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13回国会衆議院1952/04/19

水産委員会 第30号

発言数
64
登壇者
10
会派数
1
開催日
1952/04/19

会議録

川村善八郎自由党

○川村委員長 これより水産委員会を開きます。  この際お諮りいたします。本日農林中央金庫理事鶴田亀男君、同審査部水産課長宮島八弥君の両君を参考人の選定し、水産金融特に漁業権証券の資金化、並びに漁業災害復旧資金の融通につきまして、その実情を承りたいと思いますがこれに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

川村善八郎自由党

○川村委員長 御異議なしと認め、さよう決します。  これより水産金融に関する件について調査を進めます。本件については質疑の通告がありますので、順次これを許します。松田鐵藏君。

松田鐵藏自由党

○松田委員 大蔵省の銀行局長の御出席を願つておるのでありますが、どのようになつておりますか。

川村善八郎自由党

○川村委員長 本日政府委員といたしまして、大蔵省銀行局総務課長福田久男君、並びに水産庁協同組合誤長濱田正君、さらに先ほど皆さんから御承認を得ました中金の鶴田亀男君並びに宮島八弥君が出席しておりますので、この方に御質問のある方はどうか御質問を願います。

松田鐵藏自由党

○松田委員 私がまず第一番にお伺いしたいことは、このたび十勝沖震災による、さんたんたるあの災害に対し、国会は十勝沖震災の特別融資に対する法案を議決し、水産部門として六億に対する三割の補償、四分の利子補給を議決しておるのであります。ところが、北海道及び三陸地方の各県の漁業協同組合連合会長及び県当局から、この姿金融資に対して一日も早く融資願いたい。そして法律ができ上つたと同時に上京して、それぞれ金融機関に対して了解を求むべく努力していることをわれわれは知つているのであります。また私どももこれに対してあらゆる協力をして今まで動いたのでありますが、委員長も何回となく中金に参りまして、その一日も早からんことを希望しているのでありますが、中金に行きますと、大蔵省から別わくをもらわなければ困るとか、やれ自分の方の資金が足らないから困るとか、いろいろなお話をされました。それも一々ごもつともな話とは聞きますが、大蔵省に責任を転嫁しているのでありまして、一昨日銀行局長のところへ委員長と私が同道いたしまして、これまたいろいろと折衝いたしましたが、中金にのみ責任を負わして、一向にらちが明かぬような状態になつているのであります。また大蔵省は中金に対しては、特に昨日担当の理事をお呼びになつてお話をつけてあげるというお話もありましたが、昨日午後になりまして連絡をいたしましたところが、まだその具体的な話がない、抽象的な話ばかりである、かようにその経過を報告されておるのであります。現地における状態はどのような実態になつておるか。今までのあの災害のあつた場所は、幸いにして当時休漁しておつたときであつたが、しかし漁網、漁具を流されてしまい、またあらゆる設備を破壊されてしまつて、政府の資金を、またこうした法案によつての資金を望まなかつたならば、立ち上ることができ得なかつたような状態になつておることは、中金においても大蔵省においてもよく御承知のはずだと私は考えているのであります。北海道庁においても、財政の困難なところから、あらゆる面に対してその融資をして、どうにか今日の状態を保つておるのであります。しかしまだ私どもにおいても漁網、漁具に対して、私みずからの判をも使つて網会社に対して手形をもつてこれをあつせんしておるような状態であります。かような状態になつておるのに、中金は大蔵省に対して責任をかけようとする、大蔵省は中金に対して責任をとらせようとする。こうしたときにおいて、今五月からあの地方の漁業が最も盛漁期にならんとするときにおいて、機会を逸してしまわなければならない。これこそ災害よりももつとひどい打撃を漁民が受けなければならないのであります。生産意欲、復興意欲に燃えて、どうかして一日も早く政府の温情ある資金によつて、災害地でないところの人の三倍、五倍の努力をして、融資をされた金も返そうとするであろうし、またあらゆる自己の財産をも守り、しかも生業に立つて行こうとする者に対して、大蔵省、中金はその金を出すのはどこだここだということを今日まで依然としてやつておるのでありまして、この点に対する中金のお考え、それからまた大蔵省のお考えは、どのように善処されんとするのであるか、この点大蔵当局とまた中金の鶴田理事から詳細御意見を承りたいと存ずるものであります。

川村善八郎自由党

○川村委員長 まず大蔵省銀行局総務課長福田久男君の御答弁を願います。

福田久男大蔵事務官(銀行局総務課長)

○福田(久)政府委員 お答えいたします。十勝沖地震に伴う漁業災害融資について、農林中金と大蔵省との間で責任のなすり合いをしておるのじやないかというおしかりを受けたのでありますが、この十勝沖地震災害に伴う金融につきましては、申すまでもなく農林中金を初めといたしまして、関係金融機関から従来の取引関係等とも関連いたしまして、融資の申込みあるいは融資の実行が行われることになると思いますが、主としてやはり農林中金が中心になることは当然のことであろうと思います。北海道拓殖銀行等も、北海道におきましては、漁業について融資面でも相当活躍しておるとは思いまするが、農林中金がその多くの割合を占めることになろうとは思います。そこで農林中金におきましては最近毎月四億円程度の農林債券の発行をいたしておるのでありまして、この農林債券とそれから資金運用部資金の資金等をもつて、農林中金としての金融業務が行われておるのであります。これらの資金によりまして農林中金のいろいろな融資が行われるので、この全体の農林中金の資金繰りの事情、それから一般的な融資の状況等をにらみ合せまして、どの程度どういう方面へ資金が運用されるかということを勘案いたしまして、十勝沖の災害に伴う融資もその一環として考えて行くべきではなかろうかというふうに思うのであります。もちろんそれによつて必要がありますれば所要の措置を考慮して参らなければならないと思つております。ただ今申しましたように、資金全体の繰りまわしと申しますか、その間の事情をにらみ合せて考慮して参りたいと思つておるのであります。なお資金運用部資金による金融債の引受けという問題につきましては、御承知のように昭和二十七年度につきましては、その資金の運用計画といたしましては、金融債の引受けということは一応今計上されておらないのでございます。大蔵大臣も財政演説において、二十七年度においては一応計上はしておらないが、今後金融債の引受けができるように格段のくふうと努力を拂うということを財政演説でも申し上げておるように、二十七年度につきましても金融債の引受けということは何とか考えて参りたいということで、いろいろくふうをいたしておることは御承知のことだと思うのでありますが、ただいまのところ金融債の引受けというのは、二十七年度におきましては行われておらないのでありますが、それにかわるべき措置といたしまして、さしあたりといたしましては、先般百億円の国庫余裕金の預託を銀行に対して行いまして、それによつて金融債の消化の応援をいたしておるのであります。もちろんその預託された資金による金融債の引受けの援助と申しますか、その応援の対象になる金融債には、農林債券も含まれておることは当然でございます。しかしながら今後におきまして金融債の引受けが実行されるような場合におきましては、諸般の事情を考え、農林中金の資金繰りないしは今後の金融見通し等を全体的にひつくるめて考えまして、その中にはもちろん十勝沖の問題も考慮の対象に入れて考えて参りたいというふうに考えております。

松田鐵藏自由党

○松田委員 私が今質問したのは、そんな抽象的な議論を聞くために質問を申し上げたのではありません。具体的にどうすればいいのか、どうするのだということを、委員長とニ人で同道して銀行局長にお尋ね申し上げたのであります。その結果が、中金の理事を呼んで、それからまた農林省の官房長を呼んで、この問題の解決を今日の実態から行つて一日も早くやつて行かなければならないという結論において話を進めておつたのであります。ただいまの総務課長の御答弁は、抽象的な国全体と農林中金との間の資金繰りの繰合せを長々と説明されましたが、それは私の質問の要旨と全然異なつておるのであります。どういうようにやつてくれるのか、銀行局長から総務課長はよくお聞きになつたことと思います。その具体的な方法をどうするのだ、こういうことを私は質問しておるのであります。どうか具体的な方法によつて、どうするのだということをお話し願いたい。

福田久男大蔵事務官(銀行局総務課長)

