大蔵委員会 第62号
- 発言数
- 15 件
- 登壇者
- 4 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1952/05/09
会議録
○佐久間委員長代理 これより会議を開きます。 日本開発銀行法の一部を改正する法律案、国民金融公庫法の一部を改正する法律案、及び高金利等の取締に関する法律案の三案を一括議題といたします。右三案の質疑に入ります前に、国民金融公庫法の一部を改正する法律案に関する正誤の件について、銀行局長より発言を求められておりますのでこれを許可することといたします。銀行局長河野君。
○河野(通)政府委員 国民金融公庫法の一部を改正する法律案の中に、整理漏れで字句が少し違つておりましたので、別途正式に印刷をして差上げることになつておりますが、お直しを願いたいと思います。法案の三ページの五行—六行目に「その他同公庫に使用される者」というのがございますが、これは当然なくていい字句であつたのでありますけれども、整理漏れで残りましたのでこれを正誤いただきたいと思います。
○佐久間委員長代理 次にただいま議題となつておりまする三案について、前会に引続き質疑を続行いたします。質疑は通告順によつてこれを許します。宮原幸三郎君。
○宮原委員 河野銀行局長にお尋ねいたしたいと思うのでありますが、この高金利等の取締に関する法律案の第一条の高金利等の禁止の規定のうち、日歩五十銭というところが基準になつているのが、同僚議員から先般来たびたび問題にされているのであります。それに関連してちよつと伺いたいのですが、大蔵省方面、関係方面の御調査で日歩五十銭以上で貸借が行われているというような事例、それがどの程度に行われているのかということについての調査の資料が、お手元にある程度寄せてありますか。それともおおよその常識の判断で、われわれが考えているのと同じ程度の考えでいらつしやるのであるか。この法律を御制定になろうという基礎の点から言いましたら、その辺のところは相当御調査に相なつたことと思うのでありますが、どの方面かにいかなる資料かがあつたのでありますか。その辺をちよつと伺つておきたいと思います。
○河野(通)政府委員 日歩五十銭というものを限界として処罰の対象にいたしたのでありますが、この五十銭というのは昨日も御説明申し上げましたように、現在の貸金業法による取締りの実際のやり方におきまして、やはり五十銭というものを基準にいたしているわけであります。きのうも法務府の方から説明があつたと思いますが、いわゆる日歩五十銭を越えて金利をとつております者は、この貸金業法の違反としていろいろあげられているもののうちに、相当実はあるわけであります。俗に言われているト一といいますか、十日で一割といつたような金利等もあることは確かに見受けられる。しかし何しろ貸金業者は大体届出されておりますのが六千、届出のできてないのが四千余り、合せて一万もございますので、私ども的確に個々について取調べるやつたことは、実はないわけであります。これを越えておりますものにつきましては、業務法違反として現在検察庁において、いろいろ取上げられていることに相なつているわけであります。この件数等につきましては調べたものがございますので、今手元に数字を持つておりませんけれども、高金利のために取締りの対象になつております件数につきましては、後ほど調べた上でお答え申し上げます。
○宮原委員 貸金業者の立場もあるでありましようが、貸付を受けます方の一般大衆の側と両方を観察して参りますと、いわゆる貸し倒れ、焦げつきというような危険があつて、そのために高金利の貸付業者も、最近においては数年前に比べますと、高金利は事業遂行上からも、事実上元利の支払いが不能になるというような事例が起きて、大分整理をされているというような段階に来て、数年前に比べると、最近は高金利の日歩の金を使おうというような利用者は、まじめな業者の間にはほとんどそのあとを絶つというような傾向に向いつつあるように、われわれは常識判断をしているのでありますが、数年前と今日の事態と、ますます高金利の利用者がふえて行つていると見ておられますか。それとも高金利の利用者があつて、そのために利用者の方が一時はこの利用のために利益を得ているが、そのためにかえつて行き詰まりを生じているというような、業界も混乱をしたような時代は、すでにいわゆる最盛期を過ぎたものであると見ておられますか。その辺の民間金融界に対する大蔵省の御見解を伺つておきたい。
○河野(通)政府委員 お尋ねの点は、ここにございますたとえば日歩五十銭を越えるような高い金利をとつている事例が、従来より減つているかどうかという御質問かと思います。この点はお示しのように、だんだん経済が正常化に向い、資本の蓄積というものが一般の本来の金融のルートに乘つて来るに応じまして、こういうようなものはたんだん減つて行くという方向にあると思います。金利等につきましても、従来よりも一般に貸金業者の金利の水準というものは、一時よりも大分下つて来ているように見受けられます。現在では大体多いのが、やはり日歩二十銭から三十銭くらいの利率になつておる貸金業者の金利が、一番多いように見受けられます。一時は大体四十銭から五十銭というのが常識であつたのでありますが、だんだん経済が本筋に返つて参りますに応じまして、こういうべらぼうに高い金利というものは、だんだん減つて行く傾向にあるというふうに私どもは見ております。
