決算委員会 第2号
- 発言数
- 92 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1952/02/01
会議録
○中垣委員長 ただいまから決算委員会を開きます。 これより昭和二十四年度一般会計歳入歳出決算及び昭和二十四年度特別会計歳入歳出決算及び昭和二十四年度政府関係機関収入支出決算を議題とし、前国会において審議の残りました日本国有鉄道について審査をいたします。すなわち工事費の積算当を得ないもの及び物品の調達に当り処置当を得ないもの、右二事項に関しまして前国会に国鉄当局の説明を承り、質疑の後保留となつておりましたところ、旧臘国鉄当局より資料の提出がありましたので、この際報告番号六四八及び六五三についてその詳細な説明を求めます。日本国有鉄道経理局長三木正君。
○三木説明員 六四八号に対します資料について御説明申し上げます。前国会でも申し上げました通り、この工事は数年にわたる大工事でございまして、当時の契約方法は指定競争入札をとつておつたわけであります。そうしてそういう大工事でございますから、巨額の仮設備費がいることは、飯場であるとか、あるいはバッテリー・カーの充電であるとか、その資料の広い長い一枚の紙になつた方をごらんいただきますと、その内容が書いてございます。さらに隧道工事その他の工事、純コンクリート、共通のものと三つにわけまして、一億三千八百万円ばかりの仮設備費が必要である、こういうふうに設計したわけでございます。そうしてそれをそれぞれの隧道に要する分と、その他の工事に要する分、掘鑿とコンクリートにわけまして、共通費の分担も工事量に合せて按分しまして、そうして全体を一契約として契約するのは——非常に当時の経済事情の変動がはげしく、相当長期にわたる工事を一時に契約することは困難でございましたので、一部をその一工事として出したのでございます。その場合の單価の計算は、その一工事に該当する工事量のほかに、仮設備費の全工事量に対する割合を加算したものを出したのでございます。ところが二十四年の初めから関係方面のサゼスチゴン、その後にはまたメモランダムが強い命令になつて、公開入札をしろということになつたのでございます。また単価の引下げを非常に強く言われたわけでございます。そうして公開入札にするために、いろいろ準備というか、仕様書の作成であるとか、そういう手続をもつと精細にするために期間を要したのでございます。しかし仕事は、その一工事が完成しまして手待ちがありますと、非常に業者に不経済な仕事をさせなければなりませんので、仕事の進捗が早く、十工区ありまして十業者あつたわけでございますが、そのうちの八業者に対してはその二工事を競争入札によらないで引続き指名で随契をやつたわけです。その後三工事を公開競争入札にいたしたわけでございますし、いろいろな関係で、非常に当時業者が仕事がなかつたという点もございますし、現在一応工事をやつた業者としましては、厖大な仮設物をやつておる関係上、次の工事がもらえないと、そこに非常な損失を来す関係もありますので、そういう関係があつたのだと思います。また一つには公開競争入札というものもあつたのでありますが、非常に安い單価で工事ができて、所期の目的と申しますか、そういう契約をかえたことにより非常に経費の節約ができたのでございますが、その後日を経るに従いまして、公開競争入札の悪い点もだんだん出て来たのでございますが、單価を下げるという点においては、その工事は非常に成功したわけでございます。しかし検査院から仮設工事を算定した資料の提出を求められましたときに、たまたま一部散逸して、ないものがありたのでございます。それは事務所が十手の発電所をつくつたときの場所でやつておりましたのを、向うのサゼツチヨンによりまして小千谷の方へ信号所の方を進出することになつて——そんな工事をやるのに離れたところでやるのはほんとうではない、早く出て行けということで、非常に引越しを急がれてやつたので、一部散逸したものがありまして提出できなかつたのでありよすが、その後そういうものを探しまして、資料を提出し得る運びになつた次第でございます。そして御指摘になつておるのとは違いまして、確かに單価が公開競争入札で下つたことは事実でございますけれども、計算の基礎としては、一応そういうふうにして出ししおつたものを、それぞれの工事量に按分して單価を出しておつたために、その單価が高かつたということは批難されてもいたし方がないと思いますが、計算の方法としては一応筋が通つおるように思うのでございます。 それから六五三号の関係の資料を差上げましたが、ここに書いてある通ソ、昭和十八年の一月でありますか、施設局長小林紫郎、業務局長堀木鎌三、資材部長向笠金吾の三人の提案によつて省議を決定したのでございます。事の起りは、当時は関門連絡船の信号保安装置をどうするかということと、非常に区間の短かいところで、普通の従来の信号保安装置でいいかということが議論された結果でありますが、その後職員がどんどん軍隊にとられて、熟練職員が出て行きまして、非常に速成の職員を使わなければならなくなつて、列車の追突であるとか、衝突であるとかいうような忌むべき事故か続発したので、それに対して列車の自動制御装置といいますか、そういうものを考えようというので研究をしたのでございます。そして打子自動式と連続誘導式のこの二つの方法のどちらにしようかというので——連続誘導式と申しますのは、線路に電流を通じまして、信号機の限時器が電流によつて機関車に作用してベルを鳴らすとか、あるいは進んでブレーキそれ自体がきくとかいうようなのであります。打子自動式と申しますのは、機械的に信号の限時器に——機関車の外側に棒のようなものをつけまして、それが信号限時器にぶつかることによつて機関車自体に停止なり、注意なり、進行なりという信号自体を表わせる方式でありますが、そういうものをやつたのでございます。そしていろいろその後研究も重ねて、注文して品物が入つて来たのでありますが、さつきも申しましたように、関係方面からこういう不完全な制御装置はかえつて危険である。もし使うのであれば米国産の優秀なものを使え、こういうものは危険であるというサゼツチヨンがありまして、すぐそのときにやめればよかつたのでありますが、せつかく研究して来たのだから、関係方面べよく説明して採用されたいというような意向がありまして、すぐかえることをしませんで、遅れて納入したので、遂にその了解を得ることができず、それをつけることができなくなりました。たまたま二十三年末、貯蔵品の残高が非常に多くてたいへんな価格に上り、二十四年の初めは未拂い金がたくさんできて、業者の方に迷惑をかけた際でありますので、死過蔵品の整理売却をやつたのでございます。その後は品質も相当向上しているが、しかし関係方面の了解も得られないから売つてしまおうというので、売つたのでありますが、前の單価と売拂いの單価が違い過ぎるのは、品物が非常に特殊なものでありまして、生産するのには非常に金がかかりますが、それをくずとして処分するときには非常に安いというために、こういうことになつたのであります。
○中垣委員長 ただいまの説明に対しまして、会計検査院側で補足的説明があれば、この際伺いたいと思います。
○山名会計検査院説明員 最初の六四八号の問題でありますが、これは今経理局長の御説明にもありましたように、経理局における、あるいは信濃川発電工事事務所長における考え方は、全体の工事に必要な総仮設費を全体工事量で割つた平均單価をそれぞれの工事の請負価格のところに見積つてやつたということであります。そうなれば、りくつはまさにその通りでございまして、そういう勘定の仕方については、それも一つの合理的な考え方であります。では、そういう行き方で行つたとして、支拂いの方はどうなつているかという、今度は支拂いの裏側の方で意図されたところが、そのままの状態に現われているかという方面を点検してみますと、この前お出しいただきました資料で点検いたしますと、第一工区だけで見ますと、第一工区の工事は五つにわかれておりまして、最初の二つが随意契約、あとの三つが競争契約になつております。ところが私の方で行きますと、はなはだお気の毒な資料も出て参つたのです。初めの二つの随意契約の支拂いに伴う請負人の支拂いの請求書、及びあとの三つの競争契約の中の一つの支拂い請求内訳書を、出す必要はないのですが、たまたま出されたものがありまして、その初めからの順で申しますと、随意契約によつた二つと、競争契約によりました三つのうちの先順位の一つ、この合せて三つのものの支拂い請求内訳書を点検してみますと、工事量に伴う仮設費の單価計算をしますと、ざつと千六百万円ばかりの仮設費になるのですが、支拂い内訳請求書を点検してみますと、大体二千八百万円抑つてもらつた、こういう勘定になつておりまして国鉄の意図されましたところと、現実の支拂い工事等の関係において、多少そこに齟齬がありまして、結局最初に申しましたように、初めの工事で支拂いをしてもらつて、仮設費がいわばただになつた。