P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
13回国会衆議院1952/06/10

運輸委員会 第42号

発言数
61
登壇者
10
会派数
3
開催日
1952/06/10

会議録

岡村利右衞門自由党

○岡村委員長 これより会議を開きます。  道路交通事業抵当法案を議題とし、質疑を続けます。滿尾君。

滿尾君亮自由党

○滿尾委員 まず第一に通産当局に対して、私はお願いがあるのであります。先般来いろいろ自動車の問題について、通産省側の御見解を伺うために、大臣並びに政務次官の御出席を求めたのでありまするけれども、どうも御両所の当委員会に対する出席が非常にはかばかしくない。もう少しぜひまめに当委員会にもお出ましを願ひたいということを、第一段において申し上げておきたい。その結果は、通産省の若いお役人の方々に、われわれが非常に毒舌を浴びせるような、心ならざる結果に陥つて、私ども国会といたしましては、行政の最高責任者にお尋ねしたいのでありますから、この点はくれぐれもひとつおなかの中に納めていただきまして、今後かような御注文を再びしないようにさしていただきたい。実は先般来いろいろお尋ね申し上げておりますることは、外国中古車の払下げ車両の問題でございますが、私の探知いたしましたところによりますと、最近の情勢の変化によりまして、ほとんど前回お出しになつておりまするクーポンが、から切符になるおそれが発生しつつある。そのよつて来るところを察しますると、最初この切符をお出しになりますときに、ある程度のドルの裏打ちをなすつておられたと伺つておりますが、その後、講和の発効に伴いまして、米国人の国内における取引は、すべて円払いとするという原則によつて、その裏づけに用意せられたドルを御返上になつたとか伝えられる。従つて通産当局の御指定になりました車のデイーラーはドルがいただけない。従つて外国人からドルをもつて車を買うことができない。円をもつてしては、外国人の方がやみドルを買わなければならないという状況に陥る。それやこれや折り重なりまして、ほとんど今日は中古車の供給が市場に対してないのであります。従つて切符はあれども、現実に車は入手できない。しかもこの切符は、外国製自動車の譲渡制限規則の有効期間でございますから、当然六月一ぱいで失効になる。この期間を延長する方法はない。かようになつて、そのから切符の内容を考えてみると、民間の人は割合早くクーポンを頂戴しておる。ところが国会議員は一番あとまわしになりまして、その決定が非常に遅れました。従つて今日から切符を所有しておるのは、大部分は国会議員の線にしわ寄せしておるのであります。かようにいたしまして、われわれ一同その最も被害者たる立場に置かれつつあるのでありますが、これはたといいかなる御事情がございましても、すでに講和発効前に出されたクーポン、限りあるクーポンであつて、他に悪例を残す余地は全然ない。従つて経過的な措置として、十分必要なるドルのお手当をなさるべきではなかろうかと私は考えるのでありますが、政務次官のお考えを伺いたい。     〔委員長退席、黒澤委員長代理着席〕

本間俊一自由党通商産業政務次官

○本間政府委員 御承知のように、自動車の関係は六月一ぱいで自由になりますので、実はクーポンを出すか出さないかということにつきましても、いろいろな議論があつたわけであります。しかもその台数をどれくらいにするかということにつきましても、いろいろ議論があつたわけでございますが、運輸省の御要望にもこたえまして、御承知のような台数を出したわけでございます。手続の関係その他で幾分遅れましたことは、私も残念に思つておるわけでございりますが、七月から自由になるというような見通しもはつきりいたしておりました関係もありまして、思うように中古車が入らぬというのも実際かと思つております。前の委員会で、軍関係の車が思うように出ぬじやないかという事情につきましては、車両部長から御答弁申し上げたかと思いますが、この問題は近く解決をいたしたいと実は考えておる次第でございます。従つて以前までは、御承知のようにドルの裏づけをいたしておつたわけでございますが、今度出すに当りまして、その点を一応検討いたしたのでありますが、御承知のように講和が発効になりまして、できるだけ日本の通貨は円一本にしたいというような財政当局の意向も勘案をいたしまして、実は今回はドルの裏づけをしないで行こうということにいたしたわけであります。民間の方がどういう程度に消化いたしておりますか、私ただいま正確な資料は持つておりませんが、発行いたしました切符にただちにドルの手当をするというふうには、ただいまは考えておりませんが、せつかく出しましたクーポンでございまするので、七月になりましても何か優先的な取扱いができないものかというような考えから、ただいまいろいろ相談いたしておるのでありますが、まだこういう方法で扱おうというふうにはいたしておりませんか、そういう考えでただいま研究をいたしおります。それからアメリカの軍人あたりで、日本で車を持つておる人が、勤務の関係上で本国に帰るというような場合に、自分の持つておりまする自動車を売ります場合、これは当然向うへ帰られるのですから、ドルを持つて帰りたいという希望が出るわけでありますが、そういう場合はもちろんドルで売りました者に対しまして、ドルを持つて行けるようにしたいという考えを持つております。

滿尾君亮自由党

○滿尾委員 ただいま政務次官の御答弁は、われわれのぜひ伺いたい要点を少しそれているように私は思うのでございます。通産大臣は運輸大臣と共同でクーポンをお出しになつた。従つてそのクーポンがいやしくもから切符に終るということは、私は責任があると思う。その点について責任なしとお考えになつておるのか、責任ありとお考えになつておるのか、簡單明瞭にひとつ結論を伺いたい。

