運輸委員会 第38号
- 発言数
- 57 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1952/05/30
会議録
○岡村委員長 これより会議を開きます。 本日付託になりました離島航路整備法案、關谷勝利君外四十八名提出、衆法第五八号を日程に追加、議題とするに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○岡村委員長 御異議がなければ、さよう決定いたします。 離島航路整備法案を議題とし、まず提出者の提案理由の説明を求めます。關谷君。
○關谷委員 ただいま議題となりました。離島航路整備法案の提案理由を御説明申し上げます。 この法律案は、離島航路における旅各定期航路事業が、地方民の日常生活及び地方産業の発達並びに文化の伸展に密接な関係があるにもかかわらず、後に述べますような種々の事情のためきわめて窮迫した状態にありますので、それについて国の特別の助成措置を定めることにより、離島航路の維持及び改善をはかることを目的として提案いたした次第であります。 現在我国において、船舶以外にまつたく交通機関のない地点間を連絡するいわゆる離島航路は四百八十九航路ありまして、その他に、他に交通機関があつてもそれを利用することは著しく不便であるため、船舶によらざるを得ない地点間を連絡する準離島航路とも称すべき航路を加えますと、その数は六百三十二に達し、国内の全旅客定期航路中の約八割を占めております。これらの航路は日々数十万人の旅客と多量の郵便物、その他離島民の生活必需物資を運んでいるのでありまして、離島民にとりましてはこれなくしてはその生活を維持することのできない不可欠の交通機関なのであります。 このように離島航路はあたかも陸上の道路にも比すべきものでありまして、公共性のきわめて高いものでありますが、今その現状を見まするに、離島航路事業はその有する公共性のために、海上運送法による免許事業として種々の規制を受けておりまして、事業者の採算のみを基礎とした自由な経営は許されない上に、その運賃は同法の認可を要するのでありまして、常時規制された状態にあり、しかも現行の料率は利用者の負担力から見てその限度に達しておりますため、現在以上の運賃の値上げはきわめて困難でありまして、そのために赤字経営を余儀なくされている航路も少くなく、それらの航路の経営者は航路の改善はおろか、その維持すらも不可能な事態に追い込まれているのであります。もつともこれに対しましては、本年度三千五百万円の航路補助金が交付されることになつているのでありますが、これとてもわずかに三十一航路に対してその赤字のきわめて一部分を補填するに過ぎないのでありまして、離島航路を維持するに足るものとはとうてい申すことができないのであります。 このように経営上の困難が著しい上に、一方におきまして現在これらの航路において使用されております旅客船はと申しますと、その半数近くがすでに耐用年数を経過した老朽船であるばかりでなく、耐用年数を経過しないものの中にも、機関の非能率なもの、あるいは船舶の安全性を確保するため大規模な改造を要するもの等が少くないのでありまして、これらの船舶は人命の安全を保持するため、早急に代替または改造を必要とする状態であります。このような事情のもとに、離島航路事業の民生の安定及び向上に対する影響の重大性を考えますならば、国としてこのような事態を放置することは決して許されないのでありまして、離島航路の維持及び改善をはかるために、離島航路事業に関し、特別の助成措置をぜひとも定める必要があると存ずるのであります。 この法律案は、以上のような観点に立ちまして、従来海上運送法に基く補助金の制度を離島航路事業の経営を助成するための補助金の制度に整備し、これを明確化するとともに、金融機関が離島航路事業に対し、その事業の用に供する船舶の建造または改造に要する資金を融通するときは、政府はその金融機関と、その融資につき三割を限度として損失を補償し、または年四分の利子を補給する旨の契約を結ぶことができるようにいたしたものであります。このような特別の措置によりまして、離島航路の維持及び改善をはかり、もつて民生の安定及び向上に資したい所存であります。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御賛成あらんことをお願い申し上げます。
○岡村委員長 本案に対する質疑は次会に行います。 —————————————
