行政監察特別委員会 第10号
- 発言数
- 33 件
- 登壇者
- 5 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1952/02/25
会議録
○内藤委員長 会議を開きます。 この際御報告いたします。過日本委員会に証人として証言を求めた東京都民生局長畑市次郎君より証言の一部訂正願が出ております。前例によりこれを朗読の上速記録にとどめたいと存じまするが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○内藤委員長 御異議なければさよう決しました。 内容を朗読いたします。 民総收第七七の二号 昭和二十七年二月十六日 衆議院行政監察特別委員会 委員長 内藤 隆殿 東京都民生局長 畑 市次郎印 証言の一部訂正願 昭和二十七年二月十三日貴委員会において、聖十字学園事件についての証言を行いましたが、貴委員長からの質問に対しての証言のうち下記について御訂正を願います。 記 聖十字学園の事業内容について説明 を求められた際に、 委員長「サンポータイプ職業補導施設について、説明されたい」(概略) 畑証人「この事業については台東区松葉町にあり主税当局からの連絡により承知したものであります」(概略) 以上証言しましたが上記は御質問を台東食品加工補導所(製菓工場)に関することと聞き違えて証言したものでありますから訂正します。なおサンポータイプは同法人の事業ではなく同法人の建物の一部を使用しておるものであります。 以上 以上の通りであります。 —————————————
○内藤委員長 次にお諮りいたします。女子及び年少者の人身売買に関する件につきましては、事務局における基礎調査も完了いたし、理事会におきまして協議の結果、本委員会において証人を喚問して調査を行うことに意見の一致を見ましたので、女子及び年少者の人身売買に関する件について、二月二十九日に新潟地方検察庁次席検事原長榮君、警視庁防犯部長渡辺健次郎君、新宿カフエー協同組合理事長野本與喜雄君、三月三日に神奈川県高座地区署防犯統計係巡査部長菊地清君、神奈川県職安課長木城以未男君、山形県民生兼経済部長梅津龍夫君、三月四日に労働省事務次官寺本広作君、厚生省事務次官宮崎太一君、文部省事務次官日高第四郎君、以上九名の諸君を本委員会に出頭を求め、証人として証言を求めることに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○内藤委員長 御異議なければさように決定いたします。 なお、証人の出頭時日等に変更の必要を生じたときの処置につきましては、委員長に御一任を願います。 —————————————
○内藤委員長 次に札幌市警警備課長射殺事件について、派遣委員の報告を聴取することにいたします。篠田弘作君。
○篠田委員 札幌市に起りました白鳥警部殺害事件につきまして、われわれ四名の委員は林衆議院議長の命を受けまして三日間にわたつて札幌において調査いたしました。その結果調査報告書ができ上りましたので、大体五つの項目にわけて御報告いたしたいと思います。 第一は、白鳥警部暗殺事件の概要であります。その第二は、事件発生前の札幌市における警備関係あるいはまたこれに対する日共の活躍の状況、第三は、事件発生後における札幌市の警備関係並びにこれに関連するいろいろな騒擾の状態、第四は、道内他地方の事件発生後の状態、第五は、総括的に日共とこの事件との関連性に対するわれわれ調査委員のいわゆる考察であります。この五つの問題にわけて御報告いたしたいと思います。 第一、白鳥警部暗殺事件の概要を申し上げますと、札幌市中央警察署警備課長、警部白鳥一雄君当年三十七歳は、本年一月二十一日午後七時四十分ごろ、単身私服、自転車で帰宅の途中、札幌市南六條西十七丁目路上で、自転車で追いついた氏名年齢不詳の男に突然背後から、約一メートルぐらいの距離と説明されておりますが、拳銃で狙撃され、左肺上部を貫通して即死しました。現場はバス路線、人家稠密、中央警察署から人家続きで約二十丁、犯行の現場付近には二、三名の通行人がありましたが、暗夜のため犯人の人相、着衣等を確認した者はありませんでした。 同警部は昭和十年北海道巡査を拝命し、終戰前は外事係員、終戰後は警備係員として勤務し、昭和二十三年三月札幌市警の警備課長に就任、今日に至つた人であります。最近まで営業許可事項も担当しておりましたので、この方面の業者とも関係があり、また渉外事項の担当で第三国人との交渉もあつたが、何といつても昨秋来の日共系自由労組員検挙に関し、しばしば過激な脅迫を受けておりました。暗殺の予告も数十通の投書によつて受けておつたのでありまして、思想的背景を持つ計画的犯行と疑うに足る理由が相当濃厚であります。