厚生委員会 第6号
- 発言数
- 177 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1952/02/07
会議録
○青柳委員長代理 これより会議を開きます。 まず理事補欠選任の件についてお諮りいたします。理事でありました岡良一君が去る四日委員を辞任されたのに伴いまして、現在理事が一名欠員になりております。その補欠選任を行、いたいと存じます。選任の方法につきましては、私が指名するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○青柳委員長代理 御異議がなければ、本日再び委員になられました岡良一君を理事に指名いたします。 —————————————
○青柳委員長代理 次に小委員及び小委員長選任の件についてお諮りいたします。公衆衛生行政に関し、水道に関する諸問題を調査のため水道に関する小委員会を設けたいと存じますが、小委員十各よりなる水道に関する小委員会を設置することといたし、小委員並びに小委員長の選任につきましては、私が指名することに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○青柳委員長代理 御異議なしと認め、小委員並びに小委員長の選任につきましては、理事の諸君とも協議の上追つて公報をもつて御通知いたします。
○青柳委員長代理 次に前会に引続き二十七年度厚生省関係予算に関する件について、政府より説明を聴取し、それに関する発言を行つて参りたいと存じます。まず社会局長より、社会局関係の予算の説明を聞きたいと存じます。
○安田政府委員 社会局関係の予算につきましては、先般会計課長から説明がございましたので、おもな点だけを申し上げたいと存じます。 そこに掲げてございます合同慰霊式典の執行に必要な経費とか、あるいは戰傷病者戰歿者及び遺家族援護に必要な経費につきましては、引揚援護庁の力で所管をいたしておりますので、私の管轄ではございません。 次の生活保護に必要な経費でございますが、これは二百四十六億一千四百万円でございまして、昨年の約二百十億に比べますと、三十五億五千万円ばかりの増になつております。これは主として基準の引上げと、それから自派に伸びて参ります増加の額等を見込んだものでございます。 それから、さらにずつと参りまして、ララ救助物資処理に必要な経費が、非常に額が減つておりますのは、これは大体来年度におきましては、ララの物資をこちらにいただかないということにいたしまして、三月三十一日までにアメリカの港を積み出したものがこつちへ届きました際に、それを国内輸送をいたします場合の費用、大体三箇月分を見込んだわけであります。 それから、前後いたしますが、身体障害者保護更生に必要な経費というのがございます。これは身体障害者に対する年金を除きまして、その他身体障害者保護更生に必要な経費として、ここに六億二千九百万円ばかりのものがあげてございます。その内訳を申しますと、更生医療費が一億二千四百三十七万五千円でございまして、これはけがをいたしまして、なおつたけれども、しかし新たに職につくとか、もとの職に復帰いたします場合に、若干の手術なり、あるいは医療措置をとりますと非常に機能的に楽になるというような者に対しまして、全額国庫の負担で医療を施して行きたい、これが一億二千四百万円でございます。それから補装具と申しますのは、義手義足でございますが、これは四億一千万円ばかりでございます。それからそのほかに光明寮の増設、これが五千百万円ばかりでございますが、現在東京、塩原、神戸にございますので、塩原、神戸に六十人ずつ傷痍軍人の失明者に対しまして、これを全額国庫負担でやつて行きたい、こういう予算でございます。それから国立身体障害者更生指導所というのがございますが、これは現在相模原にございますのを東京に移したいという予算がこの中に入つております。それから傷痍軍人の保養所を全国に二箇所ばかりつくりたい。これは傷痍の程度がきわめて重いものをその中に入れまして、全額国庫負担でやつて行きたい。これは大体二箇所でございまして、百人ずつを予定いたしております。それらのものを含めますと、全部でこの援護対策費が七億二千六百六十四万九千円ばかりになります。 社会局予算で今回特にかわつた点は右の点でございますが、御質問がございましたならば、お答えいたしたいと思います。
○松谷委員 ことによりますと、ただいまの御説明で聞き漏れがあつたかと思いますが、いただきました資料の中にも、結核に対します後保護施設に対しまする予算の内訳が見えておらないように思いますし、御説明でも私聞き落しておりましたので、その点はいかがになつておるか、御説明いただきたいと思います。
○安田政府委員 結核対策としての後保護につきましては、現在アフター・ケアを要する者が全国で約十万人と推定されるのでございます。これらの人を収容いたしまして、医師の管理のもとに社会復帰に必要な指導管理を行うことは、緊急な要件であると考えるのであります。本年度は生活保護法の更生施設の中で、その費用で二箇所だけやつたのでございますが、来年度はアフター・ケアの施設のための予算としては認められなかつた、入つていない、こういうことでございます。
○松谷委員 重ねてその問題でお尋ねしとうございますが、ただいま御指摘になつたようなアフター・ケアを要する実人員が大体十万人おありにまる。それに対するアフター・ケアとしての割当がなかつたので、社会局とされて、生活保護の分から二箇所だけをその施設として充てたいというお話でございましたが、その二箇所の施設で、一体収容人員どのくらいを見積つておいでになるのでございましようか。
○安田政府委員 来年度でなくて、二十六年度に生活保護の更生施設の中から二箇所を流用したわけでございまして、これが大体一箇所五十人くらいでございます。
○松谷委員 そういたしますと、ただいまの御説明の二箇所というのは、二十七年度という意味ではなくして、二十六年度という意味で、二十七年度にはそれを継続事業としてなさる御意思がございましようか。
○安田政府委員 二十六年度に二箇所でございまして、二十七年度は予算には要求いたしましたけれども、財政上の都合でそれが落ちたということでございます。さらにそれを生活保護の施設の中でやるかどうかということは、今後十分検討してみたいと思います。と申しますのは、生活保護の施設費が必ずしも楽でございませんで、あるいは養老であるとか、あるいは一般の救護関係の施設等につきましても相当きゆうくつな思いをいたしておりますので、そういう点をにらみ合せて研究して参りたいと思います。
○松谷委員 このアフター・ケアの問題は、長い間からの懸案にもなつておりましたし、これはただ單に社会局だけの問題として取上げるのではなくて、結核対策全体として本省も根本からお考えをいただかなければならない問題だと思いますので、今この点だけを社会局にお尋ねし、あるいは追究することもいかがかと思いますが、社会局としては、要求は一体なすつたのでございましようか。あるいはおさしつかえなければどのくらいを要求し、当局としての御計画はどのようなものであつたかということを、輪郭だけでも伺いたいと思います。
○安田政府委員 大体当初の要求といたしましては八箇所で一億円ばかりでございます。
○松谷委員 この問題はさらに大臣その他とも、もつと大きな結核対策という点でお尋ねをしたいと思いますので、詳細はあとに譲りたいと思いますが、二十七年度においては、当局とされてアフター・ケアの問題については、ほとんど放置されるという形になると解釈してよろしゆうございましようか。また社会局とされて、これは医務局あるいは公衆衛生局と、ことに医務局との間にそういう点についてお話合いか何かなされたかどうか。これは医務局の方でせつかく結核のベツドの増床がなされてみましても、そのアフター・ケアの方が、社会局ではつきりと設立されていない間は、ただベッドの増床というだけの問題では解決せられない点が、どうしてもそこに出て来るのではないか、結局からまわりに終るおそれが多分にあるのではないかと思うのでございますが、そういう点のお打合せ、あるいは社会局として、そうした問題はおそらく将来持ちかけられることと思うのでございますが、その際の御態度について、どのようにお考えでいらつしやいますか。
○安田政府委員 お話のように大切なことでございますので、ただ私申し上げましたのは、来年度の予算には、そういう事情で計上されておりませんですが、しかしなおそのことにつきましては、厚生省内部で御相談申し上げて、研究してみたいと思います。
○松谷委員 ただいまの局長の御答弁で、どうも満足しかねるのでございますが、これから御相談なさるのであつて、今までにそういうお話合いは別にございませんでございましようか。
○安田政府委員 今のところでは、どの局もなかなか金がございませんので、いい知恵が出ませんでございますけれども、将来なお研究して参りたいと思います。
○松谷委員 知恵がないのは、どうも人間のことでございますから、何局でもおそらくそういう場合には——これは具体的な問題で、もうすでに二十六年度にも十分出ておる問題であることは、局長も十二分に御承知のことだと思うのでございますが、結局医務局に行けば、その問題はもう社会局の分野なんだ、社会局に行つて相談すべきなんだ、医務局からの予算は出ないんだから、社会局の予算で何とかしてもらいたい。社会局に相談に参りますと、まだ医務局のわくにあるのではないか、社会局の方にはそういう予算は今度もらえなかつたからというので、結局患者自身が、なおりかけて社会に再発足したいにもかかわらず、それができずに、より多くの弊害をそこに流して行く問題が過去にもございましたし、また将来も起ると思いますが、そういう際に、局長のところに具体的な問題として相談に行つた場合には、一体どういうふうにこれを処理なさるか。社会局として、ただその予算がないといつて、それをつつばなされて済むものであるか。あるいはそういう場合には、こういう点でそこにそれだけの余地があるとか、あるいは処置の方法をしておられるという点は、全然ないのでございましようか。
○安田政府委員 明年度アフター・ケアの予算は全然計上されておらないことは、先ほど申し上げた通りでございます。ただ本年は二箇所ばかり保護施設として認めたわけでございますが、しかし保護施設も、御承知のように養老であるとか、救護であるとか、更生であるとか、授産、宿所提供というように、いろいろたくさん全国から緊急な要望がございますので、それらのものを全部合せましても、来年度の予算が二億でございますので、その中に考え方としてはアフター・ケアの施設を割込ませるかどうかという問題しか残つていないのであります。それをひとつ今後研究してみたい、こういうふうに思つております。
○松谷委員 この問題はなお他の機会に譲りまして、私どもも、結核対策をせつかく政府が立てられるという以上、やはりアフター・ケアの問題を忘れて結核対策は立てられないと思いますので、もつと根本的に検討させていただきたいと思います。そういう具体的な問題が、おそらく局長を悩ますことだろうと思いますし、そこに予算がないので、おそらく無理だとは思いますが、しかし他に何かよい知恵をおしぼりいただいて、ことに他局とも十二分に御相談いただいて、ひとつ社会局でもそうした場合の措置をぜひお考えおきをいただきたいと思います。 それから、先ほど御説明いただいておりましたが、この予算説明書に合同慰霊式典の執行というのが出ておりますが、これをもう少し詳しく御説明いただきたいと思います。
○安田政府委員 これは実は先ほどちよつと申し上げたのでございますが、引揚援護庁の方で所管をいたすことになりましたので、そちらの方でいずれ説明していただきます。
○松谷委員 それではいずれ引揚援護庁から伺うことにさせていただきます。 次に、生活保護に必要な経費について伺いたいと思いますが、基準の引上げと自然の増加を見込んで増額してあるというふうにお話を承つたのでありますが、その場合の自然の増加をどれくらいと見ておいでになるのでございましようか。自然増加というのは、増員の意味でございますか。
○安田政府委員 金額と人員とを含めまして計算いたしたのであります。これは、たとえば生活扶助ならどう、生業扶助ならどう、医療扶助ならどうというふうに一つ一つ扶助の項目ごとに計算いたしたのでございます。
○松谷委員 その場合に、人員の増加というものは、いかがなんでございましようか。その基準の引上げ、これは当然わかります。その場合に基準の引上げに続いて、やはり人員の増加も二十六年度以上見込んでおられるのかどうか。あるいは人員は大体二十六年度と同等に見ておいでになるのでございましようか。
○安田政府委員 実は二十五年の九月から二十六年の七月までの間の過去における額の上り方を見まして、それを基準にしてずつと伸ばしたわけでございます。そのときの額は、人員と一人当りの金額をかけたものを前提といたしまして、それに対してどのくらいふえるかというやり方で従来やつておりますので、一人当りとか、一件当りどうとかいうのではなく、ただ全体の金額がどれだけふえたということで、その伸びを見たわけであります。二十五年の九月から二十六年の七月まで、十箇月ばかりの実績によつたわけでございます。