本間俊一自由党通商産業政務次官

○本間政府委員 先ほどもお答えをいたしたのでありますが、切符を発行いたしまして、その切符があるいは買えないうちに期間が切れるというようなことも、当初予想いたしておつたわけでございます。しかしいろいろな事情をも勘案をいたしまして、御承知のように発行いたしたわけでありますが、その点は私どもが発行いたしまするときに、あるいは期間内に買えないような人もあろうかということは、私どもは考えの中に入れておつたわけであります。

滿尾君亮自由党

○滿尾委員 私はただいまの御答弁は、実に奇々怪々の御答弁だと思うのであります。いやしくも日本の行政官庁が、から切符になるかもしれぬということを予測しながら切符を出すということはおかしい。それならそれでその枚数だけは初めからカツト・ダウンすべきものである。それは役所というものは初めから悪をなし得ないという根底に立つておるのでありますから、いやしくも国務大臣が二人も集まつて、から切符になるかもしれぬということを勘定に入れて出したという御答弁は、これは御失言であろうかと考える。お取消しになるお考えはございませんでしようか。

本間俊一自由党通商産業政務次官

○本間政府委員 私はその当時の考えを率直に申し上げておるわけでありまして、御承知のように問題になりました切符は、三箇月有効期間を認めておつたわけでありますが、しかしそれも三箇月では全部車の手当ができまして、有効だつたというふうにも私どもは聞いておらないわけであります。従いまして期間が非常に短かいわけでありまするから、切符を出すにあたりまして、この出しましたクーポンが短かい期間内にすべて消化されるということは、その当時から考えましても、正確にその責任をもつて見通しを立てるわけには行かなかつたわけでありまして、その辺の実情を率直に申し上げておるわけでございます。

滿尾君亮自由党

○滿尾委員 済んだことをとやかく荒立てるのは、私の質問の本旨ではない。そういうふうにお感じになつておるとすれば、いたし方のないことでございましよう。これは御当人の良心の問題でございまするから、これ以上追究いたしません。しかしながら出ました切符を本人が事情によつて買わない場合もございます。従つて二千枚出ましても、千五百枚しか実際問題として、その期間が切れました後に、結果として使われなかつた切符のあるのは、ある程度予想されるのでございます。しかし少くとも本人がこれを使用する意思があり、力があつて、これを努力いたしましても、その切符がから切符に終るという状態であると、当該責任官庁としてお考になるのはおかしい。従つて少くとも切符をもらつていろいろな事情で買わない人もございましよう。しかし買いたいという人間がある限りにおきましては、それがその志を達成し得るようにもろもろの行政措置をとつていただくべきではなかろうか。その措置をとられる義務がある。もし法律上の義務がないとするならば、少くとも私は道義的の責任があると思うのでありますが、政務次官のお考えを伺いたい。

本間俊一自由党通商産業政務次官

○本間政府委員 その点は私も御同感であります。従いまして私といたしましては、発行いたしました切符がただいまのような御希望を持つております方には、できるだけその御希望を達し得るように措置いたしたいと考えているわけであります。

滿尾君亮自由党

○滿尾委員 政務次官のお考えはよくわかりました。そこであらためてお願い申し上げる次第でございます。ただいまも自由党の代議士会においてこの問題を一言現段階をごひろう申し上げたところ、すべての代議士がそれはから切符は困るじやないか、ぜひ何とかしてもらいたいという熾烈な要望があつたのでございますが、これを実行するためには、あと七十万ドルの為替を御指定になつてデイーラーにお下げ渡しすることができますれば、百パーセント実行可能でございます、さようなお考えはないものかどうかお伺いいたしたい。

本間俊一自由党通商産業政務次官

○本間政府委員 両院議員の方々に出ましたクーポンが、ただいまのところどれだけ消化せられておりますか、正確な報告を受けておりませんが、御承知のように七十万ドル余りは自動車のために手当をいたしましたドルでございますから、これはひとつ活用いたしたいと実は考えているわけであります。ただ多少将来の問題にも関連いたしますので、ただいま両院に出しましたクーポンの裏づけとしまして、七十万ドル余りを使うということを実はまだきめておらないわけでございまして、御希望の点はよくわかりますので、ひとつどういうことにいたしましたならば、皆さんの御希望にも沿い、また私どもの方の役所といたしましても、都合よく参りますかどうか、その点十分研究いたしたいと考えております。

滿尾君亮自由党

○滿尾委員 七十万ドルも出していただけばこの問題は解決するということは、私は申し上げてもいいと思います。従つて七十万ドルはすぐ出していただきたい。これから研究するというような悠長なことをおつしやつていただいたのでは、大体あと日にちが二十日しかごません。従つてわれわれはデイーラーに交渉する、またデイーラーはさらにアメリカの軍人軍属をつかまえるのでありますから、もう間髪を入れず出していただきたい。国会議員だけ出すというのでは、世間の聞えもございますから、やはりクーポンを出しました人は、おそらくみんなそれぞれの理由によつて出されたと思いますから、残つたクーポン全部については自己の都合でとりたくない人は別でありますけれども、とりたいものは一応面倒を見るということで、すぐ七十万ドル出すように御決定をいただいて、それはただちにデイーラーに通告していただきたい。現実にお金の渡るのはあとでもよいと思いますが、通産大臣はこういう決心であるということを対外的に証明していただかなければ、これまた何にもならない、国会の御答弁だけでは、実務の上にこれが反映して来ないと思うのです。従つて私は、この席でそのことを御言明していただくことがもし困難ならば、少くとも明日なら明日中に大体その措置をとるという御言明をいただきたいと思いますが、いかがでございましようか。

