法務委員会 第8号
- 発言数
- 52 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1951/11/22
会議録
○委員長(小野義夫君) 只今より委員会を開きます。 法務総裁が御出席になりましたから、昨日に引続き御質疑を願います。
○一松定吉君 今審議中の裁判官の報酬等に関する法律案、検察官の俸給等に関する法律案、この法律案についての先ず当委員会の態度をきめまして、それから後にこれに牽連するものは勿論、難しないいろいろな法務総裁その他に対する質問を進行するというようなことに取計らうとよろしいのではないかと思います。
○委員長(小野義夫君) 是非そういうことに、皆様の御意見に従いまして、この四つの法案を今提案されておるのでありますが、ちよつと速記をとめて下さい。 〔速記中止〕
○委員長(小野義夫君) 速記を始めて下さい。先ほど言いましたように先ず四つの法案、裁判所職員臨時措置法案、裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律案、検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する法律案、裁判所職員定員法の一部を改正する法律案、以上四案を便宜一括して議題に供します。御質問のあるかたは順次御質問を願います。
○伊藤修君 この際法案に関係して、一点質問いたします。最近官公吏の汚職事件が非常な増加率を示して来ておるということは誠に寒心に堪えない次第でありますが、それに伴うてと言うては或いは語弊があるかも知れませんが、我々が常に信頼しておかないところの司法陣においても、大なり小なりそういう傾向が現われているのじやないか、裁判所関係においては余り耳にしないのですが、検察関係においては、いわゆる事務官制度を設け、検事制度を設けたという関係からも、そうなるのかもわからんと思うのですが、要するに従来の検察庁の堅陣がその一角から崩れたとも言うべきであろうと思うのですが、私たちが耳にする範囲においても、函館において、或いは広島でしたか、鳥取でしたかにおいても、検察庁関係においていろいろな汚職事件が摘発されておる、京都にもあつにように思うのですが、こういう傾向にあることは誠に寒心に堪えないのです。これに対する法務総裁の断固たる御意思をこの際お示しをお願いするということは、国民の信頼に応えるところの昔の検察陣を改めてここで強化するというような意味においても、私は必要ではなかろうかと思うのですが、この点に対するところの法務総裁の御意見を先ずお伺いしたいと思います。
○国務大臣(大橋武夫君) 各官庁におきまする汚職事件が頻々と伝えられますることは、誠に官紀の上から申しまして遺憾千万に存ずる次第でございます。この是正の方法といたしましては、それぞれ各官庁の長官を初め幹部においても、それぞれの立場から十分に考究をされ、適切な処置をとられることとを確信をいたしておるのでございまするが、特に法務府といたしましては、汚職の摘発につきまして検察庁を督励いたしまして、この面から是正を図ることが必要である、こういうふうに考えておる次第でございます。従いまして、その官紀粛正のために重大なる役割を担わされまするところの検察庁自体において、いやしくもこの種の事件が発生をいたすということは、これは言語道断と言わなければならないのでございます。実際のあり方を申上げますると、検察庁におきましても絶無とは申せないのでございます。殊に只今お述べになりましたごとく、下級の検察事務官等におきまして、同種の行動が見られるということはときどきあるのでございます。勿論これらの事案につきましては、法務府といたしましては、本人に対しまして嚴重なる対策を講じまするは勿論、監督者に対しましても、それぞれ監督不行届の廉を以て行政上の措置をいたしておるのでございますが、又長官会同その他あらゆる機会におきまして、かような事態を未然に防止いたしますると共に、部下に対する長官の監督の強化を促しておるような次第なのでございます。この上とも、かような事態に対しましてはますます事前の防遏ということに努力をいたしたい、かように考えておる次第でございます。
