大蔵委員会 第78号
- 発言数
- 39 件
- 登壇者
- 6 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1952/05/28
会議録
○佐藤委員長 これより会議を開きます。本日はまず国際通貨基金及び国際復興開発銀行への加盟に伴う措置に関する法律案を議題として、質疑を続行いたします。質疑は通告順によつてこれを許します。宮幡靖君。
○宮幡委員 前会に引続いて、国際通貨基金及び国際復興開発銀行、この問題につきまして質疑をいたしたいのであります。事務的な疑問は数々あるのでありますが、これはあとから伺うことにいたします。 まず基本的な問題につきまして、昨日も希望を申し述べておきましたように、どうもまだはつきりしないのであります。基金及び銀行に対する出資払込みの方法と、予算措置並びに財政法との関係につきまして、これまでたびたび断片的に質疑を行つて来たわけであります。きようはこの法案の成立を急がねばならないという事態に即応すするために、全般的にかつ具体的に、審議を終るという目標のもとに、お尋ねをしておきたいと思うのであります。基金及び銀行に対する出資払込み方法が、基金に対しましては金及び本邦通貨で、銀行に対しては金またはドルその他の外国通貨及び本邦通貨で払い込むことは、この法案の第三条に規定しておるところでありますが、さらに第四条では基金に出資する金の一部として、日本銀行所有の金地金を充てること、第五条では基金及び銀行に出資する本邦通貨のかわりに、その一部を国債で出資することを規定しているのであります。以上は法案に規定されている出資払込み方法の要点でありますが、それを具体的に数字的に検討してみると、私の計算では、基金及び銀行万に対する分を合計して、第一に、金またはドルによる払込みは六千七百五十ドル、円に換算いたしまして二百四十三億円、第二に、円貨現金による払込みは三百四十五万ドル、円にして十二億四千二百万円、第三番目が国債による払込みは二億二千九百五万ドル、円にして八百二十四億五千八百万円、第四番目が、銀行よりの払込み請求があつたときに、金、ドルまたは外国通貨によつて払い込むものは二億ドル、円にして七百二十億円となるようであります。 第一の問題点は、金またはドルによる払込み二百四十三億円、円現金による払込み十二億四千二百万円、合計二百五十五億四千二百万円の予算措置について、第一に疑問になるわけであります。すなわちこの予算措置としては、二十六年度補正予算で二百億円が計上されているのにすぎないから、予算上の不足額五十五億四千二百万円については、新たに予算措置が講ぜられるか、あるいは予算措置を要しないような措置がとられなければならないことになります。この新たな予算措置を要しないような措置が、この法案の第四条に規定されているわけでありますけれども、今日までの政府当局の答弁では数字的な説明がなかつたため、問題の核心をはずれていたように思われるのでありまして、この際すでに予算に計上されている二百億円の範囲で、二百五十五億四千二百万円が支障なくまかなえるということを、数字をもつて明らかにしていただきたいのであります。すなわちこの法案の第四条において、どれだけの数量の金を、どのような帳簿価格で買い上げ、それをどれだけのドルに相当するものとするのか。従つて普通価格で買い入れられる金は何ほどとなるのか。なおこのほかに金の現送費なども、二百億円の範囲内でまかなわれなければならないわけであるが、それはどのくらいに見積つているのか。それらの点を数字的に明らかにされたいのであります。次に一の帳簿価格で買い上げた金地金の価格と、実際価格との差額の処理については、法案の第四条の第二項でありますか、別に法律をもつて定めるとしてふりますが、どんな措置をなさろうとしているのか。この点についても数字的に明らかにされたいのであります。 第二の問題は、円貨現金による払込みについてでありますが、このような払込みの必要であることは常識的に私は聞いたのでありますが、私の聞いた範囲において計算してみますと、その金額の推定は先ほど申し上げたように出て参つたわけであります。これは私の見方が悪いのかもしれませんが、実は国際通貨基金協定におきまして、その明文を見出すことができないのであります。従いまして、この根拠規定はどこにあるのか明らかにしていただきたいのであります。 第三の問題点は、国債による払込みについてでありますが、この場合の国債の発行は、先般申しました財政法第五条の但書に記されている、特別の事由の場合に相当する場合であるかのような答弁であつたが、財政法第五条の但書は日銀引受の場合を前提としているのでありまして、この法案の第七条で規定しているところの、政府はこの国債の償還財源が不足の場合には、日銀にその国債の買取りを命ずることができるという点についても、関連性があるのでありますけれども、全体としてはこの国債発行は、国が債務を負担する行為という憲法第八十五条の規定によつて、国会の議決に基かなければならないことになります。この法案の第五条の二項で、必要な額を限度として国債を発行することができると規定しておりますが、この法案が成立すれば、これによつて国会の議決を経たことになるものとして解釈されておるのかどうか。 第四の問題点は、銀行から払込みの請求があつた場合に、金、ドルまたは外国通貨による払込みについてでありますが、これは銀行に加入することによつて、国がこのような債務を負担することになるのでありますから、前に問題にいたしました憲法第八十五条によつて、やはり国会の議決を要すると私は考えるのでありますが、これはこの法案に入つておりませんので、別途提出されている基金及び銀行への加入について承認を求むるの件の議決によつて、その目的が達せられるとお考えになつておられるのでありましようかどうか。 以上の四点につきまして数字的に、具体的に御当局より御明答をいただきたいのであります。
○石田政府委員 今四点の御質問がございまして、その中で主計局長から答弁していただきました方がいい点につきましては譲りまして、私の方でこの法案を準備いたしました点に関連いたします点だけ、先へ答弁さしていただきたいと存じます。 第一点でございますが、この金、ドルの部分についてどういうふうな具体的な数字になるのかというお尋ねでございます。これは先般内容説明をいたしました場合にちよつと申し上げたと思いますが、金または米ドルで出資を要する六千七百五十万ドルの中から、百八十億円に相当する五千万ドルを差引きますと、残りが千七百五十万ドルになるわけであります。この千七百五十万ドルに相当する金、これは純分で申しますと、十五トン六百キロということに相なりますが、それだけ日本銀行から借り入れたい。その場合における日本銀行の帳簿価格は何ほどであるかと申しますと、これは帳簿価格の方で申しますと、五千四百万円に相なるのでございます。そうしますと、これは第二点と関連するわけでありますが、現金払いの部分がございます。この現金払いの部分が基金に対しましては十億八千万円、それから銀行に対しましては一億六千二百万円という数字になりまして、これは先ほど宮幡先生の方から御指摘のあつた数字でございます。