大蔵委員会 第84号
- 発言数
- 32 件
- 登壇者
- 6 名
- 会派数
- 1
- 開催日
- 1952/06/05
会議録
○佐久間委員長代理 これより会議を開きます。 簡易生命保險及郵便年金特別会計法の一部を改正する法律案、及び資金運用部資金法の一部を改正する法律案の両案を一括議題といたします。 この際ちよつとお諮りいたしておきます。ただいま議題といたしました両案につきましては、一般的関心及び目的を有する重要な法案であると認められますので、去る五月二十七日の本委員会におきまして、議長に公聽会の開会承認を求めるの決議をいたしたのでありますが、同日の議院運営委員会におきまして承認保留と相なつた次第であります。本委員会といたしましては、右両案に対する一般世論の賛否が多岐にわかれている現状にかんがみ、またその影響するところも重大と思われますので、利害関係者及び学識経験者を参考人として本委員会に出席を求め、参考意見を聽取いたしたいと存じますが、この点御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○佐久間委員長代理 御異議ないようですから、さよう決定いたします。 なお参考人の選定、参考意見聽取の時日等につきましては、委員長及び理事に御一任願いたいと存じます。
○佐久間委員長代理 これより両法案に対する質疑に入ります。質疑は通告順によつてこれを許します。夏堀源三郎君。
○夏堀委員 資料を要求いたします。各店県別郵便貯金、簡保、年金、郵政省に関係のある各府県の徴募金額、これを五箇年の統計によつてお示しを願います。それからそのほかに簡保と年金だけは別にお出しを願いたい。それから六大都市だけの成績、それから保險金及び郵便貯金、年金によるこれらの予算措置はどうなつておりますか。もう一つ各府県別の募集員一人当り大体どのくらいの経費を要するか。大蔵省の方へは、大蔵省の資金運用部からの地方自治体への貸付金の府県別の金額、これも五箇年の統計によつてお示しを願いたい。これだけ要求いたします。
○小山委員 資料要求の追加をいたします。簡易生命保險が独立運用されたと仮定した場合の運用利益と申しますか、運用の利回り、つまり赤字が出るというお話でありますから、赤字が出ないようになるかどうかということを示すところの資料を、お願いいたしたいと思います。
○佐藤国務大臣 夏堀委員の資料はなかなか広汎にわたつておりますが、もう少しわかりやすく、口頭でなしに書類にしていただけないでしようか。そうしないとせつかく資料をつくるにいたしましても、御要求のものにできるだけ沿いたいと思いますから……。
○夏堀委員 明日までに……。
○佐藤国務大臣 できるだけ努力いたします。
○佐久間委員長代理 奧村又十郎君。
○奧村委員 ただいま審議中の両法案は、かねて別に郵政委員会で審議されたところの、簡保及び郵便年金の積立金の運用に関する法律案に付随するものであります。従つて私はまず郵政大臣に、簡保及び郵便年金の積立金運用を変更する法律案を提案された理由を承つておきたいと思うのであります。現在資金運用部において政府資金を統一的、効率的に運用しておりますが、今回簡保及び郵便年金の積立金運用を分離することは、資金運用部の運用を根底からくつがえすものであつて、ひいては国の財政経済の方針を非常に阻害するものがあると思う。そういう問題があるにもかかわらず、なぜことさらにこの法律案を提案されることになつたかという、その理由です。申すまでもなく国会において、この積立金運用の分離に関する院議はできておりますが、しかし国会の意思と政府の意思と、これは別であります。政府がこの法律案を提案しようとするその理由をよくお伺いいたしまして、それによつて政府の意思が、はたしてとの法律案で全うせられるかどうかを確かめて行かなければならぬ、こういうふうに考えて、この理由が最も大事であると思いまするので、よく御説明が願いたいと思います。
