大蔵委員会 第48号
- 発言数
- 43 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1952/04/11
会議録
○佐久間委員長代理 これより会議を開きます。 まず昨十日本委員会に付託されました日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障條約第三條に基く行政協定の実施に伴う国税犯則取締法等の臨時特例に関する法律案を、日程に追加して議題といたします。まず政府当局より提案趣旨の説明を求めます。西村大蔵政務次官。
○西村(直)政府委員 ただいま議題となりました日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障條約第三條に基く行政協定の実施に伴う国税犯則取締法等の臨時特例に関する法律案につきまして、提案の理由を御説明申し上げます。 日米行政協定の締結に伴い、国税犯則取締法または関税法等による臨検、捜索または差押えについて特例を設ける必要がありますので、ここにこの法律案を提出いたした次第であります。すなわち国税に関する犯則事件を調査するために、合衆国軍隊の使用する施設及び区域内において、国税犯則取締法または関税法の規定によつて臨検、捜索または差押えを行う場合におきましては、合衆国軍隊の権限ある者の承認を受け、またはこれに嘱託して行うことといたしました。しかしながらその施設及び区域外におきましては、合衆国軍人、軍属及び家族の身体、財産または合衆国軍隊の財産についても、このような制限を受けることなくして、これらの処分をすることができることになつております。しかしてたばこ專売法、アルコール専売法、噸税法、保税倉庫法、地方税法等により、国税犯則取締法または関税法の規定を準用して、犯則事件の調査に関し臨検、捜索または差押えを行う場合につきましても、右の措置に準ずることといたしたのであります。 以上簡單でありますが、この法律案の提案の理由と内容の大要でございます。御審議の上すみやかに御賛成いただきますようお願いいたします。以上であります。 —————————————
○佐久間委員長代理 次に国有財産特別措置法案、日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障條約第三條に基く行政協定の実施に伴う所得税法等の臨時特例に関する法律案、日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障條約第三條に基く行政協定の実施に伴う関税法等の臨時特例に関する法律案、及び日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障條約第三條に基く行政協定の実施に伴う国有の財産の管理に関する法律案の四法案を一括議題といたしまして、前会に引続き質疑を継続いたします。質疑は通告順によつてこれを許します。高田富之君。
○高田(富)委員 行政協定の実施に伴う関税法の臨時特例に関する法律案につきまして、一点だけお伺いをしておきたいと思うのであります。第五條の第三項に「合衆国の安全を保持するためその他これに類する事由により、第一項但書及び関税法第十八條の規定により難いときは、これらの規定は、適用しない。」という項目があるのでありますが、これにつきまして第一にお伺いしたいことは「合衆国の安全を保持するため」という、この言葉の意味であります。これは非常に広い内容を持つものと思うのでありまして、この認定があつた場合の措置が、非常に大まかにわが国の関税法の適用を排除しておりますので、この解釈は非常に重大性があると思います。そこでこの際この「合衆国の安全を保持するため」ということはいかなる内容を持つものであるか、御説明を願つておきたいと思います。
○平田政府委員 この規定はやや漠然といたしておるところもございますが、大体この規定が該当する場合といたしましては、適宜の措置を必要に応じて講ずる必要がある場合が予想されますので、そういう必要に応じまして動くようにいたしたいという趣旨であります。軍隊の移動等に関しまする機密を要する事項といつたようなことが、場合によりまして考えられることがございますので、そういう場合におきましては、このような規定を設けまして、必要以上の措置をとらないという趣旨で、この規定を設けておる次第でございます。
○高田(富)委員 それがはたして合衆国の安全を保持するために必要であるかないかということは、もつぱら進駐軍当局が認定するのみでありますか。
○平田政府委員 この規定はもちろん日本国の法律でございますので、この規定にはたして該当するかしないかは、最終的にはもちろん日本政府の責任におきまして判断する。ただ実際問題といたしまして、向うの意見をよく聞きまして、適当な措置をとることに相なるかと存じます。