本間俊一自由党通商産業政務次官

○本間政府委員 軍人の方の車が出て参らない関係になつております関係は、一両日の間に話合いがつくと思つております。従つて明日すぐどういう方針でやるか答弁をしろということになりますが、明日はちよつと困難かと思いますが、できるだけ早く措置して、御趣旨に沿いたいと思つております。

滿尾君亮自由党

○滿尾委員 明日はいかぬとおつしやるが、実は残る期間が二十日しかない。このクーポンの期限を延長するのには新しい法律を出さなければ、法治国でありますから、たとい通産大臣の御権威をもつてしてもできないと思う。しかも期間が二十日しかない。従つてぜひ明日と申し上げたいが、こちらもわがままを申し上げても何ですから、あと二日間くらいでぜひお願いしたいと存ずる次第であります。これが第一点の問題で、これはクーポンの経過的措置に関するお願いでございます。  もう一つ第二段の問題は、五月二十日に通産省告示百十四号というものをお出しになりました。これによりますと、七月一日以降軍人軍属の所有する車を購入する場合には、通産大臣の許可がいるという告示であります。これを私拝見いたしましたときに、実にびつくりぎようてんいたしたのであります。そもそも物調令の廃止をこの三月末日限りで相談いたしましたときに、自由党の政務調査会におきましては、石油の統制を残すか、外国自動車の譲り受けの関係の許可制を残すか、この二つが最後まで論議の対象になり、自由党としてはどうしても自由経済の本旨からして、二つとも思い切つてはずそうじやないかということで、党といたしましても相当重要問題として論議の末、これがはずされた。ところがさて七月一日が近づいて自動車が自由になり、人もわれもと期待しておつたやさきに、一片の通産大臣の告示をもつて、軍人軍属の源から出る自動車に限つては、通産大臣の許可がいるという一つの箝口をおはめになつた。これは驚くべきことだと思う。形式的には、為替管理令の関係から通産大臣が告示を出すことにおいて、法律的に何ら違法はないかもしれません。しかし少くともわが国の政党政治の実態にかんがみて、これだけわれわれが重点を置いてきめた方針に対して、一片の告示をもつて、何らのあいさつなくしてかような重大なことが行われるということは、実に奇々怪々だと思う。私はこの点で通産大臣なり政務次官なりのお考えを十分伺いたいと思うのでございますが、どういう御心境であられますか、お答えをいただきたいと思います。

本間俊一自由党通商産業政務次官

○本間政府委員 その問題は、御承知でもあろうかと思いますが、軍人軍属の自動車は無為替で入つて来ておるわけであります。従いまして私どもといたしましては、無為替輸入の関係があまり濫用せられまして、いろいろの弊害などの出る場合もありますので、軍人軍属の方から日本人に渡ります自動車の一年間に出ます大体の数字を押えて参りたいという考えで、為替管理の方の法規に照しましてそういうものが出たかと思います。これは一応通産大臣の許可を受けるということになつておりますが、そんなきゆうくつなものではないわけでありまして、私どもといたしましては無為替輸入の弊害が出ないようにいたしたい、こういう考えを持つておりますので、大体両者の間で総数を決定いたしまして、その総数の範囲内で話合いができますれば、それを一々むずかしく考えて、そうして許可をするというようなつもりはないのでございます。ただ無為替輸入の弊害が出ませんように、できるだけ総数を押えて参りたいというつもりでございます。

滿尾君亮自由党

○滿尾委員 私は本問題の解決策として、政務次官の御答弁はポイントがはずれていると思うのでございます。無為替輸入の問題で、自動車は厳格な登録制をしいておりますから、関税その他につきましては、アメリカ人の所有から日本人の所有に移りますときに、的確にこれを押えることができます。この自動車の入手経路ということが自動車登録の本体をなしておるのでございますから、この際に無為替で関税を拂わないで入つて来たということの関係は、全然心配する懸念はない。ただ通産大臣の御心配になつている点は量的に、財政的に見てどうか。なるほど為替管理令を拝見いたしますと、国際貸借上非常に重要なる場合、あるいはそれによつてわが国の資本が外国に逃避するおそれがある場合ということである。その二つのレア・ケース、例外的な事象に該当するものとしてこの省令が出ておるのでございますけれども、私はそのいずれの場合も当らないと思う。大体軍人軍属の国内に持つておりまする車は、二万両ぐらいであります。それが三年に一ぺん新しい車を買つて売るといたしましても七千両ぐらい、一台千ドルとして七十万ドルかそこらのものであつて、国際貸借上云々するほど厖大な金になりつこはない。またこれによつて外国人の中古車を買つたからといつて、それで日本の資本が外国へ逃避するものではない。その財産は国内にあるのでありますから、これは資本逃避というような條項に全然該当しない。ただ政務次官が言われるように、大臣がそれでも量的に心配だと仰せられるならば、それは日本とアメリカとの行政協定の中で、アメリカの軍に対して、お前のところの軍人軍属は年に何台輸入するか、大体目安をつけてくれ、その面でお縛りになればけつこうである。国内法を出して国内で通産大臣の許可制をしくなんということは、まつたくいらざる措置である。総数において、根元でちやんと押えてしまう。アメリカの軍が、自分のところの軍人軍属が自動車を買うのに年に一台はいいぞ、二年に一台はいいぞということをきめてもらいさえすれば、こつちに移りつこはないのでありますから、国内的に許可制をしく必要は毛頭ない。もしお話のありましたような、御政策であるとすれば、私はまことに方法、手段を間違えておられるのではないかと思う。それがひいては不必要に許可制をしき、それが心理的に響きまして、国内の外国自動車の値段を非常につり上げる道具に使われる。従つてこれを使わんとする国民大衆の負担を増すということになり、結局は国民経済の上において、われわれはみんな損をすることになる。この点についての御見解を承りたい。私はぜひこの通産省告示第百十四号というものは即刻廃止していただいて、そうして明朗な自動車市場をつくり、そのかわり御心配のような向きについてはアメリカにそのことをお申入れになつて、アメリカ側で自主的にそれを規正していただければ、必要にして十分なる措置であると考えますが、お考えはいかがでありますか。

