議院運営委員会 第65号
- 発言数
- 55 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1952/06/20
会議録
○石田委員長 それでは本日の議院運営委員会を開会いたします。 本日議院運営委員会がお約束した時刻より遅れました理由は、御承知のごとく会期が本日をもつて切れるのであります。そこで、前回、常任委員長会議において決定したことを御報告申し上げました通り、本院といたしましては審議すべきものは一応審議を終つたのでありますが、本院が審議をいたした議案につきまして、参議院においてまだ審議結了しない重要法案が多数ございますので、参議院側における会期延長の要請があるかどうかというような状態を見るために、現在まで待つておつたのでございます。しかしながら、現在に至るまで参議院側から何らの通告に接しません。従つて本院が審議をいたして参議院に送付いたしました議案のうち、重要法案も相当たくさんあるのでありますが、それが現在のまま審議が未了に終るという状態で会期が終了してよいかどうか、本院といたしまして独自の判断をすべき時期に到達いたしたと存ずるのであります。御参集を願つて最初にお諮りを申し上げたい件は、この件であります。
○椎熊委員 本院は、法案に対して相当の慎重なる態度を堅持しつつも、責任は果しておるのです。ただいまの委員長の発言によると、参議院においていまだ審議結了しない重要な案件がたくさんある。それなるがゆえに、その問題について御相談するというのは、一体他院の行動に対しわれわれが責任を感じて何か考えなければならぬのでしようか。
○石田委員長 私に対する御質問でありますから、お答えを申し上げますが、他院の行動に対して干渉するとかなんとかいうことではないのでありまして、本院が審議をいたしました案件の運命については、本院自身の責任において解決しなければならぬ問題が多いと思うのであります。従つて、本院自身としてどうしなければならぬかということをお諮り申し上げるのであります。
○椎熊委員 本院は、本院に与えられたる権限において、本院がなすべき行動を正常の状態において完了しておる状態において、今あなたのおつしやることだと、参議院が重要法案が結了していないからということだが、そのことは、私どもは考える余地がないじやないですか。少くとも責任はないのじやないですか。あなたのお話だと、それを考えるのに責任かあるようなお言葉だが、それは両院の建前から言つて、そういうことは干渉してはならぬことだし、もし参議院の議長から当院の議長に対して、参議院がこういう状態だから、衆議院においてはこれに同調して、こういうことをしてくれないかというような交渉でもあつたとすれば、その際われわれは、当然両院の建前であるわが国の憲法下においては相談してもいいことだが、何らの話合いもないのに、そのことをかつてに臆測をたくましゆうして考えなければならぬことがあるかどうか。
○石田委員長 私が皆さんにお伺いしておるのは、そういう状態について各派はどう考えられるかということを伺つておるのであります。
○椎熊委員 各派の意見なら言います。
○倉石委員 各派の意見なら、こつちから言います。
○石田委員長 それじや、順次各派の御意見を伺いたいと思います。倉石忠雄君。
○倉石委員 私どもは、ただいま委員長が言われました事柄について、まつたく同じ考えを持つておる者であります。われわれは他院に対して干渉しようというわけではありませんが、申すまでもなく両院の制度でありまして、われわれが送つた法律案について、参議院側が、これに対してあるいはそのまま賛成をされる案もあるでありましようし、または異なつた議決をされる場合もあるでありましよう。われわれはその法案の成立を希望しておる立場から、従つて異なつた決定をされたような場合には、両院協議会ということも考えられることであります。両院協議会を開いて法案の成立を希望するということも、われわれに与えられた職責の重大なる役割でありまして、従つて私どもといたしましては、ただいま主として参議院にかかつておる法案のことでありますけれども、その結果を待つという意味で、私どもは大体向う一週間——来週一ぱいの会期の延長をしたいという提議をいたしたいと思います。
