水産委員会 第33号
- 発言数
- 86 件
- 登壇者
- 14 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1952/05/10
会議録
○川村委員長 これより水産委員会を開きます。 この際委員諸君におわびを申し上げます。去る五月一日の北洋母船式鮭鱒漁業三船団の出漁にあたり、函館港よりその出帆を見送り、かつまた北海道における小型機船底びき網漁船がスクリューを用いて操業したことが漁業違反であるかどうかということについて森裁判所より証人としての換問があり、また廣川農林大臣の北海道視察にあたり御案内等がありまして、しばらく委員会を留守にいたしましたこと及び北洋漁業再開に際し、本年一月より漁業許可問題、船団編成問題、出漁準備等の諸問題について、三社側と北海道外十一県の独航船側との間にいろいろと複雑したもつれがありまして、一時は出漁不可能となるのではないかという大きな不安もありましたので、何とか円満に解決し、一日も早く出漁させたいという念願から、諸般の事情を考慮しつつ解決策に努力いたしておりましたので、これまでの本委員会の運営には必ずしも万全を盡したとは言い得ない点もあつたと思いますが、今後は各委員諸君の御協力のもとに、委員会の運営のよろしきを得るため一層の努力を拂いまして、御期待に沿いたいと思いますから、何とぞよろしくお願い申上げます。
○永田委員 ただいま委員長の報告を承りますと、五月一日より鮭鱒の出漁の見送り及漁業違反の事件が裁判となり、証人として御出廷に相なつた。引続いて廣川農林大臣のお供をしたために議事の運営に齟齬を来して申訳ないというふうなことに承りましたが、さすがに御賢明なる委員長は、みずからの非を率直にお認めになつたということについては敬服いたします。ついでにお伺いいたしまするが、先般私の当委員会における発言が委員長に誤解をされまして、そのとき委員長は最後に、私も誤解がある、反省すべきところがある、また永田君も反省するところがあるだろう、本日これをもつて終るというふうに本委員会をおとじになつたのでありますが、そのときの、私が反省しなければならないという事実は一体どこにあるのか。
○川村委員長 永田君にお答え申し上げます。相互間に誤解もあつたことと思いますから、いずれ機会を見ましてお話し合つてから、さらに委員会で発言を求めてする場合もあるでしようし、また了解がつきますれば、委員会で再び取上げることなく、お互いに了解ずくで今後もすべてこのことを処したい、かように考えておりますから、よろしくお願いします。
○永田委員 あなたの先ほどの御発言は、委員長として議事運営に的確性を欠いておるということを十分お認めになつての御発言であろうと私は思うのであります。そもそもこの事の起こりというものは、先般漁港予算の内示にあたりまして、林漁港課長の御説明がございまして、ただちに石原委員が質問に立ちますと、あなたは、時間がないので簡単に済ましてくれという注意をされたのであります。当日は案件が三件ありまして、私も漁船代船の資金融資という重要な問題で発言を通告しておつたはずでございます。そこで定刻十時半の開会が十一時十五分に始められまして、水産大学の設置とかいうふうな緊急やむを得ざる重要な問題がありまするに際しまして、簡単に質問を終るようにという御注意ははなはだ当を得たものではないと私は考えまして、そんなばかなことがあるか、かように発言した。ところがあなたは、どういうふうに勘違いなさつたのか知りませんが、ばかとは何だ、ばかとは何だと二度卓をたたいて私に迫つたのであります。私はあえてあなたをばかな人だと直接指さして侮辱したのではないが、その当時の空気は、事情を知らない各政府の大官並びに傍聴人の各位は、あたかも私が不謹慎な言辞を弄したかのごとく、それを委員長より叱責された、かような感じを與えられた。むしろ私こそ、委員長によつて侮辱を受けたような結果になつたのであります。しかしばかと言つた覚えはない。これがそもそも今日まで未解決のままになつておるのであります。それに対して本日の委員会の傍頭、私に対して謝罪をなさるという、その内容は冒頭あなたからお話がありましたように、その事実には触れていない。委員会の運営にあたつて遺憾の点を認めるというふうな内容であるとしたならば、その非をお認めになつた以上は、ただ口先で言うばかりではいけない。これを実行に移してもらいたい。昨日、日、米、加の條約調印を終つて、これからいろいろ諸外国との漁業のとりきめが行われる、まさに重大な時局であります。特に九州、関西方面では、朝鮮沿岸の漁業に最も魅力を感じておる。その解決にあたりまして、水産行政の将来というものは、すこぶる重大な岐路に立つております。かような時期において、かような委員長がとられた行為は、わが日本の水産業のために遺憾に思う、そこでせつかく賢明にその非を認められたならば、ただちにこれを実行に移していただきたい。
○川村委員長 永田君に委員長からお答え申し上げます。要は、委員長として、今後の水産委員会の運営に万全を期して行きたいという決意だけを持つておることをお答え申し上げます。
○永田委員 人間がその職にある以上、信念を持つてその職に盡すということは、万物の霊長としおのおの戒心しなければならない。今日海上保安長官がお見えになつておるので、ふと思いつきましたが、先般の十勝沖の地震の際に、本委員会より調査委員を派遣するという決議をなされたことがある。今日、国会開会中においては、いかなる災害といえども、国会が議員を調査に派遣はしないという申合せができておる。それは調査に便乗して地方にたいへん迷惑をかける事実が多い。この事実にかんがみまして、かような申合せができたのであります。われわれはこれを了承しており、ほとんど国会人の常識である。しかるにあなたはこれを一気呵成に委員会で決議をされた。私はただちに発言を求めて、その行き過ぎをたしなめんとしたのであるが、あなたは職権をもつて私の発言を封じた。かような事実がある。しからば、その後本水産委員会の調査が行われたかどうか。まさに私が指摘申し上げた通り、運営委員会において水産委員会の決定どうり取上げられなかつた。かようなことは、いたずらに賢明なる大勢の委員の名誉を汚す結果になつた。あなたは今後いかなる方法をもつて、賢明なる運営を施さんとしても、委員の協力なくして実行は出来ないのである。
○田口委員 ただいまの永田委員の発言はきわめて重大であります。私らは、理事の関係もありますので、ただいまの問題につきましては、理事会を開催いたしまして、理事間において一通りの研究をして、しかる後に委員諸君と懇談をして、その上で決定いたしたいと思うのでございます。このことを皆さんにお諮り願いたいと存じます。
○川村委員長 田口君の発言につきましては、理事会を開いて、いろいろな諸般の事情を考えて決定したいという発言がありますが、いかがとりはからいましようか。—ちよつと速記をやめてください。 (速記中止〕
○川村委員長 速記を始めてください。 暫時休憩いたします。 午前十時五十分休憩 ————◇————— 午前十一時十四分開議
○川村委員長 休憩前に引続き会議を開きます。
○松田委員 先ほど永田委員の動議に対してまた田口委員からも動議が出たのであります。しかして事柄が委員長対永田委員との間に相当深刻なる議論が出て来たのでありまして、このままではとうてい委員会の雰囲気も危ぶまれるのでありまして、この場合、この問題は後刻理事会において善処されるようにとりはからい、本日の山積せる議題を委員長においてしかるべく進行されんことを要望するものであります。