本間俊一自由党通商産業政務次官

○本間政府委員 アメリカの軍人及び軍属が使いまする自動車の総わくのところを押えるというのも、一つの考え方であると思います。ところが御承知のように軍人軍属の数が今後どういうことに相なりますか、やはりこれも多少は影響があろうかと思います。従いまして向うの方でも、きめました総わくで使います人が不便をこうむるというようなことがあつてもぐあいが悪いあけでありまして、そこでチエツクをいたします方法は考え方としてはあるわけでありますが、実際問題としてはなかなかむずかしいのじやないかと私どもは考えておるわけであります。  そこから無為替輸入の問題は、実はいろいろな問題を生んでおりまして、御承知でもあろうかと思いますが、学校でありますとかあるいは宗教団体でありますとか、そういうようなところに対しましては、従来も無為替の制度をそれぞれの必要に応じて許しておつたわけであります。ところがそれが私どもの許しておりました趣旨とはずれまして、実はいろいろな問題を起しておるような関係をも勘案いたしまして、大体向うが払下げをいたしますところで押えて行こう、こういうことに一応いたしたわけであります。通産大臣が許可するのを非常にきゆうくつにお考えになつておるようでありますが、そういうことさえ決定をいたしますれば、扱い方は先着順のような形に相なりますか、どういう形に相なりますか、その点はそうむずかしくお考えくださらぬでもよい、こういふうに私どもは考えておるわけであります。

滿尾君亮自由党

○滿尾委員 それは宗教団体や何かが無為替輸入で何か横流しをするというようなことはあるかもしれません。しかしそういうことは国全体の運営から見ますれば、まあどろぼうが書きないのと同じようなものでありまして、そういうことを気にして国の政策の上にまで考える必要はない。また軍人軍属にもたちの悪いのがあつて、一年に三台も四台も片つぱしから車を買い上げて、それを日本人に売るというような者ができれば、これははつきりアメリカ側の軍律で押えてもらえばよい。そういう軍律をつくつてもらうことを行政協定であなた方が御相談になればよいのであつて、そういう例外的な悪徳の人間を目標として日本の国内法規を、せつかく自由経済に復帰しようという傾向を縛るという手はないと思います。この点は通産省はお口にはおつしやいませんが、どう考えてもほんとうの腹の底は、何とかして外国人の中古自動車の日本国内に対する供給力を少しでもしぼつて、国産自動車を買わせたいというお考えから出ておるのじやないかと揣摩臆測せざるを得ないような気がするのでありますが、まさかさようなお考えであろうとは思いませんが、どうもそういうふうにとれるような気がするのであります。それも程度問題でありまして、私ども国産自動車の会社が発達することは大賛成です。しかし悪いものを高く売りつける段階におきましては、あまりこの面の薬がきき過ぎて、国民によい安い車を供給するのをむずかしく押えて、あるいは心理的な操作を行つて値段をつり上げさせるというような政策は、きわめて不明朗なものだと考えるのであります。ここまで参りますと意見の相違になりましようが、聰明なる政務次官には私の意の存するところを十分におくみとりいただきたいと思いますから、これ以上は申し上げませんが、ぜひ自由経済の本則にかえつて、自動車は七月以降はとにかく自由販売だという考えに立つてお考えくださるようお願い申し上げる次第であります。  私の質問はこれで終ります。

黒澤富次郎自由党

○黒澤委員長代理 畠山君。

畠山鶴吉自由党

○畠山(鶴)委員 私はただいま滿尾委員が言われたことに同感でありまして、けさも熱海から東京へ参ります途中、自動車屋が三人も四人も乘つておりました。クーポン券が入つたけれども、きようで三回東京へ通うのだが自動車を買うことができない。これは一体どういうわけなのだ、あなたは運輸委員だから知つているでしようと聞かれた。私は何も回答ができませんので、何とか聞いて参りましようと答えておきましたやさきに、滿尾委員から今御指摘になつた通りでありまして、この問題は非常に評判を悪くしております。悪感情を抱いているような感がふりますので、この機会にこれらの実際の点も御考慮に入れていただけるか、また入れていただきたいことを私は一言希望として申し上げます。

