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13回国会衆議院1952/03/07

大蔵委員会 第28号

発言数
54
登壇者
8
会派数
1
開催日
1952/03/07

会議録

佐藤重遠自由党

○佐藤委員長 これより会議を開きます。  まず去る五日本委員会に付託されました、日本輸出銀行法の一部を改正する法律案を議題として、政府当局より提案趣旨の説明を聴取いたしたいと存じます。西村大蔵政務次官。

西村直己自由党大蔵政務次官

○西村(直)政府委員 ただいま議題となりました、日本輸出銀行法の一部を改正する法律案の提案理由を、御説明いたします。  日本輸出銀行は、わが国のプラント設備等機械輸出の促進をはかるため、昭和二十五年十二月二十八日、資本金百五十億円をもつて設立されたのでありますが、その後における融資状況その他諸般の情勢にかんがみまして、去る第十二国会において、日本輸出銀行法の一部を改正して、その資本金を百七十億円に増加する措置をとつたのであります。しかしながら、わが国経済の拡大発展を将来にわたつて確保するためには、輸出の振興をはかるとともに、重要原材料の外国からの継続的な輸入を、ぜひとも確保する必要があるのであります。このような観点から見て、政府はこのたび日本輸出銀行を、日本輸出入銀行に改め、これに一般の市中銀行の行いがたいような特殊の輸入金融業務を行わせる等、所要の措置を講ずることといたしたのであります。  以下その要点を申し述べますならば、第一に、日本輸出入銀行は、従来のプラント輸出促進のための輸出金融業務とあわせて、わが国の輸出の振興に役立つ原材料その他の物資の外国からの輸入に関し、その対価の一部の前拂いが行われる等、特定の場合について輸入金融業務を行うこととした点であります。  第二に、わが国のプラント輸出契約の実情にかんがみまして、その融資期間を最短期間六箇月から三箇月に短縮したことであります。  第三に、新たに債務保証業務を行い得ることとした点でありまして将来事態の推移によつては、これにより外資の導入にも一層の便益を與え得るものと、期待されるのであります。  第四に、業務の拡充に即応し、その資力の充実に資するため、政府からの資金の借入れ、及び外国からの外貨資金の借入れを、認めるごととした点であります。明年度予算におきましても、米国対日援助見返資金特別会計から、三十億円の借入れをすることになつております。  第五に、その利益金の一定割合を国庫に納付させることとし、これに伴い、法人税等の非課税の取扱いをすることといたす等の点であります。  以上この法律案の提案の理由、並びにその内容の概要を御説明いたしましたが、何とぞ御審議の上、すみやかに御賛成あらんことをお願いいたします。     —————————————

佐藤重遠自由党

○佐藤委員長 次に公庫の予算及び決算に関する法律の一部を改正する法律案、農業共済再保險特別会計の歳入不足を補てんするための一般会計からする繰入金に関する法律案、農林漁業資金融通特別会計法の一部を改正する法律案、及びただいま説明を聴取いたしました、日本輸出銀行法の一部を改正する法律案の四案を、一括議題として質疑を行います。質疑は通告順によつてこれを許します。佐久間徹君。

佐久間徹自由党

○佐久間委員 ただいま議題となりました農業共済再保險特別会計のことで、お尋ねしたいと思うのであります。これは元来が保險組織になつておるのでありますけれども、要するに政府がこの問題を、最終的に決済して行く役割を果すわけでありまして、その観点から申しますと、社会政策的の意味が多分に含まれておるわけであります。農家の経営面に国家が補償をする、援助をするというような建前を持しておるものであると、私は考えておるのであります。従いまして、もとよりこれに対しては、最終決済におきまして、国庫から相当の援助を與えて行くというようなことになるのは当然でございましよう。しかし国の経済が非常に苦しいことは、先刻御承知の通りでありますので、その経営とでも申しますか、それについては十分に考えて行かなければならない。できることならばバランスをうまくとつて、国家に対してはあまり多くの負担をかけずにできるようにするということが、一番好ましいのであります。しかしながらわが国のごとく災害が非常に多い、ことに昨今は続いて災害があるというわけでありまして、これはとうてい普通の採算を考えてやれない事業の一つである。そこで今回のように相当額の、七億一千七百万円以上の不足を生じてこれを決済しようとするのでありまして、これを先に申しました通り、社会政策の一環いたしまして、やむを得ないことであるとは思いますけれども、この経理面についてなお掘り下げて、多少質問して参りたいと思うのであります。一体この料率が問題になるわけでありますが、ここに資料をただいまいただいたわけであります。今日いただいてすぐ質問に立つわけで、よく事情がわからないので、あるいははなはだ質問の要領を得ないかもしれませんけれども、よくひとつ納得の行くように、説明していただきたいと思うのであります。  まず第一にお尋ねしたいことは、この掛金の算定の基礎をどういうぐあいにやつておられるか、一応御説明を承りたいと思います。

