大蔵委員会 第18号
- 発言数
- 76 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1952/02/21
会議録
○佐藤委員長 これより会議を開きます。 前会に引続き所得税法の一部を改正する法律案外三税制改正案に対する質疑を続行いたします。質疑は通告順によつてこれを許します。淺香忠雄君。
○淺香委員 甲田さんにお伺いしたいのですが、非常に最近物品税の脱税が多いと私どもは聞いておるのですが、二十五年度における脱税の件数あるいは金額、また二十六年におけるところの脱税の金額、件数などがわかれば一応承りたいと思います。
○平田政府委員 脱税が最近特に多いというような御質問でございますが、その点はむしろ終戦直後から昭和二十三、四年ごろまでが特にはげしくてその後におきましては漸次改善されつつある。ことに昭和二十五年の税制改正以後におきましては、税の負担の合理化ができましたのと、それから統制の撤廃によりまして、経済取引が漸次自由になつた等の関係からいたしまして、悪質の脱税というものは最近よほど減少しておるように見ております。ただ、もちろんありますことは御指摘の通りでございまして今査察官を中心にいたしまして、主として脱税の調査摘発に当ることになつておりますが、その事績を若干申し上げますれば、査察官が調べました件数とその結果ふえた額を申し上げますと、昭和二十三年度が千三百五十三件調べて四十億一千八百万円、二十四年度は千五百八十一件調べまして増差税額が五十一億七千六百万円、昭和二十五年度は九百九件調べまして三十四億七千八百万円、二十六年度は十一月までの実績でございますが、二百七件調べまして十二億八千九百万円、大体こういう概況になつております。そのうち告発しました件数は、昭和二十三年度は査察を新しく設けましたのが年度の途中になつておりますので、七十二件、二十四年度が百三十四件、二十五年度が七十六件、二十六年度は三十八件という状態になつております。繰返して申しますが、昭和二十五年度の税制改正で、ことに会社関係の税金等の合理化がよほど行われましたので、会社も非常に危險を冒して脱税をする必要と申しますか、そういうことが少くなつたのと、それからもう一つは、先般も申し上げましたが、会社の責任者に対しまして相当重い責任を負わせることにいたしまして、脱税のことは自分は知らぬというようなことを、幹部の人が言えないような組織に今なつておりますので、最近はよほど愼重に構えております。悪質の脱税は漸次減つて来ておると私どもは見ておる次第であります。
○淺香委員 的確な資料に基いたのではないのですが、私が知り得る範囲におきましては、二十六年度は前年度の三倍の脱税額になつておると聞いたのでありますが、しかし今の御答弁によりますと、それとは反対だんだん改善されているというお話でありまして、この言を信じまして私も非常に安心いたしました。今後物品税は漸次全勝の方針に持つて行つた方が望ましいのではないかと、平素私は考えている一人でありますが、たとえば化粧品のようなものをぜいたく品だという戦時甲の考え方は、今日だんだんと改めて行かなければならぬのじやないかと考えるのですが、平田さんはどういうお考えでしようか。
○平田政府委員 今申し上げましたのは、脱税犯の全体に関する傾向を申し上げた次第でございます。物品税につきましても、御承知の通り税率を大分引下げましたし、また課税から除外いたして参りましたので、前と比べますと、やはり物品税の実施の状況は、よほどよくなりつつあると見ておる次第でございます。それから物品税を一体今後どうするかという問題でございますが、これはいつも議論しておりまするように、結局ある程度間接税に依存せざるを得ないという考え方をとるといたしますれば、物品税も間接税としましてはやはり存置せざるを得ない。たとえば化粧品等の場合におきましても、戦時中に比べますと税率は現在よほど引下つております。今化粧品は大体三割と一割と両方の課税になつておりますが、大部分の課税はむしろ一割の課税でありまして、これは戦時中はたしか一番高いときには五割くらいの課税をいたしていたかと思いますが、よほど軽減いたしております。やはり間接税にある程度依存した方がいいということになりますと、物品税というのは一つの考え方ではないか。イギリスでは日本の物品税よりももつと高率の物品税を、現在もなお引続き課税いたしております。アメリカにおきましても、戦時中設けた物品税を一時少し軽減しましたが、また再び昨年度から増税をいたしておりまして日本の物品税に類する課税をやはり行つておるのでございます。この物品税をやめてしまうということは、将来財政事情がさらにゆるやかになるということでありますれば、これも一つのお考え方かと思いますが、最近の事情並びに今後の見通し等からいたしまして、にわかに物品税をやめてしまうということは、なかなか困難ではなかろうかと考えておる次第であります。
○淺香委員 私はたまたま特定の化粧品をさしましたが、決して特定の品に限つて言うた意味ではなく、たとえばこういう化粧品のようなものに、戦時中のような考え方で課税して行くことはどうかという意味でありますので、その点お間違いないようにしていただきたいことと、同時に将来国民の必需品ははずして行く、逆にぜいたく品とみなされるものについては、相当高率課税で臨まなければならぬのではないか。この考え方に対しまして局長はどうお考えでありましようか。
○平田政府委員 大体基本的な考え方としましては、私どももそのように考えておりまして、間接税におきましては、なるべく奢侈品に重課する、必需品にはできるだけ課税しないという考えでいるのでございますが、必需品と申しましても実は程度の差が非常にある。奢侈品と申しましても程度の差が非常にありまして、一体何を必需品と見るかということに非常に問題があるのであります。たとえばお米とかみそ、しようゆとかいうものは、いかなる見地から行きましても必需品の最たるものであつて、そういうものに間接税をかけるということは、私はやはりいかなる場合といえども適当でないと考えますが、その他いろいろの品物について考えますと、実は非常に段階的になつております。従いまして現在の物品税も、奢侈性の一番濃厚なものにつきましては、一番高い五割の課税をしておりまして、漸次必需品的な性質が強くなるに従いまして、税率を低くしている。今申し上げましたように、いかなる見地からいつても必需品と考えられるようなものは、これは課税しない、こういう考え方で現在の物品税を組み立てておる。たとえばラジオのごときについても、しよつちゆう議論があるのでございますが、ラジオのようなものは必需品じやないかという議論と、やはり若干の負担はしてもよろしいという二つの議論が常にあります。化粧品についても香水等は問題なく課税してもいい、しかしクリームなんかになりますと、必需品じやないかという議論がございますが、その辺はやはり人によりまして消費の程度が大分違うのです。化粧品なんかにつきましても、必ずしも全部必需品とは言えない。非常に段階的のものでございますので、その辺もお考え願いまして課税上妥当な結論を下すことにしたらどうか。私ども基本はやはり今お話のような考え方からいたしておるのでございますが、そのときの情勢、財政上の必要等によりまして、税の負担等に適当な差をつけまして課税する、こういうようなことにいたしておる次第であります。
