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13回国会衆議院1952/03/13

厚生委員会 第12号

発言数
38
登壇者
9
会派数
4
開催日
1952/03/13

会議録

大石武一自由党

○大石委員長 これより会議を開きます。  まず小委員及び小委員長補欠選任の件についてお諮りいたします。去る五日高橋等君が委員を辞任されたのに伴い、人口問題に関する小委員会、母子福祉対策に関する小委員会、医療体系に関する小委員会、水道に関する小委員会及び戦争犠牲署補償に関する小委員会において、それぞれ小委員一名の欠員を生じましたので、その補欠選任を行いたいと存じますが、高橋君は再び当委員に選任されましたので、辞任される以前についておられた各小委員の職に再び選任することとし、戦争犠牲者補償に関する小委員会におきましては、小委員長も欠員になつておりますが、同小委員長の職にも従前通り高橋君を選任いたしたいと存じますが御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

大石武一自由党

○大石委員長 御異議がなければ、そのように決します。     —————————————

大石武一自由党

○大石委員長 次に、戰傷病者戦没者遺族等援護法案を議題とし、その審査に入ります。  この問題こそは、われわれが夢寐の間にも忘れ得なかつた重要な問題てありまして、われわれは日本国民の責任と義務とにおいて、国民の代表として十分の審議をいたしたいと念願いたしております。まず大臣より提案趣旨の説明を聽取いたしたいと思います。吉武厚生大臣。

吉武恵市自由党厚生大臣・労働大臣

○吉武国務大臣 ただいま議題となりました戰傷病者戦没者遺族等援護法の提案理由について御説明申し上げます。  御承知のように、戰傷病者、戦没者遺族等に対する国としての処遇は、雇用人たる軍属を除きまして、恩給法に基きその公務上の負傷または疾病に関しましては、増加恩給、傷病年金等が支給せられ、またその公務上の死亡に関しましては、扶助料等が支給せられていたのであります。しかるに、今次大戦の敗戦に伴いまして、昭和二十年連合国軍最高司令官の指令たる「恩給並二扶助料ノ件」が発せられ、これに基きまして昭和二十一年ポツダム勅令第六十八号により、これらの恩給はその支給を停止され、わずかに戰傷病者等に対して、少額の増加恩給のみが残されているにすぎないのでございます。さらに陸海軍部内の雇用人たる軍属の戦時災害による公務上の負傷または疾病につきましては、内地勤務の者に限り、それぞれ陸軍軍属戦災救恤規程、海軍共済組合令等によつて処遇せられ、現在におきましては、旧令による共済組合等からの年金受給者のための特別措置法により、これらの雇用人に対しまして年金を支給しておるのでありますが、雇用人たる軍属のうち、戦地勤務の者につきましては、年金を支給すべく立案中に遂に終戦に至り、少額の一時金を支給いたしましたほか、今に至るまで何ら適切なる処遇をいたしておらないのであります。  これらの戰傷病者、戦没者遺族等は、過去における戦争において国に殉じた者でありまして、これらの者を国が手厚く処遇するのは、元来国としての当然の責務でございます。敗戦によるやむを得ざる事情に基き、国が当然になすべき責務を果し得なかつたのは、まことに遺憾のきわみと申さなければなりません。しかしながらすでに平和條約は締結せられ、その効力発生の時期は、目睫の間に追つて来たのであります。この講和独立の機会に際しまして、これらの戰傷病者、戦没者遺族等に対し、国家補償の観念に立脚してこれらの者を援護することは、平和国家建設の遂にあるわが国といたしまして、最も緊要事であることは言をまたないところであります。これがこの法律により戰傷病者戦没者遺族等の援護を行おうとする根本的趣旨であります。  次に、この法律案の大要について御説明申し上げます。  第一に対象でありますが、この法律による援護を受ける対象は、大別して、二といたしました。第一は、昭和二十一年勅令第六十八号により、恩給権を停止または制限された旧軍人等及びその遺族であります。第二は、戦地勤務の有給の嘱託員、雇員、用人、工員または鉱員たる軍属及びその遺族であります。恩給権を制限または停止された旧軍人等及びその遺族については、いまさら説明を要しないところであり、また戦地勤務の雇用人及びその遺族につきましては、前に申し上げました内地勤務の雇用人たる軍属及びその遺族との間に存する処遇の不均衡を是正いたそうとするものであります。  第二に、援護の内容について申し上げます。まず戰傷病者等に対しましては最高六万六千円から二万四千円までの障害年金を支給し、さらに一定の病状の者に対しては、その職業能力を回復させ、その他その更生をはかるため、更生医療の給付を行い、また補装具を支給し、加えて重度の身体障害者については、国立保養所を設置してこれに収容する方途を講じ、その援護の万全を期そうとするものであります。また遺族に対しましては、遺族年金及び遺族一時金を支給することにいたしました。すなわち不具廃疾の夫、十八才未満または不具廃疾の子、六十才以上または不具廃疾の父母、扶養する直系血族のない十八才未満または不具廃疾の孫、扶養する直系血族のない六十才以上または不具廃疾の祖父母の範囲の遺族に対し、配遇者につきましては一万円、その他の遺族については、一人につき五千円の年金を支給し、その生活の援護の一助といたしているのであります。また昭和十六年十二月八日以後、すなわち太平洋戰争開始以後戦没された者の遺族に対しましては、遺族一時金として妻、不具廃疾の夫、十八才未満または不具廃疾の子、父母、扶養する直系血族のない十八才未満または不具廃疾の孫、祖父母の範囲及び順位により、遺族に対し、戦没者一人につき五万円の記名公債を交付することといたしたのであります。  これら各措置の施行に要する経費は全額国庫負担でありまして、障害年金の所要経費約十八億円、遺族年金の所要経費約百五十六億円、遺族一時金として交付される公債利子の所要経費約五十三億円、更生医療等に要する経費約七億円、その他事務費として約三億円、計約二百三十七億を計上いたしている次第であります。  以上がこの法律案の大要でありますが、本法律案に定められているもののほか、遺家族の子弟の育英を充実し、戦没者の霊を慰めるための合同慰霊式典に要する経費に対し補助し、身体障害者を一定の事業所に雇用させる等の措置をとることにいたし、これがため約二億円の予算を計上いたしている次第であります。しかしながら戰傷病者戰傷没者遺族等に対する処遇につきましては、政府は今次の案をもつて十全のものと考えているわけでは、ございません。しかし現下のわが国の財政力のもとにおいては、やむを得ざるところと考えている次第であります。なお政府は別途恩給法特例制度審議会を設置し、旧軍人等またはその遺族に対する恩給につき調査審議を行う所存であり、これがため所要な法的措置として恩給法の特例に関する件の措置に関する法律案を今国会に提出したい考えでございます。これら諸般の事情を了とせられ、愼重御審議の上すみやかに御可決あらんことを切望する次第でございます。