○川村委員長 皆様にお諮りします。ただいま松田君からさらに御発言がありまして、皆さんお聞きの通りであります。松田君の御意見の通りとりはからいまして御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○川村委員長 では御異議なしと認めまして、さよう決します。 —————————————
○川村委員長 次に公海漁業に関する件について調査を進めます。では海上保安長官よりマ・ライン廃止後における漁業取締りについての経過等を御報告願います。
○柳澤(米)政府委員 海上保安庁といたしましては、マ・ライン撤廃後におきまする漁船に対しまする保護取締りという点につきましては、水産庁及び外務省方面と逐次協議を続けておる状態でございます。その方針といたしましては、水産庁におきまして漁業の範囲あるいはその方針を定めていただきまして、その方針に従いまして巡視船を行動せしめるという方針をとつておるわけでございます。同時にこの巡視船の行動あるいは実際的の問題につきまして、外務省の見解に基きましておのおの十分に各巡視船の担当者が注意して巡視警戒に当るという方針をとつておるわけであります。御承知の通りにマ・ライン撤廃後、すなわち独立をいたしましてからの拿捕船等の事件につきましては、東支那海関係及び朝鮮水域等におきましてはいまだ拿捕事件が発生しておらないと考えておるわけであります。但し北方におきまして独立後に拿捕の事件が二件起きておるのであります。従いまして北方におきますところの巡視警戒には相当留意をして行つておる状態でございます。 なお東支那海及び朝鮮水域等における警戒は、水産庁の監視船の監視警戒と相まちまして、水産庁と十分連絡をとりまして、巡視警戒を実施するという方針をとつておる次第でございます。 以上大体の方針でございますが、現在の海上保安庁の巡視船の配備状況と勢力状況を申し上げますると、いわゆる巡視船と称するものは、四百五十トン以下約百トン級の船舶が九十二隻ございます。その他二十三メートル船舶及びその他の港内艇二百五隻、合せて二百九十七隻というものが現在海上保安庁で主として海上における警備に従事しておる船舶の総数でございます。これらの船舶の配置状況は、主として九州方面及び北海道方面に配分し、漁業取締りその他に重点を置いて警戒を行つておる状態であります。 なお本年度における増強計画といたしまして、船艇約六十隻を米国より貸與されるごとに相なつております。この六十隻を適宜の地点に配置いたしまして、緊急なる場合の出動に当てるつもりで、別途警備隊というものを設置いたしまして、以上申し上げた船舶のほかに約六十隻を増強してこれに当てるという計画を持つておる次第であります。 以上大体海上保安庁の現在の状況及び方針を御説明申し上げた次第であります。
○川村委員長 海上保安庁長官の柳澤米吉君の御発言に対して御質疑があれば、これを許します。
○松田委員 先般十勝沖震災の当時、北海道に自由党を代表して調査に行つたとき、海上保安庁の船に便乗する機会を得たのであります。四百五十トンの船であつたと思います。船員も少い、また整備の非常に足らない船でありましたが、船員たちはあらゆる部面に非常に細心の注意を拂つておりました。そうしてわれわれは一々説明を受けたのであります。しかもそのとき船員の部屋その他において、まだまだ非常に不完備の点がたくさん認められ、また陳情も受けたのでありますが、ああいう船で日夜領海内を警戒され、また遭難船に対してあらゆる救い出しの方法を講じておるあの真剣な態度に対しては、私ども海上保安庁長官及び船員に対して深甚の謝意を表するものであります。しかしてマッカーサー・ラインが撤廃された後においての拿捕という問題は、国力の相違によつて起きる問題であろうと考えられるのであります。要するに戰前の日本であつたならば、そんな危険はなかつた。しかし今日独立はしたものの、現在の日本の国力ではいかんともなしがたい現状である。これに対して海上保安庁があらゆる犠牲を拂つて拿捕事件に対して、またこれから起きる苦労というものは並たいていのものではないと思うのでありますが、大体マッカーサー・ライン撤廃後におけるソ連関係の領域をどの程度に考えておるのか、その区域といいましようか、それをどのように考えておるのか、日本はいわゆる領海三海里ということを原則としておるのか、またソヴィエトのいう十二海里ということなのか、海上保安庁はこれをどのように考えて、漁船の安全を保とうとするのか、この点をさしつかえない範囲内で御説明願いたいと存じます。
○柳澤(米)政府委員 海上保安庁といたしましては、先ほど申し上げました通り、外務省の見解及び水産庁の方針をまずきめていただいて、これに従つて事実警戒をいたしておるわけでございます。大体現在の状況から申しますると、現在の船舶の拿捕の状況その他から見て、非常にソ連領その他に接近した箇所等に参りました場合に拿捕が起り得る可能性があるわけであります。従いまして従業者自身にこの付近からは相当に危険であるということを指示し、あるいは農林省等においてこういう線、この線以内が大体においてわれわれが生活して行くのに必要だあるというある程度の線をきめまして、これから入つて行けば危険であるという線が出て来るのではないかと考えております。これらの点について、現在水産庁及び外務省においてどういうことが適当であるかということを考えておるわけでございます。もちろんこのソ連における領海という問題についても種々の議論があるようでございますが、しかしながらこれらの点については外務省の見解を、専門の方々が来ておりますから、そちらの方からお聞きを願いたい、かように考える次第でございます。
○三宅政府委員 外務省といたしましては、領海の範囲はあくまでも三海里であるという主張を堅持しております。しかし御承知のように、ソ連は従来から管轄権は十二海里に及ぶという主張をとつておりますので、実際問題としてはそこに紛糾が起り得る可能性があるわけでございます。この実際問題を処理するのについてどうするかということになると、これは現在ソ連との間に外交関係がないというような国際事情及び日本の自衛力の現状等から考えまして、最も実際的な方法でもつて、できるだけわが国の漁業を保護して行く措置をとるほかはない、こういうふうに考えております。
○松田委員 東支那海や南方の方の事情はよくわからないのでありますが、北方における問題に対しては、われわれ相当事情もわかつておるのであります。ゆえに水産庁といたしましても、ただいまの外務当局の御意見のように、三海里以外が公海であるという見解を持たれておるが、漁民もまたさように考えておることだろうと思うのでありますが、国力の差というものを漁民に徹底させて—今領海が何海里以内だということを定義することは、国際関係においてわれわれめんどうなことと存ずるのであります。漁民にできるだけ摩擦のないように、十二海里の線に近寄らざる範囲において操業するように、結局災いを起さないような方法に指導してやることが、一番よい方法ではないかと考えられるのでありますが、漁民は、公海というものは三海里以外だということをりくつの多い者は考えて、ややともすれば十二海里の内に入るということがあるのであつて、それでは海上保安庁はいかに苦労してもそれを救い出すことはでき得ないというような状態にあるのであります。この点水産庁としても海上保安庁としても、漁民に善意の意味の御指導を願い、そうしてお互いに災いのないようにするよう特にお願いしておきたいと思います。
