建設委員会 第16号
- 発言数
- 147 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1952/03/28
会議録
○内海委員長代理 これより建設委員会を開会いたします。 本日は委員長事故のため、私が委員長の職務を代行いたします。 本日の日程に入ります前に、小委員の補欠選任についてお諮りいたします。すなわち田中織之進君が昨二十七日委員を辞任され、佐々木更三君が委員となられたのでありますが、田中君は道路、水道、耐火建築助成並びに宅地建物取引業に関する小委員でありましたので、これらの小委員が欠員となつております。つきましてはこれらの小委員の補欠選任を行わなければなりません。小委員の補欠選任につきましては、前例によつて委員長において指名するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○内海委員長代理 御異議なしと認めなし。それでは道路、水道、耐火建築助成並びに宅地建物取引業に関する各小委員には佐々木更三君を指名いたします。 —————————————
○内海委員長代理 次に、前会に引続きまして道路整備特別措置法案を議題といたします。前会に引続き質疑に入ります。西村英一君。
○西村(英)委員 昨日の質疑によりまして政府の考えておることも大体わかりましたが、私はさらにもう少しこまかく二、三の質問をいたしたいと思います。第一点は、第三条に、建設大臣が有料道路をつくる場合において、三つの事項があつた場合に有料道路をつくることができるとしてあるのですが、その言い表わし方に、「各号に規定する条件に該当する場合に限り」としてあるのは、この三つの条項の一つずつに該当した場合におのおのつくるというのであるか、この三つを兼ね備えなければつくれないというのであるか、これはひとつお示しを願いたいと。
○菊池政府委員 三つの条件を兼ね備える場合であります。
○西村(英)委員 さらにもう一点。第三条の「道路法第二十条第二項の規定にかかわらず、」というのは、現在の道路法によりましても建設大臣は必要があれば道路の改築、新設ができるのですが、この「道路法第二十条第二項の規定にかかわらず、」というのは、国道のみならず府県道並びに市町村道でも建設大臣は有料道路をつくることができるという意味であるかどうか、その辺を御答弁願います。
○浅村説明員 道路法第二十条二項の規定にかかわらずと申しますのは、道路法の二十条二項におきましては、建設大臣は必要があると認める場合においては国道の新設または改築をなすことができるという条文がございます。今回の道路整備特別措置法案の第三条におきましては、あえて国道に限らず、必要があれば府県道等に対しましても建設大臣が直轄で新設、改築の工事を実行する道を開くわけでございますので、その意味からいたしまして、国道に限つておるところの建設大臣の権限を少し拡大をしなければならぬ。従いまして法制的には「道路法第二十条第二項の規定にかかわらず、」という表現にいたしたわけであります。
○西村(英)委員 一応了承します。次に第六条でありますが、第六条は、道路の管理者なかんずく都道府県知事及び市長が有料道路をつくる場合の条文でありますが、非常に表現の仕方が第三条の建設大臣がやる場合と違うのでありますが、趣旨は全然同じであるかどうか。つまり建設大臣が有料道路をつくる場合の条件も、それから都道府県知事及び市長が有料道路をつくる場合の条件も同じであるかどうか、その表現の仕方がはなはだしく異なつておるが、その点をひとつお尋ねいたします。
○浅村説明員 三条におきましても六条におきましても、趣旨は大体同様でございます。ただ書き方が若干異なつておりますのは、第三条におきましては条件を一、二、三と三つあげまして、三番目に「当該道路の新設又は改築に要する費用が償還を要するものであること。」というのを条件の中に入れております。六条におきましては、大体三条の条件をひつぱつて来ておりますが、「費用が償還を要するものであること。」という表現を、六条におきましては、「全部又は一部が償還を要するものであり、」というふうに書きわけましたために、その点だけを本文に入れまして、あとの二つの条件を第三条からひつぱつて来ておるという形になつております。しからばなぜ第三条の場合には、「費用が償還を要するものであること。」と書き、第六条では、「費用の全部又は一部が償還を要するものであり、」ということを書いたかと申しますと、直轄でいたします場合には、私どもの考えとしては、まず全額をこれとうらはらをなしますところの特別会計から費用を支出するという考え方に立つておりますが、道路管理者が行います道路工事についての規定の場合は、道路工事につきましては必ずしも全額をこの資金によつてやる場合ばかりではない、この特別会計からは貸付金も行うわけでありまして、その所要資金の全額を貸し付ける場合もありましようし、あるいはまたその一部を貸し付ける場合もあり、いずれが原則いずれが例外ということにもなりませんので、二つの場合を予想して特に六条におきましては、全部または一部というふうに書いただけでございます。それ以上大して本質的な相違というものはございません。
○西村(英)委員 一応お尋ねした点はわかりましたが、第三条の有料道路をつくる場合の言い表わし方というものは非常にまずいと思います。もし第三条、第六条が三つの条件を兼ね備えなければならぬという条文であるならば、やはり書き方もそろえておかないと、この条文の書き方では各号の一に該当すればよいというように見受けられる。私は疑義のところをお尋ねしたわけで、意見のことは申しませんが、いずれにいたしましても非常に表現の仕方がまずいことを申し上げます。 次に第七条で、建設大臣が地方公共団体に金を貸し付けて府県道をつくる、あるいは市道をつくるという場合、「昭和二十七年度以降三年間を限り、」というこの事項を削除する意思はありませんか。
○菊池政府委員 われわれの方では削除する意思はございません。
○西村(英)委員 重ねてお尋ねいたしますが、二十七年度以降三年間を限つて貸付けをするのでありますから、それ以後府県道、市道等を建設大臣がやる必要が起るかもしれぬから、その思意によりまして第三条で、「道路法第二十条第二項の規定にかかわらず、」という文句を入れたのでありますかどうでございますか、お尋ねいたします。——私の質問がわからないのかもしれませんが、あらゆる道路を有料道路として建設することができるというふうに第三条でしたのですが、国道のみでよいではありませんか。府県道その他は金を貸し付けてやればいいではないですか。建設大臣がわざわざ府県道、市道あたりに金を貸し付けてやる方法をとらなくてもいいではないか。「道路法第二十条第二項の規定にかかわらず、」という文句を入れなくてもいいじやありませんか、その点が私にはわからない。
○菊池政府委員 大臣が国道も府県道もやれるということと、この三年間を限つたということは関連はないのであります。
○西村(英)委員 大臣は国道のみ必要だつたときにやればいいので、府県道及び市道というものは第七条において貸付金でやることの制度があるのだから、大臣が何も府県道及び市道に対して直接やる必要はないのじやないかと私は言つている。従つて二十七年度以降三年間に限つたから、それ以後に府県道及び市道をやる必要のある場合があるからこの条項を入れたのかどうか。初めから大臣は府県道及び市道をやる意思があるのかどうか、第七条とのひつかかりにおいてこれを入れたのかどうかお伺いいたします。
○菊池政府委員 第七条で三年間と限られたから、第三条に「道路法第二十条第二項の規定にかかわらず、」と入れたわけではないのでございます。三年間以前にも道路工事の種類によりましては、建設大臣が直轄でやることも考えられますので、この条項がありますので、三年間というのを削られて、第三条のただいまの条項が入つたわけではございません。
○西村(英)委員 意思はわかりました。わかりましたがそれならば結局大臣が国道のみについて見ればいいので、つまり道路法の国道のみについて有料道路をつくるときに大臣がみずからやればいいのであつて、府県道をやる場合には当該公共団体に貸し付ければいいじやないか、この道が第六条で開かれている。何を好んで大臣が府県道、市道についてもやらなければならないのか、その点が私はわからないのであります。
○菊池政府委員 ただいまちよつと触れましたが、工事の種類によりましては、非常に大きな橋梁とか、長いトンネル等で、府県でやるよりも直轄でやつた方がいいと認められるものが相当あるのでございます。そういう場合に大臣が直轄でやる。見返り資金の場合にもそういう大量に一度にやろうというような場合には、直轄の力を使つてやつた方が便宜であるとかいう例もございますので、そういう点を考えたのであります。
○西村(英)委員 どうも不満でありますけれども、政府の考えておる意思だけはわかりました。 さらにもう一点お尋ねしますが、この法案の提案理由のときに、有料道路をつくるということは、この法律以外にはできないというようなことがあつたと思います。現在の道路法のもとで有料道路、なかんずく橋でございますが、それは第何条かに許されておつたかと思いますが、あの法律とこの法律とは別に関連はないと私は思いますが、さように解釈してよろしゆうございますか。
○菊池政府委員 その通りでございます。