○松谷委員 そうすると、これは昭和二十六年度もそうであつたように御説明を伺つたのでありますが、毎年の人員の大体の予定というものは、生活保護法の性質に基いてお立てにならずに、人員はそれに応じて追加予算で増額で行くというふうに解釈してよろしゆうございますか。
○安田政府委員 この計算の仕方には、いろいろな議論があると思うのでございますけれども、そういう人員増とか、一件当りどのくらい上るだろうかということをひつくるめました全体の金額で、事項別に、たとえば医療費がどうなつた、あるいはその生活扶助がどうなつたという金額の動きを大きくつかみまして、その金額の動きを数字に直して、そうして過去の一箇年のものを将来に伸ばして行くというようなことでやつております。現在は御承知のように人員といたしましては、生活保護を受けております者が大体二百四万ございます。
○松谷委員 基準の引上げというお見積りでございましたが、現在当局で予定しておいでになる引上げの時期は、いつごろでございましようか。
○安田政府委員 今年の四月からでございます。ついでにこの機会に御説明申し上げますが、現在東京都で五人世帯——これは六十三才の男と三十三才の女と、九才の男の子、五才の女の子、一才の男の子というような未亡人家庭の代表的なものを選んだのでございますが、これで六千二百三十一円が基準になつております。これはその後の物価の上つたものを考慮いたしますと、その金額が約七千円になつて来るわけです。今実は社会福祉審議会というのが厚生省の諮問機関としてございますけれども、その中に生活保護部会というのがございまして、その生活保護部会にこの基準について諮問をいたしまして——その中には学者の方なんかも入つておられますが、七千円というのは一応予算でございますけれども、一体幾らが一番妥当なところであろうかということを出してもらうように実は頼んであります。でありますから、一応七千円というのが予算の額でございまして、これが今後の基準になると思います。それは七千円でございますけれども、大体住宅扶助として、今申し上げました世帯でございますと、二百円が計上してあるわけであります。これを四百五十円に上げたいと思つております。それから教育扶助としては現在小学校の三年生で月平均百六十七円でございますが、これが百八十六円に上ります。それらを計算いたしますと、大体七千六百三十六円になります。つまり今のような標準家庭が全部保護を受けたいといたしますと、月に七千六百三十六円、一応明年度の予算の基準で参りますと、これはエンゲル係数で参りますと、現在の基準の八二%ぐらいのものが約七〇%になつて来る、こういう計算でございます。 それから右のほかに、生業扶助が現在三千円でございますのを四千円に引上げる予算、それから葬祭扶助が現行二千円でございますのを二千八百円、出産扶助が現行の千円が千六百円にそれぞれ引上げるだけの予算をもとにして計上してあるわけであります。
○松谷委員 先ほどお話のように、今当局が見込んでおられるのは七千円程度、七千六百円ぐらいのところで、なおそれを諮問委員会で今検討中だというお話でございましたが、諮問委員会の出される結論がどの程度効力を持つのでございましようか。たとえばこの諮問委員会の答申が八千五百円なら八千五百円というふうに出たと仮定いたしますと、その場合にはそれが予算の上で基準になるお見込みでございましようか。
○安田政府委員 私、そうかけ離れたものは出ないと思いますけれども、かりにそういうものが出ましたならば、これは諮問機関でございますので、よくそういうことを参考にいたしまして、今後の措置を講じて参りたい、こういうふうに考えております。
○松谷委員 幾らかでも額が上るということは、今伺つた額では、満足なあれとは申せませんけれども、しかしけつこうなほんの一部に属することだと思います。その場合でも、今一番私どもに苦衷の訴えられるのは教育費でございます。従来の百六十七円では、いろいろの実情からいつてやつて行けない。この教育扶助をもう少しほしいというのが、お母さんたちの切実な声なのでございます。この点きよう御答弁をいただこうとは思いませんが、ひとつこの教育扶助などの点も、将来なお一層御当局でも御検討をいただきたいと思います。 次に、社会事業施設の整備の点、これは今年度は減額になつておるのでございますが、その内容について御説明いただきたいと思います。
○安田政府委員 この保護施設の内容でございますけれども、総額が二億でございまして、予算のときは、正直な話、つかみで大体入つておりますので、それをどういうふうにわけるかということについては、あとでさらに検討する余地はございます。一応のものはございますけれども、大体それはかえ得る程度のものでございます。
○松谷委員 これは大体生活保護法、あるいは身体障害者福祉法に基いての施設でございますね。その場合に、大体の御予定として、当局はどちらに中心をお置きになるか。あるいは別に中心というものはなくて必要に応じて割当をなさるという御方針でございましようか。
○安田政府委員 生活保護法だけが二億で、身体障害者の方は別になつております。
○松谷委員 これは生活保護法だけと解釈してよろしゆうございますか。
○安田政府委員 この予算書の中で二億二千八百二十六万八千円という中の、端数の二千八百二十六万八千円が身体障害者のものでございます。先ほどから一億と申しましたのは、二億が生活保護法の保護施設でございます。
○松谷委員 それからその次の災害救助が、本年度は非常に多くなつておりますが、これは前年度の経験からでございますか、それとも他に何か特に新しい計画なり何なりがございましてでしようか。
○安田政府委員 災害救助費の補助は、大体五千万円が当該年度のものでございまして、あとのものは、結局昨年のルース台風で府県の出しましたものを、あるいは府県がそれを見込んで資金運用部から借りておりますものを来年度のものに計上したというのでございます。平年度分といたしましては五千万円でございます。
○苅田委員 関連して伺いますが、この災害救助に必要な経費の中には、先般この委員会でも審査されました、九州の板付の進駐軍の飛行機の災害があつて、そのお見舞金というようなものを出すとかいうようなことがあつたのですが、そういうような経費もその中に見込まれておるわけですか。
○安田政府委員 そういう進駐軍の事故によるものは入つておりません。
○苅田委員 木村社会局長のお話では、賠償費は大蔵省から出るけれども、見舞金は社会局から出るのだというふうな御答弁をいただいておつたと思うのですが、いかがでしようか。
○安田政府委員 今のお金の中には入つておりませんけれど、この間閣議で若干基準が引上げになりまして、その基準に基いて政府が見舞金を出す、その見舞金の予算の計上は終戦処理費の中に入つております。
○岡(良)委員 生活保護法の関係ですが、今度遺家族の基本年金が千円ということで、その他家族手当のようなものが出る。しかしそれはまつたく乏しいものであるから、従つて遺族の生活の保障は、生活保護法でもつて補完しようという大臣の御答弁があつたわけです。ところが、一方生活保護費の中で四億三千万円ばかりが、遺族に関する生活保護にこれまで支給しておられる分の中から差引かれておる。一体この積算の基礎をどこに置いて、この四億三千万円を引かれたかということを、まずお聞きしたい。
○安田政府委員 遺族年金でありますとか、一時金が出ました場合に、それと生活保護法の適用を受けております関係をどうするかということは、相当大きな問題だと思うのでありまして今度の案がまだはつきりきまつてはおりませんけれども、一応私どもが承つております案によりましては、実はやはり生活保護法の適用を続けて行かなければならぬという遺族が出て来るわけであります。その際に、年金をまるまる引くか、遺族援護の方の年金なり、一時金の利子というものをまるまる引くか、あるいはそこに若干考慮するかという問題があるわけであります。それはまだはつきり私ども内部で相談いたしましてきまつておりませんが、しかし大臣のしばしば予算委員会で答弁された通りのことになるだろうと思うのであります。しかしそれを具体的にどう適用するかという額については、はつきりいたしません。従いまして、四億何がしの一応の予算が出ておりますけれども、それにつきましては若干動くことがあるのではないかというふうな気がいたします。一応九億二千万円ばかりの年金をもらつておりますものと生活保護の方がダブるではないか、こう考えておりますが、そのうちで大体三億七千万円ばかりのものを収入を控除するということにいたしますと、大体五億四千万円ばかりになります。それの八掛であるから四億三千万円の減、こういつた大ざつぱな計算であります。
○岡(良)委員 これは非常に重大な問題が、今後にはらんでおると思うのです。かりにその三億何千万なり四億三千万円というものは、一応それぞれれらいはダブる中から差引いてみてもよかろうという、いわば軽い取扱いでこの数字は出て来たものですか。
○安田政府委員 別に軽い取扱いとか、重い取扱いということでなくて、数字自体がまだ決定しない部分もあります。しかし一体年金を受取つた場合に、年金を全部収入とみなして引くか、あるいはどれだけのものを控除するかという問題が、実ははつきりしていないということを申し上げたわけであります。そういうことを考慮に入れて考えてみて、今私が申し上げた数字が出る、こういうことでございます。別に決して軽視しているわけではありませんで、最後の決定がまだできておりませんから、そういうふうな御答弁を申し上げたわけであります。
○岡(良)委員 遺族年金も少い、障害年金も非常に少いということになつて、政府の方針としては、生活保護法でこれを補完的に遺族をして大いに活用せしめるという、かなり積極的な方針が明らかになつたといつてもさしつかえないと思う。そういたしますと、その場合に遺族年金なり、あるいは子供たちや妻や年寄りに来る六百円なり四百円の生活扶助的な手当を、その世帯の収入としてどの程度見るかということについて、政府としては何らか法律的に措置するのか、あるいはこれは全然みなさないのかと尋ねますと、大臣の答弁では、そうはしない。それではこの生活保護法を取扱う社会福祉主事などに、どういう程度であるならば、どの程度にこの遺族としての諸手当を差引くという取扱いをするかということについて通牒を出すかと尋ねた。ところが大臣は、そういうことも考えておられない。そうなれば取扱い上非常にむずかしいケースが出て来るのではないか。そういう場合にやはり一つの基準をはつきり出しておかないと、社会福祉主事としては取扱いに困るし、また社会福祉事務所それぞれの窓口によつても、取扱いに差等ができる。こういうことは、遺族の立場から見てもいろいろとまた問題が起るのであるが、これに対して何らか適当な措置を講ずべきではないか。こうただしたところが、社会福祉主事はそういう事例はよく扱いなれておるから、そういうことはないであろうと思うというふうな御答弁であつたのであります。そう言われればそれまでなんですが、しかしいよいよ実際問題として、遺族年金で足りない部分の生活の保障は生活保護法で、こういう方針がはつきり出て来るということになると、遺族の中では、これまでは誉れの家というような表札がかかつておつたために、古い生活保護法の観念から、プライドでその扶助を受けることを潔しとしなかつたものが、どんどん受けるようになつ来るという事例も出て来るし、しかもそれは福祉主事はケース・ワークを心得ておるから、そのように取扱うということでは、実際の処理に円満を欠くのではないかと思うので、そういう点で厚生省としては、その家庭の実情に応じてどの程度に遺族年金あるいは家族への手当等を取扱うかというようなことは、やはり何か一つの方式を持つ必要があるのではないかと思うのですが、これはどういうものですか。
○安田政府委員 ただいまの問題につきましては、過般予算委員会で岡委員の御質問に対しまして、大臣が御答弁いたした通りであります。ただ、今、岡委員のおつしやいます中で、遺族の年金をもらつて足りないものを生活保護法で見るということを一般的に押し進めると、何か弊害があるというようなお話でございましたが、そういう御趣旨の御質問でございましようか。
○岡(良)委員 いや、そうではないのです。結局遺族も六年間待ちに待つておつた。ところが、自分たちの期待するようなものではなかつた。一方政府の方では、遺族の諸君の期待には、現在の財政規模からこたえられないから、従つて生活にあえぐというような遺族の諸君は、生活保護法で国はかばうのだということをはつきり言つておるわけです。そうしますと、やはり生活保護法の適用を受け得るという希望は、これまでのように何とかなるだろうと思つて待ちに待つておつたのが、今度はいよいよならない。しかも一方政府の方では、生活保護法で補完的に遺族の生活保障をやろう、こういうことを方針としてはつきり言明されて来るということになれば、遺族としても、大いにこれを利用しようという空気が馴致されることは当然だと思う。そういう場合に、この遺族の年金などというものが収入として考えられるわけで、先ほど局長のおつしやつた案によれば、年寄りと奥さんと子供二人で、大体今われわれが一応伝えられるところによれば三千円になる。そうすると今年の四月から七千六百円になつたのですが、その家庭がたまたま遺族だとすると、三千円というものが遺族年金なり、また扶養家族への手当として来る。そこで三千円プラス七千六百円で一万六百円にするか、その家庭の事情によつては九千六百円にするか、八千六百円にするかという小刻みの段階が取扱い上出て来るわけなんです。そうすると、どういう場合にそういう小刻みの段階をつけるかという基準がなければ、遺族によつては、厚く報いられる部分と非常に冷淡に報いられる部分というふうに、非常にでこぼこが出て来はしないか。厚生省として一定の基準をはつきり出さないでおいて、福祉主事は扱いなれておるから適当に善処するであろうというようなことを言つてみたところが、福祉主事そのものが、そういうものを取扱つた経験といえば一年しかない。一年もない者がたくさんある。そういうことになると、そこには非常なでこぼこができてそれからかえつていろいろな意味で遺族の諸君の不満も起つて来るということになつて来るので、何か厚生省としてはそこにはつきりした尺度をつけなければならぬと思うのです。これがまだ準備されておらないということでは、ちよつとわれわれもふにおちかねるのですが、将来の方針としてでもよろしゆうございますけれども、局長自身の御構想でもけつこうです、一応あなたの御構想でも承らせてもらいたい。