○小松委員 ただいまの海上保安庁のお話によりますと、日本独立後の拿捕については、東方においては二件の拿捕事件があつたけれども、東支那海や朝鮮水域にはなかつたというように承つたのでありますが、しかしこれは独立後まだ日は浅いのでありまして、それでさような事件もないと思うのでありますが、今までの拿捕事件のいろいろの様相を伺いますと、近来非常に険悪な様相を呈しておるように私どもは承知いたしております。たとえば日本から拿捕した底びき漁船の五十トンから百トン級のもの五、六そうが一団となつて来て、日本の漁船を包囲して小銃または機関銃を発射する、そうして停船を命じて拿捕するというようなことを聞いております。また飛行機が参りまして偵察して行つて、その上で海防艦が出現して来て拿捕する、こういうようなことを聞きますと、これは単なる拿捕事件でなくて、正に一定の作戦に基くところの武力行動の様相を呈しておると思うのであります。しかるにこれらに対するところのわが方の備えはどうかというと、漁船保護に任じますところの水産庁の監視船は、身に寸鉄も帯びておらない無防備の船である。また海上保安庁の舟艇も、今までは沿岸防備が主であつたために、遠洋におけるところのこの種事件の救護にはまつたく無能力であつたと私は思うのであります。従つて襲撃された漁船はおおかみに襲われた羊の群のようなものでありまして、まつたく何らなすすべがなくしていたずらに彼らの蹂躪にまかせなければならぬ現状であります。こういうことは、いかにも敗戦国民の悲哀を私どもは痛感するのであります。ことに船主や乗組員の家族のことを思うときに想像に余りあるものがあるのであります。こういうような現象が今まで続いておる。独立後まだ拿捕事件が起つていないからといつて、今後も決して安心はできない状態であります。そこで私どもは海上保安庁に特にお願いしたいことは、どうしても海上の保安力を十分強化してもらわなければならぬ。向うが武力をもつて拿捕する以上は、こちらにおいてもそれに対抗するだけの最小限度の正当防衛の手段はやはり持たなければならぬ。こういうことについては、海上保安庁の方としてはどういうようにお考えになつておるか、まずごの問題をお伺いしたいのであります。
○柳澤(米)政府委員 お説の通り海上保安庁といたしましても、力をもつてこれに対抗することは現在まだできる状態になつておりません。しかしながら今までの拿捕事件その他を考えます場合、監視船その他の監視下にあつて拿捕される、あるいは監視下の近くにおいて拿捕されるという例は聞いておらないのであります。一方におきまして、監視船及び巡視船が付近を保護しあるいは遊とすることによつて、拿捕事件を相当軽減し得ると考えている次第であります。但しこの場合に講和條約が発効したといつて、ただちに巡視船が他国の領海の近くに姿を現わしまして、これに刺激を與えるようなことはとるべきことではないと考えております。しかして今後におきまする海上保安庁といたしまして、以上の観点から見て極力これが保護、警戒を行うことによつて、拿捕事件は今までの経験から見ましても、監視網の発達によつて相当に軽減できるのではないかと考える次第であります。 なお中共その他の方面におきましてマ・ライン撤廃後の公海における状況にいかなる判断を持つているかということにつきましても、相当にこれを見きわめる必要があると考えております。これらの情勢の判断によりまして、今後の事態にどう処すべきかということを考えてみますと、大体において現在の海上保安庁の巡視船等によつて監視その他を行い、これによつて相当に保護ができるのではないかと思つております。
○小松委員 もしも監視船が監視しておる際に拿捕されたという事件が起つた場合に、その監視船に対していかなる措置をとるように命令をしておりますか。そのことをお伺いしたいと思います。
○柳澤(米)政府委員 監視下にいるものに対して不法拿捕その他の行動がありました場合には、巡視船といたしましてはただちにその船舶に対して抗議を申し込むわけであります。なおそれが海賊行為と認められるならば、これに対しまして相当の抗議の申込み、あるいはそれに対する拒否というようなことも考えられる次第であります、なおそういう場合は、今までの例では起つておりませんが、もし起りました場合については、これに対する正当防衛というようなことも考えられます。が、現在の状態としては巡視船はピストルを持つておるだけでございまして、これらを持つて正当防衛する以外に手がないということに相なります。これは緊急事態であると判断して処置する自衛の正当防衛でございます。主といたしまして、監視下におきましてはそういう船舶があり、そういう船舶が近づいて来るという場合には、これらに対して漁船その他と十分連絡をとりまして、これらの情報を伝える。もし不幸にしてそういう事態が起きましたときには、その拿捕に参りました船舶に対して相当に抗議を申込み、理論上の正しさを言つてこれを救う道をとりまして、極力紛争を起さないということを方針としておるわけであります。
○小松委員 ただいまのような場合に、監視船が出動して、拿捕せんとしたものに対して抗議を申込み、かつまた平和的にいろいろ解決しようという処置をとることは、きわめて必要なことだと存じますが、そういう場合に最も必要なことは、やはりこの監視船の性能というものが重要な役割をなすのではないかと思います。いわゆる装備、速力というものが弱体であつては、その用をなさないと思いますが、この監視船等の性能はどういう状態であるか、そういうような用を十分果し得るかどうか、ちよつとそのことをお尋ねいたします。
○柳澤(米)政府委員 現在の巡視船は海上保安庁法に定めたところによりまして速力は十五ノットであります。従いましてその性能は必ずしも高速力とは申せませんが、一般の船舶に比べますと相当に早いものと考えておる次第であります。なおこれらの船舶はレーダー、無線施設等は十分持つておりますし、測深儀その他も持つておりまして、これらによつて連絡は十分につくというふうな性能になつておるわけであります。
○小松委員 なお先ほどのお話にアメリカから船艇六十隻の貸與を受けて、緊急の場合に出動する警備隊を組織するというお話があつたと思いますが、このアメリカから貸與される六十隻の性能はどういう性能であるか、またどういう装備を持つておるか。これらの警備の用を十分果し得る性能であるかどうかを重ねてお尋ねいたします。
○柳澤(米)政府委員 今回米国に貸與を願つております船舶は、われわれの希望といたしましては千五百トン級の船舶十隻で、速力は大体十八ノットというふうに考えられております、なお三百トン級の船舶約五十隻、これは速力は十四ノット半あるいは十五ノットという性能を持つております。これらに対する装備につきましては、千五百トン級の船舶には、われわれといたしましては号砲程度のもの、すなわち三インチ級の号砲をできればつけてもらいたいという要求をいたしておるわけでありますが、その要求はいれられるものと考えております。
○小松委員 なおこの際水産庁の方にお尋ねいたしたいと思いますが、マ・ラインの撤廃後日本漁船の出漁範囲をおきめになつておるということであるが、どの程度にきめてあるか、その点をお伺いしたい。