○椎熊委員 どうも私、倉石君の話は納得ができないのです。現実の問題とじては、私どもはわからないわけじやないのです。われわれは、当院に与えられたる案件等を処理したから、それで全部あとは野となれ山となれ、どうでもよいという感覚じやない。当然議員たるの職責において、あの法案の成行きについて心配しておることは同じことです。けれども、おのずから両院の権限が違つておつて、しかも現在問題になつておることは他院のことなんです。その審議結了しておらぬ他院からは、本院の議長にもまだ成規の手続における慣例上からの何らの交渉もないのに、先走つて、われわれ議了した案件が向うでひつかかつておるから、こつちは一週間待つてやろうじやないかというようなことは、会期延長をきめるルールの上においても、そういうことは前例にもないのです。法規はどうあつたにしても、それはきめればきめられないことはないかもしれぬけれども、そういう前例を無視したやり方をしないで、まだ時間も相当あることだし、参議院の議長から相当の交渉は必ずありましよう。それを受けて立つて、それで、こうしましようという相談をすべきが当然ではないでしようか。
○石田委員長 先ほど倉石君から、「来週一ぱい、すなわち、八日間延長したいという御発議がありました。それは国会法第十三條に基く御発議と私は解します。従つて、この取扱いについて各派の御意見を伺いたいと思います。
○椎熊委員 まだそこまで行つていないのです。しかし、各派の意見を聞くというのなら、各派の意見を述べなければならぬ。
○土井委員 ただいま倉石君の方から、一週間延長しようというような御意見等がありましたが、これは実際上の建前から申しまするならば、参議院の方で、目下衆議院から送られました案件の審議の最中でありまして、本来参議院がどの程度今後法案を審議するために日数が必要であるかということを、今参議院の議院運営委員会においてはそれぞれ協議を進めておるさ中であります。従つて私たちは、参議院に送られた案件が、参議院の議運の関係から、どのくらいの日数があれば審議かできるかということを、参議院は独自の立場でやはり協議されて行くと思うのであります。従来会期延長の問題等につきましては、あるいは会期延長ばかりでなくて、会期を何日間にきめるかというような事柄につきましても、両院ができるだけ一致することを前提といたしまして、しばしば両院の運営委員会の合同協議会というようなものも開いた事例があるわけであります。従つて私たちから言わしめますならば、参議院がいまだ何日間の延長が必要であるということを言つて来ておらないのに、国会法の第十三條によつて、衆議院の一方的な議決によつて会期の延長をするというようなことは、両院の将来のためにも必ずしも当を得たものではない。ある一定の時間を待つて、なお参議院の方で何らこれに対して返答がない、あるいは協議を申し出て来ないというような段階に立ち至る場合ならば、これはいろいろ考えて行かなければならないような場合もあり得るかもしれない。しかし、向うは今会期の問題でやつておるのです。それにもかかわらず、向うかきまつて来ないのにかかわらず、こつちだけが十三條に基くところの会期の日数を一方的に決定するということは、これは私はあまり当を得た措置じやないと思う。この点は、お互い両院の将来のために十分考慮する余地があると思う。
○石田委員長 私がこの問題を発議いたしましたのは、すでに時刻も午後五時半に立ち至つております。従つて、参議院の状態について一応の見通しを持つべき段階であると考えて、現在まで待つておつて、そう考えてお集まりを願つたのであります。各派の態度を順次伺います。竹村君。
○竹村委員 聞いておりますと、大体委員長は、衆議院から送付した案件が参議院に相当ある、しかもこれが解決されることを希望するから、従つて会期延長をしなければならぬ、こういう御意見であります。そうなれば、問題はやはり参議院が案件を議了でき得る日数というものは、おのずから参議院がまず先にきめるべきです。従つて、それからこちらへ申し込まれるのでなければ、議論することができない。なぜなら、向うでは何日間において、たとえば一週間か十日か二十日か知りませんが、案件を議了する日数をきめるのは、こちらの方じやなしに、向うがきめる。従つて向うがきめて、それから申し込まるべきものであつて、こちらから先に一週間で議了せよ、こう命令的に参議院を圧迫するようなことは賛成ができない。従つて、少くともまず参議院の議長から衆議院に申し込まるべきものであつて、その後において日数の問題を問題とすべきであると考えますから、そういうふうに取扱いをしていただきたいと思います。