○西村(英)委員 現在たくさんの有料道路があると思つておるのですが、たとえば江ノ島に行く橋を通る人に対しては、相当に金をとつて通しております。ああいうふうな有料橋のような場合には、料金のとり方及び期間というふうなものは公共団体にまかしておるのであるか、あるいは建設省が多少の基準を示してやつておるのですか。
○浅村説明員 ただいま江ノ島でやつておる有料賃取橋は現在の道路法の規定に基いて営まれておるものでございます。かつてかような有料の橋梁を設ける場合には、その設置の理由、その料金、償還期間等について、道路管理者である都道府県知事が建設大臣の認可を得るということになつておりました。ところが許可認可等国の方で行う行政事務を簡素化するということから、ずいぶん前でしたが、許認可等臨時措置に関する法律というものが施行されまして、その結果、かようなものは大臣の許可を要しないということに現在はなつております。但し江ノ島等のごときものは、それ以前に始まつたものと思いますが、おそらく地方官庁の許可を得てやつておるはずでございます。
○西村(英)委員 もちろん道路の整備を促進するために、道路に対して料金をかけるという必要があるわけでありますけれども、なるべく一般の道路としては有料であつてはならないのであります。私は一例を今江ノ島の橋にとりましたが、相当多額の収益をあげております。皆さんお通りになつたことがあると思いますが、一回五円ばかりの料金をとつておりまして、おそらく年間百万人ないし百五十万人くらいの通行人があると思いますので、年間五百万円以上の収入がありはせぬかと思います。あれに建設省が関係ないとすると、公共団体はその償却などをやつてしまつても、地方公共団体の財源としてあの橋でもつて料金をとることを考えやせぬかと思う。それに対して建設省としてはほつてあるのか、あるいは何かの注意を促しておるか、どういうような関係になつておるか、その辺を承りたいと思います。
○菊池政府委員 江ノ島の橋の例をおあげになりましたが、この橋はかなり前からああいうふうになつておりまして、実はそれを今仰せられたほど厳格には取締つておりませんでしたが、こういうものができました際に何らかの措置をとつて、もう償却が終つておるのでありますから、それほど多額のものをとることについて公共団体と相談をしたいと思います。
○西村(英)委員 相談したいという話ですが、大体公共物をつくつて、それがペイしてしまつたら一般に公開するのが公共物の原則じやないか。今までそういうことに注意を払わなかつたのはおかしいと思う。さらにこの道路から料金をとるということは最小限度にしなければならぬと私は思つておる。そういうものに対して十分御調査はできておらない、関心が払われてないということを聞いて私はびつくりしたのですが、調査するなら調査してもよろしゆうございますが、公共物であるということをお忘れになつてはたいへんだと思います。第七条の昭和二十七年以降三箇年に限るというのにはいろいろいきさつがあつたと思います。府県道の場合はいろいろ必要が起ることがあるから、何も昭和二十七年以降三箇年を限る必要はない。必要がなかつたら特別会計にのせなければいいのですから、法文でこういう制限を入れるのはちよつと道路整備特別措置法の目的に沿わないと私は思うのです。これは意見にわたりますから、その点政府に御注意を促して私の質問は一応終ります。
○内海委員長代理 第七条の問題について、大蔵省と何か折衝されて、こうであるといつた事情があるならばこの際御説明願えればけつこうだと思います。
○菊池政府委員 われわれとしましては三箇年というような年数を入れたくはないのでありまして、ただ第七条はここにありますように新しく設けられるであろうところの特別会計から府県公共団体に貸し付けるわけでありまして、これを資金運用部資金に仰ぐという建前になつております。大蔵当局の、特に資金を扱つております局におきましては、わざわざ特別会計に入れて、その特別会計から貸し付けなくても、大蔵省からじかに貸し付ける方法もあるのであるから、何も特別会計を要しないという議論がわれわれとの間に現われました。それでとにかく三年くらいというところで、端的に申せば押しつけられるというか、妥協してこの年数が入つたわけで、はなはだ説明しにくい点ですが実はそういう次第でございます。
○内海委員長代理 次に瀬戸山三男君。
○瀬戸山委員 本法案については委員諸君から相当の質疑がありましたので、簡単に小さな問題をお尋ねしたいと思います。第二条の第二項に、「建設大臣又は道路の管理者が道路の通行又は利用について徴収する料金をいう。」とあつて、「通行又は利用」ということが書いてあるのですが、これはどういうふうな意味であるか、明らかにしてもらいたいと思います。
○浅村説明員 これは第二条の第一項におきまして、「この法律において「道路」とは、道路法(大正八年法律第五十八号)第一条に規定する道路をいい、」さらにつけ加えまして、「同法第二条に規定する道路の附属物を含むものとする。」と一応約束いたしまして、通行する道路のみならず、道路法で道路の附属物と規定されている橋とか、渡船とかあるいはエレベーターとかいうようなものも一括してその対象とするということを明らかにいたしております。従いまして第二項において「道路の通行又は利用」と書きましたのは、渡船とかエレベーターとかいうようなものによつて動きます場合には、これは通行でなくしてそういうものを利用するのだという気持で書きわけたのでございます。
○瀬戸山委員 御趣旨はわかりました。そこで問題になつている第三条の書き方のよしあしは申し上げませんけれども、第一号に、ここでも「通行者又は利用者がその通行に因り著しく利益を受けるものであること。」というふうになつているのですが、ここには利用によつて著しく利益を受けるということがないから、ちよつとお尋ねいたしたいと思います。これはどういう意味ですか。
○浅村説明員 たいへん恐縮でございますが、実はこれはミス・プリントでございまして、私どもはその手続を事務的に急がしておつたのでございますが、ひよつとしてお手元に正誤表が入つていなかつたのかと思います。
○瀬戸山委員 もう一つ、その利用という問題でありますが、第五条の規定には出ておりませんけれども、この有料道路には電車を走らせる軌条は一切許さないという方針で道路をつくられることに相つておりますか。
○菊池政府委員 レールのある電車は考えていないのでございます。
○瀬戸山委員 この条文から見るとそういうふうになつております。従つてもし軌条をつくることになれば、これは道路を利用するということになるから料金をとらなければならないと思います。せつかくつくつた道路に一切軌条をつくらせない、自動車だけ走らせるという根本の方針でずつと強行されるおつもりですか。
○菊池政府委員 ただいまの方針では、道路としましてはレールを敷く電車は主として都市内あるいは都市付近に発達をしますが、そういうものは好ましくないと思つているわけです。また軌条を敷くような交通のある都市付近では、主として資金をとる方法等がむずかしいので、こういう有料道路はちよつと設置しにくく、あまりないと思つております
○瀬戸山委員 もう一つ、それに関連しておりますが、これは道路を利用するという概念に入るかどうか私承知いたしませんけれども、電柱その他のものを道路に立てるときには、どういうふうに処置されるお考えでありますか。
○菊池政府委員 これはやはり普通の道路法にいう道路でありますから、占用の規定を適用して参ります。
○瀬戸山委員 やはり料金をとるのですね。
○菊池政府委員 とつたりとらなかつたりいろいろありますが、とり得る場合には占用料をとります。
○瀬戸山委員 それから第三条と第六条に有料道路の規定があるわけでありまして、第三条では建設大臣がやる場合に、もちろん建設資金は特別会計の経理によつて償還しなければならないというのですが、第八条には地方公共団体に貸したときには償還その他についての政令を定めることになつております。国がやる場合はどういう規定に基いてやられることになつておりますか。
○浅村説明員 国がやります場合は大蔵当局と建設省当局との直接の契約になりますので、特に法律には規定いたしません。貸し付けますものは国から公共団体に対して貸し付けるという関係になりますので、第八条に貸付の場合だけ政令できめるということにいたしまして、建設大臣が勝手に一存で位置をきめたり期間をきめたりすることを認めないという趣旨になつております。
○瀬戸山委員 きのうもちよつと問題になりましたが、この法案の資料に出ております特定道路整備事業特別会計全体計画及び償還計画は、特別会計予算の説明にも出ているようでありますが、これなどいうところからこういうものが出たのでありますか。これには具体的に関門国道整備事業費、戸塚国道整備事業費、そのほか特定道路整備事業貸付金として府県名と道路名が書いてあります。すでにこういう計画ができているのだと思いますが、関門国道、戸塚国道については国でやるのでありますからわかりますが、府県の橋や道路についてはすでに貸してくれという申出が出ておりますか、これを承りたいと思います。
○菊池政府委員 これは案でありまして、この法律が通りますればこれに必要な手続がございますが、それを経てから決定するわけであります。
