建設委員会 第39号
- 発言数
- 46 件
- 登壇者
- 8 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1952/06/03
会議録
○田中委員長代理 これより建設委員会を開会いたします。 本日委員長不在でありますので、私が暫時かわつて委員長の職務を行います。 この際お諮りいたします。日程に先だち、河川小委員長内海安吉君より発言を求められております。これを許すに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○田中委員長代理 御異議なしと認めます。よつてさよう決しました。内海安吉君。
○内海委員 ただいまから河川に関する小委員会における今日までの調査の経過につきまして、御報告申し上げます。 本小委員会は去る十二月十四日に設置せられ、爾来主として河川法改正問題について、しばしば会合を重ね、調査を進めて参つたのであります。 周知のごとく、最近の災害の頻発は、民生の安定を害し、生産の復興をはばむこと著しいものがあり、この災害から国土を保全するごとなくして、日本の独立の達成も経済自立も、とうてい期待することはできないのであります。災害復旧費として政府が本年度一般会計に計上している五百億円の予算をもつてしては、単に被害公共施設を原形に復旧するにとどまるものでありまして、しかも今日までに累積せられている災害は、この程度の予算をもつてしては、その復旧に少くとも今後五年を要する見込みであります。公共施設以外の一般被害の国民生活に与える影響に至つては、まことに想像を絶するものがあるのであります。しかもわが国気候風土の宿命といたしまして、洪水は絶対に回避することができないのであります。従つてこの問題を単に政府当局やまた国家財政の問題としてのみ考えるべきではなく、国民の総知を結集して、金と知恵、つまり財政問題とともに災害に関する制度をいかにするかという問題として、根本的に解決しなければならないのであります。 敗戦の結果、わが国は領土の半ば以上と海外におけるすべての植民地及び経済市場を失いました。しかもこの狭い領土に八千万国民が自立して行かなければならないのであります。一平方キロ当りの人口密度は戦前の五割増しであり、山地平野を含めて、実に二百二十五人が生活して行かなければなりません。これをアメリカに比較いたしますならば、わが国の面積はほぼカリフオルニア州に相当するにかかわらず、人口はその八倍を擁しているのであります。またこれを耕地面積をもつて比較するならば、わが国の耕地は集に一平方マイル当り、カリフオルニアの十二倍の人口を養つて行かなければならない勘定になるわけであります。かかる小日本といたしましては、海外貿易を盛んにすることと、あらゆる国内資源を余すところなく積極的に開発すること以外に生きる道はないのであります。しかして水はわが国に存するほとんど唯一の豊富な天然資源なのであります。従つてこれを利用するごとアメリカのごとく、カナダのごとく、またスカンジナヴイア諸国のごとくでなければ、とうてい国際場裡に伍して、自立自存を全うすることができないのであります。 かくのごとく見て参りますときは、河川の治水利水問題ごそは、わが国の運命を左右するものであると断じても決して過言ではないのであります。 以上の観点に立ちまして、現行河川法を再検討いたしますと、そこに種々の問題はあるのであります。御承知の通り現行河川法は明治二十九年の制定にかかるものであり、現代の時勢に沿わない点もあります。いわゆるかたかな文語文の法律でありまして、明治憲法の思想を内包しており、検討を要する点も少くありません。しかも運用の実際面におきましては、おおむねそれ自体としてはよく運用せられて来たものであり、またある種の問題は運用の実際問題として解決可能とも考えられます。しかしながら小委員会といたしましては、次の諸点を問題としたのであります。 まず第一点は、河川管理体系の明確化と、国と地方公共団体との間の事務配分の問題であります。全国河川総延長約十六万キロのうち、河川法の適用を受けるもの約一万キロ、河川法の準用せられているもの約五万キロでありまして、法律は単に全国河川延長の約三分の一について行われるのみであり、全国河川延長の三分の二はいわゆる普通河川として、その管理は市町村の事務としてほとんど放置せられて顧みられない状況であります。従つてその管理がきわめて不十分かつ不徹底であり、これが今日における災害激増の一因をなしております。 また、現行法におきましては、都道府県知事が河川については工事執行を含む一切の管理責任を負い、例外として重要河川について、直轄工事を施行することができる建前になつておりますが、法の運用の実績は直轄工事偏重となつており、法の建前と運営面の不一致の結果、河川行政の責任の帰属がやや明確を欠くに至つております。 以上の観点から、桂会通念上河川と称せられるものは、全部これを法律の対象として取入れ、これをそれぞれ建設大臣、都道府県または都道府県知事、市町村または市町村長の責任に区分し、その責任体制を明確にするとともに、事務配分の適正を期する必要があります。 