海外同胞引揚及び遺家族援護に関する調査特別委員会 第19号
- 発言数
- 75 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1952/07/30
会議録
○小平委員長 これより会議を開きます。 本日は遺家族援護に関する件、在外資産に関する件及び在外公館等借入金に関する件について議事を進めます。 まず遺家族援護に関する件について、援護庁長官より戰傷病者戰没者遺族等援護法の施行状況について説明を求めることといたします。木村引揚援護庁長官。
○木村(忠)政府委員 戰傷病者戰没者遺族等援護法につきましては、法律が制定になりましてから法律の施行に必要な各種の手続を定めまして、五月の中旬までにこれを示達いたしまして、郷道府県に対しまして、各地方別に実施につきまして事務の指導をいたしました。なお都道府県におきましては、これに基きまして市町村に対しまする事務の指導をいたしまして、現在その結果、市町村におきまする遺族から請求書がだんだんと出つつあるという状況でございます。現在までに遺族年金並びに弔慰金につきましての申達の当方に参つておりますものは、総計一万六千五百三十二という数字に相なつております。まだ出ておりませんのは、ただいまのところ、地方に対しまする事務の取扱いについての指示がようやく徹底したころでございますので、これから早急に申請書が出て参ると思つております。なお各町村等におきましては、町村の分をまとめてこちらに申達しようというような傾向がございまするので、そういうような関係から、おそらく一括されて多数のものが急激に来るようになるだろうと思つておりまするが、現在のところ参つておりまするのは、まだ今申しましたような数字でございます。一方障害年金につきましては、増加恩給を現在受けておりまする者四万二千四百六十七名、これに対しましては、昭和二十七年五月一日に総理府の恩給局から増加恩給裁定者名簿を受取りまして、七月一日までに、すべての受給権者に対しまして障害年金証書を発送いたしております。この年金受給をいたします者は、七月十一日から各支給郵便局におきまして第一期分の受領をいたすことに相なつておりますので、これに間に合いますように、七月一日までに全部の発送を終つたわけでございます。なおそのうち、住所不明等によりまして返送されたものが若干ございますけれども、その大部分は調査の結果住所が判明いたしまして、送付を終つているわけでございます。なお昭和二十七年四月一日以後に新しく増加恩給の裁定を受けましたものが七百二名ございまして、これも近く全部に発送を終ることにいたしております。従いまして一応旧軍人軍属の中で、増加恩給を受けておりましたものにつきましては、すでに一応障害年金の方におきましては、手続が完了していると言うてさしつかえないと思います。遺族年金につきましては、今申しましたような状態でございまして、今後出ますに従いまして、これが手続処理をすみやかにいたしたいと思つております。
○小平委員長 本件に関する質疑を許します。若林君。
○若林委員 これは私が当面した問題なんでありますが、戰病死という公報を受取つておつて、その戰病死の内容についての証明書をそれぞれ添付して提出しなければならぬというようなことですが、しかし役所が戰病死ということを出している以上、遺族に対してそういう義務を課するということは私は不穏当だと思う。ところが姫路の病院でなくなつているのでありますけれども、その姫路の病院に照会してみたところ、その当時の人がいるやらいないやらわからぬ。もし遺族で照会ができるものなら役所でこれはやるべきである。それを受取るべき遺族の方にその責任を負わしている。できなければ公報を出したものの責任である。その公報それ自身を私は生かしておくべきである、とこう考える。特に遺族はひ弱い、役所なんかに行くこともおびえるような者が多かろうと私は思う。せつかく公報を受取つて、公葬をしてもらつている遺族が、その資格があると思うて今まで来ておるのに、このまぎわになつて、それじやいかぬのだ、こういう書類を添付せいというようなことで、相当に旅行をしなければ、そんな手続はふめぬような手続を課するということはどうかと思つておりますが、そういう実情がほかにも照会されたことがありまするかどうか、あるいは本省としてはどういうようなお考えでおられますかを、ひとつ承りたいと思います。
○田中説明員 それではただいまのことについて申し上げます。ただいまおつしやいましたことはまことにごもつとでございまして、公報をこちらで出した者につきましては、こちらでもつて書類を整えるということが一般の原則であります。そこで一般の戰病死の方につきましては、特別に御要求はしておらないのであります。ただ役所のうちでも、戰災等でもつて、古い書類をすつかりなくなしてしまつているというようなことがありますので、そういうところが、一部遺族の方に御協力をお願いするという意味でもつて、お手持のいろいろな書類がありましたら、できるだけ見せていただきたい、こういうふうにお願い申し上げたことはございます。それからなおうちに帰られてから、なくなつたという方があるのであります。これも在職中の公務傷病であれば、今度の遺族年金なり弔慰金に該当するわけでありますけれども、そういう方につきましては、お宅に帰られてからなくなつたので、こちらの方としてはこまかい資料がないわけであります。そういう私宅でもつてなくなられた方につきましては、こまかな資料を出していただくようにお願いしております。
○若林委員 今お尋ねいたしましたのは、具体的に申せば、姫路の陸軍病院でなくなつたというのを、八月の二十日過ぎに公報を受取つておるわけです。私はそれだけでものを言うものだと思つておりましたら、いろいろな資料を福井県の方から要求をして来た。これはこの間から本省の方でごやつかいになつておると思う。このケースについて、これは一つのケースであるけれども、他にもそういう例があるのじやないかという気持でお伺いをいたしたのであります。ただいまの明確なお答えで、おそらく県もその趣旨によつて処理して行くだろうと思いますから、安心をいたす次第であります。
○小平委員長 池見茂隆君。
○池見委員 ただいまの説明の中に、遣族年金と弔慰金に対しては、すでに一万六千五百三十二件ですね、こういつた書類が申達されておる。これはおそらくりつぱに整備された一つの書類と思いますが、こういつたものに対する支拂いはいつごろから開始されるか、それを伺いたい。
○木村(忠)政府委員 支拂いは御承知の通り九月でございます。それで裁定はできるだけすみやかにいたしたいと考えます。
○池見委員 それではこの遺族年金、弔慰金の支拂いの対象になつている数を伺いたい。
○木村(忠)政府委員 これは法律の審議の際にも申し上げました通り、大体百七十万見当というふうに考えております。
○川端委員 ちよつと今の御発言に関連いたしましてお伺いしておきたいのでありますが、問題は東予丸の件です。これは長官も十分に御承知の問題であります。一点だけ問題点を伺いたいと思いますが、この東予丸事件は、御承知のように復員の手続が一応行われて、それから部隊は編成された形で引率者によつて郷里まで帰つて来ている。従つて佐世保で復員を完了してばらばらに帰つて行つたとすれば、近道をとつたであろうという連中が、約三百に近いものの中で約半数以上あつた、こういうような條件下に帰途についたわけでありますが、その連中が途中の船の転覆によつて死んでしまつた、こういう事件の際に、あの中に入つておつた海軍の関係の三名と聞いておりますが、三名は触雷によつて死んだ、こういうような理由のもとに公報が出ているそうであります。そうして戰死の公報がただちに出されまして、同時になくなつた海軍の三名は戰死者として扱われていると聞いているのでありますが、陸軍関係はそうでなくして、これをわれわれ過般から折衝をいたしておりますように、取扱いの問題が非常に宙に迷つている、こういうような現状を非常に遺憾に思つているわけであります。ここでそういう問題点を一点あげまして、この東予丸犠牲者の扱いについて、今どの程度にお考えになつておられるかという点を伺つてみたいと思うのであります。