○高田(富)委員 そこでお伺いしたいのでありますが、この規定によりますと、合衆国の安全を保持するために必要だという場合には、開港でないところへどこへでも船が出たり入つたりできるし、また船が入つて来た場合に、それが何を積んでおるかというようなこと、あるいはどういう人間がどれくらい入つておるというようないろいろな内容につきましても、一切日本政府当局はわからないという状態になるのでありまして、そういうことが行われて行くことは、わが国土におきまして、まつたく主権の及ばない非常に大きな範囲を、そこにつくり出すわけでありますから、非常にこれは嚴密を要すると思うのであります。ただいま軍隊の移動など機密を要するような場合ということでありますが、一体「合衆国の安全を保持するため」というような文句を使いますことは、非常におかしいのではないか。たとえば今あなたの言われた例でも、軍隊の移動その他ということになれば、これは駐留軍の問題になるのではないかと思う。「合衆国の安全を保持するため」というふうなことを、日本国の法律の中に入れることは非常におかしい。よその国の安全を保持するために必要であれば、こつちの方は全然かまわないで、いろいろな法律の適用を排除してやらせるというようなことは、常識的に考えましても、日本国の法律といたしまして、はなはだ不可解な感じを抱くのであります。合衆国の安全ということは、しからば必ず日本国の安全を意味するのか。合衆国の安全即日本国の安全であるのかどうか。日本国の法律の中によその国の安全の規定を入れるということは、非常に私は理解に苦しむのでありますが、どういうわけでこういう文句を使われたか、御説明を願いたい。
○平田政府委員 今高田さんが御疑問をお持ちになつておりますような、特別の意味をもつて使つたわけではございません。私が先ほど申し上げましたように、臨機の必要がある場合におきまして、向うの公用船等が必要に応じて入港する必要があるような場合におきまして、一々税関の手続を全部ふませるのはどうも妥当ではないのでございまして、従いましてそういう際におきましては、必要な適用條項を排除するという趣旨にいたしておる次第でございます。関税の取締りの上から行きましても、そう嚴格にする必要は一般的にはない。おそらくこういう場合におきましては、私有の貨物を積載しておるといつた場合はほとんどないのが、大部分だと考えられますし、特に嚴格なことをいたしまして、先方の軍隊の適切な行動に対して妨げになるようなことをする必要はない、こういう趣旨でこの規定を設けておる次第でありまして、それ以上特別な意味を持つものではございません。
○高田(富)委員 あなたの御説明は、その範囲においては一応筋が通つておると思いますが、「合衆国の安全を保持するため」という文句を使つたことは、非常におかしい感じがするのであります。これは日本の法律でありまして、この場合せいぜい行政協定をつくつた自由党の立場に立つて考えると、向うとこつちの利益が合致して、両方の安全を防衛することがこの法の建前であるかもしれませんが、わが国の法律の中に一方的に「合衆国の安全を保持するため」云々というような文字を入れたのでは、これは日本の法律ではなく、合衆国の法律みたようになつてしまう。そこでこういうふうな文句を使われたことが、妥当であると考えておられるのかどうかということが一つ。さらにそれと関連して、「合衆国の安全を保持する」という言葉は、同時に日本国の安全を保持することを意味しておると解釈されておるのかどうか。これを伺いたいのであります。
○平田政府委員 今のお尋ねの点は、結局日米安全保障條約の根本精神をどういうふうに理解するかということから、見解の差が出て来るかと思いますが、私どもの見解といたしましては、当分のうち軍備のない日本国におきましては、日本国の防衛を確保してもらうためには、どうしてもアメリカの軍隊が日本に駐留する必要がある。そのことは同時にアメリカといたしましても、やはり日本国の利益のためだけではなくて、アメリカの利益にもなる。両方が一緒になりまして、條約ができ上つたものと理解いたしておるのであります。従いまして法律的に申しますと、これはもちろんこの字句の通りでございまして、即日本国の安全の保持ということはむずかしいと思いますが、結果的には大体同様な結果になることが大部分でございまして、道義的に申しますと、日本の安全を保持するということと、究極的には同様な効果を持つものと、理解することができるのではないかと思います。ただこれは一般的な広い精神的な意義を申し上げておるのでございまして、この條文の趣旨といたしましては、私が先ほど申し上げました通りでありますことを、御了解願いたいと思います。
