厚生委員会 第4号
- 発言数
- 57 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1952/01/31
会議録
○青柳委員長代理 それでは会議を開きます。 委員長が不在でございますので、私が委員長の職を務めます。 本日は、公衆衛生局長に対する質問を続行いたします。
○堤委員 昨日の福田委員の受胎調節の問題に少し関連するのでございますが、福田委員も御指摘になつておりましたが、今日の優生保護法における受胎調節というものは非常に疑義がたくさんあると思うのであります。もちろん性道徳の紊乱ということも考えなくちやなりませんから、そう簡単に、昨日局長がお答えになりましたように、わくを広げるとか、また改正の点をどうするとかいうことは、論じられないといたしましても、今日の状態を見ますときに、逆淘汰的な実施になつておると申しても、決してこれは過言ではないと思うのであります。逆淘汰ということを、少し説明いたしますと——実はわかりやすく申しますれば、ことに農村などで申し上げますれば、はつきりするのでありますが、民族優生、母体の保護の見地から、農村の今日の受胎調節はどうかという問題を考えてみますと、厚生省自体の指導も、予算の関係から、現場において非常に薄うございますし、いろいろな問題で、実際に受胎調節をしなければならない人たちが、できておらないで、そうしてもう教えなくても早くからやる人は、別に優生保護法ができなくても、自分たちで計画的に産んでおるという、この問題でございます。実際徹底しなければならない、受胎調節の啓蒙教育をしなければならない対象に、真に指導教育ができておらないという点が非常に今日の盲点ではないかと私は思うのでございます。全国婦人会、PTAなど、いろいろな会合に出ますけれども、いまだかつて適切な指導が行われておつたのを見たことがない、というのは極端な言葉かもしれませんが、あるのでございまして、真にまじめな意味で私たちがいい本を奨励し、そうしていろんな方法について、ある程度の啓蒙を民間団体などにやつておりましても、実際は、経済的な面もございまして、優生保護の立場からほんとうに受胎調節をやらなければならない人たちが、ことに地方において徹底しておらないといううらみがあるのではないか。私はこういう点特に、いかに法律がございましても、真に受胎調節をやらなければならない対象に徹底しないような、今日の優生保護法の運営の方法並びに厚生省の窓口というものに対する検討を、まじめにしなければならないと思うのでございますが、これに対する局長の御意見を一応承り、そうしてさらに今年は積極的な方法をお考えでございましたならば、せつかくこうして多欲に予算もお組みでございますから、円とかしていただきたいと思いまして、希望を持つものでございます。
○山口(正)政府委員 ただいま堤委員から御指摘の点、まことにごもつともでございまして、私ども厚生省として調査いたしました状態、あるいは厚生省の一機関であります公衆衛生院におきまして、農山漁村に入りまして詳細にいろいろ調査いたしました結果によりましても、ただいま御指摘の通りほんとうに受胎調節を行わなければならはい人たちが、どうやつていいかわからないという状態が、現実に現われて来ているのでございます。今回受胎調節を普及して行かなければならないとう計画のもとに御審議願います予算と計上いたしましたのも、主として重点をそういうふうな実際に受胎調節をやらなければならないが、どういうふうにしてやつていいかわからないというような、あるいはいろいろむずかしい講釈を聞くけれども、実際に農村の家庭にはそういうむずかしい方法ではなかなかできないというような声をよく聞きますので、そういう点、実際に生活状況あるいは経済状況に応じて実施し得るような方法を、農山漁村の方々まで、徹底させて行きたい。そういう点に重点を置いて、今後の普及計画を立てて行きたい、そういうふうに考えております。従いまして、今後の予算の使い方につきましても、特にそういう点に重点を置いてやつて参りたいと存じております。昨日も御説明申し上げましたように、今回受胎調節の普及をいたします場合のやり方といたしましては、広報活動はもちろんでございますが、主としてグループ・ワークあるいはケース・ワークを通じて、実際にどうすればいいか、どういう方法が一番いいかというようなことを、そういうことを希望しておりながら知らない人たちに対して、徹底させて行きたい、そういうことを考えているのでございます。
○堤委員 そうすると局長は、このために新たな人員でも配置して、去年まではやらなかつたけれども、今年から特別にこういうものをというような、具体的な計画をお持ちでございますか。
○山口(正)政府委員 このために人員の配置あるいは増加というようなことは、考えておりません。昨日も申し上げましたように、主として実地指導をいたします人たちは、指定医あるいは産婆、助産婦の人たちに特別な講習をいたしまして——特にお産に関する仕事をしておつて、そういうふうな相談を受けやすい、あるいは実地指導をしやすいというような立場にあります助産婦に、一定の講習をいたしまして、そういう人たちに実際の家庭を指導してもらいたい、そういうふうに考えております。
○堤委員 受胎調節の問題から、これは当然助産婦の職業の問題に結びついて来るのでありますが、もう少し公衆衛生局長あたりは助産婦というものを、ただいまちよつとお触れになりましたけれども、この方に方向転換させて、もつと徹底した指導員としての教育をなさるということが、目下の急務ではないかと私思います。それで、もし局長がただいまお触れにならなければ、それを強く主張しようと思つたのでありますが、幸いそういうお考えをお持ちでありますならば、ひとつ徹底的にやつていただきたい。 もう一つは、一般保健所へ参りまして、保健所の窓口だとか、実際にこういう面の第一線に活躍をしておられるところの公務員の方から、常にこういう陳情を承ります。実際保健所へ行つてみて、政府の予算を生かして、十分やりたいと思うけれども、ほんとうに予算が少いのと、それから人間の数が少いのとで、自分一人もがいても、どうにもならないので、しかたがなく、あれよあれよと言う間に一年が済んでしまうというようなことを、保健所の方々、ことに女の指導に当られる方々が私たちに申されるのであります。ことに今年は、公衆衛生の面から見た行政は、あるいは行政機構の改革であるとか、また行政の簡素化などの面から、ずいぶんまないたの上にあげられております。