建設委員会 第30号
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- 3
- 開催日
- 1952/05/14
会議録
○田中委員長代理 これより建設委員会を開きます。 本日委員長が不在でありますので、暫時私がかわつて委員長の職務を行います。 日程に従い公共工事の前拂金保証事業に関する法律案、内閣提出第一五〇号を議題といたし、前会に引続き質疑を続行いたします。村瀬宣親君。
○村瀬委員 建設大臣がお見えになりまするまでに政府委員から資料について伺つておきたいと思うのであります。 まず本法律案が実施されまするならば、やがてそこには数個の保証事業会社ができまして事業を始めるわけでありまするが、その事業に対しまして、運営の円滑を期するためには、国、公共団体、重要民間工事等の一つの前拂い保証の対象となるべき工事費の資料というものが明らかになつておらねばならないと思うのであります。これにつきまして、当局が今お調べになつておる範囲のいわゆるピークが八月に来るか、十月に来るかというような問題、並びに全体の工事量等についての資料、数字の説明を伺いたいと思うのであります。
○澁江政府委員 お答え申し上げます。この前拂金の保証事業の対象にいたしておりまする公共工事の工事量の想定でございますが、つまり保証する工事の金額がどのくらいになるかというのでございますが、私どもの大体の推定を申し上げますと、国、公共団体につきましては約二百六十九億と考えております。それから重要民間工事につきましては、おむね五十三億、合せまして約三百二十三億程度がこの保証する工事金額、すなわち前拂金は一応全体の工事の三割以内という想定を立てておりますが、その三割以内に相当すべき重要工事の工事金額が今申し上げた三百三十億というふうに大体考えております。 それから保証債務の最高残高が年間を通じてどの月がピークになるかと申しますと、大体十一月がピークになるものと想定いたしております。その際における保証債務の残高を国、公共団体ないしは重要民間工事別に見てみますと、国、公共団体工事の場合につきましては約八十九億、重要民間工事につきましては十一億、合せましておおむね百億という推定をいたしている次第でございます。
○村瀬委員 ただいまの御答弁によりますと、政府のいわゆる公共事業の対象となるべきものが二百六十九億、それから民間の重要産業が五十三億というのでありますが、合して三百二十三億見当という御答弁でありますけれども、これは三割とお話になつたのでありますが、保証というのは三割ではないのであつて、工事全体のわくの算出の基礎をもう一度明らかにしていただきたいと思うのであります。つまり今年度の公共事業費の予算全額中、たとえば災害復旧だけで五百億、今年度使用すべきものに八十億充てておりますが、過年度災害だけで四百二十億ということになつておるのであります。その他各省にわたるいろいろな経費等から、この二百六十九億というのはどういう基礎で出たのでありましようか。また同時に五十三億というのも非常に少な過ぎるという感じがするのであります。たとえば電源開発のごときものも、今の九電力会社でやる分が八百七十億でありますが、このほかにあるいは府県でやる、あるいは各工場でやる、それから今審議されております電源開発促進法案でやる分、これらを合して、千二百億見当のものがあつたと思うのでありますが、その工事に対し五十三億というのは、これは電源開発だけでも非常に少いと思うのであります。いわんやこれに造船があり、さらに石炭——石炭の方は請負はあまりないと思いますが、それらを合せますと、この五十三億というのは非常に少な過ぎるという感じがいたすのでありますが、この算出の基礎になりました工事量の全体をどういうふうにお考えになつておりますか、伺いたいのであります。
○澁江政府委員 まず国、公共団体の発注する工事金額、これを千八百億と想定をいたしております。次に電源開発工事は百三十七億を一応予定いたしております。それから重要民間工事につきましては、これを鉄鋼、石炭その他重要産業に関する部分と、それから鉄道、軌道の建設工事と両者にわけておりますが、前者の鉄鋼、石炭、重要産業に関する施設の工事量が百四十億、それから鉄道、軌道の建設工事の分を二十五億というふうに推定をいたしております。ただいま申し上げましたような工事量の国、公共団体の分については、前拂金の保証をする工事金額はおおむね三割、それから電源開発工事の場合でも同様三割、それから重要産業、民間工事につきましては、これをおおむね四分の一というふうに見ておるのであります。以上の積算の根拠に基きましてはじき出しましたものが、先ほど申しました三百二十三億というふうに想定いたしておるのであります。
○村瀬委員 ちよつと聞き取りにくい点があつたのでありますが、政府関係は千八百億と一応推定したというような御答弁のように聞いたのでありますが、この三割ということになりますと、それだけで五百四十億ということになると思いますが、どういうことでありますか。
○澁江政府委員 ちよつと私申し落しましたが、これは保証すべき対象の工事を、前に申し上げたかと思いますけれども、五十万円以下の工事は一応対象外にするというふうに考えておりますので、その部分を差引いて考えておるのでございます。
○村瀬委員 五十万円以下の工事は前拂いをしない。三割というと、十五万円でありますが、こういう箇所が災害等でたくさんできました場合には、自分の部落の組合等でやることもあるのでありますが、貧弱町村ではやはり五十万円につき十五万円の前拂いをもらうということが工事の進捗上非常に便利であり、有効である場合もあると思うのでありますが、これは何によつてきめるのでありますか。定款によるのでありますか、政府の達示によるのでありますか。その会社としては十万でも二十万でも保証ができぬはずはないと思うのですが、どういうことになりますか。
○澁江政府委員 この五十万円以下を保証事業の範囲から除外しまして切り捨てるという根本的な考え方につきましては、これはできればあらゆる工事を保証することが望ましい。従いまして、それによりまして前拂い金を出し得る道も開かれる方が望ましいということは、私どもも考えておるわけでございます。しかしそうすることは一面において非常に取扱い件数をふやす結果になりまして、従いまして、それによる会社自体の管理費というものを相当高く見積つて予定しておかなければならぬ結果になると思いますので、それはひつきようするにやはり保証の額の上にも響いて参るわけでございます。そういう点を勘案いたしました。それともう一つは、五十万円以下の工事についての三分の一というものは、額にいたしましても、発注者の側においてかりにこれが解約その他の事情に立ち至つた場合でも、損害額としては軽少であろうということと、それから業者側の立場におきましても、その三分の一の資金融通と申しますか、そういうものに対しての不便はまず大したものではないのではないかというふうに考えました。この両者の理由によりまして、一応五十万円を切り捨ててやつたならばどうかというふうに考えておるのであります。それからどういう方法によつてそういう限界をつけるかということになりますが、これは保証事業会社がそういう運営方法をやるという建前のもとに、かりに認可を受けることになりますれば、事業会社自体の運営の上において、ただいま申し上げたような方法がとれる結果になると思います。これはもつぱら第一次的には保証事業会社の運営の上においてそういう方法をとるかどうかということが前提でございまして、それを監督官庁が認可する際において十分検討した上できめられる、こういう結果になつて参るのでございます。
○村瀬委員 どうも質問を続けて参りますたびごとに、この会社は、国策会社的な扱いをしないといいながら、どうしてもせざるを得ぬ面が出て来るように御答弁が導かれるのであります。今のお話でも、ともかくも何も五十万とか三十万とかいう必要はないのでありまして、保証事業会社がやりさえすればいいわけなんであります。どうも件数が多くなつて人件費がいつて困るから、五十万じや困る、四十万じや困るというのは、それは経営上のことであつて、何も一つの規則として、五十万以下はどうせやらぬはずだからこういうふうなことは、これは国策会社ならばともかくもい單に商法に基く普通の株式会社であるといたしますと、非常に妙なものだと思うのであります。そこで今御弁を伺つて私は感ずるのでありますが、五十万というのは、一つの工事でありますか、あるいは一つの工事は十万円だけれども、十箇所堤防がこわれて、十箇所加えて百万円ならば、それに応ずるというのであるか、そういう点が非常にあいまいであります。ともかく金額で抑えるのか、あるいは実際の工事々々について調査をするのか、そういう点もつとはつきり伺つておきたいのであります。 それから五十万円の三割ならば十五万円で、それくらいのことは請負者も、また請負わす方も、大して心配ないということでありますが、今の実際の災害復旧等の各町村の実情を見ますと、実際小さい金にも困つておる。それがために、できるものもできないで、次の台風が来てよけい傷を大きくするということが非常に多いのでありまして、幸いに今までなかつた前拂金制度の実施ができるということになりますと、あらゆる面に、この災害復旧等の工事は進捗して参ると思うのでありますが、そういう場合には、五十万円でも、前拂いがあるのとないのとは、非常にその村、その町の意気込みにおいて違つて来るのであります。そういう関係からいたしまし、これは当然制限を設けるべきではないと私は思うのでありますが、一体保証会社の方よりも、政府の方で、五十万円以下には前拂いをやらないというようなことをおきめになるのでありますか。保証会社の方が、五十万円以下のは件数がふえて、人件費ばかりかさむから、保証しないのだというのか、あるいは政府の方が、五十万円以下には前拂金は一切やらないのである、こういうのでありますか、どつちですか、これを伺つておきたいと思います。