大石武一自由党

○大石委員長 次に、本法案の審査の方法について、御了解をいただきたいと存じます。本法案は、遺族援護問題として、長く当委員会において調査して参りましたものと、きわめて関係の深いものでありまして、去る八日並びに十二日の理事会において、主として、本案の取扱いについて協議いたしたのでございますが、本日の午前中は大臣から趣旨の説明を聴取し、午後は本案の細部にわたる説明並びに打合せをなし、来る十八日から総合的な質疑に入る予定でございますから、以上御了承願います。     —————————————

大石武一自由党

○大石委員長 次に、本法案の審査のための公聴会開催要求の件についてお諮りいたします。本法案は、昨日本院に提出せられ、当委員会に付託されたのでありまして一般的関心及び目的を有するきわめて重要な法案と考えられ、理事の諸君並びに委員各位からも、本法案の審査のために公聴会を開かれたいとの御要望が強いのでありますが、公聴会を開きますためには、衆議院規則第七十七條によりまして、あらかじめ議長の承認を得なければならないことになつておりますので、その後に諸般の手続をとるという順序になるわけであります。つきましては、戰傷病者戦没者遺族等援護法案につきまして公聴会を開くため、議長にその承認要求書を提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

大石武一自由党

○大石委員長 御異議なしと認め、そのように決します。  次に議長の承認を得ましたならば、意見を聞こううとする問題について、案件、日時その他の手続をきめねばなりませんが、これにつきましては、理事の方々とも十分御協議してとりきめたいと存じますから、そのように御了承願います。     —————————————

大石武一自由党

○大石委員長 次に、現在行政機構改革という問題について、大分うわさが流布され薫りまして、いろいろな疑惑を生じておりますので、ただいまより行政管理庁長官である木村篤太郎氏と厚生大臣吉武惠市氏の出席を仰いで、これについて委員各位よりの質疑に入りたいと存じます。通告順によりまして金子與重郎君。

金子與重郎改進党

○金子委員 行政管理庁長官がまだ出席がありませんので、吉武厚生大臣からお伺いしたいのであります。大臣が就任されまして本委員会に初めて御出席になりましたときも、私はこの問題につきまして少しく触れたのでありまするが、最近新聞紙上等をもつて知るところによりますと、一府十省にするとか、あるいは十一省にするとかいうようなことがうかがわれ、また厚生省と労働省を一つにするというようなことも、ときどき聞くのであります。それに加えまして、これは偶然かもしれませんが、吉武労働大臣が厚生大臣を兼務されたというようなことが、その意味ではないだろうと思いまするけれども、その前提でもあるかのような人事ともうかがえるのであります。従つて、この問題を、私どもは単に一つの厚生行政というセクシヨンからものを申すのではありませんが、現段階の日本の厚生行政というのには、これを社会省とか、そういうふうな名前は別といたしまして、今までいろいろ労働問題あるいはその他の各国民層ごとの別別の立場における時代の流れにおいて、あるものは不況な立場に置かれ、あるものは救済しなければならないという時代のかわり目によつて、いろいろな社会立法が出ておるのであります。従つてその社会立法たるや、全国民の社会保障という立場から行くならば、非常にちぐはぐなものになつております。それらのものを、ほんとうに国民全体の社会保障的な考えから、厚生行政を大きく打出さなければならないという段階におきまして、その目的と今日の実情を比べますならば、まつたく終戦後手始めをしたという程度に現実はなつておると思うのであります。従つてこれを労働行政というものと一緒にしますと、労働行政の方は、国民の労働問題とはいうけれども、一部の労働問題を取上げるというふうな形になり、同時に、労働問題というものと、この全体というものと、国民の国会あるいは政治に対する働きかけのあり方が、非常に違いますので、りくつは別といたしまして、現実にこれを一緒にいたしましたときに、非常にいろいろ問題が出て来る、こういうふうに考えておりますので、この際厚生大臣はこの労働省と厚生省を一体にして社会省にするとかいう意見、これを一つの行政省として取扱うことに対するあなたの御意見をこの際伺つておきたいと思うのであります。