○岡村委員長 次に旅行あつ旋業法案を議題とし、まず提出者より提案理由の御説明を求めます。石村君。
○石村参議院議員 ただいまから旅行あつ旋業法案の提案理由について御説明申し上げます。 終戰以来すでに六年半をけみし、今や国民経済も着実に復興しつつあり、これに伴い外客来訪数が増加するのはもちろん、邦人の国内旅行も日に多きを加えております。このため旅行あつせん業者の数も急激に増加し、その中には悪質業者も少くなく、各地に旅行費用の詐取、客の携帯する主食、宿泊交通費等の一部の着服等々の被害を生じ、また外客に対するあつせんの強要あつせん料の不当なる要求等の好ましからぬ事件を惹起している状態であります。これをこのまま放任しておきますときは、国内旅行の健全化を少からず阻害するのみでなく、他方外人向の悪質旅行あつせん業者の出現は、わが国際観光事業の将来に暗影を投じ、また国際親善、友好関係にも悪影響を与えるものと憂えざるを得ないのであります。現に最近の調査によりますると、一般の旅行大衆はもとより、学校、交通機関、宿泊業者、それに旅行あつせん業者さえも、何らかの取締法規の制定を要望している現状であります。これ今回本法案の国会通過をはかり、悪質業者の取締りと、業者の指導監督による旅行あつせん業の健全なる育成を期せんとする理由であります。 次に、本法案の内容について申し上げまするに、第一は、旅行あつせん業者の登録であります。すなわち旅行あつせん業を営むためには運輸大臣に申請し、登録を受けしめることとしたのであります。但し鉄道、軌道等の運輸事業、バス事業、定期航路事業等、いわゆる運輸交通業を営んでいる者が日本人のみを対象として旅行あつせん業を営む場合には、如上の登録を免除することとなつているのであります。これは、これらの業者が運輸事業等の免許または特許を受ける場合には、あらかじめその資力、信用がとくと調査され、十分な資格を備えた者にのみこれが与えられることとなつていることと、これらの業者が附帯的に旅行あつせん業を営むことは、運輸交通業の性質上当然と思料されるからであります。なお登録にあたつては何ら特別の條件をつけておりませんが、ただ外国人または外国人と日本人の双方を対象として旅行あつせん業を営もうとする者に対しては、その者またはその使用人その他の従業者が旅行あつせんに関して相当の経験または能力を持つていることを條件としているのでありまして、この程度の條件を課することはやむを得ないものと存ずるのであります。 第二は、営業保証金の供託であります。すなわち本法の登録を受けた者に対し、営業開始の條件としてあらかじめ営業保証金を供託せしめることといたしております。これは夙にフランスの旅行あつせん業法において採用しているところでありまたわが国の証券業者や信託会社も同様の供託義務が課せられております。旅行あつせん業者にかかる営業保証金の供託をなさしめんとする理由は、これにより当該業者の資力、信用状態を見るとともに、あつせんを受ける者に対し不測の損害を与えた場合の補償に充てるためでありまして、外国への旅行あつせんを行う業者は、邦人の旅行あつせんを行う業者よりも多額の保証金を供託せしめることとなつております。 第三は、旅行あつせん料の届出であります。これは旅行あつせん上の弊害が、多くは業者が收受する料金に基因していることにかんがみ、かかる弊害の発生を未然に防止するため、業者が收受するあつせん料をあらかじめ届け出でしめ、この届け出た限度を越えて料金を收受することを禁ずるとともに、届け出た料金または料率が著しく高きに過ぎるときは、その変更を命じ得ることとしたのであります。もつとも右の場合届出を要するのは個々のあつせん料ではなくて、その收受する最高料金または最高料率であります。また特殊な旅行あつせんをする場合は、あらかじめ届出さえすれば、如上の限度を越えた料金を收受することももちろんできるわけであります。 第四は、登録の取消しでありまして、旅行あつせん業者が登録條件に適合しなくなつたときはもちろん、業務上不正な行為をしたとき、所定の期間内に営業保証金を供託し、その届出をしないで営業を開始したとき等は、登録の取消し、営業の停止等の処分をすることができます。但しかかる処分をしようとするときは、あらかじめ期日及び場所を通知して公開による聽聞を行い、処分の適正を期することになつております。 第五は、権限の一部の委任であります。本法の主務大臣は運輸大臣でありますが、その権限の一部は行政庁に委任し得ることとなつております。