○澁江政府委員 五十万円以下の工事を、保証の対象外にするという想定を一応立てておるわけでございますが、その五十万円というのはどういう工事金額できめるのか、あるいは全体の工事量できめるのか、一件ごとの工事金額できめるのかという問題でございますが、これは一件ごとの工事金額できめるという考え方でございます。 それからもう一つは、国策会社でない会社が、そういう五十万円以下のものに保証するかしないということを、あえて事業運営の上でやり得るならば、それを認める、認めないということを考える必要はないじやないかという御意見のように存じますが、まことにごもつともな点であると思います。ただ私どもが非常に会社の運営について心配いたします点は、保証債務の残高と自己資本との関係、これは前にも申し上げたと思いますけれども、保証債務の残高と、自己資本との関係を、おおむね二十分の一の範囲内で資金を確保して行かなければいけないということを、これは保險会社の運営その他から参酌しまして、どうしてもそういう方向でやつて行きたいという、信用力保持ということを強く考えておりますので、そういう点から考えますと、保証すべき工事の対象を広げるということは、先ほど申し上げましたような管理費その他の問題もございますし、それからそれによりまして、保証料を相当高率にするのでなければ、保証限度を二十倍という線に押えることが、かなり困難な結果になつて参ります。ということは、つまり債務残高というものがそれだけふえて来る。従つてそういうものに対応する保証力というものを、どうしてもある程度、五十万円以下というものをとり込んだ場合ととり込まない場合におきましては、相当高率にせざる以上は、ただいま申し上げましたような保証限度を十分確保して行くことがかなり困難ではないかと、いう想定に立つて、五十万円以下をむしろ切り捨てた方が適当ではないかと考えておるのでございます。
○村瀬委員 もし会社が、三十万円まで保証するという内容の定款を持つて参つた場合には、それではその会社は認可しないということになるのでありますか。
○澁江政府委員 先ほど私が答弁で落しましたけれども、この五十万円以下を切り捨てるか切り捨てないかということは、会社自体の運営の上のもくろみ、判断、事業計画書によつてきまるわけでございます。従つて政府の政令その他できめる筋合いのものでもございません。そこでただいまの御質問のありました、それでは定款の上で三十万円以下のものを保証する事業計画を立てて、登録を求めるという結果になつた場合において、あるいは認可を求めるという結果になつた場合において、要するに認可するかしないかという判断の基礎になるのは、それによつて、先ほど申し上げましたように、保証料の収入、それからその会社の自己資本額、それから保証基金額というものの合計額と、保証債務残高との切り捨てにおいて、十分これに安心ができるということでありますれば、これは認可してさしつかえないというふうに考えておるのであります。ただ私どもの今まで五十万円以下を加算しまして、これは一応全国一社の場合を想定いたしまして計算をした場合において、五十万円以下を含めた結果による工事の危険率、これも相当上つて来ることは事実でございます。それからもう一つは、それによりますところの管理費、人件費その他の部分がふえて来ることも事実でございます。従いまして、それによる保証料も、これはある程度引上げざるを得ないという結果になつて来ることも、当然と考えるのであります。それらを勘案して考えたところでは、一応確実な計画を立てるという観点に立つならば、五十万円以下は、ただいま申し上げたような趣旨で、一応切り捨てる方が賢明なのではないかというふうに考えておるだけのことでございます。
○村瀬委員 私は政府委員と議論をする意思は毛頭ないのでありますが、ただいまの御答弁によりますと、管理費その他件数がふえることによつて、いろいろな経費を増やすということも、ごもつともであります。その通りであります。ところが御答弁の中に、一つの危険率がふえるという意味のお話がありましたが、これは私はただちに危險率がふえるかどうか、プロバビリテイーというものは、件数がふえる方がかえつて公正な線に達するのでありまして、五十万円以下を加えるからといつて、その危険率がそこにふえて来るということは、私は承服いたしかねるのであります。むしろ五十万円くらいの工事でありますならば、この人がこれをやりおおせるかどうか、非常に判定しやすいのであります。保証会社としては、そういう小さいもの——紙を使つたり、インキを使つたり、そういう人件費のふえるのは確かにその通りでありますけれども、危険率というものが、かえつて五十万円くらいのものは、危険なところは保証しないでよいのでありますから、これはあぶないと思えば、あなたのところは保証しないというなら、それですむのでありますから、かえつていいものばかりをえり食いができるという意味において、五十万円を加える方が、会社としては成績がよくなる。こういうふうにも考えられるのでありますが、その危險率において変動を来すという根拠は、どういうふうな点にあるのでありますか。
○澁江政府委員 その点は、私も確たる、今までの工事金額の規模に応じたそれぞれの件数その他について、正確に押えた結果として申し上げておりませんので、一応の推定でそういう結果になるのじやないかということで申し上げておるのでございますが、そういう件数が多くても、これは調査を十分にやれば、むしろそういう工事金額の少いだけに、確実に工事の内容もつかみ得るし、業者の選定もしやすいのじやないかということも、一つの御議論だと思います。ただそれだけの件数がふえて、従つて調査にも相当行き届いたことをやらなければいけないじやないか。さつき私から御答弁申し上げた点も、繰返すようになりますけれども、それがためには、調査すべきスタツフ、それに伴う管理費も相当ふえるであろう、これだけは確実に言えることじやないかと思います。前段の、危険率が非常にふえるという点については、これは私の一応の想像でございますから、あるいはその点は誤つている点があるかもしれません。
○村瀬委員 私の質問は なお重大なことが残つておるのでありますが、建設大臣のお見えになるまで、一応保留いたしておきます。 —————————————
○田中委員長代理 次に住宅金融公庫法の一部を改正する法律案、内閣提出第一四九号を議題といたし、これより質疑に入ります。質疑は通告順によつてこれを許します。淺利三朗君。
○淺利委員 今度の改正によつて、災害補償契約、いわば一種の事故保険どいうような形をとつておるようでありますが、一体これはどういう根拠でやつておるのか。現在の火災保険は、普通の保險であつて、聞くところによれば、何か保険会社と特約をもつ、一定の割引率でやつておるということを聞いておりますが、この現状はどういうふうになつておりますか、それをまずお伺いしておきます。
○師岡政府委員 現在の火災保険の個々のやり方は、現在あります全保険会社と契約を一つ一つ結びまて、大体一般料率の三割引きの料率でやつておるのであります。ある一軒の住宅について申し上げますと、十七社ございますが、この十七社が各自百分の一とか、あるいは百分の十とかいうようなシエアををもちまして、つまり危険負担部分をもちまして、そしてある一軒の住宅について、全部の危険負担ができるというような仕組になつております。
○淺利委員 もう一つ伺いたいことは、この住宅公庫で貸した金の部分については、この事故保険の形式で救われると思いますが、現在公庫から金を借りて建てる場合に、自分で頭金を出す。そのほかに坪数は規定以上にふやすという者もあると思いますが、そこで公庫の融資によつて建てた家屋の、戸数で調べたのがあればそれも知りないのでありますが、公庫から借りた額と、それから自己資金でやつた金の額の割合は、どういうふうになつておるか、その統計があるならばひとつお示しを願いたい。
○師岡政府委員 ただいま申し上げました個々の仕方としては融資額だけでなく、自己負担分についても、一応できるような契約になつております。ただその割合が、どの程度になつておりますかは、ちよつと手元に資料がございませんので、必要があれば後ほど申し上げます。
○淺利委員 これが非常に重要な問題であろうと思います。この規定を見ますと、公庫から借りたものだけはこれによつてやることになつているが、公庫から借りた以外に、自己資金でやつた部分が相当多いとすれば、その残りの自己資金でやつたものに対しても、その人はかけるだろうと思う。その際にも、なお保険会社は三割引でもつてやるということが可能であるかどうか、その点をひとつ確かめておきたいと思います。