久宗高農林省農政局農業保険課長

○久宗説明員 ただいま掛金の算定方法につきまして、概略を述べろというお話でございます。お手元に資料をお配りいたしましたので、それに基きましてごく簡單に御説明申し上げます。  御承知の通りこの補償制度におきましては、末端の組合の共済関係、それから連合会段階におきまして、それを保險いたしまして、さらに国の段階でそれを再保險するという、三段階になつておるわけでございますが、その基礎になります掛金の問題につきましては、農作物、それから蚕繭、家畜、それぞれ違うわけでございますが、一番基本になります水稻につきまして、その概略を申し上げたいと思います。  この掛金は、五年ごとに一律に改訂する形になつておりまして、補償制度が二十二年から発足いたしまして、ちようど本年の二十七年四月に、補償制度になりましてから最初の改訂が行われるわけであります。そこで従来この補償制度を実施いたしましてから五年の間に、不幸にいたしまして、特に異常な災害が累積いたしまして、国の特別会計におきましても相当の不足金が出、また連合会段階におきましても不足金が出まして、その処理をめぐりまして、昨年の三月に閣議の決定がございまして、ちようど料率の改訂期を控えまして、その料率の改訂の中に、過去の不足金の要因を徹底的に分析して、新しい料率をきめようということになつたわけでございます。その閣議の線に沿いまして、今度実施いたします料率の改訂を、検討して参つたわけでございますが、その若干の経過を申し上げますと、ただいまお配りしました資料、水稻の共済掛金標準率、これの第一ページのところの色刷りのところがございますので、それで見ていただきますと、一番右の方にございますのが、現行の料率になつておりまして、その左が改訂料率でございます。この間いろいろな案が出ておりますのは、結局料率を合理的に改訂しなければならないが、同時にその農家負担の限度がございますので、それとの板ばさみになりまして、種々経緯の結果、一番左のような形にきまつたわけでございます。この内容についてはあとで申し上げますが、大きくわけまして、全体の被害率につきまして、それを通常の被害率と、それから異常の被害率と超異常の被害率、ごう三つにわけるわけでございます。これは過去の二十年間の被害率に基きまして、それを計数的に整理した結果、大体通常と思われる部類につきまして通常被害率というものをきめ、その被害率につきまして、それ以上を越えたものを切つてしまつておいて、通常の被害率の中で過去の二十年間の統計によりまして、それを平均いたしましたものを、通常の標準掛金率というふうに出すわけでございます。そこで全体の被害率そのものにつきましても、昨年の閣議のときに問題になりまして、従来は二十年間の被害率を、ただ数字的に同じウエートで扱つたわけでございますが、災害か非常に累積しましたので、最近の被害率にウエートを置きまして、計算するという方針を立てました。ちようど本保險制度が、昭和十四年から保險法ができましたので、その保險法を実施する前の段階と、それからこの補償制度に移りました二十二年までの段階と、それから補償制度に移つてからの段階、こう三つにわけまして、一番最初のを一、それからその次のを二、最近の補償制度になりましてからのウエートを、三というような形にウエートを置いて計算し、通常、異常、超異常という被害率を出し、それぞれの掛金率をきめたわけでございます。その際の通常の被害率につきましては、先ほど申しましたような各県ごとに、その二十年間の被害率に、それぞれのウエートを置いて計算いたしました。それから異常の被害率につきましては、各県ごとではなしに、相当大きなグループにわけまして、計算いたしておるわけでございます。それでそれぞれの掛金の率が県ごとに一応きまりまして、それを各市町村の段階までこまかく、危險度合いに応じましてわけて参るわけでございますが、その際に従来とかくほんとうの被害率と掛金率というものが、必ずしもマッチしないという形がとられておりましたので、今度の改訂におきましては、各県にまで数字がおりました場合に、それを各市町村の被害率にできるだけマッチしますように、指導して行くという形をとつて行こうとしておるわけでございます。それによつて負担の公平という問題もはかり得ると考えるわけでございます。ただ問題になりますのは、このたびの料率の改訂におきまして、農家の負担を増すおけに行かないということから、安全割増しを落して計算いたしておりますので、その点さらに問題をあとに残しているような状況でございます。

佐久間徹自由党

○佐久間委員 これだけの赤字を出しておるのでありますから、ほんとうにこれをマッチするように、料率を損害に見合つて訂正して行くということになると、これは相当料率を上げなければいかぬということになるだろうと思うのです。ところが農家の場合におきましては、現在の経済面から考えてみて、そう大きな負担をこれにかけるということもできない。こういう非常につらい立場がそこに出て来るわけだと思うのです。そこでそれではこれをどういうぐあいにあんばいして行つたらいいか。このごろよくはやり言葉に、合理的経営ということを言つておりますが、そうなると、危險の程度に応じて料率をわけるよりしかたがない。その結果は、たとえば九州方面の宮崎県なんかは、相当高い料率をとらなければ引合わなくなる。ところが千葉県のごときはほとんどない。そうすると安い料率でやる、こういうことになつて行くわけなのでありますけれども、そこでまた矛盾が出て来るわけです。共済という建前からして、お互いが助け合つて行くわけですから、お互いが平等にこれを負担して行つて、いつ災害が起るかわからぬから、それに備える。もしかりに宮崎県に大きな災害があつた場合には、災害のないところの保險料をもつて、これを救済し補填して行く、こういうことが本筋であろうかとも思うのです。そこでそのあんばいの度合いが、非常にむずかしくなるわけでありまして、これに苦慮をなさつておる姿はよくわれわれもわかつております。しかし何と言つても多額の保險料をとつて、農家に苦しみをかけるようなことであるならば、せつかくのこの良制度が死んでしまう。できることなら農家には非常に軽減した料率負担をかけて、国家がこれを補償して、できるだけ円滑に運営して行くということに、結論はなるだろうと私は思います。そこで農業共済再保險特別会計のうちの構造を分析して考えてみると、再保險支拂基金勘定と、それから農業勘定と家畜勘定と業務勘定、この四つに大別することができるわけであります。そのうち今取上げておるものは、第一番目の再保險支拂基金勘定の分であろうと思う。それはここに出ておりますからわかりますが、農業勘定と家畜勘定と業務勘定についてその金額をひとつ明示していただくことはできませんか。

久宗高農林省農政局農業保険課長

○久宗説明員 ただいま農業勘定、家畜勘定、業務勘定についての数字的のお話でございますが、二十七年度予算の数字を申し上げればよろしいと思うわけでございます。ただその前に、数字を整理いたしますので、一応基金勘定との関係だけを先に申し上げておきたいと思います。御承知の通り国の特別会計におきましても、累年赤字が出まして、これを当初借入金でまかない、その後二十四年からは借入金という形ではなしに、一般会計から補填しまして、もちろん特別会計といたしましても一応均衡の建前に立つておりますので、それを将来特別会計に黒が出ました場合に、お返しをするという形で処理して参つたわけでございます。ただ二十六年度におきまして、幸い特別会計に基き金ができまして、毎年々々の不足金が将来は均衡するといたしましても、そのときどきの支拂いに充てますために、昨年度二十五億の基金勘定を設定しております。それによつて実際の支拂いに充てて行くという形がとられたわけでございます。さらに二十七年度におきましては、農作だけではなしに、家畜関係につきましてもさらに三億の基金を、設定していただくという形になつておりまして、今後の処理といたしましては、不足金そのもののプラス、マイナスは、特別会計のそれぞれの勘定によつて出て参りますが、年々の不足金の支拂いに充てるためには、その基金勘定から、それぞれ農業勘定あるいは家畜勘定を通じまして、実際の支拂いがなされて行く。そうして農業勘定なり家畜勘定に剰余が生じました場合には、まず基金をわけまして、さらに従来の不足金を補填していただいた分がございますので、その余りが出ました場合には、一般会計にお返しして行くというやり方になるわけでございます。

佐久間徹自由党

○佐久間委員 ただいまの私の質問は、この再保險支拂基金勘定を申し上げたのではなくて、これはなるほど二十六年三月に出ました法律五十七号につて新設されたものであつて、二十六年度には二十五億円が一般会計から繰入れられている。これは二十六年度には使用されなくて、二十七年度に持ち越しているわけで、二十七年度においては、さらに三億円が一般会計から繰入れられている。こういうわけになつており、これはよくわかつておりますが、農業勘定の方では農作物及び繭に関する保險事業、これも相当赤字になつているのだろうと思うのですが、この点はどうですか。