今申し上げましたようなぐあいに、百八十億円と五千四百万円と、それから今申します現金出資の分を合せまして、これを二百億円から差引きますと、約七億四百万円の残が出るわけでありまして、この残金をもちまして、金地金を輸送いたしましたり、あるいは改鋳いたしますような諸般の経費に充当いたしたい、こういう考え方でいるわけであります。 それから第二点の問題でございますが、今申しました点に関連いたしまして、現金払込みということは協定の本文にないではないか、一体どこに根拠があるかというお尋ねだと思うのであります。この点につきましては、この協定と申しますのは、日本の法令で申しますと、法律に相当するものでありまして、そのまた細則といたしまして政令とかあるいは省令とかいうものに相当するものが、国際通貨基金にもあるわけであります。国際通貨基金におきましても、また国際復興開発銀行におきましても、それぞれレギユレーシヨンというものを出しております。その中に一%云々というものを現金でもらう、こういう規定がございますので、それによつたものでありますし、なおこの問題につきましては、大体の金額を算定する上におきまして、基金当局の方と大体打合せをいたしまして、現金払いとしてどのくらい要求されるかという一応の下交渉——交渉と申しますと語弊があるかと思いますが、下打合せの意向を照会いたしまして、その現金をはじいているという状況でございます。なおそのほかの分につきましては、これは主計局長より御答弁願うのが適当かと思いますので、そう願いたいと思います。
○河野(一)政府委員 お答え申し上げます。国が債務負担するにつきましては、国会の議決を要することは憲法の規定する通りでございまして、この国際通貨基金に国債でもつて出資することにつきましては、国庫債務負担行為という形式もありまするし、また法律の形式、いずれでもよろしいのでありますが、ここに提出してありまする法律によりまして、必要な額を限度として国債を発行することができる。五条の二項の規定によりまして議決をお願いいたしておるわけでございます。 それから財政法第五条と、この国債の日本銀行買取りとの関係でございますが、宮幡さんのおつしやることはまことにごもつともなことであるのでございますが、やり方といたしましては、財政法第五条の規定によりまして、日銀引受の公債を発行して、そうして財源を調達する。従つてその日銀引受の公債発行について国会の議決を願うというのも、一つの行き方であろうかと存じます。ただこういうふうにいたしましたのは、この国債の償還要求につきましては、性質上前もつて時期、金額等が明らかでございません。それから基金から要求がありますると、二十四時間というきわめて短時日の間に、償還を行わなければならないことになつているのであります。従いましてその額自体もそうでありまするし、もしそういうことにいたしますと、それだけの歳出を常にとつておかなければならぬということになりまするので、こういうような便宜の手段を講じたのであります。従いましてこれは一旦発行いたしました国債を、日本銀行に買取りを命ずるわけでありまして、日銀の引受の公債を発行するのと形式的には多少違います。従いまして表向きは財政法第五条には抵触しないりくつにはなりまするが、趣旨はまつたく同じでありまするので、特にこういう規定を置きまして、日本銀行に買取りを命ずる。従つてそれについて財政法第五条但書の精神と同じ意味において国会の御議決を願う、こういう意味で第七条を規定いたしておるわけでございます。御了承をお願いいたしたいと思います。 未払いに対する債務の負担行為については、これは第二条によりまして出資することができるということで、国会の御議決を願つておるわけでございます。
○宮幡委員 そうすると外務委員会の方に付託になつています承認案件によつて、憲法第八十五条によりまする信務負担行為の承認を得たものと解釈せられる、そういう意味になりますか。
○河野(一)政府委員 ちよつとおつしやいました意味がはかりかねたのでございますが、この出資することができる出資自体は、一つの債務を負うわけでございます。従いまして憲法八十五条によりまして国会の議決を要するわけでありますが、それは国庫債務負担でもよろしゆうございますし、法律の規定でもいいわけでございます。私どもといたしましては、第二条の規定によりまして、この金額の範囲内において出資するこことができるということで、この法律条文において国会の御議決をお願いしておる、こういうふうに解しております。
○宮幡委員 ただいま質問いたしましたのは、従来の断片的質問を整理したものでございまして、それぞれの条項について私の感ずるところにおきましては、一応現在の情勢といたしましては、この立案の妥当性を認めなけばならぬであろうと思うのでありますが、ただ他の法律的な解釈と並べまして、常識論として考えますると、一つの矛盾があるのであります。そこでもしそういう点におきまして、あるいは 国会の外、あるいは国会の内等におきまして、それぞれ批判もあろうかと思いますので、その誤解を明らかにする意味におきまして、さらにこの四点に相互関連いたしまして、最終的な質問をいたしたいと思うのであります。 それは何かといいますと、大体大蔵大臣が昨年の臨時国会のときの補正予算、あるいは二十七年度の予算審議会等にあたりまして、常に国際通貨基金に加入の必要性を強調せられ、出資額はなるべく多い方がいい、一億五千万ドルでは足りない、三億ドルにぜひしたいのだ、こういう意見をしばしば述べられておつたのであります。私も直接このことをお伺いいたしたのであります。しこうして、ただいま石田財局長の御説明を数学的に伺いまして、結局予算の二百億と見合います現送費が約七億円を見合いまして計算しますと、百九十九億九千四百万円ということで、二百億で間に合うという——補正予算の手続をとらずに、予算措置が講ぜられるという説明が納得できたわけであります。そういたしますと、どうもこの数字を考えてみますと、この方法というものは二百億という予算に押されてそうして行政措置が講ぜられて来たものという解釈、従つてもし三億ドルでなければ不満でありつて、加入を断わろうじやないかという大蔵大臣のお言葉は、失礼ですが、見通しとしては一つの誤謬ではなかつたかということになる。こうして二億五千万ドルになりましても、日銀から十五トン六百キロという金を、帳簿価格五千四百万円で買い取れば、その残金でまかなつて行こうというきゆうくつな措置をしながら、もし三億になつたらどうなさるつもりであつたか。いわゆる可能と不可能の見境もなくして、いたずらに国際通貨基金に加入できるという一つの希望と欲望によりまして言われたという誤解を、私は生ずるのではないかと思います。そこでもしそういう錯覚がありといたしますならば、この法律案が審議せられる際に、基金及び銀行に加入いたす段階におきましてこの実情をはつきりいたしまして従来起つておりました誤解を解かれた方がよろしいのではないか。