○宮原委員 役所の仕事は、いつも一番取締りを要するときは調査とか研究で日を送つておつて、さて法律でもつくろうかというときは下火になつているという例が——銀行局に限つてそんなことはないと思うのでありますけれども、とかくお役所にはあるのです。従来そういうことで非常に悩まされた体験を、われわれはたびたび持つておるのでありますが、この日歩五十銭というような、いわゆる禁止規定であるとはいいながら、これは決して公認ではありません。日歩五十銭までは、民事上の責任は解除するものではないけれども、しかし刑事上の責任は、五十銭まではある意味において免除するという立法措置というものは、これは一種の国民道義の面から考えましても、單に金融というような簡単な單純な面だけではなくて、われわれはこの法案を審議するにあたりまして、同僚の間においても、まことに躊躇をいたしておるような事情にあります。すでにその取締りの対象になるところの事例というものは、漸次減少する傾向にある今日でありますから、特に法律でこれを明示する必要度というものは低下いたしておると、私どもは考えておるのであります。ついては、一点伺いたいのでありますが、五十銭という金額の明示をいたさないで、法案には、金額の明示だけは政令に讓るというような意味の措置にいたして、この法案の目的を達することはできないのであるか。これについての銀行局長の御意見を伺つておきたいのであります。
○河野(通)政府委員 この点は、昨日も宮幡さんからの御質問にお答えいたしたのでありますが、なるほど五十銭という金額をここにはつきり出しますことは——法律の立案の趣旨はそうではないのでありますけれども、いかにもそこまではいいといつたような印象を與えるおそれもあることは、まさに御指摘の通りであります。この法案の立案にあたりましても、この点は実は部内でもいろいろ論議をいたしたのでありますが、何分にも非常に高度の処罰の対象になるものを、立法府の御審議をいただかないで、單に政令等でこれが適当に定められるということであつては、その高度の処罰の対象になるという点からいいましても、決して民主的なやり方ではない。どうしてもそういう高い処罰の対象になるものは、やはり法律ではつきり具体的に書くことが関係者に対しても親切であり、また国会の御議決を得るという意味においてむしろ憲法の趣旨に沿うのではないかということが、結論として言われておるのであります。体裁としては私どもも決してこれは最善の形ではないと思いますけれども、処罰の対象という点からいいまして、しかもその処罰が従来よりも相当高い処罰でありますから、はつきり具体的に金額を表わした方がいいという結論に実はなつたのであります。御了承いただきたいと思います。
○佐久間委員長代理 内藤君
○内藤(友)委員 ただいまの五十銭の問題でありますが五十銭というのは何か根拠があるのですか。ただそれが多いから五十銭とつたらということではなしに、たれでも納得できるような——五十銭は、これはまことに大きな問題だと思うので、その点ちよつとお聞かせいただきたいと思います。
○河野(通)政府委員 内藤さんの今の御質問の点も、実はきのうどなたかの御質問にお答え申し上げたわけであります。五十銭と申しましても、数字的にぴしやつとした根拠というものは実はないのでありまして、五十銭といたしました理由は、一つは現在の貸金業の取締に関する法律に基く行政上の措置として、大体業務方法書では、五十銭を最高として業務書に書かれる場合に、これを受理いたすというような方針をとつております。従いまして、今度の新しい立法におきまして、実際にこの取扱い方を急激に変更するということは適当でないと思いますので、その実際の行政のやり方を踏襲いたしまして、日歩五十銭ということにいたしたのが一つの理由であります。それから、先ほども大体宮原さんの御質問にお答えいたしたのでありますが、常識的に見て五十銭、月一割五分程度になりますが、これは普通処罰の対象にしないで、今大体忍び得る最高限度であろうというふうに、実際の今の貸金業者の金利等の実情から見まして考えられるわけであります。四十五銭であつてもよいじやないかという御意見もあろうと思いますが、五十五銭であつてはいかぬということも実はないわけでありまして、大体常識的に考えて五十銭程度が、従来の取扱い方ともにらみ合せまして適当であろうということで、いたしたわけであります。特別数字的に根拠といつても別にないのであります。
○内藤(友)委員 数字的に根拠がないのでありますから、これはどうなるか存じませんが、もし三十銭に修正したら政府は同意いたしますか。
○河野(通)政府委員 立法府で御修正になることは、これは私どもかれこれ申し上げる筋合いではないと思いますが、三十銭に今これをいきなりせられるということは、現在五十銭を限度として行政五の指導をいたしておりまする観点から、急激な変更でありますので、不測の混乱を起す心配があるのではないかというふうに、私は考えております。しかしながら、これは昨日もお答え申し上げたのでありますが、経済が正常化するに応じまして、金利の水準というものもだんだん下つて来ると思うのであります。それに応じまして——この限界の五十銭というものは、折々の情勢に応じて、必要があればさらに下げて行くということも、考えて行かなければならぬものと考えております。
○佐久間委員長代理 ほかに御質疑の通告もないようでありますから、本日はこれにて散会いたします。 午前十一時四十一分散会