しかして日本人を対象とする旅行あつせん業者の登録並びにその取消し及び営業の停止等を初めとするその監督、取締りについては、おおむねこれを都道府県知事に委任する所存であります。また運輸事業者等で本法の登録を要しない者の旅行あつせん業に関する監督、取締りについては、海陸運局長に委任したいと存じます。 第六に、訴願でありますが、処分の公正を期するため、行政庁のした処分に不服のある者は訴願の道が開かれております。 最後に、本法の適用の除外でありますが、この法律は国の行う事業には適用しないことになつております。ここに国とは、日本国有鉄道をさしておるわけでありますが、かかる規定を設けたのは、国有鉄道は営利を目的とする旅行あつせん業を営むものとは認められず、本法の適用を除外しても何らさしつかえないと思料されたからであります。 以上本法案の提案理由並びに法案の内容につきまして御説明申し上げましたが、何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことを御願い申し上げます。
○岡村委員長 本案に対する質疑は次会に行います。 —————————————
○岡村委員長 次に地方自治法第百五十六條第四項の規定に基き、燈台管理部の設置に関し承認を求めるの件を議題とし、質疑に入ります。
○關谷委員 本件はきわめて事務的なものでありまして、これによつて新たに地方行政機関を設置するというのでもありませんし、また予算、人員等におきましても、海上保安庁から移管去れる範囲内にとどまつて、何ら増加するものではないのでありますので、討論を省略して承認せられんことを望みます。動議を提出いたします。
○岡村委員長 關谷君の動議に御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○岡村委員長 御異議なければさよう決定いたします。 これより本件について採決いたします。本件を原案通り承認すべきものと議決するに賛成の諸君の御起立を願います。 〔賛成者起立〕
○岡村委員長 起立多数。よつて本件は承認を与えるべきものと議決いたしました。 なお本件に対する報告書については、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○岡村委員長 御異議なければさよう決定いたします。 —————————————
○岡村委員長 次に造船法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を続けます。江崎君。
○江崎(一)委員 前会の委員会で坪内委員から説明がありました事項について、御質問申し上げたいと思います。わが国の造船業界の外国資本の導入につきましては、三〇%くらいのところをもつて限度としたい、こういうようなお話があつたのですが、どういう根拠によつているのですか、数字的な根拠をひとつ御説明願いたい。
○坪内委員 大体提案理由にも御説明してあります通り、わが国の造船業界に外国の資本の投資によつて致命的な打撃を与えるようなことになつたら非常に大きな寒心事でありますので、もし三〇%以上である会社なり造船所に外国資本が投資されて、その会社を経営して行くということになりますと、これは非常に重大問題であるので三〇%程度のものだつたらさしつかえないのではないかという観点から、さように申したわけであります。なおわれわれ当委員会で審議中の航空法においてもその程度で押えておるし、また外資委員会の関係においてもそういつた建前をとつておるという観点から、さように御説明申し上げた次第であります。
○江崎(一)委員 自由党がずつと占領下のときから今日に至るまで、外資導入ということについてはそういう制限なしに、むしろわれわれは野放しでそういうことをしてよいのかといつた感じを受けるような政策をとつておられたが、それをここで三〇%を限度として外資を押えるという御意見は、大分自由党内で方針がかわつたのか、この点われわれは奇異に感ずるので、お伺いしたいと思います。