今までも、民度の最も低い大衆の生活改善をするための衛生的な指導をして参りましたが、それを今後一層発揮しなければならないときにあたつて、一沫の不安を感ずるものでございます。局長としては、その辺今度の予算は、ただ額の上においてはふえておるように思いますけれども、昨年の物価と今年の物価とを勘案いたしますときに——これは総額におきましても八千五百二十七億に増額いたしております予算で、昨年よりは金高においてはもちろんふえておるということは、どの面にも言えることでございますが、單にそろばんで見、数字で見て、ふえておるから、公衆衛生の面が等閑視されていないということは言い切れないと思うのでございます。不幸にも今度の予算は、こまかい面に対して、公衆衛生局長が御要求になつたところの要求額というものと比較する欄がございませんので、残念に思いますが、実際つつ込んだところ、ひとつ御所見を承りたいと思います。
○山口(正)政府委員 最初に、助産婦をこの受胎調節の仕事に關與してもらつて、活動してもらうということを、ぜひやるようにというふうな御指摘でございましたが、先ほども御説明申し上げましたように、この問題につきましては、先般来私どもといたしましては、助産婦会の方と連絡をとりながら、十分にこの方面に一役買つてもらうようにというふうな努力をいたしているわけでございます。 それから公衆衛生関係の予算額においては、昨年に比較いたしまして二十億ばかり増加いたしているのでございます。しかし先ほど御指摘ございましたように、物価騰貴その他の関係で、必ずしも内容がそれだけ広がつたというふうには考えられない、これはごもつともの点でございます。私どもといたしましては、国民の福祉、公衆衛生の向上というために、どうしても公衆衛生に関する予算を増額して、国民の福祉をはかつて行かなければならないという建前から、いろいろ従来の仕事を拡張し、あるいは新しい仕事を考え出し、新しい仕事をやり出すというために必要な予算を、相当額要求したのでございます。要求額は、公衆衛生局関係では百億余り要求したのでございますが、いろいろ国全体の財政の関係で七十億だけに縮小されたのでございます。しかし昨日も御説明申し上げましたように、結核対策は大体昨年の線に沿つてやつて行く、保健所も、新設の数は少うございますが、内容整備に重点を置いて、実際の保健指導をやるような態勢を整えたいということ、それから伝染病関係の問題につきましても、引続いて伝染病舎の整備というようなことも相当やれるような予算が計上されております。また新しい仕事といたしましては、ただいまの受胎調節の問題、あるいは保健所における食品衛生をやります場合、科学的に食品衛生指導ができるというための予算を若干組んでもらつております。そのほかは昨日申し上げましたように、簡易水道の予算を一億余り計上してもらつておる。そういうふうに、全体として私どもが最初に希望いたしましたほど伸びることはできなかつたのでございますが、ある程度新しい仕事もつけ加えて、公衆衛生の仕事を今後進めて行きたい、そういうふうに考えております。
○堤委員 くれぐれもお願いしておきたいのは、日本の母、主婦の衛生に関する観念は非常に低調でございまして、私先般アメリカなど見て参りましたのと比べて、およそ見当もつかないほど低級なものでございますから、特にお願いしておきたいのは、台所を持つところの女の人の啓蒙ということは、公衆衛生局の方々の重大な任務ではないか、私はかように存じておるわけであります。あちらの百貨店などへ参りましましても、公衆衛生局が積極的にやつておるのが、一つの販売しておる品物に現われておるというところまで行き届いているのでございます。日本の主婦自体も、ただ漫然と買物をいたしますし、また衛生管理にいたしましても、実に不衛生きわまる子供の教育をしておるというように、まだ改善せられておらないと思いますので、ひとつ公衆衛生局の方では各都道府県に措令されまして、国辱であるところの今の非衛生的な生活を解消するように御指導願いたいことを、特に主婦の立場からお願いいたします。
○苅田委員 まず第一番に結核対策につきまして、ただいまも結核の対策費は、本年も前年に引続いて十分な費用を、要求したし、この費用をとつているというふうに御説明になつておるのでありますが、なるほどこれは絶対数の上から言いますと、昨年の八十七億九千万円に比較いたしまして、本年は百三億四千万円というように、十五億余の増額となつておるのであります。ところが、御承知のように一点単価が一割五分引上げになつておりますし、それから、これはもし間違つていれば、あとで局長から御訂正願いたいのですが、職員のベース・アップにおきましても五、六億の値上げができているのじやないかと思うのです。それから医療費のストマイとかパスとか、そのほか成形手術などのためにとられました費用でも、昨年の半年分に比べまして今年は一年分を計上しておる。そのまま一年分を計上しておるだけでも、九億くらいの増額になつておるので、そういう点を比べますと、昨年の事業を継続するだけでも、私は今年の結核対策はやれない、むしろ昨年よりも結核対策としては減少になつておるというふうに考えるのですけれども、その点いかがでしよう。
○山口(正)政府委員 結核対策費全体を昨年と比較いたしました額につきましては、先ほど苅田委員の御指摘の通りでございます。結核の医療費の方につきましては、昨年は八億八千二百万円ございましたのが、今年は十九億二千四百万円、それから結核療養所の増床分が、昨年は十一億七千五百万円でございましたのが、今年は十億七千九百万円、それからその他の諸設備費が昨年は八千八百万円で、ございましたのが一億四千九百万円、結核療養所の経営費が昨年は五十五億一千百万円でございましたのが、七十億一千二百万円というふうな内訳になつております。ただいま御指摘の点、ただ金額は実際はふえているけれども、医療費は昨年は半年分であつたのが、今年は一年分見なければならぬし、職員のベース・アップの点もあるしするから、実際額はふえているけれども、はたして二十六年通り二十七年度がやつて行けるかどうかというふうな御質問でございます。事業費の点につきまして健康診断、予防接種の点は、昨日も申し上げましたように、二十六年、二十七年度大体同じ人数だけやれるような予算を計上してもらつております。それから医療費の方は額にして約倍額ちよつと越しておるのでございます。