○安田政府委員 今お話のように、生活保護法の額と遺族年金の額を比べまして、生活保護法の基準まるまるもらう場合のことを考えますと大体半額ぐらいになることは仰せの通りであります。しかし実際問題としては、そういうふうにわれわれもらつている人もございますし、またそうでない人もございますから、一概には言えないと思います。ただ年金が生活を保障するに足りなければ、だれにでもあとの足りない額を差上げるというようなことを、大臣が申したのではないと私は思つております。もちろん生活にお困りの方が生活保法護で生活をしておられたといつた場合に、遺族援護の金が入つて来たらどうするかという問題だと思うのでありますが、そういう場合に、生活保護法の法律の建前でありますとか、あるいはこれのできました精神から考えますと、これは生活保護法にも書いてありますように、とにかく最低の生活を国が保障しようというのでありますから、何らかの収入があれば本来これは差引くのが生活保護法の建前だと思います。しかし大臣のお話のように、それを全部差引くということにつきましては若干の問題があるので、運営の上において、何らかの形でそこのところをうまくやつて行きたい、こう大臣が答弁したように承つているのであります。そこでこれを法律に書くということは、生活保護法の建前から申しまして、今のところできないのではないか。そこで大臣の言うように、何か運営でこれを持つて行きたい。それではこの額を幾らにするかということは、仰せのように何らかの基準を示さなければ、末端で不公平な問題が起りますから、これについては何らかの指示をいたさなければならぬと思います。しかし、その具体的な内容につきましては、もう少し遺族援護の案がはつきりいたしましたあかつきにおきまして、今から準備はいたしますけれども、もう少し研究いたしましてお答えいたしたいと思つております。
○岡(良)委員 その点はこの際強く当局に希望をしておきたいのですが、遺族援護に関する法律案も、大体この月末くらいにはわれわれの方に一応提出になるということも聞いておりますので、それまでには、その取扱いはこうありたいまたこうやるという厚生省の方のはつきりした御方針をお示しいただきたい。それがわれわれが法律を審議する場合に重要な参考になりますので、ぜひともしてもらいたいと思います。 そこでもう一つ。なるほど生活保護法は憲法二十五條の理念に基くということで、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を、すべての国民が持つているという建前から、一応最低の生活を国の責任において守るということなんですが、しかしこの中には個人の過失で貧乏になつたという人たちも含まれておるわけです。それから遺族という立場になると、これは兵役法とか、国家総動員法とか、とにかく赤紙一枚、白紙一枚で強制的に、義務として彼らがかり立てられてその公務に基く事故によつて死亡しておるという場合、これは生活保護法の適用は当然のことではあるが、あわせて遺族年金はまるまるプラスする、こういうふうにするのが、はつきりしていいのじやないかと私は思うのです。これは生活保護法の運営の衝に当る局長の考えとして、やはり遺族年金というものは、収入と認めないのだということで、これははつきりまるまるプラスにしてしまう、こういう取扱いはできないものですか。
○安田政府委員 私の考えは、先ほど申し上げました通りでございまして、生活保護法の建前からいいまして、それを全部まるく認めて引かないということは、いかがなものであろうかと考えております。
○岡(良)委員 その程度で終ります。
○苅田委員 私は本年度計上されておりまする生活保護法の予算は、これでは昨年度よりも非常に縮小した計画しか出ていないという点がはつきりしておると思うのです。なるほど予算総額の上では前年度に比べまして三十五億五千万円程度多くなつておるのでありますけれども、しかしその内訳を見ますと、学校の給食費が、前年度はパンなんか無料で配給していたものを、半額父兄が負担するというような、そういう点からしまして、給食費だけでも十四億二千万円からの増加になつているわけなんです。それからこの資料を見ましてもわかりますように、医療費だけの増加を見ましても、これは一点單価の値上げなんかによりまして、二十七億二千万円という増加になつているわけなんです。そうしますと、それだけでは被保護者によけいな恩恵が来るわけではなくて、従前通りの適用を受けたといたしましても、四十一億何千万円かのものが増加しなければならないはずになつておるのでありますから、それが三十五億五千万円程度の増加ということでは、生活保護の運用の面からいえば、逆に非常に縮小しているということが言われるわけです。この点につきまして局長としてはどういうふうなお考えですか。
○安田政府委員 いろいろ数字をあげて御質問になりましたが、給食費につきましても、従来完全給食が一食八円でありましたのを十七円五十二銭に増すように見込んであります。一部給食でありますと、五円でありましたものが十円二十六銭になるように見込んでありますので、大体これでうまく行くのじやないか。たとえば今の十四億という数字も、給食費が値上りになつた分だけの数字であるか、あるいは生活保護法を適用されるものがそのうち幾ら負担するという数字であるかわかりませんけれども、大体私どもの方の計算でありますと、給食費は大体それで行きはしないか。ただ医療費の方は、もちろん先般の単価の引上げも見込んでございますが、私どもこれで決してゆつたりした予算だとは思つておりませんけれども、ひとつ何とかこういつたことでやつて参りたい、こういうふうに考えております。
○苅田委員 この給食費のことは、御存じでもありましようが、今年からは二百七十円くらいになるわけです。これはつまり去年は無料で配給された分が、各家庭の半額負担ということになるので、当然半額負担できない家庭に対する分が増していると思うのです。ですから、被保護者に対しては昨年度よりどれだけ軽くなつたということは言えないと思うのです。それから私が実質的に減つていると申しましたことは、このいただきました資料を見ましても、生活扶助の点では五千万円ばかり減額になつているわけなんです。これははつきりしているわけです。そうしますと政府の方の計画では、今度は基準を七千円に上げるというのですから、従来の六千五百三十一円のところが七千円に上つた。つまり自然増加分だけでも四百大十九円の値上りになつているばずなので、当然その分がここにふえていなければならないはずです。ところが生活扶助の点が引下げになつているとすれば、これは基準を上げてみても、これを実施する場合に非常な制限をやるか、あるいは人数を減らすか以外には、方法がないと思うのですけれども、この点いかがですか。
○安田政府委員 生活扶助が、五千万円と言われましたが、五億が減額になつておるのでありますが、これは実は昨年の実績が、生活扶助の方が下りまして医療扶助の方がふえたということで、昨年の実績を見込んで中の割振りをいたしましたので、こういうことになつたのでございまして、決して生活扶助が減つたから全体的に足りなくなるということはないのです。そういうことで、これで何とかやれるだろうと思つております。
○苅田委員 昨年の実績といいますと、お伺いしたいのですけれども、昨年どういうふうな実績が行われたかということを御存じでしようか。といいますのは、これは至るところでそういう訴えが来ているのです。従来も当然扶助にかからなければならなかつた人たちが、扶助にかかれないという訴えがあつたのですけれどせ、特に昨年の秋、社会福祉主事に民生委員が切りかえられました以後というものは、これは警察的な調べをやつている。たんすの中をあけたり、持物を調べたりして、そういうものを全部収入とか財産の中に書き込んで、非常に厳格な調べをやつている。一般ではパトロール制でやられるということを言つているくらいに、扶助を受ける場合にやつているわけです。(「そんなことはやつていないよ」と呼ぶ者あり)——そういうことをやつていないと言われる方は、幾らでも証人を呼んでお聞きになればわかります。そうでないというならば、一般の声を聞くような公聴会をやつてお尋ねになれば、よくおわかりになると思います。そういうふうにして人数を減らしていることが一つと、それから私おかしいと思うのは、今度基準が七千円に引上げられれは、今までこの委員会でもしばしば問題になつておりましたボーダー・ラインで、今までほんとうは扶助にかからなければならないのだけれども、ちよつとのところで扶助にかかれなかつたという莫大な人が、今度は七千円に引上げられれば、どんどん入つて来るわけなんです。そういう点から考えましても、私はここで人数が減るというのは、非常におかしいと思うわけなんです。どういうわけでこういうふうになつたのか、今の御説明ではどうも私は納得が行きません。
○安田政府委員 私が申し上げましたのは、この生活保護の内訳が、保護法のできました当時におきましては、生活扶助が非常に大きな部分を占めておつた。ところが最近におきましては、だんだん医療扶助というものが大きな部分を占める。たとえば人数にいたしますと医療扶助はわずかに七%ぐらい、ところが金額にいたしますと四一%ぐらい、こういう数字が今私が申し上げました生活扶助の方で若干下降をたどつておるいう説明になるかと思います。 なお具体的に生活保護法を運用して行く場合に、いろいろ不適当なものがあるという御意見でございますが、これは私どももそういう声がございましたならば、十分ひとつ反省いたしまして今後正して参りたいと思います。しかし社会福祉事務所ができまして、そうして一人々々ケース・ワーカーを置いた理由は、そうそう何もたんすの底を探すのが目的ではなくて、一人でも漏れる者があつてはいけない、それから濫給も愼むべきことであります。それから一人々々のそういつた具体的な人をつかまえて、困窮の程度なり、あるいはその生活を指導して行けるようにという趣旨でつくつたものでありますので、私どもが現在いろいろ報告を聞いおりますのでは、だんだん軌道に乗りまして非常に成績がよくなつている、こういうことを聞いておるのであります。しかし苅田委員のお言葉に対しましては、十分私どもも留意いたしまして、今後気をつけて参りたいと思います。
○苅田委員 しつこいようですけれども、私はどうしてもこの点が少し御認識が違うのじやないかと思うのです。というのは、なるほど医療扶助が非常にふえております。しかし医療扶助がふえているということは、これはやはり非常に病人がふえて来た。生活がどんどんよくなつているのに、病人がふえて来るということは、私は考えられない。やはり病人がふえて来るということは、結局生活困窮者がふえているということの裏づけにもなるので、生活保護法の生活扶助の方が減つたことは、これが医療扶助の方へさし向けられたからだということは、その通りには考えられないと思うのです。だから、何としましても、今度の生活扶助の金額が減つていることは、私は一つは、遺家族に対する生活の扶助という面が、別個な遺家族援護の方面に載せられているということもあると思うのですが、しかしそれにしましても、昨日来厚生大臣のおつしやつていることを聞きますと、遺家族の生活は決して杓子定規に生活扶助の規定を適用しないで、できるだけ大幅にゆるく適用するんだというようなことを言つておいでになるけれども、一体そういう予算がどこから出て来るか。この生活扶助の少い予算の中から考えれば、昨日厚生大臣が言われた遺家族に対しては杓子定規に生活保護法を適用しないでゆるくやるんだということも、金額自体が昨年よりもこんなに削られているということになれば、どうしてもこれは実施できない。いろいろな点で、非常にこれは食い違いができて来るので、やはり生活扶助額がこんなに少くては、今年よりももつとひどく、当然かけられなければならない人がかからない、ひどく削られるということができて来るに違いないと思うのです。これは今からでももつと十分な予算を要求して、当然扶助基準が上つて来れば、今までかからなかつた人もたくさん入つて来るのですから、もつと多額な保護費を要求しなければ、生活保護法の建前にうたつてあるその趣旨が通らない。どうしてもそういうふうに思うのです。