そこでこれは局長さん方にお尋ねして御答弁をいただくことは不適当だろうと思いますので、きようは答弁をいただかなくてもけつこうでありますが、適当の時期に大蔵大臣から発言を求められまして、この問題をひとつ釈明いたしていただきたいと思うのであります。どう善意に考えましても、私があえて参議院的な感覚をもつて言うのではありませんが、二百億の予算に押されましてあとから措置を考えたものであつて、従つてこういうきゆうくつな行政措置によつて、解決しなければならない問題であつた。もう考えて参りますと、二億五千万ドルという出資が限度であつたとしか考えられない。三億ドルになつたらさらに困つて来るのだ。こういうことでありまして、困るものを見境なしに三億ドルを希望するというのはどうか、というのが私の意見であります。もちろん法案とは直接関係はありませんが、とかくこういう誤解も出て参るであろうと思います。この点は適当の機会におきまして簡単でけつこうでありますから、大蔵大臣から一言御釈明いたしていただきたいと思います。 次に基金から外国通貨を買い入れ得る限度について、若干お伺いしてみたいと思うのであります。基金協定の第五条三項の(a)の(iii)でありますかには基金から外国通貨を買い入れ得る限度がきめられてあります。この条項は基金加盟の利点として最も肝要な条項でありますが、またきわめてわかりにくい言いまわしでありますので、一応日本の場合の例をとつて私の見方を述べまして、それによつて御当局がどう考えておるかと、はつきりいたしたいと思うのであります。この条項によると、基金から無制限に外貨を買い入れ得る限度というものは、基金の保有するその国通貨の額が、その国割当額の七五%に達するまでと解釈されるのでありますが、日本の場合には割当額一億五千万ドルの七五%、すなわち一億八千七百五十万ドルを円貨、国債で出資いたしますから、出資と同時にこの限度に達することになりますが、加盟と同時に無制限に外貨を買い入れることはできないことになるのではなかろうかと、私は読むのであります。わかりにくいのでありますから、なかなか読みにくい。読んで参りますとそういうことになる。従つて外貨を買い入れ得る限度というものは、一年間に割当額の二五%、すなわち六千二百五十万ドルずつであつて、最高額、すなわち割当額の二倍、二〇〇%、五億ドルまでが買い入れることができることになつておりますが、加盟と同時に円貨で一億八千七百五十万ドルを払い込んでいるから、五億ドルからこの金額を差引かなければならないことになる。従つて残額三億一千二百五十万ドルまで買い入れられるが、割当額の二〇〇%の限度に達してしまう。こういうことになつてしまうのであります。これを要約いたしますと、外貨を買える限度は一年間に六千二百五十万ドルずつとして、五箇年間で三億一千二百五十万ドルに達するから、その後は割当額が増加されない限り、買入れができなくなるのであります。しかも五年間に買入れができる金額は、三億一千二百五十万ドルにすぎないのであります。現在のように保有外貨が十億ドルにも達しておりまして、二十六年度の受取り超過が五億六千六百万ドルにも達しておるような国際收支の状況というものが、必ずしも長く続くものであるとは考えられません。安本の見通しによりますと、二十七年度は受取り超過はわずかに二千万ドルであり、しかもドルだけについてみますと、一億ドル近い支払い超過になるであろうという推定を、発表いたしておるような始末であります。このような支払い超過を適宜埋め合せて行くところに、基金加盟の妙味があるわけでありますが、わずかに一年間に六千二百五十万ドル、最高三億一千二百五十万ドルでもつて、加盟の妙味と申しますか、意義というものが大したものではなかろうという言葉にかわるかもしれません。なおこの基金に加盟することによつて銀行に加盟することができる。これによりまして外貨を買い入れることの限度が、ただいま申し上げましたように、大した妙味がないと考えられても、銀行の方面において何らか得るところがあれば、これは幸いだと思うのであります。従つて銀行から借入れができるという利点が、どのようにこれによつて与えられるか。これももちろん銀行の資金状況で、大きな期待が持てないではないかという考え方もあるのでありますが、銀行からの借入れは大体どの程度期待せられておるのか。そうして外貨を直接買入れいたしまする限度はどうか。この銀行からの借入れによりまして一段と為替基金の安定、その他通貨基金並びに開発銀行に期待いたしております利益を、日本が享受できるかどうか。この点をひとつ御説明願いたいのであります。われわれといたしまして銀行から借入れできまする限度とか、方法とか、どの程度期待できるか。こういう問題であります。 〔委員長退席、佐久間委員長代理着席〕
○石田政府委員 まず第一にこの基金協定におけるところの、基金から外貨を買い入れ得るところの限度の問題につきまして、今宮幡先生から御意見がございましたが、これは御解釈の通りだと思います。この規定がややこしいものですから、もつとわかりやすく説明いたしますると、こういうことに相ならうと思います。割当額が一億五千万ドルありまする場合に、日本政府はその二五%であるところの六千二百五十万ドルを出資いたします。その出資いたしましたる分はもし国際收支が悪くて、国際通貨基金の承認が得られるならば、出資した年においてそれだけのものを買いもどすことができる。これが第一点であろうと思うのであります。それから毎年々々遺憾ながら逆調が続いたという場合において、買い入れ得るところの限度というものは、毎年毎年六千二百五十万ドル以上を越えることはできないということに想なります。しかしこれは長年続けて行けるものではないのであつて、四年間にしかならないのであります。従いましてその金額を合計いたしまするならば、二億五千万ドルということに相なります。すなわち割当額というものがきまりました場合に、初め二五%を出資したならば、それはその年のうちに場合によつて買いもどすことができる。それから爾後四年間に割当額と同じだけの金額を買い入れることができる。こういう規定でございます。 第二点といたしましては二億五千万ドル、しかも実際純計といたしまして、日本が買い入れ得ることによつて得をするものは、出資額を除いてしまえは、割当額だけしかないということになり、そうして割当額が二億五千万ドルであれば、日本の国際收支の規模というものは、昨今二十億ドルを越えるという状況であるから、それに比べて非常に少い。それにたよることは大した期待ができないのではないか。こういう御意見であつたと思うのであります。この点につきましては、これは国際通貨基金に加盟いたしましたら、すぐみんな買い入れるということにすれば、ある意味から申しますと借金という形になるのであります。そういうことをするのが妥当であるかどうか。これは国際通貨基金に入る国が、みんな出資すると同時に買い入れてしまうということであれば、これは立ち行くはずはないではないか、こいうことを、極端論を申せば言えるのであります。ただ国際通貨基金におきましては、やむを得ないところの不時の国際收支の赤字を補填するということに重点があるのであります。