○淺香委員 旧所得税調査委員の制度の復活について伺いたいのですが、現在イギリスやドイツでは、昔日本にありましたあの所得税調査委員制度をもつて、これによつて非常にスムースに民主的に徴税が行われているということを、かねがね聞いておるのですが、これについて局長に日ごろの何か御見解があれば、一応承つてみたいと思います。
○平田政府委員 所得税の課税方式は、御承知の通り大分国によつて違つております。私も先般旅行いたしまして、その実施の状況等を見て来たのでありますが、アメリカは御承知の通り申告納税制度でありまして、民間の調査委員等の制度は全然ございません。全部納税者が申告し、それを政府の責任ある役人が調べまして、正しくないものは更正決定をする。それに異議のあるものにつきましては、内部に日本の協議団のような制度、協議官というものがありまして、それに不服のある場合は裁判所で争う、そういうようにアメリカではいたしております。これは申告納税制度をとる場合におきます一つの典型的な行き方だ。これに対しましてイギリスとドイツは若干違つておりますが、しかし両方ともある種の委員と申しますか、委員会と申しますか、そういう制度がございますことは御指摘の通りでございますが、イギリスもドイツも日本の昔の制度に近く、申告はさせますが、やはり一応政府が決定して、その決定した額に基いて納税させる、いわゆる賦課課税の制度といいますか、そういう制度を採用しております。ドイツの制度はどつちかと申しますと、調査委員会は單純な諮問機関でありまして、これは選挙によつては出ておりませんで、やはり政府任命のような組織で、ごく軽い意味のようでございますが、イギリスにおきましては、昔から伝統的に大分発達しておりまして、一種の推薦制で委員が任命されておりまして——もちろんこれは大蔵大臣の任命になつておりますが、しかし社会的に一定の順序をつけて推薦されて来たものの中から、大蔵大臣が任命して、その委員が所得の決定について法律上はやはり責任を持つている。もちろん税務署が調べまして、委員の承認を求めて決定する。しかしほとんど役所の調べ通りに行くらしい。その決定に対して不服がある場合には、やはり委員が実際に出動しましてよく調べまして妥当な決定を下すという組織になつておるようでございます。その際もイギリスのそういう制度はなかなか妙案あるように聞いておりまして、委員になる人も適任者が出ておる。必ずしも全体がそうでもないかもしれませんが、私が聞きましたところによりますと、やはりその地方で相当信望のある、信用のある人が出ておられまして、あの人の言うことならということで納税者も納得する。選任の方法に非常におもしろいところがあるように見て来たのでありますが、そういう組織になつておるようでございます。従いまして、わが国としまして一体申告納税制度をとつている場合にどういうふうにするか。私ども確かに今の制度がそのままよいとは考えていないのでありまして、将来は、例の審査の段階におきまする協議官の制度がございますが、この協議官の制度を少し改組しまして、民間の適当な人を委員の中に入つてもらうというような組織にするのも一つの考え方ではないか。そういう案も今研究いたしておりますが、しかしアメリカのような徹底した申告納税の行き方と、そういう一種の折衷的な行き方とどちらがよいか、これはなかなか問題がございますので、結論を出すのはもう少し調べてからにいたしたいと思います。なかんずくどういう方法で委員を選任すればほんとうに適任者が出て来るか、これが結局この制度のわかれ目でありまして、昔の調査委員制度は、地方においては非常にうまく運用されたと思つておりますが、大都市におきましては、遺憾ながら一部利害関係者の利益だけを代弁する機関になりまして、必ずしも有効な役目を果していなかつたのではないかというふうに考えられますし、どういうふうにすれば最も適当な委員が選任できるか、ここに一番難点がございまして、そういう問題等とも関連いたしまして、なお引続き研究してみたいと考えておる次第でございます。
○淺香委員 いろいろ研究の過程をお聞かせくだすつて、私も非常に参考になりました。いろいろ問題もあるでしようが、日本国民の心理に合致したかつての所得税調査委員制度を復活する方がよいのではないかと、私は始終考えているのでありますが、それにつきましては、局長もただいませつかく研究中との話でありますから、私どもも大いに研究いたしますが、できればすみやかに国会に提出する運びに到達できますよう、ひとつお願いしたいと思います。 いま一つは、昨年の暮れでありましたか、今度日本に帰りました南西七島の実情調査のために外務、法務、自治庁並びに大蔵関係の皆さん方が派遣されたということを聞いたのでありますが、これにつきましてもし行かれたとしたならば、どういう方面の調査をして来られたか、また主税関係におきましては、その調査をされました結果に基いて今後どういう行政の方法をおとりになるか、これを一応承つておきたいと思います。
○平田政府委員 お話の通り日本の役人を若干派遣しまして、いろいろ調査に当らせたのでございますが、大蔵省といたしましては、主として関税関係、輸入税——税関の関係がいろいろ問題に相なりますので、税関部の関係 の者を派遣しまして関税の賦課徴收、それに関連しました内国税の問題もございますが、これを中心にしまして調べに行つた次第でございます。これは今までは南西諸島のうち、例の南に若干下るあの地域が関税線の外に置かれていた。それが今度中に入るということになりますので、その他の諸島との経済交通の状況、それから関税に関する役所の配置等に関連しまして、適当な調査をいたしまして適切を期する意味で派遣したわけでございます。それ以上に何も特別の目的を持つているわけではございません。何か特別なものでございますれば、それによりましてお答えした方がいいかと思いますが、大体そういう趣旨で派遣いたした次第でございます。
○淺香委員 私はどういう意味で今質問したかと申しますと、七年ぶりになつかしい日本に復帰して来た。ところがこの南西七島の実情というものは、しばしば台風などを受けて非常に荒れ果てている。ところが今度日本に復帰することになりますと、島民は非常な喜びを感じているらしいのですが、それにつきましては、何としても最低の衣食住だけは確保させなければならない。ちよつと言葉に語弊があるかわかりませんが、結局復帰してみたけれども、何らの希望も持てない、失望を感ずるようなことがあつたとしたならば、今後まだほかの島々が復帰を希望しておられますから、これに対して非常に影響を及ぼすのではないか、こういう考えでありまして従つて先般調査に行かれましたことに基く資料があれば、ひとつお聞かせ願いたい、また今後に処する考え方なども聞かしていただきたいということが、質問の要旨であります。こういう意味合いにおきまして、ただいま局長の御答弁では、ただ関税部方面のみのお話でありましたが、私の方でも何か機会があれば、さらに御質問なり、またただいま申し上げました希望なりを申し上げますから、どうか主税局長からも関係の方へ、そういう方面のお気づきの点は御留意をいただきますことを、私からお願いにかえて御質問しました次第であります。