吉武恵市自由党厚生大臣・労働大臣

○吉武国務大臣 行政機構の問題は、実はこの前にも一度申し上げたかと思いますが、政府といたしましては、とにかく終戰後いろいろな機構が拡充をいたしまして敗戰の結果、日本の財政は非常にきゆうくつになつたにもかかわらず、行政機構だけが膨脹しておる。従つて、これを何とか簡素なものにして出直したいということで、目下検討を加えておるようなわけでございます。いろいろ案は考究中でございますが、まだ決定の最後案はできていない、検討中なのでございますが、今までのところでは、いろいろな行政機構を簡素化するのには、やはり中央からまずそのつもりで出なきやならないんじやないか、末端だけの機構を簡素にするということではならないというところから、省につきましても、若干の縮小をしたらどうかという点で進んでおるわけであります。新聞等でも御承知のように、その一つの案として、厚生省と労働省とを一つにしたらどうかという案があるわけでございまして、これにつきましては、まだ私は愼重に実は考慮をしつつあるときでございましてまだ反対とも申しておりませんが、賛成とも実は申していなくて今日に来ておるわけでございます。先ほどお話がありましたように、橋本君がやめまして、私がたまたま兼務をいたしましたが、兼務をしたときの事情は、決して一緒にするという話では、ございませんで、その点は総理からも特に話があつたわけでございまして、皆さんにも一度話したわけでありますが、たまたまその後いろいろな意見が出まして一緒にというふうな案が出ておるようなわけであります。私の気持といたしましては、今お話のありましたように、今後の社会保障の仕事には、だんだん重点を置いて行かなければならぬと私も考えております。それから労働問題にいたしましても、今後の日本の経済の自立の上におきましては、やはり私、重要な問題だと思つております。ですから、許せば、それぞれ独立でもつて専任の大臣が御担当になつて行かれる方が望ましいとは思いますが、さて今の中央の機構を何とかして簡素化するということになりますと、皆さんもごらんのように、どの省をおとらえになりましても、なかなかほかの省をそう簡単になくするというわけにも行かないんじやないか。そういうふうになりますと、勢いどうしても簡素をしなければならぬということになりますと、もともと厚生行政と労働行政というものは、発達の歴史からいうならば、同じ考え、同じ努力から発展して来たものでありまするから、よく私は言うことで芸、水と油とはなかなか一緒にならないけれども、油同士ならば、まあ一緒にしてもやれぬことはないんじやないだろうかという気持もあるわけであります。要は今後政府が行政簡素化をどの程度やつて行くかということによつて、実はきまつて行くんじやないか、かように存じておるわけであります。これは私の率直な気持でございます。

金子與重郎改進党

○金子委員 ただいま大臣の御意見を伺いますと、結局行政簡素化ということは必要だ。この点、私も簡素にすること、また能率化することは、当然いいことだと思いまするけれども、そのお言葉の中でもう一つお伺いしたいのは、さて簡素化するということになると、水と油のようなものを一緒にするわけには行かぬ。そこで労働行政と装行政は、もともと一つのものであるからして、まあ違うのは違うけれども、同じたぐいのものだ。従つて、今後政府の意向のあり方によつては、それも一つの考え方として、ある程度まであなたのお心構えとしては、妥協し得るというように受取れるのであります。そこで私政治を幾つかの部門にわけましたときに、あるいは大臣のようなお考え方も考えられると思うのでありますが、しかしながら今後の各界の国民層からの政治に対する大きな働きかけという点から見ますと、労働行政というものは、日本の国民のある労働階級の問題であり、しかもこれらのものは、完全に組織化され、今後その政治力は、相当やかましい問題になると思うのでありまして従つて、その労働問題に対しては、一つの手腕を持つ大臣を置く必要があると思う。厚生省がやつております全般の社会行政というものは、むしろ言うべくして言うことを得ないような国民層の問題をたくさん取上げなければならぬのであります。要するに、社会行政の上にしわ寄せされておる階級を含めて、どうするかということが、現段階における厚生行政の一番大きな問題だと思います。そうしますと、政治に対して国民が働きかける今後のいろいろな問題を取上げてみましても、これはまつたく立場が違うというふうなことにも、私は考えられるのでありますが、その点に対して、大臣はどういうふうにお考えになりますか。

吉武恵市自由党厚生大臣・労働大臣

○吉武国務大臣 今の御発言の点につきましては、私も実はさように存じております。ずつと以前は、労働問題と社会事業の問題とは、一緒に発達して一緒にやつておつたのでありますが、だんだん進化するに伴いまして、労働行政も昔のようではございませんし、非常に発達して参りました。社会保障の制度にいたしましても、広くいろいろな方面にまでわたつておりまするから、だんだんと進化して来ておるという点は、私も十分存じておりますが、さて先ほど申しましたように、国の政策として思い切つて簡素化をして出直して行く、こういうことになりますると、その考え方になりますが、まあ行政機構もある程度にして、末端の点をできるだけ整理する程度にしようかということになれば——もちろん今のお話のごとく、労働行政と社会行政とは、今日まで発達して来たことですから、これは別々にできるならやつて行きたいと思つておるのです。しかし、その行政簡素化の方法が、ただ末端ということでなくて、中央からとにかく相当思い切つてやるぞということになりますと、これは先ほど申しましたように、水と油とということよりは、油同士ならば一緒にできないということも言いにくい状態である、こういう点で御了承願いたいと思います。

金子與重郎改進党

○金子委員 なお、簡素化という言葉でありますが、この簡素化というものが、どれだけ能率的なものであるか。いわゆる経費に対する支出の分量からいつて、どれだけの結果が出るか、というような数字や考え方に対しては、行政庁の方からお伺いしたいと思います。  本日は、大臣の御意見を聞くことにとどめておきたいと思いますので、これ以上私は申し上げませんが、最後に一つ申し上げておきたいことは、行政をビジネスというものだけで見るならば、一緒にしてもさしつかえないということになりますけれども、省というものは、そこに大臣の政治的な一つの手腕が大きく働かなければならない、それが政治であります。それを單にビジネス的に、同じ部類だからという考え方は絶対に違う。たとえば、あなたは労働立法その他において、非常に体験を持たれておるから、労働委員会の人たちに聞くと、今度の大臣は非常に物事に明るくてたよりになる、こういう評を野党でもしております。ところが、最近私があなたに社会立法その他に対してその一端をお伺いいたしましても、はなはだ失礼なことでありまするけれども、まだまだ勉強していただかなければならぬと思う。そのようにして政治の面になりますと、非常に性格がかわつて来るのではないか。現段階のビジネスの関係だけで、省の廃合をしていただいては困る。そこで、この問題につきましては、私ども厚生委員会といたしましては、與党野党と、いう問題でなしに、国家の将来のために、十分相談をいたしまして、今後あなたにお願いする機会もあると存じますので、この際最後に申し上げておきます。

