運輸委員会 第39号
- 発言数
- 103 件
- 登壇者
- 13 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1952/06/05
会議録
○岡村委員長 これより会議を開きます。 道路交通事業抵当法案を議題とし、これより質疑に入ります。滿尾君。
○滿尾委員 道路抵当法の具体的な質問に入る前に、その背景をなしておりまするわが国の自動車行政の一般について、概括的なお尋ねをちよつと申し上げてみたいと思うのでございます。 わが国の自動車の増加の態勢というものは、今後五箇年間くらいの間にどういうような趨勢をとるであろうか、どういうお見通しを持つておられますか。そのお見通しがすべての自動車行政の根底になると思いますので、お伺いしてみたいと思います。
○中村(豊)政府委員 今後五年間の自動車の増加の趨勢という御質問でございますが、これを正確に判断することは非常にむずかしいことは申すまでもございません。自動車の増加するためにはその基礎になる輸送数量の増加ということが問題でありますが、その輸送数量の増加を判断する材料としては、産業活動の趨勢、あるいは文化の向上の程度、あるいは人口増加、それに関連する他の輸送機関との関係もありますので、これを正確に判断することは非常に困難なことは御了承願いたいと思います。従いましてこれから申し上げます数字は、まつたく概括的な見通しにすぎないのでございますが、これも乘用自動車、バス、トラックというものによつて、おのおの違うことも申すまでもないのであります。まず乘用自動車についてでございますが、乘用自動車については日本の現在の保有台数はわずか五万七千台くらいしかございません。これは小型車を除いてでございます。この台数というものは人口百人当りについて考えますと、わずかに〇・〇四四台にしかなつておりません。これを外国、特にアメリカなんかに見ますれば、アメリカは人口百人当りについて二四・四台もあるという非常にけた違いの数字でございますが、英国も百人当りについて四・六七、フィリピンのようなところでも〇・一六台にも達しておるのに、これにもはるかに劣つておりますので、今後経済文化の興隆に伴つて、急速にこの乘用車の保有台数はふえて来るものということが考えられるわけであります。そこで一つの見通しを基準として、産業活動指数というものをとつてみたのでありますが、これは安本その他で研究しております一つの考え方として、産業活動指数は、昭和九年から十一年までを一〇〇として、五年先の昭和三十一年においては産業活動指数は一五〇ということが推定されております。従いましてこの指数で行きますれば、三十一年には乘用車の保有台数は七万五千台ということが見込まれるわけであります。これを私たちは最低の数というふうに考えております。次に考えられます傾向は、現在この二、三年非常に乘用車がふえて来ておるのでありますが、このカーブをずつと伸ばして行つて、最近の文化、経済の復興、興隆、活動の趨勢をたどつて行きますれば、大体九万台ということになります。七万五千台を最低にし、九万台を最高にする線のいずれかにおちつくであろうというのが、私たちの見通しであります。 次にバスでありますが、バスにつきましては、わが国は外国に比べて国民の人口当りのバスの保有両数は、割合に多いのであります。これはわが国が世界的にも特にバスの利用率の多い国だということを証明しておるのでございますが、これを先ほど申しましたような産業活動指数というものを勘案し、あるいは最近の交通の発展の模様をカーブでたどつてみて、その中間におちつくものと私たちは推定しまして、そうすればこの数は昭和三十一年においては三万二千九百台ということになると考えます。 次にトラックでありますが、トラックは現在普通車が十三万、小型四輪車が四万台、小型三輪車が十五万台あるわけですが、トラックは産業経済活動の指数を最も率直明瞭に反映するものというふうに考えられますので、産業経済活動指数によつて三十一年度をたどつてみますと普通トラックにおいて十四万七千台、小型四輪において四万五千、小型三輪において十七万三千台になる、このように考えております。もつともトラックの内部構成でありますが、これを営業用と自家用とについて見ますと、普通車においても、すでに昨年度は自家用車が営業用の倍にも達しておるのでありますが、この傾向は今後もますますふえるであろうと考えられます。トラックの発達の趨勢というものは、営業用よりも自家用が伸びるということが考えられますので、内部構成としては、自家用の占める比率が現地よりももつと大きくなるであろう、かように考えております。以上が大体私たちがいろいろなデータに基いて判断した概略の趨勢であります。 〔委員長退席、黒澤委員長代理着席〕
○滿尾委員 ただいまの御説明によりまして、各種類の車についての情勢はわかつたのでありますが、ただ乘用自動車の増加の趨勢につきましては、今日までの歴史的な事情は、非常に制圧されておつた。他のトラックなり、バスなりについては、一般的な事情以外に、この発達を特に阻害する事情はなかつたと思いまするが、乘用自動車については、戰争前、戰争中、戰後のいろいろな事情が、格段に圧縮されておつた時代であると思いますので、今の御当局の御推定の基礎は、少し小さ過ぎるのではないか、最大九万台という御意向であるが、九万台よりは伸びるであろうし、また伸ばすように、当局のいろいろな施策が考えられねばならぬかと思うのであります。その点についてやや御認識が徹底せざるうらみがあつたことを、意見として申し上げておきます。 さてその乘用車の問題でございますが、これは輸入と生産と輸出と三つのものがかみ合うわけであります。これらについては、現在並びに近き将来について、輸入されるもの、国内で生産されるもの、輸出されるもの、この三つのかみ合つておる状態をどういうふうに見ておられるか、御見解をただしたい。
○中村(豊)政府委員 最初に乘用車の増加の見通しが少な過ぎるというお話でございますが、私ももつともだと思います。最高九万台と申しましたが、九万台を少くとも保有したい、保有すべきであると思うのでありますが、国民経済力といいますか、富の力という点から、この辺におちつくものであろうという考え方で、いささか弱気な数字を申し上げたわけであります。 そこで輸入と生産と輸出の問題でございますが、これにはまず国産自動車と外国からの輸入車両との問題が根本になるわけでございます。それと同時に、今後国内で毎年何台くらいいるであろうか、これに対して国産自動車では何台くらい生産できるだろうかということを、まず考えてみたいと思います。先ほどの三十一年における乘用自動車の保有目標を九万台と置きましたので、現在の保有台数が五万七千台でありますから、今後五年間において増加すべき車両は三万三千台ということになります。これは一年平均にしますと、六千六百台ということになります。このほかに、一九四〇年以前のおんぼろ自動車が三万台もあるわけでございまして、これは能率的にも、経済的にも、あるいは車両保安の見地から見ましても、早急に淘汰すべきものであろうと思うのであります。しかし一挙にこれを淘汰できませんので、この一九四〇年以前の三万台を五年間に廃車しまして、これのかわりに新車を補充しなければならない。そのような廃車補充用の車が三万台いるわけであります。これが一年平均にしますと、六千台になるわけであります。合計六万三千台がこの五年間に国内に必要である、こういうふうに判断しております。これに対して国産車はどのくらい供給されるかということであります。これは所管の通産省といろいろ連絡をしておるわけでございますが、通産省の計画では、年間に六千台つくりたいというのでございます。これは現在の生産台数年間四千台足らずの実情に比べまして、われわれは非常に過大であると思いますけれども、通産省においてそれだけの努力をされれば、そこまで行くものとして考えますと、これによる五年間の供給力が三万台、そうしますと、不足する三万三千台というものは、外国自動車を輸入しなければいけない、このようになるわけであります。輸入と生産との関係は、現在の運輸省、通産省の数字を持ち寄れば、そのように大体半々のところにおちつくというふうに考えられます。 輸出につきましては、国産乘用車の性能、価格が決定的な要素になるのでございまして、この点については、優秀なる外国車との競争場裡にさらされるわけでございますから、あまりそう期待できないのではないかと私たちは思うのでありますが、この点につきましては、所管の通産省の方が専門的な検討をしておる、かように思います。
○滿尾委員 乘用自動車の需要供給について、運輸省側の大体の御見解を伺つたのでありますが、この問題につきましては、さらに通産省側の見解をお伺いいたしたいと思つております。そこでわが国の乘用車は、将来どういう形態の乘用車がわが国に最も適合するかということですが、わが国で相当数の生産をして行くことになれば、国情に即した自動車の生産ということも取上げて考えらるべき一つのトピックであります。これらについて使用者側の利益を代表しておられる運輸省としては、どういうふうな見解を持つておられるか。またあわせてあとで通産当局の御見解も伺つてみたいのでありますが、私が思いますのに、欧州の自動車とアメリカの自動車とでは、その客観情勢が、生産せられる自動車の性能あるいは形態というものに、はつきり実現されているように思うのであります。日本の乘用自動車の生産をするにつきましては、必ずやその点について、日本的性格というものが国産乘用自動車の上に現われて来るのではなかろうかと思つておるのでありますが、当局の御見解としてはどういうふうに考えられますか。
○中村(豊)政府委員 国産自動車は、戰争中は生産をいたしませんでしたし、戰後も一昨年まで生産を禁止されておりましたので、ごく最近の経験しかないわけでございます。また一九三九年以後は外国自動車の輸入が禁止されておりましたので、外国車による刺激も受けていなかつたのであります。さような点から、遺憾ながら現在の国産自動車は非常に性能が悪いのみならず、非常に価格が高いということを否定できないのでございます。これの一例を申しますと、車の名前を言つて悪いのでありますが、国産自動車の代表的な車の新車が約百三十万円くらいいたします。これに比べて最もポピュラーなアメリカのシボレーの新車は、これに輸入税、物品税全部を込めて最終価格が百三十万円をちよつと越すというくらいで、ほとんど同額であります。そうするとシボレーと日本の代表的な国産乘用車とは、価格がほとんど同じである。しかもその性能に至るや、片方は十数年も使おうと思えば使えるのにもかかわらず、国産車の方はせいぜい二年くらいではないかと業者の方々は言つている。こういうふうに品質が悪く性能が劣つて、価格は非常に高いという、いわゆる悪かろう高かろうという国産自動車の現状でありますので、この点はわれわれとしても、何とか改善する方法がないものかということを考えなければいけないと思います。そこでわが国に適合する自動車の形態でございますが、わが国としては、燃料を九〇%以上外国からの輸入に仰いでいる。また道路は非常に狭い、しかも混合交通でありますからハイ・スピードを出せないというような、燃料事情、道路事情あるいは交通事情を考え合せますと、アメリカの優秀な車を使うことはぜいたくなことでございます。アメリカの優秀な車の性能を十分発揮させるだけの客観的情勢に恵まれていないのでございます。そこでアメリカの三千五百CCないし四千五百CC級の大型の乘用車というものは特殊な高級用の自動車として、部分的に国内に使うだけにとどめておきまして、むしろ燃料としては、アメリカの車の三分の一くらいで済むところの車にすべきであろうと思うのであります。この点において、燃料消費量が少くて済むことについては国産自動車も及第でありますが、先ほど申しましたように性能が劣り、価格が高いという根本的の欠点を持つておりますので、これを燃料消費量が少くて済むところの英国の車、あるいは欧州の車に依存するのがいいのではないかと思うのでございます。欧州各国の例を見ましても、新しく生産する車あるいは現在ある車の八五%以上は、二千五百CC内外のいわゆる中型車、小型車級であるのであります。だから燃料その他で恵まれないわが国においては、もちろん欧州の程度にとどめて行つていいのではないかと思うのでございます。 そこでこれをもう少し具体的に申し上げますと、大体今後日本の国内で保有すべき乘用車の標準としては、次の三つの種類を考えてみたいと思うのであります。第一は、比較的高級な用途に使い、ハイ・スピードを目途とするものといたしましては定員六人乘りのもの、これは気笛容積を二千二百CC前後に見たらいいのではないか。幅員一メートル八百ないし一メートル七百、これは例をあげますと、モリス・シックス型あるいはボクゾールというような欧州車がございます。第二の標準としましては、最も実用向きのものを考えまして定員五人乘りのもの、これは気笛容積を千五百CCに押えまして、幅員は一メートル七百ないし一メートル六百にする。この車の例は、モリスのオックスフォード型というものあるいはヘルマン、オースチンの大型というものが考えられております。日本で国産車として今この規格に当てはまるものは、最近つくり出したプリンスというものがあります。第三の標準としましては小型のもの、これは定員を四人としまして、気笛容積を千CC前後に押え、幅員は一メートル六百以下にする。これに該当するものは、外国車ではモリス・マイナー、フアイアツトあるいはルノーという車があります。それからオースチンの小型が入ります。国産車は大体この規格に該当するものでありまして、プリンス、トヨペット、ダットサン、オオタというようなものが入ります。運輸省としては、今後の乘用車の規格標準というものをこの辺に置いて行きたいというふうに考えております。