○福田(久)政府委員 さしあたりといたしましては、農林中央金庫の資金繰り上、個別の融資の申込みは続々と出るとは思いますが、一挙に数億というのが一ぺんに出るかどうか、現地の事情によつてよくわかりませんが、農林中金の方はある程度御存じかもしれませんが、おそらくぼちくと出て来るだろうと思います。それに対応する農林中金の資金繰りの事情は、後ほど農林中金からお話があると思いますが、さしあたりとしては、資金繰りの面ではそれほどきゆうくつでないのではないかと思います。金額は私はよく存じませんが、さしあたりといたしましては、現在毎月四億出しておる農林債券とその他の農林中金の資金によつて、ある程度カバーできるのではなかろうか、将来の問題といたしましては、先ほど申しましたように、農林中金の全体の資金繰りの一環として考えて参つたらどうかというふうに思います。

松田鐵藏自由党

○松田委員 その御答弁を聞きたかつたんです。各県から出て来ている具体的な水産問題は、もう骨子がきまつております。そうして六億という、法律で制定されたものも一ぺんに必要のないということは、われわれも承知しております。かし大蔵省の御意見としても、全体の中金のわくをどの程度に持つておるかということは、現在農林中金においてはあまり資金に対してきゆうくつでないじやないかというただいまの総務課長の御意見も、それから銀行局長の御意見もあつた。これなんだ。そこでもつて大蔵省の御意見はまたあとからとして、中金として鶴田理事は、ただいま、将来のことでなく、今日現在あまりにきゆうくつでないと、監督官庁である大蔵省が言われておるのに、中金としてはどういうわけでこれに対してしぶつておるのか、この点を承りたい。北海道からは、具体的な方針をはつきり中金に対して明示している。そしてもう三週間もこの問題にかかつておる。中金はこの点に対して、どのような見解を持つておられるのか、この点を承りたい。六億も必要がない。五億も必要がない。三億も必要がない。今必要なものは幾らかということも北海道からは、また三陸からも、はつきりと出ておることだと思うのです。先ほど言つたように、拓殖銀行だつてこれはどうしても出して行かなければならない。しかし系統機関は漁業協同組合である。個人々々は銀行との貸借はあるが、あの法律からいつて、すべて漁業協同組合が責任を持つて行くのである。その系統機関が農林中金である。ゆえにわれわれは農林中金というものを第一の対象として論議をし、今まで努力を続けて来ている。大蔵省の現在あまりきゆうくつでないという御意見は、銀行局長からも承つて来ておるのです。今総務課長からも承つたのです。この点に対して中金はどういうように善処してくださるか、この御意見を承りたいのであります。

鶴田亀男農林中央金庫理事

○鶴田参考人 ただいまのお尋ねにお答えいたします。十勝沖の震災に伴う災害の復旧金融については、中央金庫といたしましても、関係方面の方々と連絡をとりまして、非常に心痛をいたしますと同時に、これが対策についてはいろいろの研究をしおるつもりでありますが、ただ災害復旧のための金融ということになりますと、御承知の通りに、長期あるいは中期の資金でまかなわなくちやいかぬ、かようになるかと思うのであります。そこでこの中期の資金でありますが、これの資金源を求めるというふうなことになりますと、結局中央金庫といたしましては、今許されております債券発行の仕事を実施いたしまして、債券を発行いたしまして、それでもつてこれをまかなうほかに大体方法がなかろう、こういうふうになるかと思うのであります。ところがこの債券の発行は、大体従来月に四億くらいずつ発行して参つたのでありますが、本年度の発行計画と申しますか、それには大体月四億ずつとしまして四十八億の発行を予定しておつたのです。ただいま総務課長からもお話がありましたように、資金運用部の金融債引受けは、今のところ停止されておりますけれども、いずれはそれが再開されるのではないかという期待のもとに、四十億から四十八億くらいの三年の農林債券を発行して行きたい、こういうふうな計画を実は持つておるのでありますが、この運用は、実は前に予定された。たとえば有畜農家の創設の資金だとか、いろいろな用途の先約がございます。大体一ぱい一ぱいになつておつたような状態でありますので、金庫としましては、従来はそういうふうな予定してなかつた災害の金を出せというふうなお話でありますと、できることならば、政府の方にお考えを願いたい、こういうふうにお願をしておつたわけでありまして、決して責任を回避しているというような関係ではないのだというふうに、御了承を願いたいのであります。それで根本的には、そういうふうな考えと方針を持つて進んでおるのであります。ただ目先の問題としては、それではどうするかというふうなお話でございますが、これは松田さんからもまた総務課長からもお話がありましたように、災害復旧の金と申しましても、一度にどつと出て行くものではないと思います。やはり融資をいたしますには、借入れ側の準備もありましようし、私の方の審査もかかりますので、数箇月の期間を要するかと思います。そういたしますと、今総務課長のお話がございましたように、中央金庫の当面の資金繰りというものは、必ずしもきうくつじやないというふうに、これは私どもの方も考えておりますので、順次そういうことで資金が出るということであれば、急を要するものは、それに対応して私の方は融資を実行して行きたい。ただ将来の問題としましては、農林債券の発行に依存するのが、これは金融の常道でありますから、そういう期待を持ちつつ、当面急を要する融資については考えて行きたい、かように思つております。そういうことで御了承を願いたいと思います。

松田鐵藏自由党

○松田委員 ただいまの中金の御説明で、私もある程度までは満足するものでありますが、今の災害の現地の状況をよく御認識願いたい。先ほど申し上げたように、今までは休漁期であつた。これから北海道は一ぺんに漁業が始まるのです。それが今日は四月十九日です。三月四日に災害があつて、そこで北海道庁は北海道庁としてあらゆる処置をとつている。しかもわれわれは、たとい国が災害の補償をすることであつても、国の補償に依存するなどという考え方はいけないのだ。ゆえに北海道庁としても、これに対して補償するという責任を持てと、そこまでわれわれは具体的に、北海道庁に対してまでこの議論を進めて、それを承諾させている。しかし先ほど申し上げましたように、六億の金を今すぐ出せというのではありません。また三億を今すぐ出せというのではない。とにもかくにも業者個人々々は、銀行からいろいろと借財もあるだろうし、融資も受けることができ得るでありましよう。しかしこれは系統機関としての漁業協同組合が主となつて、すべての問題をスムーズに解決せねばならぬのである。委員長も私も、網会社にまで判を押して、手形で金を借りて、あなた方の方から出る金を出るものと信じて、また出すべきであるから、手形の保証までして、そして網の手配をしている。それだのに、ただいまの御議論はりつばな御議論であるけれども、そんならいつ出してくれる。どれだけ出してくれる。そんなようなことも審査もしなければならぬと言うが、審査をするのに、まだ四箇月も三箇月もかかるのだと言われたならば、もう魚は行つてしまう。ことしは壊滅の状態になりましよう。それであるから、何とかここに中金は態度をきめて、ああいう災害地に対しては、災害地の人々の意気の沮喪しないうちに、呼び水をやつてくれというのが―今の道庁でも、または漁業協同組合連合会でも、各単協でも、われわれ国会議員としても、それのために努力をしておるのであります。あなた方の銀行は、拓殖銀行のような商業銀行ではありません。私がこのようなことを言えば、またいつか何かのときにおいてしつぺ返しをしようとかいうようなお考えがたといあつたつて、そんなことはかまわぬ。そんなものを恐れていないで、国民の代表としてここでわれわれは議論をしておるのであります。ややもすれば、中金はいつでもそうです。そのような態度で行つたときはどうにも―中金の改組という問題がこのごろ出て来ておるのも、そういうところに原因がある。どうも金融機関とすればやむを得ないでしよう。いろいろ審査をして行かなければならないでしよう。そこにめんどうなところがあるから、この法律は、国が三割の補償をして行く。こんな有利な金の貸し方というものはあるものじやない。これは、生産意欲を増させるために、災害地の復旧をはかるがために、国が三割の補償をするのであります。金利に対して四分の利子補給をするのです。普通のあなたの方の月四分の農林証券を発行する、そうして資金繰りがどうのこうのというのと事が違ういうことを、賢明な鶴田理事は御認識あるはずだと私は思つておりまするが、一般の金と同一にお考えになつておることは、ややもすれば、金融業者は常にそういう考え方を持つのだ、しかも今日一番悪いのは金融業者である、それを中金がこのごろなれて来た、だんだんまねて来た、普通一般の銀行屋の悪いところを。どうかそういうことをせずに、今日ただいま必要なだけは出したつて、一向さしつかえないじやないですか。金繰りがきゆうくつでないというし、あとから、あなたの方のお考えであつたならば、必ず農林債券は確保されることと思われるだろうし、国は三割の補償をしてくれるだろうし、利子補給はするだろうし、それから北海道庁はこれに対して補償をするというのだし、こういう條件が備わつていること、またこれほど緊急な金というものはないことだと思います。あなたの方が出してくだされば、拓殖銀行だつて、自分は金があるのだから、早く出さなかつたならば、これはとても中金にばかり拂われて自分の方には拂われないということを心配するから、拓殖銀行が、あなたの方さえ出してくれれば、喜んで三分の一くらいは出してくれることだろうと私は確信しておるのであります。きのうも拓殖銀行へ行つて参りまして、中金がどうなつておるのだろう、中金は出してくれることにきまつておるのだから、ひとつあなたの方でも善処してもらいたいということを、松下常務にぼくは会つて話して来た。それだのに中金はやれ大蔵省がどうだの、大蔵省に行けば中金がどうだのと、まつたく責任のなすり合い、現に鹿児島あたりの金も、まつたく現地の中金の支所が非常にきゆうくつな考え方を持つて遅々として進まないということを二階堂先生から私は承つておる。これはどういうところに欠陥があるのだろう。この欠陷を除去しなかつたならば、政府の特殊銀行として、金融機関として備えておる中金の存在というものはなくなることになる。この点です。どうか賢明な鶴田理事は1国会でこれまで論議される必要がない患う。われわれもあなた方にはいい顔をしていたいのだ、何かのとき頼みに行つて、ああ鶴田理事、ひとつお願いしますと言つても、こんなことを言うと、松田というやつは、あのとき文句言つたから必ずしつぺ返ししようという考え方を起されては、実際われわれも迷惑なんだけれども、国会議員としての立場からやむを得ない。どういうように、いつ出してくださるか、どれくらい出してくださるか、まあ腹をきめて忌憚ない御意見を承りたいと存じます。