○木村(忠)政府委員 東予丸の問題につきましては、ただいまお話のような事実について、私の方ではまだ存じておりません。よく調査いたしたいと思つております。それからこれに対する考え方といたしましては、従来からたびたび申し上げております通りに、復員後の事故ということに相なりますので、現在の法律としては、これに対していかんともいたしがたいということであります。この中で三名だけ別な取扱いになつておるということにつきましては、今初耳でありまして、今ここで二復の人に聞いてみましたけれども、知らないということであります。
○川端委員 私たちも、最近個々にそういう遺家族関係にあたつて調査をされた結果を、私たちの手元への報告によつて承知いたしております。その際に最近聞いた情報でありますが、そういうことがあつたといたしますと、私は東予丸の扱い方が、また性格がかわつて行かなければならぬのではないか、陸軍と海軍と別々だ、こういうようなことはあり得ないじやないか、こういうふうに考えますので、一層御調査の上、この問題についての回答をまたいただきたいと思うのであります。
○福田(喜)委員 木村長官にお尋ねいたしますが、全国町村長会から、おそらく長官のところには遺家族に関する補償の問題についているいろいろな要望書が参つておると思います。われわれのところにも各議員みな来ておると思いますが、本日私はその書類を忘れましたので、内容について一々読み上げることはできせんが、あの内容はおそらく長官御承知だと思いますので、あれについての御意見をちよつとお伺いしてみたいと思います。
○木村(忠)政府委員 事務費を町村にぜひもらいたいというのが一つの希望であります。それからもう一つは、たしか戸籍の謄本をとるのについて、手数料を免除すると同時に、その経費を国で持つてもらいたいというのが地方の意見であります。これを免除するかどうか、免除いたしますとすれば、町村に対する財政問題を同時に考えなければならぬということでございまして、現在財政問題についての準備がございませんので、私どもといたしまして、これに対してどうこうするということは困難ではないかと思つております。それから町村に対する事務費につきましては、いろいろとくめんいたしまして、若干の事務費を出しておるのでありますが、表向き町村におきまする事務というのはあまりないのでございます。ただ経由するというだけでございますので、大した事務になつておらないのであります。事実上は遺族の方々に対しまするサービスといたしまして、申請の書類の作成等に当らなければならぬというような実情であるようであります。この点につきましては、十分実情を考慮いたしまして、財務当局の方に予算的な折衝をいたしたいというので、目下折衝を始めておるところであります。できるだけ努力いたしたいと思います。
○川端委員 それでは私関連いたしておりますけれども、少し話はかわりますが、靖国神社の合祀の問題について伺いたいと思うのであります。 今靖国神社に合祀されておりまする魂は、二十六年の五月三十一日までの霊といいますか、英霊が合祀されておるそうでありますが、最後の合祀祭は二十年十月でございまして、それ以来は遺族を呼びまして合祀祭を行つておられない。六月の三、四、五、こういう日にちをきめまして、靖国神社内でささやかなお祭りをいたしておられましたけれども、こうして独立し、そうして関係方面の干渉もなくなつた今日でありまするから、私はこの機会に伺いたいと思うのでありまするが、まず二十六年の五月三十一日までに合祀されておりまする英霊が百五十万ある。この百五十万というのは、まだ遺家族に対して正式に合祀されたという通知が出ておらぬと聞いております。しかも途中においては、問合せがあれば、その事実を返事をしてもいいというようなおふれがあつたやに聞いておりまして、せつかく合祀されておるということを遺族が正式に聞いておらない数が相当あるようになつておるそうでありますが、このことは事実でありましようか、お伺いいたします。
○木村(忠)政府委員 靖国神社に対しまする祭祀につきましては、昭和二十一年でございましたか、一応靖国神社に全部の祭神を祭祀するということで、御祭祀申し上げてあるのでございます。ただ今お話がございましたように、これは前からも申し上げておりまするが、そのうちで、祭神として祭神名簿に登載いたしまして、そうしてこれを合祀をいたしまして、さらに遺族に全部通知をしてしまつた、済んでおるというものが、二十七万七千九百五十ということに相なつております。従いまして、大多数のものにつきましては、今お話がございましたように、通知が未済なのでございます。現在御承知の通りに、宗教の分離という憲法の原則によりまして、靖国神社に対しまする合祀、あるいはそれに対するいろいろな事項につきまして、国から金を出すということが禁止されておりまするから、従つてこれを靖国神社自身の手でやらなければならぬというような現状に相なつたのであります。これにつきまして、われわれといたしましてはできるだけすみやかにわれわれの方でお手伝いをいたしまして、つまり憲法に違反しない限度におきましてお伝いすることを考えなければならぬというので、ただいまどういうふうにしたらよろしいかということにつきまして、靖国神社の側と相談をいたしながら今準備を進めておるわけであります。靖国神社側といたしましても、できるだけ早く祭神名簿に載せまして、遺族に通知いたしたいという希望は持つておるのでございます。これをいたしますにつきましても、御承知の通りに、この通知は單なる普通の手紙ではいけないのであります。従いましてこれにつきましては、相当鄭重に扱わなければなりませんので、経費といたしましては相当多額の経費がいるのであります。現在の靖国神社といたしまして、それだけの経費がちよつと出にくいような状況でございますし、またその事務を処理いたします諸経費等につきましても、相当多額のものがかかるようでございます。従つてわれわれといたしましては、これをいかにしてうまくやるかということにつきまして、目下研究をいたしております。できるだけすみやかにできますようにいたしたいと考えております。
○川端委員 御事情は一応承りました。役所としてもやりにくい立場がございましようけれども、靖国神社の関係は、国民の感情の上から行きましても非常に注目を浴びておる点であります。私は何か方法が講ぜられなければならないものだと思うのであります。しかして今はつきり伺つた数字から行きましても、ほんの一部分しか遺家族に通知がされておらない。大部分は、多分まつられておるのであろうと思うというような連中なのでありまして、非常にその心情もお気の毒な感じがいたすのであります。われわれのところにも遺家族の方から盛んにこれの陳情を受けております。従つてこれは聞くところによりますと、全部通知をすると一億いるとかいう話も聞いておりまするが、これは幾らいるのかわかりませんけれども、一億くらいの程度のものなら、私は何かの形で、靖国神社へ寄付というような形はできないのかもしれませんが、一億でもつてこういう大きな意義を持つた行事ができるのでありまするから、役所の方で具体的に何か方法はないのでありましようか。私は、これはなはだ解せないような気持も持つておるのでありますが、いかがでありましようか。
○木村(忠)政府委員 神社のお祭りに関しますることは、すべて宗教的な問題になります。従いまして、これは現在の憲法の解釈からいたしますると、それに関しまするものに直接国が金を出すということは、憲法上はどうしてもできません。従いましてこれに対しまして、いかにしたらよろしいかということにつきましては、われわれといたしましても十分研究いたしたいと思つております。
