運輸委員会 第25号
- 発言数
- 92 件
- 登壇者
- 15 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1952/04/24
会議録
○滿尾委員長代理 会議を開きます。 委員長が不在でありますから、私が委員長の職務を行います。日本国との平和條約の効力発生及び日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障條約第三條に基く行政協定の実施に伴う道路運送法等の特例に関する法律案及び日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障條約第三條に基く行政協定の実施に伴う水先法の特例に関する法律案を一括議題とし、質疑を継続いたします。質疑の通告があります。江崎君。
○江崎(一)委員 昨日の委員会ではかんじんのところに行くとわからぬということになつている。そこできようは責任ある大臣の御出席を御配慮願うことになつておりましたが、どうなつておりますか。
○滿尾委員長代理 大臣に手配中でありますが、もう少したつたら見えることになつておりますから、大臣に対する質疑はあとに讓つて、その他の部分を続行願います。
○江崎(一)委員 昨日資料の要求をしておいたんですが、最近数年間における自動車事故の数と、それからまた警察、国警などへ資料を收集してもらうことになつておりましたが、外国人関係の自動車事故がどれくらいあるかということについて御報告を願いたいと思います。
○中村(豊)政府委員 昨日戰後の自動車事故の数を申し上げましたが、戰前の事故件数について申し上げます。昭和九年において自動車数は全部で十三万八百十二台ございました。そのうち死者が千四百八十九人、負傷者が三万四千三百五十五人になつております。昭和十年、自動車数は十万五千余り、死者千六百八十七人、負傷者三万三千四百七十五人になつております。十一年、十二年はちよつと手元にございませんが、昭和十三年は自動車数が二十一万二千台余り、死者が千九百二人、負傷者二万三千七百二十四人になつております。昭和十四年は自動車数が二十二万一千台余り、死者千六百一人、負傷者一万九千七百五人になつております。戰後の模様を死者、傷者について申し上げますと、二十四年は死者が千九百二十四人負傷者が一万九千三十五人、二十五年は死者が二千三百二十九人、傷者が一万八千二百八十人になつております。大体死者において多少の増加を示し、負傷者において非常に減少しているという状態でございます。なお昨日御質問のありました米軍関係の車による事故の件数は、国警にもいろいろ問い合わせておるのでありますが、正確な数字はわかりません。
○江崎(一)委員 正確の数字はわからぬとおつしやつたのですが、概数はわかつておりますか。警察に問い合わせれば必ずわからなければならないことになつておりますがどうですか。
○中村(豊)政府委員 概数もわからないのでございます。
○江崎(一)委員 そうしますと日本の諸官庁は一体何をしておつたのですか、了解に苦しみます。あなたの回答を私は承認できない、そういうでたらめな回答は承認できません。なぜわからぬのか、それをひとつ納得行くように話してください。
○中村(豊)政府委員 これは私の方でやつていないので、関係官庁、警察の方に照会しておるのですが、警察の方でわからないといえば、こちらとしてはいかんともしがたいことで、その点は国警の方に御質問くださるか、あるいは国警の方と十分お話合いを願つた方がいいんじやないかと思います。私の方としてはいかんともしようがありません。
○江崎(一)委員 この行政協定の規定を見ますと、われわれ将来非常にこれは考えなきやならぬ條項を含んでおるのであります。一事が万事で、このアメリカ軍関係の自動車のひき逃げであるとか、家をこわしたとか、こういつたような問題は非常に多いのでありまして、それがまつたく一回の見舞金で済んでしまつておる。これはわれわれ国民としてうらみ骨髓に達しておる。こういうものが明らかにされないで、この道路運送車両法は、米国の公用の車には適用しないんだとか、技術的な問題もありましようが、軍人軍属の私有車には六箇月これを延期するといつたようなことは、とうてい認められぬのです。あなたはわからぬようですが、わからぬでしたら、それは委員長の方でさつそくそれ相当の説明のできる政府委員をお呼び願いたいと思うのです。
○滿尾委員長代理 きようは間に合いませんね。
○江崎(一)委員 きのうもちやんと言つておいたのです。 〔「所管外なら所管外だと言つて答弁しない方がいい。親切に答弁するからつけ上るんだ」と呼ぶ者あり〕
○江崎(一)委員 それでいいのか。すべてのものが詳しくならないで、それでよろしいか。
○滿尾委員長代理 静粛に願います。私語を禁じます。江崎君、御質問がなければ次に移りますが、まだ続行されますか。
○江崎(一)委員 まだ、うんとあります。
○滿尾委員長代理 それじややつてください。その問題は今どうと言われてもしかたがありませんから、次をやつてください。
○江崎(一)委員 今大臣が来ておられたようだが……。
○滿尾委員長代理 大臣はすぐ帰つて来ますから……。
○江崎(一)委員 大臣が帰つて来られるまで、私質問を保留いたします。
○滿尾委員長代理 ほかに御質問ありませんか。
○坪内委員 昨日質問申し上げておつたのですが、御答弁は研究の上ということでございましたが、実は合衆国の船舶なりあるいは航空機が、わが国の港あるいは飛行場を使用した場合、これがいろいろな損害をこうむつた場合に、その負担は日本側でするのかという御質問を申し上げておつたのでありますが、それはわからないというのでございましたが、その後御研究の上おわかりになつたならば御答弁願いたいと思います。
○黒田政府委員 御質問のございました港湾施設に損傷があつた場合の負担の区分のことと存じますが、商港におきましては、行政協定の二條によつて政府の提供する施設が協議によつてきまることになつております。この区域につきましては、目下折衝中でございますが、区域外の施設に対しまして損傷がありました場合には、当然損傷した側で負担すべきものと解釈いたしております。なお提供した施設について損傷がありました場合には、目下その具体的の問題について検討中でございます。
○滿尾委員長代理 ほかに御質問ありますか。江崎さん、大臣が来るまで御質問ありませんね。それでは速記をとめて。 〔速記中止〕
○滿尾委員長代理 速記を始めて。江崎君。
○江崎(一)委員 運輸大臣にお伺いしたいと思います。行政協定の第十條第 一項によりますと、「日本国は、合衆国が合衆国軍隊の構成員及び軍属並びにそれらの家族に対して発給した運転許可証若しくは運転免許証又は軍の運転免許証を、運転者試験又は手数料を課さないで、有効なものとして承認するものとする。」旨が規定されておりますけれども、従来軍関係の車は操縦者の未熟であるとか、あるいはまた機械の故障ということかどうか知りませんが、そういうことでかなり多数の日本人がひき殺された。また負傷したり、家がこわされたりしておるのです。こういう規定ははなはだわれわれ日本国民として承服しがたいと思うのですが、どうしてこういう規定を承認されたのか、閣僚の一人として責任ある御答弁を願いたいと思います。
○村上国務大臣 この協定の條項には、もちろん江崎先生のおつしやるようないろいろな心配があるかもしれません。しかし全体としまして、行政協定がこの程度であるならば適当だとして認めるということに相なつた次第で、ひとり政府のみならず、今日一般に了承しておられると私は思つておるのであります。
○江崎(一)委員 ただいまの大臣の御説明では納得いかないのです。日米合同委員会がアメリカの言い分の下請機関であり、この行政協定自体、日本がアメリカに隷属する條件だということだつたらどうか知りません。しかしながらいやしくも日本が独立国になるのだということだつたら、こういう條項はとうてい承認し得ないものだとわれわれ考えます。そういう観点から、はなはだ納得できない御説明だと解釈するのです。大臣にもう一回懇切な御答弁を願います。
○村上国務大臣 ひき逃げして、ひき逃げ御免だというような前提での江崎先生のお話だと思いますが、そういうひき逃げというようなことは、私としてもすこぶる遺憾に思つております。しかし今までとは違いまして、今後はそういうことはないはずであります。この條文の運用は、国家警察なり自治体警察のまず行動が起きて、検察庁、また裁判所の問題になつて行くと思うのであります。講和発効後行政協定が適用される段階になれば、今日までの事態は全然改まるはずだと思つております。行政協定そのものについてのお話でありますが、とにかくわが国が今何ら防衛の力を持つていないときにあたつて、国の安全、国民生活の安全をはかるために、日米安全保障條約を取結んで、米軍の駐留を希望したのであります。従つてそれに対してできる限りの便宜をはかるということは、もとより当然のことだと私は思つておるのであります。
