大蔵委員会 第29号
- 発言数
- 97 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1952/03/08
会議録
○佐藤委員長 これより会議を開きます。 本日は公庫の予算及び決算に関する法律の一部を改正する法律案、農業共済再保險特別会計の歳入不足を補てんするための一般会計からする繰入金に関する法律案、農林漁業資金融通特別会計法の一部を改正する法律案、及び日本輸出銀行法の一部を改正する法律案の四案を、一括議題として質疑を続行いたします。質疑は通告順によつてこれを許可いたします。小山長規君。
○小山委員 輸出銀行の副総裁が見えておりますので、一、二お尋ねを申したいのでありますが、今度の法律の改正案は、資本金を百七十億増加するということだけの法律案でありますけれども、そのほかに輸入金融をもあわせ行う、この二つが今度の法律案の改正点であります。この輸入金融を行うことにつきましては、われわれ先国会以来主張して来ておつたのでありますが、現在具体的にこの輸入金融を行う目当というようなものは、どのようなことになつておりますか、お聞かせ願いたいのであります。
○山際説明員 今回の改正案におきまして、輸入金融業務をあわせ行うことにいたしたいというその内容につきましては、これは主として最近特にとなえられておりまする、東南アジア経済開発に対する協力関係などに、適用が多いかと存じますが、日本が輸出を増進いたしますために必要な原材料を、外国から輸入するにつきまして、外国の資源を開発されて、その結果生じたるところの原材料を、日本へ輸入することができまするならば、彼我のために非常に便益が多いということが考えられるのでございます。それにつきまして、たまたまその開発を要する地域において資金が十分でない場合に、将来日本に対して開発された原材料を輸入するという長期の契約が結ばれまするならば、その前金の形において資金を支払いまして、それによつてかの地において開発をいたし、よつて生じたるところの原材料を日本へ輸入いたしまして、その輸入代金の中から、前金の前払いになつておりまする部分が消えて参るという形において、輸入金融業務をいたしたいというのが、今度の改正案の内容になつております。現在具体的に東南アジア各地において、それぞれ業者間に調査研究が行われておりまする具体的の事例といたしましては、たとえば鉄鉱石でありますが、最近問題になつておりまするフイリピンのララツプ鉱山あるいはアパリ鉱山、それからシブゲイ鉱山、マレーのズングン、ロンピン、タマンガン、インドのオリツサ、ビハール地区、香港においては馬鞍山、これらの土地における鉄鉱石の開発が、現在調査研究を進められておりまして、それが具体化いたしまするならば、わが国から輸入金融業務の形において前金が支払われて、その結果開発された原材料が、日本へ入つて来るということが考えられるのであります。もちろん、たとえば昨年インドのゴアにおいて実行いたしました通り、一部は輸出金融業務をももちまして、昨年はゴアの鉄鉱石の山を開発いたしまするために必要な機械設備類を、日本から輸出いたしまして、その代金を将来の鉄鉱石が輸入された場合に、輸入代金と差引くという方式で行われた部分もございます。この輸出金融業務と、ただいま申し上げました輸入金融業務とが合さつて、これらの開発に当ることと思うのでございます。銅の鉱石につきましては、フイリピンのラプラプ鉱山、あるいは台湾にも一部調査が行われております。そのほか石炭が台湾において調査を進められており、なお仏印方面においては、塩の増産が計画されておるような次第でございます。そのほか各種の鉱物資源が考えられると思いまするが、ただいま具体的に調査研究が進められておるものといたしましては、ただいま申し上げたような種類のものでございます。
○小山委員 それらの資金が、昭和二十七年度中にどのくらい出て行くお見通しを持つておられますか。
○山際説明員 一応の予定といたしまして、輸入金融業務でいたしまする部分を約二十億円、それから輸出金融業務の形において開発に関係いたします部分を約三十億円、合せて東南アジア開発関係において、五十億円程度の資金のもくろみを立てております。
○小山委員 次には、この融資の最低期間が六箇月以上となつておりましたのを、三箇月以上とされたのは、どういう必要があつてこういうことになりましたですか。
○山際説明員 従来の実績によりますと、相当量機械類でございまして、その支払いの期限が四箇月から五箇月程度のものがかなりあつたのでございます。御承知のように貿易手形の制度は三箇月が期限になつております。しこうして輸出銀行の従来扱つておりますのは、六箇月以上でございまして、三箇月と六箇月との中間にブランクの部分があつたわけでございます。この間に輸出銀行の取扱い得るような重機械類の輸出で、四、五箇月程度のものも相当あつたと認められまするので、最近の金融情勢等から考えまして、それらのものにこの期間を拡張することによつて、金融の道が開かれることと考えております。
○小山委員 新たに債務保証の制度をこの銀行が行い得るようになつておるようでありますが、実際問題としてはどういう場合の債務保証ということを考えられますか。
○山際説明員 国内金融の方面におきましても、必ずしも輸出銀行が資金を放出いたしませんでも、ある程度危險を分担してもらえるならば、自分の方で資金を調達してもよろしいといつたような、輸出金融の業務も考えられると思うのでございます。また同時に外国から資金の調達をいたしまして、たとえば輸入の前払金のごときものをいたしますような場合に、外国がもし輸出銀行が保証をするならば、資金を融通してもよろしいという場合もあり得るだろうと思うのでございまして、国内的にもまた対外的にも両面を考えております。
○小山委員 現実にそのような要求があるのでありますか。それとも予想され得る事態に備えておるだけのことでありますか。
○山際説明員 現在のところ具体的には話は参つておりません。将来あり得ることと考えまして、この際法律をおかえ願つたらと考えたわけであります。
○小山委員 その次に、外貨資金の借入れができるような法律改正になつておりますが、この外貨資金の借入れ先というようなものは、もうすでに出ておるのでありますか。それとも單なる将来に備えてだけのことでありますか。
○山際説明員 この点も、現在のところは将来に備えての考えでございます。
○小山委員 この利益金の国庫納付という制度が、今日新たに出て来たようでありますが、どの程度の割合で国庫納付にかえることに相なるのか。それから利益金の留保その他はどういうふうな割合に相なりまするか。この法人税の非課税扱いということにからんで、どのような規定になつておりますか。私もまだ内容をよく見ておりませんので、あるいは法律の表でなくて、省令その他できまるのかとも思いますが、ただいまきまつている範囲内のことを御説明願いたい。
○河野(通)政府委員 お答え申し上げます。納付金につきましては、お手元にあります法律案に書いてございますように、当該期の利益金のうちから、利益の二〇%に相当する金額を準備金として差引き、そのほかにもう一号規定がございまして、貸付残高の千分の七に相当する金額か、いずれか多い方の金額を準備金として留保いたしまして、その残りを全額国庫に納付する、こういう制度にいたしたわけであります。この国庫納付金の制度をとりました理由は、全額政府の資金によつて出資された特別の政府機関たる銀行であります点もありまして、一般の事業会社と、その資金の源におきましても営業ぶりにおきましても、相当著しい差異がありますから、税をかけるという制度で行きますよりも、納付金の制度をとつた方が適当であろうという考え方から、改正いたしたわけであります。現在、御承知のように、住宅公庫あるいは国民金融公庫におきましては、やはり納付金の制度ができており、そのかわり一般の課税の対象にしないということになつておりますが、資金の性質から見まして、これらと同じ取扱いをしたいと考えております。二〇%といたしました根拠はいろいろございますが、一般の金融機関、銀行等のいわゆる貸倒れ準備金は、先般の改正によりまして、当該期の利益金の三五%までを準備金として積めることになつております。しかるにこの輸出銀行におきまして二〇%ということにいたしましたのは、その資金の源が政府出資によつてできております関係上、一般の企業、つまり資金コストがかかつております企業に比べまして、利益金の割合が非常に多いわけであります。これらの点を頭に置きながら、あわせて輸出銀行の取扱います業務の危險性の度合等を勘案いたしまして、二〇%ということにいたしたのでございます。これにつきましてはいろいろ計算の根拠もございますが、ごく大ざつぱに考えまして、今のようなことで、輸出銀行の資金コスト等との比較から見まして、大体いいところではないかと考えております。 なお、貸出金残高の千分の七という数字をとりましたのは、これは一般の金融機関におきまする貸倒れ準備金が、利益金の三五%か、または貸出し残高の千分の七か、いずれか低い方によつて貸倒れ準備金を積むということになつておりまして、その千分の七をとつて、こちらの場合にはいずれか高い方ということに、実はいたしたわけでありますが、数字的な点がもし必要でございましたら、もう一度申し上げます。