久宗高農林省農政局農業保険課長

○久宗説明員 二十五年の不足金の数字について申し上げるべきであつたのですが、資料に実は手違いがございまして、お手元に配つておりませんので申し上げます。二十五年度におきましては、再保險料收入といたしましては、予算として二十八億六千五百万円が收入として載つているわけでございます。さらに予備費といたしまして十億二千二百万円載つております。その内容は、この中で約九億近いものが、一般会計からの不足金の補填として計上されておるわけでございます。これは先ほど御説明いたしましたように、二十三年度までは、不足金の支拂いにつきましては、借入金でまかなつたわけでございますが、二十四年度からはそういう形がとれませんので、一般会計から補填するというやり方をとりました。ただ年度当初におきまして、当然過去の経験から見まして、一定の不足金が予想されますので、大体過去の不足金の平均をとりまして、それを一応予備費の中に計上したわけでございます。そうして年度途中でそれを入れましても、さらに具体的な不足金が出ますので、それについて二十五年度に、一般会計からさらに八億八千七百万円ほど、年度途中で補正予算として繰入れております。以上先ほどの再保險料收入を合計いたしますと、この額が四十七億七千五百万円になります。これだけの財源があつたわけでございますが、実際の支拂いはどうなつたかと申しますと、二十五年産の水稻に対する再保險料の麦押額は、三十三億五千三百万円ございます。それから陸稻で一千百万円、それから麦の関係で十八億一千五百万円、それから蚕繭関係では一千四百万円程度のものが、支拂額になつておるわけでございます。ただこの際二十四年度水稲に対する再保險の未拂い分が、約三億ほど繰越されております。それも含めて考えますと、二十五年度における再保險金の支拂いは、五十四億九千二百万円になつておるわけであります。その差がここに計上されました七億一千七百万円になるわけでございます。これは本来二十五年の問題でございますので、二十五度年の補正予算としてこれを埋めるのは当然でございますが、技術的にはその計算が、年度途中で補正予算でやるような時期にありませんので、二十六年になつてからこれを補填すべきものであつたわけでございます。しかしながら二十六年度になりましてから、農業勘定の見通しをもつと立ててから、決定的な補填をした方がよいのではないかというお話が出ましたと、さらに二十六年度から基金ができましたので、それを処理いたしまして、決算がきまりましてから、この二十七年度の予算の際にこれを若干計上いたしまして、二十七年度において農業勘定に補填して、これを基金の方に返して行くという形をとろうということになつたのであります。

佐久間徹自由党

○佐久間委員 家畜勘定の方はどういうことになつておりますか。

久宗高農林省農政局農業保険課長

○久宗説明員 家畜の方の関係は、御承知の通り毎年毎年いつでもこれは入り得るわけでありまして、私の方で現在資料できつちりとつておりますのは、二十五年度末の数字だけがわかつておるのでありますが、その後は毎月毎月きつちり整理をすることはなかなかできにくいので、最近の状況はまだ確実につかんでおらないわけであります。それから予算の上で申しますと、未経過の問題がございまして、家畜についての未経過の処理が非常にむずかしゆうございますので、実際問題としては、その未経過分を予算上どう扱うかということが、依然としてまだ問題になつておるわけであります。

佐久間徹自由党

○佐久間委員 どうも逐條審議して行くと、幾日あつても間に合わないわけでありまして、法案が殺到しておる際、あまり時間をとるもどうかと思いますので、私の質問の要点には一向触れて参りませんのでございますが、これも資料等をもう少し研究してみないと、結論は出て来ないと思います。私の方も少し勉強してみたいと思つております。  最後に、といつても質問の最後ではございませんけれども、この條項の最後の業務勘定、これに相当私は問題があるのではないかというふうな気持がするのであります。たとえば連合会あたりなどは、相当経費を使つておるということを耳にしておるのであります。地方の団体でございますから、その経理の監督はまことに緩漫な状態にあるので、その点を私ども心配しておるのであります。保險料に対する経費にはある一つのわくがあるのではないかと思うのですが、おそらくそれはとうに食いつぶしてしまつて、かんじんの保險料の方を食つて行く。従つて人件費その他の経費が、とてつもなく赤字が出て来ておるというようなことも、うわさに聞いておりますので、これを分析してよくお伺いしたいと思つておつたのでありますが、そういうことをお聞きして、今すぐ資料等によりまして的確に把握できるかどうかということは、はなはだ疑問とするところだと思つております。そたでこれはあとでお伺いするといたしまして、農業共済組合の本題になるようでありますが、これに対して政府として、将来どの程度の予算を持つかということは、なかなかきめにくいところではありますが、料率を改訂いたしまして、今度改訂した料率によつて、大体今までの統計から勘案して、来年度はいわゆる政府支拂いが、どの程度くらいにとどまる見込みであるのかどうか。この点を見込額がもしわかつておれば、参考のためにちよつとお聞きしたい。もしそれがないとするならば、あとで知らしてくれてもよろしいと思いますが、その点はどうですか。

久宗高農林省農政局農業保険課長

○久宗説明員 ただいま新しい料率改訂によりまして、将来どの程度国が負担するかというお尋ねでございます。数字はあとでまとめて資料でお渡ししたいと存じますが、ただお話の中に出ました業務勘定の問題でございます。これにつきましてはいろいろ問題がございますので、私どもといたしましても、今度の国会に補償制度の一部を改正いたしまして、検査の規定を改正いたしまして、従来の監査が非常に徹底いたしませんでしたので、この点十分な監査をいたして参りたい。特にそれにつきましては、非常にこの補償制度の問題が、計数問題が入りましてむずかしゆうございますので、そのために知らないで、いろいろの間違いが若干あるように思います。そういう意味を含めて検査の内容は指導的内容を特に強化して参りたいというふうに考えております。

佐久間徹自由党

○佐久間委員 多分そうだろうと思つて、あまり深くつつ込まなかつたのでありますが、これは非常におもしろい問題で、十分研究の余地があるわけであります。われわれとしては、そんなことを今ここで詮議立てする場合ではございませんので、いずれ機会を見ましてひとつ根本的に御意見を伺つてみたい、こう実は思つておつたのでございます。  そこでさらに私がお尋ねしたいのは、最初の段階にあるところの農業共済組合、これは市町村がつくつておるわけでありまして、この組合には農家全部が入るのが一番好ましいのでありますが、一体これは全部の農家が入つているのかどうか。もし全部が入つておらないというと、全農家の何パーセントぐらいがこれに入つているのか。これをちよつとお知らせいただきたいと思います。

久宗高農林省農政局農業保険課長

○久宗説明員 正確なパーセンテージはただいまここに持つておりませんが、もちろん当然加入の形をとつておりますので、大部分の農家はもちろん入つておりますが、いわゆる常識的に申します全部の農家が入るという形ではないのでございます。一定の資格もございますので、いわゆる常識的に考えます農家の全部だという形ではございません。