原彪改進党

○原(彪)委員 自動車のクーポンは一つの権利だから、それで云々するわけではないのですけれども、どうもクーポンは入手したけれども品物がない。品物がないということが予想されているのにクーポン券を出すということは、役所がうそをつく政策だと私は思うのです。政策上の実行される問題より以上、切符という一つの手形を出しているのですから、不渡りを知りつつその手形を出したと私は思うのです。先ほどの御答弁では十分考慮するというお話ですけれども、ただいまの滿尾君の御質疑についても賢明なる政務次官は十分御了承だと思いますが、もう少しはつきりしていただきたいと思います。  もう一つは期限が六月で、七月から自由販売になると巷間うわさされておりますが、それがはたして七月から自由販売にされるのかどうか、その点をお伺いいたします。それから六月の期限のものをまた先へ延ばすお気持があるかどうかということについてもお聞きしたいと思います。

本間俊一自由党通商産業政務次官

○本間政府委員 先ほども申し上げましたような事情でクーポンを出しましたわけであります。すべてを現物化するという確信なしに出したのはけしからぬじやないかというおしかりでございますが、先ほど滿尾さんの御質問にお答え申し上げましたような考えで出しましたのが実情でございますので、それはひとつ御了承願いたいと思います。七月一日から自動車の関係が自由になります。そこでアメリカから入りました新車だけはドルで売るということになるだろうと思いますが、ヨーロツパの方から入りました自動車は、もちろん円で買えるわけでございます。それから発行いたしましたクーポンの期間を延長したらどうかというお話でございますが、私どもは延長いたしますることは一向躊躇しないのでございますが、その裏づけになる法の関係がございまして、延長は困難かと考えるわけでございます。

原彪改進党

○原(彪)委員 これに関連してもう一つお伺いしますが、現在国産自動車は非常に高価であります。日産にしてもトヨタにしても百方円以上の金を出さなければ買えないという始末でありますが、こういうときにあたつて、それよりもむしろ安い、また性能のいいと称せられている欧米の車を輸入する、たとえばポンド資金が余つているから欧州の車を入れようというようなお考えがあるのか、これは国産愛護の上からいつても重大問題であります。これをお聞きしておきます。

本間俊一自由党通商産業政務次官

○本間政府委員 御指摘のありましたポンドの関係でございますが、考え方は私どもも同様な考え方を持つておるわけでございますが、スターリングとの貿易の関係がございまして、ポンドは相当たまつております。従つてこのフアンドを活用いたしまして、ヨーロツパの車をできるだけ入れたいという考えをもつてただいま処置をいたしておるわけでありまして、ぼつぼつヨーロツパの車が入つておるように承知をいたしております。

原彪改進党

○原(彪)委員 私の申し上げたことは、大量にポンド資金を消化するために欧州の車を入れた場合に、国産車がこれに対抗できないようた状態であるので、これとのにらみ合せ上、どういう政策が行われるか、こういうことであります。

本間俊一自由党通商産業政務次官

○本間政府委員 御指摘の通り性能、価格の面から検討いたしましても、国産車の方は非常に不利だと思つております。しかし国産の自動車工業の方も私どもは保護したいという考えをもちろん根底に持つておるわけでございます。一年の間にどれくらいの数字の車を入れるかということになろうかと思いますが、その点は国産自動車をあまり擁護し過ぎまして少なければ、それらの入りました自動車が非常に高価に販売せられるということになりますので、その辺を調和いたしまして、できるだけ国内産自動車の非常にいい刺激にもなり、また利用いたしまする側の方も考えましてやつて行きたい、こういう考えでおります。

滿尾君亮自由党

○滿尾委員 七月一日以降におきまして、われわれは米国製の、ドル地域のドル建の新車を購入することができないのであるかどうか。私の仄聞したところによりますと、中古車のドル建の車を使わせることは考えておるけれども、新車は日本人には使わせないというような御意向があるかに仄聞したのでございまするが、はたしてそれが通産省当局の真意であるかどうか、一応確かめておきたいと思います。

本間俊一自由党通商産業政務次官

○本間政府委員 先ほども申し上げたのでございますが、ドルを使いまして新しく入つて参ります車はドルで売りたい、こういう考えを持つておりまするので、従いましてドルを持つておりまする外国人が買う、こういうことになろうかと思つております。

滿尾君亮自由党

○滿尾委員 私はそれは非常におかしなことだと思う。われわれ憲法によつて基本的な人権を保障されておる。その中に自分の乘りたい車に乘るという基本的権利はあると思う。一体米国製の新車には日本人は乘れないのだということをどうしておきめになるのか。法治国たるものがむやみとそういうばかな現象が起るはずがない。英国製の車なら乘れるけれども、アメリカ製の新車には日本人は乘せないのだ、古物でなければお前は乘せないのだ、そういうばかなことがどうして行われるのか。為替操作上のりくつは一応あるでしようけれども、しかし基本的に日本人はアメリカ製の新車には乘るべからずということをお考えになることは、実に奇々怪々なことと思うのでございますが、そのかみ合せはどういうふうにお考えになつておりまするか、伺いたい。

本間俊一自由党通商産業政務次官

○本間政府委員 日本人はアメリカの新しい車には乘つていかぬというような、きゆうくつな考えは持つておらないわけでございます。御承知のように国際収支の関係で、ドルとポンドとの関係があるわけでございまして、その方の関係から、ドルで買いましたものはできるだけドルで売りたい、こういうことで、ただいま申し上げたような方針が生れて来ておるわけでございます。国際収支の関係から、現に日本がドルとポンドを持つておりまする状況から、そういう処置をいたしたい、こういうふうに考えておるわけであります。