○永野説明員 御質問のマツカサー・ライン撤廃後の漁船の操業範囲につきましては、これは漁業種類別にいろいろ考えなければならぬ問題だと存じております。この点につきましては、実は今資料を用意いたしておりますので、その資料をつくりまして皆様にお配りして、その上で漁業種類別に詳しく御説明を申し上げたいと存じておりますが、大体の考え方といたしましては、非常に重要な漁業で、国際関係を起しやすいような種類の漁業につきましては、政府の方でできるだけ規制をいたして参りたい。しかしながら海上に一定の線を引きまして、こういう線以外は操業できないというような、従来のマッカーサー・ラインのやり方と似たようなやり方では、なかなかその徹底は期しがたいと考えておりますので、そういうふうに制度の上で海上に線を画しまして制限をするというやり方はなるべく避けたいと考えております。
○小松委員 それでは後刻資料をちようだいいたします。それから拿捕せられた船の乗組員でありますが、これらの人々に対しては、今日何らの保険制度もないのでありまして、ほとんど船主がその全額を負担をしておるというような状態になつておると思います。しかし船主によつては負担能力のない場合が多い。ことに船を拿捕されたりしますと、船主がほとんど倒産状態に陷つておるので、そういう能力がないのであります。こういう場合に乗組員の救済制度というものを相当考えなければならぬと思うが、こういうことについて何かお考えがあるかどうか。きようちようだいいたしました漁船乗組員給與保険に関する資料は、まだ内容は見ておりませんが、これらにはその内容が含まれておるか伺いたい。
○伊東説明員 今御質問の点は、私の方でも従来からいろいろ研究しまして、大蔵省とも折衝いたしております。一応法律案を準備いたしまして、衆議院の法制局や田口委員と御相談申し上げて、できれば議員提出でそういう制度をつくつていただきたいということを今お願いいたしておる最中であります。 —————————————
○川村委員長 次に漁船乗組員給與保険に関する件について調査を進めます従来よりしばしば漁船の拿捕事件がありまして、漁船の乗組員が抑留されるような事態が発生しておりますが、このような場合の漁船乗組員の給與の支拂い、なお保険の方法によつて補償するという制度の必要が各方面より要望されておるような次第でありますが、本件について田口委員より発言を求められておりますのでこれを許します。田口君。
○田口委員 ただいま小松委員からお話がありましたように、マ・ラインが撤廃されても拿捕船は帰れないという実情になつておりますが、過去の状態を考えてみますと、二十六年度のごときは中共だけで拿捕された船員数は約千人、そしてまだ向うに抑留されておる者が大体半分程度でないかと考えるのでございますが、これはひとり支那東海ばかりでなく、北方における鮭鱒流し網あるいはかにの刺網、底びきという方面にも約三百三十そう程度の危険にさらされる船があるように考えるのでございます。この北方の危険にさらされる船及び支那東海の部分だけを考えましても、絶えず危険にさらされておる人員は一万二千人程度ではないかと考えるのでありますが、実際に拿捕されました船員の留守中の給與ということを現状においてよく調べてみますと、大きな資力のある会社では、拿捕された後におきましても遺憾なく留守家族に対して給料を支給しておる。しかしながらこの数年間にわたるマ・ラインのために各漁業者が非常に疲弊困憊しておる、そういう業者が非常にたくさんあるのであります。さような業者がただ一つの生産手段である漁船を拿捕された場合、船主に支拂いしようという意思がありましても、実際に支拂いができないというものが相当多くありまして、一方乗組員の方にも蓄積がないというようなことで、この問題が社会問題化しようとしておる。こういう状態でありますから、何とかこの問題について能力のない船主も留守家族に給料を支拂えるという制度をつくらなければならないと考えておるのであります。われわれといたしましては、この問題は国家が、国策の犠牲になる関係からいたしまして、当然補償しなければならないと考えますけれども、一面国家の財政は国家が補償するということができそうにない現状におきまして、しからばこの問題を放任しておいていいかという問題になりますと、現状からいたしましてはなはだ深刻な問題になつている。こういう関係からして、船主がお互いに保険によつてわずかの保険金をかけておけば、万一の場合があつても所要の給料の支出が保険金によつて補われるという制度をつくつたらいかがであるか、こういうことで内々研究しておるのでありますが、この問題はきわめて重大で、しかも非常に緊迫しておりますから、本委員会においてお取上げくださいまして、この問題について成案を得るような適当な処置を委員長においておとりになることを希望します。
○冨永委員 ただいま小松委員、田口委員からお述べになりました問題はきわめて重要な問題でありますから、田口委員のお述べになりました通り、委員長におかれては適当に善処されて、小委員会において審議をお進めになり、議員提出として御提出せられんことを希望いたします。
○川村委員長 ただいま田口委員並びに冨永委員よりの発言に対しましては、さようとりはからいまして御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○川村委員長 御異議なしと認め、漁業制度に関する小委員会に付託して立法その他の措置を講じたいと思います。さよう御了承願います。念のため小委員を指名申し上げます。 田口長治郎君 石原 圓吉君 久野 忠治君 鈴木 善幸君 冨永格五郎君 二階堂 進君 松田 鐵藏君 小松 勇次君小委員長は田口長治郎君であります。
○川村委員長 次に公海漁業に関する件のうち、三国漁業條約協定に関し、これを議題といたします。外務省欧米局長土屋隼君の説明を願います。
○土屋政府委員 昨年十二月に日、米、加三国の代表の間で決議いたしました三国漁業條約の案は、大体においてアメリカ並びにカナダの政府も、このまま調印してさしつかえなかろうということになりましたので、昨日午後三時外務省におきましてアメリカ大使、カナダ代理大使、外務大臣並びに農林大臣の署名を終りまして、ここに三国政府の正式調印を終つたわけでございます。この調印は各国がこれを国内的な手続によりまして批准する必要がございますので、わが方といたしましても最近の機会に議会に提出をいたしまして、皆様の御審議と御承諾を得たいと考えておるわけであります。会期その他の点から考えまして、なるべく早くと考えておりますが、準備の都合でただいまのところいつ提出するかという確定的な日取りが申し上げられないのは残念でありますが、御審議をいただける程度に早い機会に出したいと考えております。大体内容その他において準備が整いましてから、私の方から皆様の方に御審議をいただく材料を事前に配付できると考えております。さよう御了承願いたいと思います。
○川村委員長 ただいまの土屋欧米局長の発言に対して、質疑があればこれを許します。