○佐藤国務大臣 お答えいたします。大藤委員会圏にかかつております両法案の改正は、付随的な措置だということをただいま申されました。確かに郵政委員会にかかりました簡易生命保險及び郵便年金の積立金の運用に関する法律案、これと一体といたしまして審議をされ、実体は郵政委員会にかかりました法案にある、かように私どもも考えております。従いまして普通の立法例で申しますると、簡易生命保險及び郵便年金の積立金の運用に関する法律案の附則等におきまして、付随的な修正をとりはかろうという例も多々あるのであります。しかしながらそれを特に分割いたしましたことは、ただいまお尋ねに相なりましたような点を考慮いたしたことであるのであります。と申しますのは、今回簡易生命保險積立金の運用権を郵政省に復元することを、政府といたしまして決意をいつしましたが、これはただいまのお話にありましたごとく、過去三回にわたりまして両院において院議を決定しておる。今回の政党政治のあり方から見ますれば、国会の決議を尊重することは当然の責務のようにも思うのであります。この点が第一点であります。同時にまた郵政省所管といたしましては、この簡易生命保險並びつに郵便年金の積立金の運用につきましては、主務大臣といたしまして、この運用についての積極的な責務があるのでありまして、その点はなお郵政省設置法の中にもその規定があるわけであります。簡易生命保險及び郵便年金の積立金の運用は、依然として郵政大臣にあるわけであります。ところが御承知のように資金運用部資金法ができまして、国家財政資金はこの資金法によりまして運用するということが、今日の基本的な建前になつております。この資金運用部資金法を審議いたしました昨年の国会におきましても、大蔵大臣が参議院の質疑に答えてはつきり申しておりますごとく、簡易生命保險及び郵便年金の運用権を、この資金運用部によつて運用するということは暫定的な措置である、これは臨時的な措置であるということを、はつきり申しておられるのであります。これは時期が参りましたならば、本格的な本筋に返すということを明言しておられるので、あります。しからば今日の状況から見まして、もうすでに恒久的な状況に返してよろしいかどうかという点に相なりますと、これにはいろいろ議論があると思うのであります。私どももかつての簡易生命保險の積立金や郵便年金の積立金のごとく、旧逓信大臣が自由に運用していたような状態では絶対にあり得ない、かように考えておるのであります。今日なお国家財政資金としての統制は、依然として継続せざるを得ない。御承知のように統制は各方面において、自由党の主張によりこれを廃止して参りましたが、今残つておりますものは、この資金法による資金の統制並びに主食の統制というものが、大きいものとして残つておるように思いますが、ただいま申し上げるような基本的な考え方がありますので、その線に沿いまして、現在の財政状態に支障を来さない範囲における復元は、これはやむを得ないものではないか、かように考えておるのであります。そこで今日の財政資金の運用は、この資金運用部資金法が根本法でありまして、この根本法の考え方に修正あるいは改正を加えておるのでありますから、そのためには、やはり本筋の法律の改正は、その本筋を所管しておられる委員会において審議される方が、よろしいのではないかというわけで、普通の立法例によらないで、特に資金法の部改正あるいは特別会計法の一部を改正する法律案は別の委員会にかけて、必ずしも過去にとりましたような立法例をとらないという措置をいたしたのであります。その点はこの資金運用部資金法が今日の財政資金の運用の基本であるという考え方で、その條文の改正点が、字句としては軽微でありますが、実質的には非常に重要な問題であるというわけで、特に大蔵委員会に御審議をいただいておるのであります。これは政府自身の考え方であります。根本的な問題といたしまして、なぜこの簡易生命保險あるいは郵便年金の積立金を、郵政省に復元するという考え方をするかと申しますと、これらの積立金はいわゆる財政資金と申すことができるかどうか。この点が暫定的な措置として考えられるという根本問題になると思うのであります。郵政大臣が依然として運用権を持つておりますゆえんは、やはり加入者のために、その利益のためにやるわけのもので、いわゆる普通の郵便貯金とは性格を異にするものであります。郵便貯金自身は、これはもう明らかに国の財政資金であります。