佐久間徹自由党

○佐久間委員 それは資格があつても、なお入らない人が多分にあるように聞いているのです。というのは大きな災害については、政府は来て調査をする。すぐやつて来る。ところがまあ割合に軽微な災害については、ほとんど調査をしておらぬというのが現状だそうです。従つて一ぺんそれをいつ何日調査をするから、札を立てておけということを言つて来るそうです。そうすると農家の人たちは見てくれると思うから、札を立てて待つている。一日待つてもたいていこれはすつぽかして来ないそうです。ただそういうゼスチュアを使つておるのだということが、だんだん農家の中に浸潤して参りまして、資格がある者も最近は保險料を納めるな、納めたつてつまらぬじやないか、という観念を持つておるということを聞いておるのですが、そういう事実がありますかどうか。

久宗高農林省農政局農業保険課長

○久宗説明員 ただいまの御質問でございますが、そういう事実について、私どもも耳にしていることがございます。ただそれの出て参ります一番根本的な問題といたしましては、先ほどちよつとお話しました料率が県までできまりまして、それをさらに末端の組合、町村の段階まで、制度としては危險率に応じましてそれを割振つて参りますが、二十二年に補償制度を実施いたしましたときに、まだ被害率と掛金率が未来一致すべきものである、という観念が十分徹底いたしませんで、同じ県の中でも一番高いものと低いものとの開きが、大体平均いたしまして一対一・五くらいの開きにしか、現在のところはなつていないわけであります。一対二くらいで、二・五くらいが一番高いところであります。それが今度の料率改訂におきましては、県内の開きを少くとも一対五くらいの開きにいたしたい。そういたしますと、非常に被害の低いところでは低い掛金率になりますし、また高いところでは相当高い掛金を出していただくということになると思います。それが徹底しておりませんので、低被害のところから非常な不満が出て参りまして、その不満が形をかえて、今いつたようなお話になるのじやないかと考えております。

佐久間徹自由党

○佐久間委員 御説明に従いますと、やつぱり保險料の高低によつて多少そこに不平があるということでありますが、そればかりではなく、先ほども私が申しました通り、軽微な——軽微といつては語弊があるかもしれませんが、キテイ台風であるとか、そういつた一律大被害といつたような場合は、割合に調査が早く行われ、しかも補填が敏速になされて行く。ところがそれより割合に害虫をこうむつたとか、あるいは多少の冠水があつたとかいうような、部分的のものに対する調査が、うまく行かないというようなこと全言われておるので、その点をひとつ十分考えてやらないと、だんだん農家が懐疑の気持になつて、離れて行きはしないかということを、私は非常に心配するのです。そこでその組織がどうもうまく行つていないのじやないかというようなことも、考えざるを得ないのです。たとえば甲の部落の調査と乙の部落の調査と、それに対する調査にいろいろの情実もあり、いろいろのことを勘案してでしよう、相当の開きがここに出て来るのであつて、その点に政治的の——いなかの人ですから、われわれの言う政治的ではなく、あの人たちは、やはりそういつたテクニックがあるのじやないかといつたようなことまで言つておるように、私は聞いておるのであります。どうもこの組織、たとえば現に調査員というものがあつて、その調査員の目をもつて、一律一体にこの調査をして行くということになると、割合に公平を期することができると思います。ところが部落々々に調査員がおるとか、あるいは郡單位の調査員がやつて行くというようなことになると、視野が非常に狭いものですから、そこで公平を期し得ないというようなこともあり得るだろうと思う。そういう点には将来改善する余地が十分あると思うが、それらの点はどういうお考えを持つておられるか。

久宗高農林省農政局農業保険課長

○久宗説明員 ただいまのお尋ねでございますが、評価が適正に行われるかどうかということが、むしろこの制度の生命ともいえる問題でございますので、私どももこの点に特に重点を置いて考えて参りたいと思つております。具体的に申しますと、昨年の閣議で連合会不足金が問題になりました際も、現在ではこれは第三者評価という形には完全になつておりませんので、そういう問題も含めまして作報の組織と十分な連繋のとれるようなことを考えてほしいということが、出ておるわけであります。ただ現在の引受は一筆單位になつておりますので、その点で作報との直接の結びつきが、なかなかつけにくいというふうに考えられます。そこで将来そういうような客観的な評価の機関と、どう結びつけて行くかということが課題でございまして、同時に私ども現在の研究問題といたしましては、今度の国会にも一筆單位の従来の引受を、農家單位にかえて行く実験法の法案を出す予定になつておりますが、その実験の過程を通じまして、この評価を客観的にして行く問題を、特に研究してみたいと思つております。  さらに申し添えますと、この評価の問題について、特にこれを強化する意味におきまして、本年度から各県に五名ほど、専任の職員を置いていただけるような準備ができておるのでございます。

佐久間徹自由党

○佐久間委員 ただいまの御答弁によりまして、各県に専任を置いて公平を期して行くということ、これはけつこうなことであります。要するにこの共済制度というものは、多くの人を入れるということが根本の原則でございまして、私の考えるところによると、これに加入しておる農家の者は八〇%くらいと記憶しておりますが、あるいはだんだん減じて、今日ではそれ以下になつておるのじやないかというように思うのでありまして、資格ある者は一〇〇%これに喜んで入るようにしてもらわないと、だんだん赤字が多くなつて行くわけであります。できるだけ取込む方法には、まだ組織の面において相手が農家の方ですから、非常にこまかい計数の念もあるいはお持ちにならない場合もあるだろうから、そういう点を公平に、安心してまかせるような指導者を持つというようなぐあいに、やつてほしいと思うのであります。それはまあそれといたしまして、いろいろこういう問題についてのわれわれの意見もあるのでして、この大蔵委員会といたしましても、将来随時国家の費用をもつて農家の生産の一助にして行ごう、こういうわけであります。ところが、農林省がどういうお考えでおられるか、われわれはわかりませんけれども、もう少しこの委員会を重視せられて、資料等も十分出し、説明もし、納得の行くように理解させて行くというような方法をとつてもらわないと、せつかく協力しようというわれわれの気持がそこなわれる場合が、多分にあると私は思うのであります。農業政策の一環といたしまして、これは重要なものでありますし、将来いろいろな面から、大蔵関係の予算的措置を必要とする場合が出て来るだろう、この点を考えておいてほしいと思うのです。悪い言葉でいえば、大蔵委員会を軽視するきらいがある、こうでも言いたいところですが、そんなことはとにかくといたしまして、前もつてよく理解の行くように話して行くということが、事を円滑に運んで行く上において好ましいことだと私は思つております。なお、たとえば最初の階段である農業共済組合、その次の連合会、あるいは政府、この三者が三位一体の形でやつて行くわけでありますが、その比率等はおのずからはつきりしておるわけであり、またその受持つべき経費というようなことも、おそらくはつきりしておると私は思つております。これらをこまかく砕いてお聞きするわけではございませんけれども、あるいはその比率の経費の度合いを越えて行く場合も、想像されるわけであります。本問題と関連があるわけではございますけれども、本筋ではございませんので、そこまでは私は聞く気持はございません。ただ最後に、この制度は世界にまれな制度であつて、日本の農業経営に対して、その健全な経営に大きな役割を演じておる特異の一つの制度だということを、私は承知しておるわけでございますから、あくまで国家もこれを育成して行かなければならぬし、また組合員それ自体も自覚して、これを立てて行かなければいけない、こういうぐあいに考えておるわけです。従つて、その経営面におきましては、できるだけ経費を節約いたして、これ以上国家に負担をかけないように、指導する人も、また組合員それ自体も考えて行くべき筋だと思う。そういう観点から申しまして農林当局、いわゆる政府といたしましては、この料率の算定ということ、それから被害に対する補償ということ、こういう重大問題を常に勘案いたしまして、深く研究をいたされて行かなければならないことだと考えるわけであります。資料を今いただいたばかりで、私どももまだ十分拝見しておりませんから、なお質問したいことがたくさんあるのですけれども、ほかに質問される方も殺到しているような際でありますから、概念の一端だけをお聞きいたしまして私の質問を終りたいと存じます。いずれまた機会を改めましてまた研究の上お尋ねしたいと思つております。

