。なお国連軍はしきりに特権の要求を出しておる。その例は先ほども申し上げたのでありますが、英本国において国連軍を相当優待しておる。従つて日本においても英連邦は、相当裁判権の問題についても、また施設の供与の問題についても、経費負担の問題についても、そのほか地方税の免除の問題についても、強く特権を要求しておるというのであります。そういう事実もあるのでありますが、そういうことと勘案して、国連軍の性格とその特権の要求に対する事実、これに対する外務省の方針、これは外交は祕密なりと言えばそれまででありますが、どうかさしつかえない限り、ここで御説明を願いたいと思います。
○石原(幹)政府委員 私は国連軍の性格はただいまのところでは、朝鮮戦線におけるいろいろの行動の通過地といいますか、後退地、休養地、そういうような性格ではないかと思つております。 それから先方からいろいろの要望が出ておることも、これは事実でございます。日本政府といたしましては、日本の防衛のために直接おります駐留軍とは、これは本質的に性格が異なるものであります。いろいろの要望しております特権等につきましても、おのずからそこに当然の相違がある。こういう建前のもとにおきまして、予備会談なりそれぞれの專門委員会で、ただいま順次討議中でありまして、だんだんと合意のものは結論が出ておるのでありますが、まだ相当重要な問題について、意見が一致しないものも相当あるのであります。いましばらくこれが折衝はかかるものと思つております。
○宮原委員 講和発効後九十日の猶予期間が過ぎてしまいまして、しかも行政協定は国連との間に成立しません。今猶予期間が満了後の日本に残留いたしておりますところの必要状況と申しますか、その何らの条件が見出されていない。それは原則的に国連軍に便宜を供与するという、国際慣例の上に立つた意味における何がしかの便宜供与はできるものでありましようが、それで済むものであるならば、行政協定は何ら必要ない。行政協定を必要とするならば、行政協定のないところの残留というものは、これは主権独立を回復した日本としては、これを容認するわけには行かない。それをただ吉田・アチソンの交換公文があるからというので、これは日本に残留というか、日本を通過するだけの便宜供与ということはできても、それについての何らの条件も明記せられていない。そうすれば、条件の成就していないところの残留というものは、きわめて変態的なものである。これを外務省が政府の一存でもつて暫定協定をなさるということは、どういう根拠があつてこれをなさるのであるか。新聞報道等をわれわれは何も信ずるのではありませんけれども、外務御当局はこれについてどういう御見解に立つて、ただいまの国連軍を猶予期間満了後御処理に相なつておるか。この点は施設の継続使用の問題と関連して来るのでありまして、まことに重要な問題であろうと考えます。これについての御見解を伺いたいと思います。
○石原(幹)政府委員 一応御説ごもつともといいまするか、御説の通りであるのであります。政府といたしましても、できるだけ早くこの協定の妥結を望んでおるのでありますが、向うの要望いたしますことと、こちらの考えておりますこととの間に、相当の開きがあるわけでありまして、早くこちらが折れれば早くできるわけでありますけれども、さようにも参りませんので、折衝が延びておるわけであります。それでこの国連軍にいろいろ便宜を与えます根拠は、お話になりました吉田・アチソン交換公文によるわけでございますが、九十日を過ぎました今日におきまして、御指摘になりました施設等の問題については、これはやはり日本の国法との問題もあります。これは先ほど大蔵省の説明員の方からお話があつたかとも思いますが、国有財産等につきましては、国有財産法によつて一時使用の申請をさせるとか、それから民有のものにつきましては、所有者との間に賃貸借契約を結びますようにあつせんして行く、こういう方法によりまして、できるだけ国法の範囲内においてこれらの処置をして行く。根本の問題は一刻も早くこの協定の妥結を見ることを、待望しておるわけであります。
