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13回国会衆議院1952/02/04

水産委員会 第6号

発言数
27
登壇者
7
会派数
3
開催日
1952/02/04

会議録

川村善八郎自由党

○川村委員長 これより水産委員会を開きます。  この際有明海の漁業権設定問題等に関し、現地に実地調査を行われました派遣委員より、その報告を求めることにいたします。平井義一君。

平井義一自由党

○平井委員 有明海の件を申し上げる前に、中国の国政調査についてもあわせて御報告申し上げたいと思います。  派遣委員といたしましては永田節委員、小松勇次委員と私の三人が出張の予定でありましたが、小松委員は出発前に参加できない事情があり中止せられ、永田委員は地元に立ち寄る関係上、先行せられ福岡県にて合し調査する手順を打合せたので、私は中山調査員と水産庁調整第一課の尾中事務官を帯同して一月七日西下し、広島に参りまして、広島県下におけるいわし船びき網漁業の整理に関する調査を行つたのであります。広島県知事室において副知事、関係部課長、関係係員及び漁業調整委員長ほか漁業者代表の方々と整理計画の内容及び進捗状況等の実情を聴取したのであります。  その概要を申し上げますと、広島県におけるパッチ網類似のいわし船びき網漁業は、現在百五十統安芸海に操業いたしておるのでありますが、このうち五十統は戦後増加したのでありまして、この増加のため最近安芸海は急速に資源の枯渇を来しつつあるのであります。この実情下このまま何らの手段を講ぜずして放置せんか、一、二年のうちには漁業生産力は極度に低下し、漁業の安定は維持が困難となるのは必至であります。ここにおいて当広島県はこの海区の資源保護及び適正漁獲量の維持のため、種々その対策を研究した結果、この漁業の統数を減すことに意見の一致を見、戦前の百統にする計画を練り、一応案がまとまつたのでその予算措置を政府に要求中でありましたが、その一部二千万円が予算化されたので、いわし船びき網漁業整理委員会をつくり本格的整理に乗り出したのであります。この委員会は本委員会と査定委員会とから成つており、その職務は、本委員会において整理統数を組合ごとに割当て、査定委員会において整理せらるる漁業者に補助金を割当てるため調査し、査定する、こういう構成でありまして、現在では小型機船底ひき網漁業の整理のような整理反対の強い声はありません。各組合ごとに整理希望を申し込ませておりますが、予定数に達する見込みはできたのであります。しかし若干の不足がありましても当然整理さるべきものが明らかでありますので、話し合えばさほどのことなく話合いがつき、円満にその計画を進められる見通しがついたので、事務的にも順調に進んでいる現況であります。しかし唯一の問題になる大きな点は、御存じのようにこの漁業は漁船六隻と従事者三十数人から成つている漁業でありますので、その一統を整理するにいたしましても、最低百万円の損失をこうむることになります。五十統とすれば五千万円以上が必要でありますが、国庫補助金は二千万円にすぎず、その不足額を県費その他に仰がねばならないのであります。現下地方庁もその財政に苦しんでいる現状で、残りの金額は困難視されておるのでありまして、整理統数五十統を四十統にし、県費千五百万円、残存業者から各五万円程度を確保することを最低線として、目的達成に全関係者が非常な努力を続けておるのであります。  以上が広島県における大要であります。この広島県における要するにパツチ網の整理は、私の見たところでは非常に円満に、スムースに行われると信じておるでのあります。  そこで有明海の漁業権設定の問題を御報告申し上げます。一月九日、十、日、十一日、十二日と四日間にわたり、有明海の漁業について福岡県、佐賀県を調査いたしたのであります。永田委員は病気のため参加中止となり、そのかわりに地元議員として、福岡県側では高橋權六君、甲木保君が参加し、佐賀県側は三池信君、北川定務君、永井英修君が参加せられたのであります。九日及び十日の午前中福岡県庁知事室におてい知事、副知事、部課長、係員及び県会の議長並びに議員八名、漁業者代表の方々と会談し、十日午後は地元柳川町に参り、漁民千余名と三時間にわたり小学校の講堂にて会議をしたのであります。会議の後も徹夜をして県の意見を検討し、十一日佐賀県庁に参り、知事室にて知事、部課長、係員、県会議員十四名及び漁業調整委員金員、漁業者代表と会談をいたしたのであります。十二日午前十時からは、佐賀県側現地である南川副村小学校に参りまして、漁民七、八百名と会議をし、午後一時会議を終了し再び福岡県庁にもどり、その解決策を練つたのであります。かくして十二日午後五時調査を一応打切つて帰途についたのであります。  その調査の主要問題点と両県の意見を述べてみますれば、次の三点に要約されるのであります。その第一点は、現在までの専用漁業権の両県の境界線を変更する必要がありやいなやの問題であります。第二点は、天然稚貝の発生区域には、区画漁業権と共同漁業権とのいずれの漁業権の設定により操業さすべきかという問題であります。第三点は、天然稚貝発生区域の認定困難な区域の漁業権設定をどうするかの点、以上の三点であります。この三点につきまして、順次両県の意見をそのまま要約して申し述べます。  第一の境界線の問題につきましては、福岡県側は明治三十四年に漁業法が初めて法制化され、同四十三年全面的の改正を見て、現在まで旧来の習慣による漁業が続けられて来たが、その欠陥は非常に多く、漁業権中心主義により特殊な人に支配されているため、同一条件下の相当大きな海区も、漁業権の不当に強い力によつて個々のこまかい漁場に刻まれ、総合的に生産計画を立てることはできなくなつてしまう。漁場の秩序運営も漁民の総意に基くものでなく、これら特定の者によつて支配されて来たのであります。これがため生産力は遅々として上らず、ボスの温床となつていたのである。終戦と同時に日本は民主国家となり、すべての産業は民主化を基盤とすべく改革が行われ、水産においても生産力の発展と漁業全般の民主化に再検討を加え、この行き詰まつた漁業を全面的に建直しするため、漁業権及び漁場関係を大乗的に整理し、民主的な漁業調整機構の運用により、漁場の総合的高度の利用をはかる必要上、このたび画期的漁業改革を断行すべく漁業法が制定せられたのであるから、旧専用漁業権のための境界線は当然白紙にもどされ、漁場の利用のパーセンテージと漁業権の漁場に設定される数とにより、必然的にその境界線が浮び上つて来るべきものである、こういう見解を強く要望いたしたのであります。これに対しまして佐賀県側といたしましては、明治三十四年に漁業法が制定せられ、三十五年に施行されたときより、境界線がなければ海区における漁業権の免許、許可の主管その他取締り等の権限が何県に属するかの問題が起るということより、政府と佐賀県、福岡県の担当者が円満に話し合い、解決した線が現在の筑後川川口より雲仙岳を結んだ線が専用漁業の境界とせられ、川口と雲仙岳上に石柱を建て、将来に明記したのであるから、海面に行政区画がないとの理論は、佐賀、福岡両県の有明海においては通用しない、現に存続しているのであり、さらにまた国際公法上の観点から論じても、その国の領海は、干潮時における海岸線から三マイルの線はその国の領海線であるとされておりますので、この社会通念に基いて考えますならば、両県の境界は筑後川の本流の中央を境として陸地における行政区がわかれておるように、海面におけるいわゆる満潮時の海岸線から干潮時の海岸線までの干潟は準陸地であつて、この川の中央を境として行政権が及んでいるものと解釈するのが当然であるのであつてその理論の上に立脚して、現在までの専用漁業の佐賀県の権益は絶対に確保する旨の強力なる主張をしたのであります。  次は第二点の天然稚貝の発生区域に区画漁業権を設定するか、共同漁業権のみにて行うかの問題について、両県の意見といたしましては、福岡県側は、この有明海区における浅海漁場の大半は稚貝発生区域であり、この漁場にもし区画漁業としての排他的漁業権を多く設定するならば、現在までの福岡県の漁民の旧佐賀県海区に操業していた実績は無視せられる。そうして漁業は締め出されることになるのでありまして、この海区に依存していた福岡県の漁業はほとんど破壊せられ、県の漁民生活はもちろん、県の消費経済にも致命的打撃を受けるほどの影響がある処置であるから、第一種共同漁業権を全面的に設定し、両県の漁民がひとしくその利益を共有できるように、漁民全般による総合的生産漁場としておくべきものであるとの意見があつたのであります。これに対する佐賀県側の希望といたしましては、日本漁業は狭い漁場において高度の生産を維持し、かつさらに進んで増産をはかるには、区画漁業によるほかはないのであつて野放し的自由漁業の第一種共同漁業によるならば、稚貝の保護、培養は望めず、有明海の浅海漁場は荒廃し、数年にして生産は極度に低下し、漁村経済が壊滅することは明瞭である。両県の漁場を根本的に検討上、高度利用の必要上、最高の生産を維持するための計画的生産の可能な漁場である区画漁業を設定するほかに資源の保護、増殖の方法はあり得ないから、区画漁業第一主義を主張したのであります。  第三点でありますが、この椎貝発生区域の認定困難な地域の扱い方につきましては、両県の漁業権設定問題に関する十数箇所の稚貝発生区域中のわずかな箇所が問題となつておるのであります。この問題に対しましては、国及び県の試験機関が研究調査を進めておりますので、近く解決できると考えられ、その他の区域の問題解決に従つて歩み寄りはできると思うのであります。  以上が両県の意見の内容であります。  最後に私がこの調査をいたし、いろいろ感じました点について簡単に申し上げてみますと、両県は知事及び県会議長を先頭にして相当の強腰であり、最近に至りましては国会議員も加わり、事件はますます紛難し、交渉の余地をも残さざるような感じを受けたのであります。要するに問題は、福岡県側は新漁業法の精神を主張し、佐賀県側は従来の慣習を主張しているのであります。いずれにいたしましても三月十四日までに是が非でも漁業権を設定し、事務手続を済ませ、操業できるようにする必要がありますので、個々の漁場に対し話合いのついたものより漁業権を設定し、境界線の問題は非常に困難な問題でありますので、目下両県で紛争しておりますところの漁場における漁業権の免許は両県のいずれの知事が免許するかということはこれまた非常な困難と思うのでありまして、私といたしましては、この紛争しているところは農林大臣が許可をするということも一つの解決点ではなかろうかと考えているのであります。  このようにして次々と漁業権を設定して行きますれば、第三点の稚貝発生区域の認定困難な区域も類似漁場の例とか、研究の結果による判定等により、解決もできるかと思うのであります。またこの漁業権の設定完了に従いまして、その権利設定により必然的に境界線の問題も解決の方向が明白になつて来るし、両県の意見も近づくのではないかと感ずるのであります。何しろ事務的に紛争し、政治的にもつれて来ているだけに、解決には相当な困難が想像されるのでありますが、二月中旬までには解決しなければ、操業にさしつかえることになるので、両県の方方もある程度話し合い、これに応じて円満に解決をはかりたいと思うのであります。要するに沿岸漁民の幸福という点から、両県の指導者も漁民を納得せしめまして、何とか近き将来にこの問題を解決していただきたいと私はこいねがうものであります。本水産委員会といたしましては、水産庁と両県知事に一応これをまかせまして、技術的、事務的に話合いを進めさせ、解決させるように勧告していただきたいと思います。またその後におきましても本委員会といたしましては、この問題を急速に解決すべく御援助をたまわらんことをお願い申し上げまして、私の報告を終りたいと思います。