○伊藤修君 法務総裁のお言葉は全面的にその意を得たものと考えられますが、いま少し積極的に私は御行動を願いたいと思うのであります。いわゆる一般官吏の粛正を図るには、先ず以てその粛正せんとするところの検察陣において足元を明るくして断固として向う、これに対処するという考え方でなくては、私はこの粛正の実は挙がらないと思うのです。それにはやはり法務総裁から、この際特に検察陣に対しまして、先ず彼らの行動に対するところの粛正の言を強く一つ訓示して頂く、通達して頂くとか、何らかの意思表示をなさるということが一つの形式において、彼らの精神的にいろんないい反響があるものと考えられますが、この際は特に先ず検察陣からその意図を明らかにするという方向に出られることが好ましいと思うのですが、そのお考えがおありになるのですか、どうですか。
○国務大臣(大橋武夫君) 各種の会同等におきまして、常にその旨を訓示いたしておりまするが、併しかような事柄は如何なる場合に幾ら繰返しても差支えのないことでございます。幸いにここ一、二週間のうちに全国の長官会同も開催することに相成つておりまするから、その際におきまして、御趣旨を体しまして十分改めて訓示をいたしたいとかように思います。
○伊藤修君 最近の事例でありますけれども、こういうような事例があるのです。昭和二十四年に或る漁網会社が国有綿の配給を受けておりました。それを漁網に製造すべく綿糸に加工をいたしておつた、たまたま加工が遅れておつたために、それを自己に引取つて撚糸すべく引取りを交渉して引取ることになつた、それを奇貨といたしまして、その会社の重役がその綿糸二十梱、八千ポンドを横流しした、こういう事情があるのです。そのうち四千ポンドは返還付せられて、残り四千ポンドはそのまま差押えをされておつた。事案といたしましては、その重役個人の闇行為は勿論統制違反で摘発される、会社といたしましては、ただ形式違反で以て、いわゆる綿糸の移動証明はあるけれども、原綿の移動証明はないというので、いわゆる移動証明のないことの形式違反で起訴された。でありますから、その差押えられた物件は何ら犯罪には関係がないのです。にもかかわらず、証拠品として必要であると、こういう意味で差押えられておつたが、必要であるとおつしやるのだから默つておつた、最近その事案は形式違反に対しましては罰金十万円で終つたわけであります。事件が終了して、その原綿を還付申請いたしましたとろが、すでにそれは換価処分してしまつた、こういう答弁であつた、併し如何に国家権力といたしましても、処分する権限はあつても、それを買う権限はないのです。従つて買うのには通産省の配給証明がなくては買えないのだから、換価処分ができるはずがない。それを換価処分したとするなら、それは金はどうしたのだ、記録上にもないじやないか、それで荏苒取調べるといつて一カ月もそれを延ばした。どうしたのだといつて最近聞いたところが、結局まだ電話で出て来ないとこういう。若しこれが弁護士とか、或いは一般の人がやつたならば、直ちにその人は逮捕されるのです。検察庁内のことだというと、半月も一カ月も荏苒として調査しない。で、一昨日漸やく私は、先ず関係者、検事も署長もすべてを一遍呼び出して調査すべきじやないか、いやしくも物があるかないかということははつきりさして、それに対する責任を問うべきだ。結局その翌日関係者を全部呼んだところが、あに図らんや、その品物は差押えされた直後、いわゆる保管しておる倉庫から引出してよそに又闇で売つてしまつたというのです。それが今日三年の後初めてわかつたというのです。少くともトラックに一杯も二杯もあるような四千ポンドという大量のものを倉庫から引出して売つておるのに今日知らなかつた。いわゆる業務横領だと、こういうことになる。国民は国家が差押えたと思つて安心していても、国家自身が闇行為を摘発しておつて、その闇行為を摘発した品物を押えておつて、すぐ闇で売つてしまつたということになると、これでは今日の検察陣営に対する信頼というものが国民から離れて行つてしまうのではないか、こういう事案にたまたま私ぶつかつたのですが、こういう事案はまだほかにもたくさんある。最近証拠物が頻々としてなくなるということは、庁内においていろいろな不正が行われ、函館においての公金の保管物の横領もやはりそうなんです。こういう弛緩したところの検察陣営で一般公務員の官紀粛正を行おうということは、私はそれ自体において矛盾があるのではないかと思います。