滿尾君亮自由党

○滿尾委員 為替管理上の問題、あるいは国際貸借の御考慮から、そういう行政方針をおとりになりたいという御希望の点については了解するのであります。しかし法律的に日本人には新車に乘させないということはおかしいと思う。国の方針としてそういうふうな行政指導をしたいということに重点を置いて、そこへ持つて行きたいという御考慮だけは、われわれは了承するのでありますが、ドル建の新車は買えないのだということは、憲法に違反した法律だと思うのでございますが、これはどういうことでございますか。

本間俊一自由党通商産業政務次官

○本間政府委員 法律の上でそのような処置はございません。

玉置信一自由党

○玉置(信)委員 関連して一言伺います。今のような法律によつて規制されることになり、しかも七月以降自由に入手できないということになりますと、一面において第三国人が、従来もやつておつたが、今後もやみでもつてこれの売買を行うことが一層これによつて助長せられるやに考えられますが、こうした第三国人に対する措置をどういうふうに考えておるか、その対策いかんについて伺います。

本間俊一自由党通商産業政務次官

○本間政府委員 御承知のように、七月からは外国人の乘つておつた車を買つた場合に、従来のように外国人のナンバーでなければならぬというようなことはまつたくなくなるわけでございますから、第三国人がそれをどういうふうに利用して法外な利益を占めるか、その点は大分改善せられるのではないかと思つておりますので、そういうことはどうものみ込めない点であります。

滿尾君亮自由党

○滿尾委員 私が、いささかその間の事情に通じておりますから申し上げます。たとえば、ここに非常な金持ちがおる。あるいは銀行の総裁がおる。ぜひアメリカ製の今年のぱりぱりの自動車に乘りたいという人物がおるとするが、あなたのお話によりますと、ドルはドルでというわけでありますから、どんな人物でも日本人である限りは、アメリカの新車を買うことはできないわけであります。第三国人はドルを持つておりますから買えます。第三国人はきよう買つて翌日日本人の金持ちに売ればよいのです。そうすると究極においては、日本人の金持ちはそれに乘るに違いないけれども、それはじかに買えないで、まず第三国人のルートを一ぺんくぐらなければならぬ。まわり道を一ぺんさせられるが、そのまわり道をすることによつて必ず権利金を上られる。結局日本人が乘るに違いないけれども、そういう御制限があるために、いたずらに第三国人にただで金をもうけさせるという結果におちつくのであります。この事情をとくと御認識になれば、さつきお話のようなドルにはドルをなんていうようなきゆうくつなことをおつしやる必要はないと思う。その御政策のよつて来るところは、先ほどの国際貸借上の問題、日本の資金の海外逃避の問題、この二点よりほかないだろうと思うが、これはいずれの場合にもちつとも該当しない。該当するとお考えになつておるのは通産当局だけであつて、健全たる良識をもつて判断する限り、そういうことは考えられない。一体日本人は一年に幾ら自動車を買いますか。かりに一万台としたところでしれたものだ。御承知の通りそれはほんとうに日本の政治経済の面において有用に働く自動車でありますから、これを奢侈的浪費であるというようなお考えはおかしい。どこか心の中にそういう考えがひそんでおるのではないかと思う。今日日本ほどの高度の文明国であつて、乘用車がこれほどしかない。これはフィリピンにも劣つておれば、中南米の諸国よりもはるかに劣つている。乘用車を年に一万台や一万五千台買うからといつて、日本の国際貸借上から申してそれがひつくり返るわけでもないし、それによつて資本が逃避するわけでもない。その点で乘用車を奢侈品であるといつ基礎的な潜在意識が当局にあるか、もしくは何とかして外国車を少くして国産自動車をぜひその線までひつぱつて行きたいという潜在意識があるか、この二者いずれかのなせるわざだと私は判断するのであります。この点すなおにもう一ぺん御反省をお願いしたい。

本間俊一自由党通商産業政務次官

○本間政府委員 自動車は奢侈品だという考えがあるかどうかということですが、これは奢侈の概念というか、その基準にもよろうかと存じます。しかしそうきゆうくつな考えは持つておらないのであります。ただドルを使つて入つたものでありますから、できるだけドルを回復したいという考えを持つておるわけでございまして、そのほかにはきゆうくつな考えは持つていないわけでございます。

滿尾君亮自由党

○滿尾委員 ドルをもつてドルというお話でありますが、他の物資についてはそういうことはない。ただ自動車に限つて厳格にその線に立ち返ろうとお考えのところに判断に無理がある。極端に言えば、アメリカ製の口紅も輸入になる。それに対してドルをお渡しになるに違いない。またおしろいも輸入されるに違いない。自動車と口紅とを比べてどつちか国民経済に重要かということは、言をまたずして明らかである。乘用自動車のように国民生活のエフイシエンシーを上げるものについて、わずかのドルをかように神経質に使わなけりばならぬのか、われわれは了解に苦しんでおるのです。

本間俊一自由党通商産業政務次官

○本間政府委員 口紅の例を出されたのでありますが、外国人が使用する日用雑貨は、今後相当きゆうくつになろうかと思います。私どもが輸入をいたしておりますのは、決して日本の人が外国の口紅を使うつもりで輸入をしておるわけではないのでございまして、日本には相当外国人がおりますから、その人たちの日常生活に必要な雑貨は入れなければいかぬ、そういう考えでやつておるのでありますが、今後これらの日用雑貨は相当しぼられて行くものと私どもは予想しております。