○田中(織)委員 論拠は大体椎熊君、土井君、竹村君と大同小異でありますが、この段階において、会期延長の問題を、両院の関係において何らかの解決をしなければならぬ段階に来ておることは、私はよくわかります。しかし参議院の方としては、現在会期延長の問題について、せつかく参議院としての意見をとりまとめるために努力中の段階であると思いますから、私は、もう少し参議院側の会期延長に対する方針が固まるまで、衆議院としては待つべきじやないかと思います。その点については、与党の諸君として、会期延長の問題について真劍な立場に現在置かれておることは、私はよくわかります。よくわかりますが、何がゆえに参議院の議がいまだにまとまらないかということについては、漫然原因がないままに参議院が遅れておるわけでは断じてないと思う。その意味において、むしろ与党の諸君において、両院を通じて国会の運営の観点から、この会期の問題を……。
○石田(一)委員 発言中だが、重大な問題がある。
○石田委員長 発言中であります。新事態が発生して議事の変更をするときは、委員長が変更いたします。
○田中(織)委員 会期の延長問題について与党の諸君が真劍に考えることは、これはわれわれよくわかる。兼だから、何がゆえに参議院がけさからこの問題ととつくんで、いまだに会期延長の問題について参議院一致の意見が出て来ないかということについて、参議院の結論を出させるべく、障害になつておる問題があれば、与党の力によつてそれを解決するなりして、国会の運営を軌道にもどす形において、これはむしろ与党の方で努力すべき問題が私は残つておると思うので、この段階においてわれわれがきめるべきではないと思います。 〔「その通り」と呼び、その他発言する者多し〕
○石田委員長 岡田春夫君。
○岡田春夫君 論拠はあらためて言う必要はないのだけれども、石田委員長が今発言を許した限りにおいて聞いてみたい。ともかく新事態が出ようと何であろうと、実際に与党の諸君と委員長が一緒に相談の上で、こういうことを一方的に押しつけようというような考え方で進んでおつたとするならば、これはきわめてわれわれ遺憾だと思う。しかも幸いにして、この越権行為が新事態によつて委員長の失敗にならずに助かろうとしておる状態なんだから、今まで誤つた行為を犯そうとしておるならば、この際十分に御反省を願いたいと思います。
○石田委員長 ちよつと私から申し上げておきますが、あなたはたいへん心理学者か何かのようで、私の気持の奥の中まで御想像のようでありますが、私は何も一定の目的をもつてこれを強行しようなどというのではございません。私の判断といたしましては、現在のままの状態に置かれましたならば、あるいは衆議院が議決した議案が、会期も終つて審議未了になるかもしれない、そういう事態を衆議院としてはどう考えるかということを皆様方にお諮りをしておるのであつて……。
○椎熊委員 それなら別な意見がある。
○石田委員長 順次伺つておるのであります。他に御発言はありませんか。
○岡田春夫君 委員長が労農党に珍しく発言を許したのであるから、この際ゆつくり私は言いますが、今最初にあなたは、こういう事態に対して各党の態度はどうであるか伺いたいということを聞かれながら、その次の議題としては、倉石君の、一週間の延長を国会法第十三條によつてどういうように扱うか伺いたい、こういう二つの点を一緒に混乱さして議題として取上げられているということ自体が、委員長の考え方が誤つておると思う。
○石田委員長 いや、そうではございません。倉石君は一週間というお話でありましたから、それは国会法第十三條の規定による発議ではないか、こういうことを申したのであります。 ただいま衆議院の議長から発言を求められておりますから、これを許します。
○林衆議院議長 ただいま参議院議長の佐藤さんから、会期の延長を確定いたしたということと、それから日数の関係は十日間、それからなお向うの方の希望としては、さらに再延長はしないということを議長にくれぐれも希望を述べられて、そうきまつたという申出がありました。
○石田委員長 会期の問題につきまして、参議院議長からただいま申出がございました。まつたく新しい事態でございます。従つて、ただいま参議院議長からの中出を議題といたします。その申出について各派の御意見を伺います。 〔「取扱いが違う」と呼び、その他発言する考多し〕
○石田委員長 静粛に願います。倉石君。
○倉石委員 私が発言を許されました。 〔発言する者多し〕
○石田委員長 静粛に願います。倉石君に発言を許しております。 〔「その前に動議が出ておる」と呼ぶ者あり〕1
○石田委員長 勅議として取扱つておりません。