○瀬戸山委員 国のやる関係であれば別でありますが、都道府県がかりにやる場合に、これから法律をつくろうというときに、こういうものが有料道路として第三条の規定にすでに該当しておるということを認められているように見えるのであります。他に利用の方法があつて、それを通らなければいけないということにはなつておらないとか、もしくは通行者、利用者がその通行によつて著しく利益を受ける、そしてこれは償還を要する道路であるということはあらかじめきまつているように見えるのでありますが、国でそういうことをやられるおつもりであるか。もし国でおやりにならないのならば、都道府県がすでにこういうことを計画して出しているかどうかということであります。
○菊池政府委員 府県道につきましては、貸付については前々改良あるいは新設の必要性が叫ばれておりましたもので、公共事業費等に入れたいと思つておつたものでありますが、多額の経費を要するし、容易に公共事業ではできなかつたというので、有料道路の制度を設けます際にこういうものが考えられないものだろうかということで、まず取上げたのがこれであります。でございますから、これでもう決定しておるというわけにはまだ参りません。管理者の方と正式の手続はありませんが、話合いをいたしまして、これを入れたらどうだという話で、一応ここに例示的にあげたわけであります。 なおただいま申しましたように、管理者の意見を徴するとか、あるいは地方議会に諮問するとかいうようなことを経なければ、これはほんとうに決定はいたさないわけであります。
○瀬戸山委員 決して道路局長をお痛めするわけではないのでありますけれども、道路局長は非常に道路に御熱心でありますから、今日までかような状態になつておるところを一応御検討の上だと思います。しかしながら法律が今日ようやくできる、また有料道路の制度を設けるということは最近に起つたことでありますが、それがすでに都道府県に貸付金を出されるということはちよつとおかしいというふうに考えておりますから、お尋ねするのであります。こういうことになりますと、こういう有料道路の制度があつて、いわゆる国家の預金部資金を貸し付けて道路をつくるということを知らないところは非常な手遅れになる。それは君、すでにこういうものがあるのだ、とてもそこまで及ばないと、必ず行政的には出て来ると思うのであります。そこでこれについて私は相当遺憾の意を表しておきます。もう一つこれについてお尋ねをいたしたいのは、橋が濃尾大橋ほか九橋出ております。橋だけつくつて、道路がなければ通行できないのは当然でありますが、これだけの橋は道路には関係なく、橋だけをつくれば、これに著しく利益を得て、賃料がとれる、こういう状況のところでありますか。
○菊池政府委員 橋の前後のほんとうのとりつけ部分を数百メートルもやりますれば、前後には道路があるものばかりであります。ただいま渡船場等でやつておるもので、ほんのとりつけ部分だけ施工しますれば、通行可能なものでございます。
○瀬戸山委員 渡船場までつくつて通らなければならない道路は、現に活用しておる道路だと思います。そうすると第三条の、ほかに利用の方法がある場合ということとちよつと抵触しやせぬかと思うのですが、実際の場面を見ておりませんからわかりませんが、その点はどんな状況になつておりますか。
○菊池政府委員 こじつけになるかもわかりませんが、これは比較します場合は、まわり道をしまして、上流あるいは下流の橋梁をまわつて通るか、あるいは渡船を利用するのに比べまして、そういう方法があるということで、利用が余儀なくされないというふうに解釈をしたいのであります。
○瀬戸山委員 その点はこれ以上申し上げませんが、ただこういうことをあらかじめ計画されておるということは、局長のお心持はわかりますけれども、法律制定前にかようなことになつておるということについては、国全体から申し上げると適切ではない、かように考えております。そこでこれは一つだけ聞いておきたいと思いますが、たとえば関門国道整備事業費の融資を受ける金額三十九億何がしということになつております。ところが総事業費三十一億八千万円、これはほかも全部そうなつておりますが、どういうことになつておるのでしようか。
○菊池政府委員 それは利息を含んで借りるわけであります。
○瀬戸山委員 ちよつとわかりにくかつたのですが、その工事をするのに三十一億八千万円かかるのに、三十九億一千万円貸すのだということは、どういうことなんでしよう。
○菊池政府委員 二十七年度から三十一年度までかかることになつておりますが、その間借りて行くわけであります。その間の利子を払わなければなりませんから、それまでを含めて借りようというわけであります。利息を、借りて払うということです。
○瀬戸山委員 これは今貸し付けておられないですから、かまいませんが、どうもわかりにくい。総事業費三十一億八千万円で事業ができ上る。その道路を使つて料金を取つて、それから償還させるのだというふうになつておるものと思うが、利子まで貸し付けて、それを返せという制度をつくられるつもりでありますか。
○菊池政府委員 これは貸し付けるといいますか、大臣が自分でやるのであつて、大蔵省から借りたものを返すわけでありますから、それだけよけい借りようというわけであります。
○内海委員長代理 池田峯雄君。
○池田(峯)委員 ただいま瀬戸山委員からも質問がありましたが、たとえば関門トンネルの場合、ほかに通行し得べき道路はないわけであります。第三条の第一項第二号によりますと、「通常他に道路の通行又は利用の方法があつて、」こういうふうにあるのでありますから、渡船場の場合は、これには該当しないわけであります。だから関門トンネルを有料にするということは、明らかにあなたがつくつた法律に違反することになるのでありますが、この点はいかがでございますか。
○菊池政府委員 ここに道路と書いてございますが、道路は、橋梁も、渡船場もそういうものをひつくるめて道路というふうに言つておりますから、そういうふうに御解釈願いたいのであります。
○池田(峯)委員 渡船場も道路である。そういう概念からこの道路というものを理解するわけですね。そうすると、やはり第三条の問題ですが、一項一号の著しく利益を受けるということと、二号の他に通行し得る道路があるということとは矛盾すると思う。 〔内海委員長代理退席、委員長着席〕 ほかに通行し得るべき道路がないからこそ著しく利益を受ける。だから著しく利益を受けるということは、当然他に通行し得べき道路がないということなのであります。ところが、今度は他に通行し得る道路があつて、それを通らなくてもいいという道路なんです。この一と二は明らかに概念の上で矛盾しておると思う。たとえば、東京から大阪に行くのに、越後の方をまわつても行けるには行けるが、「当該道路の通行又は利用が余儀なくされるものでないこと。」というのは、そういう意味に解釈することなのでしようか。その点を明快に御答弁願いたいと思う。
○菊池政府委員 私はまたかわり道があるから、今度の道を通つた場合に、元の道を通るよりも著しく利益を受けるものということが成り立ち得ると思うのであります。
○池田(峯)委員 かわり道があつたら、何も著しく利益を受けることはないと思うのです。それはここから新宿へ行くにしても、かわり道はたくさんあります。だからもう一本新しい道をつくつたとしたつて、何ら著しく利益を受けないはずなんだ。ほかに通行し得る道路がない所へ道路をつくるからこそ、著しく利益を受けるわけです。そうじやありませんか。あなたのそういつたかわりの道路があるから著しく利益を得るのだという概念からすると、有料道路というものは、われわれにとつてますます理解が困難になつて来ると思うのです。あなたの考えをもつと詳しく説明していただきたい。私、頭が悪いので理解ができませんから、どうぞひとつ説明していただきたい。
○菊池政府委員 現在あります道路あるいは遠まわりをする道路を通るよりも、今度のいい道路をつくつてそれが通り得るようになれば、前の道路を通るよりも利益があるということは言い得ると思うのです。それを端的に書いたのですから、御了解願いたいのであります。
○池田(峯)委員 了解できません。たとえば橋がなくて遠まわりしなければならない所に橋をかけてくれたら、著しく利益を受けるわけです。ところが他に通る橋がある。そこへまた橋をかけた。これはちつとも著しい利益ではない。多少の利益ではありましようが、著しい利益ではない。ですから一と二というものは私はあくまでも矛盾しておると思う。 それからもう一つお聞きしたいと思うのですが、たとえば料金の額をきめる場合に、ほかの橋を渡るよりはこの橋を渡つた方が得するから、大体損得の割合からいつて料金をきめる。関門トンネルの例をとれば、渡船で行くと千三百円、トンネルで行くと千円だ、だから得するじやないか、こういう勘定で千円という額をはじき出すというようにこの前の委員会で聞いておりますが、たとえばトラツク屋さんが貨物を運んで関門トンネルを通つたとすると、千円の料金なら、お客さんから千円きりとれません。お客さんに対して、渡船で行けば千三百円とられるから千三百円出せと言つても、関門トンネルは千円しかとらなければ、千円しかとれません。そういたしますと、渡し船で行つた場合とトンネルを通つて行つた場合と、貨物自動車屋さんとしては運賃上では何ら得をしない。千円しか払わないのですから、お客さんからも千円しかとれません。そうなると関門トンネルができても——お客さんから千三百円とつて、トンネルの方へは千円払つたらいいということになれば、三百円得するのですが、そうはいかない。その貨物自動車屋さんに、お前得をするのだから千円払えというのはどうですか。