○佐藤委員長 武藤嘉一君。
○武藤(嘉)委員 私はきようの提案になつております所得税法のうちの法人税について局長にお伺いしたいのであります。それはこの三法律案提案の理由に書いてありまする退職給與引当金を損金に算入するという、これについての御説明をお願いしたいと思います。
○平田政府委員 退職積立金の損金算入という問題は、実は前国会の引続きといたしまして、政令を改正いたしましてすでに実行に移しております。今年の一月一日以後終了する事業年度分から、適用になる見込みでございます。その内容は、大体條件が二つございまして、一つは労働協約かあるいは就業規則で、退職金に関する規定がはつきりきまつている場合、そのきまつている額を限度にしましてそれに基いて積み立てた金額は積み立てた事業年度の損金に算入する。但し労働協約を結んであります場合におきましては、非常にはつきりいたしておりますので、額の制限を加えておりませんが、雇い主が一方的に就業規則できめている場合におきましては、雇い主の側におきましていつでも変更できるという余地がございますので、一応その期間に支拂いました給與の総額の百分の四を限度にするということにいたしております。それ以内におきまして積み立てた場合におきましては、損金に算入する、それが一つの條件。それからいま一つの條件は、これは退職金を積み立てた場合におきましては、毎期の積立金額の二割五分すなわち四分の一に相当す錢金額が、預金とか公社債、投資信託というような、換貨が容易に可能な資産の形で保有しておかなくてはならない。この二つの制限をいたしまして、それに該当する場合におきましては、現実に退職金を支拂わなくても、積み立てた事業年度の損金にする。これはもちろん青色申告者に限つておりますことは、前から申し上げておる通りでございますが、大体そのような趣旨で、すでに先般政令を公布いたしまして、実行に移しておる次第でございます。
○武藤(嘉)委員 それでお尋ねしたいのは、労働協約、言いかえてみますと——私はその辺もよくは存じないのでありますが、労働組合を結成していないところでは、この制度は絶対に認められないのか。あるいは大蔵大臣だとか税務署長などでもつて、労働組合を組織してないところでもこれは認められるものであるか。これをお伺いしたいのであります。
○平田政府委員 その点は、今申し上げましたように、就業規則をきめまして、それを届け出まして、その規則の中に退職金に関する規定を設けている場合は、認めることにいたしておる次第でございます。
○武藤(嘉)委員 もう一つお伺いしたいのですが、その就業規則を労使の間でつくるということは、特に労働組合の結成を必要とするものであるか。私の言いたいのは、労働組合は、大会社はもちろんでありますが、相当小さい会社も労働組合を結成しておる場合が多いのでありますけれども、しかし必ずしもすべての業態が労働組合を結成しているとは、限らないのでありますから、もし労働組合を結成してなくても、大蔵大臣だとかあるいは国税局などがこれを認めれば、ただいまの就業規則というようなものを労使の間で結んでおれば、いいのではないかとも思うのでありますが、この辺の御所見を伺いたいのであります。
○平田政府委員 労働基準法に基きます就業規則をつくつて、その中に退職金に関する規定を設けまして基準監督署に届け出ているという事実がございますれば、必ずしも労働組合をつくつていなくても、その限度までは認める。但しこの場合におきましては、今申しましたように、総額が当該事業年度に拂いました給與総額の百分の四を限度として認めることにいたしておる次第でございます。
○武藤(嘉)委員 もう一つお伺いしたいのは、清酒をつくつております業者に対する所得税の問題でございます。これは実は毎年々々各所で問題が起るのでありますが、簡單に申し上げますと、たとえば私どもの聞いているところでは、関東、信越あるいは東京方面は、清酒をつくつておる業者の所得税を決定なさるに際して、比較的寛大である。それに反して名古屋局あるいは大阪局の場合は非常に辛い、こういうようなことを聞いておるのであります。最近私がその業界の代表者から開いたところによりますると、たとえば三月二十二日——というのは、これは酒の値段をかえた時でございますが、三月二十二日の酒の値段をかえたのだけをとりましても、関東、信越あるいは東京国税局では、たとえば一級酒は四千七百円、二級酒は三千六百円くらいでよかろうというようなことで、大体御決定になつておる一つの標準があるように聞いておる。ところが同じような業体でありながら、名古屋局へ参りますと、およそこれよりどちらも一千円多くて、一級清酒も五千七百円でなければこの局は通さない。あるいは二級を関東、信越、東京では三千六百円であるのに四千八百円でなければいけない。これはおそらく見積りの算定の基礎が多少ば違つておるかもしれませんが、いずれにしてもこういう問題は毎年毎年起つて参りまて、そのたびごとに国税局と該地の業者との間に、いざこざあるいは陳情請願が続くのであります。そのようなことはいずれも国税局独自の立場でおやりになつているのであろうと思いまするけれども、かように国税局によつて千円も見積り單価が違うというようなことは、これは業界としてははなはだ困る問題であるのであります。負担の多い国税局管内の業者といたしましては、耐えられないことでありますが、この辺に対しましては本庁といいますか、高橋国税局長官はきようはおいでになりませんが、主税局においてはどうお考えなされておりますか。この均衡のとれていない、局ごとに差のあるような場合についてはどうお考えになつておりますか。御所見を承りたいのであります。
○平田政府委員 酒の所得を査定します場合は、昔から多年問題がありまするし、また酒造業者の内状は税務署も実はよく承知いたしておりますので、でき得る限り実態に即して妥当を期するようにという方針は、中央からたびたび言つておるのでございます。今お話の点も、それぞれ地方によりまして当然差をつける理由があるという場合は、もちちんある程度の差があるのはあたりまえだと私は思います。しかし理由なくて差をつけるというのは、これまたおかしな話でございましてそういう問題につきましては毎年問題になりますので、最近は国税庁におきましても、よほどそういう問題の統一について注意しておるかとも思いますが、なお具体的な問題でありますので、あとで国税庁が見えましたときに、お答え申し上げたらどうかとも考えておる次第でございます。
○武藤(嘉)委員 この問題は私は特に何局がどうということを実は申し上げたくない。ただ一例として申し上げただけでありますが、この問題は毎年むし返しておるのでありまして、国税局全体として甲の局は幾らだ、この局は幾らだ、高い安いというようなことが出て、業者としてははなはだ困る問題で、でき得べくんば地域的にいろいろな問題もありましようが、ある程度甲地区、乙地区というふうに地域的にでもお考えになるか、あるいは全国統一したものでおやりくださるか、これも毎年陳情があつて、どちらも——役所側もお困りだと思いますので、役所の都合もありましようけれども、これはぜひ一本に統一して、願わくは一致に近い点に持つて行かれる方が——あまり高いところに持つて行かれては業者が困りますが、そういうふうにひとつ願えぬかと思うのであります。