○師岡政府委員 この制度におきましては、公庫の融資額だけがこの方法で補償されることになるわけでございます。従つて自己負担分につきましては、火災保険等が個人との契約になるのでありまして、先ほど申しました割引料率は適用されないと思います。
○淺利委員 そうすれば、むしろこの制度は、金を借りた者に対しては、非常に不利を来すという結果になりはしないか。それならこの法案のねらいは一体どこにあるのですか。ただ住宅公庫が自分の責任だけをのがれればいいというのか、住宅公庫から借りた者を、保護するという意味になるのか、どこにこの規定のねらいがあるのでありますか。
○師岡政府委員 その自己負担分は、大体において融資額よりも少いのが実情でありまして、従つてその分が一般料率になりましても、この融資額分について低い料率の保険料と、それから一般の料率による自己負担分に対する保険料と合算しました場合に、従来の三割引の料金よりも、はるかに低くなるという計算になつております。
○淺利委員 今の推定として、借りたものより自己負担の方が少い、こういうことを言われますけれども、しかしこれは統計的にはほとんど現われていない。そこで私が、統計の上からこれを確実に判断するところの資料をお示し願いたい、こう申し上げたのでありますが、この審議の過程に間に合いさえすればいいのでありますから、そういう統計を、つまり公庫から借りた額の建物全体の額に対する割合というものを、ひとつお示しを願いたい。と同時に、公庫から借りたのは、早いうちに返せば、建坪木造なら一万六千円とかあるいは一万八千円とかいう標準で借りておる、最近においては物価が値上りしてその当時一万八円千で建てたものも現在においては三万円、三万五千円の金をかけなければ建てられぬ現状である。そうすれば公庫では一万八千円なら一万八千円を対象として事故保險をやる。本人から見れば、焼けてしまつた場合に一万八千円の保険をとつても何にもならぬ、こういうことになると思う。だから公庫に返すためだけならいいけれども、その人が懐けた場合には、それを保険料によつてさらに再建築をする、こういうことを考えたならば、公庫の金を返したけれども今度は再び公庫から借りるときにはその金は借りられない。今日の物価によつて相当高い建築費を出さなければ家が建たぬということになりますと、どうしてもこれは建築をした者から見れば相当の保險金をかけなければ不安であるという結果になると思うのであります。そういう場合にはこの規定の適用だけでは、ただ公庫との関係の貸借関係はこれで決済できますけれども、建築主として、借りた者から見たならば、非常にこれは不安があると思う。私はそういう点から見れば、かえつてこれは借り手の方から見ればこの法律によつて非常に不利を来す、こういう結果になると思うのでありますが、その点についての御見解はどうでありましようか。
○師岡政府委員 自己負担分につきましてはこの制度によりますと保険会社にかけることとなりますその分につきましては、時価によつてかけることになりますので、自己負担分の保険金額を受取りました場合には、それをいわゆる頭金といたしまして、再び公庫に借り入れる申込みをすることができますので、住宅の災害にあいましたときの復興に心配はないのじやないかと思います。
○淺利委員 そこがはつきりしないのでありますが、これは物価の値上りがないと仮定すればそういうことは考えられますが、第一回に公庫から木造で一万八千円なり一万六千円という単位で借りて、そうして家を建てた、その家は今日の物価で見れば三万円以上の金がなければ建てられぬ、こういうことになる。そうすればこの保険をかける人からいえば今日の時価によつてかけるということになる。ところが公庫で事故保険をやる分は、一万六千円なら一万六千円のその範囲だけでこれは保険されるんだから、その超過額というものは、これはやつぱり保険をかける人の方で別個に保険会社にかけなければならぬ、こういうことになると思う。そうすれば先刻局長の説明された、公庫から借りておる額より自己資金の方は非常に少ついということが言われぬじやないか。公庫から借りた当時は一万六千円であつたが、今日は三万五千円の金がなければ、その單価じやなければ家が建たぬということになればその差額だけですでに公庫に借りた額以上の金になつてしまう。そうするとその分は今度は一般保險会社に保險をかけて、そうして三割の特別割引もない、こういうことになりますと、明らかに借り主の方から見れば非常に不利なことになる。これはただ住宅公庫だけが救われるのであつて、金を借りた人は少しも救われない、こういう結果になりはせぬかということが考えられますのですが、そこで私はどうしても今日の時価にすればどのくらいの額である、そうして借りた金との差額は、自己資金との差額はどれだけあるかということを計数の上からこれを明らかにして、そこで判断の資料にしたい、こういうように私は思うのであります。でありまするから、そういう点についてはどういうふうにお考えになるのかもう一ぺんはつきり伺いたい。
○師岡政府委員 融資分につきましてただいまのお話の通り一万六千円でできたものが現在は三万円である、そうしますと災害補償制度によりましては一万六千円の分だけが債務免除になるから、時価によつてかければ三万円でとれるところを一万六千円しか免除になつておらぬという関係になりまして、自己負担分のみならず、その他の融資分につきましても問題があると思います。しかし全体としましては、この問題は現在の負担額を軽減するということに、この制度を創設しようとするところの根本趣旨がありますので、その点からこの問題を考えて行くのであります。
○淺利委員 それは軽減といつても実際は軽減にならぬのです。保険金を今の時価によつてとつて、そのうちから公庫に拂うということになれば、その範囲で済むのであります。でありますから超過額に対しての保險料が高いということになれば差引して大した利益はないということになりはせぬか。そこで今の事故保險になるところの料率というものと現在の保険料率との差はどれくらい違うのでありますか、その点をひとつお示し願いたい。
○師岡政府委員 まだこの補償料率をどの程度に定めるかということにつきましては目下試算中でありまして正確なことを申し上げられませんが、かりにこの補償料率を千分の三・五程度にきめたという場合で申し上げますると、現在の火災保險料は先ほど申し上げたように三割引で千分の六でございます。そうしますと十五坪の木造住宅を建設しました場合を例といたしますると、初年度におきましては保険料率としましては七百八十円の負担減、五年目におきましては六百十円の負担減、こういうふうになつております。
○淺利委員 そうすればこれは公庫との関係は負債の残額だけになりますからだんだん減つて参ります。しかし火災保險というものはただ借金を拂うための目的じやなくて、一旦できた家が焼けた場合にはこれを再建築をするということの安心を得るための保險なのでありますから、ただ公庫の借金が済んだからということで、この建築主は安心はできない。自然時価によつてかけることになります。そこで今の保険会社の千分の六というのは三割引をした率でありますか、あるいは千分の六から三割を引いて契約をするのでありますか、その点が不明瞭ですが、その点をはつきりしていただきたい。
○師岡政府委員 三割引した料率が大体千分の六というふうになつております。
○淺利委員 そうしまするとこの公庫の方の事故保險によりますと、だんだん額が減つて来る、この方の保險金はほとんど借金の分はなくなりますけれども、これで償却されたと見ればそうなりましようけれども、しかしやはりこの自己負担の金額がふえれば相当なり保險料を出さなければならない。そうするとこれはよほど精密に調査してみなければ、公庫から借りた者の立場からいえばこの制度が総活的に見ていいのか悪いのかということはもう少し検討を要すると思うのでありますが、何かそういうことについての資料をお出し願つた上においてまた重ねて御意見を伺いたいと思います。私の質問は一応これで保留しておきます。
○池田(峯)委員 きようは少し総括的なことを質問しておきたいと思うのです。第五條を改正するのでありますが、こういうことになりますと、今後政府は一般会計から出資をしない、こういうふうに理解されるのでありますが、この点はどういうふうになるのでありますか。
○師岡政府委員 そういう趣旨でこの改正が行われるのではございませんので、現在の出資金が約百八十億それから見返り資金からの交付金が百億、資金運用部からの借入れが百八十億ございまするが、財政支出で資本金の増加がありましたときには、その都度この條文を改正して行く考えでありまして、財政支出をしないという意味では毛頭ないのであります。
○池田(峯)委員 それはどうも受取りがたい。なぜかと申しますと、たとえば「第五條第三項は予算に定める金額の範囲内で、公庫に出資することができる」ということで、しなければならないという規定ではないのであります。従つて政府の一般会計から今後も引続き出資しようという意思があるならば、この三項を削る必要はない。ほつておいてもいいはずなのです。それをなせ削るかという問題ですが、削るとすればそういう意思が今後ないと断定してさしつかえないはずです、この点いかがですか。
