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13回国会衆議院1952/06/18

図書館運営委員会 第3号

発言数
25
登壇者
4
会派数
2
開催日
1952/06/18

会議録

菊池義郎自由党

○菊池委員長 これから会議を開きます。  まず国立国会図書館法第二十條の規定により行政各部門に置かれる支部図書館及びその職員に関する法律の一部を改正する法律案起草の件を議題といたします。  御承知のごとく昭和二十四年に本法律が制定、施行されまして以来、行政各部門に置かれる支部図書館は相当数の増加をいたしております。また今次の行政機構の改革によりまして、その名称を改める必要のあるものもありますので、この際本法の改正案を起草提出いたしたいと考えます。これにつきましては、お手元に配付いたしてあります案を、国会図書館において作成されましたので、この案を本委員会における改正法案起草の原案といたしたいと存じますが、この点御異議ございませんでしようか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

菊池義郎自由党

○菊池委員長 御異議なしと認めます。よつて本案を改正法案起草の原案として審議を進めることにいたします。  まず図書館長の御説明を求めます。金森国会図書館長。

金森徳次郎国立国会図書館長

○金森国会図書館長 この案につきまして、大要のことを申し上げたいと思いますが、この法律は国会図書館法第二十條の規定によつて置かれるものであります。行政各部門の支部図書館というものは数が非常に多いのでありまして、二十四にも余つておるのでありますが、時代の動きに沿いましてそれがかわつて行くのでありまして、大体今までよりふえるものといたしまして、三つの支部図書館が考えられますし、それから今までありましたものが、今回の行政の改革によつて減つて行くものが二つほど考えられますし、それから今まであつたものではありますけれども、官制の変化によりまして、その名称あるいは所属する役所の名前にかわりを生ずるものが三つありまして、結局八つばかりの支部図書館の異動が考えられますので、その点をこの法律の中におきまして、はつきりさせていただきたいというのが、主たる希望であります。  ふえますものは何かと申しますと、日本学術会議の図書館というものが、支部図書館になつております。また特別調達庁の図書館というものが、支部図書館になつております。それから中央気象台の図書館、これがやはり支部図書館になつております。なつておりまずと申しますのは、図書館法の規定に基きまして、各官庁と相談をして、そこを支部図書館にして、国会図書館でつくつておりまする規定の中でこれをきめて行くことができるということでありまして、その方法によつて支部図書館になつております。しかしながら、かような方法で支部図書館にいたしましたのは、今申しました、問題になつております法律の上で正式に認められる図書館にはなり得ませんので、その結果、そこに置く職員の数の制限のような法律上の保護も及びません。いわば内輪で支部図書館にしておるということにしかならぬのであります。そこでこの名前をこの法律の中にはつきり掲げていただきますと、正義な支部図書館になりまして、この法律の得ておる保護がここに与えられるということについて、この三つのものはすでに事実上は支部図書館になつておりますが、明らかにこれを認めていただきたい、この趣旨であります。  次の問題といたしましては、今度は物価庁が経済安定本部の一部局になるということになりますと、従来の物価庁図書館が経済安定本部の図書館に吸収せられることになります。また今後の行政機構の改革によりまして、電気通信省が公社になることになつておりますので、これも行政各部の支部図書館でなくなつてしまいます。そこでこの二つの支部図書館をこの法律の表面から削り去ることが必要になつて参ります。  第三に、今度の行政機構の改革に伴いまして、人事院の図書館というものが名前がかわりまして、国家人事委員会図書館という名前になり、所属部局に変更が起るわけであります。それからまた経済安定本部の図書館が名前がかわりまして、経済審議庁図書館ということになるはずであります。また法務府というものが名前がかわりまして、法務省という名前になるのでありますから、これらの三つのものはその名前が、ありどころに変化がありますために、この法律の規定の中に幾分の修正を加えるという必要が起ります。  以上制度の変革によりまして、八つの図書館が、あるいは新しくできる、あるいはなくなる、あるいは名前がかわるというために、必要なる文字の修正をこの法律案でやつていただきたいというのが、お願いをいたしました趣意でございます。

