大蔵委員会 第36号
- 発言数
- 125 件
- 登壇者
- 14 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1952/03/19
会議録
○小山委員長代理 これより会議を開きます。 関税定率法等の一部を改正する法律案、国有財産特別措置法案、租税特別措置法等の一部を改正する法律案、資産再評価法の一部を改正する法律案、通行税法の一部を改正する法律案、及び災害被害者に対する租税の減免、徴収猶予等に関する法律の一部を改正する法律案の六案を、一括議題として質疑を許します。宮幡靖君。
○宮幡委員 ただいま議題となつております六法案のうち、順次お尋ねをして行きたいと思うのであります。 最初に関税定率法の一部を改正する法律案について、二、三のお尋ねをいたします。今回御提案になりました同法の一部改正の趣旨につきましては、おおむね了承ができるわけでありまして、特段坂上げて指摘すべき点もないのでありますが、この改正点を除いた他の部分につきまして、いささか所見を異にすると申しますか、考え方の違つておるところがありますので、この点について当局のお考えをただしたいと思います。 まず第一番に染料の問題でありますが、建染め染料は、暫定税率と申しましようか、二〇%の税率を定めてありますが、この関税率によつて外国産の優良染料の輸入がはばまれて、直接には国内の染色業者に幾多の不便と不利を与えておる、こういう状況もあるようであります。また他面においては国内染料の優良生産を促進する。刺激的に促進するとでも申しましようか、そういうことから産業の合理化をはばむということさえ、あわせ考えられておる次第でありまして、特に染色業者は、輸出綿布等を中心とする染色技術の改善によつて輸出の振興をはかりたい、こういうことに大いに苦心を払つておるのでありますが、この関税率を二〇%等にしておきますることが、この方面から見ますと一つの矛盾ということになりまして、どうも再検討を要する問題ではないかと考えられるが、この点について政府は今どういうお考えを持つておられるのか。御承知のように昨年現在の定率法を制定いたします当初におきましては、政府原案は一五%でありましたが、それが二〇%になつておるのであります。これは参議院の修正でありますが、状況はどうもこの二〇%が適当でないように考えられるが、この点についてのお考えを承りたい。
○北島政府委員 ただいまの宮幡先生の御質問に対してお答えを申し上げます。先ほどお話がございましたように、建染め染料につきましては、昨年の政府提案の原案におきまして、暫定的に一五%でございましたのが、参議院において削除されまして、定率法通りに二五%ということになりまして、そこで両院審議会におかれまして、最後の決定が二〇%ということになつたのでございます。私ども、昨年制定いたしました法律を、次の年において改正いたします場合におきましては、その当時の法律がそうあるべきでなかつた、すなわち間違つておつたとか、あるいはまたその後の大きな状況の変化があつたというのでなければ、なかなか改正はできにくいのではないかと思いますが、第一点の昨年の国会の御決定が間違つておつたなどということは、私どもとても申し上げることはできないわけであります。その後の状況の変化はどうだという点を考えてみますと、輸出綿布のために建染め染料を相当多く要するだろうということは、私ども存じておるのでありますが、他面におきまして、生産の方も最近設備が拡張されまして、来年度におきましては相当増産の見込みでありますので、彼此勘案いたしますと、全体としてはやはり昨年御決定あつた通りの状況と、そう違わないのではなかろうか、これを直して一五%にするほどの状況の変化は、ないのではなかろうかと考えるのであります。ことにまた、一五%に関税をいたしました場合と二〇%にいたしました場合と、最終製品においてどの程度原価に響いて来るかという点も、計算いたしてみたわけでありますが、濃い染めの場合におきまして大体一%程度、中くらいの普通の染めにおきまして〇・五%程度、薄い染めになりますと〇・三%程度原価に影響が来るというように判定いたされます。その程度であれば、それが二〇%であるからといつて、輸出に大きな影響を及ぼすということもなかろうというふうに考えまして、一応とりあえず前年国会で御決定になりました案通り、さらに一年間軽減しようという案を提出したわけでございます。
○宮幡委員 大蔵当局のお考えは、けだし適切だろうと私は思いますけれども、この種の建染め染料という範囲に限界して考えますと、いわゆる染料の生産業者と染色業者との利害が、まつたく相反しておるわけであります。そういう立場から考えますと、染色業者は強く一五%以下もしくは無税とまで言つて参つております。また染料製造業者というものも、現在の二〇%で、ただいま御説明のありましたように、濃いものでも〇・五%くらい、こういう御説明で、決して染色業には支障がないのだ、こういうことに考えられておるのでありますが、一方におきましては染色業者の主張にも、ここで一々述べる必要はありませんから略しますが、一つの根拠があるわけであります。そこでいろいろ考えてみますと、なるほどその後の状況の変化はあつたと申しましても、どうも二〇%は強いじやないか。一たび大蔵省が考えました一五%という程度の方が適当ではないか。二五%といつて参議院で修正いたしましたその起りは、染料製造業の保護育成ということに、主張の重点があつたわけであります。 〔小山委員長代理退席、委員長着席〕 そこで両院協議会の結果、その中をとりまして二〇%になつたわけであります。状況の変化ということを仰せられますが、大体事情は昨年とかわつておらぬ。ことにもつと強く申せば、大蔵省の所管ではないでありましようが、もう少し外国染料に対する研究を積まれまして、染料製造業者の合理化の熱意を促進すべきだろう。事実安いよい染料が国内に入つて来ることによつてのみ刺激される。かたがた原料に対する塩の価格の問題、それから副製品の価格の問題、あるいはこれにまつわるところの物品税等々の問題、いろいろ関連がありますが、結果といたしましては、私どもは、状況の変化は、この一年間におきまして、まさに前年の大蔵省原案一五%が妥当であると信じておるのであります。北島部長は国会の決定に対して、承服するの用意があるという意味で、円満な御答弁のようでありますが、御真意はどうでありましようか。この点もしおさしつかえがあるなら、速記に残さないでけつこうでありますが、大蔵省が昨年通り一五%が適当だと考えておるとまで強く申さなくとも、それに近いような御意思であるかどうか。私個人で聞いてもけつこうでありますから、御答弁を願います。
○北島政府委員 ただいまのお話は、大蔵省としては一五%がいいのだと思つておるのじやなかろうか、というお尋ねのようでありますが、もともと昨年関税定率法を全面的に改正いたしました際に、建染め染料の本表に載つておる税率を幾らにするかにつきまして、再三大蔵省で研究いたしました。道理を申し上げますと、建染め染料は高級染料でありますから、本来ならば他の染料よりもやはり高い関税であつてしかるべきだということで、最初の案におきましては、ほかの染料が二五%であるのに対して、三〇%という案を事務当局としては用意しておつたのであります。その後建染め染料につきましていろいろ研究しまして、やはりそれが輸出綿織物にも相当影響があるということで、三〇%の案をやめまして二五%にしたような次第でございます。昨年の関税率審議会にかけました際も、大蔵省の案といたしましては、別に一五%にするという案ではなかつた。暫定的にでも一五%にするという案ではなかつたのでございますが、関税率審議会におきまして十対十一という大接戦をやつた結果、暫定的に一五%にしていただきたいという御答申がございまして、大蔵省といたしましては関税率審議会の御答申を尊重いたしまして、事務当局として暫定的に一五%の案を提出した次第でございます。私どもといたしましては、建染め染料の生産につきましては、これは法人税におきましても、重要物産の製造といたしまして、新設並びに設備拡張の年から三年間免税いたしております。それからまた見返り資金でもつて、建染め染料の設備を建設したような次第もありまして、やはり国内的に考えて相当保護すべき産業であるというふうに考えます。われわれの考えといたしましては、真意は一五%というよりも、やはり二〇%と申し上げた方がよろしいかと存じます。
○宮幡委員 それで事情はよくわかりました。 次にはまた同様染料の問題でありますが、輸出織物の染色堅牢度の向上という問題が、染色業者の頭を悩ましておる。あるいは綿業関係者も多大の苦心を払つておるところでございまして、ちようど昨年の国会でありますか、第十国会かと思いますが、同僚の奥村委員からこの点に言及せられております。これは当時の大蔵委員会の記録を拾つてみますと、まことに明瞭に述べてありまして、同委員の主張せられましたところは、染料のうちピグメント・カラー及びエキステンダーは外国の特許によるものであつて、特許実施権が与えられない限り、日本はその全部を輸入にまたなければならないわけであります。従つてこれらの染料について関税を設けることは、日本の産業の実情に合わないので、よろしく無税にすべきであるという意味が述べられております。これに対しまして平田主税局長の答弁は、速記録によりますと、次の通り、すなわち「私具体的にまだ深く研究いたしておりませんので、若干あとであるいは追加してお答えするかもしれませんが、一応お答えしますと、お話のような場合におきましても、国内においてその特許権によらずして同種のものができるかできないか。あるいはまつたく同じでなくても、製造方法を若干違えまして、ほぼ同じのものができるかどうか。できる可能性がある場合におきましては、これは必ずしもただちに関税を免除すべきだということにはならないかと思いますが、しかしそういう可能性もなくなつて、外国からも入つて来ない、従つてそういう染料につきましては、もう使えなくなつて、その結果日本品の輸出に重大な影響がある、こういう場合におきまして関税政策をどうするかということは、やはり全体的に今私が申し上げましたようなことも検討しました上で、正しい結論を下すべきものではないか、かように考えておる次第でございます。」と答弁されております。それからすでに一箇年間たちました今日でありますので、主税局長の御答弁を願うまでもなく、部長さんでけつこうであります。この問題に対する研究あるいは具体的な検討も、すでに完了せられたことと思いますが、これに対する御意見を承りたいのであります。
○北島政府委員 ピグメント・レジン・カラーにつきましては、目下特許権につきまして異議があるようでございます。戦前米国が日本に特許を申請して来たのでありますが、特許庁は当時これを拒否されたようであります。戦後再びアメリカでもつて、ピグメント・レジン・カラーの特許権を申請して参りましたときに、特許庁では、いろいろの御関係もあつたかと思いますが、これを受付けて公告したわけであります。しかし日本商社といたしましては、これに対して異議を申し立てまして、目下係争中でございます。従いまして特許権が確定しておるということは、申し上げかねるのではないかと存じます。それからまたかりに特許権が確定いたしておりましても、その実施権を許諾せられることももちろん考えられますし、それから製造方法を多少異にすれば、特許権に触れないで同じような製品を製造することも、考えられるわけであります。ことにピグメント・レジン・カラーと申しますと、御承知の通り顔料を合成樹脂によつて溶かした塗料であります。顔料はもちろん日本においてできますし、合成樹脂も日本の新興産業でございまして、ともに日本でできるわけであります。合成樹脂と顔料さえあれば、それを組み合せましてピグメント・レジン・カラー、またはこれに類似するような品物は、日本でできるわけであります。私ども関税率を扱つておる事務当局といたしましては、これを無税にするということは考えておらないわけでございます。
○宮幡委員 ピグメント・カラーにつきましての問題は、特許権とまつわる関係はただいま御説明がありまして、それはその通りだと思います。しかし顔料と合成樹脂を配合いたします点におきまして、何らかの製造方法があるだろうという御見解でありますが、これは特許権侵害にならないという確定的なお見通しをお持ちになつておるかどうか。この点についての御研究はどうなつておりますか。
○北島政府委員 特許権の内容について、技術的に私案はこまかく存じておらないのでありますが、製造方法等を異にすれば特許権に触れないで、やはり同じような品物ができるのではないかということを聞いております。
○宮幡委員 まあ部長も専門家でなし、私もしろうとでありますので、技術的なことをここで質疑いたしましてもしかたがありませんが、そういう御信念でありましたならば、さらに進めまして具体的に製造方法を、こうすればさしつかえないのだというケースを、ひとつ求めていただくようにしていただきたい。本日御答弁をいただこうとは思つておりません。そうしなければ、やはり堅牢度を増そうということに必死になつております綿業関係者を、十分納得せしめる道がないのであります。そういう方法があるにもかかわらずやらないのは、これは相かわらず大産業と申しますか、染料、パルプ及びこれの類似品とでも申しますか、それを製造する方々のいわゆる合理化のねらいに欠けておるという、決定的な問題になつて来るわけでありますから、きようは技術的なことはお尋ねしないことにいたします。 次に水銀の問題でひとつお尋ねいたしたいのでありますが、水銀は、大正十五年からできておりましたこの前廃止しました関税定率法には、輸入は無税でございます。ところが昨年のいわゆる現行定率法におきましては、一〇%の課税を行うことにいたしたのであります。当時の国内の状況から行きますと、ストックもある、あるいは国内の生産の保護助成も今後して参らなければならないという観点から、この一〇%にいたしたことは、私は決して失当ではないと思う。正しいものだと思いますが、最近の実情におきましては、国内のストックは順次減少して参りまして、しかも国内生産は現在では野村鉱業でありますか、この一社に大きな期待をかけておる以外に、その他のものはまことに微々たるものであります。従いまして昭和二十七年度において、各種産業の水銀需要量を推定してみますと、大体船底塗料用として六十八トンくらいの水銀、苛性ソーダ用として百八トンくらいを初めとして、約三百七十二トンくらいが要求せられておるのであります。これに対しまして国内の生産量は二十五年、六年等の実績を基本といたしまして推定してみましても、ようやく六十トンないし七十トンがせいぜいではなかろうかと思われる。こういう状況でありまして、日本の産業ことに化学工業部門における水銀の需要充足のためには、水銀を輸入するということが不可欠の条件となつているのであつて、この輸入を促進しなければなりません。しかも御承知のように、国際価格は昨年もちようど今ごろこれを審議しておつたのでありますが、その当時より大分国際価格が上つております。こういう価格との関係を見合いまして、この際は水銀を無税にいたしまして、輸入を促進すべきものであると確信するのでありますが、大蔵省のお考えはどうでありますか。
○北島政府委員 水銀につきましては、昭和二十六年の生産が大体お話のように六十トン程度でございますが、需要の方は約三百トン近くでございます。そう申しますと、相当多くの輸入があるのだということになるわけでございます。戦前、戦時中におきましては、日本におきまして相当生産をしておつたのであります。最高の生産いたしました年は昭和十九年でございますが、この年には二百四十五トンばかり掘つております。昭和二十七年度におきましては、生産は前年の大体倍くらいになりまして、百二十トンと予想されております。これに対しまして輸入が大体百五十トンで、合せて二百七十トン程度の需要があるのではないかと思うのでありますが、ただいま申しましたように、日本といたしましてはこの水銀を掘ればやはりそれだけの生産がある。もしこの際水銀の輸入を無税にいたしますならば、その増産意欲は阻害されまして、増産に非常に支障があるのではなかろうかと考えております。
○宮幡委員 一応そういう趣旨で昨年は一〇%の課税をすることにいたしたのでありまして、その趣旨はきわめて明瞭であります。けれどもその状況がかわつて来た。特に年間三十万トンの割で五年間継続の増産をやつて、二百万トンの貨物船の確保というようなことを考えておりますが、今後船底塗料等の需要というものはますます増大して来る。しかし国内の生産量の増加というものは、決してこれにマッチして行かないであろうということを、私は常識的でありますが、推定できるのであります。五百トンの需要になつて五百トンの国内の生産がどこにあるか、こういうことになりますれば、具体的にはその専門家といえども、その説明を躊躇せざるを得ない状況にあると思うのであります。しこうして外国産の水銀の価格が、日本の国内価格を下まわつている時代ならば、もちろんお説の通りの状況であろうと思うのでありますが、現在におきましては、国際価格の方がはるかに高いのであります。別に一〇%くらいの保護関税を設けても、日本の水銀の生産を促進せしむる保護関税などという趣旨には、毛頭ならぬわけであります。そこであります。一方化学産業部面におきまするところの需要をすみやかに充足いたしまして、この面におきまして化学産業部門の活躍を促進する、この方が国家の産業的見地から申しますと妥当である。しかも長い間戦争中たまたま戦争に勝たんがために、生産を集中いたしましたときにできました二百トンくらいのものは、平時産業におきますところの目標にはなりがたいのであります。旧関税定率法が無税にしてあつたことに根拠がなしとするならば、私は一応反省もいたしますが、長い間水銀を無税にしておいていささかもさしつかえなかつた。今度特別に水銀の保護育成もできない程度の税率を設けておくという理由は、見出し得ないのでありますが、この点について、もう一ぺんはつきりとお答えをいただきたいのであります。