○師岡政府委員 五條の三項を削つたのはそうではないかというお話でございまするけれども、そういう趣旨で書いておるのではないのでありまして…(池田(峯)委員「それでは何も削る必要はない」と呼ぶ)いや出資があつたときに、現在の出資金に合して資本金を規定して行けばいいのでありまして、その都度改正して行くという考えであります。
○池田(峯)委員 しかしながら第五條をこのように改正しているわけです。「公庫の資本金は、政府の一般会、計からの出資額百八十億円」これはもうすでに出資されている。それと「第三項の規定により政府の一般会計からの出資があつたものとされる金額との合計額とする。」従つて今後も出資されるであろうと予想されるものは、すなわち出資があつたものとみなされる金額は対日援助見返資金特別会計からの交付、これが今後もあるだろうということが予想されるだけでありまし、第三項を削りますと、今後政府は出資しなくてもよろしい、こういうことになると思うのであります。またこの対日援助見返資金特別会計は今後なくなるだろうと思う。なくなつてばらばらになつて、そしてこれも一銭もなくなる。そういうことになりますと、今後政府の出資とみなされる金額も将来なくなつて来る、こういうふうに考えられますので、もつと公庫の資本金に対して政府の確固たる見通しを承つておかない限り、来年からは公庫には出脅しない、従つて住宅建設も非常に停滞する、こういうふうに考えられるのでありますが、この点を詳しく御説明願いたい。
○師岡政府委員 現在の三項におきましても「予算に定める金額の範囲内で、公庫に出資することができるということでありまして、公庫に出資して住宅を建設する必要がないということになればあるいはそうかもしれませんが、少くとも現在の三百万戸以上の住宅不足に対しましては、政府といたしましてはこの出資をやめるというようなことは当分考えられないのでありまして、この條項を削除いたしましたどころで、今後といえども政府の出資があることを期待をいたしております。また政府の出資があればこの五條の一項をその都度改正いたしまして出資金百八十億とありますのをその都度増額して改正するということであります。
○池田(峯)委員 そういう法律の立て方がありますか。それでは当分の間は政府の方から出資する見込みがないという建前に立つて削るわけですか。なせ第三項を削るのです。政府の方では現在は出資しない、そういう見通しがあるので、従つて第三項はじやまだからこれを削る、来将出資する予算が立つならばまたこれを復活する、こういうことなんですか。
○師岡政府委員 そういう趣旨では毛頭ございませんので、繰返して申し上げております通り、この第三損を削りましたところで、政府としましては財政資金の出資をやめるような意思は毛頭ないのであります。その都度第五條の改正によつて出資して行くということになるのであります。
○池田(峯)委員 そういたしますと、対日援助見返資金特別会計というのは今後どういうことになるのですか。
○師岡政府委員 これは初年度において百億の交付があつたのでありますが、その後におきましては見返り資金全体の経理からいたしまして公庫については出資がございません。将来につきましてはまだ今のところはつきりした見通しはございません。
○池田(峯)委員 とするならば、なぜ第四項第五項を削らないのですか。
○師岡政府委員 第四項の規定は現在の百億の出資の根拠でもありますし、また将来といえども経理状況によりましては交付される場合も予想されます。現在のところではただいま申しましたように余裕がないようでありますが、将来においてはまた可能かもしれませんので、なお存置しておく趣旨でございます。
○池田(峯)委員 見返資金特別会計の場合、将来そういう予想がされるから残しておくというならば、それならば二項、三項も残しておいて何らさしつかえないじやないか。二項、三項は将来出資されるような場合には復活するが、現在そういう見込みがないからとる。見返り資金の方は残しておく、こういう法律のつくり方は、どうも私が言うたように、政府の方から出資する意思がないのだと考えるに十分なのです。この点をもう一ぺん、くどいようですがお伺いします。
○師岡政府委員 私どもは、この條文からはそういう心配はないということを確信しておるのでありまして、将来の財政支出につきましても、できるだけの努力をいたしましてたくさん出資してもらうようにしたい。また見返り資金の余裕がつきますれば、これもまた交付を受けるときもあろうかと考えますが、現在のところは見返り資金につきましては一応見込みがないと考えております。
○池田(峯)委員 どうもこれはあなたではわからないから大臣に聞きます。 第十七條の改正ですが、「住宅を建設して」というのを「住宅の建設をしてその住宅を」というように改めておりますが、これはどういう意味がありますか。
○前田説明員 お答え申し上げます。これは法律技術上のことでありまして、この十七條の原文に括弧しまして、「住宅の建設」という言葉を引きまして、その意味として「新たに建設された住宅で、まだ人の居住の用に供したことのないものの購入を含む。」というふうに、「住宅の建設」という言葉を一つの言葉としまして、それが建設ではなくて新築住宅で、人の住んでいたいものを買う場合も含めております。その場合をあとでひつぱつて来ますのに、「住宅の建設」という言葉にしませんと、住宅を建設するということにしますと、括弧の注釈が続きませんので、続かせるために特に言葉を置きかえたのであります。ほかに意味はございません。
○池田(峯)委員 十七條に新たに一号が加わる、すなわち四号ですが、この四号に関連してお尋ねしたいのですが、この間土浦市の方に参りましたところが、土浦市では今度警察予備隊の武器学校が新たに建設される。ところが武器学校の方では、職員の住宅がなければ非常に困るので、市の方から武器学校をこちらに来てくれという陳情があつても、市の方で職員の住宅を建ててくれない以上はこの陳情に応ずることができない。こういう返事なんだ。そこで県の方と相談いたしまして、新たに地方公共団体を中心しとた住宅法人をつくりまして、この住宅法人が住宅金融公庫の融資を受けて住宅を建てて、その住宅を警察予備隊の職員に讓與でなくて賃貸する、そういつたことを今計画しているのであります。これが貸出しができたかどうかは知りませんが、こういう計画が土浦市だけでなく、全国あらゆるところで行われているのではないか、こういうふうに私は想像するのであります。そういたしますと、警察予備隊十一万が、今後十八万あるいは三十一万人というような計画があるのでありますから、この職員の数というものも尨大なものになつて来るであろう。この警察予備隊の職員のために住宅金融公庫の金が使われる、つまり第十七條の改正、こういう住宅を建設して賃貸する事業、あるいはそういう讓渡する事業というのは、その対象となるものは警察予備隊の職員だ。これが大部分だ。ここに優先的に貸出しをする、こういう結果になつて実際に戰争中に家を燒かれたりあるいはいなかに疎開して、今度東京に家を建てようという人にはなかなか借りられない、こういう結果になつて来るのではないかと私は考えるのであります。この点政府当局はどういうふうに考えているのか。警察予備隊の職員のための住宅を建てる、そういう事業を営むものに対して優先的に住宅金融公庫の金を貸し出す意思であるか、また優先的に金を貸し與えないとしても、それが公庫の資金の何パーセントを占める予想であるか、こういう点を詳細に承りたい。
○師岡政府委員 住宅金融公庫は予備隊のためにつくつたのではないのでありまして、一般国民の住宅不足を解決するためにつくられておるものと承知しております。そこでただいまお話の予備隊員のための賃貸住宅ということになりますと、いわゆる入居者を特定したことになるのでありますが、現在公庫としてはかようなものに貸出しをいたしておりません。住宅を必要とする一般市民が申し入れた場合、つまり入居者を特定しない賃貸事業を営む場合にのみ貸し與えておるのでありまして、さようなことは行われないことにしております。
○池田(峯)委員 しからばこの公庫の金を借りまして住宅を建設し、その住宅を賃貸する事業を行う会社、あるいはその他の法人に対して、お前は一体警察予催隊員に貸したり何かするかどうか、そんなものには貸さないぞ、こういうような統制をあなたの方で加えることができるかどうか。その点をお伺いしたい。
○師岡政府委員 予備隊員に特に貸さないということは、これは言えないだろうと思います。しかし予備隊員なるがゆえに貸すということもないと思います。一般に広く住宅を必要とするものに賃貸するという事業に対して貸すのでありまして、特別にある一定のものに貸すというようなことは現在行われておりません。