今日から申しますれば、ただいまの状況では何も買い入れる必要がないということも言えるかと思います。しかし来年、再来年どうなるかということは、神様でなければわからない問題でありまして、そういいうふうにいよいよ悪くなつた場合に、急に入るとかなんとかいつても間に合わないのでありまして、極端論を申しますれば、保險に入つたようなものだということも言えるかと思うのでありまして、そんな気持で行かなければ国際経済というものはうまく行かないと、私たちは考えておる次第でございます。なお一番重点を置いて答弁しろと言われますところの、国際復興開発銀行との関係でございます。これは何というか、割当額とか、あるいは金の払込みというものと、それから借入額というものと、こういうものの関係は国際通貨基本金と違いまして関連性を持つておらないのであります。出資額とか、あるいは割当額というもののいかんを問題にするのではなく、加盟国の実際の需要状況、いろいろの需要状況において、優先順位をどう認めるかというようなところから、きまつて来るのであります。実際もそういうふうに動いております。これは国際通貨基金と違つた点であるということが言えると思うのであります。なお国際通貨基金におきましては、各国が払い込んだところの金なり、ドルなりというものが資金源になるというか、そういう形でございます。国際復興開発銀行の場合におきましては、ただ単に出資額によつて得たところのものではなくして、国際復興開発銀行が銀行債を発行いたしまして、その手取金をもちましてまた融資をするということが、現に行われて来つつあるわけであります。従いまして現在残つているところの金額が幾らあるかということから、もうこの銀行から借り入れる余地はないではないかという議論をいたしますのは、いささか極端ではないかと思うのであります。将来この銀行がどれだけ資金調節ができるであろうかということの方が、むしろ大問題ではないかと思つておるのであります。そこでそういう状況のもとにおきまして、日本が一体幾ら借りることを企図しておるのかという点でございます。この点につきましては、私たちはこれからいろいろと話をいたしまして借り入れる必要も起り、また話によりましてだんだんと話がまとまるものが出て来はせぬかということを期待しておりますが、これ自体といたしましてもどういう計画が向うにのみ込まれて、どのくらいの金が借りられるかということを数字的に申し上げることは、これは先ほどおしかりをこうむりました出資額の問題以上の問題に、相なるのではないかと思います。従つてそういう個々のプロジエクトを考えまして、どのくらいの金額をことしなりあるいは今後期待しておるかということにつきましては、いささか何でありますが、明確にお答えできないことを、御了承願いたいと思う次第であります。 —————————————
○佐久間委員長代理 お諮りします。接收貴金属等の数量等の報告に関する法律案を追加議題にいたしたいと存じます。——中野四郎君。
○中野(四)委員 きようはさだかな資料をそろえておりませんから、詳しくお聞きすることは私のはうができないんですが、これは御承知のように九十議会から第四国会に続いて、この問題は重大な連関のある問題なんです。特に共産党の徳田君と私と社会党の加藤君、当時自由党の世耕弘一君は、これに対しては深い関係を持つているものなんです。従つて私の方になお当時接收をする過程にあつた、将来接收後においての処理に関しての資料は相当あるんです。しかしながら山ほどあつて当時トラツクに何台というほど持つて来たもので、ただちに整理することは難儀でありますが、一、二点今後の質問の資料に伺つておきたい点があるのです。それはこの提案の理由説明を拝見いたしますると、旧所有者に対して返還その他の措置を講ずる必要があるから、こういう措置をとりたいという説明でありますが、事実返還をするには現品をもつて返還する意思があるのか、あるいは何らか代償をもつてこれを返還するのか、まずこの点を聞いておきたい。
○石田政府委員 これは返還その他の措置ということに関連いたしまして返還するのか、それともほかの形をしるのかという御質問と思いまするが、この点につきましては、この法案自体といたしましては、それらの点についてこうするんだということを明確にきめて、そうして御審議願うという段階にはまだ来ておりません。まず第一段階として報告をとりましていろいろの実態を確かめた上で、また措置に関する法案を提出するようにいたしたい、こういうふうに思つておるわけでございます。それからそういう報告を聴取いたしました結果、どういう事実が現われて来るかということは、私たちはまだはつきり申し上げることができないのでありますが、その点をかりにおくといたしまして、そういう事実問題その他につきまして問題がなくして、大体正常の状態であるならば、返すことが正当であろうというような事態が出たといたします。その場合において必ず返すかどうかという問題も起つて来ると思いますが、こういう場合におきまして二つ問題があろうと思うのであります。一つは金のようなものにつきましては、これは国家といたしましてなるべく金というものは保持していたい、こういう気持であるといたしまするならば、そういう場合にはその処理をいたしますときの大体の時価によりまして代価を払う、こういうような問題が起つて来るものと思います。それから銀の問題に対しまして、銀はこういうふうなものがとられたといいました場合に、その量というかきわめて微量であるというような場合があります。そういう場合に実際残つているところのものといたしましては、銀の大きなかたまりになつている。こういう場合に一々それを切つて返すかというような問題が起つたときには、あるいは技術的にはそういうふうに小さく切ることを省くような意味におきましてその時価において代価を返すと申しますか、そういうふうなことも考えられるのではないだろうかと、今のところ常識的に考えている次第であります。ただそれでは現実にどういうふうにするかという問題につきましてそのときの状況に従いましてあらためてそれについて御審議を願いたい、かように存ずる次第であります。