○小山委員 この国庫納付金に課税すべきものを納付金にかえるという考え方は、日銀その他の政府機関にとられている考え方でありますが、ただこの場合に、たとえば課税の対象となります場合には、国税庁がその経費の認否をすることに相なります。従つてその関係上浪費の節約ということが、間接的に強制され得る制度となるのでありまするけれども、国庫納付金となると、その利益金を幾らに計上するかということは、これは銀行の経理として計上されるだけであろうと思うのでありますが、その点は一体どうなるのでありますか。日本銀行の場合にもこれは問題になるのでありますけれども、経費として支出すべきものの認否という問題は銀行局で監督されるのか、それとも銀行が出して来た数字がそのまま利益として認定されるのか、その辺はどうなつておりますか。
○河野(通)政府委員 輸出銀行等の政府機関、これは国民金融公庫にしても同じでありますが、これらにつきましては予算上でも、経費の支出には非常に厳重な制約が加えられております。他面私どもといたしましては、一般の金融機関よりも、はるかに経理の状況についての監督は厳重にいたしております。従いまして税務署が一般の企業の個々の経費について認否を査定いたしまするよりも、十分厳重に私どもは見ております。また予算上も、先ほど申し上げましたように主計局の方でがつちりこの点は押えておりますので、経費の濫費等につきましては、厳格に規制ができると思つております。
○小山委員 その点私は必ずしも銀行局長の説明に賛意を表しかねるのであります。たとえば輸出銀行の場合には、われわれはまだその実例は知らぬのでありますけれども、日本銀行の場合にこれをとつてみますと、税務署なら当然に否認するような厚生設備あるいは厚生資金、こういうようなものを差引いたものが利益として報告され、銀行局長はそれを承認されておるのじやないか。そのような、たとえば厚生設備というようなもので、資産に計上しなければならぬものを経費に落してしまつて、そうしてその残りを利益金というようなことでやつたような場合、あるいは交際費を——税務署ならば、普通の企業ならば当然否認されるような交際費を出したような場合に、その残りだけが利益金になつておるというような甘い見方を、銀行局としては、日本銀行の場合にはされておるように私は思う。その点の監督は、日本銀行もあわせて現在どのようにされており、今後どのようにされるおつもりか。それもこの際あわせてお伺いしておきたいのであります。
○河野(通)政府委員 ただいま日本銀行のお話が出たのでありますが、交際費あるいは厚生施設等につきまして、一般の金融機関よりも厚くなり過ぎているのじやないかというお話の点は、当委員会あるいは予算委員会等においても、実はたびたび御指摘を受けておるのであります。これがいい悪いの問題につきましては、私どもといたしましても、厳格に見て参つておるつもりでございますが、金額の多い少いの問題もいろいろございましよう。たとえば厚生施設で、行員の入つておるものに対する家賃が、安過ぎるじやないかというような御意見もございますが、この点も御意見を十分に参酌いたしまして、最近におきましては三倍程度に——こまかい話でありますけれども、家賃を上げておるというようなわけで、逐次これらの点について一般と比較して特別に税をのがれるような措置はできないように、やつて参りたいと考えております。交際費の問題につきましては、これが多いか少いかという点につきましては、なかなか——何と申しますか程度問題になるかと思います。私どもといたしましても、交際費の内容等につきましては厳格に見ておりますが、その点の査定の仕方が甘いとおしかりを受けるかもしれませんけれども、今のところあの程度のものは必要であろうという見方をいたしております。
○小山委員 少くともこの交際費等につきましては、企業の場合には国税庁は相当厳格な見方をしておる。そして経費として支出されましても、それを否認しておるのであります。でありますからして銀行局が、これらの日本銀行あるいはその他の政府機関の利益を査定される場合にも、国税庁と同じ方針のもとにされなければ、非常に不公平が起ると思うのでありますが、国税庁と同じ方針でやられるのかどうか、その点をひとつ承つておきたいと思います。
○河野(通)政府委員 日本銀行は御承知のように、今度改正されます輸出銀行あるいは国民金融公庫等と違いまして、一方で納付金を納めながら、やはり法人税も納めておるわけであります。これは日本銀行は純粋の政府機関でないという考え方でできておるわけであります。結局納付金を納めたあと、関連的にはあと先の見方はいろいろありましようけれども、納付金と並行して、利益金に対しては法人税を納めておる。法人税を納める場合の利益金の計算上、納付金は損金に算入する、こういう建前でできておりまして、法人税は納めておるわけでありますから、この場合に国税庁なり国税局が、十分にその点の認否は判断をする。もちろんその場合に大蔵省の私どもの方といろいろ打合せはいたしますが、制度といたしましては、日本銀行に関する限りにおきましては、法人税をとるときにその点は査定ができる、こういうことに相なつております。
○小山委員 日本銀行の方はそれでわかりましたが、それではこの輸出銀行が、今の役員の陣容ならば、おそらくそんな問題はわれわれはなかろうと思うのでありますが、時移り人がかわつて行つた場合に、あるいは非常に濫費をするような総裁が出て来ないとも限らない。その場合の納付金を納める根拠になるところの利益というものは、これは輸出銀行が立てて来たところの損益計算上の余りをそのまま認めるのか、あるいはそこに認否の問題が加わつて来るのか、それは制度としてはどうなりますか。
○河野(通)政府委員 納付金の制度は、税の場合のような認否という問題はございません。ございませんが、その点は常時十分なる監督をいたして参つておりまして、経理の状況等については常々私どもの方でよく見ております。 それからもう一点は、この経費の予算につきましては国会において御承認を得て、その得たところに従つて経費の支出をいたしておるわけであります。歳出の権限のない事柄について、輸出銀行等は経費の支出はできないことになつております。この点は、国会に政府機関の予算として御提案申し上げて、今参議院の方で御審議をいただいておるわけであります。この予算に従つて行つて参るということでございますので、その点からいいましても、濫費が行えるということは防げておる、こう御了承いただきたいと思います。
○小山委員 この監督の方法は、書類の監査でありますか。それとも監督官を派遣されてやられるような制度をとられるのか。その点もあわせて伺つておきたいと思います。
○河野(通)政府委員 監理官の制度とか監督官の制度を特別に置いてはございません。今監理官の制度のございますのは、日本銀行とそれから農林中金、商工中金、これらの機関について監理官の制度がございます。政府機関につきましては、国民金融公庫についても監理官の制度はございません。と申しますのは、監理官の制度を置くよりも、さらに政府との間に一体的な関係が立つておつて、監理官というももをもつて監督をする以上に、常時監督をいたしておる、こう御了承願いたいと思います。
○佐久間委員 関連して二、三お尋ねしたいと思うのですが、この輸出入銀行の改正法案の主たる目的は、わが国の輸出の振興に役立つ原材料その他ということになつております。しかしてその後段の四項には当該輸入が思惑、投機、買いだめその他不健全なるというぐあいに限定してあるのですが、これが紙一重の差でなかなかその判定がむずかしいだろうと思うので、いやしくも商売をやつて行く上において、損を見越してやるようなものはない。必ず多少の利益があるということを考えて、やるだろうと思うのであります。そこでその判定をあらかじめきめておくことも、むずかしいだろうけれども、最終的判定は一体政府がやるのか、あるいはまた銀行の当事者がやるのか。またそれに対しては何らかの尺度を持つておるのかどうか。これをひとつお聞かせ願いたい。