菊池義郎自由党

○菊池委員長 ただいまの説明に対して何か御質疑はございませんか。——別に御発言はないようでございますから、ただちに採決いたします。  本案を委員会の成案として、これを委員会提出の法律案といたすことに賛成の諸君の御起立を求めます。     〔総員起立〕

菊池義郎自由党

○菊池委員長 起立総員。よつてさよう決定いたします。     —————————————

菊池義郎自由党

○菊池委員長 次に、国立国会図書館組織規程の一部を改正する規程案、国立国会図書館職員苦情処理規程案の両案を議題といたします。図書館長の説明を求めます。

金森徳次郎国立国会図書館長

○金森国会図書館長 組織規程の改正は、おもな部分は先ほどの法律案について申しました各所属の行政部局の支部図書館というものが異動をいたしまするので、それに応じまして、その規程の中にもそれらの名前等を書き直すことの必要がございまして、それが第一條の修正になるわけでございます。趣旨といたしましては、先きの法律案において述べましたことと同じことに帰着いたします。  それから次に第二條の改正であります。これはほとんど文字のかわりとでもいうべきものでありまして、従来一時賜金という言葉が当てはまつておりましたが、中の職員に関しましての立場がかわりまして、今後国会職員の規定が当てはまりますので、退職手当という言葉がこれにかわるわけでございます。ただ一時賜金という文字を、所属の基本の法律の言葉に従いまして、退職手当とこれを改めるということであります。それから次に、人事院と特別の関係がなくなりまして、国会職員が人事院の系統を離れて、特別職となりましたために、その人事委員会という言葉を削つたのであります。  次に、第五條の改正でありまするが、これは国立国会図書館の規定に従いまして、各府県あるいは東京都、北海道というような都道府県の議会の図書館の仕事を援助いたしまするために、いろいろ今努力をしております。これは権力でもつて押しつけるというわけでは毛頭ございませんので、そういう都道府県等の議会に付属する図書館に対しまして、いろいろのお世話をするということが希望せられておりますために、そこで特にその規定をはつきりさせまして、地方議会図書室等の援助についての連絡及び調整に関する事務を行うということをきめたわけであります。  それから次に、第六條と第七條との関係であります。これはちよつと事柄がこまごましておりまするが、要するに中の部局に率きまして、——私どもは都道府県等の出版物を図書館にもとより無料で納付してもらつておりまするけれども、そういうものを、中の部局のどこで受入れて処置するかということをはつきりさせたものであります。従来の規程の形では受入整理部で引受けることになつておりましたが、これから先は、別のほかの一般の官庁出版物を引受けると同じように、国際業務部で所管をするということにいたしました。まつたく事務の便宜からしておるのであります。  第九條の二のうち「法務府」を「法務省」に改めるということは、もとよりこれは、役所の名前がかわるであろうということを予想して法務省という字にしたのでありますが、この規程の中の大部分の問題は、今国会で問題になつております各官庁の組織の変更というものとつり合つてやつているのでありまして、それらの法律等がどういうふうになるかということは、今日はつきり見きわめがつきません。そこで本規程案の中の第一條及び第九條の二のいろいろな官庁の動きに伴うものや、また従つてその施行の日の問題というようなことは、今日その程度の予想をして書いているのでありまして、実際いかになるかということは、はつきり見きわめがつきません。この案の御承認を願いまする趣旨は、そういう行政機構の現に今進行中のものが、ほどよく決定せらるるということを條件として、この案の御審議を願つているのでありまして、もしもそれらの法律案の成立が所定のときまでに実現せられないということになりますと、このままで実現するわけには行きませんので、しかるべき処置を講じなければならぬと思います。しかるべき処置と申しまするのは、そのときになつてみなければわかりませんが、少くともこの案の御承認を願いますのは、規程を定めておりまする法律案が、今の予定のように通ることがきまりまするならばこの案の御承認を得たというふうにしていただきたいという條件づきで、御承認を得たいということが第一の希望であります。もしまた、そういうふうに官制の法律が首尾よく成立しなかつたどいう場合には、いかにするかということは、今日まだきめることができませんので、それの変化に応じまして、何らかの処置を講ずるということであります。何らかの処置と申しますのは、余裕がありますれば、再び委員会において御承認を願いたい、余裕を得ることができなくて、しかも事急を要するという場合でありますれば、事後承認というような処置にも及び得るという予想をして、お願いをしているわけであります。