これは半年分を一年にふやしたのでございますが、二十六年度の医療費の給付状況から見てみますと、まだ二十六年の十月から開始いたしました仕事で、ございまして、初めのうち各都道府県における予算化の状況が、出だしが十分でございませんでしたので、確実なことはわからないのでございますが、大体二十六年度に計上していただきました予算の範囲内で、医療費の公費負担がやつて行けるというふうな見通しでございます。従いまして、二十七年度の状況は、十月から始めました現在までの状況から推察いたしますと、大体今回計上していただきました金額で、やつて行けるのではないかというふうに考えているのでございます。さらに先日来私どもの事務当局の方でいろいろ検討いたしておりますが、ストマイ、パスの投與、あるいは人工気胸、肺の手術という以外に、肺以外の手術、あるいは手術後の処置というようなところまで範囲を広げましても、現在の金額でやつて行けるのではないかというようなことも考えられるのでありまして、この点につきましては、なお詳細財政当局の方と折衝したい、そういうふうに考えております。いろいろ人数等も当つてみまして大体やつて行けるのではないかというふうに考えております。ただ昨年と比べまして、結核病床の建設費が、昨年は一万七千二百床計上しておりましたが、二十七年度は一万床でございまして、その額が減つておりますが、一昨日会計課長からも御説明があつたかと存じますが、大体十九万床を目標としての毎年々々の増加の状況で、十九万床計画において二十五年末のスタートを十万四千床と考えてみて、一年間に一万七千ずつくらいふやして行つたらよいというふうな計画でスタートいたしましたが、その計画の線に沿つて参りますのに、今年大体一万床新設すれば、それと国立病院からの転換があり、補助の対象にならない増床などもございまして、大体十九万床の線に浩つて行けるというふうに私どもは考えておりますので、国の補助いたします金額はそういうふうに減つておりますけれども、実際に結核病床をふやして行くという点につきましては、支障はない、そういうふうに考えているのでございます。そのほか国立結核療養所におけるいろいろの費用という点につきましては、いずれ医務局の方から御説明申し上げると存じますが、私どもの所管しております点、あるいは結核対策全体から見まして、二十六年度よりさらにわくを広げて、どんどん対象を広げてやつて行く。あまり大きく伸ばして行くということはできないのでございますが、しかし二十七年度は二十六年度に比べて大体同じようにやつて行ける、そういうふうな見通しを持つているのでございます。
○苅田委員 公衆衛生局長の御説明はその通りだと思いますけれども、ふえた方ばかりあげておいでになるので、予算面を見れば、明らかに、たとえば研究費だとか予防調査費だとかいうものが多額に減つているということを、忘れておいでになるわけはないはずです。今申されましたように、今の物価の値上りと、これに伴う医療従業員のベース・アップだとか、単価の引上げなどを考えると、実際これだけ見ても十何億円かの実質的な増加になつていないということは、はつり言えることだと思うのです。特に一歩讓つて私はお聞きしたいのですが、昨年と同じような結核対策費でもつて、昨年度と同じような今年の結核対策ができるというお考えは、私はどうかと思う。この点は、昨年橋本厚生大臣も言われたように、なるほど死亡率は減少する傾向になつておりますけれども、国民の中の結核の蔓延状態、特に一番われわれとして関心を持たなければならない労働者階級などの結核の罹病率が、労働省の統計によりましても、非常に増加しているということは、橋本厚相も昨年委員会ではつきり認めておいでになるわけなんで、この点についても必ず考えなければいけないと思つているというふうにお答えになつているわけなんです。これに対しまして私は、おそらく公衆衛生局では、去年通りの人員を対象としたような要求はなさらなかつたと思うのですが、一体この点はどうなんですか、お聞かせ願いたいと思います。どういう対象をお選びになつて、そうしてどういうことになつたかということを私はお聞きしたいのです。
○山口(正)政府委員 現在法律に基きまして、いろいろ結核対策をやつて参りますのにつきましては、やはり届け出られました結核患者を対象としてやつて行かなければならない、そういうふうに考えているのでございます。二十五年度の届出患者は大体五十四万でございます。二十六年度はそれよりもある程度ふえているかと存じますが、二十七年度は大体百万くらい届け出られるというような見通しで、その増加を見越して一応計算を立てております。
○苅田委員 そうしますと結核予防費の対象が、昨年と大体同等だということは、私どもとして考えますと、おかしいと思うのですけれども、この点いかがですか。
○山口(正)政府委員 それは実際にストマイ、パスの適応症を考えて見ますと、最初は大体ストマイ、パスの適応症を全体の三五%ぐらいあるというふうに考えて、昨年は計算を立てて見たのでございますが、実際にやつて見ますと、それが二五%あるいは二〇%ぐらいというふうに、適応症が挾まつて来るのでございます。それと外科手術の方は大体最初に考えたのと同じようなパーセンテージでよいかと思うのでございますが、昨年考えましたそういうふうな化学療法の適応症の範囲よりも、実際に行つてみますと、その適用の範囲が狭まつておりますので、それからしまして、昨年の倍くらいで大体まかなつて行ける、そういうふうに考えております。
○苅田委員 ストマイ、パスの適用患者については、私はそれでけつこうだと思うのですけれども、そうではなくて、健康診断によつて強制的に入院させなければならない患者につきましては、全額——地方と半分ですけれども、政府が負担しなければならない。この補助額についても、そういうふうに患者数がふえるとすれば、相当見込まなければならない。特に今度は、法律にもきめてありますように、生計上自費でまかなえない患者というものは、この傾向で行けばやはり非常に増加するものと思わなければならない。そういうことを考えますと、昨年度を基準にした考え方でもつて今年の結核対策が十分だという考え方は、私としては非常に間違つておるというふうに考えます。その点いかがですか。