鶴田亀男農林中央金庫理事

○鶴田参考人 お答えいたします。十勝沖の震災の被害は非常に大きくて、特に時期的に今盛漁期に入つておるから、非常に大切な時期です。資金は急速に流す必要があるからというふうなお話を伺いまして、私どもも実はさように考えておるのでありまして、できるだけ早く必要な資金は融通する必要がある、かように考えております。ただ先ほど私が申し上げました借入側の方の準備も必要でありましようし、また金庫としての審査の時間もあるから、一度に資金が流れて行くとは考えませんので、多少時期的なずれがあつたとすればというふうなことを申し上げましたのに対して、どうもそれはけしからぬじやないかというおしかりをこうむつたのでありますけれども、これは別に私特にそういうふうにずれてやつて行きたいというふうな考えではありませんで、ただ実際問題としては、そういうふうなことになるのじやないか、一度に出るのではなくて、あるいは二箇月なり三箇月なりかかる場合もあるのじやないか、その場合に、金庫の資金繰りからいいますと、そういうふうな状態なら実は都合がよろしいのでありますから、実際の資金需要に応じた資金の融通ができる見込みでありますと、こういうふうな意味で申し上げたのでありますからして、さように御了承を願いたいと思うのです。なお農林中金の貸出しの態度といいますか、取払い方がどうも厳格過ぎるとか、あるいは不親切だというような意味合いのおしかりもあつたのでございますが、これは私どもとしては、十分戒心をして、できるだけ漁村なり協同組合のために役立つように、実は努力をしておるつもりであります。ただ御承知のように、最近災害その他の資金需要も非常に多うございます。仕事の分量もふえておりますのに、職員も手不足なり、ふなれの者もありますので、あるいは多少行き違いや手の届かないところがあるかとは思いますが、われわれとしては十分努力をしておるつもりでありますから、その辺はひとつ御了承を願いたいと思うのでございます。それから、これは決して逃げ口上で申し上げるのじやないのでありますけれども、一応御参考までにお聞取りおきを願いたいことは、金庫の資金は御承知の通り、大部分の資金は、預金が資金源の中心をなしておるのですが、この預金の多くの部分は、これは農業場関係が実は多いのであります。それに対してまあ水産関係の貸出しも相当やつておりますので、そういうふうな面からの多少の批判もないではないような実情であります。(「電気会社には貸しておるじやないか」と呼ぶ者あり)別に私どもそれにとらわれておるわけでは決してないのでありますけれども、その点も多少お心置きにとどめていただければ仕合せだと存ずるのであります。

松田鐵藏自由党

○松田委員 あとのお説に対しては問題外の話なんです。ゆえに中金改組の議論が今おびただしいのであります。しかしそれはあとにして、北海道庁が補償いたしますということであるならば、何もあなた問題ないじやないか。一億くらいの金は今二箇月や三箇月くらい出してやればいいじやないか。それを出さないなんていうばかけた話はどこにある。あなたはそうして水産関係の預金がないと言うけれども、それは水産関係の預金もないだろう、しかし水産関係にはずいぶん出してくださつたのだ、今まで……。北海道においては水産関係のものは二十何億という金は、わずかに三千万か四千万の預金よりなくして、そうして二十何億というこげつきがあつ出たことも知つておる。あの漁業権証券の品とり方はどうだ、あなたはそんなことを言つたならば、これから漁業権証券の問題で論議いたしましよう。しかしそれをみんな拂つたじやないか、あなたの言うなりになつているじやないか、農業関係だという、それは農業関係にも農林中金であるからやらなければならない。しかし国はあなた方の金庫に対してどのようなことをやつておるのか。農業、漁業というものは原始産業なるがために、年に四十八億も債券を承認しておるではありませんか。そうしたならば二箇月も三箇月もかかる前に、そういう審査も必要だろうけれども、北海道庁が補償をしようとまでなつておるのに、何のこれに心配があるか、あとからゆつくり御審査なさつたらいいじやありませんか。それをやらないというのはどういうのか、私ら意味がわからないのだ。われわれは市中銀行の拓殖銀行に対してはこういう議論はいえません。中金なるがためにこの議論が言い得るのです。われわれはこれからまだいろいろな法案によつて国の資金をあなた方に與えんとしておるだ。しかしあなた方のただいまのような御意見であつたならば、まつたく現在の中金の理事に対しては不信を持たなければならない。今農業関係から叫ばれておる中金の改組ということは本当だと思う。ただいまこの方面から電気会社に金を貸しておる、個人に金を貸しておるじやないかという御議論があつた、私もその実例を知つておる。こういうものを問題にしたらどういうことになる。災害によつて困つておる、そうして呼び水を出してくれて、六億のうち一億でもいいから早く出してくれというこの国会の叫びを、ちやらんぽらんでもつてきめられて答弁されたら、とてもやり切れたものではありません。どうか賢明なる理事は、きようここでただちに一億くらいのものは出してくれるように善処あられんことを、ここで公約してもらいたい。それを私は要望するのであります。

鶴田亀男農林中央金庫理事

○鶴田参考人 どうも私の言葉が足りなかつたのでありますが、私の申し上げました趣旨は、決してこの資金の融通について出し澁つているというふうな意味合いではないのであります。先ほど来申し上げましたように、当面の資金繰りは必ずしもきゆうくつではございませんので、できるだけ迅速に融通をはかりたい、ことに北海道庁方面でもいろいろ御心配を願つておるのであります。われわれとしましては、系統機関としての当然の責務でもありますので、これはできるだけ迅速に融通したい、こういうふうな考えでありますと同時に、大体所要の金額の程度は、そう融通した結果御不自由をかけないで済むのじやないか、こういうふうに考えておるのでありますから、御了承を願いたいと思うのであります。

川村善八郎自由党

○川村委員長 鶴田参考人に委員長からも一言申し上げたいのですが、大体どの程度の金融ができるかということを、もう少し親切に、具体的に御答弁願つた方が、かえつてこの委員会の空気もやわらぎ、実質的にはいわゆる復旧の資金も流されて救われるということになるのですから、その点を御留意の上、御答弁を願いたいのであります。