○高田(富)委員 合衆国の安全を保持することが、同時に日本の安全を保持するというように、まつたくここに利害の対立がないということで、あえて「合衆国の安全を保持するため」という文句を入れたということであるならば、合衆国と日本国とはまつたく別個の人格ではない、一つの人格であるということであれば、それで話はわかります。アメリカの一州であるならばそれでもけつこうである。しかしながら、いやしくも独立国とここにいつておる以上は、人格が異なるのでありますから、これはあなたの御説明の通り、大部分の場合は一致するだろうということは、政府の立場からしても言えるだろうと思いますが、すべての場合に一致するとは言えないと思います。人格が違うのですから、合衆国の安全即日本の安全ではあり得ない。たとえば戰争等の場合に、合衆国は合衆国の安全のために日本から撤退をし、日本にある軍事施設を破壊し、日本にある一切の軍事的な要素を懷滅に帰せしめて退却することが、合衆国の安全を保持するゆえんである場合もあるわけであります。これは大きな問題でありますが、小さな問題といたしましても、二つの国が独立国である以上、お互いにあらゆる場合に完全に利害が一致するということはあり得ない、こう考えるのであります。従つてこういう法律の中に一方的に「合衆国の安全を保持するため」というような理由で、わが国の重要な取締りを一切解除してしまうというような、大まかな現定を設けるということは、どうしてもこれは非常に穏当を欠いておるというふうに考えられるのであります。重ねてこの点の見解を明確にしていただきたいと思うし、できればこれを削除する意思はないかどうか、書きかえる意思はないかどうかということを、伺つておきたいと思うのであります。
○平田政府委員 この條文の規定を書きかえたり、削除する意思は全然ございません。要するに先ほど私が申し上げました通り、こういう規定をどういうふうに見るかという問題は、日米安全保障條約自体に対する根本的態度で、おのずから違つて来ると私は思います。この條約に徹底的に反対される方は、おそらくお話のような意見になる人が多いのではないかと思いますが、日本政府といたしましては、安全保障條約を締結いたしましては、この趣旨によりまして相互に防衛して行くということになつておりますので、そういう点から行きますと、私はこのような條文を入れることは妥当であると信じております。
○高田(富)委員 それではたとえばこういう場合はどうでありますか。米国側の意見といたしましては、日本へ原子爆彈を貯蔵しておきたい、あるいは細菌兵器を貯蔵しておきたいというようなことで、軍の機密に属するといつて、これはまつたく秘密裡に運び込まれるというようなことになりますが、そのようなことは、はたしてあなたのお考えでは、アメリカ合衆国の安全を保持するために必要である、従つてまた日本の安全のためにも必要であるというふうに解釈されて、これを黙認すするお考えでありますか。
○平田政府委員 高田さんのお話を承つておりますと、関税法の適用によりまして、向うの行動をある程度場合によつたら制約した方がいいじやないか、という意見のように聞えますが、もともと関税法はそこまでを目的としたものでございませんので、先ほど申しましたように、機密を要するような必要の生じました場合の軍隊の行動等に対しまして、一々関税法を適用いたしまして、むずかしい手続をふませる必要はない。また全体としましての軍の運用その他につきましては、こういう法律によらずして、おのずから合同委員会、あるいは各種の方法によりまして、相互に目的を達成する妥当な措置がとられるものと、私どもは考えております。関税法といたしましては、少くとも先ほどから申し上げましたように、軍隊の行動等に対しまして、一々こまかい手続をふませる必要はない。そういう場合を予想いたしまして、この規定を設けたということで、御了解を願いたいと思います。
○佐久間委員長代理 深澤君。
○深澤委員 私は直接本法案に関係はしていないのでありますが、主税局長がおいでになつているので、当面の問題について、いささか質問をしたいと思うのであります。御承知のごとく、日本航空の飛行機が墜落をいたしまして、多大の犠牲者の出ましたことは、日本国民がすべてまことにお気の毒にたえない次第であります。それに対しましては本日の新聞によりますと、日本航空は百万円の弔慰金を出すことになつたように聞いておるのであります。これに対する課税問題でありますが、これはどういうことになりますか。その点についての御説明を願いたいと思います。
○平田政府委員 お話の点につきましては、弔慰金の性質と実体とをよく見きわめないと、的確なお答えはできがたいと思いますが、どちらかと申しますと、生命保険でございますれば、御承知の通り所得税はもちろん問題ございませんが、受取つた人に対しまして、相続税の課税の問題が出て来るかと思います。それから会社に勤めているような人の場合におきましては、それぞれ退職金に相当する額、あるいはまた会社から特別な金が出るかと思いますが、それぞれその性質に応じまして、これも所得税の問題ではなくて、相続税の問題として、課税関係がきまつて来るということに相なるかと思います。