○安田政府委員 苅田委員のお言葉の中に、生活がだんだんよくなつて行くのに医療費がふえるというのはおかしい、だからおそらく生活扶助も減るというのはおかしいので、ふえるのではないかというお言葉があつたのでありますが、実は生活扶助は、だんだん生活が少しずつよくなり、所得が多くなるので、減つて行くんだ。しかし医療の方は、御承知のように生活保護法の医療扶助はほとんど大部分が結核であります。結核の長期療養というものは、非常に金がかかつて、少々の収入がふえたぐらいではとうてい問題になりませんし、また結核の治療の内容自体もだんだん向上いたしまして、最近では御承知のように特殊治療というようなもの——たとえば胸郭成形とか、パスとか、ストレプトマイシンとかいうものがどんどん使われますので、自然そういう内容が上つて行くために金額がふえて行くんじやないか。そうしますと、先生のおつしやることをそのままとりましても、必ずしもつじつまが合わぬことはないじやないかと思います。
○苅田委員 私それは押し問答をしないで、社会局の方にはそういう調査ができておるに違いないですから、今度の生活扶助の対象人員は大体どれだけのものか、先ほど松谷委員がお尋ねになつたならば、そういう人数ではしないというお言葉でありましたけれども、しかし厚生省の方では、この人数がはつきり来ておるわけですから、私はずつと昨年度、一昨年度あたりから今年度は大体どれくらいの人員を対象にしておるかということを調べて、今年度は大体どれだけの対象を予定してこの計画を立てたかということを出していただきたいと思う。これは生活扶助だけではなくて、医療扶助につきましても、金額はこれだけふえておりますけれども、これはそんなに多くの人員の増加になつていないと思うのです。そういう点から、私は今度出されました生活保護法の予算というものは、昨年から比べれば非常に貧弱になつておるということが、そういう面からでもはつきりすると思うのです。ですから、ここでこれ以上その点は押問答しませんから、その数字を出していただきたいと思うのです。それにつきまして私はもう一ぺんその点について局長に御質問したいと思います。 それから、ついでにお聞きいたしますけれども、この生活扶助の対象になつております中に、朝鮮人で日本におる生活困窮者がどれくらい対象になつておるか、もし御答弁ができましたら、していただきたいのです。
○安田政府委員 五万七千人でございます。
○苅田委員 今年度予算にも、やはり滞在しておる朝鮮人の生活困窮者の予算を組んでおりますかどうか、その点もお聞きした。
○安田政府委員 私先ほど申し上げましたように、外国人とか、日本人とかいうことではなくて、予算を組みましたのは、結局過去の実績を昨年の七月の数字に伸びとしてかけたということであります。人数も御質問でございましたけれども、そういうわけで、大体現在二百四万でございますが、それが何人いますからどうだということは、実はやつていないのであります。またそれを出せと申されましても、将来のことはちよつとわかりませんけれども、しかし大体伸びは、過去の十箇月なり一年の伸びを、一件当りであるとか、あるいは人員とかいうことを言わないで、金額についての伸びをかけるということで、従来からずつとやつて来ております。
○苅田委員 局長の持つておるその厚い資料の中には、人数も書いてあるのじやないですか。
○安田政府委員 いやいや。
○苅田委員 それはおかしいと思うのです。たとえば生活保護世帯の中には、八万人の未亡人の世帯があるということもはつきりしておるわけなんだから、私はそういうことがわかつていないはずはないと思う。そうすれば、今年の中から大体対象がどれだけになつておるかということは、あなたの方の予算を出す場合には、そういうものを問題にしなかつたとしても、資料としてはそういうものも、これは当然私は入つていると思うのです。それが今ないとおつしやるなら、この次に出していただくことにして、それではお聞きいたしますけれども、今度の予算をお立てになる場合に、韓国人五万七千、これは世帯ですか……。
○安田政府委員 人数でございます。
○苅田委員 この五万七千人に対しては、特別に排除するような操作はなさいませんでしたかどうか。
○安田政府委員 この数字は韓国人の数でございますし、未亡人家庭についてもそうでございます。ただ過去の実績でございます。たとえば今申し上げた数字なら、二十六年の八月十五日現在に韓国人が幾らいるとか、あるいは別な数字から申しますと、未亡人世帯が幾らあるということは、わかるわけでございます。しかしそれが将来どのくらいになるだろうということは、別に計算しておりませんし、また将来もいたすつもりはございません。従いまして、もう全体の数字で行つておりますから、韓国人がどうとか、何国人がどうとかいうことは、別に計算しておりません。
○苅田委員 これは局長も御承知だと思うのですけれども、今度出入国管理令というものが、ポ政令か何かで出まして、これによりますと、韓国人の生活困窮者——これは本国送還というふうなものが出て、今日あたりの新聞を見ますと、日韓会談でも、やはり韓国側の政府は、そういうことをしないでもらいたいということを言つているわけですが、そういう政令が出ておつても、やはり予算の中には、そういう韓国人の生活困窮者五万七千人の人たちが帰らなくてもいいような、それだけのものは含まれておるのだ、こういうふうに解釈してよろしいわけですね。
○安田政府委員 たいへんくどいようでございますけれども、韓国人の五万七千四百三十七人というのは、二十六年八月十五日現在保護を受けておる者が、そういうふうにあつたということでございます。将来の問題につきまして、何国人をどのくらい含んでいるというようなことは、私どもとしては別に考えていないのであります。なお出入国管理令が改正になつたらどうかということでございますが、実は私まだ新米でございまして、そこまで研究いたしておりませんので、ひとつ十分研究いたしたいと思います。
○苅田委員 局長がおつしやつた御答弁によれば、これはそういう分も全部含めた予算であるから、予算的にはそうした従来日本政府でめんどうを見ていた韓国人に対しても、めんどうができるような措置がとつてあるということが、ここではつきりしさえすればよいわけで、ただいまの局長の御答弁は、私はそのように考えるのですけれども、いかがでしようか。
○安田政府委員 先ほどからたびたび申し上げますように、二百四万の中に五万七千四百三十七人も入つておりまして、そういつたような数字を基礎にした全体の総額に対しまして、基準でありますとか、将来の伸びを見込んだ数字でございますので、当然そういう数字は入つておるわけであります。しかし将来も韓国人を適用するかどうかという問題は、私先ほど私申しましたように、これはむしろ私どもの役所の仕事ではなくて、もつとほかのところできまることでございましよう。そういうことにつきまして、私まだ研究いたしておりませんけれども、十分よく研究して行きたいと思います。
○苅田委員 それはそれでけつこうでございます。ただ生活保護法の予算の中には、そういうものも含んでいるということが、社会局長の御答弁の中からはつきりしたということだけで、この点はよろしいわけなんです。ただ私どもは、この予算の総額がこれだけ減つておるのを見ますと、これは必ず大幅に人員を制限するというふうなことが、今後行われるに違いないということが、非常に懸念されるわけなんです。これは私が今申し上げましただけの理由から考えましても、基準は引上げられるし、そうなれば従つてボーダー・ラインというふうなところで今までひつかかつて来た人たちが、どんどん入つて来る。そうすれば、どうしても今までの生活保護法の適用者がはみ出されるということは、尋常一年の数字でもはつきりしていることなんで、こういう点で私は局長の方から生活扶助の対象になつている人員のずつとした趨勢、それから医療扶助の対象になつている人員の趨勢、さつき出すとおつしやいましたが、これはあとから出していただけますね。
○安田政府委員 人数の点は、先ほど申し上げましたように、過去の実績はわかりますけれども、将来の見込みは、何人になるかということは考えておらないのでございます。ただ金額がどのくらいになるかということだけでございまして、今後ひとつよく研究いたします。
○苅田委員 だつて金額が出ていれば、その金額が大体どれだけの人たちに出ているかということはわかるはずなんだから、しいてそんな大したことをしなくても、何万世帯が生活扶助を受けているというような数は出ると思う。私は前にはそういうふうな資料をもらつていたと思うので、どうして今そんなふうなものをお出しにならないのかということが、ふしぎでならないのです。
○安田政府委員 別に隠すとかなんとかというのではないのでして、現在のはわかりますから申し上げます。過去の数もわかります。ただ予算の組み方のことでございますから、予算の組み方は、昭和二十五年の九月から二十六年の七月までにどれだけ伸びて行つたかという数字を出しまして、それを生活扶助とか、あるいは住宅扶助とかという項目別の金額にかけて行くというやり方を、ずつと前からやつておつたのであります。それを私もその通りにやつて来たわけでございまして、そういう趣旨で人数に換算して出せと言われれば、つくつた数字を出すよりしようがない。これは正直なところを申し上げているのです。
○苅田委員 私はそれはそれでけつこうです。現在適用しておる生活扶助には何人しているか、これがやはり二、三年前からさかのぼつてどういうふうにふえているか、ふえているに違いないと思うのですが、そうすれば、私は今後の予算がこれでできるかできないかということは当然わかるのです。私はそれを出していただきたいと思います。
○安田政府委員 了承いたしました。
○松谷委員 関連して——。先ほどから苅田委員も私も、人員の点をしつつこく局長に伺つておりましたが、これは将来の人員を今示していただきたいということは、むしろ言う方が無理でございます。この法律の性質からいつて人員が十分出せるものではないと思いますが、少くともそれを必要とする生活にある者、いわゆる先ほど岡委員の言われた、人間としての生活の基準以下の生活にあるという者は、すべて生活保護法の対象者だと、私どもは解釈しておりますので、局長の人数を出せないという御答弁は、その点を考慮されて、少くともそういう要必要者は、すべてこの対象になるというふうな解釈から、その人員が言えないというふうに私は解釈いたしておりますが、よろしゆうございますか。それを一点伺つて、あと続けたいと思います。
○安田政府委員 予算の基礎になつておる人員を言えということでございますので、実はそういうふうに御答弁申し上げて、作製の際にはそういうやり方でやりましたということを申し上げたのであります。もちろん過去の何年の何月には何人であるというようなことはわかりますから、これは申し上げたいと思います。
○松谷委員 ただおそらく苅田委員もそうだろうと思いますが、私の御質問申し上げたのも、もちろん法律の趣旨がそこにあり、必要であれば国家は当然予算を、本予算にとつてなければ、追加予算でも組まなければならぬ性質を法律が持つていながら、それが具体的な運用の面になつて参りますと、これを運用する末端におそらく行き違いが相当あつたのじやないかと思います。過失において、上司からの大体の指示がこうだから打切らなければならないという、末端に行つての運用の具体的な例が出ておりますので、そういう点の通達なり、あるいは本庁が各地方末端への教育なりあるいは指示の場合に、そういう点をひとつ十二分に、今後とも御考慮いただかなければならないと思うのであります。そういう誤つた法律の運用という点に、ひとつ十二分に御考慮いただきたいと思います。
○安田政府委員 予算がないから、あるいは足りないから、生活保護の適用を打切れとか、あるいは額を減額しろというようなことは、決して申さぬのであります。
○松谷委員 先ほど医療扶助の点で、苅田委員が生活扶助との関連で、いろいろお尋ねしていらつしやいましたが、生活扶助が減つて医療扶助が多くなつたということは、これは苅田委員の言われたように、そこにはいろいろ運用上の齟齬があつて、そして必要な者でも打切られているというような点も、これはなきにしもあらずで、私どももそれは耳にいたしておりますが、そういう問題は別といたしまして、医療扶助が急激にふえているということは、これは生活扶助の方はそれでおちついたけれども、今まで生活扶助を受けていなかつた者も、新たに医療扶助だけは受けられるという、そういう世帯が相当ふえて来たというふうに解釈してよろしゆうございますか。
○安田政府委員 さようでございます。
○松谷委員 それからいま一点伺いたいのは、生活保護法もだんだんと、いろいろ運用上の問題はありながらも、ある程度おちついた方向に向つて来ていると思うのでありますが、その場合に、当局でお出しいただきました資料によりますと、生業扶助が減つております。この点、私はむしろ生活扶助が一応減るということは、これは考えられるのでございますが、生業扶助が、ことに二十六年度から二十七年度には六十万円が二千八百万円に減額いたしておるのでございます。その点が私は解釈に苦しむところでございますが、もう少し実情なりあるいは御計画になつた内容を御説明いただきとうございます。