大石武一自由党

○大石委員長 ただいま山口行政管理庁政務次官が見えられました。

岡良一日本社会党

○岡(良)委員 ただいまの吉武厚生大臣の金子委員に対する御答弁について、少し私としてはふに落ちない点がありますので、お伺いいたしたいと思います。われわれも現在の日本の行政機構を見ますときに、そのきわめて繁文褥糺的な、またきわめて複雑多岐な姿を、なるべくこれを能率化し、簡素化するという点については、原則的に反対をするものではありませんが、といつて、それでは日本の現在の政治を執行する上において、いかなる形においてこれを能率化し、簡素化するかという観点から、ただいまの大臣のお答えを拝聴しておりますると、非常に納得が行かない。たとえば、今大臣のおつしやつたところでは、水と油では一緒にはならない、しかし、もともと水の出であり、あるいは油の出であるかしらないが、一応中間のさや寄せで、何か一緒になり得るものがあれば、してもいいというような、きわめて安易な考え方で行政機構の簡素化を取扱おうというお考えが、ちらほらと見えるのであります。この点は、金子委員も御指摘になつた通りでありますが、大臣が、日本の今日までの行政機構の変化の過程、あるいは発展の経過において、厚生行政と労働行政とは、何か一つの屋根から生れ出た二人の子供である、もともと屋根が一つであるから、一本化してもいいのではないかというような安易なお考であるとするならば、われわれとしては、問題の本質に対する認識において、非常に納得が行きかねるのでありまして、その点、先ほど水と油とは一緒にならないが、労働行政と厚生行政とは、何かそこに非常に親近感があるというのは、どういう点において親近感があるのか、ひとつお聞かせ願いたいと思います。

吉武恵市自由党厚生大臣・労働大臣

○吉武国務大臣 これは先ほど金子さんにも申し上げましたように、発展をいたしました今日の段階におきましては、社会行政と労働行政とは、それぞれの分野に進んで来ておりますことは、先ほど申した通りであります。ただ、発達の経路から申しましても、一つの社会問題としてこれが取上げられ、労働問題は、昔社会局の中で労働部としてやり、社会事業方面は社会局としてやり、そうして両方の保険に関する問題は、保険部として長年の間やつて来たわけであります。従いまして、全然縁もゆかりもないところから出て来たものでないだけに、まあ親類といいますか、兄弟といいますか、その点の近寄りはあると思うのです。しかし、それが一本で同じ性質のものだとは、私も全然考えておりません。率直に申しまして、社会事業の面と労働行政の面とは、非常に性質が違つて発達して来ております。その点、私も認めるのでありますが、先ほど申しましたように、行政というものは、一つ一つとつてみれば、似たようであつて、しかも本質的に違つておる問題が、実はたくさんございます。同じ厚生行政の中でも、御承知のように医療に関する問題と医療以外の問題とは——医療はもともと内務省の衛生局であり、社会事業方面は社会局でやつておつたわけであります。それを厚生省をつくるときに一本にいたしましたが、そのときにも、ずいぶん議論になつたのであります。医療行政と社会行政とは違うじやないか、それを一本にするのはどういうわけだといつて、あの当時ずいぶんもめて、私も一事務官でございましたけれども、間に立ちましていろいろ議論したこともあるわけであります。しかし、それもやつてみて、今日になつてみれば、まあ違うといえば違う点もありますけれども、似た点も多分にあつて今日厚生行政として社会事業の面において、医療の面において、相ともに発達して来ている。こういうわけでございまして、できれば労働行政と厚生行政とが、それぞれ別の分野において行くことは、私先ほど言つたように、望ましいことだ。しかし、行政というものは、何らかの形において限られた省においてこれを担当して行くということになりますれば似た性質のものは一つところにまとめて行くということが、常識ではなかろうかと思います。従つて、今回の行政簡素化の考え方が、末端その他の機構を簡素化する程度にとどめて行くということならば、もちろんそれぞれ残して行きたい。それが中央から相当大幅に簡素にして行くということならば、水と油を一緒にされるのは困るけれども、油同士ならばやむを得ない、かように考えておるわけであります。

岡良一日本社会党

○岡(良)委員 厚生大臣は、長らく政府の部内におられた関係上、厚生省が独立をするいろいろな過程等についても熟知しておられることは、私どもも承知をしておりますので、それだけに、私が質問を申し上げておるわけであります。問題は、日本の行政が特に厚生省を必要とした、あるいは厚生行政というものに一省を設けて、大きなウエートをそこに求めて行つたということそのこと自体が、やはり日本の政治の民主主義の大きな発展のルールに、おそまきながらついて行つたものである。あるいは、日本が近代国家としての性格を、そういう姿においてより多く近代国家化されて来たというのが、厚生行政というものに大きなウエートを加えて来た要点じやないかと思います。であるから、もともとの点が油同士であつたという考え方は、実はこの際おやめになつていただきたいので、むしろ日本が民主主義のルールに立つ近代国家としての大きな性格を、より強く出すという観点から、この厚生省と、労働省というものは絶対に分離をして、そうして両者それぞれの特色を生かしてもらいたい、こういうことを実は申し上げたかつた。特にこれは憲法にもはつきり書いてあるようです。憲法というものは、これは一般的に政府なり国民なりの政治的な規範でしよう。しかし行政内容というもの、あるいは政府の執行の内容に対する構想においては、憲法第二十五條、あるいは第二十七條、第二十八條は、日本の今後の行政あるいは政府の執行のあり方の、非常に大きな内容を規範するものだと思います。だから第二十五條にちやんと書いてあるように——こういうことは釈迦に説法ですが、「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」とあるかと思えば、二十七條には「すべて国民は勤労の権利を有し」云々、あるいは二十八條には「勤労者の団結する権利」云々、こういう憲法の條章があつて、特に憲法の中でも、政府が執行すべき行政の重要な内容を規範するものが、この二十五條であり、二十七條であり、二十八條が非常に大きなものではないかと私ども考えるわけです。そういう観点から見て、やはり憲法が国民あるいは日本の政治の規範である以上、この憲法の精神を烙遵するという意味においても、厚生省なり労働省のあり方というものは、この憲法の條章に導かれたあり方として、行政機構としても独立の形態を持つて、それぞれの道をはつきりと、憲法にうたわれた線を格遵して行くという形において行かれるのが、ほんとうじやないかと思う。  特に、これは希望になりますが、たとえば福祉行政というふうなものは、これはもう世界的な傾向としても、近代国家が非常に力を入れておることは、大臣も御承知の通りだと思う。現にスイスは、社会保障行政費に一昨年度において総予算の四〇%をさいておる、あるいはデンマークは六〇%をさいておる、スエーデンは三〇%をさいておる。あるいはイギリスのように社会保障制度が発達しておる国では、総予算の四〇%をさいておる。国防費の予算に対して、本年度の予算でも十三億七千万ボンドに対して、十二億八千万ポンドを、やはり社会保障費にさいておる。こういうふうに、近代国家がいかに社会行政というものに力を入れておるかということを考えますと、厚生行政というものは、われわれに言わせれば、厚生というふうな消極的名前でなくて、もつと積極的な社会保障省ぐらいにひとつかえていただいて、そうしてどんな内閣が政権をとろうとも、これはうんと力こぶを入れるべきもので、これが日本の民主主義の線に沿うた国家発展の姿ではないかと考えておりますので、この際水と油というような簡単なところで、便宜的なおとりはからいをしないように、ぜひとも今後やつていただきたいということを、強くお願いを申し上げておきたいと思います。

