建設委員会 第5号
- 発言数
- 52 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1952/02/08
会議録
○松本委員長 ただいまより建設委員会を開会いたします。 ポツダム宣言の受諾に伴い発する命令に関する件に基く建設省関係命令の措置に関する法律案を議題といたします。政府当局より提案理由の説明を聴取いたしたいと存じます。野田建設大臣。 —————————————
○野田国務大臣 ただいま提案になりましたポツダム宣言の受諾に伴い発する命令に関する件に基く建設省関係命令の措置に関する法律案の趣旨を御説明いたします。 建設省関係のポツダム政令は、昭和二十年に制定されました住宅緊急措置令と、昭和二十五年に制定されました空中写真の利用等に関する政令の二つであります。 そのうち空中写真の利用等に関する政令は、連合国最高司令官から日本政府に貸与された空中写真を建設省地理調査所において保管し、これを戦災復興または経済再建の事業のために必要がある場合においては、国もしくは地方公共団体の機関または測量法にいう公共測量を実施しようとする者が広く利用できるものとするために、その保管、利用の手続及び期間、処分等について必要な規定を設けているのであります。今後におきましても、引続きその利用を認めることが適当と認められますので、この政令を法律としての効力を持つものとするものであります。 住宅緊急措置令につきましては、その廃止に伴う経過的措置について若干所要の規定を設ける必要がありますので、別途その廃止に関する法律案を提出して御審議を願いたいと存じております。何とぞよろしく御審議のほどをお願いいたします。
○松本委員長 引続いてこの法案に対する補足説明として空中写真利用の現況について説明をいたさせます。武藤説明員。
○武藤説明員 地理調査所におきましては、今大臣からの御説明もありましたように、わが国の戦災復興あるいは経済再建ということにつきまして、連合軍側から空中写真を貸してくださいまして、これをその方面に利用しておるということを話されております。それでこの利用範囲は一般には行きわたつておらないのでございますが、今も提案理由の御説明がありましたように、政府機関あるいは地方公共団体、そういうふうな範囲に限られております。従来までこれがどんなふうに利用されておつたかと申しますと、たいへんいろいろな方面にわたつておりまして、まずお手元にプリントを差上げてあると存じますが、第二ページに「主なる利用目的と関係官公庁」というのがあげてございます。それをごらんになつていただきますと、概略おわかりになつていただけると存じます。 まず森林調査、これは非常にたくさん出ておりまして、今まで出ておる写真の大部分はこの森林調査に利用されておつたといつてもさしつかえないと思われるくらいでございます。そのほか都市計画、砂防計画、耕地計画、河川開発、鉄道路線計画、ダム計画、地質調査、総合開発、道路調査、海岸調査、鉱山開発、そのほか私どものところでやつております基本修正測量、こういつた方面に出ております。そして第一ページから第二ページにかけて、出ております枚数があげてございます。この写真は大部分縮尺が四万分の一にとつてあるものでございまして、平野あるいは鉄道の幹線というふうなところに、四万分の一のほかに一万分の一があるのでございます。利用されておるものの大部分は、今までは四万分の一の方が多いのでございまして、一万分の一は四万分の一に比較いたしますと、出ておる数はまだ少いのでございます。その第一ページにございます表の、年度区分の欄にあります括弧の中にある数字は件数でございます。たとえば森林調査におきましては、二十三年度は三十一件、出た枚数が七千三百四十五枚といつたぐあいでございます。現在まで出ております総数は十一万九千九百五十二枚ということになつております。これは昨年の十一月まででございまして、その後わずか出ておりますが、それほど多くの数にはなつていないようでございます。
○松本委員長 本法案に対する質疑は次会に譲ることにいたしまして、前の委員会におきまして提案になり、説明済みとなつておりますポツダム宣言の受諾に伴い発する命令に関する件に基く特別調達庁関係諸命令の廃止に関する法律案を議題といたします。前の委員会で質疑をあとまわしにしましたので、これに関する質疑に入りたいと思いますが、議事進行の発言がありますので、これを許します。
○池田(峯)委員 ポツダム宣言の受諾に伴い発する命令に関する件に基く建設省関係命令の措置に関する法律案について、議事進行の発言を許されましたので、若干政府に対する質疑をかねて申し上げたいと思います。問題点を申し上げますから、答弁はあとにしでもけつこうですが、委員長としてどういうふうにお考えになつておられるか、というのはたとえば独立国になると、日本の空もやはり日本のものなのです。従つて外国の飛行機が日本の空に飛んで来て空中写真をとることは独立国として許されないのです。これは一体どういう法律があるのか。そういう法律の裏づけがないのに、外国人が空中写真をとるという前提のもとにその写真を利用するという法律を出して来るのは、明らかにこれは違法です。独立国として外国の飛行機が上空を飛んでよろしい、空中写真をとつてよろしいという法律はまだ何もないじやありませんか。でありますからこれは明らかに引込めるべきだと思います。
○松本委員長 池田君に申し上げます。ただいまの御意見は質疑に関することと思われますから、次会に政府当局に対し御質疑を願います。 先ほど申し上げましたように、前委員会より継続のポツダム宣言の受諾に伴い発する命令に関する件に基く特別調達庁関係諸命令の廃止に関する法律案に対する質疑に入ります。質疑は通告順にこれを許します。上林山榮吉君。
○上林山委員 私は第二條の要求物資ということについて、政府の意見を伺いたいのであります。 第二條を見ますと、「この法律施行の際現に要求物資使用収用令に基き使用されている連合国最高司令官の要求に係る物資(以下「要求物資」という。)は、この法律施行の日後九十日間を限り、引き続き同令の規定により使用することができる」、こう書いてあるのでありますが、その要求物資の種類、これはどういうものを指すのか、まずそれを伺いたいのであります。
○辻村政府委員 お答えいたします前に、ちよつとお手元に差上げました法案に活字の間違いがありますので訂正させていただきたいと思います。ただいま御質問のありました第二條の前に、「要求物資使用収用令の経過規定」とありますのは、少し文字が抜けておりますので、「要求物資使用収用令の」の次に、「廃止に伴う」という言葉を入れていただきたいと思います。 それからただいま御質問のございました要求物資の種類でございますが、現行の要求物資使用収用令第一條に「連合国最高司令官ノ為ス要求二係ル物資(以下要求物資ト称ス)ノ使用及収用二付テハ本令ノ定ムル所二依ル」とございまして、別段種類の限定はございませんので、要求されましたものは何でも対象になるものと考えております。