○河野(通)政府委員 今お話の点の法律の運用につきましては、まず基本的な考え方は、事業方法書にはつきりこういうことをうたいたいと思います。なおお話のように、問題は結局具体的な場合の問題でございますから、事業方法書に一々詳しく列挙することは、なかなか困難であります。大綱だけを書きまして、あとはこの法律の趣旨に従つて、輸出入銀行当局者において運用していただく、こういうことに相なるのであります。
○佐久間委員 旧来こういつた問題にはとかく政治的の力が介入して、どうもうまく行かないということが、非常に多い例となつておりますので、特に私はこの点に言及したわけでありますが、その点はできるだけ注意してやつていただけると思つております。 さらにお尋ねしたいのは、資金の借入れを政府に限定した理由はどういうところに根拠があるのか。これをひとつお尋ねいたします。
○河野(通)政府委員 輸出銀行は御承知のように政府の機関でありまして、出資につきましては全額国庫からこれを出しておるわけであります。国民金融公庫等の政府機関におきましても、やはり政府から全額を出資する。この場合におきましても、その資金が一般の産業資金と申しますか、民間の資金に食い入ることのないようにいたしますために、国民金融公庫におきましても、政府からの借入れだけを認めておるわけであります。輸出銀行におきましても同様の趣旨によりまして、一般の産業資金、民間資金に食い入ることのないように、これらの資金を拡充するために、必要があれば政府の資金の中から出す。考えられますものは、今般の二十七年度の予算におきましては、見返り資金から貸付をいたすことになつておりますが、そのほか考えられますことは、資金運用部資金からの貸付等を予定いたしております。
○佐久間委員 ただいまの御説明でよくわかりましたが、さらに外国銀行その他の金融機関から、外貨資金の借入をすることができることになつております。これは外資導入のおつもりだと思うのですが、その見込みがあるのかどうか。この点を御説明願いたいと思います。
○河野(通)政府委員 詳細は山際専務理事からお聞取り願いたいと思いますが、現在のところでは、こういうふうな内外の情勢でございますので、具体的に外資導入の形で輸出入銀行に資金が入つて来るという具体的な事例は、まだないように私どもは承つております。今後におきましては、東南ア開発等とからみまして、輸出銀行がこれらの外資を導入して、自分の業務を大いに拡充して行くことは、適当なことであろうということで、その場合にできるような道を開いておく趣旨で、改正いたしたわけであります。
○山際説明員 外資の問題につきましては、現在のところは具体的に話がございません。ただこれは将来に備えての立法と考えております。
○佐久間委員 山際さんにお尋ねしますが、輸出銀行の本年度の融資の見込額はどの程度になりますか。さらに年度末にはどの程度の金額となるお見込でございますか。この点をお聞きします。
○山際説明員 輸出銀行は昨年の二月一日から業務を開始いたしまして、去る二月末日までの実績に関しましては、昨日お手元に数字をもつてお示し申し上げておるのでございます。その表に掲げておきました通り、過去約一箇年間におきまして、資金の融通の承諾をいたしましたものが百八億六千四百万円、そのうち現実に金を貸しましたのが八十五億九千九百万円、すでに回收をいたしましたのが二十億一千六百万円でございますので、二月末現在におきまして、六十五億円の融資残高を持つております。この成績は当初の見込みに比べますと、少し低調を免れないのでございまするが、御承知のように昨年の秋以来特に外国からの船舶の注文、なかんずく油槽船の建造の注文が相当多量に参つております。この建造資金としての輸出金融を求める申込みは、現在相当多額に上つておるのでございます。昨日お手元に差出しました表の最後に、借入れ申込み状況というのを掲げておきましたが、その計表におきましても、船舶関係の申込みが輸出契約金額におきまして、百数十億円に上る状況にあるのでございます。現在銀行といたしましては、その内容につきまして鋭意調査を進めておりまするので、このうちの相当部分が本年度中に融資承諾となつて、実現するものと考えております。目下調査を進めておりまするから、はたしてそのうちのどの程度のものが今月中に貸出しになりますかは、まだ十分的確な予想を立てかねておりまするが、もしこれらのものが今月中に処理することができまするならば、さらに年度末までに四、五十億円の融資が実行されるだろうと思うのでございます。そういたしますると、ただいまの残高が六十五億八千三百万円と申し上げましたが、これにさらに四、五十億の資金が加わりますると、年度末の残高は百十数億ということに見込まれるのでございまして、その数字を実は予算書のうちにも、参考として計上いたしておいたのでございます。ただ種々対外的な契約上の問題がありますので、とかくこの種の契約の実行につきましては、時間がずれがちでございますので、一応の見込みはさように立てておりまするが、実行上はあるいはそれよりも下まわるのではないかと考えております。いずれにいたしましても、現在の船舶関係の申込みを処理いたしますためには、融資承諾額においてさらに九十億内外の金額を承諾いたし、そのうち四、五十億のものは、近く融資の実行に着手せねばならぬと考えておりま す。
○奧村委員 住宅金融公庫の関係の方にお尋ねいたしたいと思います。予算書を見ますると、昭和二十七年度の年度末になると、貸付金が四百五十六億になる見込みになつておりますが、個人及び住宅組合に対する一般住宅の貸付と、住宅を建設して賃貸するのを業とする法人に対する融資は、大体どのくらいの振りわけになりますか、お尋ねいたします。
○磯野説明員 昭和二十五年度から発足いたしまして、二十六年、二十七年と三年度末における貸付予定額は、四百五十億ばかりになつております。これに対しまして賃貸を業とするものに対する貸付の限度は、法律上制限があるのでありまするが、現在におきましては若干それを下まわつております。これまでに貸し付けましたのは三十億くらいになつておるかと思います。来年度の資金計画といたしましては、政府出資五十億及び資金運用部からの借入れ百億、合計百五十億の上に、回收元金を加えました百六十七億円ばかりのうち、賃貸関係に大体二十億を貸し出したいという一応の考えを持つております。
○奧村委員 賃貸を業とするものに対する貸付は、どういうふうにして貸付を決定するのですか。いわゆる個人と同じように抽籤でやるのか、いろいろ条件がありましようが、その貸付はどういうふうにされるのでありますか。
○磯野説明員 一般の個人住宅に対しましては、やむを得ず抽籤方式をとつておるのでありまするが、賃貸を業とするものに対する貸付は、われわれの現在の方針といたしましては、原則といたしまして鉄筋コンクリートでなければならないということに定めております。従いましてその金額も一件当りの金額は相当になるのでありまして、抽籤方式はとり得ませんので、それぞれの希望に対しまして、その必要性並びにその償還の見込みがはたして確実であるかどうか。つまりアパートを建てました以後の営業の見込み等を十分に勘案いたしまして、確実であり、かつ必要のあるというものを、われわれの資金計画の範囲内で個別に決定をしておる次第であります。
○奧村委員 賃貸を業とする法人もかなり希望者と申しますか、申込みが多いはずと思うのであります。それを今言われるような基準によつて選定されるのでありましようが、それにしてもなかなか判定しがたいことが多かろうと思うのでありますが、その場合に地区的の考慮はどういうふうになさるのですか。たとえば府県ごととかあるいは地方ごとに、ある程度のわくの制限でもあるのですか。そういう点はどうなのですか。
