外務委員会 第21号
- 発言数
- 164 件
- 登壇者
- 13 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1952/04/26
会議録
○仲内委員長 ただいまより外務委員会を開会いたします。 日本国との平和條約第十五條(a)に基いて生ずる紛争の解決に関する協定の締結について承認を求めるの件を議題といたします。本件に関する質疑を許します。黒田寿男君。
○黒田委員 ちよつと簡單に二、三点お尋ねしたいと思います。 日本国との平和條約第二十二條では、同條約の解釈または実施に関する紛争の解決について、特別請求権裁判所へ付託、または他の合意された方法によつて、というように平和條約ではなつておりますが、この協定案は他の合意された方法によるという、その方法を設定するものということになるのでありましようか、その点をお聞きしてみたいと思います。
○西村(熊)政府委員 その協定は、黒田委員の御指摘の通り、その他の方法として協定されたものでございます。
○黒田委員 その点わかりました。それでは次にお尋ねしますが、そういたしますと、このような方法で紛争を解決するということは、性質といたしましてどのようなものになるのでありましようか。たとえば仲裁裁定をするというのでもないようでありますし、そうかといつて普通の裁判の方法でもないようでありますし、何か特別な解決方法というようなことになるのかと思いますが、既成の観念からいたしますと、どういうものに当てはまるのか、それともそういうものに当てはまらない何か新しい解決方法であるのか、その点についてお尋ねしておきたい。
○西村(熊)政府委員 先方の考え方は、裁判所という方式で行きたいということでございまして、この趣旨の提案を昨年の二月以来受取つておる次第であります。ですから特別請求権裁判所という方式で行きたいというのが合衆国政府の意向でございます。それに対して日本政府の立場は——この問題は要するに補償の額が妥当であるかどうかという問題でございます。米国提案では、ヘーグの国際裁判所の所長が中立国人から任命する裁判官をもつてする中立法廷を十年間設定する。そうしてその経費を全部日本が負担する。その裁判所にかけて紛争は解決する、こういう案であつたのであります。それに対して私どもが申したことは、今申しましたように、この問題は補償の額が妥当であるかどうかということであつて、いわば裁判官をもつて判定せしむるのは妥当でないと思う。むしろ裁判官であるよりも、法律素養もあると同時に、経済、財政の面の知識もあるわ、かつ国際紛争でありますから、国際的視野を持つておるもつと常識の広い人、実際的な人をもつて構成する委員会をつくつて、その裁定にまかせるのが一番妥当であるということで行きまして、先方もこちらの考え方を入れて混合委員会ということになつたわけであります。この混合委員会の性格ということになりますが、これは国際紛争の平和的処理方法の一つとして外交交渉、調停、和解、それから仲裁裁判、司法的裁判などを並べまして国際委員会という方式が普通掲げてあります、その国際委員会とお考えくださればいいと思います。国際委員会というものを設定いたしまして紛争の解決をはかる場合にも、その当事国の協定によつて、どういうことまでを国際委員会にやらせるかということは、自由に協定できることになつておるわけであります。事実審査だけにとどまることもありますし、解決についての勧告を作成する権限を付與したこともありますし、今度のようにいわゆるその決定をもつて最終の解決として受諾しようという点までも合意する場合もあります。でございますから国際紛争の平和的解決の一つとしての国際委員会である、こうお考えくださればよろしかろうかと思います。
○黒田委員 もう一点お尋ねいたします。この協定案によりますと、この委員会の決定を最終的であり、かつ拘束力を有するものとして認定する、要するに最終的なものとするという構想になつておるようであります。平和條約第二十二條を見ますと、「この條約のいずれかの当事国が特別請求権裁判所への付託又は他の合意された方法で解決されない條約の解釈又は実施に関する紛争が生じたと認めるときは、紛争は、いずれかの紛争当事国の要請により、国際司法裁判所に決定のため付託しなければならない。」というようになつておりまして、條約の内容からいたしますと、このような委員会である決定がなされましても、なおかつさらに上級段階といたしまし、国際司法裁判所があり、それに上訴してその決定を求めることができるという道が開かれておるように思いますが、この協定案によりますと、この委員会の決定が最終的なものである、こういうふうになつております。何か特にこれを最終的なものにしてしまわなければならない特別な事情があるのでありましようか、その点をちよつとお聞きしておきたいと思います。
○西村(熊)政府委員 この協定によつて設立されます混合委員会の決定をもつて最終的とする次第でございまして、第二十二條によつて国際司法裁判所にさらに上訴するという道はございません。これが最終的段階でございます。この方式をとりましたのは、先刻御説明申し上げましたように、問題は要するに戰争の結果受けた財産上の損害に対して日本政府が補償をする、その補償額が妥当でありやいなやについての争いでございますので、純粋に申し上げますれば法律問題はありません。むしろ妥当な補償をするというその評価が、妥当であるかどうかという衡平の観念といいましようか、技術的な面といいましようか、そういうふうな面の争いでございまして、へーグの裁判所のように純粋に国際法上の法律的紛争を解決するのが主たる目的でもつて設立されており、裁判所に持つて行くのにはきわめて不適当な事件でございます。その点は関係国もわれわれと全然同意見でございまして、この合同委員会の決定をもつて最終的なものとする、その点については当初から異見はざいませんような次第でございます。
○黒田委員 政府はそのような御見解であるかもわかりませんが、日本にとりましては決定の数額がいかほどになるかということは、利害関係上非常に大きな問題であります。そして三人の委員会で多数決で決定されるということになつておりますので、わが国がその決定に対して不服であるというようなことも多分にあり得るように私には思われます。そこで平和條約第二十二條でせつかく国際司法裁判所に上訴の道が開かれておるにかかわらず、その道を選ぼうとしないで、あえてこの合同委員会の決定をもちまして最終的なものとする理由が私にはよくわかりません。日本が債務者の立場に立たされるものであるだけに、私どもは特にそのことを慎重に考えなければならないと思うのであります。條約局長は事柄が計数の問題であるから、国際司法裁判所の判事の裁断にまかすのは適当でないとおつしやいますけれども、しかし普通の裁判所でも計数に関係する事案がかかることがたびたびあるのであります。そういう場合には計数関係の専門家にしかるべく鑑定させてもいいのでありますし、幾らでも方法はあるのであります。私にはどうもただいま條約局長のおつしやいました理由によつて、特に上訴の道をふさぐということにするというのはちよつと理解しがたい、私はそう思いますので、私の考え方を申し上げたのであります。ただいま申しましたように、なぜ最終的なものとしたか、なぜ上訴の道を開かないのであるか、ここに問題があるのであります。政府の御意見はわかりました。私の意見も右のようでありますが、これ以上議論する必要もないと思います。私の意見だけを申し上げておきまして、私の質問はこれで終ります。
○仲内委員長 ほかに質問がないようでありますから、本件に関する質疑はこれにて終了することといたします。 それではこれより討論に入ります。討論の通告がありますので、これを許します。北澤直吉君。
○北澤委員 ただいま議題になつております日本国との平和條約第十五條(a)に基いて生ずる紛争の解決に関する協定の締結について承認を求めるの件につきまして、私は自由党を代表しまして、賛成の意を表するものであります。 日本国との平和條約の第十五條によりますと、一九四一年十二月七日に日本国に所在し、かつ返還することができず、または戰争の結果として損害を受けた場合につきましては、連合国の財産に対して日本は補償を與えるというふうになつております。この補償の問題につきまして、いろいろの紛争が起るわけでございますが、平和條約の第二十二條によると、そういう紛争の起つた場合には、特別請求権裁判所へ付託するか、また他の合意された方法で解決するか、または国際司法裁判所の決定に付する、こういう道が開かれておるわけであります。ところがこの補償の問題は、司法裁判所をしてこれを処理せしめることは、実際の財産の損害の評価その他が違うものでありますから、裁判所がこれを取扱うことは必ずしも適当でないと思います。また裁判所に付託する場合におきましては、時間も相当かかり、いろいろ経費もかかるわけであります。従いましてこういう財産の評価等につきましては、専門的の知識、経験を有する人たちをもつて構成する混合委員会をしてこれを取扱わせるということが、私は事態に最も適当しておると思うのであります。従つて今回政府が提案せられておりますこの紛争の解決に関する協定は、私は最も時宜に適するものと思うのであります。ただ問題はこの委員会の構成につきまして、三人の委員から成り、一人は当該の連合国政府が任命する、一人は日本の政府が任命する、もう一人は両政府の合意によつて任命する、こういうふうになつておるのでありますが、日本政府の任命する委員はでき得る限り日本側の利益というものを尊重して、問題の処理に当つてもらいたいと思うのであります。従つてこの日本側の任命する委員と日本政府との関係につきましては、別途適当の措置を講ずるようにいたしまして、日本政府の任命する委員が、なるべく日本側の利益を代表して行動するというふうな道を研究してもらいたいと思うのであります。 もう一点問題になるのは、この委員会におきまして解決しなかつた場合には、さらに国際司法裁判所に提訴する道を残しておいた方がいいのじやないか、こういう疑問もあるのでありますが、御承知のように国際司法裁判所の裁判官は多数でありまして、将来日本側の希望が達成せられまして、日本人の裁判官がこれに入るといたしましても、国際司法裁判所にかける場合におきましては、その多数が日本人以外の裁判官であります。従いましてこれは常に多数決によつて、日本側の意向というものはそう尊重せられないと思うのであります。ところがこの委員会の場合には三人でありまして、しかもその一人は日本側の任命する委員、もう一人は日本側と当該政府の任命する委員ということになつておりまして、この委員会の方が国際司法裁判所よりも、日本側の利益を尊重するという意味においては有利であると思うのであります。私どもはその点から申しまして、今回政府の提案しております紛争の解決に関する協定は、まことに時宜に適するものであると考えまして、自由党はこの協定に賛成の意を表する次第であります。
○仲内委員長 並木芳雄君。
○並木委員 私は改進党を代表して、本案に賛成の意思を表明いたします。 特にこの協定案について事前に国会の承認を求めたということは、われわれの歓迎するところであります。仮調印もせずして国会の承認を求めるという形がいい前例になるように政府に要望をしておきます。 それから委員の点では、この委員が国家公務員となるかどうかというような点において、制裁その他の規定を欠くうらみはありますけれども、この運用においては十分留意をして、要するにその運営が円滑に行われるようにという要望を付して賛成をいたします。
○仲内委員長 戸叶里子君。
○戸叶委員 私は社会党を代表しまして、ただいま議題になりました協定案に賛意を表するものでありますが、一、二点希望條項を付しておきたいと思います。 その一点は、先ほど北澤委員からも御指摘になりましたが、この協定に基いて混合委員会が設立され、三人の委員から構成されるのでありますが、日本の国の政府の任命する委員の資格が、先ごろ私が委員会において質問しましたときには判明しておらないようでありました。政府の御答弁によりますと、これは法律の知識を持ち、財政経済に通じた人格のすぐれた人ということでありましたが、これは希望でありまして、必ずしもそういうような完全に近い人が任命されるとは限らないような場合も生じて来ると思います。その場合に、もしこの委員が、今日のような向米一辺倒のように思われるときに、たとえばアメリカ側の人たちから何かの誘惑等に負かされた場合に、その結果は衡平ならざる結論が出るわけであります。従つてこのような職務は、国際的でしかも日本の国を代表して日本の国の立場をも十分に考えなければならないのにもかかわらず、この委員に対する資格の規定も何ら具体的になされず、また罰則も設けられておらず、きわめて不完全な点があるといわなければならないと思います。従つてこの点をもつとはつきりさせることを第一点として要望いたします。 もう一点は、この協定案の親法ともいうべき連合国財産補償法の第四條第一項第一号中に、「日本国又は日本国と戦争し、若しくは交戦状態にあつた国の戦闘行為に基因する損害」とありますが、戦争中アメリカ空軍の無差別爆撃によつて受けた被害、その中には連合国財産の被害もありますが、この損害を全部わが国が負担することは少し苛酷であり、わが国の民間人のこうむつた被害に対する補償もある程度考えられてもよいように国民感情として考えられますが、法の運営に当る人は、この点をよろしく含んで法の適用をされることを私は要望いたしまして、賛意を表するものであります。
○仲内委員長 林百郎君。
○林(百)委員 私は日本共産党を代表して、本協定案については反対の意思を表明したいと思うのであります。 反対の理由の第一は、従来設けられておつた連合国財産補償法による連合国財産補償審査会のほかに、新たに連合国人の委員一人、それからもう一人は日本側と連合国側が承諾の上に任命した新しい委員を設けて、日本側の補償の額について問題がある場合は、その委員会に付託するというのがその内容だと思うのであります。ところが政府側の説明によりますと、連合国財産の補償の概算二百七十億のうち、その半額以上の百五十億をアメリカの、またはアメリカ人に対する財産の補償にするということであります。そうすると、あとイギリスが八十億、オランダが四十億でありますが、この連合国財産の補償は、連合国と名は書いてあるけれども、実際はアメリカ並びにアメリカ人に対する財産の補償ということになると思うのであります。ところがそれが日本側の委員ではあきたりなくて、日本側の委員できめたことに不服があるときには、新たにアメリカ側の委員を一人入れ、しかも日米両国が承諾の上でもう一人の委員を選んで財産委員会をつくるというのでありますが、現実における日本の吉田政府並びにアメリカとの間の関係を考えてみるときに、日本並びにアメリカ側が承諾をした委員というものは、大体アメリカ側の意向に基いて行動する人とわれわれは考えざるを得ないのであります。そうすると三人の委員のうち、大体これは補償する額がアメリカ側に一番多くて、しかも実力関係からいつて、アメリカ側が今日本の政府の上にあるとするならば、この財産委員会の決定というものは、ほとんどアメリカ側が希望するような方向に決定し得るということだと思うのであります。ゆえに日本にはすでに連合国財産補償審査会があるのでありますから、われわれはこれをもつて足りると思うのであります。何もこれ以上アメリカ側の意向に沿うような委員会を新しくつくる必要はないと思うのであります。 それからもう一つは、連合国の財産の補償といいますけれども、戦争で被害をこうむつたのは、何もアメリカ側ばかりではないのでありまして、中国やそのほかの国もあるのであります。もし連合国財産を補償しろというならば、これらの国々も集まつて衡平な賠償会議を開いて、日本の国の平和的な産業を無制限に発展させるという、ポツダム宣言よつてわれわれに與えられた保障を十分立てた上で、各国の間に十分納得の行く賠償をすればいいのであつて、何もわれわれはここにアメリカと講和を結んだからといつて、アメリカ側の損失の補償のみをここで早急にする必要は、私はないと思うのであります。そういう意味で衡平な連合国の賠償会議を開いて、各国とも納得の上の賠償が決定するまでは、特定国のアメリカにのみこのような尨大な財産の補償をすることは、私たちは反対なのであります。