第二点は、総合的な河川計画の樹立であります。現行法は河川法の適用について区間主義をとつております。しかし河川は水源から河口まで有機的一体をなすものでありまして、どうしてもこれを一貫的に処理しなければ、治水利水の総合的効果を発揮できないのであります。ことにまた河川改修方式か、堤防方式からダム方式に転換しつつあるにつれて、河川の上流部の重要性が高まつて参りました。区間主義か水系主義かは立法技術としては確かにそれぞれの主張もありますが、近時の電源開発用排水事業その他大規模利水事業と治水との関連性、これの同時的解決をはかるための、多目的ダムの建設、さらに上流水源山地の荒廃の下流への影響などを考慮すれば、河川を必然的に一つの水系として考慮せざるを得ないのであります。従つて治水利水の総合化、上下流関係の一元的処理の観点から、総合的な河川計画を樹立し、水に関する各種行政に計画性を与える必要はきわめて緊切なものがあると認められるのであります。 第三点は、利水に関する規定の整備であります。現行法制定当時の利水事業としては、主として技術のきわめて幼稚な灌漑排水事業にすぎなかつたのでありますが、近時水力発電事業等の発達に伴い、農業、鉱工業、発電等のため、高堰堤をはじめ、各種の施設が河川に築造せられるに至り、各種産業間の利害関係がいよいよ複雑となつて参つたのであります。これに対する現行法の規定は、治水上支障がないことを期待するいささか警察的色彩が濃厚でありまして、治水利水の統一調和、ことに各種利水相互間の調整をはかる上において、あまりにも簡単にすぎるのではないかと思われます。また手続等も省令通牒以下に譲られており、適当ではないと認められますので、これを改正補足して行く必要が認められるのであります。 第四点は、河川審議会の設置でありす。河川に関する行政は、各般にわたり、複雑多岐をきわめるため、河川行政の適正を期し、河川管理を民主的ならしめるためには、関係行政機関、各界代表、学識経験者で構成する河川審議会を設け、建設大臣または都道府県知事の諮問機関として、河川に関する要重事項を調査審議させる必要があります。 以上のような基本方針に基きまして、河川法の改正案を準備いたしたのでありますが、これに対しましては、各方面より種々意見があります。そのうち河川計画及び利水行政機構に関する意見は特に重要な問題でありますから、これに対する小委員会の見解を述べておきたいと思います。 まずその前提として、小委員としては、一応行政機構の根本的変革は考慮していないということ、及び国家の行政組織は、できるだけ簡明かつ系統的なものでなければならないという国家行政組織上の基本方針は、あくまでも守られなければならないということであります。近時各種の委員会等の設置により、責任の帰属が明確を欠くことはなはだしいものがあることは、世論となつておるのでありまして、これがことに総理府及び経済安定本部においては著しく、今次行政機構の改革のねらいも、ここにあることは公知の事案であります。 第一点は、河川計画に対する反対意見でありますが、反対論の論旨は必ずしも明確ではありませんが、国土総合開発法との関係に起因するものと、各種の利水計画が河川計画によつて規制せられることを好まないものと二種にわかち得るかと存じます。 まず国土総合開発計画との関係でありますが、国土総合開発は、文字通りの総合でなければならないのでありまして、道路、河川、港湾、都市計画、人口配置、産業立地、文化、厚生、観光等一切を含んだものであります。従つて国土総合開発計画は上位計画であり、河川計画は下位計画であります。相互に何の矛盾抵触も論理的にはないのであります、道路計画、港湾漁港計画、都市計画、国立公園計画を、それぞれの所管庁が樹立するごとには、何人も異議をはさむ余地がないにもかかわらず、何ゆえ河川計画を否定するかはまつたく了解に苦しむのであります。もしそれ国土総合開発計画と矛盾するおそれがあるとするならば、それは道路計画、港湾計画等々も同様であり、その調整の任務こそは国土総合開発計画自体の達成すべき使命であります。またもし国土総合計画策定まで河川計画の樹立を押えるというならば、これまたとんでもない暴論であり、国土総合開発計画が樹立せられない今日、一切の公共事業をやめよというにひとしいのであります。 次に、各種利水計画が、河川計画によつて規制せられるから反対であるという議論でありますが、これは河川計画作成の際における関係者の協議によつて解決し得る問題であります。河川計画は法律的には、何ら各種の利水計画を規制するものでありません。河川計画は、要するに当該河川における流量処理の基本計画であり、各種利水計画にその基礎資料を提供するものであります。今日までいかに流量を無視した利水計画が弊害を生んでいるかは、各種の災害にまざまざと見せつけられるところであり、またない水はとれないことは当然であります。要するに、流量計画すなわち河川計画により、定まつた流量を基本として、これを各種利水に用いることは、各需要者の要求を基礎として定められるべきものであります。