○若林委員 関連して……。靖国神社の取扱い方につきまして、これは慎重を期していただいて、私は積極的な方途を講じていただきたいと思うのであります。他の神社は別でありますけれども、この靖国神社につきましては、いわゆる宗教宗派を超越した国民的儀礼ということに重点を置けば置けないこともないと考えるのであります。この間とられました新宿御苑のあの儀式も、これは宗教宗派を超越した一つの追悼式というのでおやりになつたと思う。ああいう行事は、ことごとく最初は、仏にいたしましても神にいたしましても、初めからあつたものではない。だれかが始めたのであります。国家としても、ああいう儀式を行うべく、何かのひとつ形式をとらなければならぬ。そこで、神にあらず仏にあらず、どちらにも片寄らないものでというので御制定になつたのが、明治十一年の国礼国式というものではないかと思う。これは宗教的な意味はない。ただ国礼国式で、こういう儀式を行うときには、こういう場合にはこういう形式をとるのだというので制定されたと思う。それが神道関係の方がその国礼国式を強く取入れたがために、いかにも神道宗派に関連のあるものになつた。仏教がこれを取入れておつたら、おそらく私は仏式になつておつたと思うのであります。そういう意味において、広い立場に立つて、現在あるあの建物にそぐう、また国民感情にもそぐう行き方においてあれをやるのだという意味にとれば、そう宗教的に靖国神社だけを重点的にとるべきではない。いわゆるこの一つの記念塔のごときものが、国民感情からいつてあの形式を自然にとつたのだ。だから御本殿のごときは、純然たる神社形式になつていないと思うのです。あの門のごときは、あれは神式の感じを相当取入れておると思いますけれども、お寺にいたしましても、鳥居を持つておるお寺もあるわけでありますから、そういう意味で、ひとつこだわらないで、広い立場で御考究を役所側としてもお願いいたしたいと思うのであります。靖国神社だけに関しましては、宗教上そうではあるけれども、一宗一派にとらわれた感じで参拜しておるものはない。宗教宗派を超越した存在としてあれが取扱われておると思うのであります。それがあまり役所式になつてもどうかと思いますけれども、いわゆる国家の強制力をもつてとつた者をおまつりをすることで、英霊に対してはなはだ相済まぬという、ほんとうに盛り上つた国民の宗教情操というか、この上に立たなければならぬという意味の方に重点が置かれておると私は考えておりますから、そういう意味でひとつ――今回端委員から発言せられましたように、靖国神社に関しては、遺族がこうあつてもらいたいということを、神社側でできなければ役所側としても何らかの名目でひとつ援助推進をしていただきたい。これはおそらくだれ人も否定はしないものじやないかと考えますから、一言関連いたしまして希望を述べておきたいと思います。
○逢澤委員 靖国神社に合祀されているものといないものとの点につきましては、ただいまお話があつたのでありまするが、長官のお話では、どうも祭政分離という観点からお話になつて、大分むずかしいような、重たいような気分のように私は受取つておるのですが、これは役所としても、靖国神社合祀に対するいろいろの資金とか、あるいはそういうようなものを積極的に出すということは、これはあるいは憲法上の解釈からそういうふうになるかもしれませんが、しかし実際問題として必要性のあるということは、これは長官といえどもよく了承しておられると思います。そこで例の引揚者の方々に対する方法については、これはこの委員会におきましてもしばしば論じておるところなのでありまするが、これは私どもの見地から言うと、この引揚げ促進と引揚げ援助に対することとあまり差のないことだと思う。片方はもう戰死しておる。あるいは戰病死しておる。その霊と化しておるものをここにまつる。それをうちに帰す。かりにうちに帰るとしたならばどうでしよう。向うで遺骨を集めて、そうしてそれを内地に帰す場合の費用は、一体これはだれが負担するのか。そういうような見地から考えると、靖国神社にそれをおまつりするということに対しては、これは憲法上の何があるかもしれないが、あそこに届けるということに対しては、私はそういうような何はないと思います。靖国神社に遺骨を届けるということで考えたならば、私は今若林さんのお話のように、そうあまり憲法にこだわつて――その意思がないというならば、憲法にこだわつてそういうようなかたくなな話をしなければいかぬが、ところが政府が真にごうしなければならぬというような気持があるならば、私は今少しく熱心な研究を施すならば、あえて憲法に違反することはないと思います。それを何か申訳的な態度で長官がおると、それはそういうことになりやすいと思います。この点について、私はひとつほんとうに遺族を出しておる家庭の気持に長官はこの際なつていただきたいと思います。この点が一つ。 それから、さきにこれは川端委員の方からお話があつたのでありますが、例の今度の弔慰金だとか、あるいは年金に対する請求に関する市町村の事務的負担、これまた長官のさつきのお話からいうと、これは言葉じりをとらえてはなはだ何でありますが、あまりそう大して事務手続が煩瑣でないように私はここで聞いたのですが、これはまつたくどうも下部組織の何に長官が少しうといと思う。私ども日常この点に携わつておる者から言うと、これは実に千差万別のいろいろな種類があるので、下部組織としては非常な複雑な手続がいる。これは相当複雑なものであつて、そう單純なものでない。家庭自体というものは、あなたが立法される際にもよく研究したと思うが、家庭は千差万別で、いろいろな複雑な事情にできている。そこでこれを甲の町村役場から乙に行き、さらに丙に行くといつて、七つも八つもまわつて歩くようなところもあるし、しかもそれがなかなか解決しない。最後にはどうかというと、遺族から言えば、遺族の下部組織の市町村に対する考え方というものは、国家の代行者と考えて話をする。その場合に当るところの下部組織というものは、非常な誠意と熱意を持つてやつておつても、遺族の人にはきわめて不満足なところがある。それは一時に出すのだから、一時何ぼ少くても町村でも五十、六十も申請する。多いところは百、二百もある。そういう人たちが複雑なものを持つて行くが、それは総がかりでやつてもなかなかそれが解決しない。それに対しては、それが相当複雑なものであるという認識で、私はあの下部組織に対する事務の補助というようなものを熱心に考えていただきたいということが一点。それから一番まずい点は、あの戸籍謄本の点なのですが、これは一番に市町村が困つておる大きな問題です。これは法律の上からいつてはやむを得ぬことだと思いますが、そこで市町村としては一応こう思つておる。これはただでやればいいと思つている、みなそのつもりで、これを無料でとりはからいますと、こう言つておる。ところが監督官庁が無料にしてはいかぬということを各市町村に嚴に通牒をもつて戒めておる。そこで市町村長は遺族会の連中を集めてこれを無料でしますということを宣言していますけれども、監督官庁の方から、とうなければならぬという強い通達があるから、どうしても拂つてもらわなければいかぬという。そこで市町村としてのやり方は、少し気のきくところでは、一応徴收はしますけれども、何かの形によつてまたそれぞれ還付するということをやつておるらしい。そのくらい気のきくところであれば私は問題は少いと思う。しかしながらいやしくも遺族からいえば、国家のために殉職した者だ、国家がこれに対して弔慰金なり年金を下げ渡すようになつた、それに対して手数料をとるとは何事か、こんな政治がどこにあるかということが一番の話なんです。あなた方はこの声を聞かれておるか、聞かれておらぬか。少くとも私ども遺族の人に会うと、どこへ行つてもそのことである。だからこれらに対しても、いろいろ長官とせられても、遺族に対する取扱いという問題に対しては、一通りの心構えというものがあると思います。長い間あなたはこの点について、数年間わたつてこの事務を管掌なさつておられた方なんだから、今日この際になつておるんだから、やはり今日はなお一層その気持を強く出して、同情的の気持を強く出して、それぞれの方面にも当つていただきたいと思います。一言だけ申し上げておきます。