○松本委員長 池田君今のは御質問ですか。
○池田(峯)委員 質問です。
○松本委員長 御答弁がないようです。
○池田(峯)委員 私の質問したことがわからないようですが、料金はそれを通つて利益を得る者からとるのでしよう。そうじやないですか。それをまず聞かせてもらいたい。
○菊池政府委員 この趣旨は、よくしたために、それだけ運輸費が安くなるようなものをつくろうというのです。だからだれも料金の上で得をしなくてもよろしいのでありまして、建設費さえ出ればいい。自動車屋さんはそのためにもうかる必要はない。人が通れればよろしい。早く安全に通れればよろしいのですから、その上つた金はだれにも払わなくてよい、建設費を償還して行けばよろしいという趣旨であります。
○池田(峯)委員 それからこの前の委員会で質問しておいて答弁がなかつたのですが、外国軍隊の自動車からは料金をとるかどうか、これをひとつ伺いたい。
○菊池政府委員 ただいま、残念ながらまだ調査中でございますが、これは行政協定の線がもう少しはつきりしてからでないと、私から答弁しにくいのであります。
○池田(峯)委員 行政協定というのは国会に相談しないで政府の方できめたのですから、行政協定の内容についてはことごとく知悉して、その上で締結されたものであろうと思うのでありますが、まだそういう点もおわかりにならないのですか。
○菊池政府委員 不敏にして私にはまだわかりません。
○池田(峯)委員 よく調べてください。そういう大きな問題が政府委員にわからないというのは、はなはだけしからぬことだと思う。なぜならば今の日本の道路を通つている外国のジープ、軍用トラツク、こういうものの量は莫大なものです。有名な甲州街道などというものは、立川、横田の飛行場へ行く外国の自動車のために、子供たちはあぶなくて横断もできない。しよつちゆう人がひき殺されているといつたように、外国自動車の交通が頻繁である。こういう自動車からとるととらないとでは、たいへんな開きになる。あなたたち研究しませんと言うが、ここで料金を計算する場合に、関門トンネルでは推定交通量が貨物大型三十七万五千台というふうに計算しておるわけです。それでは、この三十七万五千台というものを計算したのだから、この中に外国の自動車が入つておるかおらないか、これだけを聞けばいい。
○菊池政府委員 われわれもとりたいという希望は持つております。ただいまここで公式にお答え申し上げるだけの資料がまだないということであります。研究いたしてないわけではありませんから、今後研究いたしましてからお答えいたします。
○池田(峯)委員 資料を要求しておきたいのですが、たとえば戸塚国道を例にとつて、ここで日本の自動車と外国の自動車とは何台ぐらい——いわゆるパーセンテージでもけつこうですが、どの程度の比率になつておるか、これをお調べ願いたいと思うのです。 それから、これはすぐわかると思うのですが、全国における外国の自動車とそれから日本の自動車の数を、概算でけつこうですから調べてほしいと思います。 なお先ほど瀬戸山委員からも質問がありましたが、この濃尾大橋以下十四箇所、これについて政府の方では全国の地方自治団体に、今度こういつたような法律ができる、だからこういう希望があるものは法律ができる前に仮資料としてでもひとつ提出せよということを言つてあるのでありますか。それともそんなことは全然ほかの地方団体には知らせないで、この箇所にだけ知らせて、また仮許可といつたようなものを与えたのでありますか、この点をお聞きしたい。
○菊池政府委員 正式にまだそういうものを発送することは手続上できませんので、地方から出て参りましたものには話をいたします。
○池田(峯)委員 地方から出て来たものに話をした程度で、全国の、特に県ですが、こういうところにあまねく行き渡つておるということではないのですか。
○菊池政府委員 大体あまねく行き渡つておると思います。
○池田(峯)委員 こういう法律がもうできそうだから、あるいは今建設省の方でつくつておるから、それで希望のものは許可を申請しろ、こういうようなことでこの十四箇所というのが決定になつておるわけでありますか。
○菊池政府委員 まだ申請はさせておりません。
○池田(峯)委員 申請を受けていないものが、特別会計のうしろの方にはつきりと箇所別に載つておるというのはどういうわけでありましようか。
○菊池政府委員 これは特別会計を置きます際に、内容がどういうものであるかということを出さなければ、あの特別会計の方はできないのであります。だから計画書ということで、ほんの添付書類になつてあれが出ておるのでありますが、あれが出たものでありますから皆さんの御質問もありますし、自然こういうふうに引続き資料ができて来たわけであります。
○池田(峯)委員 その点についてやはり資料を要求しておきたいのでありますが、濃尾大橋とか大川橋とか、こういつた橋が、はたして他に道路の通行または利用の方法があつて、当該道路の通行または利用が余儀なくされるものでないところの橋であるかどうか、こういうような点を図面の上ででも了知したいと思いますから、ひとつ簡単な略図でも提出していただきたいと思うのであります。私の質問はこれで終ります。
○松本委員長 淺利三朗君。
○淺利委員 私も少しこの問題について当局の御意見をお伺いしたいと思います。第三条において第二号に「通常他に道路の通行又は利用の方法があつて、当該道路の通行又は利用が余儀なくされるものでないこと。」こういうことから見ますと、これは新設道路であるかのごとく想像されるのであります。現在の既設の道路のほかに何かこれに並行して弾丸道路とかなんとかそういう計画をされる意思もこの法案には盛つてあるかどうか、その点をまず第一にお伺いいたしたい。
○菊池政府委員 新設道路は今後考えられることもあるかもしれませんが、いわゆる世の中でいつております弾丸道路というようなものをこれで取扱おうとは思つておりません。
○淺利委員 そこでこの示された表によりますと、関門国道のごときはともかくとして、府県の道路において濃尾大橋その他の橋が列挙されております。これらの橋は現在の路線にかける橋であるか、あるいは現在ある橋以外のところにかけるのであるか、その点を明らかにしていただきたい。
○菊池政府委員 これは現在ある路線の上にかけるものでありまして、実はこの大部分はただいま公共事業で初年度かかつたものが多いのであります。とうてい公共事業費で今後まかなえませんので、これに切りかえたいというのが真情であります。
○淺利委員 そうなるとこの第三条の第二号というものはちよつと疑問を生じて来ます。「通常他に道路の通行又は利用の方法があつて、当該道路の通行又は利用が余儀なくされるものでないこと。」、ところが今までの道路でそこを通らなければならぬというところにその橋をかける場合に、これは他に橋がないとすればその通行を余儀なくされる、こういうことになる。そこに矛盾があるのでありますが、その点はどういうふうにお考えですか。
○菊池政府委員 路線はありますが、橋がないのであります。たいがい渡船であります。
○淺利委員 全然橋がないのですか。かけかえはないと了承していいのですか。その場合において道路の通行または利用の方法が他にあるということは渡船という意味を含むのでありますか、かけかえは一切含まぬという意味ですか、それをはつきり伺いたい。
○菊池政府委員 渡船、または上下流の遠方の橋をまわるということであります。
○淺利委員 それからこの使用料によつてまかない得るという場合は、たいていは交通量の多いところである。そうすると交通量の多いところはこういう方法でやるが、交通量の少いところは賃とり橋なりあるいは賃とり道路は成り立たぬというのですか。そうすれば道路計画の全体から見て、そういう交通量の多い場合は賃とりで行き、そのほかは公共事業費で行く、こういう方針のもとにこれは計画されているのかどうか、その点もはつきり伺つておきたい。
○菊池政府委員 極端に申しますればそういう結論になるかもしれませんが、実は前々申し上げましたように、できるだけ公共事業費によつて道路は整備いたしたい、しかしながらこういう多額に要しますもので有料でやれば成り立つても行こうというものはこの方に讓りまして、公共事業でやる方をできるだけ軽くして行こうという趣旨でございます。
○淺利委員 この財政計画の面から見て三箇年間を限つて貸付をする、そうして一方の表によつて見れば五箇年間にわたる計画もあるようでありますが、これはどういうふうになるのでありましようか、すべて三箇年でやるのでありますか。一番終りの方の償還計画というところに二十七年度借入れ、二十八年度借入れないし三十一年度借入れというふうに五箇年になつておりますが、一方においては三箇年を限るとこうなつておりますが、この点はどういうふうに了解すればいいのですか。
○菊池政府委員 貸付の場合の三年間、これは先ほどちよつと申しましたが、この下の方に三年間でまだ終らないのがあります。こういうものはどうしても三年間ということに限られますれば直轄にまわすよりほかに手はない。できますことならばそういう場合には三年間というのを改訂するとかなんとかしませんと、今後これ以上広げることもできませんので支障も生ずるかと思いますが、一応この三年間という了承を得たままでやりたいと思つております。