○江崎(一)委員 この道路運送法の特例を設けるということ、この法律案の中に、アメリカ軍の公用自動車に対してこの法令を適用することは適当でないというように書いてあります。そういう趣旨に説明されてあるのですが、これは一体どういうことなんですか。その点自由党の方ではそういうことがあたりまえだというようにお考えになるかもしれませんが、われわれは承服ができないのです。その点も御説明願いたいと思います。
○村上国務大臣 行政協定の中に含まれている精神としましてわが国が要請して駐留をしてくれるその軍に対して、でき得るだけの便宜をはかるということは、行政協定の精神であろうと私は思つておるのであります。そういう精神に立脚しまして、公用、すなわち軍用の車両について今回の法律案のごとき内容を盛り込んだことは適当だと考えたのであります。しかしながらたとい軍に所属した人の車、家族の車はもちろんでありますが、軍に所属している人の車といえども、公用でない車、軍用でない車、これはもう一般のベースに立つて処理すべきものである。ただ軍用オンリーに使われる車について便宜をはかることは、行政協定上当然ではないかと実は思つております。
○江崎(一)委員 そうしますと軍公用のものは車両検査も何もしない、またアメリカ軍用自動車の免許証に関してはそのままうのみにする、こういうことになりますと、われわれ日本国民としては非常に不安であります。かつてたくさんのひき逃げだとか、日本人を負傷させたり家をこわしたというような問題があつたのであります。こういうことが今後も起る可能性が十分にあると思うのですが、こういうことで政府は国民に対して責任が務まるでしようか。その点われわれ非常に疑問に思うのですが、大臣の御所見はいかがですか。
○村上国務大臣 今江崎先生のお話を伺つていますと、今日までと同じような状態に日本が置かれているという前提で御心配になつているように思うのでありますが、講和発効後はそういうことはないはずであります。また江崎先生の御意見からそんたくしまして、江崎先生もそういう御期待、また御主張をお持ちだと拜察するのであります。従来ひき逃げということもありましたと思います。しかしながら従来といえどもきわめて親切に、進んで処理したことも承知しているのであります。今後は今回の行政協定に基きまして、そういう場合にはすべて民事裁判にかかることに相なる次第で、従つて今健われわれが安心して道路の利用ができるということに、何らの心配がないのじやないかと実は思つておる次第であります。
○江崎(一)委員 大臣が言われる通り、講和発効後は今までと條件がかわることは明らかですし、それはよく知つてのことです。しかしながら裁判権その他が、これはアメリカの軍人軍属に対しては、日本の裁判所の権限外であります。そういうことを考え合せますと、車両の根本的な検査、あるいは免許証ということについて、日本国の権力がこれに及ばないということは、今後事故を起したならば賠償するかもしれませんですけれども、これは国民に対して非常な不安を與えることと相なると思うのです。その点について最後にもう一言、大臣から御所見を承りたいと思います。
○村上国務大臣 軍用の車につきましては、さらにそういうケースが起れば、ただいまも申し述べましたように、民事裁判権がこちらにあることは御承知のことだと思います。軍用車でない車であるならば、全部日本のその他の車と同様な取扱いをすることに相なつております。今江崎先生のおつしやるような、そういう御心配はないと思います。
○江崎(一)委員 道路運送車両法の問題については、まだまだ意見がありますが、時間の都合で割愛いたしまして、水先法についてお伺いしたいと思います。 昨日の政府委員の答弁では、アメリカの公用の艦船も、事実上はみな水先人を使つておるということです。しかしながら行政協定によつて、この強制水先の義務を免責にするという規定があるのですが、実際知らない国の港へ入るのに、やはり水先があつた方が安全なのです。それなのになぜこの強制水先の規定から免責にしておるのかということについて、この行政協定の真意を、閣僚の一人として責任ある御報告を願いたいと思います。
○村上国務大臣 ただいまお話のように、実際問題としまして船を艦長が運航しますにあたつて、自信のない場合には非常なリスクをみずから冒すことになります。従いまして自他ともに非常なリスクを冒すことになるのです。実際信念のない場合には、水先人を要請するはずであります。また今日占領治下においてもそうやつておるのであります。ただ再々往復し、また他の船がないとか、あるいは自分の指令されたところに他の障害物が何らないというような場合には、今日まででも水先人を依頼せずして、船長の責任において出入しているのであります。そういう場合でも水先人を強要するということは、便宜をはかるという行政協定の精神から見まして、そういうときは免除してさしつかえない、こういう考えで本法を立案した次第であります。 〔滿尾委員長代理退席、委員長着席〕
○江崎(一)委員 現在の船主協会なんかが言つておりますところによりますと、水先の設備が足りないのと、水先人が少いために、港外での滞船が長くなつて非常に大きな損失を来しておるということですが、その実情についてはどういうことになつておるのでしようか。
○村上国務大臣 実際問題としまして、今日日本では水先案内の必要な箇所が非常に多いのであります。まだ掃海が徹底しておりません。従つて危險水域がかなりあるものですから、自然水先人の活動する範囲が広汎にわたつておりますが、水先人が要請される員数に対して少いということは事実であります。従いまして水先人の資格者をつくることに、政府としても今日まで努力して来ておるのであります。ずいぶん昨今改善せられたということは確言し得る次第でありますが、なお優秀な水先人をこの上とも養成し、育成して行きたいと考えておるのであります。今まで足りなかつたという関係で、諸外国の商船方面でも、水先人の乗船時間が遅れるというようないろいろな関係で、待合せ時間を空費するという不平がありました。しかしそれらの方面でも、昨今非常に改善されたということは認めておるところであります。今後日ならずして要請を滿たし得ることと考えております。
○江崎(一)委員 戰前には強制水先の規定はなかつたのですが、大臣はこの強制水先の規定を、今度講和発効の機会になくする御意思はありませんか。
○村上国務大臣 わが国の水域その他の施設が非常に完璧になりますれば、水先人の必要もおのずからなくなつて来ると思うのであります。水先人を必要としないような施設が充実いたしましたときこそ、強制水先は必要ない。従つてそういう制度は撤廃したいと思いますが、その時期はなお前途遼遠だと実は言わざるを得ないと思うのであります。御承知のようになお危險水域がわが国の周辺に非常に多い。まずもつて掃海をし、しかる上に必要な標識その他の施設を講ずる。また深度の浅いために危險だというようなところは浚渫して、何ら考慮なくして操船のできるように設備ができますれば、そのときこそ水先案内を強制する必要がないことになると思います。ちよつとその時期はなお年限を要することと思います。
○江崎(一)委員 今後この水先案内人を船に乗せる優先順位につきまして、アメリカ駐留軍関係とそれから日本船と区別されますか、あるいはまた普通の順番の通りやられるのですか、どういう御方針ですか。
○村上国務大臣 今お尋ねの点については、いずれを一とし、あるいは二とするというような優先的な取扱いはしないと考えております。
○江崎(一)委員 そうすると、現在まではどういうことになつておりますか。
○村上国務大臣 今のところはどういうことになつているか、しかと申し上げかねるのでありますが、日本の政府でもつぱら管理しておるところでは差別はしておりませんけれども、占領地域ということに指定して、もつぱら占領軍がその管理をしておりますところでは、これがどういうことになつておるが、どうも存じないと申し上げるよりしようがないのであります。
○江崎(一)委員 現地の状況を聞きますと、ちようど国会での散髪屋みたいに、事務員が幾らおりましても、議員が行くとお先にお先にといつて、いつまでたつても事務員の順番がまわつて来ない。こういう状況を知つておりますけれども、ちようどそれと同じような状態が日本船の場合にはあるということを聞いておりますが、その点大臣御存じでしようか。