各種利水の競合のない場合は、利水計画と河川計画は決して矛盾するものではないのであります。また競合の場合には、異種利水間の問題は河川管理者以外に決定し、計画し得るものがあり得ないのは当然であります。従つて各種利水計画調整のため河川計画が必要であるということは、反対論の主張により、ますますその必要性が痛感せられるのであります。なおこれらの論議を十分尽す場所として河川審議会が設けられるのであります。 第二点は、利水行政機構の問題であります。すなわち水利権の管理は、一省において処理することは不適当であり、利害関係のある各省から独立した別個の機関が処理することとし、総合的見地において処理すべき事項を規定する統一水法を制定し、これに基いて案施すべき事業内容を規定する法律はそれぞれ所管庁において別に制定すべしとし、建設省とは別個に、委員会制による独立行政機関、たとえば中央水委員会、地方水委員会のごときものを設けよという意見があります。行政委員会制度は、占領下における実験の結果、責任の所在を不明確にするものとして、わが国には不適当であることが一般に承認せられ、今後行政機構の改革の最も重要な一項目として取上げられていることは周知の事実であり、新たにかかる機関を設けることはとうてい容認し得ないところであります。また水利権の設定のごとき公物の特別使用権の設定は、土地調整委員会、土地収用委員会のごときものの行う私権相互の調整問題とはその本質を異にし、当然に管理者たる一般行政官庁の行うべきものであります。中央水委員会の構想は、関係大臣をもつて構成する委員会において行政問題を処理しようとするもののごとくでありますが、かかる行政機関はその前例がないのみならず、内閣中に小内閣を設ける結果となり、現行内閣制度の基本に反し、国家行政組織法の精神にも反するものであります。各省間の意見の調整は最終的には閣議によつてのみ解決せらるべきであり、内閣または各省大臣以外に政府意思の決定者があることは憲法の趣旨にも反するものであります。 さらに、小委員会は次の理由により河川行政機関は独自の単一のものであるべきであり、機構問題については、これを他の省に付属せしめることの不可なるを確信するものであります。 第一は、河川の本質であります。すなわち河川は水源より河口に至るまで有機的一体性を有するものでありまして、その一部における変化はただちに全川に影響を及ぼすものであります。この河川本来の性質が、河川管理の不可分一体性を要請する根本であります。 第二は、河川の利用は、河川の存在を前提とするものでありますから、河川自体の保全を無視することは絶体に許されないのであります。従つて利水と治水はまつたく不可分の関係にあり、この両者の総合統一こそ河川行政の使命であります。 第三に、一つの利水事業は当然他の既存の河川使用に影響を及ぼすものでありまして、各種河川使用や利水事業の円満な調和発展のためには、必然的に河川は公平かつ中正の立場にある単一の管理者によつて管理せられなければなりません。 最後に、多目的総合ダムの設置により、治水利水の問題を一元的に同時に解決しようとする傾向のある今日、河川行政における治水利水の関係は、いよいよ一体不可分となつたのであります。一つの世界が二つにわけられることは、何としても不合理であります。河川は一つゆえに管理者は一つということは、不易の真理であります。現に現行河川法が建設大臣を主務大臣としていることはその真理を体現したものであり、われわれ先輩の時代に対する洞察力にはいまさらながら敬服するのであります。現にアメリカにおいては連邦の統一的な河川法はありません。陸軍工兵隊、内務省、農務省、連邦水力委員会などの間に、種々紛争のあることも聞知しておるのであります。そのため河川開発計画の作成にあたつては、各省聞の事実上の連絡協議会が持たれていると聞いてもおります。今回の改正河川法案は、現行建設省設置法における建設省の権限の範囲内において立案いたしたものでありまして、いたずらに官僚の肩を持つて、この機会に権限を拡張するというようなことは毛頭考えておりません。むしろ従来の建設省の行き方が多少独善に流れておつた弊を改め、また工事中心主義から行政中心主義への転換をはかり、ことに積極的な河川利用の調整問題を取上げたものであり、また関係者間の利害の調整には特に意を用いたのでありまして、アメリカにおける官庁連絡協議会にも匹敵すべき河川審議会の設置のごときはまつたくその現われであり、この審議会において関係各省の意見を十分反映せしめて、その間の調整をはかるとともに、各省間における必要な協議規定を置いている次第であります。また中央と地方における権限の分配にも相当留意したのでありまして、河川行政に対する各般の要望は十二分に考慮を払つたのであります。 しかしながら河川法の改正はいまだその機運熟せず、今次国会に提案の運びに至らなかつたことはまことに遺憾とするところでありますが、右に述べました基本方針は、小委員会としての最終の結論であり、この線に沿う改正はあくまでも推進すべきであると考えます。