そのただの仮設物を使つてあとの追加工事をしたのであるから、あとの追加工事の仮設費の計算については、支拂い済みであるという、すなわち償却済みであるという事情をしんしやくすべし、こういう考え方については、結果論から見ますと、検査院のものの考え方がやはりそこに成り立つのではないかと思います。ただこの問題について、たまたまあとの三つの第一工区の工事が五つにわかれておりまして、あとの三つが競争入札によつておりますので、検査院の言うように、前の三つで支拂いを受けた二千八百万円は、全体の五つの工事に必要な総架設費の約九〇%に当るのですが、それだけのものの支拂いを受けておるから、あとの競争入札のときには、ただになつたものとして、競争入札価格を非常に低く見積つておるから、国鉄総体としては損はしておらぬという御説明が成り立とうかと思うのでありまして私もその点については、国鉄は損はしていられなかつたのではないかというふうに考えております。従つて理論的な問題としてだけの問題になつて参りますと、国鉄の意図される理論はごもつとも、しかし結果から、初めの随意契約の二つ、及び競争契約の一つの支拂い請求内訳書の勘定から、あとからしつぽで点検してみると、そのりくつが途中で修正されておる。それで結果ではどうかというと、結果では競争入札になつた。そこで制度の変更がありましたので、総体的に見れば損はしていない、こういうことになるわけであります。はなはだくどい言いまわし方でありますが、六四八号は、私の方といたしましては、こういうものの考え方があるではないかという、一つの新しいものの見方をしてはどうかという一つの立脚点の問題でありまして、損をした、得をしたという経済計算の上から出た問題ではございません、国鉄の不経済であつたということを批難するわけではございませんので、不経済でなかつたということで、私の方の理場論を弁駁できませんし、また意図されたところでは弁駁できるのですが、支拂いの実際がそれに沿つていないではないかという、しつぽの方から言うと、私の方の理論がやはりここに成り立つようでございまして、経済計算の問題では損害はないのでありますが、検査院の一つのものの見方の立脚点という点においては、私の方は依然として所見を変更するまでの考え方はとつておりません。 それから六五三号の方は、これは事態の経過についての御説明でありまして、この事態の経過については、私の方も全然、異存といいますか、違つた事実に関する認識は持つておらないのでありまして、経理局長のおつしやいますような事態であつたということも、私の方も了承いたしております。
○中垣委員長 以上の説明に対しまして、質疑を願います。
○三宅(則)委員 私はせつかく国鉄総裁がおいでになりましたから、根本のことを承つて、この問題に移りたいと思います。 今承れば、経理局長が六四八ないし六五三に対して資料をおよこしになつたそうでありますが、一つしかない。これは私、不届き千万であると思うのでありまして、われわれ委員全部にお渡しになるように資料を御提出願いたい。これが一つ。 第二番目は、国鉄は、もちろん国家が重要なる政策の一つといたして取上げておるのでありまして、申すまでもなく日本の興隆、文化の源泉ともいうべき重大な使命があるわけであります。ところが、これは私が言うまでもなく、過去におきましては、相当な批難事項もありましたし、また従業員といいますか、職員といいますか、その中にはおもしろからざるものが存在しておつたと思うのであります。なぜならば、私が申すまでもなく、いろいろな問題が起きておる。桜木町事件にしても、三鷹事件にしても、松川事件にいたしましても、あらゆる角度からこういう問題が山積をしております。もちろん世の中が頽廃しておつたといえばそういうわけでありますが、これは伝統的に鉄道運輸行政について欠陷がありはしないか、かように思うのですが、長崎総裁は新任早々であるとはいいながら、かつての重要なる官僚といたしまして、わが国の行政面を担当せられておつた方でありますから、心構えをひとつ承りたいと思います。
○長崎説明員 ただいまの御質問に対してお答えいたします。終戰後いろいろのうわさがありましたことは、私承知いたしておりますが、当時は私は追放中でございましたので、一切元の職場に立ち入ることはできなかつたのであります。どういう状況であつたかということは、責任ある当局から聞いたことはございません。しかしながら、ただいま仰せになつたようなことが、いろいろあつたことは、新聞紙その他によつて承知いたしております。実は私昨年の八月就任以来——今、私はたいへん古い経歴を持つているじやないかというお話が、ございましたけれども、それは終戰前のことでありまして、終戰後は憲法も新たになり、国会もまた新たな使命を帯びて来ておると同じように、国の状態というものがかわつておる、かように考えておりますので、まつたく新しい一年生のつもりで、ただいま鉄道のことをいろいろ研究もし、まだ教えもいただいているような次第であります。そういう心構えでおりますので、旧臘来北海道の方にも参りましたが、その前には大阪、岡山という各地を実際にまわりまして、現場を今見学中でございます。ただいままで私の拝見いたしましたところによりますと、国鉄の従業員諸君の執務態度も、だんだんと中庸の方向に向つて、ますますよい方向に向つ来ているのではないか、私はかように存じます。現に職員組合の代表者などに会いましても、かつて私どもが耳にしたような態度ではなしに、もつと国鉄をよくして行きたい、自分たちは国家から国鉄の経営を依頼されているのであるから、その依頼におこたえ申し上げて、そうして国民の信頼をかち得たい、また国民諸君並びに旅客公象から愛される鉄道になりたい、かような心持に燃えているように私は考えますので、ますますこれを助長いたしまして、一日も早く皆さんの信頼にこたえたいと存ずる次第であります。
○三宅(則)委員 今総裁より、まことに含蓄のあるお話を承つたのでございますが、私はこう考えておる。これは独占事業と同じような意味合いでありまして、国家の幹線は全部国鉄ということになつているわけです。これにつきましては、いろいろの問題もあるわけですが、ややともいたしますと、従業員が多数を頼んで幹部を圧迫し、あるいは賃金の値上げであるとか、あるいは自分の意思の要求を貫徹するために、労働者諸君から金を預かつておりますか、あるいは会費をとつているかもしれませんが、あるいは温泉や、あるいは某市において密談を凝らし、あるいは公然と会合を行つておる。これは手前がつての金を集めたものであるからさしつかえないといえば、さしつかえないわけでありますが、どうも私どもといたしましては、ああやつて何百人という代表者が一堂に会して、たとえば別府の温泉、あるいは伊豆山、あるいは塩原というようにやつております。もちろん一年に一ぺんや二へんは、保養ということもありましようけれども、もう少しく態度を改めて、真剣に国策に順応するという態度をとるべきが本旨でなければならぬと私どもは考えておる。これは枝葉末節かもしれませんが、そういうふうに多数を頼んで、国民の公器ともいうべきものを濫発いたしましたり、あるいは妨害したりするものがあつたわけであります。こういうものは私は絶対に禁止したい、かように考えているようなわけでありますが、その総裁の威厳が下の方に徹底しないという理由でありましようか、それとも徹底はしているけれども、従業員がいかぬという意味合いでありましようか、もう一ぺんその辺をしつかり御答弁願いたい。
○長崎説明員 私、総裁といたしまして、ただいまのお話には非常に教えられるところがあるのでありますけれども、しかし労働行政の問題になりますと、これは私がどう申しましても、やはり労働大臣のお考えでもあり、また政府自体のお考えもいろいろございましようから、これについては私はとやこう申し上げることはできないのであります。ただ労働行政がいかようにかわりましても、先ほど申し上げましたような従業員の気持、心持の方向はどうしても私はますます主張して行かねばならぬ。また昔のように、総裁の意思を徹底させるということでなくて、みな一緒になつて、私の方もピントを合せるし、向うもピントを合せて来るというように、両方が手を握り合わなければならぬのじやないか、かように考えております。
○中垣委員長 ちよつと三宅委員にお願いいたしますが、ただいまこの問題に対しまして質疑の通告等もありますので報告書の線からあまりそれないようにお願いいたします。