事件が発生いたしますやただちに市警本部長を中心といたしまして、国警の援助を要請し、市警、国警、検察庁が合体となりまして捜査本部を設置、なお小樽、函館、旭川、帯広その他自警の応援も受けまして、約六百名を動員し、あらゆる面から刑事、警備、そういう面からもこの捜査を開始したのでありまして、私たちが参りましたときはまだ捜査を続行しておつたのであります。第二、事件発生前の札幌における警備関係事案の状況につきまして申し上げますと、第一、昭和二十六年十月十七日、札幌市内におきまして「石炭不足は朝鮮戰線に使われる兵器の生産に使用されるからだ。日本人の血と汗の石炭を泥棒する帝国主義者を叩き出せ」というビラを散布した日共党員と思われる氏名不詳の男を逮捕したのであります。同月三十一日にこれを起訴し、十一月二十八日より大通拘置支所に収容中、この男がハンストを始めました。これと呼応するように日共党員は十二月七日まで前後四回にわたつて数名ないし二十名ぐらいずつ札幌地方検察庁公安部長塩谷検事を同庁に訪れまして抗議し、執拗に即時釈放を要求しました。この間十二月六日午後六時過ぎ塩谷検事の官舎に対しまして、官舎の前の塀、門柱、電柱等に「石炭下さいの弾圧やめろ」あるいは「獄中ハンストを救え日本共産党札電細胞」あるいは「市民を凍死さす殺人検事塩谷を葬れ」等のビラを多数貼付しました。さらに十二月七日婦人党員と思われる者三名が塩谷検事の留守中官舎を訪れ、同検事の夫人にハンスト被告人の即時釈放伝達方を要求いたしまして、居すわる気勢を示し、さらに登庁中の塩谷検事を北大細胞党員青木武雄等約二十名の男女が訪れまして、釈放を要求し、拒絶せらるるや大挙して再び同検事宅前に集まり、扉を閉じている同家の門前に居すわり、塩谷検事の帰途を待ち伏せて要求を続け、警察官二十六名の出動を得て午後八時半ようやく退去いたしました。その当時の写真はこれであります。あとでごらん願います。次に男は十二月八日刑務所における栄養剤不足のため拘留を解除されましたが、八日以来同月十五日まで同検事官舎に抗議を提出、また脅迫文言を書いたはがき二十数枚が郵送されて来たのであります。そのはがきの写しはこの写真であります。 次に尾谷豊の公訴取消要求示威運動、札幌市居住の元憲兵伍長で昭和二十五年二月シベリア引揚げ後札幌市内三田銃砲火薬店倉庫係を勤めた経歴を持つ自由労務者尾谷豊、大正八年十二月三日生れは、昭和二十六年七月三十日渡辺ハルと共謀「米兵を叩き出せ」その他のビラ三十二枚を張つたため、政令三二五号違反で八月三十一日起訴され、当時保釈中でありましたが、十一月十四日第一回公判が札幌地裁で開廷されることになりました。同日午前九時半ごろ自由労務者十五、六名が尾谷を先頭に「俺達の団結で売国奴塩谷の陰謀を叩きつぶせ」等のビラを添付した造花、花輪三個を押し立てて、塩谷検事自宅前を示威行進した後、裁判所玄関前に並べて労働歌を歌い始めましたが、裁判所所員の制止によりまして解散、公判終了後これを持つて市庁におもむき、市長に面会を要求いたしました。これが裁判所前で示威運動をしている写真であります。 その次は札幌職業安定所分室における暴行傷害及び公務執行妨害事件であります。十二月十九日午前七時過ぎごろ札幌市内札幌職業安定所大通分室前におきまして道庁労働部職業安定課員佐々木一男外二名が労働部の弘報紙「職業安定」に登載するため、自由労務者の就労配置状況の写真を撮影いたしましたところ、警察に通報するものだと言いがかりをつけまして、尾谷豊及び山本武こと澁谷勇、党員中川二三夫の三名が右三名の職員を袋叩きにし、さらに通報を受けまして現場に急行した北一條東派出所菊地努巡査に対し尾谷豊は「お前らの来るところではない」と言つて集合所の表に出して殴打いたしました。菊地巡査は警羅隊本部に報告し、制服員十名出動したところ被疑者三名は逃走、所在不明となつたため公務執行妨害として捜査しておりましたが、尾谷豊を二月三日逮捕いたしまして目下取調中であります。 次に巡査に対する公務執行妨害事件、十二月二十四日午後六時半ごろ、市内豊平三條四丁目付近の電柱に「日本の花嫁をパンパンにするアメ公を叩き出せ」等の反占領軍ビラを貼付中の数名の男を豊平町派出所伊藤文憲巡査以下三名が職務質問を行つたところ、関正夫外二名が同巡査に対して暴行を加え逃走しようといたしましたが、関正夫を逮捕し、さらに同人の取調べによつて共犯者三名も十二月二十七日及び二十八日逮捕いたしました。 その次は市庁における不退去事件並びにその検挙に対する示威運動、十二月二十七日午後一時ごろ自由労務者栗原義光、北大細胞党員小島正治、札幌診療所細胞党員小林英一等二十数名が市庁におもむき市長に面会を求め、代表二名が市長に対し、一、石炭二トンをよこせ、二、労賃を三百円にせよ、三、越冬資金五千円を支給せよ、四、年末年始有給休暇とせよ、五、アブレを出すな、の五項目につき要求いたしましたが、約四十分面会の後拒否せられましたので、要求が通るまで帰らぬと市長室前の廊下にすわり込み、放歌喧騒をきわめておりました。