元来アメリカが日本から戦争中自分がこうむつた財産の補償をしろというのでありますが、先ほど戸叶委員のお話にもあつた通り、国際的に非難を受けるような非戦闘員に対して原爆の爆撃を加えたり、あるいは無差別爆撃を加えておいて、しかも、それによつて発生した損害をまた日本側に補償しろということは、私は虫が少しよ過ぎると思うのであります。しかしその後行政協定によつて、アメリカとしてはすでに日本の国に軍事基地を設け、それから六百五十億の国防分担金をとり、それから五百六十億の安全保障費もとり、その上調達方式によると、直接調達によつて日本の産業家の諸君がこうむつている苦難というものは容易ならぬものである。入札としようとすれば、この会社の方はこれだけ下げたのだからお前の方はこれだけ下げろということで、軍部に五回も呼ばれて、結局泣く泣く一番勘定に合わないようなことで入札しなければならない。入札はこの程度でいいと思うのでありますが、また入札でなくて直接軍の調達ということになれば、今後はアメリカの公認機関によつて、おれの方はお前の日本の会社でなくて——たとえば最近問題になつておるレイモンド会社あるいはキング会社、こういうところへおれの方は工事を請負わせる。しかも工事の請負額は、日本の特調で計算すれば二十億に該当するものが、四十億になつてみたりあるいは五十億になつてみたり、こういう特別調達方式が直接調達になる結果、日本の産業家としては、もう大きな仕事はアメリカの事業家がやるんで、人夫の供給だけを日本の事業家がやらなければならないような、アメリカの産業のまつたくこれは町工場的な地位に陷れられる、アメリカの工業の人夫供給業に落ちなければならないような状態のもとに、われわれは経済的にもアメリカの重圧に苦しんでいることは、これは何としても否定できないと思うのであります。現に経団連の陳情を見ましても、何とかしてアメリカと日本との調達関係を、日本政府の保護のもとにおける間接調達の形にしてもらいたい。日本の法規や商慣習に従つて、対等な立場で契約を結んでもらいたい。それからもし直接調達をするならば、それによつてこうむる日本の事業家の損害に対して、十分の補償制度を確立してもらいたいという切々たる陳情が出ておるのであります。このようにわれわれがアメリカの犠牲になつている際に、なお原爆や無差別爆撃によつてこうむつたアメリカ側の財産をまでこのように補償する必要は、私は絶対ないと思うのであります。 こういう意味で、日本の連合国財産補償審査会があるにもかかわらず、その上またこのようなアメリカ側の意向によつて一方的に決定をなすような委員会を設けて、これまでにしてアメリカ側の要望に応ずる必要は、私は絶対ないと思うのであります。こういう意味で、この協定についてわれわれは絶対反対であります。
○仲内委員長 これにて討論は終局いたしました。 それでは日本国との平和條約第十五條(a)に基いて生ずる紛争の解決に関する協定の締結について承認を求める件について採決いたします。本件を承認すべきものと議決するに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成起立〕
○仲内委員長 起立多数。よつて本件は承認すべきものと決しました。 なお本件についての報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○仲内委員長 御異議がなければ、さようにとりはからいます。 —————————————
○仲内委員長 それでは次に移ります。国際連合への加盟について承認を求めるの件を議題といたします。本件に関して質疑を許します。宮原君。
○宮原委員 私、行政協定によります予備作業のことをまずお伺いしてみたいと思います。予備作業がハイ・スピードで進捗して北海道、東北と、それから最近では関東地区を御審議中と伺つておりますが、その審議の状況を一々伺おうというわけではありません。来る二十九日には関東地区を大体終了せられたものか、九州方面に、また関西方面に御調査に出張せられるということを仄聞しているのであります。ついては関東地区のうち、横須賀方面の地区の予備作業は、現在どの程度に進んでおりますか。その点について一応政府当局の予備作業関係の御当局の御意見を伺つておきたいと思います。
○小澤説明員 ただいまの御質問につきましては、伊關局長から参議院の外務委員会においても御説明があつたと思いますが、大体の現状を申し上げますと、横須賀市当局から陳情に基きまして、われわれはこれを慎重に検討しております。この問題につきましては、さらに市当局の御意見を直接承りますために、去る二十三日に市長さんに来ていただきまして、十分隔意のない検討をしたのでございます。従いまして両者の意見は相当この討議によりまして、進捗したものとわれわれは考えております。さらに追浜につきましては、これは軍より明確な要求が、現在のところ参つておりません。その点これ以上の討議は現在のところ差控えております。一応軍より追浜地区を使いたいというきわめて漠然たる要求がありましたのですが、それ以後どの程度のものを使いたいのか、その点につきまして明確な要求がございませんもので、これは見送つております。そういう現状でございます。
○宮原委員 しからば関東地区のうち、横須賀地区についての大体の審議は済んでいるが、追浜地区については九州方面へ出張せられる前に作業が終了するというような段階には参つていない、こういうふうに了解してさしつかえないのでありますか。
○小澤説明員 その通りでございます。
○宮原委員 とかくお役所のことは事前にいろいろな問合せをしますと、まだその段階でないと言われ、さてしばらく期間を置いて問い合せますと、もう時期が遅れたというようなことが——外務省にはそんなことはないでしようけれども、よくお役所仕事にありがちであります。ただいまの御答弁によりまして、今時期は決して尚早でなく、また事後でない適当な時期であるというようなことを判断いたしますから、特にこの追浜地区の問題について誤伝が伝わつているような感もありますので、予備作業班の各位及び政府、本日は岡崎国務大臣もお見えになつておりますから、この機会にごく簡単に追浜地区の反対の事情につきまして要点だけを開陳いたして、誤伝の根本を一掃しておかなければならぬかと思うのであります。 第一の点は、追浜の地区はむしろ提供するのが、経済上横須賀市にとつても不利でなく、有利ではないかという誤伝が伝わつております。これははなはだしく皮相な見解でありまして、第一には工場生産が二十億円、関係従業員——下請業者合せて一万のあの微々たる中都市横須賀が、年産二十億円、従業員一万の失業者を出すというような問題は、地方にとつてはまことに重大な問題であるということは考えなければならないのでありますが、経済上まことに不利な結果となることははつきりいたしておるのであります。またこれは重大なる不利であります。 次に、米陸軍工場が来るということだけは明らかにわかつております。あるいは立川の大型自動車工場が移転する、こういうことはわかつておりますが、それ以外には内容はさらにわからないのでありまして、案外内容はきわめて小規模な米陸軍工場が来るのではないかと思われるのであります。そうして軍需工場にありがちなことであるのでございますが、また従来の米軍なり英濠軍なりの占領ぶりにかんがみましても、実質上大体必要以上に厖大な浪費をすると申してもいいくらいの、ほとんど使用しないで放置して顧みないような地区を接収して、恬然としておるというような従来の実例に徴しましても、あの十万坪の厖大な区域を、案外小規模でもつて使い上げるというよなことがあるのではないか、こういう点をまことに杞憂しておるのであります。そういう点になりますと、軍事上の必要な軍需工場であるというのであきらめるわけには参りません。 次にこの米陸軍工場は常にいつ廃止せられるかわからないという廃止の危険を感ずるのでありまして、かつて日本旧海軍の時代に、軍縮にあうこと再び——旧軍港市は横須賀に限りませんが、いずれもこの軍工場が軍縮を受けたために、地元の疲弊困憊という苦い経験を今なお忘れずにおります地元といたしましては、経済上の不安が相伴うのでありまして、これらの点から考えまして、経済上米陸軍工場が来るから有利であろうというような見解は、これは單に将来に漠然たる希望をつなぐにすぎないことであつて、現実にかくのごとき不利があるのであります。これは経済上の問題でありますが、そのほか追浜地区の施設提供をいたすということになりますと、終戰後七年間苦心経営いたされて、そうして二十二会社、工場が今や軌道に乗つておるのでありますが、この二十二会社、工場の施設指定は、デツカー将軍以来、市理事者、市民一般が極力この進出誘致について、懇請これ努めて今日の段階に達しておるのでありますので、まことにこれは道義上の問題も無視できないのであります。 それから横須賀市としては、米軍工場には課税をするわけには行かないので、民間工場であれば財源にもなるのでありますけれども、その点がまことに困る。 次に横須賀市長は旧軍港市転換法第八條によりまして事業執行の責任があつて、この追浜地区を平和産業港湾都市の中の工場として転換した今日、ただ米陸軍という簡単な理由で内容がわからないうちに、施設提供の犠牲にするということは、横須賀市長としては法律上の義務の立場から、責任上これににわかに同意するがごときことは許されない事情で、やむを得ずこれはその点からも反対しなければならぬのであります。 なお第五点は、米陸軍が追浜地区を必要とするにかかわらず、同じ米軍でありながら海軍は絶対反対であります。 次に第六に、かかる事情でありながら、二十二会社、工場の現に苦心経営しておりまする事情と、以上述べました各種の実情を無視して、もしもこの施設が提供されるがごときことがありましたならば、一種の予備作業班に対する強い批判と申しますか、また一面軍に横須賀市だけでなく、旧軍港四市全体が横須賀市に対する予備作業の状態をまことに注意深く見守つておる今日の段階におきまして、冷酷なる御措置があるという感じを受けましたならば、これは旧軍港四市だけの問題にとどまらず、全国的に大きなるシヨツクを與える。その結果は反米思想を醸成するという結果になろうかということをまことに心痛いたすのであります。かくのごとき事情から、横須賀、追浜地区の問題については、今日の段階でもなおかつ強い反対があります。本日傍聴にも市長初め市議会の議長その他有力者が多数お許しを得て参つておられますので、その熱意のほども御推側いただけることと思うのであります。本員は旧軍港市議員連盟、詳しく申し上げれば転換促進議員連盟というものを結成いたしております一員でありまして、この点については特に重大なる関心を持つておるものであります。かかる点について予備作業班は、私が分析いたしました各種の反対事由についてこおそらく深い御認識を持つていらつしやることとは信じて疑いませんが、重ねてこの認識についてのお心構えをこの際伺つておきたいと思います。
○小澤説明員 ただいま御意見のほどは十分承りました。われわれ予備作業班といたしましても、十分現地の声を承りまして、もちろん現地の市民の声はすなわち市長さんを通じて聞かれるものと思いまして、市当局の方々並びにその他関係各位の方々と十分話合いをいたしましてきめたいと思つております。
○宮原委員 接収または施設提供の米陸軍の当局者の某将校は、地元の反対がまことに強いから追浜地区の施設提供については断念をする、こういうことを、これは非公式でありますが、日本政府の某官吏に言明したという確実な情報が私のところに入つております。この点について外務省予備作業班には何らかのこれに関連した情報が入つておりますかどうですか、伺いたい。
○小澤説明員 現在のところ、その点につきましては、われわれははつきりした情報を得ておりません。
○宮原委員 これは日本政府ではありませんが、やや——ややでなく確実な筋から得た情報でありますが、追浜地区の施設提供という問題は、日米行政協定としてお取扱いなるにものとしては、いささか日米行政協定の範囲の外にあるものではなかろうか、こういう疑問があるのであります。というのは、立川にありますところの車両工場の移転であればこれは問題ではありませんが、あそこに富士モーターという会社があり、その隣接工場としてこのたび施設提供の対象となつておりますところの追浜の二十二会社、工場の区域があるのでありますが、その区域に單に極東だけでなく、アメリカ、カナダ、アラスカ、ヨーロツパ方面からの自動車、トラックの廃車を集結して、そこで再生をして、さらにこれを世界各地に仕向ける、こういうような事業の内容になつているそうでありまして、もしそうであつたとしたら、これは日米行政協定の対象ではなく、日本及び日本付近における日米安全保障條約の範囲の外のもののようにも感じられるのである、こういうような情報であります。この点について事業の内容とまさか食い違うものを予備作業班がお取扱いになることはないように思うのでありますが、もしこのお取扱いをなさるとすれば、国連との行政協定を必要とするのではないか。その国連との行政協定に——協定の内容次第でありますが、その内容によつてお取扱いになるならば妥当ではあるけれども、このたびの日米行政協定による予備作業のお取扱いの対象としては、適法ではないのではなかろうか。こういう疑問をある確実なところからの情報として私は入手しておるのでありますが、これに対する予備作業班の見解を伺つておきたい。
○小澤説明員 予備作業班の任務は、御説の通り軍の駐留に必要な諸條件を定めることになつております。ただいま御質問のありました点につきましては、追浜をいかなる目的に軍が使うかという点がはつきりいたしません現在において、いかんとも申し上げられない状態なのですが、いずれ、もしかような問題がはつきりいたしましたら、そのとき重ねてこの問題を検討いたしたいと思つております。
○宮原委員 北海道紋別地区において、地元が指示されたところの施設提供に不同意である、反対であるというために、現在代替地を物色中ということを参議院の外務委員会において本月二十三日伊關予備作業班日本代表が御答弁になつておるように伺つておるのでありますが、北海道紋別地区の反対陳情があつたがために、予備作業班は親心を出して、日米とも協力をして代替地を物色なさるということはまことに敬意を表するのであります。同時に、追浜地区についても親心を出していただいて、できれば代替地を御物色願いたい。それ以上の絶対的のお困りになるような事情があるとすれば、本月二十三日に市長を御招請に相なりましたが、重ねて市長を御招請に相なつて、そうして真に懇談的の御協議を重ねてなさる必要があろうと思うのでありますが、これに対する御見解を承つておきたい。
○小澤説明員 もちろん軍から広さその他に関しまして、明確な要求がありました際は、市当局にも十分連絡いたしまして事を運ぶつもりでございます。
○宮原委員 講和條約発効後は、日本政府が腰が強くなつて、問題のいかんによつては、従来のイエスが減つてノーがふえて来るのじやないかというようなアメリカ政府の考えがあるいはあるかもしれません。従つてこのたびは特に強圧的な態度をとられるのではないか、こういう杞憂を抱くのは私だけじやなかろうと思う。それでこれは流説であるかもしれませんが、心配のあまりに伺うのであります。北海道、東北地区の方に飛行機で現地調査を日米合同作業班が実行せられる場合に、現地における作業ぶりとして伝えられるところによりますと、米軍はこの飛行場の滑走路はジェット機であるからこれだけ必要だ、またこの兵舎は札幌の南においてこれだけは絶対に必要だとか、または各方面の上陸演習にはこの川の川向うが必要だというようなことを、現地で、あるいは図面とともに御指示になると、とかく日本の予備作業班のお方はイエスイエスということが多過ぎて、たちまちきまつてしまう。大体が安全保障條約といい、行政協定といい、條約協定はそれぞれ厳然として規定されておるのでありますけれども、しかし予備作業の現地におけるイエスの一言が、結局最終的効力を発するもの募るので、まことにわれわれ、としては心配をするのであります。予備作業班のお方々は、今やこの重大な講和発効前後のこの段階で、日本の運命を決するだけの重大仕事をなさつているのでありますから、もちろんわれわれは流説に惑うものではありませんが、よくその責任の重いところをお考え願いまして、そういう流説が伝わることのないような根本のお心構えを確然とお持ち願いたい。これについて実は伊闘日本代表の強い御決意が伺いたいのでありますが、きようはお見えがありませんから、お見えの小澤次長は伊關局長と一心同体でありましようから、ここでそれに対するお心構えのところを伺つておきたいと思います。