○平田政府委員 所得標準率の問題は、先般からたびたび今国会でも問題になりましたが、やはり地方によりましてある相愛の差がつくということは、むしろ当然ではないか。ただそれが理由なくして差がつくというところに問題があるのでおります。従いましてそういう問題につきましては、中央におきましてもよく調べまして十分善処すべき問題だと考えます。国税庁にも私の方からよく伝えておきますが、適当な機会に国税庁から政府委員が見えると思いますので、そういう際にお尋ね願つたらどうかと思います。
○佐藤委員長 川野委員。
○川野委員 ただいま武藤委員から酒精の課税問題について御質問があつたわけであります。実は実際の地方の実情を見ておりますと、直税が調べますと非常に利潤が多い、間税の方で御調査になりますと利潤がない、こういう実際の調査面の結果であります。そこで酒税の面におきましては、非常に間税の調査の方が穏当である、私はこう考えます。しかし実際課税の面におきましては、直税が調査の結果によつて課税されておる、こういう実際の現状でございます。従いまして全国の酒造業者というものは、非常に不平不満であるのが現在の実情であります。そこで先般もちよつと私の意見を申し上げておいたのでありますが、酒造のごとき一銭一厘も隠すことのできない税金というものについては、ある程度の業者の費用と申しますか、そういうものをよく取入れて御決定になることが公平な課税である、こういうふうに考えるのでございます。しかしその面については、実は国税庁の方に御意見を承るのが筋道でございますが、きようはお見えになつておりませんので、この点は国税庁とよく懇談の機会をとらえていただきまして、説諭と申しますと言葉は悪いかもしれませんが、平田局長にうんとひとつ国税庁の方に説諭をしていただきたいと思います。これは希望的質問になりますが、ただいま申しました直税と間税の調査の間違いのある場合におきましては、間税の意見等も取入れまして、基準率を決定するというのが適当であると考えますが、この点についての局長の御意見を承りたいと思います。
○平田政府委員 所得の決定は直税部の責任でございまして、間税部は間税の資料を集める意味で、原価計算あるいはその他の方法でいろいろな調査をやつておりますが、やはり所得の査定は、直税部の責任でやるのが正しいということに相なるわけでございます。しかしもちろん内部で間税の資料が十分整つておる際でございますので、そういう資料は直税部におきまして私は十分活用すべきものだ、そういう意味におきましては、今回野さんがお話になりました通りだと存じます。 なお標準率の問題がございましたが、酒造業者の場合は全部青色申告をしていただきまして、標準率に依存しないで、正しい所得が計算されるように、一刻も早く行くのが本筋ではないか、酒造業者の場合はそれくらいのことはすぐできるのではないかと思うのでございます。そうすればたなおろし資産の評価にいたしましても、先ほど申しました退職積立金の算入にいたしましても、必要経費の見方にいたしましても、そうでない場合に比べましていろいろ有利な面がございますので、ぜひひとつ青色申告をやつていただきまして、トラブルが少くなるような方向に行くならば、非常に望ましいのではないか、そのように考えておる次第でございます。今の御両君の御意見の点はよく承つておきまして、十分適正な課税をするようにいたしたいと思います。
○佐藤委員長 三宅則義君。
○三宅(則)委員 私は昨日もお伺いいたしましたが、関連をいたしましてお伺いをいたしたいと思う次第でございます。つきましては昨日もお伺いしたことでありますが、山林に対しましては課税の問題も研究されておるのでございますが、さらに相続ということにつきましては、十分に愼重を期したいと思うのであります。 申すまでもなく戦後あるいは戦前から、ずつと山林の方は伐採に次ぐに伐採をいたしまして、今までりつぱな造林をしておりましたものを切り盡した、こういうふうに言われておるのでございまして、これは実にゆゆしき問題でありまして、たしか昭和二十三年でありましたが、関東の水害ではげ山にしてしまつた。それはあの大洪水が出た結果だと信ずるのでございます。今後の造成から考えまして、伐採した後に植林をしなければならぬということに相なるのでございますが、せつかく造林をいたしましても、費用をかけましても、相続ということになりますと、これが二十年、三十年、四十年たつて初めて相続が開始せられる、こういう段階になりまするから、少くとも四十年間というものは收入がない、こういうことに相なるわけでございます。ところが今せつかく骨折つて造林いたしましたものに対しまして、さて相続の開始のときにあたりまして、また莫大な相続税が加算せられるということになりますと、造林する人がなくなるわけでございますから、相続税につきましては、山林は普通の所得あるいは財産と区別いたして研究したらどうか、こういう意見を持つておりますが、主税局長は今どうお考えになつていらつしやいますか、承りたいと思います。
○平田政府委員 山林につきましていろいろ課税上も考慮すべき点多いことは、私どもも現下の山林の情勢からしまして、よく承知いたしておりますが、今回もできるだけその点を考慮に入れるごとにいたしております。たとえば今までは、相続開始をいたしますと讓渡所得税を課税いたしておりましたが、これは今度は課税いたしません。山林所得としまして、伐採したものとみなして課税しておりましたが、その課税はやめることにいたしております。これはひとり山林だけではございませんが、山林等が最もそういう制度の変更によりまして今までよりも違つた関係になる一つの例なのでございます。それから相続の場合におきまして、相続税を一般的に相当軽減している。これもやはりひとり山林だけではございませんが、山林の場合にも相当有効な対策になるだろう。それから相続税の年賦延納も、従来五年でありましたものを十年に引延ばす。それから年賦延納の場合の金利も、今まで四銭でありましたものを二銭に引下げる。いずれもこれらの処置は山林等の事情を考慮に入れまして、相続税の改正をしたものであります。それから山林の評価につきましても、できるだけ実際に即するようにしようというので、幼齢樹林につきましては、従来は実際に山主が投資をした額に、補助金を加えた額が、時価じやないかということで評価いたしておりましたが、やはり補助金は入れないところが妥当であろうという結論に、いろいろ研究の結果達しまして、半分はたしか政府で補助金を出しておりますが、それを見ないことにいたしました結果、幼齢樹林の評価の額は、従事の約半分くらいになるのじやないか。その他の場合にも今までより妥当な基準をとるという意味におきまして、評価の場合におきましても、できるだけ実情に即する評価をいたしたいと考えております。山林課税の問題は、今度の税制改正が実行になりますれば、私はよほどよくなるものと考えておる次第でございます。