○北島政府委員 水銀は昔は無税であつたのが昨年一〇%になつた、昔は無税であつたのだから、もう一ぺん考えられないかというようなお話のようでございますが、昔無税でありました当時は生産もきわめて微々たるものでありまして、昭和九年あたりは六トン、十年が五トンという程度でございました。しかるに昨年関税率を設定いたします際におきましては、すでにその当時におきまして六十トン程度の生産が予想されておりましたし、なおかつ戦時中に掘れば、とにかく二百四十五トン程度のものは掘れたわけでございます。一方また需要の方は一番多く使われますのが、お話がございましたと思いますが、苛性ソーダ及び塩化ビニールの製造に使うわけでございます。昨年あたり特に需要の多かつたのは、これらの設備増設のために、初度的に水銀が使用されたというような関係がございまして、今後恒久的に相当多くの需要があるかと申しますと、やはり専門家あたりの意見では、需要としてはまあ二百五十トン程度ではなかろうかということでございます。そうなりますと、国内におきまして相当生産もできますし、これを無税にするのでは、国内の水銀鉱の保護はできないのではなかろうか、こう考えるわけであります。
○宮幡委員 ただいまの御説明は、一〇%の関税がいわゆる保護関税として、国内生産を育成する上に役立つておる、近く需給バランスもとれるであろうというその御見解は、私は大蔵省の御見解として承るのに決してやぶさかでありません。しかしながら需要が、化学工業部門におきまして二百五十トン程度だということにつきましては、承服しがたいのであります。なるほど補修用と新設用に使いましたものが、苛性ソーダ等におきましては相当あつたので、これは認めます。これは一時的需要であつたといたしましても、その他の場面におきまして、ここで申すのはどうかと思いますが、新特需というような方面で一つの需要が起きて参つたといたしました場合には、これに対応するものはどうなるか。やはりもし原料の供給があるとするならば、コマーシャル・ベースで入つて来るでありましよう。しかしながらその価格というものは、日本の国内価格よりも、現状におきまして安く入つて来るとは決して思えないのであります。そこでこれらの点を勘案いたしますと、ただいまのところでは、どうも残念ながら大蔵当局の御意見に、全部御賛同いたしかねる。特定な措置が必要ではないかと思いますが、もうしばし検討いたしてみまして、この問題の処理を考えることにいたしまして、本日はこの問題はこの程度にいたします。 次に印刷用紙の問題でありますが、これは関税定律法を制定いたし、いやしくもハヴアナ協定、ガットに加入するような観念からつくりました定率法が、時と場合によりまして、かようにあつさりと直されるということは、私どもははなはだもつて心外にたえなかつたわけです。本年の三月まで暫定的ながらこれをひとつやろう、無税にしておこうという措置につきまして、実はいつも気の強い、相当横暴だと言われている大蔵省としては、あまりにもろかつたのではないかと思う。そのくらいに私どもは思つております。しかし教科書用紙がなくなる、それが新聞紙にしわ寄せになる、電気事情も悪い、通産省の方も、きようは局長さんにもお見えを願つておりますが、当時の局長さんではありませんので、当時の状況はどうか存じませんが、いずれにしましても、巻取り新聞紙なり平版印刷紙と言いますか、それの生産数量などは、残念ながら報告されていないわけです。そこでほんとうに幾らできるのだ。これはもちろん統制でない産業でありますから、増産したり減産したりするので、目標とはずれることもやむを得ません。けれどもそういう見通しも当時とは相当違つておる。けれども何にしても足りないだろう。特に教科書用紙が足りない場合には、新聞用紙をその方にまわさなければならない。そうすると新聞用紙に困るから、しかもこれは暫定だ、三月までだけの措置だ、六千トンでありましたか、六千トンの新聞用紙を入れるだけの期間であるから、こういうことでお話もありまして、通商産業省当局にもこの点をただしまして、暫定的ならばやむを得ないから承知しよう、こういうことを申して、これは速記録をごらんくださつても、忙しい大蔵委員会のことでありますから、長い時間を使つて尋ねてはおりませんけれども、急所だけは確かに記録されております。三月三十一日までです。そのあとはやらないのだということを私は確認してある。それをまたどうして延ばさなければならない事情があるのか。この点につきまして、さしあたり大蔵当局、続いて通商産業省当局の方から、お答えをいただきたいと思います。
○北島政府委員 新聞用紙につきましては、最近相当増産態勢ができて参つておりますが、他面需要の方も、建ページの増加に伴いまして、相当ふえておりますというのが状況でございます。まず数字的に申し上げますと、一月から三月までは推定で出ておりますが、昭和二十六年度の新聞巻取紙の生産数量は、大体三億七千二百万ポンドでございます。さらに新聞巻取紙に代用されるところのいわゆる代替紙の生産が、一億六百万ポンドございまして合せまして四億七千九百万ポンドの生産が予想されております。但しこの中には汚損または破損等のために、約千八百万ポンド程度のものが、実際に新聞用紙に使用されない見込みでございますので、昭和二十六年度におきまして、実際に新聞用紙に使用されるであろうと推定される紙は、四億六千百万ポンドでございます。これに対しまして来年度の新聞用紙の生産は、巻取紙におきまして一億八千万ポンド程度、代替紙におきまして二億百万ポンド程度、合せまして五億八千二百万ポンドでございますが、さらにただいま申しました千八百万ポンド程度のものが他に使われる。これを差引きますと五億六千四百万ポンドとなります。これは前年度に対しまして二割二分程度の生産増加となつておるわけでありますが、他面消費の方は二十六年度が四億六千百万ポンド程度、二十七年度はこれが六億千九百万ポンド程度と見込まれております。もちろんこの中には新聞協会におきまして、今年の四月から朝刊四ページ、夕刊二ページとなつておりますのを、夕刊も四ページにしたいという希望もございます。そういう希望もございますが、需要の方におきまして約三割四分の増加になつております。ちよつと余談になりますが、戦前一番新聞のページ数の多かつたときはどれくらいあつたか、ちよつと調べてみますと、これは東京の有力新聞でありますが、昭和十一年当時は朝刊十六ページ、夕刊八ページ、合せて二十四ページ、現在の朝刊四ページ、夕刊二ページというのは、その当時の約二五%程度にしかすぎないわけであります。国民生活も終戦後非常に低下しておりましたのが、生活水準も逐次上つて参りましたし、また他の消費物資につきましては、非常に回復率が早いのに、新聞の建ページについては、まだ非常に劣つておるという状況でございますので、これを朝刊四ページ、夕刊四ページにしたいという程度の希望は、これは新聞の公益的見地から考えても適当ではなかろうか。一応こう考えておるわけであります。とにかく需要がただいま申しましたように三割四分程度で、従いまして結局におきまして約九%程度のものが、国内生産では足りないということになるわけであります。一方、新聞用紙の価格はどのくらいかと申しますと、これは宮幡先生御存じで、いまさら私が申し上げるまでもないのでありますが、国内の新聞用紙は大体ポンド当り三十六円程度、代替紙の方は約四十円程度であります。これに対しまして、先般輸入契約いたしまして入つて来ましたのが、ポンド当り四十七円七十銭、あるいはまた最近多少安くなつて四十四円程度のものもありますけれども、いずれにしましても国内の新聞用紙の価格よりも、シフにおいてすでに相当高いという状況でございます。そういたしますれば、新聞の公益的見地にかんがみましてこれにまた一〇%程度の税金を課するのは、適当でないのではなかろうかという見地から、さらに一年間免税措置を延長しようということに相なつたわけでございます。
○徳永政府委員 ただいま税関部長からお答えいただきましたように、需給関係で若干足りませんということと、入りますものが国内の市価よりも高いであろうということが、さしあたりの問題といたしまして、一年間関税免税ということを考えました理由でございます。その点は詳細に今数学的にも税関部長からお答えいただきました通りでございまして、私どもも同じような考え方を持つておるわけであります。ただ私ども紙の生産を担当いたしております立場から、一言だけつけ加えさせていただきたいと思います。今回の一年間延長しました措置は、あくまで今述べられました特殊の事態に即応する措置として、考えたわけでございます。かりに今後輸入紙が国内の市価よりも安くなるということになりました際には、新聞紙の公共性もさることながら、製紙というものが日本において自給されるということも、また大きな意味を持つわけでございまして、その際には最も近い国会に、われわれとしましては税の本則にもどすことを、お願いしたいというふうに考えておるわけであります。その点の事情、考え方というものを御了解いただきたいと思います。重ねて申し上げますれば、原則論としては製紙業に、ある高関税というものが必要だということは十分認識しておりまするが、さしあたつて供給力が足りないので、それを輸入する。そうしてその輸入するものの値段というものが、国内の価格よりも高いであろうと予想されまするので、新聞紙の公共性にかんがみ、暫定的に免除するということが、この場のさしあたりの措置として、妥当ではなかろうかというふうに考えておるわけであります。
○宮幡委員 一応お話の点はその通りだと私は思いたいのでございます。ところがこの問題は、前にお尋ねしました建染め染料、水銀とは異なりましてわれわれの方考え方は高関税主義、一方ではその必要が今ない。むしろ公共性その他の理由から無税にしても紙が足りない。関税部長の言われるように、九%くらい新聞紙が足りないであろう。それは統計がいいとか悪いとかということは別といたしまして、日本の紙というのは皆さんも御承知の通り旧王子三社、今支社まで入れますと七社、合計十社、この生産能力が支配的であります。この関税の程度のかけ方というものが問題で、価格の操作はむしろ国内の新聞紙についてはできにくいのであります。この王子系各社の生産意欲、増産意欲あるいは減産ということによつて、市場価格が非常に左右されるものです。しかも昨年臨時国会におきまして、三月三十一日までひとつ課税を免除しようという暫定措置のときに、くれぐれも申し上げましたのは、これはあくまで暫定であります。実際に入るのか、こういうことを申したところが、必ず入るのだ。ところが入つて参りました紙はどうかという、寸法違いで輪転機にもかかりません。しかもこれは引取りが困難で保税倉庫の中に入つておつて、不足すべき新聞紙を充足させるために輸入した効果を全然上げておりません。もし、かようなものを引取るために円資金の調達が——現在たまつておるのは五億ぐらいでありまして、大新聞社は引取ることができますが、今後引合いができたと仮定いたしまして、現在の段階において、円資金の調達等を思い合せますと、輸入するというのはかけ声だけでありまして、実際の問題といたしましては、入つて来ないのじやないかということを私ども考える。それにかかわらず、一応また日本の製紙工業の保護育成が必要だということは、徳永局長も認められておる。そういう段階において、日本の価格より安い紙が入つて来れば、かけるのだ、保護するのだ、今は高いから、こういうのでありますが、すでに新聞紙の割当につきましても、IMC物資に指定せられまして、これはコマーシャル・ベースで入つて来ることを期待しなければならぬ。グレー・マーケット・プライスで入つて来ることを考えてやるわけには行かない。先刻も申しましたように、ガットの協定に入ることを建前にいたしまして、通商航海条約ができた際に、相互最恵国待遇というものの基本になる、関税定率法のただ一つの端的な事実におきまして、これが入るか入らないかわからないから、入つたときの用心とか、入る場合にとかいうようなことでもつて、かような定率をいじるということは私は心外にたえない。これは日本の関税の行政を担当する大蔵省としても、おそらく満足ではなろうと思う。われわれ立法に参加いたします国会といたしましても、かような直し方に私どもは賛成できません。入るか入らないかわかりません。IMC割当物資として入るならば、コマーシャルペースであることは明らかである。そうして日本の価格よりも非常に安いものでないこともわかつております。決してその価格が日本の価格を圧迫するというような関係にはならない。むしろこれは課税いたしまして保護育成の精神を貫徹する。ややもすれば需要を満たさないと思われておりますところの国内製紙の増産あるいは合理化という面に力を注がすべきであります。現在の状態においてまた一年間ずるずるに課税をやめるというようなことになりますと、現在逼迫いたしました資金需要の中に特に製紙は銀行の申合せによりまして、いわゆる自主規制の範囲におきまして、設備資金は融資しないということが原則になつております。自己資金の蓄積によつて設備を拡張し改良して参らなければならない段階におきまして、もし外国紙の輸入を容易ならしめるような措置をとるといたしますれば、王子三社を初めといたしまして、その増産とか合理化の意欲は減退いたします。いつにして安んじて国内の文化財としての印刷紙の需給のバランスがとれるか、期待できなくなると思う。むしろかようなことは合理化をはばむものといたしまして、断固課税の方向に進むべきものである。しかして徳永局長も答えましたが、そういう時代になつたら、かけてもらうというならば、私は免税しなければならない時代が来たときに、最近の国会における審議において、これを免除する手配をした方がよろしい。私は残念ながら徳永局長の考え方は逆だと思う。かけることが本則であつて、かけてはどうしてもいかぬという場合におきましては、次の国会におきまして、これを暫定軽減する措置を講ずるということの考え方の方が妥当であります。とらないことにしておつて、とる必要があつたらかけるのだというに至りましては、私は通商産業省の考え方として残念ながらこれには賛成できません。そういう考え方にひとつなつていただきたい。この点につきましては、あるいは新聞協会というような強力な力もあります。しかも増ページという問題につきましてしばしば論議せられますが、一体日本の現在の生活水準において、生計費の中に占める文化費というものは何パーセントに当るか。都市は別といたしまして、田舎におきまして、夕刊や朝刊を増ページいたしまして、各戸にその新聞というものをみな購読するだけの余力を生計費の中に見出すことができますか。むしろ広告取りとかなんとかいう名義でもつて、新聞が増ページされるだけでありまして、何らほんとうの文化生活の向上には役に立たない。増ページされれば、今まで二種類とつておりました新聞を一種類に詰めなければならない国民生活の実態であるということも知つていただきたいのであります。かような面において、いたずらに増ベージすることのみにとらわれまして、その他製紙産業の保護、やがて国際競争の中に出なければならぬ。アメリカとは二十年、北欧、スエーデンあたりとも八、九年遅れているという日本の製紙技術というものを、せめて北欧ぐらいまでは進めなければならないという現段階におきまして、これと矛盾する政策については残念ながら私どもはまつこうから賛成できません。そういう意味でかりに増ページをする、四月からやらなくても、八月になれば通産省で考えていますアランによりましても、明らかに国内紙によりまして新聞の四ページ増加ができるはずであります。八月になつてもできないというならまた考え方もありますが、この点につきまして徳永局長から、八月になれば一応増ページをするだけの増産が達成できるのですか、御言明をいただきたいと思う。
○徳永政府委員 ただいまお尋ねのありました明年度輸入されるか、されないかということでございますが、私ども明年度の需給推算をいたします際に、昨年の暮れから本年の初めにわたりまして資料調査をやり、市外事務所の方に連絡いたしておるわけでありますが、先ほどもちよつと税関部長からお答えがございましたように、八ページ建がすぐ実現されるかされないかという問題につきましては、いろいろ宮幡先生からお話がございましたようにむずかしい問題がございます。国内の購買力の問題あるいは広告収入の問題等もあろうかと思いますが、しかしともかく八ページ建というものが過去の新聞紙の建ページに比べまして、そうぜいたくではないということは一応言えるのじやなかろうかと、われわれとしては考えたわけでございます。そういたしますと一まず各社が計画しておるプログラムに従つて、建ページの増加が行われるという想定に基きまして需要をはじき出し、それと対応する供給がどうなるかということを検討せざるを得ないわけであります。その検討の結果、年間といたしまして約二万三千トン程度のものが足らないという数字に相なりましたので、その数字をIMCの方に割当をもらうべく懇請いたすことにいたしたわけであります。IMCとしましてそれに対してまだ正式の討議が行われておる模様はございませんので、その日本側の要請がどの程度聞き入れられるかどうかということは、まだはつきりいたしておりません。 それからもう一つお尋ねがありましたIMCの割当があつた場合に、日本向けの値段は幾らになるかということでございますが、IMCの割当につきましても、明年度以降の割当につきまして、供給者側の方から、相手国の事情によりまして、相手国の紙の市価というものを参酌して、売値をきめるというような動きに転換しつつあるようでございまして、それが私どもとしまして、この問題につきまして、IMCの割当をもらえば、ほかの物資の場合は比較的安いといいますか、その国のオフィシャルな建値で入つておる場合が多いわけでございますが、新聞紙の場合にそのような値段で入るということを期待できないではなかろうかというふうに考えましたゆえんでございまして、そのような事情から高いものが入るかもしれないと考えておくべきではなかろうかと考えたわけであります。お話のように製紙業者の立場といたしましては、今後の新聞用紙につきましても十分に自給を達成し、しこうしてその合理化も進め、値段も下るというような努力というものはしなければならない大きな目標なり、当面しておる問題があるわけでございます。その点から製紙業者に不当な不安を与えるということは避くべきでありまして、今後業者の自給の達成ということを、われわれの眼目にいたしておるわけでありますが、今度の措置の経緯が先ほど来お答えしたような事情でございますので、その事態を十分に了解してもらえますならば、さしあたりの問題として心理的な影響が若干あろうかとも思いますが、それも事態を認識してもらえれば、当然に解消すべき問題ではないかというふうに考えておりますし、私どもとして新聞紙製造業者の持つでありましよう心理的な不安の解消には、今後も大いに努めたいと考えておるわけであります。繰返して申し上げますけれども、あくまで暫定的な意味におきましてやりました措置でございまして、自治態勢の確立ということこそが、私ども産業官庁としての使命だというふうに考えておるわけであります。その点につきましては業者の方にも不安のないように、われわれとして十分の努力をしながら、業者のその方向への発展を期待しておる次第でございます。