○上林山委員 この種類の法案については、政府は全部九十日間というふうに統一されて改正しようとしておるのであるかどうか、その点。 それから第二はどんな物資でも要求に応じなければならないということは、少し説明が不十分ではないかと思うのであるが、この点は、要求された物資は何でも九十日間だけは要求に応じなければならぬのであるか、御答弁はありましたけれども、さらに念を入れて私はこの際聞いておきたい。
○辻村政府委員 第一段の御質問に関しましてはお話の通りであります。 それから第二段の御質問は、要求せられる物資は何でも応じなくてはならぬのかどうかということでありますが、要求せられますのは本来占領目的遂行上必要な物資という大きなわくはあると思いますが、そのわくの中で要求せられるものはすべて応ずる義務があると考えております。
○上林山委員 これは、いろいろ政府としても立場があるので十分説明できない点も想像されるのでありますが、ただいま大きなわくとして、占領目的を遂行するための広い意味の物資、こういうふうに御訂正になりましたので、これ以上は私はお尋ねいたしませんが、われわれといたしましては、国際信義の立場から、よい目的を達するためにはできるだけ協力をしなければならぬと思いますけれども、結局独立の日を迎えんとする今日でありますので、こういう問題等についても今までのあり来りの考え方でなしに、一歩解剖してこれを厳粛に考えて行くという態度を政府みずからがおとりにならなければならぬと考えますし、ただいまの占領目的遂行のための物資ということも、国内の需要とよくにらみ合せつつ、しかもできるだけ狭い意味にこれを解釈して行くという方向に、ものによつては持つて行つてもらわないと、国民としては困るのでありますから、この際私は御注意を喚起する意味においてこれだけのことを申し上げて質疑を終りたいと思います。
○田中(角)委員 上林山君から非常に適切な御質問が出ましたので、特別調達庁ではなく国務大臣としての野田国務大臣の御意見がありましたら伺いたい。これはいろいろな問題が出て来るであろうと思うのでありますが、私もこの問題を深く研究しておるわけであります。ただポツダム宣言受諾に伴い云々という法律は、日米安全保障條約及び平和條約締結に基いて、日米行政協定ができるまでの間の過渡的な現象として、今まで通り九十日間駐留する。もちろん駐留した場合はそのままずつと必要なる物資の調達等をなせるような法律を出すわけでありますが、ここに独立をする日本政府としては相当考えておかなければならない問題がある。問題は日米安全保障條約に基いて日本国に駐留する駐留軍の物資調達という問題と同一になるわけでありまして行政協定は現に今進んでおるのでありますが、それに切りかえるまでの処置、いわゆる九十日間というのが、どうしても今までの占領軍が被占領国政府に対して要求したという、一方的になし得る権限に基いて、この法律自体もつくられておると考える。これは新しい立場において日本が同一の防衛目的に対していろいろなことをするのでありますから、その事情は十分了承できるのでありますし、日本国民としてこれに協力することは当然でありますが、いわゆる調達が、今までのように一方的なものであつて、しかもポツダム宣言受諾及び無條件降服文書に基いて必然的に発生した覚書によつて、無條件に日本政府が調達しなければならなかつた当時の状況そのままで法律に直して行くということはどうかと思うのです。閣議においてももちろんこういう経済問題でありますので、研究せられておると思うのでありますが、国務大臣としてどういうお考えを持つておられるかということをまず第一点に伺いたい。 第二点は同様の趣旨でありますが、現在この種のものに、北大西洋條約で、條約国において調達をする場合は、その国の経済事情を十分勘案しておる。統制等を行つておる物資に対しては特別な考慮が払われなければならない。特に戦後の経済の混乱しておる日本といたしましては、この種の厖大なる調達に対しては非常に注意をしていただかないと、一面においては経済界を活発にし、滞貨の一掃が行えると同時に、他面においては無企画なと申しましようか、いわゆる日本の経済にうとい表現が少しまずいかもわかりませんが、日本の経済を熟知せられておらない方々の一方的な発注及び日本の公共事業その他のものとの関係を十分調査をせられないために、調達が同一の時期になるというふうな場合がありまして、本会議等において経済安定本部長官が経済演説で当然鉄鋼その他は横ばいであるという見通しを日本政府がつけておる場合、この種の大きな調達が一挙になされるために、われわれが考えておるような横ばいという現象ではなく、品物が非常に上るというような場合があるのであります。私は当然日米行政協定によつて、きのう、きようあたりから、岡崎国務大臣をして会議を続けさせておられる政府の状態としては、やはり九十日と限つてあるのでありますが、この種の法律案を提出されるにあたつては、その間の事情を十分御調査になつて、政府として当然ある程度の基本線をお持ちになつておられると思いますが、この間の事情に対して国務大臣としての所見を承りたいと思います。
○野田国務大臣 独立後の日本といたしましては、駐留軍の物資調達等の面におきましても、平等対等の原則で行かなければならぬ、こういうふうに考えております。なお駐留軍が国内において調達する物資等の量も相当多額に上るのでありますから、これが日本の国内事情に好ましからざる大きな影響を与えないように、十分に善処して行かなければならぬと思います。御指摘の北大西洋條約加盟国との間のいろいろな協定も十分参考にして、行政協定が結ばれるものと私は了承いたしております。
○田中(角)委員 少し蛇足になるかもわかりませんが、もう一言だけ申し上げてみたいと思うのであります。もちろん、現在日米行政協定が進行中でありますが、ただいま野田国務大臣が御発言になられた線に沿われて進めておられるということを確信しております。しかし過渡的な切りかえ時期におけるこの種の法律案がたくさん出ると思うのでありますが、特別調達庁当局としてはこの法案を御提出になるとき特別調達庁だけのお考えでお出しになりましたか。しかもこの種の行政協定等に御出席になつておられる岡崎国務大臣等の意見も十分しんしやくせられたのであるか、お聞かせ願えたら伺いたいと思います。もし事務当局で御説明できなかつたら、あとでもけつこうです。私はこの問題に対してはまた別な機会に、別な委員会を通じて政府の所信をただしたい、こういうふうに考えております。この問題は非常に重要な問題でありまして、今の日本の経済界、産業界、金融界というものは一にこの問題が大きく考えられておるのであります。昨日の新聞等で見ましても、経団連がこの種の問題をうまく解決してもらいたいということで、政府に対して要望書を提出しておるような状態でありまして、今の日本の経済の振興というものは一にかかつてこの問題にあるわけであります。これは日本の経済問題としては最も大きな問題である、こういうふうに考えておりますので、この法律案が通過するまでの間に、その間の事情を御説明できるように、御準備願いたいと考えております。