○池田(峯)委員 もちろんそういうふうな答弁を私は予想しておるのでありますが、しかしそれだけでは私の疑問は何ら解決しない。たとえば土浦市において、土浦市あるいは茨城県で住宅協会というものをつくる、この住宅協会の手によりまして、県民の住宅不足を解決するためだと言つて住宅金融公庫から融資を受ける。そして何戸かの住宅を建てる、この住宅を住宅協会が何ら拘束されざる自由な意思によりまして警察予備隊に貸し與える、賃貸する、こういうような計画が現に行われているのであります。これは地方新聞などにも堂々と載つている。こういうことが現に行われている以上は、これを規制する何らかの措置が必要なのではあるまいか。そういうことをさせないで、住宅不足者とかあるいは戰災者であるとか、そういう人たちに優先的に貸し與えるような、そういう措置が必要なのではあるまいか。もちろん警察予備隊の隊員とか将校とかは庁舎があります。百何十億というあの警察予備隊の建設費がありますから、その方で当然これはまかなうことができるでしよう、官舎なども……。しかし職員は別です。その職員の住宅が不足しているからそれを建ててもらいたいという要請が、警察予備隊から市の方に現に来ているのであります。そして県なり市なりがそれを受けてこういう方策を立てているのであります。これは確固たる事実に基いて私は言つておるのであります。こういう事実がある以上は、県に住宅協会というようなものができた場合には、当然優先的に警察予備隊の職員がそれに入つて行く、こういうことになるのであります。従つてむしろこういう第十七條の改正なんかやらないで、個人々々に貸して行つた方がよほど有効である。その方が住宅困窮者に対する融資が公平に行われる、こういうふうに考えられるわけなんであります。この点もう一ぺんお伺いしたい。
○師岡政府委員 特定人に対して入居せしむるという場合には、施行規則によりまして建設大臣と大蔵大臣の承認がいると思います。この承認は現在のところ、二十六年度からかような特定入居者の場合に承認ということを與えておりません。現在のところ資金事情が非常にきゆうくつでありますので、さような特定入居の場合は当分の間はそういうことを認めないという考えなんであります。
○池田(峯)委員 それは施行規則ですからなんぼでも政府の方で改めることができるのであります。とにかく今や国が再軍備を——再軍備というのは国の最高政策、吉田政府の最高政策にたつているのであつて、その兵隊さんですから、兵隊さんよありがとうで、優先的に住宅を提供するというようなことになるであろうということもはつきりしていることなんです。ですから私はそれを心配してそういつたような危險性のある第十七條の改正なんというものはこれは反対だ、こういう意見を申し述べて、これももう一ぺん大臣にお聞きしたいと思います。 それから第十八條ですが、一体手数料を五百円とるというのは、公庫は少し金もうけし過ぎるではないか。五百円もとつてまだ当らない。また五百円とる、また当らない。五へんも六ぺんも五百円ずつとられて実に公庫の金もうけもはなははだしい。公庫の人間は給料をもらつておつてまた五百円とるというような金もうけはよした方がいいと思うが、この点いかがですか。
○師岡政府委員 ほかのところでも御説明する機会があると思いますが、公庫の資本構成が現在におきましては財政出資と見返り資金からの交付金で二百八十億、それから資金運用部からの借入金の百八十億ということになつて参りました結果、資金運用部からの金につきましては一定の利息を拂わなければならぬというような次第で、公庫の経済が多分にきゆうくつになつて参りましたので、この申込み手数料を若干とつて、公庫の経済の健全化に資しようという考えであります。
○池田(峯)委員 どうもこれもいかぬです。それで……。
○田中委員長代理 池田君、ひとつ質問の焦点を簡略に、明確にお願いいたします。
○池田(峯)委員 もうここらでやめます。大臣を呼ばなければ……。
○田中委員長代理 呼びます。
○池田(峯)委員 第二十條の改正ですが、第二十條の第二項を削るとありますが、第二十條の第二項は「六十七平方メートルをこえる場合においては、当該床面積は、六十七平方メートルとして計算する。」六十七平方メートルというのが貸し出すための限度になつているのです。ところがこれを削るのでありますから、従つて六十七平方メートルを趣える場合、七十平方メートルの場合は七十平方メートルについての貸出しをやる、百平方メートルの場合には百平方メートルについての貸出しをやる、こういうことになると考えます。そうなりますと、これは大建築に対して優先的に貸し出すという方針ではなかろうかと思うが、そういう大きな住宅は必要ないと思うのです。それをことさら削るというのは、大建築に住宅金融公庫の金を貸し出すという、いわゆる金持ち擁護の政策がここに現われているのではなかろうかというふうに考えられるのでありますが、その点を御質問したいと思います。
○前田説明員 ただいまの御質問は、あるいは條文のお読み違いだと思いますが、二十條の二項と申しますのは「前項に規定する住宅の構造について必要な技術的事項は、主務省令で定める。」というような授権規定でございまして、それをはずしたわけであります。あれをはずしましたのは、今度の改正で、技術的事項も全部法律に、建築技術との関係で上りましたので、特にこの際技術的事項に関するものを主務省令できめる必要はないという見地からやつておりますので、今お話の三項はそのままでございます。
○池田(峯)委員 あとこまかく質問したいと思うのですが、大臣にも最初の五條の点について質問しなければならないことがありますし、私の質問は一応これで終つておきたいと思います。 —————————————
○田中委員長代理 この際お諮りいたします。日程を追加いたしまして、建設行政に関する件を議題といたすことに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○田中委員長代理 御異議なしと認めます。よつてこれより建設行政に関して調査を進めます。建設省機構改革に関する件及び国土総合開発に関する件について政府当局の説明を求めます。小林説明員。
○小林説明員 私より建設省設置法の一部を改正する法律案の概要を御説明申し上げたいと思います。 今度の設置法の改正は、御承知の通り政府は行政機構改革問題の一環として取上げた問題でありまして、その機構改革の問題が最初新聞に出ましてから今日の段階に至るまでにはいろいろな経緯があつたと存せられるのでありますが、最後に決定した政府の方針に従つてわれわれとしては今まで事務的にこの問題を処理して参つたのでございます。それでその最後の結論となりましたことは、現在の建設省の内部部局は、監理局、河川局、道路局、都市局及び住宅局並びに営繕部の五局と一部であるのでございますが、これを改めまして、計画局、河川局、道路局、住宅局及び営繕局の五局とする、こういうことに相なつたのでございます。それで結局監理局と都市局がなくなつて、そのかわりに、いわば計画局ができた、こういうかつこうが一つと、それから監理局のうちにありました営繕部が営繕局に昇格した、結論的に申すとこういう形になつておるのでございます。それで計画局におきましては、国土計画、地方計画、都市計画並びに首都建設計画、こう申しますような国土全般の建設計画的な行政をそこへ全部まとめるという考え方で計画局ができておりますので、そこで従来監理局に属しておりましたたとえば建設業のような仕事は、計画局の所掌とするのはかつこうがつかない、さりとてそれぞれの一部局につけるのもおかしいというので、そういう仕事は官庫に移そうということで、官房に移しかえをしたのであります。それから営繕部は営繕局に昇格いたしました。これは今度の機構改革でては、局内の部というものは全部廃止するというのが方針でございまして、その結果ほかの省におきましては部がそのまま廃止されてしまつたのが多いのでございますが、今度の機構改革で部が局になつたのは営繕局だけでございます。その基本方針は、営繕統一という大きな方針が根本の目標になつているように聞いているのでありますが、さしあたりの問題としましては、予備隊——今度機構改革で保安庁にかわりますが、この保安庁関係の特殊な営繕以外は全部建設省で所掌するということが方針としてきまりました。今日の段階におきましては、特殊の営繕というものはほとんどないのでありまして、事実上その仕事はほとんど建設省で所管するといううことになりまりして、営繕部は定員の上におきましても、従来予備隊についておりました職員の七百名余りを建設省及び北海道開発局の営繕部に移しかえることになりますし、仕事もきわめて厖大化するし、内容も大きくなりますので、これを営繕局にするということに閣議の方針がきまつたのでございます。 それからいま一つの改革は、従来総理府の外局でありました首都建設委員会が今度建設省の外局になることになつたのでございます。しかしながら御承知の通り首都建設委員会は首都建設法という特別法に基いてできておる機構でございますので、こちらの外局にしますが、その事務局長その他の首都建設委員会の職員は建設省の計画局の職員をもつて兼ねて任命する、兼任の形を法律上当然とるという建前になりました。それで先ほど申しました通り、計画局としては、首都建設計画、都市計画、地方計画、国土計画というような計画部門を総合的に扱うという建前で一貫することになつたのでございます。 その次に、技監制度を廃止することに方針がきまつたのでございます。この技監制度の存廃につきましては、いろいろ建設省の内部でも議論も多かつたのでありますが、政府といたしましてはほかの省の、たとえば通商監というふうなものと一緒に——政府の行政の筋は、次官、局長、課長こういうので機構を整備せぬといかんということが政府の根本方針のように聞いておりまして、それで技監制度というものはどうしてもやめるということになつたのであります。