○宮幡委員 時間の関係もありますから、午前中の分は大体終りたいと思いますが、ちようど話かけの結論だけ得ておきたい。八月になりますと国内生産が大体需給バランスがとれる見通しだということを聞いておりますが、この点の御確信と、それからIMCの割当物資として印刷紙なり新聞紙が入つて参る、その価格が具体的に申せば、国内価格の三十六円に対して三十円くらいで入つて来る、そういう場合に臨時措置であるから、今度はこの免税をとつて一〇%課税を生かす、これは国会の手続は別といたしまして、IMCの割当を受けております日本の立場といたしまして、さようなことができるものとお考えになつておるのか、あるいはできないとお考えになつておるのか、その点はひとつ明らかにしていただきたい。IMCの割当物資の価格を相手方の需給価格とにらみ合せて来た、そういう事例はあるいは異例であるかもしれませんが、三十六円に対して三十円ではどうしても一割かけてやらなければぐあいが悪い、これが復活するなどという自由が許されるものか、また許されるというお見通しでやつておられるか、この点の見通しを承りたい。
○徳永政府委員 今お尋ねが二つございました。八月ごろになつたなら建ページ八ページにした場合に、国内の生産がそれにミートするだけふえるという見通しを持つているかいないかというお尋ねでございます。ごく最近になりまして私ども各生産者の増産予定というものを関係の業界からもらいまして、それ集計していろいろな検討を重ねておるわけであります。それによりますと、九月ごろになりますれば建ページ八ページのものができそうな一応の数字が出ております。ただ現実問題といたしまして、御案内の通り電力の事情もございますし、ちようど渇水期に向う時期でもありますので、そこらの点も計算しなければならぬと思います。またその生産予定というものが、価格の条件をどの程度見ておるかということも、まだ検討が残されておるわけであります。御承知のように紙の価格は、三十六円の標準紙に、他の代替紙が下り気味でございますから、そこらのところの影響もあろうかと思いますので、一応各業者から出されております九月以降は建ページ八ページのものが支給できるという数字を、百パーセント計算に織り込んでいいかどうかについて、若干の疑問を持つておるということだけを申し上げたいと思います。 第二の問題でございますが、かりにIMCの割当がもらえて、その入りますものが三十円くらいで入るという場合に、国内の三十六円より安くなるのだから関税をかけるということが、IMCの関係から許されるかどうかというお尋ねでございますが、IMCの手続は一応数量だけを割当てるわけでございまして、個別の割当が行われるといたしましても、入りますものは、向うの生産なり輸出業者とこちらの輸入業者との自由取引の形をとるわけでございますので、それにつきまして、その値段がかりに三十円になつたという場合に、日本の紙の生産の立場から関税を本則にもどしてもらうということをやりました場合におきまして、それがIMCの割当そのものに悪影響を及ぼすということにはならないというふうに、私どもは考えておるわけであります。一応その不安はなしに、そういう必要が起れば処置する、国会にも手続を進めるというふうにしたいというのが私どもの考えであります。
○宮幡委員 午前はあともう一点でおしまいですが、かりに新聞紙が入つて来るという状況になつた場合に、これの為替の操作は、自動承認制のわくの中に入れるのですか、為替の割当、外貨の割当をやるのですか、どつちの方でしようか。
○徳永政府委員 御承知のように一—三月までは、この前の輸入が、昨年秋の電力制限の対応策として、日本としてはあわてて処置したというような状況でございましたので、とにかく足らないおそれがあるから、買えるだけ買おうというような状況でございましたので、AAのシステムで入つて来るわけであります。しかしこれは先ほどからお尋ねがございますように、AAの制度というものは、無限大に入れるというような仕組みになつておりますので、業界に必要以上の不安を与えるということも考えなければいけませんので、私どもといたしましては、四—六月以降におきましては、先着順である限度に来たらストップするというように、AAからはずしまして、その運用でやりたいと思つております。それによりまして、不当な生産者の不安というものを除去する一助にしたいと思いまして、その点は関係の通商局その他とは了解済みですが、さようなことで進みたいと思います。
○宮幡委員 それでは関税定率法に関します質問は、あと必要があつた場合にやらせていただくことを保留いたしまして、私の質問は今日のところはこれでやめておきます。
○佐藤委員長 承知しました。高田富之君。
○高田(富)委員 管財局長にちよつとお伺いしたいと思うのです。国有林の払下げに関しまして、ごく簡單に要点だけをお伺いして、若干あいまいになつておる点を明確にしていただきたいと思いますから、ぜひひとつ明瞭簡潔な御答弁をお願いしたいと思います。 旧御料地、御料林等で、終戦後大蔵省管理の国有林としての扱いを受けるようになつたものを、払下げしておるという状況にあるわけでありますが、その払下げにあたりまして、その方針にやや明確でないと思われる点があるために、実際払下げを受ける自治体等におきまして、いろいろな疑義が生じておるやに承つておるのであります。と申しますのは、この国有林を借りておるのは地方自治体、市町村でありますが、その市町村におきましては、従前から特殊な規則及び条例等によりまして、分業施業者というものをきめて、これに一切実際上の管理をやらせるという又貸しのような契約の行われている例が相当あると思います。そういつた場合に、この分業施業者というものが、転貸を受けているこの権利を何らかの絶対不可侵的な一つの財産権のように考えまして、地方自治体の現在の状況等によつて、ある程度是正して払下げを受けるというようないろいろな配慮がある場合にも、そういうふうなものに何ら干渉されないで、どこまでも一つの財産権である、これはどうしても侵害することのできない、払下げを受けるときには当然に法律上払下げを受ける権利者であるという解釈を、あるいは当委員会において、あるいは大蔵省当局において決定され、それを通牒その他の方法で指示されたということがあるのでありますか。常識的にいつてそういうことは考えられないと思いますけれども、念のためにその点をはつきりお伺いしておきたい。
○松永説明員 ただいまの御質問の件は、群馬県あるいは栃木県でございましたか、帝室林野局の国有林が大蔵省に引継がれたものについての御質問かと思います。この件につきましては、国と貸付契約を結んでございますのは地方公共団体になつております。分業権というものも私どもは尊重すべきものであると思つておりますが、中央からこれについてこういうふうな処分をしろという指示をしたことはございません。処分につきまして、当初分権者に処分してくれという陳情が参つておりますが、この場合国としてどちらに処分するかということは、なかなかむずかしい裁量の問題があると思います。当初は分権者に譲与するという話で進んでおつたように聞いておりますが、その後町が引受けているから、町で一括買受けるというように話がかわつて、現在町で買い取るということに話が進んでおるというように聞いております。しかしその通り契約したかどうかは、私の方はまだ正確に聞いておりません。
○高田(富)委員 実はそういう一般的なこととしてまずお伺いして、それから具体的なことと思いましたが、ただいま申される通り群馬県の室田という町でありまして、この問題について町当局でも非常に困つてしまつておるというような様子を実は聞いておるのであります。と申しますのは、町当局としましてはもちろんこういう分業施業者というものも尊重するという。これは一般的な考え方は常識的にいつて当然尊重するのでありますが、ただ特殊な町の、山林が非常に不足しているとかいうようないろいろな状況。それから特別に分業施業者というものがきめられたのは、ずつと古い話でありますので、いろいろな配分等において、自治体として思わしくないところがある。特に他村の人がたくさん持つておるというようなことがありまして、自治体の条例にも反しておるような事実が明らかになつて来たりいたしまして、その間にいろいろな管理上の間違いがあつたり、あるいは不正があつたとかいうことで、善良な管理人として規定に従つた管理をやつていなかつたのではないかというような問題等もありますので、自治体ではこの処分について相当長い間いろいろと各方面の意見を聞きながら事を運んで来たのでありますが、いろいろな利害関係者の意見の対立等も出て参りまして、処分の方法に苦しんでおつた。たまたま最近に至りまして、地元の管財局でありましたかどうかはつきりいたしませんが、これは絶対不可侵的な権利として大蔵委員会で認められた。あるいは当局がそういうふうな決定をしたとかいうふうな、ちよつと考えられないデマのようなものが飛んでおるために、町長としてはもしそういうことが事実ならばこれは困つたものだというふうになつておるように聞いておるわけです。ただいまのお話で非常にはつきりしましたが、そういうふうな指示等は出したことはない、それから町が一括して買うようになつたというように承知しておるということでありますが、そういうふうになりますと、もう一つここでお伺いしておきたいことは、今まで借り受けておつたものを町が一括して買います場合に、その町が買つたものをさらに今までの分業施業者に売る。あるいは、その場合若干のものについては、町議会の意見その他自治体の独自の判断によりまして、公正な、住民の多数が納得する方法で一部是正して、配分方法をきめてやるというふうなことが、現在問題になつておるわけですが、そういうふうな問題はすべて自治体の問題でありますので、自治体の責任者並びに自治体の住民の意思によつて、最も自治体のために公正な方法で決定されればいいわけであります。そういう点についても大蔵当局が、その下の方まで、これこれでなければいかぬ。これ以外のものには売らぬというような絶対的な命令、法的に拘束力のある命令を出すというようなことは、もちろんあり得ないと思いますが、その自治体の自主的な措置によつて、それから先のことは運ばれてさしつかえないものであるというふうに考えられるのでありますが、この点に関する御見解はいかがですか。
○松永説明員 ただいまの点につきましては、私の方——国は売り主でございますので、買い主がこれをどう処分されるかということについてはタッチしないことを原則としております。ただ、これはどういうふうな契約書になつておるか知りませんが、契約の条件にそういうものが入つて契約ができておるならば、すなわち、売り払つた後はその土地をどうしますとか山林をどうしますとか、どういうふうに処分しますということが入つて契約がなされておつたならば、その契約通り実行するということは、契約自由の原則からそうあるべきだと思います。
○高田(富)委員 大体ほとんど明らかになりました。最後にもう一度念のためにお伺いしますが、町が一括して買う。買受け人は町である。その際、町が買うときの条件として、これこれの方法で実はその後処分したいのだというような条件で国から買い受けるときは、その条件の決定、どういう条件でやるかということにつきましては、自治体の方で最も公正と思われることを自治体の責任において自主的に決定いたしまして、その上でこういう条件で譲り渡してくれないかという相談を国の方と町の方が相談する。こういう順序になるのだろうと思います。そこまで行つておるかどうか現地の事情はわかりませんけれども、そういうような順序で行くべきものだと思いますが、それでよろしゆうございますか。
○松永説明員 その通りでございます。
○淺香委員 実は国税庁長官においでを願つて、資料の点についてお出しを願いまして、それに関連して少し質問したいと思つておりましたが、きようは長官が何か御用がありまして原直税部長さんがお見えになられたそうでありますが、私の資料を要求したいということに関連する問題としてお伺いをしたいと思います。 実は大阪国税庁の管内におけるある税務署の問題でありますが、酒屋さんの小売店が約百二十軒あるのですが、それの今度の認定額が平均しまして昨年度の約倍である。これを担当されました係官は、それの半分の六十軒を実に丹念に調査をされたというが、これにはいろいろ理由があるらしいのであります。しかしその理由はきようは一応さておくといたしまして、まず酒の販売高は昨年に比較いたしまして一割五分程度の増であるが、しようゆは、昨年よりも販売店が相当ふえましたがために、逆に減つているというのが、この酒の小売店界における常識になつておるのであります。そこでこの隣接地区の税務署管内におけるところの業者の方に組合から問い合せてみますと、大体昨年度よりも四割ないし五割程度の認定増しになつている。そこでこの場合に、出先の地方局としては、その管内における税務署のこういうでこぼこについては、あくまで均衡をとらなければならぬと思うのですが、この点はどういうお考えでありますか。
○原説明員 所得の捕捉につきましては、前々からいろいろ御注意をいただきながら努力をいたしておるのでありますが、この所得の伸びについていろいろ研究いたし、また資料も流しますと同時に、何と申しましても根本は直接に納税者について調べますところによつて結論を出す。われわれはこれを実額調査と申しておりますが、これを中心として仕事を進めるということで、ここ両三年来ずつとやつて参つております。その結果、ただいま御指摘のありました権衡というものと実額調査というものがぶつかる面が出て参ります。従来はそう実額調査をやらないで、権衡を主としてやつて参つた。ところが実額調査をやつてみると、ある管内あるいはある町あるいはある部分の事業というようなものが、非常に従来よりも所得が多いということが発見される場合がございます。こういう場合に権衡基準にもどすかどうかという問題で、われわれは常に悩むのでありますが、率直に申し上げますと、われわれは実額で出て来たものが客観的に正しいという判断になりますならば、それはそれに良心的について行くべきであるというふうに考えております。従つて他の権衡の方は、むしろそれを中心にして考え直すということにいたしませんと、いつまでたつても、もやもやした課税ということになりますので、そういうような考えで仕事は進めて参りたいと思つております。ただいま御指摘の件がはたして実額調査の面で十分であるか、正しいかという点は、なお別途伺つて調べてみなければならぬと思いますが、方針といたしましてはそういうふうに考えておるということを申し上げたいと思います。
○淺香委員 あなたの御答弁ですと、実額調査を重点に置いているかのような御答弁でありましたが、しかしここで部長さんにお考え願わなければならぬことは、実額調査をどういう方法でやつたかということが、ここで問題になるわけでありますが、それはさておきまして、大阪に思いをいたしてもらいますと、大阪市内は別として、大阪市を離れた郡部というものは、どの郡部へ参りましても大体同じような環境にある。これをまず念頭に置いていただきたい。その同じような環境にあるところの税務署が、Aの方は四、五割程度、隣りの税務署へ行くと倍以上も上つているという事実は、これは先ほど申しましたように百二十軒のうちで六十軒しらみつぶしに丹念に税法上こうあるべきだというようにやつた、その実額調査が正しいということであれば、ほかの税務署は全部これに右へならえをしなければならぬような結果になる。そこで実額調査ということが非常に問題になりますが、はたしてそれが何に置いたかということになりますと、大体酒の小売店でありますがために、帳簿なども税務署のお気に入るようなはつきりしたものもないところが多うございましよう。また税務署の方でこれを認定するというても、はたして今の額が正しいかどうか、確たることはわからぬと思う。そうしたならば、私はどの税務署においても大体出ているその額というものが、これはやはり常識から判断いたしまして、正しいのではないかと考えるのですが、その点につきまして部長さんもう一ぺん御答弁を願います。