○冨永委員 ただいま土屋欧米局長の御報告によつて了承いたしましたが、今期国会中にできるだけ急いで提案するようになるということで、われわれもぜひそうお願いいたしたいと思います。ただこの場合伺つておきたいと思いますのは、しからばアメリカにおける批准については一体どういう事情にあるか、またカナダにおいてはどうかということについて、欧米局長の御承知の範囲でお話おき願いたいと思います。 なお委員長にもお願いいたしますが、ただいま欧米局長の御報告によつて、今期国会にはぜひ御提案願えるように御協力を願いたいし、またおそらく外務委員会に付託されると思いますが、その場合には連合審査の手続を願いたいと思います。
○土屋政府委員 アメリカ、カナダの批准につきましては、実は調印前に内々先方の意向並びに事情を調査いたしましたが、大体アメリカ側は、七月の中ごろに議会が休会になりますので、本議会に間に合したいというアメリカ側の希望もございます。そんな点から、実は昨日の午前にアメリカの大使は信任状の俸品玉を済ませましたので、その信任状捧呈が終り次第ということで、きのうの午後になつたようないきさつがございます。カナダの方は六月一ぱい今の議会の会期がございますので、カナダもこれに間に合せるように努力したいという考えのようでございます。現に昨年ここに参りましたカナダの漁業大臣は、すでに議会におきまして、漁業問題のいきさつとその内容等について、一応の説明を加えられているようでございます。私どもの見ますところでは、おそらくアメリカもカナダも、ただいま会期中の議会にこの審議を終りまして、批准は大体早ければ七月の初め、おそくても七月の末までには完了を見るのではないかというふうに見ております。
○川村委員長 冨永君の発言中、委員長に対する要望に対してお答えいたします。近く外務委員会に提出になる見込みでありますので、こちらから連合審議をするように申入れの準備を整えております。
○松田委員 三国漁業協定に対するただいままでの外務省の御報告に、われわれは喜んで満足の意を表するものであります。しかして三国漁業協定に対しては、当時の水産庁長官である藤田氏は、あらゆる努力をされて、まつたく外国の圧力に屈せず、しかして功なり、名遂げたものであります。また前長官はよくわれわれ委員会対しても、その内容を発表し、しかして協力を求め、委員会においても顧問となつて、あの問題に対しては全力を注いでいたのであります。そうして功なり、名遂げた藤田長官は、何のゆえか首になつたのであります。平和なときであつたならば、男爵か子爵をもらうべき立場にあつたと私は考えておるのであります。 さて今日日韓漁業協定、台湾との漁業協定、この問題に対しては、外務省は何ゆえに水産委員会または業者に対して協力を要望しないか。われわれが尊敬しておる塩見長官が首になれば悪いというお考えで隠しておるのか。しこうして刻々とその協定が成り立つ段階にまでなつておる。しかも外務省のやつておることは、われわれが見ておるときにおいて、まつたく軟弱外交そのものである。われわれの主張する考え方と相当かけ離れておる点がある。世界の外交の上において、いろいろとかけひきはあるであろうけれども、国民の要望する点は、もつともつと深刻なものであると考えるのであります。北洋問題よりも、もつともつと朝鮮や台湾の漁業というものは、日本の漁業に対して相当影響の多いものであり、漁民の非常な関心を持つておるものであります。何ゆえに業者及び国会にこれを諮ることなくして、今日進められておるか。この点に対する外務省としての御意見を承りたいと思います。
○三宅政府委員 ただいまのお尋ねでございますが、国民政府との條約に関しましては、漁業問題についてはまだ交渉は行われておらないのでございます。朝鮮との交渉につきましては、日、米、加の場合と違いまして、先方との話合いによりまして、政府代表者だけを全権委員として、政府間の交渉としてやる、こういうことになつておりますので、業者の方々を代表と申しますか、全権に加えなかつたのでございますが、この交渉には、水産庁の関係官は加わつておられるのでございまして、水産庁の方々を通じまして、業界の御希望等は十分承知しておりまして、日本側の主張はあくまでも堅持いたしておるのでございます。そういう関係から、まだ交渉が妥結に至らない、こういう現状であります。この点御承願いたいのであります。
○松田委員 幸いにして塩見長官は、われわれが最も尊敬しておる長官であるがゆえに、また塩見長官は、われわれに刻々その大要を説明されておるので、委員会としても、ある程度のことは存知しておるのであります。しかし、今までわれわれが知る程度の案からいつたならば、国民の要望というものと相当かけ離れておる。朝鮮と九州、山陰地方との漁業というものは、あなた方がお考えになつてなつておるようなものではないのであります。日本の水産業からいつたならば、最も重大なものであります。たとい朝鮮が役人のみ、政府の代表のみにおいてこれを論議しようとしても、われわれが占領国家であつた当時のアメリカ、カナダ、これらでさえ、日本の顧問として、業者及び国会からも顧問をあげて、衆議を盡してあの成果を得たのであります。朝鮮というものはどういう国であるか、ずいぶん乱暴な国民がおる国じやないか、今日のあのデモ行進の状態を見てもわかる。そうして朝鮮という国は、アメリカほど国力を持つておるものでない。カナダほど国力を持つておる国ではない。その国と日本との漁業というものに対しては、相当ここに深刻なものがある。あなた方が三国漁業協定の批准するものを、われわれに近いうちにお出しになるということであつて、これはわれわれは、ただいま申し上げたように満腔の敬意を表して、あれには協賛することでありましよう。しかし、あなた方がきめられたことであつても、国会は国会の立場において、もしあなた方の決定されたことを、一人でもこれに反対するようなことがあつた場合において、あなた方はどのようにお考えなさるか、これが重大なものであると私は考えるのであります。ゆえにただいまのような議論が出ることであります。今まで日本の外交は軟弱外交といつてそしられたこともあるけれども、その裏にはりつぱな外交をしておつたこともあるが、外国に行つた方々の意見を聞くと、きよう二階堂代議士がいないからわからぬけれども、外務省が外国に行つてやつておることなんというものは官僚そのもので、一つのとりはからいもでき得ないということを口をきわめて言つておる、幸いにして長官がその代表となつておるからいいようなものの、長官の苦労というものはどれほど苦労しておるか。なぜ委員会にこれらを入れないか。私はその意見がわからぬ。しかも白洲次郎なんかという者が大使に—あれは君、とんでもない。向うかうオーケーが来ないじないか。日本の外交としてこんな侮辱された、こんなみじめなことが今までかつてあつたか。かようなことは自由党内閣のいけないことではあるけれども、外務省のいけないことでもある。日韓問題それから台湾問題があつたときにおいては、よくお考えになつてから善処されんことを要望しておきます。