○深澤委員 たとえば日航の会社が弔慰金という形で出す場合においては、死んだ人に対して出す場合においては、それは相続税の対象になると思います。しかし遺族に対して遺族名義で弔慰金を贈つた場合においては、これは私は所得税の対象にならないということに、所得税法第六條第七項の解釈から、そうなるのではないかというぐあいに考えるのですが、それはどうでしようか。
○平田政府委員 今のお話、ちよつと私はつきりどういうふうな方法でやるか聞きとれなかつたのでございますが、主としてこの問題は、被相続人と申しますか、ある人が事故によつて死亡いたしまして、それをもとにいたしまして受ける一種の財産的給付でございますので、所得税の問題ではなくて、相続税の問題と大体私ども考えておるわけでございます。その内容は先ほど申し上げましたように、実体によつてよく判断しなければならないと考えておりますが、もう少し具体的に明らかにした上で、はつきりしたお答えをしたいと思います
○深澤委員 それはたとえば生命保險とか、その他官庁等に籍のある者が受ける場合とか、あるいは会社関係の場合には、これは相続税の問題になるかと思いますが、日航の会社が百万円の弔慰金を出すということが、新聞に伝えられておるのであります。その場合において、死んだ本人の名義において弔慰金を出す場合においては、これは相続税の対象になると思いますが、そうでなしに、その遺族に対して弔慰金を出すという場合においては、これは遺族の所得になると思います。その場合においては、第六條の第七項により、慰藉料に相当するものとして、これは非課税ということになるのじやないかというふうに考えられるのですが、その点はどうでありますか。
○平田政府委員 そういう場合においては、所得税の方が課税になるおそれがございますので、そういう場合には所得税は課税しないという規定に該当する場合があるかと思います。ただ所得税が課税にならないから、当然相続税も課税にならないというのでなくて、所得税は課税しないが、相続税の方で課税するというシステムになつている場合が多うございますので、私先ほど申し上げたように、両方とも課税にならないということは申し上げにくいということを、申し上げた次第であります。
○深澤委員 どうも私は理解に苦しむのです。もちろんその所得の発生の原因は、死んだ者にあるのですが、それによつて慰藉料あるいは弔慰金という形で、現実に生きておる遺家族に対して、その人の名義で贈られた場合には、その人の一時所得になるのでありまして、それは決して相続財産としての性格を持つていないと思う。それにも相続税をかけるということは、どうもわれわれには理解ができないのです。結局日航が遺族に対して、遺族名義で弔慰金を贈つたという場合においては、その人の一時所得である。これは相続財産ではない。従つて相続税も当然とるべきではないし、所得税の方は第六條の第七項により、非課税にすべきである、こういうりくつになると思うのであります。それにもなおかつ相続税をかけるという今の主税局長のお考え方は、どうも理解できないのですが、もう一ぺん伺いたい。
○平田政府委員 本人がたとえば在職中に死亡いたしまして、退職金に相当する金額を相続人がもらうわけでございます。普通の場合におきましてそういう場合におきましては、これはやはり生命保險と同じように、相続税の課税の問題が出て来る。これはもちろん本人と申しますか、事故によつてなくなられた方の死亡ということによつて、そういう一種の財産的な権利あるいは金銭等を取得しました場合におきましては、やはり相続税の課税問題としまして処理した方がいい、こういう趣旨で退職金等も同様なことにいたしておる次第でございます。ただ相続税には相続税といたしまして、またそれぞれ非課税に該当するものもございますので、その範囲にとどまる限りにおきましては、特別に課税しないのでございますが、相当金額が大きくてその範囲を越える場合におきましては、相続税を課税するということにいたしております。従いまして今具体的にあのケースの場合におきまして、どの程度にどういうものは課税になるか、どういうものは非課税になるかということは、もう少し事実を明らかにした上で、お答え申し上げたいと思う次第でございます。
○深澤委員 今主税局長は、退職金とかいうものについての御説明でありますが、日航の会社が被害者の遺族に対してやるものは、退職金等とは性質が別になつておる。その性格を持つところの弔慰金を、遺家族に対して日航が出すという場合においては、私は相続財産としての性格を持つているのではなくて、遺家族の一時所得の性格を持つていると思う。だからこれを相続税の対象にするということは——ほかの退職金、そういうものは別として、日航が出す弔慰金は、これは相続財産の性格を持つていない。あくまで一時所得の性格を持つているのじやないかというその一点だけを、私は明確にお聞きましたいのであります。