○滿尾委員 大体小型の乘用車に重点を置くべきだという御見解に対しましては、私も非常に同感の意を表するのでありまするが、さてその政策を具体的に実現させる方策として、どういうようなことを考えておられますか。これは個人が純粋に自家用として持つ車に対して、役所が干渉する余地は乏しいと思うのでありますけれども、たとえばハイヤー、タクシーのごとき営業用の車につきましては、若干のコントロールし得る立場があるものかどうか。もしあるとすれば、どういうような御決意を持つておられるか、お伺いいたしたい。
○中村(豊)政府委員 先ほど申しました国産車と外国車の比較論にも触れざるを得ないと思うのでありますが、国産車が、率直に申しまして悪かろう高かろうという現状では、外国車、特にわれわれの規格に大体合致するところの英国または欧州車の輸入を活溌にはかる必要があると思うのであります。そういうことによりまして国産自動車を、国際的な経済戰のあらしの中にさらしまして、それによつて刺激を受けてみずからの態勢を建て直す、思い切つた経営の合理化、営業の改善、あるいは生産態勢の整備というようなことをやつていただく必要があると思うのでありますが、そのような輸入について制限的な政策をとらない必要があると思うのであります。 第二は金融の問題でございますが、国産自動車の維持育成をはかるために、国産メーカーに対して金融のあつせんをするということも必要でございますし、またわが国の国情に適した中型車以下の車をもつて営業するものに対して、できるだけ金融のあつせんをする、こういう営業面についてもそのようなことをいたしたいと思います。また運賃についても、そういう中型車以下については格安の運賃にいたしまして、ほんとうの大衆の足として、容易に利用できる親しまれやすいものに持つて行くという、運賃面の操作をする必要があると思います。また税金につきましても、保有ベースあるいは気笛容積によつてうんと差をつけまして、中級車以上のものについては高い物品税、あるいは外国車に対しては輸入税を差をつける、こういうような方法も考えられると思うのであります。営業用の免許にあたりましても、そういう中型車以下のものについては、できるだけ免許を容易にし、惜しみなく出すというようなことも考えらるべきだろうと思います。そのようないろいろの方策を講じまして、中級車以下の車を国内にたくさん保有する方向に持つて行きたいと思つております。
○滿尾委員 この乘用自動車の問題につきましては、常に生産がからみますので、これはあわせて通産省の関連事項になる。そこでこれは通産省の御出席がないので、運輸省だけに一方的なお尋ねをしておるので、はなはだ残念でありますが、後刻通産省の御出席を待つて、さらに追究いたしたい。ただこの際運輸省側にお尋ねいたしたいことは、かような、つまり自動車を動かす面から、わが国の乘用自動車のあるべき姿について一応の理想を持つておられる、その理想を達成することにつきまして、今日まで通産省側と協議されたことがあるかどうか。今後もまた協議される御決意があるかどうか承つておきたい。
○中村(豊)政府委員 わが国の乘用自動車を性能のいいものを安くたくさん保有するということについては、運輸省としては最大限の努力を拂う責任があると思うのであります。また何とかして性能のいい新しい車を、できるだけ安く手に入れたいという御要望は、各方面から非常に強いのでありまして、こう申しては何でございますが、国会関係の方も実に御要望の熾烈なものがあるのでございます。それで今まで三回にわたりまして、クーポン制度をとつて参つたのでありますが、これはまつたく九牛の一毛と申しますか、非常に厖大な御希望に対して、ごくわずかなクーポンしかまだ出していないのであります。ただこのクーポン制度は、今のままで行きますれば七月一日から廃止になりますから、自由にクーポンなしで買えるということになつて、この点は今まで無理な統制をしていた弊害がなくなるのでよろしいのでありますが、ただ今後起る問題として困つた問題は、根本的に国産自動車をどうするかという立場から、多少考え方に食い違いがありまして、まだ一本の考え方にまとまつていないのであります。七月一日から自由販売制度になりますけれども、外国自動車を買おうとする場合に、まだいろいろと制限が残るのであります。外国自動車を買う場合は、大体四つの場合が考えられると思います。最も容易なのは第一の場合、軍人軍属以外の外国人から中古自動車を買う場合であります。これはすべて円で買うのでありまして、輸入許可もいりませんから、自由に買えることになります。しかしながらこれには数におのずから制限があるわけであります。この車はいわゆる三万台というナンバーを持つ車で、最も容易に買える車であります。 第二のケースは、軍人軍属から買う場合であります。これを買う場合には、通産省の支拂い許可を受けなければならない。これは貿易管理令に基いて、さような制度がとられておるのであります。念のために申し上げますと、貿易管理令によつて支拂い許可を受けなければならない品物は、あらゆる物品のうちただ一つ自動車だけでございます。自動車だけについては支拂い許可を受けなければならないことになつておるのであります。この支拂い許可をするについて、日米両国政府間に合意が必要なので、目下関係箇所でその相談をしておるところでありますが、いまだ合意が成立しておりません。従つて合意が成立するまでは、米軍としては軍人軍属に対して、中古自動車を日本人に売ることを禁止したのであります。せつかく軍人軍属が手離そうとする車を、日米両国間の政府の合意がないために、売渡し禁止令が出ているために、せつかくクーポンを持つておられる方も、そのいう方面から車を手に入れることができなくなつている。しかもこの車は円またはドルによつて買うことになつております。円拂いで軍人軍属が売つてくれればよいのでありますが、なかなか数百万円もするものですから、日本の円を持つていても、帰るときにドルに交換できるかどうかという問題がありますし、さればといつてドルを買おうとしても、日本人にはそのドルをなかなか割当ててくれないというような問題がありまして、ただいまのところ軍人軍属から中古車を買う方法は、遺憾ながらストップされております。 第三のケースは、米軍の拂下げ車両でございます。これは毎月数百台ずつ公開入札になつておりますが、これを買うのもすべてドル建一本でありますので、これを買うためにもドルの割当をとらなければならない。ところがそのドルの割当のわくは非常に小さいということで、なかなか困難があるわけであります。 第四番目は、最も典型的な場合でありまして、外国自動車の新車を輸入する方法であります。日本人自身が輸入して獲得する方法であります。これには輸入許可がいりますし、従つてドルの割当をとらなければいけないのでありますが、これまたドルのわくが非常に少いために、ほとんど買うことができない状態であります。 以上具体的に申しましたように、七月一日からクーポンはいらない、自由販売になります。だからいつでも車が手に入ると言いながら、現実の姿はすでに非常な車の不足を起しておる実情は、そのような原因から起つているようなわけでございます。運輸省といたしましては、このようなことはまつたく使用者の非常に熱烈な、いい車を持ちたいという要望に沿わないのだから、何とか円滑に容易にたくさんの車を入手できるように、制度をもつと緩和しようじやないかということを通産省と話合いをしておるのでありますが、いまだ十分な了解に達していない事情でございます。
○滿尾委員 外車を手に入れる四つのルートについての御説明で、よくわかつたのでございますが、ただ軍人軍属から買う場合に日米両国の合意を必要とする。そうすると今日までの軍人軍属の拂下げの場合は、売渡し禁示令がまだ出ていなかつたのでございますか。今日までの例のクーポン券に対して軍人軍属の車の出たのはどういう事情であり、いつからまた新たに禁止令が出たのであるかをお伺いいたしたい。
○中村(豊)政府委員 貿易管理令によりまして支拂い許可がいる。支拂い許可を出す條件に関して、日米両国間に合意ができないためにストップされているということは、すべて講和條約が発効して行政協定ができ、その実施に関しての措置でございますので、正確に言うと四月二十八日以後でございます。今まで割合楽に買えましたのは、クーポンによりまして、しかもドルが相当間違いなく割当てられたからであります。従つてストップ令が出ておりましても、今後もクーポンによる場合には買えるわけでございます。ただその場合にドルのわくが非常に少いので、はたしてドルをつけてくれるかどうかが問題でございます。
○滿尾委員 運輸省はクーポンを出されたについては、大体為替の割当というものを考えて、クーポンの量をコントロールして出しておられる。従つて今日までに出されたクーポンについては、ドルの裏づけがリーダーの方に行つていることと私は了解しておつたのでありますが、その間に事情の変更があつたものでございましようか。
○中村(豊)政府委員 ドルの割当のわくはまだ七十万ドル残つております。これによつてドルによるものはある程度買えますし、その他円によるものはわくが全然ありませんから、こういうことで資金から見ると二千台は少し苦しいだろうという見通しはあつたのでありますが、非常に御要望が強いので、できるだけたくさんのクーポンを出そうとして努力いたしましたのと、またそれだけを出せばドルのわくはおのずから拡張することができるだろうという考えも持つたのであります。参考に申し上げますと、乘用自動車を買うためのドルのわくはごくわずかでございまして、これは外貨資金のかくから見ますとごく軽微なものでございます。だから事柄の重要性から見ると、拡張の余地はまだ十分あるとわれわれは思つております。
○滿尾委員 なおこの問題につきましては通産省側の御出席をいただいた上で続行することにいたしまして、この際少し話題をかえます。 トラックのわが国の需要供給の事情でございますが、先般来相当な特需が出たかに聞いているのでありますが、この特需の数量と今年度内わが国の内需とのかみ合せはどういうことになつておりますか、その点についてお伺いいたしたい。
○中村(豊)政府委員 トラックの特需の模様でございますが、昭和二十五年八月から二十六年七月までの一年間について特需があつたのであります。その数量はこの十二箇月の月平均が八百二十五台になつておりますから、総数はこの十二倍になるわけでございます。これに対してこの期間におけるトラックの生産の実績は、月平均で六百九十五台になつている。六百九十五台というのは普通の需要から見ると非常に少いのでありまして、最近の月平均を見ますと大体千二百二台ということになつております。従いまして特需があれば、トラックの内国需要を圧迫するのではないかという心配があるのでありますが、国産自動車の生産能力は月平均三千四百四十台もあつて、能力は十分でありますから、この上に特需が参りましても何ら心配はございません。現在の内国需要の模様を調べてみましても、販売会社あるいはユーザーとしてのトラック協会、自家用組合、その他大口の国鉄とか日通、国警、予備隊などに照会してみましたが、ただいまのところ何らトラック及びバスの入手については不安はないということを言つております。
○滿尾委員 トラックに対する特需の売渡し価格と内需の価格との間は、大体平均しておりますか。多少特需にはあやがついている関係になつておりますか、その事情を伺いたい。
○中村(豊)政府委員 価格の点はただいま正確な資料を持つておりませんが、特需は相当たたかれたということを聞いております。ただ能力が余つているところにに特需が発注されたために、生産が潤つたということは事実であります。
○滿尾委員 今度はバス事業の免許の方針についてお伺いしたいと思いますが、長年わが国は一路線一営業者主義ということを唱えており、戰後には必ずしもその方針を固執するものでないということをしばしば言明されたように思うのでありますが、実際それはただ看板のぬりかえに終つているのかどうか、現実にかような方針がとられて実施されている事情にありまするか。また複数主義をとるにいたしましても、これにはおのずから程度があつて、二営業者も複数である、五営業者も複数である、二十五営業者も複数でありまするが、現実にねらつておられるようなところはどういう段階にあるか伺いたい。