この際よほど徹底的に法務総裁において御訓示賜わらんと、又適当な処置をとつて頂かないと、ひいては国家の一番信頼性の高い司法権に対する国民の信頼を裏切り、離反して行くということは由々しい大事だと思いますから、この点は特に法務総裁にお願いしておきたいと思います。それからこの際、検事総長の談ですが、検察庁から発表された朝日新聞に汚職事件の戰後における統計が出ておりますが、私はこれは法務庁におありになることと思いますから、当委員会に、戰後におけるところの一般公務員の汚職事件の統計の資料と戦前の資料と、それから戦時中における資料と、この三通りを一つお出し願いたいと思います。特に検察陣営のやはり三通りの汚職事件の統計を一つ御提出願うことをこの際要求しておきます。
○委員長(小野義夫君) どうぞその資料を一つ御提出願います。 只今問題となつております治安に対する御質疑はありませんか……。別に御発言もなければ、予備付託であります裁判所職員定員法等の一部を改正する法律案を除きまして、他の三案につきまして、は質疑は終了したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(小野義夫君) 御異議ないと認めます。ちよつと速記をとめて下さい。 〔速記中止〕
○委員長(小野義夫君) それでは速記を初めて……。只今申上げました三案につきまして、質疑は終了いたしたものと決定いたします。 次に裁判所職員臨時措置法案を議題に供し、討論に入ります。御意見のおありのかたは賛否を明らかにしてお述べを願います……。別に御発言もなければ、討論は終局したものと認めて直ちに採決に入ります。本案を可とすることに賛成のかたは御挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(小野義夫君) 多数と認めます。よつて本案は多数を似て可決すべきものと決定いたしました。 なお本会議における委員長の口頭報告の内容は、本院規則第百四條によつて、あらかじめ多数意見者の承認を経なければならないことになつておりますが、これは委員長において本案の内容、本委員会における質疑応答の要旨、討論の要旨及び表決の結果を報告することとし、御承認願うことに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(小野義夫君) 御異議ないと認めます。それから本院規則第七十二條によりまして、委員長が議院に提出する報告書につき多数意見者の署名を附することになつておりますから、本案を可とされたかたは順次御署名を願います。 多数意見者署名 伊藤 修 岡部 常 中山 福藏 長谷山行毅 一松 定吉 鬼丸 義齊
○委員長(小野義夫君) 御署名漏れはございませんか。御署名漏れはないと認めます。
○伊藤修君 ちよつと……。先ほど要求した資料は、後の一案を採決する前に御提出願いたいのですが。
○委員長(小野義夫君) ちよつと速記をとめて……。 〔速記中止〕
○委員長(小野義夫君) 速記を始めて……。法務総裁に対する質疑の継続をいたします。資料がお手許に参つておるはずですが。
○須藤五郎君 私これを拝見して見ますと、どうも世間が騒いだり、みんな御心配になるような不穏な言葉も何もないように思うのですが、法務総裁はどこを不穏と御指摘なさるでしようか。
○国務大臣(大橋武夫君) 公開状の内容を私ども問題にいたしておるのではございませんので、公開状の内容は今不問にいたしております。ただ陛下がお出ましになりました際における学生の行動、公開状を陛下に差上げて回答を要求しようとするためにとつた行動が、京都市の公安條例に違反しておりはしないかどうかという点を調査いたしておるだけでございます。公開状の内容自体を今検察庁において問題にいたしておりません。