○池田(峯)委員 最初にお伺いしたいのは、ポツダム政令によりまして調達した物資に関するいろいろないわゆるスキヤンダルがあつたのでありますが、その中で最も有名なのが二重煙突事件であります。この二重煙突事件の過払い二千二百三十七万円のうち、若干納入されまして、今度昭和二十八年十二月までにこの過払いが納入されるという示談が成立しておつたはずでありますが、これが現在どういうふうになつておるか、この点お伺いいたします。
○長岡政府委員 二重煙突事件につきましては、ただいま御指摘のありました通り、和解調書をつくりまして、でき得る限りの徴収を行つております。遺憾ながらまだ全額徴収というところに参つておりません。その詳細の金額につきましては、今日二重煙突事件をお尋ねいただこうとは思いませんでしたので、わかつておりますが、今日私の手元に持つておりませんので、いずれ後ほど申し上げることにいたしたいと思います。
○池田(峯)委員 そういたしますと、昭和二十八年十二月までに全額を返納するという見通しは困難だ、こういうふうに言われますか。
○長岡政府委員 ただいまのところでは、債務者の財産状態から見ますと、相当困難ではないかと存じております。
○池田(峯)委員 そうすると、二重煙突事件のような事件によつて日本政府は非常な損失を出している、あるいはまた、ずつと前でしたか、特別調達庁が「特別調達庁の業務に関する疑惑について」という小冊子を出しておりますが、これに載つておるセメント防水剤の問題であるとか、オイル・ヒーターであるとか、あるいはセクシヨナル・ボイラーであるとか、こういつたような、物質のむだ使いをして、非常な損失をした。こういつた金額は一体どれくらいになるか。つまりアメリカが調達命令を発つしたけれども、使用しないで破却してしまつた物資の量であるとか、あるいは業者が不正を働いて、政府からごまかして金をとつた額であるとか、ごういつたものはおよそどのくらいになるか見当がつきませんか。相当莫大な額になると思うのですが、お聞かせ願いたいと思います。
○長岡政府委員 はなはだ遺憾でございますが、今日は資料を持ち合せておりませんので、よろしくお願いいたしたいと思います。
○池田(峯)委員 この法律の第二條第二項並びに第三條の三項に、「この法律施行前に要求物資使用収用令に基き使用され、又は収用された要求物資及び前項の要求物資に係る損出補償については、この法律施行後も、なお従前の例による。」土地工作物の場合も、損失補償については「従前の例による。」こういうふうに規定されておりますが、これは私ははなはだ納得行かないと思うのであります。というのは調達庁かち提出されております「接収不動産の現況調べ」という資料によりましても、相当莫大な民有財産が接収されておるのであります。しかもこの補償額は、きわめて僅少なものです。坪当り二十銭か三十銭かの補償しか行つておらないのであります。けれども、占領下であるからというので、みんな泣き寝入りしていたのでありますが、これらは講和條約が成立すればもつと何とかしてもらえるのではないかということで今まで泣き寝入りしてい九者も、これをなお従前の例によるということで片づけられてしまつたのでは、犠牲者としては泣いても泣き切れないものがあると思うのでありますが、この点に対する見解を承りたい。
○辻村政府委員 先ほどから二重煙突の過払いの問題について御質問がございまして、またただいま補償の問題について御盾聞があつたのでございますが、御質問の前提に実は少し誤解があるのじやつないか(「前の質問とは関係ないよ」と呼ぶ者あり)ということを心配いたすものであります。と申しますのは、この要求物資使用収用令なり土地工作物使用令は、実際問題といたしましては、一回も発動したことがないのでございまして、物資にいたしましても、土地にいたしましても、従来相手方との話合いによりまして、普通の契約の基礎で契約をいたしておるのでございます。従いまして今御指摘になりまなりましたように経過規定でありますので、補償の問題につきましても、今申し上げましたような契約に基いて調達をした場合の補償ではございませんで、そういう契約上の調達でなくて、政府の一方的措置によつて強権を発動して、物なり土地を収用した、あるいは使用した場合の損失補償についての規定でございます。従いましてたとえば要求物資の使用につきましては、第十八條に損失補償の規定がございますので、九十日間の経過期間を経ましても、万一強権の発動によつて、物の収用をするような場合には、この十八條の規定によつて、措置をするという趣旨日でございます。
○池田(峯)委員 そういたしますと、この特別調達序管理部から提出しております「連合国軍による接収不動産の現況調」というのは、この法律とは何の関係もない資料ですか。
○長岡政府委員 ただいま官房長官からも申し上げました通りに、この法律が裏づけになりまして、土地の接収なり家屋の接収を行つておりまするが、今日までこの収用令そのものを適用いたしまして接収いたしたものはございません。ただいま御指摘になりました資料に載つておりますものは、政府と所有者との随契の形をとつておるのでございます。従いましてこの法律によつて接収した土地工作物ではございません。
○池田(峯)委員 その土地工作物使用令を裏づけと」して、言うことを聞かなければ工作物使用令を発動するぞ、こういう一つの恐喝的な意味で工作物使用令を用いながら、そうして相手方を説得して、強制的に納得させて、実際は契約という形で収用した、そういう場合の損失補償というものは、土地工作物使用令に基いて接収した場合の損失補償とどういうふうに違うのでありますか。
○長岡政府委員 ただいまも申し上げました通りに、この法律によりまして、接収いたしたものではございませんので、現在行つております補償のものと比較対照すること、ができないのでございますが、御承知の通りに、ただい補償は現在われわれに許されましたわく内において、でき得る限りの補償をいたすことに努めでとおる次第でございます。
○池田(峯)委員 そういたしますと、この「連合国軍による接収不動産の現況調」という資料に載せられている物件の損失補償の問題は、ただいま提案されているこの法律案には全然縛られない、こういうふうに解釈していいのでありますか。
○長岡政府委員 御指摘の通りでございます。