○山口(正)政府委員 従業禁止あるいは命令入院の患者に対する医療費の負担につきましても、大体患者全体、届出患者が百万人。従業禁止の方は全体の患者数から換算してみます。命令入院の方は、これは入所し得るベツド数の方から計算してやつておりますので、計算の基礎が少し違うのでありますが、私どもの方といたしましては、大体二十七年度に届け出ると思われる患者数、あるいは二十七年度におきますベッド数から考えてこの程度で大体まかなつて行けるというような基礎に立つて、計算をいたしておるのでございます。
○苅田委員 そういうふうにベツドが限られているから、それにいる費用がこのくらいでいいのだというお考えで、結核対策を政府がしていらつしやるということであれば、私もこの上あえてお尋ねする必要はないと思うのです。それならその通りだと思うので、これだけでも十分やつて行けると思うのですが、それでは私はやはり国民の中に蔓延している結核を、ほんとうに五箇年計画でもつて非常に少くして行くという根本方針は、非常にこれでは足りないと思うのです。そういう点につきまして、以上の御答弁では、私は少しも納得できないのですが、この上押し問答をしても、これ以上のお答えが得られないと思うので、私は今年の結核対策としては非常に不満だということを申しまして、この程度でこの質問は打切ることにいたします。 それから次に、昨年問題になりましたBCGのことですが、今年の橋本大臣はやめるまぎわに、BCGは有効だというふうな置みやげのようなことを言つている。新聞にそれが出ていたわけですが、このBCGは接種と製造のやり方に非常に注意を要する。改善を要するということは、この委員会でもはつきり言われたわけですが、今度それに対しましてどういう方法をおとりになりますか。接種と改善の方法、これをひとつお聞きしておきたい。
○山口(正)政府委員 接種の方につきましては、先般厚生次官から都道府県知事に依命通牒を発しまして、また、二十一日に開きました衛生部長会議でも、厚生当局として各衛生部長に指示したのでございますが、接種の点につきましては、二つの点が考えられるのでございます。第一が技術の向上の点でございまして、第二は今後研究をどういうふうにしてやつて行くかということでございます。技術の向上ということにつきまして、これはツベルクリン反応の検査あるいはBCGの接種というその技術だけで、潰瘍のような副反応が起るとか、あるいは陽転率が悪くなるというようなことは考えられないかもしれないのでございますが、しかし正しくツベルクリン液を皮内に接種して正しく判定して、そうしてその陰性者あるいは疑陽性者と正しく判定した者に対して、今度はBCGを正しく皮内に接種するということは、当然必要なことでございます。そうすれば、理論上BCG接種に上つて一〇〇%皮膚に副反応のような変化が起るのでございますが、それを比較的少くすることができる、あるいはまた陽転率を確実にすることができるというのは、当然考えられることでございます。従来往々にしまして、現場で実施されます場合に、インターンの学生を使うとか、あるいはそのほかの方を使つたりしますために、正しくその接種が行われないという声を、しばしば聞くのでございまして、そういうことのために副反応が多く起つたり、あるいは効果が確実に現われないというようなことがあつてはいけないというので、今後は特にそういう点について注意をして、正しく接種を行い、正しく判定をするということを、より徹底させるようにするということを指示しておるのでございます。そのためには、大体保健所で、管内の接種に携わる人たちを常によく把握しておいて、そうして機会あるごとに医師会あるいは医務機関等と連絡をとつて、その人たちの技術がよくなるように、あるいはまたそれが統一されて正しくできるようにというふうに指導してほしい、そういうことを指示しておるのでございます。皮内接種というのは、簡単なようでもあり、また実際にやります場合にとかく皮下に入りやすいものでございますので、なれた人にその接種をやつてほしいというふうに私どもは考えております。そういう点について指導してほしいということでございます。 それからツベルクリン反応の検査、BCGの接種の研究の方面でございますがこの一つは、BCGの接種のやり方でございます。これは現在は皮内接種法が用いられておりますが、従来一部には経皮接種、つまり植疱瘡のように針でつつつくとか、あるいは皮膚を切るというような方法でやつた方が陽転率が比較的よいし、しかも潰瘍のでき方が比較的少いから、その方を推奨するというようなことを言われておるのでございますが、これは現在まだそのやられております数が十分たくさんございませんので、これを早急に相当広い範囲に各研究機関と連絡をとつてやつてもらつて、はたしてその方がいい方法であるということになれば、行政的にそれにかえて行きたい。それはその研究した結果に基いて措置をとつて行きたい、そういうふうに考えております。 それからもう一つの問題は、ツベルクリン反応の、実施いたします場合の稀釈液の問題でございます。従来本委員会におきましても、しばしば丸山委員、岡委員から御指摘を受けたのでございますが、現在は二千倍の稀釈液を使つて実施いたしております。それだけでは不十分であるから、二千倍を使つてやつたものの陰性者に対してさらに千倍あるいは百倍の液を使つて、より正確に陰性者、つまり未感染者を選び出してやつてはどうだというふうな御意見をしばしば承つておるのでございますが現段階におきましては、千倍あるいは百倍を用いました場合の判定基準が、まだ正確にでき上つておりませんので、それを研究していただきたい。それからさらに濃いツベルクリン液を用いました場合に、万一その注射されました人間が既感染者であります場合には、病巣にある程度の変化を起す可能性もございますので、そういう点も考慮いたして、千倍あるいは百倍等の濃い稀釈液を使つて未感染者を選び出すという方法につきましては、今後研究を進めてもらつて実際に用い得るようになりますれば、それを実施して行きたい、そういうふうに考えております。 それから乾燥BCGワクチンの製造、あるいはその効力の確保というような御質問でございますが、乾燥BCGの効力の確保の点につきましては、これもしばしば本委員会でも御指摘を受けたのでございますが、末端において保存が正しく行われていないという場合もなきにしもあらずでありたのでございまして、そういう点は液体ワクチンのときには、はつきり接種計画を立てて、手に入ればすぐ接種するというような方法を実施しておつたのでありますが、乾燥BCGになりまして、保存がきくということに安心して、それを少し長くいろいろ計画を立てたというきらいもあつたのでございます。