○原説明員 調べて参ります間に、お話の通り権衡ということも、もちろん十分考えなければならないものであります。従いましてある一部において顕著な課税漏れというようなものが出て参つたという場合には、それを局で検査いたしまして、もし事実がそうであり、かつ他も一般的にそうであるという推定がつくのならば、全管にそういう処置をとるわけで、できる限りそうやつておるのでありますけれども、何分年末から年の初めにかけましての数箇月の実調の期間というものは、非常に繁忙をきわめておりますので、率直に申して毎年々々、たとえば十二月の終りになつて、そういうケースが発見されたという場合に、すぐにそれを全管に及ぼして、それを修正してしまうということが、必ずしも十分にできにくいということもございます。そういうようなわけで、場合によつて今年の経験を来年に生かすというようなことがあると思いますが、私どもといたしましては、実調の結果相当の事実が発見される、そうしてその業種の他の納税者についてもそれが当てはまりそうだという場合には、やはりこれを中心にして考える。もちろん実調が非常にあぶないものである。他の納税者についての調査、これは若干質の低いものであつても、こつちの方が確かなものだという場合には、そつちによつて参る。要するに実調をやつて出ても、従来権衡で低かつたんだから低くするという方針はとりません。同時に異調をやつて出たからといつて、すぐに足元を考えずに、権衡レベルを上げるということもいたしません。一にその実調の質と従来の権衡レベルの質との対比の問題でありまして、質のいい方によつて仕事を一歩々々進めて参る。そうして毎年々々いい質の仕事にして参りたいと考えてやつておりますので、むしろ具体的な例を教えていただいて、私どもに取調べさせていただきましたならば、かえつて事案に即した答えができるのではないかと思う次第であります。
○淺香委員 それでは私が国税庁に申入れをしたいのですが、大阪市内を除く郡部の各税務署ごとに酒及びしようゆの小売店の二十四年、五年、六年の決定額の資料を一つ出していただきたいと思いますが、これはお出し願えますでしようか。
○原説明員 個人別の課税の内容をごらんになりたいということでございますか。
○淺香委員 署ごとにまとめてほしい。
○原説明員 お話の筋は、課税の方針ないしそれの運用が、概括的にどうかということをごらんになりたいのでございますか、それとも個々の何々商店がかつて幾ら課税され、今年幾ら課程されたかというところまで御承知になりたいのでございますか。何分税の資料は、個人的になりますと、納税者に非常に機密なものでございますから、皆さんに隠し立てをするというのではなしに、なるべく個性を抜いたものにいたしたい。また御判断はおそらく税務行政の運営が概括的にどうかということをごらんになりたいと思うので、それにおこたえできる程度のものというふうに了解して、資料をつくります分には一向さしつかえございませんし、むしろそういうもので御検討願うということがけつこうかと思います。
○淺香委員 目的は個人の税額を一瞥したいというのではなく、先ほどから私が質問しておりますように、各署ごとにそういうでこぼこがあつて、非常にその署が問題を起している。そうすれば他の署においての過去における決定額を一応見まして、それを基礎に置いて何分の考え方をして行かなければならぬのではないか、こういう趣旨であります。従いまして個人々々の名前は出していただかないでもけつこうでありますけれども、大阪市内を除く各郡部におけるところの各税務署内において、酒小売店の過去二十四年、五年、六年度にわたるところの決定額、但しこれは兼業を含まないところの酒、しようゆのみの実績をひとつ出していただきたいと思つております。今申しましたように、この問題がこの署管内でも一般から注視をされ、とやかくうわさをされております。ところがこの問題がこの管内においてとやかく言われるようになりますと、突然係官が更迭をされてしまつた。そうして更迭された係官が、組合とか世間がやかましく団結して来るならば、この金額によつてとつて見せるのだと公言しておる。それは別といたしましても五百二十軒の中で二、三十軒ほどというものが二十五割、三十割、三十五割という常識で判断できぬべらぼうな額になつているのがあるわけでありまして、問題はここにあるわけでございます。そこで私はその額につきまして、帳簿のないところは推定で査定されると思うのでありますけれども、その推定の査定標準になる認定方法、これは国税庁としてはどこに基準を置かれるかということを、いま一度承つておきたいと思います。
○原説明員 御注文の資料はでき得る限りのものを、でき得る限りすみやかに出すように、いたします。 ただいまの御質問は非常にむずかしい御質問でありまして、なかなか簡單に短時間にはお答えし得ないと思うのでありますが、要するに帳簿はある場合とない場合とございます。いろいろそれを補う方法を考えるのでありますが、もちろん納税者に帳簿をつけていただくということは、青色申告制度その他において年々努力をいたしておりますが、具体的にやつてないと言います場合の備えとして、毎年いろいろの資料をわれわれは集めております。たとえばただいまあげておられます、業種におきましては酒なり、しようゆなりというものが製造元ないし卸から幾ら入ついてるかという資料をわれわれは苦労して集めております。それをもつて伺う——もちろんその他いろいろな面で、資料的なものがあり得るわけでありますが、そういうものを持つて伺うというのが、一つの大きなことになろうと思います。 それからこれはもう所得調査法全般にわたる問題でございますから、いろいろあるわけでございますが、お店に臨んで、お店に幾ら商品があるかということを、商売々々で、売れない商品を余計置くということもないわけでありまするし、その辺を拝見すると、ある程度の手がかりにはなるということもございましようし、また中にはなかなか帳簿をお見せいただけないが、手帳が帳場にあるというような場合もございます。そういうようなものから糸口ができるというのもございます。たいへん苦労していろいろやつておるわけでありますが、もちろんそれにとどまらず、あるいはよそでのうわさというようなこともありまするし、いろいろなことがありまするが、要するに帳面をつけることをお願いする、どうしてもない場合はしかたがない、そういうような意味でいろいろな面から推測をつけて参るという状況でございます。
○淺香委員 かかる場合の認定としては、根拠になるものがいつの場合も非常に薄いのであります。それを税務署の方のみの薄弱な根拠に基いて、これが昨年より倍、三倍というようなことは、どうしても私どもは首肯できぬと思います。いま一つは業種ごとに標準書を作成しているかのように承つておりますが、この標準書というもの、これも参考資料として私どもに配付していただけませんでしようか。
○原説明員 推定が若干の危険を含むということはお話の通りでございますが、また昨年より二倍、三倍という所得が出て参るということは、昨年非常に抜けておつたをいうことを、一面において意味する場合が多いというふうに、率直にいつて、考えております。従いましてこれは延びということよりも、今まで抜けておつた所が調査の結果出て来たという面があるのではないかというふうに見ていただきますと、他の一般の、通常の景気の変動によつて延びて参ります場合との比較の際に、より妥当な考えをいただけるのではないかと考えます。 それからお話のありました標準書といいますのは、いかなることでございましようか、われわれの申しております所得標準率のことなのでございましようか。
○淺香委員 さようでございます。
○原説明員 標準率というものは毎年つくつております。御希望によりまして差上げても別段さしつかえないとも思われるのでありますが、実は標準率の使い方につきましては、これを片寄つて使われますと、非常に困るのであります。そういうような意味で皆様の御検討のために、この委員会限りにおいてごらんいただくということであればけつこうだと思いますが、部外に出していただくということになりますと、困つた結果が出て参ります。と申しますのは、たとえば喫茶店の標準率は売上げに対して三割が所得になるというふうに出ておるといたしますつと、実際には四割出る店もあり、二割も出ないという店もあるわけであります。そこでそれが四割出る店が三割で行こうとか、二割出る店がうちは二割だというふうに御主張になることになりますので、標準率というものが、ある範囲の数字を平均的なものに集約したものであるということをお考えいただかないと困りますので、部内ではつくつておりますが、これは公表いたさないことにいたしております。
○淺香委員 長官にお伺いするはずでありましたが、税務吏員の教養思想の問題について、直税部長さんに一度伺つておきたいのですが、吏員としては、われわれは税法上にきめられたものによつて、あくまで徴収するものである。文句があつたらこの法律をつくつた自由党の代議士に文句を言つてくれ、今後こんな代議士を出さぬ方がいい——これは暴言であります。これを暴言と言わずして何が暴言でありましようか。こういうような吏員が末端におるということを御承知かどうか、こういう点につきましては、証人は幾らでもあるのであります。こういうような不心得者のいるのを看過するわけには行かないと私は思うのです。その点について長官のお答えをほしいのでありますが、長官はお見えになりませんので、部長さんとしてこれはどうお考えですか。
○原説明員 たいへん恐縮に存じます。われわれ常々そういう職員が、まだまだ相当おることを承知いたしております。これを直さなければいかぬというので、非常に苦心をいたし、及ばずながら努力をいたしておるつもりでございます。特に戦後数年間非常に税務が混乱いたしまして、その間多数の若い未経験な職員が入つて参りました。当時におきましては、社会状態、各人の経済状態が、現在でも不十分でありますが、非常に乱れておりましたために、その職員たちの教養なり訓練なりというものが、非常にうまく行かながつたということがあつたのでありますが、ようやく経済もおちついて参りましたし、大体一昨年の秋ごろを境といたしまして、たびたび申し上げますように、私どもの方針というものも大きく切りかえてやつて参つております。その際たしか一昨年十一月の十日であつたと思いますが、国税庁長官名をもつて、教養、訓練、ないし納税者との接触に関する諸般の注意を文書をもつて示達いたしましたし、この訓示は爾後現在までを通じまして、われわれが第一線を指導します場合の、いわば憲法のようなものといたしております。これには親切に丁寧にということ以上に、納税関係、課税関係というものは、納税者との間の信頼感の上にこれを確立するということが、重要であるという根本的な考え方をもつて書かれ、かつこれが読まれておるわけでございますが、不幸にして御指摘のような職員がありましたならば、まことに申訳ないと思います。どうかひとつそういう信頼感をもとにした税務官吏に育て上げるというわれわれの気持を了とされまして、どうしたらそういうものが直せるかという点に、今後一層御声援を願いたい。われわれ大分よくはなつたと一方で感じますが、まだまだ足らないということで、鋭意努力いたしておる次第でございます。
○淺香委員 時の政府の方針に対してあえて反対し、また個人のイデオロギーの上から、反対党を自分の職責を通じてあしざまに言う。これは名誉毀損であり、また言いかえれば、選挙妨害だとも考える。こういうような事実がはつきりいたしました場合に、その御処置をなさる御用意があるかどうかということを、いま一度お聞きしたい。
○原説明員 具体的なケースを伺いまして、取調べました上でお答えいたしたいと思います。部分的にそのお言葉のことだけ伺いましてお答え申す前に、取調べたいと思いますので、具体的なケースをお話していただきたいと思います。
○淺香委員 昨年よりか予算の総額がふえた、だから前年度よりは割増しで決定すればいいのだというような、ただ単なるそういうことを自分が念頭に置いて、何割増しだというような考え方で、納税者に向つておるということは、これは今日周知の事実でありまして、この点につきましても、かつて長官に質問をいたしましたところ、それは実績によるのだという答弁があつたのですが、末端におきましては非常にそれを歪曲した考えのもとに行動している人が多いのです。そこでこれの答弁を求めようとは思いませんけれども、本人の教養とか思想の問題は一応切り離しまして、もとへもどりますが、この問題につきまして実は大阪の局長さんに善処方を申入れました。ところが局長さんも非常にりつぱな方でありまして、直税部長さんにお話をして、各税務署の権衡がとれるようにできるだけするようにいたしましようというお話がありました。その後聞いてみますと、どなたか国税庁の方から、この問題の処理いかんということで行つたという事実があるのです。それが帰られてから、今度は反対に、一線に立つてこの問題を処理しておられる方の気持が、むしろ硬化して来た。これは私は想像でございますが、一応穏やかに善処方を申し出たことによつて、その直税部の担任しておられる方を派遣せられたというところまではいいのであります。しかしそれをはき違えて、何か側の者から使嗾して、そうしてこういう手を使つたということについての反抗が起き、むしろわれわれのこの実額調査が絶対正しいものなり、これを一歩も譲らぬというような、若い人特有のえこじが、ここに発生したのではないかとも考えられるのであります。この問題は大阪の局長も一応知つておられる問題でありますけれども、本庁としまして、これの善処方に対して何かひとつお考えがあれば——私今晩大阪へ帰りまして、この問題をもう一度調査してみたいと思うのでありますが、本庁としてこれを善処せられるお考えがあるかどうか、あればひとつお聞かせ願つておきたいと思います。
○原説明員 その局なり本庁なり、上部の官庁から声がかかり、ないし人が出かけて参るというために、下部の第一線の署員の態度が硬化するというようなことが間々ございます。これはその署員の人間が小さいという場合もございますが、同時に上部の官庁から参ります場合に、何とか穏やかにといいますか、端的に言えば、あまり上げるな、低くしろという式なことを申しますと、これはやはり純真な、善良な税務官吏の良心を、やはり押えつけるものでありますから、どうしても反発が参ります。その意味で、われわれ特に本庁におりまして、陳情その他を受けます場合に、漠然と何とかうまくやれという式なことは、絶対に言いたくない、言わないようにいたしております。むしろ本庁は、下部の官庁のやつておりますことに、法律違反ないし事実違反、間違つた法律の運用、事務の扱いをいたしております場合には、どしどし言つていただきますと、そういう点を指摘して直させるのこそ、中央ないしその他の監督官庁の役目でありますので、そういう線において申すという場合には、強くも申せますし、下部におきましても論点がはつきりして、よくついて参るというようなことに相なります。そういうような意味において、ただいまお持出しの件も、どうか具体的にこういう点がいかぬと思うという点をおつしやつていただきたいと思います。われわれそうだと思いますれば、そういうふうに善処いたします。
○淺香委員 今のお話もよくわかるのですが、具体的に言えというお話でありますので、その具体的の問題は先ほど申しましたように、ほかの管内から見てここだけが非常に高いではないか、だから、安くしてくれというようなことを言うのでもなく、業者もそれを頼んでおるのでもないのです。同じ環境にある場所で、同じ営業をやつているのだから、ほかの方の業態をにらんだ場合に、やや匹敵して来なければならぬのに、なぜこの管内だけ飛び離れているかということが非常に問題になるわけでありまして、それで今資料を私が要求いたしまして、その資料を幸いに出していただくということになりましたものですから、その資料を拝見いたしまして、その資料を具体的に検討いたしまして、あらためて善処方を局長までに申し入れたい、こういう考えのもとに、資料に関連いたしまして質問をいたしましたような次第であります。これは単に大阪局の問題ばかりでなく、各方面にこういう問題が起りつつあるかのようにも聞いておりますので、本庁におかれまして、ことにこの衝に当つておられるところの直税部長さんにおかれましても、心して今後の行政にお進みいただきたいことをお願いいたしますと同時に、私一人のために非常に長時間、しかも時間をはずれまして、各位に御迷惑をおかけいたしましたことをここにおわびいたしまして、私の質問を終らしていただくことにいたします。ありがとうございました。
○佐藤委員長 午前中はこの程度にとどめ、午後は正二時から質疑を続行いたしたいと思います。 これにて休憩いたします。 午後一時十二分休憩 ————————————— 午後三時三十三分開議
○佐久間委員長代理 休憩前に引続き会議を開きます。 関税定率法等の一部を改正する法律案、国有財産特別措置法案、租税特別措置法等の一部を改正する法律案、資産再評価法の一部を改正する法律案、通行税法の一部を改正する法律案及び災害被害者に対する租税の減免、徴収猶予等に関する法律の一部を改正する法律案の六法案を一括議題として質疑を続行いたします。質疑は通告順によつてこれを許します。三宅則義君。
○三宅(則)委員 ただいま議題となりました各法案につきまして、質疑をいたしたいと思いますが、とりあえず租税特別措置法等の一部を改正する法律案以下四法案を中心にいたしまして質疑を行いたいと思う次第であります。主税局長はもつぱら税の方面の権威者といたしまして、また立案者といたしまして多年の経験を持つておられる方でございまするが、戦後の状況を観察いたしまして第一にお伺いいたしまする事柄は、新築家屋、むろんこれは貸家でございまするが、こういうものはほとんど賃貸を目的といたしまするものはつくられていなかつた。特殊のもの、たとえばアパートのようなものは多少できたかと思いまするが、一般住宅等につきましては、賃貸を目的にいたしましてつくつたような家屋は、ほとんどないと私どもは考えております。今回の特例によりまして、新築家屋に対しましては五割増の償却を認めるという線を、ここに出されたわけでございまするが、極端な例かもしれませんが、昔のように家作も三年ないし五年で元をとつてしまうという時代には、貸家もうんとできたわけでありまするが、現今の段階におきましては、設備にかかりまた材料が高いというような意味合いにおきまして、住宅難の緩和にははなはだ縁の遠い話でございまするから、今回の改正によつて幾らか緩和されると思いまするが、政府のお心持といたしましては、この改正によつてどのくらい賃貸家屋ができる見通しを持つておりまするか。もちろん住宅金融公庫その他等も御考慮の上において立案されたと思いまするが、この辺について詳細に承りたいと存じます。