鶴田亀男農林中央金庫理事

○鶴田参考人 実は私どもといたしましても、金額の点を具体的に申し上げたいのはやまやまなんでございますけれども、資金のわくというふうなことは、ちよつとこの際は申し上げにくいのでありまして、ただ申されますことは、できるだけの御融通はやるつもりでおりますし、またその結果は決して御不自由をかけない結果になるのだろうと、こういうふうに考える次第であります。

松田鐵藏自由党

○松田委員 今現にあなた苦労して、御不自由どころではないじやないか。あなたは東京におつて、ただそんな話を聞いておるだろうけれども、現に苦労しておる。そして血みどろにわれわれのところに、毎日他の陳情もあるのに、北海道の水産部長、漁連の会長が毎日のように押しかけて―ここに来ているのはみな災害地の漁業協同組合の組合長だ。こういう苦労をしているのだ。あなたは理事室でいばつてふんぞり返つていればそれでいいだろうけれども、災害地の者はどんな苦労をしているかということだ。とんでもない話です。もうあなた五月の月というものは最盛期に向うのだ。蛯子部長は三週間、漁連の会長は二週間も、そうして毎日だ。ゆえに大蔵省にも行つて銀行局長にも頼み込み、大蔵大臣にも頼み込んだ。一体国会議員が大蔵省に行つて銀行局長に頼み込むなどという不見識なこともあえてわれわれはしているのだ。国会議員の矜恃をもつて、呼んで話をするのがあたりまえだけれども、それを頼み込みに行つているのだ。あなたのところへは行かなかつたけれども、委員長は行つているのだ。その苦労を察したならば、一億くらいの金は今すぐ出しますとあなたは言い得るだろう。委員長、なぜ理事長を呼ばぬのだ。理事長ならはつきり答える。この点に対してはつきり答えられないというのだつたら、ぼくはこれから理事長を呼ぶ。御答弁を願いたい、鶴田理事。

鶴田亀男農林中央金庫理事

○鶴田参考人 お答えいたします。これは審査の手続は御承知かと思うのでありますが、組合の方から札幌支所に書類が出まして、そして審査しました結果が本所の方に書類としてまわつて来るのであります。それでただいまのところは札幌支所として何件の申込みを受付けておるかというふうなことはまだ連絡がございません。ただ金額の点では大体水鹿関係では二億くらいのものがすでに具体化しておるというふうな連絡が札幌支所の方からございます。そのくらいの程度のものであればこの際の融資にはさしつかえないんじやないか。さしあたりはそういうふうに考えておるわけなんであります。

松田鐵藏自由党

○松田委員 なぜそれを先に言わぬのか。

永田節自由党

○永田委員 関連。かには穴へ逃げ込むとやつばりひつばり出すのにこつがある。あまりつつつくとだんだん奥の方へ入る。出やしない。横からくすぐらぬと出て来ない。そこであなた方は委員会へおいでになつたならば、どうでもこうでもこちらはくすぐり出すんだから、そういうことをかけひきしてはいかぬですよ。災害が起つたからには審査がどうだ、金額がどうだということはやめてしまえ。天下の政治を何と心得ておるか。私が第一に言いたいのは、理事長は実に態度が不遜だ。先般北海道の何かの問題で、ぼくは松田君とそれから当時の委員長である冨永君の三人で理事長を訪問したことがあるんだが、そのときに、代議士が来たというので、いやな顔をしておる。はからずも期せずして最後にはあなた方が、諸先生方がお見えになつたからこの問題が解決したと言われてはちよつとぐあいが悪い、こう抜かした。実に言語道断だ。そういうふうな考え方が農林中央金庫の諸君の考え方であろうと私は思う。要するにこれは小役人根性なんだ。最近私は同僚の代議士から聞いたんだが、選挙区のものを連れて中金に行つて理事長に会つたところが、あいさつもしなかつたそうだ。全然代議士に品をきかなかつたそうだ。だれだつたかこれは忘れたが……。私はそれは想像できる。そういうふうな態度をかえたまえ。何というても国会は最高の機関である。諸君のわがままは許せないのだ。国民の名において許せないのだ。また私は先ほどやじの中において発したが、諸君は公平に業務を行つていないのだ。幾多の疑獄事件があるぞ。わが輩の知つておる限り、においても、貸してはいけないところに金を貸しておる。自今水産委員会に出席した場合には、一応首を洗つて出直すような覚悟をして出て来い。

二階堂進自由党

○二階堂委員 この金融の問題は、これはきわめて重大な問題でありまして、特に災害を受けたところの漁民が、漁村の復興にきわめて真剣な、血のにじむような声を出して金融のあつせんをお願いしておるだろうということは、想像にかたくないところであります。先ほど来松田委員、永田委員から、いろいろこの問題について当局に真剣な質問をされておりますが、私は鹿児島でありますが、先般ルース台風を受けた際にも、漁民の血の出るような叫びを委員会において訴えて、一日も早くこの復興に必要な資金を出してもらいたいということで大臣、当局あるいは委員会においてこの訴えをいたしたのであります。そのときも、鹿児島県において緊急に必要なる金を一億、県議会の決議において補償する。漁連もちろん同様であります。ところがこの金が実際今日幾ら出ておるかというときわめて微々たる金額にすぎないのであります。先日私は農地方面の金融の問題についても鹿児島の支所に参りまして、岡本支所長と面談いたしたのでありますが、その当時單協から金融の申入れをする、あるいは農地等の復旧に対して組合等が金融の申入れをする場合に、きわめてむずかしい條件を付してなかなかこれを承知してくれない。金融ベースに乗つていないとか、あるいはあなたのところの計画は不備だ、さらに單協の組合のメンバーなり、あるいは土地改良等の組合の方々に何べんも支所に来てもらつて、事むずかしい計画書まで提出しろと、いろいろむずかしいことを要求するのであります。ところがこの單協あたりのメンバーにいたしましても、そういうむずかしい書類をつくることもなかなか困難であるし、いろいろなむずかしい質問をされると答えに困つてしまう。そこでまた書類をつくりかえて行かなければならない。また持つて行くとまた質問をされて、これでは書類が不備だからもう一ぺんつくりかえて来いと、こういうようなことがたくさんあるのであります。私は先ほど大きな問題で松田議員が御質問されておりましたが、さらに末端に参りますと、末端の方でまたむずかしいことを要求し、議論をされる。従つて金を借りるのが、ほんとうに金を必要とするところの漁民であるが、もう中金へ行つても金は借りられる見込みはないというような、こういう言葉まで発しているわけであります。私は、皆さんがほんとうに事情を実際によく御認識くださつたならば、県なり漁連が一億なり補償するとこういうことであれば、そうむずかしい書類をあとにしてでも、一応金融を先にして漁村の復興をはかる。漁業協同組合の復興をはかつて、魚をとらせて生業を営ましめることができるようにして、しかる後に金を返すような方途を親切に指導してやるべきじやないか。これが漁村、農村の復興のためだ、立ち上るためにほんとうにはからつてもらわなければならぬ。これは農林中央金庫等の重大なる使命ではないかと考える。その使命をどうも誤つて越権的な行為に出る、あるいは非常な特権を持つたような考え違いをいたしまして、その使命を結果において誤つているというのが今日の現状じやないかと思う。支所長あたりが、事むずかしい計画書をさらに漁業協同組合の單協なりに要求する、あるいは土地改良組合あたりに要求されることは無理なことだ。金を出す責任当局としては、そこまで細心の注意を拂われることは必要かもしれませんが、しかしながら災害の復旧に要する金は、これはおのずから性質が異なるべきものであるし、また融資してくださる当局の立場においても、違つた角度から、もつと親切な立場からこういう問題を真剣に考えてもらわなければならないと考えるのであります。そういうことは今後ないように、十分ひとつ末端の方にも徹底するように指導監督していただきたい。一言私は希望を申し述べておきます。