○中野(四)委員 どうもよくわからぬのですが、その処理することをまだはつきりしていないのです。ただ出させるという過程がわからない。なぜわからぬといえば当時の私の記憶によれば、一定の司令部から基準が出ているはずなのです。その接收貴金属に対してはダイヤモンドもそうなのです。それがここにまだはつきりしたものを持つておりませんから、それを基礎には言えないのですが、私の記憶に間違いがなければ、生ゴムとかあるいは金、白金、銀あるいはダイヤモンド、他にいろいろのものが載つておりまするが、そういうものの不法所持者に対して接收をした過程が多い。正当なる所持者に対しては、接收というよりむしろ話合いの上で供出せしめたものがある。それはきわめて少量なものである。たとえていえば所籍不明のものが相当多いだろうと思う。今のお話のように、罰則をつくつてこれをば届け出よという法律をつくりましても、事実上において盗んだものですから、あの終戦のどさくさまぎれにごまかしたものが多い。私らが七つ、八つ直接に関係した例をあげてもいい。板橋における銀線の摘発など、はたして何トンあつたか本人が知らないだろうと思う。それでは進駐軍の責任者がそのトン数をはかつて持つて行つたかというとそうではない。当時は大体あすこに三十トン、あるいは約五十トンくらいのものがあるだろうという投書がありまして、密告によつてわれわれはそれを捜査して摘発をしたのです。ところが議会で摘発しても、これは何トンあつてたれが受取つたという証明を進駐軍で一切出さない。どんどんトラツクに運んで持つて行つてしまう。そうすると、かりにこれを持つておつただろうと思う人間は、わからぬから新たに申告の場合におよそ四十トン、五十トンというように書くだろうと思う。当時本人の申告によればこれは銀でないのだ、銀の合金であつて銀でない。しかしながら進駐軍で検査の結果九六%だけの銀がある。現に国会の金庫にこれの一貫匁・二貫匁のぼくの持つて来たものがあるはずである。そういう例がありまして所籍不明のものがあると思う。こういうのは一体どういう処置をとるのか。その処置のことをまず明確にしておいて、こういう法律案を出すのがいいと思うが、あなたの御説明を聞くと処分の問題はまだ考えていないという。所籍不明なものの場合はどうするのですか。
○石田政府委員 中野先生がお話になりましたのは、隠退蔵物資と申しますか、不正保有物資というか、そういうふうなものであろうと思います。そういうものもこの中にまぎれ込んでおるものがあるいはあるかもしれぬと思いますが、その大部分というものは、終戦直後進駐軍が日本に参りましてそうして日本銀行にいたしましても、あるいは民間の会社にいたしましても、そういうところから金、銀、白金、ダイヤモンドを接收して持つて行つてしまつたのでありまして、そのものの処理をするところの助けにしようというのがこの法案であります。あれはたしか経済安定本部が中心になつておつたかと思うのでありますが、あの不正保有物資あるいは隠退蔵物資の方の関係とは全然別でございます。あれは、そういうのを摘発いたしますと、政府はその代価を払つて取上げてしまう、こういう大体の形がとられたと思うのでありますが、この方の問題は、今申しましたようなぐあいに、隠退蔵物資、不正保有物資というような問題が起ります前に、来ましていきなり接收してしまつた、そういう金を日本銀行へ集めておつたわけでありまして、それをどうするかというのが主眼であります。
○中野(四)委員 それなればリストが日本政府にあろうじやありませんか。隠退蔵物資の摘発当時のいわゆる基準の中からはずれているもので、進駐軍が上陸当時に接收したものなれば、こんなものを一々出さなくても、ある程度日本政府にリストがあるはずですが、それもこちらにないのですか。
○石田政府委員 これはたびたび御説明申上げておつたところなのでありますが、進駐軍が参りまして、そして日本政府とか、あるいは日本銀行とか、あるいは鉱山とかいうところに行きました。あるいは軍需会社に直接行きましてそれを押えてしまつた。そういうものがこの問題であります。そのときに、日本政府なりあるいは日本銀行が持つておるものは、ちやんと帳簿が残つております。それから鉱山とか軍需会社というふうなところにおきましては、レシートを渡しておるのが普通だろうと思うのです。ただしかしそういうふうなものにつきましては、私の方といたしまして正式に報告を聴取いたしておりません。従いましてこの報告によりまして、その受取り等の写しをつけて報告してくださるということに相ならうかと思うのであります。なおそういうふうに一応接收をいたしました後におきまして、もつと接收すべきものがあるのではないかということで、特に報告を聴取することがございます。この報告に従いまして報告したものについては接收されたものがある。そういうものにつきましては報告がございまするから、その後に接收が行われたろうということがわかるわけであります。但しこの報告につきましては、占領軍の方の話で、すでにもう接收しているものは出すに及ばぬということになつておりますから、政府といたしましてはその分については報告がないのであります。今度主として取ろうと思つておりますところのものは、来たときにも接收してしまつておるもので、数量報告令によりまして出したものはごくわずかのものであります。従いまして大部分の民間のものにつきましては、報告未済であるという状況になつております。
○中野(四)委員 もう二点だけ聞いておきたい。これは隠退蔵物資等の摘発の物品とは全く違うということをおつしやるならば、当時政府は買い上げていないのですが、ただ無断接收をして持つて行つてしまつたということになると、どこに行つたかわかりませんか。金、銀、白金、あるいはこのわくの中にあるものは、全部進駐軍が持つて行つたのですか。これはどう処理したのでしようか。
○石田政府委員 今のお話の問題につきましては、大蔵省といたしましてはタツチいたしておりませんので、あるいは経済安定本部においてそういうふうなことがあつたかと思うのでありますが、この法案の関係におきましては、そういう問題とは別の問題であると考えておる次第であります。
○中野(四)委員 そうするとそれは後日また安定本部の係の人に来てもらつて話を聞くことといたします。かりにこれは連合軍に資料を求めても、連合軍の資料が提出されないというのですね。そうしますと日本の内地にこのことを求めまして、もしこれが届出も出ない、そうして現物が余るというような場合があると思いますが、この処理はどうするのですか。
○石田政府委員 そういう場合もありましようし、あるいは報告によりましては現物が足りないという場合もあろうと思うのです。それらのところは報告を聴取してそれからその数量をまとめまして、その上でどうするかという態度を政府としてきめまして、その上で法案によつて御審議をお願いいたしたい、かように思つておる次第でございます。
○中野(四)委員 そうするとこれは原則として、本人の提出量がわかれば、現物として返すことは好ましくないけれども、当時の価格に換算して政府は支払うつもりであることだけは明確ですか。
○石田政府委員 大体の常識からいいまして、返還ということが本筋ではないか。もし数量等もすつかりわかり、それがきちりつと合う。しかもその報告された人の所有権は何ら疑う余地がないということになれば、先ほど述べました特別の事例を除きまして、返還するのがむしろ常識ではないかと考えましたので、「返還」という文字を使つたのであります。ただそれが結果によつては、数量が合わぬとかいろいろな問題が起つて来ると思いますので、そこで「その他の措置」というものを加えた次第でございます。