○倉石委員 私、先ほど来週一ぱい会期を延長してもらいたいと申し上げたことは、ここに撤回をいたしまして、(「それならよい」と呼ぶ者あり)参議院側が十日間の希望であるならば、私どももそれに同調いたしたいと存じます。
○椎熊委員 私は、会期延長の問題がここで初めて議題となり得ると思う。あなた方いくら多数でも、そういうことを無理に強行して、国会法たどを蹂躪するよりな悪例をのこしちやいけない。会期の延長というのは、ちやんと規定があるのです。両院の議長が協議して、常任委員長の意見を聞いて、しかる後院議できめるということが規定にある。それをも無視して、ただいま瞬備前までは、かつてに向うの事情を想像してきめようとして、一週間の発言までした。そういうことは撤回されたから、悪例にならないということは国会のために喜ぶべきことだと思うけれども、今後は無理をしない方がよい。そういう相談が来たときは、どういう結果になるかということがわからないで言つておるわけじやない。無視したいようにするがよい。 〔発言する者多し〕
○石田委員長 静粛に願います。御発言をお続け願います。
○椎熊委員 そこで意見を聞かれたから意見を言います。 まず結論から言うと、私どもは会期の延長に反対いたします。そこで反対する理由を、私は申し上げてみたい。第十三国会は、さきに第一回には一箇月の会期の延長を、私どもはあなた方に協力して、何らの反対的意見を交えず、これはやむを得ないことであろうと思つて賛成した。賛成した理由は、当時日本はまだ占領下にあつて、政府が出して来る法案等は一々GHQのオーケーをとらなければならぬという情ない状態にあつた。政府の怠慢もさることながら、そういう至上命令があつたために、思わしく法案が出て来ないという事態をもわれわれは諸君とともにひとしくこれは認めた。従つて、この状態はしかたないじやないか、そのうちに平和條約の発効の日も確定しており、自主独立の日が近きにあるのだから、それまでは一箇月延長はやむを得ないということで、私どもは賛成した。しかるに一箇月延長いたしましても、前の影響がそれにも加わつて、なお重要案件を審議結了することができないということで、二週間の延長となつて今日に至つた。しかるにこの二週間の延長を私どもが認めた以後における政府並びに与党の法案審議に対する態度というものは実に支離滅裂なんです。政府を擁護しなければならぬ立場にある与党すら混乱状態じやないですか。政府内閣が責任をもつて出した重要法案に対して、与党内部ではこれに反対したり、また野党、与党の多数が出した議員提出の法律案を、政府からしかられて、審議のルールをかえたり、そういうことによつて法案を渋滞せしめておることが、今度の会期切れの重大なる影響になつておるのです。現に参議院で問題になつております現政府成立以来の国民に対する公約であるところの行政機構改革の問題のごときは、その重大なる問題でありますが、これなども、あれほど政府が責任をもつて出したものを、与党内部であんなふしだらなことさえしなければ、もつと早く参議院に行つておる。そうしてすつきりした態度であるならば、野党が反対するといえども堂々として闘うことができて、今ごろは通過しておつたかもしれぬ。従つて、今日この状態になつても政府提出の重大法案が審議結了に至らないということの責任は、主として与党と政府との緊密なる提携がなかつたということが一つ。与党内において政党としての統制が撹乱されたということが一つ。それがその原因になつておるのじやないか。しかも政府においては、自信ある行動を国会に対してとることができず政局担当の能力を欠いたということが重大な原因になつておると私は思う。それなるがゆえに、諸君は与党でありながらも、この内閣を誹謗する与党の議員さんさえもできて来たじやないか。こんなことは政党内閣としては醜態なことなんだ。それが結局会期延長ということで、他党にまでも迷惑を及ぼす結果になつておる。私は現段階といたしましては、政府はすべからく現実の状態を直視して、みずから退陣するか、しからずんば国会を解散して国民の輿論に問うべきです。われわれは、今参議院で問題になつておる重大法案の大部分には反対の立場をとつており、通過しないことが国民のために利益だと主張しておる一派なんです。従つて、会期が切れて審議未了になるのは、むしろ国民のために望ましいとさえ考える。この私どもの考えからすれば、政府は政局担当の能力なし、与党はこれを擁護するの熱意なし。そうして今日のごときも、会期を延長するという重大なる問題を控えて、総理大臣は何と言つておるか。疲れたから国会には行かれないと言つておる。そのために、今朝から参議院の運営委員会はあの通りもめておるのですよ。命がけでも来なければならぬ重大時期に、疲れたから自分は晝寝してもいいというような考え方は自主独立の日本再建のために決して役に立つ総理大臣とは私は思われない。断固こういうものは国民の前に桂冠すべきであると思う。しかも、与党内部にもそういう空気が高いではないか。現に吉田内閣の余命というものは、鳩山さんの血圧の上下によつてぐらついておるという状態である。そんた内閣が何で国民の信頼をつなげるか。