○田中(角)委員 もう一つだけこれは私の意見にこだわるかもわかりませんが、申し上げておきます。この法律は、結局昭和二十年の九月二日か三日でありますか、無條件降伏文書調印によつて発効した総司令官の覚書によつて調達を受けておるものを、そのまま九十日延長するという過渡的な処置に対しては十分納得できるのでありますが、これはでき得るならば、日米安全保障條約による調達規定に切りかえてしまう、こういうふうにこの法律案に明記できないかという問題をひとつお伺いいたします。 それからやはりこの問題に対しては独立後の日本の経済界というものは、この種の処置いかんというものに非常に刮目しているわけであります。これが今までのように法律案や、文章の上ではなかなか合法的にうまくおやりになるつもりのようでありますが、いわゆる言語が違うとか、伝統が違うとか、日本人と米国人のいろいろ観念の相違等から、いろいろ問題が惹起しているわけです。もちろんただいまは御承知の通り、すでに去る五日から日米行政協定のこの種の項目の協定に入つているようであります。そういう場合に、四月から九十日となるようでありますが、私の懸念するのは、期間的には非常に短かい期間であり、特に実際問題としてこの種の特別措置が必要であるということも十分納得するのでありますが、現実的な面から考えますとどうしても年度末には相当の発注が行われる。これは昨年度についても一つの例をあげることができるのでありますが、昨年は三月の二十五日から三月の三十一日までの間に厖大な発注が行われている、こういう事実があります。そのために昨年三月二十五日から三十一日までに行われた調達及び工事等につきましては、整理に特別調達庁も非常にごめんどうであつたと思いますし、なお業者の間もいろいろなトラブルがあつたわけであります。今年もちようど平和條約発効が年度末になるわけでありまして、当然昨年のように一部において混乱も起きるのではないか。しかもその上四月から九十日という、この種の状態が続けられるという場合、この法律案を御提出になりましたときに、この法律案の施行に対しては相当な決意と、日米両国間において毫末もマイナスを起さないように、お互いの間の十分なる折衝と了解をしておかないと、思わざるマイナスが起きる可能性が十分あると感ずるのであります。その意味において前に申し上げた通り、現に北大西洋條約等においても批准が完了しないとはいいながら、すでに世界中に明示せられているこの種のものもありますし、もちろんそれ以下の状態において日本とアメリカの間に協定が成立するとも思つておりませんが、こういう場合になるべく国民が安心をするように、特に経済界が動揺をしないような状態にすることを心がけていただきたい。その場合先ほども申し上げた通り、できるだけ早く正規なものに切りかえる、こういうようにお考えになられてはどうかと思うのでありますが、この間の事情に対して御説明がありましたら、お伺いいたしたい。特に日米行政協定が成立し、しかも日米安全保障條約が発効した場合のこの法律はどういうふうな状態において切りかえられるのかという問題に対してお伺いいたしたい。
○長岡政府委員 行政協定が成立いたしましたあとで、この土地、工作物なり物資をどういう形式によつて買上げなり提供ができるかということは、私が申し上げるまでもございません。行政協定の結果を見ないと実はこの方策の立てように困つている次第であります。ただわれわれが憂慮いたしておりますのは、ただいま御指摘のありました通り、ちようど契約は三月で切れます。行政協定ははたしていつから効力を発生するかわかりません。その間の時間のずれの問題が起りはせぬかと非常に憂慮している問題でございますが、実はこの法律の改正案を出しましたのは、九十日間は当然占領軍としての権力を持つておりますので、これに基いて要求されるものがあるであろうという予想はできるのであります。しかし先ほども申し上げました通り、今日までこの法律は両方とも適用いたしたことはございません。今後わずか三箇月か四箇月かの間におそらくこの法律を適用せずして進駐軍の目的は達せられるように措置ができると思つておりますし、その努力をいたすつもりでおります。ただ法律をここで改正いたすといたしますと條文の整理の関係から申しましても、かような規定を設けておきませんといけませんので、一応の体裁を整える必要がありますので、かような提案をいたした次第であります。
○篠田委員 進駐軍に現在提供している土地、建物が今度元の所有者というか、あるいは権利を持つている者というか、それに返される場合に、所有者に返すのであるか、あるいは権利者に返すのであるか。たとえば銀座なら銀座に百坪なり五百坪なりの土地を進駐軍のモーター・プールに貸している、ところが進駐軍がとるまではその地上権というものがたとえば甲にあつた。ところが所有権は乙にあつたという場合に、進駐軍がモーター・プールがいらなくなつて返すという場合に甲に返すのか乙に返すのか、建物も同様でありますが、それに対する方針をひとつ御説明願いたいと思います。
○長岡政府委員 接収いたしますときにただいまお話のありました土地建物につきまして権利を持つている人がありまして、これが対抗要件を備えておりますことが明らかなものでございますれば、接収いたしますときにその権利者と契約する建前に相なつております。全然そういうことがわからない場合には所有者と契約いたしているのが現状であります。従つて解除になりますときに返還いたします相手方は契約の相手方に返還する建前にいたしております。
○篠田委員 わかりました。 —————————————
○松本委員長 次に建設行政一般に関する件について調査を進めます。発言の通告があります。これを許します。高田弥市君。
○高田(弥)委員 私はさきの当委員会におきまして河川総合開発予算につきまして建設大臣に対し若干の質問をいたしたのでありますが、さらにここにおきまして河川総合開発をめぐる二、三の問題を特に重要と考えまして質問いたす次第であります。 戦後河川を洪水防禦その他総合的に利用する目的といたしまして多目的ダムが計画され、これが水の能率的な使用方法であり、しかも自然の一体性をはかる上に必要であることが常識とまでなつて来ておりまして、着々成果を見つつありますことはきわめて喜ばしい現象と考えられます。しかしながらこのような多目的ダムは貯水量も大きく、その結果水底に没する家屋田畑がはなはだ多くなつて参り、その対策が重要なる問題となつて来ているのであります。現在建設省におきましても直轄ダムを施工中であり、この水没地対策につきましては真剣に考えられているものと存じます。 そこで大臣にお伺いいたしたい第一点は、この根本対策であります。すなわち従来のように単に犠牲者に幾らかの補償金を与えて強制するという方針はやめまして、総合開発の一環として先般の土地収用法改正にあたつて見られたように、代替地の造成その他による犠牲者の新しい生活に対し積極的な補償を考慮すべきものと考えるのでありますが、この点どのように考えているか。 さらに第二点として、かりにこのような対策をとられるとすれば建設省のみでは不可能と思うのでありまして、何としても府県の協力が必要となつて来るのでありますがどのようにやつておられるか、さらに河川法の改正にあたり、補償対策につきどのように考えているか、お伺いいたしたいのであります。