○三宅(則)委員 私がさらにお伺いいたしたい事柄は、緑化運動ということを言われておるのであります。これは農林省が中心になつてやつておりますが、現在の段階におきましてはなかなか緑化ができない。切つたものは切りつぱなしになつておる。こういうことでは、将来の造林計画並びに日本の治山治水ということから考えまして、まことにゆゆしき問題であると考えますから、これは農林省とよく相談の上、これに対しましてはある程度まで補助もいたしまするし、手入れ費等につきましても、十分の補助をいたしたい、かように考える次第でございます。 次はこの延納に対しまして、日歩四銭が二銭に下つたということでありますが、私どもずつと考えてみますると、延納に対しまする日歩をとらないようにしたらどうかと思うのでありますが、それは少し行き過ぎでありましようか。むしろ実情等を把握いたしまして、とらない方が、熱心にそういうことに対して補助をいたすここと同じ結果になると思いますが、その構想はどうでありましようか、お伺いいたします。
○平田政府委員 相続税は、建前といたしましては、やはり相続開始の機会に納めるというのが一応の建前になつておりまして、一時に納める人が大分いる。現金、有価証券を持つている人の場合には、そういう人が大分あるわけでございますが、これに対しまして何年かの延納を認めるわけでございますので、やはり私は若干の日歩は徴收しますのが妥当である。ただ従来の四銭の日歩は少し高きに失しましたので、二銭程度に引下げる。二銭に引下げると、年利率にいたしましても七分強くらいでございますので、今日の金利の水準から行きましたら、まずこの辺のところは負担願いましても、それほどのこともないのじやないかという意味で、引下げたような次第でございますので、御了承願いたいと考える次第でございます。
○三宅(則)委員 不動産並びに立木等につきましても、今四銭から二銭に引下げたわけでございますが、従来から継続いたしておりまする相続につきましては、たとえば昭和二十一、二年ごろに開始したものにつきましては、こういう恩典は当らぬものでありましようか。それらも遡及して当てる方法を講じたらいかがなものでありましようか、承りたい。
○平田政府委員 昔相続が開始した分につきましても、年賦延納でずつとまだ未納額があるという場合におきましては、税法施行後支拂期が参ります年賦額、年割額につきましては、やはり日歩二銭に今後なることになります。
○三宅(則)委員 今のお話はまことにけつこうなお話でありますから、ぜひすべての官庁にもそのことを伝達せられたいと思います。 もう一つつつ込んだお話を承るわけでありますが、この山林に対しましてはすべて、私が申すまでもなく年限が長い。その長いものについて今計算をすることになりまするが、将来とも相続開始のときは、ときどき財産の評価をし直してやるというふうにお考えでございましようか。どんなお考えでしようか、今の構想を承りたい。
○平田政府委員 財産の評価をし直してやるという意味が私よくわかりませんが、相続税は相続開始のときの時価によつて課税する。これを動かしますと、課税の基礎が全然なくなつて参りますので、この原則は動かし得ないと思います。もちろん相続開始が来年、再来年あつた場合におきまして時価が動きますれば、当然そのときの時価によるということになりますが、過去の分にさかのぼつて変更するということはすべきものではない。そういたしますと、最近のような状況でありますと、むしろみな高くなつてしまうということに相なるかと存じますので、これはあくまでも相続開始のときの時価によつて確定してしまうということによつて御了承願いたいと思います。
○三宅(則)委員 次にお伺いいたしまする事柄は法人税でございまして、私どもは三五%から四二%に、二割上げたことにつきましては了承した一人でありますが、これにつきまして、なお特需の会社等におきましては、もう少し別の角度から増徴するような用意があつてしかるべきだと思いますが、主税局長はどうお考えになつておりますか、承りたいと思います。
○平田政府委員 先般法人税の増税案を審議いたしました際に、たびたびその問題を議論したかと思いますが、やはり私どもは、今の段階といたしましては、まだ超過所得税等を起すのは適当でない。やはり一般的に法人税の税率を引上げた方が妥当である。しかし今後事態の発展次第で、非常に超過利潤を上げる法人が特別に多くなるという場合は別だと思いますが、現在のところはまだそのような時期ではない。超過所得税を起しますと非常に濫費を助長する。それから相当もうけておると申しましても、一般的に会社はやはり極力自己資本の蓄積をはかりまして会社の堅実性を増す必要があるのが、まだ日本の会社としては大部分だと思いますが、そういう点から行きましても、この際高率の超過所得税等を課税するのは、今の段階といたしましては不適当ではないか。将来事態の発展次第では、もちろんそういう問題も研究しなければならぬと思いますが、現在のところその時期ではないというふうに考えておる次第でございます。
○三宅(則)委員 私は資本のことをちよつとお伺いするわけでありますが、旧来は超過所得の算定上、資本というものを非常に小さく見るくせがありました。そのために超過所得が非常にかかつて困るということを、私は聞いておるわけでありますが、今度はそういう超過所得がないわけであります。資本の妥当性は、再評価あるいは再々評価等によりまして、大分妥当にはなつて参りましたが、国の方から命じて、あるいは慫慂いたしまして、資本の平均化ということを考えたらどうかと思いますが、主税局長はどう考えておりますか、承りたい。
○平田政府委員 お話の意味は、どういう角度からの御議論でありますか、ちよつと了承しかねるのでありますが、現在会社の資本構成がまだ非常にゆがめられた状態にあり、真実の資本を反映していないという意味でありますれば、まつたくその通りでありまて、私どもいろいろな見地からしまして、資本是正がなるべく早い機会に行われるということは望ましいことと考えております。再評価を認めまして、再評価積立金を会社は相当持つておりますが、再評価につきましても任意にいたしました関係上、フルに再評価しているところといないところがあるようでございます。それから再評価積立金を漸次拂込資本金に振りかえるという傾向もありますが、これとても非常に不十分であります。ごく一部のところがやつておる程度でありまして今後この問題は促進する必要がある。会社の資本金はあくまでも最近の貨幣価値に応じました妥当な資本金に、再評価積立金の資本組入れやあるいは新しい増資等が行われまして、調整される必要があるということにつきましては、私は三宅さんとまつたく同じ意見であります。
○三宅(則)委員 今の局長の話と多少関連しておるわけでありますが、たとえば資本金が十八万円で毎月の売上げが五百万円、年五千万円も一億にも達するというような会社も残つておるわけであります。これは実に不謹愼きわまると思うわけであります。そういうものは少くとも五百万円とか一千万円というふうに資本を増資するのが当然でありますが、再評価しないでそのままになつておるところもありますから、こういうものにつきましては大蔵省なり国税庁なりが一定の基準を設けまして、大体あなたの方は算定するとこのくらいになるから、ぜひこのくらいの資本に増資いたしまして一般の資本と同調するようにということを慫慂した方がよろしいかと思うのですが、もう一ぺん承りたいと存じます。