しかしながら建設省は、御承知の通り建設技術というものが非常な中核をなしておる行政組織体でありますので、従来建設技術の最高のまとめ役という役割を演じておつた技監の職分というものを全然廃止するということは、どう考えても無理がありますので、かわりに付属機関として建設技術会議というものを置きまして、この建設技術会議において技術に関する重要事項を審査するということに方針が定まつたのでございます。技監の問題につきましてはいろいろ意見も多かつたのであります。結局技術の問題は、今申しましたような行政機構の筋の問題と、いま一つ、技監は單なる土木だけでなしに、建築とか都市計画とか、いろいろな複雑な技術部面もありまして、むしろ技術上の最高権威者をもつて集めた少数精鋭の会議制の機関にして、最高の統轄機関にする方が適当ではないか、こういうふうな結論になつたと存じておるのでございます。 それから次に、公共事業に関する監察機構を整備するということが問題として取上げられまして、従来御承知の通り、建設省には監察官を置いておつたのでありますが、これは建設省部内の内部組織で置いておつたので、これを設置法の上に明記して、監察官十人以内を置いて所管行政の監察を行う。それとともに、建設省直轄の行政だけに限ることなしに、建設省の助成にかかつております府県、市町村に対する補助事業の実況の検査もやり得るということを設置法に明定いたしまして、公共事業の適正な執行を中央地方を通じて確保する体制をきめるということに相なつたのであります。 それからその次には、あとは大体におきまして、建設省の、むしろ事務の整理の部面に属するのでありますが、たとえば一例を申し上げますと、経済安定本部が廃止になりましたので、そこの物価庁で所掌しておりました地代、及び家賃に関する事務を建設省に移し、建設省の住宅局で所掌する、こういうことにいたしました。それから従来建設省でやつておりました、たとえば住宅緊急措置に関する事務とか、特殊物件に関するような事務は、御承知の通りなくなりましたので、これを法文上整理することにいたしたわけであります。あと若干、たとえば測量審議会は、実はこの前の行政機構改革で、審議会の整理という根本方針にのつとりまして、昭和二十八年の三月一ぱい限りで廃止するという方針で、去年設置法の改正が国会で成立したのでございましたが、測量審議会におきましては、なお審議事項が相当残つておりまして、ずいぶん勉強したのでありますが、どうしても去年中に全部完了しない、まだ相当審議会で研究を願わなければならない業務が残つておりますので、もう一年間だけ廃止を延ばしてもらう、こういう改正をいたしたのであります。あとは若干この事務の整理をやつておりますが、機構改革としてはそれほど大きな問題でもございませんので、これくらいにしておきたいと思います。 大体以上申しましたのが今度提案になつた設置法改正の大綱でございます。
○田中委員長代理 ただいま説明を聴取いたしました建設省設置法の一部を改正する法律案は、当委員会としては重要なる関心事であり、特に各部局の廃止新設及び技監の廃止があり、特に内閣委員会との連合審査会を申込む予定でありましたが、同委員会には付託案件が非常にたくさんありますので、本委員会の結論を求めたいという御意見でありますので、本件に対しましては、あらためて他日委員会において慎重審議をいたしたいと思います。 —————————————
○田中委員長代理 次に、国土総合開発法関係について経過の説明を求めます。澁江政府委員。
○澁江政府委員 国土総合開発法の一部を改正する法律案でございますが、これは現在政府から提出されまして、衆議院におかれまして審議中でございます。経済安定本部が提案の当局になつております関係上、経済安定委員会において審議されておるわけでございますが、この法案は御承知のように、現行法といたしましても、建設委員会で御審議願い、その制止定後逐次運用せられて参つたわけでございますが、今回の改正の主要点は、一つは現行法がもつぱら計画の作成ということだけを中心にいたして規定せられておりまするので、むしろこれをさらに竿頭一歩を進めまして、計画の作成から計画の決定、さらにそれに対する予算的措置の確保というふうに、計画の作成の段階を一歩進める方向において、総合開発計画の促進をはかつて行く具体的な措置を法律化するというのが一つのねらいでございます。それからもう一つは、御承知のように、昨年国会で問題になりましたところの北上川開発法、ないしは利根川開発法案の審議に関連いたしまして、重要河川開発法案という法案が取上げられ審議されておつたわけでございますが、一つ方政府部内におきまして、国土総合開発法の実施法案という名におきましてやはり一案がつくられ、この両者が検討せられまして、法案の調整という観点からいたしまして、むしろこの重要河川開発法にかわるべきものとして実施法案を提出すべきか、あるいはさらに根本的な現行法の改正法で行くべきかという問題が検討せられまして、終局におきまして、この国土総合開発法の現行法の一部を改正する、基本法の改正法案で行くべきであるということになりました。この両方の理由からいたしまして、この改正法案が現在提出せられて御審議願つておるような状況でございます。 そこで具体的に申し上げますと、第一点の改正点は、現在の審議会自体の構成に衆参両院議員を加えるという点でございます。 それから第二点は、重要河川を含む特定地域を対象とするり一つの特別委員会組織による審議方式をとる根拠をつくるという点でございます。 それから第三点といたしましては、この特定地域の総合開発計画を閣議の決定によりまして、最終的に政府の施策として取上げるという法律的根拠をつくるという点でございます。 さらにそれに附帯いたしまして、各省におきまして決定されました特定地域の計画について、年度計画の提出を求めるという点、さらにそれに関連しました予算的措置を財政の許す範囲内において確保するということを明確化いたしました点が第三点でございます。それらの点が今回の改正の主要点でございます。 これに関連しまして、若干現在正案が提出せられておりますが、それらの点につきまして、現在修正案をいかにすべきかということで、経済安定委員会等で目下審議検討されておるように聞いております。 以上が大体の改正案の要点でございます。
○田中委員長代理 以上に対して御質疑がありましたら許します。淺利三朗君。
○淺利委員 この国土総合開発法について、農林委員会で修正案を出しておるのであります。それは第七條の二の「建設大臣を通じて」とあるのを「建設大臣を通じ」を削除するという意見。第十條において「経済安定本部総務長官及び建設大臣がその協議によつて特に必要があると認めて要請した場合においては、」云々、こうあるのを、「建設大臣」というのを削つて、「経済審議庁長官が関係行政機関の長と協議して特に必要あると認めるときは」云々、つまり建設省の機構の問題に関連する問題であります。そこで先刻建設省設置法の一部を改正する法律案において政府委員から説明のあつた建設省の計画局の仕事として、地方計画というふうに承つたのでありますが、これは依然として新設置法においても、総合計画は建設省の主管事務になつておるのかどうか、そこで性質は一変しているかどうか、もし建設省の主管事務として残つておるならば、この第十條というものは、主管大臣と主管大臣との間であるから、協議という問題が起つて参りますが、もし建設大臣というものが、特に地方総合開発計画について主務大臣でないということになれば、この削除は穏当である、こういう結論になると思います。その点について明確な御説明を願いたい。
○小林説明員 ただいまお尋ねの建設省設置法におきましては、従来から国土計画及び地方計画に対する調査及び立案に関する事務を所掌することになつておりまして、今度の設置法の改正におきましても、もちろんその点については何ら変更が加えられておりません。
○田中委員長代理 以上に関する質疑は次会に讓ります。 —————————————
○田中委員長代理 先ほどに引続き、公共工事の前拂金保証事業に関する法律案の質疑を続行いたします。村瀬宣親君。