これは、早ければ早いほどいいのでございますから、接種計画をはつきり立てて、入手後すみやかに接種を行うよう現場で指導するように、そういうふうなことを指示いたしたのでございます。 それから保存施設の整備。これは保健所における電気冷蔵庫などがやかましく言われましたが、昨日も御説明申し上げましたように、全保健所に電気冷蔵庫を整備するというような予算を今度計上していただいております。保健所に電気冷蔵庫を整備するだけでは、決して十分とは申せませんが、従来七割程度整備されておりました保健所の電気冷蔵庫を、この際早急に全部に整備するという方法をとつて行きたいと考えております。 なおBCGワクチンの保管につきまして、効力を確保するという点、あるいはそのほかいろいろな問題がございますので、保存責任者を都道府県あるいは保健所において設定して、保存を確実にやつて行くようにという指示をいたしたのでござ心ます。 それから基準の改正につきましては、これは薬務局長から御説明が当然かと存じますが、近いうちに乾燥BCGワクチンの基準を改正したいというふうに考えておるのでございます。大体の案ができ上つております。 それから製造施設につきましては、従来財団法人結核予防会が、もつぱらそれに当つて来たのでございますけれども、最近希望の向きも出ておりますので、実際にその希望しているところの施設とかあるいはそこの指導者の技術というものが優秀なものであれば、許して行きたいというふうに考えているのでございます。大体以上であります。
○苅田委員 ただいま詳細にお答えいただきましたが、私は医者の方の専門家でもございませんので、この点はあとで、なお調べました上で、御質問をする場合があるかもしれない。ただ一点だけお聞きしたいことは、BCGについて、あれだけ論争もあり、大きな問題を起したりいたしまして、これはさらに研究するということでございましたが、今年度の結核予防調査研究補助費というようなものが、昨年度に比べまして、数字がちよつとわからないのですが、非常に少くなつて、とにかく半分以下に減つているわけですが、これは一体どういうことかと思うのですけれども。
○山口(正)政府委員 ただいま苅田委員の御質問の数字の点は、私どもちよつと理解いたしかねるのでございますが、BCGに関します研究につきましては、大体BCGの効果調査というような項目は、昨年とほとんど同額組んでもらつております。あるいは少し増額してございます。ただいま御質問の点、私どもちよつと数字がはつきりいたしません。いずれ後ほど伺いたいと思います。
○苅田委員 あとで調べまして申し上げます。 次にお聞きしたいのは、BCGの製造につきましてですが、昨年橋本厚生大臣が、これは自由に製造をさせてもいいというような御発言があつたのですが、ただいまどういうふうになつておりますか、承りたい。
○慶松政府委員 もちろん従来でも、別に自由競争を認めておらなかつたわけではございません。ただこれもしばしば申し上げました通り、技術の点とか、あるいは設備の点におきまして、結核予防会のみがつくつておつた形でございますが、しかしながら、結核予防会におきましても、東京と東北の二箇所でつくつておるわけでございます。 ただいま山口公衆衛生局長から話がございましたように、将来BCGをつくりたいという申出がありまして、それが技術なりあるいは設備なりにおきまして十分完全でありますならば、この製造を認めるのにやぶさかでない、こういうわけでございます。なお仰せになりましたように、販売の点におきましては、別に制限はいたしておりませんので、いかなる販売をいたしましても、その統制はございません。
○苅田委員 BCGのことにつきましては、薬務局へお尋ねした方がいいのですか。
○青柳委員長代理 その通りです。
○苅田委員 それではそのときに譲りまして……。
○青柳委員長代理 ちよつと申し上げますが、大臣が出席されまして、いつ何どきまたほかのことに予算委員会から呼出しを受けるかもわかりませんので、できるだけ大臣に対する御質問をいただきまして、なお他の当局に対する質問はあとまわしにしていただきたい。
○苅田委員 それでは厚生大臣にお尋ねしたいのですが、結核対策、予備費の予算につきまして、先ころから山口公衆衛生局長に質疑をいたしましたのですけれども、私は本年度政府でとられましたところの百三億四千万円という予算は、昨年度の八十七億九千万円という予算より、総額においては十五億余り増額になつておるけれども、実際上の一般の物価の値上り、それに伴う職員のベース・アップだとか、一点単価の引上げだとか、あるいは昨年度半年計画でやつて行つた医療費が、今年度全額一年通年になつたことを考えれば、決して十分でないということを私は主張したのであります。特に昨年橋本厚生大臣もはつきりここで証言なさつたように、今、日本の労働階級の間に結核の蔓延が非常にはげしくて、この増加率は労働省の統計なんか見ましても、非常に恐ろしい勢いで延びておるわけなんです。そういう点から見れば、今年の結核対策費というふうなものは、きわめて消極的なものであつてこういうことではほんとの日本の結核を食いとめようという政府の努力というものは、いささかも見受けられないじやないかということにつきまして、私は公衆衛生局長の御答弁で満足できなかつたのですけれども、こまかいことはけつこうですが、大臣がそういう結核対策でよろしいというふうにお考えになつているかどうか、この点について率直な御意見を承りたい。
○吉武国務大臣 結核予防対策についての重要性につきましては、昨日金子委員に対しまして私の所信を申し上げた通りでございます。ただ来年度予算については、御指摘の通りでございますが、これは今日の財政といたしまして、やむを得なかつたと私は思います。と申しまするのは、昨年の予算においてお調べをいただければわかりますが、結核対策については相当飛躍的な増加をしたつもりでございます。それが本年度は、平年度に比しまして、予算額としては相当の増額を来しておると思いますが、しかし実質的の伸びにつきましては、御指摘の通り、実はそう伸びていないかと思いますけれども、それをやりますと、予算額については相当大きな額に上るものですから、本年度はやむを得なかつた。しかし今後結核対策につきまして極力努力したいということは、私が昨日申したような理由によりまして、十分気をつけて行くつもりでございます。