大石武一自由党

○大石委員長 青柳一郎君。

青柳一郎自由党

○青柳委員 行政機構改革の所管をしておられまする行政管理庁山口政務次官がお見えでございますので、同次官に御質問をいたしたいと思います。ただいまもお聞きになつておられまするように、厚生行政を中心としての行政機構の問題が、論議せられておりまするが、この際まず第一に、行政機構改革につきまして、現在までどういう経過であり、現状はどうなつておるかという点につきまして、全般的なお話を伺いたい。さらに、ことに厚生行政を中心としての経緯を伺いたいと思います。

山口六郎次自由党行政管理政務次官

○山口(六)政府委員 青柳委員の御質問にお答えいたします。行政改革につきましては、いまさら申し上げるまでもないと思うのでありますが、今回の行政改革を意図したゆえんのものは、戦争中における統制経済によりまする行政機関が、きわめて厖大化しておる現状にあるのであります。また一方におきましては、占領政策によりまして、その方針に基いた総司令部の命令または指示によりまする行政機構が、これまたきわめて厖大複雑な様相を来しておると思うのであります。従いまして、今日新しく日本再建の再出発にあたりまして、この機会にこうした従来の複雑かつ厖大な行政機構を整理統合したいというのが、第一の眼目であるのであります。  さらに行政機構の改革に関しましては、行政そのものは、もちろん御承知のごとく、一定の各省における設置法ないし組織法、またそれより大きな角度からいたしますれば、憲法、行政法、内閣法、これらの法律に基いた行政措置が講ぜられるのでありますけれども、しかし、行政それ自体におきましては、きわめて動的なものであろうと思うのであります。日進月歩の間における産業の振興の度合いにおいて、国民思想の動向において、それらに即応いたしました行政が運営されて、初めて国民の要請にこたえ得るゆえんであろうと思うのであります。従いまして、こうした観点に立ちまして、常に行政あるいは行政機構の内容に対しまして、鋭く検討いたしまして対処することが、政府の務めであろうとも思うのであります。かように考えましてすなわち時代に即応いたした行政機構を考え、しかも従来の各省設置法ないし組織法、それらがはたして妥当、適正であるやいなやということも、同時に考えらるべき問題であろうと思うのであります。かような観点に立ちまして、常にこれがはたして適正なものであるか、今の時代に適正であるかというような角度に立ちましてすなわち行政体系の再検討をしなければならぬ。あるいははたして合理的な運営と体制を持つておるかというようなことも、考えなければならぬと思うのであります。ことに新しい民主憲法に基きまするこの民主国家のあり方としての行政体系に、はたして移行されておるやいなや。こうした問題も、この新しい自立態勢の国家におきまして、深く鋭く考えて行くべき問題ではないか、かように考えておるわけであります。さらに、従来の行政それ自体にいたしましても、行政目的をさらに検討してみる必要はないかどうか。さらにまた、今日の段階におきまして、戦後の日本が四つの島に限定され、しかも数百千年にわたりますお互いの相先の多くの蓄積が失われたこの国家の現状におきましてはたして現在の行政機構ないし行政そのものが適正であるやいなや。かように考えますれば、この機会に行政機構の再検討をする、かような観点に立ちまして、すなわち吉田内閣といたしましては、この問題を強く高く取上げまして、国民の要請に答えたい、かように考えて、目下それぞれ研究準備を進めておるわけであります。

青柳一郎自由党

○青柳委員 ただいま次官が言われました厖大な行政機構を整理統合するということの必要も、われわれ大いに痛感いたしております。さらには、時代に即応してこれを適正にするということにつきましても、全然同感であるのであります。ただ私どもは、本日ここで初めて行政機構の問題を承つたのでありまして、公式には初めてであります。しかるに、新聞紙上などにおきまして承知いたしますところによりますと、中央の行政機構につきまして現在論議されておる点は、電通省と郵政省の統合、並びに厚生省と労働省の統合のみということを聞いておるのでございます。電通省、郵政省の統合につきましては、これを具体的に考えます場合に、後者に移議する面もあろうし、相当肯定できる点もあるのでございます。ただそうなりますと、残る厚生、労働両省の統合ということに相なりますと、先ほど来大臣からもお話がございましたように、これらの行政は、昔は同じ屋根の下にあつたものだから、統合しやすいという考え方も起つておるようでございまするが、そのおのおのは、その後におきましおのおの自身発達発展をいたしまして、また時代に即応した充実強化を来しておるのでございます。前の一つの屋根の中におつた場合とは、大いに異なるのでございます。この点につきましては、同僚の他の諸君からも、ただいまお話がありまして、次官もお聞き及びになつたと思うのでございますが、ただひとり厚生、労働両省のみがここに一つになるということに相なりまする際には、政府の考えておられる厚生、労働両行政についても、非常に重要視しておるという点が、またそこに損ぜられて行きはせぬかということを、われわれとしては非常におそれるのでございます。従いまして、これらの点につきまして現在どの程度に取運んでおられるか、現在行政管理庁としてどう考えておられますか、その点承りたいと思います。