○村瀬委員 田中委員長代理の議事運営の巧妙さによつて、ちよつと私は息抜きをされてしまつたのでありますけれども、この際申し上げておきます。実は本委員会は一時から開きまして、非常に重要な問題で、建設大臣のおいでを待つておつたのであります。野田大臣は最近まれに見る良心的な誠実な大臣として、私たち尊敬をいたしておりまするが、しかるに他の委員会にばかりおいでになつて——むろん他の委員会も大事でありますけれども、建設大臣をお待ちすること二時間半、ようやくおいでになつてから、ちよつと空気を抜くために、委員長代理の巧妙な運営長によつて、そこにだらだらとほかのことが入つたから、こういう空気になりましたけれども、あつのままであれば、建設大臣何をしておつたか、当委員会を軽視するのかということで非常にするどい空気にもなりかねなかつたのであります。せつかくまじめな大臣でありますから、決して他で遊んでおつたとは思いませんけれども、当委員会を十分尊重されて、運営上早く御出席を願いたいということを特に要望いたします。 ただいまよりこの公共事業前拂金保証事業法案についてお尋ねをいたしたいと思います。これは一見いかにも普通の何でもない法案のようでありますけれども、非常に重要な法案であると、特に国民が関心を持つておることを私は痛感しております。とかく、日本が戦災にあいまして後の復興は、むしろ早い方かもわかりませんが、その途上におきまして、土木建築関係の金融措置が誤解を受けまして、この方へ大事な他の資金が流れて、やはり一般の家が建たない、他の必要なところができないという非難が相当強いということを解消する意味におきましても、この前拂い保証制度というものができまして、十分、どしどしと政府資金がこれに入りますならば、あの非常にとらえどころのない建設金融というものに、一の打開策が講せられるのでありまして、いわゆる国土再建の工事も進捗いたしまするし、また一般の金融問題も、これがために円滑な運営に移ると思うのでありまして、この法案自体の運営いかんは、きわめて重大な一石を投ずるものであると私は感じておるのであります。その意味において、どうしてもこれは建設大臣が熱心に本法案の審議に当つていただきたいと思うのであります。今のような状態では、いつ上るかわかりません。だらだらとしておつて——これはどつちの責任であるか、いつこれが上るか見当もつかない次第でありますから、特別これに真剣な審議を進めるようにいたしたいと思うのであります。 そこで、何人が考えましても、政府が損も得も行かない一つの資金を、工事を進めるために前拂いをするということにくいて、これは異議のあろうはずはないのであります。むしろ遅きに失したわけでありますが、問題は、それを扱う保証事業株式会社というものがどうなるかという一点にあるのでありますから、非常にささいな点のようではありまするが、これは本法案の生命線でありますから、ひとつ明確な御答弁をいただきたいと思います。まず保証料及び保証金でありますが、これは本法案には一向書かれてないけれども、保証料は日歩一銭、保証金も日歩一銭という御答弁が何度もあつたのでありますが、そういう会社ができ上りまして、その率をかりに自分の会社では五厘でやつてみよう、保証料五厘、保証金五厘でりつばにやつてみるんだという申請がありましたときに、どういうふうなお取扱いをなさいますか。五厘というのは重なる例でありまして、七厘の場合もあるのでありましよう。保証料は一銭、保証金は五厘でよろしいという場合、いろいろあると思います。かりにそういう場合があつたといたしましたならば、建設大臣はどういうお取扱いをなさいますか。
○野田国務大臣 お答合えいたします。保証料の率を一銭であるというのを日歩八厘であるとか、七厘であるとかいうことでやろうという会社があつたらばどうするのだというお話でありますが、私は、その申請を待つて、十分内容を検討して、それが適切であり、保険事業という見地から見て心配ないというものならば、それで許して行くべきである、かように考えております。
○村瀬委員 そうあるべきだと私も思うのであります。そこでその次に伺つておきたいことは、登録申請の経過手続をいかになさるおつもりであるか、これは非常に大事であります。たとえば現在、御承知の通り未拂込み株金というものは認められておりません。資本金はその拂込みが完了しなければ、地方法務局においてその会社を認証しない。そういたしますると、この法律が通つて、そこに会社をつくろう——会社ができなければ法律ができても何も運用ができぬのでありますが、その会社の登録の申請は、いわゆる会社ができ上つたという地方法務局の書類をもつて申請しなければならぬのであるがそういたしますると、すでに三千万円以上——普通五千万円という政府の答弁でありますが、そういう金を積んで、会社をつくり、定款をつくり、あるいは社長以下全部を整えて、そこに初めて登録申請が出て参りますると、これは理由なくして簡単に認めぬということはできない。むしろそのときには、先願によるとか、あるいはほとんど全部認めねばならないという結果になると思うのでありますが、この登録申請の手続はどういうふうにお考えですか。
○野田国務大臣 その問題は技術的な問題でありますので、一応政府委員より答弁をいたさせます。
○澁江政府委員 法律的には、ただいまお述べになりました会社の登記ができましてから、初めて登録の申請を受けつける、こういうことになつておるわけであります。
○村瀬委員 そういたしますと、この法律に基いてかりに五千万円の資本金を積んだ、いろいろな費用もいるでありましようし、手続も要するのでありまするが、そうして書類を出して来たが、もう君のところはいかぬ——どうせ法律によつて出して来るのでありますが、そこに資本金がはつきり積まれて、拂込みが終つたということがあつた後には、ほとんどこの登録を認めないということは起らないと了承していいのでありますか。
○澁江政府委員 この問題は非常に重要な問題でございます。従いまして、これはこの法案の規定の上では現れておりませんけれども、会社の設立計画あるいは事業もくろみ、そういつた点につきましては、内認可と申しますか、事前の打合せというものを、監督官庁と設立を企図する計画を持つておる当事者との間に、ある程度の話合いを進めつつ、できるだけ円滑な運営をはかつて行くべきものではないかというふうに考えております。
○村瀬委員 その場合に、一般保険保証をしてもらう関係から考えまするならば、なるべく保証料は安いのがいい、保証金も安いのがよろしい。そういたしますると、この登録申請の認可を與える一つの基準は、二つ出て来ておれば、保証料の安い方を認可する。そうして資本金の大きい、構成人員の堅実な人——人員となりますと、これは感じの問題になりまして、こつちが上手だとか下手だとかいうような、客観的妥当性というものは非常に困難であります。そこに非常な誤解も起り、いろいろなことが起る余地もありますが、主として保証料、保証金はなるべく安いような、そうして資本金の多いようなものを優先的に登録を許すということになると了承してよろしゆうございますか。
○澁江政府委員 大体御説のように、資本金が相当多額であり、従つてそれだけ信用力を保持しておるということであり、他面において、保証料ができるだけ安い、負担を軽くできるという計画が立てられており、しかもその運用の衝に当る者が公正なる信用ある人であるという計画を持つている人を優先的に考える、こういうことになるのではないかと考えております。
○村瀬委員 次第に明らかにはなつて参りまするが、なお大事なことは、私は相当こういう会社を計画する人が出て来ると思うのであります。私は特に保証基金については、速記の残るこの委員会においてそう追究をいたしません。何となれば、こういう制度というものは必要であり、またほんとうに公平厳正にこれが行われるならば、日本の建設工事というものは進捗するのであり、また一般の困難な建設金融の一つの解決にも大いに役立つでありましようがゆえに、私はこの保証基金についてあまり掘り下げて質問をいたしません。しかしともかくもこれを真剣に考える者が出て参りまするならば、相当この会社は、私はたくさん評判が出ると思う。そこにも、いろいろな話題を投ずるおそれがあるならば、これは軽々にこの法律を出すことはならぬ。この法案自体の目的は非常にいいと私は信じている。そこで伺つておくのでありますが、三千方、五千万という金をこのごろなかなか簡単に積めるものでないのでありますが、一応決心をして積んで来たという以上、三つとか四つとかいうようなことを限定しないで、それは原則として登録を許すというふうな御方針であるかどうか、そうではなくして、関西に一つ、関東に一つというようなことでありますならば、いかにこの法案の目的は善良でありましても、そこには大きな問題が生ずると思うのであります。自主的に相談をしてそれが一つになつたというならいいのでありますが、そこに何らか権力者が圧迫を加えて、そうしてお前の方は許すがお前の方は許さないというような情勢が、単に感じや思惑によつて行われるといたしますならば、これは民主政治下において汚点を印することになるのでありますが、それらの点はどういうふうにお考えになつているのでありますか。
○澁江政府委員 ただいまの点は非常に重要な問題でございまして、私ども実は非常に苦慮いたしておるわけでございます。つまり制度としては、相当建設金融に対するプラスになるのであろうということでありますけれども、運営において非常に汚点を残したならば、これは法文の目的とするところは結局画餅に帰するということになるので、この点はきわめて重大なことであると存ずるのであります。ただいまのお話の点につきまして考えますのに、やりこの信用保証業務を行う会社が多いことは、これはけつこうなことであるわけであります。従つて多数の信用保証業務を営む会社がありまして、それぞれ競争の立場において保証料率を安くして業者の信用保証をする、業者はどれを選択するかということについて、選択の余地も非常に多いということは、これはそれだけとして考えますれば、非常にけつこうなことであると思います。ただこの保証すべき工事量の対象が、これは限度がございます。従いましてこの前金拂いというものにもこれは限度がございます。従つてこれは多数の信用保証会社がその前金拂いを、一定の限られた前金拂いの金額を対象としつつ競争をするというかつこうになつて参ります。どうしても保証を受くべき工事金額が各会社にある程度分散せざるを得ないという結論にもなろうかと思います。そうすることがすなわち保証事業会社の運営それ自体の上において、実は多数のものがあつて非常にいいようでありますけれども、事業もくろみそのものの経済的な條件から言うと、そういう保証すべき工事を分散して保証するという建前になつておることからいたしまして、非常に経常的には苦しいところがある、従つてそれは保証料の上において逆に重い負担になつてはね返つて来やしないか、こういうことにも考えられる、その保証料を安くしつつ保証すべき限度を高くとるということになりますと、これは保証事業会社自体の運営の基礎を危うくさせる、つまり信用程度の乏しいということ、そういう部面におきまして、登録の上におきましても、「事業の適正な運営を確保するのに十分でない」という字句をうたつてございますが、そういう点が問題の要点になるのではないかというふうに考えておるのでございます。その点各人が、多数の信用保証会社ができても、なおかつそれができるというもくろみができるならば、これはあえてその多数の登録を否定すべき必要はないというふうに考えるのであります。それらのことは具体的な計画の進捗に応じまして考えなければならぬ問題ではないかというふうに思うのでございます。