○中村(豊)政府委員 バスの免許につきましては、道路運送法第六條に免許基準が定められておりまして、この基準に従つて審査をしておるわけであります。そこでこの基準に従つてどのような実績が行われておるかと申しますと、現実にまつたく新しい事業者に対して免許された実績が、昭和二十二年においては三業者、二十三年においては十三業者、二十四年は十二業者、二十五年は二十七業者、二十六年は十業者というように、少しずつではありますが、純粋の新規免許をいたしておるわけであります。そこで複数制に対する考え方でございますが、私たちはまつたく例外なしにどこもかしこも一路線複数主義をとるべきであるという画一的な考え方は持つておりません。これは免許基準に示しておりますような、需要供給のバランスを考えるわけでありまして、交通量の非常に少いところで、そこにすでに既存業者があつて、それが十分な供給輸送力を持つておる場合には、これに対して新たなる免許業者を導入して競争させる必要はない。但しその與えるサービスが、回数が非常に少いとか、運賃が高いとか、運行が不正確であるとか、車両が悪いとか、その他非常に不親切な行いがあるというようなことで、免許業者としての資格の適格性のない場合には、その事業の改善も促しまするし、なおかつ改められないときには、これに対して新規業者を導入して、競争によるサービスの向上をねらうということが例外的には考えられるわけであります。しかしながら交通量の非常に大きいところにおきましては、これは單に一路線一営業主義を鉄則とするのではなくて、数業者を導入して、その相互の競争によるサービスの向上もはかりますし、一業者ではまかない切れないところの輸送力を供給させることにしておるわけでありまして、要はそこにおける輸送要請の交通量の問題と、これに対する供給輸送力のにらみ合せでございます。独占がいいとか悪いとかいうのも、單に形だけで形式的に判断せずに、独占による弊害が現実に現われておるか、または独占ではあるが弊害がまつたくなく、りつぱに公共事業としての責任を盡しておるかということによつて判断して行くわけでございます。交通量の多いところにおいては、今申しましたようにだんだんと複数化されておりますので、東京都内はごらんになつてもわかるように、東京都のほかに二十九業者が乘入れをしておるのでありまして、東京都内のバス業者は三十業者ある、こういうことを申してさしつかえないと思います。そのように交通量と供給輸送力とのにらみ合せによつて、すべて判断して行くということが根本理念でございます。
○滿尾委員 道路運送法第六條の免許基準の中で、特に需給のバランスという一項でありますが、これは読めば非常に巧妙にできておる。しかしながら見方によつては、これは当局の隠れみのみたいなもので、まことにつかまえどころのないものである。結局これに関する議論は水かけ論になるのであります。バスの複数制というものは、結局要約してみるとつかまえどころがないということになります。今度は角度をかえて、バス事業を助成するために、どういうような方策を持つておられるか、またあるいは研究しておられるかを伺いたい。
○中村(豊)政府委員 バス事業を助成する方策の最も尤なるものは、免許制度であります。これは率直にそう申し上げる必要があると思います。つまり自由営業で競争業者が自由に発生する機会を押えられて、大臣の免許によつて一種のせきとめをしてもらつておるということは、何といつてもバス事業の最も大きな助成方策であると思います。従いまして反面、いろいろの義務を課しておるわけでありまして、これがいわゆる公共事業の特質であると思います。その他の助成方法としては、運賃は認可制度になつておりまして、自由に値上げすることができないので、いかにも抑圧されておるように見えますけれども、妥当な原価計算に基いて適正な利潤を含むものであれば、その運賃の改正は認めるという態度をとつておりますし、また大きな助成方策として次に考えなければいけないのは、金融の面でございます。この点については復金融資あるいは市中銀行による融資が——復金の融資がストップされましてから後は、十分な融資のあつせんがされていないのを残念に思うのでございますが、個々の会社の独自の信用力によつて、みずから金融の道をつけて行くというだけでは十分でありませんので、政府としてもできるだけそのあつせんをしなければいかぬという態度を、特に最近強く考えておるのでございます。先般当委員会におきましても、自動車運送事業については、特に政府資金を開発銀行によつて割当てるべきであるという強い御要望の決議をしていただきましたので、まことにありがたいことと存じましてその決議に基きまして、現在安定本部及び開発銀行とせつかく折衝中でございます。まだ筋に乘つたと申すまでに至らないのを残念に思うのでございますが、ある程度の了解をとりつけたと思つております。何とかしてあの決議を尊重させていただいて、あの決議に基いて金融の道を開きたいものと努力するつもりでございます。 なお助成方策として考えられる面としましては、技術的な援助と申しますか、指導育成ということが考えられると思います。たとえば車の規格、性能をどういうふうに持つて行くか、あるいは燃料の消費、タイヤの節約をどういうふうにするか、運転手の教養をどういうふうにするか、その他いろいろの技術的な指導につきましては、運輸省として業界の技術陣営の方といつも連絡をして、いろいろの会合を開きまして、非常な研究を進めておるのであります。またその成果は着々と上つておるのでありますが、このような技術的な指導ということは、何といつても官庁が中心になり、陣頭に立たなければ、効果の上ることではないと思うので、この面には非常な努力を拂つております。なお税金の減免あるいは税制の合理化というようなことについても、ガソリン税の問題、自動車税の問題その他につきまして、関係の業界あるいは業界の組合と提携して、その都度努力をいたしておるわけであります。
○滿尾委員 バスの乘客の公益保護についてでありますが、わが国におきましては、バスについてときどき非常に大きな惨害が起る。これは外国にももちろんあるわけでございましようが、わが国の場合におきましては特にその事例がはげしいのではないか。私はアメリカのバスにずいぶん乘つてみましたけれども、外国のバスの運転手は踏切りを渡るときは、どんな閑散な線でも、夜間でも、ぴたつと一ぺんとまります。ところがわが国のバスの運転手諸君は踏切り等の問題について、いまだそういう点の社会的な慣例というものが確立されておらぬ。はなはだしきはこの間の東武鉄道のごとき、ブレーキが一度悪くなつたという事件があつたのに、そのまま急カーブをおりてえらい大きな事故を起したことがあつたようでありますが、このバスの運転手の免許について、複式の制度をとるお考えはないか。つまり物品を運ぶ運転手と人命を預かる運転手との間に、同じ免許状だけではなくて、さらに高度の運転免許制をとることが、私は公益保護の角度から必要ではなかろうかと考えておりまするが、運輸省はそれらの点についてどういうふうにお考えになつておりますか。
○中村(豊)政府委員 お説まことにごもつともと考えます。ただ運転免許の問題は、現在の官庁機構といたしましては国家公安委員会の方にあるわけでございまして、運輸省としてはその方面に強く要望をしておるわけでございます。御承知のように、現在運転免許の資格はいろいろありますが、これを年齢的に見ますと、普通免許及び特殊免許については十八才以上の者になります。小型免許についてだけ十六才ということになつておりますが、この年齢を幾らか高める必要があるのではないかと思いまして、バス及びタクシー、ハイヤーについてだけは、事業管理の面から、運輸省において国家警察の方と協議をいたしまして、二十才以上、また経験を一年以上ということに高めたのであります。しかしこれは国家警察の方で行つたところの試験に合格した者に対してつけ加えた資格でございますが、その試験制度自身あるいは試験の内容自身をもう少し高める必要があるのではないかと思うのでございます。たとえば單に運転ができることのほかに、車の点検あるいは軽度の整備修理ということもできるような能力を要望するということも必要だと思いますので、そのような点について国警あるいは公安委員会の方と目下打合せをいたしたいと思つております。
○滿尾委員 私は運転免許が国家公安委員会にあることは遺憾に思う。つまり自動車運送事業というものを包括的に監督しておる運輸省が、その点について他官庁の所管であるからということで逃げられるようなことは非常に遺憾と思う。この点についてはぜひ行政機構の改革をする必要がある。さらに事故の場合についてでありますが、これは自動車が高速度で走り、乘つておる人が自分が間違いを起して、自分が被害をこうむるというだけではなくて、第三者に與える被害が非常に大きいのであります。従つてこれに対して常に損害賠償の責任を十分果させるために、自動車に関して強制保険というような社会的な施設をする余地が多分にあると考えるのでありますが、これらの方向についてどういう御見解を持つておられるか、お伺いしたい。
○中村(豊)政府委員 自動車の保険については三つの形態があると思うのであります。第一は車体保険、第二は運送保険、第三は傷害保険であります。車体保険につきましては、事業者あるいは自動車所有者の自衛手段としてみずから保険にかけるということは非常に普及しておりまして、これは自由にまかしておいてもさしつかえないと思うのであります。第二の運送保険、つまり自分で運んでおる物品あるいは乘せておるお客さんに対する事故の賠償、あるいは傷害保険として道路上の通交人その他の第三者に危害を加えた場合のその傷害を補填するための保険、これにつきましては、今お話の通り社会公衆の安全を保障する意味において、一種の社会保険的な意味から必要であると思うのでございます。ただこれをどのような方法で履行するかが問題になるのでありまして、諸外国の例を見ると、今のお話のような強制保険にしておるところも相当多いのでございます。ただその場合、強制保険にするにしましても事業者だけにとどめるか、あるいは自家用所有者にも及ぼすか、つまり全自動車に及ぼすかという範囲の問題、あるいは強制するにしましてもどの時期をとらえてやるか、つまり車体の検査のときをとらえるか、あるいは事業免許のときをとらえるかという時期の問題、あるいはもつとむずかしい問題としては、保険会社に保険を付するというやり方一本やりでなく、保障証券のようなもので認めるか、あるいは共託金で認めるか、さらにはまた経理状態のよい会社ならば、社内保留金でもつて自己保険を認めるかというような数種類の保障制度を認めて、その会社の内容によつてあまり負担を課さずに、しかも実効のある方法をとるかということが考えられるのでありまして、そのような方法論について目下まじめに研究を続けております。できますれば成案を得て、近い将来に国会に提出して御審議をお願いしたいとさえ考えておるのであります。
○滿尾委員 自動車保険に関する御研究が進んでおるということは、非常に欣快にたえません。これはぜひひとつ腰をすえて徹底的の方策を立てて御研究をいただきたいと考えます。中途半端なやり方はかえつて混乱を来しますので、ぜひ全自動車に及ぼして、一番徹底する方策はそうでなくてはならぬと信じておるわけであります。 その次にトラック事業の問題につきまして若干お尋ねをいたしたいのでありますが、わが国のトラック事業の現在の立場というようなものについて一応の概論をお伺いいたし、さらにわが国のトラック事業として、ことに区域事業に関して最も適切なる企業形態というものをどういうふうに考えておられるか、お伺いいたしたい。
○中村(豊)政府委員 わが国トラック事業の概論と申しますと、戰争中に非常にいためられて、破綻のどん底にあつたトラック業界も、終戰後非常な立ち直りを見せまして、その車数においても輸送トン数においても、戰前最高のレベルをすでに抜いておるのであります。今正確な数字を持つておりませんが、二十六年度の輸送トン数は二億六千万トン以上になつていたと思います。従つて輸送トン数においては、全交通機関として最大の輸送数量を示しております。もちろんこれはキロ程を考えれば、鉄道輸送トンキロには劣ることになりますが、トン数としては最大の交通機関であるという実力の内容を示しておるのであります。これはその重要性から考えても、できるだけその内容を整備し、実体を充実させ、設備を改善して、りつぱな交通機関として向上させて行く必要があると思うのでありまして、その意味から道路運送法で免許事業にもされ、もろもろの義務を負つておるわけであります。そこで今後この事業、特に区域事業をどうして行くかの問題でございますが、運輸省といたしましてはできるだけ規模の充実した、レベルの高い、台数の多い、設備のりつぱな事業にして行きたい。つまり近代産業化して行きたいと思うのでありまして、いつまでもトラック事業を零細な事業にして、他の産業部門に対して従属的な関係に置いておくことは誤りである、対等に発言できるだけのりつぱな近代産業にいたすべきである、かように考えておるのであります。従つて相当規模の大きいことを望んでおるのであります。しかしながらそれはまつたく一つの理想でございまして、現実を無視してそういう考えを強行することは実情に即しない点もありますので、場合によつては、戰争中統合されたが、それは関係者のまつたくの同意ではなかつた、無理な統合であるから、戰争後これを元の関係者にもどしてくれというふうな解体の要望に対しては、相当その実情によりこれをお認めしておるわけであります。また新規免許につきましても規模の大きいことを望むのでありますが、交通量の非常に少いところあるいは山間僻地については、わずかな台数でも新規免許をお許ししているというようなわけで、原則と実情とを絶えず相互勘案してあやまちなきを期しておるのでございまして、一時あるいは行き過ぎであり、しやくし定規であつた点もあつたかもわかりませんが、最近では非常に実際に印した行政をやつておるということで、だんだんと関係者にはお認めを願つて来たと思つておるわけであります。