○三宅(則)委員 それでは国鉄総裁のお話もありましたが、それくらいにして、国鉄はたくさんの資材を買い入れる。もちろん資材を買い入れなければやれぬことでありまするが、その中に今御説明なりましたようないろいろの事件が起るわけです。これは民間と比較すると大分違う。民間の方は、不良品を出しましたり、あるいは不正な行為があつた場合におきましては、これは解職あるいは弁償、こういうことをやつておる。ところが公経済、官吏のやりましたことにつきましては、今会計検査院のおしかりをこうむつたとはいいながら、何ら弁償しない、責任もとつてない。たまには転職する人もありますが、概して栄転であります。こんなばかげたことはないのです。長崎総裁は、長年の官吏生活をしておられる方でありましようが、私は民間人でございまして、官吏のことは詳しくはありませんが、官吏もある程度まで責任をとる制度を立てなければ、完全に義務が履行せられない、かように私は思つておるのであります。これは釈迦に説法と存じますが、長崎総裁としては、従業員もしくは職員、あるいは雇員等がやることにつきましては、徹底的に不正が起らないようにすることが第一の責任である。起つた場合においては、嚴重な戒告どころじやない、減俸も弁償もけつこうでしよう。あらゆる角度から、そういうことのないように防止することを、国民を代表する者の意見として申し上げますが、これらについて一体どういうふうに考えておりますか。ただいま三木局長のお話になりましたように、説明書も一通しか出さぬ、実に国会軽視もはなはだしい。十分委員の方には徹底するようにやつてもらいたい。熱心にやれるものが熱心にやれない。これらに関連いたしまして、ひとつ御答弁を願いたい。
○長崎説明員 三宅委員に申し上げます。資料が一部より参らなかつたというおしかりを受けましたが、これはできるだけ今後気をつけまして、皆さんにお配りいたすよう心がけたいと思います。ただ大上委員から御請求がありましたからというこでやりましたが、これはそういうことでなしに、皆さんに差上げるようにいたします。この点は御了承願います。 今の責任の問題でございますが、これは鉄道のような仕事におきましては、ひとり物品だけの問題ではなしに、あらゆる面において責任態勢、責任を明確にするということは、非常に重要なことでございます。汽車を動かすにいたしましても、また荷物をお預かりいたすにしましても、責任の所在が明らかでなかつた場合には、重大な事故のもとでございますから、その点については従来とも十分の注意をいたして参りましたが、今後におきましても、ただいまのお説等によりまして、必ずその方向に向つて行くようにいたしたいと思います。
○大上委員 まず長崎総裁にお尋ねいたします。本委員会は、決算委員会でございまして、昭和二十四年度決算報告に基いて、現在審議の過程にあるのです。そこで公社の総裁におなりになりまして、昭和二十五年度の会計検査報告書は、まだわれわれの手元には参つておらないのでありますけれども、いやしくも国会で審議中である当該年度のものについては、相当総裁におかれましても、御調査または係員から御説明をお開きになつたはずだと思うのです。そこでまず既往のこの決算の批難事項に対して、どういうふうにお考えになつておるか。またこの前の国会で話が出たのですが、会計検査院側とそれから公社側と、この批難事項の六四八号の該当事項に対してもやや意見の食い違いがあるように思われた。ただいまの三木さんの御説明に対して、山名さんの方からは、理論的には公社それ自体には損はないと思うが、考え方云々ということも言うておられる。それはじかに総裁お聞きになつたはずと思う。そこで将来こういうふうな問題がなお潜在的にありはせぬか、経理上あるいは財務上、あるいは会計関係法上、さいぜん三宅委員が言われた公経済上いろいろな点があるのではないか。それが新しくどういうものがあげられておるのか。まずこの二点についてお伺いしたいと思います。
○長崎説明員 二十五年度の問題につきましては、検査院の方とちよつとお話したのですが、今整理中でありまして、あまりないというお話であります。 それから前半についての考え方なんですが、これは先ほど山名さんからもお話ございましたが、考え方の相違、やり方の相違という意味でございますけれども、しかしできるだけ合理的にやつて行かなくてはならぬ。ことに経理上の問題については、絶対に合理的というわけにも行かない場合もあろうかと思いますが、しかし合理的であるのが本則でありまして、そういうふうに進んで行かなくてはならぬ、かように思います。
○大上委員 大体わかつたのですが、そこでもう一つだけ——総裁としては立場上また話が小さ過ぎて非常にお困りになりはせぬかと思うのですが、まず検査報告の百九十三ページの六五三号でございます。これはいずれ奧村委員または高橋委員から、それぞれ質問があるように承つておるのですが、簡單にこういうふうなものをお読みになつた場合に、総裁としてはどういう感覚をお持ちになるか、これは総裁としての職務上の感覚ですが、逆にまた国民全般の受ける感情はどういうふうに思われるか、まずこの二点を両面から伺つてみたい。それから本論に入つてみたいと思います。
○長崎説明員 この六五三号の全般的な感じと申しますと、これだけ読みますと、まことにけしからぬことをやつたじやないかというふうに私考えます。しかし、この問題につきましては、実はかつて私鉄道にごやつかいになつておりました当時のことじやないかと思いますが、先ほど説明がございましたように、関門トンネルができまして、あそこの区間が非常に短かい。しかもトンネルの上は海である。一方あのトンネルを掘つた当時は、石炭をあそこを通してたくさん運ぶようなことは、実は予想してなかつたのであります。主として旅客列車ということに考えておりましたところが、戰争とともに、非常な勢いで石炭を運ばなければならぬようなことになつたというような次第もありまして、あそこの中で追突あるいは衝突事故などを起してはたいへんになる、何かあそこに装置しなければならぬというので、当時ちようどトレーン・ストツパーと申しますか、そういうような考え方があつたのでございます。なおそのときも研究中でございましたが、外国から買うわけにも行かず、日本で何とかして早くあそこの安全装置をしなくちやなるまいということで、実は施設局長、運輸局長、資材局長の三者が寄り寄り協議をして、ストッパーをつけるようにしようじやないかということを決定したのは、おそらく私の時代であつたろうと思います。これは十八年でございましたから、まさに私が運輸次官でした。その当時そういう心配からこれは始めた仕事であります。ところが、その機械がなかなかむずかしいものでございますからできなかつたのです。そこで終戰後においてようようそれができ上つて、やろうとしたところが、当時アメリカが出て来ておつて、いろいろ話を聞くこともあつたのでございましようし、そんなものはやめた方がいい、そんな不完全なものより、もつと完全なものがあるということを教えられて、まあ禁止を食つた、こういう事情であろうと私は思いますので、そういう意味から申しますと、私にも実は大きな責任があるようにも感ずるのであります。しかしそのときの処置そのものを、もう少し思い切りよくやるというような点も私はあつたろうとは存じますが、その当時の事情としては、やむを得なかつたのではないか。またこれをこの文面通りに拝見しますと、非常に悪いことをしたようになるのでございますけれども、そういうようないろいろな経過を知つている私といたしましては、ことにまたそれを採用した当事の責任者の一人である私としましては、申訳ないことであつたが、まあ内容をよく知つてみればどうもちよつと、手落ちが全然なかつたとは申しませんが、多少酌量する余地があるのではないかという考えを持つております。今後におきましては、こういう場合、いけないとなつたら早くぱつとやめてしまつて、できるだけ損害を少くするということを考えなければならぬ、かように思つております。
○大上委員 国民感情的な立場と、それから総裁としての立場と両面を伺つたのですが、そこで、総裁もお忙しいでしようから最後の結論に入りたいと思うのです。まず最初から申し上げておりますこの批難事項の該当事項だけではなかろう、なお会計検査院の検査官会議においても疑義を持たれた事案が相当あつたように思われます。そこで総裁の御就任から今日まで、一、二箇月じやない、相当経過しているのですから、いわゆる国の経理と申しますか、こういうふうな公社全体の経理の持つて行き方をどうすべきか、あるいはどうさすべきであるというお考えがあろうし、また御就任以後、その所管の局長または事務官等に対して、御指示があつたはずと思いますので、内容がわかれば教えてもらいたいのと、それから最後にもう一点だけ申し上げてみたいのは、こういうふうな点が、さいぜんのお話では、昭和二十五年度においてはそうないというようなお言葉がございました。もちろんないかもしれませんけれども、これは将来のことで、次の二十五年度の折りに議論になるのですけれども、いわゆる今日といいますか、御就任後どういうふうな御指示をなさつたか、指示内容を承りたい。それによつてなお質問があるかもしれませんし、要求通りのものができて来るならば、総裁に対しては質問を打切ります。