○須藤五郎君 公開状の内容が問題にならないとおつしやるのでしたら、私が強いてこれを問題にする必要はありませんので、私もこれを見まして、どうもそんな不穏な言辞も使われていないように思いますし、純真な青年たちが、近ずきつつある戰争というような不安を持つて、こういうことを書いたのだろうと思いますので、不問に付されることを私もお願いしておきたいと思いますが、なお一点伺つておきたいのは、学生の行動の問題でありますが、その前に警察側の行動に対して私が聞いておりますことを質しておきたいと思います。それは当日の前々日頃に、日にちをはつきり憶えていないのですが、京都の自警局長が服部総長をお訪ねになりまして、とにかく警察を入れるということを申出ておるようようなことを聞いておるのです。私はこれは服部学長にまだ質してありませんのでわかりませんが、私たちの聞いておるところを申上げるのですが、そうして服部学長が飽くまでもそれを拒否した、警察官を学内に入れることは困るといつて拒否をなすつたときに、それでは君は十日学長になつても知らないぞというような意味の捨科白を残して学長室を出ておるというわけです。即ち十日学長ということは、学長になつて、このことで失敗して十日間で総長を終るという意味の言葉だと解釈するのですが、そういう捨科白を残して総長の部屋を警察局長が出ておるということ、これは私は容易ならんことだと思うのです。若しも警察局長がこういう言葉を以て服部総長を威嚇したとするならば、むしろ問題は警察当局側にあるのではないか、そういうふうに考えるのですが、総裁はこういうことをお耳にしていらつしやるか、又若しもこういうことがあつたら総裁はどういうふうに処置なさいますか、伺つておきたいと思います。
○国務大臣(大橋武夫君) 根本論といたしまして、大学の構内というものはやはり警察権の範囲に属しまするので、警察といたしましては、たとえ大学の学内であろうと、必要と認める場合に警察官を入れることは、これは当然その職権に属する事柄だろうと思います。併しながら実際問題といたしましては、大学の構内に入りまするものは一般の大衆ではなくして、大体において学生であり、そうして学生の行動というものについては、学校当局といたしましては、教育上の立場から或る程度の監督なり、又責任を持つというのが、学校としての性格でございますから、実際上は多くの場合におきまして、学内における学生の行動について、警察が積極的に介入するということは、これはよほど確固たる見通しの下に、秩序の紊乱が予想されるという場合でなければなるまいと思うのであります。又実際問題といたしましては、多くそういう際においては警察当局と学校当局の間に或る程度の相談が持たれまして、その相談の結果によつて処置されておるというのが多いわけでございまして、このたびの京都大学の問題にいたしましても、やはり同様な措置が事前にとられたものと思いまするが、丁度今日は実情調査のために京都へ派遣いたしておりました長谷検事が一緒に参つておりますから、若しお許しがございまするならば、長谷検事からその間の実情を説明させて頂きたいと思います。
○須藤五郎君 是非説明を伺いたいと存じます。
○説明員(長谷多郎君) 長谷でございます。只今の行幸当日における京大の学内の警備の仕方に関する問題につきまして、私先日現地で調査いたした結果について、承知いたしておることを申上げてみます。 この行幸の以前におきまして、大学当局と京都地警側との間におきまして幹部が警備方針について話合をしたのは事実であります。その話合の際には、お説のように不穏当な、或いは両者の意見が対立して激しい言葉になるというような空気は全然なかつたもののごとくであります。相互、お互いに話合がまとまりまして、一時的には、大学が学内の警備を成るべく自分の学内の警備力でやつて見たい、警察はいつでも出れば出られるのであるけれども、成るべくそれでやる方針でやつて見たい、やれそうになかつたり、困つたりするようなことがある場合には、これは警察を頼むが、そのときには一つやつてもらいたい、こういうような話合で、大体それで行けるじやなかろうかと、何と言いますか、紳士協定のような話合で打合せがまとまりまして、それに基いて先般の警備実施が行われたのであります。そのように承知いたしております。
○須藤五郎君 もう少し当日の事情を、私たちが伺つておりますのと少し、いろいろ学生の行動の上についても違うように思いますので、あなたが現地で入手された点をもう少しいろいろ詳しく伺つておきたいと思います。なおあのときに、陛下の車が入ると同時にパトロールカーが続き、君が代を大きく放送して学校の門内に入つて来たということを聞いておりますが、君が代をそういうふうな大きな放送をして来るというようなことは、どういう目的でなされたものか。又君が代は国歌とも何とも……、いろいろの問題のある歌ですが、そういうことがどういう意図の下においてなされたのか、それから聞きますと、新聞にもあつたと思いますが、或るところでは陛下を迎える警察予備隊がカービン銃を捧げ銃という号令の下において、以前の軍隊のごとき形式を以て陛下が迎えられたというような、そういう何だかだんだん軍国主義時代の日本に還つて行くような心配があるような行動が現われて来ておるということに関しまして、そういうことが適当なことであるかどうか。総裁の意見も合せて伺つておきたいと思います。