○小澤説明員 予備作業班が現地視察に参りますときは、大体米軍側から現在の状況並びに希望を聞いております。しかしその席ですぐきめるというようなことは従来ありません。これは米軍側の希望を聞きまして、東京に帰りまして関係各省庁、たとえば農地、開拓地の問題につきましては農林省、その他につきましては特調、あるいは国有財産につきましては大蔵省、そういうような関係各省庁と十分連絡をとり、その意見も聞きまして、米軍側と折衝しているわけでございます。なおその場合に、米軍側の要求がはなはだ不当である場合は、それに対して十分こちら側からも応酬しております。そういうようなやり方をしておりまして、決して無條件に向うの言いなりになるというようなことはいたしておりませんから、どうぞさよう御了解を願いたいと思います。
○仲内委員長 宮原君に申し上げますが、ほかの委員からも同じ問題で大分質問が出ておりますから簡単に願います。
○宮原委員 大体私のお尋ねする要点は盡したようでありますが、なお一点だけ、旧軍港市の呉市の英濠軍の問題であります。簡單にお尋ねいたしますが、講和発効と同時に、英濠軍の駐留の根拠というものはどうなるのでありますか。平和條約第五條による国連憲章第二條の義務を受諾した吉田・国連交換公文があるとは申しながら、日米行政協定のごとき、また安全保障條約のごとき特別の條約協定もないのでありますが、これは講和條約発効後九十日間にこの各種の措置を講ぜられるものとは思うのでありますが、特に国連軍との行政協定を持たない場合の駐留の根拠というものはどうなりますかということと、それから朝鮮動乱の終息の場合には、自動的にこの国連軍というものは撤兵するものでありますか。撤退の時期というものが、朝鮮動乱終息ということに自動的に生ずるという意味において、将来国連との行政協定を政府がなさる場合に、一種の暫定協定的のものと見ていいのであります。その際に撤兵は自動的であるというのであるから、撤兵の時期を明示する明文は、その行政協定にはかりに明文を設けいでも当然これは明らかなものである。こういう点について條約局関係のお方の技術的御答弁を求めたいのでありますが、條約局の方がおいでにならなければ協力局でもけつこうです。
○西村(熊)政府委員 條約局長から御答弁申し上げます。国連軍が平和條約発効後も日本におれるかどうかという点でございます。その点は安保條約署名と同時に、アチソン長官と吉田総理との間に、現在日本政府は国際連合軍のために施設と役務を提供してお助けしておりますが、このお助けは平和條約が発効したあとも続けますという趣旨を申し合せてございますので、法的根拠は十分あるわけでございます。もう一つ、平和條約そのものの中にも、第六條でございましたか、占領管理の終了後、すなわち平和條約の発効後三箇月の間は、別段のとりきめがない限り、現在使用しておる施設を使用してもよろしいという但書がございます。その点から申しましても、九十日の間だけは、とにかく今使つておるものは使つてもよろしいという約束はあるわけでございます。ですから平和條約が発効いたしましても、新たに駐留のためにとりきめその他をしなくても、根拠は十分あると考えております。 第二の御質問の点、朝鮮動乱が終つたならば、日本におる国際連合軍はすぐ撤退することになるのであるか、ないしは将来とりきめができるときには、朝鮮動乱が終了したときには、期限を明示して撤退するように協定されるものであろうかという御質問であつたように承りました。朝鮮動乱が終結したときに国際連合軍が朝鮮から撤退するかどうかということは、これは将来の問題でございます。朝鮮に軍事行動をいたしておりますのは十七箇国の軍隊であつたと私了解いたしておりますが、これは安全保障理事会の勧告に基いて、それに応じて兵隊を出しておる国でございますので、要は安全保障理事会ないしは国際連合総会なりにおきまして、朝鮮動乱が終結いたしましたならば、おそらく何らかの勧告をいたすということになろうかと思いますので、朝鮮動乱の成行き、それに対応する国際連合側の措置を見なければ、いつをもつて終結したとみなし、そして撤退ということを考えるかどうかというようなことは、見通しが立たないといわざるを得ないわけであります。私どもの考えとしては、朝鮮動乱が一日も早く終結し、朝鮮における国際連合各国の軍事作戦というようなものが必要でなくなるような事態が、極東に一日も早く来ることを希望しておるわけでございまして、国際連合側において、そういうような措置がとられるような事態になりますならば、日本政府としては、国際連合軍のために、一日も早く日本に他国の兵隊がおらないような事態になるように心がけて措置すべきものであると考えておる次第であります。
○栗山委員 行政協定に基いて駐留軍に対する便益の供與に関連して伺いたいと思います。私どもが考え得る第一の原則は、できる限りの便益を供與するということ、これははつきりしておると思いますが、その見返りとして日本経済を著しく圧迫するようなことがあつてはならない。これも一つの原則として考えられることだと思いますが、それについて所見を聞きたい。もしそうであるとするならば、追浜のごとく、関係者が熱意をもつて開拓、開発したところを、他に代替地があるかないかというような十分な検討をせずして、比較的簡略に扱うとすれば、今問題にしておる日本経済に対する著しい圧迫というような点が考えられる。 いま一つは、向うの申出に対して、日本側が考慮する、もしくは査定という言葉が当るかどうかしりませんが、向うの希望通りに聞かないとすれば、こつち側もそれに対して意見を立てなければならぬ。意見を立てる場合に、どういう方法で意見を立てられるか、その方法問題であります。つまり向うは軍の必要として申出をして執行するのであるが、軍の必要というような観点に対して、はたしてどれだけの意見を日本側は立て得るか。それだけの準備があるかないか。向うが、軍の必要だが、かくかくかようであるというのに対して、こちらが対抗的な意見を立てようがなければ、大体おじぎをしなければならぬことになる。その場合、第二の原則として私どもが考えておる日本経済を、著しく圧迫するか、しないかという観点に立脚してこつちが強く出得るならば、なるほど軍の必要はそうかもしれぬ、しかしながら日本の経済に対する影響、圧迫がかくかくかようであるという点で対抗ができるであろうと思うが、こういうような扱いをどういうようにしておられるか。ことに向うの希望が、軍の必要に応じての希望であれば、こつちはそれを反駁するだけの意見を立て得るか。立て得ないとすれば、どういう観点に立つてこれに対抗し、これと折衝しておるか。
○小澤説明員 もちろんこれは行政協定の中に、日本政府は駐留軍に協力することが規定してありまして、われわれとしましても、できる限りの協力をしなければならないと考えております。ただその協力の限度が、日本国にとつて著しく不利であり、ただいま申されましたような経済を特に圧迫するというような問題につきましては、こちらとしましても、相手方に十分反省を促して、そういうことの要求の撤回なり、あるいはそれの要求の縮小を向うに要請するというやり方でやりたいと思つております。
○栗山委員 今むずかしいことかもしれませんが、向うは軍の必要、軍の希望として出て来るのです。しかしこつちは軍の必要というものに対して、軍としてもそれだけ必要であるまいとかなんとかいうことが言い得る準備がありますか。
○岡崎国務大臣 今のような点については、まず追浜のことをはなはだいじめているようでおかしいのですが、たとえば追浜の問題を出しますときは、追浜だけのことを考えれば、なるほどそれは少しでもとられれば経済に影響するということになりますが、たとえば追浜というようなところも、日本全体の見地から見て、ある点から撤退してそこへ出かけるのでありますからそこにバランスがあるわけであります。われわれとしてはそういう点は十分考えなければならぬと思います。しかし軍の要求というのは、栗山君のお話のように、先方の要求の仕方は、ただ軍の要求だからというふうには出て来ておりませんので、要するにこれこれの人間をこのくらいある本部から近いところの置きたいのだ、これこれの施設を使いたいのだということをクレイムして来ますから、そこでそんなにいるのか、いらぬのかとか、あるいはここでなくてあそこでいいのではないかというような話合いは、比較的容易にできるのであります。この点は先方も、日本側の国民のいやがるようなことをしていたのでは、駐留の目的が達せられないという根本原則を持つておりますから、比較的話はやさしいのでありますけれども、しかしそうかといつて、そう何でもかんでもこちらの都合で変なところにばかり追いやるというわけにも行きませんから、その点は話合いの模様であります。しかし御心配になるほどむずかしいことでは今まではありません。今後もそうだろうと考えます。
○仲内委員長 並木芳雄君。
○並木委員 私は、国際連合に加盟した場合に、日本が軍隊を持つておる場合と持たない場合で、国連から受ける保護についてどういう相違があるかということをお伺いしておきたいのです。今までは日本が提供する義務とか責任とかいうことを大いに論ぜられたのですけれども、日本が受け得る保護、利益については触れておりませんでしたので、この際、日本が軍隊を持つておる場合と持たない場合でどういう相違があるかということを、専門的に御答弁願いたいと思います。
○岡崎国務大臣 これはもう御承知のように、国連はあらゆる国の安全を維持し、世界の平和を維持するという目的になつておりますから一軍隊を持つておるか、持つておらないかによつて、その国連の任務が変更するということはないのであります。従つて軍隊を持つているか、持つてないかということは、何ら国連の任務に影響を與えるはずはありません。
○並木委員 その点ははつきりしたのです。もしその相違がないならば、政府は軍隊を持たない方が得だというお考えを持つておられるか。つまりこの前ちよつと申し上げました通り、予備隊なら海外へ出さずに済むけれども、軍隊なら出さねばなくなるだろうというような考えから、功利主義的に軍隊を持たない方が得だと実際考えておるのですか。
○岡崎国務大臣 われわれはこういう国連との関係で軍隊を持つとか、持たないとかいうことを考えておるのではないのでありまして、第一には憲法の規定に従つておるわけであります。そこで憲法を改正するかどうかという問題を実は次に考えて来るわけでありますが、これについては従来から言つておりますように、国民の大多数の意見がどうであるかということに従うべきである、こう考えておりまして、ただいまのところは、政府として、どうするかといつて聞かれれば、憲法を改正する意向はなく、従つて軍備をする意向はないと申し上げるだけであります。
○並木委員 大臣はこの前も国民の意思がおきめになることだという答弁をされたのでありますけれども、憲法改正の問題は、国会で発議をして、そして国民投票に付せられるのです。大臣の言われ方は逆だと思うのです。どういうふうにして国民の意思を問うのか、問うのは国民投票によるわけで、その前に国会が発議をするのですから、これは政府または與党から言い出さねばならぬと思うのですが、その点何か特別のいい方法を考えておられるのですか。
○岡崎国務大臣 お説の通り、国会と国民投票ということになりますけれども、国会と申しますものは、要するに国民の意向を代表しておるものと考えております。また国の最終的の主権は国民にあるということに当然なるのでありますから、国民が最終的には決定するというつもりで申したのであります。そこで国民の代表である国会の中におきまして、私どもの属しておる自由党なり、自由党をもつて構成する政府は、ただいま申したような考えでありますから、みずから進んで憲法改正というようなことを提議するつもりはないが、かりに提議をいたしましても、最終的には国民投票によつてきまるのでありますから、従つて国民大多数の意見がそうなつたときでなければ憲法改正は行われない、こういうことになると考えております。
○並木委員 それならはつきりしたのです。それならばやはり国会から、つまり與党の国会議員あたりが中心になつて発議をするという筋道が立つて参りました。そこでお尋ねしたいのですけれども、最近與党の方から憲法改正の話が出た模様でございます。それに対して吉田首相が時期尚早であるというふうに答弁されておると報道されておりますが、その間の事情について大臣は御存じのはずですから、どういような憲法改正の話が出て、それに対してなぜ時期尚早であるか御答弁願います。
○岡崎国務大臣 私は遺憾ながら伴食でございまして、そういうことを聞いておりません。しかし総理が時期尚早であると言われたかどうかしりませんが、総理大臣はたびたび憲法改正の意思なし、こういうことを言つておられるのは事実であります。
○並木委員 日本が軍隊を持つておる場合と持たない場合で、アメリカから日本の安全保障について受ける保護、利益に何か違いがありませんか。
○岡崎国務大臣 御質問の点がちよつとはつきりわかりませんが、もし現在の安全保障條約による問題であるならば、これは軍備を持たないということが前提になる、持つていということが前提になつておりますから……。
○並木委員 国連に加盟してからです。
○岡崎国務大臣 国連に加盟するという場合どうなりますか、それは今のところではやはり国連に加盟をただいま、あるいは近い将来にいたしましても、日本に軍備がないという事実がかわらないと仮定いたしますれば、それによつてアメリカとの間の関係は変化がないと考えております。
○並木委員 この前の外務委員会で、警察予備隊の江口次長の答弁によりますと、現在の警察予備隊は軍隊でないのだから、アメリカの武器を貸與する協定を結ぶことができないという説が出ておる、こういうことがあつたのです。そうすると、日本が軍隊を持つ場合と持たない場合とで、アメリカからの保護というものが、やはり具体的に違いが出て来るのじやないかと思うのです。これは根拠は武器貸與法というものにあるそうでありますけれども、武器貸與法が武器を貸與する條件というふうなものは、どんなふうになつておりますか。
○岡崎国務大臣 これは専門家の方からその條件等をまず御説明いたします。
○大江政府委員 先般の外務委員会で、警察予備隊の江口次長の御答弁があつたそうでありますが、現在武器貸與法というものは行われておらないのでありまして、一九四七年七月以降は実施されておらないのでございます。現在行われております軍事援助の方式は、相互安全保障法によつて行われておりまして、この方式に三つあるのでございます。第一は直接に最終的に武器を贈與する。それから第二には訓練技術の援助を與える。第三が代償を支拂う方式によりまして軍事装備をアメリカから移転する形をとる。この最後の場合は、この軍事装備につきまして公正な価格をもつて売られる、但しその支拂い方式に関しましては、現金でやる場合もあれば、あるいは国務省の認めましたクレジットの條件でもつて行われる場合もあるということになつております。従いましてこのクレジットの場合あるいはこれを貸與というようなことが、やればやれるのではないか、こういうふうに考えております。そうしてこの第三の場合の適用せられる国といたしましては、第一のカテゴリーは、相互安全保障法の適用されている国、第二のカテゴリーは、アメリカと集団防衛及び地域的の協定を締結している国、第三のカテゴリーといたしましては、今の第二のカテゴリーで申し上げました集団防衛及び地域協定に加わる資格を持つておらない、しかしながらその国のみずからを防衛する能力、あるいはまたその国の属している地域の防衛に参加できる能力、こういう能力をアメリカが安全保障の上で重要であるというふうに考えた国、これが第三のカテゴリーでありまして、この第三のカテゴリーに属する国に装備あるいは資材、あるいはまたサービスというようなものが與えられるのでありますけれども、そのときにアメリカは與えられる国に対して保証を要求する。そういう国がアメリカにどういう保証を與えるかと申しますと、かかる装備あるいは資材またはサービスが、その国の安全保障あるいは合法的な自衛を維持するためにのみ使われる、またはその国の属する地域の防衛または国連の集団安全保障協定及びこれに伴う措置に参加し得るためにのみ必要である、こういうために使われるということを保証する。こういうことが、現在行われておるアメリカからの援助というものに対する條件でございまして、安全保障法による援助を受けるためには、それでございますから、その條件に合つた協定を結ぶということが必要だと思うのであります。ところが日本との間にはまだこの種の協定もございません。また自衛力というような点につきましても、いろいろな議論もあることだろうと思うのでございます。そこで現在の警察予備隊の武器は、こういう安全保障法による貸與ではなく、進駐軍が保持しております武器を事実上貸してもらつておるという事実関係である。こういうふうに申し上げるのが適当だろう、こう考えております。