○安田政府委員 実は実績がそういうことになつたものでございますので、予算も従つて小さく組んであるのでございますが、なぜそういうふうになつたかということは、いろいろ御意見もありますので、ひとつ伺いたいと思うのでありますけれども、やはり一口当りの額が、少し少いということも一つの原因ではないかと思うのであります。それを全部生活保護法で生業資金をまかなうというわけにも行きませんので、三千円を今回四千円にして、それで若干改善された、こういう趣旨でございます。
○松谷委員 これは先ほどから苅田委員も伺つておられたのですが、やはり二十五年九月から二十六年の七月までの実績をとられてのことでございますか。
○安田政府委員 さようでございます。
○松谷委員 今、局長は、どうして減つたのだか、その理由がよくわからないというようなお話でございましたが、私ども聞いておりますところによると、指導の方法が、この生業資金の点は十分に行つていない点があるのじやないかと思うのであります。少しグループ的な場所では、生業資金を非常によく活用しておりますが、個人では、ことに額の点も、今まで三千円借りてみても、というような点もございましたので、この点の指導を、なお一層お考えをいただきたいと思います。それから生活扶助あるいは住宅扶助生業扶助というふうに、いろいろな項目に、当局はすでに予算項目をわけておいでになりますが、ある場合お互いの流用、あるいは具体的な運用にあたつての便宜的な考慮というものは、そこでおつけになることができるのでありましようか。
○安田政府委員 できます。
○苅田委員 途中で他の質問が出たのですが、私もそれと同じことですが、もう一つお聞きしたいのです。つまり六千五百二十一円が七千円になりますと、四百六十九円の値上げになることは、これは局長といえどもお認めになると思うのです。ところが今おつしやつたように、二百四万世帶がいるということでありますが、かりに二百万世帯としましても、これだけでも大体十億円に近い予算が、実績によればそのままいるわけであります。ところがあなたの実績によれば、生活扶助はかえつて減つておるということですが、そういう点だけでも私は非常にわけがわからないのです。
○安田政府委員 六千二百三十一円が七千円でございますから、もつと幅があるわけであります。ですから苅田委員の仰せになるより……。
○苅田委員 十五億になりますね。
○安田政府委員 東京とか六大都市の第一級の土地で、そして普通の標準の家庭で——それより人数の少い者もございましようが、それを一応五人にいたしまして、そして全然収入がないものと見た場合に、これだけだという基準でございますので、実際は一世帯当りが千百円ぐらいの実績でございますから、今の計算をそのまま持つて来るわけには行かないと思います。
○苅田委員 持つて来なくても、基準の額が上るわけでありますし、そのボーダー・ラインにもつとたくさん入るでしよう。今度は、今まで六千二百三十一円で打切られていた人が、七千円まで来るということになれば、ここでまたうんと人が入るわけでしよう。そうすると、あなたのおつしやるのはどういう実績ですか。どうもそこがわからないのです。
○安田政府委員 一々お言葉を返すようで失糺でございますが、基準が上りますと——基準が上つたというのは、物価その他が上つておるわけでありますから、収入も比較的それにつれて上つて参ります。必ずしも苅田委員のおつしやるようにばかりはならないわけであります。ひとつ十分注意して運用して参りたいと思つております。
○苅田委員 その点はさらに人員等を出していただきましたら、もう一ぺん質問することにいたしまして、次にお伺いいたしたいのは、今度は生活保護の基準の問題です。従来の生活保護費は、大体こういうふうに承知しておつたのです。六千二百二十一円のときには、主食が一日一人分が十九円七十銭、副食が十七円、それから調味料が一円七十銭、それから衣類なんかは一月で二十八円、入洛が一月で十六円というような基準だつたように聞いたのですが、新しく今度は七千円の基準になると、こういうことはどういう計算になるでしようか。
○青柳委員長代理 速記をとめてください。 〔速記中止〕
○青柳委員長代理 速記を始めてください。
○安田政府委員 基準の内容については瀬戸事務官から詳しいことを申し上げさせます。
○松谷委員 議事進行でちよつと……。
○青柳委員長代理 これが済んでから……。
○瀬戸説明員 七千円の内容は、大部分が価額の補正でありまして、内容的にふくらみましたのは、家庭薬の増量とそれから入浴回数の増加、これだけであります。
○苅田委員 入浴の回数がどれくらいになつたのですか。
○瀬戸説明員 従来の二回を三回にいたしました。家庭薬の一袋を二袋にいたしました。
○苅田委員 そうしますと、七千円に基準が上つたのは、家庭薬が少しふえたのと、それから入浴の回数が月に二回だつたのが三回になつた、こういうわけですか。——そういたしますと、やはり主食の分が一日が十九円七十銭で副食が十七円というふうな割合になつているのですか。
○瀬戸説明員 基準の改訂の全部は、八百幾らになりますが、入浴回数の増加と家庭薬の増量、この経費のほかは全部飲食費、その他全般の価額の補正であります。
○青柳委員長代理 議事進行について松谷委員。
○松谷委員 ただいま苅田委員の御予定になつておられる質問は、これは全員が資料としてほしいものと存じます。先ほど局長も、私の質問に対して部分的に御答弁いただいたのでございますが、ただいまの事務的な面と全部加えていただいて、そしてその増額に対する詳細な資料を委員会にお出しいただいて、それから委員長にお許しをいただいて、特にこの問題について時間をとつて——全委員もおそらく質問があると思いますので、あらためてこの項目を設けていただきたい。先に一つ……。
○青柳委員長代理 苅田委員、よろしゆうございますね。
○苅田委員 それでよろしゆうございます。次のできるだけ早い機会に、やはりこの問題につきましてもう一度社会局長なり、あるいは大臣なり御臨席願いまして——この基準の問題は、やはり前から相当うるさい問題ですから、やりたいと思いますので、資料を前もつて出していただきたいと思います。
○青柳委員長代理 それではさようとりはからいます。
○苅田委員 生活保護法の予算につきましては、私はあとでいただきます資料に基きましてさらに質問したいと思いますが、何としましても、私は今度とられました生活保護法に関する予算というものが、前年度に比べまして内容の縮小なり低下になつておるということが考えられますので、新たな資料によりまして、さらに質問させていただきたいと考えます。 次に、先ほど私が関連質問のときに、災害救助に必要な経費のふえた理由につきまして、お聞きいたしましたが、そのときに、進駐軍関係の災害に対する見舞金は、終戦処理費に組むという御答弁があつたのですけれども、本年度からは終戦処理費というものがなくなつていると思うのです。そういたしますと、今年度になりまして、つい最近も川崎——これは畑のまん中だつたので、そんなに人畜の被害はなかつたのでよろしかつたのですが、やはりこういうふうなものは、最近非常に多いので、どうしてもその見舞金の問題が起つて来ると思います。今年度はどの費目からそういうものは出されるのでしようか。
○安田政府委員 ちよつと会計課長に調べさせてお答えいたさせます。
○青柳委員長代理 それでは苅田さん、あとで調べてお答えするようにいたさせます。 それでは次に、通告順によりまして金子委員。
○金子委員 私はこの際質問というよりか、お願いしておきたいことが一点あるのであります。先ほど予算説明を伺つておりまして、結核の後保護の施設に対して、遺憾ながら一銭も予算が折衝してとれなかつたというのでありますけれども、これはまことにふしぎな話であります。一昨年来から結核問題が大きくやかましく唱えられて以来、厚生委員会において各委員の意見も一人残らずこのアフター・ケアの必要性を主張しておりますし、大臣も政府当局も、異口同音にこの問題は大きく言葉の上で取上げられているわけです。にもかかわらず、金額が予算の都合上少かつたというのならば話もわかりますが、全然認められないというのは、これは必要を認めないという今の政府の結論である、こういうことになるのであります。そういうふうになる原因は、このアフター・ケアの仕事が、社会局の仕事という形に一応なつておるのでありますが、なおこの関連性というものは、その他の二、三の局にも関連性が十分ありますので、この関連性があるために、あなたの方の熱意がなかつたのかということも、邪推すればし得るわけです。そこで私はただその問題を責める意味で申し上げるのではなしに、本来ならば、ただいま予算審議中でありまして、国会は国会議員の意見によつて、予算というものを最も妥当な方向へ修正することが今の国会の行き方ではありますけれども、その本来の行き方と現段階の国会の行き方とはまつたく違うのであつて、どんな矛盾があつても原案は原案で通す、あとで矛盾は矛盾として考えるというのが、今の国会のあり方でありますので、私は理想を言うのでなしに、現実をつかまえて言うのでありますが、昨年度の国会において、ある農林関係の予算におきましても、実際問題として予算はもうすでに通つた。しかしながら、あとで折衝してみると確かに矛盾であつた。そこでこれは何とか考え直そう、こういうことを大蔵当局とやつて、そうしてさらに八月の補正予算でそれを実行に移したことがあるのであります。そこで厚生省では、今日は大臣がおりませんけれども、さしあたり今社会局の所管に属しますので、至急この社会局が中心になり、また関係の局と相談して、今のとれた範囲内においてアフター・ケアの施設にどれだけ持つて行けるか。要するに、條理をつけた範囲で、どれだけ持つて行けるかということを一つ考えることと、もう一つは、なお第一回の折衝で、今の予算は一応ああいうふうになつたが、本年中に大蔵省が補正をしなければならぬような事態が来ると思いますので、そのときにどういう方法をとれるかというふうな政府部内の政治折衝を一日も早くつけて、これに対してもう少し明るい見通しをつけていただきたい、こういうことをお願いしておきます。
○青柳委員長代理 それでは次に寺島委員。
○寺島委員 私はきよう農地調整法並びに自作農創設特別措置法に関する法律論にからみまして、遺族の農地所有について伺いたかつたのでありますが、農林省の方がおりませんので、次会には当時の農政課長、現農政局長の小倉さん、しからずんば当時の農政局長の山添次官をお呼び願います。 その次に、実は安田さんの速記録をわたり読んだのですが、保険局長としての後半からは、格段の進歩を示しております。そこできようはひとつすらつと御答弁願いたい。この間大臣がそこへ来られて、事務当局をして確かに政府消耗品の優先購入ということを、民業圧迫にならざる限りにおいてさせますということを言われた。吉武さんは労政関係ですが、昔の大厚生省時代は、あなたは御一緒でお仲間であつたはずです。そういうふうに大臣は言明されて、吉武さんはじよさいない方ですからにつこり笑つて席を立たれたのです。当面製品を優先購入にまわすべき対象の養老院とか教護院とか授産場の所管が、私頭が悪くてわかりませんが、あなたの所管でありますか。
○安田政府委員 養老院と授産場は社会局、教護院は兒童局です。
○寺島委員 しからば兒童局長は答えなくてもいいから聞き及び願いたい。教護院とか養老院とか授産場とか、あるいは金子さんの申したアフター・ケアの問題なんかも、あなたも局長になられてずいぶん視察なすつたでしようが、実際問題として、病気をなおすというのはストレプトマイシンとか、・オーレオマイシンとか、パスとかいつた近代化学薬を無理にのませるだけが能ではない。人間として近代社会に復帰して、近代社会が自分を待ち設けておる、自分をもう一ぺん迎えてくれるだろうという気魂と気持を持たなければ、病気というものはなおらない。日本全部を結核病棟にしたつてできない。そこが私どもと見解を異にするゆえんである。ところで、これは最初大臣がお出ましのときに関連して聞いたのですが、これは洋の東西を問わず、近代医学の盲点です。あなたの所管しておられるいろいろな養護設備と同じ場所において、たとえば小さな印刷工場をつくつて印刷屋をやつている、ないしは大いにサービスをして木工業をやつているということですが、授産場なんかは例外的な新設備なんです。これは太宰君に聞きたい。あなたはなかなか一辺倒で、私が厚生委員長のときに六箇條の聞きたい部分があるので呼び出したが、とうとう忌避して壇上に出て来なかつた。今日は出て来ているからけつこうだが、あなた方は厚生省予算の全額から見ると、一日一億五千万円使つている。その一億五千万円の消費のうちで、大臣はやるというのだが、答弁をしてから四、五日過ぎておるのですし、あなたは数字にかけては計算器のようになつておるはずですから、大体どのくらいの見込みがあるか、それを伺いたい。 それから安田さんに聞きたいことは、あなたは優先購入ということで、たとえば松谷さんや苅田さんがるる御説明になつたような施設から生産された品物を、厚生省が若干でもあつせんされたという事実は知つておるか。もしないとすれば、これは解決策がいるのだが、あなたはどう考えておるのか、その辺を明らかにしておいてもらいたい。
○安田政府委員 あまり詳細なこと、私まだ存じないのでありまして、ゆつくり勉強いたしたいと思うのでございますけれども、身体障害者につきましては、私の方で若干買つたり、あるいは他に売ることを世話いたしております。