○坪内委員 その点の御質問はまつたく江崎君の誤解でおりまして、わが党においては完全に意見の一致を見ております。また外資導入問題関係については、先般の委員会において提案者の一人である關谷委員より外資の導入の場合と融資の場合のことについて、多分山崎君に対してだつたと思いますが、御説明があつたのでありまして、私も同感であります。従つて江崎君が申されるように、外資の導入によつて日本の経済の確立をはかろうというのが自由党のねらいであつて、しかもその外資の導入がわが国の経済界を混乱に陥れるような、あるいは致命的な打撃を与えるような外資の導入であれば、大いに検討を加えなければならないことは申すまでもないことでありまして、江崎君が申されるようにわが党の党内においてさような意見が食い達つておるということではなしに、あくまでも所期の通り一貫した政策と方針で進んでおります。
○江崎(一)委員 今坪内委員の御説明によると、ちようど四年前に共産党が外資の導入問題について政策をはつきりさしておつた。この方針にまつたく一致した方針を出しておられるような気がするのですが、何かそういう点はしばらくの間の時間的な変化によつて、自由党としてはそういうふうに政策をかえられたのではないかと思うのですが、自由党としてはそういう政策の変化がないとおつしやるのですか。どうも納得しかねるように思いますが、どうですか。
○坪内委員 これは私が申すまでもなく、江崎君自身が十分御承知かと思いますが、共産党なり、あるいは共産党諸君の外資導入に対する考え方というものは、ソ連一辺倒で考えておりますので、私たちで全然その感覚が違うのであります。従つて当時の共産党の考え方と、現在の自由党の考え方が相一致した線になつて来ているのではないかということは、まつたく奇想天外のことで、さようなことは毛頭ないのであります。
○江崎(一)委員 外資の導入の問題について、坪内君とここで議論しようとは思いません。しかしながら共産党は外国資本の導入は、條件のつく金なら使つてはいけないということを言つたのです。今融資ということだつたらよろしい、投下資本ということについてはちよつと問題だという方針のように承つたものですから、今までの自由党の方針と大分かわつた、こういうふうに考えますので、今御質問をしたわけです。また共産党は決してソ連一辺倒ではありません。その点明確にしておきます。
○滿尾委員 今回の造船法の一部を改正する法律案を御提出になりました根底において、わが国の造船能力の需給のバランスということが、相当大きなフアクターになつておるように思うのであります。そこで私はこの需給のバランスについて政府委員に若干のお尋ねをしてみたいと思うのであります。実はいただきました資料をかけ足でざつと目を通しただけで、少し読み方が足りないかもしれませんが、「造船の現勢及び見透について」という冊子があります。この中でわが国の旧軍事施設、海軍工廠や何かのことはほとんどオミツトされておりまして、ここに十九造船所だけが上つておりますが、実際に総合的に考えてみた際には、旧工廠関係の能力はどういうふうなものがあつたか、現在それがどうなつておるか、また近き将来にどう処置されそうなお見通しであるか、伺つておきたい。
○甘利政府委員 旧海軍の工廠の設備能力でありますが、これは戰後われわれが当時の資料によつて勘定したのでございますが、大体横須賀、呉、舞鶴、佐世保、大湊などみな入れまして、年間約十万トンと推定いたしております。これは御承知のように商船と違いまして、軍艦の建造は相当長年月、ことに戰艦には五年ないし七年という非常に長い年月をかけてつくる関係上、設備能力としては比較的少いのでありますけれども、造建能力というものが非常に多いのでありまして、商船の方においてはそれが少いということが言えるのであります。このうち現在大湊などはすでに函館ドツクが終戰後一時他に転用いたしましたが、現在は休止いたしております。それから舞鶴は飯野産業、佐世保は佐世保船舶工業、呉は播磨造船所——一部はNBCに貸しておりますが、この三者がやつております。しかし終戰後この工廠の転用については、内国船と外国船とを問わず、一般船の修理、それから軍艦の解撤等を主体としたものでありまして、商船の新造及び改造は禁止されております。その後解体事業がだんだん終りに近づきまして、造船所も仕事の量が非常に減つたために困つた立場になりましたので、その後陸上工事、たとえば電源開発等の陸上工事、あるいは橋梁等の製造をやらしてもらいたいという申請書が出ましたが、これは今のところまだ返事が来ておりませんが、しかし現地の駐留軍との間の話合いである程度やつておるようであります。そしておりますうちに一九五〇年の六月十三日のスキヤツピンだつたと思いますが、工廠に対して相当きゆうくつな指令が出たのでありまして、たとえば修繕にしても三十日以内の修理、あるいはドツクにしても十五日以内のドツクというような、非常にシリアスな制限が出て参りました。