○石田委員長 権能君に御注意いたしますが……。
○椎熊委員 注意は何でも伺いますが、そういうことで会期を延長せしめて、われわれに迷惑をかけるということなんですけれども、しかも絶対多数を持つ与党でありながら、あの出席の悪いことは何です。このぶざまは国会全体の不信用を来しておる。国会自体の国民からの信頼をつなげないという状態である。これは一刻も早く国会を解散して国民に信を問うて、新たなる構成をもつて国政を論ずるのが常道である。だらだら一週間だ十日だといつて延ばす。そうして今度は、十日以上延ばされては困りますという條件を付せられるなんて、衆議院の議長がそんなことの相談に応じてわれわれに諮問しておるいう状態は、私ははなはだ不見識なことだと思う。よつてわが党は、本会議でこの問題がもし論議されれば、まだまだ詳細なる議論をもつてこれに反対したいと思います。とりあえず議院運営委員会においては、わが党は会期延長すべからず、反対でございます。
○土井委員 ただいま会期の延長問題につきましては、椎熊君から長々と反対の意見が開陳されたのでありまして、別してこれにつけ加える必要はないと思いますが、わが党の立場といたしまして、会期の問題につきましては、当初三十日のときには、椎熊委員と同じような気持で、これに対して何らの異議もなく賛意を表したのであります。第二回の会期延長の十四日に対しましては、この会期十四日という建前は、衆参両方に付託されておる議案がそれぞれ審議される見通しの上に立つて決定されておるのかどうか——言うまでもなく、第二回の会期延長の場合におきましても、与党はそれぞれ常任委員長会議において、各委員会に付託されておる案件の審議状況などを十分に調査し、研究した結果の決定であると思われるのであります。その際私から、当委員会におきましても、十四日の町延長に対しては、これもやむを得ず賛意を表するけれども、さらに第三回の延長をいたしますことについては、わが党としては絶対賛意を表するわけには行かないということを明確に発言いたしておるのであります。しかるに今回さらに、先ほど倉石君は一応一週間の会期延長の動議は取消されましたが、その一週間延長の動議を提出するところの真意は参議院の方では、会期延長に対しては、時間的に考えてとうてい円満に結了する運びにならないだろう、これではいけないというので、与党の諸君は陣列をちやんと整備して、多数によつて、国会法第十三條によつて一方的に会期の延長をしようとする強引な作戦に出たことは明白なことである。ところが、時あたかも幸にいたしまして、参議院の方から会期十日間延長をしてくれというような協議の結果をもたらして来たので、やや胸をなでおろしたという形に見えるのであります。
○石田委員長 結論をお急ぎ願います。
○土井委員 しかし、この点について申し上げますならばこれは実際上の問題として、あくまで建前は両院の議決によつて行うということであつて、やむを得ざる場合に第十三條が適用されるのであります。従つて一方的に、衆議院が多数であるからというような建前で強引に押し切るがごとき態度で、常にちらほら衣の下からよろいを見せるような作戦をすることは、当を得たものではないと思う。この点については、多数党も十分謙讓な気持をもつて国会の運営に当り、また国会法上のルールを尊重するという建前がぜひ必要であろうと思いますので、一応この点につきましては警告を発しておきます。 さらに、会期を延長したければならないことの理由に対しては、私は、まず第一には総理大臣の国会無視の態度を上げたい。(「その通り」)これはしばしば言われておることでありまするが、吉田内閣ができましてから約三年有半の歳月の間において、国会は何回も開かれておりまするが、この長い国会が開かれた会期中において、吉田総理が一体何回国会に出て来ておるか。しかも、各委員会において総理の出席を求めた場合においては、所労ということによつて事実は出ない。ところが所労と言つておるにかかわらず、たとえば翌日の新聞を見ますると、銀行の合鍵などには堂々と出て大演説をぶつておる。