ところが簡易生命保險あるいは郵便年金ということになりますと、これは加入者との契約によるものでありまして、その点が特に強く出て参るのであります。従いまして資金運用部資金法で運用いたすに際しましては、在来の考え方でこの生命保險の加入者等の立場を考慮いたしまして、郵政省として、これは財政資金のわくから一応除外していただきたいというのが、根本的の主張であるのであります。その点は先ほど来申し上げましたが、現在の経済情勢なり財政情勢なりが、自由にこれをなし得るかと考えますと、まだ自由にはなし得ない。そこでやはり国といたしましては、基本的な統一のある計画のもとに運用すべきではないかという結論になるのでありまして、今回郵政省の方への積立金運用が復元されるにいたしましても、かつて逓信大臣が持つていたような自由な運用権ではなくて、国の基本的計画のわく内においてこれを運用する。その意味におきまして、ます両院の議を尊重したということに相なるのではないか。また同時に、現在の建前から申しまして、国の財政資金は資金運用部資金法、これが基本的法律であるという建前も明確にいたしておるような次第であります。
○奧村委員 大臣の御答弁にもありましたが、事柄としては簡保及び郵便年金の積立金の運用において、変更を加えるという事柄ではあるが、しかし資金運用部法の今度の改正というのは、これは資金運用部そのものについては、これは根本的な重大な変更であります。従いまして、われわれはこれを非常に重要視するのではありますが、しかしその事柄は簡保及び年金の積立金の運用の変更である、こういうことから、その簡保及び年金の積立金の変更の理由をお尋ねしておるのであります。そこでただいまの大臣の御答弁によりますと、この簡保及び年金の積立金の運用権は、もともと郵政大臣にあるものだ、それを元に復元するんだ、あるいは両院の決議を尊重するんだ、あるいはまた財政資金でないように考えるので、加入者との契約の利益その他を守るためもある、こういうことでありますが、要点の理由には触れていないと私は思うのであります。すなわちこの積立金の運用に関する法律案の理由には、政府はこういうふうに述べておる。積立金を確実で有利な方法により、かつ公共の利益になるように運用することによつて、事業の経営を健全ならしめるため、とこうある。しかしそれと同じ字句、同じ要件が資金運用部資金法にもそういう表現があります。資金運用部で運用するにおきましても、同様に、確実で有利な方法によつて公共の利益になるように運用しておる。しかるになぜ資金運用部から、この積立金だけは分離して運用しなければならないのか。その理由があるか。その理由については何ら触れておられない。その点で重ねて御答弁がありますか。なければ、もう一つつつ込んでお尋ねしますが、どちらにしても、確実有利な方法で公共の利益になるように運用するために、資金運用部ができており、また今度の法律案もそういうふうに表現しておる。従来通り資金運用部に統一ある運営をさせておいても、当然確実有利、公共の利益になるようになつておる。それをどうして分離させなければならぬ理由があるか、その理由をひとつ承りたい。
○佐藤国務大臣 先ほどの答弁中にもちよつと申し上げておきましたが、資金運用部資金法ももちろん目的とするところは同一でありましようが、この資金運用部資金法が簡易保險の積立金なり郵便年金の積立金において、基本的な恒久的な制度かと申しますと、さようにはなつておらない。これは昨二十六年三月三十一日における大蔵大臣の参議院における答弁中に、明白になつておるのであります。それは資金運用部資金法に関連する簡易保險、郵便年金積立金運用に関する決議が参議院から出されたのであります。これに対しまして、大蔵大臣は「只今の御決議に対しまして、我々も至極尤もだと感じておるのであります。もともと本院並びに衆議院におきましてもこの趣旨の決議がございまして、来年度予算編成に当りましても、その決議の趣旨によつて一応予算を組んだのでありまするが、現下の金融財政諸事情から、又いろいろな点から、只今御決議のありました法案を提出いたした次第でございまするが、これは臨時的の措置でございまして、将来適当な機会に只今の御決議に副うように善処いたしたいと考えておるのであります。」