○長崎説明員 財政経理の問題につきましては、ことに愼重を期さなければならないことは申すまでもないのでありまして、これが乱れて参りますと、いわゆるえらいことになりますことは、申し上げるまでもないのであります。私はかつて会計課長といたしまして、種々の経理の任に当つたこともございますが、これは絶対に適正を期さなければならないものでございます。従いまして、今日いろいろどうも新聞などにあらぬことを書かれるような場合もございますので、この問題については具体的に私は指示をするようにいたしたいと思いまして、話合いをしているのでございます。抽象的に申し上げれば、これはもう適正を期さなければならぬ、あるいは合理的でなければならぬということになりますが、そうでなしに、もう少し立ち入つて具体的に教えなければならぬと思うのであります。ことに戰争当時から相当、何と申しますか、しつけが足らなくなつている。つまり教えずに第一線に出す、フロントに出すというようなことがございまして、教育の問題は、根本に私は考えなくちやならぬ問題だと思うのでございます。どうしても、その教育も長いことかかつてはいけないので、できるだけ早い時期にしつけをして行く教育をして行くというところに根本があるから、先輩である職員の立場から言えば、当然わかつているようなことでも、これを後輩に手をとつて教えるようにして行くという点が一点でございます。そのほかたくさんございますが、私は根本はそこだと思つております。
○大上委員 では、さらに質問をいたします。御趣旨はよくわかりましたが、さすれば、公社全体の昭和二十七年度と申しますか、来るべき予算において、たとえば部課長を寄せて講習をするとか、こんなことはいかぬとか、いろいろな示達事項があるはずです。これに対して、いわゆる各地区の営業所と申しますか等からも、出張所からも出て来る。その場合に、これに対するところの総裁の具体的に教えて行くという裏づけとして、いかほどの予算を組んでおられるか、計数を明らかにしてもらいたい。
○長崎説明員 実は教習の予算は今幾らだつたか正確なものは覚えておりませんが、相当とつてございます。しかも従来のやり方は、人を寄せて来て教えるというようなことをやつておつたわけですが、しかし今度はそういうふうでなしに別の方法をとつて行こう、方法を変更して行こう、こう考えております。
○大上委員 では逆にお教え願いたいのですが、たとえば今申し上げますように、人を寄せる旅費等を節用しても、これに示達すべき用紙一枚経費である。印刷費しかり。これはわれわれのいう事務費です。また通信費等も相当いるわけです。だから総体的な経費としては、理論的に申しますと、必ず計数が出るように思うのですが、その計数を総裁に、今お話したから、何ぼ何ぼというこまかいことをと、そういう非常識なことは申し上げられませんし、また私も質問する意図はございませんけれども、大体大まかな計数だけは、いわゆる予算の面において決済または独立採算制をしいた——採算制という言葉は非常に含みが多いのですが、こういう面から見ての何らかの計数をお持ちでなかろうかと思うのですが、もう一点そこだけお尋ねしたいと思います。
○中垣委員長 速記を止めて。 〔速記中止〕
○中垣委員長 速記を始めて。
○大上委員 山名局長からの御意見の一端を総裁から承りたかつたのでありますが、ただいま申された意図のような方向で事実の通りおやりになる意思はおありですか。
○長崎説明員 私日ごろできるだけの努力はいたしておりますけれども、やはり内部の監督、監査だけでは不十分でございまして、外部の監査ということは、私はきわめて必要でもあり、またいいことだと考えております。ただ監査の内容を受ける態度、並びに受けてからの事後の処置、それから平素の連絡を緊密にいたしまして、検査院と緊密な連絡の上に——ただいま局長は非常におもしろいことを言われましたが、お医者さんのつもりで、悪いところはないか、患者の方もお医者さんの言うことをよく聞いて、病状を早くなおすことに努力しなければならぬと思います。
○奧村委員 私は初めて決算委員会に出たのですが、これからうんと勉強させていただきたいと思います。 それで、ただいま大上委員のお尋ねしたことについて、補足してお尋ねしたいのですが、六五三の事件は、すでに司令部の方からやつちやいかぬという指令が出て、その指令は国鉄の方の報告によると、昭和二十二年の十二月二十六日に工事中止の指令が出ておる。ところが二十三年、あくる年に買い入れて、二十四年に売つた。しかも六百万円で買い入れて、十七万円に売つた。この具体的な事項の説明は、どうも納得が行かぬ。そこで会計検査院にお尋ねいたしますが、この六五三の事例は、昭和二十三年度に京三製作所から買い入れ、二十四年に売つたとありますが、一体二十三年のいつ何日に買い入れたのであるか。司令部の方からは、すでに二十二年、一年前に禁じてあるのですが、その事情をもう一つ会計検査院から確かめてみたいと思います。
○山名会計検査院説明員 私の方でこれが出ましたいきさつは、ただいま御質問にありましたように、二十二年の十二月に、これは使つてはいかぬという一つの中止命令が出まして、そのあとで発注いたしましたので、中止命令が出れば、やりたい人間ははやつてはおるだろうが、使うか使わないかわからないような懸案になつたものを、急いで発注するまでもなかろう、そこを発注した点にミスがあつたということで批難を出したのであります。そこで総裁のおつしやいますように、これを使いたいという気持は、私の方も、職員としてもつともなことだと思うのでありまして、これはたしか施設局か車両局の方で司令部との関係の折衝において、十二月には使つてはならないという一つの意思表示が施設局の方へまわつたのでありましようが、これを発注いたしました資材局の方にその意思の伝わり方が、その点において疏滞があつて、上層部においてきつぱりした態度をとれなかつたのではなかろうか。従つて機構の分課制度から起つて来た一つの——上手の手からも水が漏れると申しますか、そんなところで使いたいとはやる気持と、あれはずつと継続して買つておつたわけでありまして、出したものをすみやかにとめてしまわなければいかぬというその措置の行き方に、そこに手落ちがあつたのではないかということで、それ以上のこまかいせんさくは——だれがどのように連絡すれば、これはとまつたではないかというようなこまかいせんさくまではいたしておりませんで、とにかく事実の上に現われた大づかみな結果だけは、中止命令が出てから発注されたという点において遺憾がある。かようなことのないようにという意味合いで出したわけなのでありまして、せんさくしてみますと、ただいま申しましたような施設をする方面と、資材を発注する方面との連絡不十分なり、ないしは上司がそのことを知つて、すみやかにこれを停止する措置をとる点において、十分な情報が下から入つて来なかつたという、さような状況もあるのではなかろうかという推測はいたしておるわけでありますが……。
○奧村委員 私はさようなことをお尋ねしておらぬ。もつと会計検査院としての、意見をつけ加えずに、事実を事実としてはつきり申していただきたい。そこで私のお尋ねしたのは、すでに昭和二十二年の十二月二十六日付で、その筋より本工事を中止する指示があつた。それにもかかわらず購入したのは何月何日であるか、また発注命令を出したとすれば、その発注命令を出したのは何月何日であつたか、その事実をまず確かめて、それからお尋ねしたい。
○山名会計検査院説明員 二十二年の十二月二十六日の日付で中止命令が出ております。発注は二十三年の四月ということになつております。
○奧村委員 発注が二十三年の四月、そうすると、そこに約五箇月間のずれがあるわけです。それから事実商品の納入されたのはいつになつておりますか、代金の支拂われたのはいつになつておりますか。
○山名会計検査院説明員 私の手元にあります書類では、発注が二十三年四月というだけのメモになつておりますが、別の資料によりますと、受入れの月日が二十三年五月、三百三十個のうち二十個は二十三年五月一日から二十三年六月八日までの間に受入れられております。それから残りのコード受信機の三百十個の方は、二十三年五月十日から二十三年七月七日までの間に受入れられております。代金の支拂いは入つておりませんが、これは大体納入されて後に拂われておるはずであります。
○奧村委員 それではお尋ねいたしますが、一旦購入したものを売り渡した日はいつであるか。また売り渡した方法は、いかなる方法によつておるか。
○山名会計検査院説明員 売り渡しは二十四年十二月でございます。売渡しの方法は、公入札によりましてやつております。