久宗高農林省農政局農業保険課長

○久宗説明員 本日かかつておりますのは、二十五年度の歳入不足の補填の問題でございますが、これと関連いたしまして後日特別会計法そのものの改正がかかるわけでございます。また法案といたしましては、そのほかに、先ほど申しました農業災害補償制度の一部改正、それから農家單位にかえて行く実験の法案、それからさらに連合会段階の不足金に対応する基金の法案がございます。これが今度の国会に全部かかることになりますので、それと関連いたしまして、制度全般の運用につきましては、さらに農政局長なり、政府委員の方から御答弁申し上げることになると思います。

佐藤重遠自由党

○佐藤委員長 夏堀源三郎君。

夏堀源三郎自由党

○夏堀委員 本法案の内容の詳しいことを私はまだ承つておりませんので、見当はずれの質問になるかもしれませんが、共済組合の負担金の不足を一般会計から補填する、こういう意味であろうと存じますが、そうでございましようか。

久宗高農林省農政局農業保険課長

○久宗説明員 共済制度そのものが、負担区分が三つにわかれておりまして、共済組合自身でやるものと、それから連合会でやるものと、国が再保險するものとわかれておるのでございます。ここにかかつておりますのは、その国で負担する部分の特別会計の問題でございますので、負担の区分がそれぞれ違うわけであります。

夏堀源三郎自由党

○夏堀委員 そうすると、組合の負担金というものは、この前第十一国会でありましたか、私が大蔵委員長のときでありましたが、二十億の組合の負担金の不足金を、預金部から農林中央金庫を通じて一時間に合せて行こう、こういうような大臣からの答弁にあずかつたことがあります。そのときに、三億円の利息の補給も私から要望したことがありましたが、それは立てかえということにしたい、こういうような答弁にあずかつたと考えております。その後この問題はどういうことになつておりますか、お伺いいたしたいと思います。

久宗高農林省農政局農業保険課長

○久宗説明員 ただいまのお尋ねの二十億は、国の関係ではなしに、連合会の段階に出ました不足金の処理の問題であります。二十五年度末に約二十億ほど不足金が出まして、これにつきましては、先ほどちよつと言いましたように、閣議の問題にまでなり、結局融資をおつけいただきまして、そうして利子は補正予算で利子補給がついたわけであります。それからお借りした二十億の方は、これは二十六年度の保險料をやや前借りするというような形になるわけですが、その返済はすでに大部分済んでいるわけであります。若干の連合会におきまして保險料收入ではこれがお返しできなくて、将来に持ち越されている問題がございます。利子の方は、今申しましたように、最初利子を貸し付けるといつたような考え方もあつたようでありますが、結果におきましては、補正予算において国が利子補給をするという形をとつたのであります。

夏堀源三郎自由党

○夏堀委員 補正予算でたしか二十五億の積立てがあつたはずでありますが、そのうちから三億の補給をしたということになつたのでありますか。

久宗高農林省農政局農業保険課長

○久宗説明員 今のお尋ねの二十五億という方は、これは国の特別会計の基金でございます。つまり補償制度が三段階にわかれておりまして、一番末端の組合でやる共済関係と、それから連合会がいたします保險の関係と、それから連合会と国との間に生じます再保險の関係、こう三つにわかれて行われておりますので、今お尋ねの二十五億という方の金は、国の特別会計で再保險料の支払いに充てますための運転資金と申しますか、そういう意味で、二十六年度に二十五億の基金を設定していただいたわけです。それから先ほど問題になりました二十億の不足金と申しますのは、国の段階ではなくて、連合会の支払い基金の中で、たまたま災害が累積いたしましたために、二十五年度末において二十億円の支拂い不足金が生じたわけであります。これはもちろん長期には将来均衡するという問題でございますが、とりあえずその支拂いに困りますので、二十六年度におきましてはそれを融資でまかなつたわけであります。しかしながらそれについては、ちようど国の特別会計に二十五億の基金を設定していただいたのと同様な考え方で、二十七年度から国から十五億出していただきまして、それから農民の方から約十五億出資いたしまして、約三十億の基金を設定しよう。これは今法案としてこれから出るような形になるわけであります。

夏堀源三郎自由党

○夏堀委員 私のお伺いしたいことは、三億円の利息が立てかえとなつておるのか、補填したのか。利息の補給をするようにということを要望しておつたのですが、そのときの大蔵大臣の答弁は、二十五億のうちから一時立てかえをしておこうかなというような気分に受取れたのですが、その経過はどうなつておるか、伺いたいのです。

久宗高農林省農政局農業保険課長

○久宗説明員 これは補正予算におきまして、一般会計から補填をしていただいたわけであります。

夏堀源三郎自由党

○夏堀委員 それではこの共済組合の対象となるものは何でしようか。主食ということになつておりましようか。その点の内容をひとつ御説明願いたいと思います。

久宗高農林省農政局農業保険課長

○久宗説明員 農作物関係で対象になりますものは水稻と陸稻と麦であります。その他の作物はこの中には入つておらないわけであります。

夏堀源三郎自由党

○夏堀委員 そこでお伺いしたいことは、私は青森県ですが、昨年りんごがたいへんに不作であつたということで、農民が騒いでおりました。これは農村経済に及ぼす影響が非常に大きいので、これをこの共済の対象とすることがもしできることであれば、この機会に何とかこれを取上げたらばどうだろうかと私は考えておりますが、この点についての御所見を伺いたい。