○平田政府委員 非常にごもつともなお尋ねでございます。数字の点はなお後ほど整理しまして申し上げたいと思いますが、御指摘の通り今まであまり貸家が立つておりません。これは今お話の通りの事情にあつたのではないかと私ども考えております。しかし何と申しましても、やつぱり自分で建てると申しましても、まあそういう人々は中以上の所得者がどちらかと言うと多い。小所得者等の場合におきましては、どうしてもやはり貸家等に依存せざるを得ない、こういう事情がありますことは御承知の通りでございまして、遅ればせながらやはり貸家について少しこの際いろいろな奨励策を講じまして、できる限り建つように誘導したらどうか、こういうのが今回この貸家について償却を相当大幅に認めることにいたしました主たる理由でございます。しかしそれだけではなお足りませんので、会社等が大分最近は社員なり、労務者の住宅を建てておりますが、これもあわせて促進いたしたい。そしてそういう場合におきましても、会社の償却費において五割増の償却をやるということになりますれば、これはよほど促進になるのではないか。そういう点を考えまして、住宅の償却につきましては、その二つについてあわせて考えるということにいたしている次第でございます。なお自家用のものにつきましては、これは所得税がかかりませんので、償却をすると申しましてもそういう問題が出て来ませんので、これは登録税の減免をできる限り考えるということで、登録税の方は貸家たるとあるいは自家用たるとを問わず、できる限り軽減いたしまして、広い意味の住宅が少しでもできるようによく考えたい。こういう趣旨で今回の住宅に対する課税上の特別措置を考えているということを御了承願いたいと思います。数字の点は後ほど申し上げます。
○三宅(則)委員 ただいまの主税局長の趣旨は、私ども了承にやぶさかでございません。家作につきましては大幅に奨励するという線を堅持しなければならぬと思うのでありまして、今は住宅金融公庫もありますが、従来は殖産会社もしくは住宅会社というのがありまして家屋を建てては売つておつたのですが、現今はほとんどない。こういうふうな問題について考えますと、早く償却ができ、また資本の回収ができるということによつて、そういう事業が成り立つということになるわけでございますから、国家的見地からいたしますると、相当大幅に補助奨励をする。たとえば鉄筋コンクリートの家については相当の補助をいたしているが、木造のものにはあまり補助がないということを聞いておりまするが、その線との交渉があるかないか、それをあわせて承りたい。
○平田政府委員 補助金の方は私の方で直接主管しておりませんので、あまりお話の事情は承知いたしてないのでございますが、御承知の通り政府資金としましては住宅金融金庫に対して、財政資金並びに預金部等の資金をできる限り供給いたしまして、建設の促進に費そうということになつておりますことは御承知の通りでございます。その他につきましても、家賃の半額程度を低くするための補助金がございますことも御承知の通りでございまして、こういう措置は別途にあるのでございますが、課税におきましては主として先ほど申し上げましたような見地から考えているということを、御了承願いたいと思う次第でございます。 なお大体貸家で建築見込みのものが一万五千戸、それから会社等が建てます分が約二万戸、この程度はいわゆる特別償却の対象になる家としまして来年度できるのではないかというふうに見ている次第であります。もちろん自家用のものがもつとたくさんありますことは、御承知の通りでございます。
○三宅(則)委員 さらにお尋ねいたします。一般の人々につきましては、保存登記ということはあまりやつていないのです。金を借りるときには保存登記をしているわけですが、普通の場合には保存登記をしてないと思います。保存登記の場合におきまして、現行の千分の六を千分の一に引下げたことはまことにけつこうでありますが、政府といたしましては、全部が全部保存登記をなさるような意味合いにおいてこれをつくられたのであるかどうか。一般の民間の現状を見ますると、保存登記というものは、所有権の移転とか、あるいは金を借りる担保のときにおいてのみやつており、普通の場合においてはこういうことをやつていないと思いますが、当局はどういうふうに考えておりますか承りたい。
○平田政府委員 お話の点は、地方ではまさにその通りだと思いますが、都会方面では第一保険に入りまするし、それから今お話のように金を借りて建てる場合が大部分でありまして、全部の建築資金を借りないにしても、一部の建築資金を借りるということが通例でありますので、最近はほとんど保存登記をする場合が都市方面においては多いのじやないかと見ております。従つて保存登記と、それから金を借りる場合におきましては抵当権の取得の登記と両方軽減することによりまして、相当目的を達するのではないかと考えておる次第でございます。
○三宅(則)委員 それから宅地、農地等を譲渡した場合、一年以内にこれを交換するような場合もあるわけでございますが、その超過いたしました部分に対してのみこれをかけて、超過しなかつた部分についてはかけない。これももつともな話でございますが、宅地、農地等において交換分合もしくはそれらに対しまする取得ということが行われるように考えておりますが、都会地におきましては、自分の居宅もしくは土地等を売りまして買収する場合もあるわけでございます。農地等におきましてはそういうことが少いと思いますが、政府はどう考えていますか承りたい。
○平田政府委員 農地につきましては、農地調整法でございますか、自作農創設特別措置法でございますか、あの関係で、従来どちらかと申しますると、売買、移転に相当制限がありましたために、売り買いという例が少なかつたようでありますが、ただ最近農林省の考え方を私どもよく聞いてみますると、やはり農業経営の合理化をはかるためには、耕作者にとりまして適当な場所にある農地をそれぞれ持つようにするというのが一番重要な問題である、そういう見地からいたしまして農業経営上から行きましても、農地の適当な交換分合というものは非常に望ましいことであるという趣旨になつておりまして、そういう点につきましては農林省としても最近は特に考えてみたいということであります。もちろん地主から例の強制譲渡を受けましたものにつきましては、一定の認可等を受ける手続が必要かと思いますが、そういうものももちろん対象になりまするし、その他昔から持つておりました自作農地等につきましては自由にできるわけでありまして、そういうものにつきましては、私はやはりこういう規定を置きますることによりまして、先ほど申し上げましたような農業経営上望ましい結果を生ずることができるのじやないか、こういう点を考えまして措置法を改正することにいたした次第でございます。
○三宅(則)委員 これまた農林委員会等で聞く問題を聞くようになりまして失礼かとも存じますが、やはり地方におきましては、旧来の陋習と申しますか慣習と申しますか、そういうものがあるわけでありまして、最近になりまして自作農になつたという点もあるわけでございますが、これは土地改良もしくは区画整理ということを中心に考えることによつて、促進がはかられると考えておるわけであります。政府は農林委員会もしくは農林省と関係を持たれまして、そういうような奨励をするという一貫した線によつて、これを立案されたのであろうか、それとも将来そういうことが起るであろうという意味合いにおいてやられたのでありましようか。そういうような交換分合ということは、けつこうなことでありますから、ぜひ政府といたしましても強力に進めてもらいたい、こういう希望意見もあるわけでありますが、現在政府の方におきましては、どういう観点からこれを進められたか承りたい。
○平田政府委員 お話のように、まず土地改良等や農地整理等が必要であるということは、私どもももちろんそういうように考えておりますが、そういうことと並行いたしまして、農地の所有関係で、各農家の経営上最も妥当な結果が生ずるような適地を得せしめるということが、農業経営の上においてやはり非常に重要な要素である。そういう趣旨におきまして、そういう際において少くとも課税上妨げになるようなことはでき得るだけ排除しておいて、そういうことがやりやすいようにしよう。こういう趣旨で提案いたした次第でございまして、このことがあるためにほかの方をおろそかにするとか、あるいはほかの方がどうでもいいという性質のものではありません。やはり重要な事項とあわせてこういう措置をとり、全体としての目的を達成するという方向に向うべきではないか。その点においては農林省も大体同じような意見でありますことをお伝えしておきます。
○三宅(則)委員 しからば次に伺います。これは特に東京とか大阪というような大都会に多いのでありますが、宅地であります。宅地につきましては、もちろん時価というものもあるのでございますが、東京のようなところにおきましてはときどきやみ取引がある。でありますから、たとえば今までの百坪のものを売り渡して新たに五十坪買うとか、あるいは八十坪買うというような場合もありましようが、値段によりましては相当開きがあるものもありますけれども、このやみ取引についての勘案はどういうふうに考えておるか。たとえば一定の評価をいたしまして、やみ取引がありましてもそれによつて評価し直すという線を堅持せられるのでありましようか。政府はどういうふうに考えておるか承りたい。
○平田政府委員 譲渡価格につきましては、はつきりわかりますれば実際の譲渡価格にそれぞれよるわけでございます。取得価格も同様でございます。今のお話は、その際に、都合のよいときには実際の取得価格よりも安くしてみたり、あるいはまた都合の悪いときには高くしてみたり、そういうような申告でもする者をどういうふうにしてチエックするかというお話でございますが、そういう向きに対しましては、従来もやはりそうでございますが、一定の標準的な価格というものを相続税等の関係で税務署は持つておりますので、そういうものと照しまして、はたしていいがどうか納税者によく聞いた上で処理する。それで、納税者が適当なる証拠を提供しました場合におきましては、それはもちろん実際の価格で売らなければならぬのでございますが、そういう申立てが十分でない場合におきましては、標準価格等によつてある程度認定するという場合も、これはやむを得ない場合として出て来るかと思います。その辺は実際の運用上の問題になるかと思う次第であります。
○三宅(則)委員 それに追加して申し上げるのでございますが、これはあまりに俗ぽい話でありますけれども実際ですから申し上げます。登記をする場合は、どちらかというと非常に安く登記をするというのが今までの慣例になつております。実際これに対しまする税をとる場合になりますると、登記価格よりもずつと上の価格をとつているということがあるわけでありますが、一般の司法慣習というか、慣例といいますか、大体過去の経験からいうと、登記というものは時価よりもずつと低い、登録税の関係もあつたことでありましようが、代書人——今の司法書士といいますか、それらと結託して裁判所、登記所を通過しておつたという実例もあるわけであります。そこで大蔵省といたしましては、その登記のいかんにかかわりませず、真実を吐露し、もしくは一定の標準価格まで引延ばして算定する、こういう線を堅持せられるのでありましようか。あるいは登記の方に重視点を置かれるのでありましようか。この辺りをひとつ承りたい。
○平田政府委員 最近は、登記所の登記価格につきましても、登記所で一定の標準価格みたいなものを持つておりまして、それに比べまして著しく低い場合には虚偽の価格の登録であるかどうか、その辺は相当調べておるようでございます。それで著しく低い場合は、やはり妥当な価格で申請をし直しまして、登記させるというようなこともいたしておる次第でございまして、もちろんこれはなかなか完全には行かぬと思いますが、そういう措置もあわせ講じております。しかし御指摘の通り、場合によりますと、どうも実際価格よりも低い場合が相当多いということも、あながち否定できないことだと思いますが、この所得税その他の課税におきましては、やはり今申しましたように、登記所の登記価格も一つの参考価格になりますが、あくまでも現実の価格が常に問題になりますので、いかにすれば正しい現実価格を見出し得るかということが中心になる次第でございまして、そういう見地からしまして、先ほど申し上げましたようなことを税務署の方におきましてはやつておるし、できる限りそういう方法をとりまして、適正な価格を調査するということに努めたい、かように考えておる次第であります。
○三宅(則)委員 さらに公益法人につきましては、贈与もしくは相続税等はかけない、譲渡所得税もかけない、こういうことが前からもあるわけでございますが、私どもの観点からいたしますと、公益法人につきましても、場合によりましては、ある程度まで課税してよろしいじやないかという線もあるじやないかと思いますが、全般的に公益法人には課税するという線を堅持せられたいと思いますが、いかがでございますか。
○平田政府委員 公益法人に贈与いたしました場合におきましては、昭和二十五年度以後、実は課税することになつておるのであります。従来から課税しないわけではございません。従いまして、たとえば不動産とかあるいは書画骨董のようなものを、公益法人をつくりまして寄付したような場合に、譲渡所得税がかかる。そういたしますと、なかなか寄付もできないというようなことになりまして、やはりりくつとしましては、確かに一つのりくつがあるという意味で、二十五年度に改正いたしたのでありますが、実際からいつて、少し行き過ぎではないかという点を考えまして、今回この措置法の改正によりまして、今申し上げますような場合には、譲渡所得税を課税しないようにしようというふうに改正しようとするものでございます。その場合に、やはり公益法人から贈与者が贈与した後におきまして、特別の利益を得ると申しますか、寄付したのであるが、実際は自分のもののようにしまして、その後管理し、利益等を得る、こういうような場合におきましては、どうも非課税にするというのは適当でありませんので、そういう場合は限定し得ることにいたしまして、やはり免税に該当します場合は、大蔵大臣が公益法人として適当なものであるというふうに認めた場合におきまして、非課税にするというようにいたしたいと考えておる次第でございます。
○三宅(則)委員 次に伺います事柄は、再評価税のことで、相続財産の物納のことでございますから、主税局長と管財局長に御答弁願いたいと思いますが、相続税の物納にあたりまして、これは譲渡所得税をかけないようにする、しかし再評価税はかける、こういうふうに承つておりますが、これに関連いたしまして、これは戦後あつたことでありますが、財産税のときに物納いたしましたものが、すでに物納になつておりますから、すべて国家の所有に属したものと思うのでありますが、たまたま税務官吏の怠慢と申しますか、移転の手続が遅れたために、その税金が前の持主にかかつて来た。土地、家屋等におきましても、そういうことがあつたわけでありますが、そういう場合におきましては、これは国家が取消しますものか、国家みずからがこれを国庫に納めるものか、民間にそういうことをやらせることは不都合であると考えますが、これはどう考えておるか。ことに今回の改正によりまして再評価税をかけることになるわけでありますが、再評価税につきましては、価格を一定の価格に引き延ばして算定するわけでありますから、私は賛成でありますが、再評価税をかけるとありまして、あとは譲渡所得はかけないということにせられたわけでありますが、この点につきまして主税局長は、今日の場合、再評価税だけでよろしい、こういう線を堅持されておりまするが、これに関連して管財局長の管轄でありますところの土地、家屋等に対しまする国税その他付属いたしまする地方税等についても、不行届きのために民間でこうむつておりまする損害についてはどう考えておるか、この二点につきまして主税局長と管財局長から別々に答弁を願いたい。
○平田政府委員 ただいまのお話は、大分前のお話かと存じまして、大体は私どもそれぞれ適切に処理できているのじやないかと存ずるのでございますが、御指摘の通り従来の、固定資産税になる前かと存じますが、地租、家屋税は一定のときにおきまして家屋台帳、土地台帳等に登録されたものから徴収するということに相なつております。従いまして、今お話の通り、物納等やりました場合におきましては、できる限りすみやかに処理いたしまして、納税者にできる限り迷惑のかからぬようにするということで、鋭意努めて来たことだと思つておるのでございますが、大分古い話でもございますので、何か特別なケースでもございますれば、そのケースに応じまして、ひとつよく調査させた上で、お答えさせていただきたいと思う次第でございます。
○内田(常)政府委員 三宅委員のお尋ねのように、財産税あるいはその他の税に関しまして、物納して政府が国有財産にいたしたものがあります。これは税務官庁が物納の許可をいたしました後に、規実に国庫大臣としての大蔵大臣がすべてその不動産を引取るのであります。従つて万一帳簿等の関係で、大蔵大臣が物納財産を収納いたしました後に、税金が物納者に残るというような場合は、それは税務官庁の方で税務処理として、取消しその他の措置を講ずべきものだと考えております。