○村上国務大臣 先方の管理水域は、占領軍の必要上管理しておるのでありまして、従つてそういうところでは、おそらく軍の必要という場合には、今お話のようなケースもあるということは想像されます。
○關谷委員 動議を提出いたします。ただいま審議中の行政協定の実施に伴う特例事件の法律案は、安全保障條約がすでに国会を通過をいたしており、これに基く行政協定の実施上必要な措置でありまして、平和條約の発効も目前に迫つております関係上、これにて質疑を打切り、討論を省略して、採決せられんことを望みます。
○岡村委員長 關谷君の動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○岡村委員長 起立多数。よつて關谷君の動議のごとく決定いたしました。 これより両案を一括して採決いたしたいと思います。両案を原案通り可決するに賛成の諸君の御起立を願います。 〔賛成者起立〕
○岡村委員長 起立多数。よつて両案は原案通り可決いたしました。なお両案に対する委員会報告書については、委員長に御一任を願いたいと思いますが、これに異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○岡村委員長 異議がなければ、さよう決定いたしました。 —————————————
○滿尾委員 私はこの際自動車運送事業並びに地方鉄道事業並びに国際観光事業に関する金融措置に関して、政府、の所見をただしたいと思うのでございます。それにつきまして、まず二十七年の三月に経済安定本部が策定いたしましたところの二十七年度における政府出資金の対象となるべき産業及び交通に関する基本計画、これを拝見いたしますと、この中に陸運に関しましては、私鉄新線の建設という一項だけがあげられておるのでありますが、一体運輸大臣はわが国の施設の状況をどういうふうにお考えになつておりますか。戰後の施設の非常に荒廃したあとを受けまして、相当に設備の老朽があり、線路の補修、取替その他に相当の資金がいるのではないか。また自動車交通事業に関しましても、バスの改善は見るべきものがあるのでございますけれども、経営の角度から見ますと、バスの單価が非常に値上りをしており、しかも国民のこれら交通に対する需要は非常に旺盛であるので、事業経営者としては非常に金融に苦難をなめておるのではないかと考えるのであります。しかるにバス事業というものはこの中に入れてない、あるいはトラツク事業につきましても同じでございます。また国際観光事業に関しましても、当委員会にちようど国際観光ホテル施設の助成の法案が出ておるのでありまするが、それは結局税法上の若干の手伝いをするにとどまりまして、国際観光事業のホテル助成の最も核心をなすところの金融に関しまして、こういう大事なわくからドロツプされておる。これは運輸省のこれら事業に対する施策の一つの盲点を形づくつておるのではないか。運輸大臣はこれらの点につきまして、お見のがしと申してははなはだ失礼で申訳ないのでありますけれども、どういうお考えでこういうような事柄に物事が発展したか。一ぺん大臣のお考えをお伺い申し上げたいと思います。
○村上国務大臣 今満尾先生の御指摘のように、私鉄につきましても、ひとり建設線の金融、建設工事に対する金融のみならず、他の運営上車両その他の諸施設がきわめて老朽しておる企業が少くないことは、私も痛感いたしておる次第であります。しかしながら開発銀行から融資を受けるという問題としましては、金額の大きいものをまずもつて取上げることが必要であると考えて、他の点につきましては第二次的にしていいじやないかと考えたような次第であります。そういうことになりましたのも、実は開発銀行の融資できまする総体のわくと、そうして一般のわが国の金融を必要とする諸事業との振合いを考えたのでありまして、その考えた上におきまして、新線建設費に対してはぜひともその対象にせなくてはならぬが、その他の点については、一般の振合いにかんがみてまず遠慮せざるを得ない、こう実は思つたのであります。交通政策の観点からながめた必要性は、もとより滿尾先生と同じ感を持つておる次第であります。なお自動車事業についても同じ感を持つております。これまた今申し上げましたような観点から讓らざるを得なかつたような次第であります。 最後にお話の観光施設、特にホテルあるいは観光会館といつたような施設の費用は、相当まとまつた額を必要とする次第でございます。従いましてこの点について強く必要性を感じておるのであります。しかるに他の一般の振合いから見まして、これが完全に取上げられることができなかつたことは、私としましても非常に遺憾に思つておるのであります。しかしながらホテル事業その他につきまして取上げられた開発銀行の貸出しの対象になつております諸事業同様に取扱うという申合せはできておるのであります。ただあの通牒文に記載されなかつたということは、私としても遺憾に思つておるのであります。これは時機を見て必ず入れたいという念願は強く抱いておる次第であります。
○滿尾委員 現在のこの策定計画の中に入らなかつたお立場につきましては、これは了とするものでございますが、それはそれといたしまして、事柄の実態は非常に緊急を必要とすると考えております。従つて当運輸委員会としましては、これに対する対策を皆様にお諮りして、ぜひ立てたいと存じておるのであります。しかしながら私が要望いたしましたところの安本の事務当局がまだお見えになつておりません。従つてこの開発銀行の資金計画全体に対する御説明を受けることができませんので、一時私の質問を、出席を見るまで延ばしまして保留をいたしたいと思います。
○村上国務大臣 ちよつと申し落しましたが、あの策定の中には中小企業という項目があります。あれには自動車企業が含まれてあるということをひとつ御了承おき願いたい。ただあれば特殊な事業でありますので、特に取上げて單独に明記するということは、私も必要であろうということは痛感しておる次第であります。 —————————————
○岡村委員長 次に木船運送法案を議題とし、質疑を継続いたします。
○關谷委員 この木船法案は弱小企業でありますところの木船運送業の保護育成を目的としたものでありまして、木船輸送業界の安定をはかるを目的とするものでありまして、すでに相当質疑もかわされておりますので、この際質疑を打切りまして討論に入り、採決せられんことを望みます。
○岡村委員長 關谷君の動議に御賛成の方の御起立を願います。 〔賛成者起立〕
○岡村委員長 起立多数。よつて關谷君の動議のごとく決定いたしました。 これより討論に入ります。討論の通告がありますので、これを許します。熊本君。
○熊本委員 この問題の大体の提案の理由といたしまして、海上機帆船の輸送について、これを一定規正し、そうして円滑ならしめようとする精神につきましては、私も賛成でありますが、しかしこの実態といいますと、説明者のお話にもありましたように、回漕業者と單なる運航業者とが、その識別がはなはだ複雑でございまして、その点が明確になつておらない合せ兼ねておる者もあり、あるいは一方のみを経営しておるという状態でございますので、これが規正あるいは円滑なる運用については、相当の考究を要することだと思いまするが、それに対して本案によりますれば、その点が明確になつておらないうらみがあるのであります。従つてこの点に関する法案の整備及び運用について、十分なる検討が必要であろうと存じます。 なおこの法案によりまして、私はこの面についての実際に暗いのでありますから、明確に具体的の事例をあげるわけには参りませんけれども、ややともすればこういう法案が一つの規正下のもとに、弱小企業圧迫に堕するおそれが多分にあるのでございまして、特定の経営実力者が他を圧迫独占するの傾向は、幾多の事例によつてこれは推察できるのでございます。従いましてこれらの問題に関して十分なる運用上の注意が必要であろうと思いまするが、これらの面が法文の中に明確になつておらないというような問題があるのでございます。 いま一つは、これを保護育成するということでありますならば、当然に現在一船一主というような、みずから船主であり、みずから船長であるというような、ほんとうの運航業者に関するさまざまな育成援助の方法が必要だと考えるのでありますが、この面に関しては至つてこれは問題外にされておるようでありまして、これらの問題を十分に審議し、十分にその点を織り込んで行かなければならない、かように考えるわけでございます。 さらに審議会が設立されて円満なる運用をここで期するということになつておりますが、その構成につきましても、あくまでも民主的な運営ができるようにあらねばならぬと思いまするが、この点についてもなお明確を欠いておる点がございますので、そういう点につきまして私はまだ今整理しておりませんが、具体的にこういう問題を円滑に、しかも目的に向つて遺漏なきを期して行きたい、かように考えるわけであります。