久宗高農林省農政局農業保険課長

○久宗説明員 そういう地方的な特殊作物で、その地方においては実は相当大きな重要性を持つというものについて、そういうような御希望が多々あるわけであります。それでこの制度といたしましては、強制してやる保險と任意共済というのとわけておりまして、今のような特殊作物につきましては任意共済という制度がございます。これにつきましては、各地方の特殊作物につきまして、組合が任意にそういう共済関係をつくりたいという場合に、連合会の承認を受けまして、連合会との関係において任意共済という制度がつくれるわけでございます。ただこのものにつきましては、強制的に加入するというような制度はとれませんので、任意共済という形をとつて実施しておるわけであります。ただそういう形で任意共済になつておりますので、国が再保險関係に立つとか、負担するといつたような問題は、この部分についてはないわけでございます。ただ今のお尋ねのりんごの問題につきましては、おそらくそういう特殊作物を任意共済にいたします場合に、共通の問題でありますが、過去の被害率がどうであるとか、その危險の分散の可能性がどうであるといつたような問題が、非常にむずかしい問題でございまして、相当愼重にやる必要があると考えられます。

夏堀源三郎自由党

○夏堀委員 任意共済ということになればいいということですが、これは一県でもその産額は百億円ということになつておりまして、これは農村経済に及ぼす影響が非常に大きい。一県に百億円という産額ですから、これはたいへんなものであります。今の御趣旨はわかりましたが、そうするとそれは県ごとの組合をつくることがよろしいのか。あるいはまた長野とか岩手とか、りんごの生産県がありますが、こういうものが全部参加しなければならないということであるのか。もう一つは、国がこれに対して全然かまわないといつたら、その共済組合は非常に弱体なものであります。弱体なものにそれを組織しろといつてもどうにもなりません。やはりそういうところも考える余地はないのかどうか。この点をお伺いいたします。

久宗高農林省農政局農業保険課長

○久宗説明員 保險という点から考えますと、その規模が小さければ当然困るわけでございまして、大きければ大きいほど危險も分散されますし、いいわけであります。ただ現行の制度におきましては、一応県内の問題として処理できないような形になつておりますので、これが今後の研究問題になつておるわけでございます。特に特殊の作物をいろいろ取扱います場合に、その県限りで保險のプールをつくりましても、むろん不可能ではございませんが、非常に被害率も高いことになると考えられますので、掛金その他も相当高額にとらなければ、要するにプールが小さいために保險としての合理性が貫けない。従つてそういう問題につきまして、このような県單位にしかできないという問題については、さらに進んだ検討が必要であろうと考えております。

佐藤重遠自由党

○佐藤委員長 奧村又十郎君。

奧村又十郎自由党

○奧村委員 私はおとといに引続いて、農林漁業特別会計についてお尋ねいたしたいと思います。特に銀行局長にお尋ねいたしますが、この農林漁業資金融通特別会計によつて、この年度末には累計で三百二十億の政府資金が流されるのでありますが、一体農林漁業特別会計というものは、金融機関であるかどうかということから、ひとつきわめて行かぬといけないと思う。今の特別会計というのは、はなはだ中途半端な制度であつて、これが今後恒常的に行われるとするならば、もうここらで制度としてもはつきりしたものを、つくつて行かなければならぬと思うのであります。おととい農林金融課長にお尋ねしたのでありますが、今度はひとつ、金融機関であるとするならば、銀行局長の意見をお尋ねしておかなければならぬと思うのです。一体政府資金を流す金融機関としては、国民金融公庫、住宅金融公庫あるいは開発銀行あるいは輸出入銀行、こういうふうにあつて、これらはそれぞれ独立の機関として総裁その他の責任者ができておるのでありますが、この特別会計においてはそういう責任者はできていない。政府資金を金融するについて、こういう特別会計の状態の機関というのは、ほかに開拓者資金融通法がありますけれども、これはごく微々たるもので、特に農林特融だけがこういう形態であります。そこで貸付の最後の決定は農林大臣が行うことになつておりますが、それまでの調査及びすべての事務は、農林中央金庫あるいはその他の受託機関がこれを行う。なお償還その他回收はこれまたすべて受託機関が行う。従つて金融機関としての一切の管理は受託機関が行う。そういたしますと、特別会計というものはただ最後の決定をするという意味で、それなら責任はどこにあるかというと、農林大臣にあるには間違いないが、二割は受託機関が負う。その二割は受託機関の責任という二とにつれて受託機関がいろいろな責任を負うて来るというわけであります。どうもそこの責任の所在がはつきりいたしませんので、こういうふうなものはどちらが金融機関かということになるのですが、これもお尋ねすれば禪問答のようなことで切りがありません。とにかくこういう責任の所在が明らかでないような金融機関、たとい政府資金とはいえ、こういう制度がこれでいいものであるかどうか。これをひとつ金融機関としてそれを監督する銀行局長の立場から、御意見を承つておきたいと思います。

河野通一大蔵事務官(銀行局長)

○河野(通)政府委員 お答え申し上げます。この特別会計が金融機関であるかないかという点につきましては、金融機関に別にはつきりした定義があるわけではございませんので、なかなかむずかしいと思いますが、一種の資金融通の会計であります点から、やはり金融を取扱つておるものと考えていいと思います。こういう種類の例は、今お話のありました開拓者資金融通もありますが、そのほかに見返り資金の特別会計の制度が、実はこの制度になつております。これは事実上は日本銀行で事務を取扱つております。それからある種のものにつきましては、市中銀行とパーテイシペートしている、こういうやり方で、大体農林漁業金融と同じような行き方になつておると思います。相手が受託機関といいますか、取扱い機関が一方は日本銀行という機関であり、農林漁業の場合には農林中金及び市中銀行ということになつておりますので、若干そこの性格は違うかと思います。大体におきまして、見返資金特別会計自体は形式的な帳簿を扱つており、実際の運用その他は結局日本銀行で取扱う、こういう仕組みに相なつておるわけであります。こういう仕組みがいいか悪いかという点につきましては、いろいろ御意見があると思いますが、このためにたとえば開発銀行でありますとか、輸出銀行でありますとかいうような特別な機関をつくり、総裁、副総裁というものを置いて相当スタッフをそろえて行くのも、一つの考え方でありますし、責任もはつきりする長所は確かにあると思います。しかし他面そういう大きな機構をつくつていろいろ経費を使つて行くよりも、銀行なり農林中央金庫なりという機能を十二分に活用しながら、かつそれにも応分の責任を負担させるごとによつて、それらが非常に不適当な運営方針をとることのないように、常時責任と監督をあわせてやつて行くというのも、一つのやり方だと思います。必ずしもこういう制度が全然適当でないというふうには、私は考えておりません。ただお話のように農林大臣なら農林大臣の立場というものが、ややもすれば形式的に流れるおそれはあるわけであります。責任のありかがはつきりしないという点に関する限りにおきましては、お話のように言えるかと思います。これはやはりそれぞれ金融の性質に応じて、こういうふうなやり方も考えられることであろうというふうに考えますので、必ずしも私は全体的に考えて、不適当という結論は出ないと考えます。