○宮原委員 日米行政協定の際には、行政協定が締結後でも、国内法においてそれぞれこれを裏づけして参りました。このたびの国連との行政協定が締結せられまして、その後においてそれぞれ国会に、その裏づけの立法がなさるべき必要があれば、なさるものと思うのであります。しかし私どもの見解では、米軍は性格が違つておることはここに駄弁を要しませんが、日本防衛については、国連軍は何ら直接寄与してくれていないのです。外務省におかせられては、日米行政協定の際に国会が、あるいは租税の問題あるいは施設の問題等各種の問題について、国内立法を裏づけいたしました。しかしながら国連軍の場合においては、特権的の性格を帯びた協定が結ばれたような場合には、私は決して日米の場合におけるがごとく、安易に国内立法はこれを裏づけするものではないように、強く信じているのであります。交渉の衝に当られる外務御当局とせられては、その辺について十分の御認識を持つていただきたい。行政協定が結ばれたから、条約は法律以上だからというので、国内立法なしには済まされない。そこで米軍並の国連協定が結ばれて、特権を英連邦に与えた場合には、絶対にこの国内立法が裏づけをするというようなことについて、国会の同意は得べきものではないという私個人としての見通しを持つておる。外務省はその辺についていかなるお見通しをお持ちになつて、問題協定に対処せられようとするのであるか。この点について、後日国会に関連して来る問題でありますから、特に外務政務次官のお見通しについての御見解を伺いたい。
○石原(幹)政府委員 関連との行政協定ができ上りましたならば、これはもちろん国会の承認を求めることに相なると思つております。それからその協定の内容にもよるわけでありますが、裁判管轄権の問題あるいは施設の使用の問題、その他いろいろの経費負担の問題等がどういう結論になりますか、結論のいかんによるのでありますが、国内立法をしなければならぬものが生じました際には、当然国内立法の措置もとらなければならないものであると思つております。
○宮原委員 ただいまの御答弁でありますが、英連邦の特権を裏づけるための国内立法は、決して安易に国会の協賛を得ることは困難であろうと私は思う。こういうことをこの委員会の席上で申しては少し言い過ぎかもしれませんが、この辺のところを特に御了承の上、英連邦にひとつ爆弾を投げつけていただきたい。英連邦が行政協定の上で特権を強く主張いたしましても、とうてい国会においてはこの裏づけの立法を同意するものではない、こういうことを外務省としても政府としても、国連側の誤れる考えを是正していただきたい。なるほど英本国では、国連軍は英本国から特権を受けているでありましよう。しかし国連軍の性格は日本の場合においては違つております。またことに日本における英連邦軍の素質というもの——この問題はきようは触れませんでしたが、素質というものは米軍に比較してはるかに低劣なんであります。これは国連軍の占領下にある呉市民が、七年間つぶさに体験をして知つている。低劣であり、その行動は実に不良なんであります。呉市の治安が講和発効後七月六日までの間において犯罪件数が百七件、しかもこれは凶悪犯罪を含んでいる。米軍の駐留いたしております他の地区には、こういう事実は全然見られない。こういう点でも、これは外交の正面からは中人れいたしにくい点であろうと思いますけれども、十分腹に入れられまして、外務省とせられてはこの折衝に当られたいと思います。なお折衝に当られる係官に対しては、政務次官から強くこの点を御鞭撻相なりたい。 私の質疑は一応これで本日は終ります。
○佐藤委員長 深澤義守君。
○深澤委員 今宮原さんの御質問によつてほぼ明らかになつたのでありますが、私はこの際もう一歩突き進んで、明確にお伺いしたい問題があるのであります。平和条約は、占領軍の九十日経過後における撤退を明確に規定しております。アメリカ軍に限つては駐留軍という形において残ります。その他の国連軍は、もはや条約上の立場からいつて、日本にとどまる権限はない、われわれはこういう解釈が出来るのでありますが、その点に関する根本的な見解をひとつ明らかにしていただきたい。