黒澤富次郎自由党

○黒澤委員長代理 江崎君。

江崎一治日本共産党

○江崎(一)委員 道路交通事業者が、その企業体全部を担保にして金を借りなければならないというような状態に、現在立ち至つておるのかどうか。その点陸運関係の方の御説明をいただきたい。

中村豊運輸事務官(自動車局長)

○中村(豊)政府委員 自動車運送事業として資金がどういうふうになつておるかという御質問でございますが、私たちが各事業者の強い要望を伺いまして、いろいろとまとめてみたいところの資金需要額は、総額で二十八億五千万円ばかりということになつております。ところがその中で自己資本で調達するとか、あるいは増資によるとかいう方法によりまして、一部分は調達できるのでありますが、残り十九億ばかりはどうしても調達の方法がないから銀行から借り入れるほかはないという模様でございます。そのうち特に設備として大きいのは車両でございますが、新しい自動車を買う資金としては十五億ばかりいるということでございます。そこでこの資金の調達については、役人の立場を離れてできるだけ銀行などにもお供して調達のあつせんをしておるのでございますが、何しろコマーシャル・ベースに立つておる銀行としては、いかに役所からの口添えがありましても、そろばんに乘らないものについては融資できないということで、思うように調達できないわけでございます。歴史を申しますと、昭和二十一年ごろには勧銀から八億ばかりの融資を得まして、また二十二年度以後においては復金から三億六千万円ばかりの融資を得たのであります。ところがその後こういう国策的な融資の道がとざされたものですから、現在のような因つた状態が現われて来ておるのであります。そこで自動車事業のような、一つ一つの物件としては担保価値が少いものを、なるべくその担保価値を大きくしまして、信用力を増すことによつて融資の道を容易にしようということで考えたのが、この財団抵当の考えでございます。

江崎一治日本共産党

○江崎(一)委員 道路交通事業の全体を大局的に見ますと、もうからぬ企業ということにたるのですか。

中村豊運輸事務官(自動車局長)

○中村(豊)政府委員 この事業は御承知のように道路運送法あるいは通運事業法によつて、運賃、料金は運輸大臣の認可を受けなければいけないということになつておるわけでございます。この事業が国民大衆の利害関係に非常に影響が大きいものでありますから、運輸大臣としては公共の福祉という見地から、運賃、料金を非常に厳重に審査しまして、そう何でもかでも値上げを認めるということをせずに、適正な原価に対して適正な利潤を含めた限度において運賃、料金を認可しておるわけでありますから、この事業全体は利益のそう大きなものではございません。

江崎一治日本共産党

○江崎(一)委員 そうしますと、この法案自体の直接の意図がどうあろうとも、企業としては運輸大臣の監督下にあつて、利潤が制限されておる。従つて道路交通事業をやつておる人たちは、行く行く全部これを抵当権にとられてしまつて、結局これが金融独占資本の支配下に全部入つてしまうというような形になりはせぬかと思うのですが、その点はどうでしよう。

中村豊運輸事務官(自動車局長)

○中村(豊)政府委員 運賃、料金はただいま申し上げましたように、能率的に経営されたところの原価を十分にまかない、なおかつ適正な利潤を含むということでありまして、適正な範囲で利潤を認めておるのでございますから、健全な経営をする限り、さような御心配はないのであります。ただ一時前に資金がいる場合に、その担保として財団をつくるというわけでございます。

江崎一治日本共産党

○江崎(一)委員 確かにこの法案によりまして、道路交通事業者は金融の道が新しく開けて、楽にはなると思います。しかしながら今言つたような経過から考えまし、おそらくはこれは今申し上げた金融資本の支配下に全部巻き上げられてしまうのではないかということが、戰後の日本経済界の條件から考えて十分考え得ることだと思いますが、その点はどうなんでしようか。

植竹春彦自由党

○植竹参議院議員 お答えいたします。業界の実情はただいまのところその御心配がございませんし、今の情勢から将来を判断いたしましても、その心配はないのであります。実情を申し上げますと、実は現に自動車事業財団の交通事業財団法がないために、やむなく鉄道を経営しておる関係上、鉄道財団でもつて金融を受けておる会社の実情などを見ましても、約束通り期限期限に分割支払いをいたしておる会社を見受けております。ただいま中村政府委員からお答え申し上げましたように、まじめに行政官庁の監督下にありまして、しかもまじめなる経営者の計画通りに事業を今後送行して参りますれば、かつまた従業員かやはり今の経済組織の上に今のような執務をいたしております限り、その心配はない、かように実情に即して考えられるのでございます。

江崎一治日本共産党

○江崎(一)委員 私過去の経験にかんがみまして、今の御説明は一応表面上は受取れますけれども、非常に危険な要素が含まれておるのではないかと考えるのです。と申しますのは、これは戰前のことでありますが、マツダランプという大きな工場があります。これが民間の電球工場や真空管工場に金を融資する。そうしてそのやり口というものは、どんどん融資して、今度はどんどん品物で競争して、立つて行かなくなると、それをどんどん買収して自分の工場にし、あるいは生産過剰になる場合には、それを意識的につぶしてしまうというやり方をやつた。こういう運営の方式が、これすなわち資本主義のやり方ですから、おそらくこの交通事業に対しましても、これと同じようなことになる。表面的にはいかにきれいな言葉で粉飾されておるとも、こういうことになり得る要素を非常に強く條件づける法案であると考えるのです。今あなたの御説明では、表面だけではもつともだというような気がするのですけれども、実際はなかなかそう運営は参らぬと思うのです。そういうつつ込んだ点についても何か御意見があればお伺いしたいと思うのです。