小高熹郎自由党

○小高委員 ただいま同僚議員の皆さんから、十勝沖の災害復旧に関する緊急資金の調達をどうするか、あるいはまたルース台風によるところの復旧資金が遅々としてはかどらないが、一体これはどうしてくれるのだというような、実に適切なる意見があつたのでございまして、私もまことに同感であります。この点すみやかなる解決を願わない限り、われわれもあとには引けないというような気がいたしております。病人というものは、息のあるうちに注射してこそ蘇生するのでざいまして、参つてしまつてから注射してもらつてもありがたくないと同様に、緊急を要するところの資金の調達がもしできないとするならば、それは死んでしまつてから注射を受けるのと同じことになるのであります。時期遅れの肥料ということはよく御存じであろうと思いますが、時期遅れにならないように、特にこの種の法律的裏づけのあるものに対して、大膽率直にこれを断行するのに何のはばかりがあるか。時宜に適した感覚を鋭敏に働かして行動をとつていただきたいということを、特に私からも希望しておくものであります。

鈴木善幸自由党

○鈴木(善)委員 ちよつと中金御当局にお尋ねしたいのであります。ルース台風の特別措置法案に基きまして、九州被害地の各漁業者、漁業組合等から融資の申請が出ておると思うのでありますが、現在までに中金から出ておりますこの種の復旧資金の融通額は、被害各県どのような数字に上つておりますか。その各県別の資料をちようだいいたしたい。  もう一つは、現実に融資なさつたほかに、現に申請中のもの、あるいは審査中のもの、また審査の結果不適当として却下されたもの、そういう申請の意思表示があつたものと、それから現実にお出しになつた融資額というものを比較されました経過の御報告を、できるだけ早く当委員会に御提出を願いたいと思うのであります。  次にお尋ねいたしたい点は、先ほど鶴田さんから現在農林中金が出しておりますところの農林債券は、いろいろ従来からの計画に基いてその用途がきまつておる。その中には有畜農家の創設の資金も予定されておるというようなお話がございましたが、有畜農家の創設に要する資金は、昭和二十七年度におきまして二十四億程度というぐあいに私ども承知いたしております。ところがこの有畜農家の創設に関する法的な措置は、いまだ国会におきましても、正式に法律案として上程され、論議されておる段階でございません。各党におきまして、特にわが自用党の政務調査会等におきまして、単なる利子補給では不満である、そういう形においては融資が行われないであろう、もつと抜本的な措置を講じなければならないという観点から、政務調査会において、あの法案を十分研究し、融資が、ほんとうにできるようにしなければならないという成案を得るために努力中のものでありまして、まだ確定しておらないのであります。従いまして、そのような有畜農家の創設に関する資金に予定しておる農林債券による資金源というものは、すでに法的措置もできている災害の復旧というような緊急な方面に、当然振り向けてさしつかえないのではないか。そうしておいて、有畜農家の創設の法的な裏打ちがそこに出て来た際においては、先ほどの大蔵当局の御説明にもありましたように、大蔵大臣においてもいろいろお考えになつておるということでありますから、そういうよう資金は、まだまだ時間をかけて大蔵当局と折衝をなさる時間が十分ある。こういうような事情であるから、事態の緊急度を勘案されまして、すでに農林債券において造成されましたところの資金源、有畜農家の創設に予定されております資金源を、この際ルース台風あるいは十勝沖震災の漁業災害に対して活用なさる御意向がございますかどうか、この点をお伺いしたいと思うのであります。

鶴田亀男農林中央金庫理事

○鶴田参考人 十勝沖災害関係のつなぎ資金といいますか、現在までにすでに金庫として融通しておる金額、件数を各府県別に資料を提出せよというお話でございましたが、実はこれについては、支所、出張所で若干融通が行われておるものがあるはずでございますけれども、今手元にその資料を有しておりません。これはいずれ調査をいたしまして別の機会に差上げるようにいたしたいと思いますので、御了承をお願いしたいと思います。  それから農林債券の発行の計画については、いろいろ未定の問題、論議されている問題もあるしするから、そういうふうなものはあとまわしにしてでも、この方面の急を要する方に流すようにということでありまして、これはごもつともな次第と思います。実は四十八億の債券発行の計画を持つておりますけれども、これも計画でありまして、多少異動が生ずるのは当然であります。またそれを融通します中にも、なお計画と齟齬を来す場合も多いのでありまして、こういう震災復旧関係のような急を要する方面の資金からなるべくまかないたいという所存でおるわけでありますから、そういうふうに御了承を願いたいと思います。

松田鐵藏自由党

○松田委員 委員長にも要求しますが、火曜日に委員会を開くようにお願いいたします。それから鶴田理事に要望いたします。先ほど北海道の支所において大体二億程度のものを貸出しするような審査をしておるという御意見がありましたが、火曜日までに、もうきよう電話をかけて連絡すればいいわけでありますから、その状況を委員会に御報告なさるように、そうしてあなたの方の中金の態度を、はつきりとここに明示していただくように要望いたします。

鶴田亀男農林中央金庫理事

○鶴田参考人 ただいま札幌支所において審査中だというふうなことをお話がございましたが、実はこれは電話で昨日札幌支所と連絡しました結果、融資の申込みが具体化しておるというふうなことでございましたが、それが現実に出ておりまして、審査に入つておりますかどうか、その辺は実は確信がないものでございますから、そういうふうに御了解願いたいと思います。

松田鐵藏自由党

○松田委員 ただいまの御意見によつてそれに対するあなたの方の態度、ただいままで議論されている点から言つて、態度をひとつ火曜日の委員会にはつきりとお願いしたい、こういうことであります。

川村善八郎自由党

○川村委員長 松田君の委員長に対する二十二日に委員会を開けという御要望に対してお答を申し上げます。二十二日火曜日には、代船建造の資金等の問題で、委員会を開く予定になつておりますので、その当日さらに漁業災害復旧資金等の問題も議題に供して審議したい、かように考えております。  なお中金に御要望申し上げます。先ほどの鈴木委員からの、ルース台風並びに十勝沖震災による災害の復旧資金等の資料についても、来る二十二日の委員会までに、でき得るだけ提出できるようなお手配をお願いいたします。  漁業災害復旧資金の融通に関する件はこの程度にとどめ漁業権証券の資金化についての件を議題として質疑を許します。小高委員。

小高熹郎自由党

○小高委員 農林中央金庫の鶴田理事にお尋ねいたします。漁業権証券の資金化が遅れているという声を各地で聞くのでございますが、現在まで買上げによる資金化、それから融資よる資金化がどの程度になされているか、その大体の各府県別の数字がわかればたいへんけつこうでありますが、その事情をまず第一にお伺いしたいと思います。

鶴田亀男農林中央金庫理事

○鶴田参考人 漁業権証券の関係でございますが、ただいまの御質問に入ります前に、中金の取扱い分についての若干の数字を御参考に申し上げますと、御承知の通り政府の方で決定されました補償金額の総額が約百八十一億、これに対してすでに発行請求済みになつております金額が、これは多少古い、二月二十九日現在の数字でございますけれども、百四十八億ということになつておるのであります、その中で中金で委任状をお預かりいたしまして代理受領をする予定になつておりますのが百三十二億でございます。これも二月二十九日現在でありますから、現在では若干ふえておりますが、そういうことになつております。  それで、このうちで四月十六日までに私の方が組合にかわりまして証券を受領しておりますもの、これが八十五億というふうな数字になつております。これに対する資金化の状況でございますが、この金庫の代理受領しましたものの中で、すでに政府の買上げになつておりますものが九億くらいございます。この金額は必ずしも大きくはないのでございますが、ただ事務の方の手続としましては相当敏速にやつておるつもりでありまして、水産庁の方の買上げ証明が交付されましてから、現地の事務所の方に資金が行きますのには三日ぐらいじやないかと考えます。それから担保融資の問題でございますが、これは現在までのところ、実は本所まで申込みが来ておりますのは非常に件数が少いのでございます。これはいろいろ理由はあるとおもうのでございますが、一つは証券の交付が遅れた関係もございますし、それから買上げ償還の方で資金化を急ぐというふうな関係で、担保融資に依存するという面が多少遅れて来ているのではないか、こういうふうに考えております。でありますから、証券がすでに交付されまして、それが資金化されているというふうなもの、担保融資のものは数千万円に現在のところはとどまつている、こういうように御承知願いたいのであります。ただ御承知のことだと思いますが、証券の交付されます前につなぎ資金を出してもらいたいというふうな要求が相当強く、これは一月末現在の数字になつておりますけれども、代理受領の委任状その他の見返りといたしまして、十四億程度の資金が流れている。こういうような状態になつております。