従つて項目の順序が整理されておりませんが、私どもといたしましては、あげまする点として審議会の構成にはあくまでもほんとうの運航業者といいますか、これに対しての真の代表者を加えるということを具体化しなければならない。 それからいま一つは、この前質問いたしましたが、運航業者の運賃というものは、これが支拂い等が先付手形で拂われたり、あるいは遅延いたしまして、非常に何箇月も不拂いになつておつたりするような状態があることを聞き及んでおるのでございまして、これらはさような処置であつてはならない。要するに運航業者の一般一主というような、こういう人々の運賃というものは、一種の労働賃金にも類すべきものでありますから、これが支拂いについてはあくまでも遅滞なく、労働賃金に類するがごとき方法をもつて支拂うべしという方針が、樹立されなければならない。 さらに違反の問題につきましては、処罰されることになつております。しかしながらその違反の摘発等につきましても、條文によれば海運局長がこれをやるということになつておるのでございまするけれども、実質的には地方ボスの政治力によりまして左右されるおそれがあるのでありまして、これらの問題につきましても摘発、処罰に関しては、あくまでも合理的な処置がとられるがごとくにあらねばならぬ、こういう点を重要に考えておるわけでございます。 さらに法の精神において保護育成あるいは調整ということに相なつておりまするが、そのためには現在の弱小企業苦、すなわち運航業者は、現在のところ腐朽せる船に対しましても、これを改造するのゆとりを持つておらない。従つて弱小企業に対する融資その他の援助方策についても、十分なる考慮が拂われて行くべきであろう。 なお木船に対する海上保健等は非常に高率であつて、弱小企業者といたしましてはこれに対する保險料の支拂い等についても、困難を来しておるという実情でありますために、これらについてもやはりこの法案の目的に沿うためには、保護、援助の施策をどこかに織り込んで、そうして真に所期の目的が達成されるような方法にして行つてもらいたい、かように考えておるわけでございます。 回漕業者という事業は、荷主との連繋があり、特約がありさえすれば、単に一つの事務所を持つておつても、その営業はできるのであり、中間搾取の行われやすい業でありますけれども、ほんとうにみずから運航して実質的な仕事をする運航業者こそ最も重要であり、これこそが日本の生産拡充に多大なる力をいたしておるのでございますから、法の運用についてはあくまでも弱小企業、特に運航業者の保護育成が完成されるような方法にこれを運用されることを、ことさらに強く私は要求したいのでございます。 修正の箇所は整備いたしまして修正ということにいたしたいのでございますが、私はまず以上の点を申し述べまして、各委員諸君の御賛同を得て、本法の決議並びに運用について御協力を願いたい、かように考えておる次第でございます。
○岡村委員長 江崎君。
○江崎(一)委員 現在の貿易不振が深刻化して参つて、その影響から内航汽船——月間大体百六十万トン運んでおりますが、この内航汽船にまで大きな危機となつて参つたわけであります。数字を上げますと、月間三百六十万トンを運びますのに、七十四万トンの船腹をもちましてやつておるのでありますが、実際に内航用の船舶は八十四万トンあるのであります。従いましてここにおいても十万トンの剰を生じております。従いまして船主協会では六万トンくらい繋船しようじやないかという話が出ておるのであります。その上日本が中国やその他ソビエトや、全世界のどこの国とでも貿易するというような有利な條件を、みずからアメリカの指令によりまして放擲しております。その結果ますます外航船が余つて参ります。貿易不振の結果、外航船が内航にまわらなければならぬというような事態が起りまして、外航船による内航船への圧迫がかなり大きな問題となつて来ておるのであります。そうしますと一ぱい船主たちの集まりでありますところの機帆船業者などは、これらの重圧のためにあえがなければならぬ状況になることはきわめて明確であります。従いまして今度關谷君以下数名の方がこの法案を提出されましたので、この法案の意図はどういうことか尋ねましたところが、これは政府の中小企業対策の一環として、これらの弱小企業を援助するためにこの法案を出したのだという御答弁であつたのでありますが、実はさにあらず、中小業者がみずからの価値を見つけて、自由に賃金を競争して、大内航船舶会社に対抗して闘つて行こうという道を封ずる以外にはないと考えるのであります。従いましてこの法案によつて弱小機帆船業者の得るものは、営業停止と罰金刑以外に何ら得るものはないのであります。従いまして私は日本共産党を代表いたしまして、こういう羊頭を掲げて狗肉を売るでたらめな法案に対して、断固反対するものであります。
○岡村委員長 これにて討論は終局いたしました。 これより本案についての採決をいたします。本案を原案通り可決するに賛成の諸君の御起立を願います。 〔賛成者起立〕
○岡村委員長 起立多数。よつて本案は原案通り可決いたしました。 なお本案に対する委員会報告については、委員長に御一任を願いたいと思いますが、御異議はありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○岡村委員長 御異議がなければさよう決定いたします。 —————————————
○岡村委員長 次に国際観光ホテル整備法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を継続いたします。畠山君。
○畠山(鶴)委員 ホテル整備法の一部改正につきましては、先日からの委員会に引続きまして各委員より重要なる御意見があつたので、私は同感でありますから、これらの点を省略さしていただきまして、一、二私の思いつきましたことをこの際運輸大臣及び大蔵当局の方々にお伺いしてみたいと思います。 この観光部は言うまでもなく大臣の所管にありまして、大臣官房という所属になつておるようでありますが、自分の子供を持ちながらにして、あまりにもその親切みに欠けておるような点が幾多あるのではないか。委員会におきましても各委員が質問されますごとく、とにかくこの法案そのものを審議するのでなくして、観光事業の根本問題をどうするかということの御意見が大多数であります。かような点から考えましても、この運輸省の観光部というようなものが、立場上力が足りないと申しましようか、機構上不備があると申しましようか、これらの点を根本的に改革してもらわなければ、今後の観光事業の推進はとうてい望み得られないと思うのであります。ただいまも金融問題につきまして滿尾委員からも部門がかわつた提案があつたようでありますが、これらももちろん必要なことでありまして、私はこの点も御同感申し上げるものでありますけれども、まず第一番にお伺いしたいことは、運輸大臣はこの観光部の今後の行政、今後の方針について、どういうお考えがあるかということをお伺いしたいと思います。——それでは運輸大臣が見えませんので、時間の関係で早くしろというお話もあるようでありますから、大蔵当局に対しまして、まずこの金融部面を今後どうお考えになつているか、どういうふうにこの観光面を育成していただけるかということについて、率直なる御意見を承りたいと思います。
○泉政府委員 観光ホテルの整備についての金融措置をどうするかという御質問でございますが、はなはだ恐縮でございますが、私実は税の方を担当いたしておりますので、金融問題につきましては的確に申し上げかねるかと思うのでございます。金融が逼迫いたしておりますことは、各委員の御承知の通りでございます。不足しております資金をどういうふうに重要な部面へ向けるかということにつきまして、大蔵省といたしましては日夜苦慮いたしているような次第でございます。従いまして従来ともすれば重点的な産業に資金を使用するという方向にありまして、国際観光ホテル等につきましては資金がなかなか得られなかつたといううらみがあろうかと思うのであります。しかしながら観光事業につきましては、今後日本の外貨獲得という面につきまして、なお考慮すべき問題があろうと思いますので、今後におきましては金融問題につきましても、御趣旨を体しましてできるだけ善処したいと考えます。