○林委員 大臣にお伺いします。今の御説明によつてもわかります通り、やはり日本としては自衛力を充実し、軍備を持つて相互安全保障法によるところの援助を受けて行く必要があるのじやないかと思うのです。警察予備隊の問題において、現実にそういう日本としては困難な問題もありますけれども、渉外大臣である岡崎さんの——伴食じやありません、あしたかあさつてはもう本式の外務大臣になる方なのですから、外務大臣の卵として、ひとつそういう点について所信を明らかにしていただきたいと思うのであります。
○岡崎国務大臣 今のお話でありますが、警察予備隊はやはり法令でできておりますものでありまして、警察予備隊として、今後も進んで行くのであります。これに必要な武器等の貸與につきましては、今までは、今の説明のような次第でありますが、今後といえども、適当な便法はあるものと考えております。ただいまのところ、政府の方針としては、なるべく国内、国外、財政、いろいろ状況を見まして、自衛力の漸増ということは行つて行きたいと考えておりますが、この予備隊の性格を変更するということは、ただいまのところは考えておりません。
○並木委員 日本として装備、つまり武器の自給自足という点はいかがですか。こういう点なかなか難色があるとすれば、日本はやはり武器というものを国内で生産して供給するようにして行かなければならないと思いますが、その点お尋ねしておきたいと思うのであります。
○岡崎国務大臣 これもただいま武器の貸與を受けておるような状況でありますから、たとえばそれの修理だとか一部の部分品の製造ということは、そうむずかしくなくできると思いますけれども、武器となりますと、日進月歩でありまして、これに対しては非常に大きな研究の施設が必要になると考えられます。今こういうものを全面的に日本側でつくり得る状況でもないし、またそれほどにいたしても、アメリカなどの非常な多額の費用をかけて研究しておりますのを、またここで同じような費用をかけるということは、財政的にも許しませんので、ただいまのところは、そういう近代武器を全面的につくるというようなことは、ちよつとできかねると私は考えております。
○並木委員 政府としては、将来相互安全保障法に基く協定を結んで行きたい、こういう腹はあるだろうと思うのですけれども、その点をお尋ねいたします。
○岡崎国務大臣 相互安全保障法と申しますのは、いろいろ解釈の仕方はあると思いますが、大体においては常識的に、これは軍隊を持つておる国との間の協定を結ぶのが趣旨だと思います。そうでないかもしれませんが、しかしもしそうであるとすれば、われわれの方ではさしあたり軍隊を持たない方向に進んでおりますから、ちよつと困難じやないかと考えます。
○並木委員 国際司法裁判所へは、国連に加入しておらなくても提訴できるものかどうか。日本として條約発効後提訴をしようと予定されているものに何かあるかどうか、お尋ねいたします。
○岡崎国務大臣 国際司法裁判所は性格を異にいたしますから、国連加入と関係なく提訴したいと思えばできると思います。しかし詳細なことは、ここに條約局長がおりますから、御必要なら條約局長から御説明いたします。なお現在提訴しようと考えておるような項目は、私の知る限りでは、ありません。
○西村(熊)政府委員 お手元にあります書類の国際司法裁判所規程の第三十五條第二項をごらんになりますれば、提訴できるということが明文で規定してあります。
○並木委員 あの項目には、国際司法裁判所の規程の当事国になるというふうに書かれているのじやないですか。規程の当事国になるということが、当然提訴できるという意味になるのかどうか。
○西村(熊)政府委員 並木委員のおつしやるのは第一項でございます。第一項は、「裁判所は、この規程の当事国である諸国に開放する。」こうあります。第二項は、「裁判所をその他の国に開放するための條件は、」云々とこうありまして、規程の当事国でない国が、この裁判所に事件を提訴することができるという前提のもとに、その條件は安全保障理事会がきめる、こうなつておりまして、すでに安全保障理事会でこの條件をきめに決議がございます。ですからその決議に従えば、規程の当事国でない国も提訴できる次第でございます。
○並木委員 その安全保障理事会できめる場合、五大国の拒否権というのは、それは関係して来ないのですか。
○西村(熊)政府委員 ありません。拒否権の適用はないのでありまして、すでに安全保障理事会が、規程の当事国でない国が事件を裁判所に提訴するときに従うその條件を決定してしまつておりますので、その條件に従えば提訴できるのであります。
○並木委員 国連関係の最後の質問になりますけれども、国際連合に私ども加盟を要望しておる者として、やはりソ連が拒否権を行使することが一番の問題になつて来ると思うのです。ところがマーフイー駐日大使が駐日ソ連代表部のことについて語つておる点などを見ますと、これは一種の講和発効後における日本の国内の政治に対する介入ではないかという感じを受けるのですが、政府としてはそれをどういうふうに感じられたか。それから條約発効後、ソ連の方から講和條約の締結の申入れ、あるいは通商條約ないし貿易協定などの申入れをするのではないかという情報も伝わつておりますけれども、そういう可能性があると政府は考えておるかどうか、もしあつた場合には政府としてどういう態度をとるつもりであるか、岡崎国務大臣からお答え願います。
○岡崎国務大臣 マーフイー大使の談話は、新聞で私見ただけで、それ以外のことはないのでありますが、おそらく新聞社の人に聞かれて、いろいろ答弁せざるを得なくなつて言つたのだろうと思いますが、個人的の意見だというふうになつておるようであります。その内容はここではつきり覚えておりませんが、要するに駐日ソ連代表部が日本から引揚げることには反対しないというような言明であるように思います。従つて個人的の発言であるし、自分は別に反対はしないのだということでありますから、内政干渉とかなんとかいうことにはならないと考えております。第二の質問ですが、これもいろいろ新聞等では見ておりますが、実際どういうふうに動くかということについては、実は私どもも知識がないのでありますが、想像では、あまりそういうことは、さしあたりないのじやないかと思つております。もし万一そういうような、何か提案がありますれば、それは、具体的にその提案を見て、そのときに考えるほかしかたがないと思つております。
○並木委員 具体的に提案を見て考えるよりほかしかたがない、すぐ外務大臣になる岡崎さんのお言葉ですから、私ども慎重に聞いておるのですが、その具体的の内容いかんによつては、これに応ずる用意がある、これは当然のことかもしれませんが、そう了解してよろしゆうございますか。
○岡崎国務大臣 言葉でそうおつしやれば、その通りかもしれませんが、応ずる用意がありなんというと、またこれは非常に誤解を招きます。応ずるか応じないか、それはむろんわからないのでありまして、要するにこれは仮定の問題であつて、そういうことが具体的にあつた場合に、その内容を見て考える、こういうこと以外には、ただいまお答えすることはできないのであります。
○並木委員 なぜ私がこれを聞いておるかというと、中共に渡る旅券の問題、あるいはソ連に渡る旅券の問題のときに、政府が許可しない根拠としてあげた理由と、今度こういうものが起つたときに、それに応じないのだという理由と共通するかどうか、こういう点が問題になるわけであります。従つてただいまの大臣の答弁では、今後ソ連からこういう申入れがあつたときに、それはもうまつこうからだめだ、これこれこういう理由で、どんな申入れがあつてもだめだという態度と違つて、その申入れの内容いかんによつては、日本政府としては考える、こういうふうに、そこに相違があるわけなのです。前の旅券問題のときには、もう頭から応じられなかつた。今度の場合にはそうではなくて、全然応じないというわけではなくて、内容あるいは條件によつては考える、こういうことになつて来た。また当然そうあるべきだ。ですから場合によつては応ずる用意がある、ということができると思うのです。いかがですか。
○岡崎国務大臣 この前の旅券の場合は、いろいろあのとき理由をあげましたが、たとえば何十万という引揚者が帰つて来てないとか、漁夫が拉致されてまだ帰つ来てないとか、いろいろありました。こういう懸案を解決せずして、これをうやむやにされるような状況では困るとして、旅券は出さないということを言つたのであります。今度どういう提案があるか——提案があるかないか、これも全然わかりませんが、もし万一仮定の問題で、提案があつたとして、こういう懸案が解決できるような提案なら、これはむろん考えるべきでありましよう。しかしそうでない場合もありましようから、これは仮定の問題のまた仮定の問題になりますが、提案があつたときに、そういう点を考えるよりいたしかたがない、こういう意味であります。
○並木委員 政府としては、応ぜられるような提案があることを歓迎するかどうか。
○岡崎国務大臣 それはむろん歓迎いたします。たとえば三十数万の引揚者の消息がわかつて、みな返してくれるというようなことがありますならば、これは提案の一部をなすものと思いますので、そういう場合はむろん歓迎いたします。
○並木委員 そうではなくて、私の今の質問は、講和條約とか、貿易協定とか、ないしは通商條約とかいうものが提案されて来ることも待望しておられるかどうか、こういう点です。
○岡崎国務大臣 われわれはそういう前に、まず懸案を解決したい、こういう希望を持つております。
○並木委員 では、最後に予備作業班の問題で一点だけお尋ねしておきます。先ほど宮原さん、栗山さんからもお尋ねがあり、また私のあとからもお尋ねがあると思いますから、私は一点だけにいたします。 それは先ほどの政府の答弁によると、横須賀地区のことについては、まだ全然話が決定的の段階に来ておらないと言われたが、そういうふうになつておるかどうか。それから政府が土地の方々の要望を入れて、これが応ぜられないという場合に、予備作業班としては、あえてまとまらなくてもよろしい、応じなくても、そのままこれを合同委員会に持込むということを考えておるかどうか。何でも予備作業班としては話をまとめなければいけないのだというつもりでき行ますと、食い違いが起つて来るのであります。そのところの心構えはどうなつておりますか、それをお尋ねいたします。
○小澤説明員 ただいまの御質問の第一点に対しましては、横須賀地区につきましては、大体追浜を除きましては、原則的了解に達しておるのではないかと考えております。これは先ほども申しましたように、二十三日の市長さんの話によつて、大体了解に達しておるのじやないか。と申しますのは、現在使用しているものについて、市長さんとこの間お話したわけなので、この点については大体了解に達しておるものと、われわれは考えております。しかしながら追浜地区の問題もありますし、さらに横須賀市といたしましては、商港転換の問題もあるようであります。その地区につきましては、特に長浦港の問題なのですが、米軍から特に何らの問題もありませんし、何ら布望を申して来ておりませんし、あるいは将来申して来るかもしれませんが、この点につきましては、現在何も申して来ておりませんから、大体追浜地区を除いては、話がついたものとわれわれ了解いたしております。 第二点に対しましては、もちろん予備作業班は講和條約発効とともに合同委員会に引継がれますので、あと一両日の問題なのであります。従いまして、この一両日の間に横須賀問題、これは追浜問題を含めまして、確定的にきめようという意思はございません。これは合同委員会に引継がれて、そのまま交渉を続けるということになると思います。さよう御了解願いたいと思います。
○並木委員 ですからその点十分政府は心にとめておいてもらつて、一両日を争う問題じやないと思いますし、あと予備作業班だけでまとめなければいかぬとか、予備作業班になつたときは、まとめないと首になるとかならないとか、栄進できないとかいう問題ではないので、十分意向をくんで、そこに摩擦を生じないようにしてもらいたいと思うのです。それから先ほど栗山さんからも質問になりましたが、日本としては軍事的な専門家をだれか顧問にしておるのですか。これは大臣の方へお尋ねすることになると思いますけれども、やはり軍事作戰の専門家、そういうものがないと、両方の意見が食い違つたときに、日本の政府としては、強くこれを主張する根拠がなくなつて来るのじやないかと思いますけれども、その点はどうなつておりますか。
○岡崎国務大臣 ただいま予備作業班の班長をしております井關局長は、警察予備隊にもかなり長くおりまして、近代的ないろいろの装備についての知識があります。もちろんわからないところは専門家に聞くよりほかありませんけれども、現在のところは、われわれ予備作業班の能力は、別に専門家の意見を聞かなくても、やつて行けるくらいの自信を持つております。必要があれば聞く場合はむろんあります。
○並木委員 わからない大事なところを専門家に聞く、その専門家はどういう人がなつておりますか。
○岡崎国務大臣 まだ必要がありませんから、別に専門家を指定しておりません。しかし専門家はそれぞれ日本中にたくさんおると思います。有名な専門家、たとえば電気についてはどう、電信についてはどうといろいろあります。いくらでもそれは人に事欠かないと思います。
○並木委員 軍事的な専門家の方はどうなのですか。
○岡崎国務大臣 問題は軍事的というよりも、これだけの人をどこに置くか、これだけの施設をやるについて、ここのところの線をどのくらい離れなければならないか、ということが主でありまして、作戰等の必要はないのであります。
○仲内委員長 北澤直吉君。
○北澤委員 私は日本の国際連合加入の問題につきまして、二、三伺いたいと思います。 第一点は、先ほど並木君からも御質問があつたのでありますが、日本とソ連との国交調整の問題でございます。御承知のようにソ連は安全保障理事会において拒否権を持つておりますので、現在のように日ソの関係が調整されない状態におきましては、日本が国連加入を申請しましても、どうもソ連が拒否権を行使する可能性が相当あるのであります。そればかりではなく、日本がソ連との間に戰争状態を継続するということは、諸般の関係から見ましても、おもしろくないのでありまして、なるべくすみやかに日ソの国交を調整することが必要であろうと思います。先ほどの大臣の御答弁によりますと、まず懸案を解決してから日ソの国交調整をはかる、こういう御意見のようでありますが、大臣が考えておられる日ソ間の懸案というものは、大体どういうものであるか。先ほどお述べになりましたような、抑留邦人の引揚げの問題、あるいは歯舞、色丹など現にソ連が不法に占領しておる日本領土の返還の問題、いろいろな問題があろうと思いますが、大臣が考えておられる日ソ間の懸案というものは、大体どういうものであるかということを伺つておきたいと思います。
○岡崎国務大臣 これは、懸案というのは当らないかもしれません。しかし国交調整という言葉を使われれば、その国交調整の一部になると考えております。それを解決してから国交調整ではなくして、それが国交調整の一部だと考えております。そういう問題の中には、今お話の未帰還者の三十数万人の引揚げの問題もあります。それから漁夫、漁船の返還もありましよう。また中ソ同盟條約は、事実上日本を仮想敵国としておるような事情もあるように見受けられますので、この点の調整も必要じやないかと思います。歯舞、色丹島の問題もあろうかと考えております。