かつ用意して来たプラカード「恐餓新年」「石炭よこせ」「馬鹿野郎、之で石炭が買えるか」等記したもの三本を持込んで気勢を上げたので、市長より口頭及び文書をもつて庁外への退去を要求いたしましたが、退去いたしません。そこで中央署に通報いたしまして白鳥警部が乗り込み、三十分の余裕をもつて退去を命じたのでありますが、それでも退去しなかつたのであります。そこで最後まで居残つた栗原等十名が検挙されたものであります。うち三名は十二月三十一日釈放され、うち七名は一月六名起訴となりました。翌二十八日、北大講師北大細胞党員太田嘉四夫、生活協同組合理事菱信吉等約三十名が中央署並びに検察庁に押しかけまして、十名の検挙を不当であつたとして釈放を要求、引続き翌二十九日、三十日も北大生数名を交えて抗議いたしました。一方自由労務者党員吉田哲は、二十八日より十名の即時釈放を叫んで署名運動、資金カンパを行つておりましたが、さらに二十九日午後十時十分ごろ、塩谷検事官舎付近の板べいに「拘留即時釈放せよ、しないなら命を覚悟せよ、細胞」「国民を弾圧する警官一人一人を葬り去れ、細胞」「モチ代下さいを弾圧した高田、塩谷、白鳥を葬り去れ、細胞」等の墨で書きましたビラ約七十五枚を貼り、かつれんがの割れたもの五個を表玄関、ガラス戸より投げ込みまして、ガラスを五枚こわして逃走した事件が発生いたしました。その写省はこれであります。 さらに三十一日午後七時十五分ごろ、高田札幌市長公舎に対しまして、中央細胞——この中央というのは札幌の中の中央というのでありますが——名のビラを七枚貼りまして、かつこぶし大の石二個を投げ込み、ガラス、障子等を破壊して逃走した事件が発生いたしました。十二月三十日、日共札幌委員会名にて「ああ血も涙もない、人非人高田市長、白鳥警備課長、塩谷検事を札幌から葬り去れ」と題する活版刷りビラが市内各所に配布され、この中には「非国民、人非人の高田と白鳥、塩谷に抗議文を送らう」「あなたの出す一枚の葉書は三人の鬼共をふるえ上らせ、悪魔の手から兄弟達をうばえかへします」と記載し、高田市長、白鳥市警警備課長、塩谷検事の住所を列記しているのであります。それはこれであります。爾来二十七年一月十八日ごろまでに引続き郵便による脅迫状が白鳥警部あて百五通くらい、高田市長あて七十二通、塩谷検事あて六十一通送付されましたが、その内容は左記の通りで、生命に対するテロ行為を通告したものが多数含まれているのであります。「祝、白鳥警備課長御家族一同の死、但しこの御通知は数日早くつくことになるかもしれません。」、はがきは黒わくであります。「売国奴、人非人、鬼、畜生!!どんな言葉を使つてもあきたらない程憎い白鳥、外人の殺人、放火、横暴にはヘラヘラして罪のない日本人を何百何千と牢屋にぶちこんだ貴様の罪状は決して私は忘れない。必らず復讐する。その時期はもう近いんだ。十二月二十七日餅と石炭を要求した自由労働者を即時釈放せよ。」また「十二月二十七日「モチ代を下さい」と市役所におしかけた俺達の兄弟をよくもつかまへたな。その御礼には今度は貴様の首をもらうから心得て置け。これは空言や「オドシ」ではないんだ。我々にはその用意は万端ととのつている。気の毒だが貴様の可感い可愛い、子供も殺してしまふからな、それがおそろしかつたらただちに釈放せよ。貴様が味方と思つてゐるものも、我々の手が入つてゐることを注意しておく。」その次は「禁賀新年」禁は禁ずるの禁であります。 (笑声) 「早いとこおれたちの兄弟達を釈放しねえとどてつぱらに一発おみまいするぞ。まあ今年は十分気をつけたまえ、命をなくさぬやうに。」塩谷検事あて、札幌首尾取三署名、この写真がこれであります。一月四日午後八時ごろ、労働者風体の男四人、白鳥警備課長公舎を訪れ、ガリ版刷りビラを差出し逃走しました。このビラの内容には「魂まで占領者に売り、日本人を弾圧する亡国高田市政を打倒しよう。売国奴、人殺し、鬼の高田、白鳥、塩谷を実力をもつて葬らう!」等の記載があります。 「新年に当り警察官諸官に宣言す」と題する文書の配布。二十七年一月四日、五日「新年に当り警察官諸君に宣言す」と題し、「我々の行手を遮るものは何人といえども容赦はしない。準備はできた。売国奴国民の敵功罪表は整備された。高田、白鳥、堀内、塩谷、管井、和田、岩渕、その他弾圧を積極的にやつた外勤の巡査、及び警備課の諸君……警察官諸君、我々はこれらの敵、新しい敵を国民の名において一人一人葬り去ることを宣言する」等とテロ行為の実行を宣言した脅迫文書を「警官の友」(日共の対警工作用新聞型、宣伝紙)とともに白鳥警備課長、北田中央署長、市内各派出所等に郵送いたしました。これはその宣伝文の写しであります 第三、事件発生後の札幌における警備関係であります。日共札幌委員会名義のアジビラが撒布せられました。一月二十三日早朝から二十七日までの間市内各所で一月二十二日付——これは白鳥事件が二十一日であります。日本共産党札幌委員会の名義で「見よ天誅訣遂に下る」と題した活版刷りのビラが多数配布されました。