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13回国会衆議院1952/06/30

行政監察特別委員会 第30号

発言数
11
登壇者
3
会派数
2
開催日
1952/06/30

会議録

内藤隆自由党

○内藤委員長 会議を開きます。  この際お諮りいたします。今回も従前の例によりまして、六月中における簡單なる調査経過の報告書を作成して議長に提出したいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

内藤隆自由党

○内藤委員長 御異議なきものと認めます。さよう決定いたしました。     —————————————

内藤隆自由党

○内藤委員長 次に、学生と警察官との紛争事件につきましては、すでに証人喚問を終了いたしまして、理事諸君とも御協議の結果、本日の委員会において、中間的結論を出すことに意見の一致を見ましたので、委員長において、すでに諸君のお手元に配付してある通りの中間報告書原案を作成いたした次第であります。この学生と警察官との紛争事件調査中間報告書案を議題といたします。  なおこの際一言申しておきまするが、理事会におきまして、佐竹新市委員の御意見が出ましたので、終りから五ページ目の(3)の「大学における学長は、少くとも……」証のこの全文を削除いたしまして、(4)を(3)に繰上げて報告書原案とすることに、理事会において申合せができましたから、以上御報告申しておきます。  討論の通告があります、順次これを許します。山口武秀君。

山口武秀日本共産党

○山口(武)委員 この学生と警察官との紛争事件に関する調査中間報告書なるものに対しましては、私は全面的に反対であります。ここに委員長の手元においてつくられた報告書なるものがあるわけでありまするが、まず第一に、この学生と警察官との紛争問題を調査するにあたりまして、証人の喚問を行つたのでありまするが、この場合、当の学生の側の証人が全然呼ばれていないのであります。ここに五人の証人が呼ばれたということが書いてありまするが、なるほどここには警察官側の証人も出てはおりません、しかしながら警察側は他の場所におきまして証言をし、それが当委員会に対して一つの印象を與えることはあつたわけであります。ところが学生側は全然一人も呼ばれていない。この問題に関しましては学生の主張を聞くべきであつたにもかかわらず、これがなされないということからしまして、証言の基本において欠けるものがあつたということがまず指摘されるわけであります。さらにこの五人の証人の証言をもととして、ここに中間報告書が結論されておるわけでありまするが、五人の諸証言というものを正しく結論づけまするならば、このような報告書の作成はなし得なかつたと、かように考えるのであります。この結論というものは、一定の考えをあらかじめ持ちまして、不必要な証言を故意に取立て、あるいは一定の意図に反するような証言は故意に軽視するか、黙殺するというようなことから、このような結論が生れたのではないか、このように考えられるわけです。  学生と警察官の紛争事件というのは、これは現在日本の社会的、政治的あるいは経済的な状態を反映している問題だということは、きわめて明白であります。特に学生は国民の中におきまして純真であり、政治的な問題に対しましても最も敏感な層である。これが現在の政治的、社会的、経済的な情勢というものに対して、一番鋭い反応を示し、これが今回の問題を引起しておる一つの要素になつておるわけであります。学生が警察官と衝突する場合に掲げられておりましたのは、ほとんど例外なく、平和の擁護、あるいは日本の独立、徴兵の反対、あるいは国民に対する彈圧反対、あるいは彈圧法規の反対、このようなスローガンのもとに起つているのであります。ここで詳しく申し述べるのはやめますが、日本か現に独立を喪失しており、アメリカの傭兵としての再軍備が進行しており、さらには徴兵制度がしかれようとしている。少くともそうした機運が見えて来た。これに対して、これが憲法違反である、政府が憲法を無視し、法を無視しているというような事柄に対して、それを暴露し、これを批判し、あるいは反対するということに対して彈圧措置がとられている。このような状況が、たまたま学生と警察官との紛争の基本的な事情になつたわけであります。  この報告書におきましては、それらの点がまつたく無視されております。民主主義、自由主義の確立を期すれば、警察と大学の対立は解消できるというような結論まで行つておりますか、なるほど民主主義、自由主義の確立がなされれば対立はなくなるでしよう。しかしながら、この報告書に一貫したものが、現在の日本の状態というもの、アメリカに隷属した日本の地位というもの、日本の国民の権利というもの、それが無視されることに対しては何ら触れていない。そうした実情というものをそのまま黙認して、それを正当なりとして論を進めている。このようなことで問題が解決されるいわれはありませんし、学生の立場からしますならば、政府自体が憲法を無視し、法規を無視し、日本の独立をアメリカに売り渡し、あるいは日本の青年までをもアメリカの傭兵としてつくり上げようとしている。これに対する反抗というものが最も敏感に現われているしところが、これに対して学生が批判し、反対することに対しては、戰争中あるいは戰前の特高警察と同じようなスパイ活動が、特審によつて、あるいは警察官によつて行われている。これに対して学生が反発を示すということは、きわめて当然でありまして、学生運動に対して何ら非難するものはないわけであります。  報告書自体に、一歩誤まれば、中国革命における先例のようなことになると申しておりますが、これは中国革命の先例のようなことになつてどうして悪いのか。少くとも蒋介石のもとに政治が腐敗し、窮乏した民衆は何らの希望も持てない中国の社会状態というもりが、学生運動を先駆とする中国の独立運動、革命運動によつて、現在発展しつつある中国にかわつた場合、これを何ものが否定できる。どこに否定する根拠がある。そうしたものを一切いけないというならば、それは日本をどこまでも従属させ、その従属に対して国民を立ち上れないまでに彈圧する、こういうような観点だけがこのような報告書をつくるものでありまして、これは先般も申しましたが、当行政監察特別委員会のやるべきことではなく、少くとも行政監察という任務を持つ本委員会がなすべきことではなくて、アメリカの植民地行政というものを日本において推進するという目的に当委員会がかわつたときのみ、初めてこのような結論を出し、このような報告書を出し得るといえるわけであります。  これは中間報告書と書いてありますので、またあらためて報告があると思いますので……(「もつと強いのがある」と呼ぶ者あり)その際にまた詳細について申し述べたいと思いますが、さらにこれより強い案を自由党の諸君がつくるという話でありますが、そういたしますれば、学生と警察官との紛争というものはますます拡大して行く。そのような態度はますます学生を反発させることになるでしよう。それは單に学生だけの反発にとどまらないで、全国民の反発というものを誘致する。