○苅田委員 十分努力するということは、たとえばこれを実施いたしますと、非常にこれでは不足する。今の予算は、実際の日本の結核状態に対応した予算でなくて、今の政府の持つている結核の設備に対応して組まれた予算だというような意味の御答弁があつたのでありますが、そういう壁に突き当つた場合には、大臣の方としては、十分な補正予算でも組んで——そういう御覚悟があれば予算をまだ審議中なんですから、もつと結核対策費というふうなものを要求なすつて、私はできるはずだと思いますけれども、そういう予算のことについては、どういうふうにお考えになつておるかということを、もう一度お伺いしたい。
○吉武国務大臣 御指摘のように、現在の日本の結核の状況について、現在の予算で十分だとは考えておりません。しかし、そのことは一結核ばかりではございませんで、日本の今日の現状から申しますれば、あらゆる社会保障関係の仕事につきましては、不満な点が多いわけであります。これは今後漸次日本の国力の回復を急ぎまして、それが充実をはかるという以外に道がないのじやないか、かように考えております。
○苅田委員 何でも財力が足らないから、これもやむを得ないという御答弁でございますが、それではなかなか日本の厚生行政、結核対策というようなものは、当分見込みがない。日本の現状からいえば、むしろ逆の方面に走つて行く。これは少くとも自由党のやつておる間は顯著なのでありますから、そうすれば、これはわれわれとしては、当分見込みがないということになるわけでありまして、私どもは非常に遺憾に思います。新大臣が、そういうような御答弁をするということは、非常に遺憾に思うわけでありますが、しかし結核のことについては、私も大分長く質問しましたからやめます。 それでは、最後に簡単に一、二点お答え願いたいと思うのであります。それは今度の公衆衛生局の予算を見ますと、性病予防費というものが非常に、それこそ昨年の五分の一くらいになつておりますが、これは進駐軍が帰るだろうというような予定で、こういうふうに少く組んでおるのですか、どうですか。
○太宰政府委員 昨年の五分の一にはなつておりません。お手元にございますうちの二十一番、性病予防に特に必要な経費、前年が一億四千七百万円、今年がごく若干、千二百万円ほど減つております。これは実績が減つておりますので、その実績を考慮に入れました予算でございまして、格別大きな問題はないと思います。
○苅田委員 私の数字が少し見間違つていたようにおつしやるのですが、五分の一は減つていない、それはそうです。私も見間違つておりました。しかし実績によつて減つたというのはどういうことでありますか。もう少し具体的にお話願いたい。
○山口(正)政府委員 たとえば強制健康診断に要しまする費用、委託入院の費用、性病診療所に入院させます費用、そういうものを二十六年度の実際に要しました費用から採算いたしまして、こういうふうに計算しておるのでございます。二十五年度の実績で二十六年度の予算を組んだのでございます。二十六年度の実績によつて二十七年度の予算を組んでおるのでありますが、二十六年度の実績は二十五年度の実績より減少しておりますので、それに基いてこういう予算を組んでおるのでございます。
○苅田委員 私にこれだけで質問を終りますが、今の実績が減つておるということは、地方の保健所あたりで扱つておる実際の様子を見ましても、どうも私は合点が行かないのであります。そう申しますと、昨日伺いました厚生省の非常に精密な衛生統計などにつきましても、私どもどういうことになるのかということを、少し考えなければならないのでありますが、そういう点が昨年度よりも本年度こういうような問題に対しても費用が少くてよいということは、そうでなくて、実際そういう点については、新聞紙上にも非常に大きく問題になつたことがたくさん出ておつたと思います。今私どもが目にしております日本の現状から勘案しても、もつとこういうようなものは、やはり民族の純潔を守るという点からも、国情がこういう国情でありますから、思い切つた処置をしてもらいたいということを、これは国の立場からお願いしたいのであります。私の質問はそれだけであります。
○岡(良)委員 公衆衛生局の一般会計予算について、二、三点お尋ねしたいのですが、局長あるいは会計課長にちよつとお尋ねをした資料に基いて、大臣にまず質問をすることをお許し願いたいと思います。 第一点は、受胎調節普及に必要な経費であります。昨年度厚生省が示されたる原案では、五百万円以下の費用が受胎調節普及に一応用いらるるかのごとき印象でありまして、われわれもこの点については、もつと大規模な徹底的な受胎調節に乗り出してもらいたいということを要請したのであります。その結果が現在二千二百六十五万円余が計上されておるのでありますが、その説明を見ますると、最近人工妊娠中絶が激増の傾向にあるそれで人工妊娠中絶による障害を未然に防止する、そうして母体の健康を保護するために受胎調節を普及する、こういう説明になつております。そういたしますると、結局これは人工増加の抑制というものが、現在の日本の重要な政策であるという考え方ではなく、單にたまたま妊娠中の母親が、不健全なる妊娠中絶を施行されることによつて、たいへん死亡率が高くなつておる。——現に高くなつておるようであります。そういう観点から、母体の健康を保護するために受胎調節をする、こういうふうに考えられるのでございますが、政府の方針は、そういう母体の健康を保護するということのために、人工妊娠中絶よりも受胎調節普及に乗り出そうと言われるのか、それとも現下における日本の人口問題が、御存じのようにタムソン氏が来朝され、国際的な注目の的になつておるこの現在の日本の人口問題に対してこの問題を人口抑制という大きな見地から取上げておられるのか、その間の政府の所見を承りたいと思います。
○吉武国務大臣 来年度予算に計上いたしました二千二百六十余万円の問題は、お話のように母性保護の立場から考えておるわけであります。人口抑制その他の問題につきましては、お話の通り大きな問題でございますが、これらの問題に対しましては、これは国民各自の自覚の上に立つ問題でございまして、政府としてどうこうというところには達しておりません。しかしながら、この母性保護の問題は、お話のごとく人工妊娠中絶が行われましてその知識が普及しない結果、往々にして母体に思わざる障害を生じつつある状況で、放置を許さないものございますから、さしあたつて来年度からこの受胎調節として、予防的な知識普及に乗り出したい、かように考えておる次第ございます。