と述べておるのであります。これは大蔵大臣と申しますか政府のはつきりした意思の表明であります。この基本的な意思の表面に従いまして、同一の目的を達成するにいたしましても、これを大蔵省が所掌するがよろしいか、郵政省が所掌するがいいかという問題になるのであります、問題であります点は、しからば郵政省が所掌することによつて、本来の統一的運営に支障があるかないかという問題が一つ残るわけであります。その点につきましては、郵政省といたしましても、また政府といたしましても、またこの法案自体といたしましても、その点では国の基本的方針に支障を来さないような措置がされておるのであります。その点を先ほどるる申し上げたような次第でございます。
○奧村委員 ただいまの御答弁によりますと、郵政省が運用をしても、国の統一運用には何ら支障を来さぬ、こういう御答弁でありますが、それは大臣の主観的なお考えであつつて、全然そうじやない。それははつきり私は示すことができる。しかしこれは議論にわたりますので、あとまわしにしたいと思う。もつと根本の、まず提案の理由をはつきりいたさなければ、話にならぬと思うのであります。そこで、大蔵大臣が昨年参議院において言明したと言われるが、これは暫定的な措置であるというのは、その意味は、いま少し敗戰の経済が立ち直つて、民間資金が潤沢になつて、政府資金の重要性がもう少し軽くなつて、いわゆる統一運用が必要でなくなつた時期、そのときはこの暫定的な措置は変更する、こういう意味であつて、今早急にそういうことをしなければならぬということには、われわれは考えられない。ただいまのお話は、昨年大蔵大臣がこういうことを言うたという、行きがかりと申しますか、いきさつを言われるのであつて私のお尋ねする答弁にはなつておらぬ。つまり資金運用部における統一的、効率的な運用から分離させなければならぬ理由は何かというのです。分離させてどういうことになるか、そこの理由です。どちらも有利確実な運用を目標としておるにもかかわらず、なぜ郵政省に分離させなければならぬか、そこの理由をもう少し明快にお聞かせ願いたい。
○佐藤国務大臣 その点は先ほどから明快に申し上げておるつもりでおるのであります。と申しますのは、どこかでやつておる事柄、それはいずれも加入者の利益になるような話に違いない。しかしながら本来の本筋のところでやるか、あるいは臨時的な便法でやるかという問題です。だから本筋でやる時期になれば、本筋でやるというのが本筋なんです。その点を申し上げておる。大蔵大臣が申しておりますように、時期的な問題はもちろんあります。 〔佐久間委員長代理退席、委員長着席〕 そういう点は国会において審議される点で、これは郵政大臣がきめたわけじやない。政府としての最終意見を決定した場合において、今回の時期におきましてこの程度を復元することはさしつかえないというのが、政府の最終的な意見決定であります。その点は先ほど来申し上げておる通りであります。大蔵大臣の答弁の速記の一部を申し上げますことは非常に恐縮に存じまするが、大蔵大臣はこれを本年やるという約束をしなかつたことは、御指摘の通りであります。これは将来適当な時期と申しておるわけでありますので、時期の明示がない。しかしながら資金運用部資金法でやつておることは暫定的な措置であり、将来適当なときにこれを直すということだけは、はつきり申しておるわけなんです。だから問題は、ただいまの時期がさような時期かどうか。その時期につきましては、政府といたしましては、ただいまこの程度かえることはさしつかえない、こういうのが政府の所見でございます。
○奧村委員 どうも私のお尋ねする資金運用部の運用から切り離して、郵政大臣の運用にせにやならぬという理由、それが明らかになつていない。それだけは私はどこまでもお尋ねいたします。そこで大蔵大臣の参議院における言明ということは、これは大臣がかわれば、またその言明というものは確かでないことになる。資金運用部資金法という法律そのものは、これは法律の建前上修正がなければ、永久に資金運用部資金法で行くことに法律は規定しておる。法律の方が根底である。その資金運用部の統一運用から離して郵政省に持つて行こう、資金運用部の建前を根底からくずして行こうというその理由は何か。それを離して郵政省に持つて行く、これが本来の姿だと言われるが、それは何か利益がなければならない、そうしなければならない理由がなければならぬ。その理由をお尋ねしておる。要点からはずして御答弁になつておるが、その要点をお聞きするまでは、私はどうしても次の質疑には移れぬ。