○北澤委員 ソ連側の方では、日ソ間の懸案の問題は、政治問題はたな上げしまして、まず経済方面から日ソの関係を打開して行こうというようなことで、いわゆる通商攻勢と申しますか、モスクワの経済会議に日本も招請するとか、あるいは日ソ間の貿易打開によつて、まず経済の方面から日ソの国交を調整して行こうというふうな虫のいい考えを持つておるのでありますが、政府といたしましては、政治問題も経済問題も全部ひつくるめて日ソの国交調整を行うつもりか、ソ連が言うように政治問題はたな上げして、経済問題から入つて行くという考えはないと私は思いますが、念のために、その点大臣のお考えをお伺いしておきます。
○岡崎国務大臣 これはただいまお話のように、現在の国内の経済情勢あるいは輸出貿易等の現状から見まして、もし実業家連中の前にうまいえさを出して来れば、当然これに飛びつこうとする気持は、日本側にもあると思います。それはソ連と——直接名前をあげることははばかりますが、共産陣営側のやり方は、こういうふうにして国内の足並を乱して、あるいは自由主義国家から離脱して、反対の方向に向うというような、いわゆる平和攻勢の一環と見られる点もあるのでありまして、政府としては目前の利益よりも、根本的な政策がこれによつてそこなわれないことが最も大事であると考えておりますから、政治問題、経済問題をひつくるめまして、重要なる問題が解決されることをまず考えなければならぬと考えております。
○北澤委員 ソ連との貿易に関連して伺いたいのでありますが、日本の相当の部分では、いよいよ講和條約が効力を発生して、日本が自主権を回復すれば、中共との貿易などいうものは簡単にできる、これまでのようないろいろの中共貿易に関する制限は、日本が独立を回復すればなくなるというふうな間違つた考えをする者があると思うのであります。ところがわれわれの考えでは、今のような朝鮮動乱が続いておつて、国際連合が中共に対してある種の措置をとつておる限りは、いかに日本が独立を回復しましても、中共貿易の将来につきましては、あまり多くを期待できないというふうにわれわれは考えておるのでありますが、これに対しまして誤解が相当ある。日本が独立すれば、中共貿易はすぐできるのだというふうな考えがあるようでありますので、ひとつ大臣から明確に御答弁を願つておきたい。
○岡崎国務大臣 その点はお話の通りでありまして、国連が現在中共に対して経済的の措置をとつておる現状において、その趣旨を違えることは、政府の最も好まざるところであります。また国連の措置が行われておる場合に、目先の利害を考えまして、自由国家群の足並の乱れるような措置をとることは、独立した後の日本としては、最も避くべきものだと考えております。従つて厳重に国連の趣旨に沿いまして今後の貿易を規制して行く、こういうつもりでおります。
○北澤委員 次に伺いたい点は、講和発効後の日本と外国との通商関係の問題でございます。いよいよ二十八日には講和條約が効力を発生しまして、日本とイギリス、その他講和條約を批准した国との間には、平常な国交関係が開始されるわけでありますが、それと同時にいよいよ日本と外国との通商、経済関係の樹立も必要であります。申すまでもなく、日本の今後最も大きな問題は経済自立の問題であります。従いまして日本と外国との通商関係をすみやかに確立するということが、今日最も要請されておることと思うのであります。講和條約によりますと、将来日本と各国との間には通商條約を結ぶというふうなことがあるのでありますが、その通商條約を結ぶまでの間は一体どういうふうにするか。占領中に司令部もしくは日本政府と外国との間に結んだ貿易協定あるいは金融協定、ああいうものによつて暫定的にそれを処理して行つて、将来通商條約ができる場合には、それに切りかえて行くというふうな考えでおるのか、その点さしあたつて伺つておきたいと思います。
○岡崎国務大臣 通商條約を早くつくりたいという意向は、当然われわれとして持つおりまして、いろいろ、たとえば日米間においても話合いをいたしておりますが、これは今後長い間の日本の貿易を規制する協定でありますから、早くつくるということだけで、いいかげんなものをつくるというわけにはとうてい参りません。従いましてさしあたりは、今までの貿易協定なり、あるいは支拂いの協定なりを暫定的に有効にして、一時的にこれで通商をやつて行く、こういうつもりでおります。また現にそういう措置をとりつつあります。また平和條約の第十二條(b)項によりますと、「該当する條約又は協定が締結されるまで、日本国は、この條約の最初の効力発生の後四年間、各連合国並びにその国民、産品及び船舶」等について、こういう待遇を與えるという規定がありまして、根本的にはこういうことになりますが、実際上は今お話のような貿易協定等を一時的に延長をしまして、これによつて通商を支障なく行つて行こう、こういうつもりでございます。
○北澤委員 当分の間、通商條約ができるまでの間は、貿易協定もしくは支拂協定というものによつて、暫定的にやつて行くというふうなことでありますが、平和條約によりますと、通商條約ができるまでの間は、日本国と連合国は相互的に最恵国待遇を與えるというふうな規定になつておるのであります。ところが最近だんだん世界的な不況と申しますか、不景気になつて参りまして、各国とも自国の経済の保護のために、輸入制限をするというふうな措置をぼつぼつとつて来ておるようであります。従いまして日本の商品の市場におきまして、日本の商品に対して、いろいろの輸入制限というものが行われるのではないかということを、われわれは心配しておるわけであります。平和條約が効力を発生した後、日本の商品あるいは船舶というふうなものに対しまして、今度條約を批准しました国々が、日本に最恵国待遇を與えるというはつきりした見通しがあるかどうか伺いたいと思うのであります。特にイギリスなどにおきましては——アメリカは大体日本に最恵国待遇を與えるというふうにわれわれは見ておりますが、イギリスは自分の本国では最恵国待遇を與えるが、植民地におきましては、日本に対して最恵国待遇を與えないというふうな新聞の報道もありますので、これは今後の日本の貿易の進展に非常に大きな問題であると思うのであります。従いまして、講和條約発効後、日本に対する連合国の最恵国待遇供與の見通しについて伺つておきたいと思うのであります。
○岡崎国務大臣 これは主としてポンド地域等のお話だと思いますが、事実なかなかむずかしいのであります。條約は要するに相互主義に基きまして、お互いに最恵国待遇を與えよう、こういうことになつております。これは通産大臣にでもお聞き願つた方がよいと思いますが、日本としましては、要するに今は輸入の方を大いにやりたい、主として輸入の方に重点を置いておるようなわけであります。もつとも輸出も決しておそそかにはでませんが、ポンドの方は大分たまつておるししますので、なるべくポンドで輸入したいという考えを持つております。そこでこの方面についてできるだけ話を進めて行きたいと考えております。そこで最恵国待遇というような問題であまりむずかしく話をせずに、事実上輸入がよけいできるように、また必要な輸出も妨げないように——これも全面的に輸出をとめるとかなんとかいうのではありませんで、その土地における過剰、過剰以上になつておる物資に対して、さしあたり輸入の許可を與えないということがおもなる措置だと思いますが、これは品物がはけないためでもあろうと思います。実際上の実情を平和後はだんだん調査いたしまして、個別的にできるだけ貿易の障害のないようにいたして行こう、これには事実上の解決をはかろうと思いまして、あまり正面から條約というようなものをたてにとつて法理的な議論をいたすよりも、むしろ事実の問題として解決した方がよいのではないか、こう考えて、そのつもりでやつております。
○北澤委員 そういうふうにいろいろ政府の方で具体的にお考えのようでありますが、やはり日本の貿易の進展のためには、どうしても外国におきまして日本商品に対して差別待遇を與えないということが、最も大事なことと思うのであります。そういう点から申しますと、日本がすみやかにいわゆるガットといいますか、一般通商関税協定というものに入れば、日本は日本の貿易につきまして差別待遇を受けないのでありますが、なかなかガットに対する日本の加入の問題がむずかしいというふうにいわれておるのでありますけれども、政府の見通しといたしましては、日本の独立後におきましても、ガットの加入ということがなかなかむずかしい問題でありますか、その見通しをひとつ伺つておきたいと思います。
○岡崎国務大臣 これは御承知のように、最近におきまして日本の綿糸布等の輸出量が非常にふえまして、昨年はたしか世界で一番輸出量が多かつたのではないかと記憶しております。そのような関係で、多少恐れをなしておる国もあるわけであります。そのためにこのガット加入の問題もなかなかはかどらないのでありますが、講和後は在外使臣も出ますし、それらの人々を通じまして、できるだけ相互の誤解を解いて早くやりたいと思つております。ただ、ただいまのところの見通しはどうかと申されますと、今後人を出してよく話をしてみないと、はつきりした事情がわかりませんので、ちよつと今見通しを申し上げるのは差控えたいと思います。できるだけ努力はいたします。
○仲内委員長 北澤君、あと時間は少しですから……。
○北澤委員 もう一点だけ質問して私の質問を終ります。最後に伺いたいのは、いよいよ講和條約が効力を発生しまして、日本が外交についても自主権を持つことになるのであります。ところが現在の吉田内閣は向米一辺倒であるというような誤解が、国の内にも外にもあるのであります。(「その通り」)これは非常な誤解でありまして、政府におかれましては、世界の万邦共和の精神によつて、特に世界の民主主義諸国とは密接に提携して行く、そして善隣友好の関係を立てて行くということは、政府が何べんも言われたことであります。従いまして、政府におかれては、そういうふうな日本の内外における誤解を一掃するように、今後十分の努力を願いたいのであります。そこで伺いたいのでありますが、そういう世界の国々と日本との友好関係を樹立するということでありますが、その中で特に必要なアジア諸国との国交樹立の問題でございます。いよいよ二十八日に講和條約が効力か発生しますと、インドは同時に戦争状態を終結して、日本との正式国交を回復するということが新聞に出ております。それからパキスタン、セイロンは條約を批准しておりますから、これもいいのであります。それからタイも講和條約効力発生と同時に、日本との間に正式に国交を回復するというので、いいのでありますが、問題は、同じ東南アジアに国をなす国でも、ビルマ、インドネシア、あるいはフィリピン、あるいは仏印三国——ヴエトナム、ラオス、カンボジア、それから韓国、こういうようなアジアの諸国との友好関係というものも、なるべくすみやかに樹立するということが、共産党のいうような向米一辺倒でないということをはつきり示す一つの証拠になると思います。そうなりますので、私どもはせめてアジア諸国との友好関係というものはなるべくすみやかに樹立して、そうして日本は世界の民主主義の国々との間の友好関係を、すみやかに樹立する方針であるということを、はつきりしていただきたいのであります。そこで伺つておきたいのは、今のような、ビルマとかあるいはインドネシア、フィリピン、仏印三国、そういう方面との正式国交は一体いつごろ開始するのか、その点について承つて、私の質問は終ります。
○岡崎国務大臣 フィリピンとは、おそらく條約が批准される前に、大使等の交換ができるのではないかと考えております。政府としてはその希望でおります。ビルマもおそらくそうなりはせぬかと考えております。インドネシアは、政変等がありましておそくなつておりますようですが、インドネシアとは非常に国民の間にも友好的な感情が深いのでありまして、政変が治まれば国交回復はできると確信いたしております。それから台湾もただいま話し中でありまして、もう大分歩み寄りはできておるように思います。朝鮮との間は一時話合いがとぎれてしまいました。しかし朝鮮側でも国交回復のための措置をとりたいというので、あの多数の代表を出したくらいでありますから、大韓民国政府が日本との間に平常関係を樹立したいという希望は明らかに看取されるのであります。あとは協定の内容等の問題でありますから、これもできるだけ早くいたすつもりでございます。従いまして、ただ仏印三国につきましては、あそこに内乱の関係もありますし、なかなか困難な点もあるように思いますが、これも国交を回復したくないという意向があるわけじやないのでありまして、ただ国内事情で急にはかどらなかつたというのが実情じやないかと思います。従いまして、アジアにおきましては、中共政府を除きますれば、他のあらゆる国との間の国交回復は、そうおそからざる機会にできることは私は間違いないと思つております。ただいまさような状況であります。
○仲内委員長 林百郎君。
○林(百)委員 私は予備作業班のその後の作業の問題と、それから行政協定第十二條の物資の調達の問題について、国民の間からいろいろな問題が出て、おりますので、それをきようは大臣初め各関係者にお聞きしたいと思います。まず最初に予備作業班の問題ですが、民間では予備作業班というのは、まつたくさる芝居で、ただ一応日本の政府がアメリカ軍側と一緒に歩いて、日本側の意向を代表しているように見せかけるだけであつて、実際は直接の向うの軍の命令と、地元との間に直接的な話合いが進められておるのだということをしばしば聞いておるのであります。私がきようここではつきりしておきたいことは、一体予備作業班は米軍とどういう形で関係を持ちつつその仕事を進めておるのか、まずその点から聞いておきたいと思います。
○岡崎国務大臣 詳しいことは予備作業班の方からお話いたしますが、ただいま林君の言われたようなさる芝居であるとか、まつたく体裁を整えるだけであるというのは、おそらく共産党の宣伝でありまして、林君はその共産党の宣伝に迷わされておるのだと思います。(笑声)実際はそういうことは全然ないのであります。そうして予備作業班がもし施設、区域等の提供に同意をしない場合には、その施設、区域は使用できないのであります。もちろんその場合は行政協定によりまして、両国政府のもつと高いレベルの方に移されますけれども、予備作業班は必要な場合には同意せざるの権限を政府から與えられておるのであります。しかしながらこれはお互いにとりつこするような状況ではなくして、先方でも日本の国民の気持、経済等を考慮しまして、一番支障のないようなところを使いたいという気持でやつております。日本側としては、日本の安全を保障してもらう米軍のことであるから、でき得る限り便宜な施設、区域等を提供したいという気持でお互いに進んでおりますから、決してその間に非常な意見の相違等は今までのところありません。しかしながら日本側の反対意見等がある場合には、先方はこれに対して快く聴従いたしまして、できるだけ日本の民意に沿うような方法で進みたいといつておるのであります。その間まつたく平等で、お互いに他方の意見を尊重し合つてやつておることは、これは事実が証明いたしております。決して今林君の言われたようなことは国民の声でもないし、事実にも反するのでありますから、おそらくどこかの宣伝にすぎないと考えておるので、今日からそういう誤解は解かれるように切望いたします。
○林(百)委員 岡崎国務大臣が、私の質問は何でも共産党の宣伝だというのは、あなたが今吉田内閣に対して国民からどういう批判が起きておるかということを真剣に考える良心がないから何でも政府を攻撃する者は共産党だと思つて、自分のいすにのさばつているのだと思うのであります。私はあなたこそもつと謙虚に国民の声を聞く修練をされたらどうかというように警告を発しておきます。というのは、私はそれでは具体的に横須賀の問題を取上げます。私たちはつい一昨日横須賀に行つたのでありますが、そうすると、先ほど予備作業班の話では、追浜地区の接収の問題については、全然アメリカ側から話がない、追浜の二十三工場のあるこの地区に対しては、米軍からは接収の話は全然ないというように、これは予備作業班の責任ある人の回答と聞いていいのですか、まずそれから確かめておきます。そうすると何ら心配する必要はないのですね。