○佐久間委員長代理 公聴会開会申入れの件についてこの際お諮りいたします。実は昨日の本委員会におきまして、ただいま審査中の簡易生命保險及郵便年金特別会計法の一部を改正する法律案、及び資金運用部資金法の一部を改正する法律案の両法案につきまして、公聴会を開くべく議長の承認を求めることを決定いたした次第でありますが、同日の運営委員会におきまして、親法案である郵政委員会の簡易生命保險及び郵便年金の積立金の運用に関する法律案について、公聴会を開くべきであるとの意見が出て、この理由のもとに議長の承認は保留するということでございました。本委員会といたしましては、このために郵政委員会に対し、親法案である簡易生命保險及び郵便年金の積立金の運用に関する法律案について、正式に文書をもちまして公聴会を開いてほしい旨の申入れをいたしたいと存じますが、この点御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○佐久間委員長代理 御異議ないようでありますから、さよう決定いたします。なお文書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと思うのであります。 では質疑を続行いたします。宮幡靖君。
○宮幡委員 国際通貨基金、国際復興開発銀行の問題については、主要な点は相当程度明らかになりましたので、まあやむを得ないかと思うのであります。そこであとごく事務的なことでありますが、これは課長さんでもお係の方でもけつこうでありますから、本日はこまかい点を数点伺いまして、一応質問を終りたいと思います。これは前からの続きでありまして、簡単なことでありますから、列挙的に申し上げます。基金協定の第九条第二項、「基金の地位」というところでありますが、第二項には「完全な法人格を有し」と特に書かれております。第三項には「あらゆる形式の訴訟手続の免除」とありますが、これは具体的にどういうことを言つているのか。第四項の強制処分の免除、このこともあわせて事例的に説明していただきたい。第六項の「基金のすべての財産及び資金」、これは説明を受けなくてもいいのでありますが、同項のモラトリアムの免除です。実際問題としてモラトリアムの免除ということは、どういうふうに協定が実施されるか。これらのことを列挙的にひとつ御説明していただきたい。
○石田政府委員 お尋ねの点につきましては、この免除及び特権ということがございまして、これは特別な規定がございます。普通の常識から申しますと、こういう協定に入りまして、こういう規定がございますと、これと同じようなことを国内法で規定してやるということを、普通やつておるのが多いわけでございます。ところが今この条文を読んでみますと、わかりきつたことと、てんでわからない問題と二つあるわけでございます。その点を申し上げますと、国際通貨基金というのは法人でありませんと、これはいろいろ買い入れとか取引をいたします場合に、法律関係がどうなるのだ、一体これは組合なのか何かというふうな問題も起つて参りますので、そこでこれは特別の法人である。出資者の組合みたいなものではなくて、法人なんだということをはつきりさせるという意味であろうかと思うのであります。 それから訴訟手続の免除と申しまするか、これは何と申しますか、通貨基金が何かある行為をやり、これについて訴訟でもつて訴追されるとかなんとかいうふうなことをやられては、運営上困るという意味で規定されたのであろうと思います。但しそうかと申しまして、国際通貨基金はかつてなことをしていいものだという誤解を起してはいけないので、それで但書がついておるのだと思います。第四項の規定の意味というものは、われわれにもわかりません。基金当局に聞きましても、どうもあまり明快なる判断を受けておりません。 それから五項の点につきましては、国際通貨基金の取引なり、あるいは文書等については、相当機密を要することがあると思います。これは一例でありましてそんなことがあつたかどうかわかりませんが、その場合を想定いたしますと、たとえばこの前ポンドの切下げがございました場合におきましては、通貨基金とそれからイギリス当局との間に相当往復があつたろうと思うのでありますが、そういうような場合に、電信あるいは文書等におきまして、経由国においてそれが不可侵でなかつた場合には、困つた事態が起るであろうということを想定しての規定ではないかと、私たちは考えております。 それからモラトリアムでございますが、一般的にある国がモラトリアムをいたしました場合に、通貨基金がそのところに資産を持つておる。この資産というものが預金の形になつておつたが、引出せないということでは支障が起るであろう、こういう意味でやつてあるのだと思うのでございます。 そこでこういう規定がありまするので、日本政府としてはどうするかという問題でございますが、これは個々特定な具体的な場合が起つて来て、国内立法措置を必要とする場合において、初めて法案を出すということがむしろいいのではないか。何かわけのわかつたようなわからないような包括的な法案を国内立法措置としてやることはどうか。従いまして国際通貨基金の方から特別な要求がありました場合は、またそのときに考えなければなりませんが、さしあたつては個々必要が起りました場合にやる。たとえばこういうことはないと思いますが、かりにモラトリアムをするときに、この規定があるから、それは除外するという立法をするときに、附則をつければあるいは片づいてしまうというようなこともあるかと思いますが、一般的な立法をすることはできれば避けたい、かような気持で現在おるわけでございます。
○宮幡委員 一体この協定は原文が原文であるのでありまして、日本語で表示した場合はおそらくわかりにくいことでありましよう。将来において十分なる実施効果があるものと期待しまして、御説明を承つておきます。 それでは次はやはり第十一条であります。「非加盟国との関係」というところでありますが、この条項として連想して参りました問題は、加盟国であつて日本との平和条約が未締結の国、平和条約によります加盟国というものと日本との関係、それで日本との平和条約が締結されておらない、正常な外交関係に入つていない国と日本との関係は、国際通貨基金に加入した上はどういう関係になるか。
○石田政府委員 これは今平和条約と申しますか、そういうことによりまして正常なる外交関係が復活した国と、しない国とございます。しかしながら現実問題といたしましては、国交関係を復活していない国につきましても、いろいろ通貨上の取引は現にいたしておるわけでございます。従いまして平和条約云々という問題と、非加盟国、加盟国というものとはこれは概念を一応異にするものと、われわれはかように考えておるわけでございます。もう一点補足いたしまするならば、日本が形式的に平和条約を締結した、あるいは戰闘状態の打切りになつた国とそうでない国とは、これはそれによつて必ずしも通貨的な取引は一致いたしておりませんということを、ひとつ考えなければならないと思います。従いまして日本が国際取引をいたしておる、通貨関係の取引をいたしておる国というものを一体として考えまして、そうしてその国において加盟国と非加盟国というものがわかれるわけであります。その場合におきまして加盟国は国際通貨基金に加入いたしまするならば、国際通貨基金の一定の条章に違反しないように、当然日本側としては心がけなければならない。また相手方も加盟国である以上はそうでございます。そこで大体問題はない。ところが問題があるのは相手方が非加盟国であつて、国際通貨基金の規定を受けないという場合におきましては、相手方がこれは加盟しておらないから、相互的関係でなくて、一方的な関係である場合にはどうするかということになりますれば、そういう場合にもやはり加盟国は、国際通貨基金協定の趣旨に従つて行動しなければならないというのが、この規定の趣旨である、かように解しております。