これでは総理大臣が所労ということを裏づける理由はない。(「それは翌日だ」と呼ぶ者あり)それは、からだのことであるから、急に惡くなるということも言い得るかもしれぬが、実際上の問題としては、所労と言いながら銀行の集会に出て大演説をぶつておる。これは明らかに国会を無視する態度である。民主主義議会は、総理大臣が政権を担当して国政を運営する限りにおいては、国会を重視し、自分の、身命すべてを国会に投ずるというぐらいの気魂がなくて、何でこの難局を切り拔けることができるか。何で日本の再建ができるか。ここに、先ほど椎熊君が言われたように、いわゆる党内においても非難ごうごうたる声が勃然として起つて来た理由がある。もし総理大臣が国会に出まして、それぞれの委員会において一生懸命に努力したならば、衆参いずれもスムースに法案を審議して、予定内の期間にこれを議了することは十分できたはずだと思う。まずこれが第一です。 その次には、各閣僚がきわめて不統一である。たとえば、閣僚の間において常に答弁の行き違いを来しておる。答弁の行き違い等によつて、その委員会では、それではその行違つた点の事実を確かめなければならぬというので、また次に他の大臣をひつぱつて来る。そのためにいたずらに時間を空費して、法案の成立を遅らせておるという事実がしばしばある。そういうことは、本国会においては再三再四にとどまらない。いわゆる各閣僚の不統一並びに国会に対する不熱心、これがやはり会期をこういうようにだらだらにしたところの大きな原因である。 それからもう一つは、法案提出に対する技術的な拙劣さである。もとより占領下に置かれておる場合におきましては、それぞれGHQの了解を得なければならないということでありまするが、しかし実際上の問題から言いますると、GHQの方からは、独立が目前に追つておるという建前から考えまして、非公式ではありまするけれども法案等につきましては、中一日だけの猶予を置くならば、あとは自動的に承認されたものとして出してもよろしいという内諾を与えておるのでありますから、元のように一々法案に対して向うから苛酷な制肘を受けることはなくて済んだのであります。ところが法案の出し方を見ますると、非常に拙劣である、ことに重要法案になればなるほど、会期末をねらつて出して来る。会期がなくなるようなときに出して来る長い間審議を要するような重要法案を、会期切迫のときに出すというようないわゆる不熱心であるということと、不誠意であるということと、同時に、技術的拙劣であるということ、こういうような点が会期延長をせざるを得ない大きな理由である。 それからもう一つは、定足数の問題である。定足数が欠けるために、しばしば本会議が流会のような形になる。そうして緊急上程をしなければならないようなものが翌日にまわされたり、あるいは途中で切られたりしている。こういうことが、自然会期を延長せざるを得ない原因をなしておる。要するに、衆議院から参議院に送付するのが遅れたということなんです。これはかかつて吉田内閣と与党である自由党の責めに帰さなければならない。われわれ野党としては、はなはだ迷惑しごくであります。従つてこういう事柄について、将来再びこういう轍を繰返すことのないように、多数党である諸君が十分にやはり努力してもらわなければならない。 この意味におきまして、わが党は会期延長には絶対反対であるということを明確に表明しておきます。
○石田委員長 梨木君。——同一趣旨の御発言はなるべくお差控えを願います。
○梨木委員 私どもも会期延長には反対であります。会期の延長を望まれる自由党の諸君の御意見によりますと、衆議院が議決して参議院に送つた重要法案の成立を期する意味においてということでありますが、参議院に送られた重要注案、特に破壊活動防止法案、その他労働三法の改悪、それから警察法の改正あるいは地方自治法の一部改正などの法案が、実は参議院に山積しておるわけでありますが、これらの法案は、すべてわが党としては反対いたしたものでありまして、この成立をわれわれは希望しないのであります。従いまして、会期を延長しないことによつて、わが党の主張が貫徹されることに相なるのでありますから、まずこの点から、われわれは会期の延長に反対するのであります。 それから第二番には、自由党の諸君の議院運営の実情を見ておりますと——実際定足数が満たされないで運営されおる。特にわれわれが得た情報によりますと、これ以上会期を延長しても、定足を満たして議事を運営して行く自信がないとさえ与党の内部からも言われておる実情であります。