植竹春彦自由党

○植竹参議院議員 私の方もつつ込んだお答えを申し上げます。ただいまのは必ずしも実は表面のお答えではなかつたのでありますが、なおつつ込んで申し上げますと、過去におきまして、江崎議員がおつしやいましたような事実も、自動車業界に確かにございました。それは原因は、一路線に対しましてたくさんの業者が免許を受けました結果、血みどろな競争をいたしまして、料金を引下げ、またサービスをし過ぎて、そうして採算がとれなくなつて金融業者の手に陥り――当時は銀行の手には陥らないで、他の同業者の手中に事業が帰しました結果、非常に公衆にも不便を与えるような結果になつた血みどろの歴史がございました。     〔黒澤委員長代理退席、委員長着席〕 この点に関しましては戰争中事業を統制いたしまして、一路線一営業者主義に基いて統制をして、この難は免れたのでございますが、終戰後の新しい理念から考えますと、この一路線一営業者主義は、確かに今の江崎委員の御質問に対しては御心配がなくなる。つまり一路線一営業でやりますれば、競争から起ります不当な圧迫は避け得られて参りますけれども、その反面におきまして独占資本の弊害が遺憾なく発揮せらるる心配がございますので、最近におきましては免許に複数制がとられまして、その結果適正なる競争が誘発せられ、能率を増進して公衆の利便もはかり、かつまた事業の経営も適切に行われて行くというような方法が講ぜられました。しかしこれとても、複数制と申しますが、その複数制の数いかんによることでありまして、もしもこれが戰前のような無制限の複数免許が採用せられますならば、これは再び前車の轍を繰返すことにもなりまするので、終戰後の複数制を免許するにあたりましては審議機関にかけまして民主主義的に、しかも過剰な免許はしない方針を堅持いたしておりますので、ただいまのような御心配はなくて済む、かように確信いたしておるのでございますが、なお行政官庁側の答弁は中村局長よりあると存じます。

中村豊運輸事務官(自動車局長)

○中村(豊)政府委員 ただいま植竹議員からお話申し上げた通りでございまして、運輸省といたしましては、法律に定められた免許基準によつて、自由にしてかつ公正たる競争をやらすということで、独占の弊害を除くと同時に、免許を与えられた事業者の事業の安定、経営の安定をはからせておるのでございますので、健全に経営する限りは、御心配のような金融機関の手に陥つてしまうということは、今後起らないと信じております。

滿尾君亮自由党

○滿尾委員 本案につきましてはほぼ質疑も盡きたようでございますから、この際討論を省略して、ただちに採決せられんことを望みます。

岡村利右衞門自由党

○岡村委員長 満尾君の動議の通り決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

岡村利右衞門自由党

○岡村委員長 御異議なければさよう決定いたします。  これより採決いたします。本案を原案の通り可決するに賛成の諸君の起立を願います。     〔賛成者起立〕

岡村利右衞門自由党

○岡村委員長 起立多数。よつて本案は原案の通り可決いたしました。

滿尾君亮自由党

○滿尾委員 本案につきましてその運用に関し附帯決議をしたらどうかと思いますので、その動議を提出いたします。     〔「賛成」と呼ぶ者あり〕

岡村利右衞門自由党

○岡村委員長 満尾君の動議に対して御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

岡村利右衞門自由党

○岡村委員長 御異議なしと認めます。満尾君。

滿尾君亮自由党

○滿尾委員 本案に道路運送交通事業に対しまして事業抵当の制度を提供して、その金融をなめらかにすることを目的としておるのでございますが、この機構、からくりだけをもつてしては、いまだ当事業の直面しておりますいろいろの金融上困難に対してまて十分でないと思われますから、画龍点睛の意味におきまして、進んで政府は本業の成立とともに当該事業に関しまする政府資金等の融資につきまして、強力なるあつせんをいたすように附帯決議を付することを適当と認める次第でございます。それで私はここに附帶決議の案を朗読いたします。道路交通事業抵当法案に対する附帯決議案道路運送事業及び通運事業は、我が国産業の発達、民生の安定上不可欠の事業であることは言うまでもない。しかるに、当該事業の現状は輸送要請の増加に対応するための車両増備及び戰時、戰後の酷使による老朽施設の更新に対し資金的に極めて窮迫せる状態にあり、これが解決は最も緊要である。かかる見地からして、本法案の成立は、当該事業の長期資金確保に資するものとして、誠に当を得たものであるが、更にこの担保力を基礎として速かに当該事業を日本開発銀行等の融資対象事業に指定する等政府は資金の確保あつ旋に関し強力適切なる措置を講じ本法の運用上遺憾なきを期せられんことを望む。以上でございます。

岡村利右衞門自由党

○岡村委員長 満尾君の動議に賛成の諸君の起立を願います。     〔総員起立〕

岡村利右衞門自由党

○岡村委員長 起立総員。よつて附帶決議を付するに決定いたしました。  なお本案に対する報告書については、委員長に一任願いたい存じますが、異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

岡村利右衞門自由党

○岡村委員長 御異議なければさよう決定いたします。本日はこれにて散会いたします。午後三時五十三分散会

国会会議録検索システムで原文を見る ↗