○平田政府委員 私も先ほど申し上げましたように、所得税の課税の問題はなかろうと思います。たださつき申しましたように、相続税の問題に問題が残ると思います。その点は事実と程度を明らかにした上で、お答えいたしたいと思う次第であります。
○苫米地(英)委員 関連して伺いたいのですが、同じ弔慰金をもらうとか慰藉料をもらうとかいうことでも、その人の過去の功績によつて、勤めておつつた会社からもらうという場合と、こういうアクシデントによつてなくなつた場合に、日航というものが出すのとは、全然性格が違うと思うのです。その死んだ人間の過去の功績に対してくれるのではないのだからして、これは相続税の対象とするのは不合理だ、私はこう考えるのです。これは死んだ人間の個人の功績、勤務その他を考慮して與えるものであるならば、これはその人間に與えるのであるからして、これは相続になるだろうと思います。けれども汽車の事故によつて死んだ、飛行機の事故によつて死んだという場合には、その人間の功績とか、その人間の行為とかというものに対して與えるのではなくして、このアクシデント自身に対して遺族を慰藉するために與えるのであるからして、本人に與えるのではない、私はこう考えるのですが、その点いかがでしよう。
○平田政府委員 所得税の方はまさにその通りであります。従いまして慰藉料としまして相当する部分は、相続人のもらいます場合に課税しないという規定を設けておるのでございます。ただこれも実際問題といたしまして、先ほど申し上げましたように、退職金に相当する額を慰藉料としてやろうというような場合がございますれば、それはやはり実際の解釈上、必ずしもそう行かぬ場合もあるということもございますが、所得税は大体課税にならないと思うのでございます。ただ相続税の方におきましては、被相続人の死亡を原因といたしまして、一定の財産を取得する、こういう場合におきましては、やはり相続財産に準じまして課税しておる例が相当あることは、御承知の通りでございます。たとえば生命保險金なんかも、まさにその通りであります。これは生命保險金も本人が生存中にもらいますと、これはもちろん相続税の問題ではございませんが、死亡を原因としましてもらいますと、課税になる。退職金に準ずるものにつきましても、同様でございます。その辺の性質を有する要素があるかないか、その辺が問題でございます。その辺のことにつきましては、額の大きさとか、あるいはどういう理由で出しているか、よく調べました上で、適切なお答えを申し上げたいという考えでございます。
○苫米地(英)委員 もう一回お伺いいたしたいと思いますが、こういう事前によつてなくなつた場合には、個人に対してその給付をするのじやなくて、退職金でもなければ、それから恩給的の性質を持つたものでもない。まさに本人が死んだということが原因ではあるけれども、その人に関連するところはただ死んだということだけなんです。ですからこれは過去のつながりというものはないのです。過去のつながりによつて出されたものであるならば、本人に與えるのだから、これは相続になるだろうと思います。けれどもこれは過去のつながりがない。突如として起つた事柄に対して遺族を慰藉するために遺族に與えるのであるからして、私は相続の対象にはどこまでもならないというのが、常識じやないかと思います。そこでもう一つお伺いいたしたいのは、たとえてみれば、昨年の桜木町の電車事故でなくなつたのに、最高百万円ばかりの慰藉料が出ておる。この場合にはどうお取扱いになわましたか。それをお伺いしたいのであります。
○平田政府委員 今のところ調査いたしておりませんので、後ほど調査しまして、この次の機会にお答え申し上げます。
○三宅(則)委員 私はこれに関連をいたしまして、合衆国軍隊が日本に駐留する、もしくは軍属あるいは家族等が駐留する場合におきまして、富裕税をとるのは免除になるということになつておりますが、富裕税をとるように内容を調べることはなかなか困難である。私どもは元来からいたしますと、富裕税は廃止いたしたい、こういうふうに考えておるのでありますが、主税局長は今後富裕税は存続する意思を持つておられますかどうか。私はむしろこういう法案は早く撤廃をいたしまして、所得一本の方が單純化しもいたしまするし、合理的である、かように考えておりますが、一応主税局長の答弁を求めます。
○平田政府委員 富裕税を廃止するかどうかは、またこの法律案とは別個の問題でございまして、その問題につきましては、前回もお答えいたした通りでございます。今のところ別段見解をかえておりません。富裕税があります間は、やはりこのような特例を設ける必要があるという考えで、この法律案を提出いたした次第であります。