それで現在は、先ほど申しましたように正式に許可されまして、一般修理と解撤、それから陸上工事の一部をやつておりますが、講和條約発効後スキヤツピンの新造船並びに改造船を禁止するのが解けましたので、現在の状況においてはそれらもやり得る情勢にあります。しかし長い間これらの設備を放置して使わなかつたために、今すぐに新造あるいは改造をやるということは幾分困難かと思います。また大蔵省との契約関係においてこれを一時使用いたしておりますが、その一時使用の契約も今のところスキヤツプから禁止された項目については使わないという前提で、使用料も非常に安くなつておりますので、今工廠において新造及び改造をフルに稼動するとすれば、一時使用の契約も変更しなければならない事情にあるかと思います。従つてこれらの工廠の新造の能力がすぐ稼動いたしまして、現在の民間の造船能力に影響を及ぼすということは考えられない、こういうふうに考えております。もちろん一般の小さな船の新造とかはしけ等の新造はやるだろうと思いますが、大型船の建造が今年、来年くらいにできるとは今のところ考えておりません。
○滿尾委員 ただいまの御説明の中で伺いたいのは、佐世保はどうなつておりますか、横須賀はどうなつておりますかという具体的の問題が一つそれからこれら全体を通じまして賠償の対象となつておるような事情は、もうすでに講和條約によつて解除されたのでありますかどうか、従つてそういうものは当事者同士の契約関係で将来もやつて行けるものであるかどうか、その点をお伺いいたします。
○甘利政府委員 横須賀、佐世保につきましては、横須賀は全面的に向うが使つております。それから佐世保につきましては賠償解除になりまして、現在一時使用の許可を得ており、佐世保船舶工業がこれを使つておるわけであります。但しこの工廠に対してはずいぶん前からPPがかかつておりますので、向うの方の仕事がある場合には今の使用者に優先して使い得るわけで、また契約條項も、いつ何どきにおいても政府の命令のあつたときには即座にこれらの施設を返す、その場合今までいろいろな設備の改善その他に要した資金等もそのまま政府に要求することはできない、だからそのまま政府に返すという條件で今使つております。
○滿尾委員 賠償関係はどうです。
○甘利政府委員 賠償関係は、横須賀は使つておりますが、あとほかは全部とめてあります。
○滿尾委員 これらの施設はさしあたりすぐ商船の新造や改造には向けられないだろうというお話でありましたが、もし漸次そういう方面に向けられるような場合は、これらの施設を現に使つておる会社に対しましては、この法律による新設の許可がいるのでありましようか、その点はどういうことになつておりますか。
○甘利政府委員 現状のまま使う場合には許可はいりません。しかしその設備を拡張する場合には、一般の造船所と同じように今度新しく改正された造船法で許可になる、こういうふうに解釈いたします。
○滿尾委員 この本を拝見いたしますと、第一ページにこういうことが書いてあります。「日本海唯一の造船所である日本海重工業、九州に於て従来相当の業績を挙げた川南工業については経営上の再編その他で七次後期の受註に姿を見せなかつたことから能力算定から一応除外した。」ということになつておりますが、これらのものは現に相当の物的な施設を持ち、人的な態勢も整つて、現実に働いておる工場のように私は見受けるのでありますが、船舶局のお出しになるわが国の造船能力の算定の中にこれらが入らないということは、どうもお取扱いが変なように思うのでありますが、どういうような御意向でありますか。
○甘利政府委員 これはその前書きにも書いてありますように、前提條件もありまして、一応こういう十九造船所を主として能力を算定したということに出ておるわけでありまして、その後日本海重工業あるいは川南について、今度造船について申込みがありまして、能力算定をやつておりますので、別段その両社に対してこれに書いてないから除外するという意味ではございません。
○滿尾委員 それでは今度は需要面について少しお伺いしたいのでありますが、これは結局わが国の現在置かれあいる立場からいたしまして、近き将来においてある程度の海上警備隊、保安隊関係の造船需要が、私ども普通に考えて想像されると思うのでありますが、いろいろな資料を拝見いたしますと、そういう面があまり書いてないように思うのであります、これはわが国の今日置かれている造船事業の立場を考えますときこは、総合的に考えなければならないのでありますが、その点は一体どういうふうな見積りをしておられるのでありますか。