○太宰政府委員 身体障害者とか未亡人などにつきましては、私になりまして——前からもそうでございますが、厚生省の中に売店などを設置してやつたり、それから若干の金額でございますけれども、買つてくれといつて参りましたときには、極力便宜をはかつている。現在その程度でございます。なお今後とも注意いたします。
○寺島委員 じようだん言つては困りますよ。厚生省に売店をつくつて全国もろもろの人の社会保障ができるというあなたの御答弁を私は開いておるのではない。大臣は四百五十億という金を預かつている。あなたは私よりもからだが大きいでしようが、大きくても倍はないでしよう。四百五十億という予算を一手に引受けておつて自分で所管しておる。安田局長が血の出るような思いをして、金をわれに與えよ、小山君が血を吐く思いをして、援護費をわれに與えよといつて叫んでいるのに、あなた方は何をやつているのか。私は不肯不敏にして厚生省の印刷物について、身体障害者にやらせたものを見たことはない。農林省でもありません。大体外部団体にやらせている。全部商業資本の中に入れております。そして身体障害者にどうだとかなんとか言つても、大臣が民業の圧迫にならないように大いに善処しますと言つても、何になりますか、もう一ぺんお考えを願いたい。 それから社会立法として安田さんに御研究をお願いしたいのですが、日本の国家構造から見て、厚生省の太宰さん一人で大蔵省の主計局の何とか課長と渡り合つても、どうにもならない。政府が社会保障というものを看板に掲げている以上は、やはり農林省と話し合つて、競馬法の一部改正法案を提出して、競馬の利益の中から幾分かを社会機構の方に還元することを考えたらどうか。ところが、厚生省は連絡にも来ないということを、農林省では言つている。一方においては世をあげて競輪、パチンコが流行し、競馬のシーズンの一日の売上げは一億七千万円にも及んでいる。こういうことを見ていただいて、これの何パーセントかは社会機構の中に還元されるのだ、こういうように財源があるのだということを安田さんはよく御研究願いたい。これ以上言いませんが、競馬とか競輪とかいうものがあるのですから、この機会にぜひこういうものを取上げて出してもらいたいと思う。それからさつき言つたように、あなた方厚生省の直接関係の費目から出ている消耗品で、身体障害者から購入されているものは一つもありませんよ。あなたは大日本政府と書いた紙で起案するでしよう。そういうしかるべき文書の紙は、およそ一般商業市場で身体障害者がやつているのですよ。厚生省は一日に四億五千万円も消費して、その何パーセントかは省内消費に充てられるのですから、この点はぜひ厚生省で取上げてやつていただきたいと思います。
○青柳委員長 それでは次に兒童局関係の予算の説明を聞くことにいたします。高田兒童局長。
○高田(正)政府委員 児童局関係の来年度の予算で、二十六年度とかわりましたおもな点をあらまし申し上げます。 社会福祉事務所に対しまする補助金三千万円余りのものは、従来なかつた補助金でございますが、新たに来年度から計上されるごとに予定されております。これによりまして、社会福祉事務所は、御承知のように生活保護法、兒童福祉法、身体障害者福祉法の三法の運用に当るわけでありますが、その兒童福祉法関係の仕事が、従来より円滑に参るかと思うのであります。それから都道府県立の保母養成所に対しまして、八箇所分の増設を見込みまして約七百六十余万円が増額に相なつております。 次は身体障害者対策の関係でありまするが、先般の法律改正をお願いいたしました際に規定を入れていただきまして保健所における療育指導費の補助金といたしまして百七万余円が増額になつております。 その次に、事項別の表で申しますると、五十九番、ユニセフ兒童救援物資の処理に必要な経費、これが千九百万円ほど激つております。これは前年は原綿を向うからもらいましてそれを内地で加工して、着物なんかにして配るという費用を見込んでおつたのを、さようなことは二十七年度として期待されませんので、ただミルクの保管輸送に必要な経費だけを計上いたしましたので、金額が減つたわけでございます。 それから六十番目に参りまして、兒童福祉施設整備に必要な経費、これは約十一種類ほどあります御承知の兒童福祉施設でございますが、その建設自体に要しまする経費が、前年が五億六千二百万円でございましたのが、本年は約三億七千万円、差引一億九千二百万円ほどの減額に相なつております。この点は、私ども非常に遺憾に存じておるわけでありますが、財政の都合上これだけしか認められなかつたのでありますので、この実施にあたりましては、十分注意をいたしまして地方の要望に応じ得るような運用をいたしたい、かように考えておるわけでございます。 その次の肢体不自由兒施設整備に必要な経費、約九百万円ほどふえておりますが、これは本年度の予算のときに御説明をいたしましたように、板橋に国で費用をかけまして建設をいたしまする肢体不自由兒施設の療養のセンターを設けるという仕事を本年度から出発いたしております。本年度千九百万円ほどかけまして建物を建てたわけでありまするが、それを来年度さらに二千九百万円ほどかけまして充実いたしたい、これによりまして、比較的遅れておりまする肢体不自由兒の対策のモデルセンターを建設いたしたい、かような考えを持つておりまして、それに伴う予算でございます。 それから一番最初の五十五番の項目に帰りまして、九千二百万円ほど減つておりますが、これは御承知の保育所の給食に伴いまする経費の減でございます。本年度の初めごろにおきましては、見返り資金の方で買いまして、そうして子供にただでミルクを與えておつたわけでありまするが、年度の途中におきまして、一般経費からその金を支出することになりまして、補正予算で九千二百万円ほどのものが計上されておつたのであります。それが学校給食と同じように、来年度は政府で買つて、ただで飲ませるということはやめることになりましてその関係の経費が約九千円ほど落ちたわけでございます。 大体前年とかわりました主要な点は、以上の通りでございます。その他こまかい点におきましては、ふえたり減つたりいたしたのがございまするが、差引、以上の合計の増減といたしまして、二億五千二百万円ほど前年より減つておるわけでございます。この減りました内容のおもなるものは、いまの保育所の給食の九千万円ばかりと、兒童福祉施設整備に要する経費の一億九千二百万円、これが大きな減になつておるわけでございます。 以上で非常に大かまな御説明を申し上げまして、たいへん恐縮でございますが、一応前年との相違のおもなる点を申し上げた次第であります。 なおこの機会に従来とも特別に皆さんの方のいろいろ御心配をいただいておりました兒童福祉に関する措置費——保護費という言葉を使つて呼んでおりますが、その費用が平衡交付金に二十五年度から入つておりますのを、二十七年度におきましては、補助金の方べ組み直して計上いたしたいという問題につきまして、いろいろと私ども政府内で努力をいたしたのでありまするけれども、一時はその努力効を奏するかと思つたのですが、諸般の事情によりまして前年通りの形で来年度も参ることに相なりました。この点は従来とも御心配をいただいておりましたので、御報告を申し上げる次第であります。
○青柳委員長代理 それでは御発言をしていただきます。
○寺島委員 細部につきましては、ただいまの高田局長の説明を了承いたしますが、ただ一つプリンシプルの問題についてお伺いいたしたいと思います。 先般新厚生大臣は、新たなる施政演説とも目さるべきものを、この厚生委員会の最初において述べられました。これは速記録を点検すれば明白でありますが、その際における厚生大臣の所感は、自分の厚生行政の方針は、これはもとより全部ではないが、大きな建前としては、新しい施設なり、新しい行政措置なりないしは行政立法なり等を行わずに、当面の厚生行政は、現在施行せられておる社会局関係の諸立法並びに医務局関係の諸立法等を充実させる時代である、新立法の時代ではなくして、充実すべき時代であるというように言われておるのであります。しかし、私どもつらつら考えますのに、一升のますの中に二升の水はどうしても盛れないという現実の事態をながめるのでありまして、やはり夫なき妻、父を失いたる子供のために新保護立法が必要なのではないか。たとえば教護院もしくは乳児院等々の施設をふやす、ないしは未亡人につきまして、戰争未亡人であるとすると、新しい援護庁のような問題もありましようけれども、日本の国の現状から見て、大臣の御答弁はきわめて抽象的でありまするが、母子福祉法というような法律をつくられまして、やはりこれが法的な措置を十分に講ぜられることが、望ましき社会政策の現段階ではないか。私は専門家ではございませんが、さように考えるのでございますが、もう少し伺つておきたいと思います。
○高田(正)政府委員 母子福祉法をつくつてもらいたいという要望は、御承知の通り非常に強うございます。私どもにおきましても、子供をかかえた未亡人の方々の御生活が非常にお気の毒な状態にあることを、承知いたしておりますので、何とかさような意味合いの法律をつくりたいということを考えまして、ごく事務的な立場におきまして、以前から研究を続けております。しかしながら、これは純事務的な立場におきまして研究を続けておるにすぎないのであります。しかしながら、片一方におきまして、さような法律をつくつてくれという要望は、日々に強くなつて来つつあります。今後とも私どもといたしまして、その研究を続けて行きたいと考えておるわけでありまするが、この法律を頭の中に描きました場合に、立法の技術の上から申しますと、既存の法則といろいろな関連におきまして、解決しなければならない非常にめんどうな問題がたくさんございます。従いまして、その法律にどういうことを盛り込むかというふうなことにつきましては、非常に今後深い複雑な研究を要する問題があるのでありまして、簡單にどういうふうな法律をつくるつもりであるというようなことは、とても申し上げられないのでありますが、さような研究は今後もずつと続けて参りたい、かような考えでただいまおるわけでございます。
○青柳委員長代理 次に岡委員。
○岡(良)委員 簡單にお尋ねいたしたいのですが、今御説明になつた点、つまり兒童の保護費が、また平衡交付金の中に含まれてしまつたということですが、これは御交渉の過程でどこに隘路がありますか。
○高田(正)政府委員 御質問の御趣旨をあるいはとり違えておりますかもしれませんが、結局現在の平衡交付金制度全般にわたりまする問題と、あるいは地方財政の開き——税制も含めての地方財政でございますが、さようないろいろな広い観点からの総合的な検討というものが行われなければなりません。この問題だけを切り離して処理をするには、非常に取扱いにくい、こういうふうなところに実際の隘路がある、私はかように考えております。
○岡(良)委員 この問題でこの間の大蔵大臣の言明では、生活保護法の方も補助金で出しておる、従つて兒童の福祉に関する保護費も出しておる、私どもの方としては別に何らそういう問題についてこだわらないのだというようなことを、一昨日大蔵大臣は言つておつたのですが、せつかくお互いに各党の諸君にも署名までもらつて、何とか実現を期そうということで、この前の臨時国会で相当やつたのですが、どうも厚生省のがんばり方が足らぬのじやないかと思う。
○青柳委員長代理 速記をとめてください。 〔速記中止〕
○青柳委員長代理 速記を始めて。
○岡(良)委員 それでは、平衡交付金の中で、保護費として見込まれている額はどのくらいですか。
○高田(正)政府委員 正確な数字は覚えておりませんが、約三十六億余りだつたと思います。それが全額でございます。
○岡(良)委員 それから今度の予算と去年の予算とを比べますと、一番顕著に減つているのは、先ほど御説明のあつた社会福祉施設費補助です。これは大体一億ほど減つておるのですが、どういう理由でこんなに減つたのでしようか。実際地方などで見ると、子供もどんどんふえて行くし、保育所の設置について、ずいぶん各方面で力こぶを入れておるようですが、予算の方では結局減つて来ておるというかつこうになると思う。ちよつとふに落ちないのですけれども、どういう関係でしようか。
○高田(正)政府委員 一口に申せば、財政の都合ということでございますが、なおかつ、私どもの方の施設は、御指摘の通り、今後もどんどんふやさなければなりませんけれども、過去において、たとえば二十六年度等は、相当大幅に予算を計上されて、相当ふえておりますので、この金額は減りましたけれども、これも新しく増設をする費用でございます。まあ財政の都合で、ある程度におちついたというふうに申し上げるよりしかたがないと思います。
○岡(良)委員 まことにそういう点は遺憾にたえません。それから兒童に健全な文化財を與えよという声が、母親からも出、新聞の社会面などにも盛んに出ておりますが、この具体的な対策は、どういうふうに準備しておられますか。