○小澤説明員 私の先ほど説明申し上げましたのは、軍から明確なる要求——明確と申しますのは、どのくらいの施設、地域を必要とするという要求がまだ来ていないということでありまして、全然追浜を使わないということではありません。さよう御了承願います。
○林(百)委員 明確な要求がないなら、どういう要求があつたか、それを説明してもらいたい、その要求の中に、今地元民の非常に熱心に希望している二十三の転換工場地域も入つておるのか、入つていないのか、それをお聞きしたい。ということは、予備作業班の人がそんなごまかしを言つておる間に、実際は業者の方へは特調を通じまして、業態の内容のいろいろな書類を出せということが出て来ているわけです。何も接収しないのに業態に関するいろいろな調査の報告を求めるはずがないのじやないか。だからあなたはつんぼさじきにおるのだというのです。何も共産党の宣伝でも何でもない。それじや特調から何でこの地区の二十三の工場に対する調査の要求があつたのです。それを説明して下さい。
○小澤説明員 追浜地区につきましては、あの地区を使いたいというきわめて漠然たる申入れはありました。それに基いていろいろ現状を調査しているというのが現状であります。しかしながら私が先ほど申し上げました明確なる要求といいますのは、いわゆる区域を限定する意味の明確なる要求という意味で、全然要求がないという意味もありません。さようひとつ御了承願います。
○林(百)委員 何だかわかつたような、わからないような答弁ですが、そうすると、この二十三工場のある平和産業への転換地区ですね。これはあなたのいわゆる漠然たる要求の中に入つているのですか、いないのですか。
○小澤説明員 その点につきましては、一部は入つているのではないかとわれわれは想像しております。しかしながらはつきりしたあれがありませんもので、その点ここで申し上げるわけに参りません。
○林(百)委員 そうすると、それはいつはつきりするのですか、この関係者はすでに接収されるということを非常に心配している。もう市長まで呼ばれているわけでしよう。それだのに一番市民が切実な要求をしておる二十三工場のある転換地区が入つているのか、入つていないのかということを、予備作業班として、あなたはなぜ米軍に対して確かめないのです。だからあなたは無責任だというのだ。 それから岡崎国務大臣にも申しますが、先ほどあなたは、横須賀は何らの地域も出さないようなことを言つておる。国家全体の立場からいえばがまんしてくれといいますが、がまんして提供しているじやないですか。横須賀は政府が旧軍港市転換法によつて、われわれが国会できめた法律によつて、ここへは工場を誘致すべきだといつて、政府並びに国会でつくつた法律に基いて、非常な犠牲を拂つて、二十三工場を持つて来たものを、また再接収されるのでは意味をなさないということで反対しているのですよ。だからこの問題についても、予備作業班は、このわれわれも責任があり、国会も責任があり、政府も責任がある。またデッカーという海軍中将も、ここへはどんどん平和産業を持つていらつしやいと言うので、業者がここに来た。何も業者がすきかつてに入つて来たわけではない。国会で法律ができ、政府が推し、デッカーという海軍中将も言つたから、ここに工場を持つて来たのでしよう。せつかく投資をして、大体企業が軌道に乗つて来て、今年からは何とか黒字になりそうだというときに、また再接収されるということでは、われわれは何のためにここに来たのか、という業者の気持なんです。それを予備作業班がまだ聞いていない、さらに確かめてもいないというのでは、つんぼさじきだ、さる芝居だと言われてどこが悪いか。何が共産党の宣伝だ。この点岡崎国務大臣はどういう責任を負います。これは何も業者がやみくもに反対しておるのではなくて、そういう旧軍港市転換法によつて、いろいろな勧めもあつて、ここへ工場を持つて来たところなんです。だからせつかくそういう勧めもあつて、ここへ来て、今年から企業が軌道に乗つて来たのだから——これはほんの一部分です。あなた、地図をごらんになるとわかりますが、黄色い部分は全部向うが軍港として使つておるのですが、あなたにあとで地図をまたお見せしますが、黄色いところは全部提供しているのです。ほんの赤い一部分だけ再接収してもらいたくないという切実な要望なんです。これに対して予備作業班はどういうことを向うに対して言つているのか。これに対して旧軍港市転換法によつてここへ業者を導いておきながら、またこれが再接収になるということならば、これはゆゆしい問題である。これに対して岡崎国務大臣はどういう責任をとられるかということを私は聞いている。
○岡崎国務大臣 私からまず御答弁します。先ほど林君は聞き違いをしておるのであります。私は横須賀が何でもないというのじやない。たとえば横浜という土地から出て行くのだから、横須賀の追浜というような地区を一つだけとらえれば経済に影響があるけれども、日本人全体から見ればどうであるかという点も考えなければならぬのだ、こう申しておる。そうしていろいろお話がありましたが、こういう点は林君に言われるまでもなく、われわれはずつと前から考慮して研究しておることは、横須賀の市長も知つておられればその他の関係者も知つておられる。ずつと前からの話であります。しかしながら、われわれとしてはアメリカ側の必要と思う施設は、それがどうしても必要な施設であるならば、当然提供するつもりであるのであります。しかしながら先方でも日本の経済にできるだけ支障を及ぼさないように、その間の調節をはかるというつもりでやつておりますから、そこで予備作業班でいろいろ話を進めておるのであります。ただいまの問題の追浜地区につきましても、こちらでどの程度日本の工場が働いておるか、またどの程度の生産をいたしておるか、こういうことを調べることは、将来万一話があつた場合に説明する資料として当然であります。もし特調がそういうことしなければ、特調がむしろ怠慢なのであつて、これは調べるのがあたりまなのであります。しかしながらそれは用意しておきますけれども、何もこちらから好んでそういうものを提供するのではないのでありまして、先方の話を待つてそれに応じて話を進める場合がかえつていいときもあるし、またこちらから進んで話をした方がいい場合もありましようが、予備作業班の判断では、ただいまこちらから積極的にこの話を持つて行かない方がいいというために、わざと先方の出方を待つている次第であります。これはわれわれの判断でこの方がいいからそのようにやつているわけであります。
○林(百)委員 何だかちつともわからないのですが、アメリカが必要とあれば当然提供する。そうすると日本人側の事情を考慮しないのですか。いくらアメリカ側がこちらに要求しても、日本人側のこの地域のものから何とかしてくれという要望があることを向うに伝えないのですか。この点につきましては岡崎国務大臣は、のらりくらり政治的な答弁ばかりしていますから、具体的に予備作業班を担当している政府委員にお聞きしますが、あなただつて知つているはずである。横須賀の人はこの部分だけは強く反対している、こういうことは知つておるはずと思う。われわれから言わせれば、一日も早くアメリカの軍隊に帰つてもらいたいが、われわれは自分の党の立場を離れて、横須賀の市民としてがまんするだけはがまんしてこの部分だけはぜひという要求があるわけなんです。それが米軍の要望に入つているのかいないのか。入つているとすればこの地区だけは強い反対があるということをあなたは伝えてあるのかないのか。またこの地区が入つているのかいないのかわかつているのかいないのか。横須賀の市民はこの転換工場の地区に対しては、再接収してもらいたくないという要望があるということを、あなたは向うに伝えてあるのかいないのか、それを言つてもらいたい。この横須賀の運動は去年の十一月ごろからずつとやつているのですから、それをあなた知らないはずはないと思うのです。知つていて米軍側に一つも言えないということになると、あなた方は日本の役人でないということになる。それをあなたにお聞きしたい。
○小澤説明員 ただいまの御質問の点につきましては、すでにわれわれは現地を十分視察しております。そういう現地の声も十分聞いております。その点も米軍側には伝えております。ただ米軍側から何回も申し上げるようでございますが、やはり具体的な要求と申しますか、話合いと申しますか、その段階にまだ至つておりませんから、依然として未解決のままあるという次第でございます。
○林(百)委員 そうすると、具体的な要求はいつごろになるという見通しですか。それともここは心配しないでいいという見通しですか。
○小澤説明員 その問題につきましては、ただいま大臣から御説明がありましたように、現地の声が十分われわれにはよくわかつておりますので、積極的にこちらから持ち出さない方がいいというふうに考えておりまして、出方を待つているという状況でございます。
○林(百)委員 その辺がわからないのですが、現地の要望としては非常に強い再接収の反対の要望があるのでありますから、それをやはりはつきり伝えておいた方がいいと思うのですが、どういう考慮から岡崎国務大臣は向うが出るまで待つておるのでしようか。向うが確定的に方針を立てて来て、軍事上ここがどうしても必要だという具体的の計画で示されたら、なお困難じやないのですか。その計画ができる前に漠然としてこの地域も入つているというならば、横須賀のこの地区だけについては、日本の国会も政府も責任があるし、業者並びに市当局も強く反対があるから、考慮してもらいたいと事前に伝えておいた方が万全だと思いますが、どうして事前に伝えることがぐあい悪いのでしようか。
○岡崎国務大臣 私は市民の希望とか、そういうものを事前に伝えていないというのじやない。ここのところをどれだけいるとかいらないとかいう話合いを、こつちから積極的にやらないというのであります。市民の声はわれわれの方からも伝えており、また請願書というかつこうで横須賀市の方からも司令部の方にも出してある。この事情は十分向うに伝えてある。伝えているがただ向うも考慮しているでしようから、その間にこつちから積極的に言つて、ここのところをどうするという話合いをするよりは、向うの出方を待つた方がいいというのです。もしとられてもさしつかえないからやれやれというなら、それは今からでも話合いをしてもちつともさしつかえない。
○林(百)委員 強く反対するととられるから言わないというような、そんなたよりない腰抜けの大臣が一体どこにあるか。そういうようにはれものにさわるように、黙つておいた方がいいというような、そんな腰抜け大臣がどこにあるか。
○岡崎国務大臣 私はとつてくれるなということを言わないといつているのではない。反対している声はわれわれからも伝えておるし、市民からも伝えてある。ただこの場所をどうするという話合いをこちらから積極的にいたさないという……。
○林(百)委員 あまりあなたと私とやり合つてもしかたがないのであります。あなたの言うことはよくわからない。市民の声を伝えているということは、市民はこの地域は接収してもらいたくないという具体的地域が出ているのです。それをはつきり伝えてもらいたい。それに対して米軍はどう言つているかということ聞かなかつたら、あなたの答弁聞いて帰つても、横須賀の市民は何も納得できません。ますます不安が高まるだけである。具体的に市民の声を伝えているというのならば、この平和産業の転換について、この地域については特に米軍に伝えて、これに対して米軍がこう考えておるとか、大体最終的結論がいつごろ出そうだということを言つてくれなければ、市民としては国会から帰れますか。国会は信頼できないというよとになつたら、何をたよつたらいいでしよう。もう少し具体的にお聞きしたい。あなたが市民の声を伝えたというのですが、この地区に対しては特にこの地帶に反対があるということを伝えて、米軍がそれについてこういう意見があつたとか、なかつたとか、答えなかつなら答えないでいい。答えないとすれば、一体この問題についてはいつごろきまるか。あるいはずつとそのまま見過すことができのか、その辺も、せつかく横須賀の市長や商工会議所の会頭や業者の、会社の首脳部も来ているのでありますから、国会である程度のことがわかつたということで、わかつて帰らなかつたら、これは意味をなさないと思う。ですから大臣も、私に答えると思えばしやくにさわつてしようがないかもしれないが、ぜひ横須賀から陳情に来ている市民の人々に対して答弁するつもりでおやりになつたらいかがでしようか。
○岡崎国務大臣 別に林君に答えるのがいやでも何でもない、喜んでお答えしているのでありますが、先方はむろん考慮するということで来ている。そこで先方も、われわれの、あるいは横須賀の市民の強い要望に対しては、考慮をするということは考えているということを横須賀市民も知つている。そこで今度は交渉のテクニックになるのであつて、そのとにき、一体われわれの方からいえば、林君の今言われたうらに、それでは追浜地区はどうなるのでございましようかと聞くようなそんな交渉はわれわれはいたさない。そうかといつて、これでは絶対いかぬのだというまでには、向うのどれだけの必要があるかということを見定めなければ言えない。われわれとしては日本の安全を守つてもらうためのアメリカ軍であつて——これは林君は気に入らぬかもしれぬけれども、われわれはそう思つている。従つてでき得る限りの便宜は供與しなければならないとわれわれは信じている。従つて先方の要求、先方の必要がどの程度であるかということも見きわめないうちに、この地区はいけませんということは言えない。しかしながらこの地区はどうなりましようかと先方の御意見だけを聞いてきめるわけでもない。そこで交渉のテクニックとしては、こちら側の要望をできるだけ徹底して先方に伝えて、そうして先方の出方を待つ。これが一番いいと思うから今そうやつているのであつて、しかしながら、もしできてもできなくてもいいから、ここのところを早く話をつけてくれという要望であるならば、それはやつてもよろしいけれども、多少時間が延びてもその方が交渉の上には有利であろうと思うから、そういう方法をとつているだけのことであります。
○林(百)委員 実は横須賀の問題をこう申し上げるのは、何も横須賀の問題だけではなくて、佐世保、呉、舞鶴各軍港に同じ問題が起きているので、私はそれを代表して横須賀の問題について大臣の責任ある答弁を聞いたのであります。従つて私はこの接収の問題についてはこれで最後の質問としたいと思いますが、そうすると岡崎国務大臣は、この横須賀の問題については最後まで責任を持つて地元民の要望を実現する、あくまで責任を持つてやるという保証がここでできますか。私はそれさえ大臣が保証するなるならば、これ以上何も質問する必要はありません。だから地元民の要求に対して、私は身をもつて責任を負つて保証するということを、ここではつきり答弁してもらえば私はそれでけつこうです。
○岡崎国務大臣 私は林君とは立場が違い、思想が違いますから、身をもつて保証するというようなことは申しません。これは日本の安全を保障する軍隊でありますから、必要であるならばいかに犠牲を拂つても、日本が変な侵略国から占領されるよりはいいのでありますから、でき得る限りの便宜を供與するつもりでおります。ただこの間においてお互いにほかのものでかえ得る場合もありましようし、またそれだけのものでなくてもがまんできる場合もありましようから、互譲妥協の精神でお互いに話し合つて円満に施設、区域の問題を解決する、こういう趣旨で考えているのであつて、日本全体の立場を見てやつておりますから、追浜地区だけの問題に事を限定するわけには参らないのであります。しかしながら市民の要望等はよく心得ておりますから、できる得る限りその間の事情を調整しようと思つている次第であります。
○林(百)委員 接収の問題については、岡崎国務大臣が相かわらず最後には逃げを打つていますから、いずれ今後事態の発表に応じてまた質問をいたします。 実はこれも行政協定の第十二條に関連して、米軍の直接調達の問題が、非常にいろいろの混乱と困難を業界に来しているのでありますが、業界から行政協定のたしか第十二條だと思いますが、第十二條に基く調達方式について、できるなら政府の保護に基く間接調達の方式をとつてもらいたい、それからわが国の法規や商慣習の無視あるいは経営権への干渉あるいは差別的な契約、こういうものについてはひとつぜひ是正してもらいたいという要望が強いようでありますが、行政協定の第十二條に基く調達について、特調としてはどういう考えをもつて業界を守つてやろうということを考えられているか、それをまず聞いておきたい。