○甘利政府委員 工場の造船能力については、先ほど申し上げたようにそう大した影響はないと思いますが、もしこれを新造及び修理に使うということになりますと、特にその工場に対して注文があつた場合には、適当の算定方法においてその能力を算定いたします。そしてこの能力算定と申しますのは、前書きがありますように、新造の注文があつた場合にその能力をはじいてやつて行くわけでありまして、別段日本の造船能力はこれだけを勘定に入れるという意味ではありませんので、もし必要があればわれわれはそういう能力も算定いたします。もし日本全体としての浩船能力ということになりますれば、やはり五十七、八万トン、それに海軍の工廠の能力を入れるのですが、これも現実の問題として、はたして今そのまま使えるかどうかは疑問でありますので、適当に修理され、ある程度の新造ができるという具体的な事実があれば、これ等の能力を算定して全体を含めて幾らということは算定いたしますが、それらを入れても通算いたしまして六十万トン前後ではないかと考えております。
○滿尾委員 ただいま文書の方で御説明がありましたが、この点につきましては多少政府当局のお考えが足りないのではないかと私は思うのでありますたとえばここに麗々しくこの二社は設備は持つているけれども、ここに取上げた能力からオミツトしたとありますが、それをお役所が公式の文書にして出されますと、当該造船所に対しましては思わざる不当な影響を與えるおそれがありはしないか。善意かもしれないけれども、結果としては監督官庁の公文書の中にオミツトせられたということは、当事者に対しては重大なる信用上の問題がここに発生する。また同僚委員もからの御注意によりますと、地方的な問題といたしましても、この当該地方としては非常にいろいろ政治的にも反映して来る面がございますので、ここのところの記述は運輸省の方が非常に軽率であつて、もつと慎重に扱つていただかなければ、公文書で出されているのでありますから、これは地方政治の問題として、あるいは当事者の経済上の信用の問題として、あなた方がお考えになつていないような影響がここに発生する可能性があるのでありますから、当然このところは御修正を願いたいとわれわれは考えるのでありますが、当局はどういう御意向でございます。
○甘利政府委員 お説の通りでありまして、これは種々の新造船をやる場合の参考資料に書いたのでありますが、今後こういうものは修正もいたしますし、また出す場合には現状のものもしよつちゆう直して出すつもりであります。お話の通り修正をいたします。この前書きはその当時のものですから、あるいは新しく出すときにそれを入れてもけつこうですが、そういう点は十分考慮いたします。ただ新造船についてもこれらの造船能力をはじいて現にやつておりますので、実質面においては別段さしつかえないと思いますが、文書の上において必要があれば改訂します際に追加いたします。
○滿尾委員 その需要の面の測定の問題でございますが、外国船の注文というものがことしなり来年なり、ごく近き将来において、どの程度に日本の造船所としてとれるであろうか。そのことは反面におきまして、英国なり、アメリカなり、どこがおもな競争相手になるかわかりませんけれども、それも教えていただきたいのですが、浩船のコストというものの開きの問題でもあるだろうと思う。またコストだけできまる問題でもないと思いますが、外国の日本の造船所に発注するであろう数量について、一体どういうような見通しを持つておられるか伺いたい。
○甘利政府委員 これは世界の海運事情の消長に関係しますので、今後どれだけの輸出船がとれるかということは、測定は非常に困難であります。しかしわれわれとしては一応年間十万総トン程度の輸出船を、造船所の操業維持のためにとりたいと考えております。また現に発注になつておる国々は、欧米の各国ほとんど至るところから来ております。
○滿尾委員 ただいま第八次の造船をいろいろ御決定になつておる瞬間であるようでありますが、今後計画造船というものは、第八次の次は第九次、第八次の後期もありましようが、それは八次の中に入れるとして、第九次なり、第十次なり、将来三年なり、五年なりの間において、どういうような造船目標というものをお持ちになつておられますか、お伺いをいたしたい。