内容は白鳥警備課長の暗殺を是認し、「白鳥打倒の勇敢な行動を孤立させることなく、労働者を先頭に全市民が結束し団結して不屈の組織をつくり自由と平和のために嵐のような闘いをまき起そう」、こういう同種行為を助長するような記載があります。この印刷物は活版所で約一万枚刷られたと見られておりまして、市内各所に数千枚撒布せられております。撒布者の中には北大生も参加しております。これが一万枚も刷られているということから、自由労働者の行為ではないというふうに判断されるのであります。 次に日共北海道地方委員会の声明発表並びに抗議。二十四日午後二時日共北海道地方委員会の実質的指導者党員村上由は道庁新聞記者クラブで記者団四十名に対し、日本共産党北海道地方委員会の名で声明を行つております。それは口頭で発表いたしましたが、NHKの録音にとられておりますので、同君の発表は証拠が残つております。日共は個人テロは決して行わぬといいがなら、白鳥の今日までの行動はフアッシヨ的弾圧に終始して、この野獣のごとき行動に対しては国民の自由と独立の立場から実力をもつて闘うべきで、かく闘うことは愛国的行動というべきであると暗殺テロ行為を賞揚し、しかもフアッシヨ政策が強行される限り、国民のそれに対する抵抗運動は一層強まるであろうと主張いたしております。さらに日共札幌委員会は二十五日午前十一時三十分党員岡垣千一郎外一名を札幌市警に派遣し、白鳥事件の捜査に便乗した一切の民主団体の弾圧をやめよと抗議し、また市内各派出所警察官にも同様もより細胞員が押しかけ執拗に抗議が行われております。この村上由君の声明の際に注目すべき事柄は、記者団のある人から、塩谷検事あるいは白鳥警部に対するあなた方の抵抗というものは、あるいはあなた方の言う通り、白鳥も憎いし、塩谷も憎いから、あなた方の言うような理由は成り立つかもしれないが、塩谷検事の家にほうり込まれたこぶし大の石が小さな赤ん坊の寝ている枕元に落ちているが、あの石が少しそれておれば赤ん坊は死んでおるはずだ。これに対しても、あなた方はやはり赤ん坊を殺してまでもこれを人権擁護というかという質問に対しまして、村上由君はちよつと考えた結果、それは死んでおらないのだから、死んでからでなければ答弁はできないということを申しておるのであります。 警察官に対する捜査非協力アジ、一月二十五日午前中、市内三十箇所の各派出所に警官有志の署名のある葉書で、今回の捜査に協力するのはやめようと捜査妨害の目的と見らるる内容文書が送付されたのであります。これも写真にとつて来ております。 第四、道内他地方の事件発生後の動向、白鳥事件発生しまするや道内都市工場鉱山等においてビラ伝単による宣伝、検事、警察官に対する脅迫状の郵送等が行われましたが、おもなるものは次の通りであります。白鳥警部暗殺事件の発生した翌一月二十二日夜釧路市春採大平洋炭鉱社宅の板塀に春採細胞名で駐在警察三名、炭鉱職員三名の名をあげて、白鳥の死は当然、われわれの敵はそばにもいる、われわれはこれを葬らなければならないとの脅迫ビラを貼布し、翌二十三日同趣旨のガリ版印刷物を本人あて郵送した事件がありました。一月二十二日午前六時ごろ夕張二鉱安全灯前で夕張地区委員党員戸田重雄、武藤至誠外札幌から入山したと思われる氏名不詳者が、白鳥課長の射殺事件についての見解はこうだと題し、白鳥がやられたのは偶然のでき事ではない、警察の特高化に札幌の市民が全道民を代表して、道民の要求している平和と独立のがんになつている一つのじやまものを葬り去つたのである等の内容のガリ版刷りのビラを入坑せんとする者に配つたのであります。一月二十八日午前六時ころ、三菱美唄炭鉱滝の沢撰炭機付近外二箇所で入坑せんとする一番方の坑夫に対し、党員宍戸定雄が「日本国民の自由を奪い、戦争屋に奉仕する売国奴の末路あわれ」と題し、「白鳥事件は吉田の反国民売国政策に対する国民の反撃である。白鳥の運命のようなことは札幌だけではない。第二、第三の白鳥が出ぬとたれが保障できようか」等の内容のガリ版ビラを配布した。 一月二十九日夕刻、幌内炭山養老二又路の線路上に、ガリ刷り「日本国民の自由の敵白鳥警備課長の末路こそ……」というビラ六百枚撒布、なお炭鉱鈴木労務係長外数名三笠町警、鳥居警部補などを激しく弾劾しておるのであります。 旭川職業安定所職員に対する傷害事件、一月二十九日午後五時三十分ころ、旭川公共職業安定所紹介係長橋本事務官が自宅への帰途、忠別川忠別橋上におきまして三名の暴漢に襲われ、背後から棒状のような兇器でなぐられ、卒倒したところを約一丈の橋下に投げ飛ばされた。幸いこれは生命に別状はなかつたのでありますが、この被疑者として自由労務者党員山口政一が二月一日に検挙されております。 帯広市におきまする巡査傷害事件、一月二十九日午後十一時四十分ごろ、帯広市東二條巡査派出所において勤務中の鈴木巡査は、休憩所で仮眠中、何者かに長さ四尺太さ一寸くらいの棍棒で殴打され、額に六センチくらいの裂傷を負い、血が目に入り目先が見えなくなつた間に被疑者は逃走いたしております。 