○辻村政府委員 行政協定第十二條に調達方式が規定されておりまして、ただいまお話のありました直接調達、間接調達の関係はしかしながらこの協定第十二條にはつきりいたしておりませんが、予備作業班等でだんだん検討の結果、大体労務の調達以外は、いわゆる間接調達でなくて軍直接の調達によることになる見込みでございます。しかしながら軍の直接調達につきましては、ただいまお話のように業界から不満の——不満と申しますか、反対の意向も実はあるわけでございます。と申しますのは、何分にもアメリカの直接調達は、契約の手続、契約の條件その他すべてアメリカ本国の方法によつて行われております関係上、日本の会計法令あるいは商慣習とも異なる点がございますので、言葉の問題もございますし、かたがたいろいろの紛議が起りやすい状態にあるわけでございます。のみならずそういう紛議が起りました場合には、その紛議の裁定はアメリカ軍の内部の機関によつて行われ、最後には陸軍長官の裁定によつて最終決定となるわけでありますが、そうした軍の機関によつて裁定せられます場合に、裁定の基準になりますのが、ただいま申し上げましたようなアメリカ式の方法で契約せられる結果、アメリカ的なえなり、アメリカの慣習が基礎になつて裁定せられますので、最終的に日本側の業者が納得いたしかねるような場合も間々ございまして、そうした面から、特に最近業界からの不満が、かなり強くまた広くなりつつあることは事実でございます。しかしながらこの問題は、單にそうした業者の立場のみならず、産業全体の立場、あるいは国の財政的な立場等、諸般の関係から総合的に判断しなければならない非常にむずかしい問題だと存じておりますが、それはとにかくといたしまして、大体最初申し上げましたように、軍の直接調達によつて調達が行われることに大体内定をいたしております。しかし同時に今申し上げましたような直接調達に対しまして、業者からの不平の声があることも事実でございますので、今後そうした直接調達のもとにおいて業界の不満をいかにしてなくし、日本の業界を守るためには、どういう点を改正すればいいかという点につきまして、ただいま予備作業班で検討中でございますので、近く適当な結論が出ることと期待いたしております。
○林(百)委員 そうすると、もし直接調達の方法を是正し、業界の要望にこたえるということになると、やはり特別調達庁が一番過去の経験もあるし、これがそういう任務を持つ立場になるのではないかと思うのであります。ところが最近聞くところによると、特別調達の職員五千二百名を二千五、六百名に減らしてしまうというような話も聞いておるのであります。そうすると特別調達庁としての機能は、ほとんど喪失されるのではないかわれわれは思うのでありますが、そんなに人員を半減してしまつて、しかもあなたの言われるような十分な業界の要望、あるいは不動産施設の接収解除そのほかの事務を円滑に遂行できるかどうか、政府の考えとしては特別調達庁以外の機関を何か考えているのか。ということは特別調達庁の職員の方からも熱心な請願、陳情が国会にありまして、特別調達庁の職員が半減されたのでは、われわれは責任を持つて自分の職務の遂行ができないというような声があるのでありますが、これについてどう辻村事務官は考えられておるか、お聞きしておきたいと思うのであります。
○辻村政府委員 あるいは私の説明が足りなかつたのかと存じますが、直接調達の欠陥を是正するために、どういう改正をすればいいかということを、ただいま予備作業班で検討中と承知いたしております。それは要するに軍が直接調達をやつた場合に、従来のどういう点を今後是正してもらうかという問題でありますので、この調達に関します限り、平和條約発効後は日本機関は関係しないことになる次第でございます。従いまして調達庁が従来担当しておりました連合軍のため、あるいは駐留軍のための調達という、従来の調達庁の主体的な業務が全然なくなりますので、機構人員等は当然減らさなければならないと考えております。ただしかし一面におきまして、ただいまお話のような接収不動産の解除に対する補償その他非常にやつかいな仕事がなおございます。これは今後の調達庁の仕事でございまして、そうした今後調達庁に残されました仕事が完全に遂行できますように、必要な人員はぜひ確保しなければならないと考えておりますが、まだ新しい定員をどのくらいにするかということにつきましては、関係各省と検討中でござまして、結論には達していないような状況でございます。
○仲内委員長 簡単にお願いいたします。
○林(百)委員 承知しました。向うの調達に日本政府が関與できないということになつて、民間の業者は向うの軍の思うままに契約が左右されることになると、まつたく日本政府の保護から離れてしまうことになるのではないかと思うのであります。今業界から出ておる営業権への干渉の排除だとか、対等の地位における契約だとか、あるいは日本の商慣習の保護とか、こういうものは将来米軍の直接調達の場合に、一体どういう機関が保護するのか非常に問題だと思うのであります。たとえば有名なレイモンド事件の朝霞、座間の契約にいたしましても、日本の特調の調査では千五百万円ぐらいでできるのを、アメリカの業者であるレイモンドに三千四百六十五万円で契約さしている。キング事件のごときは、日本の特調では二十億で十分足りるというのを、向うの業者のキング会社に五十億で請負わしておる。それから役務関係の東京港湾ドックの事例では、業者が五回も呼ばれて、あちらの会社はこれだけ下げておるからお前の方もこれだけ下げろと言われて、トン当りで二十セントでなければどうしても採算がとれないのを十三セントまで引下げられた。こういうような問題は幾らでもあるのであります。ことに極東空軍基地建設工事の設計については、日本側の担当課長が行つたところが、軍の関係者三十名くらいに一人で応対させられ、それも立ちずくめで応対させられて、遂に日本側の意向が拒否されて、米軍から直接キング会社へ五十五億の発注が出されたという問題がある。このように日本政府の発言すら拒否されるとすれば、業界の者ではとうてい直接調達で太刀打ちすることはできないと思うのです。そうすると重要な調達はほとんどアメリカの業者に請負わせて、日本でやることはせいぜい人夫の提供くらいのことになつてしまう。これは非常に重要な問題だと思うのでありますが、これに対して一体日本政府はどのように保護に当られるのか。ちようど岡崎国務大臣も帰つて来ましたからあなたにもお聞きしたいのですが、直接調達の問題で日本の業界から非常に大きな不満が出て来ておる。あなたが非常に罪の深いことをやつたものですから、だんだんとそれが暴露されて、非常に大きな問題になつておるのですが、一体今後行政協定に基く直接調達でこうむる日本の業者側の不利な事態を、どうやつて保護して行くつもりであるか。これは共産党が心配するまでもなく、経団連や方々の業者の団体から政府に陳情もあるはずでありますから、十分おわかりだろうと思います。これをどういうふうに保護して行くつもりであるか、まず辻村事務官からお答え願い、それから岡崎国務大臣から責任ある御答弁を願いたいと思います。
○辻村政府委員 ただいまお尋ねがございました直接調達のもとにおける日本側業者の保護という問題につきましては、大体二つの方法があると考えております。第一点は最初に申し上げましたように、従来のいわゆる特需は純然たるアメリカ式の契約でございましたので、日本の法令なり慣習と合わない点があつて、それがいろいろ業者側に不利なり不便を来しておりますので、平和條約発効後にそうした純然たるアメリカの方式でなくて、日本側のしきたりなり商慣習を十分取入れた新しい方式によつて、軍が直接調達をしてもらいたいということから、ただいまその具体的な方法につきまして、予備作業班で検討中でございます。 もう一点は、行政協定第十八條に規定せられております対軍の契約で紛議が生じた場合に、当事者間で解決できない場合に、合同委員会に調停のために付託せられることになつておりますので、そうした問題が合同委員会に付託されました場合には、十分日本側の業者の立場を理解いたしまして、できるだけ業者の利益が保護せられるように、委員会を通じて努力をいたしたいと考えております。
○岡崎国務大臣 大体今御説明された通りですが、元来直接調達というのが趣旨であるということは、前に労務のときにも繰返して申したのでありますが、ただ労務者の方は、個々では非常に不便である、また立場が弱いということで、それではりくつは合わないけれどもできるだけ要望を入れようというので、間接調達を取入れることになつたのであります。しかし業者の方は労務者よりもよほど強いのでありまして、これは直接調達で日本の方式に沿つてやれば行けると考えております。しかし、やつてみてそれがぐあいが悪いようなときには、また交渉して適当な方法をとり得ると考えております。とりあえずはこれで発足してやつてみよう、こういうつもりでおりますが、日本側の業者の立場が著しく不利になるようなことはしないつもりでございます。先方もそういうふうに了解しております。
○林(百)委員 どうも政府の言うことは何を聞いてもおめでたい答弁ばかりであります。業界はよほど強いから直接調達しても不利益をこうむらないと言われるが、この事情を知り切つたアメリカの業界が軍と関係していろいろな注文をとるときに、資本の小さい日本の業界が、何ら政府の保護もなく、裸で突き放されて、あなたの言うようにおめでたく行くはずはないと思う。だからやはり何らかの形で政府が保護する方法をとらなかつたら、日本の業者はとうてい太刀打ちできない。かつて満州国における日本の業界が関東軍と結びついてどういうことをやつたか。満州の業界が日本の業界と太刀打ちできたか。あれを見ればわかる。現に軍が厳然としており、軍が直接注文を出すときに、軍の母国であるアメリカの業者が軍と密接な関係をとつて、英語をしやべつて、一切の内情を知つて注文をとるときに、日本の業界が政府の何らの保護もなくして太刀打ちできるはずがない。また紛争が起きたら合同委員会に持ち込むと言うが、合同委員会に持ち込むような業者が日本の政府から何らの制限を受けることなしに自由に契約ができるか。みなオミットされると思うのです。これはおよそ甘いにも限りがない。しかもそれに対する保護の政策は、今予備作業班で研究しておるというけれども、現にもうあさつてはいわゆるあなた方の言う講和が発効するのに、まだこれが検討中であるということは、結局日本の業者が大きな犠牲をこうむる。岡崎国務大臣はいつも非常に手放しな楽観的な答弁をしてにやにやしておられますが、いよいよあなたも重大な事態に立ち入らなければならないということをあらかじめ予告しておきたいと思います。もう少し真劔にこの問題を考えていただきたい。 それから最後に岡崎国務大臣に聞きたいのは、公認調達機関ですが、これも講和が発効すれば当然具体化しておらなければならない。一体これはどうなるのか。この前私が聞いたときは、日本側もこの中に入れるとか、発言権を持ち得るということを言つておりましたが、実際はおそらくアメリカの軍の機関として日本側の発言は入れられないと思いますが、この公認調達機関は具体的にはどうなつておるか。もうあさつてに迫つておる講和の発効を前にしてどうなつておるのか、説明を願いたい。
○岡崎国務大臣 私は林君の発言に対しては、非常に傾聴しておりまして、決してにやにやしておりませんから……。(林(百)委員「いつもにやにやしているよ」と呼ぶ。)それは自然生理的な現象であります。(笑声)そこで公認調達機関の問題でありますが、これは先方できめない間は今の状態で行きますから、別に支障はないと思います。まだ先方ではつきりきめておらないのじやないかと思います。私も直接やつておりませんから、今現にどうなつているかはつきり申し上げられないのであります。(林(百)委員「何も保護機関がない。証明やいろいろのものはどこで出すのか」と呼ぶ。)いろいろのものはあとで出す方法もありますし、過渡的にはちやんとできるようになつて、ほとんど支障はありません。 それから尨大なる資本を持つて請負業者が来るというお話でありますが、そんな尨大な資本を持つた請負業者が来ておるとは私はまだ何も聞いておりません。もうあさつては講和ができまますが、まだそんな尨大な業者は来ておらないようであります。
○仲内委員長 黒田寿男君。
○黒田委員 私は国際連合への加盟の件についてお尋ねいたします前に、行政協定関係の事項につきまして、多少承つておきたいと思います。国民が一般に心配しておりますことは、施設及び区域の提供について、その標準として「安全保障條約第一條に掲げる目的の遂行に必要な」ということが示されておりますが、それ以外に何らの標準も示されていないのであります。その点を国民は非常に心配しておると思います。何か施設及び区域を提供するについて、「安全保障條約第一條に掲げる目的の遂行に必要な」ということ以外に、もう少しこれを具体化した標準はないのでありましようか、これを知りたい。そう思います。必要だからというので、いくらでも接収せられるというのでは、非常な不安が起つて来るのでありまして、私は他に標準が示されていないように思うのですが、この点について何かはつきりとしたもの、もう少し詳しい標準になるものがあればお伺いしたい。
○岡崎国務大臣 これは別に標準というものはありません。しかしながらすでに予備作業班の東北、北海道方面の話合いは原則的についております。その結果を見れば、国民の心配があるかないか、これは事実が証明すると思います。もう間もなく関東地方も作業が済みますし、それから今度は南の方に行けば全部済むのであります。われわれの考えでは多少遅延をいたそうかと考えますが、五月一ぱいくらいにはあらかたの作業は終るのじやないかと思つております。それの事実が証明しますから、かりに国民が心配しているとしましても、その心配はただちに解消する性質のものである、こう考えております。
○黒田委員 岡崎国務大臣のおつしやいますように簡單に考えればそれでも済むかもわかりません。しかし岡崎国務大臣はただ従来までの経過の一部を御説明になつただけであります。この行政協定によりますと、第二條第二項には必要に応じまして、新たな施設及び区域を提供することを考慮することができるというようになつております。むろん必要でない場所は返してくれるでありましよう。そのことも示してありますけれども、将来必要なものはどんどんと接収するのだということが書いてもあります。大臣は、ただ過去において予備作業班の業務としてこれだけの土地あるいは施設を提供したという例を示されるにすぎないのであり、その事実だけによつて大したことはない、安心しろというお話では、国民の方は安心できない、そこで何か標準はないかというお尋ねを私は念のためにしてみたのであります。今申しましたように、将来擴張することができる——施設及び区域を新たに提供することができるということになつておるのでありますから、過去の例を見ろ、それが標準になるというだけでは、私どもは標準が示されたと見ることはできない。なければないでよろしい。あれば何か標準を示してもらいたい。
○岡崎国務大臣 黒田君は非常に御心配のようでありますが、アメリカの駐屯軍が必要とする施設は、日本の安全保障等を守るために必要の限度で要請するのであります。従つて今後変化があることは当然予想されます。いらないものは返す、これは第二項にもあります。第三項にもはつきり出ております。またいるものは新たに使う、これはあたりまえのことでありますが、原則的にはただいま使用することをきめました施設、区域が大体において日本の安全保障等を守るためのアメリカの要請にかなうものである、その大きなわくの中でいらないものは返し、いるものは新しく使うというわけでありますから、原則的には今の状況がずつと続く、こうお考えになつてむろんさしつかえないわけであります。