山口六郎次自由党行政管理政務次官

○山口(六)政府委員 行政機構の改廃につきましては、御案内の通り、政府におきましても行政制度審議会ないし政令諮問委員会それぞれの機関を通しまして、研究答申を求めておりますことは御承知の通りであります。なおかつ各方面、民間ないし政党の間におきましてこの問題を強く取上げられましてそうしてもろもろの行政改革に関しまする意見も大分出ておるようであります。これらの答申に基き、またこうした諸情勢に考えをいたしまして、目下その成案調整に努力しておるわけであります。しかしながら、先ほど申し上げました各省の設置法ないし組織法が、はたしてそのままの姿に置いてよいであろうかどうかという点につきまして、検討を続けておるわけであります。従いまして、新聞ないし巷間伝えられておるような形において、必ずしもお説のような意味において研究の調査成案の段階に行つておるというわけでもないのであります。

青柳一郎自由党

○青柳委員 重ねて申し上げますが、電通、郵政両省の統合につきましては、われわれも相当肯定できるのであります。ただしかし、ほかに中央官庁の統合なくして、ひとり厚生、労働両省のみ一つになるということは、われわれといたしまして、政府御当局におきましても相当考えていただかなければ相ならぬことだと思います。これは私の意見にわたりますが、そういう意見を申し上げまして、ただいま思い出したのでございますが、これは実は大きい問題であるのでございますが、小さい問題のようにもとらわれがちであります。従前、厚生行政におきまして、住宅の問題は、全面的に厚生省が持つておつたのでございます。住宅の問題は、生活に直接の関係を持つものでございます。行政機構改革の際には、住宅の問題はぜひ厚生行政の一環として、はつきりとした所管を明らかにしていただきたい、こう存じておるのでございますが、次官はいかにお考えになりますか。

山口六郎次自由党行政管理政務次官

○山口(六)政府委員 ただいまお答えいたしましたことく、機構全体にわたりまして目下調整研究中であります。従いまして、御所見に対しましては十分傾聴いたしまして、対処いたしたいと思います。

大石武一自由党

○大石委員長 寺島隆太郎君。

寺島隆太郎自由党

○寺島委員 ただいま提案せられました戰傷病者戦没者遺族等援護法案についての審議は、あげて十八日以降に愼重審議せられるという委員長のお言葉に対しまして、私どもはただいま引揚援護庁から参考資料として提出せられました厖大なものをよく熟読いたしまして検討いたしたいと思うのでありますが、このほかに四つの資料を十八日までに提出願いたいと思うのであります。結局のところは、第一点といたしまして日本の国家財政の現状から見て二百三十七億円という大わくの中で、結局この両法案を動かさなければならぬ。言いかえますならば、二百三十七億円という財政が、もろもろの庶民、遺家族援護者の希望を、こつちに持つて行つたり、あつちに持つて行つたりする改正でしかないというまで、私たちは極論できるのであります。橋本前大臣が、橋本案なるものをひつさげまして、三百五十億の厚生省案なるものを政府に提出いたし、閣議において敗れ去つたという明々白々たる事実があるのでありますが、これまた先般の厚生委員会において、松野政務次官は、該案はすなわち橋本個人の案であり、厚生省の関係し、タッチせられざる案であるかというような委員会の同僚の御質疑に対して、さようお答えあつたのでありますが、来る十八日以降これを検討するに際しまして、該橋本前厚生大臣の持つておつたものは、ほんとうのプライベートな橋本個人の案であつたものなりや、あるいはまた引揚援護庁の官僚諸君と談じてできたものであるか、あるいは厚生事務次官等省議を開いてできたものであるかという関係を明らかにした上における天下周知の事実である橋本案なるものの骨格、系統を——明細にとは申しませんが、大体三百五十億から、片や二百三十七億に圧縮されましたこの事態を明らかにせられまするところの経緯を、文書によつて参考資料の中にお示しを願いたい。これがお願いいたす第一点。これなくしては、のれんに腕押しになつてしまつて結局財政の圧迫が、政策というものを浸透させることができない、すなわち政策のマンネリズムに陷るということが事実になつて受取られますゆえをもつて、私どもはせつかく御苦心になる本法律案を積極的に支持いたすのゆえをもつ立場からも、この参考資料ははなはだデリケートな点もございましようが、ぜひいただきたい。  第二点、さらに本案は、昨年大体こういう形によつて引揚者並びに遺家族に対して援護をしてもよろしいという関係方面からのオーケーが出ました際に、恩給局と厚生省の両者が、それぞれ別個の案を閣議に持ち込んで、今日は厚生省案なるものによつてこの恩典に浴せられることになつたのでありますが、それまでの間にマイヤース勧告団が日本に参りましてマイヤース勧告等をいたして、別途恩給法につきましては相当なる改廃が行われるものであり、純粋なる恩給理論から申しまするならば、これまたただいまの大臣の説明の「国家補償の観念に立脚して」という言葉から、すなわちかかるものが抽出されたものであろうと思いますが、すなわち恩給局案をしりぞけて厚生省案に行かれたのは、それぞれの資料と、それぞれの立場をもつて行かれたのでありましようから、これに対する資料を、十八日までにぜひお出しいただきたい。  第三点、この法案によりますと、本日は大臣限りの御説明でございまするが、身体障害者その他に対しては、身体障害者等を一定の事務所に雇用させる等の措置をとる云々のこともございました。そのことももとより必要でございますが、それに関して、どうしてもこういう科学的社会主義としての政策を実現するのではなくて、社会政策主義の幅においてこれをするという以上においては、結局優先主義というようなことをある程度考えて行かなければならない。現在の吉武大臣が、本委員会において御所論を御解明になりましたあかつきにおいては、全面的に優先購買の件は賛成である、さりながら民業を現実に圧迫するというようなものであつては困るという明快なる、また私どもをしてすこぶる心強からしむる御答弁をいただいておつたのでありますが、大臣の答弁の後、すでに一箇月有余を経たる今日において、厚生事務当局においては、現実において、その物品購入等に対して、優先購買をどのくらいにいたしておるかという現実の数字をお示し願いたい。現実の数字がなくんば、すなわちこれは結局抽象論に堕するのゆえをもつて、ぜひこれは現実の数字をお出し願いたい。  次は第四点になるのでありますが、農地調整法及び自作農創設特別措置法の両法におきましては、未復員者のために別途の措置を講じておるのであります。言いかえれば、未復員の明確なる場合においては、国家が農地を買い上げる等の措置を一時停止しておりまするが、今や日本の農業政策も、土地の生産性向上の方向に向けて展開せられなけばならない現状におきましては、今日まで行われた全体農地改革のもとにおける、別途に措置せられておる未復員者のために残されておるものはどのくらいのものであるか、それは全体の場合においてどのくらいのウエートを占めるものであるかという点についての資料を、これは農林省の平川農地局長のものでありますが、ごめんどうでも御提出願いたい。  それから私どもの先輩、この厚生委員会においての畏敬すべき同僚であります岡君等から、しばしば啓発的な御議論を私たちここに拝聴いたすのでありますが、どうもわれわれにとりましては、資料収集等の困難もございますので、われわれのような者でもわかりますような、西独におきますところのいわゆる戦没者の遺家族等の援護が、わが国に比して著しく厚いということを言われておりますが、一、二の答弁を聞いてみますと、そうでもないような意味の答弁のもとに、これまたあいまい模糊のうちに看過せられておるの現状にかんがみまして、西独における国家財政の中に占めるところの、戰没者の遺族援護の財政的措置のバランス、個人の全体収入に対する援護費、援護者のバランス、この両案を対照的になるようにして、十八日までには五日間も日がございますから、御提出願いたい。そういうふうに委員長を通じてお願いいたします。