○佐藤国務大臣 先ほど来その理由はいろいろあげました。そのうちに一つの例として、院議を尊重するということも申しました。ただいまのようなお話がありますならば、どういうようなおつもりで院議をつくられますか。それもひとつはつきりさしていただきたい。これは今回の院議ばかりではありません。過去三回にわたるところの院議であります。それらのことをお考えになりますならば、ただいまのようなお話は私にはわからない。それからまた、本筋のところでやることがなぜ悪い。よそでやる方を本筋に考えられるのは、どうもりくつが通らないではないか。なるほど目的は同一でありましよう。同一でありましようが、本来のところでやることがなぜ悪い。それをはつきりしてもらいたい。私はむしろお尋ねがありましたこの機会に、私の方からも実は反問したい。国会の決議を、一回だけではない、三回もやられておる。国会の決議を尊重するのが議会政治の本来の建前だ。場合によりましたならば、私ども気に食わないことがありましても、院議には従わざるを得ない。その話に触れられないで、ただいまのような御議論をしておられることは、私はどうもふに落ちないのです。
○奧村委員 私は最初から申し上げておる。院議はある。あるが、国会の意思と政府の意思と別である。執行機関としての政府は、執行機関としての責任ある処置をとつて行かなければならない。資金運用部資金法という法律に基いて統一運用をやつて来たが、それが現実に郵政に分離するということについては、執行部としての政府の理由がなければならぬ。これは院議とは別です。だから、院議についても実は問題はある。しかしこれはここで取上げるべきではない。政府の今回の提案理由をお尋ねするのであつて、この点をお尋ねするのは何らさしつかえない。院議のことはまた別の機会で大臣みずからお調べになればいいそれから、郵政の方に復元するのが本筋である。その本筋というのは、何をもつて本筋と言われるか。資金運用部資金法というものの規定、これは現在政府資金一切を統一運用しておる規定なんだ。この規定を見られたならば、これを切り離すのが本筋になるというのはどれをもつて本筋になるか。その根拠を……。
○佐藤国務大臣 先ほどから何度も申し上げておるのでありますが、この簡易生命保險及び郵便年金の積立金は、これをただちに財政資金ということができるかどうか。これは一つの根本の議論であります。でありまするがゆえに、大蔵大臣も資金法はつくる、つくるが、この措置は臨時的な措置であめる、かように申しておるわけです。たから今日資金法がりつぱに働いておることは私は無視するものではありません。しかしそこで運用しておられる資金の中に、本来の財政資金と考えられるものかどうか、これが議論の焦点になるわけであります。この点は先ほど来何回も申し上げておりまして、もし私の説明がおわかりにならなければ、これ以上同じことを答弁する必要はないと思うのです。
○奧村委員 そこでどうも理由らしいということで受入れられるのは、簡保及び年金の積立金は財政資金でないと考えられる。従つてこれだけは資金運用部から切り離した方がいい、こういうお言葉のように承つた。これは大蔵大臣がむしろそういうふうに考えておるならばいいが、郵政大臣がそういうことを言われるということは、私はただちにそれを受入れることはできない。これは問題であります。しかしこの点は抜きにしておきます。私がその理由をお尋ねしておるのは、一般に郵政大臣も御存じの通り、国会外といわず、言論機関においても郵政関係の方方が、いろいろな言葉でもつて郵政に復元すべしということを言つておる。それが一つも納得の行く理由がないということで、おそらくあらゆる新聞報道機関などは全部反対しておる。その納得の行く理由を明らかにするということがわれわれの責務である。従つてそこをお尋ねしておる。そのかんじんなことは全部逃がしておられる。それだから私はそこをお尋ねする。あくまでも資金運用部から郵政省の方に運用を分離させるためのその理由、その理由はどういう利益があるのか。どうしてもそうしなければならぬ理由はどこにあるのか。軍にこの資金だけは財政資金でないという理由からそうなさるのか。そこだけをはつきり突き詰めて聞きます。