小高熹郎自由党

○小高委員 ただいま農林中金の鶴田理事からの御答弁によりますと、大体の数字はわかつたのでありますが、少し記録が古いようでもありますので、水産庁の濱田協同組合課長の方から、ひとつ新しい数字と、どの程度に交渉が進んでいるか、その点をお伺いしたいのであります。

濱田正農林事務官(水産庁漁政部協同組合課長)

○濱田説明員 ただいま鶴田さんは、証券買上げの額の問題、全体の問題を話されたのですが、具体的の問題としましては、御承知のように、税金は別といたしまして、五十五億というのが本年の買上げということになつております。そこでこれの事務の進行の段取りは、今年の一月末に各県の主任官会議をやりまして、大蔵省、国税庁、日銀などと、やる段取りのきまつたところで、この会議で進行のやり方を示したわけです。そこから各自県に帰つて、県はその段取りに従つて進行を始めたわけです。それで昨日までの状況はお手元に配つてあります。まず第一番の水産庁買上げ証明金額、これは各県から別に通牒で示した段取りに基いて資金化計画というものを水産庁まで持つて行つて、水産庁がこれを審査して、よろしいということになると、長官が買い上げますという証明を出す、その金額が最初の欄にあります十九億ということになつております。そこでこの一証明を出しますと、その計画の中で代金の受領を中金に委任している分、これが先ほど申しましたように大部分を占めております。この中金に委任している分につきましては、ただちに中金に持ち込むということになります。それが十八億になつております。この差額の約一億は大体中央銀行に委任しているものだと考えていただけばさしつかえないだろうと思います。そこでその次が問題で、中金は水産庁の証明書と、単位組合から出て来た委任状二つを持つて日銀にかけ込む、そうすると、日銀から金が拂つてもらえる。それが九億になつておるという点であります。それで農林中金委任状の分の十八億と、それから中金が現実に日銀から金をもらつた分の九億との差の問題です。これは中金の問題でなくして、小高先生から先ほど言われたように、これはむしろ水産庁の問題です。いかに中金といえども、委任状がなければいくら日銀に持つて行つたところで金は絶対にくれません。そこで水産庁から出て行く証明書と、單位組合から中金に持つて来る委任状がびしやつと合わないと、これは中金も何ともならないので、その委任状を出すように様式もきめ、文章もきめ、そこへ自分の判を押せばいいようにしておるのですが、その辺がまだまだ末端まで徹底してないというのが実情でありまして、この点はなおこまかい点まで徹底するように努力を拂う、注意をする、こういうことであります。

小高熹郎自由党

○小高委員 私はこの際、今水産庁の横田協同組合課長から日銀という問題がちよつと出ましたので、この点に触れてみたいと思うのであります。日銀は常にごの資金化については関係しておるようであります。これは大蔵省の銀行局の総務課長にお尋ねしたいのでありますが、ちよいちよい大蔵省の金融計画と、日本銀行の指導とが違う場合があるように私どもは了承しておるものでありまして、本日も実は一万田日銀総裁を参考人として御出席を願うことに相なつておつたのでありますが、旅行中とのことであり、他の部長級も本日は会議があつて出られないということで、まことに残念でございますが、こういうような重大な金融をする場合に、大蔵省では出すつもりである、中金も出すつもりであるのに、日銀が遅々としてはかどらない。こういうような指令が一致しておらないような状況をちよいちよい見受けておりますが、一体政府の方針に基くかような資金化ということについては、どこが指導精神を持つているのですか。大蔵省が持つているのか、日本銀行が持つているのか。その点指導権の問題を明らかにいたしたいと考えますので、大蔵省銀行局の総務課長にお尋ねいたしたいと思います。

松田鐵藏自由党

○松田委員 私今の小高委員長の御議論に関連して意見を述べたいと思います。大体漁業証券というものは何月にきまつて、いつ交付されるのですか。この問題が一番大事です。何のために今日漁業証券が交付されていないか。これなんです。枝葉末節の話よりこれなんです。まだ漁民にみな渡つていない。年五分五厘の金利がついている漁業証券はすぐに八十億、九十億というものが資金化される。それは按分でもつてそれだけ残せばいい。あとの漁業証券はどこへ行つた。これなんだ。九割五分はどこの銀行へ行つても借りられる。年五分五厘の利息がついている漁業証券はどこの銀行へ行つても借りられる。今日漁民は金融にまつたく行き請つている。それを一体なぜ出さぬのか、どこがつかまえて出さぬのか。これなんだ。そうしてぐるぐるまわつているうちに全部中金に掌握されてしまう。そして旧債を抑えというような條件を、冷蔵庫を建てるにもつける。われわれは漁業証案制を度改革の重要な部面に使いたいから、冷蔵庫等こうした永久の施設に持つて行くべきだ、こう言つておる。そうならなければならない。漁民にみな配分されてはいけないのだが、漁業証券の行方はどこだ。もうあれは当然交付されてもいいものが、まだ漁民の手に渡つていない。枝葉末節の話よりこれなんだ。資金化も何もない。そうして全部これが中金の手に入ろうとしておる。入れようと画策しておるじやないか。そうして漁民は困つているじやないか。漁業証券があつたら、あの災害地だつて―漁民は資金化されるものと思つて大事にしまつておる。何もこんな金を借りなければならぬという必要もない。一億や二億の金は、あの災害地においては漁業証券でもつてすぐまかなえる。それをつかまえておる。それは一体どういうわけだ。この点が一番重要な問題です。これが一体どこにあるか、その行方をお知らせ願いたい。

川村善八郎自由党

○川村委員長 まず銀行局の福田君の御答弁を願います。

福田久男大蔵事務官(銀行局総務課長)

○福田(久)政府委員 お答えいたします。まず日本銀行と大蔵省との関係について御質問がございましたが、一般的には日本銀行と大蔵省とは、基本的な方針についてはよく打合せをしておりまして、考え方なり基本的な方針については意見の齟齬はないと考えております。ただ個別の具体的の案件の処理については、いろいろと批判のある点もあるかもしれませんが、少くとも根本的な考え方については、両者の意見の一致を見た上で実行する、両方十分話合いをするようにいたしておるのであります。今問題になつております漁業証券の資金化の点でありますが、それは先ほど濱田誤長からもお話がありましたように、税金を除きまして五十五億円というのは国庫で買い上げる。ただ日本銀行は国庫事務を扱つておるという観点から、日本銀行がその事務を取扱つておるということになつておるのでありまして、ただその資金化する場合に、水産庁のいろいろな指導がございまして、先ほどお話がありましたように、適当と思うものについて買上げの証明をするというような措置が、並行してとられております関係上、大蔵省といたしましては、五十五億円という金額について、財政上の措置と申しますか、それに対する裏打ちは準備をしておつて、日本銀行はその範囲内において、水産庁の証明、あるいは先ほどお話がありました委任状等を持つて来れば、その金額の限度であれば買上げるということになつておるわけであります。従いまして、少くとも漁業権証券の買上げ問題に関する限り、たまたま漁業権証券の交付の問題だとか、あるいは証明が、その協同組合の事業として適当であるかどうかというような、そういう判断の問題にかかつておるのではなかろうかというふうに思つております。  それから松田委員からの御質問の点につきましては、水産庁の漁政部長もお見えになつておりますから、お答えくださると思います。

伊東正義農林事務官(水産庁漁政部長)

○伊東説明員 お答えいたします。今の御質問の点でありますが、補償計画を立てましたのは、大体百八十一億であります。それで現実に証券が出ましたのは、私の記憶では百五十四億くらい証券が出ております。その差額の約三十億くらいは、まだ証券が出ておりません。といいますのは、そのうちで一番大きいのは北海道でございます。これはいろいろ問題があつて、補償計画が遅れております。それでどこのだれに幾らという計画が出て来るのが遅れているのであります。一番大きいのは北海道でありまして、そのほか栃木県とか山梨県とか、あるいは全国的には真珠の区画漁業権の問題として、約三十億くらいのものがまだ証券が出ておりません。しかしこれは道なり県から言つて来れば、私の方は理財局へ請求してすぐに出させるのであります。