○奧村委員 その公入札には、どういう人々が入札しておりますか。その入札の状況をお調べになつた結果を、御報告願いたいと思います。
○山名会計検査院説明員 そこまでの資料を、十分準備いたしておりません。
○奧村委員 会計検査院が批難事項としてここに取上げたこの事件について、入札がいかなる方法で行われたかということを、検査院がお調べになつておらぬということならば、これはたいへんだ。お調べになつておるはずであります。その会計検査院の調べた報告をお尋ねしたのです。
○山名会計検査院説明員 さようでございます。これはもちろん調べております。ただ手元に資料を持参いたしておりませんので、ただいま申し上げかねておりますが、もちろん資料はございます。
○奧村委員 会計検査院がいかなる検査を行つておるかということを、われわれはまず注目しておるわけなんです。従つてここへ公社の関係者が来られても、公社の関係者の説明は、会計検査院の説明と同じようにはわれわれは受取れぬ。その意味で、これからの御説明は、検査院として、この批難事項については、どこまでの調査をなさつたかという資料は、もちろん決算委員会に持つて来るべきものだ。検査院の方で今手持ちがないとすれば、どなたでもよろしい、その公入札のときの入札に出て来られた人々の名前、それから入札の金額、状況をお尋ねいたします。
○中垣委員長 ちよつと速記をとめて。 〔速記中止〕
○中垣委員長 速記を始めて。
○奧村委員 入札の事情を調べ、また発注の事情を調べ——とにかく中止の指示が出てから五箇月もあとから発注した、発注の責任者はだれであるか、また責任者にいかなる懲罰をしたか、公社としていかなる責任をとつたか、この事情をお調べなくして、われわれはこの審議はできぬのだが、これを審議するこの決算委員会において、その資料がないというなら、審議のしようがないから、この次にお尋ねいたしますが、その資料は全部整えて、この次からこういうことのないようにお願いいたします。
○高橋(權)委員 本員はきようちようど門司から久留米までの鉄道の電化の問題で用を持つておりまして、参るのが遅くなりまして、はなはだ済みませんが、当局から、私の二、三質問したい点について答弁していただきたいのであります。 実は新聞紙上でも、この問題からにぎわつているようなことに関連するものでありますが、第一番に陸運局のことについてお伺いいたします。 過去において自動車の営業をしておつた会社のごときは、新規定められたところの法規の手続をしないでいいかどうか、それをひとつ総裁からでも答弁していただきたい。
○細田説明員 お答え申し上げます。その点につきましては、運輸省自動車局の方で担当いたしておりまして国有鉄道では、ちよつとお答えいたしかねます。
○中垣委員長 ちよつと速記をとめて。 〔速記中止〕
○中垣委員長 速記を始めて。
○畠山(重)委員 長崎総裁に伺います。国有鉄道では独立採算制をもつて経営せられていると存じますが、独立採算の考え方からいうと、利用度の高い方向に向つては極力改善をいたし、またいろいろな施設もせられておると思います。しかるに利用度の少い方面になると、どうも閑却せられる傾向が多い。これは公共性を持つた鉄道としては、まことに遺憾だと存じます。今後、採算のとれない路線であつても、鉄道の改良に対して十分促進していただきたいものと考えます。そこで総裁としては、独立採算上どうお考えになつておるか、この機会に伺いたいと思います。
○長崎説明員 ただいまの畠山委員の御質問は、まことに重要なポイントであると存じます。鉄道省のいわゆる省線というものがパブリツク・コーポレーシヨン、公共企業体の日本国有鉄道になります当時のことであろうかと私は記憶いたしますが、これも私しばらくの間、元おつた職場に出入りのできない身分でございましたから、詳細はわかりませんが、新聞雑誌その他で拜見しますと、ちようどそのころに前後しまして国鉄の独立採算制ということが、相当強く議会等においても問題になつたと承知しております。しかしながら、独立採算という言葉は新しいのでございますが、要するにこれは収入をもつて支出をまかなうということであろうと思いますので、この点は元の帝国鉄道特別会計という時代から、収入をもつて支出をまかなうという原則はあつたのでございますから、これは別に新しいことではない。ただ当時あの混乱した状況において、とかくすると脱線をする気味があつたので、新しい言葉で、一つのスローガンと申しますか、そういうようなものにして、だんだん収支の適合をはかるという意味で申したものと私は思います。従いまして、これは昔の鉄道と少しも違つておらない。また地方公共企業体という企業面から申しまして、迅速果敢に、経済の情勢の変転あるいは世の移りかわりというものに対応したうまい仕事をして行く、そうしてできるだけ収益を上げる、いわゆるインダストリーの、ビジネスの観念でやりなさい、こういわれることもよくわかるのでありまして、この点もむろん昔から牧支の適合をはかつて、しかも収入を上げて、その収入によつて設備の改善もし、建設もやるというのが、旧帝国鉄道特別会計の精神でありますから、その点もかわりはない。ただここで一番問題になることは、しかも一番かわつた、むずかしいと思つておることは、昔は運賃というものは閣議で決定をした、さればこそ経済の変遷に伴つて上げたり下げたり順応ができたのでありますが、今日においてはそれがちよつとねずかしくなつて来た。しかし、これも民主化された日本の姿におきましては、国会が運賃の決定に最終的な権能を持つということはやむを得ないと思いますが、それらの点に、むしろ順応ということにおいては、濫用してはいかぬのですけれども、ちよつときゆうくつな点がございます。しかしながら、一方において、昨年来新線の建設もだんだんとやつており、今年もある程度新線建設をやるというぐあいに、先ほど畠山委員がおつしやられたように、採算のとれない線は手をつけない、あるいは改良しないということはないのでありまして、御承知の通り、ただいま運営いたしておりまする線でも、収支の採算のとれないものがたくさんございます。いわんや将来開発するときには、ここ数年間はまず採算のとれないものが相当多いと思う。しかしそれをもやらねばならぬ。日本の経済再建のため、復興のためには、新しい線を開発してわれわれの努力によつて国民とともにわれわれも努力いたしましてやらなければならぬと考えておりますから、そういう面ではごうも採算の上に経営するということではなしに、やはり広く日本の再建復興、日本の経済自立という面に向つてやつておりますことは、少くもかわりはございません。ただ仰せになることはわかるのでありますが、これらのものを全面的に、これだけの広い国土の、二万キロに余る鉄道を、数年のうちに見違えるようにすることは、今の日本の経済状態としては容易なことではないと思います。従いまして、事には緩争順序が立つて参らなければならぬと思いますから、順次年を追うてだんだんと改善の領域を広げて参りたいと存じます。ただ何分にも、御承知のように戰争中並びに戰後——戰争中は資材不足で設計の面等におきまして、よほど低下したものを使つております。私ども当時鉄道にごやつかいになつておりましたが、今後十年くらい乗つたら、十年後にはどうかなるだろうというふうな心持からいたしまして、設計を相当低くしております。従いまして、それらのものはもうぽつぽつ壽命が来ている、近くなつているというものも、相当ございます。しかしてまた戰後におきましては、ひとり鉄道ばかりではございませんが、資材不足のために思うように行かない。また保守という面にいたしましても、鉄材にいたしましても、セメントにいたしましても、不足であり、あるいはまくら木のようなものでも、なかなか手に入らなくて、それらのものを十分に手当できないというようなことで、相当な範囲にわたつて弱体な鉄道になつておる。それを順次にやつて行かなければならぬということでございますから、所によつて、まだ復興しない場所もたくさんございます。それは私はつきち認めます。けれども、何とかしてできるだけ早い時期に、少くともここ四、五年の間には、昭和九、十、十一年、ごろの国鉄の姿に持つて行きたい、かように考えておりますので、財政の関係等もございまするし、いろいろにらみ合せ、また皆さんの御後援、御協賛を得まして、できるだけ早い時期に復興して行きたい、かように存じております。れても、公社の関係者の説明は、会計検査院の説明と同じようにはわれわれは受取れぬ。その意味で、これからの御説明は、検査院として、この批難事項については、どこまでの調査をなさつたかという資料は、もちろん決算委員会に持つて来るべきものだ。検査院の方で今手持ちがないとすれば、どなたでもよろしい、その公入札のときの入札に出て来られた人々の名前、それから入札の金額、状況をお尋ねいたします。
○中垣委員長 ちよつと速記をとめて。 〔速記中止〕