菊池義郎自由党

○菊池委員長 ただいまの説明に対しまして質疑はありませんか。——御発言もないようでありますから、それでは国立国会図書館組織規程の一部を改正する規程案についてお諮りいたします。本規程案はこれを承認するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

菊池義郎自由党

○菊池委員長 御異議なしと認めます。よつて本規程案はこれを承認することに決しました。  なお国立国会図書館職員苦情処理規程案につきまして館長の説明を願います。

金森徳次郎国立国会図書館長

○金森国会図書館長 この国立国会図書館職員苦情処理規程の案をごらんに入れましたが、実はこれはまだほんとうに時期が熟しておりません。そこで、大体こういう方向をもつて進みたい希望を持つているということの御報告を申し上げるのであります。  今回、国会職員法の改正がこの国会に上程せらるることになつておりますが、その改正法律案が通るものといたしますると、国会図書館の職員につきましても、苦情処理の規程を設けなければならないのであります。これはその国会職員法の改正案の中から生れて来る、いわば委任規定でありまして、国会職員法が十分に御審議の後に議会を通つたあとにおきましては、今の法律案の趣旨によりますると、衆議院と参議院と国会図書館と、この三つが別別の苦情処理規程を持つというふうに予想せられております。そこで衆議院は衆議院の苦情処理の規程ができ、参院は参議院の苦情処理の規程ができ議ますが、国会職員に関しましては、どういう規定を設けたらよいだろうかということに問題がおちついて来るわけであります。そのときの一つの考えといたしましては、この狭い国会関係の範囲でありまするから、衆議院、参議院、図書館等を合せて、一つの苦情処理の機関をつくるということが、ある立場から見れば望ましいような気もいたします。けれども、この三つの部局がおのおの立を異にしておりまするために、そういうふうにもならないようであります。図書館の方から言いますと、別にどうしなければならぬというほど強い考えを持つておりませんけれども、衆議院と参議院とは別々の規程をおつくりになるらしいのであります。そうすれば図書館といたしましても、どつちにくつつくという道もございませんので、自分の規程をこしらえなければならないということになります。  そこでお手元に差出しました苦情処理規程というものを、今ごらんに入れた程度に研究をいたしたのでありますが、その規程案の大体の趣旨は、條文はたくさんございますけれども、要するにどんな委員会をこしらえるかということが重点であります。つまり第二條に規定してありまするように、職員がその意に反して降任され、休職され、免職され、その他著しい不利益な処分もしくは取扱いを受け、または懲戒処分を受けたというような場合におきまして、そういう不利益な処分等について、苦情を申し出て、審査の要求をするということがねらいどころでありますが、これに対しましては、第一次には図書館長がその苦情の趣旨を聞いて審査をするということになります。しかしその館長の決定に対して不服のある者は、もつと公正な趣旨に合う機関へ持つて行かなければならぬということになりまして、それがこの公平委員会が必要になつて来るゆえんであります。この公平委員会というもののつくり方が、なかなか狭い範囲のことに大さな機関をつくるという一つの苦しさはございますけれども、この案におきましては、これをできるだけ公正にしようという立場で、第五條にその組織か書いてあります。大体の考え方は、職員側の代表と図書館側の代表、つまり原告、被告というような両方から二人ずつの代表者をこの委員会に出す、そして中立委員とでも申しますか、両方に対して最も公正な立場がとれるという委員を三人こしらえて、合計七人で議事を進めるということになります。そこでその中立的な公平な委員会の委員はだれをもつて充てるかというところが一番問題の骨子になりますが、これが第五條の一号、二号、三号の中に書いてございます。ここにありますように、一人は最高裁判所長官の任命する最高裁判所裁判官たる国立国会図書館連絡調整委員、肩書きは非常にむずかしくなつておりますが、要するに私の方の図書館におきましては、連絡調整委員会というものがございまして、四人の委員でできております。現在は最高裁判所の指名した裁判官一名、内閣の指名いたしました大臣一人、これは文部大臣が実際は当つておりす。それから衆議院と参議院との図書館運営委員長ということになつております。大体この連絡調整委員会の方々に重きを置きまして、まさかその全部を持つて来るということはやりにくいのでありますから、一つの構成は、第一に最高裁判所の裁判官たる図書館連絡調整委員から一人、これは一人固定してしまいます。次に衆議院の図書館運営委員長または運営委員長が指名する運営委員長が指名する運営委員一人、参議院についても同じように、参議院の図書館運営委員長またはその運営委員長が運営委員の中から指名する者、こういうふうにいたしまして、最も公正な方三人がそこに中立的な位置を占める。原、被両側の二人ずつは、お互いに自分たちの都合のいい主張をするでありましようが、最後には、この三人の公平なる人が結論を下されるであろう。しかもそのうちで委員会の委員長というような役をするのは、最高裁判所側の委員、つまり図書館連絡調整委員の中の最高裁判所裁判官、こういうふうにいたしましたならば、公正な委員会ができるであろうという期待をして、この案をつくつたわけであります。ところがこのことにつきましては、衆議院もその職員のために委員会の制度をお定めにならなければならぬ、参議院も独自の制度をお定めにならなければならぬということであつて、そちらの方がまだ話がきちんとしていません。いませんとすると、図書館の方だけあまりに急いで方針をがつちりきめますると、調子がこわれるかもしれません。従つて、今はこの程度において研究をしておるのでありまして、追つて時期が来まするに伴いまして、機会を得てこの図書館運営委員会の御承認を得たいと思つて場おります。ただいまはその報告の段階、つまり事情を申し上げるという段階でございます。