○淺利委員 三箇年間に限られる範囲の計画であるならば、これは了承するにやぶさかではありませんが、一方において五箇年の計画がある、他方においては二十七年度から三箇年間だけやる、こういうことで、今政府委員の言われるごとくさらにこれを継続して借りることができないということになれば、あとの二箇年分はさらに継続して借りることができず、中途においてそれを放棄する、あるいはそれを公共事業費に振りかえて行くということになりまして、それによつて将来の公共事業の予算に制約ができて来る、そう了解してよろしゆうございますか。
○菊池政府委員 直轄してやります場合には三年間という限度はないのであります。
○淺利委員 そういたしますと、これによつてやる府県というものはないのですか。
○菊池政府委員 府県の方にありますものは三箇年ということになりますと、直轄に切りかえる必要がある。そこでそれは不都合ということになりますれば、また後年度に改訂を願うか、あるいはやはり直轄に切りかえて行くという手を使うかの方法があるわけであります。
○淺利委員 この貸付によつてやる道路は府県の負担あるいは国の負担というものはないことになると了解するのでありますが、こういう重要な橋梁とか何とかいうものは、府県なり国もある程度負担するということになれば、この範囲がもつと広くもなると思うのです。こういうような場合、ほかとの権衡はさしつかえないことになりますか。 次に、有料道路としてもし採算がとれなかつた場合には一体どうなるのですか。償還年限の変更ということもありましようけれども、あまりに高い料金であるということになると、償還不可能で赤字財政になる。そういう場合には府県なり国がその損失を補填するということまで覚悟せねばならぬのかどうか。その点はどういうお見通しですか。
○菊池政府委員 他の公共事業費でやるものとの不均衡という問題ですが、これはただいま全額貸し付けるということでやつておりますが、また中には一部は出すというのも出て来やせぬかと思います。そういう場合には一部を貸し付けて、それを償還して行けばよろしいというふうに思つております。それから料金がとれない場合、こういうものを選びたくないのでありますが、交通量と料金の関係で予定だけ入らぬこともあるかもしれませんがそういう場合を考慮しまして、なるべく安くしてどんどん通つてもらうことを考えなければならぬと思つております。万一非常に入らぬというようなことがありました場合には、貸付の場合は地方に負担してもらうということにしなければならぬと思います。
○淺利委員 それから使用料をとる期間が二十年なら二十年と仮定いたしまして、その前に償還ができるという場合には、その料金はとらないことにするのか、あるいはそれを継続してとつておつて、他の道路の建設費に利用するというふうにお考えになりますか。その方針を一応承つておきたいと思います。
○菊池政府委員 ただいまのところは、償還すればとらないことにしたいと思つております。しかしながら特別会計全体といたしまして、ゆたかな箇所もありましようし、とりにくい箇所もありましようから、ある程度はプール式に考えて一年、二年はよけいに償還してもよろしい。これによつて足りないところを補填するということも将来考えなければならぬ時期があるいは来るかとも思います。
○淺利委員 最後にもう一つ関門トンネルについてお伺いしたいと思います。この融資額三十九億、事業費が三十一億。それから第二の方は四十六億の融資で、三十八億の工事費、そのほか府県の方においても五十八億の融資ということになつておりますが、せつかく政府が融資されるならば、道路が完成して現金がとれて、相当の収入が得られるまでの間は償還のすえ置き期間を置くという方法が常識でありますが、そういう方法はとれないのかどうか、償還年限を定めるということはできなかつたのか伺つておきたいと思います。 それからもう一つ、関門トンネルについては料金は千円となつております。おそらくはこれも利用者は喜んで払うかもしれませんが、その場合において比較して検討したいことは、貨物の運賃はどうなるか、現在国鉄の関門トンネルを出て対岸に運ぶ場合との比較においてどういう比率になるか。また旅客関係においては人を乗せた自動車とか、汽車で対岸に渡つた場合とどういう計算になるか。何かお調べになつた資料があるならば、これは料金がはたして十分にとれるかどうかという見通しの上から参考になりはせぬかと思いますから、ひとつ御提出を願いたいと思います。
○浅村説明員 ただいまの関門の場合の利息でございますが、この計画表では関門トンネルは今後五箇年間を一応継続事業ということに計画されておりまして、五箇年たちますと完成いたしますので、六年目から通行料金をとり出すわけでございます。その通行料金は、投じました資金の償還額と利息の支払いを考えていろいろ額をきめるのでありますが、建設期間の五箇年間の利息だけは払つて行かなければならない。これは利率は六分でございます。一応預金部資金の特別会計の融資でございますので、無利息というわけには参らない。しかしながらどこからその利息を出すかということになりますと、結局金がどこにもないので、一応利息を含めたものを借りて、借りたものをまた逆に払うという経理をやつております。これは普通そういうことにするものだということを伺つておりますので、私どもはそれに従つておるわけであります。 それから、関門につきまして通行料金をいろいろこまかく出しておりますが、関門につきましては、かねて私どもでいろいろ調査もいたしまして、たとえば関門隧道を有料にした場合どのくらいの料金がよかろうかというようなことを一応調査したものに基いて、その利益計算が出ておるのでございます。なお料金につきましては、法律にもございますように、政令においてとつくりとその基準をきめ、またそれによつて十分鉄道運賃などとも関連を持たしたものをきめたい、かように考えておりまして、目下検討中でございます。
○松本委員長 お諮りいたします。本法案に対する質疑はこの程度で終了いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」「反対」と呼ぶ者あり〕
○松本委員長 ちよつと速記をとめて……。 〔速記中止〕
○松本委員長 速記を始めてください。 それでは皆さんの御賛成によりまして、質疑は打切りになりました。 —————————————
○松本委員長 それでは次に、公営住宅法第六条の規定に基き、承認を求めるの件、内閣提出、承認第三号を議題といたします。質疑を続行いたします。池田峯雄君。
○池田(峯)委員 この説明資料の一ページで、住宅不足、住宅需要増のうちの特に緊急度の高いものを百九万四千五百戸と推定してあるのでありますが、緊急度の高いというのはどういう観点に立つてきめられたものであるかをお伺いします。
○木村政府委員 この緊急度の高いものというのは、三百十五万六千九百戸のうち特に緊急度の高いものは非住家居住及び同居世帯者が百六万八千八百、それから九畳未満の狭い住宅に一人当り二・五畳未満の過密住居をしている世帯数が八十三万四千五百、これを合計いたしますと百九十万三千三百戸になるわけであります。
○池田(峯)委員 そういう御答弁ならばこの表を見ればわかるのであります。この表では住宅を持たない、そして同居世帯数が多いというようなもののうち、二十世帯のうち三世帯というような割合ではじき出したもの、あるいは非常に狭い所に住んでいる世帯の中から、また二十軒のうち三軒をはじき出したもの、これが百九万四千五百戸であるというようになつておるのであります。ですからこの百九万四千五百戸という世帯は、金がなくて住宅を建てたくても建てられない、ほんとうに困つたものというふうに理解してさしつかえございませんか。
○木村政府委員 御意見に近いと存じます。
○池田(峯)委員 そうしますと、今時はこの百九万四千五百戸に対応する建設省の住宅建設計画でありますが、このうち三箇年に六十九万を予想するのであります。ところがこの六十九万戸を予想しておる数は、民間自力建設戸数なのであります。百九万四千五百戸というのは、これは金がなくて、建てたいけれども建てられない人たちであるのに、今度は政府が建てようとする百九万四千五百戸の中には、自分の金で建設できる数を六十九万戸も算入しているのであります。これは明らかに数字上のごまかしであると思うのであります。三箇年に百九万四千五百万の住宅をつくらなければならぬ。ところがそのうち自力建設戸数を六十九万戸含めておる。それから官公庁給与住宅その他で四万四千五百戸、こういうことになるのであります。従つて国庫が補助し、あるいは国家が融資をして住宅を建てる数は三十六万戸でよろしいという答えをここからはじき出しておるわけなのでありますが、この自力建設戸数六十九万戸というものをここへ入れたということは、これはお間違いではなかろうか、こういうふうに考えられるわけですが、ここを御説明いただきたい。
○木村政府委員 たいへん失礼しました。先ほど表の見方を誤つておりました。資料の第一表にございますように、住宅不足数は備考にございますように、緊急度の高い百六万八千八百戸を二十年間のうちの三年、この数字と、それから同居のない狭小過密居住世帯数の八十三万四千五百戸を二十年間のうちの三年、二十年間にこの二つの数字を解消するための三箇年分と、その下段にございます住宅需要、普通世帯増に基く住宅需要増が年間に二十四万戸でございます。それから住宅の災害喪失による住宅需要増が年間三万戸でございます。それから老朽自然消耗による住宅需要増は年間五万戸でございますが、これは三年間は当分修理をして、しんぼうしていただくという考え方をいたしまして、三箇年間に普通世帯増に基く住宅需要増が七十一万九千戸、それから住宅の災害喪失による住宅需要増が九万戸、計八十万九千戸、この八十万九千戸と、前に申し上げました上段の二十八万五千五百戸を寄せましたのが百九万四千五百戸でございまして、この八十万九千戸の方には、民間の建設能力のある人が相当あるということでございます。