川村善八郎自由党

○川村委員長 ただいま平井委員より有明海の漁場問題についての委員派遣による調査報告を聴取いたしましたが、この問題は非常に重大で、この解決策を誤れば関係県の水産業全般に及ぼす影響が大きいので、水産庁当局の政策をよく検討し、これが当否によりましては、本水産委員会は解決のために積極的に努力いたさなければならぬと思うのでありますが、派遣委員の郵告に対する質疑は次会に行いたいと思います。  次に御報告申し上げておきます。政府の説明員といたしまして野原政務次官、塩見水産庁長官、伊東漁政部長が見えておられます。     —————————————

川村善八郎自由党

○川村委員長 次にポツダム宣言の受諾に伴い発する命令に関する件に基く水産関係諸命令の廃止に関する法律案を議題とし、審査を進めます。まず政府より提案理由の御説明を願います。野原農林政務次官。     —————————————

野原正勝自由党農林政務次官

○野原政府委員 ポツダム宣言の受諾に伴い発する命令に関する件に基く水産関係諸命令の廃止に関する法律案の提案理由を御説明申し上げます。  さきに調印を見ました日本国との平和条約の効力の発生にあたり、昭和二十年勅令第五百四十二号(ポツダム宣言の受諾に伴い発する命令に関する件)を廃止する必要があるため政府におきましては、この勅令に基く命令につき、所管各省においてこれが改廃等の措置を法律をもつて行うことといたしたのであります。  農林省におきましては、この方針に沿い、水産関係のポツダム命令につき検討を重ね、漁業法の罰則の特例に関する勅令等二命令は廃止する必要があると認められましたので、ここに本法律案として提案いたした次第であります。  これら廃止すべき命令のうち、漁業法の罰則の特例に関する勅令は、母法たる旧漁業法の失効に伴い、すでに実質的にはその機能を失つておりますので、今回の措置は単なる形式的な整理にすぎないわけであります。  漁船の操業区域の制限に関する政令につきましては、今日なおマツカーサー・ラインの根拠法規として重要な意味を持つていることは御承知の通りでありますが、占領行政の終結に伴い、これを廃止することは当然と考えられますので、今回その措置をとつたわけであります。  なお、この法律の施行期日は、日本国との平和条約の最初の効力発生の日となつておりますが、漁船の操業区域の制限につきましては、わが国漁業の現状からいたしまして、政府といたしましても一日も早くその解除を希望いたしておるのでありまして今後平和条約の効力発生以前においてもこれが撤廃または緩和等の措置が実現されるよう特段の努力をいたす所存であります。  何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことを切望いたします。

川村善八郎自由党

○川村委員長 本案に対する質疑は次会より行います。     —————————————

川村善八郎自由党

○川村委員長 次に先般国会に提案になりました昭和二十七年度予算の中で、水産庁関係につきまして政府当局より御説明を承りたいと存じます。伊東漁政部長。

伊東正義農林事務官(水産庁漁政部長)