○甘利政府委員 われわれといたしましては、第八次とか、第九次とかいうふうな計画的なものは今後使わないということを、先般閣議決定としてやつておりますので、そういう名前は使わないことにしておりますが、ただ昭和二十七年度、二十八年度、二十九年度、この三箇年計画におきましては、今のところ貨物船二十五万トンないし三十万トン、タンカーについては五万トンないし十万トン、輸出船については十万トンぐらいを考えております。
○滿尾委員 それは現在御決定になつておる程度のものであると思いますが、日本の海運の過去を考え、現在を考え、将来にわたつての努力目標というか、わが国の船腹を回復する目標があるのじやないか。そういう目標をお持ちになつておらぬかどうか、お持ちになつておるとすれば、どの程度のことを考えて将来に処して行こうとされるのか。
○甘利政府委員 今申しました建造計画は、外航船腹最小約三百万トン、内航百万トン程度、でき得れば外航四百万トン程度を持ちたいというような計画であります。これは單なる希望ではなくて、日本の今後の貿易量を推測して、そのうち外航船腹については、その積取り比率を五〇%というふうな根底に立つてはじき出したのであります。
○滿尾委員 外航四百万として、本邦船の積取りを五〇%と押えるというお話でありますが、私はよくわかりませんけれども、五〇%という押え方は非常に低いのではないか。戰前において一番よかつたときはどのくらいの比率を示しましたか。またわが国との貿易関係だけでなく、外国の港と港との間の貿易に参加するわが船腹量というものは、どの程度と将来算定しておるか。
○甘利政府委員 戰前のわが国の船の積取り比率は、平均六五%ないし七〇%、従つて現在の目標の五〇%は低いのでありますが、しかし従来の国際慣習からいたしまして、相手国が海運国である場合には、輸出入物資の積取り比率を五〇%、相手国が非海運国の場合は六〇%ないし七〇%というふうな例がありますので、われわれとしては戰前の七〇%を望みたいのですが、いろいろな資金面等を考えて、そういう大きな計画を立てても目的達成は困難だというので、五〇%を運びたいという最小限度の目標でそういう計画を立てております。それから第三国間の貿易に関しては、戰前は相当活発に動いておりましたが、現下の海運界の情勢においては、わが国と諸外国との間の物資の積取りに対しても、船が不足しておるような状況でありますので、現状においては、そこまではなかなか手が伸びないと思います。また一方わが国の海運界が、少くとも第三国間の貿易をやることについては、諸外国においては相当異論があるようでありますので、これをいたずらに刺激することもどうかと思います。また船腹量もそこまで至つておらないので、現在においてはあまり考えておりません。
○滿尾委員 これはあるいは海運局長にお伺いすべきことかとも思いますけれども、かくしてできたわが国の外航船と、外国の船舶とのオペレーテイング・コストというか、そういうものは一体どのくらいの比率になつておりますか。
○甘利政府委員 これは海運局長の所管でありますから、どうぞ海運局長にお願いしたいと思います。
○滿尾委員 それでは、その点はあとで一ぺんお教えを願いたいと思います。 かようにいたしまして今の造船計画は、私は非常にけつこうです。賛成なのでありますが、いただきました資料によりましても、造船の面については、各国はいずれも国策として相当の援助をしておる。わが国の場合におきましては、現在どういうような援助政策をしておられるか。計画造船もそうでございましようし、見返り資金のこともございましようが、一応現在やつておられる助成政策の項目をひとつ列挙してみていただきたい。
○甘利政府委員 現在は助成政策は全然やつておりません。ただ見返り資金を使つておる関係から、その金利並びに償還期間が市中の金融より比較的短かいという点だけであります。戰前造船奨励法であるとか、製鉄の奨励法、あるいは関税定率法とか、いろいろな補助政策がありましたが、現に諸外国においても、それにも増したいろいろな補助政策をとつておりますが、しかし日本の財政その他の事情からいたしまして、諸外国並にできるかどうかわかりませんが、われわれとしては少くとも外国並の長期の、しかも低利な資金を造船のために獲得したいというようなにとを今考えております。日本の製鉄事情は、原料を相当遠距離から運ばなければならないという理由で、非常にコストが高くなつておりますが、われわれとしては従来北支とか、満州から運んだ当時の価格に匹敵する程度の、造船材に対する材料補助、そういうものをやりたいと考えております。