○中垣委員長 速記を始めて。
○奧村委員 入札の事情を調べ、また発注の事情を調べ——とにかく中止の指示が出てから五箇月もあとから発注した、発注の責任者はだれであるか、また責任者にいかなる懲罰をしたか、公社としていかなる責任をとつたか、この事情をお調べなくして、われわれはこの審議はできぬのだが、これを審議するこの決算委員会において、その資料がないというなら、審議のしようがないから、この次にお尋ねいたしますが、その資料は全部整えて、この次からこういうことのないようにお願いいたします。
○高橋(權)委員 本員はきようちようど門司から久留米までの鉄道の電化の問題で用を持つておりまして、参るのが遅くなりまして、はなはだ済みませんが、当局から、私の二、三質問したい点について答弁していただきたいのであります。 実は新聞紙上でも、この問題からにぎわつているようなことに関連するものでありますが、第一番に陸運局のことについてお伺いいたします。 過去において自動車の営業をしておつた会社のごときは、新規定められたところの法規の手続をしないでいいかどうか、それをひとつ総裁からでも答弁していただきたい。
○細田説明員 お答え申し上げます。その点につきましては、運輸省自動車局の方で担当いたしておりまして国有鉄道では、ちよつとお答えいたしかねます。
○中垣委員長 ちよつと速記をとめて。 〔速記中止〕
○中垣委員長 速記を始めて。
○畠山(重)委員 長崎総裁に伺います。国有鉄道では独立採算制をもつて経営せられていると存じますが、独立採算の考え方からいうと、利用度の高い方向に向つては極力改善をいたし、またいろいろな施設もせられておると思います。しかるに利用度の少い方面になると、どうも閑却せられる傾向が多い。これは公共性を持つた鉄道としては、まことに遺憾だと存じます。今後、採算のとれない路線であつても、鉄道の改良に対して十分促進していただきたいものと考えます。そこで総裁としては、独立採算上どうお考えになつておるか、この機会に伺いたいと思います。
○長崎説明員 ただいまの畠山委員の御質問は、まことに重要なポイントであると存じます。鉄道省のいわゆる省線というものがパブリツク・コーポレーシヨン、公共企業体の日本国有鉄道になります当時のことであろうかと私は記憶いたしますが、これも私しばらくの間、元おつた職場に出入りのできない身分でございましたから、詳細はわかりませんが、新聞雑誌その他で拜見しますと、ちようどそのころに前後しまして国鉄の独立採算制ということが、相当強く議会等においても問題になつたと承知しております。しかしながら、独立採算という言葉は新しいのでございますが、要するにこれは収入をもつて支出をまかなうということであろうと思いますので、この点は元の帝国鉄道特別会計という時代から、収入をもつて支出をまかなうという原則はあつたのでございますから、これは別に新しいことではない。ただ当時あの混乱した状況において、とかくすると脱線をする気味があつたので、新しい言葉で、一つのスローガンと申しますか、そういうようなものにして、だんだん収支の適合をはかるという意味で申したものと私は思います。従いまして、これは昔の鉄道と少しも違つておらない。また地方公共企業体という企業面から申しまして、迅速果敢に、経済の情勢の変転あるいは世の移りかわりというものに対応したうまい仕事をして行く、そうしてできるだけ収益を上げる、いわゆるインダストリーの、ビジネスの観念でやりなさい、こういわれることもよくわかるのでありまして、この点もむろん昔から牧支の適合をはかつて、しかも収入を上げて、その収入によつて設備の改善もし、建設もやるというのが、旧帝国鉄道特別会計の精神でありますから、その点もかわりはない。ただここで一番問題になることは、しかも一番かわつた、むずかしいと思つておることは、昔は運賃というものは閣議で決定をした、さればこそ経済の変遷に伴つて上げたり下げたり順応ができたのでありますが、今日においてはそれがちよつとねずかしくなつて来た。しかし、これも民主化された日本の姿におきましては、国会が運賃の決定に最終的な権能を持つということはやむを得ないと思いますが、それらの点に、むしろ順応ということにおいては、濫用してはいかぬのですけれども、ちよつときゆうくつな点がございます。しかしながら、一方において、昨年来新線の建設もだんだんとやつており、今年もある程度新線建設をやるというぐあいに、先ほど畠山委員がおつしやられたように、採算のとれない線は手をつけない、あるいは改良しないということはないのでありまして、御承知の通り、ただいま運営いたしておりまする線でも、収支の採算のとれないものがたくさんございます。いわんや将来開発するときには、ここ数年間はまず採算のとれないものが相当多いと思う。しかしそれをもやらねばならぬ。日本の経済再建のため、復興のためには、新しい線を開発してわれわれの努力によつて国民とともにわれわれも努力いたしましてやらなければならぬと考えておりますから、そういう面ではごうも採算の上に経営するということではなしに、やはり広く日本の再建復興、日本の経済自立という面に向つてやつておりますことは、少くもかわりはございません。ただ仰せになることはわかるのでありますが、これらのものを全面的に、これだけの広い国土の、二万キロに余る鉄道を、数年のうちに見違えるようにすることは、今の日本の経済状態としては容易なことではないと思います。従いまして、事には緩争順序が立つて参らなければならぬと思いますから、順次年を追うてだんだんと改善の領域を広げて参りたいと存じます。ただ何分にも、御承知のように戰争中並びに戰後——戰争中は資材不足で設計の面等におきまして、よほど低下したものを使つております。私ども当時鉄道にごやつかいになつておりましたが、今後十年くらい乗つたら、十年後にはどうかなるだろうというふうな心持からいたしまして、設計を相当低くしております。従いまして、それらのものはもうぽつぽつ壽命が来ている、近くなつているというものも、相当ございます。しかしてまた戰後におきましては、ひとり鉄道ばかりではございませんが、資材不足のために思うように行かない。また保守という面にいたしましても、鉄材にいたしましても、セメントにいたしましても、不足であり、あるいはまくら木のようなものでも、なかなか手に入らなくて、それらのものを十分に手当できないというようなことで、相当な範囲にわたつて弱体な鉄道になつておる。それを順次にやつて行かなければならぬということでございますから、所によつて、まだ復興しない場所もたくさんございます。それは私はつきち認めます。けれども、何とかしてできるだけ早い時期に、少くともここ四、五年の間には、昭和九、十、十一年、ごろの国鉄の姿に持つて行きたい、かように考えておりますので、財政の関係等もございまするし、いろいろにらみ合せ、また皆さんの御後援、御協賛を得まして、できるだけ早い時期に復興して行きたい、かように存じております。に対して、まず会計検査院長にひとつ御連絡を願うことを申し上げて、それから次に移ります。
○中垣委員長 先ほど奧村委員のお尋ね中、自動列車停止装置購入並びに販売の問題につきましては、委員長から国有鉄道の方に資料の提出を要求いたしまして、次会には詳細にいたしたいと思います。ただいまの三宅委員の御意見でありますが、承知いたしました。
○奧村委員 ただいまの委員長の御発言について、委員長にお尋ねいたします。この決算委員会としては、まず今までの行き方は、会計検査院の報告、特に批難事項について審議をやつておるわけであります。会計検査院としては、検査院の立場から、この批難事項については、十分にその原因なり事情をお調べになつておるはずであります。従いまして、私が先ほどお尋ねしたことは、当然会計検査院のもとに、その資料があるはずです。何も国鉄当局から資料をとるのではなしに、会計検査院に当然あるべき資料をわれわれは求めておるので、また会計検査院はこれに当然応ずべき職務上の義務があるはずです。その点いかがなものでしようか。批難事項として疑問にしておる問題を、会計検査院がきわめておらぬというはずはない。むしろその資料は会計検査院に要求すべきものである。私は初めて出て来ましたので、きようはあまりきつく申し上げるのはやめておきますが、この次から会計検査院がそういう資料を持つていないということは、私はこの委員会では言つてもらつてはならぬ、こういうふうに思つております。その点委員長はどうお考えになりますか。
○中垣委員長 お答えいたします。奧村委員のお尋ねは、ごもつともだと思いますので、先ほど私は国有鉄道から資料の提出を求めると申しましたが、会計検査院におきまして提出するようあらためて申し上げます。