○国務大臣(大橋武夫君) 警察予備隊が鹵簿に対しましてお出迎えをいたしたということは、これはあるだろうと思います。そうしてその際におきましては、警察予備隊といたしましては、当然国民の象徴たる陛下に対しまして、最高の儀礼によるところの敬礼を捧げるのは、当然であると存じます。その敬礼の仕方はこれは警察予備隊として正規のやり方であるわけであります。
○須藤五郎君 君が代の放送のことに関して……。
○説明員(長谷多郎君) 私の調査いたしました当時の状況では、君が代を放送車でそのように放送いたしました事実は認められておりません。当時放送車に君が代のそういうレコードなど準備いたしておらなかつたのが事実のように現在では思つております。
○須藤五郎君 その当日の模様をもう少し詳わしくお話願えないでしようか。
○説明員(長谷多郎君) 当日の模様と申しますと……。
○須藤五郎君 学生がどんな不穏な行動をとつたかということです。不穏な行動があつたということが問題になつておりますので、私たちはこういうふうな不穏な言動を知ることができませんのです。
○説明員(長谷多郎君) この事実関係の詳細につきましては、当時の私の調査で間違いないという確信が持てる程度には至つておりません。なおその後現地で詳しくいろいろ調査いたしておることと考えておりますが、その結果を待たなければ本当の正確なことは申上げられないのであります。但し今総裁から説明されましたようにデモの形になつて、それが公安條例に違反する形があるように考える、こういう点をおつしやつたのでありますが、それに関連する事実関係といたしましては、これははつきり現認されております写真等によりまして、数百名の学生が、その本来大学の学内規律が及ぶ場所の大学構内におきまして、大学が予定した奉迎の学生の守る基準、秩序維持の方法、そういうものに反した形で予定の線を守らないし、それから学内で使用を禁じておつたプラカード類が相当数立てられております。それから学内で頒布を禁じたビラが相当数撒布される、こういうような形だけから申しましても、その形が当然いわゆるデモに該当するというふうに見られるのでありまして、この形から一応公安條例の違反の疑いがあるという程度だけは、これは申上げられるのじやなかろうか、個々の行動の不穏に亙る程度につきましては、現在私として事実をなお詳細に申上げるほど一々実は覚えておりません。
○須藤五郎君 田代という補導部長が、あの日の出来事は警察官が入つたことがその動機となつているというふうに言つておるのであります。それから学生諸君のいろいろ述べているところを見ますと、天皇というものに非常に好奇心を持つて、そばで天皇の顔を見たい、そういう気持、いろいろなそういう好奇心も手伝つてああいうふうな状態になつたので、決してそのいわゆるデモとか、天皇を脅迫するというふうな観念の下においてなされたのではないということを学生諸君も述べているようであります。ところがそれがすぐすべて悪意的な、いわゆる計画的にああいうことがなされたというふうにすぐ解釈されて、そうしてそれが新聞によつて世間に伝わる、そうしてそういう必要以上の空気を醸成するような方向に持つて行くなんということは私たちは非常に残念に思うのです。その前にあの学生諸君の本当の気持をよく聞いてやつて、そうしてどの点に学生諸君の本当の真意があつたかということを究明して、そうして若しもその上学生諸君の考えが間違つているならば、ここはいけないじやないか、訂正しなきやいけないじやないか、併し学生諸君の純真な気持が若しも当を得たものならば、やはり我々政治家としてその気持を汲んであげて、再びそういう学生諸君が心配のあまりそういう行動をとらないでいいような方向に持つて行かなければ、政治家として責任が果せんじやないか、ただ足蹴に、学生の行動はすべてデモで不穏な行動だというふうな結論をすぐ出してしまうというような、結論を出して足蹴にしてしまうというような行動は私はよろしくないと思うのです。