こういう状態で、憲法並びに国会法、衆議院規則に基いた成規の議院運営は、実際は期待できない実情にあると思うのであります。 第三番目には、今日特に吉田内閣の希望しておるところの破壊活動防止法案、これは本日会期が延長されなければ、本日で終るはずであります。ところがこれも聞くところによりますと、二十三日の参議院の本会議にかけることになつておるそうであります。これを二十三日の本会議にかけざるを得なくなつたのは、吉田総理が参議院の法務委員会に出席しなかつたことが重要な理由になつておる。 これを総合して考えますと、まつたく与党並びに政府の責任であると思うのであります。与党並びに政府の責任によることに対してわれわれが会期を延長しなければならない何らの理由も発見できないのでありまして、以上によりまして、われわれは会期の延長に反対いたします。
○石田委員長 小会派の代表として、どなたか御発言がありますか。
○田中(織)委員 会期の再々延長はわが党としては反対であります。反対の理由については、野党の他の委員諸君からすでに申し述べられた通りでありますが、特に政府のいわゆる重要法案というものは、相当審議期間を残して参議院に送付されておるのであります。これらの法案の中には破壊活動防止法案、労働法関係の法案、行政機構の改革に関する問題等、いずれもわれわれが反対をいたした法案が多数あるのであります。参議院が今日までこれを議了しないということは、この成立を望まないという国民大多数の意向を反映したものとわれわれは見るのであります。本日をもつて予定通り会期が終了することによつて、これらの惡法案が不盛になることは、われわれの態度と一致するのでありまして、これが会期の延長はすべきものでないという理由のまず第一点であります。 衆議院関係について現在審議中のものを見て参りますと、これまた参議院から相当の日数を置いて送付された教育委員会法等の一部を改正する法律案、あいるは両院の全会一致の議決によつて行われた簡易生命保險等の積立金の運用に関する関係法案が、なお委員会で塩づけになつておる。ことに議員提出の法案で、全会一致で提出されておる農林中央金庫法の一部を改正する法律案等の問題は……。 〔発言する者あり〕
○石田委員長 静粛に願います。
○田中(織)委員 これは与党の方で今日まで塩づけにされておる実情です。そこで衆参両院の与党の都合で会期の延長をやらなければならぬということになれば、審議渋滞の責任は、あげて与党並びに政府が負うべきである。 そういう意味合いにおきまして、われわれは、現在の段階において会期を三たびも四たびも延長して行くことに対しましては、絶対に反対であります。
○石田委員長 この際、椎熊三郎君から議事進行の発言を求められております。簡単に願います。
○椎熊委員 大体各党の意見がそれぞれ吐露されたようでございます。委員長の先ほど来の行動を見ておると、結論を急いでおられるようでありますので、採決でもしそうな形勢にあるように思われる。これは非常に重大な問題で、私どもここへ出て来て、突然こういう報告を受けても、出先ですし多少の責任を持つておりますから、反対の意思表示はしたのですけれども、この問題は非常にデリケートな問題でもあるので、党に帰つて首腦部との間に打合せて来なければならぬ。この際、長い時間はとらせませんから、暫時休憩を願いたいと思います。
○石田委員長 この際休憩の動議が出ておりますが、休憩に反対の諸君の挙手を願います。 〔反対者挙手〕
○石田委員長 挙手多数。休憩はいたしません。従つて、参議院議長の申出を本日の本会議の劈頭に上程する賛成の諸君の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○石田委員長 挙手多数。よつて、さよう決定いたします。 次に、参議院議長の申出の件の本会議における取扱いについてお諮りをいたします。この取扱いはいかがいたしますか。——議長の発言に対して、まず最初に採決その他の方法についてお諮りいたします。
○椎熊委員 事はすこぶる重大な問題でありますから、記名投票を要求いたします。
○石田委員長 では、採決は記名投票によることにいたします。 別に発言の申出はございませんか。——発言の申出なしと認めます。 〔発言する者多し〕
○石田委員長 本会議は六時三十分に、いかなる事情があろうとも開会をいたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後六時八分散会