○佐藤国務大臣 郵政大臣個人の意見のような御批判でありましたが、政府の意見であります。政府といたしまして正式に閣議決定をし、政府の最終的な意思決定をしておるのであります。従つてその点についての誤解はないように願いたい。 なお私申し上げますが、この資金運用部資金法、これは基本的には私自身の所管ではありません。御指摘の通り大蔵大臣が責任をもつてやるのであります。しかし同時に政府の一員といたしまして、私どもにも責任があるわけであります。その点は誤解のないように願つておきます。従いましてそれらの観点に立ちまして、本法案をいろいろ政府としては慎重に審議をいたした次第であります。その慎重審議をいたしました結果、法案を提出して御審議をいただくようになりましたことは、冒頭に相当時間を費して御説明を申し上げておりますので、もう重ねて申し上げることはやめたいと思います。
○奧村委員 それではいずれ大蔵大臣にもお尋ねいたしますが、簡保及び年金の積立金は財政資金ではないという解釈、これは政府として統一された解釈でありますか。
○佐藤国務大臣 財政資金でないと言い切ることは無理でございましよう。と申しますのはすでに資金運用部資金法で、財政資金として取上げておるのでありますから、その取上げられておる関係におきましては、まさしく財政資金に違いないのであります。しかしながら本質的に考えますれば、これはそのときどきの財政状態によることではありまするが、加入者の利益のために使うべきものでございまして、いわゆる財政資金として国が使うべき性格のものではないということを、申し上げたかつたのであります。今日財政資金でない、かように申すことは、これは明らかに言い過ぎであります。
○奧村委員 そうすると、その次について来た言葉です。保險加入者の利益を守るために運用せにやならぬ、そういうことが理由となつてこの法律案をお出しになられたのかどうか。
○佐藤国務大臣 運用と申しますよりも、御承知のように簡易生命保險あるいは郵便年金は、郵政従業員が相当努力をいたしまして、この保險契約を募集して参つておるわけでございます。過去の例、これは戰前の例でありますが、戰前の例によりますると、これらの積立金は郵政省と申しますが、旧逓信省において運用いたしておつたわけであります。それが、御承知のことだと思いますが、戰時中におきまし相当の部分を大蔵省に返し、そうして一部を郵政省に残してなお運営しておるのが戰時中の例であります。戰時中にはおそらく国家財政資金が非常に窮乏を来したその結果だろうと思うのであります。その状況が戰後におきましてもなお引続いていた。戰後に引続いておりましたものが、占領軍からの特別命令がありまして、全部郵政省から大蔵省へ返つたわけであります。これを一部では、沿革的な歴史的な主張から、郵政省は運用権を復元したい、かような批判も実は受けておるのでありますが、これはただ軍なる沿革的な問題ではなくて、やはり集めました人たちにも——集める人と申しますか、集める場所におきましても、これを運用したいという気持、これは過去においての実績等から見ましても、ある程度理解のできることではないか、かように考える次第でございます。
○奧村委員 それでは理由については、残つたところ一つだけ、まだかんじんの要点がありますが、資金運用部資金法の第一條目的「その資金を確実且つ有利な方法で運用することにより、公共の利益の増進に寄與せしめる」これは今度の積立金の運用に関する法律も、同じ言葉でその理由が表現されておりますが、それでは言葉をかえてお尋ねいたしますが、資金運用部資金からはずして分離運用するための理由、これは資金運用部の運用と、運用そのものにおいてはかわりはない。ただしかし従来郵政省の所管であつたから復元するのだ、そういう意味ですか。それならそのつもりでまた今後の御質問をして行かなければならぬ。