而もそのように数名の学生が責任を問われて無期停学の処分をされているということ、こういうことはどうも私たち少し行き過ぎじやないか、あなたの今おつしやるように、これが本当に違法であるかどうかということがまだ決定されないときに、京都の地裁でしたか、その当時私は新聞で見ましたが、これは公安條例に触れていないというような意見まで出ていたように思うのです。そうしてまだそれが決定しない前に学生の処分が先ずそれに先んじてなされるというようなことは、これは私は学校当局としても行き過ぎであると思うのですが、そういうことが若しも検察庁側の何か慫慂によつて、学長のほうにそういう意思を伝えられることによつて学長が処分しなければならないような羽目になるというようなことは全然ないのでしようか、その点を……。
○国務大臣(大橋武夫君) 検察庁といたしましては、現在この事件について明確に公安條例に違反いたしておるものと認める段階に到達いたしておりません。私が昨日来申上げておりまするのは、違反の容疑がありますので、この点を明確にするために現在なお検察当局においては調査中であると、こういうことを申上げたわけでございます。勿論検察庁といたしましては、この問題につきまして、学生に対する取調もまだ始めておらないようなわけであります。 ただ前回申上げましたる通り、当時の写真等が相当多数撮影されておりまするので、これらを点検いたしまして、検察庁として捜査に着手するや否やということを決定すべき段階になつておるわけでございます。それで捜査すべきものということになりますると、今後十分愼重に捜査を進めて行くものと思います。このために特に今後この事件について積極的に捜査すべきであるかどうかということを決定いたしまするために、今日京都の地方検察庁の検事正が最高検に打合せのために上京して、只今打合せ中であるというような次第でございます。従いまして、これが犯罪を構成するとの前提の下に、大学当局に対してその処分を慫慂するというような行動に出たということは到底考えられないところでございます。
○須藤五郎君 伺いますと、昨日衆議院の法務委員会で、服部総長が見えて何か御意見を吐いていらつしやるようですが、若しも参議院のほうにも来て頂くことができるならば、服部総長は東京のほうに御滞在中だそうですから、お呼び願えたら幸いだと存じます。私たちのほうも、私自身がこの調査をまだいたしておりませんので、あまり確信を持つたいわゆる意見を申述べることもできませんので、本日はこの程度で置きまして、後日又問題がはつきりして参りましたら御質問申上げて行きたいと思ます。
○中山福藏君 私この問題に関連してちよつとお伺いしておきたいのです。法務総裁にちよつと御意見を承わりたいと思います。近頃大学の自治という問題に便乗いたしまして、大学の構内というのは大学自体において取締るというような大体の空気が諸方面において濃厚でありますが、大学というものが一つの学理の探究とか、真理の発見とかに全身全霊を打込むということは勿論のことでございますが、併しそれにも限度というものがありまするし、全然これが日本の国内において治外法権的な取扱いを受けるということは、国家全体から考えまして相当考慮すべき重大なこれは案件であると私は思うのであります。従つてこういうふうな問題が起りまするというと、国家自体も非常に迷惑でありまするし、国民自体も非常に迷惑であります。殊に高等学校、中学校、小学校の生徒の心理に影響を及ぼすということは、これは絶大なものであろうと私は思うのであります。この絶大さというものを或る方面において利用せらるる虞れが多分にあると私は思うのであります。従つてこの大学というものの首脳者と、法務府或いは検察庁の首脳者のかたがたと一応協議をして頂いて、これに対して相当の制限と申しますか、そういうふうな臨時の法的措置を講ずるという必要がおのずからここに考えられなければならん問題じやないかと思うのですが、こういう点についてはどういうお考えをお持ちでございましようか。