○滿尾委員 ただいまのトラック事業に関する当局の理想というものは、私はトラック事業に関する非常に大きながんになつておると思う。当局はこれをなるべく大きな経営規模にして、他の産業と五分々々の立場に置きたいと言うが、私は決してトラック事業を他の産業に対して隷属的な地位に置くことはちつとも希望しておるのではないのであります。しかしこの問題はそういう角度からものを考えることが少し無理なんじやないか、重点をはずれておるのじやないかと思います。トラック事業もりつぱな事業でありますから、りつぱな産業として育てなければならない、それはもう毛頭異存はないのでありますが、しかしこの事業をお考えになるときに、そういう角度に重点を置いてものを考えると、何のためにトラック事業が国民経済上に重きをなすか、こういうポイントからはずれて来る。結局は国民の利益のために存する事業であつて、その利益に合致する限度においてこれを助成すべきものであります。従つてその事業が結果としてりつぱな産業になつて、他の産業から敬意を拂われるようになることは非常に望ましいのでありますが、それは自然の発達を見た結果論としてそういうことが言えるが、しかし当初からその点に重点を置いて当局の施策が行われるということになると、これは重点の置きどころが違つて来はしないか。そのお考えが今日までのすべての新免の関係、あるいは統合体の解体の関係等についていろいろな災いをなしておるのではないか。そこで私はトラック事業というものは一体何台くらいの経営規模に持つて行くことが、日本の経済の実情に合致しておるかということをお尋ねしたいと思うのです。かつて終戰直後に大都市において百台、五十台、三十台という基準を置いたことがある。これはほんのある瞬間の経過的なつもりで、そういう標準を考えた時代があつたのでありますが、その後の実際の運用の実情を見てみると、その数に非常に固執しておる。その頭の弾力のなさを露呈せられた傾向が実はあるのであります。利用者の側に最大の利益を與え、しかもこの業界で安定した仕事ができるような経営規模が望ましい。それがたまたまだんだん発達して行つて、二千万円、五千万円、一億円というような大資本のトラック会社ができるならば望ましいのでありますが、それは結果論であつて、決してそこに重点を置くべきではない。トラック事業が利用者側に満足を與え、事業者が安心して堅実な経営ができるような経営規模ということになると、これは私の私見でありますが、大体二十台かせいぜい三十台どまりではないか。たまたま百台、二百台のトラック会社が大都市においてはあるかもしれませんが、そういう大きな理想を掲げることは、業界の実情に反しておる。何となれば戰争中に統合せられたいわゆる統合会社の実情を見ますと、ほとんどいずれのケースにおきましても、内部においては分裂を希望しておる、昔の姿に還元することを非常に希望しておるように私どもは見受けるのでありますが、当局の見るところは私の見解と違つておるのでありましようか。
○中村(豊)政府委員 お話のごとくトラック事業の形態を考える場合には、利用者の利便になるということと、事業者を安定させるという二つの観点があるのでありますが、その点から見ますと、法律で定められたもろもろの義務を果し、しかも他の法令、たとえば労働基準法に定められた義務を果す、そしてりつぱな事業経営をやり、損害に対する賠償を完全に履行し、設備を充実して行くというような点から見ますと、大きければ大きいほどよいということは一応考えるのであります。その意味で大きいことも望ましいのでありますが、実情に合わす場合には、お話のごとくただしやくし定規に何百台ということは現在全然言つておりません。お話に出ましたような二十台、三十台というような例でございますが、このような解体を許し、あるいは新規免許を許したのもたくさんございます。のみならずそういう数よりももつと落して来ておるような実情でありまして、あるいは満尾先生は、古い昔の——と申しては失礼でありますが、昨年あたりのわれわれに対する御認識をまだ持つておられるのではないかと思うのでありますが、今年あたりからはわれわれの頭も非常に弾力ができて来たのでありまして、できるだけ実情に即して考えて参る方向に進んでおるのでございます。
○滿尾委員 当局の考えが非常に脱皮されて、弾力が付與されているということは慶賀にたえません。ぜひさようにお願いいたしたいと思います。 次に定期便のトラック事業でありますが、聞くところによりますと定期便の免許につきましては、当局はどういう虫の居どころでありましたか、非常にこれをたくさん許し、ある路線に至りましては数十業者が競合しているようなかつこうのものもあるということであります。これは一体どういうようなお考えであつたか、お伺いいたしたいと思います。
○中村(豊)政府委員 路線トラックが非常にふえて来たことはお説の通りでありまして、ある路線では数十に達しております。その場合バスあるいは一般トラックにとつておる態度と比べて、非常にゆる過ぎるではないかというお感じを與えたと思うのでありますが、われわれとしては、需要供給の関係をそんたく推定する材料を十分に持ち合せておりませんし、特に路線トラックについては新しい分野でございますので、その路線における需要量がどのくらいあるかということは、国有鉄道の関係も合せて考えなければいけないので、なかなかむずかしい問題で、十分正確には把握していないのであります。従いまして申請の業者の内容さえよければ、新しい事業への進出を奨励する意味で、どんどん許したことは事実であります。しかしながらお話のごとく相当多数の状態が現われて参りましたので、ひとつこの路線トラックの実情を調査して、需要供給の関係から、あるいは実施されている運営の模様について十分に検討してみたい。これこそ運輸省自動車局の大きな仕事であると思いまして、そのことにすぐとりかかろうとしておりますから、その調査に基きまして今後はさらに正確な審査を進めて行きたいと思います。
○滿尾委員 この自動車の免許が、ただいまの御答弁によりますと、いわば試験に供されているようなお話のように感じたのでありますが、これはあまり穏当でない。特に考えなければならぬ問題は、自動車の面だけでなくて陸上交通機関の総合的な体系の中において、トラック事業の占めている正当な位置というものがある。その角度の反省を怠つてはたいへんなことになると思うのであります。自動車局長は自動車行政をつかさどつている、監督局長は地方鉄道や国鉄をつかさどるということになりますが、国家の高級官僚としてぜひ総合的な見地に立つところの反省を忘れないようにしていただきたい。この問題はひいては東京都のバスの乘入れの問題にしても、かつては運輸省は交通調整という大きな題目を掲げて、その面への努力をいたしておつた。ところが今日の陸運行政を見てみますと、この総合調整というようななことはもうすつかり看板を落してしまわれたのであるか、法律そのものはいまだ残つているように見えますが、法律は残つているけれども、委員会もない。結局大都市への乘入れをめぐるところの、あるいは大都市内の交通状況というものにつきまして、総合的見地による研究というものが、近年忘れられてしまつたのではないかというような感がするのでありますが、これは自動車局長だけの問題でないから、大臣にお伺いしなければいけないのでありますけれども、自動車局長はその感じておられる限度において、この面についてどうお考えになつておりますか、お伺いしたいと思います。
○中村(豊)政府委員 自動車局長として自動車だけを考えているのではございませんので、運輸省の一員としては交通全体の総合発達及びこの円滑な調整を考える責任を持つております。さような見地から考えているのでございますが、東京都のバスの乘入れは、申すまでもなく終戰後のあの疎開、あるいは海外からの復帰者が大部分郊外に居住しましたために、都心への通勤客が激増したわけです。それで従来のように国鉄電車だけではまかないきれなくなつた。さればとて郊外電車の線路を都心に延長することは非常に困難なので、最も軽易簡便なバスの乘入れという方法をとつたのでありまして、交通機関の理想は、その目的とするところに直通で行けるということでありますので、これに最も適当したものはバスである。バスの直通運転こそ、陸上交通政策の今後の行き方であろうと私は思うのであります。それで今後もバスの直通運転ということは、都心に限らず、あるいは地方都市間の連絡にしても、どんどんと考えて行きたいと思います。ただその場合に、そこに存在する既存の国鉄あるいは地方鉄道、軌道との関係が問題になるのでありまして、この点については、総合調整の見地を絶えず考えておるわけでございます。特にその一つの制度として、今回行政機構の改革がありますので、それに伴いまして自動車局に陸運調整官とでもいうものを置いて、総合調整の見地を自動車の部面から特に検討して見ようじやないかと考えております。何といいましても鉄道、軌道は固定設備を持つて動きのとれぬ、むしろ保守的なものでありますが、これに対して、ハスは競争しかける積極的な立場に当然立たされるので、その方面から調整をはかり得るような特別の職を置いて、その問題について専門にかかつてみようじやないかと考えております。
○滿尾委員 小型の三輪車を主として使用いたして、トラックの区域事業を営みたいという要望が、東京地域において相当あり、いろいろな運動をしておるかに私のところまで響いて来るのでありますが、この小型貨物運送事業について、当局は普通の大型車より違つた格段の考慮を拂う用意があるかどうか、どういうような見解を持つておるか、お伺いをいたしたい。
○中村(豊)政府委員 小型三輪トラックの免許に関しましては、一般普通トラックに比べて特に手続を簡易化し、基準も緩和して処理して行きたいと思つております。まだその実績が上らないのでございますが、そのような心構えで、目下せつかく審査中でございます。ただ一部に獲得運動というふうな連盟をつくりまして、それが数十の免許申請を出して、玉石混淆でこれに対して全部許せ、これを許さないならば、当局の方針はまつたく誤りであるというふうな運動めいたやり方に対しては、反発するものでございまして、われわれとしてはその中から玉を見出して石を捨てる、あくまでも個別審査という態度に出ざるを得ないと思います。
○滿尾委員 小型トラックの審査の面でありますが、たとえばこれはあくまでも法人組織の形態をとらねばいかぬのか、これは小さな行動半径のもので、軽易なものであるから、個人営業でもいいのか。また経営形態の規模等の問題にいたしましても、二台とか三台とかまでの程度に軽く考えて行かれるお考えであるかどうか、それらの点についてお考えを伺いたい。
○中村(豊)政府委員 小型トラックの問題は、御承知のように陸運局長に権限を全部委任してありますので、陸運局長の良識と善処にまちたいと思います。ただ運輸省一般の考え方としましては、できるだけこれを簡易に扱うという意味から、事業の形態、規模も、相当低いものも認めていいのではないかと思うのでございます。ただ形態に関して、個人企業がどうであるかという点は、相当問題のある点であろうと思います。特に大都市において輸送数量の多いような場合に、はたしてどうかという疑問を持つのでございますが、これらの点は陸運局長に十分研究をしてもらつて、実情に合すようにいたしたいと思います。
○滿尾委員 個人企業という企業形態について、当局には一つの偏見があるのではなかろうかと私は思う。実際は、法人だから個人よりかたいとはなかなか言いがたいものがある。その証拠には、多くの会社が金を借入れるとき、銀行は必ず有限責任の会社の重役の保証では承知しない。必ず個人の保証を要求しておるのが実情であります。また支那等の実情におきましても、会社より個人企業が発達しておるので、なかなか信用程度の高い支那人が多い。日本ではりつぱな会社もたくさんありますが、実は形だけの株式会社がたくさんある。従つて会社形態だから安心だというふうな予断は、日本の実情にも合つていないと思う。従つて程度の高い信用のある個人企業というものを十分尊重せられる心構えを、ぜひ当局において持つていただきたいし、またその気持を地方陸運局長に移していただきたいという希望を申し上げておきます。 最後に、非常にこまかいことでございますが、この間道路運送車両法の審議をいたしまして、車両検査の手数料を徴収することにした。ところがその後の実績によりますと、ある人が車体検査を受けた。そうして二百円の手数料を拂つた。ところが不幸にしてどこかぐあいが悪くて落第をした。翌日も車体検査を受けたら、もう一ぺんまた二百円とられた。三日目また二百円とられた。こういう事態、なるほどりくつから言えば、当局の係官が車体検査の実務をやつた。従つて二度やつたのだから二度とられ、三度やれば三度とられるのはあたりまえだ。入学試験を受けて、試験料を三べんともその都度とられるじやないか、こういうりくつが成り立つのでありますけれども、人民側の受ける感じは、本来ならば車体検査料というもの、国が保安上の必要によつてやるのであつて、行政上の手数料に属する。必ず拂わねばならぬという意識があまりぴんと来ないものについて、その都度二百円とられるということは、非常に国民感情を阻害するものがある。この点について当局の見解をお伺いしたい。できればこれは一ぺん納めたら及第するまで、出直しの分は前ので済ませていただきたい。そのことを下部機構に徹底するように通牒を出していただきたいというのが私のお願いです。
○中村(豊)政府委員 なるほどそう言われてみると、まことにお気の毒だと思うのでありますが、現在の法律では、「手数料を納めなければならない。」というふうに義務づけられておりますので、こちらもいただかなければならないとなるのであろうと思うのであります。しかし、御指摘のように、あまり実際に合わない問題もあるようでありますから、よく実情を調べまして、もし法規的に無理なれば、また法規について緩和を考えるというようなことでも研究してみたいと思います。