○畠山(鶴)委員 ただいまの御質問は前委員会に続いて、適当な御意見でございまして、ごもつともな点がありますが、ほかの重要部門があるためにこの方面に予算がないというようなお話でありますが、現在大蔵省は税金をとることばかり考えているようです。しかしこれは国の財政上やむを得ないことでありますが、税のとり方が下手だと思う。とにかく観光事業はえびでたいをつるように、えさがあれば世界のたくさんの金が幾らでもつれる。そのつるえさを出さないで、ただ経済の確立ということを申しておられますけれども、これでは日本の経済はいつになつても立ち直らないのじやないか。かような点をどうか十分御検討くださいまして、いま少し積極的にこの事業に対して御協力を切望いたします。同時に、運輸大臣はおりませんけれども、この点を特に大蔵当局と折衝してくださいまして、今後この事業をりつぱに育成するように御努力をお願いいたしまして、一応大蔵当局への意見は打切ります。 続いてもう一点伺いたいことは、運輸省の観光部が観光監とかなんとかわからないような名前になつて出るそうでございますが、現在日本の各県の観光関係におきましては、全国でも数十県が観光局もしくは観光庁を設置しろという要望をしております。これに対しまして自由党の政調会におきましてもこれを了承しているのでございます。こういう場合におきまして運輸当局はいかなるお考えを持つておるか、また同時に現在の観光部としてはどういうお考えを持つているかということをお伺いしたいと思います。
○間嶋政府委員 このたびの機構改革によりまして、運輸省部内にあります従来の観光部は、一応官房及び内局における部の全廃という大きな方針がありましたので、それによつて一応廃止されることに相なつておるのであります。そのかわりに観光監というものを大臣官房に置く。そして大臣官房でやります観光の仕事を掌理させる、こういうような案で運輸省の設置法が現在審議されておるのであります。これに対しましてはもちろん事務当局であるわれわれといたしましても、戰後数年間仕事をして来ました経験から見まして、観光事業が非常に広い接触面を持ち、また戰後新しく再発足しました関係で、政府の行政面においても大いに仕事を推進すべき点が非常に多いのであります。そういうふうな点からいいましても、機構の大を望みませんが、仕事がしやすいように、何と申しますか、機構の格を上げるということがぜひとも必要であるというような考えは常々持つておりました。また事務当局といたしましてもその案を推進いたしておつたのであります。またおそらく運輸大臣におかれましても、その必要性は十分お認めに相なつておつたことであろうと思うのでありますが、いろいろの事情で今回の改正案では、遺憾ながら一応部は廃止されるということに相なつておるのであります。
○滿尾委員 動議を提出いたします。ただいま審議中の国際観光ホテル整備法の一部を改正する法律案は、十分な質疑を盡したものと思われますから、ここに質疑を打切り、また事理明白な問題でございますから、討論を省略して、ただちに採決せられんことを望みます。
○岡村委員長 滿尾君の動議に御賛成の諸君の起立を願います。 〔賛成者起立〕
○岡村委員長 起立多数。よつて滿尾君の動議のごとく決定いたしました。 これより本案について採決いたします。本案を原案通り可決するに賛成の諸君の起立を願います。 〔総員起立〕
○岡村委員長 起立総員。よつて本案は原案通り可決いたしました。 なお本案に対する委員会報告書については、委員長に御一任を願いたいと存じますが、御異議ありませんか。一 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○岡村委員長 御異議がなければさよう決定いたします。 —————————————
○滿尾委員 先ほどの金融のわくについての質問をもう少しいたしたいと思うのであります。安本当局がお見えにりましたから、二十七年度の政府資金の対象となるべき産業及び交通に関する基本計画というものを拝見しておるのでございますが、一体この計画の基本をなしておりますところの資金計画は、どういうことになつておりますか。そのアウト・ラインの御説明をお願いいたしたい。
○塩谷説明員 ただいま御質問の、昭和二十七年度における政府資金の融資の対象となるべき産業及び交通に関する基本計画についての資金計画の問題について、お答えいたします。実はこの基本計画の性格と申しますか、その内容について、若干御説明した方が便利だと存じます。この基本計画は、表題の通り政府資金一般について、産業投資として利用し得る資金の運用に関する基本的な原則を定めたものでありますが、この場合の政府資金は一応対象を限定しておりまして、最初に方針のところに書いてございますが、見返り資金、日本開発銀行資金と農林漁業資金融通特別会計の資金、この三者を合計したものでございます。このうち、これらの財源からどの程度の資金が供給せられるかと申しますと、見返り資金といたしましては、この基本計画の対象になつておるような一般産業に対する設備資金として供給せられる資金は、四百六十億円になるわけであります。開発銀行につきましては、これは開発銀行自体の今後の業務運営の上から生じまする利息なり、回収金の見通しが固まつておりませんので、確定的な資金の総量は必ずしもはつきりいたしておりませんが、一応予算書によりましてその金額を概算申し上げますと、政府出資の関係で一般会計から百三十億円、それから見返り資金から四十億円の借入れを行います。そのほか回収金と運用利殖金を含めまして九十九億円、以上の合計が二百六十九億円ということに相なつております。これに二十六年度からの繰越金が三十五億円加わりまして、資金の收入総量は三百四億円ということに相なつておりまして、これから次年度に繰越し予定のものを一応二十四億円程度に踏みまして、資金量といたしましては二百八十億円ということになつておるわけであります。これは一応予算上そういうことになつておるのでありまして、現実に二十六年度の収支を締め切つた場合の繰越しは、これとは若干異なつた数字になつておると思いますが、いずれそれらの数字が固まりますれば、全体の資金量を確定いたすことと思います。しかし大体の見当といたしましては、開発銀行からは二百八十億円の資金が考えられる。この程度のことは間違いないと思います。次は農林漁業資金融通特別会計であります。これは総額は二百億円ということになつております。内訳といたしましては、一般会計からの出資が六十億円、見返り資金からの借入れが三十億円、それに資金運用部から百十億円の借入れ、こういうことで全体で二百億円ということになつております。以上見返り資金の関係で四百六十億円、開発銀行の関係で二百八十億円、農林漁業特別会計の関係で二百億円で、ほぼ千億円の資金が、この基本計画の対象となる政府資金ということができると思うのであります。これに対しまして、資金の需要が幾らあるかという問題でありますが、この資金の需要は、これはとり方によりましては、非常に厖大な需要になるのでありまして、潜在的ないろいろな需要を含めますと、おそらくこれに見合う資金量の数倍に達する需要があるものと考えていいと思います。大体設備資金を対象としております関係上、資金調達は政府資金を重点的に投資いたします場合においても、そのほか各企業の自己資金なり、あるいはその他一般市中銀行からの借入れ、あるいは社債、株式による調達資金というようなものを含めまして、これらの需要をまかなつて行くということになるわけであります。大体の資金の需給計画につきましては、この程度にしかただいまのところお答えできないのであります。
○滿尾委員 大体のアウトラインはわかつたのでありますが、私の聞き落しかもわかりませんが、復金の貸付金の返つて来る金額が、年々数百億あるだろうと思う。それの金はどこに入つておりますか。いわゆる見返り資金の四百六十億のうちに含まつておるのかどうかという点が一点、それから今回のこの作文を拝見いたし——作文と言つては失礼だが、作文を拝見いたしますると、交通施設の合理化、近代化をはかるということが書いてある。なるほどこの面がこの案に現われるところを見ると、外航の海運について、一応そのことを御心配になつておるようであります。その点は私ども満腔の敬意を表して、御賛成申し上げておるのでありますが、さらに陸運の事業に関しましてここに記載されておりますものは、わずかに私鉄の新線建設という一項だけにとどまつております。ところが御存じの通り今日の状態でわが国の私鉄が新線を建設するということは非常に困難がある。物価が非常に上つて、建設費がかさんで、なかなかバランスのとれない事情にございますし、これは非常にむずかしい仕事である。でありますから、実際の見通しとして考えれば、一年に一体一線もあるかないかという程度のものではあるまいか。これではまつたく国家資金が陸運の面に有名無実になつて素通りをしておるということになるのである。ところが私はこれは他の政府委員にお伺いしたいのでありますが、一体わが国の私鉄の現状というものは相当に設備の老朽がある。