○国務大臣(大橋武夫君) 大学の自治ということは確かに叫ばれておりまするが、私は大学の自治というものは、第一には学問研究の自由、それからそれに関連いたしまして、大学の教職員に対しまする人事の面において教授会というものを通じて大学の自治というものが行なわれる。これは法制上認められたる大学の自治であると考えるのであります。併しながら事いやしくも警察上の問題につきまして、大学の自治ということはこれはあり得ないところであると思うのであります。ただ実際問題といたしまして、学内には原則として学生のみが入つておりまするし、従つて学生の行動というものにつきましては、学校といたしましては、ひとりこれを学問の教育をするというばかりでなく、教育の性質上、その行動についても或る程度の監督をするということはこれは当然で、ございまして、その面において警察当局が警察的な立場からする監督と、学校の学内規律の保持並びに教育上の立場からする学生の学内の行動についての学校当局の監督というものは多少重複する部面がありはしないか。この重複する部面におきまして、警察当局が或る程度まで学内の学校当局の監督権というものを信頼し、これを或る程度事実上優先的に考えて行くということはこれはあり得ることではないかと思うのでございます。この点は丁度公務所その他公共の建物の中におきまする秩序の維持ということにつきまして、一応その公共物の管理者の管理権というものを警察が或る程度尊重するということと同じことであつて、これは決して大学の自治とか、或いはそういう公共建物の管理権の範囲内における自治を認めた趣旨ではないのであつて、法律的には飽くまでも警察権の範囲ではありまするが、警察権を事実上運用するに際しまして、その管理権に或る程度の信頼を置いて、その自主的な限界を認めると、こういう意味にほかならないと思うのであります。勿論必要なる場合におきましては、警察権が優先的に国家の権力の代表として活動し得る余地は絶えず留保せられておるものと考えるのでございます。従いましてこの点につきましては、警察当局と学校当局の間において事実上如何なる場合に警察力が学内に入るかということについての事前の打合せ、申合せということをしておくということは、これは実際上適切な措置であると考えるのであります。又そういうことは事実行われておるわけでございまして、東京大学におきましても、東京大学の当局と警視庁当局との間に或る程度の話合いがありまして、東京大学の校内において催されまする集会、デモ等については、一応学校当局がその公安條例による出願書類について意見を付して書類を申達するというような方法によつて、この調整を図るような途を開いておるわけでございます。これは各大学とそれぞれの警察当局との間において適宜にやればよろしかろうと、こう思うのであります。特に検察庁なり、或いは法務当局として、それをその立場から学務当局と話合うという必要は先ず、現在ではないのではなかろうか。警察当局と学校当局で或る程度話合いが付いておりまするから、その程度でよろしいのではないかと、こう考えておるわけでございます。勿論その間にいろいろ今後の実情によりまして重大な問題が発生するというようになりまするならば、法務府といたしましても、この斡旋をいたしまするなり、或いは法務府みずからの責任によつて或る程度の話合いをする必要があればなお立法的な措置をするということも無論辞するものではございませんが、現在の段階としては、警察と大学と話合いで或る程度具体的には解決を見ておるものと、こう考えておる次第でございます。
○中山福藏君 私はこの学生問題というものを一番重くふだんから取扱い、又考えておるものでありまして、学生の気持如何で国家の消長というものは決定付けられると実は考えておるのであります。従つて今日いろんな、今朝の新聞でもございましたが、京都大学の停学処分に関しまして、五、六人の大学長が自分の意見を吐露しておられます。それを見てみまするというと、各人各様の意見があるようでありますが、勿論これは大学の自治の上に立つての主宰者としての考え方でございましようが、この一人々々の考え方というものが相当に純真無垢な青年の気持に滲透して行くということを常に考えておるのであります。従つて現在この学校のあり方、政府のあり方、検察庁のあり方、おのおのがばらばらの立場に立つておるように私はふだんから見ておるのであります。国民全体に共通した国家の動向をどこに持つて行くかという国民全体の共通性というものが今日本にはないと私は見ておる。これは非常に遺憾なことであると今日考えておるのでありますが、殊に私どもの高等学校、大学時代のことを考えてみますというと隔世の感があるのであります。