○黒田委員 ただいままでの大臣のお話では、要するに確たる標準はないというように、私ども解釈するよりほかないと思います。そこでこれ以上この点につきまして質問いたしましても、満足するような答えは得られないと思いますので、少し私は問題を進めて参ります。このたび横須賀に起つておりますように、追浜地区などがかりに接収されるとすれば、これはたとえでありますが、万一そういうことになるといたしますれば、合衆国の軍事目的と横須賀市の経済目的とが衝突するようなことになる、両目的が両立しないというような場合が起り得るのであります。そういう場合において行政協定の條文を調べてみますと、第十二條には「現地で供給される合衆国軍隊の維持のため必要な資材、需品、備品及び役務でその調達が日本国の経済に不利な影響を及ぼす虞があるものは、日本国の権限のある当局との調整の下に、また、望ましいときは、日本国の権限のある当局を通じて又はその援助を得て調達しなければならない。」ということになつておりまして、資材、需品、備品及び役務というようなものにつきましては、日本国の経済に不利な影響を與えるというような場合に考慮されるというようになつております。ところが施設及び区域の提供という問題につきましては、特にこのことが明記されておりません。しかも私は施設及び区域の提供につきましては、今指摘いたしました物資並びに役務の調達以上に、日本国の経済と関係のあるものがあると思います。ある意味におきましては、先ほどの質問の繰近しになるかもしれませんが、施設及び区域の提供については、第十二條のごとき何かの制限規定と申しますか、先方の要求を、日本の利益という見地から制限することができる、そういう制限的條件が、施設及び区域については設定せられておると言い得られるものであるかどうか。どうも條文の上からは、はつきりそうなつておりません。資材、役務等の調達についてすら、それが日本国の経済に不利な影響を及ぼすときには考慮するということになつておるのでありますから、いわんや施設及び区域につきましては、そのことについて何も書いてなくても同様な考慮が拂い得らるべきものではなかろうか。そういう見地から、私ども米軍の要求に対し、日本の経済的立場というものを主張いたしましてこれを拒否する、考慮をして直してもらいたいと主張する。そういう主張に対する標準にそれがなりはしないか、こう考えるのであります。この点いかがでありましよう。
○岡崎国務大臣 これはもうお話の通りであります。ただ片方の第十二條は、向うがいろいろなものを注文して買つたり何かするのだからして、そのときにはかつてにやつて、経済の不利を起すようなことがあつてはならぬから、日本側とよく連絡してやるのだ、こういう趣旨であります。片方の施設、区域は、日本政府の合意を得なければできないのである。その合意の中には当然日本の経済ということが考えられる話でありますから、ここに書く必要がなかつたから書かなかつたのであります。しかしながら念のためにこれはこの條文ではありませんが、この調印のときにラスク大使の声明文がありまして、それをごらんになれば明らかに日本の経済に支障が及ばないように、できるだけ配慮するということをわざわざ断つております。さよう御承知を願います。
○黒田委員 そうしますと、私の最初に質問いたしましたことに対するそれが、お答えになつていると思います。私もそういうお答えを聞きたかつた。どうもただ條文の上だけ見ますと、何らの標準も示されていない。必要に応ずれば将来もどんどんと接収できるということになつております。何かこれを限定する標準がないかということに対して、何らはつきりしたお答えがありませんでしたので、第十二條の例を引いてお尋ねしましたところが、私の考えておりますようなことが、施設及び区域について言えるというお話でございました。そういうことであるなら、そういうものを私は標準と言いたいと思います。だから私どもは、そういうものを標準として日本政府に対処していただきたいと考えます。そこでもう少し話を具体化しましよう。私は先日他の外務委員諸君とともに横須賀の視察に参りまして、いろいろと現地の事情を見て来たのでありますが、特に横須賀につきましては、御承知のように、旧軍港市転換法という法律の適用がありまして、その法律に基いて旧軍港を経済、産業貿易都市といたしまして、現在再建の途上にあるのであります。日本経済という立場に立つときに、経済上の不利益ということを十分考慮して接収問題に対処するということになつて参りますと、旧軍港市転換法というようなものに対しましては、十分な考慮が拂わるべきである、この法律に基いて経済建設をやつておる地域につきましては、特に考慮が携わるべきものであるというように、私どもは理解してよろしいと思います。こういう法律に基いて経済建設がなされておるその地域に対する接収に対して反対するということは、こういう法律があるということを一つの根拠といたしまして、できるものではなかろうかと思いますが、これについて政府はどのようにお考えになつておりますか。大臣はこの点についてどうお考えになるか、あとの問題については他のそれぞれの当路者の方にお尋ねしてみたいと思いますが、この点だけ最後の質問として大臣にお尋ねしてみたいと思います。
○岡崎国務大臣 まず初めのお話でありますが、これは黒田君はお忘れになつたかもしれませんが、その程度の標準であるならば、行政協定の問題がここで議論されましたときに、私は繰返し申したし、黒田君にも直接申したと思います。それはつまり日本の経済にできるだけ支障を及ぼさないとか、あるいはいらなくなつたら返すとか、あるいは始終使つてないものは、使つてない間は日本の政府も使えれば、日本の国民も使えるというような各種の標準はあるわけであります。しかしながらそれ以上の具体的な標準をつくる必要は今ないと思つて、事実上やつておるだけであります。そこで今度は軍港都市等の転換についてでありますが、これは元来われわれはそういう法案は、むろん尊重いたしますが、この追浜地区に行くとか、横須賀地区に移転するとかいうのは、何も新しくそこに軍隊が来るのではなくして、たとえば横浜の今市街の主要な部分を占めておる軍の施設がどこかへ移転しなければならない、横浜にいられたならば、横浜の貿易、つまり日本の窓口である横浜の貿易に非常に支障が来る。そこで移転するとすれば、海に近いところで港がなければならぬ、交通の施設も十分でなければならぬ、またこの司令部その他の海軍等の関係で接近したところにも行く必要がある。こういうことで、どこがよかろうかというので、横須賀地区等が候補者になつておるわけであります。そこで日本全体の経済から見て、横須賀地区にそういうものを置いた方がいいのか、それとも今まで通り横浜に置いてもさしつかえないのか、どれが全体の経済のために一番支障がなく行くかということを一番考慮するのであつて、横須賀地区だけ置くというとはなはだ残酷なようでありますが、横須賀地区だけを見て、この横須賀地区だけがいやしくも経済に支障がないというのでは実はないのであります。日本全体の経済を見て、一番支障のないところに、そして日本の安全保障に必要な程度の施設、区域を設定する、こういう考えで行きますから、地方的には多少の影響がある場合も当然予想されます。しかしながらわれわれのは今言つたような全体の状況を見てきめるのでありますから、その点は法律等はむろん尊重して、できるだけそれに沿うようにいたしますけれども、同時にこういう点の考慮もあるということをひとつ御了解願いたいと思います。
○黒田委員 横浜のかわりに横須賀を選ぶ。しかして横須賀を選ぶということは、横須賀に不利益になる。ということは、私は日本の経済に不利益になることであると思います。この点は岡崎国務大臣と少し物の見方が違うのであります。しかしこのことについてはもう議論はいたしません。そこで私はとにかく、申し上げたいのは、旧軍港市転換法というようなものによつて、せつかく経済建設をやつておるのに、また新たな接収によつてせつかくの横須賀の復興の営みを無に帰せしめるというようなことは、断じてしていただかぬように、特にこの転換法に対する考慮をなさるべきだと思いまして、私の意見を申し上げたのであります。しかしこれについてはもうこの程度でやめます。 そこで次に予備作業班の当局の方にお尋ねしてみたいと思いますが、市長との間に話合いがついておるとおつしやつた、先日市長を確かに外務省にお呼びになつているようでありますが、そのときに話がついておるということをおつしやつておりますが、もう少しそれを具体的にお話願えれば、横須賀の市民諸君も安心するのではなかろうかと思います。横須賀で問題になつている点は、大体私は三つになつておると思います。第一は、接収の地域を現在以上に擴大してもらわないということです。この点についてはどうでありましようか、あなたの方のお見込みを伺いたい。一つ一つ私は聞いてみたい。
○小澤説明員 ただいまの御質問に対しましては、われわれといたしましても、できるだけこれは現在以上に接収地域を擴大してもらいたくないという陳情、これはもちろん追浜……。
○黒田委員 簡単でよろしいです。
○小澤説明員 できるだけその線に向つて努力したいと思つております。
○黒田委員 努力したいと思つているとおつしやるだけでなくて、現在での見込みはどうでありましようか。一つ一つお尋ねして行きますが、接収地域が現在以上擴大されるおそれがあるかどうか、ただいまのところのお見込みだけでよろしいのです。あなたの方で決定権を持つているわけではないのですから、今までの経過で擴大されるおそれがあるか、それともなくて済むか、大体のお見通しを持つておられるならば伺いたい。
○小澤説明員 その問題につきましては、われわれといたしまして、大体現在使つております旧軍港施設につきましては、現在以上ないものと考えております。
○黒田委員 第二番目に横須賀の方々が問題とされておりますのは、今申します追浜地区と、それから長浦地区でありますが、一つは産業地帯として、一つは貿易港といたしまして、これだけは絶対に接収から除外してもらいたいという要求が特に出ておるのであります。この点について先ほどから、何か市長との間にいろいろお話合いができておるとかというお話でありましたが、そのお話の内容をも加えて、今までのところどうなる見込みであるかということを伺いたい。
○小澤説明員 追浜地区につきましては、すでに大臣の御説明にもありました通り、横浜地区の米軍の施設の移転の問題に関係しておりまして、移転地として一つの候補に上つておることは事実であります。しかしながらそれはあくまで候補でありまして、軍からこれは徹底的にとるという、はつきりした申出は現在ありません。ただ一つの候補として、調査とか、あるいは現在どういう工場があるか、その工場の数はどのくらいか、あるいは従業員数はどのくらいかという調査の命令は出ております。しかしながら確実にそこをとる、どの程度の広さのもの、並びに施設のものをとるという要求は、現在出ておりません。それから長浦問題につきましては、京浜地区における港湾施設の移転問題と関連しておりまして、これまた軍から正式に要求が出ておりません。しかし問題は、京浜地区の港湾問題にからみ合つておる現状であります。
○黒田委員 そうしますと、現在のところでは、まだはつきりしたことは要するに言えないということですか。
○小澤説明員 そういうわけであります。
○黒田委員 では次に、いつごろまでに一応その地区の問題がわかるのでありますか、この際は接収せられずに済むかどうかがわかるのはいつころですか。先ほども言いましたように、行政協定には、将来必要ならばいつでも新たな地域を接収するということになつておる。こういう日本人にとりましては非常に不利益な、不安心な條項が入つているのですから、将来また必要が生じたときに、そこがほしいといつて遠い将来に遠いと言うと語弊がありますが、将来において、こういう要求が起り得る。そういうことがあるかどうかということは、今は別問題としましよう。現在全国を予備作業班がまわつております。この時期の範囲内において、およそいつごろまでにきまるお見込みでありましようか、いつまでも不確定な状態にあるということを市民は非常に不安に思つておるのであります。お見込みを聞かしていただきたいと思います。
○小澤説明員 この問題につきましては、二十三日の参議院の外務委員会におきまして、伊關局長が大体今後一箇月以内に全施設について決定することになるだろうという説明がありましたのですが、大体五月末までには何らかの見通しがつくのではないかと考えております。
○黒田委員 全般的に言えば大体いつごろまでということは、行政協定にも示されておるようでありますが、私が今お尋ねしましたのは、全般的に接収地域の問題が一応はいつごろまでの間にきまるかということでなくて、特に追浜並びに長浦についてはどうか。決定には個々の順序がありますか、決定は最後に一度に決定するというのか、そうでなくて順序を追つて個々に決定するというのか、二通りの決定の方法があると思います。全般を一度に決定するというのならば、それはそのある一定の時期まで待つということになる。そうでなくて順序を追つて個々的にきめるならば、それより早く見込みのつくところもあろうと思います。どういうふうになつておりましようか。個々的というふうになつておりますれば、追浜並びに長浦はいつごろ、どちらとも決定せられる見込みになつているか、その御見当はつきませんか、つきますれば少しでも早く市民は聞きたがつているのであります。わずかな情報でも知りたがつておりますからお尋ねしておきます。
○小澤説明員 従来の経緯から見まして、大体施設、区域の決定等につきましては、現地からも特に反対の意向もなく、日本政府並びに米軍側の意見の一致したものについては、割合に早く決定されております。しかしながら現地の方においてこれに対する反対の空気が強いとか、あるいは日本政府において、いろいろここは困るとかいう面で、米軍と日本政府との間で話合いがつきにくいものについては、あとまわしになるやり方でやつております。従いまして追浜問題並びに長浦港問題につきましては、現地の特に強い陳情もありますし、その決定が遅れるのではないかと考えております。従いまして、なお一箇月くらいの期日を要するのではないかと考えておるわけであります。
○黒田委員 大分問題が具体的になつたと思います。そこで最後に、これは希望であります。先ほども岡崎国務大臣に対して申し上げましたように、横須賀が産業都市への転換の過程にありまして、今私が指摘いたしました地区は、産業地区及び工場地帯及び貿易地帯といたしまして、おそらく横須賀といたしましては絶対に必要な地区であると考えますので、これは日本の政府としては絶対にがんばつていただきたい。私はそういう希望を申し上げておきます。 あなたにこれ以上申し上げましても、決定権を持つておいでになるわけではありませんから、日本政府としてはそういう気持でぜひ横須賀のために御努力を願いたい。まだ多少こまかい点は残つておりますけれども、きようはこのくらいにいたしておきます。 委員長に申し上げます。私は国際連合加盟の件につきまして、條約局長がおいでになりますのでお尋ねしたいと思いますけれども、やはり岡崎国務大臣も一緒においで願いました方が、質問のために便宜であると思います。特に私は委員長に要請したいと思います。発言順について別にいさかいをやるというのではなくて、私からも次回は理事の諸君にも要求してみたいと思いますが、特に次会は私を先順にして質問をさせてもらいたいと思います。その要求をいたしますときは委員長も御考慮願いたいと思います。私は十分政府の立場も考慮しますし、委員長の立場をもまた十分考慮していると思いますけれども、最近はあまりにも、いつも最後にまわされて、かんじんなところに来て時間の関係上質問が続行できないということになつておる。はなはだ残念に思います。この次には特に他の委員諸君にも私自身からも了解を求めたいと思いますが、何回も、またいつもとは申しません。国際連合加盟の件につきまして、もう少し政府に聞きたいと思うことがありますので、特に発言順のことについておとりはからいを願いたいと思います。
○仲内委員長 承知いたしました。
○黒田委員 それではきようは非常に残念でありますけれども、大臣もおいでになりませんし、時間も大分おそくなりましたので、政府委員にもたいへん御迷惑であろうと存じますから、次会に質問することにいたします。
○仲内委員長 本日はこれにて散会いたします。次会は公報をもつてお知らせいたします。 午後二時十七分散会