大石武一自由党

○大石委員長 委員長において善処いたします。最後に苅田君。

苅田アサノ日本共産党

○苅田委員 行政管理庁政務次官に御質問したいのですが、先般の行政改革の目的につきましては、戦後の行政機構が厖大化しておる点と、時代に即応するという点を特に御主張になつたのですが、それではただいま一番問題にされておりますところの厚生省と労働省との統合に関しまして、ただいま次官が説明なさいましたような状況が見られるかどうか。厚生行政、労働行政とも、日本では最も遅れて着手されたもので、おのおの特徴を持つてそのために戦後、わけられて発展しておるものであります。しかも、時代の要求は、この厚生行政については、もつともつと多大なものがあるのであります。これは私が今詳しく御説明申し上げなくとも、従来からの同僚議員のお話の通りなのであります。労働行政につきましても、戦後一時労働者の諸権利につきまして、大幅に拡張されたのでありますけれども、近時これがかえつて逆行するような傾向がありまして、これにつきましても、社会から非常に批判も向けられておりますし、特に今後行政協定下の労働問題というようなものは、もつと複雑な形を帯びて来るものが多々あると思います。こういう点を考えますと、第二の、時代に逆行するというような点から考えましても、第一の厖大という点から考えましても、私は他省に率先して特別にこの両省が統合されるという理由を見出せないのであります。ただ私はどれはもともと一緒だつたものだから、また一緒にするのが一番簡單だ、そういうような点から今度の両者の合併が安易に考えられているきらいが非常にあると思います。これでは、かえつて次官が主張なさいました目的に沿つていないのではないかという疑問を持ちますので、この点につきまして、御意見を伺いたいと思うのであります。

山口六郎次自由党行政管理政務次官

○山口(六)政府委員 お答えいたします。先ほど今回の行政改革に関しまする目標の二、三を申し上げたわけでありまするが、御所見に関しましては、まつたく私どもも同意見であります。私どもが考えまするのに、行政はすべて国民の奉仕の機関であることは申し上げるまでもないと思うのであります。従いまして、その行政を、はたして国民が必要とするやいなや、そういう前提に立ちまして、行政のあり方が考えられるわけであります。従いまして、たとえば産業に関する一つの行政があると仮定いたします。その産業がすでに発展成熟し、国民に膾炙し、従つてそれに関する行政が必要のないような場合におきましては、その行政はこれを廃止いたしまして、そうして国民の負担の軽減もはかり、また国民への利便もはかる、かような考え方が成り立つであろうと思うのであります。かような観点に立ちまして、すなわち厚生行政、あるいは労働行政がわが国の現在の情勢にかんがみまして、きわめて重量を置くべき行政であることは申し上げるまでもないと思うのであります。従いまして、今案ますますこの国の諸情勢を勘案いたしまして、厚生行政は今後伸張いたすべきものであることも考えられるわけであります。また労働勤労行政に関しましても、同じようなことが言い得ると思うのであります。ただ、現在ありまする行政の体系が、はたしてすつきりした国民の納得し得る体系であるやいなや、論理的にこれを考えて、はたして適正なる行政態勢であるかいなやというような点に思いをいたしまして、もしも同一系統、同一組織体制においてその行政をつかさどりますことが能率的であり、効果的であり、国民の福祉の増進であり、しかも経費の軽減であるといたしまするならば、その方向への努力が考えられるわけであります。厚生省と労働省を一緒にするという前提としての御意見であつたようでありまするが、政府といたしましては、厚生行政を軽んじ、あるいは勤労労働行政を軽んずるという意味は毛頭ないのであります。目下厚生、労働関係に関しまする行政機構に関しましては、いかなる方向にこの体系を置くべきか、あるいは今後の行政をつかさどるべきか、そうした観点に立ちまして、機構に関しましても目下愼重に調査研究に努めておる段階にあるわけでございます。

苅田アサノ日本共産党

○苅田委員 労働行政、厚生行政の双方とも、今ごますます重要視し、発展させなければならないものだという次官の御見解に対しましては、私は、ぜひその点を強く堅持していただきたいということをお願いするのでありますが、ただ、もう一つ次官のお言葉の中から心配になりますことは、相似たような問題、たとえば福祉という点一つとつてみましても、やはり労働行政の側から考えます点と、厚生行政の側から考えます点とは、おのずからこの点に主張の差があり、処置の差がなければならないと思うのです。そういう点が労働、厚生両行政を一緒にいたしますと、ともすれば片寄る気味があり、あるいは抜けてしまうというような気味があるのであります。これはたとえば同様な国民の福祉という点から考えましても、そういう二方面からの、おのおの違つた立場からの主張によつて、ほんとうの適正なる処置が講ぜられるという場合が非常に多いわけなんで、このためにこの両者がおのおの特色を発揮してやつて行つて、辛うじて日本の遅れておるそういう方面の仕事ができておるのでありますから、これを一本にしてしまうことによりまして、結局は両方ともの行き方をためる結果になつて、そうして一本にすることによつて、両行政が発展するということよりむ、両方からためられるということの方が、ごく常識的に考えましても非常に多いわけなんで、こういう点につきまして、私は次官が再考していただきたいということをお願いするわけであります。  同じような問題で、具体的にお尋ねしたいのですけれども、今問題になつております労働省の婦人少年局と厚生省の児童局の問題です。こういう問題に対しましても、私は今、次官がおつしやつたような点が、非常にあるのではないかと思います。具体的にこの問題につきまして、次官がどういうふうにお考えになつておるかということを、もう一度御説明願いたい。