○野田国務大臣 高田委員のお話のように、多目的ダムの建設が現在国家全体を通じまして総合開発計画の根幹をなしておるのであります。しかしながら多目的ダムを建設いたしますに付随いたしまして、必ず相当の広い水没地帯ができるのでありまして、こういう水没地帯には田畑があり、また森林があり、また家屋があるのであります。こういう方々に対しましてはでき得る限りの措置を講じまして善処をいたしたいと考えておるのであります。ただいまお話にありましたように、ただ金だけ与えればいいんだというように単純には考えられないと思います。金で片づく場合もありましようし、あるいは金で片づかない場合もあると思うのであります。でありますから建設省といたしましてもその当該県当局等と緊密に連絡をし、またそのダム建設によりまして利益をこうむる地方もあるのでありますから、そういう地方の方々とも緊密に連絡をいたしまして、農地の水没するというような場合におきましては、代替地を何とかして探して農業が継続できるようにするとか、その他いろいろな方策兼ねまして施策の万全を期したいと考えておる次第であります。
○高田(弥)委員 次に現在猿ケ石の田瀬ダムの補償の問題についてであります。田瀬ダムは二十八年度完成の予定で着々コンクリートが打たれております。しかしながら補償の問題につきましてはいまだ明確な方針が明示されておりませんので、上流の住民ははなはだ不安を感じておるようでありまして、これは早急に的確なる方針を明示されて地元民の協力を得ることが必要であります。大体どのような方針で、いつごろ決定されるおつもりであるかをお伺いし、早急なる実施を要望いたすものであります。
○野田国務大臣 猿ヶ石川の田瀬ダムにつきましては、私も先般現地に参りまして現場を視察し、また水没地帯の方々に直接お目にかかりましてその声も聞いて参つたわけであります。帰りましてからさつそく事務当局に言いつけまして、これが対策をすみやかに講ずるようにいたしたのであります。私まだ詳細ここに発表する段階に至つておりませんが、ごく最近に、ほぼ成案を得ましたので、近くこれを決定発表いたしたい、こういうように考えております。
○田中(角)委員 建設大臣がおいでになりますので、一点だけ希望を申し上げておきます。三十七年度の予算もわれわれ委員会が考えましたほど多分に計上することができなかつたのでありますが、少くとも非常に限られた年度予算内で、しかも一般内政費が多分に削減されておるにもかかわらず、公共事業費だけが二〇%ないし三〇%の増額を見たことは予算編成の権威であられる野田さんを建設大臣に迎えたことが非常に大きな原因をなすものと思つて、当委員会としても欣快に存じておるわけであります。しかし実際問題から考えまし前回の委員会でも申し上げました通り、物価は横ばいとはいいながら、二十六年度、二十七年度の物価の値上りを見ますと、大体一〇%ないし二〇%の値上りを示しておるのでありまして、いわゆる工事量を少しでもふやして行くという問題に対しては問題が将来に残されているわけであります。一般的に内政費が削減されたにもかかわらず、公共事業費の面において幾分なりとも増額を見たことは、公共事業というものがいかに日本の再建のために重要な地位を占めているかということが認められたものと思います。われわれも二十七年度の公共事業費の執行に当つては十分研究をし、新しい考えと新しい方式でこの大業をなし遂げて行かなければならぬと考えているわけであります。現在までの公共事業費の予算執行にあたつてはいろいろな問題がありましたが、しかし顧みると、いろいろわれわれの希望もいれられて、公共事業費は適正に執行せられ、また国民の要望にも応じ得られる態勢になつたのでありますが、二十七年度の予算執行に対しての大方針を決定する前提として、特に建設省関係の公共事業費の年度予算執行の状態に対して一度御報告願いたい。予算はれが党内閣になつてから三月三十一日までには曲りなりにも通過しておるのでありますが、実際の予算執行にあたつては、二十六年度の第四・四半期の分が現在なお執行せられない部面が全国にわたつて三分の一ないし二分の一の地域に達しているわけであります。私たち建設委員会としても、予算獲得等に少からず努力したのでありますが、予算執行にあたつては、まつたくこれは建設大臣の責任であり権限である。われわれは今までの状態に対していろいろ御希望も申し上げておりましたが、特に北海道、東北、北陸という降雪地で、昭和三十六年度の第四・四半期の予算が執行されていないようなところは、ほとんど二十七年度に繰越されるわけであります。もちろん繰越しの認められない当時は、三月三十一日に予算執行が終つていないにもかかわらず、執行が終つたがごとき体裁を整えなければならなかつたということもあつたわけでありましこれは建設省ばかりでなしに、大蔵省の予算執行関係の監査とか、経済安定本部の監査とか了解、しかもそれに対して四半期別の認証制度があるためなどでいろいろ隘路はあつたのでありますが、少くとも二十七年度は、そういうものだけは根本的に除去していただきたいと考えるわけであります。われわれ事態そう考えますが、特に建設大臣は御自分で非常に努力をせられて予算を獲得されたのでありますから、御自身の責任でこの大業をなし遂げるためには、少くとも年度内の予算は、その年度内で行う、しかも防災等の問題、いわゆる災害復旧等の問題は、物価が下降線をたどる場合は、予算執行が遅れても工事量は減らないのでありますが、物価が上昇線をたどつて行くときには、四月に工事を行つた場合、相当な工事量のできたものが、八月になり、九月になり、ことに降雪期間にこれを行うために、実際の工事は二分の一しかやることができない。しかも二分の一で図面通りの工事を行おうというために、何らかの金を支出しなければならない。そこで大臣も先般委員会で言われたように、もう一度再査定を必要とするような災害の申告も出て来るわけであります。このような問題は当然今のうちに除去しなければならないと私は考えるのであります。しかも二十七年度の予算執行が終つて、決算報告が出る場合には、非常に重要度を認めて増額をしただけに、公共事業費に対しては相当鋭い監察の目が向けられると思うのであります。その意味におい予算はすでに本院を通過する時期を迎えまし建設省関係に対しても各事務局はまつたく徹宵して予算配付に当つておられるようでありますが、今度は四半期別の認証もないというのでありますから、これが配付に対しまして適正を期せられたい。しかもこれが予算執行にあたつては特に留意を願いたい。そうして全日本の半分を占め、一年のうち三箇月ないし四箇月は降雪と農繁期のために全然工事が行えないという特殊な地域に対しては、これが予算の執行に当つて、最も高能率的なる時期に適正に執行せられるようにお考え願いたい。三音だけ私の希望を申し上げておきます。