○磯野説明員 地区ごとの割当ということはいたしていないのでありますが、大体われわれの方で、賃貸アパートにつきまして大きくわけまして、一つは一般入居という言葉を使つておりますが、これはまつたく個人が自分の家を建てたいという場合と同様のケースでありまして、これは現在は都道府県が出資して設立いたしました財団法人というのが、相当数多くございますが、主としてこれらの都道府県、つまり地方公共団体が出資いたしました一般公共性を持つた主体、これらに対しましては、その入居者はもちろん一般の抽籤等公正なる一般性を持つた選定法をさせておりますが、これらに対しましては、われわれの方といたしましては、各地方ごとの住居の困窮状況は十分勘案いたします。それともう一つはそれらの主体の能力、規模等もかみ合せて勘案して決定するわけであります。もう一つわれわれの方で特定入居という言葉を使つておりますが、これはたとえばその賃貸アパートに入りたいという者に対しまして、一定の制限のあるもの、平たく申しますと、たとえばある産業会社が出資いたしまして、特別のアパートをつくるという場合でありまして、これらはその会社の従業員のうちから、公平に選定をするというものがあるわけであります。これらに対しましては、現在のところ貸付を一応停止しております。繰返すようで恐縮でありますが、それらの地方の住宅の困窮状況と、その主体の能力の限界、規模等をもかみ合せて、それぞれの決定をするわけであります。
○奧村委員 その鉄筋コンクリートのアパートなどの融資の償還年限、これは事業計画で見ると三十五年以内、すると三十五年くらいに見ておられるのですか。
○磯野説明員 これは住宅金融公庫法に規定がございまして、三十五年以内ということになつております。
○奧村委員 それからかなり滞り貸しの償却金引当というものを見ておりますが、今までの償還の状況はあまり滞りはありませんか。その大体のパーセントはどんなことになつておりますか。
○磯野説明員 賃貸アパートの関係におきましては、現在のところほとんど滞りは皆無の状況でありまするが、一般の個人住宅の場合におきましては、やはり漸次ふえる傾向にございます。といいますのは、われわれの方では個人の償還をできるだけ確実にさせたいために、原則といたしましては毎月償還をさしているわけであります。少し横道へ入りますが、われわれの方の一般住宅の借入れをしておる者の大部分は、公務員その他俸給生活者でございます。従いまして大体月々の給与收入から、われわれの方の償還をいたすのが普通でありますが、たとえば家族に何らか不幸その他事故があつたというような関係で、若干償還が遅れる。われわれの方では、大体二箇月以上延納になつたものから、事故として考えておるわけでありますが、二箇月以上延滞というのが、十二月ごろの統計でありますが、大体二千五百件ばかりあつたかと思います。そのうちの過半は二箇月ないし三箇月でありまして、遅れましても順次その償還は遅れながらついて来ているわけであります。全然償還が不能になつたとか、あるいは本人が故意に償還を滞らせるといつたふうな悪質な事例は、まださほど顕著に現われてはおりません。しかし何と申しましても、われわれといたしましては融資をいたしました資金は、確実に回收したいというかたい決意方針を持つておりますので、今後とも回收には全力をあげて参りたい、かようなつもりでおります。
○奧村委員 重ねてお尋ねいたしますが、ことしの融資計画の百六十七億、それを個人及び住宅組合に融資する分と、それから賃貸を業とする法人に融資する分と、それの大体の振りわけは法律をもつてきめられておるのでありますか。
○磯野説明員 昭和二十七年度の貸付計画におきましては、ただいまのところ百六十七億六千百万円のうち、個人に貸し付けますのが百四十七億円と予定いたし、賃貸住宅を建設する法人及び住宅組合でありましても耐火構造の共同住宅、鉄筋コンクリートでありますが、そういつたものに対しまして二十億と予定いたしております。法律上の制限といたしましては、貸付額の三割以内ということになつておりまするが、われわれの方ではなるべく現在では数多く家を建てたい。鉄筋にいたしますと非常に單価が高くなりますので、鉄筋の方へたくさんまわしますと建設戸数が減る。しかしながら一方家屋の構造、耐火構造の住宅を建てたいという要請が一方にありますので、かれこれかけ合せまして勘案し、先ほど申しましたように、二十億と百四十七億という振りわけをいたしております。
○奧村委員 私の聞き間違いとも思うのですが、賃貸を業とする法人に融資した分の償還の状況が悪い、というふうな先ほどの御答弁でありましたが、もしそうであるとすると、それはどういうふうな状況でありますか。償還期限の来た分に対してどのくらい滞つておるか。
○磯野説明員 先ほどの私の御説明は若干行き届かなかつたかと思いますが、反対に賃貸を業とするところの償還状況は非常によいのであります。これは一般の個人の場合と違いまして、貸付を決定いたします際に相当綿密周到な調査をいたしまして、しかもたとえば先ほど申しましたように、地方公共団体の出資をもととしてできました法人、たとえば東京都住宅協会とか、福岡県住宅協会というふうなところは、県あるいは都そういうふうなところが保証といいますか、うしろについておりますので、これらは非常に償還確実でありまして、今後とも現在の貸付方針をとつて参ります限り、賃貸住宅に関しましては償還は確実であろう、かように考えております。
○深澤委員 今度の国会で遺家族に対する救済の方針を一応決定いたしたのでございますが、その中で一柱五万円の公債を発行して、それを交付するということになつております。しかしながらこの公債をもらつても、現金化しなければ遺家族は非常に困難する。ところが大蔵大臣は確かに予算委員会か何かの説明で、この公債を現金化するためには、国民金融公庫をしてそれに当らせるというような答弁をしたように私は聞いておるわけです。この点を明確にして現金化の方法を——せつかくもらつた債券が現金化できないとすると、これはもうまつたく絵に書いたもちになりますので、一体大蔵当局としては国民金融公庫の資金をして、あの遺家族に交付するところの債券の現金化ということを考えられておるのかどうか。その点をひとつお伺いしたい。
○河野(通)政府委員 お答え申し上げます。遺家族の方々に対する交付公債の資金化につきましては、公債の条件といたしましても、適当な期間において順次償還をいたして行く道も開いております。なおこれと並行いたしまして、大蔵大臣が先般申し上げました通り、国民金融公庫等特殊の政府機関におきまして、この公債を特にお困りの方々に対しては、資金化する道を開いて参りたい、かように考えております。ただこの問題につきましては、具体的な計数、方法等につきましてさらに検討を要する点がございます。現在のところでは、この遺家族の方々に対する交付公債の資金化のための資金というものを、国民金融公庫の資金のうちに別わく的に何億というふうには、予定をいたしておりません。現在のところでは、国民金融公庫の資金全体のうちに、国民金融公庫の活動の一環としてこれらの資金化の問題も、必要な限り行つて参りたい、かように考えておる次第であります。なお今後財政状況の許しますに応じまして、国民金融公庫の出資を増加いたすというような問題も起つて来るかと思います。そういう際にはこれらについても必要に応じて、また別わく的な措置を講ずるというようなことも考えられると思います。現在のところでは、そういう別わく的な考え方はまだ持つておりません。
○深澤委員 そういたしますと、私は少くとも大蔵大臣が責任をもつて、金融公庫をしてその資金の融通をさせるという答弁をする上には、ある程度何らかの具体的な方針がおありになつてそういう答弁をしなければ、一般の遺家族は、これは国民金融公庫に持つて行けば、資金化できるという考えを持つているのである。ところがそれがまだ具体的に決定されていないとすれば、これはまことに遺憾千万であると同時に、私は現在の国民金融公庫の資金状況では、あの公債を資金化するだけの能力はないと思う。従つて大蔵大臣があれだけの答弁をなさる以上は、緊急に補正予算等によつて、国民金融公庫の資金量をふやすというようなことをしなければ、あの言明を実際に行うことはできないと私は思う。全然そういう考えなしに、ただ何億かある場合にはやろうという思いつきの考えで答弁されているのか。大蔵当局は補正予算でも組んで、ひとつ国民金融公庫の別わくとして、これを遺家族の再建の資金に充てるのだという方針を、ある程度私はお持ちになつているのではないかと考えましたから、聞いたのであります。もう一ぺんその点を明確にお聞きして、現在ないにしても、近き将来においてそういう具体的な方針をとられて、国民金融公庫に別わくの資金を入れて対策を講ぜられるのか。その点をもう一ぺんお伺いしておきたい。
○河野(通)政府委員 御満足の行くような御答弁ができかねるかと思いますが、現在のところでは、幾ら幾らの補正予算をこれがために組むつもりであるということは、私からは申し上げるわけに参りません。資金の許します限りにおきまして、できるだけ必要なものについて、資金化をはかつて行くように今後考慮いたして参りたい、かように考えております。なおこの点の補正予算を組むか組まぬかという問題につきましては、私としてはちよつと申しかねる問題でございます。必要な時期に大蔵大臣からお聞取りを願いたい、かように考えております。