○伊東説明員 それでは私から御説明いたします。今お手元に御配付しました昭和二十七年度予算要求概算説明書、大分厚いものでございますので、この一番前に事項別でずつと番号を打つて書いてありますのでこの事項でごらん願いまして、詳細な内容はいずれお読み願いたいと思います。簡単に御説明いたします。  来年度予算のうちで水産関係の予算をここに一応網羅して書いてあります。その金額は前年度と今年度とを対照いたしますと、その前の方の最後の合計にございますが、昭和二十六年度は三十二億三千七百八十四万四千円、昭和二十七年度は四十九億六百二十六万一千円いうと数字になつております。  このほかに北海道関係の漁港の経費がここには落ちております。これは北海道開発庁の方に組んでありますので、御参考までにその金額を申し上げますと、三ページの一六九番の漁港旅設に必要な経費でございますが、これは今年度が十億円で来年度が十二億九千万円となつておりますが、これは内地だけでありまして、このほかに北海道分が、前年度が三億四百万円でございます。それから二十七年度の北海道関係の漁港の経費がこの十二億九千三百万円のほかに五億八千九百万円あります。これが今申し上げました北海道開発庁の方に計上してあります。使いますときには、こちらで農林省に移しかえになつて使うというかつこうになります。それで今申し上げました数字を合計いたしますと、前年度が三十五億四千百万円くらい、それから今年度が五十四億九千五百万円くらいになります。それで差引きいたしますと、十九億数千万円の増加ということに総額がなるわけであります。  それからこの予算のほかに実は農林漁業資金融通特別会計法の関係がございます。これは水産庁に関係があるわけでございまして、農林漁業資金融通特別会計法は、二十六年度は百二十億でございますが、二十七年度は二百億ということになつております。それで二十六年度百二十億の中で水産関係には十三億三千万円ばかりわくとして来ております。来年度につきましては、今これはまだ内規で配分が決定いたしておりませんが少くとも本年度よりは十億程度は増加してほしいというようなことで交渉いたしております。これはこの予算には直接載つておりませんが、そういう水産関係の経費がほかにあるわけであります。  それからもう一点、この予算に載つておりませんで水産に関係がありますのは試験研究費、これは農林省で最も必要だという項目を選んで試験研究費をつくれというのが八千万円官房の方に計上されております。この中から若干は水産関係の試験研究に使えることになつております。これもどういう費目にどのくらいという金額の配分はまだいたしておりません。今お届けいたしましたこの予算のほかにありますのは、大体今申しました北海道の漁港と、それから農林漁業資金融通特別会計法関係の融資と、試験研究の補助金というものがあるわけでございます。この一四〇から一七四まで大体項目ごとに簡単に御説明して質問にお答えしたいと思います。  それからこの予算に関係しまして水場産庁の機構との関係でございますが、この予算がこのまま通り、それから実は法律関係もございますが、法律が通ると仮定いたしますと、農林省の機関としてかわりますのは十和田湖の孵化場、これが農林省の直営になります。これも設置法でこれから提案になろうと思うのでありますが、そういうものを出しております。それから北海道の鮭鱒の孵化放流事業、これは二十七年度から農林省が直営をするということになりまして、これも農林省の附属機関となるわけでございます。それからこれは今国会に継続審議になつております真珠養殖事業法の関係がございますが、これがもし通りますれば真珠研究所と真珠検査所ができることになります。これは一にかかつて法律の問題でございます。それからもう一つ予定しておりますのは、日本海区の水産研究所が石川県の七尾にあるのでございますが、これを新潟県の方へ持つて行く等の変更を考えております。これが大体農林省の予算、法律に関係いたしました水産庁関係の機構の問題であります。  それからもう一つ、北海道の漁港についてでございます。開発局ができまして、国の直営でやつておるのでありますが、明年度から第三種、第四種の漁港につきましては国が直営する。要するに北海道開発局が直営としてやるという話合いになりております。これが今年度と違つておる関係であります。  それから定員関係でありますが、これは今年の行政整理後の定員のあとで、百七十五人くらいこの予算では一応ふえております。しかし大部分は、今申し上げました北海道の鮭鱒の孵化場が農林省の直営になりますとか、あるいは文部省に貸してあります船が帰つて来ますので、乗組員がそれについて来るとかいうような関係で、ほかの省が減つて農林省がふえるというような関係が大部分でありまして、純然たる増加というものはごく少数でございます。全般的にはそういうことになつております。  それから次にこの予算の事項に入つて御説明いたします。ここの一四〇番に書いてありますのは一般行政に必要な経費で、これは大した問題ではございませんので説明を省略いたしますが、一四一番から一四九番、それから次のページへ参りますと一七二、真珠研究所でございますとか、一七四の北海道の鮭鱒孵化事業の経費とかいうものは、これは五ポイント計画にも指摘され、また水産資源保護法の精神にもあります資源の維持培養でありますとか、あるいは取締りというような事項で、この一四一からずつと一四九番、一七二、一七四というところがそういう関係の予算でございます。  それで順を追うて御説明いたしますと、一四一番は、これも御承知の先国会で補正予算で通りました小型底びき網漁業の減船の経費でございます。これは法律は今御審議を願つているわけなのでございますが、補正予算で通りました考え方と同じ考え方で、二十七年度におきまして千二百隻ばかりの船を減船する。これは五箇年計画で大体昭和九年から十一年ごろまでありました二万隻くらいまでに持つて行こうという計画の第二年度になつております。トン当りの単価でありますとか、あるいは築いそとしますとか、運搬船としますとか、あるいは他漁業に軟換しますとか、そういう構想は、これは補正予算と全然同じ構想で、隻数がふえたということでございます。これは今御審議願つております法律が通過いたしますれば、それに基いてこの経費を使つて行くという考えでございます。  次のまき網漁業でございますが、これも先国会を通過いたしました漁業法の一部改正に基きまして、中型のまき網でありますとか、あるいは指定中型あるいは大型のまき網許可の問題、これは知事さんに許可の隻数、わくづけをいたしますとか、あるいは農林大臣が許可をいたしますとか、あるいは指定海区をつくるとかいうような場合に必要な事務費を新しく計上いたしております。  次は内水面、それから浅海増殖の経費でございますが、これも今年度五千万円ありましたのが一億三千万とかなり増加いたしております。今年度と違いまして新しい構想が入り正ましたのは、浅海増殖開発という経費を考えております。これは内湾でありますとかあるいは外海の未利用の海面を高度に利用しようという考え方でありまして、内湾——これは実は三つ限定して試験的に考えております。有明と三河と豊前海というふうに一応予定いたしておりますが、そこにおきましては干潟の耕転でありますとか、整地とか、客土とか、深部の耕転というようなことを考えまして、耕転機の購入費の補助ということを考えております。特に内湾につきましては、地元負担分につきまして、先ほど申しました来年度農林漁業資金特別会計の方で一部地元負担につきまして融資もするという構想を考えております。もう一つ、外海につきましては岩面掩破でありますとか、投石とかいうことをやりまして藻類の増産をはかつて行くということを考えております。これも機械の購入費の補助を考えております。この関係が六千七百万ばかりありまして、これが新規の事項の考え方となつております。そのほかにつきましては二十六年度と同様でありまして、浅海の貝類の増産の種苗供給地の確保でございますとか、あるいは内水面の問題であゆとかふなとかいろいろの淡水魚の放流事業に関する補助でありますとか、あるいは県費でやります供給施設の補助という経費が二十六年度同様の考え方で計上いたしてございます。  次の一四四番でございますが、これは真珠の関係でありまして、一七二番と一緒に御説明いたします。これは法律に関係ある事項でありまして一四四番に書いてありますのは、母貝の生産をやつておりますところの漁業協同組合に対しまして補助金を出すという経費でございます。これは海面の底質の改良でありますとか、あるいは投石とかいろいろ事業があるのでありますが、そういうものに対しまして漁業協同組合に補助金を出そう。そうして適当な母貝をつくつて行こうという考え方が一四四番でございます。これは補助の対象が漁業協同組合でございます。それから一七二番でございますが、これはまさしく法律とそのまま関係ある事項でありまして、先ほど申し上げましたようにあの法律が——今年実は補正予算で研究所の経費が一億円計上されているのでありますが、ここに来年度千二百万とございますのは、その研究所を運営します経費でありますとか、あるいは検査所運営の経費でございます。