○池田(峯)委員 この八十万九千の中に六十九万も自力建設能力のあるものが含まれておるというふうに説明されましたが、それだとはなはだおかしいのではなかろうかと考えられる。なぜならば、平均年間住宅需要増として三十二万、従つて三年間で九十六万戸、この九十六万戸の中からふるい落しまして八十万九千としたのでありますから、その八十万とするときには、もう自力で建設できるものを相当除いて八十万九千という本のが緊急住宅需要増だ、こういうふうに出しておるのでなかろうか。すべてそういうふうに自力で建設できるものは除いて、貧乏で家が建てられないというものが百九万四千五百戸だ、これはどうしても建てなければならないのだと、こういうふうにあなたの方では出しておるのではないでしようか。それを今度は、百九万四千五百戸のうち自力で建てられるもの六十九万だ、こういうふうに出しておる。一体この六十九万というのはどこから出して来るか。もちろんこれは平均年間需要増二十三万、それを三倍して六十九万と出したものでありましようけれども、緊急度の高い百九万四千五百戸、そのうち年間二十三万戸は自力で建てられるのだ、これはちよつとおかしいじやないでしようか。自力で建てられる数は、緊急度の高いものも低いものも全部ひつくるめて日本では二十三万戸なんですよ。ですからこの十三万戸を三倍した六十九万というものを、緊急度の高い、どうしても住宅を建てなければならないという数字の中に入れておくということは、これはお間違いではございませんか。こういうふうに聞いておるわけです。
○木村政府委員 上段にございます住宅不足数の非住家居住同び同居者世帯数並びに同居のない狭小過密居住世帯の数字が二十八万五千五百戸になつておりますが、この中でも、必ずしも自力建設ができない人ばかりというわけには行かないのであります。相当数自力建設ができるように考えるわけでおります。自然この下段においてはもつと大きなパーセンテージをもつて自力建設ができると考える次第でございます。
○池田(峯)委員 自力建設云々ということはともかくとして、それでは緊急度の高いものという基準はどこからきめたのですか。これは何という数字に何という計数をかけたという説明ではなくて、緊急度のケースをつくる基本的なはかり、考え方、こういつたものをお聞きしたいと思う。緊急度の高いというのは一体どういうことなんですか、一般に緊急度が高いといつても、戦時中では工員の宿舎を建てるということが緊急度が高いということになりましよう。あるいは防火都市を建設する建前からいえば、耐火建築物を増築するということが緊急度が高いということになるでございましよう。従つて緊急度の高いという概念、そういつたものを御説明願いたい。
○木村政府委員 上段の方は緊急度の高いということを御承認くださつたように私は考えるわけであります。下段の方は、毎年これだけの需要がふえるわけでございます。それをほつておきますと、どんどん累積する。こういう意味でもつて毎年この数字は解決して行きたいという意味の緊急度の高いということであります。
○池田(峯)委員 解決して行きたいという数字だとか、そういうことでなく、一体緊急度の高いというのは、貧乏で家が建てたくても建てられないというところに基本的な考え方を置いて、緊急度の高いものはこれこれだと出して来たのか、それともこのほかの別の概念がこの緊急度の高いものという概念の中に含まれておるのか、こういうように聞いておるわけです。
○木村政府委員 貧富の度合いをもつて基準を出しておりませんで、住宅の困窮度をもつて基準を出しております。
○池田(峯)委員 日本の住宅は何で建たないのですか。
○木村政府委員 現在はいろいろ事情がございましようが、もちろん貸家主にいたしますれば、貸家主が営利的な面で非常に不利だというようなことでございますとか、あるいは国の立場になりますれば、財政的な立場から、資金その他の関係で予想通り数字が上げ得ないということと考えます。
○池田(峯)委員 ごく普通な考え方で言つてもらいたいと思うのです。たとえばあなたが家を建てろという場合に、まず一番先に何を考えますか。一番先に考えるのは金ではないか。だから退職手当を五十万もらつたら、五十万の家を建てよう。それまではちびちびかたくしておつて金をためよう、こういうことじやなかろうかと思う。やはり金がないから住宅が建たないのであつて、貧富の度合いを考慮に入れて考えたのではないと言つておりますけれども、日本の住宅が建たないというのは、建てる金がないところが問題だろうと思う。それをあなたはそう言つておりません。緊急度の高いものというのは、金がなくて建てられないもの、この人たちを百九万四千五百戸とはじき出したのか。私は当初からそう聞いておる。ところがあなたはそうじやないと言つて、何としてもそれを頑強に承諾しないのです。なぜ承諾しないかと申しますと、この百九万四千五百戸を充当する政府の計画の中で、金があつて自分で建てられる戸数を六十九万この中へ入れてしまつた。この六十九万という数字は——当然今住宅が不足しておる三百十六万、あるいは年間三十二万戸も需要増がある、こういつた中で、日本の住宅が二十年後に不足するものは六百五十六万戸になる勘定であります。二十年後に六百五十六万戸も不足する。この中で幾分か自力で建てる人も出て来るというのであつて、緊急度の高い百九万戸の中に年間二十三万戸、三年間で六十九万戸というものを含めるというのは、ちよつと当を得ていない計算でなかろうか、こういうふうに考えられる。そこにあなたが矛盾をみずから感じておりますがゆえに、緊急度の高いものというのは、これはああだとか、こうだとかいつて話をそらして行くのではなかろうか、こういうふうに考えられるわけです。この六十九万というものを百九万四千五百戸の中に含めないと、三年間で政府が三十六万戸の住宅を建てれば何とかやつて行けるのだという結論が出て来ないわけであります。その結論を出すために、自力建設戸数を六十九万戸と見ておるわけであります。私はこの点でこの資料の表が、ブルジヨア統計というのでしようか、吉田統計というのでしようか、はなはだインチキ性に富んだものであると断ぜざるを得ないのであります。 なおそれではこの三箇年計画の第一年計画として、日本で一体どれくらいの住宅が建つのか、それを御説明いただきたい。
○木村政府委員 これは当初に釈明申し上げた次第でありますが、この三箇年計画の決定が、いろいろ手続等も手間取りましたために遅れた次第であります。私どもといたしまして二十七年度予算に要求いたしましたのは、一応私どもの手元ではじいた数字でもつて公営住宅を八万戸、公庫住宅を八万戸といたしまして要求いたしたわけでございます。すなわち予算要求の当時は十六万戸で計画したわけでございますが、公営住宅につきましては公共団体の財政面、特に起債の問題などで、大都市が特別建設費で窮地に立つておりましたので、公営住宅につきましてはこの点に特に重点を置いてやつて行く。すなわち公営住宅は即時償還できるわけでございまするから、百パーセント起債のわくを認めてもらうように現在努力しているわけでございます。そういう措置がつきましたならば、来年度は相当数字を上げてがんばるというのが順当ではないかと思いまして、本二十七年度の予算は一応前年通り二万五千程度でしんぼういたしまして、公庫住宅の方を五万戸がんばりました。合計七万五千の数字にただいま相なつております。
○松本委員長 あと質問がお一人残つておりますが、建設大臣の出席が要求してありますので、大臣がそのうちに参ると思いますから、参りますまでしばらくこのまま休憩をいたします。 午後三時四十六分休憩 ————◇————— 午後三時四十七分開議
○松本委員長 休憩前に引続き会議を開きます。本法案について質疑を続行いたします。淺利三朗君。
○淺利委員 この提案になつております住宅三箇年計画を審議するにあたりまして、私どもは国会がこれを承認するということについて二つの大きな不安があるのであります。一つは、三百六十万戸に及ぶ住宅の不足数を二十年間において解消する。こういう建前で計画されているようでありますが、もしこの案を承認すれば、はたしてこの不足が二十年間に解消できるか。もしわれわれがこれを承認すれば、住宅政策の貧困というものを是認する結果になるようなおそれもあるのであります。もう一つは、これは消極的に言えば、この三箇年計画というものがはたして実行できるか。政府はかつても災害都市の計画を是正し、そうしてこれを五箇年計画で実施するという目標を掲げたにかかわらず、その後遅々としてそれが進まない、こういう前例があるわけであります。閣議では決定されても、財政のいかんによつてまたこれが変更される。こういう意味においてこの計画を国会が是認するということになれば、政府がこれによつて国会に責任を転嫁して、住宅政策に対して、あるいは安易な道を歩むというような傾きになりはせぬかということを恐るるのであります。そこで私は、この問題は事務当局よりも大臣にお伺いしたい。一体政府として日本の住宅政策に対して真剣に総合的の計画を立てられるかどうか、ただ政府資金によつて三箇年計画を立てられておるのか、これは民間のあらゆる方面における総力をあげてこの住宅政策の解決に当るということであらねばならぬのじやないか。かつて私は火災保険会社のあの保険金を利用するという方法を考えてはどうかということを申し上げたのでありますが、その後それに対するところの調査の結果、できるのかできないのか、その御報告もないのであります。そういう点から見て私はここに二、三の質疑をいたしたいと思うのであります。 第一は、これは政府支出のほかに公共団体が必ず負担をすることは当然であります。しかし公共団体においても今日の地方財政においてはその負担は容易でないのであります。自然これは起債の裏づけによらねばならぬ。ところが今日の融資の面においては、地方財政委員会等の割当は、地方の要望を満たしておらない。その実例は昨年一ノ関市が耐火建築の住宅を割当てられたにかかわらず、その起債のわくが非常に狭かつたために遂にこれを隊行し得ずして木造住宅に変更したというような実例もあるのであります。この点において政府は、この住宅建設のための地方融資について優先的にこれをやるという方針で進んでおるかどうか、その点を第一にお伺いしたいと思うのであります。