○野田国務大臣 ただいま田中委員のおつしやいましたことは、私は全部同感であります。ただ一点だけ同感でないのは、予算がふえましたのは、私が非常に骨を折つたからだという過分に私の手柄のように言われましたが、実は建設委員会の皆様方の御努力のたまものでありまして、私は微力でありまして、まつたく皆さん方のお力によつてこれだけを得られた、こういうことを申し上げておくのであります。認証制度を廃止いたしましたのも、御趣旨に沿つて、できるだけ金を有効に使いたいという趣旨から出たのでありましこれがとれましたので、今後は建設省と大蔵省との直談判に相なりますので、私は特に寒い地方には早いうちに金を出ししかも日の長いうちに金を使う、物価もその方が安いのでありますから、ぜひそういうふうにやつて行きたいと思います。 なお最近の例といたしまし府県で多目的なダムで発電所なんかをつくつている場合があるのですが、そういう場合には二十六年度の金はもうなくなつてしまつた、今金がないから遊ばなければならないという場合ができるわけであります。それにつきでましては二十七年度の地方債のわくがきまりましたら、それを見返りにして、二十六年度中につなぎ資金を出して工事を進捗する、こういうような方法もとりまして、できるだけ早く、しかも安く工事をやるというふうに努力して行きたい、かように考えております。
○田中(角)委員 大臣にはむし返しになるかもわかりませんが、大臣のこの前の御答弁は少し飛躍的な感じがいたしますので、その間の事情をよく知つておられる人事院の職階部長に、私の意思見を申し上げて所信をただしたい、というよりも、私の意見通りにやつていただきたいということを率直に申し上げておきます。それは地方公務員法施行に関する職階制の問題でありますが、私たちの考えでは、前段に建設大臣に申し上げました通り、公共事業費に非常にウエートを置かれ公共事業等に対しても一般の人たちが重大問題としてこれを見守つておる。これを有効適切に使うためには、俗にいう技術官の運用ということを十分考えなければならないという問題が考えられるわけであります。私たちは日本において今最も必要なことは技術陣をいかにうまく配置し、これを有効に使うかということと、日本の遅れたいわゆる長い間の人力による工法をいかに高度の機械化されたものに転換するかという問題で、これによらなければ日本の公共事業の完成はできないと考えておるれけであります。もちろん技術家といわれる人たちにもいろいろな欠点ありますし、特に私はいつもこの委員会で技術屋にきらわれるようなことを言うのでありますが、技術屋は一にも二にも偏狭である、閥を組む、これはどこにもその例があるのでありまし私たちはこういう技術屋というものに対しては、技術人自身が改めなければならないと考えております。そういう面があると同時に、しかもまた技術屋は手に職を持つているために食いつぱずれがない。率直に言うとそういうことがありますので、いろいろな問題はあつたのでありますが、日本の行政機構の中では、技術屋は閥を組み、手に職はあるのだし、しかも偏狭だから、端的に言つてまあ出世を遅らせればいいのであるというくらいなことで、大体各官庁においても技術屋と事務屋は一まわり違つております。だから昭和十年卒の事務屋さんが局長さんでそろそろ出て来たにもかかれらず、昭和元年卒の技術屋はまだ各省で課長をしている。この非常にいい例は、技術屋が課長のときに入つて来た属官が十年間地方まわりをして来ると、十年目には自分の局長になつて来る、こういう事態があつたのであります。私はこれがいいとか悪いとか言うのではありませんが、現在の日本は敗戦後の荒廃せる国土をいかにして復興するかということと、この狭い国土をいかに効率的に利用するかという問題がある。五千万人しか住めない所に八千三百万人の人間が住んでおつ門戸開放されるまでに九千万、一億になるかもしれませんが、いやでもおうでもこの小さな日本に住まなければならないという状態でありますので、少くとも技術屋の悪い面は矯正してもらつて、もう少しこれを高度に利用しなければならないということを考えております。もう一つは、率直に言つて今次敗戦の原因は技術と科学と数字の裏づけのない政治的な観念論によるところが非常に多い。こういうことを考えました結果、私は技術屋万能というのではなく、少くとも現在の技術陣の高度の利用という面を考えますときに、私たちの感覚には全然逆行するような、今でさえも技術屋をもつとふやさなければならないような面に対しつても、一般の方々にも登用の道を開くということを職階制で考えておられるようであります。私も技術屋でありますが、今は私は技術屋というよりもまつたくの事務屋であります。事務屋であつても、今の河川局の伊藤次長のようにまつたくの技術屋もあります。ありますが、やはり原則としては技術屋は工学出身者で、医者と事務やとは同一にできないというふうに考えられるわけであります。そういうことを考え、先年も建設省の組織改善に対していろいろ一般職と土木職との問題がありましたときに、私は長年というのではないが、少くとも今日本が必要としている再建の期間だけでも、私の考えでは十年か十四、五年は、長い伝統を持つて来ただけに、建設省の技術部門の長はまだどうしても土木系でなければいかぬだろう、こういうことを率直に申し上げたのです。人事院の方々もその道においでになるのですから、当時の事情もおわかりだろうと思います。河川局長や道路局長、住宅局長はやはり建築屋か土木屋でなければうまくなかろう、こういうことを申した。建設省は従来通りそうなつているのですが、これと密接不可分の関係にある各地方公共団体の土木部長、建築部長に対して一般職の道を開くという。新潟県には今相原という監理課長がいるのですが、これは実際土木部長をやつても十分やれます。君のような人が土木部長になつたらいいねということを私は端的に言つているくらいで、これはりつぱな人ですが、一般的な通念からいうと、やはりもちはもち屋ということをいわれる。私はその意味で地方公共団体の土木部長及び建築部長は、本省にならつて今まで通り土木職及び建築職という工学者をもつて充てることがいいのじやないか、こうも考えております。この間は地方自治庁関係から、地方公務員法施行に伴つて各地方公共団体に対してガリ版刷りを出すという話がありました。その話を聞いてみると、あなたがお考えになつているようなことではないのです、土木屋は土木職でありますし、建築屋は建築職であるし、医者は医者職だ、法律を学んだ人は法律職です、一般職と言つたのは次官とか何かの雑職、こういうものを一般職とやつたのですということを言つていたのですが、こんなことはどうも少しおかしいと思う。そういうこまかいことをわける必要はない。私の言うのは観念的かもしれませんが、土木部長は土木職、建築部長は建築職がよろしい。但し土木部の下に建築課があるときには、建築の工学名でも土木に造詣のある者は、お互いに習つたのだから、建築屋でも土木部長はやれるのじやないかというくらいのことが山であつて、いわゆる一般職というのは非常に混淆を来すような今までの通念上の一般職ではなく雑職を一般職に規定したのです。こういうと、これは立案者としては実にうまいことを考えておられますが、これは実際に勧告せられる地方庁から見ると、今までの監理課長も土木部長になれる、経済部長と土木部長ととりかえてもかまわない、土木部長が経済部長にさえなれるのだから、経済部長が土木部長になれないとは言えないだろう、こう言うのですが、少い金の中で高度の技術を要求し、高度の機械化を要求する現在の日本においては、私は政治力はいらないと思う。政治力のある人が予算をとれるのではありません。建設大臣でさえ二〇%しかとれなかつた。政治的な力を必要とするのは日本においては外交問題だけです。日本の内政においては高度の技術を要求することによつて今までのように権限の紛淆を来したり、観念的な混乱を巻き起さないような処置をとつた方がいい、こうも私は考えている。きようは特に職階制の責任者であられるあなたがおいでになりますので、人事院の今までの原案及び将来の見通し、これに対する定義というものをお聞かせ願つで、でき得れば建設大臣から今まで通りがいいと思うという答弁が願えれば幸甚だと考えております。