○三宅(則)委員 実はこの前も国税長官をお呼びいたしたのでありますが、本日目は出ておりませんから、二、三関連して質疑をいたして、御答弁を得たいと存じます。昭和二十六年から二十七年に対しまして、確定申告を出しておるわけでありますが、これについてなるべく更正改正をしない、こういう話でありましたが、場合によりましては早く更正決定を出すかもとれない、こういう国税長官の御答弁でありました。私どもは二月確定申告いたしますものは、なるべく三月もしくは四月中には更正決定をして出すべきものを出してもらいたい、かように考えておるのでありますが、主税局長の方といたしましては、今どういうふうに国税庁から報告が来ておりますか。
○平田政府委員 所得税につきましては、でき得る限り調査に基きまして申告をさせまして、それによつて円満に納税してもらうということで進めて参つておることは、三宅さん御承知の通りと思いますが、なお若干話がつかないで残つておるものもあるようでございます。そういうものにつきましては、さらによく事実を念を入れて調べまして、ほんとうに自信のあるところで、更正決定をすべきものはするということで行きたいということで、目下進めております。期限は必ずしもいつまでということでなくして、なるべく早い機会に十分な調査を遂げましてやつて行くという方針で、目下進めておるようでございます。大体四月一ぱいか五月ごろまでには、翌年度の予定申告の問題もございますので、処理できる見込のようでございます。
○三宅(則)委員 過日私は大蔵大臣にお尋ねいたしたわけでございますが、大蔵大臣に質問いたした際には、地方の税務署等が平均五割上るという事柄を言つておりましたが、これは行き過ぎである。少くとも私どもの観点では、大体二割ぐらいは税收において上るだろう、こういうことを考えておつたのであります。本年のいわゆる三月の確定申告とその後の結果によりまして予想せられた以上に税收額があつたようにも見るわけでありますが、主税局長は国務庁長官からどういう報告を受けたのでありますか。私どもはむしろ取過ぎとは申しませんが、ある程度自然増收があつたのではないか、こういうふうに思うわけでありますが、主税局長はどういうふうにお考えでありますか、承りたい。
○平田政府委員 まだ最終的な報告が参つていないのであります。というのは、更正決定を最終的に処理いたしておりませんので、申告の成績だけ集まつておるようでございますが、まだ出ておりません。ただ私どもの大体の予想では、ある程度自然増收ではなく自然減收、予算額に対しまして相当減少するものと考えております。
○三宅(則)委員 ただいまの個人の方は承つたのでありますが、法人の方は、これはやはり四二%上げました関係上相当増收である、こういうことを考えておるものでありますが、最近の報道によりましてどのくらいの自然増牧というか、増加いたしますか。おわかりでしたらこの際承りたい。
○平田政府委員 法人税の方は、昨年の下期の成績が——昨年の下期と申しましても、九月以後の決算成績が予想よりもよくて、予算に村しまして少くとも二百億以上の自然増收を来すのではないか、というふうに見ております。
○三宅(則)委員 さらにひとつ主税局長にこの際お願いいたしたいのは、各税務署を監督いたしておりますが、場合によりますと、国税庁を廃止いたして、大蔵省の内局にするというお話があつたのであります。その後進届いたしたことと思いますが、主税局長は歳入局というようなものをお設けになる御意思があるかどうか。その辺についての御構想をこの際承りたい。
○平田政府委員 名前はいろいろ問題があるようでございますが、大体内局といたしまして存置するという方向で、今立案中でございます。
○三宅(則)委員 私は税の公平を期し、納税者の便益を確保するために、優秀な税務官吏を各地に配置いたしまして、末端に至りまするまで公平を遵守いたしたい、かように考えております。でありますから、大分このごろよい税務官吏も出て参りましたが、今回の行政整理等によりまして勇退された人もあり、弱小の者はやめていただいて、有能なる官吏と入れかえする、こういうことを主眼とせられて、主税局長も部下を監督せられておると思つておりますが、さらに今後の税行政面等も考えまして大幅にりつぱな優秀官吏をこの際採用いたして、弱小というか、思わしからざる官吏を一掃する、こういう線を堅持することこそ、国民といたしまして要望いたしておると思いますが、この際大幅にこれらの大改革をやられる御用意があるかどうか。これをひとつ承りたい。
○平田政府委員 その点御趣旨、ごもつともでございます。私どもできるだけ優秀な税務官吏を多くそろえたい。必ずしも全体としては多くは望まないのでありますが、素質のよい官吏ができるだけ多くなるように、方針としては持つておる次第であります。その点はまつたく同感でございまして、今後もその方向に向つて極力努力いたしたいと思います。
○佐久間委員長代理 次会は来る十四日午前十時より開会の上、質疑を続行することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後零時十五分散会