○三宅(則)委員 今のお話でございますが、昭和二十三年ごろ、もしくは四年ごろのことでありますが、すでに納めさせられた、税務署の方にこれは物納いたしますと言つて納めたにもかかわらず、その後令書がまわつて来て、二回も三回も納めたというようなものもあるわけでありますが、そういうものは、今からでもおそくないと思いますが、これを返す用意があるのかどうか、これはすでに時効にかかつたという意味でありましようか、その辺を承りたいと思います。
○平田政府委員 今のお話は、どういう税金でございますか、それがいろいろまた問題なのでございますが、地租家屋税でありますれば、先ほど申し上げましたようなことになるのでございまして、従いまして、移転の手続が済むまでは、果実についても本人が収得できるということもありますから、個別的に、どういうケースでございますかお聞きいたしまして、その上で適当に処理いたしたいと思います。
○三宅(則)委員 次に小型機船底びき網等に対しまして、沈船した場合に再評価税をとるというように書いてありますが、こういう場合に、政府は実際面からいろいろな経験があると思いますが、実情を簡單に御説明願いたいと思います。
○平田政府委員 これはちよつと関係がややこしい例でございますが、今農林省の水産庁におきまして、主として瀬戸内海を中心にしまする小型漁船の整理をやる。整理するにつきましては、一定の隻数は海底に沈めまして、魚の巣にすると申しますか、そういうことが計画されておるようでございます。そのためには、たしかトン当り三万円程度の補助金を出すという措置をとりまして、それによりまして非常に多くなりました漁船の整理をやると同時に、一方におきまして魚の繁殖をはかるようにしたい、こういう措置が進められておりまして、予算もすでに計上されておるような次第でございます。その際に船を沈めますと、やはり補償金をもらうわけでございますが、これがやはり売つた場合と同じように譲渡所得税の課税の対象になる。しかし譲渡所得税を課税したのでは、事柄の性質上実際に即しませんので、譲渡所保税は免税いたしまして、先般の漁業権の整理と同様に、再評価税だけを課税しよう、こういう趣旨を措置法で提案いたしておる次第であります。
○三宅(則)委員 そういうことは特殊な例でありまして、今の御説明によりまして大体了承したわけでございます。次に工業所有権の使用料は、もちろん外国の特許権等を中心に考えられると思いまするが、今まで二〇%であつたものを一〇%に下げる、こういうわけでありまして、それは昭和二十八年の一月一日まで約八箇月間延長というふうに承るわけでございますが、私どもはむしろこういう工業所有権等に関する使用料等は、大幅に長くこれを軽減するということこそ、企業の促進をはかることと思いまするが、政府はわざと八箇月延長というような線を出された点はどこにありますか、私はむしろ二年三年と長くこういうような軽減をしてやりまして、工業の発展に資することこそ、国策の線に沿うものであると考えまするが、政府はどう考えておりますか、承りたいと思います。
○平田政府委員 三宅さんは、課税の趣旨をよく御了解願つていないのではないかと思いますが、実はこれを負担しますのは、外国の特許権の所有者、あるいは外国の法人及び個人でございます。それでこの点につきましては前から申し上げましたように、所得税法の課税の原則を、最近の国際慣例によりまして、いわゆる発生地主義と申しますか、日本において生じた所得に対しましては、その所得者がそこに居住するといなとを問わず、まず日本で課税する。これはひとりわが国だけではございません。アメリカも同様なやり方をやつております。それからイギリスその他最近の先進国の所得税の立法例は、大体同様な方向になつておりまして、二重課税の防止の際におきましても、まず発生地で優先的に課税しまして、お互いに所得税から控除することによつて二重課税を防止しよう、こういうことになつておるのでございまして、そういう趣旨からいたしまして、たとえば映画のロイヤリテイとか、あるいは工業所有権の使用料、こういうものに対しまして、これは日本で使用したことは明らかでございますから一定の課税をしよう、こういう考えでございます。そういたしまして日本で課税しましたものは二重課税の条約、あるいはアメリカはすでに国内法でやつておりまするが、向うで所得税なり法人税がかかる際におきまして、日本の所得税を控除してくれる、二重課税にならない。従いましてこの問題は日本の政府が税金をとるか、アメリカの政府が税金をとるか、こういう問題に実はなるのでございまして、そういう見地から行きますと、私が先ほど申し上げたように発生地でやはり一定の所得税は課税した方がいいのではないか、こういう趣旨で前提がなつているということを御了承願いたいと思います。ただそれにいたしましても、日本に何としましても経済の再建のために望ましいものにつきましては、できる限り日本で安い使用料で特許権を使えるようにしなければならぬ。そのためにはやはり一般的な国内措置といたしまして、ある程度の軽減規定を設けた方がいいのじやないか、こういう趣旨で映画のロイヤリテイは二割を四月から課税するのでございますが、特許権の使用料は外国に払われておりますのが約三十億円、一千万ドルに近いのでございますが、それに対しましては税率を一〇%にする、それから施行期間を延ばす、この施行期間を延ばしましたのは、先般も申し上げました通り、現在の協定が、日本で所得税がかからなかつた関係上、日本で税がかかる場合は使用者の負担にするという条項が入つておるのが大分ある。この条項はやはり相手方と話しましてかえる必要があるわけでございます。と申しますのは、日本でかかりました税金はアメリカ等の所得税から引きますので、かりにかかることになりましても手取りは減らない。従いまして、そういう趣旨におきまして、今の条項をかえてもらう必要がある。そのためには一年、二年とまで行きませんが、来年の一月ぐらいまでは延ばしておいた方がいいのじやないかという趣旨で、今年限り延ばしまして、来年の一月から実行し、よう、こういうことにいたしておる次第でございます。
○三宅(則)委員 工業使用権のことを承つたわけでありますが、二十八年一月一日までといたしてありまして、その次はまた別な観点でどうしようというのですか、ひとつ承りたい、こう考えます。
○平田政府委員 二十八年一月一日以後は、一〇%に税率を更正しようという趣旨でございます。もちろんその間またいろいろ問題が出て来ますれば、それに応じて必要なる処置はとらなければならぬと思いますが、今のところは、今年一ぱい延ばしますると、大体必要な調整ができ得るのではないかと考えている次第でございます。
○三宅(則)委員 次は賠償のことでございますが、これが解除になるというようなことも考えるわけでございまして、平和を回復し独立いたします以上におきましては、この賠償の指定施設等につきまして帳簿価額を上げる、もちろんそれは戦争直後でありました関係上、帳簿価額等は非常に低かつたと思いますが、今回の物価指数等を勘案いたしまして、相当大幅に帳簿価額が増加せられる、こういうことは考えられるわけでございますが、その際その三割を越えるものにつきましては、三分の一ずつにつき六箇月、その次は十二箇月、その次は十八箇月というふうに、三段階にわけられておるのでありますが、この理由は納税の便宜のためにやられたことと存じますが、何か根拠がありますか。あるいは現在の指定工場の帳簿価額を上げますような点について、どのような方針か承りたい。
○平田政府委員 この規定は御指摘の通り今まで賠償指定施設はゼロとして、帳簿に記載してございます。これが解除になりますと、つけかえをするわけでありますが、その際におきまして、従来の帳簿価額につけかえするために、これに法人税を課税する、と申しますのは、この前、昔の帳簿価額からゼロにいたしました際に、それを税法の計算上損金に算入したわけでございますので、今回つけかえます場合におきましては、差額を益金に見る、そうするとそれに対しまして法人税がかかる。しかし法人税がかかるといたしましても、一時に納付することはやはり特別の利益があるわけでございませんので、無理であろうと思いますので、そのつけかえます差額が、普通の利益の三割を越える場合、と申しますのは、普通の税額に対しましてつけかえによる法人税額が多い場合は、やはり一ぺんに納めるのは無理でございますので、一定の期間に分割して納付を認めようという趣旨で、規定いたしておる次第でございます。三割がいいか、あるいは五割ぐらいでもいいか、そこはいろいろ問題がございますが、まず三割程度にしておきますれば、納税上もそう著しい困難を与えることはないかという趣旨で、利益の三割を越える金額ということにいたした次第でございます。
○三宅(則)委員 これはあとで資産再評価のときでけつこうだと思いますが、ついでですからちよつと伺つておきます。こういうものにつきましては、資産再評価ということを勘案しまして、計算の基礎をつくつたらどうかと思いますが、その必要がないかどうか、その辺をひとつ簡單に御説明願いたい。
○平田政府委員 再評価はもちろんできることになつております。従前の帳簿価格を越えまして評価増しをする分が、今度再評価の問題になつて来る。つまり賠償指定施設に指定されまして、新旧勘定を併合しました際の帳簿価格が、かりに一億円といたしますと、それが新旧勘定併合の際に、ゼロに切り落しているわけでございます。それを今度はさらに帳面のつけかえをやる場合におきまして、従前の一億円につけかえるまでの分は、法人税の課税の対象になる。それから再評価はもちろん適用になりますので、これはやはり従前の帳簿価格に対しまして、一定の倍率をかけたところまで再評価ができるわけでございます。それがかりに十倍といたしますと、十億円まで再評価ができる。そうしますと、この一億と十億との差額の九億円が再評価差額になりまして、この方が再評価税の問題になつて来る。そういう関係に相なるわけでございまして、法人税の問題と再評価税の問題と、二段ございますことを御了承願いたいと思います。
○三宅(則)委員 次は飛躍したことでございますが、航空機の揮発油に対しましては無税にいたしたい、こう私は思うのであります。もちろん今日の航空機というものは、日本でやつておるわけではない。外国でやつておる。でありますが、二十七年四月一日から一箇年間延長ということでありますが、将来はこの航空機につきましても、日本の航空会社が日本の航空士と申しますか、機関士と言いますか、こういうものに切りかえられるべき線ができると思うのでありますが、そういう場合におきましても当分は揮発油に対しては免税、こういう意味合いでありましようか、今のところは占領地下でありますから、当分の間免税という意味でありましようか、政府は何か定まつた意見があるのかないのか、この際承りたい。
○平田政府委員 今外国の飛行機が日本に大分来ておりますが、この国際航空はガソリンを積みます際は、保税倉庫から引取ることができることになつておりまして、この方には日本のガソリン税は課税いたしておりません。かりに日本の航空会社が国際航路を開きます場合におきましても、それと同様な関係に相なるかと思います。つまり日本の国内の航空でございませんので、日本を起点としてやる場合におきまして、ガソリン税を課税するのは適当でないので、その方は課税いたしておりません。今回提案いたしておりますのは、現在は日本航空でございますが、国内の航空用のガソリン、これに対するガソリン税の免税をしようという趣旨でございます。これは御承知の通りまだ日本の航空企業が昨年から始まつたばかりでありまして、今後非常な発展をはかる必要がある。経理の内容等を調べましても、現在のところどうも必ずしも良好な成績を収めていない。それに対しまして、乗客の料金に対しましては二割の通行税をかけております。それと、航空機に使いますガソリン税がかかつて来るということになりますと、どうも今の状態のもとにおきましては、負担がやや過重ではないかという点を考えまして、この際免税しようという考えであります。ただ一年に限りましたのは、やはり今後状況がどのようになつて来るか、そういう点もよく検討した上で、さらに延ばすかいなかを見ることにいたしたい、こういう意味で一年に限ることにいたしておる次第でございまして、今後はもうこういう特別措置はいらないだろうということも、今のところ申し上げかねると思いますし、また当然延ばしてしかるべきだというところまでは行つてないようでございますので、一年間免税ということに、とりあえずいたした次第でございます。
○三宅(則)委員 更生保護事業につきましては、土地、建物等については登録税を無税にする、こういう話でありますが、先ほど私の質問と同様に、場合によりましてはこれは無税にしない部分もあるのじやないかと思いますが、これは全面的に無税ということに考えておりますか。何らか特別のものについては登録税をかける必要があるかどうか、これについて政府の御所信を承りたい。
○平田政府委員 これは御承知の通り、法務府の関係でございますが、あの関係におきまして、更生緊急保護法という法律がありまして、それに基きまして、いろいろな更正事業をやつております。そういうことを営むためにできました法人につきましては、これはどつちかと申しますと、担税力ももちろんございませんし、それから事柄の性質から行きましても、公益性の顕著なものでございますので、やはり登録税は課税しないでもいいのじやないか、こういう趣旨で、この規定を設けることにいたした次第でございます。
○三宅(則)委員 次に旧外貨債処理法によりまする借りかえ済みの外貨債につきまして、相続税及び財産税等につきまして、課税価格を更正しなければならぬという場合があると思いますが、これらにつきましての政府のお考えを、この際承つておきたいと考える次第であります。
○平田政府委員 これは御承知の通り、前国会でございましたか、外貨債につきまして、戦時中一応内国債に借りかえましたものを、また元にもどしまして、内国債と引きかえまして、外貨債を生かす、こういう法律が成立いたしましたことは、御承知の通りでございます。もちろん財産税を課税いたしました際、あるいは最近まで相続税を課税いたします際におきまして、外貨債と昔引きかえました国債を持つていた場合が考えられるわけでございます。そうなりますと、その国債がまた再び外貨債に切りかえられまして、その切りかえられました外貨債がどうなりますかは、今後のいろいろな関係できまつて来ると思いますが、一応前の国債は御破算になりますので、それに応じまして、財産税なり相続税なりの課税を修正しようというのが、この趣旨でございます。
○三宅(則)委員 次に問題になりますのは、臨時物資需給調整法の廃止ということになりまして、酒類の配給等をやめる、こういうことを言われておるのであります。これは農業用には特別ないわゆる特配、こういうことをしてもらいたいと、私ども常に思つておるわけでありますが、同時に労務用、ことに生産用に、必要なる重点的な工業等に従事いたします者につきましては、ある程度まで酒を特配してやるという規定を設けて、漁業意欲を上昇せしめる、これが必要であると思いますが、政府といたしましては今どう考えられておられますか。私はそういう特別な者に対しましては特配酒をやる必要があると思いますが、主税局長はどう考えておられますか、この際承りたいと思います。
○平田政府委員 この法律の改正は、御指摘の通り、今回物調法が廃止になりますので、加算税を免除しました安い酒を、一定の用途の場合に供給し得るという、根拠規定を設けようというのが、今回の改正の趣旨でございます。しからばどういうものに安い酒を供給するかという問題でございますが、これは先般も申し上げました通り、まず食糧の増産と供出の奨励、これは第一義的に考えてみたい。この方は相当量特配することにいたしたい。その他の場合におきましては、御承知の通り、非常災害等がありました場合におきまして、緊急の復旧事業に従事するような人たちに対する特別配給、これもやはり今後ある程度残す必要があるのではないかと考えております。一般の工場、鉱山等の労務者に対する配給をどうするか、これはいろいろ問題がございますが、この点につきましては、率直に申し上げまして、今の段階まで参りますと、どうもその必要性と申しますか、緊急性がそれほど強くないのではないかというふうに考えられるのでありまして、この方は原則としまして、廃止する方向にもつて行きたい。ただやはり一部炭鉱の坑内夫と申しますか、あるいは金属鉱山の穴の中に入つて働くような人々、こういう人々の場合は、いかにも労働の性質が酒類を必要とするような事情もございますので、そういう面につきまして若干残すか残さないか、なお検討中でございます。一般の工場、鉱山への配給は、原則としまして、もうやめたらいい時期ではないかというふうに考えておる次第でございます。
○三宅(則)委員 右に関連いたしまして、お伺いするわけでありますが、従来各官庁、特に税務署にあつたわけでありますが、酒の密造の防止のために酒を特配いたしてやりまして、協力いたしました警察官吏あるいはその他の官庁の方に、礼の意味においてふるまう、こういう趣旨があつたわけでありまして、前国会におきましても、しばしばここで発言いたし、幸いに大蔵大臣、主税局長がこれを認められまして、いわゆる二十七年の三月末日までこれを延長せられた、かように考えておるのでありますが、私は、密造とからみ合せて申し上げることはどうかと思いますが、わかりやすいために申し上げるわけでありますが、やはりある程度の数量は、そういうような密造対策もしくは各官庁との連絡機関というものについては、特別の酒が必要であるとともに、重労働者あるいは今お話になりましたような重点産業の労働者等につきましても、これはなお幾らか残した方が、人間の心の緩和上にも必要ではないかと思いますが、もう一ぺん各官庁用の特配ということにつきましては、将来これを延長せられる御勇気と御熱意を持つておられるかどうか、これをひとつ承りたい。