○滿尾委員 通産省の方が見えたようでありますから、通産省関係について若干伺いたい。 まず第一に伺いたいことは、乘用自動車の生産の問題であります。私の理解するところでは、わが国の乘用自動車は非常にコストが高い。品質も利用者側の声を聞きますと、非常に優秀なる外国車に比べて劣つておる。悪かろう、高かろうというものを買わなければならぬ立場にあるのでありますが、そのよつて来るところは多々あると思う。しかし最も大きな原因は、外国の自動車のマス・プロダクシヨンに対して、日本の生産台数が非常に少い。従つてこの生産台数を急激にふやして行く見通しがあるかどうか、わが国の市場の狭隘なこと、また輸出の問題、いろいろな問題があると思うのでありますが、もしマス・プロが可能でない。従つてコストの切下げが十分でないとすれば、むしろわが国の乘用自動車の生産をストップしてしまつて、わが国の自動車生産事業というものはもつぱらトラックやバスの車種に全力をあげて、その面で生きる道を講じたらどうかという見解を持つのでありますが、当局の御見解を承りたい。
○佐々木説明員 ただいまの御質問でございまするが、私の方の通産省の方で現在考えておりますと申しますか、見込みを立てております乘用車についての価格の問題でございますが、これは今お話の通り本年度の乘用車の生産見込みでは、十分なマス・プロの範囲に到達するということは、あまり自信を持つては申せない程度の数量でございます。しかしながら現在の乘用車のコストが非常に高い一番の理由は、マス・プロのロットの数といいますよりは、むしろ全然マス・プロの形態をなしておらないというところに、実はほんとうの高価格の原因があるように私どもは考えております。これは御承知の通り、乘用車の生産再開後の期間が非常に短かつたために、プレスによります機械的な生産が事実上できなかつた。モデル・チェンジをはげしくしなければならなかつたので、プレスの型と申しますか、安定した型がきまらなかつたということで、やむを得ずハンド・メイクをやつたというところに大きな原因があるように思います。本年度の私どもの大体の見込みでは、六千台ぐらいの乘用車生産があるというふうに考えております。六千台の單位になりますと、しかもマス・プロといいますか、プレスによる機械生産を大体本年度中には開始できるという見通しを立てておりますので、全然工数的に問題になりませんけれども、十分の一ぐらいに低下いたしますので、オーバーヘッド・チャージというものを考えて参りますと、大体ダイレクトにボディーのコスト自身が、半分あるいはそれ以下に下るということが見通されております。またメーカーにおきましても大体そういうふうに持つて行かなければ、これは需要者に対しても非常に御迷惑をかけるということで、その覚悟をきめて目下着々と手配をしておりますようなわけでございます。通産省の方でもそれに必要な資金その他の面におきまして大体の見通しが立つておりますので、多分本年末あるいは本年度の終りには、ただいま御指摘になりましたような価格面の問題は相当程度に改善されるように私どもは考えておるわけであります。
○滿尾委員 たいへん楽観的なお話を伺つて、心が明るくなつたのでありますが、これは一体どの程度に価格をお下げになるお見込みがあるか、あるいはまた品質等につきまして、どの程度に追随して行けるという御確信があるか、また外国の輸出市場に出されてどれくらい伸びるというお考えを持つておられるのであるか、通産省としては国内の内需をどの程度に見積つてそれに対してどの程度の供給をなさるプランをお立てになつておるのであるかということをお伺いしたい。
○佐々木説明員 価格の問題につきましては、コスト即売値ということは、何の商売でも必ずしもその通りでないようなこともございますので、コストといたしましては、ただいま私が申しました程度にボディー代として約五割程度下るといたしまして、最終売値といたしましては、二割から三割ぐらいは下るであろうということは、数学的には申し上げられるのでありますが、これは商売の問題でございまして、プレス生産を実現いたします前に価格が下るということも商売の問題としては考えられますし、また逆にコストとして三割なら二割下つても、売値の方は市場その他の事情で三割まで下げられないということもあろうかと思いますので、その点につきましては相当大幅な値下りというものが理論的には可能であるという程度を、役人としてはお答えすることになるのではないかと思います。 それから品質の問題でございます。品質の問題は、現在大体指摘されておりますのは、ボディーがすぐがたがたになるという点が一つ、これは戰争前のダットサンのようなプレス生産にいたしますれば、これは不満足でありますが、現在二十年昔のダットサンをまだ使つているという程度には、少くとも丈夫ないいものができるという見込みは立てられると思います。それから電気まわり、スプリング、その他アクセサリーのような面におきまして、まだまだ性能的に不満足であるということを、各方面から御指摘になるわけでございますが、こういう点につきましては本年度に約千五百万円ほどの金ではございますけれども、主としてこういう評判の悪い部品関係の方に、これらの金を補助金として本年度は出すことに予定しておりますので、この効果がいつごろ現われまするか。これは私どもなるべく早く効果が出せるということで、いろいろと手配をしておりますけれども、この金で十分な性能改善の期待ができないということであれば、その面につきましては通産省の中の貿易の方をやつております方々にお願いをいたしまして、やむを得ざる最低必要限度の材料ないしは完成部品のようなものは輸入をしてもらうということで話をしておりますが、そういうことになりますと、またその面からの直接的な性能改善の効果が上るのではないかというふうに考えております。 それから輸出というようなことでございましたが、これは現在のトヨペットあるいはダットサンというふうな名前で、ただちにこのプレス生産が開始されても、これらの車が輸出されるというところまでは、正直に申し上げまして私どもは期待できないように考えております。これはとにかく二年半という期間で、一応外国製品の性能あるいは価格の面にまで追いついている最中でございまして、これが追いつければ、輸出ということは当然考えられると思いますけれども、追いつくまでの間においては、外国車と同じようなものが国民に供給できるというのがまず当面の目標でございまして、輸出ということはそれからだというふうに考えざるを得ないのでないかと思います。 それから需給の関係でございます。これは運輸省の方ともいろいろと事務的な打合せをいたしておりますが、この前、参議院でございましたか、やはりそういうようなお尋ねがございまして、本年度におきましてはトータルとして一万一千台程度の乘用車の需要見込みだというような運輸省の御意見もありました。われわれといたしましては、この数字を尊重するというような基本的な態度でございます。これに対する供給量といたしましては、本年の乘用車の国内生産が六千両でございますので、あとの五千両というものは今までやつておりましたような旧型の輸入入手、あるいは新車につきましてはポンド圏からのものを手配しておりますが、こういうもの、それから軍の拂下げのものというようなことで、大体今の一万一千台という数字はどうやら満たせるというふうに私どもの方では考えております。
○滿尾委員 ただいまの御答弁で、私は気に入らぬことが一つあるのであります。というのは、内国生産で六千台をつくる。需要が一万一千台、まるまる国民のすききらいにかかわらず、六千台を買わせる。残りの五千台をポンド圏か何かから輸入するというお話は、それはちとばかりぐあいが悪い。これはつまり国民が自分の使う自動車についての嗜好あるいは選択というようなものを、まつたく度外視したお話であつて、そういうぐあいに六千台まるまるつくつたら、これはまるまるその土地の国民が買うだろう、いや買わせるのだ、こういうお考えであるならば、これはお断りしなければならぬ実情ではないかと私は考えるのであります。 さらにこれに関連してお伺いしたいのであります。実はこのたび通産省の告示が出まして、この告示を見てびつくりしたのであります。外国為替管理令第二十六條第一項の規定により同令第十一條第一項の許可を受けないで、非居住者に対する支拂いをすることができる場合を次のように指定するという、通産省告示第百十四号というものが出た。これは実に驚くべき告示だと思う。これは一口に言えば日本にいるアメリカさんが品物を売ろうというときに、冷蔵庫を買つてもラジオを買つても何を買つてもよろしい。しかし外国製の自動車だけは通産大臣の許可がいるのだというように、これはくつわをおはめになつた規定であると私は解釈するのでありますが、どういう御量見をもつてこれを出されたのであるか、元の法律の規定によりますと、かような制限をする場合は、わが国の国際收支上重要なものでなければならぬ。さらに資本が国外に逃避するというおそれがある場合に限つて、こういうわくをかませることができるようになつているように見るのであります。国内にある自動車の数というものは、私の聞いたところによるとざつと二万台くらいしかない。それを先ほど運輸省の当局に聞きましたら、年に六千台ずつ拂い下げて買うよりほかないというお話です。六千台の車をかりに一台千ドルと踏んでみても六百万ドルとなりますが、この六百万ドルがわが国の国際收支上非常に重要であるとお考えになつているのであるか。またこの六百万ドルを拂うことは、わが国の資本が逃避するとお考えになつているのか、どうも常識をもつてしては理解いたしがたいので、この点についての御説明を伺いたい。
○佐々木説明員 ただいまのお尋ねでございますが、はなはだ事務的なことを申し上げるようで恐縮でございますが、この政令が出ますまでのことは、実は通産省のおもに通商系統の部局と、大蔵省の理財局系統の方とのお打合せの結果、そういう政令が出る。それで品目について通産省の各局からこれに該当する品目をあげて来いということを、われわれの方は上の方から言われました。それにつきまして各局から私の知つております範囲では相当多数のものが出たようでございます。これを通産省に省議という局長会議がございますが、ここで検討いたされました結果、この政令の実際の効力を確保するという点からだんだんとふるい落されまして、最後に自動車が残つたということに私どもは承知しております。それからこの政令を出すということ、あるいは無為替輸入としての重要性云々ということは、これは私ども直接貿易計画の全貌を握つてもおりませんし、また機械局としてはこれを左右するほどのそういう立場にないわけでございますが、行政協定締結の際に、ある程度こういう非居住者及び居住者間の支拂い問題、あるいは物資交流問題についてのいろいろな話がありまして、これを受けてただいまの政令が出たというふうに聞いておりますので、私といたしましてはその辺のことしか存じておりません。これで御了承いただきたいと思います。
○滿尾委員 この問題は、先般物調令の廃止を論議しましたときの自由党の政調会におきまして、石油の統制を残すか残さぬか、外国自動車の拂下げを残すか残さぬかということで、非常に議論をした問題です。自由党といたしましては、これは党の政策の本筋にのつとつて、石油の統制もやめよう、外国自動車も七月一日から自由にしようとした最も大きな政策面にかかわる問題です。それをわれわれが知らぬうちにいつの間にか通産省が一片の告示をもつて、すつかりこれをまた統制経済にわくをはめてしまつたということは、非常に重要なる政党に対する冒涜であります。従つてこの問題は決してゆるがせにすることはできない。従つて私は本日出席の佐々木説明員をいじめる気持は毛頭ないのです。なお本問題に関しては高橋通産大臣においでを願つて、この点はじつくりとお伺いをいたすこととして、本日の質問はこれ以上のことは追究いたすことをやめておきます。 ただ私はここで考えることは、この問題の根底に、わが国のたどたどしい乘用自動車の生産を極度に保護しようという魂胆が背後に隠れて、かような政令が出て来たのではないかという疑念を持つている。これがわが国の将来の産業活動その他のグルンドとなつております乘用自動車の問題について、非常に大きな暗影を投じている。長年乘用自動車の不足に見舞われておつて、これからようやく多年の要望を満たそうというときに、通産省のかようなからくりによりまして、国民の基本的権利がはばまれる。自動車に乘るということは基本的な権利であると思う。それを乘られぬように、きわめてまずい自動車に無理に乘せようというお考えとあつては、われわれ国会議員としては了承いたしかねる。この点については他日御質問申し上げることにいたします。 さらに最後にもう一言お伺いしたい。先般ゴムの輸入が非常に多くなつた。その結果いろいろな波紋を各方面に投げかけた。タイヤの問題にしましても、あるいは石油の問題も、今後たくさん石油が入つて来て、石油の値段は下りやしないかという議論がある。ゴムはことに非常に下つた。タイヤの操短という問題がちらほら出たのでありますが、新聞の伝うるところでありますからよくわからぬけれども、何かタイヤの生産の操短を通産省当局が業者に慫慂したかのごとき記事を見た。ある特定産業における操業短縮というような問題は、事業者団体法第五條第四号に明らかに違反しておる問題である。通産官僚においてかような心得違いのことは万々なかつたことと思う。おそらく新聞の誤報であろうと思いますが、その点についての経緯がありましたならば御説明願いたい。