改修問題、災害復旧、電源開発、食糧増産など今日国策上の重要問題はすべて河川をめぐる問題であります。これらの解決にあたつては、政府は右の基本方針を十分尊重して、立法措置を要せずして実施し得る事項については、すみやかにこれを案施に移されたいのであります。 昔から水を治むる者はよく国を治むると申しておりますが、私はさらにつけ加えたい、水を利する者はよく国を富ますと。しかして水利に関する方途は、単に建設復旧工事のみに限らないのであります。これを政策制度に考え、予算に現わし、実施に移すという三拍子がそろわなければなりません。河川行政も単に堤防工事にのみ終始することなく、政策制度もあわせて考え、河川工事とともに河川管理の強化へと、政府の施策の転換をはかられることが強く要望されたのであります。 なお小委員会において一応作成いたしました改正河川法案は、今後の立案にあたつて重要な資料となると思いますので、これを速記録に残したいと存じますから、委員長においてさようおとりはからいあらんことを希望いたしまして、本小委員会における報告といたします。
○田中委員長代理 この際お諮りいたします。河川に関する小委員会委員長内海安吉君の御報告を了承することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○田中委員長代理 御異議なしと認めます。よつて了承することに決しました。 なお内海君御提案の通り小委員会において成案を得ましたので、河川法に関する改正案は速記録に掲載いたします。 —————————————
○田中委員長代理 次に日程により、公共工事の前払金保証事業に関する法律案を議題といたします。建設省より野田建設大臣、政府委員として澁江同省管理局長、水野同省建設業課長が出席せられております。前会に引続き質疑を続行いたします。村瀬宣親君。
○村瀬委員 この法律案の審議はきわめて慎重に行われておるのでありまして、われわれももはや結論を得たいと思うのであります。そこで簡潔に要点だけをお尋ねいたしまするから、政府の方におかれましても今までの御答弁に拘泥するごとなく、最後の結論としての御意見を承りたいのであります。御答弁によりましては、われわれはこの法案の審議にあたつても討論その他の煩を省き得ると思うのでありますが、しかしまた御答弁のいかんによつてはなおいろいろな問題が起つて来ますので、簡潔に要領よく答弁をお願いいたします。私もきわめて簡潔にお尋ねをいたします。今までの御答弁は別といたしまして、あらためて伺うのでありますが、結局この法案によつてつくられる保証事業株式会社は、全国で大体何社ぐらいを登録を許す方針でありますか。その範囲をどの程度におきめになる御方針であるか、それが第一。第二は、登録申請は資本金の払込み前に受付けられるかどうか、まずこの点からお伺いいたします。
○野田国務大臣 本法案は保証事業会社の設立について、御承知の通りに複数の主義をとつております。本法案第六條の拒否要件に該当しない限り登録をして行く建前になつておりますが、保証料の引下げ、あるいは堅実な運営等を考えますと、ある程度の保証工事量があることが本会社の設立にとつてどうしても必要でありますので、私どものただいまの計算によりますと、本会社の数は数会社になることを予想しております。なお何社になるかということにつきましては、関係者、特に建設業界の意向その他を十分参酌いたしまして、今後きめて行きたいと考えております。 第二点の、登録申請を株式払込み前に受付けるかという点につきましては、受付けることといたしまして、いわば銀行等においてやつております事前の内認可のごときやり方をしたいというふうに考えております。
○村瀬委員 ちよつと第二点は私のお尋ねが徹底しなかつたのでありますが、私のお尋ねいたしましたのは複数の保証事業会社ができる。ところがそれはかりに五千万円といたしますと、このごろは未払込み株金という制度がありません。従いまして五千万円を全部払い込んでからその登録申請を受付けるとなりますと、払込みをしたが、お前のところは許可をしないということが生じて参るのであります。そういうことは当事者も非常に困ることでありますし、許可をする建設大臣も許可をしないということは、資本金まで五千万円、一億円と積んだものをむだにさせるということも不本意であろうと思いますから、会社の登録申請は、資本金はまだ納まつてなくても、許可という言葉は不穏当であるかもしれませんが、これは非常にわかりやすいように言うのでありますが、許可の受理、許可する、せぬというような受付を資本金が全部納まつてなくても受付けられるかどうかということであります。
○野田国務大臣 受付けたいと考えております。
○村瀬委員 そこで第一の点をもうちよつと明らかにしておきたいと思いますが、何社になるかは今発表はできないという御答弁でありましたが、大体地方建設局が幾つかあるわけであります。これは無意味におきめになつたわけではないのでありまして、公共工事等の便利、能率を勘案して地方に一応建設局を置いておる。これは工事量とも関係がありますけれども、そこに一つくらいの商業会社ができても必ずしもやつて行けないことはないのではないかと思うのでありますが、そういうふうなお答えはありませんか。