これは法律と関係がありまして、法律が通ればこういう経費も使えるという考えでございます。  それから一四五番の小型底びき網漁業取締り強化に必要な経費、これは二十六年度より若干予算が減つております。減つておりますが、二十六年度は補正予算で一隻新造船をつくるという経費がありますので若干金がかさんだのであります。来年度は新造費が落ちておりまして運営費だけになつておりますので、若干減つております。これは今御審議願つております小型の特別措置法の裏づけをする取締り関係の経費でございます。  それからその次の沖合漁業取締りでありますが、これは御承知の、おもに以東の底びきの取締り指導監督の問題でございます。農林省の駐在所もありまして、そこで幾人かで事務をやつておりますし、そのほかに来年度は一隻新造船をつぐりまして、そうして取締りの強化をはかつて行きたいという考えでおります。沖合漁業の以東底びきにつきましては、実はまだ整理という予算は計上いたしておりません。これにつきましては、海洋漁業進出との関連とか、資源の関連等いろいろにらみ合せまして、小型底びきの整理をやりながら、それを考えながら、できれば——来年度補正予算があるかどうか知りませんが、補正予算でもあるという機会に、この以東底びきの問題も予算的に整理ということを考えて行かなければならぬのではないかと思つておりますが、この予算には計上してありません。この取締船は以東底びきだけではなく、さんまでありますとか、まき網とかいろいろそういう許可漁業の取締り指導監督もやつて行くという考えでございます。  それからその次の遠洋漁業の取締りでございますが、これは御承知の南方のかつお、まぐろ以西底びき関係がおもでございます。現在以西底びきに九隻、かつお、まぐろに三隻の取締船を配置いたしまして指導監督をやつております。これは従来の考え方通りでありますが、これに関連しまして、三ぺ一ジに一六八番としてあります北太平洋漁業条約締結に伴う必要な経費、この中にも実は二隻船を考えまして、北洋に出漁する場合の取締船と申しますか、ついでに鮭鱒等の資源調査もするという経費として、この遠洋漁業取締りのほかに一六八番には二隻分計上してございます。一四七で考えているのは今年と同じ構想でございます。  それから次はこれも大体今年と同じような考え方でありますが、今考えておりますのは、一四八番はおつとせいの調査でありますとかそういうことをやつております。来年度は漁場探測費、例の海中探測機というのですが、あの経費が新しく入りまして、これは科学研究所、北大等で試験研究する命が五百六十万ばかり新しく中に入つております。新規のものであります。それから一四九番は従来ありますところの漁業の企業体の調査でありますとか、あるいは水産研究所ではちよつとできないような試験を水産研究会に頼んでおりますので、そういう金がこの中に入つております。これは従来通りでございます。今申し上げましたようなのが大体資源の維持培養という概念で総括される予算の内容でございます。  次に参りまして一五〇の協同組合あるいはその次の標準漁業協同組合、その次の再建整備、一五三の取引改善や何かもそうかもしれません。それから一五六の漁業災害復旧資金融通に関する経費、漁船損害補償、一六二番の漁港の整備の問題でありますとか、ずつと飛びます一六九、一七〇の漁港の施設という問題は、漁業経営の安定というような考え方で一括してよい性質の予算でなかろうかと思つております。  一五〇番につきましては、ほとんど本年度と同じような考えでございまして、協同組合の定例検査をやつて行こうという経費が計上してあります。一五一番は全然新しく顔を出したのでありますが、これは御承知のように漁業協同組合が非常に乱立しておりまして、四千三百くらい今できております。ほとんど部落単位が多くて、組合員も二百人以下というような小さいものが多い。それで漁場を管理して行きますとか、あるいは経済単位としての協同組合としては非常に規模が小さ過ぎるということで、計画といたしましては、今の四分の一くらいのところでちようど経済単位としていいのではなかろうかという構想で、漁業協同組合をもう少し大きな経済単位に持つて行くという考え方で、協議会等の開催や何かいたしまして、できればあまり乱立いたしておりますところの組合を統合したいということを考えた経費でございます。これはおもに協議会や何かする経費でございます。  一五二番の再建整備は、これは今年の補正予算でありましたので御承知の通りでございまして、内容は補正予算と全然同じでございます。増資の奨励金でありますとか、固定化資金の利子補給とかいうものがこれに計上されております。二十六年度と全然同様でございます。  一五三番は、今中夫卸売市場法によりまして十一ばかり中央卸市場ができておりますが、その指導監督に必要な経費でございます。それから次の海産物関係商品取引所は、これは北海道の函館と小樽でございますが、この海産物の取引所の指導監督の人件費、事務費でございます。特に御説明する必要はございません。  一五六番は、これも議員提案で、この法律が今国会に上程されるはずなのでありますが、御承知の昨年十月のルース台風によりまして被害を受けました漁船、漁具、養殖施設というものに対しまして融資をした場合の四分の利子補給、それから三割の損失補償というようなことを内容とした経費でございます。融資の内容も中金が五億、一般の市中銀行は二億五千、合計七億五千万円というものを対象にいたしまして、二十七年度におきましての四分の利子補給をするというので三千万になつております。これは償還期限が、短いもので一年というのがありますが、大体は三年ないし五年というようなことになつておりますので、二十七年度には損失補償という観念は大して出ませんで、利子補給だけを予算に計上しております。損失があればそれは二十八年度以降に予算に計上されるということに相なろうかと思います。  次の一五七番の漁業災害補償は、これはきよう午後小委員会があるというお話でございますが、今、国会の法制局の審議が終りました段階になつております。これは従来の漁船保険法を廃止いたしまして、新しい角度で漁船損害の補償をやつて行こうという考え方でございます。おもな内容といたしましては、漁船保険の組合は、従来通り地域別の組合と業態別の組合を考えております。業態別の組合は別といたしまして、地域別の漁船保険組合につきましては、その下に漁業協同組合を活用して行こうということが入つております。漁業協同組合加入の二十トン未満の船につきまして漁業協同組合が漁船保険に加入するという決議をしました場合には、その組合所属の二十トン未満の漁船は当然加入になるという法律の内容になつております。法律には二十トンと書いてありませんで、たしか政令で定むるとなつておりますが、予算的には二十トンとなつております。そういたしました場合に無動力船でありますとかあるいは全然稼動していない船という例外はございますが、大体のものは議決があれば当然加入をする、そしてその保険料の半分は国庫が負担するというような新しい構想になつております。それからそうしました場合の漁業協同組合にかかる事務費等につきましては、さつき申しました保険料のほかに、事務費の交付金も国庫から協同組合に出すという考え方に相なつております。それから中央には漁業保険の中央会というものをつくりまして、これは諮問機関でありますと同時に、不法をしました漁船の審査でありますとか、あるいは災害の防止の問題でありますとか、あるいは保険率の算定でございますとか、そういうようなこともやる中央の団体をつくることを考えております。それから拿捕保険を主としますところの特殊保険は従来通りでございます。現在四十五万隻の漁船の中で、加入しておりますのは二万九千隻でございます。それを来年度の予算といたしましては、二十トン未満の当然加入を七万七千隻ばかりと、その他任意加入を加えまして、たしか八万九千隻足らずが保険に入つておるということでこの予算を計上しております。来年度は大分金額がふえておりますが、この中で約九千万が二十トン以下の船について二分の一を国が負担する考えになつております。それからそこに大きく入つておりますのは今年の特殊保険で、講和条約締結前後を境いにいたしまして非常に拿捕がふえておりますので、これに対する赤字八千万、両方で一億七千万になりますが、そういうものが大きな経費に入つております。これはいずれ国会において法案とともに御審議願える問題と考えております。さつき申し上げましたように、法案に二十トンと書かずに政令に譲つておりますが、予算面は二十トンということで計上されております。  それから漁業経営の安定という問題から行きますと、先ほど申し上げました一六二、漁業の整備及び管理に必要な経費でございますが、これはあとで申し述べます。漁港関係の人員の人件費でありますとか事務費がここに計上してあります。  次に一六九、一七〇の漁港の問題でございますが、これはここの数字で御承知の通り、かなり金額がふえております。