○佐々木説明員 ゴムの操短の問題で、私が一般的な御答弁をする立場にないことは御承知かと思いますが、私の知つております範囲を申し上げます。ゴムの操短問題を役所の方でいろいろと、先ほど申し上げました省議で議論の種になつた。その前後にゴム皮革課という方から、操短というようなことがあつても末端における、特にどういう場合ですか、入札というような場合において、従来非常なダンピングがあつて、全体のゴム産業上はなはだ有害なことになつているので、そういうものは操短があればなくなるかと思うけれども、しかし自動車全体の、特に私の方はメーカー関係でございますが、自動車界に対して迷惑をかけるという意思はない。それからまた操短がありましても、これがてことなつてタイヤ界がより強調に転ずるというようなこともまずないように自分は推測をしているというようなことを、ゴム皮革課の方から私の方に連絡になりました。私の知つておりますのはその点だけでございます。
○滿尾委員 通産省の政府委員がきようははなはだ不満足な御出席でありましたので、私の二大眼目といたしましたところの二つの要点、すなわちわが国の乘用自動車の生産に関する政策の問題、通産省令第百十四号の問題、さらに今のゴムの操短にまつわるところの私の持つております通産省に対する疑惑、この三点につきましては次会にもう一度大臣なり政務次官なり責任者から御説明いただくことにいたしまして、本日の質問を終ります。
○黒澤委員長代理 本日は午後三時より再開いたすことといたしまして、暫時休憩いたします。 午後零時四十分休憩 ————◇————— 午後三時三十一分開議
○岡村委員長 休憩前に引続き会議を開きます。 離島航路整備法案を議題とし、塚田予算委員長より本案に対し発言を求められておりますので、これを許します。塚田予算委員長。
○塚田予算委員長 先般ただいま問題になつております離島航路整備法案につきまして、委員長の意見を求められました際に、最初提案者からお示しいただきました案の中には、船舶の建造並びに改造に対する補助、それから安全施設に対する補助というものが規定せられておりましたので、いろいろ検討いたしました結果、どういうものについての補助は、補助金というものの性質上適当でないのではないか、こういうような考え方からして、これを御削除願いたいということを意見として申し上げましたところ、快よく御了承をいただきまして、これを削除していただいたわけであります。しかし私といたしましても、この離島航路というものの維持、改善が、非常に重要なものであることは十分承知いたしておりますので、これらの補助をしないことによつて、その目的に十分到達できないようなことになつては困るというように考えられまして、それは別途の方法で、と申しますのは離島航路に対する航路補助金を、従来の額になお考慮を加えて増額するなり何なりすることによつて、一つの救済をする。いま一つは、そういうものの建造、改造、施設の改善に際しましての問題は、結局金融がうまくつくかどうかという問題であると存じますので、そういう面について関係当局の特別の考慮を希望する、こういうように私といたしましても強く希望いたしておるわけであります。この点に関しましては後ほど大蔵政務次官から何らかの御意見の発表があると思うのでありますが、予算委員長としましても強くその点を希望いたしたい、こういうように考えるわけであります。なおおそらくただいま本委員会に提案になつておると思います法文の中に、いま一点問題点があるのであります。それは融資をいたしました場合の損失の補償をするという点についてであります。この点につきましては、先般私より当委員会の委員長あてに意見の開陳をいたしました際に、この損失補償については考え方としては御賛成いたしかねる。ということは、損失補償をいたしますことは、やはりごく全般の同じような問題について、同じ類系のものに同じ扱いということを考えて行かなければならないのでありますが、どうもそういうように広く考えた場合に、この場合の損失だけを特別に補償するということには少し無理があるのではないかということで、御賛成いたしかねるという意見を申し上げたわけであります。しかし結局この損失補償を提案者の方が強く御要望になるのも、融資措置が十分につかないおそれがある、こういうことに問題点があると考えられますし、その点に関しましては、私どもも現在離島航路に就航しております船舶が老朽しておつて、早急に改善を要する、しかもそういう航路を経営しております営業者、企業者の大部分がそれを独力でなさるのには、経営力が十分でないという点などをよく承知しておりますので、ただいま申し上げました予算委員長からの希望條項の第二点、つまり金融措置に対して特段の御考慮を願いたいという点を、その面からもさらに強く要望いたしたい、こういうように考えるのであります。従つて結論を申し上げるならば、どうかただいま本委員会に提案になつております法案の融資に対する損失の補償の面は、これを御削除願いたい、そのかわりに政府の関係当局において、ぜひこの必要な融資、金融措置に格段の御考慮を願いたい、こういうのが私の考え方であります。以上簡單に意見を申し上げます。
○尾崎(末)委員 ただいま塚田予算委員長から離島航路整備法案に関しまして、先般来しばしば提案者の一員である關谷委員や私が御相談に当りまして、いろいろ御了解を願つて御援助を請うたのでありました。その際御了解くださつた点に対して御説明願いまして、その点がはつきりしたことはまことにありがたいことでございますが、これにつきまして一、二補足的に御質問申し上げておきたいと思うのであります。これは少しこまかいようでありますけれども先ほどちよつとお述べくださいました中に、離島航路整備法の原案から建造並びに改造補助の條項及び安全施設補助の條項を削除する、こういうことを私ども提案者の側として快く承認をいたした、こういうことでありますが、この二つのもの削除するかわりに、あとにお述べくださつた離島航路の維持改善に関して、適当なる航路補助金の増額を考慮すること、離島航路に必要なる船の建造または改造並びに施設の改善等に対して特別な金融措置を考慮してもらうことさらにこれに加えましていわゆる金利の補助をしてもらうこと、こういうことを私ども希望いたしたのであります。その金利に対する点とさき申しました二つの削除する事柄につきましては、本委員会において、前もつて議案から削除するのではなくて、審議の過程においてこれを削除する。損失補助についても審議の過程においてこれをやめることにする、こういうことであつたのでありましたが、そういうふうにあらためて了承してよろしゆうございますか。
○塚田予算委員長 大体ただいま尾崎委員からお尋ねの通りに私も了承いたしておるわけであります。従つて繰返して申し上げますならば、船舶建造並びに改造補助、それから安全施設の補助は削つていただく、そのかわりに航路補助金とそれから特別の金融措置の面で十分に政府の案は考慮するように委員長としても希望する、なお利子補給の考え方については、これは考え方としては賛成である、こういうことであります。それに対してその後の御修正の考え方として、今の融資の損失補償の問題が出て参つたのでありますが、これはやはり考え方としては御同調できないが、しかし金融措置がうまく行くか行かないかという問題と関連するという点が一層重大であるように考えられますので、委員会の審議の途中において両者の問題を関連させて、ひとつあの項を削除するように強く希望を申し上げる、こういうように考えておるわけであります。
○尾崎(末)委員 よくわかりました。そこで今二回にわたつてお述べくださいましたその趣意を政府の方にお申出願いましたでしようか。このことをあらためてひとつお伺いいたしたいと思います。
○塚田予算委員長 まだ申し出でる正式の措置はいたしておりませんけれども、本委員会におきましてはおそらく政務次官が大蔵省を代表しておいでになつておりますので、正式の委員長の意見としてお聞きくださつたことと考えられますので、これをもつて申入れにかえたい、こういうふうに考えます。
○尾崎(末)委員 予算委員長に対する質疑はこれでけつこうであります。 そこで西村大蔵政務次官に二、三お伺いを申し上げてみたいと思うのであります。最初に伺つてみたいと思いますことは、この離島航路整備法案を提出しなければならないという事情につきましては、もうすでに十分御了解を願つておることと思うのでありますが、現在のわが国の離島、いわゆる本土からの離れ島に通うところの航路、または離島同様に船でなければ通うことのできないような場所に通う航路、正しく申しますならば離島航路というのですが、この離島航路が四百八十九ある。さきに申しましたこれに準ずるものが百四十三、合せて六百二十二の航路があるのでありまして、これはわが国の国内旋客定期航路中の約八割を占めておるのであります。しかもこれを利用するところのものは一日数十万の旅客であり、また郵便物とか生活必需物資とか、こういうものがこれによつて運ばれておる、こういうような実情であります。でありますからこれも考え方によりますと、日本の陸上における道路と同じような性格を持つたものが離島航路である、すなわち公共性を持つておるのだ、こういうふうに私ども考えておるのでありますが、政府当局といた、しましてはこの点については私が今申しましたようなことと御同様のお考え方でありましようか、あるいは違つた考えを持つておるのでありましようか。
○西村(直)政府委員 御趣旨につきましては御同感であります。
○尾崎(末)委員 いわゆる陸上の道路と同じような性格を持つたものであり、公共性を持つたものであるということについてお認めになつておる、こういうことであります。そこでこの航路事業に対しましては、従来免許事業となつておりまして、あらゆる規制がこれに加えられておるのであります。あらゆる規制が加えられておりますから、この航路事業につきまして採算中心の運賃であるとかその他の経営を、かつてにやることができないように相なつておるのであります。ところがかりにこれらの規制をある程度緩和してもらうといたしましても、離島に住んでおるところの大衆は、現在以上高いところの運賃等の支拂いをするという負担能力に欠けておるのが現在の実情であります。こういうことのために離島航路の事業は、非常に赤字経営に悩んでいるのであります。従つてこれを欠航いたしたいのでありますが、そういうことになると離島に住居をしている人、あるいは離島を往復する人は、非常に困るという実情なのでありますから、これに対しまして運輸省といたしましては、本年度三千五百万円の補助金を交付するということに予算はなつているようでありますが、この三千五百万円をもつてしては六百三十二の航路中、わずかに三十一の航路だけにしか補助ができないということになつております。これほどのところに対して三千四百万円程度しか補助金を出せないというのは、どういうところにそういう事情があるのですか、その点についての御答弁を伺つてみたいと思うのであります。
○西村(直)政府委員 お答え申し上げます。ただいま御説明いただきますまでもなく、離島航路につきまして採算がとれぬ、それに対して地元島民の負担というわけに行かない、そこに経営上の悩みがある、しかも公共性があるということは御趣旨ごもつともでありまして、一面におきまして三千五百万円ばかりで、六百三十二のうち三十一ばかりの離島航路が助成されて行くということだけでは、とても公共性が保てないではないかということでありますが、一面におきまして三千五百万円という予算の査定でよいということにつきましては、国の財政上からの勘案もあると思うのであります。しかしながら財政上の余裕あるいはその他を勘案いたしまして、その補助につきましては私どもとしまして、この法案を委員の各位が御熱心に立案されました経過等も考えまして、できるだけ機会を得て、これらの点につきまして今までのようなつかみ金的な行き方以外に、もう少し基準を設けて助成するというような方向で進んで参りたいと考えております。
○尾崎(末)委員 ただいま西村政務次官から非常に御理解のある御答弁を伺いまして、まことに喜ばしい次第であります。すなわちただいままでつかみ金式で與えておつた三千五百万円程度の補助金では少いことは承知をいたしております。だから一つの基準を定めて、それによつてこれから與えるようにやつて行きたいということでありますが、この法律案が国会を通過しまして正式の法律になつた場合に、基準を定めて基準通りに補助金を交付するということについて、熱意をもつてその実現に当つていただけるかどうか、この点もう一ぺんくどいようでありますがお聞きしておきます。
○西村(直)政府委員 もちろん国の財政は、歳入面の各般の負担ということを考慮し、また歳出の各般の負担のバランスを考えて参らなければならぬことは御了解願えると思います。その範囲内においてできるだけこういうものにある妥当な基準を設けてやつて行きたいということを実は先ほど申し上げましたので、その気持とかわりませんことを重ねて御答弁申し上げます。