○松本委員長 この問題に関しましては特に人事院側の見解を尋ねたいと思つて、本日出席を願つております。人事院給与局職階部長尾之内説明員の説明を願います。
○尾之内説明員 ただいま御指摘になりました点につきましては、かねて地方の各人事委員会から私どもに技術的な御相談がございましたので、その問題点は承知しておるのであります。最初にお断り申し上げておきたいことは、この問題は地方公務員法に関する問題でありまし人事院の所管ではありませんので、ここで申し上げることはあくまで国家公務員の場合における考え方を申し上げるわけでありますので、この点御了承をいただきたいと思います。 御指摘の点につきましては、大体私どもが考えておることと考え方においてかわりないと思います。御承知のように、職階制と申しますのは、従来の身分制度にかわる職能制度を職階制と申しておるのでありますが、現在までの公務員の制度は、たとえば技官だとか事務官だとかというような大ざつぱな、むしろその出身に基く身分的な分類がされておりました。これがやはり能率的に仕事をやつて行くためには広く一般の民間でも使われております。いわゆる経営管理、経営の合理化という職能分析、そういうものから出発せざるを得ないわけであります。そういうことになりますと、勢い現在やつておる仕事が何であるか、どういう仕事をするべきであるかという仕事自身が問題になつて参ります。むしろ人よりも何を実体として遂行すべきであるかという、仕事を中心にして見る制度が職能制度、いわゆる職階制度でございます。そういう意味において、いわゆる職階制度の組み立て方は、現在どういう仕事が行われておるか、そのためにはどういう人でなければその仕事は遂行できないかということにすべてかかつて来るわけであります。それでもしその仕事が非常に技術性が強いものであるならば、当然それを遂行できるような的確な人を選び得るような分類をして行くのが好ましいのであります。従いまして、たとえば建築なら建築という仕事を所管しておられるところの仕事は、これは明らかに建築という専門でありましその仕事を遂行するのに要求される資格というものは、おそらく建築の知識を持つた方——それは必ずしもただいま御意見がありましたように建築屋で、あるとは限らないと思います。少くとも建築の履歴を持つた方、建築の仕事を統轄してやつて行ける方、こういうことになろうと思います。そういう意味において、それぞれその仕事を色わけして、これは土木である、これは建築である、これは経済であるというふうにわけて行くのが職階制の考え方であります。しかしそういうふうに参りましても、中にはなかなかそう単純に色わけができない場合がありましものによつては建築と経済とを統轄するような仕事、あるいは建築と土木を統轄するような仕事、あるいはそれ以上のたくさんの仕事を統轄するような仕事がありまして、そういうものは特別な専門という色わけが一般社会にもできておりませんので、やむを得ず一般行政職ということで表現するわけであります。いわば非常に混合的なもの、あるいは雑的なものとして、国の場合においては一般行政職というものが構成されております。それに従いまし本来ならばやはりそういうものは何か特定の専門行政職というふうに見た方が適切なのでありますが、これはやはりいろいろ便宜の点を考えましあまり特殊なものをたくさんつくるよりも、今御指摘がありましたように、ある程度融通がつくということも考えましその辺にとどめておるわけであります。 こういう方法で行きます場合、各自治体の組織の上においてはどういうようなものが適切であるかということは、これは府県の土木部なり建築部なりの仕事を調べた上でないとはつきりしたことは申し上げられませんが、これは最初にお断りいたしましたように私どもの所管でありませんので、こうあるべきだという結論を申し上げるわけに参りません。いずれにいたしましても、そういう考え方に立脚いたしまして分類をいたして参り、その結果的確な人がなるべくそこにつくように、広くうまい運営がされればよろしいかと思うわけであります。人事院といたしましてはそういう見解に立つておりますので、現在国の場合についても、大体今田中委員からお話がありましたような考え方に従つて、各種職階制を構成いたしております。今後もやはりこういう方針で行くべきであると考えております。大体以上が私どもの考え方であります。
○田中(角)委員 建設大臣の御意見をぴしやりとやられると困りますので、その前に補足的にやつておきます。それはわかります。あなたの言う通り、人事院はわかりますが、なかなかあなたの言うようでなく、人事院がお持ちになつておる権能は——この前建設省の中でもつてごたごたしたとき、あなた方が非常にいい御感覚を持つておられたので、建設省も大体人事院にお伺いを立てた通りになつたようであります。私は建設省の中というよりも、これは大きく日本の再建、国土の高度開発、公共事業の完全遂行という面から適切なる処置であつたと思う。だからあなた方がお考えになつておるように国家公務員がそうであるのだから、あえて地方公務員もこれは地方公共団体が全然中央官庁と関係がなく、御自分だけでおやりになれるのであれば、地方自体が地方でもつて適宜にやればいい。ところが地方公務員法施行に伴う処置とし現実的にガリ版刷りを出してそういう新しい観念を、定義をやたらにつけて地方公共団体にやりますと、大体右へならえになる。これは日本の状態としては現実問題からいつて、法律をつくる人たちは——私たちの方はこれはうまいのですが、これを運用する面になると非常にむずかしい。だからわれわれ相当いい税法をつくつたと思うのですが、徴税官吏が私たちと全然違うような方向に持つて行く場合も多々あります。まつたく法の運用は末端官吏によるのでありまして、実態はまさにこれを取扱う人の判断によつて結果が生れるわけです。今でもあなたの言われるような根本に基いてつくられる通牒に対しても、大体地方では今までの一般行政職が土木部長でも何でもやれるのだ、土木部長や建築部長は技術一学者でなくてもいいのだ、監理課長から土木部長に上れるのだ、こういうふうに実際解釈しておるのです。だからこういうような紛糾のおそれあるものをいまさら出さなくたつていいじやないか。私は地方公務員法が悪かつたならばとにかくそういう條項を訂正すべきものであつて、現行法規の解釈上こうであるから、少し混乱は起るかもしれないが、そのように通牒を出すがわれわれの任務であるというような地方自治庁はいらないと思う。