○高田(正)政府委員 健全な文化財を與えよという声は、御指摘の通り非常に強うございまして、それに対しまして私どもの方でやつておりますることは、中央並びに都道府県の兒童福祉審議会が、いい文化財を推薦し、悪い文化財に対しては勧告を與えるという権限を法律的に持つております。この機能を活用いたしまして、中央におきましても、地方におきましてもやつておりまするが、主として中央におきまして、出版関係を初めといたしましていい文化財に対しては、中央兒童福祉審議会勧告、推薦ということを決定いたしまして、そうしてそれをいろいろな系統の機関を通じて流しておるわけであります。悪いものに対する勧告の実例は、まだ今日まであまりございません。推薦の方は相当多数やつておるわけであります。まあこの機能を通じまして、いい文化財を與えるということの一助にいたしておるような次第でございます。
○青柳委員長代理 次に、先ほどの苅田委員の質問に対して政府の答弁を許します。太宰会計課長。
○太宰政府委員 先ほど社会局長に対して、進駐軍の事故が起つ左場合の救済費は明年度予算のどこに計上されておるか。これは省で申しますと、大蔵省の所管で、項目は平和回復善後処理費というのが予算書では四百十九ページにございまして、百十億ございますが、このの中に一部含まれておるそうであります。お答え申し上げます。
○苅田委員 これは厚生省関係の予算でございませんから、私これ以上質問いたしませんけれども、私はやはりこういう進駐軍の飛行機が落ちたりしたような事故が、日本人の税金で講和発効後も償われることは、非常におかしなことだと思います。これは非常にけげんだと思うのですが、厚生省関係の予算でございませんから、これについてこれ以上は申し上げません。
○青柳委員長代理 次に兒童局関係の予算につきまして苅田委員。
○苅田委員 私兒局の予算の問題につきましては、昨秋以来の厚生委員会におきましても、率直にこれでは児童局の行政がやつて行かれないから、何とか予算をふやすことに厚生委員会でも協力してもらいたいという苦衷を打明けられまして、平衡交付金を補助金に直すこと、その他私どもも相当これは協力いたしまして、予算をとろうといたしました。そうしてまた熱心にその予算をとることに先頭に立つてやられました高田局長に対しまして、私も今度の予算に対しまして質問をしますのは、非常にお気の毒に思うわけなんです。しかし当面の責任者といたしまし、やはりこれは厚生大臣がおいでにならなければ、高田局長にお聞きするしかないので、お尋ねしたいと思うのですが、今年度の予算は昨年の予算の要求額に対しまして十分の一しかとつていないということを、私はまず第一に指摘したいと思うのです。おそらく十分の一の予算でも、非常に十分だとは思えなかつたに違いありませんが、昨年ああして兒童憲章というような、りつぱなものまでできて、吉田総理が忙しい中をさいて、わざわざ児童憲章の発布式のようなものに向われたくらいであるならば、二十七年度予算にだけは、もう少し児童局の実際仕事ができるような予算が組まれるのが当然だ。私は局長も考えがおありになつてこの予算を出されたと思うのでありますけれども、それが今申しましたように、要求額の十分の一で、総額においても昨年度に比べまして二割八分も減少しているというようなことでは、非常に私はそうした政府の掛声と実際の方面とがこんなにひどく食い違つているということに対して実際驚きと申しますか、憤纈と申しますか、この予算を見たときに、私は非常に腹が立つたわけです。それで高田局長といたしましては、こういうような不十分な予算で、ほんとうに兒童局の行政がおできになるかどうか。私はせつかくあのように予算をとることについて率直に私どもの協力を求められました局長に対しまして、私の方も率直にこの点をお伺いしたいと思うのです。
○高田(正)政府委員 まことに御同情のある苅田先生の御質問でございますが、ただいま御説明を申し上げましたように、総額で相当額減つております。従いまして、私といたしまして、決してこれで十分だということは申し上げられないのでありますけれども、しかし、その減りました内訳は、先ほど説明申し上げましたように、約一億に近いものは保育所給食の経費であります。これは御承知のように政治的に問題になりまして、学校給食と同じような取扱いになつたために、購入費が落ちたわけでありますが、しかしこれとても、保育所給食自体をやめようというのではありません、保育所給食は従来通り続けて参るわけであります。ただ費用の負担というものが、子供を通わせている親御さんの方に若干かかつて行く、それが負担できない人は措置費の方でそれをカバーしている。措置費の方の金額の算定におきましては、そのひつかぶり分を見込んでいる。さような関係で仕事自体につきましては、都合が若干悪くはなりましたけれども、とにかく保育所給食というものはやつて行けるという見通しを持つております。 それから減りました中で、兒童福祉施設の整備の費用が減つたのは、これは私としましては遺憾なところでありまするが、これとても、先ほど申し上げましたように、これだけの経費を十分私ども注意をして上手に使いまするならば、これだけのものがふえて行くのであります。従来のものを維持して行くという経費でありませんで、新たにふえて行く経費でありますから、われわれの行政に十分寄與するようにひとつ使つてみたい、かように考えておるわけであります。 なお先ほど、総額においては減りましたけれども、ふえた部分で申し上げましたような経費が、たとえば福祉事務所に対する補助金の三千万円、これは経費のふえ方は非常に少うございますけれども、しかしこの経費の性格からいたしまして、このために児童福祉行政の進展に影響するところが非常に大きい経費だと私は考えておるのであります。さような意味合いにおきまして、金額におきましては減りましたけれども、従つて満足はいたしておりませんけれども、ともかくこれだけの経費によりまして、私どもの行政を前年度以上に伸ばして行きたいと私は存じておるわけでございます。
○苅田委員 それ以上お伺いしましても、こういう席ではお答えになりにくいだろうと思います。私はもつと具体的にお聞きしたいのですが、今措置費の中に給食費も入つているというふうなお言葉でございましたけれども、これは局長自身が昨年おつしやいましたように、措置費というものが平衡交付金に入つているために、実際は下からたくさんの保育所に対する新設ないし要求があつても、国のそういう平衡交付金から出るべきはずの費用が実際は出ないために、そういうふうなものが全部計画だけで実行されないでいるという実情があつたわけでありますが、そういうものは今年度からは必ず平衡交付金で、こちらがとつた額が兒童福祉行政の方へまわつて来るという何かはつきりしたひもつきのような形ででも、今回はとれることになつたのですかどうですか。この点は昨年とどういうふうに平衡交付金の兒童局に来る分が、質的にかわつたかという点について、御説明願いたいと思います。
○高田(正)政府委員 平衡交付金制度の建前からいたしまして、今苅田先生がおつしやつたようなひもつきというようなことは、とうていできないわけでございます。従いまして、平衡交付金に入つておるということは、基本的には、昨年と事態は本質的にかわらな。いということに相なるわけでございます。従いまして、その点は前から申し上げておりますように、私ども責任当局者といたしましては、これを補助金にとりもどしたいということで、努力をいたしておつたわけでございますが、今申し上げましたような結果に相なつたわけでございます。ただ、さよう申しますると、非常に悲観的なものの見方をしておるようなことになつておりますけれども、平衡交付金制度も、運用をされましてから来年は三年目でございます。従つて、模様を見ておりますと、地方当局もだんだんその制度になれて参りまして、あるいは関係者——地方当局だけでなく、中央におきましても、だんだんとなれて参りまして、当所よりはだんだんとよくなりつつあるのじやないだろうか、来年度あたりにはもう少しよくなつて行くのじやないだろうかというふうなきざしのあるところが、府県によりましてはございます。それに加えまして、私ども中央の関係、地方財政委員会ということになりまするが、地方財政事務当局と私どもの折衝というものを、従来以上に緊密に連絡をとつてやつて参りますることによりまして、平衡交付金制度がわれわれの行政に與えておりまする弊害を少しでも少くして参りたい。二十七年度におきましては、これはやりようによつては、二十六年度よりは、あるいはよくなるんじやないだろうか、よくしたい、かように今日考えておるわけであります。
○苅田委員 局長が御希望になつている点は、私どももよく理解できるのでありますけれども、しかし残念なことに、昨年度よりは兒童福祉行政の方に平衡交付金が確実にまわつて来るという見通しは、今の御答弁からもうかがえないわけなんです。かえつて平衡交付金について、そのように安易に考えておいでになることは、私は非常にどうかと思うのです。ここに、これは兒童福祉財政研究会というので、代表責任者の中には徳永恕さん——これは御存じのように、長い間子供の問題で親がわりになつて考えておいでになつておられる、皆さんよく御存じの婦人なんですが、この人たちが、どうしても今の子供の状態を見捨てておかれないから、来年度の平衡交付金は必ず補助金にかえてもらおうという運動を、国会内外に呼びかけて、それに対してこういうふうな印刷物を出しておいでになります。これによりますと、国会議員、地方議会議員、それから政府、政党、国会の関係当局はもちろん、数十名の兒童関係婦人団体、P・T・A、新聞雑誌、各方面の有力者に送付申し上げるというように書いてありますから、おそらく高田局長もよく御存じだろう、同僚議員の方も皆さん御存じだろうと思うのですが、これを見ましても、やはり平衡交付金に兒童行政の主要な予算が入つてしまつたということに対しましては、私どもはただいま御説明を伺つたわけでありますけれども、これだけではやはりどうも納得できないわけなんです。それでもう一ぺん速記をとめてもよろしゆうございますから、なぜ兒童の措置費を平衡交付金からはずすことが、生活保護法との比率の問題であつたり、平衡交付金の体制をくずすということになるかということについて、御説明願いたいと思うのでございます。
○青柳委員長代理 先ほど速記をとめての懇談と同じことらしいのですが、どうでしようか、この問題は大きい問題でありますから、きようここではこの程度にしておきまして、この問題を他の機会に讓られた方がいいのではないかと私は思うのでありますが、いかかでしようか。
○苅田委員 この問題はただいま委員長もおつしやつたように、ほんとうに本年度の兒童局の仕事ができるかできないかということの大半が、こうした問題にかかつておると思います。あとでお伺いしたいと思つておつたのですか、今度の予算では、従来までは兒童局の予算に入つておつたものが、新たにまた平衡交付金のわくに入つておるものがあるのではないかと思います。たとえば不良兒、孤兒及び浮浪兒等の保護に必要な経費というのが先年度も予算に組まれておりまして、今年度はこれに対しまして一億九千五百万円余りのものを要求しておりますのが、新しい予算書には全然入つていないということや、保育所及び母子寮等に必要な経費というものがやはり今年度は——保育所のことはちよつとお話がありましたが、その他は別の項目に入つておれば私の思い違いですが、どういう項目に入つておるかということを説明していただきたい。これも少々の額でなく、前年度、二十六年度の予算に対しまして七十倍にも上るような五億一千百十三万円というようなこうした数字の要求額があつたにもかかわらず、これが新しくもらいました予算には全然入つていないので、私はこういうものも平衡交付金の中に新たに入つたのかどうか、それとも本年度は、今申しました不良兒、浮浪兒などに必要な経費がなくなつてしまつたのか、この点をお伺いしたいのです。それでなくとも、三十数億というような平衡交付金の額がどういうふうになるか、これは私はやはり政府の考えておる児童局の行政が行われるか行われないかの大きな問題になりますから、どうぞ大蔵大臣とか、そのほか関係の政府委員をお呼びになりまして、日をあらためて、この問題についてもう少し質問もしたいし、委員会に諮つていただきたいと思います。
○青柳委員長代理 それではこの問題は理事会に諮りまして、今後どういうふうに扱うかということをきめていただくことにいたそうと思いますが、それでよろしゆうございますか。
○松谷委員 やはり関連してですが、私は兒童局に対する予算についての根本的な問題は、やはり厚生大臣あるいは大蔵大臣、また大蔵関係、そういう方々に御出席をいただいて——理事会で当然そういうことになると思いますが、ぜひこれは重要な問題でございますから、委員長のおはからいで、そういう機会を適当におとりいただきたいと思います。その上で私も予算の根本的問題についての質問をさせていただきたいと思います。
○青柳委員長代理 それではこの問題につきましてはいずれ大臣が出席されましたときに一応質問せられてもよろしかろうとし、また理事会へ諮りましてこの取扱い、たとえば母子福祉の小委員会もできますから、そこへまかすか、いろいろの手段があると思いますが、小委員会にまかすということにいたしてよろしゆうございますね。
○苅田委員 これはやはり小委員会ではなくして、厚生委員会としては大きな問題と思います。ただこれは議会の中だけでなく、議会の外が、もつとやはり真剣にこのことは皆が心配しておるものであります。理事会へお諮りになつて、いつ何日開くということの手続になつておるならよろしゆうございますが、やはりこれはほんとうの委員会でもつて質疑させていただくようおとりはからい願いたいと思います。