○木村(忠)政府委員 宗教の問題につきましては、私專門家でも何でもないのでありまして、私個人がどう考えましたところで、これは宗教問題については何ら権威のあるものではないのであります。すべてこれらの問題につきましては、宗教関係の專門のところに伺いまして、そうして話をきめなければならぬ。今まで私たちの承つておりますところでは、いろいろお話がございましたけれども、そういうようにはちよつと解釈さしてくれないのであります。従いまして私どもどう力んでみても、いかんともいたしかたがないのであります。先ほど申しましたように、これに違反しない範囲でどうしたらやれるかということを目下考究中であります。何とかいたしたいと思います。 それから末端の組織につきまして、非常に簡單なようなことを申したというのでありますが、そうではないのでありまして、法律の立場だけから申しますと、末端におきましてその事務があるかというと、そんなにたくさんの事務がない。従つて表向きのところではそう大した事務がないようになつておるけれども、実際としてはたいへんなのであります。これは遺族に対しまして、権利義務の関係ということから申しますと、権利を持つております者は、権利を証明するためにすべてのことをしなければならぬということになる。法律のりくつを申しますと、そういうことになるけれども、実際町村といたしましては、ほうつておくわけには行かない。全部の者について調べて、そうしてめんどうを見なければならぬ。従いまして町村としてはたいへんだろうと思います。従つてわれわれといたしましては、町村に対する事務費というものに対して何とかしなければならぬ。つまり現在持つておりまする事務費というものが、何と申しますか、法律に伴う事務を考えずに事務費をこしらえたようなことに相なつておりますので、われわれとしましては、この事務費でもつては、実際に来年の三月末までにこれをやり上げるということにつきましては、非常な不安を持つております。不安と申しますよりは、自信が全然ないのであります。従いましてわれわれといたしましては、この際率直に、これに必要なる予算を何とかして確保しなければならぬというかたい考えをもつて、目下事務当局と折衝しております。従いましてただいまお話にありましたように、非常に町村事務が煩雑であるということについては存じております。これについて何とかしなければならぬということは考えております。 それから戸籍の証明等の各種の手数料の問題でありますけれども、これにつきましては、今お話になりましたように、気持はわれわれとしても十分持つております。ただ法務府方面におきましては、なかなかその辺につきまして、これは私の方の所管というよりは、法務府の方で所管いたしておりまするが、これにつきましては政府でもつて相当莫大な予算を持たなければ、これに対しましては何とも応じられないというような状況であります。従いましてわれわれとしましては、それを押し切つてやれというだけのこともできませんし、言いましても向うは聞かないという現状であります。これにつきましては、そういうようなことになつておるというところで、今後その問題の打開についてもできるだけ努力はいたしたいと思います。
○玉置(信)委員 私は、ごく簡明率直に一点だけを木村援護庁長官にお伺いし、かつ要望をいたしておきたいと思います。それは御承知の去る四月立法化されました戰傷病者戰没者遺族等援護法に基きまして、御遺族に対し弔慰金五万円を公債をもつて支給されることになつたわけでありまして、その公債を、一部においては安く買いあさりをしておるという事実を聞いておるのでありますが、このことにつきましては、当時委員会におきましても懸念いたしまして、あらかじめ政府に、これはそのようなことのないようにという注意を喚起しておいたことを記憶をいたしておりますが、政府においては、かようなことを聞き込んでおられるかどうか。聞き込んでおられるとすれば、これに対していかなる対策を持つておられますかどうか。また聞き込みがないにしても、私どもの知る範囲においてこの事実がありますので、これに対して政府は将来いかように善後措置を講ぜられる御意思であるか。この点お伺いしておきたいと思います。
○木村(忠)政府委員 御承知の通りに、これは讓渡禁止になつておるわけでございまして、今申しましたようなことをいたしましても、表向きの場に出て来ますれば、もし問題が表面化いたしましたならば、この問題の解決はそう困難ではないと思います。讓渡禁止になつておるものでありまするからして、妙な手続をいたしましても、これが表に現われました場合、表面化いたしました場合には、これをさばくときにはそう困難ではないと思います。なおこれにつきましては、現在までのところ、具体的事実については何ら聞いておりません。そういうことがあるのじやなかろうかということは各方面から聞いておりますので、そういうことがないようにいたしまするために、この公債を受取りまして、あとの利子を受け取る手続等につきましても、できるだけ便宜なようにいたしたい。それらがめんどうであるために、そのようなことのないようにいたしたいと考えております。それからなおこれによりまするところの資金の融通と申しまするか、その点につきましても、大蔵当局と折衝いたしまして、大体大蔵当局におきましては、一応生業資金の担保にすることを認めるようにきまつたようでありますが、それだけでは不十分でございます。各方面につきましても、できるだけその必要のありますものについての融資等については、各府県に御協力をお願いいたしておりますし、そういうことを御検討しておるところの府県もあるようであります。できるだけそういうことにいたしまして、必要なるものについての現金化というものについて、何とかいたしたいというふうに努力いたしますが、同時に、こういうものにつきまして、甘言をもつてだまされないようにするために、遺族会等を通じまして、そういう手に乘らないように十分徹底させるために努力いたしております。また各県に対しましても、そういうことのないようにこれを勧めております。それをやつた場合にどうするかということでありますが、これは表向きになりますれば、讓渡禁止になつておりますから、とつた方が負けになります。ですが表向きにならずに、陰で、全然わからずにやみからやみに葬られてしまつたということになりますと、私どもとしては何ともいたし方ないのであります。そういうことが起らないように、できるだけの措置を講ずるようにして行きたいと思います。
○玉置(信)委員 政府側としての思いやりの御意思があることはよくわかりましたが、そこでただいまお話になりましたように、生業資金に振り向けるための担保として融通を受けるというその金融機関は、政府の関係機関、すなわち国民金融公庫であるとか、あるいは中金であるとかいうような方面に対しての融資の道も開けるということについては、あらかじめ本人に周知させてあるのでありましようかどうか、その点についてお伺いをいたしたいと思います。
○木村(忠)政府委員 これにつきましては、きまりましたならば、すぐに周知するようにいたしたいと思います。またはつきりいたしましたならば、すぐ支給するようにいたしたいと思います。なお政府関係の機関だけでなく、ほかにも適当なものがありましたならば、これが担保になりまして間違いのないようなものがありましたならば、これをも含めるようにいたしたらどうかと思います。これはよほど確実なものでありませんとあぶのうございますから、その点につきまして、金融機関として非常に確実なものであるということになりますれば、十分努力いたしたい。われわれといたしましては、これが正当に現金化されるというものにつきましては、それによりまして不当な利益を他にむさぼられないということならば、何とかいたしたいと考えております。
○受田委員 弔慰金を支給し、遺族年金を支給するものの中に、在職中の公務上の負傷疾病等が原因で死亡した者となつておるのでありまするが、戰病死の場合に、たとえば在職中の公務疾病が原因で、療養所でなお治癒していない人が、今後永久にその治癒が完成しないで死亡して行つたり、将来いつ死亡しても、その病気が原因であつた場合には、支給することになるのかどうか。
○木村(忠)政府委員 この法律がありまする限りは、そうなります。
○受田委員 この点について先ほど事務当局の方から、調査が粗漏で、現実に在職中の公務疾病で死亡して、その後こちらに帰つて後に死亡した者があるにもかかわらず、それが未復員者給與法の療養手当も受けていないような関係で、無視されておる者が相当あると思います。こういう者の調査がよく行き届いて、死亡当時の疾病の状況等が、戰時中に公務で発病した者であるということが認められるならば、前にさかのぼつて、これらについても、同様この適用者とするように当局は措置されるかどうか、この点についても確かめておきたいのであります。