○山名会計検査院説明員 ただいま奥村さんから御注意がありましたが、私の方の手落ちでございまして、当然きようは袋に入れて持つて参つたつもりでありましたところが、持つて参つておりませんそうでありまして、はなはだ恐縮でございます。 それからただいま申されましたことは院長にお伝えいたします。物品会計の点につきましては、私どもの検査上も重点事項といたしておりますので、十分の検査をいたしたい念願でございます。
○長崎説明員 三宅委員の物品会計に関するお考えは、私十分御趣旨を体して善処いたします。
○中垣委員長 次に移ります。報告書百九十六ページ、財務諸表、報告番号六六一ないし六六四、財務諸表の表示が的確でないもの、右四件につき一括説明を求めます。三木説明員。
○三木説明員 財務諸表の表示が的確でないものとして四件の報告を受けておるのでありますが、そのうち六六一は、固定資産に計上さるべき資産が貸借対照表に計上漏れになつておるのでございまして、これは私どもの手落ちでありまして、それぞれ所定の手続を了したわけでございます。それから未収金につきまして、連合軍関係の旅客貨物運賃が未収に上げてないということでございますが、これは報告書にも書いております通り、TMRSと照合してから上げることにいたしておりますので、これが翌年度でないと確定いたしませんので、上げてないのであります。 それから東京鉄道局、名古屋鉄道局名古屋管理部、門司鉄道局の未収金の処理がよくないものは、一旦徴收いたしまして、徴収伝票を発行したのでございますが、その後債務者の方で異論がありまして、折衝を重ねて再調定したために、こういう不始末をしでかしたわけでございます。そういうことのないように、これからはやつて行きたいと思つております。 それから六六二の、年度末において未使用の貯蔵品を、使用したこととして経費に振りかえ決算したものが、被服類六億九千六百六十万三千円、石炭一億六千九百二十八万二千四百円、その他を合せて十三億七千三百六十三万円余、こういう推問でございます。被服につきましては、夏服は六月に貸與いたすのでございますが、もちろん検査院の言われるような考え方もございましようし、実際に配給しますのは、もつと以前、年度内に出すような場合もございます。そういうことで前年度に決算したのでございます。二十四年度は、非常に品物の入りがおそうございまして、仕事が遅れたために、先ほど御指摘がありました物が納入にならないのに金を拂つたというのでは絶対に、ございませんけれども、当年当然所要すべき品物が、いろいろな都合で実際に使用されなかつたけれども、決算したというようなものもあるわけでございます。 それから六六三は、帳簿価格の貯蔵品を組みかえて、ことさらに再評価して安くしておるという御推問でございます。三件ございますが、その二つは返納の被服でございまして、戰時中の混紡の悪いものでありましたために、非常に低く評価がえをし、あるいは行政整理がありましたために、非常に返納が多くて、質が悪いもので、それを評価がえしたのでありますが、はなはだ考えようによりましては、年度末の残高を減すために組みかえたというふうに見られるようなものでございます。そういうことはよろしくないと思いますので、今後そういうことのないようにいたしたいと思います。 それから六六四は、検査院の御指摘の通りでございまして、手続が間違つておりまして、正当な経理がなされていなくて、帳簿のつけ漏れでございまして、二十五年度にそれを訂正する手続をいたした次第であります。
○中垣委員長 会計検査院当局の意見の開陳を求めます。
○山名会計検査院説明員 財務諸表は、財政状態、資産状態を的確に表示するについてという見解で述べたものでございましてこれについて特別追加いたす事項はございません。
○三宅(則)委員 ただいま国有鉄道当局並びに検査院からお話があつたわけですが、これは財務諸表でございますから、かれこれ言うわけではございませんが、一般の観点からいたしまして、相当専門家がおるというお話でありましたが、専門家がおりましても、何か命令でこういうふうに来るものでありましようか。突然手落ちがあつたということはあり得べからざることだと思うのですが、どういういきさつですか。専門家がないのかね。
○三木説明員 非常に業務が輻輳したり、あるいは行政整理などで——これは言い訳にしかすぎませんが、そういうことで今がかわつたり、担当者がかわつたりしまして六六四のごときはまつたくそうなんでございますが、ことにうつかり伝票を片方だけ調べれば片方は忘れておつた、こういうことか……。
○三宅(則)委員 私はあまり追究するわけではありませんが、そういうことは官庁だからやるかもしれぬが、普通ではやらぬですよ。今三木さんがお話になりましたような事柄は、まことにこれはごまかしといえばごまかしでありまして、経理局長は常に監督する立場にあるわけではない、もう一人あなたの下に監督者か何かおらぬですか。そういう方にまかせきりであるというのですか。実情を話してください。別にあなたを追究して個人的に私心があつて言うわけではないが、われわれはこういう正不正、なるべくそういうことをさせたくなので、だれが悪かつた、彼が悪かつたというのではない。そういうことはどこに原因するかという点です。監督が不十分といえば不十分だが、責任のなすりつこばかりしているのではいけないから、その点研究しているかどうか、どういうことをしたらいいかということを研究している。そういうことを話してください。
○三木説明員 今財務諸表の点で、一番考えなければならぬと思つておりますのは、在来のやり方が、私もあまり詳しいことは知らないのですけれども、流れ式になつておりまして、アメリカで私が行つて見せてもらつたときには、ジエネラル・ブックというので、簿記を完全に使つて、そこで財務諸表のつき合せが日々できるような仕掛を非常に織り込んでおるように思うのですが、そういう点が自分のところではまだ欠けておるのではないか。そういう点をもう少し研究しなければならぬ。そういうつもりでいろいろ専門家のお知恵もお借りして研究しているような実情でございます。
○三宅(則)委員 山名次長にお伺いしたいのですが、私が言う事柄は事前検査——事前といいますか、なるべく最近の検査、こういうことが必要である。一年も、一年半もたつてからではなくて、四半期ごとに検査する、こういうことがわれわれといたしましては望ましいのですが、会計検査院としては、そういう線に沿つてたとえば四箇月以内とか四箇月過ぎたらすぐ見る、あるいは三箇月過ぎたら見るというような制度にしたいというのが、われわれ決算委員会の委員としての主張であるというふうに思つております。次長はどういうふうにお考えになつておりますか。事件が済んでしまつてから一年もたつて見るのではなく、これは早く見て早く解決する、これがわれわれの会計経理に対する意見であると思うのですが、ひとつ……。
○山名会計検査院説明員 ただいま御意見のございましたように、国鉄の経理に関しましては、ただいまでは当年度内に、できれば翌四半期には経理検査をいたしまして、過誤事項がありましたならば年度内に是正されて、終局決算に誤りのない数字を出したいということで、各方面に相当多数の人を周密に配置をいたしまして、二十五年度の財務諸表検査におきましては、まだ半分しか行つておりませんが、二十六年度は年度内にほとんど過誤事項が整理されるところまで持つて行きたいと思つております。
○奧村委員 ただいまの議案になつておりまする百九十六ページの「財務諸表の表示が的確でないもの」とありますが、その前文に、国有鉄道事業特別会計から引継を受けた備品総額約八億八千万円、これが決算上は簿外品として貸借対照表に載つていない。この自動車、機械、器具、什器、これは当然載せるべきであるが載せていない。批難事項にはなつておりませんが、当然私は載せるべきであると思いますが、なぜ載せないのか。また会計検査院としてはどの程度まで当局とお話合いになつたのか。まず検査院の御意見を伺つておきます。
○山名会計検査院説明員 財務諸表の表示の問題になりますと、大体載せた方が的確ではないかという一つの見解をとつて、ここに記述いたしたものでございますが、国鉄の方といたしましては、この網羅的な調査に非常に手間がかかる。人員不整備であるので、そこまで的確に整理することは事実上非常に困難であるのでというような御意見が、私の方にも開陳されたわけでございまして、私の方といたしましては、財務諸表の観点からいえば、さような点がありましても、できるだけ的確に表示をする方向に推進して行く方が、まず正、不正というまり、財務諸表の本質にかなつた取扱いではないか、こういう意見でありまして、この点はいろいろとそれぞれの流儀がございましようと思いますので、私の方としては、これは三宅さんも言われるように、各会社々々の流儀もございますので、その会社のしきたりとやり方を頭に置いて財務諸表を読めばよろしいという御見解にもなると思いますが、検査院といたしましては、適当な資産勘定を置いた方がよくはないかという見解であります。