○滿尾委員 私はただいまの御答弁によつて、運輸省の政策が非常に貧困であることを感ずるのでありますが、今日までは占領下の継続でございましたから、いろいろむずかしい事情があつて手が打てなかつたとしても、講和を回復した今日において、わが国策の運営上において、海運というものがいかに重大であるかということを思いますときに、運輸省におかれましては、おそらく両方の手に勘定できぬほどの豊富な政策を御研究になつておると、実は期待しておつた。ところがただいまのお話を聞きますと、簡單明瞭といえばよろしいが、非常に政策が貧困であることを感ずるのです。もう少しあらゆる面において、わが国の海運が助長せられるような御政策を御研究になることを期待しまして、この次の機会までにひとつ御勉強をお願い申し上げておきます。 さらに私ここでお伺いしておきたいことは、わが国の船腹の構成の問題でありますが、新しく新造船でつくつて行く船と、外国から古船を買うというような問題が現に行われておる。将来もまさか古船は輸入させぬという御政策でもなかろうと思いますが、その辺のかみ合せと申しますか、どういうことを運輸省としてはお考えになつておりますか、承りたい。
○甘利政府委員 船腹の増強については、買船もけつこうでございますが、今までの買船の就航後の結果から見ましてもあまり芳ばしくありませんし、また内地の造船業者も相当十分の技術と能力もある関係もありますので、この際政府としてはできるだけ新造舶で行きたい。しかしいろいろな船主経済の面を考えますと、ある程度の買船もまたやむを得ないと思いますので、適当の船が、しかも適当の船価で得られる場合には、必ずしも買船を拒否いたしません。新造と買船と両方あわせてやつて行くわけでありますが、現段階においてはやはり新造船に主力を置いております。
○滿尾委員 わが国の船腹の構成の上から見まして、船齢を若返らさしておくことはある程度必要なことだと思うのでありますが、それらのことにつきまして、政府はいかなる方策を持つて将来に臨まれるお考えであるか、承りたい。
○甘利政府委員 一般の平均船齢を若返らさせることは、結局新造船腹を増して、ある場合には古い船をつぶしまして、新造船にかえるというような方法をとるよりほかないのでありますがわれわれとしても今までのところ、昔やりましたようにある程度の古船をつぶしまして新しい船にかえる、たとえば二トンつぶして一トン新造をやるというような政策をとつたこともございます。現在はとつておりませんが、今後必要があればそういう政策もとりたい、こういうように考えております。
○滿尾委員 造船技術の問題をちよつとお伺いしたいのでありますが、今回の法律の内容を見ましても造船の量の問題が大きく考えられて技術の面につきましての増進は実はあまり伺つておらぬ。たまたまこの中に書いてありますることは、溶接かなんかでリベツトを使わないで鋼材が非常に経済になつたとかいうようなことは御紹介になつておりまするけれども、私のお伺いしたいことは、世界の造船技術の水準から見て、わが国の造船技術は今どんな立場にあるか。ほかの方で言われますことは、七年間の空白時代のために、技術的にもう二十年も三十年も遅れてしまつたというようなことを多く聞くのでありますけれども、造船技術部門におきましてはさような立場にはないものかどうか。
○甘利政府委員 造船技術については、戰前も世界の水準に伍しておつたのでありますが、戰後においても、一時特に工作面溶接関係においては幾分劣つた点もありましたが、現在においては性能の面、あるいは設計の面、あるいは工作の面においても、決して外国の技術に劣つておりません。
○岡村委員長 ほかに質疑はありませんか。——なければ、これにて本案に対する質疑は終了いたしました。 これより討論に入りますが、通告もありませんので、これを省略するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○岡村委員長 異議なければ、さよう決定いたします。 これより本案について採決いたします。本案を原案通り可決するに賛成の諸君の御起立を願います。 〔賛成者起立〕
○岡村委員長 起立多数。よつて本案は原案の通り可決いたしました。 なお本案に対する報告書については、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○岡村委員長 御異議なければ、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後二時五十五分散会