○岡(良)委員 ただいまの大臣の御答弁は、非常に不満であります。国民個個の自覚にまつということによつて、人口問題というもの、特にわが国の人口問題を自然な解決に期待されるようでありますが、しかし今日のさし追つた日本の人口問題が、そのような形ではたして解決されるのかどうかという点について、あらためて厚生大臣の御所見を承りたいと思うのです。たとえば、昨年経済安定本部が発表しておられる経済白書に見ましても、日本の国民の消費水準は八三%のところに上つて来ておる。しかし生産の水準は一〇〇%を越えるものもある。このように日本の国民の消費水準が抑制されておるのは、盲目的な人口膨脹の結果であるということを、はつきり政府の白書でうたつておるのでありまして、この現在における盲目的な人口膨脹の趨勢というものは、これは明らかに日本の国民の生活水準というものに対して、大きな圧迫を加えておることは、当然な事実として政府も認めておるところである。あるいは現在われわれの三度三度の食糧にいたしましても、二千万石以上の主要食糧を輸入にまつて、その結果としてわれわれの輸入総額の三割五分に近いものが、主要食糧の輸入に充てられておるというようなことでは、今後貿易に依存する日本の経済自立の過程において、こうした食糧の輸入というふうな消費財の輸入に三割五分が充てられておるというようなことは、国際収支の上からも、経済自立の上から見ても、この人口問題が、そういう観点から非常に重大ではないかと私ども思つておる。あるいは日本が戰争に駆りたてられたあの昭和元年から昭和十年までに、大体五千八百万人から六千九百万人と千百万人の人口増加がある。こういう大きな人口増加の人口圧迫感というものが、日本を侵略戰争に駆りたてた大きな導因になつておることは、当時の戦争指導者みずからが揚言しておるところであつて、人口問題に対して、日本が真に平和国家としての道を歩まんとするならば、その建前からも人口抑制というものが重大な問題として、もうすでに国際的に注目されておるのである。それに対して、先ほど来の御説明等に徴しましても、單なる啓発指導というふうな啓蒙の段階にほとんどとどめられて、わずか二千数百万円の予算をもつて事足れりとせられるようでは、政府の人口問題の本質に対する認識を、われわれは疑わざるを得ないのである。これはあくまでも人口抑制そのことを、日本の国民生活の水準の向上とか、経済自立の一翼として、あるいは平和国家としての建前を貫くという観点から、当然政府としては積極的に受胎調節に乗り出さるべきものと思うのでありまするが、その点についての大臣の御所見を承りたいと思います。
○吉武国務大臣 これは先ほど申しましたように、各自の自覚にまつ以外に、私は道はないと思います。かりに政府が積極的にやりましても、各自の自覚がなければ、これは実現できるものではございません。従つて、そう簡單にこれが実現できるようには私は考えておりません。そこで今後毎年々々ふえつつあるところの人口をいかに処理するかということは、日本の将来の大きな問題ございまするが、私はやはり日本の経済規模を漸次拡大いたしまして、貿易によつて、いわゆる外国食糧の輸入により、そしてまた一方国内における食糧の増産に一層の努力を拂いますならば、必ずしも日本の人口増加に対して対処できないとは考えておりません。
○岡(良)委員 なお関連してお尋ねいたしたいのですが、日本の人口問題の特殊性は、ここ将来十数年間は、生産年齢人口が百万くらいは増加するといわれておりまするが、たとえば現在政府においても、單一公社でもつて電源開発等をされる計画もありまして、労働大臣といたしましても、これらの諸計画によつて雇用計画というものが裏づけされておると思いまするが、この人口の特殊性にかんがみこの雇用計画というふうなものについて、具体的にどういう考慮をしておられるか、この機会に承りたいと思います。
○吉武国務大臣 雇用計画としてのプランはつくつておりませんが、先ほど申しましたように、どうしても必然的に日本の経済規模を拡大しなければ食つて行けないのであります。そこで私どもとしては、まず基礎産業としての電源開発をやりまして、あらゆる面における生産の拡大をはかりたい。そこで大体三年間におきまして、現在御承知のように生産指数が大体百四十余りでございまするが、これが百八、九十くらいまでは伸びるのじやないだろうかという見通しを持つております。これによつてふえつつあるところの人口が吸収されて行くのだ、また行かさなければならぬ、その点に私どもは非常に努力を拂つております。なお基礎産業に力を入れまするだけでは、日本の産業はなかなか国際市場においてかち得るわけに行きませんので、一方各産業におけるところの企業の合理化をはかりまして、コストの引下げを、労働者の犠牲にあらずして、生産能率の向上によつて、実現をはかるということがまた同時に必要だとかように考えております。
○岡(良)委員 私がお伺いしたかつたことは、現在政府として、やはりわれわれ人口問題は、厚生行政の重要な対象となつておりまするので、関連して具体的に、たとえば現在政府が経済自立審議会等において三箇年計画の経済自立計画を立てておられまするが、この裏づけとなる雇用計画がどういうものであるかということをお尋ねしたかつたのであります。なお昨年六月に、やはり安定本部の発表されました白書によれば、日本の生産水準は五〇%余を一箇年の間に増加しておる。しかしながら雇用指数は五・五%しかし昇しておらないということを発表されておりますので、そういうことでは、われわれの直接取扱う生活水準の問題とも密接にからみ合つて、先ほどの大臣の言明とは逆に、むしろ労働者はよけい生産しながら、しかも働く労働者の指数がそれに比例して増大しておらない、伸びておらないということでは、当面する生産年齢人口の増加というものに対して、政府として誠意ある御解決策の用意がないのではないかという点を懸念しておるのであります。具体的に、たとえば経済自立審議会が今般立てられたる三箇年の経済自立計画において、いかなる雇用計画を用意されておられるのか、大臣が御存じであれば、お答えを願いたいし、またなければ、後刻文書等で御報告願いたいと思うのであります。