○平田政府委員 今の点は税の見地から慫慂するということは少しどうかと思います。むしろそういう資本金の過小である会社におきましては、自発的に正常な資本金にいたしまして、自己の会社の健全な発展をはかるというのが、行くべき道ではないかと考える次第でございます。国民経済的見地から一律に何か資本是正の方策を講ずるか、そういう点はいろいろ問題がございますが、今の段階で強制的措置をもつてやりますのはいかがなものでありましようか。やはり会社ができるだけ今の実情に即して、自発的にやることが望ましいじやないかと考えておる次第であります。
○三宅(則)委員 国民所得の算定もしくは利益の標準等を見まするためには、やはり資本というものを一つ定のところまで持つて行かなければ、その査定がむずかしいと思う。たとえば大法人等は大部分再々評価をいたしたわけでありますが、なお同族会社もしくは五十万円以下の会社におきにましては、そういういような再評価をしないところもあるわけでありますから、これは一般の所得の算定もしくは国民所得の算定の場合におきましては、なるべくその例を合せるということが望ましいことである、私どもはかように考えるわけであります。問題を税ということから考えますより、一般の所得の算定の上におきまして、ぜひレベルを同じようにいたしたい、こういう考えを持つておるわけでありますが、主税局長は他の省との関係もあるわけでありますけれども、どう考えておりますか承りたい。
○平田政府委員 国民所得を計算する際に、資本の問題がどうということは私はないと思う。これはやはり経済の取引を正常化する。それによりまして経済が全体としてつまずき、変動等に耐えがたくてうまく行かないというのではなくて、会社としまして健全な経営ができる。それからまた国民経済全体も健全に運営されて行く。その意味において資本の是正の必要があることは、私も非常に感じております。しかしこれを法律その他で強制するということまで行くということは、はたしてどういうものであろうかという考え方もございまして、少くとも法律上の制約は今はなくしておりまして再評価積立金を資本に組み入れましても、配当と見て課税するようなことはいたしておりません。單に登録税が少しかかりますが、それだけで済みますので、やはり会社みずからが資本是正についてもう少し熱心になりまして、自分の会社の基礎をかたくするという方向に行くべき筋合いのものではないかと、今のところはそのように考えております。
○佐藤委員長 三宅君、簡單に願います。
○三宅(則)委員 前にもどりますが、一つ尋ねておきます。山林もしくは不動産の場合ですが、これを共有するという場合、この配付された資料によりましても、「配偶者及び子三人の場合」と書いてありますが、家をこわして三つにするということはむずかしいのでありますから、共有ということについての考え方とその配分の方法、山林なら山林をわける方法をどういうふうにしてやつておりますか。三つにわけては困るという説もありますから、ある種の財産を三人あるいは四人で共有することによつて減税になる、こういう考え方でありましようか。その辺を具体的なことでありますが、承りたいと思います。
○平田政府委員 相続税は相続分に応じまして相続したような場合、財産の分割のむずかしいときには共有の持分という形で分割する。これは一向さしつかえないじやないか。そういう方向で行きますれば、持分がそれぞれ相続分として評価されまして、それぞれ別別に課税になつて行く、こういう関係になろうかと思います。
○佐藤委員長 ただいま税法四案に対する質疑の続行中でありますが、税法に対する質疑はあとまわしにいたします。
○佐藤委員長 次に昨日質疑を終了いたしました財政法、会計法等の財政関係法律の一部を改正する等の法律案を議題として討論に入ります。対論は通告順によつてこれを許します。川島金次君。
○川島委員 私は日本社会党を代表いたしまして、ただいま上程になりました財政法、会計法等の財政関係法律の一部を改正する等の法律案に対して原則的には賛成を申し上げるものでありますが、この際われわれの立場を明確にいたしておきたいと思うのであります。 第一は、今般の政府原案たる財政関係法の改正案はもちろん、参議院における修正案の基本的な考え方に対してわれわれは若干の疑義を持つておるものであります。と申しますることは、現行憲法におきましては、政府は必ずその毎会計年度の予算を編成して、国会の議決を経べしということが明確に規定されております。この「毎会計年度」という明確な法文は、少くともその年度に限る予算を示したものであると、われわれは考えております。従つてこの憲法の明文の精神からいえば、まず財政法を改正いたします前提として、憲法を改正することなくして、継続費の問題を單なる財政法のみによつて解決するということについては、われわれは非常な疑念をさしはさむものであります。しかしすでに先般衆議院において政府原案に対して賛成した、その原案の審議にわれわれも慎重を欠いたのではないかという感じは、今日でも持つておるのであります。そのような意味で参議院においてもこの問題について議論はありましたが、一応修正をいたしておりまする現状にかんがみまして、こういつた疑義がわれわれにはあるのでありますが、この点は後日の問題として、一応この修正案を当面の処理の方法としては認めて行きたい、こういうふうに考えておるものであります。 第二には、この修正安本の根本をなしますものは、もちろん継続費の計上ではありますが、その継続費の内容というものが、工事とか製造とかその他一般の事業ということでありまして、実に広範囲無制限的なものであります。こういつた広範囲かつ無制限な諸般の事業に対して、必要とあれば継続費を数年間にわたつて認めるというようなことは、かつての旧憲法治下におけるところの日本の財政のたどつて参りました現状に照しまして、まことに危險をはらむ性質のものではないかと、われわれは強く感じているものでありますのみならず、さらに金額においても何らの制限をされておらない。こういつた事柄は、やがて政府並びに多数の圧倒的な與党を持ちまする場合には、何と言いましても政治の慣例から申し上げまして原案が強い。その原案に対して正当なる反対党並びに国民の声がありましても、それに対して往々にしてそれを蹂躙されてしまうということが、議会政治史上の例であります。従つてわれわれから申し上げますならば、工事はもちろん製造にいたしましても、その地一般の事業という広範囲、無制限な問題や、金額の無制限な問題に対してもある程度の制限を付し、そしてややもすれば行われるところの、政府とその與党との独断的な独善的な政治に対して制限を設けておくということが、最も正しい民主主義政治のあり方ではないか、かように感じまするので、わが党の参議院の方面においては、これ対するいろいろな條件を付することを強く主張して参つたのでございまするけれども、今なお占領下にありまする実情にかんがみまして、諸般の事情を勘案し、現段階においては、この程度以上にわれわれの主張を貫きますることの不可能でありますることを、われわれは率直に認めると同時に、ただいま申し上げましたような理由に基きまして、この修正案が万全なものであるとはわれわれは考えておりませんが、ただいま申し上げましたような現段階の諸般の事情にかんがみまして、やむを得ざる当面の処理であろうということを考えまするがゆえに、本案に若干の不満はございまするけれども、わが党はこれに賛意を表するものであります。
○佐藤委員長 久保田鶴松君。