○木村(忠)政府委員 その者が公務による疾病あるいは公務による負傷によりまして、それが原因になつて死んでいるということがはつきりいたした者につきましては、御説の通りでございます。なおこれにつきましては、できるだけの資料を集めまして、それが証明されるようにいたすべきだと思います。
○受田委員 未復員者給與法の療養手当を受けるに至つていないが、事実は戰時中の発病が原因で、当然未復員者給與法の療養手当の対象となるべきであるにかかわらず、昨年の十二月末のあの三年間の再延長に間に合わないで、手続がしていない者が、まだ全国に相当数あることを確認いたします。これは市町村当局が法律の改正を十分該当者に通知しないで、怠つておつたという理由が、その奥にひそんでおるのでありますが、当局の怠慢に基いて、せつかくの法律の適用を受けるに至つていない人たちの救済措置は、行政的措置として何らかの方法をもつて、たとえば以前にさかのぼつて申請手続をさせるとか、それを既往にさかのぼつて、申請手続が少しこちらで送達の澁滞があつて、それが遅れて届いたというような形でもつて、これを認めるような措置をしてくださるかどうか、行政上の運営について、ひとつ愛情の行き届くような方法を当局において認めてはくれないか、これもちよつと伺つておきたいのであります。
○木村(忠)政府委員 これは政府の怠慢であるということの証明ができるような場合には、そういうふうにいたさなければならぬと思いますが、われわれとしましては、今申しましたように、しやくし定規的なことを考えて、当然やらなければならぬものについて、怠慢で過そうとは思つておりません。従つてそのような具体的な事案についてはお示しを願いまして、具体的な事案に応じまして、ただいまお話がありましたように、できるだけ温情をもつてこれを処理いたしたいと考えております。
○小平委員長 本件につきましての御質疑は、この程度にいたします。 ―――――――――――――
○小平委員長 次に、在外資産に関する件並びに在外公館等借入金に関する件について、質疑を許します。庄司一郎君。
○庄司委員 在外公館等借入金の問題については、その後政府はそれぞれ審議会を設けられ、善処されておると思うのでありますが、すでに完全に解決をされた問題の件数は、ただいまどの程度の件数になつておるか、また今審議の過程にありまする案件等は、どのくらいの件数であるか、最初にお伺いいたしたいと思います。
○荒川説明員 お答えいたします。在外公館等借入金の返済につきましては、過日国会で慎重に御審議を願いまして成立を見ました在外公館等借入金の返済の実施に関する法律に基きまして、支拂いを進めております。ただいま私の手元に持つておりますのは、七月二十三日現在の数字でございますが、それまでに支拂い済みの件数は五万七千件、これは全体の約四三%に当つております。金額にいたしまして、二億一千九百万円すでに支拂い済みでございます。これは日銀が扱いました数字でございまして、支店の方ですでにある程度支拂いが済んでおりましても、本店の方に報告を受けていない場合もありますので、若干これを上まわつておると思います。
○庄司委員 すでに今日まで四三%程度の根本的の解決をなされたということは、たいへんこれは、資料その他困難な場合にかかわらず、能率を上げられたものとして敬意を表するのであります。だが、ただいま審議の過程にあります件数がおわかりであれば、念のために伺つておきたいと思います。
○荒川説明員 今どのくらい審議に付せられておるかという御質問でございますが、実は御承知のごとく、今回の法律に基きまして、申請書の提出期間が六月三十日まで延期されて、その分が審査会の方まで集まつておりませんものですから、的確な数字はちよつと申し上げかねるのでありますが、ただいま申し上げました五万七千件は、さきの、提出期限延長前の総件数十三万件に対する五万七千件でございまして、今回の提出期限延期の分がどの程度にございますか、ちよつと私まだ的確な数字を持つておりませんので、はなはだ恐縮でございますが、お許し願いたいと存じます。
○庄司委員 あとで御調査の上、本委員会の委員等に参考までプリントされたものでお知らせ願いたいと思います。
○荒川説明員 さつそくお届けいたします。
○庄司委員 もう一つ、具体的な例を伺つておきたいと存じます。仙台市蒲生高町七十九番地、氏家清治、同君が昨年の二月九日在外公館等借入金整理準備審査会事務局長よりの御照会に対して、それぞれ五十幾万の貸付があるということの具体的な報告をされ、それに対してまた不明な点は再三再四にわたつて御照会なさり、それにまた答弁書を出しておるのであります。この氏家という人はただいま入院をしておりまして、命旦夕に迫つておるのであります。この方の私信でございますが、読みますと、涙なきを得ないような状態に相なつておるのであります。本人は、一日も早くどのみち御審査を終えて解決を願いたいという切なる手紙に添えて、関係書類の一切を私に御委任されて来ておるのであります。個人のことをこの委員会で申し上げてはなはだ恐縮でございますが、かような気の毒な状態にある方もある。この方は北鮮の丹陽郡といいますか、そこの小学校とかに勤められた経歴も書いてありますので、正確な、正しい人格者であるように私は考えます。特に病床におつて、気の毒な状態にある人でありますから、特に念を入れられて御調査を進めていただきたい。かようなことを最後に申し上げて、簡單な質問を打切ります。
○荒川説明員 さつそく調べます。
○玉置(信)委員 私は在外資産の処理について荒川説明員にお伺いいたします。実は在外資産の問題は、申し上げるまでもなく外務省、大蔵省両省に関係することでありまして、責任のある当局者よりそれぞれお伺いするのが本旨でありますが、ただいまはお忙しくて、両方の大蔵、外務政務次官もおいでにならぬようでありますから、ごく簡潔にお伺いしたいと思います。 いつでありましたか、よほど早い当委員会におきまして、私は在外資産の処置について政府にお尋ねいたしましたところ、講和発効後においてただちに適当な処置をとるという答弁を伺つておるのでありますが、申すまでもなく日本は本年四月二十八日をもつて独立を回復いたしておるのでございますから、司令部においては、それぞれ在外資産をどういうようにして処置をするかということについては手を打つておられるであろうと思いますが、現在いかような方向に進んでおりますか、まず最初にそれをお伺いして、次の質疑に移りたいと思います。
○荒川説明員 お答えいたします。ただいま御指摘がございました通り、対日講和條約も本年四月に発効いたしまして、わが国は独立の再スタートを切つたわけでございますが、在外資産の問題に関します限り、非常に未解決の点が多くございまして、その点はなはだわれわれとしても残念に思つている次第でございます。たとえて申しますと、対日平和條約の十四條によりますと、連合国にございました日本国並びに日本国民の財産は、連合国がその国の法律に従いまして自由に処分することができる、こういうふうに規定されております。また一方旧割讓地、たとえば朝鮮、台湾――具体的に朝鮮の例について申し上げますと、條約四條には、朝鮮にある日本国並びに日本国民の財産並びにその請求権、それから逆に韓国民が持つております日本にある財産並びにその請求権については、日韓両国間の特別とりきめによるということになつております。それは本年の二月からでございますか、前後八回にわたりまして日韓交渉が開かれましたことはすでに御承知のことでございますが、たまたま去る四月だつたかと記憶いたしますが、岡崎外務大臣からの御説明もございましたように、根本的に考え方が食い違いまして、日韓交渉はそのまま中絶の状態になつております。それからまた台湾との関係におきましては、過日承認されました日華條約――もつともこれはまだ中華民国の方からの批准を受けておりませんが、日華條約によりますと、これもやはり同じく日華両国の特別とりきめによるというように規定されております。それからまた中立国の財産につきましては、これも條約の規定によりますと、これは国際赤十字委員会に引渡し、そして連合国が戰争中日本の行動によつて損害をこうむつたものに対して分配をする、そういうふうに規定されております。 従いまして、一概に在外資産と申しましても、取扱いがいろいろ違つておりまして、今申し上げましたように、日韓関係の在外資産請求権につきましては、その会議をスタートいたしました。それから日華関係のものにつきましては、おそらく條約批准後間もなく両国間におきましてとりきめの交渉に入ることと思つております。それから連合国にあります資産につきまして、先ほど冒頭に申し上げましたように、その国が自由に処分することができるということになつております。ただ例外といたしまして、外交目的のための資産とか、あるいは宗教目的のために使用した資産とか、そういつた除外資産につきましては、これは新聞紙上で御承知のように、すでに返還されて来ております。それからもう一つ、これもつけ加えなければならぬと思いますが、インドにあります財産、これにつきましては、過日国会で御承認くだされました目印條約によりますと、日本国に返還するとうたわれております。(「聞き取れない」と呼ぶ者あり)ただそれがいかなる形で返還されるか、それらにつきましては、いまだインドも條約を批准しておりませんので、具体的にまだわかつておりませんが、大体取扱いはそういうふうにわかれております。