○宮幡委員 そう解釈するほかないでありましようが、これらもいろいろむずかしい問題です。少し飛びまして、今の問題と第十四条の「過渡期」の第二項の「為替制限」というところでありますが、「また、事情の許す限りすみやかに、国際支払及び為替安定の維持を容易にするような通商上及び金融上の取極を他の加盟国と締結するため、すべての可能な措置をとらなければならない。」通商、金融協定等が期限が参りまして延ばしたものの暫定措置がある。これを全部結んで行かなければならない。今のような形で行きますと、通商航海条約というものは、古い占領下のものをはずして考えますと、ほとんど成立しておらない。それでこういう可能な措置をとらなければならないということの意味でございますが、これは外務省に聞くのがほんとうでありましようが、一体全般的に通貨基金に入つて、国際支払い及び為替安定の維持を容易にするというという趣旨に合うための日本の措置が、そこまで進んでいるかどうかという問題をあわせ考えまして、私は非加盟国というような問題も取上げて考えてみたのであります。これはお答えをいただくまでもありませんので、この程度にいたしておきます。 簡単なことでありますが、どうしても解釈して私の頭では読み切れない条文があります。第十二条の「組織及び運営」の第三項の「理事会」、その理事会のC項でありますが、「理事の第二回定期選挙の時以後に、前記の(b)(i)に基いて物事を任命する資格がある加盟国のうちに、加盟国通貨の基金保有額の過去二年間における平均額が割当額未満に減少しており、且つ、その減少の絶対額を共通尺第としての金で表示したものが最大であつた二加盟国を含まないときは、場合により、その加盟国の一又は二は、物事を任命する資格を有する。」この(C)の問題の説明をしていただきたいと思います。
○石田政府委員 なかなか規定がややこしゆうございまして、私たちもそれを読みまして、率直に申して頭が痛くなる次第でございますが、大体この理事会の構成につきましては、初めから、俗な言葉で言いますると特定されたチャンピオンと、そうでなくして選挙されたチャンピオンとある。こういう大体の観念であろうと思うのであります。その第一は、この五人の者は最大の割当額を有する五つの加盟国から任命する、それ以外のものは適当な方法によつて選出する、大体こういう観念になつておるわけでございます。そこで今お話の点につきましては、そういう一番初めのときにおきましては、なるほど五大国とかなんとかいつて、特定チヤンピオンでありましたところのものが、その後調べてみますると、どうも適格性を欠いておる。加盟国の通貨の、何と申しますか、割当の通貨保有額が割当額未満に減少しておる。ということは、その国の通貨がよく売れたということであり、かつその減少しました絶対額ということは、要するにその国の通貨が非常によく売れたということでありますが、そういう金の大きいところの国を選んでみる。それとさつき申しました選出されたチヤンピオンを比べてみますと、かえつてそのあとの方がチヤンピオンたる資格があるではないかというような場合におきましては、あとの方のやつを常任特定チヤンピオンというふうなものに加えようか、こういう規定であるかと一応解釈いたしている次第であります。
○宮幡委員 「その減少の絶対額を共通尺度としての金で表示したもの」その共通の尺度というのはどういう意味になりますか。度量衡みたいな規定でありますが……。
○石田政府委員 通貨基金は、御承知の通りに各国の通貨を金で表示するということが書いてあるわけでございます。すなわち金が共通尺度である。自分の国の通貨が非常によく売れました。売れました場合に、その通貨というものの金平価はどうだということを言つておるわけでございます。従いましてその通貨を要するに金平価によりまして金としたら、幾らになるかということを出してみるわけでございます。その金の分が一番大きいところの国、こういう意味だと思います。
○宮幡委員 そのくらいにしておきましよう。 その次はやはり同じ項の第五項「投票」というところでありますが、「(a)各加盟国は、二百五十票の外」この二百五十票の根拠がこの協定をずつと見ましても、不幸にして私は見当らぬのでありますが、二百五十票の根拠は一体どこから出ておりますか。
○石田政府委員 この国際通貨基金協定を読みまして、非常にこれがわかりにくいということは、非常に多数の国が集まつておりましてそれぞれの国の利害調整をいたしまして、妥協の結果できたものだという点が非常に強いのであります。その意味におきましてわかりにくいと思うのであります。ここのところの場合も、要するに何と申しますか、割当額の多い国、それからして少い国、それぞれ利害が異なるわけであります。割当額の少い国から言えば、割当額いかんにかかわらず、みな平等の表決権を持ちたいという主張が片方にある。割当額の多い国からいえば、割当額の比率に応じてきめよう、こういう議論がございまして、その結果いろいろ議論して二百五十票というのが出て来たのであつて、これは何を基準にして出て来たというのではなく、今申しました大きな背景のもとにおきまして一応きまつたもの、妥協的にこれが出て来た、かように私たちは解釈しております。
○宮幡委員 過去におきまして理事会または総務会の定めによつて妥協的に出で来た、こういうことになりますか。それからその次は、こまかい問題はやめまして、十九条であります。これは割合簡単な問題ですが、(i)の「経営取引のための支払とは、資本移動を目的としない支払をいい、次のものを含むものとし、且つ、これらに限られない。」この条項でありますが、これと今外為の大久保委員が来ているのでちよつと伺いたかつたのですが、外資法との関係がどうなるのか。この支払法には「貸付に対する利子として及びその他の投資による純收入として行わなければならない支払」、「貸付の賦払償還又は直接投資の消却のための多額でない支払」、「家族の生計費のための多額でない送金」、これは次の項のさすところの項目になりますが、これと外資法との関係はどうなるのですか。