特に漁業施設災害復旧事業に必要な経費が大分ふえております。それで漁港施設につきましては、最初の一六九でありますが、これはさつき申しました北海道を入れますと今年は十三億五千万くらいになります。それが来年は約十八億八千万くらいになつておりますが、この一六九の方で言いますと、金はふえておりますが、実質的には事業の関係はあまりふえません。と申しますのは、一つは物価の騰貴の関係で単価の問題等につきまして、去年に比較して若干の値上りがあるという問題と、もう一つは北海道の漁港につきまして、法律がかわりまして補助率が上つております。そういうような関係で補助率が上つたために増加する経費がございますので、実質的に申しますと、この一六九の方は今年度より金額はふえておりますが、事業量がふえるということはあまり期待できません。それから継続が二百十九港ばかりあるのでありますが、二十七年度の新規といたしましては、内地が六十九、北海道が二十を一応予定しております。二十六年度に新規に手をつけましたのは内地が五十五、北海道が二十一であつたのでありますが、来年は六十九と二十というのを一応新規の漁港として予定しております。しかしこれはまだ内部だけの相談でありまして、安本、大蔵省と、具体的にどの港とどの港に新規に手をつけるかというような相談にはまだ至つておりません。それから継続重業につきましても、どの漁港については何千万という金額を発表する段階にはまだ至つておりません。  また一七〇の災害復旧事業でありますが、これは全国で二千五百箇所ばかりあります。それを直しますのには六十数億かかりまして、そのうち国庫の補助が四十億いるというような数字が出るのでありますが、それに対して過年度災害として十三億四千万円というものが一応計上されることに相なるわけであります。過年度災害の三〇%くらいをこの予算によつて直すというような計算に相なります。今申しましたのが大体漁業経営安定と言いますか、そういう面で見られる問題だと思います。  それから漁業制度の改革の問題でありますが、この関係の経費が一六四、一六五、一六六と計上されてあるのであります。これは三月十四日で大体漁業権の切りかえが終るわけなのでありますが、一応漁業権の切りかえが終りましても、漁業制度の改革の根幹をなして行きますところの許可漁業調整の問題とか、協同組合経営の漁場の管理の問題とか、いろいろ問題がありますので、まだ制度改革は終つたのではなくて、第一段階は終つたのかもしれませんが、仕上げの段階が残つておりますので、金額は若干減りましたが、やはりここに計上してあります。内水面についても同様であります。ただ県庁におります人に計上してある予算が若干減つております。今年は内水面と両方入れまして一県平均十五人でありますが、来年は平均十三人くらいになります。来年新しく入つて参ります仕事はこの一六五にあるのでありますが、免許料、許可料の徴収に必要な経費ということでございます。これは御承知のように今年漁業権証券を八十億ばかり大体二月一ぱいに出したいと思いますが、その資金化を今相談しておるのでありますが、これと見合いました免許料、許可料の問題をやらなければならないということに相なつておりますので、その徴収に必要な経費等も入つております。それから先ほど一県平均十三人と言つたのでありますが、その中に入つておるのでありますが、免許料、許可料をとつてもらう県に対する交付金であります。市町村に対する交付金がこれに計上されてあるのであります。漁業制度改革の予算はこの新しい三つが根拠となつておるのであります。  それから一六七、一六八、これは講和条約の発効に伴いましていろいろ漁業の国際関係が出て来るのでありますが、それに関係する経費がここに計上されてあるのであります。金額は少いのでありますが、最初の海洋漁業対策委員会畠しますのは、いろいろ今まで日米加の問題があり、インドネシアとの交渉がすでに始まるというような情勢にありますので、これは専門委員会を設けまして、かつを、まぐろ、捕鯨でありますとか、機船トロールあるいは鮭鱒であるとか、かに、オツトセイというような専門の委員会をつくりまして、海外におきまするところのこれら漁業の実態、過去の実績、あるいは現在の漁獲高でありますとか、そういうような調査をいろいろやりまして、これから国際協定をやる上に万全を期して行きたいというような経費が、はなはだ額は少いのでありますが一六七に新しく計上されております。  一六八は先ほど申しましたように、北洋に対しまするところの監視兼調査船に必要な濫費、そのほかに日米加の本調印が終りますと、北太平洋の漁業委員会は日本にできることになりますので、これに関係の費用が新しく設けられております。  それから残ります問題は漁船の問題等であります。今までずつと御説明いたしまして残つて来た問題は、一五五の水産科学技術振興に必要な権費と、一七一の水産研究所に必要な経費、これは水産行政を科学的な方法の上に立つてやつて行こうというには、資源調査というものが重要であることは申すまでもないことでありまして、研究所等の経費はことにそういうものに使つて行く経費であります。先ほど申しました八千万という経費が官房に一括計上されているのでありますが、これは最も必要と思われるところに使つて行きたいと考えております。  一五五番の水産科学技術振興に必要な経費三千万でございますが、これは二十六年に一応ゼロとなつております。ゼロになつておりますが、前年度限りの経費として小計の前に五千三百万とございますが、この三千万に見合う経費はこの中に二千八百三十万ばかり入つております。そしてこれは御承知の海藻の高度利用に使つた経費なのであります。来年度の三千万はわれわれまだどういうものに幾らとはきめておりません。新しい見地で必要な工業化資源について使つて行きたいというので、一応白紙で考えております。どういう方面に幾ら、どういう方面に幾らという配分はまだ考えておりません。これは先ほど官房に八千万あるといつた一部と同じもので、それと一緒にきめて行きたいと考えております。  一五八番の水産業用資材対策に必至な経費、これは今油が統制になつておりますので、その間の経費がここに計上されております。  一五九は漁船乗組員養成事業に必要な経費、これは今年三百万が来年度千二百万にふえております。これは船舶職員法が改正になりまして、小型の船にも有資格者を乗せなければならぬことになりましたので、従来は大日本水産会に委託しまして漁船乗組員の養成をずつと前からやつていたのでありますが、船舶職員法の改正に伴い大日本水産会に委託してやつておつたのでは追いつかないというので、約三万人ぐらいの小型の操縦士、丙種機関士、船長とか機関長の養成を県に補助金を出して、大水のほかに県も一緒にやつていただきたいというのがここに出ております。今年と若干考え方をかえた経費になつております。  一六〇番の漁船の管理及び改善に必要な経費、これは従来からありますところの漁船の依頼検査でありますとか、漁船の登録あるいは漁船の認定)とかをやる経費であります。そのほかに陸上無線局の関係の経費が、四つばかり来年も補助してつくつて行こうという考え方で計上いたしたのであります。場所等につきましては、一応候補地をあげておりますが、まだどこに四箇所というふうにきめておりません。これが来年四箇所計上してあります。  一六一番は、久里浜と月島にありますところの漁船研究室の問題で、漁船の船体、機関の研究をやつておる経費でございます。  一六三は水産業改良普及事業に必要な経費でございます。これは今年初めてでございますが、まだ事務費だけでございます。農業方面には、御承知のように一万二千名くらいの普及員がおる。それから生活改善普及員も千数百名おります。林野も千数百名おりますが、水産につきましては、今まで全然ございません。技術的に何を改良普及して行くかということが根本問題なのでありまして、これの研究を水産研究所あたりに十分やつてもらうということと、来年度におきましては諸般の事例等を調べまして、パンフレットにして配るとかいういことで、初めて事務費を計上しておるのでありますが、この問題につきましては、二十八年度以降の問題として十分研究をしたいというふうに考えております。また第二水産講習所は、大体前年と同じような考え方でございます。  それから百五ページに漁船再保険特別会計に必要な経費がございます。これは先ほど申しました百五十七番の漁船損害補償実施に必要な経費、ここで御説明しましたように、明年度から漁船保険法を廃止しまして、新しい法律をつくつてやつて行こう、加入の隻数も、大体ことしの三倍程度を考えるというような関係からいたしまして、歳入歳出ともこの経費がふえております。  大体これで終るわけなのでありますが、今申し上げましたところに入つていないのが、さつき申しました北海道の漁港の問題、それから農禁漁業資金融通特別会計から幾ら融資が来るかという問題、それから試験研究所の八千万のうち幾ら水産に来るかという問題があります。  これで私の説明は終りますが、御質問があればお答えいたします。