○尾崎(末)委員 航路補助に関するその点ははつきりいたしましたから、その次に移りますが、先に申しましたように離島航路の経営が極端な赤字でありますために、現在これらに使用いたしておりまする旅客船の半数ほどが、耐用年数を経過いたしまして老朽船になつてしまつているのであります。従つて一朝風や波等のはげしいものに出くわしますれば、非常な危險にさらされる状況にあるのであります。こういう状況ではあるが、いわゆる赤字経営のために、これらの船を新しく建造または改造等をなすことができない。言葉をかえて申し上げますと、人命の危險を感ずるような状態にある、こういうことなのでありますから、これらの老朽船の改造なり、新しく建造なりをいたしますために、一ぺんにというわけには参りませんが、先ほど予算委員長から御説明願いましたように、これらの改造なり、新しい建造なりをするのに対して、金融機関から金融を受けることはなかなか困難であるから、金融機関から融資を受けておつたが、万一損失があつた場合は、その損失をある程度補償してもらいたい、政府がこれを補償するということになれば、金融機関からこれらの融資を受けることが、比較的やりやすくなるだろうという建前から相談をいたしたのでありましたが、予算委員長の御説明の通り、このやり方は筋が通らないようであるから、融資については、やはりこの利子の補給をするなり、あるいはこの融資を開発銀行等の金融機関からできるだけあつせんをしてやるということでやつたらどうか、こういう御意見があつて、私どもの間において了解点に達したのでありますが、この開発銀行等の金融機関から融資をあつせんしていただくということについては、さつき私どもと予算委員長との間において話合いをいたしました通り、政府の方におかれましても、十分に責任を持つて御盡力願えるかどうか。この点を伺いたいのであります。
○西村(直)政府委員 お答えを申し上げます。先ほど予算委員長から詳細に御説明をいたしました点は、公式ではございませんが、非公式に内々私どももお話にあずかつておりましたので、十分了承いたしておるのでございます。特にこの利子補給につきましては、私どもも十分予算の措置として考えられる点があると思いますが、建造等に対します損失補償につきましては、政府側として大蔵省としては、金融措置でお願いを申し上げたい。もちろんそれにつきましては、今般国会を通過さしていただきました長期信用銀行もやがては発足いたしますし、その他政府機関としての開発銀行等もございます。これらの金融機関を十分この面に活用していただくような方法は、政府として考えております。
○尾崎(末)委員 非常に私どもの期待に近いところの御答弁をいただきましてありがたいのでありますが、重ねて伺つておきたいと思いますことは、長期信用銀行なり、あるいはまた開発銀行なりから金融のあつせんをしてやろう、そのためには、さつき申し上げましたように、損失補償はひとつ削除いたしてもらいたい、こういうことでありますので、この点はよく了承ができるのでありますが、これらの開発銀行なり、その他の金融機関から融資をやつていただくにあたりましては、これらの金融機関に対しましてどうしても離島航路のこれらの融資に関する一つのわくをつくつていただかなければ、今のような御理解の深い政府当局であつた場合には、この目的はたやすく達し得られるのでありますが、もし御理解の点において欠けた方が出て来られますと、この目的を達成することが困難になるであろうと思われます。こういうようなわくをつくつてもらえるかどうか。こういうことについて御盡力が願えますかどうか。これらについて伺つておきたいと思います。
○西村(直)政府委員 ただいまのいわゆる長期の信用を與えなければ、とてもこの離島航路の建造、改造等に対する融資というものはその目的が全うできない、それについてわくを設定したらどうかという御意見はごもつともでございますが、問題は、これになりますと、私どもは十分銀行とも個々に折衝して行かなければならない段階に入ると思います。これにつきましては、私どもできるだけその方向に御盡力申し上げる、従つて十分その点は御趣旨を体しまして努方いたしたいと思います。
○尾崎(末)委員 非常に御同情ある御答弁を伺つたのであります。融資については、最善を盡して御協力願えるということでありますが、最後にお願いをしておきたい。ぜひともこれらの特殊の金融機関に対してのわくをつくつていただきたいという点を強く要望いたしまして、私の質問を一応終りたいと思います。
○岡村委員長 關谷君。
○關谷委員 尾崎委員からのお尋ねで大体の要領はわかつておるのですが、一層明確にしていただく意味において、補足してお尋ねを申し上げておきます。 先ほどの委員長なり政務次官のお話がありました際に、航路補助に対しては基準を設けて、その基準によつて出したいというようなお話がありました。そうしますと、基準というものは大体この法律によつて決定して行くのでありまして、赤字につきましては、地方の団体あたりが持つ場合には、それの半分を持つとか、あるいはその重要度によりまして経営ができるようにする、町村負担額というような場合には三分の一になるところもあるかと思いますが、その基準ができた場合には、その基準の総額を航路補助として予算に組んでいただく、こういうことができるものと解釈してよろしいか、その点についてお尋ねいたします。
○河野(一)政府委員 先ほど西村政務次官が言われましたように、従来航路補助につきましては、つかみ金的に金が行つておりましたが、これは非常に不合理な次第であります。地方鉄道につきましては、一定の基準をつくりまして、ある程度融資を保証してやつておつたようであります。そういうような基準をこれから運輸当局といろいろ御相談を申し上げましてからつくり、できるだけその線に沿つて航路補助について計上することに努めて行きたいと思います。
○關谷委員 航路補助の点につきましては、よくそれで了承をいたしたのであります。 次に金融の面についてお尋ねをいたしたいのであります。最初私たちは、この点、建造補助、改造補助施設に対するところの補助も法案に含めておつたのでありますが、予算委員長並びに大蔵当局は、個人企業に対しての政府補助については、いろいろ難点があるということでありました。この点も私たちは、これが最も有効な措置であると考えまして、どうしてもこれを実現したいと考えておつたのでありますが、やむを得ないというようなことで、やむを得ずしてこれも後退をいたして削除いたしたような次第であります。運輸当局から財政的な金融措置につきましていろいろ大蔵当局に交渉をいたしました際には、今までは非常にむずかしかつた。ところが先ほどの西村政務次官の御答弁によりますと、極力そういうふうにしてやろうというようなお話でありますので、私はこの点はできるものなりと考えますし、予算委員長からも強く要望していただいたので、できるものと考えておりますが、従来の折衝の経過から見ますと非常にむずかしかつた。ずいぶんむずかしかつたのであるが、これで私たちはできるようになるような気持がするのであります。運輸当局がそういうふうなことでこれだけほしいということになつてみますと、それに対しては考え方がかわつて、ある程度できるようなお考えにかわつて来たのかどうか。従来通りのようなことでありましたならば、市中銀行から引出さなければ財政的な措置はできなかつた。そういうことになると、どうしても損失の補償がいるのでありまして、損失の補償は削除したが、結局財政資金については、運輸当局の希望通りにできなかつたというようなことになつて参りますと、この法案を骨抜きにしたようなことになります。従つてこれはこの法案を審議いたします上に最も重要な点でありますので、現在どうしてもなければならぬというこの資金に対しましては、早急にこれが実現することができる、こういうふうなお見込みであるのかどうか。その点はつきり伺つておきたいと思います。
○西村(直)政府委員 もちろん従来この折衝にあたりまして、非常な御苦労が関係当局にあつたと思うのでございますけれども、今回こういつた立法措置を国会の方から強く積極的におやりいただくという意味から申しまして、大蔵当局といたしましてももちろんそれについて、十分御趣旨に沿うように努力するつもりでございます。国会側がこれだけ御熱意を持つておるものに対しましては、われわれとしても十分努力する。そこで従来とかわるかとおつしやる点でありますが、その点は国会の方でもこれだけの御熱意をいただいておるのでありますから、当然政府としてもさらに熱意を積極的に持つて行く、こういうふうに私どもは考えておる次第であります。
○關谷委員 それだけ御熱意がありまするので、いまさらこういうふうなことをお尋ねする必要もないかと思いますが、離島定期航路事業というものが非常に疲弊いたしておりまして、現在危険状態にあるので非常な資金がいる、こういうことだけは大蔵当局も認めておられると思うのでありますが、この点よく認めておられるのかどうか。さらに道路と同じような考え方をして、これには相当な経費がいるものであるということを覚悟しておられるかどうか。その点くどいようでありますが、もう一ぺん重ねてお尋ねいたします。
○西村(直)政府委員 私自体はもちろんでありますが、離島航路の経営が非常に苦しい、しかも非常に生命の危険に瀕するような船を使つておるということは、再三伺つております。ことに金融措置につきましては、開発銀行を一つ対象にしても、復金その他の回收金である程度資金量はふえる段階に来ておりますので、政府と国会が一体になれば、相当程度金融措置については御趣旨に沿うように努力ができると私どもは確信しております。
○關谷委員 よく了承をいたしました。そこで予算委員長にお願いをいたしておきますが、ただいま大蔵当局から非常に理解のある御答弁をいただいておりますので、私たちはそれを信頼してこの法案の審議に当りたいと考えております。そこでただいまの御答弁を裏づけるように予算委員長として御努力が願えるかどうか。この点をはつきりと伺つておきたいと思います。
○塚田予算委員長 私が予算委員長としてこういう問題に意見を申し上げるということは、つい先般の常任委員長会議の申合せによつて初めてこうなつたのであります。形は予算委員長に意見を聞くということでありますが、こういう問題は重大な問題でありますので、私が自分の意見を申し上げます場合には、必ず予算委員会の内部の扱いとして、理事会に諮つて意見をもとめて申し上げておるわけであります。従つて本日本委員会で申し上げる意見は、各党の理事諸君も大体了承し、もちろん中には個々の問題について反対の点がおありになる方もあつたようでありますが、大体において各党にお諮りした上の総合的な結論でありますから、御希望のように政府当局が努力されます場合に、それと調子を合せて予算委員会においても十分御協力を申し上げ、御希望に沿うようにできる、こういうふうに考えております。
○關谷委員 ただいまの御答弁で満足しなければならないのでありますが、もし万一予算面に現われた数字が非常に少いというようなときには、修生増額してでもわれわれの希望をかなえてもらえるかどうか。そこまで御熱意があるかどうかを重ねて伺つておきたい。
○塚田予算委員長 私どもも今度の皆さん方の熱心な御説明によつて、この法案についてはよく了承いたしましたから、政府が予算化いたします場合に、どんな数字が出て参りますかわかりませんが、その認識の上に立つて予算委員会においても判断をいたします。減額になるか増額になるか、そこの点までは申し上げられませんが、ただいまのような認識に立つて予算委員会において審議に当る、かように申し上げておきます。
○坪内委員 関連して……。この際予算措置のことについて大蔵当局にお尋ねいたしたいと思います。離島航路の整備法案につきましては、私も提案者の一人でありますが、参考までにお尋ねいたしたいと思います。離島航路に対する助成育の方法いろいろあろうかと思いますが、結局財源が問題だ。二十七年度についても三千五百万円程度ではどうにもならぬじやないかというお話が、ございまして、そういう点についても。極力考慮を拂うというお話でございましたが、そういうお気持になつたのは、国の財源面にゆとりができたからそういう気持になつたのか、またはこういつた関係の法律が出たために、離島航路関係についての認識が深まつてさようになつたのか、そのいずれなりやをこの際聞いておきたいと思います。
○西村(直)政府委員 もちろん現実といたしましては、財原等を十分考えなければなりませんが、私どもといたしましては、この法案を通して認識を格段に深める非常にいい機会だと思います。
○岡村委員長 石野君。
○石野委員 塚田委員長に一言だけお尋ねいたしたいと思います。それはもうすでに委員長から御意見の開陳がありまして、今度の建造融資等に対する損失補償の問題は削除してほしいという意見もよくわかつたのでありますが、この質問は愚であるかもしれませんが、第十二條の第四項に「第一項の規定により政府が損失の補償をする旨の契約を結ぶことのできる融資の総領は、毎年度十五億円を限度とする。」という限度規定があるのでありますが、こういう規定の仕方は、予算審議上、将来どういうふうに見られるべきものであるかということを、予算委員長としての立場から一応御所見を承つておきたいと思います。
○塚田予算委員長 この法案自体の形式としては、私どもは一向さしつかえないものである、こういうように了解いたしておるのでありますが、ただ実体としてそういうものに対しての損失補償は適当でない、こういう判断であります。
○石野委員 この場合形式上の問題としては、金額の規定は別に問題はないかと思いますけれども、十五億円という限度規定は、最近のようにいろいろと経済界の浮沈の度がはげしいときにおける規定としては、非常に制約が強過ぎるのじやなかろうか。それはふえるにしても減るにしても、無理じやなかろうかというような気がしますけれども、予算委員長の立場からはどういうようにお考えですか。
○塚田予算委員長 こういう場合に金額できめるということは、非常に変動のはげしい経済界の実情に合わないのじやないかという点につきましては、まつたく石野委員と同感であります。むしろこういう限度というものは、事柄の性質上はおかしいのであつて、損失補償をする以上は、結局出ただけは補償するというのが考え方の筋だろうと思うのでありますが、これは起案者の方におきまして、おそらくいろいろな予算面の措置などを考慮されて、遠慮された表現じやなかつたか、こう考えております。