○野田国務大臣 そういう点も十分考慮して行きたいと考えております。
○村瀬委員 その次にお尋ねいたします第三点は、少しく抽象的になるかもわかりませんが、大事なことでありますのでお伺いします。 この会社の資本の構成は土木、建築業者以外からつくられることが望ましいと私は思うのでありますが、建設大臣はいかにお考えでありますか。つまり当該業者だけが寄つて自家保険的なものをするというよりも、当該業者にもし資金があるならば、それは建設工事にまわして、こういう保証事業会社の資本というものはできれば他から構成される、できないときはやむを得ませんからその関係業者がつくらなければならぬのでありますが、でき得る限り優先的に他からその資本を持つて来る。そうして公平に保証事業をやるというのが望ましいと思うのでありますが、建設大臣はどのようにお考えでありますか。
○野田国務大臣 本制度が建設業者の相互扶助的、自主的な意味合いもありますので、私は建設業者の資本か出し得るものは出していただいて、それにまた第三者も加わるというような構成にする方が妥当ではないか、こういうふうに考えております。
○村瀬委員 そこはどつちでもよいといえばよいのでありますが、資本金が五千万円、一億円とできさえすればいいように思うのでありますが、私の考えといたしましては、それは別に自分たちだけでセクシヨナリズム的にやろうというような方針でおりますと、必ず将来問題が生ずると思うのでありますが、これは建設大臣のお考えをそのようにかえてもらうというようにも行かぬわけであります。 第四点のお尋ねといたしまして、これもまたちよつと本法案とは離れるかもわかりませんが、基本的に伺つておかなければならぬと思いますのは、今後公共工事は直営と請負とをどういうふうにお考えになつておるか。そして直営の場合は、この法案は全然関係がないわけでありますが、直営を主にするか請負を主にするかということになると思うのであります。そうして今度は請負となつた分を、一般公入札を原則とするか、指名競争入札によりたいとお考えになるか。そういう問題が起りまして、さて指名競争入札ということになりますると、指名するときには、相当内容を吟味して指名しなければならぬと思うのであります。でありますから、かりにも公共団体、特に建設省等が指名をした者に対して落札をしても、保証事業会社が保証しないということは、これはかなり困難だと思うのであります。もうすでに指名競争入札のときに、ずいぶん資格については吟味もなさつたことと思いますが、その辺はどういうふうなお考えをお持ちになりますか。
○野田国務大臣 第一点につきましては、直営と請負の関係におきましては、私は請負に出し得るものは、漸次請負に出して行きたい、なるべく請負の分をふやして行きたいというふうに感ずるのであります。 第二点につきましては、工事の施工能力というようなものをよく考えまして、漸次一般競争入札の方向に向いますが、その際その工事の施工能力等も、十分ににらみ合せて考えて行きたい、こういうふうに考えております。
○村瀬委員 指名競争入札よりも、一般公入札の方にできれば進んで行きたいという御答弁であつたように思うのでありますが、私はわずかな経験でありますが、実際地方自治体等におりましてやつてみまして、理論としては一般公入札がよいのでありますけれども、実際の工事では、一般公入札ではなかなかうまく行かぬ場合が多いのであります。たとえば一般公入札になりますと、全国どこからでもやつて参ります。そしてこのごろは談合とかいろいろな問題は、大分粛正されて参りましたけれども、その間いろいろな方法が行われまして、一般公入札というものが、理論的に考えられるほど、運営の面に当りますと、有効適切なるものではないのであります。まず資格の審査等にあたりましても、ずいぶん困難が伴うのでありますが、しかしその点は、またこの法案とは別に大臣にお考えを願えばいいのでありまして、私の問題とするのは、指名競争入札の場合、その場合には資格は十分吟味なさるわけでありますから、この保証事業会社ができたから、保証事業会社の方で内容は吟味するであろうから、指名競争入札の場合も、従前に比してそんなに資格を吟味をする必要はない。資格能力を吟味するのは、保証会社の方でやるから、ともかくもそこらを寄せ集めて指名競争入札をしてみようという、安易な気分になられては困ると思うのでありますが、この法律のできましたのを境として、何か建設省において、指名競争入札の場合の指名人をきめる上に、お考えがかわりますか、従来と同様でありますか、それを伺いたいと思います。
○野田国務大臣 私はこの法案ができますとたんに、どうするかというふうな考え方じやなしに、漸次個々の建設葉者が、きわめて堅実な経営をし、信頼に値するようになつていただきたい、そういうふうな方向で今後進んで行きたい、こういうふうに考えておるわけであります。