○深澤委員 どうも大蔵当局の答弁は、いつでも財政上の許す限りにおいてやつて行くというようなことで、これではやらないと同じことだという結論になつてしまう。従つて私は、これはある機会において大蔵大臣に、遺家族に対して交付した債券の資金化の問題については、ひとつ具体的に明確にしてもらわなければならぬということで、銀行局長の方からもお伝え願いたいと思う。 もう一つ国民金融公庫の理事の方がおいでになつておりますから、お聞きしたいのでありますが、特に最近において、私は国民金融公庫に対する需要が非常に増大しておると思うのですが、最近における国民金融公庫が需要に対してどれだけの貸出しをやつておるか。何パーセント程度になつておるか。下に行くと非常に問題になつておるようでありますが、ごく最近の事情をちよつとお聞かせ願いたい。
○河野(通)政府委員 きようは国民金融公庫の理事者は参つておりませんので、また実はきようは議題にございませんでしたので、資料を持合せておりませんので、はなはだ漠然としたことを申し上げざるを得ませんで恐縮であります。なお必要がありましたならば、別の機会に資料を整えて申し上げた方がいいかと思います。現在のところではお話のように、申込みの件数、金額に対して三〇%程度しか、お申込みに応じ得ないというような現状でございます。これがため今国会にも国民金融公庫の資金源を拡充いたしますために、法律案の改正をお願いいたしておるのでありますが、これによりまして資金運用部からの借入金と合せて、五十億を二十七年度として増加して参りたい。さらに資金量の増加に応じまして、回收金も相当ふえて参ります。これらの資金が来年度におきまして約六十六億ございますので、新規の貸付資金といたしましては百十六億というのが、二十七年度の国民金融公庫の資金と御了解いただきたいと思います。この資金も、もちろんこれらの方々の資金の需要というものは非常に旺盛でありますので、十分なことはできかねると思うのでありますが、二十六年度よりも申込みに対する貸付のできます割合は、若干増加するような見込みで、現在のところは計画いたしておるわけであります。詳しい数字は持ち合せておりませんので、また別の機会にいたしたいと思います。
○深澤委員 住宅金融公庫の理事の方にお伺いいたしますが、終戦以来六箇年、方々に住宅金融公庫あるいはその他の方法によつて住宅は建てられておりますが、依然として住宅難は大都市においては重大問題でありまして、住宅の情勢はまだ悲惨な状態に私はあると思うのですが、最近における住宅金融公庫として使われておる一般の住宅と、それから住宅の不足というような、その間の事情というようなものがございましたら、一応お聞きしたいのであります。
○磯野説明員 住宅の困窮状況につきましてはお説の通りでありまして、実は全国的な住宅の困窮状況で、これに対する対策等につきましては、われわれの方の事務官庁であります建設省で、いろいろやつておるわけでありますが、われわれが聞いておりますところによりますと、大体全国で三百四、五十万戸の住宅の不足がある。これに対しまして一方引揚者によります人口の増加、あるいは人口の自然増加、一方また風水害、火災による滅失、あるいはまた住宅の自然腐朽による破壊といつたようなものをいろいろ考えますと、毎年少くとも五十万戸くらいの家は建てなければならぬ。そういうふうにしなければ、住宅問題の解決はとうていここ二十年くらいは望み得ないのだ、というようなことを承つております。われわれといたしましては、もちろん住宅問題全般の解決を背負つておるわけでありますが、この住宅の建設につきましては、あるいは個人の資力をもつて建てる者もありましようし、あるいはまた産業会社その他における給与住宅の建設もあると思います。大体二割の頭金を持ち、あとの八割くらいは公庫から借りる、またその償還の能力もあるというふうな一定の人たちが、われわれの方の需要者であろうと思いますが、われわれといたしましても、今後できるだけ国の財政力等とにらみ合せまして、許す限りにおきまして事業の拡大と申しまするか、それらの対策の一端を果して行きたい、かように考えておるわけであります。
○深澤委員 大体住宅金融公庫で現在需要に対してどの程度応じているか、需要と供給とのパーセンテージがどの程度になつているかということを、お聞きしたいのであります。
○磯野説明員 昭和二十六年十二月末のわれわれの数字によりますと、公庫発足以来の累計におきまして、申込みの件数は三十八万件ございます。金額にいたしまして一千八十四億円の申込みがあつたのでありまするが、これに対しまして貸付承認をいたしましたのが十万、金額にいたしまして二百七十三億というのが、貸付承認をいたしました額になつております。もちろんこの申込みの中には、われわれの方から見まして、全然資格がないといいますか、条件に適合しないという人もあると思います。といいますのは、非常に低い場合あるいはまた高過ぎる場合、両面の資格のない場合があると思います。公庫は昭和二十五年の六月から発足したのでありまするが、三十五年度の貸付の予算は百五十億円ございました。これに対しまして公庫が発足いたしました直後、朝鮮動乱によりまする建築費の急激なる高騰等と相まちまして、最初は予定したほどの申込みもなかつたのでありまして、二十五年度は大体申込み順に、ほとんど抽籤などは用いることなく、申込みを受け、順次決定をしておつたのであります。ところが二十五年度の後半に至りまして、申込みが急増いたしまして、とうてい百五十億円ではまかない得ない。これらの希望者の相当部分を、二十六年度の予算でまかなうというふうな立場に、追い込まれた経緯がございます。従いまして二十六年度の予算は、当初政府出資及び資金運用部の借入れ、合計百億円の上に、さらに補正予算をお願いいたしまして、政府出資三十億、資金運用部借入れ三十億、合計六十億円の追加予算をお認めいただきましたが、かような若干われわれの当初の予定と違いました経緯があつたものでありますから、抽籤の率も、二十六年六月におきましては二十四人に一人というふうな、非常に大きな数字になつておるのであります。補正予算に基きまする六十億円につきましては、この六月に申し込んだ人は三人に一人の割合でありますが、十月に初めて申し込んだ人は十対一といつたふうな、これまた相当の競争率になつております。これらの希望者のうち、不幸にして落選された方で、なお今後とも続けてわれわれの方から融資を受けたいという希望者が、大部分だろうと思います。なおその上に新しく融資を受けたいという希望者も、相当出て来るだろうと思います。これはまつたくの想像でありますが、来年度の予算で審議をお願いしております金額では、なお数人に一人というふうな競争率になろうかと、かような想像をいたしております。
○深澤委員 今年度も一般会計から五十億の出資がなされておるようでありますが、聞くところによりますと、最初昭和二十六年度に予定したものが、中間において資材の値上り等によつて、建築が行き悩みになつたというのがたくさんあるようです。それで今に至るまで、そういう問題の解決ができなくて困つている業者もあれば、あるいは個人建設者もあるようですが、その間の事情はどういうぐあいに処理されたのか。たとえば予算を増額して解決したとか、あるいは今年度の五十億というものが、新しい建築をするのではなくて、物資の値上りによる差額を、ある程度補うという方面にまわるのではないかというぐあいに考えられるのですが、その点はどうですか。
○磯野説明員 お答え申し上げます。建築途中におきまする行き悩みにつきましては、お話のように建築費の高騰に基くものが相当あるのであります。実は発足いたしました当時は、たとえば東京に例をとつて申し上げますと、坪当り一万八千円という標準をきめておつたのであります。その後建築の中途におきまして、これを二万一千円に上げ、さらにまた現在は木造の普通の住宅で二万六千円という標準をきめております。二十五年度におきまして二回の改訂をいたしたに伴いまして、当時建築費の高騰のために行き悩みましたものに対しましては、増額の希望がある場合には、これらは増額の予算の範囲内で全部増額を認めたのであります。その後いろいろ建築費は高騰、横ばいといつたふうなことで、下ることはないのでありまするが、われわれといたしましては建築途中で行き悩みになつておる家屋の処置につきましては、一番苦心をするわけであります。来年度の予算におきましては、何と申しましても新しい希望者もありますので、これらをどうしても新しい希望者にまわす。そのかわりに行き悩みになつておるものにつきましては、その原因を個々に調べまして、できるだけ個個的な折衝によりまして、あるいはとうてい本人の資力が続かない場合には、資力のある人にかわつていただくとか、できるだけのことをいたしまして、建築の途中でストップすることのないようにして参りたいと思つております。