第五日共との関連性に対する考察。日共第五全協の綱領とこれに基く指針。前述の白鳥警部暗殺事件の前後に発生した各種事案はいずれも日共に関係するものであり、昨年十月行われた日共第五回全国協議会において、採択された新綱領並びにこれに基く指針「われわれは武装の準備と行動を開始しなければならない」と題するものの具体的実践の観があるのであります。すなわち日共第五全協の綱領はその戦略目標を反米、民族解放に集中し「民族解放、民主政府が妨害なしに平和的方法で自然に生れると考えたり、あるいは反動的な吉田政府が新しい民主政府に自分の地位を讓るために、抵抗しないでみずから進んで政権を投げ出すと考えるのは重大な誤りである」とし、「彼らは武装しており、それによつて自分を守つているだけでなく、われわれを滅ぼそうとしているのである。これとの鬪いには敵の武装力から味方を守り、敵を倒す手段が必要である。この手段はわれわれが軍事組織をつくり、武装し、行動する以外にない。」と、軍事組織と武装行動の必要を強調しております。さらに「われわれの軍事組織は敵の部隊や売国奴たちを襲撃し、それを打破つたり、軍事基地や軍需品倉庫、武器、施設、車両などを襲い、破壊したり爆発させたりするものである」と武力闘争を肯定し、「占領制度を除くためには、われわれはあらゆる手段をとらなければならないし、またそれは許されるのである。この場合には通常の支配者の道徳は適用されないのであり、それに影響されてはならないのである」と手段を選ばざる直接行動を是認し、現在の尖鋭化せる情勢では、「われわれはこの直接行動を意識的、計画的に組織するとともに、大衆の自発的な行動に対しても、進んでこれに協力し、指導し、軍事組織の行動と結合させて行かなければならない」と直接行動と大衆との結合、パルチザン活動への進展を指令しております。同時に反面治安機関等に対する内部工作の必要性をも高調し「敵の武装の中で最も重要なものは、アメリカ占領軍と日本の軍隊及び警察である、内部工作の基本的方針はすべての工作と同じように、彼らの正しい政治的、経済的要求を取上げて売国的な幹部に対する闘争を組織するとともに、階級的、政治的自覚を高めて、国民の側に立ち、アメリカ帝国主義と吉田政府に対する闘いに参加させることにある」と従来の対警工作の是正を行い、内部工作の方法を指示するとともに「敵にいかに大きな打撃を與えても、国民に犠牲をしいたり、国民の支持と信頼を失う行動は軍事的な敗北と考える。それゆえに敵の部隊や売国奴に対する襲撃は、われわれに敵対する明白なものに限られる。」と個人攻撃を是認し、かつその目標を明らかにしております。 次に綱領及び指針の実践。以上の綱領指針と前述の警備関係事件及び道内他地方の動向とを照合考察いたしますると、その間一連の関係が察知せられるのであります。すなわち「石炭の不足は朝鮮戰線に使われる兵器の生産に使用されるからだ」という反米ビラ、あるいは「日本の花嫁をパンパンにするアメリカ人兵を追い出せ」というような反米運動、そういうものの宣伝から、さらに日雇い労務者の越年闘争、拘留犠牲者の釈放運動に展開、同時に治安機関に対する抵抗闘争運動は、一面警察官の階級性の呼びかけ——ということは下級警察官に呼びかけまして、上級警察官との間を離反させる。そういう行動、そういうものから具体的なテロ行為の暗示を含む脅迫にまで発展し、その間の宣伝の内容、運動の方法をしさいに検討すると、まさに新綱領並びに指針の忠実なる実践と判断せられるのであります。 次に対治安機関抵抗闘争。特に治安機関に対する抵抗闘争に対しましては、昨年九月十三日の中央連絡に基きまして、日共北海道地方委員会は十月二十三日下部機関に対し、中央並びに地方機関の十五名の個人の住所氏名を記し「帝国主義者の走狗として個人的にも糺彈と抗議のため、投書、はがき、電話を集中し、住宅の周囲にビラをはりめぐらす等、その職と居住にとどまることができぬくらいに攻撃を集中すること」との連絡を発しておりますが、その中で警備課長白鳥一雄は、「白鳥は特高上りで共産党に対し最も悪辣である」と付記し、また「北海道においては悪質な村巡査に至るまで村八分を実行し、主婦や子供を仲間はずれにするまで徹底的にビラ伝単で攻撃を加えられたい」と指令いたしておるのであります。その指令の写しはこれであります。さらに日共非合法機関紙と目せられる球根栽培法第二十三号、一九五一年十一月二十二日付では「急速にフアツシヨ化した警察力に対し、フアツシヨ化せざるを得なくなつている本質を常に見誤ることなく対警工作を発展させねばならない」と前提し、従来日共が「警察の動静をつかみ情報を入手することによつてのみ味方の前進活動を有利にしようとしていたことは誤まりであつた」と自己批判した後「武装力を正面から攻撃し、内部へ混乱を起させるとともに、他方内部に民主組織を拡大する活動を通じて、内外から彼らの抵抗力を弱めて行くところにこそ目的がある」と新対警戦術を詳細に指令いたしております。