○平田政府委員 いわゆる官庁用は、もうすでにやめておりまするし、これは今後もやる考えはございません。ただ御指摘のように酒類密造関係については、これは非常に特別な事情がございますので、その辺につきましては、弊害のない限度におきまして、考えてみたいと思つておりますが、普通一般の官庁等に対しまする官庁用の酒類、これは一時認めておりましたが、この方は復活する考えはございません。それからその他の工場、鉱山につきましては、私先ほど申し上げました通りでございまして、あまりこの際認める必要はないのではないかと思いますが、御指摘のような、特別な労務で、酒類を非常に必要とするような面につきまして、若干残すかどうかということにつきましては、なお検討してみたいと思います。
○三宅(則)委員 たくさんありますか、宮原君があとひかえておりますので、もう一点で、宮原君のあとでまた質問します。国税徴収法の改正によりまして、納税者のうちにおきましては、事業の性質もしくは状況等によりまして、多少延期する場合があるわけでありますが、そういうような酌量すべき事情がある者につきましては、今回の改正におきまして、利子税の免除をする、こういうことをいわれておるわけでございますが、中には税務署等のあやまちによりまして、もしくは遅く更正決定して来たというような場合におきまして、被害をこうむるのは納税者であります。こういうような場合もあるわけでございますから、なるべく情状酌量と申しますような点は、事情をよく調査せられまして、あまり苛酷にならぬようにひとつやつていただきたい、かように私どもは思うわけでありますが、主税局長はどういうふうに現段階において考えておりますか。納税者の心理を理解いたしまして、なるべく納得の行く納税、了解の行く納税、こういう線を堅持することこそ、われわれの責務であると考えておりますが、主税局長の御意見を承りたい。
○平田政府委員 今回利子税の減免をなし得るように改正いたしましたのは、現在の国税徴収法の第七条と、それから第十二条の二の関係におきまして認めようとするのでございます。すなわち第七条におきましては、一定の条件が備わる場合におきましては、一年間を限りまして徴収を猶予する、猶予した者につきましては分割納付を認める、こういう趣旨の規定を、昨年の改正で設けたのでございますが、その中に約五つの場合がございます。第一の場合は、納税者がその資産につき災害を受けまたは盗難にかかつたとき、それから、納税者またはその同居の親族が病気になつたとき、それから第三番目は、その事業を廃止または休止したとき、四番目は、事業につきまして甚大な損失をこうむつたとき、さらに第五番目は、その他右に申しましたような事由に類する事由があるとき、こういう五つの場合には、徴収の猶予ができるのでありますが、このうち最初の二つはどうも本人の責に帰すべからざる事由でございますので、昨年の改正の際も、利子税を減免し得ることにしたのでありますが、たとえば事業で損失を受けたときというような場合におきましては、これは本人の責に帰すべきで、そのときは利子税の減免をし得る規定を設けていなかつたのでありますが、これはやはりその後の実情に顧みますと、やむを得ない事情が認められる場合は、そういう場合も減免した方がよろしいだろう、こういう趣旨で、今回改正をいたした次第でございます。それから第十二条の二におきましては、滞納処分の執行によつて、滞納者の事業の継続を著しく阻害するおそれがあり、かつその執行の猶予がただちにその執行をなす場合に比し、その滞納にかかわる国税及び滞納処分費の徴収上有利なりと認めるときには、二年以内を限りまして滞納処分の執行を猶予し得ることにおつております。この場合におきましても、利子税は減免いたしていないのでございますが、やはりやむを得ない事情があると認める場合におきましては、減免し得るようにいたしたい。この二点が今回利子税を免税し得る場合としまして広げよう、こういう趣旨でございます。 〔佐久間委員長代理退席、委員長着席〕
○宮原委員 国有財産特別措置法案に関連しまして、主として管財局長にお尋ねしたいのですが、主税局長がちようどいらつしやるから、その方をさきに関連してお尋ねしておきたいと思います。それは第九条の場合に、先朽機械、器具と国有財産の交換の際に、差額が生ずるのであります。その差額によりまして、譲渡を受けた業者の側におきまして、交換に提供しました財産譲渡によつて取得した財産、その間に評価の差が生じて来ることは当然で、わずかながらも絶えずあることと思う。その際に評価の差益、差損につきましての課税、この課税の対象としての取扱いは、やはり普通の評価の益があつたものとして、盗難増加として課税の対象になるものであるか、この法案の精神から申しますと、そんなものはまあ大目に見ていただきたいというようにも考えるのであります。まず主税局長のその問題に対する御意見を伺つておきたいと思います。
○平田政府委員 今の関係を私まだよく研究いたしておりませんので、的確なお答えは、よく研究いたしました上でお答えしたいと存じますが、差額がある場合に、その差額を取得者が金銭で支払う場合におきましては、これは別段問題はなかろうと思います。問題は、前持つていた資産が、時価に比較しまして非常に低い帳簿価額であり、それを処分して交換した場合におきましては、新しい帳簿価額がどのようになりますか、それ自体によりましては、あるいは課税問題が出て来る、あとの償却の問題も出て来るかと思います。そういう点、内容をもう少しよく研究しました上でお答えしたいと思います。
○宮原委員 しからばその問題は後日また個人的にでも伺いたいと思うのであります。主税局長に対する御質問は、一応本日はこれで保留いたしておきます。 法案の第五条の第一項第二号に、地方自治法施行の際に都道府県が使用していた財産の無償譲与をする規定があります。その際に都道府県が対象になつておりまするが、同様な場合には市町村をも対象にする方が適当であるようにも考えるのでありますが、これに対してお答えを願いたいと思います。
○内田(常)政府委員 新憲法が施行されました直後に、御承知のように地方自治法が施行されたのでありますが、その新しい地方自治法が施行される前までは、都道府県は国の機関であつたのであります。従つてたとえば知事は、都道府県の首長であると同時に、国の行政機関として官舎に入つておつたわけであります。従つてそれが地方自治法によりまして、国の官吏でなくなつて、公共団体たる都道府県の首長だけの姿にもどつておるわけでありますが、その際同じ知事が国の財産を使つておる場合には、従来無償で貸付けておつたのでありますが、この法律で無償譲与ということになるのでありますが、市町村につきましては、地方自治法施行の前におきましても、国の官吏としての地位を持つておらなかつた、従つてかりに市長が公舎に入つておつたといたしましても、それは国の財産ではなかつたわけでありますから、都道府県と同じような問題は、現実の問題としても起きないわけであります。
○宮原委員 第九条についてお尋ねしたいのでありますが、第九条は老朽機械器具と国有財産との交換の規定をいたしておるわけであります。この交換の権能は大臣にあるわけでありましようが、その権能と、法律的に取扱いいかんによつては非常に利害関係が相反するような事態が起る危険がある。ということは旧軍港市転換法の第四条第二項及び第五条との関係であります。旧軍港市転換法においては、政府は国有財産の処理に際しまして、旧軍港市転換計画の実現に寄与するように有効適切に処理しなければならないという強い義務を負つております。第五条は譲与の規定でありますが、同じく義務を負つている。それで旧軍港市に存在いたします国有旧軍用財産、機械器具が多数あることは申すまでもありませんが、この機械器具の処置を全国的の企業合理化という冷静な立場から処理せられますると、現にあるいは一時使用申請中の機械器具類が全国的に分散をして参ることになりまして、旧軍港市転換事業の遂行上、まことに甚大なる打撃を地元が受ける危険があるのであります。これは運用の問題であつて、法律上別にこの規定が違法であるという意味ではありませんで、それとは別に考えるのでありますが、その関係上お伺いしておきたいことは、旧軍港市転換法の四条第二項の規定及び五条等の規定は、この法案の第九条の規定に対しまして優先的の規定であると思うのであります。この見解に対してその政府のお立場を伺つておきたいと思います。
○内田(常)政府委員 お尋ねの通り、旧軍港市転換法は、旧軍港市を平和産業、港湾都市に転換させるために、国その他の関係機関が、極力協力するという趣旨の法律でございますから、今回国有財産特別措置法が制定せられまして、お尋ねのごとく第九条によりまして、国内一般の中小企業者に対しまして、その保有する旧式機械と国の機械を交換するような行政措置を講ずるにあたりまして、十分旧軍港市の平和産業都市への転換が達成し得るように、その点は配慮いたさなければならぬと考えております。旧軍港市といたしましても、十分その目的が達せられ、また特別措置法第九条の交換関係も、旧軍港市の利益を害することなく、円滑に行い得るように、適切に配慮して参るつもりでございます。
○宮原委員 ただいまの御答弁によりまして、この旧軍用財産たる機械及び器具中、旧軍港市転換法に基き、旧軍港市転換事業に供すべきものにつきましては、旧軍港市の申請を優先的に取扱われるものであるということを確認いたしたと存ずるのであります。 次いでお伺いしたいのは、この第一項、第四項等に政令で定める事業者ということと、それから必要事項ということがあります。この政令で定める事業者といい、必要事項というものの内容の概略を御説明願いたい。
○内田(常)政府委員 法律には中小企業者という言葉はないのでありまして、御承知のように政令で定める事業者とあるのでありますが、その政令の定め方につきましては、まず第一に中小企業を営む事業者というような内容を持つように政令で定めるつもりでございます。しかしてこの中小企業者につきましては大体三つの範疇にわかちまして、第一は重要産業の関連産業、第二は輸出製品を製造する産業、第三は生活必需物資等の生産に関係ある事業、こういうような内容を持たせまして事業の範囲を規定するつもりで、大体今考えております。それから交換につきまして政令で定めます事項は、九条の規定は至つて簡單でございまして、交換の具体的のやり方、差金の納め方、あるいはくず化の処理方法等につきまして手続的の細目をこの政令で定めるように考えております。
○宮原委員 第九条第二項の差額を金銭で補足しなければならぬという規定でありますが、およそ交換の際に大体同種類の機械器具の交換ということに相なるのであろうと思うのであります。この法案の目的にかんがみますると、この差額の補足ということを義務づけて、その交換のたびにごくわずかな差金のために繁文縟礼になることも起るので、むしろこの規定のごときは削除した方がいいような感じもいたさないでもありませんが、なお研究の余地はあると思うのであります。いずれにせよ、どうしてもこの差額を補足しなければならぬものでもなかろうと思うのであります。何かこの規定を置いたらよろしい事情が特にあるとすれば、その辺の事情を承つておきたいと思うのであります。
○内田(常)政府委員 先般宮原さんの御質問に対してお答えいたしましたように、国有財産特別措置法案は、従来の国有財財産法がみずから国の財政法の一環をなす財務法規としてのみできておつたものを、今回は財務法規であると同時に、政策法規あるいは経済法規としての性格を持たせる。こういう趣旨で立案いたしております。従いましてこの九条の機械器具等の交換も単に国の財務としてだけ処理するならば、国は賠償指定を解除せられました機械等を時価で中小企業に対して売払いさえすれば済む、あるいは貸付けさえすれば済むのでありますが、大蔵省といたしましても国の経済政策全体を考えまして、現在中小企業の持つておるがたがたの老朽機械を賠償指定解除によつて何万台か自由になるところの優秀な機械と置きかえる、リプレースする、これによつて中小企業の製品等を画一の規格のそろつたものにいたしまして、輸出等の場合におきましてもその成績をあげて参る。こういう見地から非常に思い切つた考えで交換の制度をとつております。従つてその考えを押し進めて参りますと、中小企業者の持つておる老朽機械を国が引取つて、政府の持つておる優秀機械をそのまま交換して、差金を決済しないで与えるということまで考え得ないことはないのでありますが、しかしどこまで参りましても、やはり国有財産に関する特別措置法でありまして、財務法規である立場を全然忘れるわけにも参りませんので、たとえば中小企業者が六尺の旋盤を提供して、国家が八尺の旋盤を交換として与えた場合には、機械の重量も違いますし、様式、精度等も違うわけで、これを全然差金決済なしで済ますということは、財政法等の関係からしましてもそこまでは少し行過ぎにもなりましようし、また甲乙丙の業者を比べました場合に、ある者は非常に低劣な機械を出して国の優秀な機械を交換で受取る。他の者は比較的よい機械を出して、それよりも若干よい国の機械を受取るというようなことが行われます場合に、両者の間、甲乙の間に不公平が行われる。こういうようなことにもなりますので、やはりこの規定のように差金決済がありました方が、国の財務法規としても適当でありましようし、また社会的公平の見地からも適当ではないか。かように考えまして第二項の規定を残してございます。もつともこの差金決済のとり方につきましては先ほど申しましたように、経済法規の面をこの法律に持たしておる点を十分考えまして、評価等にあたりましては無理のない評価をいたしまして、差金をとるにいたしましても中小企業者が耐えられないような苛斂誅求な差金を無理にとるというようなことのないように処理して参るつもりでございます。
○宮原委員 現実にこの交換を実行する場合に、ただいまの局長の方針の通りには、末端ではなかなか参らないのであつて、ただいま苛斂誅求というお言葉がありましたが、これが誅求に終らずに実現するように、交換というせつかくの美挙がその精神を失うことのないことを祈る気持で、なお検討いたさなければならぬ問題だろうと思うのであります。続いて第十条の第一項の中に、「適当と認める者に管理を委託することができる。」という、その適当と認める者というのは、いかなる者を想定せられておるのであるか。もし具体的に御返事がいただければいただきたい。
○内田(常)政府委員 この管理委託の規定でありますが、これは両面ございまして、国といたしまして今ただちに賠償指定を解除せられました国有財産をばらしてしまうことが、将来の点から適当でないというものを、相手方に管理費用の負担をさせまして管理するということで、管理費用の負担の問題が一つ起ります。と同時に、他面管理をいたさせますものは、ただこの管理費用だけを負担して、国のために管理するということも実際問題として不可能でありますから、やはりこの管理の受託をしながらその財産について一応使用収益することが可能な状態にあるものを選ぶことが実際的になつて参ると思います。そういたしますと、通常の場合にはやはりこのある種の事業を営む事業者というものが、適当と認むるものの中に第一に該当して参ると思いますが、例外的には事業者のみでなしに、公共団体等が適当と認めるものとして考慮せられることもあり得ると思います。 なお具体的に私が想定いたしておりますところを申し上げますと、たとえば旧陸海軍等の火薬の製造施設等がございますが、これは御承知のように、この施設そのもののつくり方が、非常に特殊なつくり方をしております。地域全体が幾つかの土のへいで仕切られておる。建物はみなその中にはちの巣のように一つずつ離れ離れにつくられておつて、かつまたおおむね窓が北向きになつておる。その中に火薬製造のための特殊な機械が置かれておる、こういう仕組みになつておるのでありますが、今これらのものをはずして、また建物をくずして、平らにいたしましても、なかなか急には適当な利用方法もない。しかし今後この火薬の製造設備等も工業用あるいは治安の維持上そのままの姿にしておく方がいい場所もあり得るのでありまして、さような場合には、工業用の火薬の製造をするものをして全体の管理を行わせる。その一部については工業用火薬の製造のために使用収益させる、こういうようなことに相なろうかと思います。また旧海軍工廠に属する造船施設等につきましても、今ただちにそれらの機械等をばらしますよりも、全体として管理委託をさせながら、一部の船舶の修理等をさせた方が、適当の場合もあるかと存ぜられます。さような場合には、造船業者あるいは船舶の修理業者に管理を委託する、かようなことに相なることと存じます。また公共団体等に管理委託をさせる方が適当のものもあろうかと思います。
○宮原委員 委託管理に関連して伺いたいのですが、ただいま工廠等の御言明がありましたが、この工廠の大規模な施設で、たとえば代金の延納といういろいろな特約をしても、なかなか一括譲渡ということが困難なような事業も多々あるのでありますが、そういう場合に、政府としては、出資と申しますか、現物出資的な構想で、その財産を処理しようという気はなかつたのですか、あつたのですか。その辺のところについてお考えを伺いたい。