○村瀬委員 その次の問題は本法の第二條であります。「この法律において「公共工事」とは、国、日本国有鉄道、日本専売公社又は地方公共団体その他の公典団体の発注する土木建築に関する工事をいい、資源の開発等についての重要な土木建築に関する工事であつて、建設大臣の指定するものを含ものとする。」このあとの重要産業といいますか、資源の開発等についての重要な土木建築工事、これはどういうものを指定さるのでありますか。前の御答弁では電源開発、私鉄、石炭、造船というようなことを大ざつぱに言われたのでありますが、もう少しはつきり、おわかりになつている点を御説明願いたいと思います。
○野田国務大臣 先般政府委員よりお答えいたしましたことく、電源開発に関する特殊会社ができますれば、そういうものも入りましようし、あるいは造船につきましては、いろいろ計画造船をする会社ははつきりきまつておるのでありますから、そういうような会社も対象になり得る、こういうような考えをいたしておるわけであります。
○村瀬委員 この指定はどういうふうになさるのでありますか、いつ官報に載せるのでありますか、その都度なさるのでありますか。
○澁江政府委員 これは建設大臣の告示等による官報に公告する方法をとりたい。その際の指定の方法としては、造船業あるいは電源開発事業というふな形式をとりたい、かように考えております。
○村瀬委員 次は第十九條についてもう一度明らかな御答弁を承つておきたいのであります。この保証事業会社が営んではならないという兼業の問題、それはこの前お尋ねいたしました、重要産業の保証はよいというのとも関連があると思うのですが、これに対するはつきりした御答弁をもう一度承りたいと思います。
○澁江政府委員 御質問の御趣旨ちよつと……。
○村瀬委員 今までの御答弁がちよつと二手に出ておるのであります。これはいつごろでありましたか、こういう御答弁があつたのであります。この法律案で監督を受けて、そして保証約款なり何なりについて、この一つの法律に基きます許可承認といつたものの一つの條件のもとにやる対象としての保証は、公共工事を前提としておる、こういう趣旨を申し上げたのでございます。しかして、今お話のございましたそういう保証会社が、それではこの法律の規制いかんにかかわらず、他の民間の工事の保証をやり得るかどうか。これは私はそういう場合もあり得ると思うのでありますが、それはこの法律の対象外であるというふうに考えて申し上げたのであります。というような御答弁もありました。それからまたその後において、この法律で登録をし、あるいは登録の拒否を受けるがごとき制限を受けるこの信用保証業務を営む会社が、その他の公共工事以外の工事の保証をなし得るか、こういう問題に具体的につつ込んで参りますと、それは実はできないという関係になつておるのでございます。十九條にその規定をうたつておるのでございます。こう二度御答弁になつておるのでありますが、この点はつきり承りたいと思うのであります。
○澁江政府委員 この保証事業会社の保証する対象は、第二條に掲げてある工事に限るという趣意でございます。従いまして、ただいま御指摘のありましたような民間企業の場合でございますが、やはり重要資源開発工事、これに限定する、こういう趣意でございます。
○田中委員長代理 逢澤寛君。
○逢澤委員 私はさきにその概要をお尋ねいたしたのでありますが、なお二、三の点についてさらにただしておきたいことがあるのであります。本法律案は政府資金を中心としたように考えられるのでありますが、地方公共団体に前渡金を支払うことを義務づける御方針でありますか、その点をひとつ伺いたい。
○野田国務大臣 地方公共団体に前払いをすることを義務ずける考えは持つておりません。
○逢澤委員 一体この法律はその辺が非常に重要なところだろうと思います。私ども若干この事情に精通しておるものでありますが、比較的大業者は資金面においても銀行から借りる資格がある。それだけの信用があから銀行からの融通がつく。ところが弱小業者になると、自己の信用が薄いからなかなか銀行が貸してくれない。そこで高率の金利のものを借りなければならぬ。従つて前渡金を出すと弱小業者が非常に仕事がしやすくなるということになる。そこに公共事業というものの施工が非常に簡易化して、しかも丁寧にできることになると思うのであります。仕事は中央の仕事より地方公共団体の仕事の方が規模が小さいのです。従つて小さい仕事に関係する小さい業者をこの恩典に浴せしめることが、この法律の趣旨からいつたら必要だと思う。ところが他面には弱小業者でありますから、銀行からも社会からも信用が薄いということになる。そこでこういうような保証会社で保証してやることが、弱小業者の信用を高めるために必要なんです。そういうような意味からいいますると、地方公共団体にも前渡金を義務づける必要があるのです。ところが地方公共団体からいいまするとその金繰り上、政府から補助金が来れば払うことができるけれども、来なければ払うことができないというような関係があつて、地方公共団体に前渡金を義務づけると、地方公共団体の長が困るじやないかというような論者もある。けれども私どもの知つておる範囲におきましては、地方長官といたしましても、今までは、前渡期をやつてなるべく早く完全な工事をやらせたいというのが念願ですが、金をやることのできないいろいろの法制上の障害があつたためにできなかつたのであります。そこで両方が成り立つような考え方があるかないか、あるいは払つてもよし払わぬでもいいというような法律をつくられるというお考えがあるかないか。 〔田中委員長代理退席、委員長着席〕