川村善八郎自由党

○川村委員長 ただいま伊東漁政部長より昭和二十七年度水産庁所管の予算要求の概要が説明されましたが、これに対する質疑を許します。木村君。

木村榮日本共産党

○木村(榮)委員 今厖大なこの資料に基く御説明があつたのですが、大体昭和二十七年度の日本全国の漁業者の総所得はどのくらいか、従つて日本の百六十万あります零細漁民を含めた各平均所得はどのくらいか、そういう点を一応御説明願つてその上でまた質問したいと思います。

伊東正義農林事務官(水産庁漁政部長)

○伊東説明員 今の点は、詳細に資料で調べまして後刻お答えいたします。今ちよつと資料を持つて来ておりません。

木村榮日本共産党

○木村(榮)委員 資料は持つて来ておられぬでしようが、政府は国民所得五兆三百億といつたふうな見通しの上で予算を組んでおるということになつておりますから、従つて水産庁としては、詳細なことは資料がなければわからぬでしようが、大体大ざつぱな日本の水産所得はどのくらいということはわかると思うのです。そういう見通しがないと、さつき経営安定のための経費といつたふうなものの御説明があつたのですが、一体何を基準にして経営安定ということをうたつたのか、私たちは了解できない。

伊東正義農林事務官(水産庁漁政部長)

○伊東説明員 今の質問に対しては、あとでお答えいたします。

木村榮日本共産党

○木村(榮)委員 そうしますと、資料がなくてもわかることを私はお尋ねしたいのです。最近いただきました農林省から出た農林水産の統計表を見ますと、終戦後漁業の方は所得がふえております。しかしこれは魚価の関係その他いろいろな経費の関係、税金の関係等がありますので、ただ単にふえたというのがそのまま漁業経営者のふところぐあいがよくなつたとか、あるいは経営状態がよくなつたというふうには必ずしも解釈できない、かように見ておるわけですが、その点からして二十六年度よりも来年度は、漁業経営の方は諸般の情勢上きわめて好転すると見ておるか、それとも今年度と大差ないというように見ておるか、この点はどうですか。

伊東正義農林事務官(水産庁漁政部長)

○伊東説明員 今の御質問は、二十六年度に比べて二十七年度の見通しはどうかという問題でありますが、日米加の協定とかなんとかで一応窓は明るくなつたということはあるのでありますが、これはまだ全部の漁獲高その他に影響するような大した問題ではございませんで、内地の沿岸あるいは沖合い等につきましては、二十六年度より二十七年度の方が非常に好転するというふうには私どもは考えておりません。

木村榮日本共産党

○木村(榮)委員 漁業経営の安定ということを基礎にしてこの予算を大体こしらえたということになれば、資料がなくてももう少し幾分の御説明があつてしかるべきだと思いますが、きようはできないということになればやむを得ませんから、次会に詳細な資料をもつてやつていただきたいと思う。  そこで私がお尋ねしたい点は、経営状態が二十六年度より大したかわりはないということになれば、税金の面は大体どのような見通しになるかという点であります。所得税の面においては相当軽減されるかも存じませんが、御承知のように、固定資産税とか、その他船税とか、いろいろ各県々々における税の関係がありますので、そういう面からの漁業者に対する経営上の圧迫はどのように見通しになつておるか、この点は御検討なさつておりませんか。

伊東正義農林事務官(水産庁漁政部長)

○伊東説明員 税の問題の前に、この予算を漁業経営の安定という観点から組んだという御質問なんでありますが、大きな資本漁業は別にいたしましても、予算全部を通しての精神といたしましては、漁業経営の安定ということが根本の問題だと思います。水産資源維持の問題その他にしましても、経営の安定が基本であることは当然なんでありますが、経営の安定に直接関連するようなものはこういうものではないかといつて先ほど私は分類して説明したのであります。すなわち災害の補償融資だとか、金融がよけいつくように漁船保険を考えて行くとか、あるいは沿岸漁業の中心をなします協同組合の育成強化の問題とかいうようなものが直接漁業経営の安定になるのではないかということで分類して説明したのであつて、その点は誤解のないように願います。漁業経営の安定といえば、それらの全部が漁業経営の安定の要素と考えてよいと思います。  税の問題ですが、詳細な資料による説明は今いたしかねますので、これも先ほど御質問のありました所得の問題と関連して後刻資料をもつて御説明いたします。先ほど来年度はそう好転するということは今考えていないと申しましたが、税の問題で本年度よりも非常に負担が多くなり、加重されるというふうにはわれわれ考えておりません。それでこれは全般的な問題になりますが、証券等が相当資金化される。現在におきましても、今やつておりますのは六十数億という証券が資金化されて漁業者の手に入る。これは一番大きなのは漁業協同組合でありますが、そういう面から考えましても、今年度より来年度はうんとつらくなるのだというふうにはわれわれ考えておりません。

木村榮日本共産党

○木村(榮)委員 この次々になつてしまいますので、これもこの次にまわしますが、われわれのいただいた昭和二十七年度予算の説明によれば、農林省関係として、一例を申し上げますと、畜産振興関係の費用として六億三千六百余万円といつたふうなものが計上されております。ところが水産増殖の面を見ますのと二億一千万円そこそこです。私は何も畜産振興が必要ないということを申し上げるわけではございません。これも畜産関係の必要から見れば六億三千万円は僅少だ、こういう御主張は当然だと考えます。しかしながら日本の水産の状態を見ますと、戦後の荒廃状態からある程度立直つたとはいえ、まだまだ不十分な点が多々あり、いろいろ困難が伴つておると思います。そこでこの予算説明書によれば、畜産関係と水産関係では相当開きがありますが、こういつた増殖関係のことについては、水産庁の方で要求されても、農林省当局がなかなかそれを承認しないような現状であるのか、それとも水産庁当局の調査がずざんあるいは積極性がなくてこういうふうになつておるのか。

伊東正義農林事務官(水産庁漁政部長)