また「弾圧後の抗議闘争も確かに必要だが、さらに徹底化しようとすれば、家庭における警官をねらい、彼らが精神的にいたたまらなくなるまで計画的な工作をする必要がある」とし、ビラ、はがきなどによる脅迫戰術と「敵の武装弾圧を実力で撃破する準備と行動」の必要を述べ、また今までの経験から見て、「金筋をねらつた方が効果的だ、内部にも外部にも反響がある」と効果の点にまで触れ「愛国者を敵の手に売り渡す悪質売国分子に対する非妥協的闘争はきわめて重要だ。五全協の軍事方針はこれら売国分子を襲撃する必要について述べている」ときわめて不穏当恐るべき警察工作の方法について指令いたしております。この指令が現地末端の日共党員を刺激したことは想像にかたくないのであります。 従つて日共はいかなる声明を行い、また白鳥事件の犯人が日共関係以外のいかなる線から出ましても、かかる事態、雰囲気を醸成した政治上、社会上、道徳上の責任は否定できないと考えられるのであります。現に日共北海道地方委員会は「日共は個人的テロは決して行わぬ」と前提しながら、「今回の白鳥事件は全国的な抵抗的運動の一つの現われと見るべきである」と暴力を肯定し、さらに「かく闘うことは愛国的行動である」と直接行動を賞揚是認しているのであります。白鳥事件前後の札幌における日共の動きは、新綱領によつて一切の闘争を暴力闘争に向け、ひたすら驀進する日本共産党の本体を現わしたものと断定せざるを得ないのであります。白鳥事件は必ず日共の煽動あるいは日共分子によつて起つたという断定を下すことに、調査委員は意見の一致を見た次第であります。 右御報告申し上げます。(拍手)
○内藤委員長 ただいまの派遣委員の報告について質疑の通告がありますから、この際これを許します。山口武秀君。
○山口(武)委員 ただいまこの調査報告書をいただきまして、今読んで聞かせていただいたわけなのであります。従つて内容の詳細につきましては、さらにこの報告の内容を検討いたしますれば、質疑をすることも出て来ると思うのでありますので、一応内容の質疑の点は留保しておきたいと思います。ただこの報告なるものは、篠田弘作君外五名の行政監察委員並びに元特高課長であり、戦前に戦争反対運動に対する弾圧を行つておりましたところの山口調査員らによつてつくられた、かように推測——推測するはかりてなくして、そういうことになつておるのでありますが、私がお聞きしたいのは、この報告書がつくられる基本的な観点なのであります。行政監察というこの委員会におきまして、この白鳥問題を調査をするときに、私たちは反対したのであります。これが行政監察の対象になるかどうか。さらに国会開会中に地方に調査に出るというようなことはきわめて異例である。それほどこの問題を取上げなくてはならぬ理由がどこにあるのか。そういたしましたところ、警察あるいは検察側の取扱いに基本的な人権の侵害がないかというような問題、あるいは保釈の手続について当を欠くというような問題、それから思想的な背景の問題、この三つの例をあげまして、こういう観点に立つてこれは調査しなければならない、このようなことで、行政監察委員会はこの調査委員の派遣を決定したわけであります。ところがそういう行き方自体ももちろん誤つておりますが、この調査報告を見まして感じましたことは、切捨て御免の封建時代の悪代官のやつた不法な論告書よりもひどいものである、このような印象を受けたのであります。それからここにおきましてもしもこのような事件を調査するといたしますならば、行政監察委員会の当然……
○内藤委員長 山口君に申し上げます。発言は質疑の範囲内で、簡単にお願いいたします。質問でない意見を述べてはいけません。 〔「そんなことは理事会でやれ」と呼ぶ者あり〕
○内藤委員長 質疑をやつてください。委員長の報告に基いた具体的な質疑をしてください。
○山口(武)委員 だからそれをやつておる……(「そんな質問があるか。」と呼び、その他発言する者多し)静かにしなさい。あわてるな。しやべつておるのはおれ一人なんだから……。(「関係ないなら、そんなことを言う必要はないじやないか」と呼ぶ者あり)われわれも黙つて聞いてやつたんだから、あなた方も黙つて聞きなさいよ。
○内藤委員長 質疑を続行してください。