かように人命財産を扱つており、また社会活動の根幹をなす事業が、設備の入れかえと申しますか、改良と、設備を拡充しないまでも、軌條の交換とか、車両の新陳代謝とかいつたような、補充入れかえという面、あるいは増加して行く交通量に対して最小限度の改良工事をするとしても、どの程度の資金を年々歳々必要とする立場にあるか、大体の結論だけでよろしゆうございますから、政府委員から御答弁をいただきたい。 また自動車交通事業にいたしましても、今日のバス交通網というものは、これはもうほんとうの国民生活の動脈になつておる。また戰後著しいバスの発達を見たのでありますけれども、すでに四年、五年たちまして、そろそろ車両の入れかえをしなければならぬ時期に来ております。自動車局長にこれは特に注文したいのでありますが、一昨日でありましたか、日光で東武鉄道のバスが転落して、非常に重大事故を起しております。ここらにもバスの車体の老朽という問題があるのじやないか。あの事故につきましては、われわれ運輸委員としまして深甚な関心を持つておりますから、早急に原因を究明されまして、徹底的な御報告をお願い申し上げたいと考えておるのであります。かようなわけで、またトラック事業にいたしましても、戰前と違いまして、定期便のトラック事業というものが非常に網を張つて来た。またこれが今日のわが国の経済組織のもう切つても切れぬ一環となりつつあると思うのでございます。これらに対する車両の入れかえ、あるいは若干の業務の拡張というような面から見まして、どの程度の設備資金を必要とするものと見ておられるか、これは自動車局長の御意見を伺いたい。 また観光事業につきましては、つい先ほどホテルの助成に関する法案をわれわれは可決したのでありますが、私の考えではホテルの助成というようなしかもそれもわずかに税制上の若干の手加減をする、こういつたようなことでわが国の観光事業というものに、活が入れられるとは思わない。もつとほんとうに画龍点睛の、一番大事な国家の助成方針というものは、このホテル建設資金そのものについて、強力なる援助の手を差延べるところにある。ところが税制上の手加減くらいのことでお茶を濁しているようなことでは、わが国の観光国策というものは、きわめて政策が貧困であると言わねばならぬ、私はかように思うのであります。それでどうしても国際観光ホテルについて——いかがわしい国内のホテルに対しての融資は、一般産業と一緒でよろしい。しかし重点的に三箇所か四箇所、これはと思うほんとうの外客接遇のためのホテルに対しては、国家が腰を入れて資金の援助をすべきものであると私は考える。かような角度に限定してみて、政府当局はどの程度の国際観光ホテル建設貸金を必要としておられるか、お見込みを伺いたい。
○塩谷説明員 ただいまの御質問のうち、私に関係いたしましたものについてお答えいたします。まず第一に復金の回収金で、年々数百億に上る資金が、どこに隠れておるかというお話でございますが、これはただいま復金は開発銀行に吸収いたされまして、復金の過去の貸付金の回収は、すべて開発銀行に入ることになつております。先ほど私が御説明申し上げた開発銀行の資金計画のうち、利息及び回収金に相当する九十九億円というのは、主として復金からの回収金を予定したものでございます。これは先ほどもお話申し上げましたように、一応の予算でございますので、回収のやり方いかんによりましては、この金額より若干増加することはあり得ると存じますが、ただこれが数百億に一挙に増加するということは、考えられないのであります。 第二点のこの政府資金の基本計画の中に、交通施設の合理化、近代化について書いてあるが、現実には私鉄の新線の建設だけがあつて、その他の私鉄の補修、あるいは自動車運送事業、あるいは観光事業等については、見るべきものがないという御質問でございますが、私といたしましては観光事業、あるいは自動車運送事業、あるいは私鉄の補修資金等、これはいずれも国家経済の上から見ましても、きわめて緊要な事業であり、かつこれに要する資金については、できるだけ援助の方法を考えるべきであるというように思いますが、ただ政府資金の対象として考えられます條件といたしましては、一つはその企業が自己資金その他の資金調達の方法によつて、資金が供給され得るようなケースについては、なるべく他の資金に持つて行きたいということもございますし、それから産業自体の開発あるいは促進という見地を重点といたしておりますので、ただいまの自動車運送事業その他につきましてそういう見地から必要なものがあれば、もちろんこれはこの基本計画の対象として考えてもいいわけでございます。しかしそれにもう一つ資金の量等の関係がございます。政府資金は、なるほど先ほど申し上げましたように、総額ではきわめて多額に上つておりますが、これも需要と比べますと、きわめて少い資金でございます。ことに開発銀行につきましては、先ほど二百八十億円の財源があるというように御説明いたしましたが、このうち電源開発に関連いたしまして、自家発電に使用いたしますものと、それから電源開発会社といいますか、今審議されておりまする電源開発機関に対しまする出資が五十億円ございます。これらを控除いたしますと、さらに鉄鋼、石炭等の基礎産業に対する資金を予定いたしますれば、その他産業に対する資金量というものは、きわめて限られた金額になるわけでございます。これをもつて非常にたくさんの資金需要に応ずるということは、その間の調整に非常に苦心を要するところでございます。政府資金の基本計画によりましては、交通施設の合理化、近代化は、重点的な資金の対象にすべきであるということは考えておりますが、ただいま申し上げたような資金の源泉との関連におきまして、緊要であるものも、多くは削除せざるを得なかつたという事情もございます。さしあたつてつくりましたこの基本計画の中には、今御指摘の自動車あるいは観光事業等については、取上げてないわけでございます。しかし開発銀行が、今後復金の回収金あるいは利息等におきまして、予定以上の財源を得るような見通しが明確になるような事態に至りますれば、当然こういう意味の重要産業に対して、資金の運用を考えてしかるべきだ、こういうぐあいに考えております。
○山内政府委員 ただいま滿尾委員かち、私鉄状況について御質問があつたのでございますが、私どもといたしましても、この私鉄が戰時中及び戰後、資材の割当が非常に少かつた。特に鉄道というものの性格上、広地域に分布しておりますために、戦災を受ける度合いが非常に高かつたということによりまして、現在の状態がいまだ戦前に復していない。その結果この輸送の安全性を保ちますために、できるだけ経営者には施設の改良、補修等に重点を置いて、安全性を高め、及び交通の需要に応ずるように要望しておるわけでありますが、残念ながら資金のわくそのものが非常に制約されておりますために、いまだ戰前の状態に達しておらないのではないかと心配いたしております。例をとりましてただいまの御質問に答えますと、昭和十一年度には、非常に大ざつぱな数字で恐れ入りますが、大体におきまして二万四千両程度の私鉄の車両がありました。それが現在大体二万二千両というような車両をもつて、現在私鉄の輸送をやつておるわけでありますが、御存じの通り輸送量というものは、戰後ふえておる。それに対して少い車両で運行しておるという状態でありまして、交通の乗車効率の面からいたしましても、非常に高い輸送を今いたしておる次第であります。それに対しまして一十七年度の計画といたしまして、経営者の出して来ましたのは、廃車が六百九十六両、増備車、この中には国鉄からの拂下げと新造とを含んでおるのでありますが、つ千二百四十八両、われわれの方で現在の單価で計算いたしますと、四十四億三千万円というものが、本年度電鉄界で所要する資金となつております。御承知の通りこれは資本の増加あるいは社債の発行及び自己資金であるところの減価償却というものでまかなつて行くのでありますが、これだけの金はとうていまかなえないのであります。その点で非常に金融界に対する要望が高まつております。そのほか補修の金といたしましては、軌條の交換というものが非常に大きな数字に上つて来るのでありますが、大体二十七年度の計画といたしましては、五万トンの軌條を交換しなければならないということになつております。これは大体トン五万五千円ということで計算いたしますと、二十七億五千万円という金がその面でいるということになります。そのほかまくら木につきましても、大体二十七年度の交換数量を二百五十万ちようとわれわれの方は現在推定いたしておりますが、それに対する金額は、大体十九億円ということになりまして、二十七億五千万円、四十四億三千万円、十九億円という頭の数字をとつてみましても、八十億八千万円という非常に多額の資金を要するわけでありまして、とうていわれわれの見るところでは、自己資金においてこれをまかなうというわけにも行かないのではないかと思いますので、幸い安本のその方の課長もお見えになつておりますので、現在の開眼のわくを、この企業の合理化という面におきまして、私鉄の方にも開銀のわくの広がり次第お広め願いたいということは、私たち私鉄を直接見ております者からいたしましても、熱望してやまない次第でございます。