菊池義郎自由党

○菊池委員長 ただいま館長の説明を承りましたが、国会職員法等の一部を改正する法律案が現に本院で審議中でもありますので、なお検討を要すると思いますから、本日は決定を留保いたします。     —————————————

菊池義郎自由党

○菊池委員長 次に国会図書館運営の経過について、図書館長より報告の申出がありますので、この際これを許すことにいたします。金森館長。

金森徳次郎国立国会図書館長

○金森国会図書館長 図書館運営の全体につきまして、半年ごとに御報告をすることになつておりますか、ただいま御報告を申し上げまするのは、過去半年分、つまり二十六年の十月から二十七年の三月までの大体の御報告を申し上げるのであります。  お手元に報告の要綱というものと、これに基きましてのいろいろな計数表が出してありまして、たいへんこまかいことにわたつておりますが、しかしこの時期の大体の趨勢は、図書館が次第に順当に伸びて行きつつあるという一言に帰着すると存じます。従来この図書館につきましていろいろの世間のうわさ等もございまして、大きくこれを伝えたり、小さくこれを伝えるということがございますが、図書館の働きは、こつこつと足場を固めて進んで行くような道順にありまして、過去半年の道行きを見て行きますと、大体その線で、あまりはげしい変動はない、しかし少しもゆるむという傾きもないというわけであります。こまかいことを一々申し上げるのも恐縮でありますので、その経過報告要綱の中をごらんくださいますと、大体の数字がここにあげられております。  人事等につきましても大した変化はございません。昨年からことしにかけまして、行政整理によつてきわめて少数、全体の二十分の一くらいの職員の減少という段階になりまして、その響きがこの三月末までに少しく出ておるくらいであります。  国会へ奉仕する問題が、「三、国会への奉仕」というところにございまするが、その大部分は調査立法考査局の問題でございまして、考査件数が八百二十三件ございます。その詳細は資料の「1」のととろに出ております。それからまたそこで出版いたしました調査資料は、やはり資料「2」にあげられておりますが、二十九件にわたつております。そのほか、国会の建物の中にありまする分館で書物をごらんくださる人が四千三百、貨出し図書数が五千八百、こう出ておりますが、これはある計算で出て参つただけのことでありまして、実際は、これらの閲覧室は自由に閲覧し得るものでありますから、全体の計数にはなりません。それから特に申し上げるのは、三の「4」に書いてあるものでありまして、憲政資料——明治の憲法及びこれにまきついておりますいろいろな政治の資料を根気よく集めておりましたが、それがこのときにおきまして買い入れましたのが五千二百八十五点、これは現在のところは、井上馨さんのうちにあつたもの、陸奥宗光さんのうちにあつたもの、宍戸さんのうちにあつたもの、そういうような面について新しく購入いたしました。もつと根本になります伊藤博文さんのうちにあつたというようなものは、すでに大体購入済みになつておるのであります。それからなお、購入はいたしませんけれども、お預かりをしていろいろな情勢をながめておるというのが、その次に「受寄」と書いてあります七百四十八点であります。これらの憲政資料というものは、もとより一つしかないというようなものでございまして、根気よく集めて行きましたために、大よその必要なるものがここに集積したような感じがしております。  それからしばらく先へ飛びまして「行政・司法各部門への奉仕」国会図書館が行政、司法各部門、つまり最高裁判所とか、大蔵省とか、通産省とかいうような各部局に対していかなる奉仕をするかということの計数をここに示したのでありますが、これは相当動いております。閲覧図書数が十四万二千というようなことになつており、考査の件数——考査というのは、御承知のように、何か事柄を明らかにしてその解説を求めるというのでありますが、それが一万四千件見当になつておるのであります。これはこの図書館ができます当時から、支部図書館というものはどんな発展をするであろうかということに、多少の懸念を持つて注意もしておりましたが、この数年の間にだんだんと発達して参りまして、アメリカの図書館使節などの方でも、この点は割合に好意を持つて批評をしているようでありました。アメリカではそういうことはできなかつた、支部図書館というような制度がうまく行かなかつたが、日本ではこれがよくできるようになつた。