○石田政府委員 今の御答弁を申し上げまする前に、一般的に申しまして為替管理というものがどういうふうになるかという問題が先だと思います。この点につきましては、先ほどちよつと宮幡先生がおあげになりました過渡期のところの措置がございます。あそこで為替管理ということが一体加盟国に認められるかどうか、こういう問題がまず来ると思うのであります。加盟国につきましては、これはあそこの条文では非常に理想的なことを書いてございまして、そうしてなるべく早く為替管理というものはやめるようにする、こういうことを目途といたしてあるわけであります。もう戦後過渡期のいわゆる五年間は過ぎましたが、御承知の通りに為替管理をやつていない国というのはむしろ例外である、こういう状況でございます。 〔佐久間委員長代理退席、委員長着席〕 これらの国々におきまして、すでに加盟している国は、この基金が参りましたときに、それぞれ国際通貨基金の了承を得ておることと存ずるのであります。日本につきましては、為替管理をやつておりますることは御承知の通りでございまして、今度その加入を認めるということは、為替管理をやつておるということを前提として認める、かように解釈いたしておるわけであります。 次に為替管理というものを非常に困つたものだというふうに、国際通貨基金は考えておりまするが、しかし昔と違いまして、国際通貨基金の一つの特色と申しますか、そういう点等につきましては、経営取引というものと、それから資本取引というものをわけまして、経営取引を阻害することは国際交流上好ましくない。しかしながら資本取引というものは、これは国際交流の秩序を維持する上において困つた問題が起り得るのである。こういう認識が根本的にあると思うのでございます。これは一九三〇年来におきまして、御承知の通りに資本が非常に移動いたしまして、このうち投機的に移動いたします短期資金の移動等によりまして、主常に苦しい経験を各国がなめましたことは御承知の通りでありまして、従いまして資本取引についてこれを制限するということは、平常状態においても考えなければならぬことではないか、こういう考え方があるわけでございます。ところで経営取引は円滑にやりなさい、資本取引については適当な調整を加えなさいということで、ありますが、そこで経営取引とは何ぞや、資本取引とは何ぞやということが、これが非常にむずかしい問題になるかと思います。この経営取引と資本取引の観念というものをわけることは非常にむずかしいことと思います。従いましてここにありまするものでも、それは次のものを含むものとし、かつこれに限られないということで例示いたしただけであつて、きわどいところはわからない、こういうことになつておるわけであります。 しかしこれと外資法との関係はどうであろうかという問題でございますが、外資法がかりに何と申しますか、利子の送金とかなんとかいうものを制限いたしておりましても、これは為替管理の一環であると考える方がむしろ適当であらうと思います。日本では法律をわけておりまするが、向うから申しますならば、あるいは一般的に申しまするならば、これは為替管理の一態様である。従いまして日本の国がそういうことが必要であるならば、そういう点から制限を加えることは、先ほど申しました点から、国際通貨基金は私は異存はないと思います。ただ現在の外資法によつてやつておりまするところのものが、どこまでが資本取引であり、どこまでが経営取引なんだ、こう概念的に区別するという問題に相なりますと、これはなかなかむずかしい問題であらうかと思うのでございます。ここに貸付なんかについても書いてございますけれども、それでは証券投資はどうなんだというふうなことになりますと、何ら規定がないわけでございます。常識的に申しますならば、日本に金を持ち込んで証券を買う。これは資本取引である。証券を売つて金を向うに持つて行つてしまう。これは資本取引である。こういう概念ができると思います。しかし外資法の場合におきまして、年賦払いで三年すえ置き、五年目から二〇%送られるということは、一体貸付の年賦払いに相当いたしまして——それとは言葉が違いますが、いわゆる「これらに限られない。」というのに入るか入らないかということになりますと、これはちよつと私ども明答いたしかねるのでございます。
○宮幡委員 解釈としては、そのくらいに考えておくよりしかたがないかと思います。 あと銀行の方で一点伺いまして、質問を終りたいと思うのであります。まだ調べればあるでしようが、時間の関係で大体にしておきますが、復興開発銀行協定の第二条の九項の場合を見ますと、これは(a)項と(b)項とが平価の引下げ、引上げと対照的になつていますが、(a)の字句をこれで見て参りますと、正式の平価の変更がない場合におきましても、その加盟国の通貨の実勢に応じた措置をとるというような意味が、強く浮んで来るのであります。そういう措置を(a)項においてとるというふうに解釈すべきでありましようか。そういうことはしない、ただ漠然と平価が変更された場合のみやる、こう解釈されますか。この点をはつきりしたいのであります。その通貨の実勢に応じての措置をとるのだというふうに、(a)項が読めてかなわないのですが、そ点をはつきりしてもらいたい。
○石田政府委員 この(a)項につきましては、「又は」と書いてありまして、「又は」の上と下があるわけであります。上の点は疑点のない問題だろうと思います。しかも払い込まなければならないということでありますから、これは補填せざるを得ない。しかし後の方の問題になりますと、通貨価値が下落しているのですが、どの程度下落しているかということは、およそ紛議のもとであろうと思います。実際問題としても、これは規定はありますけれども、実行問題としてはなかなかむずかしいし、またこういうことをやつておる国はあまりないのではないか、そういうふうに解釈いたしております。
○宮幡委員 そういうことをやつた実例はないと言われれば、それまででありますけれども、いわゆるポンドの実勢の低調の場合、あるいは金フランの切下げが伝わる場合、しかもフランスのごときは民間の保有高が多いから、金の買上げをやりますれば、ただちにインフレーシヨンになる。あるいは通貨価値の変動が起つて来るかもしれない。そういうときにおきまして、実勢というものを把握する基金の措置というものは、将来日本が東南アジア地域を基盤といたします開発等を、日米経済協力のもとでやりまする場合には、ただちにいわゆる円貨の実勢ということが問題にされることになる。そういう場合におきまして、この解釈が実は私にはよくわからないのであります。これは加入後のことでありますが、いずれ日本も理事国となるのでありましようから、それらを通じましてこういう問題をひとつはつきりいたしまして、そうして国内法として規定すべきものがありましたら、すみやかに立法されるように私は希望いたしておきます。 なおこれらにつきましては数を申し上げればまた数十点疑問の点があります。しかしきようは大きな目標につきまして相当程度の了解点に達しました。あと保留されておるものは、大蔵大臣からの一つの釈明の言葉だけであります。これはこの法律案を通過させることにただちに関係のないことでありますから、別の機会におきまして大蔵大臣から当時の事情を話していただけば、それで了解できる問題で、法案とは直接関係がない。ただあくまで二百億円の予算に納めましてできた措置であります。だから追加予算はいらない、補正予算はいらないのだという解釈を、私は一応認めたいと思います。その他債務負担行為につきましても、あるいは財政法第五条との関係等につきましても、本日の総括的な質問におきまして、明らかになつたものと私は認めたい。そういう意味で、この法案に対しまする私に関する限りの質問はこれで終りたいと思うわけであります。
○佐藤委員長 次会は明二十九日午前十時から開会することといたしまして、本日はこれにて散会いたします。 午後三時二十六分散会