○吉武国務大臣 一応三箇年における経済計画を立てておりまして、それに伴う雇用の関係も、実は考えていないわけではございません。一応マッチするものは考えて——私今ここに数字を持ち合せておりませんから、あとでまたお知らせしてもいいと思いますが、しかしそういう机上のプランを立てましても、なかなかそう簡單には行かないので、現在の状況においては、先決の問題はまず経済規模の拡大に努力いたしまして——一時終戦直後においては、失業者も相当出たのでありますが、漸次生産の拡大に伴いましておちついて参りました。一つは朝鮮の動乱の影響もございましたけれども、その後休職状態に入りましても、生産指数は横ばいの状況であり、それから一方失業者の数も、大体横ばいの状態でございまして、今後生産が伸びれば、伸びるに従つて失業者は減りつつあるような傾向でございますから、そう悲観することはないと思つております。
○岡(良)委員 その問答は別といたしまして、次の栄養調査に必要な経費として三千百二十四万六千円が計上されておりますが、この「国民の栄養調査を行い国民栄養の実態を把握する必要がある」という説明であります。この国民の食生活の改善ということも、厚生行政上重大な問題であることは、先ほど堤委員も御指摘の通りでありますが、これはただ單に実態を把握する必要があるのではなく、把握された実態に即して、新しい食生活の改善という方向へ進められねばならないと思うのでありますが、何かそういう点についての具体的な御構想があるかどうかという点を、承つておきたいと思います。
○山口(正)政府委員 ここに計上してございます予算は、ただいま御指摘のように、数年来実施しております国民の栄養調査の費用でございますが、私ども栄養行政を所管いたしております。者といたしましては、この調査の結果に基きまして、国民の現状に即応した栄養改善の、食生活の改善指導ということをやつて行かなければならないというふうに考えております。そして生産を担当しております農林省関係と連絡をとりながら、私どもの方で食生活の改善指導の指針のようなものをつくりまして、そうして保健所活動を通じて、一般の国民に対する栄養指導をやつて参りたい、そういうふうに考えております。また学校給食あるいは病院給食というような、そういう集団給食を通じて、やはり食生活の改善ということを現在実施しつつあるのでございます。
○青柳委員長代理 大臣に対して、予算委員会から出席要求があるそうでありますから、簡潔にお願いいたします。
○岡(良)委員 それではこの機会に一言だけ大臣にお願いをいたしたいのでありますが、厚生省の費目には、調査費が非常に多いのですが、これを生きたデータとして具体的な政策に乗り出して行こうという気構えが足らないと思うのです。われわれが今日独立を迎えるという門出にあたつて、やはり厚生行政の中にも、それに即応した大きな筋金の通つた政策が必要と思いますので、そういう点から、たとえば国民の食生活の改善というようなものは、長い間言われてはおるが、なかなか実際問題としては長い慣行、習慣等に惑わされて発展しないのでありますけれども、たとえば厚生省あたりで、国民栄養法などというような法律を出そうというような空気も一時あつたようでありますが、やはり学校給食の全面的実施なり、また集団給食の実施なりについても、相当な国帑を費されて、そうしてもつとカロリー等に十分重点を置いた合理的な栄養攝取の道を開いて行くというようなことに、もつと大きく力を注いでいただきたいのです。たとえば、労働大臣としても、あるいは加配米の問題とか、米食の混合率の問題とか、米食依存とか、いうよりも、もつと労働者に対してでもエネルギーを供給するならば、カロリーに重点を置いた食生活の方策というものはあり得るのであります。そういう点で、これは厚生省の重大な責任事項でありますが、もつと具体的に国民の食生活の徹底的な改善への道を開くという意味における、あるいは国民栄養法のごとき、数年前に御構想になつたようなものを十分御検討をいただいて、ぜひともこの国会に提出をしていただくくらいな意気込みで、国民栄養の改善、食生活の合理的な改善という方向に具体的な手を打つていただきたいということを、この機会にひとつ希望いたしておきます。
○吉武国務大臣 ごもつともな御意見でございまして、私として栄養法というか、法律をつくつてやるという考えはございませんが、御指摘のように、日本の食生活というものは、大いに改善して行かなければらぬということは十分考えております。従来、ただ米食偏重の傾向はございますけれども、やはり食生活あらゆる面からカロリーを撮取して行くべきであり、特に人口増加の傾向がございますので、その点から見ましても必要であろうと思いますから、御指摘の点は、私も十分気をつけて行くつもりであります。
○松谷委員 公衆衛生局の予算の御説明の中で、癩患者に対する対策の経費の点を伺つておきたいと思います。さきごろの局長の御説明によりますと、ベッドは千五百床増床になるという御説明をいただいておりましたが、プロミンの予算につきましてはいかがになつておりましようか、前年度に比較いたしましてどのような対策をおとりいただいておるか、御説明いただきたい。
○山口(正)政府委員 癩対策のうちで、国立療養所に入所いたしております患者に対してプロミンというような薬を使つての治療につきましては、医務局の方の所管になつておりますので、医務局の方から御説明申し上げたいと思います。私どもの所管いたしております私立癩療養所三箇所二百六十ベッド分に対する費用といたしましては、プロミンの治療の費用もその中に組んで、全額国庫負担にするというような予算を計上してございます。
○松谷委員 前年度に比較いたしまして、どのような差が、ございましようか。
○太宰政府委員 ちよつとこまかいところまで資料を持ち合せてございませんが、プロミンは二百万ほど実績に基いて減つております。そのかわり造血剤で三千三百万ほどふえております。大体そのような状況であります。
○松谷委員 ただいまの御説明によりますと、プロミンとしては予算が減つておるけれども、造血剤、他の薬において増額しておるという説明でありますか。
○太宰政府委員 そうであります。
○松谷委員 そうすると、全体の額としては前年度と同様と了承してよろしいのでありましようか、それとも増額しておりましようか。きようでなくてもけつこうでありますが、詳細な予算の割当をお出しいただきたいと思いま正す。
○太宰政府委員 詳細なのはあとで差上げますが、こういうのを一括して特殊薬品と申しております。癩対策の特殊結晶といたしましては、前年度の予算が七千四百万に対しまして、二十七年度は一億一千万円計上しております。差引三千六百万円の増となつております。
○青柳委員長代理 それでは本日はこの程度で散会いたします。次会は明日午後一時、第三委員室で開きます。 午後零時一分散会