○野田国務大臣 ただいまの点につきましては、前払い金をすることの義務づけはいたさないのであります。地方財政の状況もありますので、その点は考慮いたしておりますが、しかしながら他面におきまして、ただいま御指摘のように、比較的小規模の建設業者が仕事を請負う場合には、資金の面に非常に困難がありますので、なるべく地方公共団体が前払い金のでき得るように、たとえば地方財政平衡交付金を交付する場合であるとか、あるいは各種の補助金を政府が支出する場合に、そういうときになるべく時期を早めまして、前払い金のできるように特に地方において配慮してやる。また御承知のように公共事業につきましては、補助金以外に起債にまつものがきわめて多いのであります。従つて起債による資金の交付というものもできるだけ早目にしてやる。こういうような点をあわせて考慮いたし、また実行いたしまして、地方団体がなるべく前払い金ができるような態勢に持つて行きたい、こういうふうに考えておる次第であります。
○逢澤委員 将来保証会社の数をどのくらいにするかということにつきましては、村瀬君から詳細な質問があり、大臣の御答弁もございましたので了承いたしました。現在の段階では地建の所在地くらいにつくつてもらいたいというのが大多数の要望なんであります。これがあまり少くなると保証力というものが貧弱になつて来て、それがどういうような結果になるかということは予想されるのでありますが、これがもし二箇所か三箇所くらいになつた場合には、出張所とかあるいは支店とかいうものを適宜設置し得るような制度をお考えになつておるかどうかという点につきましてお伺いしたいのであります。
○野田国務大臣 今ブロック別くらいにつくつてはどうかという御説もありますので、十分考慮いたしたいと思います。また必要な箇所に支店、出張所を設けるという点につきましては、もちろん十分指導いたしまして、この制度が円滑にかつ最も効果的に運営されるようにいたしたい、こういうように考えております。
○逢澤委員 それから保証の料率のことでありますが、これはしばしば論ぜられておりましたので、大体結論は出ておりますが、この保証料率が高くなるということは、これはこの法律をつくつた趣旨に反することです。しかもまた確実な保証を励行してこの制度を確立して行こうとすれば、経営をできるだけうまくやらなければならぬと思います。しかしこれは保証事業を行うことが中心の考え方であると思いますので、高率の配当をおやりになるかならないか、あるいは若干の制限をつけるかつけないかということについてただしておきたい。
○野田国務大臣 この法律によつてできます会社の配当につきましては、高率配当ということは考えておらないのであります。保証料率の問題につきましては、この事業がうまく行けば行くほど保証料率はできるだけ引下げるように持つて行きたい、こういう趣旨で高率配当はできるだけ抑制するということを考えております。
○逢澤委員 最後にもう一つただしておきたいと思います。保証会社の事務が官僚的に流れやすくなるおそれがあるのであります。そこでこれが官僚的になりますと、せつかくできました保証会社の運営上事務の遅滞を来し、そして形式的になる。こういうことになると業者が非常に迷惑することになると思いますので、この点法律の内容の中に迅速果敢になし得られるように織り込まれるお考えがあるかどうかという点について伺いたい。
○野田国務大臣 この会社の経営が官僚的になるおそれがあるからという点につきましては、われわれの方でも十分注意いたしまして、絶えずこの会社の動き等につきましてはよく見届けるようにいたしますし、また御関係の向き向きからは十分いろいろな御意見を承りまして、運営上決してそういうことのないように万全を期して行きたい、かように考えております。
○松本委員長 これにて本案に関しまする質疑は終了いたしました。 ただいまより本案を討論に付します。
○内海委員 本案に関しまする討論を省略してただちに採決に入られんことを望みます。
○松本委員長 ただいま内海君より討論を省略してただちに採決すべしという動議が提出されました。御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○松本委員長 御異議なきものと認め、さよう決定いたします。 ただいまより採決いたします。本案を原案通り可決するに賛成の諸君の御起立をお願いいたします。 〔総員起立〕