山口六郎次自由党行政管理政務次官

○山口(六)政府委員 御所見に対しましては、十分傾聴いたしまして、今後対処して参りたいと思います。行政の分限ないし体系に基きます機構に関しましては、まだまだ政府といたしましても研究調査が不十分であろうと思うのであります。従いまして、目下その点に関しましては、それぞれの機構を通しまして、最善の研究を途げておるわけであります。従いまして、今回の行政機構の改革にあたりましても、必ずしも完璧、理想の行政改革が提案し得るとは考えておらぬのであります。従つて政府といたしましては、この機会に今後引続き行政改革を行うにあたりまして、国民の意向を十分尊重し、従つて国会等の参加も得まして、今後の行政改革の完璧を期します臨時の機関等も考えまして、そうして御所見等に対しまして最善の努力をして行きたい、かように考えております。

苅田アサノ日本共産党

○苅田委員 ただいまの御答弁で、私少し聞き漏らしたのじやないかとも思うのですが、私が具体的にお考えを願いたいと申しました労働省の婦人少年局と厚生省の児童局の問題は、すでに外部では相当やかましく言つておるのでありますけれども、実際は行政管理庁におきましては、そういう具体的なことはお考えになつておらない、こういう段階ですか。それとも、それはすでに一緒にしてもいいじやないかというような点まで進んでおるのですか。これをひとつ明白に御答弁願いたいと思うのです。

山口六郎次自由党行政管理政務次官

○山口(六)政府委員 この問題は御指摘の通りきわめて大切な問題であると考えております。従いまして、従来の調査研究いたしました経過におきましては、これを総理府の外局といたしましてそうして一貫した行政機構を立ててこれを行政すべきかといつたような経過もあるのであります。一方におきましては、従来のような労働省は労働省、あるいは厚生省所管のところにおいてはその姿において行政すべきか、それぞれの案が対象となりまして、目下研究を遂げておる段階にあるわけであります。

松谷天光光改進党

○松谷委員 ちよつと関連して次官にお尋ねし、なお希望を申し上げておきたいのですが、ただいまの次官の御説明の中で、私一番始終気になる点は、他の委員から御質問ございましたから省きまして、一点なお気になります点は、この両省を合併することは、そこには非常に経済的な面から見てのものがあるというふうなことを、先ほどの御答弁でおつしやつたように記憶いたします。私は最近の種々の政府のなされるその処置の根本的なものが、結局金がないから、予算がないから、経済的に見てどうしてもしようがないからという、いわゆるりくつからいつても、あるいは実情からいつても納得できないような点が、金がないというそのためになされて行く点が多々あることは、これはもう次官御自身が始終御経験になつておられることと思うのであります。他の委員から種々述べられましたように、厚生行政と労働行政の重要な問題が、経済的な面から、金がないからというので一つに縮小される、しかもその大事な面がここに落されて行くというようなことになることを、私は一番おそれております。またそういう予算の面からという行政改革がなされる危険が、一番大きいのではないかと思うのでございますが、その点希望を述べると一緒に、次官のその点についてのお見通しを簡単に伺つておきたいと思います。

山口六郎次自由党行政管理政務次官

○山口(六)政府委員 お答えいたします。厚生、労働両省が、合一されるという段階になつているわけではないのでありますが、かりにそうした問題が研究されている、対象となつていると仮定いたして申し上げるのでありますが、さような場合におきましても、必ずしも経済財政のみによりまして、そうした統合が考えられるということでは毛頭ないわけでございます。はたしてそうしたような機構の整備をいたしました場合におきまして、そうした方法が経済財政的に国民負担の軽減に効果ありやいなやということも、一つの條件ではあるのでありますが、しかしながら、さよういたしますることが、はたして国民の要求いたしまする厚生行政ないし労働行政の福祉といたしまして、現実に国民がそれを期待するやいなやというようなことも考えられるわけであります。またそうしたことが、行政の背景としてはたして妥当適切であるやいなや、そうした各般の点にわたりまして調査研究を遂げているわけであります。

大石武一自由党

○大石委員長 これにて暫時休憩いたします。午後一時半より再開いたします。     午後零時二十五分休憩      ————◇—————     午後二時十分開議

大石武一自由党

○大石委員長 午前中に引続き、会議を再開いたします。  戰傷病者戦没者遺族等援護法案を議題とし、本法案審査のための公聽会開会に関する件について御諮りいたします。本日提出いたしました公聴会開会要求書に対しまして、先ほど議長より承認をいただきましたので、この際正式に公聽会を開会することを決議いたさねばなりません。先刻理事の諸君とも協議いたしたのでございますが、戰傷病者戦没者遺族等の援護についてという問題に関しまして、来る三月二十五日、二十六日両日の午前十時から、それぞれ公聴会を開くことに御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

大石武一自由党

○大石委員長 御異議なしと認め、そのように決します。  なお、ただいま決議いたしました公聴会開会の報告書を議長に提出いたしますとともに、公聴会の日時、案件等を官報、新聞、ラジオ放送等で公示することといたしますから、御了承を願います。  次に本案の細部の説明を政府側関係者より聽取しつつ懇談いたしたいと存じます。  これより懇談に入ります。      ————◇—————  これより懇談に入ります。     〔午後二時十二分懇談会に入る〕     〔午後三時四十五分懇談会を終る〕      ————◇—————     〔懇談会を終つて散会〕

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