○深澤委員 終戦以来、衣食住のうち衣と食の方はどうやら解決したのでありますが、住の問題がまだ日本国民にとつては重大な悩みなのであります。従つてわれわれは建設省等に大いにがんばつてもらつて、住宅建設のためには大いに努力を願うと同時に、予算をうんととつてもらいたい。なぜかといえば、最近はどうも警察予備隊あたりの方へ金をうんととられてしまつて、向うの方の建設には非常に一生懸命だが、国民の一番重大な住宅問題は依然としてまだ解決しない。こういうところに社会不安の根源があるのでありまして、警察予備隊の建設なんかはあまり熱心にならないで、ひとつ国民の住宅のために、建設省は大いに御努力願いたいという希望を申し述べまして、一応私の質問を打切ります。
○佐久間委員 ただいま議題となつております公庫の予算及び決算に関する法律の一部を改正する法律案につきましては、大体質疑も尽されたと思いますので、この際質疑を打切られんことを望みます。
○佐藤委員長 ただいまの佐久間君の動議のごとく決定するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○佐藤委員長 御異議ないようでありますから、公庫の予算及び決算に関する法律の一部を改正する法律案につきましては、この際質疑を打切り、討論を省略して、ただちに採決に入ることに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○佐藤委員長 御異議ないようでありますからさよう決しました。 公庫の予算及び決算に関する法律の一部を改正する法律案を議題として採決いたします。本案を原案の通り可決するに賛成の諸君の御起立を願います。 〔賛成者起立〕
○佐藤委員長 起立多数。よつて本案は原案の通り可決せられました。 —————————————
○佐藤委員長 次に去る五日質疑を打切りました国民貯蓄組合法の一部を改正する法律案を議題として、討論に入ります。討論は通告順によつてこれを許します。高田富之君。
○高田(富)委員 簡單に反対の理由を申し述べます。零細な預金に対しまして免税の措置を講ずるとか、あるいはその他の融通の措置を講ずるというようなことは、そのこと自体としてはもちろん反対すべき筋合いはなく、むしろ大いにやるべきことは言うまでもない。しかしながらここに提案されました国民貯蓄組合法にいたしましても、あるいは先般本院を通過いたしました郵便貯金利子の値上げにいたしましても、あるいはまた各般の措置を講じまして、今日まで政府が盛んに零細な預金のかき集めに大わらわになつておりますのは、これは本年度の預金部の運用計画等にも明らかな通り、結局国民の零細な生活資金までもでき得る限りこれをかき集めまして、これを国民生活の向上、平和産業の振興とはおよそ正反対の目的のために、極力使う意図であるということは、これは言うまでもないのであります。従いましてわれわれといたしましては、そういう大局的見地から見ました今日の預金奨励政策というものは、貯金を強制的にやらせました戦時中の例の強制貯蓄制度に、精神的にまつたくこれは同じである、そこに通ずる道であるということはきわめて明白であります。こういう観点からわれわれは反対するものであるということを、この際明確にしたいと思うのであります。
○佐藤委員長 討論は終局いたしました。 これより国民貯蓄組合法の一部を改正する法律案を議題として、採決いたします。本案を原案の通り可決するに賛成の諸君の御起立を願います。 〔賛成者起立〕
○佐藤委員長 起立多数。よつて本案は原案の通り可決せられました。 なお以上両案に関し、衆議院規則第八十六条による報告書の作成、並びに提出手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じます。 —————————————
○佐藤委員長 次に、先ほどに引続きまして日本輸出銀行法の一部を改正する法律案を議題として質疑を続行いたします。宮幡靖君。
○宮幡委員 もう時間も大分たつておりますので、長い質問もできないと思いますが、何分にもこれは重要な法律案であります。そこで機会があれば次に相当、あるいは大蔵大臣あるいは関係大臣にも出ていただいて、お尋ねしたいと思います。きようは幸い銀行局長と銀行の方からもお見えになつておりますので、時間の許す限りお尋ねしてみたいと思います。 日本で資本の蓄積が足らないということが言われている。従いまして経済力を失つております日本の産業は、経営的に見まして一つのオペレーシヨンが起き、寡頭経営と申しましようか、そういう事態が起つている。従つてこれと必然的に関連をもちまして、市中銀行といわれる各種の金融機関が、少くともオーバー・ローン——このオーバー・ローンの裏を返せば資金が不足だ、こういうことにもなろうと思います。そこで輸出銀行というものの創設の趣旨もわかつている。 〔委員長退席、奧村委員長代理着席〕 今回輸入金融も取扱うという趣旨に改正されますことは、最初はどつちかと申せば大蔵省は反対のはずであつた。もつと金融というものは引締めて行かなければならぬ、ゆるめてはいかぬのだという意味において、輸入金融などいうようなものを取扱うべきでないということで、大分長い間お話があつたように聞いている。そういう立場もありますので、今のように輸出銀行、開発銀行あるいは今度できることを予想しております長期信用銀行、あるいは一般銀行、すべての特別会計と称して、実は金融機関のような形をとります特別会計、こういうような事態の中で考えまして、一体金融制度が細分化されるというのか、あるいはいろいろの種類のものが濫立すると申しますか、こういうことではたして日本の金融制度の混乱というものが防げるものであるかどうか。金融制度が混乱し錯綜して参りましては、その金融制度の実をあげることができない、こういう結果になると思います。そこで当面銀行局長といたしまして現在の小資本——輸出銀行にいたしましても、まあ百七十億くらい、借入金が三十億円くらい。こんな程度で輸出入銀行としてやれるという考えを持つことが、すでに間違いであります。日本の貿易の方から考えてみたところで、これで輸出入銀行という看板の通りの銀行ができようなどとは、私どもは考えられない。しかし日本の経済力の実情からいいましてやむを得ない。こういうことになると、こういうふうにいろいろの種類の銀行をたくさんつくつて、しかも何と申しますか、財政と金融の分離という観念も強く支配しまして、おおむねは無監督——無監督という言葉は悪いかもしれませんが、政府が強く干渉する政治的干渉を持たずして経営せしめるというようなことで、ほんとうにこの金融制度というものが今後産業の進展、国際経済へ入つて行く段階におきまして、よき操作ができるとお考えになつているかどうか。この点についてひとつ銀行局長としてのお考えを聞きたいと思います。
○河野(通)政府委員 お答え申し上げます。なかなか広いしかも非常にむずかしい問題の御質問でありますが、お示しのように日本の経済が一番困つております問題は、やはり資本の蓄積が非常に足りない。資本が不足しておるということが、最も決定的な日本の経済の弱点でありますことは御指摘の通りであります。これがため一方におきまして、資本の蓄積を促進いたしますために、いろいろな方策は講じて参つているのであります。ただいま御採決いただきました貯蓄組合法の改正等も、これらの趣旨に基いてできているのであります。しかしながら資本の蓄積を——いわゆる民間資本の蓄積を一挙に進めて参りますことは、なかなか困難でありますために、これと並行いたしまして、いわゆる政府資金と申しますか、財政資金と申しますか、そういつた国の投資による産業資金の確保と、あわせて実行して参つているわけであります。これらの財政資金を中心といたしました金融機関の制度、民間の資金を中心といたしました民間の金融機関の制度、それらが相まちまして、日本の現在最も必要といたしております資金の需用に対して、重点的にこれに応じて参る、こういう仕組みに相なつているわけであります。金融制度の問題に対しましては、できるだけ今申し上げましたような配慮のもとに、政府の資金、財政資金を中心にいたしました金融機関として、一方に考えられておりますものが輸出銀行、開発銀行及び国民金融公庫その他の政府機関であります。