○石野委員 西村次官にお尋ねいたしますが、先ほどから融資措置の問題についての各委員のいろいろな要望に対して、非常に理解のある答弁があつたことはよくわかるのでありますが、先ほど長期信用銀行であるとか、あるいは開発銀行等でわくをつくるということは非常に無理だ、無理というよりも現状からいたしましてちよつと規定しにくいという事情はよくわかりました。なお融資をする順位の問題とか何とかは、多分に今後とも問題になるだろうと思うのであります。当委員会でも先般論議いたしました造船法の一部改正の中に、鋼鉄船の五百トン以上の取扱いの問題が出ておるわけであります。これはおそらく今後とも船舶建造の問題で、必ずこれが融資の上に相当大きな影響を持つて来るだろうということも私たちは予想しておるわけであります。その際離島航路等に対する船舶は、おそらく五百トン以下のものも相当多いだろうと思います。ことに海上運送法の第二條第四項の規定によります旅客定期航路事業をやる船舶は、十三名以上のものであればけつこうだということでございますと、その船舶は非常に小さなトン数のものであるかと思います。こうなつて参りますと、多分造船法の一部改正によつて、五百トン以上のものがある程度優先的な措置をとられるやもしれないという危惧をわれわれが持つておる際に、離島航路整備法というものに、いかほど金融措置を先行せしむるというようなことをここで答弁いただいても、なかなか困難ではなかろうか。むしろやはりはつきりと融資規定の中に、順位規定というようなものでも離島航路に対しては設ける、その船舶建造に対して設けるというような措置でもとられなければ、その措置の確保ができないのではなかろうかと私は思いますが、その点について当局の御意見をひとつ承りたいと思います。
○西村(直)政府委員 離島航路の船舶の建造、改造等につきましては、特にこれはどちらかというと五百トン以下の小さい船舶も相当あろうと思います。御希望の点は十分私どももわかることであります。順位あるいはわくの設定ということでありますが、私はこれにつきましては、今わくが決定できないとか、順位の決定が不可能であるということはないと思います。できるだけこの趣旨を体して、もちろんこれは長期信用銀行でありますれば政府の機関ではございませんし、それから開発銀行でありましたら政府出資の一つの政府を離れた融資機関でありますが、大蔵省の監督下にはありますし、特に政府出資の面につきましては、相当関係が深いわけであります。従つてこの御趣旨を十分体して、実質的にこの離島航路の船舶の建造あるいは改造について金融ができるように御盡力申し上げたい、かように御了承願いたいと思います。
○石野委員 次に提案者に二、三質問いたします。まずこの法案の趣旨につきましては大体了承される点があるのでございまするが、この離島航路整備について一番大きな問題は、何と言つても航路補助の問題だろうと思います。ところがこの航路補助については、この法文全体を見ますると、いろいろな問題が将来起るのではなかろうかということを考えさせられるものがあるわけであります。まずその第一点は第四條に、航路補助金の交付を受けようとする者は、運輸大臣にその旨申請しなければならないということの規定が書かれてあります。しかしながらどの條目を見ましても、申請した者に対して認可しなければならないとか、許可しなければならないということはどこにも書かれていないのでございます。従つてこれは申請さえすればだれでも第五條の運輸大臣が認める輸送需要度に適合するものであつたならば、だれでもやつてもいいという趣旨であるかどうかということを承りたいと思います。
○關谷委員 これは補助金の交付の申請ができるのでありまして、事業免許の申請ではないのであります。
○石野委員 それは大体わかつておるのでございますが、事業免許の申請ではないけれども、補助金の申請ができるということは、結局どういうものでもそういう事業をやつておれば、許可をやるのと同じことに相なりはしないかと考えるのですが、どうですか。
○關谷委員 定期航路事業を営みますものは、海上運送法によつて免許がいるのでありまして、免許のないものは営むことができないのであります。この免許事業の中で、赤字のある、そうして命令通りやるために欠損ができるものに対して、補助金の申請ができるというのでありまして、この補助金の申請をかつてにやつたら、それが逆に海上運送法の許可を得たものとなるということは絶対ないのであります。
○石野委員 その点了解いたしました。そうしますと第五條の「運輸大臣が認める輸送需要度に適合するものでなければ、これを交付してはならない。」と書いてあることは、適合するものであれば運輸大臣はすぐ決裁するということになるのであつて、あとは別に運輸審議会とか何とかいうものに全然かけないで、ただ当局がそのまま一方的に規定するということなのでございますか。
○關谷委員 定期航路事業の免許をいたします際には、運輸審議会にかかつておるのであります。それには航路計画というものがすべて出ておりますので、その出ております計画をやつたために赤字が出るものに対してやるのでありまして、それ以上のものをかつてにやつたからといつて、それに対して出た欠損に対しては責任を負わない、こういう意味なのであります。
○石野委員 これは先ほど提案者から予算委員長等に質問をなされておつた点なのでありますが、第十二條の「当該融資をすることによつて受けた損失を補償し、」ということについては、予算委員長の方から削除希望がありました。提案者としてはそれについてどういう考え方をしておられますか。
○關谷委員 大体この條項を設けることについて私たちが考えておりましたのでは、今まで運輸当局が大蔵当局へ交渉いたしましても、財政資金による融資がほとんど不可能である、行き詰つておる状態であることになつておりましたために、もしそういうことがこれから後も続くといたしますと、一般市中金融によらなければならない。一般の市中金融によるということになりますと、航路事業者は今非常に疲弊をいたしておりますので、担保等が不足する、そのために市中金融機関からの金融ができない、こういうことになりますために、うち三分の一は政府が補償するのだということになりますと、非常にやりやすい、こういうことでこの條項を設けたのでありますが、先ほど予算委員長あるいは大蔵当局が申しますように、必ずこの金融の措置ができるという見通しがつきますならば、私は必ずしもこれを固執するものではない、こう考えております。
○石野委員 問題は先ほど提案者が述べておつたように、融資措置ができるかどうかということに、この十二條の主たる点がかかつておると思います。削除すべきであると言われる点は、私先ほど西村政務次官にも尋ねましたように、将来造船業の中で特に離島航路に就航する船舶建造に対して、優先的に金融措置をせしめようという対策を何らかとらないと、先般の造船法の一部改正というあの五百トン以上の問題、これは必ず将来融資の問題に関係づけられて来るだろうと私は予想しておるのです。あれは外資の導入をなるべく防ぐようにという趣旨もあつたし、また将来造船業界における混乱を防ぐためだという意味もあつたのでございますが、その五百トン以上の特別取扱いという規定を予想されるときに、離島航路に就航するであろう船舶建造、改造についての金融措置を確保する方向といいますか、心構えというものをこの際しつかり考えていなければ、金融措置の確保ができないのじやないかと私は思いますが、それについて何か特別な考え方を持つておりますか。
○關谷委員 ちよつと御質問の要旨がわかりかねるのでありまするが、大体この間の造船法の関係とは、あまり関連がないと考えておるのであります。五百トン以下のものに融資をいたしますのは航路事業者、すなわち船主に対しての融資というようなことになりますので、造船法とはおのずから別個になつて来ると考えられます。
○石野委員 造船法の一部改正は、確かに今日融資の問題には関係していないのであります。けれどもあれの取扱いは、必ず将来造船業界における大きな問題になつて来るだろうと私は思う。ただいまの離島航路整備法の問題は、その航路事業をやること自体については、航路補助で解決がつくと思います。けれども第十二條に規定する問題は、建造の融資が問題であつたはずです。そうすると船舶建造の問題については、明らかに造船法のトン数と関係しているわけでございまして、離島航路だけが別個に処置されるのじやなかろうと思うのであります。離島航路関係の船舶だけが特別な措置がされるならば、先ほどからのいろいろな金融的な措置に対する御心配を提案者がなされることはなかつたと思う。ですから私は、これは提案者の側に理解しにくいかと思いますが、私から質問する要点は、五百トン以上の船舶に対しての金融措置は非常にたやすくなつて来るだろうという見通しを立てるし、小さなトン数のものについての金融措置は非常に困難であろうという見通しを立てるのです。だからそれを確保する方法を考えておく必要はないか、こういうことなんです。
○關谷委員 ちよつと私どうもその意味がわからぬのですが、五百トン以上の船舶の金融がたやすくなるということも、これもまた私たちの考えておるのと違うのでありまして五百トン以上と申しますると、五百トンというのもおかしいのでありますが、これは外航船舶なんかの大きな船のことを言つておられるのだろうと思いますが、こういうふうな六、七千トン級以上の大きなものに対しましても、これから先において融資というふうなものは、おいおい見返り資金が先細りになるので、この点非常にむずかしくなります。これは私たちの悩みの種の一つなんでありまして、決して楽にはならないのであります。しかしそうかというて五百トン以下の小さな船舶の融資が困難になるというふうにも考えておりません。現在におきましても非常に航路事業者が疲弊しておつてむずかしい。むずかしいがゆえにただいま繰返し繰返しくどいほど大蔵当局にこういう金融措置を講ぜよと言つておるのであります。もとよりむずかしいのでありましてむずかしいがゆえに金融措置を講ずるために今苦労しておる、こういうような状態なのであります
○岡田(修)政府委員 石野委員からの今の御質問に対しましては、提案者の關谷先生から御答弁になつた通りでございまして、せんだつての造船法の改正は、設備の新設、譲り受け、借受けの場合に許可を要する、こういう規定でございまして、船の建造に対する融資とはちよつと結びついていないと思つております。現在船の融資につきまして政府が力を入れておりますのは、ただいま御説明のありましたように、五千トン以上の外航船でございます。それ以外に特に政府としてめんどうを見ましたのは、五千トン未満の船でも外航に出得るように改造する場合に使う金を開銀から出させる。それからもう一つは小型の船でございまするが、例の下型、総トン数五百トンぐらいの貨物船でございます。これは終戰直後油が非常に不足いたしたときに、五百総トン程度の貨物船では油たきが最も適当であるのに対しまして、政府は石炭たきの船をつくれということを慫慂いたしました。従つてそういう船が非常に不経済になつて今採算がとれませんので、政府はそのときの責任を感じまして石炭たきの船を油たきに改装するに必要な金は、開銀からその一部を貸し出すということについてあつせんをいたしておる次第であります。それ以外の内航船、小型船については、現在のところまだ金融を積極的にあつせんするまでには至つておりません。今回離島航路整備法を成立させていただきますと、これによつて離島航路に就航するような小型の客船が、初めて政府の積極的な融資の対象に上つて来るわけであります。今まで私どもこの離島航路用の船に対して開銀から金を出すやということについて、予算委員長並びに大蔵省と強く折衝したのでありますが、大蔵、安本、開銀当局からその対象にすることはできないという状況のまま、現在に至つておるのであります。これが今日この法案の提案を見たような次第かと考えております。それでまた元にもどりまして造船との関係でございますが、当運輸委員会でたびたび御質問を受けましたのは、中小造船所をどうするかということでありますが、今まで外航船ばかりに金融をつけてその造船の注文を受けるのは大きい造船所ばかりである、小さい造船所は仕事がないではないか、こういう御質問でございます。事実その通りでありまして小さい造船所は仕事がなく、非運に嘆いているような次第でありますが、こういう法律案を通過させていただきますれば、これによつて離島航路船の建造が出て参りまして五百トン未満の多くのものは百トン程度の小型の客船でございますから、小さい造船所に自然仕事が潤つて行くのではないか、かように考えております。
○石野委員 ただいまの御説明よくわかります。私も今すぐに金融の問題がこの前の造船法の改正でどうこうというのではないのであります。しかしながら一般に大型トン数を持つ船舶に対する特別措置というものが、何らかの形で法律的な保護を受けることになつて参りますと、必ず小型の方の造船所なりあるいは船舶建造という問題に、逆な形のものが出て来るだろうということを心配しているわけであります。そういうような意味で、この際何らかの特別の処置を講じておいたらいいのではないかということを申し上げたのであつて従つてただいま政府委員の説明されましたように、こういう離島航路の船が出て行けば、小型の造船所は非常に潤うということは私も了解できます。だからそれをさせるために、金融措置を確保するための特別措置がこの際必要になるのじやなかろうかということを私は質問したのでありまして大体了解いたしました。
○岡村委員長 本日はこれにて散会いたします。 午後四時三十分散会