○山口(武)委員 この報告書の中に出て参りますのを見ますと、行政官庁あるいは自治体の運営の問題、このような問題は一切姿を隠して、共産党に対する反対宣伝だけがこの内容である、こういうように受取られるのであります。これは当委員会の本来の目的と違うではないか。それからこの内容にありまするように、労働者あるいは学生が生活の問題について多くの問題を引起しておる。この内容にも明瞭でありまするが、紛争はまず第一に生活の貧困から起つている。生活の防衛という問題から幾つかの紛争が生じている。ここの中に幾つかのビラが引用されておりますが、その内容は、日本の国が外国に従属するのに反対というビラなんであります。さらに言うならば、日本の国を軍事化してはならない、日本の国に軍事基地をつくつてはならない、こういうような国民の平和に対する要求が出ている。こうなつて参りますと、こういうような問題が発生する根源を考える必要がある……(「そうだからといつて、人を殺してもいいという理由になるか」と呼ぶ者あり)……だまつておれ、そういうような根源を調べてみまするならば……(「質疑をやれ」と呼ぶ者あり)……質疑をやつておる……。
○内藤委員長 山口君、要点を簡潔に願います。
○山口(武)委員 承知しました。紛争、検挙というような重大問題が起つている。しかもそれが生活という問題、外国に従属するという問題、日本の軍事基地化という問題、これにからんで起つているとするならば、一体そういう問題が起つた根源はどこにあるのか。これはサンフランシスコにおける二條約の締結の結果ではないのか。こういうような……。
○内藤委員長 山口君、山口君、質疑の範囲を逸脱しておる。
○山口(武)委員 この事実こそ行政監察委員会が取上げるべきではないか。こういう基本的な問題をやらず、單に……。
○内藤委員長 山口君、質疑はこの報告された内容に限つてお願いいたします。それ以外は発言を許しません。
○山口(武)委員 こういうような点について、むしろここでは国家の暴力的な支配というものが……。憲法が無視されている。そういう状況のもとにおいて、国民がどういう行動にかり立てられるかという問題、これこそわれわれは調査すべきではなかつたか。それが一点。 それから白鳥事件の一番終りですが、犯人が日共関係以外のいかなる線から出ようとも、かかる事態、雰囲気を醸成した政治上、社会上、道徳上の責任は否定できない、といつておる。(「その通り」と呼ぶ者あり)その通りだとするならば、今参議院の決算委員会において二重煙突事件が問題になつている。大橋国務大臣は自由党だ。
○内藤委員長 山口君、それは質疑の範囲を逸脱しておる。
○山口(武)委員 これは自由党の幹部である。政府の主要な地位にある大臣が、そのような問題を起しておる。自由党は、この汚職事件に対して政治上、社会上、道徳上責任ありと断定されても文句はないじやないか。
○内藤委員長 山口君に申します。官吏の汚職等に関しましては、当委員会は超党派的にやつておりまするから、そういう問題以外の質問は困ります。
○山口(武)委員 超党派的でない調査だから言つている……。
○篠田委員 山口君の質問に対して答えます。行政監察委員会がこの問題を取上げた理由は何であるかということですが、その理由は議運においてすでに論議されております。行政監察委員が国会の開会中であるにかかわらず異例にも現地に派遣されたことはけしからんとおつしやいましたが、それはわれわれ調査員に言うべきことではなくて、議運において論議さるべきことであります。われわれは最も民主的な方法によつて議運において論議された結果、議長に任命された調査員でありまして、われわれがみずから希望して行つた調査員ではありません。立候補した調査員でもありません。それから封建時代の切捨て御免的な報告書であるとおつしやいましたが、御見解については承つておきます。立場が違いますから、あなた方の解釈は自由でありますが、われわれは最も冷静に、科学的に、超党派的にこれを研究し、結論を出したと信じておるのであります。 次に生活問題が事件発生の原因であると言われておりますが、私も行くまでは生活問題が事件発生の原因ではないかという考えを持つて参りましたが、現地に行つてみましたところ、まつたく生活問題を離れた共産党員の陰謀の現われであつたという結論になりましたので、私はこういう報告書をつくつたわけであります。 次に国民の要求するところがそうなつたとのだとおつしやいましたが、国民が要求すれば、今椎熊君が言われたように人を殺してもいいのか、一体国民とはたれであるか、たれがそういうことを要求したかということの根拠が、山口君の御質問にはきわめて不足であると思うのであります。 それからいろいろ問題をあげられまして、占領軍に対する問題とか、あるいは條約に対する問題をおつしやいましたが、国策あるいは主義主張に対する問題は、国会において民主的に討論せらるべきものであつて、暴力によつてそういうことをすべきものではないと私は考えるのであります。 最後に犯人捜査の問題について言及されましたが、私たちは検察官でありませんから、かりに犯人がどういうふうにとられたとしても、共産党の責任は免れ得ないという結論を報告したのであります。以上お答えいたします。