○中村(豊)政府委員 自動車の金融の問題でございますが、滿尾委員から強く御指摘がありましたように、まことに金融難で、事業は設備の更新ができずに、非常に困つている次第でございます。御承知のように自動車の年齢は非常に老朽化しまして、これを年々相当台数更新して行かないと、重大な事故を起し、これが人命または輸送貨物に大きな障害を與えるので、この点は運輸省としてもあらゆる方法を講じて、金融のごあつせんをしているわけでございます。ところが何分にも中小企業でありますために、なかなか自己の信用によつては融資がつけられない。しかもこの数年間非常に営業が不振であるために、なかなか市中銀行の信用を得られずに、非常に困つている次第でございます。従いまして開発銀行のような政府資金によつて、何らか金融のわくをつくつていただきたいと、関係方面とかねがね折衝していたのでありますが、まだ成功しないことを非常に残念に思つております。そのほかの金融の方法としては、昨年国会で可決していただきました自動車抵当法というものによつて、幾らかでも融資の足し前にいたしたい。また今回議員提案で、国会で御審議願うように伺つておりますところの自動車事業の財団抵当法というものによつて、融資の道を円滑にしていただく、こういうことを考えておるのでございますが、最もはつきりした老朽車両の更新用の資金については、ぜひ開発銀行その他のわくを要望したいのでございます。その額はどのくらいになるかと申し上げますと、最小限度のところでわれわれが調べた概数を申し上げますと、バスにおいては大体古くなつた車の補充用、いわゆる老朽設備の更新用になるわけでありますが、これが百億円、四千台の廃車補充がいりますので、これを百億円と見たわけであります。なおバスは、御承知のように年々歳々発展する、その増車用の車を見込まなければいけないのでありまして、これに千台分の二十五億という資金がいる。合計百二十五億の資金が車両費として必要だと思つております。次はトラツクでございますが、これは平均年齢が八年にもなりまして非常に古いので、相当の廃車補充がいるので、増車用を見込まずに廃車補充だけ見ましても、八十五億一千万円という額を考えたいのであります。その次に事業用の乗用車、つまりタクシー、ハイヤーでございますが、これはごらんになつておわかりになるように、非常におんボロ車で、平均寿命が十四年になつておりますので、この営業用乗用車については、廃車補充だけで六十八億九千万円ばかりいる。これらを合計しますと、車両購入資金として二百七十九億円の資金がいるのでございます。なおそのほかに、車両以外の設備、車庫その他の設備に約一割の二十五億円がいりますので、合計総資金として、最小限度三百四億円ほどの資金が緊急に要望されるわけでございます。この点につきまして、御指摘のような政府資金の融資の道を何とかしてつけたいものだということを考えておるわけでございます。 なお御指摘がございました事故が非常に多く、しかも先般の東武バスが非常に重大な問題を惹起したのでございますが、この点につきましてはただいま原因を調査中でございます。ただいままでにわかりました原因は、プロペラ・シヤフトが折れまして、それが下にたれ下つたために、エア・ホースを切つて、従つてブレーキがきかないために、下り坂を止めようがなくて激突してしまつたということでございます。大体その原因はそのようでありますが、そのよつて来る理由は何であつたか、つまり設計上の不備なのか、あるいは製作上の不備なのか、整備上あるいは点検上の不備に基くものか、運転が不良であつたのか、その起つた理由について目下調査中でございます。この点が明らかになれば、御報告申し上げると同時に、われわれとしては嚴重に戒告して、二度と再びこのような事故を起さないように努力するつもりでございます。
○間嶋政府委員 観光ホテルに対しまする開発銀行からの融資につきましては、昭和二十六年度においては、見返り資金によるホテル新増設の継続工事というものが、一応認められておつたのでありまして、その対象としては神戸と名古屋のホテルが上つておつたのであります。このうち神戸のホテルに対しましては六十万円、開発銀行の方から融資が出ましたが、名古屋の方はいろいろ事情がございまして、開発銀行の資金にたよらずして、二十五年度の見返り資金だけを一応対象にして考えるというふうに、その後計画を変更いたしたのであります。二十七年度におきましては、私どもの方では、資金あつせんを依頼して参りました十五、六のホテルをよく調べまして、また政府の資金量ともにらみ合せまして、ホテルの接収が大幅に解除されました後においても、なおかつホテルの設備が相当不足しておる地点におきまして、計画が非常に具体的であり、しかも内容が確実だというふうなものを選んで、経済安定本部に要求いたしたのであります。具体的に申しますと、東京、横浜、大阪におきまするホテルの新設に対しまして三億五千万円、これを最小限度として要求いたした次第であります。ところがその結果は、一応別表には業種としては上らなかつた。しかしある程度これについては別表にあげられた業種と同等に扱うようにということを、開発銀行の方にも要望するというふうな程度の了解は得ておるのであります。
○滿尾委員 ただいま政府委員の各位から、それぞれの御専門について十分なお話をいただきまして、まことにありがとうございました。以上私のお尋ねいたしました各事業面におきまして、資金の需要というものは非常に厖大な数字があげられております。もちろんこれらの資金需要をそのまま国家資金に依存するということは考えられない、大部分は自己資金でもつて行くのが、やはりほんとうであろうと私も考えております。しかしながら国家資金がその一部といえども、またそのうちの特に超重点的な性格のものについてだけでも、めんどうを見るということが、私はやはり国の交通政策だろうと思う。ところが先ほどの運輸大臣の御説明のお言葉をつかまえるようではなはだ心苦しいのでありますが、今回のこの資金計画の策定の中では、中小企業の中で一応考えたのだ、また他の事業との振合い等も考えて、大体こういうことになつたのだという御説明があつたのでございまするが、実はこの交通運輸事業を中小企業のわくでのみお考えになるのは少し無理かと思う。ことに私設鉄道のごときにつきましては、大体厖大な資金が固定するのがこの事業の本質でありまして、運輸大臣にはもう釈迦に説法、それは知り過ぎていらつしやることだと思うのであります。私はこの中小企業のわくでお考えいただくという点に、一つの難点があつたと思う。また他の産業との振合いというお話も出ましたが、ほかの産業の悪口めいたことを申し上げるのはちよつと気がさすのでありますけれども、しいてひとつ具体的に申しますれば、たとえばミシンの製造設備の合理化というものが——先般私はアメリカへ参りまして、日本のミシンがいかに輸出されておるかという実情を調べたのでありまするが、非常なダンピングをやつて日本ミシンというものは非常に安過ぎる。ドイツから来るミシンに比べてもうんと安い。日本の業者同士が安く安いと——たしか一台二十ドルとか十五ドルとかの値段で売つておるというようなことを言つておりました。もうとても安い値段で、安いがゆえに悪かろうという臆測を起させ、また悪いものも入つておつたらしい。非常に声価を落しておるような事態——そういうものがなるほど外国に若干輸出はされておるに違いないけれども、ここに入つておつて、この産業活動の根幹になつておる特定の産業を育成するのが目的だ、具体的な産業を育成するのが目的だとおつしやいましたけれども、国家資金の使い方として考えれば、人間に空気や水がなければ生存はできない、どんなうまい料理があつても、水や空気がなければ生きておれない、交通事業というものは、ちようどわれわれの生活の上の空気や水に該当する。色もなければ味もないようなものでありますけれども、一たびとまつたならば、立ちどころに全機能が麻痺するのでありますから、これらの点について安本の方におかれましては、少し認識が足らぬのじやないかというような気がするのであります。それを最も正確に代弁していただく運輸大臣のお考えにおきましても、中小企業や他の振合いで安心しておつていただいたのでは、われわれ非常に物足りなく感ずるわけであります。