ごう言つてくれております。  それから次の五の、外国から来ている書物を見せるというような点であります。五の「1」のA、B、C、三つございますが、初めにありますロツクヲエラーの寄贈図書というのは、大体五千数百冊がロックフェラーから寄贈せられております。これは続いて年々寄贈されるものでありまして、本年になりましても、若干の寄贈図書が得られるのでありまして、次第に増加して行くものだと思います。Bのところの図書館学資料、こういうのは、日本では図書館というもの自身についての研究資料が少いのでありまして、たとえば、外国の書物の文献、書物そのものを説明する文献であるとか、図書館の建築とか、図書館の設備とかいうような、図書館自身に関する資料が従来潤沢でありません。それをなるべく外国から広く集めて行くというようなもの、それが八百五十冊ばかりございますし、それからアメリカ工業使節団の寄贈図書と申しますのは、昨年アメリカの工業使節団が日本を観察に来ましたときに、彼らがアメリカの出版書肆から依頼を受けまして、相当工業に関する書物を持つて来たわけであります。その工業に関する書物をいかにすべきかという御相談に乗りまして、私の方からも意見を述べまして、少くとも持つて来た書物の一番広い集まり——同じものを何冊も持つて来ておりますから、そのうちの一番多数のかたまりを国会図書館に寄贈する。それからそのほかの小さいかたまりは、日本中の有数な図書館五箇所ばかりにわけるということで、私どもの方で骨を折りましてこの寄贈図書の処置をしたわけであります。このA、B、Cの三つというものは、一般の人に貸付をし、また団体に対しましては貸出しをもするという態度をとつております。その現状がここに書いてあるのであります。閲覧状況等につきましては、これは中の設備が限りがありますので、いくら人を集めて読んでもらおうと思いましても、あき間のある以上にはいかんともいたしかたがないのでありますが、現在その半期分の閲覧者総数が、中央館が七万七千ということになつておりますし、上野の方は、設備も大きいのでありますから、大体その倍に当ります十四万八千ということになつております。合計いたしまして二十万以上の人が利用しておるというような状況でございます。あと、静嘉堂文庫や東洋文庫、大倉山分室というものは、これは特殊の図書館でありますから、さまでの希望は持てません。  その次にいろいろな記載もございますが、なお次の款に行きまして、総合目録とかいうこともやつており、各種のことをやつて、間口はすこぶる広くなりましたけれども、一応順当に動いておるような気がいたします。  ところで、これを機会といたしまして、少しく皆様方のお教えを得たいというような意味もございまするし、意見を申し上げたいという問題がございます。従来私どもの方の図書館はいくらか受身でありまして、本ができて来る、それを集めて一般の方の閲覧に供するということでありましたが、近ごろになりまして——これは私どもの方の努力も今まで不十分であつたかもしれないと思いまするが——PBリポートというものがございます。このPBリポートというのは、アメリカの商務省の出版委員会でこしらえておるものでありまするが、本質は今回の世界大戦の終りごろに、ドイツその他の国国を占領しておりました連合国が、いち早くアメリカやイギリスの技術調査団——技術を専門に扱うところの調査団に上りまして、各種の技術を入手したのであります。ドイツの技術もそれらの調査団の手に入つた、日本の技術もイタリアの技術もその調査団に入つたわけであります。一品に申しますれば、ある会社でもつて非常に念の入つた研究というもの、これは多年の努力と多額の経費をかけたものでありまして、いわば門外不出とでもいうべきものでありました。そういうふうなものを一括してこの技術調査団が手に入れたのでありまして、実はそれを整理した目録のような報告書があるのであります。その点数が大体十五万点あるのでありまして、この中には日本の分も少しく入つておりまするけれども、大部分はドイツの技術的なる研究のように聞いております。これを集計すると十五万ということになります。この十五万点の中には、おそらく非常に貴重な技術上の研究が入つておると思います。実際のところははつきりわかりませんけれども、ある国、たとえばイギリス、フランスというような国がこれらの文献を利用をして、商業、工業という面に非常に役に立てておるということがございまするが、私どもの国会図書館に対しましても、これらの十五万点の技術的の研究は目録のような形でずいぶん入つておりまして、今までに大体十二万点くらい印刷して報告が出ておる。