そういうじやまをする人であつたならば、まさに自由党の行政整理にはまず第一番にこれをやらなければいけない、こう考える。これは私が言うとどうも少し共産党式になるかもわかりませんが、どうもある一部から地方自治庁と地方公共団体との人事の交流に対してもこういうものをつつくつておいたらいいのではないかというような、まことしやかな臆測まで生れるようなものは、なるべくおやりにならない方が明朗政治の本義だと思う。だから私はそういう意味で、まあ人事院は関係ないと言われながら、これはほんとうに公務員の職階制を考えておられるのですから、こういう論議のあるものに対して、あなたも地方自治庁の方々と御相談になつていただいて、こういう意見が建設委員会にも相当あるし、建設大臣も大体そういう御意見のようだが、何とかそういう混乱を来すようなものはお出しにならない方がいいのではないか、こういうふうにお話をしていただければけつこうです。私の方はこの委員会に地方自治庁の方々に御出席を願つて論議をする場合、これはいろいろな問題で紛糾すると思います。思いますが、今まのわれわれの通念上の一般行政職というものと、今度通牒を出すところの一般職というものとは全然別なもので、ある、こういう考え方は、これはまたさもしいと私は考える。人を瞞着するもはなはだしい。私はそういう意味で、そういう紛淆を来すようなことはなるべくおやりにならないで、今の過渡的な、しかも高度の技術が要求せられておる日本の地方公共団体の現状に即応するようなお考えをひとつ進めていただきたい、こう考えるわけであります。あなた方と地方自治庁との間においてうまく話がおまとまりになるようであればまつたく幸甚である。こういう問題でもつてお互いの考えが一つの基盤にない場合はなかなか一致をしないものです。もちろん新しい定義をつくつて解釈すればどうにもなるのでありますが、私たちは今までのような状態をいつまでも続つけようというのではなく、少くとも今の地方公共団体の高度の土木工学、建築工学を必要とするところの部門の長は、今まで通り本省並に、国家公務員並に工学者を充てることがよろしい、そういう結論を持つておるわけでありますから、せつかくひとつ御努力をお願いいたします。
○池田(峯)委員 この前大臣に対して、行政協定が結ばれたら建設行政に対してどういう影響を及ぼすかということについて承つたのでありますが、満足な答弁が得られなかつたのであります。最近私千葉の方からこういう話を聞いております。つまり地理調査所を千葉から移転する、なぜ移転するかというと、あの近辺が現に米軍の基地になつておる。実弾射撃など行れれておるが、これが大々的な演習地、あるいは兵隊の学校になる。何でも千葉県という所は満州に非常に地形が似ておつるというので、昔からここには習志野の練兵場があつたのでありますが、ここにやはり米軍あるいは警察予備隊の訓練所ができる、そのために地理調査所が移転させられる運命にあるのだ。こういう話を聞いたのですが、地理調査所を移転する計画がおありかどうか、これをまず第一に伺いたいと思います。
○野田国務大臣 地理調査所は私も大分前に、建設大臣就任早々に現場を見たのですが、非常に建物が荒れておりまして、執務上支障があるというわけで、地理調査所当局は前々からもつと便利な所に、しかも建物の完備した所に移りたいという希望を表明しておりまたので、われわれの方でもできればもつと便利のいい、建物も完備した所に移つて、能率よく仕事をさせなければならないと考えておりましたが、いろいろな財政上の都合で、今日まで実現を見ていない、こういう実情であります。
○池田(峯)委員 そうすると、昔の兵舎に仮住いしておる地理調査所を、軍事基地になるから移転するというわけではなくて、建物があの兵舎では狭いから移転するのだ、こういうお話と承ります。それはそれにしても、地理調査所を移転するということは、これはもうおきまりのようであると理解してさしつかえないと思いますが、それに対してもう一ぺんお尋ねします。 それからもう一つは役務賠償でありますが、これが建設行政にどういう影響を及ぼすかということを時間の許す限り承りたいと思います。フイリピンが日本の労務者を使つていろいろの工事を進めたいとか、あるいは東南アジアの開発に日本の労務者、技術者を使いたいとか、こういうことが新聞にちよいちよい載つておりますが、賠償に伴つて、日本の労務者あるいは技術者を海外に派遣するというようなことがあり得るかどうか。そういう場合の派遣方法、待遇、こういつたようなものを政府はどういうふうに予想しておるか。そういうことが日本の国内の建設事業にどういう影響を及ぼすか、こういうことについて承りたいと思います。
○野田国務大臣 地理調査所を移転することにきまつたということには、まだなつておらないのであります。先ほど申しましたように、前々からいい建物があり、適当な場所があれば、ああいう所で仕事をさしておくのは所員に対しても気の毒だと考えておりますので、移したいと思いますが、これは予算の関係がありますので、まだきまつておらない、こういう実情であります。 役務賠償のお話でありますが、一つの形体として、日本の技術者なり労務者が、たとえばフイリピンに行つて仕事をするという場合に、どういうふうになるかというお話であります。日本の技術者等が向うに行つていろいろな仕事のお手伝いをすることはあり得ると思います。その際に、その人たちの派遣、並びに向うで駐在をいたしましていろいろ仕事をする上に必要な経費を、全部日本側で持つか、相当部分を向うに持たせるか、あるいは全部向うで持つてもらうかは、今後の交渉にまたれると思います。
○池田(峯)委員 実は地盤沈下の問題が全国で非常に大きな問題です。ところが今度の予算には、地盤変動の予算が千百五十万円くらいしか組んでないと覚えておる。一方に耐火建築については二億円か新たに組んでおる。それで東京都なんかでも、隅田川の向うに行きますと、非常に地盤沈下がある。この間も歩いて来ましたが、一般庶民階級からの要求は、ちよつと雨が降ると下水が溢れて困る。何とか直してもらいたい。こういう陳情が非常に多い。なぜそうなつたかというと、戦争経済と非常に関係がある。つまり戦争によつて軍需工場が盛んになると、地下水を汲み上げる。あるいは石炭をどんどん掘る。そのため九州の地盤下、東京、大阪の地盤沈下、こういうことになるのであります。これに対して政府は千百五十万円くらいの予算しか組んでないのですが、これは一体どういうわけですか。
○野田国務大臣 今の池田委員の御指摘の数字はけたが違つておるのではないかと思います。前の数つ字も違つておりまするし、あとの数字も違つておりますので、一億円を越えておると思います。それはあとでよくお調べ願いたいと思いますが、今まで全然なかつたのでありますが、これは重大な問題といたしまして建設省としてがんばりまして、本年から特別計上することにいたしたのであります。
○松本委員長 それでは本日はこの程度で散会いたします。次会は公報で御案内申し上げます。 午後零時二十九分散会