○野田国務大臣 政府の計画しております公営住宅について、政府の予算に計上してもその二分の一なり三分の一なりの地方負担に対して適切な起債等による財源措置が講ぜられない場合には、計画の達成がむずかしいのじやないか、その点について政府は十分な手当をしておるかという意味の御質問でありましたが、現在地方債がきわめてきゆうくつなことは御承知の通りでありまして、その原因の一番大きいものは、やはり資金運用部資金の蓄積の少いことにあると私は思います。資金運用部資金が年間六百億とかいうような、その程度の額であるということは、今日の貨幣価値から見ましてあまりにも少いと思うのであります。終戦前におきましては、毎月十億から十五億の預金部資金が集まつて参つたのであります。現在の貨幣価値に直しましたならば、千億あるいは千五百億という金が毎月集まつて来ておつたのであります。それに比べまして最近の実績が毎月五十億であるということは、あまりにも少な過ぎるのでありまして、この点政府としては今後最善の努力を尽さなければならないというふうに考えております。かりに月々五十億のが倍の百億になりますと、年間六百億の金がふえて来るということになりますので、どうしても資金運用部に集まる金をふやすように今後政府としてうんと馬力をかけなければならないということを強調いたしておるのであります。もしこれがある程度達成できますると、現在の地方債の窮状というものもかなり緩和されるのではないかというように見通しておるのでありまして、二十七年度の予算編成にあたりましても、私建設大臣として特にこの点を強調いたしまして、資金運用部資金の増強をはかるために、大蔵省も一億数千万円の貯蓄奨励の金をもつて大いにやろうというように非常に意気込んでおりますので、私は二十七年度に予定されておる資金運用部資金の約六百億よりも必ず上まわるだろうというふうに考えております。もしその方面の運動が功を奏しましたならば、将来相当にここに力がたまつて来るのではないかと思います。そうした場合には当然住宅建設の裏づけとなる地方債につきましても、できるだけ最大限に認めるように努力をいたすわけでありまして、現在ではどちらかと申しますと、災害復旧の関係の地方債が優先をいたしており、それについて住宅債券が認められておりますが、今後は財源をふやすことによりまして十分この裏づけをはかるようにいたしたいと考えておる次第であります。
○淺利委員 大臣の理想はまことにけつこうでありまして、ことに大蔵出身の大臣でありますから、その辺のことには違算はないと思いますけれども、建設大臣としての立場とまた大蔵当局の立場はおのずから異なつておると思います。ぜひ国務大臣としての政治力によつて今の理想を実現するように熱望する次第であります。 次には政府資金による場合ではなく、民間資金の活用の問題について全面的に住宅政策の上から考慮を願いたい。それは先刻申し上げました火災保険会社の保険金の利用という道がどうなるか、また不動産金融について何か民間銀行に対して政府において御計画があるかどうか。これによつて住宅建設に幾らかの緩和ができる御見通しがあるのかどうか。またそういう御計画があるかどうか。ことに今度の表によつて拝見しますと、先刻池田委員も質問されたようでありますが、民間住宅六十数万戸を計画しているようでありますが、しかし二十五年以来の民間住宅の建設を見ますと、漸次その数が減つて参つております。はたしてこの趨勢のもとに今のような民間融資というものを考えないで、民間の自己建築というものが期待できるか、そういう点があるからこの民間融資、火災保険の利用というようなものをどうするかということについて御計画があるかどうか。 それからもう一つ、今日まで料理屋、飲食店などは盛んに建築されております。また高層建築の事務所も多いのであります。こういう方面の融資はどこから出ているのか、またこれは政府の方針としてこういうものに対して優先的にこの融資を認めている結果であるか、もし限られたる国家資金なりあるいは民間資金というものを利用するならば、これらのものを押えて住宅の方にもう少し力を入れる方針はとり得ないのであるか。これらについては従来どういう御方針であつたか、この点について建設大臣として、また国務大臣としてのお考えを伺い、今後この方面の解決に努力を願いたいと思うのであります。その点についてお考えを聞かしていただきたいと思います。
○野田国務大臣 個人が住宅を建てるために必要な資金の融通の問題でありますが、この不動産金融につきましては、最近政府におきましても特に力を入れて参つて来ているのでありまして、産業の建設に必要な不動産金融の長期信用という問題につきましては、特別な金融機関をつくりまして、これに対処いたしたいと思つております。その他不動産金融は総理大臣もきわめて熱心でありまして、この問題はできるだけ今後大きなもの、小さいもの合せまして適切な措置をとつて行きたいと考えております。また国民金融公庫等の活用の場合におきましても、不動産金融的なものは考えられないか、もちろんある程度考えてやつていると思いますが、運営面におきましてもそういう点を加味することもあわせて考慮されている実情であります。 それから損害保険会社の積立金の活用の問題につきましては今後研究を続けたいと思います。現在は生命保険会社の積立金総額は五百億円くらいじやないかと思いますが、それに比べると、損害保険会社の積立金は、一年きりのものでありまして、蓄積は非常に少いものでありますから、資金量としてはさほど大きなものではないという感じがいたすのでありますが、この方面の使うべき金がありますれば、十分活用いたしたい。しかしながら金額的に非常に大きいものだということは期待できないのではないか。また損害保険会社としても、資金の運用面からいたしまして、短期資金的な色彩を持つておりますので、この運用にはいろいろな制約もあり、不動産、住宅というものに何ほどさき得るかということも十分研究いたさなければならぬと考えております。 それから料理屋とかあるいは高層建築の方面の金融はどうなつておるかという点でありますが、この点につきましては、ただいま閣議に付属する三人委員会という制度がありまして、大蔵省の銀行局長、私の方の住宅局長及び安定本部の官房長が三人でもつて委員会を構成して建築の制限をやつております。その最重点を料理屋だとかその他の娯楽施設に置いておるわけであります。ほとんど全面的な抑制をやつておりますし、また高層建築にいたしましてもかなり手きびしい抑制を加えておるわけであります。しかしそれは全部のものではありませんので、重点的にやつておるのでありますが、この方面にまわる金は普通の金融機関が貸し出すルートを通つておらないのであります。自己資金であるとかその他の金が使われておるのでありまして、普通の金融資金は大蔵省の方で厳重に取締つて流れないようにしておるというのが実情であります。今後運用の面においてさらに注意をいたしまして、資金的に資材的に、こういう面の事業のために住宅建築を押えるということのないように配意をいたして行きたいと考えております。
○淺利委員 ただいま火災保険の問題がありましたが、額は少いかもしれませんが、これは今船舶の方に利用される率が多いと思います。そこですべてこれを船舶の方に持つて行かれるということなく、海上保険と建物の保険というものの振り合いによつて、一部は住宅の方にわける。もし現行の法律ではその道が開かれていないならば、立法的措置を講じてその火災保険というものを利用することを考慮する必要がありはせぬか。一方において住宅がふえるならばそれだけ火災保険の対象もふえるのでありますから、保険会社としては一挙両得の点があろうと思うのであります。この点については単純に一片の思いつき案であるというふうに聞き流しをせずに、もつと真剣に調査をしていただきたい。そしてこれは不可能である、またこういうところに難点があるという調査の結果を適当な機会に御報告願いたいと思うのであります。 もう一つは、もし道さえ立つならば、政府が直接補助をしなくても、あるいは金利補償というようなことをすれば、それだけたくさんのものに割当ができる、こういうことになると思うのであります。今度の電源開発についても貯蓄債券を発行して六十億ばかりこれに充てるということになつておりますが、そういう点から考えて、社会福祉のために住宅建設公債というようなものを発行して、早急にこの住宅問題の解決に充てる道がないかどうか。インフレを助長するという意味においていろいろ懸念もあるようでありますが、民間の資金を動員してこれを運用するのであるとすれば、そうはなはだしい害がない。ことに今の電源開発には貯蓄債券を発行するというならば、住宅に対しても貯蓄債券なり住宅債券を発行するということにすれば、多くの国民もこれに応ずるということもありはせぬかと思います。これらの点に対するお考えはどうでありましようか。これは前に道路問題について伺つたのでありますが、住宅問題についてもお考えをお示し願いたいと思います。