○永田委員 ただいまの朝鮮と日本との漁業協定の問題でありますが、われわれもいつその交渉過程の内示が暗示されるものであるかということを鶴首しておつたのでございまするが、今日まで相当日月を要しておられるようでありますけれども、何らお示しをいただいておりません、先ほども私ちよつと言及いたしましたが、朝鮮沿岸、遠洋の漁場というものは、かつて日本人の水産行政によつて開発せられた由緒ある漁場でございまして、特に九州、山口、これらの各地においては待望やまざるものがあると考えておるのであります。そこでわれわれ国会といたしましても、この調整がすみやかに成るべく御努力を要望してやみませんが、ただ一点お伺いしておきたいことは、日本政府に先手を打ちまして、かつて昨年度と記憶いたしておりますが、李承晩ラインというものの宣言がありました。この李承晩ラインと称するものは、もとより外交的の解釈は別といたしまして、われわれ水産常任委員的の解釈をいたしまするならば、これは一方的の宣言であつた。何も朝鮮と日本が戦争状態にあつたのではない。むしろ日本に併合された、いわば日本の領地であつた。アメリカの行き過ぎによりまして日本から朝鮮を引離して独立をさせたのでありますが、これがアメリカの行き過ぎであるということは、すなはち事実をもつても明らかである。今日独立がなつておらない。この事実をもつて私はアメリカの行き過ぎであると断言してはばからないのであります。そこでこの李承晩ラインというものは、従つてえてかつてな、いわば精神分裂症の人の言うようなことなのです。あなた方の交渉のポイントになつておるのがごの李承晩ラインであろうと思うのでありますが、この李承晩ラインというものはどういうふうな要求が提出されておつて、これに対して外務省はどういうふうに交渉をされておるのか、その内容をお示しを願いたいと思います。
○三宅政府委員 ただいまお尋ねの李承晩ラインにつきましては、お説の通りこれは先方の一方的な宣言でございまして、申すまでもなく国際法の原則というものは、一方のそういつた主張によつて破り得るものではないのであります。従いまして日本政府におきましては、こういうものは全然無視と申しますか、問題にせずに、わが方といたしましては、公海自由の原則で、ただ例外としては、双方の利益のために、また世界中の食糧の確保のために、必要な漁族保存のための制限を双方の合意によつて定める、こういうことは考えておりますけれども、李承晩ラインのごときものは全然認めない方針で進んでおります。先方もその後、これにそのままこだわつているとは見られないと思われるのでございます。
○永田委員 先般二階堂委員から要求があつたと記憶いたしておりますが、アメリカ側は日本に対しまして、日、米、加漁業協定の調印に先だちまして、アメリカの水産担当官を任命して参つたのであります。この例にならうというわけでもありませんが、実質的に考えまして、日本の水産担当官を同じく関係諸国に外交的に派遣するということを同僚二階堂君から申し入れたと思います。それに対しまして外務省としても賛成の御意見のように承つておりましたが、その後この問題はどういうふうに相なつておりましようか。もちろんわれわれといたしましては、関係諸国に日本から進んで水産担当官を派遣いたしまして、先方の資源の保護というふうな事実もよく調査せしめ、学ぶべきことは学び、また権利の主張すべきところは主張せしめる。またわれわれ国会議員がそれぞれの諸外国を視察するにあたりましても、主としてこれらの担当官と連絡をいたしまして、国際親善にも貢献ができましようし、かたがた日本の水産の発展の意味にも大いに参考になる事実をつかみ得る動機ともなろうと思うのでありますが、その経過を御説明願いたい。
○土屋政府委員 この問題につきましては、いつぞやこの委員会におきまして御希望を拝聴いたしまして、私も当時外務省に帰りまして上司に諮つていたわけであります。もちろん外務省も、ぜひそういう担当官を海外に派遣して日本の水産業を進め得ればという考えを持つておりますし、今後もそれを推進したいと考えておりますが、現実には今のところ、予算的措置その他につきまして、在外の定員も非常に限られております関係上、すぐ実現という運びにまだ至つておらないのは残念でございます。そこでさしあたりは、水産庁等にお願いいたしまして、各方面の材料を集め、これを各公館特にアメリカなどに置きまして、漁業に関係の深い公館に置いて、さしあたり外務省の者が漁業の勉強をして、これによつて先方との間の話もしくは調査という方向に持つて行くのが、実際上の現在の建前でございます。ただ将来、お話のようにできるだけ早い機会に、漁業の担当もしくは少くも漁業関係を専門に受持つ在外公館員を出したいという考えは、私ども同じように持つておりますので、今後また上司ともよく諮りまして、いずれ議会等においても、具体的な案ができればお諮りをする時期が来るかと考えておるのが現在の情勢であります。いろいろ御不満の点もあるかもしれませんが、今のところはそのくらいのところが関の山であります。
○永田委員 ちよつと前後いたしますが、すると朝鮮との漁業協定の問題は、いつごろ解決する見通しでありましようか。
○三宅政府委員 これは御承知のように、ただいま交渉が一応中絶いたしておるのでございます。漁業問題につきまして、日本は正当な主張を堅持しておるということで、先方の主張との間においてなかなか妥結しないのであります。なおそのほかに朝鮮側におきましては、請求権の問題につきまして先方の主張がいれられなければ、他の問題についても交渉を進めない、こういうような方針を現在向うはとつておるようでありまして、いつ妥結するかということにつきましては、現在ではまだ申し上げられない実情であります。
○永田委員 日本側の財産権というものが認められないということは、アメリカ側の発表によつて承知いたしておりますし、これは了承いたしますが、朝鮮側が請求権を認めてもらいたいというのは、その請求権というのは一体何か、朝鮮は日本に何を請求するのか、その点を伺いたい。
○三宅政府委員 この点も交渉の内容になりますので、詳しくは申し上げかねるのでありますが、今御引用のアメリカの国務省が朝鮮における日本の財産を認めないと言つたかどうかということは非常に疑問でありまして、今確かめ中でありますが、われわれとしてはそういうことはないと信じております。問題になつておりますのは、日本が朝鮮において持つておりました財産が、朝鮮におりますアメリカ軍いわゆるヴェステイング・デクリーというものによりまして、一応接収されたのであります。それをアメリカ軍が朝鮮から撤退いたしますときに朝鮮側に移管して参つたのであります。朝鮮側ではそれは朝鮮に所有権が属しておるということを主張しておるのでありますが、われわれはそういうふうに解釈いたしませんので、そこに大きな主張の相違がある次第でございます。
○永田委員 もちろんこれは外務省当局もわれわれと同感だろうと思うのでありますが、朝鮮と日本とのこの権利の争いというものはあるべき筋のものではない。しかし向うが日本と戦争して勝つたがごとき錯覚を起して、いろいろなかつてがましいことを言つておるのだろうと思うのでありますが、たとえば日本の漁船が朝鮮の沿岸に、公海自由の原則に基いて出漁したという場合に、何によつてこれが制裁を受けなければならないという根拠があるのですか。
○三宅政府委員 向う側がそういうことをする法的根拠は何らないのであります。
○永田委員 朝鮮との漁業協定の経過並びに見通しに関し、外務省のみの交渉というものに対して、私たちは一種の疑惑のあることをおおい得ないのでありますが、水産庁の方はこれに対して専門的の意見を述べられて、いろいろ外務省に御協力になつたと思いますが、どういう方針でおられるのでありますか、一応承りたい。
○塩見政府委員 ただいま外務省から御答弁があつた通り、同じ意見でございます。
○川村委員長 漁業協定に関する件につきましてはこの程度にとどめたいと思います。 —————————————