これに対しまして民間の金融機関の制度につきましては、普通銀行を中心にいたしまして、いろいろな金融機関がそれぞれの職責に応じてあるわけですが、これら民間の金融制度を整備いたして参りますことも、この際平和条約の発効を間近に控えまして、内外の情勢に応じて態勢を整備するという観点から、金融制度全般についても現在再検討を加えておるところであります。近くこの国会にも御提案申し上げたいと考えておりますいわゆる長期信用銀行の制度、これらも民間の金融制度を整備するという観点から考えておるわけであります。現在大蔵省に設けられております臨時金融制度懇談会におきまして、銀行法そのものについても改正の要否その他について、御検討願つておるわけでありまして、日本銀行法についても御検討願つているような次第であります。これらの民間の金融制度自体につきましても、できるだけ内外の情勢に応ずるように、態勢を整備するということを今後も心がけて参りたい、かように考えておるわけであります。なお輸出入銀行の資金が、今の程度のものでは少いじやないかという御意見であります。この点はまことにごもつともでありまして、できるだけ財政の許します限り、資金の供給をふやして行くことを配慮して参りたいと考えておりますが、現在のところでは財政の事情もありまして、二十七年度予算に計上いたしました程度が、まず一ぱいであろうというふうに考えられます。ただ輸出入銀行の金融業務につきましては、必ずしも輸出入銀行だけが取扱うわけではございません。御承知のように他の市中金融機関で取扱えないものについて、補完的に輸出入銀行が取扱うことになつておるわけであります。輸入金融の総額が、この輸出入銀行の取扱うものによつてカバーされるわけではございません。輸入金融の促進につきましては、昨年来いろいろな措置を講じて参つております。今後におきましても、特にポンド地域等からの輸入促進につきましては、さらに一層の努力をいたしたい、かように考えておるわけであります。
○宮幡委員 大体金融制度の進むべき道についてのお見通しを伺いまして、完全に安心したわけではございませんが、けつこうな御構想であろうと思う。そこで今回の改正法律案の内容につきまして、少し輸出銀行当局にお伺いしてみたいのでありますが、提案理由でも述べておりますように、「わが国の輸出の振興に役立つ原材料その他の物資の外国からの輸入に関し、その対価の一部の前払いが行われる等、特定の場合にについて輸入金融業務を行う」こう説明しておりますが、この特定の場合ということは、どういうふうなことを予想されておりますか。
○山際説明員 今回の改正案の実施を見ました場合におきましての輸入金融業務のあり方といたしましては、わが国の輸出を振興いたしますために、その必要とする原材料の輸入について、海外で新たに資源の開発が行われまして、しかもその開発所要資金が、その結果生じた生産物を、長期にわたつてわが国に入れてくれる約束のもとに、前金の形で開発に必要な金が出て行くという、きわめて特殊な場合の輸入金融業務を、実は考えておるのでございまして、その大部分はおそらくは東南アジア経済開発に対する協力といたしまして、各種の鉱産物資源、たとえば鉄鉱石とか石炭、銅鉱石、ボーキサイト、コバルトとかモリブデンとか、あるいは場合によりますれば塩とか、さような主として鉱産物資源を中心として、実行されるものと考えております。
○宮幡委員 これは結局船積み貨物が到着以前に、輸入代金の前払いを要求される場合という意味になりますか。
○山際説明員 もちろんさような場合でありまして、それよりも、さらに考えますともつと前の場合で、その品物が開発されますその当初に金を出すのですから、よほど以前に金が出るということになります。
○宮幡委員 それで輸出入銀行が輸入金融を行う趣旨も範囲もおおむね明らかでありますが、これに関連しましていろいろな問題が起ると思います。本日は通商産業省の政府委員なり大臣なりを呼んでおらぬので、その方面へわたることは伺いにくいのでありますが、わかる程度のお答えをいただけばけつこうであります。こういう意味で輸入の事前金融をしてやるということ、これは輸出と見合つておるということが前提であります。従つて輸出入リンク制ということにかかつて来るのでありますが、それらの点につきまして完全な輸出入リンクの制度に乗つておるかおらないかということは、銀行といたしましては業務を行います上に、どういうところでもつてチエツクして参られるのか、この点を実務的になりますが、ごくわかりやすいお話でけつこうでありますから、御説明を願いたいと思います。
○山際説明員 法案にもございます通り、輸入金融業務の対象となりますものは、わが国の輸出品の必要とする原材料ということになつておりますから、自然そこに輸入物資と、それが用いられまして輸出品として出て行くということに、因果関係が予定されておるわけでありますが、御承知の通り素材として輸入されますものと、製品として輸出されますものの間には、その工程において幾つかの段階もございますし、的確にそれがただちに結びつくということは、実際問題としては非常に困難であろうと思うのであります。さような意味においての的確な輸出入リンクということにつきましては、政府の方からも何ら御指示を受けておらないのでありまして、ただわれわれとしましては、経済的常識といたしまして、輸入された物資が幾多の段階を経て、結局輸出の製品として使われて行く、その流れに乗つておるという経済的常識からの判断が、要求されておると考えております。さような心組みで事に当りたいと考えております。
○宮幡委員 この場合におきまする御説明のような構想でやります輸入金融というものは、心配して考えますと、かなりの危險があるわけであります。そこで今回新しく考えようというのには——これは一般市中銀行の話になりますが、輸出金融に対しましては輸出金融保險、丙種信用保險というものが生れようとしておる段階であります。従いまして為替のリスクの問題もありますので、完全に輸出入リンク制というものが確認できないのは仰せの通りであります。これは原料を消費いたしまして、製品化する場合の工程を予想いたしまして、完全にリンクしておるということの確認はできないでありましようが、やはり輸出方面におきましては、為替のリスク等を配慮いたします範囲におきまして、輸出入金融についても、この為替のリスクを負担する危險を防止することに、思いをいたしておられるかどうか。その点通産省や安本の方が見えないので詳しくはお尋ねいたしませんが、概念的にいかがでございますか。この危險負担は銀行が全部背負つて行くのか。為替のリスクが輸入の場合ですと逆なことになるかもしれませんが、もし起つたと想定いたしましたならば、それは輸入金融を受けます業者の完全員担であるかどうか、こういう意味であります。
○山際説明員 ただいま考えられております構想によりますと、輸入の場合におきましても、輸入の為替関係によつて生ずる損益というものは、それは輸入業者の負担ということで考えておりますので、金融はそれとは別問題ということになります。しかしながらその危險が大でありますれば、自然その金融の回收につきましても、影響はもちろんあるわけでありますから、十分にその点は金融をいたします際に考慮を要することでございます。別途政府におかれましても、この為替の損失補償という問題についていろいろ御検討中であります。詳細はまだ私も承知いたしておりませんが、輸入の問題につきましては、まだ比較的それほど議は進んでおらないようでありますが、輸出の方面におきましては、相当為替負担の点を御研究になつておるように承つております。
○宮幡委員 なぜこういうことをお尋ねするかといいますと、やはり原料が製品となる一連の構想、しかも原料を輸入して輸出するという関係は、経済的に確かに御説のようにつながりがある。そうすると、輸出におきまして為替のリスク等、為替の危險負担等を負わされますと、結局輸入金融の方の元本回收という問題に困難を生じて来るであろう。従つて、輸入は輸出の反対側であつて、別に関係がないのだという單純な考え方は持ちたくない。もし持つて輸入業務をおやりになるなら、これはなかなか危險ではなかろうか、こういう実は心配をしておる。そうかといつて、危險であることに萎縮いたしまして、金融を梗塞して参りますならば、名前はせつかく輸出入銀行などとおかえになつても、その実績を上げ得ない、むしろない方がよい、こういうようなきらいになるわけでありますので、これは今後の問題でありますが、十分ひとつ大蔵当局その他の関係官庁とも御協議の上、よき案を見出すことに御努力をいただきたいのであります。 次は、最短期間を六箇月から三箇月に詰めてありますが、この三箇月に詰めなければならない理由を、ひとつはつきりとお示しを願いたい。