かように考えましてこの際どうしても、今日までの御決定は御決定といたしまして、当運輸委員会といたしまして独自の見解に立ちまして、これらの融資のわくを拡大することについて、はつきりした意思表示を実はいたしたいと考えるのであります。資金のわくのことも当然考えねばなりませんが、復金の返つた金が九十九億くらい見込んであるというお話です。私は復金に深く関係しておつた人と、プライヴエートにいろいろ意見を交換してみたのでありますが、復金の貸付の回収状況はどうですか、いや思つたより非常な好成績だ。私どももかつての復金のあせり方、あれは借りたら返さぬつもりで借りたやつばかりかと実は思つておつたところが、実績を伺つてみるとなかなか金の返り方がよろしい。して見れば、お役所が非常にかたくふまれた九十九億というものは、ここに何十億かのさばが読まれてあるのではないか、ここに相当のゆとりがある。陸運の譜面に対する融資の要請に対しましても、なるほどそれぞれ専門の角度から無慮数億、数十億の計上がありますけれども、それはそれの話といたしまして、せいぜい私は全体で十億か二十億くらいのめんどうをみていただくだけでも、この面に対しての金は非常に生きて使われる。その十億は自己資金なりまた民間資金を吸収することによりまして、何十億かの種になる、かように考える次第でありますから、金額のさ少のことはいろいろな面から安本において十分御研究いただくことにして、少くともこのわくを広げていただく。また観光事業につきましては、過去においてすでに実績のあつたものをこの際落すようなお考えというものは、これはおかしな話である。まあ内々実は政党の幹部諸公ともいろいろ、本日この話をしますについては意見を交換した。そうしたら、まことに言いにくいことでありまするが、対外関係の響き等もあつて、ちよつと伏せておいたのだよというような説もあつたのでありますが、もう講和の発効も近いことでありますし、またそれが非常に目立つような方面でなければ、それもいささか取越し苦労かと私は感ずる。かような見地に立ちまして、私はこの際動議を提出いたしたい。つまりこの陸運の諸面に対して国家資金を融通するわくを拡大してほしいという意味の決議案を、当委員会にお諮りいたしたいのであります。読んでみます。 昭和二十七年度における政府資金融資に関する決議案 現在政府は、経済の自立を目途とし、政府資金の効率的且つ重点運用を企画し(昭和二十七年度における政府資金の融資の対象となるべき産業及び交通に関する基本計画)、その融資の対象として陸運においては僅かに私鉄の新線建設のみをあげているが、産業の基幹である陸上輸送力の強化をはかるため陸運諸事業の整備は最も緊要であり、又国際収支の改善に資するため、国際観光施設の拡充を最も必要と認めるから、この際融資の対象として、陸運業中、私鉄については、老朽車両、軌道その他諸施設の更新近代化、自動車運送事業については、老朽車の更新拡充を加えると共に、国際観光ホテル事業については、外客宿泊施設の新設改良を追加すべきである。 右決議する。
○岡村委員長 滿尾君提出の決議案を、本委員会の決議とするに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○岡村委員長 御異議なければさよう決します。
○滿尾委員 運輸大臣に一言お尋ね申し上げたいのでありますが、戰前においてわが国は地方鉄道に対して補助法という法律を持つておつた。長年国家は一面において監督をするとともに、補助をやつて来たのでありまするが、敗戰後いろいろな事情のために、そのことがずつととだえておりました。 〔委員長退席、黒澤委員長代理着席〕 新しい時代が来るのでありますが、一体交通政策というものを考えてみましたときに、国家は交通事業に対して強力なる規制を加えて、嚴重なる監督をしておる。われわれもその驥尾に付していろいろやかましいことを申し上げておるわけでありますが、そのたての反面といたしまして、必要な場合にこれを助成するという施策が、今日のところ著しく欠けておるように思うのでありますが、運輸大臣は適当な機会において、過去におけるような鉄道補助法というようなものを御立案になる御意思があるかどうかお伺いいたします。
○村上国務大臣 今地方鉄道の補助法復活という問題についての御意見を伺いましたが、私としても今日の実情にかんがみまして、きわめて必要であると思うのであります。先刻政府資金の開発銀行を経ての融資ということについて、政府委員の方からも申し述べましたような実情に置かれてあるのであります。のみならず極端な例をもつていいますれば、かの草軽鉄道のごとき非常な困難に陷つておる。関係の両県におきまして、相当まとまつた補助をせんければ事業を継続することは困難だ、今後に対しては可能であるが、過去の欠損を補充することができないということは、まさにこれは特殊の理由もそれに加わつて競合しておるとは思いまするが、しかしながら補助法のごときものがなかつたために、ここに至らしめたということも言い得ると思うのであります。特殊の事情のもとにある鉄道等に対して、政府はこれを国民交通のために助成して行くということは、今日といえども必要であるということを痛感しておる次第であります。なるべくすみやかな機会をとらえて講和発効になりました後において、善処いたしたいと考えておる次第であります。
○畠山(鶴)委員 先ほど運輸大臣がおられませんので、どうもそつぽへしやべつてしまつたのですが、ただいま滿尾委員から話されたこととやや同一の問題でありますが、私が遺憾に思う点は、運輸省の観光部が大臣官房直轄の所管でありながら、はなはだ今度の取扱い措置に対しては何だか冷淡ではないか、今まででも少し恩情が足らなかつたような感があることは、今や国際親善をモットーとして、国際問題というこの大きなわくから考えましたときに、観光事業というものはますます重大であるにもかかわらず、現在の段階におきましてはこれを縮小する、これを小さくして手足の動かないような形をとる結果になるように私ども思いますので、この点はなはだ遺憾と考えますので、運輸大臣といたしましてはどういう御意見をお持ちになつておるか、一言お伺いしてみたいと思います。
○村上国務大臣 おそらく行政機構の改正の問題を御指摘になつておることと拝察するのでありますが、今回の改正案につきましては、今まだ国会に御審議を願うべく、提案という直前にあると思うのであります。今回の改正は、ただ官房及び各内局の部を廃止することが、一つの機構改正の項目にあげられておるということから、今までの観光部が観光課になる、こういうことであります。内容は拡大もなければ、縮小もない、ただ名前のみかわるというのが、今回の変化といえば名前の変化、こういうことであるのであります。なお基本的に申し述べれば、日本の経済存立、財政存立の見地からいいまして、観光事業がいかに必要であるか、また過去においてどういう役割を持つて来たかということを顧れば、これは明瞭でありまして、きわめて重要な事業であることは御指摘の通りであります。そうして特に今講和が発効するということに直面しておりまして、さらに一層これがフツトライトを浴びるという段階に今達しておる。しかるに何らの縮小はしなくても、そこに国是として必要な機構を整えないということは、はなはだ当を得ておらないということは、私も御説と同感なのであります。しかし御承知の通りに観光事業に関連した機構が、今三箇所にわかれておるのであります。この問題も同時に解決をせんければ、本格的な育成助長の仕事ができない、完璧を期し得ないと考えておるのであります。この機構の実質的な完璧を期すると同時に、今御指摘の機構も同時に直して行きたいと、しばらく他日に讓つた、こういう気持を私は持つておるような次第であります。 —————————————
○滿尾委員 昨日この道路法案に対しますところの建設並びに運輸の合同審査があつたのでございます。私同僚諸君と一緒に参りまして、それぞれの質疑をいたしました。同法案に対しまして、当運輸委員会といたしまして修正意見を申し入れたらどうかという意見を持つておるのでありまするが、右修正意見に関する動議を提出いたしたいと思います。 同法の第六十二條特別負担金に関する條項を削除したい、こういう意見を建設委員会に申し入れたいという動議でございます。
○黒澤委員長代理 滿尾君の動議のごとく決するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○黒澤委員長代理 なければ動議のごとく決しました。 決議案及び申し入れの取扱いについては、委員長に御一任を願います。 本日はこれにて散会いたします。 午後零時五十八分散会