○玉置(信)委員 御説明聞き取れない点もありましたが、かつての関東州あるいは北支、その他北京であるとか、上海であるとか、こうした関係は現在の中国との関係においてどういうような見通しでございますか。
○荒川説明員 中国との関係につきましては、中国がサンフランシスコ平昭條約に調印いたしておりませんので、今のところ何とも申しかねる段階にございます。過日調印されました日華條約におきましては、中国本土にあります財産はその適用外とされております。従いまして、いわゆる中国本土にございます財産につきましては、今のところ何とも見通しが立たない次第でございます。
○玉置(信)委員 そうしますと、平和條約が結ばれた連合国関係の相手国に対しては、ただちに政府としてはそれぞれの調査を進めている、かように解していいわけですか。
○荒川説明員 連合国にございます財産がいかような取扱いを受けたかにつきましては、われわれも在外事務所とか、大公使館を通じまして積極的に調査を依頼している次第でございます。
○玉置(信)委員 これは荒川さんの所管ではあるいはないかもしれませんが、しかし政府としての一連の責任があるので、この際お伺いしておきたいと思います。それは関東州におきまして、占領軍が進駐する前に預け入れをしておりました郵便貯金があります。それが占領軍の進駐後において、占領軍司令官の嚴命によつて業務を再開して、そのために拂出しを停止されておつたという事実は御承知の通りでありますが、これに対して政府は、占領軍の命によつてやつたことであるから、その責任は負えないのだというようなことを郵政省として当該引揚者に回答いたしておるのでありますが、これはどういうふうに解していいのですか。
○荒川説明員 私実はその事実関係をあまりはつきり具体的に存じておりませんが、ただいま連合軍とおつしやいましたが、それはソ連軍が入つて来て押えたというふうに解しています。これらは一連の在外財産といたしまして、喪失在外財産を国内的にいかに措置するかという問題にからんで来るのだと思います。喪失在外財産の国内措置につきましては、われわれといたしましても、戰争によりますその他の損害の国民間の公平という点並びに財政の負担能力等を考慮いたしまして、ただいま鋭意研究中でございます。おそらく御質問の趣旨と、あるいは答えが食い違つたかと思いますが、別に政府がこれに対して責任がないというようなことを申した事実は、少くもわれわれに関する限り、記憶はございません。
○玉置(信)委員 これは次の機会に郵政当局にお伺いいたすとして、次に、引揚者の国内預金についてと申しますか、さらにつつ込んで申しますと、インドネシア在住の日本人が、終戰後内地に引揚げまして、無許可で携帶輸入をいたしたギルダ貨を、昭和二十一年三月に正金銀行門司支店に預金したものであるが、これは在外資産でもなくて、すでに国内に入つたものであるから処理すべきものじやないかと、こう思うのですが、これに対して閉鎖機関の方では、言を左右にしてあいまいな態度をとられるのですが、これに対しては政府としてはどういう見解を持つておりますか。
○荒川説明員 ただいまの御質問も、おそらく外地からの送金が正金銀行門司支店の預金になつた、そういう御質問ではないかと考えます。外地からの送金につきましては、終戰前、あるいは終戰直後でございますが、外地からの送金で本邦に到達しておるかないか、それらの点につきまして、引揚者の皆様方からわれわれの方にいろいろお手紙もいただいております。外地銀行で振り出しました送金小切手につきましては、何分外地の店舗の清算がどうなるか今のところはつきりいたしておりませんが、内地の店といたしましても、外地の店舗の清算状況が判明しない限り、その点、はたしてお支拂いできるかどうか不明なのではないかと考えます。ことに閉鎖機関の場合に、そういつた外地の店舗が非常に多うございます。特に正金銀行に至つては、ほとんど外地に店を持つておりまして、それらの清算状況がはつきりするまでは、内地店舗といたしましても、最後のお支拂いはできかねるのが現状ではないか、そういうふうに私は考えております。しかしながら先ほど申し上げましたように、喪失在外資産全般の問題といたしまして、われわれとしても鋭意研究を重ねておる次第でございます。
○玉置(信)委員 私は実はこれとやや性質を同じゆうする北海道拓殖銀行樺太支店に預金してあつた金を、これは樺太支店閉鎖と同時に金を本店に持つて帰つた。ところが昭和二十年八月大蔵省令第八十八号だつたと思いますが、それによつてこの支拂い停止をされた問題でありまして、私は第五国会から第六、第七国会までまたがつていると思います。よくその時期は記憶いたしておりませんが、この解除について大蔵当局に私は要望して、一日もすみやかに解除するよう迫つたわけであります。当時大蔵委員会等においての大臣、次官、事務次官等の答弁によりますと、これは関係筋の指令によつて、在外資産として認められておるのだから、これは講和発効後でないとおそらく不可能であろう。在外資産の一環として取扱われておるというような意味でありましたが、私は毎国会この問題を実は一人で大蔵当局と委員会において質疑をかわしたわけであります。とうとう最後にこの主張が通りまして、大蔵大臣初め、次官、あるいは課長等事務当局の非常な努力によりまして、これは解除を見たわけであります。こういう点から考えまして、私はこれはやや同じ性質のものでないかと思うのですが、重ねて荒川さんの所見をお伺いしたいと思います。
○荒川説明員 北海道拓殖銀行の話は、私は当時その問題に携わつておりませんでしたが、皆様の御努力によりましてある一部が解除になつたということは、私も聞いております。これも司令部に積極的に働きかけまして、解除になつたというようないきさつがあつたように私は記憶いたしております。ただいまの問題は、御指摘のように、性格としては確かに似た点もございますが、何分閉鎖機関の清算につきましては、非常に問題が大きゆうございますし、複雑でございますもので、閉鎖機関令で今のところそれを押えておる、閉鎖機関令の趣旨がそういうふうな点にあると私は解釈しております。
○小平委員長 ちよつと申し上げますが、ただいま外務省のアジア局借入金審査室長池田千嘉太君が出席しましたから、御報告申し上げておきます。
○玉置(信)委員 ただいま荒川説明員の御説明によりますと、至難でないかというような御意見でありますが、これはさつき引例いたしました北拓の例もありますので、これはやはり政府として積極的に働きかけて、要望にこたえるように善処をお願いいたします。 次にこの北拓の問題でありますが、これは昨年の本委員会におきまして、私はこの問題をさらに大蔵省の側に要求いたしたことを記憶しております。当時私の質問に対して、大蔵省当局は個人の預金に対しては全部支拂いを完了したという御答弁を得たわけであります。その後現地についていろいろ調査いたしましたところが、団体以外のいわゆる個人においても、いまだ支拂いを完了していない面が大分あるのであります。大蔵当局は、あれは感違いをしたのではないかと思います。あなたはこの事情をお知りになれば、どういう経過になつておるか、またお知りにならないならば、そういう事実のあることを指摘しておきますので、一日も早く個人に対するものの支拂いが完了するように善処せられんことを要望いたしますが、まずこれについての御答弁をわずらわしたいと思います。