○村瀬委員 先ほどから、大臣がお見えにならない前から、私は工事量というものをまずお聞きしたわけなのであります。つまりこれはあなた方の政府のお考えでどうでもなるのでありますが、先ほど政府関係の公共事業費千八百億円とおつしやつた、ところがこの対象になるのは二百八十億円ほど、三割なら五百四十億じやないかというと五十万円以下は認めないのだという、つまりこの対象を何ぼにするかということは、あなた方のお手のうちにある、あめ工のように伸びでも縮みでもどうでもできるのであります。そうなりますと、三つつくろうと四つつくろうとあなた方でどうにでもできる。私はあなた方を絶対に信用はいたしまするけれども、これは制度になりますと、現在の人がいかにまじめであつたからといつて、これは人はまたかわることもあり得るのであります。そこに私が非常に、この目的とするところはこれは一日も早く実施しなければならないが、はたして運用上において円満な万人の喜ぶような方法が可能かどうかという点を私は聞いて参つておる。この対象とする金額をずつと引締めておいて、そうして二百億円しか対象がないのだから二つしか許さぬということも言えるでしよう、また千八百億も工事があるから、それを少しゆるめて、そうして二百億と思つておつたが四百億ぐらいはこの対象にしてもよいと思うから、もう二つ追加してこれとこれを許そうということもできる、つまり建設省の手のうちでどうでもなる。そこらにひとつだれが聞いても安心するような、こういうふうにするのだ、一応申請があれば全部認めるのだ、大体申請する方も計画を立ててやるのでありまするから、将来これは引合わないと思えばそれは今日の営利主義の時代にそうむちやをやる人はないと思います。そういう点については少くとも役人としての建設省は、かつてな手心というものを加えるものではないという御答弁がいただけますれば、われわれは非常に本案審議の上に安心でありますが、もう一度その点を承つておきたいと思います。
○野田国務大臣 この登録承認の方針につきまして、先ほどから御質問があります点は、なかなかむずかしい点だと思います。出て来たものを片つぱしから許すというようなことは、この制度を立案しました政府といたしましては、そういうことはできないだろうと思います。と申しますのは、先ほどから御指摘のように、この会社はきわめて公共性を持つて、そうしてその働きいかんが及ぼす影響が非常に大きいわけであります。この会社を信用して、前拂金制度という、いまだかつて開かれたことのない制度をここに認めるという、政府も腹をきめているのでありまして、この前拂金制度の運用に、あとから見て非常に失敗をするとか、あるいは政府に迷惑をかけるということになつては、これははなはだ相済まぬ話でありますので、この許可制度につきましては、この制度の本来の趣旨に照して、われわれとしては全責任をもつて、全知全能を盡して制度を生かすという考えから、慎重審議して承認すべきでないかと、こういうふうに考えておるのであります。
○村瀬委員 そうなりますと、私はまた一番最初の質問に移つて行かねばならぬのであります。そういうふうなものでありまするならば、たかだか一億かそこらの金である。五千万円ずつ関東と関西でつくりましても一億で済む。むろんいろいろ財政法などのこともありまするが、そこは知恵を出せばできるのでありまするが、何ゆえに国策会社というものにしないのであるか。すべてこれは対象になつて、建設省の係官の手のうちでどうにでもなるものです。そうしてこれはこの機関を経ねば前拂金をやらないという、そういうものです。そうしておいて、しかも認可も、甲に認可しようが乙に認可しようがかつてである。(「認可じやない」と呼ぶ者あり)登録でありまするが、受ける方から見れば認可に近い性質のものであります。そういたしますと、なせこれを国策会社としてそういうふうなものをお始めにならなかつたか、そこに非常に一面暗いと申しまするか、心配な点が生じて来る一つの穴があると思うのでありまするが、それはどういうふうな経過でございまするか。
○澁江政府委員 国策会社的な公共性を持つておるかどうかという点につきまては、いろいろ議論はあると思うのでありまするが、私どもといたしましては、登録主義はとつておりまするけれども、かなりこれにつきましては先ほども申し上げているように慎重な登録の拒否條件というものを一応掲げまして、検討をする建前にして、やや免許主義に近い登録主義という建前をとつております。そこでこの国策会社にするかどうかという点でございますが、これはあえて国策会社にしなくても国策会社にすると同様な目的が達成せられるならばあえてその道をとる必要がないではないかというふうに、私どもは考えておるのでございます。従いましてこれを登録すべきケースが多いかどうかということもうこれは法律の上では必ずしもそこまで徹底した規定をとることはできませんけれども、ひつきようこれを利用する業者側の意向というのが、かなりこれによつて、一面にはこの会社設立の可否を決する相当な要素になつて来ると思います。そういう点につきまして業界側の自主的な話合い、協議と申しますか、そういうものから判断して参りますと、そう多くの会社の設立が企図されることはまずないではないか、そしてその結果としては監督官庁との内部的な協議、先ほど申し上げました事前の協議が十分慎重に行われるならば、御心配になつているような点はないのではないかというふうに現在のところでは考えております。
○村瀬委員 私は御答弁を伺つておりますると、ますますいろいろな問題が浮んで来るのでありますが、この第十九條にいろいろな「他の事業を営んではならない」というようなことも書いてある、しかしこの会社が非常に運営に、万人のまねのできない一つの高級な技術を要するとか、特別な運営をやらねば成り立たないというものでありまするならば今までの政府の御答弁で私はもう満足してよいと思うのであります。しかしこの会社というものを少し掘り下げてわかつた人が見るならば、そう大したむずかしい運営ではないのであります。結局は人のふんどしで相撲をとる会社でありまして、この会社くらいやり方によれば運営のしよい会社はありません。そういたしますると、そこに登録を得るか得ぬかということが非常に大きな問題になつて来るのであります。でありまするから、私は国策会社的なものにはつきりしてしまつて、政府が全部管理運営をやつて、そしてそれによつて生じた利潤はまた還元をして、公営住宅なり何なり建てるのにまわすというなら筋道ははつきりいたします。そうでないといたしまするならば、これはもう機会均等に、金を出してやつて来たものはほとんどこれを許して、同時にこの第十九條の他の事業を営んではならぬとかなんとかいうところで縛りますると、今言つた工事量が一定しておりまするから、それを二人でわける場合と百人でわける場合とでは、百人でわけては当然成り立たないという場合も生じまするけれども、そこに適当なそれに類似の他の事業をも営ませる、それによつて別にだれが損することもどういう弊害を生ずることもないということでありますならば、そういうふうにして、やはりほんとうの営業の自由というものを認める方針で政府がおるという、どちらかに趣旨一貫いたしまするならば、もうこの法案は早く通していいと思うのであります。その点もう一度、くどいようでありまするが、私は承つておきたい。
○野田国務大臣 これは私は村瀬委員の御意見は御意見として、非常に尊重いたすのでありますが、全部自由にしてしまうか、あるいは厳格な国策会社にしてしまうか、二つのうちの一つを選べというようなお説のように受取れますが、それは私も一つの考え方だろうと思いますけれども、世の中のいろいろな制度をつくる場合においては、やはりいろいろな極端の中間をとつて妥当性を期するという行き方も私はあると思います。その線をねらつてこの制度ができて来るものであるということを十分に御了承願いたいと思います。
○村瀬委員 本日はこの程度にとどめておきます。
○田中委員長代理 本日の質疑はこの程度にして、次会は公報をもつて御通知いたします。 本日はこれをもつて散会いたします。 午後三時五十九分散会