松田鐵藏自由党

○松田委員 何用に出たのですか。

伊東正義農林事務官(水産庁漁政部長)

○伊東説明員 百五十四億という数字が出ましたのは、つい最近でありまして、まだ三十億が出ていないいわけです。

松田鐵藏自由党

○松田委員 つい最近というのはいつです。

伊東正義農林事務官(水産庁漁政部長)

○伊東説明員 百五十四億という証券が出ておるのは、ニ、三日前の話であります。出ておりません一番大きな原因は、補償計画が遅れている。これは大部分が北海道が多い、こういうことであります。それで今まで出ました証券の行方、これは農林中金に代理事務の委任をしておるところは中金に行つております。もしいやだ、個人だというところは個人に渡つております。それから市中銀行に代理事務を委任するというところは、銀行に行つているというような形になつて、それはどこでどうしておるということじやありませんで、そういう契約で、代理に受領を委任するということで契約ができているのですから、そういう納得の上で中金なり、銀行なりそれもいやだといえば、個人のところへ行つておるというような形になつております。

小高熹郎自由党

○小高委員 ただいまの答弁によりまして、大体都道府県からも申請が遅れており、従つて水産庁の事務もはかどつておらなかつたというのが、この資金化が遅延して来たということがよくわかつたのでありますとともに、日本銀行が水産庁から提示されました資料に基いて、事務的にすべてを行うということがはつきりしたので、その点を非常に欣快に思うのでありますが往々にして今まで日銀がやかましいことを言つておるとか、日銀でまだ審査が済まないとかいうようなことを聞いたのでありますが、それがないとすれば一応了承いたしました。  ところで、先ほど農林中金の鶴田理事さんにお願いいたしましたが、各府県の資金化の状況は、濱田課長からの説明によりまして、大体了承いたしましたが、この際これに関連して、ちよつと漁手の問題をお伺いしたいのであります。十勝沖の災害復旧費にいたしましても、あるいはルース台風の金融にいたしましても、なかなかはかどらない。手取り早くたつた今やれるのは何かといえば、やはり漁手制度であろうと思いますが、漁業手形が最近非常に信用を落したということは、一面漁民の責任であることはもちろんでございますが、中には優良なる漁業手形もあるのであります。しかるところこの漁業手形が非常に冷遇されておつて、いささかも優遇されておらない。場合によつては、これは普通手形のらち外に置かれておるということを聞くのでありますが、農林中金当局において、漁業手形を冷遇している事実があるかどうか、その点をお尋ねいたしたいのであります。

鶴田亀男農林中央金庫理事

○鶴田参考人 お答えいたします。漁業手形制度は、水産資金の融通としまして考えられまして、この実施しましてからの成績は、今もお話がございましたように、必ずしも成績はよくないのであります。そこで現在中金としましても、制度について研究をしておりますし、水産庁としてもお考えのようでありますので、これを方法を多少かえて行くというふうなことは、現在考えておりますけれども、特にそれを冷遇するというなことは考えておりません。従来通り実施しておるわけでありますから、そういうふうに御承知を願いたいと思います。

小高熹郎自由党

○小高委員 ただいまの答弁で、漁業手形を冷遇しておらないということでありますが、冷遇しておらなければ、もつとこの漁業手形制度をたくましく、活発に働かせないと、漁民金融がつかないじやなかろうか、かように思うのでございますが、これを画一的に、いい漁手も悪い漁手も一緒に見るようなことなく、いいものはいいように扱つていただきたいのであります。さらにそれに関連して、大蔵省銀行局の総務課長にお尋ねいたしますが、私が仄聞する範囲におきましては、漁業手形は日本銀行において再割引しない。農林中金が全部かぶつているような実情であるから、再割がきかないから、どうしてもこの漁業手形に対して出しつぶりが悪いということを聞いておるのでありますが、それが事実であるかどうか。もし優良なる漁業手形であるならば、日本銀行に再割引をさせて、そしてもつとこの種の金融を活発にさせる意思があるのかないのか、その点をひとつ伺いたいのであります。

福田久男大蔵事務官(銀行局総務課長)

○福田(久)政府委員 日本銀行の再割引手形というのは、非苗に厳格なむずかしい條件がございまして、そういう條件をつけることはけしからぬというおしかりを受けるかもしれませんが、非常にやかましい條件がありまして、現在再割になつておりますものは、LCのついている貿易手形とか、あるいは国内の貿易手形、あるいは商業手形で、確実なものという範囲に限られております。従つて、たとえば農業手形その他スタンプ手形とかいうような、あるいは貿易手形でも、信用状の段階以前のものは、担保手形という制度になつております。それはつまり担保に融資をする、そういつた観点から荷割引手形という範疇には、制度上入れることは困難であろうというふうに思います。ただ優良なる手形でありますれば漁業手形といえども、担保手形としての対象になると思いますし、あるものは現在担保手形に入つておるように聞いております。ただ農業手形は、御承知のように手形の決済と申しますか、最終の担保として保險制度の裏づけがありますので、その面から非常に確実性が高いということで利用度がかなり高くなつておると思いますが、漁業手形は、その面では特殊な立場にあります関係上、農業手形のようには利用される率が、中央銀行を利用する率は高くなかろうと思いますが、ただいまも農林中金あるいは水産庁方面でも御研究のようでもございまするし、過去において農業手形制度を確立しようという話もございまして、いろいろ研究されて実行に移されるべく努力されたようでありますが、制度の根幹において農業手形と違つた性格を持つておる。資金的の意味ではありませんが、最終担保力の意味において異なつた立場にあるために、行き悩んでおるのではなかろうかというふうに思うのであります。日本銀行の扱いといたしましては、先ほど申しましたように、再割手形にはならないが、担保手形としての対象にはなり得るということを申し上げておきます。

小高熹郎自由党

○小高委員 漁業証券の資金化促進並びに漁業手形の高度利用につきましては、るる意見を開陳いたしましたが、これに対して本日御出席の方々は、どうかお帰りになられましたら、すみやかに部内において御協議の上、われわれの意思が実現いたしますよう特に要望しておく次第であります。以上申し上げまして私の質問を打切つておきます。

川村善八郎自由党

○川村委員長 漁業証券の資金化の件につきましては質疑はこの程度にとどめます。     ―――――――――――――

川村善八郎自由党

○川村委員長 松田君より北海道における小手繰網転換に関する質問の通告がありますのでこれを許します。松田君。

松田鐵藏自由党

○松田委員 漁政部長にお伺いいたします。三月の二十四日に私が、北海道の網走において小手繰転換をした船一が、大型に転換をすることを資金の関係から返還をした。それに対して昨年小型底びきとして操業しておつて、なおかつ本年新しく大型底びきに出願して許可を與えた、これは北海道庁と水産庁との要綱に基く誤りではないかという質問をしておるのであります。その後において、林委員の選挙区でもありますので、林委員にも親しくその意見を聞いてみたところが、林委員も筋道の立たない行き方に対しては、自分もこれには賛成しがたいのであるが、自分のやつたことではないという御意見を承つておつたのであります。しかし、これに対して漁民がかような誤りをもつて返還をしたものに対しては、われわれは正しい道庁、水産庁の要綱に基いて転換をしたのであるが、かようにして小手繰の転換をせずしてやつたものに対して許可を與えた。ゆえに今日の北海道のオホーツク海における春と秋の時期においては、どうかわれわれに生業を與えろという陳情が林代議士と私のとろへひしひしと迫つて参つておるのであります。われわれはさきに小手繰に対する漁業法の制定を見て、正しい法律を解釈する意味においては、とうていでき得ないことであろうと考えておるのでありますが、水産庁は私が当時警告を発しておつたのにもかかわらず、今日まだ具体的にこれに対して委員会において御説明がないのでありますが、この点御説明を願いたいと存じます。

伊東正義農林事務官(水産庁漁政部長)