○伊東説明員 畜産の問題が出たのでありますが、これも畜産の問題とここの増殖の問題だけをくつつけて考えていただくと非常に困るのであります。水産の問題につきましては、漁港なり何なり基本的なものを考慮して行くということでございますが、畜産につきましては直接公共事業等にもありませんので、そういう問題はないのでありますが、水産の増殖の問題と家畜の増殖の問題だけを取上げて比較されるという考え方ではなく、全般的な問題として考えていただきたいと思います。御参考までに申し上げますが、畜産局の予算は、二十六年度が十一億、来年度が十四億くらいになつております。これは一つ一つの比較ではなくて、全般的に比較を願います。  それからもう一つ、増殖の問題だけで金額が少いじやないかという御質問でありますが、水産の増殖の問題についての試験研究が、農業関係に比較して遅れておるということは、私ははつきり言つてよいのではないかと思います。これはやはり試験研究が先の問題でございまして、そのはつきりしたデーターに基いて増殖等の問題をやつて行くことが根本の態度だろうと思います。試験研究なり資源の調査というようなものに重点を置いてやつて行きたいと思います。その出たデーターに基いて増殖事業等をやつて行くことはもちろんでありますが、まず試験研究の方を相当充実したいとわれわれは考えております。

木村榮日本共産党

○木村(榮)委員 今の御説明の中でなかつた点は、日米安全保障の行政協定によつて明白になつて来ると思いますが、今までもアメリカ軍の演習関係その他で漁港あるいは漁業をする海面が相当いろいろな制限を受けて、漁民がこうむつた被害は相当大きいと思う。これに対する補償は今度の経費ではどのように見込んでおるか。  もう一つは、工場関係の廃液、汚水による被害件数は、政府の調査した報告を見ますと、四箇年間において全国で大体二百九十件、損害額は内輪に見積つても十一億円くらいあつたというふうなことになつておる。こういつたものに対して調査または補償の方法は、今度の予算においてはどうなつておるか、簡単でけつこうですから説明していただきたい。詳しいことは今日おわかりならぬと思いますから、以下順を迫つて詳細に御質問いたしますが、大体大綱だけを御説明願いたいと思います。

伊東正義農林事務官(水産庁漁政部長)

○伊東説明員 では大綱を申し上げます。最初の補償の問題でございますが、これは来年度の経費につきましてはまだはつきりいたしておりません。予算委員会等で問題になることだろうと思いますが、今金額が幾らということははつきりいたしません。これは今年までは終戦処理費に入つておつたのでありまして、この予算は水産庁関係には計上しておりません。それから補償につきましては、二十五年度に初めて一億数千万円出まして、二十四年度以前のものを補償したわけであります。二十五年度分につきましては、当初五千万円ということであつたのでありますが、それではとても少いので、今大蔵省と交渉をしております。それから二十六年度の損害につきましては、実は従来の考えで行きますと二十七年度以降で補償するわけなのでございます。ところが来年度は行政協定等の関係で、その点どうなるか見通しがはつきりつきませんので、二十五年度の損害を補償すると同時に二十六年度の損害も補償したらどうかということで、二十五年度に起きました損害補償、今年度——といいましても二月、三月は予想になりますが、両年度を通しまして補償したいということで大蔵省と折衝いたしております。大体三億円ちよつと足らずぐらいのところが今話合いに出ております。二十七年度以降は、行政協定の内容を私存じませんので、それがきまつてどういう形で補償して行くかということが出て来るだろうと考えております。農林省につきましては、農地、山林みな一緒の問題でございます。  もう一つ水質汚濁の問題でございます。これは実は予算に計上してありません。これは従来非常に問題のある点なのでありますが、調査はいたしております。調査はいたしておりますが、この予算に補償幾らという予算は計上いたしておりません。実際の問題といたしまして、漁業者と工場の話合いで、とれるものはとるというようなことをやつておるのが現実でありまして、国が予算的に幾らという補償は組んでおりません。

木村榮日本共産党

○木村(榮)委員 さつきの御説明では、前年度よりも非常にふえたといつたような話があつたのですが、そこで大ざつぱに見ましてふえたというのが、たとえば小型底びきの減船整理といつたようなものは非常手段であつて、ほんとうのことを言うとかつてな処分である。沖合い漁業の取締り監督、また遠洋漁業の取締り監督、こういつたような監督費は相当ふえておる。監督を強化したことによつて必ずしも魚がよけいとれて、漁民の生活安定向上を来すというようなことはないと思います。また漁業損害補償の問題にいたしましても、その他漁業保険の問題にいたしましても、御説明によればいかにも漁業経営者、船主なんかに恩典があるように説明されておりますが、詳細に調べてみますと、銀行の方の金利を払うとか何とかいうことに相当の金がいつて、必ずしも全部がうまく使われていないというようなことが出て来るわけです。こういうような点は、きようは資料を持たないというので逃げられますので、この次に特によく聞きたいと思いますから、返答のできるように準備を願いたい。  それから減船整理の問題で、今度の沿岸底びきの問題であります。この経費が、私たちがこの前説明を聞いたときよりも大分減つておるようですが、この整理計画のトン数、隻数がその後かわつたわけなのですか、それともこの補償費がこの前の松任谷部長時代よりも少くなつたのか、その点をひとつ伺いたい。

伊東正義農林事務官(水産庁漁政部長)

○伊東説明員 あとの方から御説明いたします。小型底びきの金が前より減つておるのじやないかという点でございますが、これは前の漁政部長が御説明いたしましたときには、おそらく金額が確定前で、こういうものを大蔵省に要求しておるということでお話したのだろうと私は思います。当時七、八億要求したそうでありますが、大蔵省との話合いの結果こうなりましたので、単価等は先ほど申し上げましたように今年の補正予算と全然同じ考えでやつております。要するに大蔵省との話合いの結果減つたのだというふうにお考え願つてけつこうかと思います。  それから前の点は取締りだけやつてもだめではないかというお話と、融資をしても実際利益を受けるのはだれなんだという御質問であろうと思うのでありますが、これは御意見にわたるような点もありますので、その点の御答弁は差控えます。

小松勇次国民民主党

○小松委員 私は今の質問に関連して水産長官にお尋ねしたいのであります。塩見長官は日本の漁業民主化のために漁業法の作成にあたつては、みずから筆をとられた方である。かつまた沿岸漁業に対してもきわめて理解のある方であることを承つて、私どもは水産長官の今後の御活動に大いに期待するものであります。そこで私が特に伺いたいことは、わが国の漁業経済の安定のために、水産長官はいかなる構想をお持ちになつておるか、その構想、もし具体的な案があるならば、その具体案をここでお聞かせを願いたい。