○荒川説明員 ただいまの御質問の北拓の預金拂出しの現状につきましては、はなはだ恐縮でございますが、私は全然存じておりませんので、さつそく本省にもどりまして、おそらく銀行局は的確な資料を持つていると思いますから、調査の上あらためて御報告いたします。
○福田(喜)委員 当局の方にお向いいたしますが、ただいまの在外公館借入金等の件についていろいろ問合せが参り、要望も来ておるわけでありますが、それに関して、内容も先ほど申し上げました例の五万円の限度の引上げという問題につきまして、当局はどういうようなお考えを持つておるか、それが一点。 それから切実な要望としてこういうことを言つて参ります。これは平たく申し上げるわけでありますが、われわれは衣類とか身のまわりの調度品というものを、向うで個人から盗まれたならばいざしらず、軍当局、官憲当局から取上げられてしまつたのだ、金をもしくれなければ現物の補償をしてくれ、国家としてそういう点について現物の補償を考えていただく予地があるまいか、これは五万円に関する限度というものがあるので、そういう点についてさしあたり考えてもらえないだろうかという要望が熾烈であります。この点について一体どういうふうなお考えをお持ちか承つておきたいと思います。
○荒川説明員 御質問の第一点の五万円の限度でございますが、これは在外公館等借入金の返済の準備に関する法律、すなわち昭和二十六年法律第五十四号によりまして、第二條で、「借入金の返済の方法は、国民負担の衡平の見地から、公正且つ妥当な基準に基いて定められなければならない。」そう規定されておりまして、この第二條の規定によりまして、さきに御審議願いまして、可決をしました返済の実施に関する法律につきましては、借入金の金額最高同一人につき五万円とすると定められましたもので、われわれといたしましては、これが一応公正かつ妥当な基準である、そういうふうに解釈いたしております。これはその点で国会でも慎重御審議願いまして、妥当な金額を決定されたものと思つております。 第二の点でございますが、要するにものによつて返済をしてくれという、これは今までわれわれの方にも盛んに陳情が入つておりますが、今お聞きするのが初めてございまして、今のところわれわれとしては、それに対しましてどういうお答えをしていいものやら、ちよつとあまりにも唐突な趣旨なものでありますから、御返答に躊躇いたす次第でございます。
○福田(喜)委員 今御指摘の第二條の国民負担の衡平という見地から申しますと、これは法律の解釈上の問題、国富の増加、国民所得の増加ということが実証できますならば、五万円の限度も将来にわたつて引上げの可能性があることはこれはもちろんであろうと思いますし、五万円の算定の基礎がいずれより来ておるか、法律の條文は明確でございますが、この明確なる法律の條文の規定に基いた算定の基礎というものがおそらくあるものと存じます。その御答弁の趣旨をさらに発展いたしますならば、将来にわたつて増額されることは、これはほぼ確約されたと私たちは見ます。それでさしつかえないかということでございます。 それから現物の点でございますが、これは決して唐突なる質問ではないのでございまして、われわれのところにはいつも、それは五万円という頭が押えられておるので、しからばその現物を補償しろというところまで当局に救済措置としての要求が最近においてひんぴんとして出ておる。これもしかも証明ができるものなら――個人が個人的な略奪にあつたものならいざしらず、官憲当局から没收されたものであつたならば、それが証明可能な限り補償してくれという、こういう要求でありまして、これが五万円の金額とうらはらをなしておるところは、そこから来たものであろうと思います。その点についての御説明を願いたい。
○荒川説明員 第一点の五万円の点でありますが、これは国力が増加すれば当然増額されるのではないか、そういう趣旨の御質問でございますが、その返済の実施に関する法律第四條には、借入金の金額はこれこれである。すなわち「借入金の金額は、審査委員会法第六條に規定する借入金確認証書に記載された現地通貨表示による金額を、別表在外公館等借入金換算率表により本邦通貨表示による金額に換算した金額の百分の百三十に相当する金額(同一人について計算したその借入金の金額の合計額が五万円をこえるときは、五万円)とする。」借入金の金額はここで五万円と確定されたわけでありまして、従いまして少くも在外公館借入金の債務といたしましては、これで完済されたものと考えております。 第二点の物によるいわゆる救済措置を講じてくれ、そういう御趣旨まことにわれわれとしても考えさせられる点でございまして、あるいはこれをはつきり物によつて救済するというようなことは、私確言はいたしかねるのでございますが、何らかの社会保障的な方法を確立いたしまして、こういつた引揚者のために一日も早くもう少しよりよき生活を送つていただけるよう、政府といたしまして努力いたしたいと思います。
○福田(喜)委員 御答弁まことにありがとうございまするが、今あなたが述べられた初めの方の部分が実は非常に問題でありまして、つまり今五万円の計算の基礎をいろいろ言われましたが、この五万円という基礎が、一体これによつて完済されたものとあなたたちはお認めになるのか、あるいは完済されたので、事実上これでもつて済んだ、平たく言うならばそうお認めになつたものか。現在の国力の程度では、この程度しかさしあたりできないからして、将来に問題の解決はまだ残つておるのだ、こういうふうにお認めになつておるのだろうか。その点が非常に国民の、引揚者の在外公館等の借入金の問題を持つておる人たちが、心から心配しておるところでございますが、これでもつて法律上――事実上ではございません。法律的に全部打切つてしまつたのだ、もう在外公館借入金の問頭は相手にしないのだ、そういうことを行政当局の方々が考えておられるのか。これは法律上一応この点において現在は押えておく、しかし将来においてこの問題はまだ考える余地があるのだ、こういうふうにお考えかどうか。もし前者であるならば、憲法上の問題が発生して来るわけでございまして、この点についてもなお一戰を辞さない。一戰どころか徹底的に闘うのだ、こういうふうに連中は考えておるわけでございます。私たちは、ここで言質を得てどうこうするというのではございませんから、この点についてのお気持が、私は在外公館等の借入金の問題等を持つておる人については非常に微妙な影響の存するところであろうと思います。
○荒川説明員 御質問の趣旨よくわかりました。ただしかしこの五万円の算定基礎につきましては、さきに在外公館等借入金の返済の実施に関する法律案が上程されております際に、たしか大蔵委員会だつたと思いますが、非常に慎重に御検討願いまして、大蔵大臣からも御答弁がありまして、問題は解決したものと私たちは了解しております。それでただいまの御質問に、もう少し敷衍的にお答えいたしますと、五万円でもつて、これはいわゆる一部支拂いかどうか、そういう御質問でございましたならば、この法律の趣旨から申しまして、これでもつて借入金の金額はかりに五万円を越えておりましても、五万円と決定を見たわけでございまして、この五万円をお拂いすることによりまして、借入金の債務は完済されている、そういうふうに解釈するものでございまして、あくまでその五万円は單に頭金と申しますか、一部の支拂いであるというふうには解釈しておりません。
○福田(喜)委員 この問題は、引揚者の借入金を持つておる連中が、非常にその点に不満を持つておるわけでございまして、大蔵大臣の説明がどうでありましようとも、これは五万円と算定されたことにつきまして、一部返済ということを彼らは主張しておりません。これでもつて問題はすつかり済んだのだ、こういうふうに連中はとつていないわけでありまして、済んだのだということであるならば――法律上の技術的な議論展開ということは後日に讓るといたしまして、これで済んだのだつたら非常にわれわれは政府に対して不信を訴える。そして憲法上の問題によつてわれわれは防衛して行きたいというのが連中の気持でございます。しかし現在の国力の程度において――一応この程度で、一部返済というのではありませんが、一応この程度においては当分の間がまんしておいて、将来について考えようじやないか、こういう含みでやつておるならば、われわれしばらく考えてもいい、おそらくこういう気持が底流に流れておるだろうと思いますが、そういう御答弁を通されるというと、われわれ引揚者を背後に持つておる者は非常に困窮した地位に立ちまして、この引揚委員会のわれわれ同志の意見というものは、みな一応の疑問を持つて政府当局にあたらざるを得ないのであります。この点につきまして、大蔵当局に慎重なる御考慮を煩わしていただきたいと思います。