○奧村委員 この公社の財産は、いわば国有財産でありまして、これが財務諸表に載つていないということになると、どうなるか。もし財務諸表に載つていないその自動車が紛失した、あるいはそれを不当に売却した、着服したというような場合に、やはり帳簿に載つていないということは、法律上解釈する上において相当困りはしないか。こういう建前から、会計検査院としては、これはその事業会社その他の事情もあろうかということでありますが、この国鉄公社としては載せるべきであると思うが、検査院としてはどう考えるか。
○山名会計検査院説明員 これはここにございますように、やはりそういう方向にできるだけ推進して行くべき筋合いではないか、こういう考え方でございます。
○奧村委員 この国有鉄道の特別会計から、日本国有鉄道公社へ一切の財産を移管することに法律上きまつているはずで、八億八千万円が簿外になつているということは、法律に違反するということになりはしないか、こういうように思うが、法的に見てこれを帳簿外に置くということは、法律上に欠陷が生じはしないか。
○山名会計検査院説明員 その点は、私どもといたしまして、そこまで調べて収支の対象にした方がよかつたのではないかという考え方は、持つておりません。しかし、そうしなければ絶対的に誤りであるというところまで詰めて行くことになりますと、物の種類の段階もございまして、一々の消耗品までというようなことにも、国鉄の方としては、これは資産といつても不動的な資産でもないし、なかなか調べにくいので、さような方向に持つて行きたくはあるが、そこまでは行かなかつたというような事実論の問題でありまして、私の方としては、そこまで行くことが望ましいという問題でございますが、法律上の正、不正とかいうところまで推し進めて行くのは少し困難なような気がいたします。
○奧村委員 どうも私はその辺はのみ込めぬと思いますが、私ども国有鉄道の事業特別会計から国鉄公社へ一切の財産を移すという法律上の規定を詳しくいたしませんので、そこをつつ込みが足らぬことになりますが、それではひとつお尋ね方をかえていたしますと、簿外になれば、これは会計検査院としての今後の検査のわく外になりますか。会計検査院としては、国の債権債務一切をお調べになるはずである。もちろんそれがためには国鉄公社の帳簿上の財産からまずお調べになるのですが、帳簿からはずれた品物はこれは検査のしようがなくなるはずではないか、その点はどう考えておられますか。
○山名会計検査院説明員 おつしやいますように、これは国鉄の資産である限り、私の方では検査をいたしまして、さようなものはできるだけ帳簿に、簿外品から記帳物件にする方向に持つて行つてもらいたいということで、検査の場合にできるだけ帳簿整理をしていただいて、簿外品扱いというものをやめていただく方向に推進をいたしております。もちろん亡失についての責任は国鉄で追究いたされますし、同時に私の方も、決算上は簿外品として取扱われているが、場合によつては検査の仕方が足らないという方向までお進めいたします。
○奧村委員 そうすると会計検査院としては、当然この八億八千万円の簿外品は、資産として国鉄の資産に記帳すべきである、こういうふうに解釈しておられるが、ところが国鉄はそれをしていない。国鉄公社の当局の方の御意見を承つておきます。
○三木説明員 もちろん相当な価格のものにつきましては、決算品でありましても、備品台帳というものを整理いたしまして、そういうものの保管なり管理に遺憾なきは十分期しておるのでございますが、これを正式の会計帳簿の上に載せて整理するのには、相当事務量も張りますし、それから大体私どもは地域的にも広うございますし、あらゆる雑多なものを持つておるのでございまして、実態資本の維持という底から減価償却というものを考えましても、大体古くからある程度のものを持つておりますために、特に償却をしなければならぬというようなことも、年年平均したような決算額で決算して行くことによつて、十分間に合うのではないか。そういうふうで、備品としても保管は完全にやつて行かなければならぬと思いますが、財務諸表に載せるには事務量がふえるという点で考えておるわけであります。
○奧村委員 簿外品を帳簿上に上げるということは、経理上非常に煩雑だということを言われますが、それでは会計検査院の方にお尋ねいたしますが、国鉄公社あるいは専売公社など、公共企業体として新たに発足したものは、すべて公社の財産というものは帳簿上きわめて明確にしていなければならぬ。たとえば民間会社でいえば、自動車を買つても、わずかな機械はめんどうだから帳簿に載せぬなどということは、民間会社では通りませんが、専売公社はどういうふうにしておるか。国有鉄道だけでなしに、政府の関係機関の公共企業体は、みなそういうふうに、めんどうだから自動車などは帳簿上に載せておらぬということで通つておるのかどうか、その点をお伺いいたします。
○山名会計検査院説明員 ただいまの専売公社のものがどの程度の数字でどうなつているかということは、御質問でございますので、次の機会に御説明申し上げたいと思いますが、まあできるだけ載せた方が正確であるということは、財務諸表上の問題では間違いないことであります。ただ資産が一切財務諸表に載つていなければならぬという、そこまで追い詰めて行くかどうかの問題でございますが、私の方といたしましても、機械類、自動車及び主要な什器は資産勘定に載せてはつきりした方がよくはないかというので、一切の資産がすべて財務諸表に載らなければならぬというところまでは追い詰めにくいのではないかと思つております。
○奧村委員 それではもう一つ観点をかえてお尋ねいたします。自動車や機械など、この簿外品として扱つているようなものを今後国鉄が買い入れた場合、これはいかなる記帳をするか、全部経費として落すのか、その点をお尋ねいたします。
○山名会計検査院説明員 この点は、大体経費として落す程度のものではございませんで、相当期間これは使用に耐え得るものということになりますれば、これは資産として順次償却して参りますので、それはもちろん財産カタログに載りますし、ものによりましては工事勘定そのほかのところで固定資産に振りかえ計上するというような措置になろうかと思つております。
○奧村委員 そうすると、これから買うものは帳簿に載せる、今まであるものは帳簿に載せない。そうすると、国鉄が今年も相当の自動車を入れましようが、帳簿に載つておらぬ自動車と帳簿に載つておる自動車とできて来る。その場合に会計検査は、備品と照合する場合にいかなる調査ができるか。やはりこの点は、どうしても自動車としては載せるべきであるという場合は、全部載せなければ、経理の検査はできぬはずであるが、その点どうお考えになるか。
○山名会計検査院説明員 貯蔵品扱い、そのほかの点では、きわめて明確になりますし、爾後のものについても、同様別の帳簿を作成しまして、自動車台帳というような形で整理が行われているのでございます。
○奧村委員 これは本日始まつたので、いずれまた調査の上質問することにいたします。
○山名会計検査院説明員 先ほどの六五三号の資料が手元に届きましたので、お許しがありますれば追加御説明をいたします。
○中垣委員長 許します。
○山名会計検査院説明員 これは三三〇号の批難になつておりますが、売り拂いましたものは一括数量で六百六十箇でございますが、六百六十箇のうち他の三百三十箇は、中止命令の参る以前に発注したものでございますので、検査院といたしましては、中止命令のありました以後の箇数だけを批難の対象にあげております。従つて、入札をされました数量は、六百六十箇で入札予定価格が算定され入札が行われておりますので、総体の数字について申し上げなければならぬのでございますが、まず公入札に参加いたしましたのは、京三製作所と、藤井義久という東京都台東区西黒門町十四番地の人と、それから、本多倉吉という人、これは足立区千佳緑町二番地の人でありますが、この三人の入札で、京三製作所が最高価格だということで、京三製作所に落札決定になつております。なお、予定価格の算定は、いずれも銑屑、鋼屑、銅屑、電線屑、軽合金屑ということで、六百六十箇の予定価格の算定になつております。
○中垣委員長 本日はこの程度にいたしまして、残余の日程は次会に延期し、二月六日は特に国有鉄道関係の残りを審議したく存じます。本日出席いたされた関係者のほかに、会計検査院よりは検査院長の出席を求めております。そのほかに、昭和二十四年度運輸省所管国有鉄道の事業の引継ぎに関する貸借対照表でありますが、貸方調整勘定二十七億千六百余万円につきましては、当局に資料を要求中でありますが、その提出がいまだございません。この資料が提出され次第審議することにいたしたらよろしいと存じますが、御了承願います。 本日はこれにて散会いたします。 午後三時五十分散会