塩見友之助水産庁長官

○塩見政府委員 ただいまの小松さんからのお尋ねに対してお答えいたします。沿岸漁業の安定という問題につきましては、私も縦前からいろいろ検討はして参つておりますけれども、非常にむずかしい問題だと思つております。それは一つは、戦後になつて海外から帰つて来たり、あるいは遠洋、沖合いに出ていたものが沿岸の方にもどつて来た。そういう関係からしてやはり非常に漁民の数がふえておる。しかも操業の海面は非常に狭く制限されております。しかも操業する海面における水産資源にかなりきゆうくつな状態ができているということで、それらの点でこれの安定というものにはかなり困難さがあると思います。今私の考えておりますのは、やはり独立と同時に国際漁場ボ開放されて来るという点につきまして、大正年間においてでございますけれども、主として機械化、動力化を行いまして、それで沿岸の小漁業者を沖合いに、沖合いの漁業者を遠洋にという形で指導して参りまして、それで当時日本が世界に冠たる水産国になつたわけでありますけれども、これが戦争の結果、逆に沿岸の方に押し込められたというふうな形になつておりますので、どうしても方向としては、やはり大正から昭和にかけてとりましたところの、沿岸漁業を沖合いに、沖合い漁業は遠洋にという方向で、幾らかでも沿岸の方を楽にして行くということを考えざるを得ない、こう思います。そういう点で、国際漁場があの当時と同じように、一挙に自由に日本の漁業の進出が可能なような形で開放されるかというと、そうはなつておりませんで、平和条約の第九条、あるいは総理のダレス大使あて書簡、そういう今までの国際的な経過から目ますと、どうしても関係諸国と協定をしながら国際漁場に進出して行くという方向にあるわけでありますので、そういう点で従前と同じではない。但し国際的な漁場に進出して行つた場合の各件としまして、協定が必要ではあるけども、日米カ漁業協定の基本線というものは、資源が満限になつているという科学的な証明がある場合にのみ、そういう公海における漁業は制限的な措置を講ずる、こういう形になつておりますし、また日米ヵ協定においては、この協定に加わつた三国はできるだけ日米ヵ協定の公海漁業における基本線を尊重してその他の国とも国際交渉に当つて行くという決議にもなつておりますので、そういう点について、大正、昭和に進出したような、ほんとうに自由な形で公海自由の原則を主張して進出して参るというわけには参りませんけれども、資源が満限になつている、濫獲状態になつているという科学的な証明がない場合には、かなり自由な形で進出でき、またそういう形でもつて国際協定を結ぶべきものと考えられますので、それに対する期待はある程度持つてもよいのじやないかと思つております。それから沿岸漁業自体におきましても、先ほど木村委員からの御質問もございましたけれども、濫獲でなく、なお調査研究を十分にやれば、海洋資源としてまだ開発の余地があると思われる種類のものもございます。具体的にいえば、特に日本海におけるさば類であるとか、あじとかいうふうなもので、これらについては、資源的になお十分な調査をやつて参れば、よい漁場も見つかり、経済的に引合う漁業がそこで成り立つて来るのではないかと思われますので、そういう部分については調査研究をできるだけ早く進めて、これをただ象牙の塔の調査研究に終らせることなく、産業と密着させて、沿岸漁業の調整整理という点と結びつけて、可能な新漁場の開発という道はとつて進む必要があるのじやないかと考えております。それからその他の漁業につきましては、沿岸において必ずしもはつきりとした濫獲という証明はございませんけれども、しかし大体過去の漁業の漁獲高の統計その他の実績等から見ますと、濫獲になりつつある部分が非常に多いので、それに対してはどうしても漁業調整を行いまして、——濫獲が悪いのは順次資源が減つて参つて、いくらとろうと思つても減産一方になるというふうなことでありますので、これはどうしてもある程度漁獲高を調整して、資源と見合つた最高限度をとる。資源が減らない限りにおいて最高限度をとつて行く。こういう方法で漁業の継続をはからざるを得ない。そういう点については、どうしても濫獲になるというか、漁船の隻数もトン数も馬力数も、そういう漁獲の能率が上り過ぎておるものに対しては、先ほどの遠洋漁業であるとか、国際漁場であるとか、あるいはその他今後発見せらるべき日本の近まの資源と見合つて、進出できるような漁業への転換ともにらみ合せまして、ある程度隻数を減らして行くことが必要なわけでありまして、そういう点の予算はずつと組まれておるわけであります。これはやはり水産資源確保の立場から、最近そういう調査研究が世界的に非常に進んでおりまして、世界の漁場関係の視野も、捕鯨条約その他を通じまして、はつきりと資源濫獲にならないような形で漁業をやり、資源の方から枯渇してしまつて漁業の生産が減退の一歩をたどるというふうなことを防止しなければならぬ。これは機械化、動力化等が行われて、漁業における生産の能率が上つて来た結果としてやむを得ない方向だと存じます。  それから沿岸漁業につきましては、増殖の点について可能な水域と、それからそれが経淡的に可能な限度というふうなものについては、まだ調査研究が十分に進んでおりませんので、そういう点については軍急調査研究もし、今年度予算にわずかではありますけれどもそういう増殖の予算が出ているわけですけれども、これはできるだけ将来大きくして、経済的に可能な限度において沿岸増殖を進めて行く必要があるのではないか。ことに小さい漁業者がたくさんおつて、沿岸において濫獲が行われつつあるというふうな場合、漁民の生活安定という点から考えても、特にそういう点について力を入れて進めて行く必要があるのではないか、こういうふうに考えております。これについては終戦後においてかなりその調査研究にも力を入れつつありますけれども、経済的に引合うという範囲——もちろんこれはある程度の補助金、助成といつたようなものも加えた上で経済的に引合うという範囲がどの範囲であるかというような点について、まだ確たる見通しを持つておりませんが、これは必要な水面については半分試験的な意味も含めながら進めて行くくらいな緊急性と必要性があるのではないかと考えておりまして、そういう点にも力を注いで参る必要があろうかと思います。  そのほかには、もちろん水産物の利用関係において、資源の増産その他にかなりな制約があるということを考えますれば、その加工利用の面においてはなお十分でない点がたくさんある。ことに戦前世界の一位を占めるような漁獲高をあげていた場合には、七割から八割のものが食糧ではなくて肥料、飼料の方にまわされていたというふうな関係から見ても、水産物の利用を高度化して、漁獲物を大事にし、食糧とか高度に利用できて高く買えるという方面の用途に向けるという方針は必要だと存じますので、そういう点についてもまた力を加えて行かなければならない。そのような点につきましては、農林漁業資金融通特別会計の方からの融資、あるいは漁業権証券の資金化というふうな点から、その合理化を進めて行く必要があるのではないかと考えております。  なおまた水産物の取引等につきましては、市場の問題については、統制が戦時中から継続されておりましたために十分な施設もついてはおりませんけれども、これは漁業協同組合の強化育成と点という点と相関連しまして、また漁業権証券の資金化というものをできるだけ本年度も促進するという方向において、そういう小さい漁業者の協同組織を強化することによつて、そういう点についても改善を行つて行く必要があろうかと考えておるわけであります。全体を詰めて申しますれば、今後の国際漁場への進出によつてまたいくらかの近海における新漁場、新資源の利用という点において、沿岸漁業全体を資源的にいくらか楽にするという形で逐次解決するということと、増殖についてはますます力を入れて行く必要があると思われることと、あとは加工利用、水産物取引、それからその他水産における各種の技術的な点も経済的な点もありましようが、広汎な意見における合理化、あらゆる面から施策して参りませんと、現在の急迫した沿岸漁民に対しては安定ということははかり得ないのではないか、あらゆる面から着実な手を打つて行く必要があるのではないか。それも一年、二年で非常に効果をあげて自信が持てるというような、これといつてはつきり申し上げられるようなきめ手が今のところはあるわけではなくて、あらゆる面からそういう方向に努力して行く必要があるのではないか、こう考えているわけです。あるいは御質問に十分な答弁になつておらないかとも思いますが、一応私の気づくままを簡単に申し上げました。

川村善八郎自由党

○川村委員長 皆さんにお諮りいたします。本日午後一時から漁船損害補償及び漁業災害補償に関する小委員会がありますので、残余の質疑に対しましては次回に譲りたいと思いますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

川村善八郎自由党

○川村委員長 それではさように決します。  本日はこの程度で散会いたします。     午後零時七分散会

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