○石原(幹)政府委員 これは先ほどちよつと申したのでありまするが、平和条約締結の際における吉田・アチソン交換公文によりまして、国連軍の通過、滞在、その他等につきまして十分の便宜を供与する、こういう言葉がかわされておるのでありまして、この吉田・ハチソン交換公文並びに平和条約の第何条でありましたか、日本は国連に協力するという一つの大精神がうたつてあるのであります。主たるところは、吉田・アチソン交換公文がただいまのところ基本になりまして、諸般の便宜を与える、こういうところから一応の駐留の関係を言つておるわけであります。
○深澤委員 古田・アチソン国務長官との交換公文のあることも承知しております。しかしこれは国連の代表ではない。あくまでアメリカの国務長官である。この国務長官と日本の吉田総理大臣との間に、公文がとりかわされたからといつて、他のすべての国連関係の各国の問題にただちに適用することはできない。われわれはこういう見解を持つておる。従つてここに、日本に今後駐留するところの国連各国との間の協定というものができなければ、われわれは協力、支持するという具体的な義務は全然ないと考えます。そういう意味において、原則としてはなるほどわれわれは根本的に反対ですが、交換公文によつて国連に協力することは言つておりますが、やはり具体的には協定がなければならぬ。しかしその協定はすでに九十日を経過しておりますから、現在においては、米軍以外の国連軍というものは、日本に対して何ものも要求する権限を持つていない。日本政府は立ちのきを要求する権限すらはつきりあるというぐあいに、われわれは解釈できるのであります。こういう見解から言つて、呉市に起つておる問題についても、今後の協定に対していろいろ切実な要望をされておりますが、これは当然なことであり、それから現在すでにわれわれは根本的な見解としては、英軍なり濠軍なりが日本に駐留する権限はないのだ、むしろこちらが協定成立まで非常に大きな譲歩をして、置いてやるのだという見解が成り立つのでありますが、そういう点はどうでありますか。
○石原(幹)政府委員 具体的の個々のいろいろな問題につきましては、もちろんその取扱いについては協定がなければならぬかと思います。しかしながら、国連軍全体のただいまの一時駐留につきましての根拠といいますか、基本になつておるものは何かといえば、やはり先ほど申し上げました吉田・アチソンの交換公文でございまして、これは平和条約に附属いたしまする一つの交換公文でありまして、日本は国連の行動、国連軍の通過、滞在、その他について便宜を与えるということの一つの意思表示を、ここでしておるのであります。これによりましてただいま国連軍が駐留する、これが根拠になるものである、こう申し上げてさしつかえないかと思います。
○深澤委員 先ほど政務次官は、国連軍が朝鮮戦争について通過するということに関しての便宜を与えるのだということでありますが、すでに数箇年間日本に駐留して、今後も相当長い期間駐留する可能性がある。通過ではない。日本に駐留する。そういう見解が非常に私は違うと思う。従つて今アチソン国務長官との間にとりかわされた公文が、全部の国連軍に対して義務を負うべく日本に誓約をするという見解でありますが、私はそうではないと思う。アメリカ軍が日本に駐留する場合においては駐留軍だが、朝鮮戦争において行動する場合に国連軍である、こういうふうなことを予想いたしまして、国連軍に協力するという限りにおいて、アメリカの駐留軍内の国連軍に相当するものに対しては協力するのだが、他の国連各国の軍隊に対する義務は、何ら負う必要はないという考えが成立すると思うのであります。従つてアメリカ以外の現在日本に駐在する軍隊に対しては、われわれは何ら義務を負う必要はない、こういう見解を持つておるのでありますが、その点もう一ぺんひとつ……。