○久保田委員 私は日本社会党第二十三控室を代表いたしまして、本案に対して討論をいたすものであります。 第十二国会におきまして、衆議院を與党の多数をもつて強引に押し切りました財政法会計法等の財政関係法律の一部改正法律案が参議院に回付されるや、非常に多くの問題をはらみ、憲法問題まで飛び出しまして継続審議となり、また遂には修正されまして衆議院へ逆もどりするという不細工なことになりました。これは多数党の多数の横暴を暴露したものであります。 また政府が現にとりつつありまする秘密主義政治に対する国民の不安は、極度につのりつつあります。特に憲法で放棄いたしておりまする武装を再び行わんとするがごとき態度は、平和国家を念願いたしまする国民の恐怖とさえなつているのであります。それはすなわち本財政法の問題点でありますが、継続費が公共事業に名をかりまして、再軍備に利用されることを最もおそれるのであります。また長期的な計画事業においては、こうした措置の必要も認めましようが、しかしながらこれはあくまでも平和憲法の趣旨にのつとりまして、使用されなければならないとともに、旧憲法時代の継続費が持つていた弊害を再度起すことのないように、あくまでも民主政治の基本権を尊重されねばならぬと思うのであります。その意味におきましてわが党といたしましては、修正の五箇年限度は不満ではありまするが、現在の情勢下におきましてわれわれが闘いとりました精一ぱいのものでありまするがために、賛成するものであります。よつて平和民主主義の線を守るということを條件づけまして賛成いたしますと同時に、大衆とともに十分監視することを附言いたしておきます。終り。
○佐藤委員長 三宅則義君。
○三宅(則)委員 私は自由党を代表いたしまして、ただいま議題となりました財政法、会計法等の財政関係法律の 一部を改正する等の法律案に対して賛意を表する次第でございます。 およそ国が事業をなしますにつきましては、一年ぽつきりでやれるものもございまするが、大体は二年三年と継続いたします事柄が、公共事業等につきましては往々あるわけでございまして、これを一年限りの予算にいたしておきますと、場合によりますと地元各地におきましては不安を生じましたり、あるいは事業の進行等について、ある意味におきましての遅滞等が起るわけでございまするが、今度の改正によつて、すべて国は工事もしくは製造その他公共事業等につきましては、その完成するまで数年度にわたりまして、その継続する費用を定めるという事柄は、当然過ぎるほど当然であると考えます。特に北海道とか東北地方のような積雪寒冷地帶等におきましては、その時期等にずれがある。たとえて申しますと、毎年十一月末から翌年の三月ごろまでは、雪が多かつたり冷寒のために、工事の進行しない場合があるのでありまするから、そのために一時に支出をいたしましたことがありましたり、あるいは事業の完成していないものを、すでに完成したごとくにいたしまして、経費を支拂うというような事柄が、たびたびわが国会を通じまして、あるいは大蔵委員会、決算委員会等においても、それが認められるところでございましてはなはだ不満足いたしておつたところでございます。しかし今度の会計法の改正によりまして、これが数年度にわたることができる。但しまた国が国会において議決をいたしたならば、これが継続できるということでございまするから、まことに今日の財政法会計法を適切に改正したものであると考えるものでございまして、われわれはこの運行によりまして不正事件の防止、適正なる予算執行、会計制度の確立、こういう方面をもちまして本案に私は自由党を代表いたして賛成の意を表する次第でございます。
○佐藤委員長 宮腰喜助君。
○宮腰委員 私は改進党を代表しまして、本案に賛成するものであります。 この財政法が憲法違反であるかないかという問題については、さんざん論議された問題でありますが、こういうような法律の結果日本の憲法の精神を没却するようなことがあつては、われわれのこの法治国の健全さを保つことができないのであります。そういう意味において、本案は十分今後憲法上の精神を受入れて実行してもらいたい。ことに東北寒冷地帶等におきましては、先ほど三宅委員からも話されたように、十一月過ぎになればコンクリート工事はできない。それがために事業を中止しまして、結局翌年の工事時期にまたこれに着工する。そうすると洪水のためにその施設が流されてしまうというようなわけで、とうとう無為に終る場合が非常に多いのであります。この法案はあらかじめ国会の承認を得て継続費をきめるわけでありますから、国会の意思を尊重するという点は賛成でありますが、たまたまこういうような問題で憲法の精神を没却することのないようにしてもらいたい、こういうような考えを申し上げながら本案に賛成するものであります。
○佐藤委員長 討論は終局いたしました。 これより採決に入ります。本案を原案の通りに可決するに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○佐藤委員長 起立多数。よつて本案は原案の通り可決いたしました。 なお本案に対する報告書の件につきましては、委員長に御一任願いたいと存じます。 —————————————
○佐藤委員長 引続き税法四法案に対する質疑を続行いたします。三宅君。
○三宅(則)委員 私はさらに進んで申し上げたいと思うのであります。先ほど来申されました共有の相続税についてでありますが、この問題は、家屋等につきましてもやはりそういう共有ということによつて、税金を賦課することになりましようか。三人の場合は、今お話のように共有ということにして登記しておりますが、おも屋等につきましては、共有ということよりも、長男とか相続人にやつた方がはつきりすると思うのでありますが、その点についてちよつとお伺いしたいと思うのであります。
○平田政府委員 この問題は結局相続分の問題でございまして相続分の財産をどういうふうに分割したらいいか、それによつてきまるわけで、財産を定めておも屋を長男の相続分にしますれば、その分は長男の相続分になるということでございます。ですから別段具体的に形態のいかんを問わないと存じます。
○三宅(則)委員 財産の相続があつたときには名義の書きかえがあるわけでありますが、名義の書きかえのときに長男というふうに書きかえるものであるか、共有分として書きかえておくものであるか、その点を伺いたいと思います。財産はおも屋もありましようし、山林もありましようし、田畑もありましようし、製造機械もありましようし、いろいろなものがあるわけでありますが、それを全部分割して相続するときには、名前をどつちかに移転しなければならないと思うのでありますけれども、移転の不可能なものについては共有分として移転しておくのでありましようか。どういうふうにしておくものでしようか。その点を承りたい。
○平田政府委員 この問題は民法の規定でありまして、民法の規定によつてそれぞれ相続されるわけでございます。相続分は、民法の規定によつてある程度の強行法規がございまして、犯すことができない分もございますが、ある程度相互に融通がつくものもありますので、事実相続がどういうふうに行われたかということによつて、相続分がきまつて来ると思います。そういう形になりますので御了承願いたいと思います。