○内田(常)政府委員 国有財産は、申すまでもなく非常に厖大なものでありまして、平和条約の発効に伴いまして賠償指定の解除の問題、あるいは占領軍の管理財産が解放せられる、こういう時代を迎えますと、これらの財産を国の役人が自分で管理して参るということをいつまでも続けますことは、非常に管理費用を必要としますし、また管理その他の関係職員を多く要することになりますので、必ずしも適当な方法ではないと思われます。そこで当初、実は私どももこれらを国の管理からはずしますために、工廠等を一括して財団的に処理した方が適当といたしますものにつきましては、現物出資によりまして、会社の設立あるいは既存会社の増資というようなことも考えてはみましたが、これは二つの点で適当でないことがわかりましたので、今回の特別措置法案からは一応落してございます。その一つは、国が現物出資をいたしましても、今日国の出資分だけに対して、特に一般の民間株主より劣つた待遇を認めさせる、たとえば配当につきましても、これを劣後株にするとか、あるいは残余財産の分配等につきましても、これを劣後的な取扱いをするというようなことは、今日の時代思潮から必ずしも適当でないということが第一点でありますと同時に、また現内閣の経済政策といたしまして、国の事業に対して出資をいたしまして、それらの企業に株主権等を通じて関与するということは、自由経済政策の面からも必ずしも適当ではない、こういう点がございます。もつとも旧軍工廠等につきましては、全面的に将来にわたつて国の現物出資をしないということを私は申しておるのではないのでありまして、特殊のものにつきましては、国有財産の特別措置法とは別個に特別法案を立案いたしまして、必要なる際におきましては、現物出資あるいは特殊会社の設立等に関する特別法案として御審議をお願いする方が適当であろう、かように考えまして、当初の考えを落しまして、この措置法には現物出資の問題を削つてございます。
○宮原委員 将来問題が残る重大事項とは思いますが、これに関連しまして委託管理というものを活用して行く暫定措置という気持も一部加味して、そうして大規模な施設で一括譲渡が困難であるというようなものに対して、この十条を円滑に適用し運営して行くというお考えはないのでありますか。火薬廠が例に出ましたが、火薬廠のごとき、これはどうにも始末のつかない極端な特異な財産でありますから、かかるもののためにのみ第十条が起草されたものかどうか。これを現実に即応して臨機応変に運営して行くということが適当である場合が多々想定できるように思うのであります。これについてのお考えを伺つておきたいと思います。
○内田(常)政府委員 お答え申し上げます。単に事業者の資金繰りを助けるとか、事業者が今ただちに買い受けることは危険があるというようなことがあります際に、業者の便宜のためにこの管理委託の制度を適用することは適当でないと考えまして、これはあくまでも国として今ただちにばらばらに処分することが適当と考えない場合であつて、かつまた業者といたしましても、全部を運営する社会経済情勢に至つていない、こういう特殊のものにつきまして、この管理委託の制度を制限的に運用した方が適当であろう、かように考えております。
○宮原委員 どうもまだ問題が残るようでありますが、便宜上第十一条に移つてお伺いいたします。第一十条第一項第一号中の、政令で定める重要産業に属する事業を営むその事業の内容について、御想定になつておることを御説明願いたい。
○内田(常)政府委員 年賦延納の問題でありますが、一般的には最長五年の年賦延納を認める。但し相手が公共団体あるいは学校法人、あるいは社会福祉法人等の場合並びに今お尋ねの政令で定める重要産業を営む場合には十年まで延ばす、こういう仕組みであります。その場合の政令で定める重要産業の範囲につきましては、まだ最終的に私どもも想定はいたしておりませんが、先般来本国会に提案中の企業合理化促進法等における重要産業の範囲、あるいは租税特別措置法における重要産業免税の規定にありますところの重要産業の範囲、あるいはさような例をも参照いたしまして、それらと均衡ある適正である範囲におきまして、これらの重要産業の範囲を選定して参りたいと考えております。
○宮原委員 希望としては、この法案の目的にかんがみまして、重要産業の範囲を比較的広くおとり願いたいという希望を自然にいだいて来るわけであります。 次にこの法案全体について、譲渡または貸付という場合が現実に発生して来るわけでありますが、その譲渡、貸付の場合において、この法案の趣旨に照し、現に一時使用中のもの、または申請中のもの、かかるものに対しましては、特に公入札とか、指名入札というような方法でなく、随意契約的に処理をなさるという建前になつているのでありますかどうか、その辺をちよつとお伺いいたします。
○内田(常)政府委員 お答え申します。この法律の対象になつておりますものは、大体が公共団体あるいは特殊の法人、すなわち学校法人あるいは社会福祉事業法人ないしは重要産業等を対象といたしておるのでありますから、これらにつきましては競争入札ではなしに、随意契約で処理することを前提として考えております。またそれらにつきましては、すでに会計法あるいは会計法臨時特例等によりまして、随意契約を認められておるものが大部分でありますから、御質問の通りに処理し得るものと考えております。
○宮原委員 この法案はなかなか関係するところ何百億とかいう評価額の資産を扱うのでありますが、この重要法案に対しまして、取扱い方が民主的に運営せられることが、政府においてももちろんわれわれもその点は共通の念願であろうと思うのであります。ところがこの法案にはその民主的な規定を発見するのに苦しむのであります。たとえば民間の学識経験者等の適当な者をもつて、この審議会——他の法律等にある審議会的な性格のものをもつて、あるいは諮問機関的に取扱つて、そうして万全を期せられるというのが、最も必要じやないかと私は考えるのであります。この点についてその法案を起草される上には、相当考慮を払われたことと思うのでありますが、何ゆえかこれに規定されておりません。その辺についての経過で、さしつかえないことならばお述べいただきたいし、またこの審議会を設置しなくてもやつて行けるというような御所信でもあれば、その辺のところを伺つておきたいのであります。
○内田(常)政府委員 御質問のような御趣旨もあろうかと存じます。でき得るならば国有財産処理審議会というようなものをこの法律をもちまして設置いたしまして、この法律における政令の制定あるいは交換の方式、管理委託の対象の選択というようなことにつきまして民主的な運営をする、また有識者の意見を聞くということが望ましい点もあるのでありますが、大体がこの国有財産特別措置法にいたしましても、財務法規の性質を持つていることは免れないのでありまして、これらの財務法規につきましては、御承知のように詳細な財政法以下の規定もありまして、それらの規定に支配される部分も多い。この法律ができますまでは非常に政策的な考慮をいたしておりますけれども、出たあとはもつぱら会計的、技術的、事務的に進められる面が多いわけでありまして、必ずしも委員会がなければ運用の万全が期せられない、かような趣旨にも考えられません。もちろんこれが運用にあたりましては、財産そのものは大蔵省の所管する国有財産でありますけれども、大蔵省といたしましては、通産省なり農林省なり、あるいは厚生省、文部省等の関係官庁とは、十分に打合せを遂げた上運営いたす考えでありますし、また機械の交換等につきましては、民間の中小企業団体等の意向を、実質的に反映いたして運用いたして参れば、それでおおむねこの法案の運用も円滑に行くものと考えております。
○宮原委員 大分経験と体験の開きがあるかもしれませんが、従来同種類の法律の適用に際しまして、とかくこの実情に遊離をしがちな取扱いがなされるので、われわれもたえず政府に対しまして御要望を続けなければならないという事例に直面しつつ、今日に及んでおるところでありますが、ただいまの御説は一応は了承いたしますけれども、なおわれわれとしては再考せざるを得ない感に打たれるのであります。たとえば旧軍港市の転換法のごときは、国有財産法に対して特別法の立場にある。このたびのこの特別措置法も同様な立場にあり、左右に特別法の両翼をなしておるような関係のように思うのでありますが、適用の場合には、ずいぶん共通の事例に当面することと思うのであります。旧軍港市の事例などは、まことにこの法案の適用の先例にもなることと思います。たとえば旧軍港市の転換法の第四条、第五条関係なんかも、この解釈適用について、譲与の対象ということになりますと、大蔵省の解釈というものは、とかく財産管理ということが重大でありますので、無理もないこととも一面同情はするものの、非常に狭義に、またきゆうくつに、法の趣旨をまるで了解をせられていないのではないかというような感じをもつて処理せられる場合があるように思うのであります。たとえばその旧軍港転換法の第四条、第五条の適用の場合に、公用、公共用、こういうような区別は第五条の規定にも何ら示されてないのにかかわらず、第五条の譲与の対象には公共用に限るというような扱いにとかくなりがちであります。はつきり観念的にはそういう区別はなされていないのでありますが、たとえばこの市庁舎というようなものを対象にして譲与の申請をした場合に、その市庁舎のごときは一般民衆は利用しないのだからというような理由でもつて、譲与の対象にならなかつたというような場面が実際生ずるのであります。また上水道にこういう例があるのであります。旧軍港市の上水道は遠距離の方から給水しているのでありますから、取入口は何十キロも離れた地域にあるわけであります。その場合に、取入品の付近の地元の市町村は、従来その軍用水道については何らの関係も縁故もなかつたにかかわらず、譲与申請を出す。早く言えば、じやまをするというような意図があるかと誤解を受けるような行動をとる。その場合に、その譲与申請は、俎上に載せてみますれば、元来水道の水源地域なるものは、水道施設の一部なんです。一部に対して譲与申請をする。そうすると、その水道施設全体が旧軍港市の譲与の対象になることは、明文に明らかなんです。それにもかかわらず、大蔵省の出先機関がまことに責任回避的な態度をとつて、そうして一応その譲与申請を受理して、競願の形にして混乱をさせるというような実例があるかのごとく聞いておるのであります。その場合に、その措置は徹底的に責任回避的であつて、その競願になつた場合に、その競願の措置をみずからの責任において処理しないで、市町村の関係であるからというせいでありますか、県庁にその調停を依頼したという。まことにこの上水道の問題は、旧軍港市の立場から言えば生命線である。それにもかかわらず、そういう競願にして混乱に陥れるというような事例もあるのであります。こういうような事例や、その他旧軍用財産の使用の問題も、大体において旧軍港市転換法の規定というものは軍用財産の処理ということであつて、処理の内容には、単に国有財産の処分だけでなく、管理も含まれておるのであります。従つてこの使用というのは旧軍港市転換法の対象になつている。にもかかわらず、この使用というものに対しては大臣委任事項として専決せられていて、せつかくできておりますところの財産処理審議会の審議事項になつていないというようなのが、現在の取扱いの慣例になつている。またこの使用については使用料を徴収せられておりますが、この使用料に対しまして、市の側におきましては使用者税をかけておる。こういうような問題も、旧軍港市の問題の取扱いの場合に、法の精神に適合せざる取扱いになるのを協同して予防するのに、お互いにまことに苦労をするということが起るのであります。それから転換工場の土地、建物、機械類等の使用の申請をいたしましても、法規はなるほど整備してありましても、なかなか実際において取扱いが迅速に参らないために、業者が非常に困窮しているという実例も多々あるのであります。こういうようなことを考えて参りますと、このたびの立法が重大であるだけに、今の審議会の制度といい、この法案の整備について政府としては十分にお考えになつて、そうしてこの法案を完璧なものとして御処理相なるように希望をいたしたいのであります。例にあげました事項につきまして、これは例としてはあげましたけれども、この法案との関連も、将来は取扱いの上の先例ともなり、まことに重要な関連を持つことと思うのでありますが、御所見のあるところを一応お伺いして、この法案の審議の参考にしたいと思うのであります。
○内田(常)政府委員 宮原委員のいろいろな御希望なり、だんだんの御注意、感銘をいたしました。ただ旧軍港市転換法には、旧軍港市国有財産処理審議会が設けられておりまして、この審議会で、旧軍港市における国有財産の処理につきまして調査審議をいたしておりますが、元来旧軍港市転換法という法律がきわめて簡單な法律でありまして、審議会の調査審議なくしては、とうてい運用の全きを得ることができないような形になつているのでありますけれども、今回提案いたしております国有財産特別措置法は、比較的こまかな規定を設けており、なお足りないところは政令でこの点を補う、こういう仕組みになつております。政令の規定もないところの旧軍港市転換法とは、この問題を異にいたす点もありますので、別段審議会がなくても、正確な運営がある程度までなし得られるところもあると存じます。もつとも宮原議員等からいろいろの御注意を受けておりますところの旧軍港市転換法における処理の体験なり、民間の御意見等をも十分肝に銘じまして、それらに対して得ましたところのよい取扱いを、この特別措置法の運用においても大蔵省としては生かして参る心組みでおります。その点は政府を何とぞ御信頼を願いたいと存じております。
○宮原委員 終りに一点伺いたいのですが、ただいまの国有財産の機械類に至るまで、一時使用の申請を、賠償指定財産施設等に対していたしております。あるいは五相会議をパスしたものもあり、おらぬものもあり、いろいろあるのであります。この問題の処理は非常に利害関係者が影響を受ける。業者としては数箇月といいますか、数年にわたつてこの申請を続けておる。実際においては、もう許可がいただける場合を想定して予断をするというところまで行かないでも、その場合を想定して、人件費もかけ、ある程度の施設もして、そうして許可の一日も早からんことを待望している。ところが今度は独立になりますと、その一時使用という制度が、ここでまず一応廃棄されるわけでありましよう。従いまして一時使用の許可もいただかないうちに、今度は譲渡の問題が起つて来るわけです。これは各地方における単に産業の振興発展というだけにとどまらず、その地方団体の死活にも影響を持つような問題になつて来るのでありまして、この一時使用の申請者に対して、将来譲渡される場合にどういう段階でか優先的な取扱いをわれわれは期待する。たとえば五相会議にパスしたところに線を引くとか、現に独立の期日は前もつてわからないのですから、これまでの間に申請書が出て御処理中のものであるとかどこかに線を引いて、そうしてその取扱いは優先取扱いをしていただけるというような親心をお待ちいただくことは、当然のように思うのであります。これに対する管財局長の御好意ある御答弁を伺つておきたいのであります。
○内田(常)政府委員 気持といたしましては、宮原議員から御希望のように、現在一時使用を申請しておりますものを優先して、その方に売払いの手続を進めるようにいたしたいと考えております。ただ独立が達成せられまして、同時に賠償指定も解除せられたあかつきにおきましては、できるだけこれらの国有財産は売払いの方向に進めまして、今後多数の官吏が多数の国費を投じて貸付け、管理をしておる、こういう状態から脱しまして、官吏の数も減らし、また管理業務にかかる国費も節約いたしたいと考えております。そこで従来賠償指定になつておる場合においては、一時使用という比較的安い使用料で機械等を入手できた業者も、賠償指定の解除後は、安い金ではなかなか借りられない、買わなければならぬというようなことになると、事業計画に狂いを生ずる、こういうことであるいは計画を破棄し、辞退される場合も出て来るのじやないかと存じますが、その辺は調整をいたしながら一時使用の申請者において買取り希望を継続されるという場合におきましては、最初に申しましたように、できるだけ優先的にはからうようにいたしたいと思つております。
○宮原委員 最後に希望を申し上げまして、私の質問を一応けりをつけたいと思います。このたびの行政協定に上りまして、政府に設置せられました予備作業班に対する要望であります。これは全国的の問題でありまして、まことに重要な問題でありますが、なかんずく最も作業班の対象にされております地域は、たとえば旧軍港市のごときはその尤なるものでありましよう。この対象になつております地域が、従来連合軍にしても、米軍にしても、施設の使用の仕方が、無償であるせいとは申しませんが、まことに大まかな使用の仕方である。ことに連合軍においてしかりと思います。まことにむだ使いをして、返還をしないで、厖大な区域を、しかもあまり利用しないで接収しているというのが、今日までの公然の祕密でもないところであります。これに対しましてこのたびの作業班は、大蔵省管財局から作業班に対しましての協力をするために、担当官が御関与になつておると伺つておるのであります。ぜひこの作業にあたりましては、もちろん米軍、国連軍に協力するという線は、国民として当然考えなければならないところでありますが、それと同時に、地元の産業の育成と申しますか、地元の繁栄と申しますか、そういう点からこの法案の目的とせられておるような趣旨と共通するところでありますので、種の外交的勇気と自信を持つて、米軍、連合軍及び地元、わが日本全体の共存共栄の線を力強く出していただきたいと思うのであります。いささか蛇足のようではありますが、これは強い全国の要望でありますから、この際これに対して御所信をお伺いして、私の質問を一応打切りたいと思います。
○内田(常)政府委員 私といたしましては、ただいまの宮原議員の御意見とまつたく同意見でございまして、作業班に参加いたしております私の部下に対しましても、同様の考えをもつてさしずをいたしております。御信頼を願いたいと存じます。
○佐藤委員長 本日はこれをもつて散会いたします。 次会は公報をもつてお知らせいたします。 午後五時二十七分散会