なおこのほかに三万点くらい残つておる。合計いたしますと十五万点あるのであります。この十五万点の調査の実態、ただ報告でなくて、技術的に調査団のつかんだところ、基本的な技術上の調査書類というものは、非常に有益なものを含んでおるらしいのであります。ある会社がこれを利用すると、ただちにそこの事業が競争会社よりも目立つて発達して来る。そのために、どうしてあんなに技術が発達したかと思つていると、人の知らないうちに実はそこではそのPBリポートを利用しておつたというようなこともいわれております。  ところでこの十五万点の調査資料というものは、日本にも今一部分ずつは入つております。それは関係会社が非常な金をかけて手にしておるということでございます。こういうときに、一体これを国会図書館等のごときものが問題外にしておいていいであろうかということが、私どもの悩みの種でございます。もしできまするならば、この調査資料十五万点を、日本で写真あるいはマイクロ・フイルムにとりまして、そうして日本の官公署及び一般人が自由にこれを利用し得るということにいたしますると、それによつて日本の技術的な面において非常な進歩がある。ある人のごときは、五十年の技術の進歩ができるであろう、こういう意見を漏らしております。これにつきましては、学術会議の方から非常な熱望がありまして、何とかして日本の国会図書館でこれをとつてくれないかと、正式にその旨の通告が来ております。また正式というまでは行きませんけれども、通産省その他の技術面あるいは大学その他の研究者の面からも、何とかしてそれを集めて公平なる利用のできるようにしてもらえないか、こんなことになつております。その中身は、何しろ十五万点もありますから、私どもには正確にわかりませんが、化学について三十種、機械について十四種、金属冶金について十種というふうに、ずつとわけられた数字が一部分から発見せられております。どんなことをやつておるかといえば、たとえばロケット揮に関する研究とか、有機合成技術の世界最高峰といわれるレツペ合成術というようなものがあり、あるいはIG社のテイビオン製法というものがあり、メッサー・シユミツト社のガス・タービン、あるいはユンカース社のデイーゼル機関というものがあり、相当粒よりの研究が入つておるということであります。これは金額から申しますと、そんなに多くの金額がいるわけではございません。大体すぐ読める程度の写真でとりますと合衆国の商務省の出版委員会がすでに写真で公に出しておりますものが十二万くらいあるわけであります。だから一部三十ページといたしますと、合計して五百万のページになり、目方で三十トン、金額は、これもはつきりわかりませんが、二億五千万円くらいのものじやなかろうかといわれております。もしこれをこまかくしてマイクロ・フィルムに写しますと、五分の一くらいの金額の五千万円で間に合うのではなかろうかというふうにも考えられます。これがまたいろいろ複雑に出ておりまして、すでに書物の形で出版せられておるものも若干はあるように承つております。その簡単な目録類はすでにこの図書館に持つておるのでありまして、その研究題目だけ集めておりまする索引は、現在第一巻から第九巻、第十一巻から第十六巻、ちよつと飛んでおりますけれども、これが三宅坂分館に備えつけられておりまして、かなり手広に利用せられておるようであります。しかし目録ばかりではほんとうの役には立ちません。こういうふうのものをどうしていいか、実は各方面からの御希望もあり、大蔵省の方に何とか予算上のくめんはつかないであろうかという内相談をしておりますけれども、まだそれ品は何の目鼻もつきません。こういうことは日本の学問、経済の上に画期的な影響を持つものであり、これをゆるめておりますと、外国とは違つて、非常にあとずさりをするという懸念もありますし、ことに技術等のことでありますから、しばらくゆるめますと、鼻をあかされるということもないとも言えませんので、極力努力をしております。これは別に御承認を得るということではなく、実情を述べまして、皆様方からしかるべき御意見等も伺いまして、もしもそれがわれわれに好都合であるならば、それを背景として、また大蔵省の方に強く主張をして行きたいという気持を持つております。  大体の御報告はこれをもつて終りたいと存じます。