○三宅(則)委員 民法の問題もございましようけれども、局長としては、算定する場合に名義の書きかえをしなくても、持分さえきまればそれでよろしいというふうに考えておりますか。その点を承りたい。
○平田政府委員 たとえばおやじさんがなくなりまして、不動産などの登記がえをしない場合がたくさんあります。そういう場合におきましては、やはり実際にこれがどういうふうに相続されたかを調べまして、それによつて課税するのですが、相続が開始されて名義が書きかえられたりする場合におきましては、原則としてその名義人に財産が相続されたものと見て課税する。これは反証のない限り当然そうやるべきものだと思います。
○三宅(則)委員 それではもう一つ前 へもどるわけでございますが、次は法人のことについてもう一ぺん伺います。法人税につきましては青色申告がたいへんふえたということを聞いております。もちろん法人の方にはそういうふうな計数に明るい人も多いのでありますが、法人の方につきましては今どのくらい青色申告を認めておりますか。もし資料がありましたならばこの際承りたい。
○平田政府委員 今法人数が約二十六、七万ありますが、そのうち半分程度は青色申告になつております。正確な数字はあとで調べてお答えいたしますが、約半分が青色申告であります。
○三宅(則)委員 具体的につつ込んで聞くわけでありますが、法人の青色申告に対しましては、大体何パーセントぐらい申告是認で、何パーセントぐらい申告否認か、こういう計数は出ておりましようか。たしか統計をとつていると思いますが、いかがなものでありましようか。
○平田政府委員 もう少し正確に申し上げますと、さつきの数字より少し多くなつておりますが、法人数は最近は少しふえまして、二十一万三千九百四十でございます。そのうち青色申告をしておりまする法人が十八万一千五百六十六、従いまして比率から申しますと法人の場合は五七%、また青色申告をしているのは認めておると思いますが、否認した例は非常に少いのではないかと思います。大体認めておる青色申告者の数はそういうふうになつております。
○三宅(則)委員 法人の方におきましては大体半分以上が青色申告ということでありまして、もちろんけつこうなことでございますが、そのあとに白色申告——いわゆる青色申告でない方のものが四十何パーセントかあるわけでございますが、昭和二十六年度はこれに対して更正決定を大体何パーセントくらいやりましたか。もし材料がありましたならばあとでもけつこうですが、お示し願いたいと思います。
○宮腰委員 相続税法のことについてお尋ねいたしたいのであります。前回にもこの相続税法のことでお伺いしたことがありますが、重ねてこの委員会でもちよつとお伺いしたいと思います。 死亡と同時に相続が開始されますが、その不動産なり、立木なりの全財産を調査する機関が、場合によつては一年半なり二年なり延びて行くことがあります。そうして最後に、二箇年の間にその財産が売却されて、納税の義務を果せないような危險にさらされる場合があります。重ねて今回の改正案の中に、不動産、立木等の場合は、それが相続財産の半分以上になつた場合には、延納を認めることになつておりますが、こういうような場合に、仮処分なりあるいは担保を提供させるなり適切な方法をとらなければ、最後はこの税收入が困難になつて来るような事態が、たびたびあるようであります。これは現に現地の税務署の方からも、こういう場合には適切な処置を講じなければ、この税收入が困難でありますということを、たびたび承つております。そういうような場合は、あるいは法を改正するか、あるいは適切なる行政上の措置が必要だと考えられますが、当局ではそういう点について何らか対策があるか、立法化するお考えがあるかどうか、伺つておきたいと思います。
○平田政府委員 年賦延納の場合は、相続税法第三千八條に規定しておりますが、やはり担保を提供せしめて延納を認めるごとになつておりますので、必要な担保を必ずとるということになつております。
○宮腰委員 今の問題について触れていない点でありますが、先ほど言つたように、相続を開始して、相続税を納めるために、財産調査をする期間が半年なり、あるいは一年なり、場合によつては二年も延びる場合があります。その場合に、悪質な納税者は全財産を処分してどこかへ住居をくらましてしまうというような場合たびたびあります。そういうことについて適切なる処置をしなければいかぬということが、現業の方々からたびたび言われておりますが、これに対する処置がないようであります。法律の規定がないようでありますが、そういう場合はどういうような処置をなさいますか。
○平田政府委員 今のお話は、申告して納める六箇月以内に逃げてしまうというお尋ねかと思いますが、これは場合によりましてはそういう場合もあるかもしれませんが、資産のある人は、よほどの場合を除きまして、そういう例は比較的少い。戦後よほど特別な事情によりまして資産家になつたような人は、そういう事例があるかと思いますけれども、従来長い間の経験からいたしますと、どちらかというと、そういう例は少い方でございまして法律で特別に措置すると申しましても、なかなか困難ではないか。第一、相続があつたかどうかということが税務署にわかつて来ますのも、登記所等から通知があつて初めてわかるような状態でありまして、そこまで行きますことはなかなかむずかしいのじやないかと思います。六箇月以内に申告して納めさせるという制度になつておりますので大体それで行くのじやないかと考えておる次第でございます。
○宮腰委員 それからごく最近の例でありますが、至るところに大きなビルディングが盛んに建つております。そこで部屋を借りに行くと、一坪の権利金を十五万、二十万ととられる。私自身もその交渉に行きましてびつくりしたのでありますが、そういう場合に、ほとんどビルディングの建設費が、部屋の貸付権利金によつて浮いてしまうどころか、余剰さえ生れるような状態であります。そういう場合に、私らから考えて、ビルディングにかけたところの適正なる賃料は、毎月の家賃として要求されますが、そういうように計上された権利金は、帳簿に記載していない場合が非常に多いようでありますが、これは私は完全なる脱税だと思います。こういう問題について、法を制定するところの当局では——この問題は具体的な、ごく最近盛んに行われている問題でありますが、どういうお考えでおられるか。あるいはそういう方々からも税をとるか、あるいはそのまま眠つてしまうのか。現状ではほとんど眠つて、手を触れていないような状況でありますが、その点をお伺いしたいと思います。
○平田政府委員 今のお話は、権利金としましてとにかくビルディングの所有者が取得する場合においては、それは当然資産に計上されるわけでありまして、課税の対象になると考えております。借入金で債務としてやつた場合においては、これはもちろんあとで金利を拂うごとになりましようが、通常権利金の場合は、債務にはならないで、資産に計上されて行く。従いましてこれはやはり調査の問題になりますが、よく調べまして、妥当な課税をすべきものではないかと考えておる次第でございます。
○佐藤委員長 本日はこの程度にとどめたいと存じます。なお明二十二日は午前十時より公聽会を開会いたす予定でありますので、全員御出席くださるよう、委員長より特にお願いいたしておきます。 これにて散会いたします。 午後零時十六分散会