○佐藤国務大臣 ただいまの財政経済の状況から見ますると、依然として資金運用部資金法の基本法の精神にのつとつて行くのが、経済情勢は適当なりという考え方をするわけであります。従いましてそのつ資金法の運用の基本方針によつて、郵政省においても運用するということに相なつておるのであります。
○奧村委員 巷間伝えられるところによれば、分離運用するならば、つまり資金の地方還元もふえるとか、あるいは郵政関係の従業員の士気も振うんだとか、あるいは簡保の成績も上るんだとか、そういうことを言われておるが、そういうことはこの法律案の提案の理由には、何も考えておられぬのかどうか。
○佐藤国務大臣 ただいま三つばかり並べられましたが、第一の問題は別でありますが、おそらく第二の募集に非常な好影響を持つとか、あるいは士気が上るということはあるだろうと思います。しかしながらそれは部内的な問題でありまして、私どもこれは国会等において申し上げる筋のものではないだろうと思います。第一のこの運用が郵政省に参りますれば、ただちに資金が地方に還元されるとか、あるいはその還元額がふえる、こういうような点はいろいろの批判はあることではないか。問題は今後いかように資金運用の基本方針にのつとつて運用して実績を上げるか、一にそこにかかつて来るのだと思います。と申しますのは、今日資金法の運用にあたりましても、やはり国家財政資金は地方に多分に還元されておるのであります。これは郵政省でなければ還元ができない、こういうような議論では絶対にないのでございます。
○奧村委員 実は院議でもつて復元の決議案の通るまでに、院内においてもまた院外においても、全国的に郵政関係の方々から、ただいま申し上げたような利益があるんだということで、ここまで状況を持つてつ来て、それで今度は大臣にお尋ねすると、いやそういうことは考えていない。これでは国会そのものは何を審議しておるかということになるのでありますが、それでまあ一つだけは手がかりになるようなことを言われましたので、その点をひとつお尋ねいたしたいと思うのでありますが、分離運用になりますと地方還元はふえるのか、ふえないのか、これは大臣のお言葉で行きますと別にかわらぬ、こういうことに今承りましたが、それに間違いありませんか。
○佐藤国務大臣 ただいまの運用の実績は、基正本的な資金法の運用の線で参るのでございますので、郵政省だけで特別な措置は講ぜられないのでございます。従いまして言いかえてみますれば、今回は窓口事務が一つふえる。大蔵省と地財委でやつておりますものに、あるいは郵政省が加わつたということの結果になるのではないかという感はいたします。基本的な問題といたしまして運用法自身が嚴として存する限り、その範囲で運用せざるを得ない。だから郵政省独自の考え方で運用のできるものでないことは、はつきりいたすわけでございます。だから御心配になるような資金法の基本方針を乱るということは、私どもには理解ができないのでございます。なお郵政職員がどうこうしたというようなお話をしておられますが、各省とも職員といたしまして自分の省を愛すると申しますか、そういう意味で、いずれの省でもいろいろの行動があるようでございます。相当自に余る行動も私ども感ずるのであります。私どもの省におきましては、十分注意をいたしまして、さようなことはいたさない。ことに問題になりますのは、この運用権が返ることによつて保險金の契約高がふえる。こういう点、あるいは地方還元をするからということで、保險の募集をするということは、嚴に戒めなければならないことでございまして、この点は郵政大臣としてはよく注意をいたしております。
○佐藤委員長 奥村君にちよつと申し上げますが、ただいま大臣は急用があるようでございまして、たびたび郵政大臣に来てくれということでありますから、特にこの際質問をあとまわしにして、退席を許可いたしたいと思います。御了承を願います。 本日は午後一時から本会議が開かれますので、これにて散会いたします。次会は明六日午後一時から開会いたします。 午後零時二分散会