菊池義郎自由党

○菊池委員長 ただいまの説明に対して何か御質疑は、ございませんか。

多田勇自由党

○多田委員 ただいまお話がございましたP・B・リポートですが、これは今お話のようにぜひ急速に購入するような措置をすることが必要だと思うのであります。図書館側としましても、大蔵省その他にいろいろ折衝されておるようでありますが、当委員会としまして、これを急速に購入するための必要な措置をするような意思表示をすることが、これを急速にまとめる一つの力になるのじやないか、こう考えられますので、当委員会として、P・B・リポートを急速に手に入れるために、必要な措置を急速にとるための意思表示をするようなことをひとつおきめ願つたら非常にいいのじやないか、こう考えられますが、ひとつおとりはからいを願います。

菊池義郎自由党

○菊池委員長 それでは、ほかに別に御意見がなければ、図書館長の報告はこれを了承いたすことに御異議ありませんか。     〔「異議なしと」呼ぶ者あり〕

菊池義郎自由党

○菊池委員長 御異議なしと認めまして、さよう決します。     —————————————

菊池義郎自由党

○菊池委員長 先ほど多田君から、P・B・リポートを購入し、これを国会図書館に備えつけるために必要な措置を政府に要望するため、本委員会において決議したいとのことでありましたが、この点について御意見を承ります。

多田勇自由党

○多田委員 なお案文等については委員長に御一任いたしたいと思います。

三宅正一日本社会党

○三宅(正)委員 技術の遅れを急速に克服するために、通産省、安定本部、あらゆる面において設備の合理化等をはかつておるときに、この調査資料は実に必要だと存じますので、この点について委員会として善処するということ——方法については委員長に一任いたしますが、これを決議をすることに賛成でございます。

菊池義郎自由党

○菊池委員長 それでは多田君の動議のごとく決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

菊池義郎自由党

○菊池委員長 御異議なしと認め、多田君の動議のごとくとりはからうことに決します。     —————————————

菊池義郎自由党

○菊池委員長 次にお諮りしたいことがございます。間もなく本国会も閉会となりますので、本委員会といたしましては、閉会中もなお国会図書館の運営に関して審査をなし得るようにしておく必要があると考えますので、この旨を議長に申し出たいと存じますが、いかがいたしましようか。     〔「賛成」と呼ぶ者あり〕

菊池義郎自由党

○菊池委員長 では賛成でございますから、さよう決します。閉会中審査申出書の作成に関しましては、委員長に御一任願いたいと存じます。  なお閉会中審査が付託されました場合の委員の派遣等に関しましては、すべて委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

菊池義郎自由党

○菊池委員長 御異議がないと認めます。よつてさよう決しました。  本日はこれをもつて散会いたします。     午後二時三十七分散会

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