奧村又十郎自由党

○奧村委員 実はこれは相当時間がかかるので、十分なお尋ねはできぬのでありますが、この問題は昨年もかなり深く議論がなされたのであります。たとえて申しますと、農林中央金庫あるいはその他の金融機関に、受託機関として一切の事務をやらしておる。そこで審査などを行う場合に、いろいろな手違いが起つたりあるいは重大な欠陥があつたりということで、それでは償還ができないというふうなことになつた場合の責任は、どこに置くべきかという責任の所在が、実際は明らかになつて来ないのであります。そういうふうな金融機関というものは、これはあるべきものではないというふうに思うのであります。これはどうもただいまそこまで掘り下げて行くほどの時間がありませんのでやめますが、ともかく今のような状態で、これを放置しておくべきじやないと思うのであります。それで別の角度から申しますと、農林漁業の長期資金を流すのに、この農林漁業の特融の資金のほかに、農林中央金庫から農林債券——これは資金運用部その他からその資金を流しておりますが、この農林債券によるところの農林中金の長期融資、それからこの特融による長期融資の二本になつておるわけです。ところがこの政府資金の長期融資というものは、政府の一般会計からの繰入れ資金については、一厘も利子がかかつておりませんから非常に安い。しかも借入れの手続その他においてかなり放漫に流れやすい。一方農林中金の農林債券によるところの長期融資というものは、これは債券発行の経費あるいは利息その他を計算すると、おそらく相当高い利子と経費がつく。そうすると一方は農業倉庫などのように年四分、しかも十五年ないし二十年の長期低利資金を流し、一方農林中金はかなり高い利子をもつて流すというふうになりますが、同じ金融においてそれほど開きをつけるということは、農林金融において将来非常にさしつかえになるのではないか、こういう不安を持ちますが、その点いかがですか。

河野通一大蔵事務官(銀行局長)

○河野(通)政府委員 ただいまの点は私どもはこういうふうに考えております。農林漁業特別会計によりまして、政府が今お話のように安い資金、一部は利子のつかない資金を出し、他の部分につきましても資金運用部から、一般の資金よりも安い金利で出す。こう  いうことをいたしますゆえんは、農林漁業金融というものの特殊性にかんがみましてできるだけ低利の資金、しかも長期のものを供給して行かなければならぬという、一つの政策上の要請に基いておるものだと思います。一方でそこまでの低利とかいろいろな特別の措置をとらなくても、一般の金利水準で運用される資金でもつて、それがつぎ込まれるごとによつて、経営がうまく行くという部面も、農林漁業の中にあると思う。それらの点については一般の金融機関並に、たとえば今お話のように農林中央金庫にいたしますれば、一般のほかの債券発行銀行と、大体同じような條件のもとにおける債券資金をもとにした運営によつて、従つて農林漁業特別会計の運用よりも相当利子が高いわけでありますが、これらの資金を調達することによつて、農林漁業の金融の円滑化に資するという面があるわけであります。これらもできるだけ安いに越したことはないのでありますけれども、政府はそういつた特別の援助を與えなくても、一般のベースによつて資金が供給されることによつて、金融上やはり非常に資するところがあるという部面も、確かにあると思う。それらの部面におきましては、今お話のような普通の債券資金なり、あるいは預金を吸收した金でもつて運用して行く、そういつた部面があつてさしつかえないじやないか。そこが具体的な問題といたしましては、安い金を出すのと、一般の金利ベースによつて供給をいたしますものとの境と申しますか、区切りはなかなか具体的にはむずかしい問題だと思います。ごく抽象的なお話を申し上げて恐縮でありますが、そういつた考え方もできるわけであります。かように考えておるわけであります。

奧村又十郎自由党

○奧村委員 私ももう少し勉強しておかなければ、どうもお尋ねが抽象的になりますので、これはやめておきます。  農林金融課長にお尋ねいたしますが、昨日佐久間委員のお尋ねで、農業手形の利用状況に対する資料をいただきましたが、農林中央金庫において取扱いました農業手形の資金分量と、それから農林中金以外の金融機関で扱つた資金量と、大体どんな比率になつておりますか。どうも農業手形は非常に低利であつて、金融機関としてはあまりもうからないというので、普通一般金融機関は、あまり歓迎していないということを聞いておるのでありますが、その分量の比率をお尋ねいたしておきます。

林田悠紀夫農林事務官(大臣官房農林金融課長)

○林田説明員 農林中央金庫とほかの銀行との取扱い区分でございまするが、正確にパーセンテージを記憶いたしておりませんが、農林中央金庫が大体九割くらいを占めております。ほかの銀行につきましては、これがあまり有利でないというようなことで、あまり取扱つておりませんので、今後におきましてはできるだけこれを取扱つていただくように、指導して行きたいと思つております。

奧村又十郎自由党

○奧村委員 銀行局長にお尋ねいたしますが、この農業手形に対する日本銀行の取扱いは、利率の差において、たとえばほかの商業手形などとの取扱いにおいて、どの程度の差別をつけておりますか。

河野通一大蔵事務官(銀行局長)

○河野(通)政府委員 ちよつと今手元に数字を持つておりませんが、一般の融通手形並にやつております。しかし商業手形より若干高くなりますが、かれこれ一銭八厘で割引いております。

奧村又十郎自由党

○奧村委員 そこで日銀が操作する場合において、農業手形を農林中金が取扱う場合に、まず農林中央金庫の余裕金でもつて農業手形を消化させて、余裕金がいよいよ切れた場合に始めて日銀がめんどうを見る、こういうことをやつている模様であります。そうしますと特別に安い利子の農業手形に、農林中金の余裕金を運用させる、農林中央金庫だけは金融機関としては特別安い面の資金を運用する、こういう不利な面に立たされると思うのでありますが、この点銀行局長はどうお考えになつておりますか。

河野通一大蔵事務官(銀行局長)