○川村委員長 次に小高君より発言を求められておりますので、これを許します。
○小高委員 演習による災害補償の問題についてお尋ねいたしたいと思つております。 さきの三国の漁業協定の成立といい、目下問題となつております朝鮮との漁業問題も着々進展することを期待しておるのでありますが、かかる環境のうちに、最もわれわれが悩んでいる問題は何であるかというと、演習による災害補償の問題でございます。さきに日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障條約第三條に基く行政協定の実施に伴う土地等の使用等に関する特別措置法案によりまして、定置漁業権と区画漁業権は土地收用法と同様の性質によつて補償されることに相なつておるのでございまして、さらにまたその他の事項等につきましては、日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障條約に基く特別措置法によつて、外国ことにアメリカの船舶等が漁業に対し被害を與えた場合の補償が法律的に決定されておるのでございまするが、遺憾ながら従来まで自由漁業、許可漁業については、これらに対する法律的の裏づけがなかつたので、私どもは非常に嘆いておつた際に、たまたま去る七日の閣議と了承いたしておりまするが、閣議決定事項として、日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障條約に基く駐留する合衆国軍隊に水面を使用させるための漁船の操業制限等に関する法律案、これが閣議決定に相なるということを聞きまして、非常に欣快に思つておるのでありますが、この内容等はどの程度であるか、大体の内容等について水産庁長官の御説明を願いたいのであります。
○塩見政府委員 今小高委員からお尋ねの法律案要綱の問題は、七日に閣議決定いたしました。本日午後あたりに議会に提出される運びに取進め中でございます。 内容はかなり長いもので、駐留軍の方と時間をかけて折衝しておりまして、今までの制度よりも漁業者には有利になつておる分が多いと思いますが、詳細につきましては漁政部長から、その担当者として直接に折衝しておりましたので、説明をしてもらうのがいいのではないかと思いますから、御了承願います。
○伊東説明員 御説明いたします。今小高委員からお尋ねのありました通り、漁業権につきましては、すでに土地等の使用等に関する特別措置法案が上程されておりまして、漁業権については法律的な補償ができることになつたのでありますが、お説の通り許可漁業、自由漁業につきましては法的な措置はなかつたのであります。従来はこの補償の関係は閣議決定に基いてやつていたのでありますが、今度は全部法律でこの補償をしようという考えでありまして、内容は大体漁業権につきまして収用なり使用いたしますものは、内閣総理大臣、実際は調達庁がすることになつておりますので、われわれ考え方といたしましては、まずどういう海域を、またどういう期間駐留軍に提供して使用させるかという決定は、内閣総理大臣が農林大臣の意見を聞いて決定するというふうな考え方をいたしております。そう区域等につきましては、実は目下合同委員会の下にありますところの海上演習班において、向うと折衝いたしておるのでありますが、まだ区域等については決定はいたしておりません。そういう段階になつております。 それから損失補償でありますが、これは土地収用法等にも書いてありますように、大体そこで操業いたしておりました許可漁業、自由漁業につきまして、通常生ずべき損夫を補償を補償するという考えでおります。これは土地収用法と同じような思想であります。 そのほか大体手続規定でありまして、都道府県知事がその申請書に意見をつけて出して来るとか、不服があつた場合には内閣理大臣に異議の申立てをするとか、あるいは弔慰金の額が少いというときには増額の請求もできるという、従来はなかつたような漁業者の保護というものを、法律案の内容に盛つておる次第であります。
○小高委員 仄聞するところによりますと、防衛支出金の六百五十億の中から、九十二億がこの法律案に基く支出ということを聞いておるのでありますが、その数字が出ることになりますと、農業とかその他の補償にも該当するのでございましようが、水産関係の大体の数字、すなわち千葉県の場合には九十九里浜沿岸一帶にわたるところの演習による災害補償、及び東京湾におきましては冨津等に支出されましたいろいろの原因によつて補償されるべき数字が決定されておつて、その総額の九十二億が出たのであるか、またそれらの内容は全然まだ決定しないで増わくだけを決定したのか、その点をお尋ねしたいのであります。
○伊東説明員 お答えいたします。今のところは私どもの方としましては、九十二億のうち漁業が幾らというようなことは、まだ決定をいたしておりません。今御質問の、たとえば千葉の片貝は何日間演習をやつて、それをどうというふうに積み上げまして、そうして水産関係が幾らというふうには実はまだ決定いたしておりません。九十二億のわくのうちでどういうふうにするかは、われわれ今後の大蔵省との交渉だと思つております。今われわれが大体算定しております金額を申し上げますと、去年と同様な区域で同様な演習が行われたと一応仮定して計算してみたのでありますが、その金額は大体十億ぐらいと出ております。これは一応の計算でございまして、今後の大蔵省との交渉と、区域がどういうふうにきまるか、あるいはまた演習の種類がどうなるかで金額等は相当かわつて来ると思います。
○小高委員 本法律案はこれから国会へ上程されんとするものでありますがゆえに、いずれ上程のあかつきにおいてわれわれは具体的にこの審議に入らんとするのでございますが、政府当局におきましては、水産の重要性にかんがみまして、他の補償等と比較いたしまして遜色ないように十分の御注意あらんことを希望いたしまして質問を打切つておきます。
○川村委員長 木村君より発言を求められております。これを許します。木村君。
○木村(榮)委員 海上保安庁の方に二つばかりお尋ねしたい。一つの問題は、漁船が拿捕されましたときの現場に監視船が遭遇したことが今までにあるかないか、その点です。
○柳澤(米)政府委員 先ほど申し上げました通り、今までそういう事態はなかつた。
○木村(榮)委員 そういたしますと、監視船の警戒海域の外部においておもに拿捕事件を起した、このように解釈してさしつかえございませんか。
○柳澤(米)政府委員 独立以前におきましては、われわれの海上保安庁におきます巡視船は、基地から百海里を限度として、外へ出るのは遭難あるいはその他の事態が起きた場合にのみ許されることであつた。東支那海等における漁船の監視は、水産庁における監視船をもつて主力としておつた状態でございます。そのほかに米海軍等の監視ということがあつた。独立後におきましては、この海上保安庁における巡視船の警戒の制限は、撤廃されたわけであります。その後におきましはは、われわれの巡視船が監視に当れる結果になつた。従いまして、申し上げました今までなかつたという事実は、主として水産庁の監視船の問題と、時折緊急の事態に出きたわれわれの巡視船の状態を申上げた次第であります。
○木村(榮)委員 もう一つ。今度の大海区制の関係でいろいろ問題があると思いますが、そういつた監視というような点は、水産庁の方は海上保安庁とは大体御連絡をなさつて十分御監視なさる方針であるかどうか。