○石原(幹)政府委員 国連軍は駐留というより、先ほど申し上げましたように通過とか、交代のためとか、あるいは一時休養とかいう形で滞在するものと私は考えるのであります。これは同じことを繰返すようになるのでありますが、吉田・アチソン交換公文並びに平和条約等によりましても、国連の行動に対しては、文句はちよつと忘れましたけれども、日本はこれに協力といいますか、これを支持するという一つの大原則がうたつてあるのでありまして、これらの精神から考えまして、国連軍のこういう行動に対して便宜を互えて行くということは、やはり日本の義務といいますか、責務ではないかと考えておるのであります。もちろん裁判上の問題であるとか、施設の使用あるいは経費の関係、こういう問題については一刻も早く行政協定ができまして、諸般のとりきめをしなければならぬことはもちろんであろうと思つております。
○深澤委員 あなたの意見を承認するといたしましても、国連軍は、日本が便宜を与える場合において通過、交代のための便宜だ、そういう程度の範囲内ならば、すでに日本の国会において、旧軍港地の転換法も成立しておりまして、旧軍港地を平和的に再建するという大原則がきまつておる。ところがその法律が通過しているにかかわらず、呉市においてはそれができない。しかも通過、交代に便宜を与えるために、現在呉市の非常な重要部分が占拠されておつて、その平和的な再建すらできないということは、まことにわれわれは遺憾しごくであると考える。従つて通過、交代の便宜を与える程度ならば、どこか日本のあまり必要でないところを、少し提供すればいいと私は思う。従つて呉市の現在の国連軍が使用しておるところは全部撤去して、他を使用させるという根本方針が外務省としてはおありになるのか。その点をひとつお伺いしたい。
○石原(幹)政府委員 ただいまのところでは、一応今まで使用しておりましたところを再検討いたしまして、必要最小限度の範囲でこれの使用を認めて行こう、こういう考え方であります。
○佐藤委員長 三宅則義君。
○三宅(則)委員 ただいま議題になつております駐留軍徴用の国有財産に関する件でございますが、これはわが国にとりまして最も重大な問題だと思いますので、同僚宮原委員から口をすつぱくいたして申したことでございますが、こういう重大な問題につきまして、岡崎外務大臣並びに条約局長等が出て参りまして、こういう事情でありますということを率直に申されるのが必要だろうと思う。また大蔵省といたしましても、池田大蔵大臣並びに管財局長等が来まして、国際的問題でありますから、こういうふうになつております、こういうふうにしなければならぬという点を、率直に申し述べるのが当然である。ところが本日は、はなはだ失礼な話でありますが、説明員程度の人が出て来るということは、はなはだ国会軽視の大なるものがある、こういうものでありますから、本日はこの程度にいたしまして、明日やはり十時に開会せられまして、今申し上げましたような重大な責任を持つておりまする大臣並びに両局長の出席を求めて、議事を進行せられんことを、私は強く委員長から要望していただきたいと存じます。
○佐藤委員長 了承いたしました。
○宮原委員 明日は最終日でありますから、もし時間等の都合がつかないような場合は、閉会中といえども本問題については、必要に応じて委員会をお開きくださつて、そしてただいま三宅委員からも御提案がありましたが、外務、大蔵両首脳部が、十分われわれ委員会に対して了承を求められるように、希望するわけであります。
○佐藤委員長 了承いたしました。よく理事諸君と協議の上善処いたします。 —————————————
○佐藤委員長 この際お諮りいたします。ただいま本委員会において審査中の高金利等の取締に関する法律案、簡易生命保険及郵便年金特別会計法の一部を改正する法律案及び資金運用部資金法の一部を改正する法律案の三案につきましては、本委員会といたしましては鋭意審議を進めて来たのでありますが、理事諸君と協議の結果、本会期中に審査を終了するの見込みが立ちませんので、これを閉会中審査に持ち込むべきことを決定したのでございますが、この際そのことについてお諮りいたします。右三案を閉会中審査事件として議長に申出することに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○佐藤委員長 御異議ないようでありますから、右三案は閉会中審査事件として、議長に申出することと決定いたしました。 次会は明三十日午前十時から開会することといたしまして、本日はこれにて散会いたします。 午後零時三十二分散会