○野田国務大臣 今お話の貯蓄債券の問題は、終戦後において初めての問題であるかと思いますが、電源開発の金融難にかんがみましてああいう制度を始めるに至つたのであります。住宅問題もきわめて緊要なものでありますので、今後ああいうような方法がとられるのでないかということにつきましては、十分検討して参りたいと思つております。 なお損害保険会社の積立金の利用の問題につきましては、皆さんの方の御趣旨もありましたので、以前に一度損害保険会社と交渉したこともあるのでありますが、今までのところは成功しておらないのであります。なお今後もさらに研究を重ねまして善処いたしたいと考えております。なおこれがほんとうに成り立つかどうかということは、まだ今後に属するものでありますが、例の厚生保険で年々百億以上の金が預金部に集まつて参りますので、これを利用いたしまして、労務者住宅といいますか、勤労者住宅といいますか、そういうものを建てられないかということを厚生大臣とも相談をしております。これは大蔵省の十分な了解を得なければできないことでありますが、この問題は前々から研究もしておることであり、かつまたそういう金を、かりに八割なら八割使えばあと二割は会社が自分で出す、そして合せて十にして労務者用の住宅を建てるということも、民間においては相当歓迎しておる向きもあるという話を聞いております。こういう点につきましても、これから十分検討を続けて行きたい。今その調査に着手をいたしておるような実情であります。
○淺利委員 建設大臣の将来における熱意を期待して大臣に対する質問はこの程度にとどめますが、ただいま地財委の方から御出席だそうでありますから御質問いたします。この三箇年計画を実施するにおいて地方財政の貧弱な今日、主として起債の裏づけがなければこの計画が画餅に帰すると思うのであります。そこで今日まで地財委においては、起債の割当についてはいろいろ優先的に取上げるのでありますが、地方財政委員会としては、この裏づけとなる融資について、この計画を実行し得る程度の融資ができるという確信を持つておられるかどうか、またそれだけの熱意を持つておられるかどうか、この点を明らかにしていただきたいと思います。
○武岡政府委員 昭和二十七年度の地方債の発行計画につきましては、ただいまのところまだ具体的な各項目についての割振りを行つておる段階でございまして、まだ決定しておりません。ただ総額といたしましては、明年度におきましては預金部資金として大体六百五十億程度手当をいたしてございますので、本年度に比べますれば一般会計、特別会計合せて百五十億円程度増額になるわけであります。他面におきまして、明年度における地方債の所要額と申しますか、地方の希望額というものも相当ふえて参つておりますし、また物価の値上り等も勘案いたしますと、個々の事業に充当し得る比率につきましては、本年以上に非常に多くを期待することは困難であろうと思いますが、大体本年程度の充当率は維持できるのではないかと考えております。ただいまのお話の住宅の建設計画につきましては、明年度の具体的な起債の配分の際にさらに詳細な数字につきまして検討いたさなければならぬと考えておりますが、住宅問題の緊要なことは御指摘の通りでありますので、できる限り起債が地方の要望にこたえ得ますように努力をいたしたいと考えております。
○淺利委員 最後に一つ申し上げておきたいのは、この計画はある程度いろいろの種類によつてやるのでありますけれども、最近の十勝震災あるいは各地の火災のごときものが頻発すれば、その都度この既設公共事業費の中から住宅建設をするという建前になつております。そうするとせつかく立てた計画もその災害によつてくずれるということになります。そうすればこの三年計画のほかに、そういう災害の起つた場合は災害の復旧と申しますか、災害の救助と申しますか、そういう意味において別個の予算を組んで、あるいは別個のわくを設けて、補正予算として災害の分は災害費として別に組むという予算形態を持つにあらざれば、せつかくの計画がその災害のいかんによつてくずれるという憂いがある。災害に対しては、この既定計画以外に別個の予算のわくをもつて処置するというお考えがあるかないか、この点を確かめておきたいと思います。
○野田国務大臣 災害の場合の公営住宅は、本年度では五十億円の公営予算がありますが、これからは出さないことにしておりまして、災害復旧費八十億の中から災害復旧関係の第二種公営住宅復旧の金を出すという建前をとつておりますから、五十億を主とする二万五千戸の計画には食い込んで来ないことになつております。 なお申し上げておきますが、先ほど申されました三百十六万戸足りないというその数字の中には、災害によつて滅失する家の数も入つておるわけであります。しかし二万五千とか何とか申し上げている数字の中には、災害によつてつぶれたものを今度第二種公営住宅で補つて行くという数字は入つておらない、こういうことになつております。
○淺利委員 そこで今の災害の場合には別個に予算をおとりになるというお考えかどうかということを確かめておきたいのであります。
○野田国務大臣 そうであります。
○松本委員長 これにて質疑は終了いたしました。これより討論に入ります。通告順によりこれを許します。内海安吉君。
○内海委員 私は本案に対して賛成の意を表するものであります。 その理由は、本計画は政府の説明によつて明らかにされましたごとく、この三年計画は昭和二十六年法律第百九十三号をもつて公布されたもので、公営住宅法第六条第三項の規定に基き作成されたものでありまして、特に昨年七月、各都道府県知事より住宅建設三箇年計画につきましては、いろいろな意見その他資料の提出を求めましたのみならず、地方公共団体の住宅需要と財政需要並びに住宅金融公庫による融資住宅の建設見込み、その他民間における自己住宅建設見通し等の関連した諸問題を検討されまして本案が立案されたものでありますので、まことに適当の措置であると認めるものであります。本員は原案に賛成の意を表するものであります。
○松本委員長 池田峯雄君。
○池田(峯)委員 私は共産党を代表いたしまして反対いたすものであります。 この計画は二十年間で日本の住宅不足を解消しようという計画であるのでありますが、来年のことを言うと鬼が笑うというが、まつたく鬼が大笑いするような計画であります。現在日本の住宅が二十年後にどのくらい不足して行くかということを推定いたしますと、現在不足しているのが三百十六万戸、そのほかに自然需要増が約六百四十万戸という計算になるのでありますから、まず二十年後の不足数は九百五十六万戸、一千万戸になんなんとするという計算になるのであります。これは政府の資料で計算してそうなるのであります。従いましてこの不足を解消するためには、年間五十五戸の建設が必要なのでありますが、この案によりますと、ようやく年間に十二万戸ずつつくつて行こうというような計画なのであります。しかもこの計画すらも実際には実行されずに、本年度は七万戸くらいしか建設できない。これは要するに今の政府が単独講和をやりまして、アメリカの植民地になつてアメリカの雇い兵をつくり、警察予備隊費であるとか、あるいはやれ防衛費であるとか、こういうものを支払わなければなりませんから、従つて住宅の建設費というものはほんのすずめの涙ほどにならざるを得ないということは理の当然でございます。大砲もつくるしバターもつくるというような政策はできつこないのでありまして、しかもまた政府は警察予備隊をやれ十八万人とか、三十万人とか、八十万人とか、そういうようなことではいわゆるすずめの涙ほどのこの三箇年計画すらも絵に描いたぼたもちになるであろうということは、今から十分想像されるところなのであります。そういう意味で、この計画は住宅不足に困窮し、政府に何とかして低家賃の住宅を建ててくれという日本国民大衆の切実な要求を、この絵に描いたぼたもちによつてごまかそうという計画以外の何ものでもないと思いますので、私は本案に反対するものであります。
○松本委員長 これにて通告のありました討論は全部終了いたしました。 ただいまより公営住宅法第六条の規定に基き、承認を求めるの件、内閣提出、承認第三号について採決いたします。本件を承認すべきものと決するに賛成の諸君の御起立を願います。 〔賛成者起立〕
○松本委員長 起立多数。よつて本件は承認すべきものと決しました。 この際お諮りいたします。本件に関しまする委員会の報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○松本委員長 御異議なしと認めます。よつてさようとりはからいます。 本日はこの程度で散会いたします。次会は追つて公報をもつて御案内いたします。 午後四時十九分散会