○荒川説明員 御指摘の点非常によくわかりまして、われわれといたしましても鋭意慎重に研究して行きたいと考えます。
○受田委員 私は一応この在外資産の問題で一言だけお尋ねをして、次にごの委員会における私の重大報告を申し上げたいと思います。 この引揚の当時、税関――当時は海運局でやつておつたようでありますが、そこで保管されておりました証書とか証券類のようなものがあります。これらの携帶輸入を認められたものについては、その後本人のところへ送つて来ております。ところで最近その送達事務が澁滞して来ておるようであります。予算の関係からか、本人のところへ送つて来てない。この点大蔵省は、独立国家になつた機会に所要経費を出して、この事務を完遂したらどうですか、この点伺いたい。
○荒川説明員 ただいま御指摘のございました税関の保管物件中、携帶輸入を認められたもの、これはおそらく国債、証券等でございますが、これらにつきましては、引揚者の連絡あて先がわかつておる限り、どんどんお返しいたしておるはずでございますが、最近御指摘のような事務の澁滞しておる面がございましたら、至急われわれの方でも調べまして、そのようなことのないように問題を解決して行きたいと思います。ただ問題なのは、引揚者の方の住所変更があつた場合には、たまたまお送りしても返つて来るという結果がしばしばあるようでございます。それらにつきましては、当局にお問合せが再三参りますので、住所の変更をなさつた方は、至急その旨を税関の支署の方に御連結いただきたいということを個々に御返事をいたしておりますから、住所の変更がない限り、おそらくお手元にお返ししたはずだと了解しております。
○玉置(信)委員 さきにお伺いした点で落していることを、さらに一点つけ加えてお伺いいたします。北拓と同じような例がほかにもたくさんあるのでありまして、外地から送金してすでに内地に到着して、内地で預金に振りかわつておるものがあることは御承知の通りでありますが、それがやはり大蔵省令第八十八号によつて、北拓同様拂いもどしが停止されてそのままになつておるものがあるのです。これなんかは、やはり北拓の例によつて解除して支拂うべきものじやないか、かように考えるわけであります。サンフランシスコの平和條約の発効によりまして、これらは在外資産でないということが明白になつておることも御承知の通りであります。このような一般に停止されてそのままになつておるということは、最近まで知らなかつたのでありますが、これはどういう実情になつておりますか。
○荒川説明員 送金小切手の問題でございますが、簡單に取扱いを申し上げますと、外地からの送金でありまして、内地の円預金になつておるものにつきましては、これは内地預金と同様に取扱われておりまして、金融機関が第二封鎖として切られた限度までは皆様にお拂いもどしをいたしております。ただ朝鮮につきましては、当時司令部の指令がございまして、朝鮮からの送金には何かやみ送金があるというような趣旨からでございますか、朝鮮からの送金のみ、内地預金になつたものにつきましても制限を加えまして、最高一万円までしか拂いもどししてはいかぬということでありました。省令第四十一号というのを終戰当時の十一月でございましたか、出しまして、とめておつたのでありますが、これも昨年の十二月をもつて廃止になりまして、現在のところ内地の円預金になつておるものにつきましては、すべて内地預金と同様に、金融機関の再建整備によりまして切られた限度までは拂いもどしをいたしております。あるいは御質問の点は、外貨建預金の点かと思いますが、この点につきましては、先ほどのインドネシアでございますか、そちらから御送金のときの御質問と同じように、外地店舗との関係等がございまして、閉鎖機関令の方で取扱つておる状況でございます。ただ御指摘の点もございまするし、北拓の例もありますから、われわれといたしましては何らかの糸口を見つけまして、ほどくように努力いたしたいと思つております。
○福田(喜)委員 一点だけ大蔵当局にお願いいたしまして打切ります。荒川さんに申し上げるのですが、御承知の通り今在外公館の借入金につきましては、訴訟になつておるのであります。これについては、法務総裁が国を代表する当事者として出ておりまして、その事実関係は法廷において認めておるが、その内容の扱い方に関する大蔵省側の答弁資料というものは、しばらく準備のため待つてくれ。次の公判が九月の六日か七日になつておるということは御承知の通りです。これは憲法違反の問題として提起されておるわけです。いずれその内容につきましては、法務府総裁が大蔵省側からの意見を徴しまして裁判所に提出することと存じますが、この内容につきましては、大蔵大臣自身がお書きになるわけではないので、皆さん方がお書きになる。私も役人をやつておつたのでよくわかりますが、これは非常に微妙な問題を含んでおりますから、あれでもし法律上の完済とみなすということになると、私は非常に問題を包蔵すると思います。この点については十分な御考慮を煩わしたい。これは單に技術的のみでなく、政治的に含みを持つておかぬと、非常にゆゆしい問題が発生するということを申し上げて、ひとつ慎重なる扱いをお願い申し上げます。
○荒川説明員 御注意の点ありがたく思います。われわれの方といたしましても、法務総裁の方から何かございましたら、鋭意研究いたしまして、妥当的確な御回答をいたしたいと思います。
○小平委員長 本件に関する質疑はこの程度にいたします。 なおこの際、受田委員より発言を求められておりますので、これを許します。時間も大分経過しておりますから、簡單に願います。受田新吉君。
○受田委員 今回MRA世界大会に日本代表として出席のため米国に参つたのでありますが、その機会にワシントン並びにニユーヨークを訪れ、ワシントンのバークレー副大統領及び国務省当局並びに国連本部を訪れまして、特に当委員会が取上げております未復員者早期送還の問題と戰犯釈放の問題について、日本国会の委員を代表いたしまして、とくと懇請をしておいたのであります。この件については、一昨年この委員会より当時の中山委員長を初めとして、三名の日本代表がオブザーバーで出席した事実もありますし、国連本部でもこれに非常に関心を寄せてくれておりました。事務局次長のコーヘンという男は、この点を非常に同情的な態度で、各国の代表者と、皆さんの御趣意を体してよくお話をして努力するという説明がありました。また戰犯釈放の問題については、これは日本の戰争受刑者世話人会を代表する深作という弁護士が、釈放嘆願の署名を持つて参りましたので、これとあわせて私が国務省の東南アジア局長及び同局の職員十一名の席上で、特に陳情をしておいたのでありますが、この戰犯は今の戰争受刑者世話人会、藤原銀次郎氏を委員長とするこの会で調査したところでは、巣鴨が千五十三名ということがいわれておりましたし、またフイリピン百十一名、濠州二百三十一名、こういうものを一括取上げまして、外国にある者は早期即時国内へ送還して受刑をさせ、あるいは減刑、できれば釈放へ持つて行くような陳情をしておいたのであります。この点もまた国務省も非常に同情的で、以前の占領当時と違つた独立国家の立場から、非常に好意をもつて、この條約の認める限りにおいて努力をしたいというような答弁があつたのであります。あたかもちようど国内でもこれに対する決議案が出されていたことが後ほど報告されて、期せずしてこのアメリカにおけるわれわれの代表としての要求が、国内でも国の輿論として盛り上つて来たことを非常に嬉しく思つております。これを御報告して、アメリカの非常に好意ある態度をお伝え申し上げておきたいと思います。
○小平委員長 本日はこれをもつて散会いたします。 午後零時五十二分散会