内藤隆自由党

○内藤委員長 山口君、不規則発言をとらえて議論の論拠としないで、なるべく本中間報告に基いて意見をお進めのほどをお願いいたします。

山口武秀日本共産党

○山口(武)委員 そうした理由によりまして、こうしたものを当委員会が取上げることを恥としなければならない、このように申し上げて反対意見を終ります。

内藤隆自由党

○内藤委員長 福田喜東君。

福田喜東自由党

○福田(喜)委員 私は本報告を全面的に支持するものでございまして、今の山口君の御意見に対して一々反駁を加える必要はないのでありますが、委員会の報告書は、委員会で審議をした事実を中間的に報告するものであつて、今の山口君の討論というものは、その委員会報告書の性格を逸脱している討論に終始しているわけでありますが、念のためわれわれの意見を申し上げますと、第一点は、山口君は学生の証人を呼ばなかつたということを盛んに論議せられますが、学生の証人を呼ばなかつたということについては、これはまつたく山口君の主張自身理由がないのでありまして、裁判所の論議みたいになりますけれども、必ずしも山口君の主張する全学連の代表だけが学生ではないのであつて、大多数の、学生の本分を守つているところの学生があるわけです。山口君の主張する学生を呼ばなかつたというのは、何をもつて山口君は学生と言つているのかということを明らかにしてもらいたい。それからもし学生を呼ぶべしとすれば、山口君が当委員会において学生を証人として喚問することを主張すればよかつたわけでありまして、今日までその要求は  一回も私たちは聞いておらないのであります。  第二点は、学生ということを盛んに言われますけれども、今言つたように、山口君の主張するのは、全学生のおそらく九牛の一毛にすぎないところの全学連の学生のみをもつて学生というふうに解しているのでありまして、私は山口君の主張の根拠が事実の認定をまつたく誤まつたものであると思うのであります。それから傭兵とか徴兵の機運とかいうことを云々されますが、これは杞憂という支那の言葉がそのまま山口君の議論にあてはまるのでございまして、傭兵も徴兵も、そういうことは一つも当委員会、日本全国において問題となつていることではございません。  第三に、日米の関係におきまして、日本がアメリカの植民地になつたの、あるいは隷属だの、どうのこうのということを言われますが、山口君の議論がはたしてそういう議論であるとするならば、全学連が日共の手先となつて、コミンフオルムの暴力革命の一端をになつて、その指令に従つて日本を撹乱しつつある事実は、山口君は何と判断するか、その点に対する山口君の態度というものは私は奇怪にたえない。この事実を何と思う。こういう事実をまつたく黙殺しておいてその討論をするごときは、まつたく本末転倒、意味をなさざる暴論としか私には聞えません。委員会の審議経過を忠実に伝えているこの中間報告は何ら異議のないものであつて、全面的に私は賛成いたします。

内藤隆自由党

○内藤委員長 これにて討論は終局いたしました。  これより採決いたします。本報告書原案を委員会の報告書として決定するに御賛成の方の御起立を願います。     〔賛成者起立〕

内藤隆自由党

○内藤委員長 起立多数。よつて本報告書原案は委員会の報告書と決定いたしました。  なお、字句の整理等につきましては委員長に御一任願います。  なお、本報告書を関係当局に送付したいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

内藤隆自由党

○内藤委員長 御異議なければ、さように決定いたします。  なお、今国会における調査の報告を、お手許に配付してある趣旨のもの一で本会議においていたしますから、御了承願います。  本日はこれにて散会いたします。     午後一時四十一分散会

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