○田渕委員 関連して……。山口君が非常に調査団を誹謗し、その点に対しては今篠田委員から言われた通りであります。しかしながら、冒頭において内容をよく調査検討の上質問したいというお話でありましたが、二月一日本員らが札幌に到着いたす前に、共産党議員の柄澤議員が、すでに北海道に議長の許可もなく国会開会中に行つております。そして北大細胞の青木武雄というのをあたかも自分の秘書のごとくつれまして、団員を宿舎に二月二日の早朝たずねて来ております。一日の夜は九時まで待つたと言つております。そうして三日も四日も柄澤君はこの北大の細胞青木武雄君をつれまして、つぶさに北海道を調査して、そういうことはすでに共産党において十分内容も検討されておると思うのでありまして、今日まで彼らが黙つておつたというのは、みずから自認したからであります。このことをはつきり申し上げておきます。
○内藤委員長 竹村君に発言を許しますが、その前に御注意を申し上げます。質疑の範囲は、この報告の範囲を越えると困りますから、特にこの点を注意して発言してください。
○竹村委員 それでは私はひとつお聞きしたいのですが、この報告書の文面は、今いただいて大体見ただけです。そこで問題は、この報告書の冒頭にも書かれてありますが、一番問題の中心は、もしこの報告書に現われておるように、たとえば北海道における自由労働者が石炭をよこせとか、あるいはまた賃金を三百円にしろとか、こういう要求がなされたことが直接的な原因のごとくここに書かれておるが、そうするならば、もし調査員の諸君が真剣にこの調査をするというのであつたならば、その当事者であるところの自由労働者の諸君と直接会見して、そうして十分調査をなされ、そのことがこの報告書の中に出ていなければならないはずであります。ところが会見された事情、それもおそらくされなかつたと思うのですが、そういつたことは全然この報告書に書かれていない。このことはつまり、調査に行かれて、検事局あるいは警察そういう方面のみを調査されて、実際その対象になつておるところの自由労働者の諸君、あるいは北大細胞とか何とか、この調査の中に出ております、こういう人たちと全然会見されておらない。こういうことは、山口君が先ほど申しましたように、封建的な一方的なやり方であるとわれわれは考えざるを得ない。従つてそういう自由労働者の諸君、あるいはそういう方面の人たちになぜ会われなかつたか、なぜ調査されなかつたか、この点をお伺いいたします。
○篠田委員 私たちは自由労働者の諸君にはお会いしました。しかしこの事件の関係者にお会いすることはできませんでした。私たちといたしましては、この事件の関係者の皆さんにお会いいたしまして、調査をしたいと思いましたが、この事件の関係者は全部逃げております。行方をくらましております。そのうち一人だけが私たちの立つときにつかまつた。そういう状態でありまして、みんな逃げております。そういう関係で、これらの人々に会うことができませんでした。全部もぐつておりました。そのほかの自由労働者の諸君五、六名と、私は二月の三日に会い、抗議文を受取つてもどつて来ております。全然会わなかつたわけではありませんが、関係者に会うことができなかつた最大の理由は、彼らがみな身辺の危険を感じて逃げておつて、警察にもつかまえることができないので、われわれがつかまえることはとうてい不可能であつたということを申しておきます。
○竹村委員 調査団長の説明によりますと、会つた、しかも陳情を受けとつたと言う。しからばこの報告書には、その陳情文が載つていなければならない。(「抗議だよ」と呼ぶ者あり)抗議文でも、こういう抗議があつたということは当然この報告書に載らなければならない。だから、それが載つていないということは、一方的な調査であるということをわれわれは断定せざるを得ない。その点なぜ載せなかつたか、その理由を伺いたいと思います。
○篠田委員 これはまつたく載せるに足らないというわれわれの判断において載せなかつたのであります。私たちの三日間の行動も、全部ここに書いてあるわけではありません。報告というものは、それを要約し、われわれ調査団の判断において載せるべきであつて、あつたことを全部載せるべきものではないと存じます。
○竹村委員 その抗議文というものが載せるに値しなかつたと調査団は考えた、こう言われますけれども、しかしその抗議なり陳情なりは、おそらく調査に行かれた山口調査員の手にも渡されているわけです。たといそういうふうに断定するといいましても。しかしながら、その事件に最も関係の深いことについての抗議文が報告書に載つていなければ、そういう断定をされたこと自体が、一方的な考え方のもとに書かれたと言わざるを得ないと私は思うのです。
○篠田委員 山口調査員の手元に渡してあつたろうとおつしやいますが、それは御想像でありまして、山口調査員の手元にすら渡らないで、ただちに警察に渡して参つたということを御報告申し上げます。
○内藤委員長 それでは派遣委員の報告に対する質疑は、これにて終ります。次会は二十九日委員会を開きます。 本日はこれにて散会いたします。 午後三時十五分散会