○山際説明員 昨年輸出銀行が出発いたしまして以来、その法律の定めるところによりまして、期限六箇月を越えるものの金融を扱つて参りましたが、実際の取引に現われるところを見ますと、御承知のように輸出は輸出貿手というのが三箇月期限でやつておりますので、その輸出貿手にも乗らず、さればといつて六箇月以上の長期でもない、その中間に当るものであつて、しかも重機械類を対象とする輸出契約というものが、かなりあるという事実がございます。それらのものが制度的欠陥のゆえに、相当金融上の困難を感じておる事実を認めまして、今回その中間的なものを拾つて行こうという趣旨で、規定が設けられたものと考えております。
○宮幡委員 その点は了解いたしました。適切なるものと一応私どもは拝承しておきます。 その次に重要なことでありますが、債務保証業務をひとつやろう、こういうことになつておりますが、その予想されます内容はどんなふうにお考えになつていますか。
○山際説明員 債務の保証は、内地の金融につきましても、また対外取引の金融につきましても、両面考えております。ただ内地の債務保証につきましては、もし輸出銀行が保証するならば、資金は出してくれなくても自分の方の金でまかなおう、こういう場合を予想しておるのでありますが、金融界の実情から申しますと、民間の資金が不足しておりますから、まずそう急には、国内的に作用が実現することもなかろうかと実は思うのでございます。しかし場合によりましては、ある程度の危險を輸出銀行が保証してくれるなば、資金は自分の方で調達をしようという場合もあり得ることであるし、また将来漸次資金が潤沢となりますれば、さような働きというものは漸次効果を上げて参るであろうと、期待いたしておるのであります。 対外的の場合におきましては、最近も新聞に出ておりますように、日本のたとえば鉄鋼会社が、フイリピンの鉄鉱石会社と契約をいたしまして、相当量の鉄鉱石の輸入を仰ぐことになつたのでありますが、その際に、前払金的性格でアメリカの銀行が金を出すについて、日本の銀行がこれを保証しておるという実例がございます。将来どの程度、さような外国の銀行に輸出銀行が保証することによつて、向うが金を出してくれるというような場合が起り得るかは、そう的確には判断いたしかねますが、その実例に現われております通り、場合によりましてはそのような働きとして、日本の金融にこの銀行の債務保証が役立つことにもなろうかと考えております。
○宮幡委員 債務保証業務の一つといたしまして、たとえて申しますと、市中銀行相互間の協調融資、その何割かを保証するなどということを予想せられておりますかどうか。これは具体的の問題として、参考に伺うのでございます。
○山際説明員 さような場合は、あり得ることと考えております。
○宮幡委員 時間もありませんので簡單に申し上げますが、次に今度の改正におきまして重要な点としては、外貨資金の借入れができるように、改正されんとしておるのでありますが、一体この外貨資金の借入れ先は日本の外為ですが、それともほんとうの外資ですか、どちらを予想されておりますか。
○山際説明員 日本の外為ではなく、外国の金融機関を予想しておるのでございます。
○宮幡委員 外国の金融機関を予想せられておる。そうすると、これは銀行局長さんに伺いますが、日本の外国為替銀行というものの制度が、まだはつきりしておりません。為替銀行が外貨を持つことについて、国内円資金のつなぎがなければお断りなどという状態ですが、輸出入銀行が外資を導入する、この受入れをするというような場合におきましては、今の為替銀行の制度でやれるものでしようか、どうでしようか。これは銀行局長にひとつお尋ねいたしたい。
○河野(通)政府委員 為替銀行の問題は、なかなかむずかしい問題でありまして、現在慎重に検討中でございます。ただこの問題につきまして、為替銀行に外貨を保有させる問題は、いろいろ新聞等で御承知のような経過をたどつておりますが、この問題も不日解決いたすことと思います。ただいまの外国為替銀行の問題に関連いたしまして、輸出入銀行が今後先方から外資の導入をいたし、借入れをいたしました場合に、日本の為替銀行のシステムとの間にどういう関連があるかという問題でありますが、この点は現在のところ必ずしも、日本の外国為替銀行がどうあろうとも、直接輸出入銀行が外貨の借入れをする道は開いてあります。向うの外国為替銀行を通じてでもできますしいろいろ方法はあると思います。
○宮幡委員 現在の外国為替の管理方式から申しますと、たとい輸出入銀行が外貨を導入いたしましても、その勘定は総括して外為の勘定に入ります。この場合におきまして、外貨のまま貸し付け、あるいは外貨のまま保証するというような制度で行かれるなら、これは問題はありませんが、もしこれを円資金といたしまして、国内に放出して行かなければならぬというような場合がありましたときに、外為の操作はどうなさいますか。とかく円資金の不足という問題が、現在においても考えられる。ポンドやドルという問題は、ここできようはやかましく申しませんけれども、いずれにいたしましても、貿易差額ができればできるほど、国内円資金は外為に供給しなければならない。その場合に、もう輸出入銀行の外貨というものは、外貨操作しかしない、円資金につながらないぞというお考えか、あるいは円資金にもつなぐ場合もある、その場合にはかくのごとくするのだというお考えがありましたら、お話をいただきたい。
○河野(通)政府委員 輸出入銀行が外資の導入をいたしました場合に、これを直接外貨として使用する場合もあり得ると思います。またこれを円にかえて、円金融として使う場合もある。現在の状態におきましては、御指摘のように、日本はむしろ外貨につきましては相当余裕を持つておる。余裕と申し得るかどうか知りませんが、絶対量として相当多額のものを持つておる。そういう状態のもとにおきまして、さらに外貨の形で、つまり円を調達するための手段として、外貨を入れることが必要であるかどうかという問題は、これは具体的にいろいろ問題がございます。しかしながら、今さしあたり輸出入銀行が、ただちに外資の導入をこういう形で行うということは、現実の問題としてはまだ起つておらないわけでありまして、将来の日本の外貨事情その他の点ともにらみあわせて、必要に応じてそういう道が開けるように、この法律の改正をいたしておきたいというのが当面の目的であります。
○宮幡委員 時間がありませんから最後に一点。最近経済最高顧問会議というようなものが内閣の中に、これは制度として認めたのか、あるいは総理の相談相手という意味かはつきりわかりませんが、まあおそらくいろいろな経験をお持ちになつている方の意見を聞こう、これらの会議の中、またアメリカあたりから伝わつて参りまする中に、やはり電源開発外資の導入ということがしきりに伝わつている。その外資を受入れる機関というものはやはり何かなくちやいかぬ。直接電源開発公社ができれば、それが借りるのだとは言いますけれども、制度上各種の機関を通して行かなければならぬ。そういう場合に輸入銀行となりました本銀行あたりが、その一部でも受入れましてやるということを予想すれば、これは完全に円資金につながるのでありますが、ただいまそういうことまでお考えになつて、この法律の改正をなさろうとしているのかどうか。これは簡單でいいですが、ちよつと伺わせていただきたい。
○河野(通)政府委員 この電源開発の問題の外資が入つて参りました場合の受入れ態勢につきましては、いろいろな方法があると思いますが、輸出銀行もその受入れの一つの機関として適格性を持つているかどうか。また日本開発銀行も、いずれまた法律の改正を御提案申し上げたいと思いますが、やはりこれらにつきましても同じ問題がある。それから直接その外貨を受入れる機関に、必ずしもこれらの銀行がならなくても、開発銀行なり輸出銀行がそれを保証するという道を開くことによつて、外貨が入りやすくする。それと直接受入れるのはあるいは外為であるか電源開発であるか、これはいろいろな方法があると思います。輸出銀行なり改正された後における開発銀行が、それらについて一役を買うという道は開いておきたい。これが非常に外資の導入を促進するために、寄与するところの道が大きいと考えております。
○宮幡委員 これによつておもな四点の改正に対する質問は終ります。時間がありませんから、また次に他の金融法律とあわせてお尋ねいたします。
○奧村委員長代理 本日はこれにて散会いたします。次会は明後十日午後一時より開会いたします。 午後零時五十三分散会