○塩見政府委員 大海区制の問題は、この間も起りました旋網漁業、その他底びきも起つて来るかもわかりませんが、その問題だと思いますけれども、そういう問題の処理につきましては、もちろん私の方は保安庁の方と緊密に連絡しながらやつております。今後もやるつもりでございます。
○小松委員 駐留軍の演習の問題でありますが、これは安全保障條約に基く行政協定によつていろいろ御相談が進められておることと存じます。先ほどのお話では、まだ水域が決定しておらぬということですが、事実そうなんですか。
○伊東説明員 お答えいたします。それは行政協定りますと、九十日間はずつと今まで通り使えるように書いてあります。九十日間に話合いがつかないでもまだ使えるようになつておるのでありますが、われわれといたしましては、その間に話合いをつけるものはつけようということで、合同委員会の下に各委員ができまして、それで今交渉いたしておるのであります。今の段階は、向う側からこういう所を使いたい、そこではどういう期間にどういう種類の演習をやるというような申出があり、われわれの方から、それにつきまして一つ一つ意見を出して交渉をいたしておるというような段階でございます。
○小松委員 そうするとその水域については話合いがつくと思いますが、今後演習する場合には、決定された水域以外には演習を行わないということに承知してよろしいのですね。
○伊東説明員 その点はわれわれも交渉の第一段階から申しておるのであります。そこで中央で話合いのついたもの以外では一切演習はやめてもらうように、その点は向うでも話合いの途中においては了承しております。私どもも最後にこれは書き物ではつきりしておきたいというつもりであります。今までよく、向うのキャンプの前で海水浴をするから立入り禁止であるというようなことがありましたが、そういうものも交渉しておりますが、そういうものについては、一切禁止の制限等はしないということは、今までの話合いの中で、一応向うも了承いたしております。
○小松委員 なおお尋ねします。先ほどのお話では、かような水面を提供する場合には、内閣総理大臣は農林大臣の意見を聞いて定めるということになつておるというお話でありまするが、農林大臣はその地方の漁民の意見を徴することはしないのですか。そういう御意思はありませんか。
○伊東説明員 実は私、その委員会の海上演習班の班長のような形で交渉いたしておるのでありますが、われわれのやり方としましては、県の方々と御相談はいたしております。実は私、現場も全部は行つておりませんが、直接行つて漁民の方々の意見を聞いた所もあります。われわれの考え方としましては、全部関係漁民の方と直接交渉した上でと言つても何ですが、県の意見というものも第一段階に取上げて、県と相談してやるということをやつております。県は当然県の現地の漁民の意向も聞いて行くというふうに私了解しております。
○小松委員 そうすると、大臣は県と相談をするということに承知してよろしいですね。 なおお尋ねしますが、問題はさような場合の損害補償の方法にあると私は思う。これは追つて法案が出るそうですから、そのときに十分われわれも検討したいと思います。それはそのときにするといたしまして、今まで演習した土地に対して損害の補償はどうなりますか。
○伊東説明員 二十六年度までの演習については、補償はいたしております。その金額は、今までやりましたものは、全部で大体四億円くらいは補償いたしております。これは二十六年度までの演習について補償でございます。
○小松委員 それは全額支拂われておるのですか。
○伊東説明員 これは全額負担の算定の問題になるのでございますが、ある地方においては少いというような不満もあつた点もあります。しかし今までの二十六年度までの分については一応これで終る。今まで二十六年以前の分についてはということで大蔵省とも話合いをしまして、三月に二十五年、六年度分として二億八千八百万ばかり拂つております。二十五年度に一億二千何百万ということで、合計しまして四億円ちよつとという金を一応拂つております。
○永田委員 最後に海上保安庁長官にお伺いしたいのであります。先ほどちよつと伺つたことでございまするが、今度愛媛県の松山市ですか、これに監視船の基地ができたと承つておるのでありまするが、これはまことに当を得た策であると考えます。ところでこの取締りの方法ですが、もちろんこれは水産庁にも責任があるのですが、水産庁の監視船ではやはりこの取締りの徹底を期することは困難であろうと思います。そこでお願い申し上げたいことは漁業の方法としてやつていけない方法、禁止せられておるところの方法があるのです。その中でダイナマイトを利用して漁をすることは絶対いけないのです。それはもちろん漁獲の結果は実にいいものがありましようが、ダイナマイトを使用いたしますと、海底の海藻類にも非常に悪影響を及ぼしまして、遂に荒廃してしまい、取返しがつかない。二年や、三年ではなかなか旧態に復帰できないというのが事実でございます。ところがたまたま—松山の沿岸であると考えますが、あの辺は大小の島がたくさんあります。この川沿岸は有名なたいの漁場であります。このたいの漁をするにあたりまして、広島県側の密漁団が入りまして、盛んにダイナマイトを使つているという情報を手にしたのでございます。今日ダイナマイトがたくさんあるということがそもそもおかしな話ですが、御承知のように、広島には終戦後武器弾薬がありました関係上、これを軍部が海底に放り込んだ。それを網で拾い上げて、これをもつて方々白書至るところで百鬼横行のまねをしておるというのが現状です。これはもちろんやることがそもそも間違つておりますけれども、これをこのまま放任しておいたのでは、いたずらに漁場が荒廃するだけでありますので、特別にこの手配を願いまして、ダイナマイトは絶対に使わないというふうなことを御研究願いたい。でき得れば広島県側の密漁団の家宅捜査もせられて、それらのものを没収するというような、もつと強硬な措置を緊急にとつていただきたいと思います。
○柳澤(米)政府委員 ただいまのダイナマイトの密漁事件でありますが、これにつきましては、私の方といたしましても、一番重点を置いて取締りをやりたいというふうに考えております。現に今年に入りましても、広島県地方検察庁を中心といたしまして、国警、海上保安庁及び自治警その他の関係官が集合して、これらの者に対して、厳罰主義でもつて十分な取締りを行うということで発足をしております。なおお説の通り、これらの爆薬その他は旧軍で使用されたものが相当ある。これらの引揚げに関しましては、運輸省令をもつて許可制と相なつております。これらの許可を受けずに引揚げたという者に対しても、相当な厳罰をもつて臨むことに相なつております。しかしながらこれらが巡視船等がいない場合、主として夜間におきまして爆薬を用いて密漁をなす事実もあるということも承知いたしております。これらにつきましては、今までにおきましても相当各島々におきまして爆薬を使つている漁民等の逮捕その他も行つて来ている。なお今後におきましても、お説の通り、ことに松山付近その他に重点を置きまして、瀬戸内一般の爆薬による漁業の取締りということについては、十分力を注いで行きたいというふうに考えます。
○川村委員長 本日の委員会はこの程度にとどめ、次会は明後十二日午前十時より開会いたしたいと思います。 本日はこれにて散会いたします。 午後零時四十九分散会