○松本委員長 起立総員。よつて本案は原案通り可決すべきものと決しました。 この際お諮りいたします。本案に関しまする委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○松本委員長 御異議なしと認め、さようとりはからいます。 —————————————
○松本委員長 次に本日の議題であります公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法の一部を改正する法律案、淺利三朗君外二十五名提出、衆法第六四号を議題といたします。まず挺案者より提案理由の説明を聴取いたします。淺利三朗君。
○淺利委員 公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法の一部を改正する法律案につきまして、提案者を代表して提案の理由を説明申し上げます。昨年、第十回国会におきまして、公共土木施設災害復旧事業国庫負担法が制定され、災害復旧事業に対する国庫負担の一応の原則はきまつたのでありますが、本法施行の状況にかんがみまして、これをさらに合理化するため、今回この改正案を提出いたした次第であります。すなわち改正の第一点は、災害復旧事業費に対する国の負担方法を合理化するという点であります。 現行法におきましては、災害復旧事業費の三分の二から全額まで、地方公共団体の標準税収入に応じてスライドして国が負担するごとになつておりますが、原形復旧事業費のみを対象にしておりまして、原形復旧に要する金額を越える金額、すなわち超過事業費につきましては、本法による国庫負担率計算の基準である災害復旧事業費の中より除いており、「それぞれの施設に関する改良工事について、国が、他の法令又は予算の定めるところによりその費用の一部を負担し、又は補助する場合の例により、その費用を負担する。」ことと相なつております。 近時災害復旧事業の激増によりまして勢い超過工事も増加し、災害激甚な幾多の地方公共団体におきましては、貧弱な弾力性に乏しい地方財政をもつてしては、その負担に応ずることが困難な事態が考慮せられ、復旧工事の円滑な施工が不可能な状態に立ち至らんとしております。 さらに、理論的に考えましても、法第二條第二項におきましては、災害復旧事業の定義に「原形に復旧することが不可能な場合において当該施設の従前の効用を復旧するための施設をすることを含む。」とし、第三項においては、「災害に因つて必要を生じた事業で、災害にかかつた施設を原形に復旧することが著しく困難又は不適当な場合においてこれに代るべき必要な施設をすることを目的とするものは、この法律の適用については、災害復旧事業とみなす。」としてあるにもかかわらず、第四條で、スライド制による国庫負担率計算の際にこれを除外しておりますことは、無理に原形復旧と超過工事と二つにわけたものでありまして、合理的なものとは申せないのであります。災害復旧事業について、超過事業などという観念がおかしいのでありまして、原形に復旧するのが不適当な場合、これにかわる施設をすることは災害復旧事業なのであります。従いまして、今回超過事業費という言葉を削りまして、第四條の第一項の災害復旧事業費には、公共土木施設に関する災害復旧事業の事業費すべてを含むように改正せんとするものであります。 改正の第二点は、現行法におきましては、第六條の一号において、「一箇所の工事の費用が十五万円に満たないものに」ついては、本法の適用を除外しておりますが、これを改正して都道府県と地方自治法第百五十五條第二項の市を除きまして、市町村に係るものにあつては、十万円に満たないものを適用除外にする。すなわち本法の対象となる災害復旧事業の最低線を、市町村については、一箇所当りの工事費用を十五万円から十万円に引下げたのであります。これは、近時の災害の状態を見まするに、災害が局地に累積し、しかも十五万円未満の工事が相当多く、貧弱なる市町村財政をもつてしては、その復旧が不可能な場合が多く、災害を誘発する結果となるおそれがあるからであります。従いまして比較的財政の融通可能な都道府県及び五大市につきましてはこのままとし、市町村についての最低採択限度を十万円と改めようとするものであります。 以上、説明いたしました二点が、本改正案の趣旨でありますが、さきに申し上げました第四條の改正規定につきましては、その取扱いの公平を期するため、過年度に発生した災害で、昭和二十七年三月三十一日現在において、国の負担金の交付を受けていないものについても適用させるよういたす所存でありますし、後に述べました第六條の改正規定につきましては、過年災にさかのぼつて査定をし直すことは不可能でありますので、二十七年災害から適用することといたしたいと思います。 以上簡単でございますが、提案の理由の概要を申し上げました。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願いいたす次第であります。
○松本委員長 本案に関しまする質疑は次会に譲りたいと存じます。 本日はこの程度で散会いたし、追つて次会は公報で御案内いたします。 午前十一時四十分散会