○河野(通)政府委員 今お話の第一点の、日本銀行が資金を供給いたします場合には、その当該金融機関の資金がきゆうくつになつて来て、要するにしりをまかないきれない場合に、日本銀行が見るということは、これは中央銀行として当然の職責と申しますか、任務であると思います。従いまして、資金が余つておるにかかわらず、日本銀行が資金を供給するということは、原則としていたすべきでないと考えております。  それから第二点の農業手形の金利が一般の手形に比べて安い、利子が安いことはお話の通りであります。ところがこの点につきましては、結局農林金融というものの特殊の立場から、できるだけ安い金利、しかもそれも極端に安いということはできませんけれども、まかなえる限り安い金利を提供して行くことが、農民に対して有利であるという建前から、御承知のように農林金融については、三段階の段階があるわけであります。この段階ごとに利ざやをとりまするが、その利ざやの割合というものは、実は非常に狭くなつておるわけであります。従いましてその農林金融——農民の方々に対する農業手形を通じての金融のレートをある程度上げるならば、これは農林中金としても相当高い割引率をとれるわけであります。その点が結局農林金融としてできるだけ安い金利を提供しなければならぬということになりますと、どうしてもその間において、今お話のようなことが起つて参るわけであります。これは農林中央金庫としての特殊の使命から、当然そういうことに相なるわけではないかと思うのであります。従つて問題はさらに根本にさかのぼつてみますれば、農林系統金融機関の段階性の問題——個々の三段階になつておりますものが、それぞれさやをとつて行かなければならぬという、一つの段階性の問題にさかのぼつて議論をされる余地があると思う。その点につきましては、なかなかいろいろな観点からむずかしい問題がありますので、今ここで結論的な意見を申し上げることは、差控えさしていただきたいと思います。

奧村又十郎自由党

○奧村委員 そこで問題が一つあると思う。農林中央金庫及びその傘下にあるところの各府県における信連、これらは農林金融を担当しておるために、特に安い利子の金を運用しておる。また農業手形については非常に利ざやが薄い。そこでそういう安い方面に金を運用しておる農林金融機関として、当然の使命であるといえばそれきりでありますが、そこでこの金詰まりの際に、また金利の高い際に、そういう系統金融機関からどんどんほかの方面へ金が流れようとしている。たとえば單位農業協同組合の金が信連に集まらずして、まずほかの銀行その他の金融機関に流れる。そうすると農林金融の系統機関の組織がだんだんくずれて行くということになる。その点について何か政府の方で対策がなければならぬ。それを何かお考えになつておりますか。これは銀行局長か農林金融課長にお尋ねいたしたい。

河野通一大蔵事務官(銀行局長)

○河野(通)政府委員 お話の点はなかなか困難な問題でございます。よく市中の普通銀行が、正規の金利以外の特別の裏利息と申しますか、そういつた特別の利息を出して、不当な競争によつて農協系統機関からの資金を吸收しておる、というふうなうわさをたびたび聞いていますので、いろいろ事実について調査をいたしましたが、一、二そういう事例を私どもとしても確認をいたしたところであります。これらはもちろん市中の一般銀行としてやるべきことでありませんので、かねがね厳重にそういつた特別利子を出すということは、禁止をいたして参つております。注意はいたしておりますが、まだあるいは根絶するまでに至つておらぬという実情があるかと思います。これは当然そういうことはやめさせるように、極力今後指導して参りたい。銀行等の本来の金融機関は、やはり自分で預金を集めて行くのが本旨でありまして、そういつた人の集めた金を、やみ利息的なものを出して横へ流して行くということは、やるべきでないことは当然であります。今後御指摘のありました点については、さらに一層嚴重なる監督を加えて参りたい、かように考えます。

奧村又十郎自由党

○奧村委員 農林金融課長にお尋ねいたしますが、今銀行局長にお尋ねいたしましたように、農林の系統金融機関、農林中央金庫及び県の信連及び單位協同組合、これらの農林関係の系統金融機関は、農業手形を初めとしてすべて利の農業金融を担当している。従つて今日金利の高い際には、こういう系統金融機関から、どうも高い利息のほかの商工業方面へ金が流れやすい。現実にどんどん流れている。これでは系統金融機関の使命が、だんだん達成できないことになる。これは政府としてこれの対策がなければならぬと思いますが、何かお考えになつておりますか。これはどうにもやむを得ないと放置して行かれるか。どうお考えになつておられますか。

林田悠紀夫農林事務官(大臣官房農林金融課長)

○林田説明員 ただいま仰せになりましたように、最近におきまして信用金庫がどんどん農村の方へも進出いたしまするとか、あるいは郵便貯金の利率も上つて行くというふうなことで、だんだんほかへ流れる分量が多くなるということを、非常に憂えておるのでございます。しかしこの問題は、翻つてみますると、やはり協同組合としてのいわゆる使命を、もつと農民一般に認識させて行くということが必要でありまするとともに、協同組合の経営者がもつとりつぱになつて行くということが、必要であると思われまして、それで現在農民の心理を考えてみますると、この協同組合の経営者がおもしろくないということで、郵便貯金ならば信用がある、あるいは信用金庫がりつぱな店舗を持つておりますと、その方が信用があるというふうなことで、その方へ預けるということが非常に多いのであります。あるいはまた協同組合が、いよいよこれから米麦等の統制の問題なんかとも関連いたしまして、自分で共販態勢を整えて行かなければならぬというふうなことになりますと、できるだけ自分たちの金を集めて、その金で買い上げ、あるいは売つて行くというふうなことも、必要になつて来るわけでありまして、私たちの方では、やはり協同組合をもつと充実させて行くということを、第一の運動として取上げたいというふうに思います。

奧村又十郎自由党

○奧村委員 最後にお尋ねいたしますが、ただいまお配りいただいた昭和二十六年度の農林漁業資金貸付の進捗状況を見ますと、農業の土地改良の資金、特に補助事業の融資のわくが二十九億五千四百万円あるところに、貸付決定が二月一ぱいでようやく十億に達している。わくでもつて約十九億まだ残つております。この土地改良の補助事業の十九億だけがおもに残つておるが、これはなぜこれだけが出なかつたか、こういう点をお尋ねしておきます。

林田悠紀夫農林事務官(大臣官房農林金融課長)

○林田説明員 土地改良のわくの問題でございますが、これは御承知のように積雪寒冷單作地帶の補助金というのが、この一月以降の予算においてついたのでございます。それが十五億あるのでございまして、一—三月に支出されて行くことになつておるのであります。それで政府の方では、一月中に大体その補助金の地区——どこが補助されるかを決定いたしまして、しかる後に自己負担分の融資をやつて行くということになりまして、私たちの方ではできるだけ早く貸して行きたいということを考えておるのでございますが、その補助の決定が遅れましたがために現在遅れておるのであります。もうすでにこの決定も終りまして、農林中金の方へどんどん上つて来ておりますから、三月中には支出が完了することと考えております。

佐藤重遠自由党

○佐藤委員長 本日はこれにて散会いたします。次会は明八日午前十時より開会いたします。     午後零時四十三分散会

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