○伊東説明員 お答えいたします。この前、委員会でお話がありまして詳細調べてお答えすると言つていたのであります。私が参りました直後でありますが、前からいろいろ関連しておりました案件で、たしか船の数にして五はいになるかと思いますが、許可いたしました。これはいろいろ問題があつたのでありますが、道庁も、これで最後にして、もうこういう問題は出さない、一つは書類が正式に出してあつたのだが、町役場の机の中に入つておつて遅れたというようなのが一つと、あとの四隻は一回、前に許可をもらつたのだが、金の関係で廃業しようといつてやめたのを、もう一回やつてくれ、事の内容はその二つのものであります。それで、これは両方とも前に道庁と話していたわくということで行けば、中でいいじやないか。しかしこれを最後とするというようなことで許可を與えたのであります。それで今後とも残つている船について中型底引きの許可を與えて行くという方針は、実はとつておりません。これは最近の話でございますが、一応小手繰転換をいたします時期は過ぎまして、小手繰として操業できるのは二十七年の三月三十一日までということになつております。それで噴火湾は例外になつておりまして、噴火湾に百三十二隻と、そのほかの地区に八十五隻あるはずでございます。これはたまたま八十五隻が今のの問題と関連して来るのでありますが、道庁の方からも見えまして、これをやります当時は、大体四はい一隻ぐらいで中型になる。そのほかのものは二十七年三月三十一日までやつて、あとはやめるということになつていたのでありますが、その後内地の方が小型底びきの整理で補助金が出るという別な事態が起つて来たわけであります。それで道庁の意見としましては、内地の方に出すのであれば、この八十五隻の分について何とか補助金を考えてくれというような話が、つい最近来ております一われわれとしましては、道庁がこの八十五隻だけでなくて、噴火湾の百三十二隻も全部頭に入れて、一括してどういう対策を持つておるか、そういうものを出してもらつてから研究しましようというようなことに、今の段階はなつておる次第であります。

松田鐵藏自由党

○松田委員 そういたしますと、八十五隻というというものは、現在三月三十一日は過ぎ去つておりますが、操業しておるのでありますか、操業していないのでありますか、この点をお聞きします。

伊東正義農林事務官(水産庁漁政部長)

○伊東説明員 これは現地の事情で、操業しているか、していぬか、こういうことでございますが、一応三月三十一日で操業はやめておるはずであります。それであとの対策を道と一緒になつて考えるというのが今の考え方でございます。

松田鐵藏自由党

○松田委員 やめてもらうというのですか、やめさせてしまつてあるのですか。

伊東正義農林事務官(水産庁漁政部長)

○伊東説明員 私の方から特に通牒を出しましてどうということはいたしておりません。これは道庁の許可の問題なんですから、道庁は当然あの話合いでやめる手続をとるべきだというふうに考えております。

松田鐵藏自由党

○松田委員 ぶらりぶらりという話でなくて、要綱に基いてやめさせているはずであるかどうかということです。

伊東正義農林事務官(水産庁漁政部長)

○伊東説明員 今申し上げましたように、私の方から通牒を出して、あれは三月三十一日で切れているのだからもうやめなさい、やめさせなさいというようなことは特には言つておりません。言つておりませんが、当然道庁はあの話合いから行つてやめさせるという措置をとるべきだと思うのです。そのあとは、今言いましたような対策をみんなで考えようじやないかというふうにおちついておるように考えております。

松田鐵藏自由党

○松田委員 水産庁においては、要綱に基いて当然やめておるものと確信しておることと存じます。北海道庁においてはどのようになつておるかは、水産庁はおわかりにならぬこととは存じております。しかし私は要綱に基いてやめておるものと信じております。要するに水産庁と北海道庁が一つの要綱をつくつて、そうして、その要綱に基いて物事を処理して行つたのであります。水産行政はどこまでもそうなければならないものと信じております。またそうあるごとと確信しております。ゆえにこの問題が論議されるのであります。要綱に基いて水産行政をやつたものである。しからばこれは要綱外のことである。百九十のわくなどというものはありません。水産庁の示したわくは百五十隻であります。しかしそのときの情勢から、やむを得ざる事柄によつて全部を整理しなければならないということからいつて、三十や四十のものはやむを得ないじやないかということでやつたのであつて、百五十以外にわくはないはずであります。これは前任者がやつたことでありまして伊東漁政部長はそれを御存じないことと存じますが、かりにも要綱にはつきりと明示されて、そうして正しい漁民はそれに従つて行つた。しかるに資金がないからやらなかつた、やれないのだと言うて、一年間やつて、しかして今日においてまた新しく許可を申請し、與えたということであつたら、八十五隻という残存に対してもやるべきである、もしそれがやれなかつたならば、前のものをなぜ取消さぬか、これが私どもが三月の二十四日に当委員会で行つた議論であります。ところがそれに対して今まで回答がなかつたのであります。回答がなかつた今日において、漁民はあの姿を見てやつきとなつて、今日上京して陳情に及んでおります。林代議士と私はその正しい議論を話しておるのに、まことに迷惑千万であります。さて水産庁は、道庁ときめた要綱に基いてすべてを処理する意思ありやいなや、この点はつきりと御答弁を願いたいと思います。

伊東正義農林事務官(水産庁漁政部長)

○伊東説明員 わくの問題があつたのでありますが、私が知つているのは、最初書いてありますのは百五十程度ということが書いてあります。それからその後いろいろふえまして、すでに五十幾つふえてそれが次の段階には二百六になつたとか、いろいろな経緯があるそうであります。それでわくの問題になりますと、(「わくはない」と呼ぶ者あり)私は見ましたが、要綱にわくは書いてあるのであります。ところがこれは最初は書いてありまして、その後のことはあまり書いてないのであります。松田委員がおつしやるように、最初は百五十という数字も、松田委員もおつしやつていましたが、それがふえて二百幾らになつたということを私は前任者から聞いております。要綱通りにやるかというお話でありますが、われわれとしましては、そこは若干疑問の点があるのでありますが、大体精神は要綱に沿つてやつて行くつもりであります。

松田鐵藏自由党

○松田委員 要綱の通りやるかやらぬかということを聞いておる。あなた方のやることはすべてそうだ。越佐海峡の問題を見たまえ。またさんまの問題が来る。長崎の問題はどうだ。政令で出すとか、要綱できめるとか、漁業制度の改革、漁業法の制定というものはどういうものであるか。法律や規則や協定とか、すべての問題が、協定といえども法律同様にみなさなかつたならば、日本の漁民の民主化はできないということを、あなた方自体が言つて、あの法案を出したじやないか。われわれはそれを審議したのじやないか。しかるに、要綱ができた、要綱通りにやることが水産行政ではないか。それをそのときの事情がどうだのこうだのと言う。あの要綱通りにやつたらいいじやないか。なぜやらぬか。ゆえに正しい漁民は騒ぎ出すのです。一方に與えて一方に與えない。これではとうてい問題にならぬのです。いつでもごたごたする。漁民を惑わすのは漁政部長じやないか。水産庁じやないか。そんなことで危惧の念と同じような感覚を持つたらとんでもない聞違いです。次の火曜日の委員会までにはつきりした態度を明示されんことをここに希望いたします。

川村善八郎自由党

○川村委員長 本日の水産金融の問題につきましては、質疑はこの程度にとどめます。  参考人の諸君にお礼を申し上げます。本日は非常にお忙しいにもかかわらず、長時間にわたつて御意見を開陳してくださいましたことにつきまして厚くお礼を申し上げます。

川村善八郎自由党

○川村委員長 この際お諮りいたします。水産金融に関する小委員長田口長治郎君及び漁業制度に関する小委員長永田節君より、それぞれ小委員長辞任の申出があります。これを許可するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

川村善八郎自由党

○川村委員長 御異議なしと認め、さよう決します。以上の小委員長辞任によりまして両小委員長が欠員になつておりますので、この際補欠選任を行いたいと思います。これは委員長においてその補欠を指名いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

川村善八郎自由党

○川村委員長 御異議なしと認め、水産金融に関する小委員長に永田節君を、また漁業制限度に関する小委員長に田口長治郎君をそれぞれ御指名申し上げます。  次会は来る四月二十二日午前十時より開会いたします。  本日はこれにて散会いたします。     午後零時三十九分散会

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