○青柳委員長代理 この問題につきましては、前国会の際に厚生委員会の意思を決定してありまするから、ただいまの御発言のようにおとりはからいいたそうと思います。
○苅田委員 先刻の質問の中でも申しましたのですが、昨年度も計上されており、今年度は昨年度の二十八倍になる一億九千五百万円余の予算を要求されておつた不良兒とか孤兒とか浮浪兒等の保護に必要な経費はどういうふうになつておりますか。この問題について、兒局としては、どういうふうに処置なさるおつもりですか。お聞きしたい。
○高田(正)政府委員 今御指摘の不良兒、孤兒等という事項と、保育所に関する事項、そういうふうに前年は掲げておりましたけれども、本年度におきましては、五十六の兒童福祉事業に必要な経費一本にまとめたわけでございます。従いまして、その経費といたしましては、前年の一億一千九百万円に対しまして、約四千三百万円ほどふえておるということに相なつております。そういう事項を特別に立てませんで、一本にまとめたわけでございます。従つて、御心配のように平衡交付金に入つてしまつたとか、あるいは減つたとかいうことはないのでございます。大きく動きました点につきましては、私最初に御説明を申し上げましたときに、全部重要な問題につきましては、触れて御説明を申し上げてあります。
○苅田委員 そうしますと、二十六年度は兒童福祉事業に必要な経費というのと、それから今申しました不良兒とか何とかに必要な経費というのとは別個に要求してあつて、そしてこれが今年度は一本になつているにいたしましては、やはり昨年よりも非常に経費が少くなつているということがすぐ見当るわけです。そうしますと、どういうふうな内訳になるのですか。この内訳は、従来の兒童福祉事業に必要だつた経費に、本年度はどのくらいをわけられて、それ以外に別個になつている特にそういう問題児に対しての経費は、今年度はどういうふうになつているか、これをもう少しお聞きすれば、もつとはつきりすると思うのです。
○高田(正)政府委員 兒童福祉事業に必要な経費として、五十六に掲げられてありまする経費の内訳を御説明申し上げますならば、兒童相談所の補助金が七百六十二万八千円、これは前年と比べまして八十六万八千円の減になつております。これは拡張修繕費の減でございまして、仕事につきましては別にさしつかえはございません。それから次は一時保護所の補助金が一億七百五十三万六千円ということになつておりまして、昨年の補正額と比べまして五百五十四万三千円の増額に相なつております。三番目が先ほど申し上げました社会福祉事務所に対する補助金でございまして、これが三千七十五万円ということになつております。これは昨年は全然ございませんでした、まつたく新規な経費でございます。それからその次が兒童補導補助金、これが百万円でございまして、前年と増減はございません。それからその次が職員養成施設の補助金でございまして、これが千五百九十一万六千円、昨年との比較は七百六十七万二千円の増でございます。これは先ほど御説明申し上げましたように、八箇所増設いたしました分の経営費の補助金をここに新たに計上いたしましたので増加いたしたわけでございます。これが五十六の兒童福祉事業に必要な経費の内訳でございます。 なお、先ほど私は、前年度ありました孤兒、不良兒云々という事項と、それから保育所等に要する云々という事項とが、全部児童福祉事業に要する経費の中に一本になつたと申し上げましたが、もう少し正確に申し上げますると、それらのうちで、あるものは五十五の児童局の一般行政に必要な経費の中にも入つておるのでございます。本年度の事項の立て方は、本省で金を取扱いまする本省の経費と、それから地方に流して使いまする経費と二つにわけたわけでございます。それで本省の支出官によつて扱いまする経費は全部五十五に入れまして、その他のものを五十六にかためて一本にくくつたのでございます。さようなくくり方の改正をいたしてありまするので、今御質問のような御心配が出て来るのかと思います。
○苅田委員 ただいまの御説明で大体わかりました。ただ、おそらく不良兒なんかの問題につきましても、こういうふうな予算で非常に不十分だと思いますことは、政府は新年度には昨年の二十八倍の額を要求しておいでになる。これも決して出たらめに要求したのではなくて、とにかく兒童憲章も発布されたし、戦後六年にもなつて、そういう不良兒とか孤児とかいうものの措置も、十分しなければならないというところに来ておる。そういう観点からこういう予算を要求されたに違いないと思うのですけれども、それが今お聞きしました程度で、実際兒童局が考えておいでになるような施設なり、あるいは事業のそれこそ十分の一もできないように、これは要求なさつた予算の面から見れば、なつておるわけなんです。私はこういう点で、今度の厚生省関係予算に一般にいわれると思うのですが、特に兒童局の予算が、各項目にわたつて——多少ふえているところもありますけれども、ほとんど各項目にわたつて削られて、しかも総額において私がさつき申しましたように、昨年と比べて二割八分の今年の物価の値上りを引けば、これは当然二割なり三割なり余分にもらわれて大体前年通りのことが踏襲できると思うのですけれども、そういう実情にあつてそれが逆に物価の値上り分だけくらい削られておるというような今年度の予算の組み方というものに対しまして、ここでも非常に不満があるわけなんです。結局政府が考えておるような再軍備、すでに戦争準備のために直接児童が犠牲にされて、一番発言力のないところに予算のしわ寄せがせられておるという形まで来ているわけで、私はこの問題に対しては、きようこれ以上ここで申しましてもしかたがございませんから、いずれこれは平衡交付金の審議の際に、大蔵大臣なり大蔵省の関係当局なりが見えることでありますから、その際もう一ぺんこの問題についてはさらに追究して行きたい。せつかく遺家族の方はどうにか、とにかく形だけでもなろうかというときに、兒童局の方ではこんなにひどく削られてしまうということは、やはりこのままではいけないと思います。しかし、この問題はおそらく高田局長も同感の点があろうと思いますので、あなたにお伺いしても、きようは率直なお返事も聞かれますまいと思いますから、今度大蔵大臣が見えたときにもつと質問したいと思います。私は、局長としても、もつとこういう点については強く要求されるなり、したけれどもだめで、自分は遺憾だというくらい、やはり委員会でおつしやるべきだと思う。厚生大臣は、ああして国家の責任が果せないといつて辞職しているのだから——私は何もあなたに辞職してもらいたいというのではありませんが、今度の予算はこれでけつこうだということは、少くとも局長だけは言わないで、この点についてはもつと訴えを聞きたかつたと、こう思うわけであります。 それでこの次までに資料をお願いしたいのですが、それは今不良兒、浮浪兒、孤兒、こういうものの現在の数やら、これに対する施設、それから昨年度こういうものに対してどれだけの施設が予定されておつて、それが現在までどれだけできているか、これについて見通しはどうであるかというようなこと、こういうふうな資料を出していただきたい。これはなお母子寮等におきましても、やはり最近の数、今年度の計画、それの進捗状態がわかるようなものを出していただきたいのであります。
○青柳委員長代理 それでは次に松谷委員。
○松谷委員 根本的の問題は他の機会に讓りたいと思いますが、ただいま苅田委員の触れておられたように、私はこの予算を拝見したときに、あるいはまたこれが国民の中にうわさをされましたときに、声のない声は相当落胆し、そこに具体的に困つている母親なり、子供なりが相当あることは、局長は御想像になつておられたと、私は想像しておるのであります。あるいはまた一生懸命予算獲得に御努力くだすつた局長初め局の方々が、この予算を受取られて相当困惑されたものと思つて、実はこの委員会に臨んで来たのであります。事実はそうだと、私は今も信じておりたいのであります。どうも先ほどの苅田委員のお話のようになりますが、何か局長が、不満足ながら何とかやつて行けるという、これは官の立場として、こういう委員会の席上において、しかも速記のある場合に、そういう泣言、あるいはあまりに事実の発言がないということは十分了といたしますけれども、しかし今日一方には兒童局がどうなるかということが二、三年前からうわさされており、これは私ども一番それを心配する。弱い力ながら、全国のお母さんや子供たちが一生懸命ささえ上げている場合に、その場合、もう一つ局長強いことをおつしやつていただきたい。正直なところをもう少し訴えていただくことが、またこの委員会が強く立ち上れる一つの大きな力にもなるじやないか。その局長の意見はいかがであろうとも、とにかく委員会は立ち上らなければならぬところまで来ております。しかし局長も、今までの強いその御要求の態度を、なおひとつ今後もはつきりと局長として示していただきたいと思うのであります。これは質問じやございませんので、私の希望にさせていただきます。 なおこの際、次の機会に質問させていただく場合の参考として伺つておきたいのですが、先ほどの平衡交付金の問題でございます。これはおそらく局長も補助金の方が法律的にいいのだという観点に立たれて、私どもと一緒にあの強い要求をしてくだすつたのであると、私は考えているのでございますが、先ほどの局長の御発言によりますと、何かどうも平衡交付金でも、まあ幾らかずつでもよくなるじやないか、おちつくじやないか。私どもは補助金にするか平衡交付金にするかということは、相当根本的な問題だと考えているのでございますけれども、局長のお考えは今日では変化がおありになるのかどうか、その点をひとつ伺つておきたいと思います。
○高田(正)政府委員 私どもの方の保護費——いろいろな経費がございますけれども、食い扶持を含んでおりまするいわゆる保護費と呼んでおります予算三十六億のものは、これは補助金にすべきであるという根本的な考え方につきましては、従来とかわつておりません、従来と同じ立場でございます。しかもまた平衡交付金も、理論的にも補助金にすべきであるし、現実の運用の面におきましても、補助金の方がうまく行くということを確信をいたしております。ただ先ほど申し上げたのは、遺憾ながらかようなことに相なつた、二十七年度のあかつきにおいて、われわれといたしましては平衡交付金の中において運用をいたします場合におきましても、従来よりも少しでも前進したいという意図を持つております。またその努力をしなければならぬと考えておりまするので、さような点、気持を申し上げましたようなわけでございます。根本には何らかわつておりません。
○松谷委員 そういたしますと、兒童局とされては、なお今後も補助金への運動は従来通り、なお従来より一層強力にお続けくださるというふうに解釈してよろしゆうございますか。
○高田(正)政府委員 所管局長といたしましては、十分その努力を今後もいたしたいと、こう考えております。
○松谷委員 次に伺いたいのは、六十番の先ほどから問題になつておりました施設の減額の点でございます。約二億に近い減額を具体的に受けまして、先ほど局長のお話では、内容的に何とか注意しながらやつて行けば、うまく行けるのではないかというお話でございます。もう少し具体的に伺いたいのでありますが、この二億は大体何箇所ぐらいになるか。こういう質問はあまり抽象的でお答えがいただけるかどうかと思いますが、御要求になりました大体の施設の箇所でございます。増設の箇所は何箇所と見積られておつたのか、二億減らしますと、どの程度になるかということを伺つておきたい。
○高田(正)政府委員 要求をいたしました金額は、大体覚えておるのでありますが、その箇所数、施設の種類が非常にたくさんあるものでございますから、私記憶をいたしておりません。きまりました三億七千万円を大体こういうふうに使つて参りたいというようなことにつきましては、ただいま資料を持つております。私がこの使い方いかんによつては、上手に使つて参りたいというようなことを申しました意味は、従来は補修というようなことにもこの経費を相当支出いたして参りましたけれども、さようなものはできるだけ地方の経費でやつてもらいまして、新設いたしまするとか、新しく教護院の寮舎を新築いたしまするとか、そういうふうに実際に子供を収容する能力を拡大するというものにのみこの経費を使つて参りたいということが一つと、それから法律に許されております範囲内におきまして、この施設等につきましては中央の補助金の率を若干下げまして、少い金額の中で箇所数をふやして行きたい。——これはもちろん法律に許されている範囲内でございますけれども、さような操作をやることによりまして、一億の金額の減というものを実際の仕事の上でカバーをして行きたい、今かような心づもりでおりますので、さようなことを意味してあのようなことを申し上げた次第であります。
○松谷委員 それでは、先ほどお尋ねいたしました、最初御計画になつて御要求になつた箇所数と、本年度この程度でできます箇所、そうしたものを、次の機会に資料としてお出しいただきたいと思います。 それから六十一番の施設の費用でございますが、これは人員はどのくらいの収容を見積つておいでになるのですか。
○高田(正)政府委員 これは百ベッドでございます。
○松谷委員 他の質問は次の機会に譲ることにいたします。
○青柳委員長代理 それでは本日はこの程度で散会いたします。 午後四時五十二分散会