勿論自由奔放な、親から資金を供給されて、学資を供給されておる誠に愛すべき青年らでありまするから、自分の感情と一つの、間違つておるか間違つていないかは別として、一つの理想、時勢の動きに対する感覚性というものが働いて、とんでもないことをこういう青少年が抱いておるということは、これはもう事実であると思うのであります。殊に公開状を御覧なすつてもこういうことをはつきりとこれは書いてある。いわゆる象徴としての天皇は気の毒だからおやめになつたらどうです。我々は天皇制というのは廃止されたほうがいいのだ、こういうことをはつきりここに書いておる。これなんかも憲法否定という気持に立つての意見、これはもうおやめになつたらどうですということは、いわゆる天皇の地位の否定である。こういうことはもう根本的に国民の間に非常な間隔があるということがおのずからはつきりしておるわけであります。こういうふうなことを考えて見まするというと、ばらばら政策というものを一つできるだけ統一したような形で、政府がこの国民全体をどこに持つて行くか、国民全体は戰後においてどういうことを目標にして行かなければならんか。ただ産業の復興だとか、国家の原状回復だとかいうような簡単なものでなくて、もう少し私は政府としては打つべき手があるのではないかと、こういう点について考えておる一員でありますが、どうか一つもう少し大学とか、それから青少年の代表的な団体の首脳者なんかに対しまして、積極的に政府自身が働きかけるということが必要じやないかと思う。そういう点は如何に考えるのでございましようか。
○国務大臣(大橋武夫君) 法務府という立場を離れまして、政府全体という立場から考えますると、確かにお説のごとく、今日の学生の問題というものは極めて重大な問題でございます。従つて今日のように学校当局なり、或いは警察なり、或いは検察庁なり、そうしたものがそれぞれ自分の立場からだけものを考え、自分の責任範囲だけ行動しておるという場合において、果して学生の正しいあり方が期待できるかどうかということについては、これは非常に疑問があると存じます。この問題につきましては、今日私も確信あるお答えをいたすだけの用意がございません。今後とも十分に研究をいたして行きたいと思つております。
○中山福藏君 私最後に一つお伺いしておきたいと思うのでございますが、只今これはこの問題とは別な問題ですが、今朝の新聞でしたか、昨日の新聞でしたか、福岡県のほうで鮮人が送還されるということを恐れて、九州各地から朝鮮人が一カ所に寄つてデモを行なつたという記事が出ておるのですが、今日いろいろな方面から北鮮関係の系統の人々が内地に密入国をして、いろいろな画策をしてるということを諸所で承わつておるのでありますが、これは事実を私は突きとめておりませんから、確なことは申上げかねますが、この戰後におけるところの第三国人の犯罪の増加率を見てみますというと、今は少し下火に向いておるようでありまするけれども、一時相当なものであつたということを考えておるのであります。従つて今日食糧関係の土から申しましも、又思想の傾向の方面から申しましても、第三国人が我が国の将来に、各方面に対して影響を及ぼすというような場合においては、送還するとかせないとかいうことが、これは非常に我が国の将来に対して影響を及ぼす問題だろうと思うのですが、こういう送還問題については将来も又ああいうデモが行われるかも知れませんから、一つ基準を設けて、こういうことをしたら送還するとか、こういう限度においては送還しないとか、一応そういう基準をお示しになる必要があるのではないかと一応考えておるのであります。こういう点についてはどういうふうに法務府はお考えになつておりますか。
○国務大臣(大橋武夫君) この秋に出入国管理令が改正せられまして、それによりまするというと、一定の基準を法律で設けまして、それに該当いたしまする外国人に対しましては、政府において法定の手続による退去命令を出し、強制送還をするということに相成つておるわけでございます。但しいろいろな事情によりまして、これは終戦前より日本に滞在しておりまする朝鮮人諸君はもとより、その後に参りました朝鮮人諸君に対しましても、一応適用がないということに相放つておるのでございまして、現在は従いまして法律上は出入国管理法自体に違反して不正入国をいたしました朝鮮人諸君以外には、朝鮮人諸君に対する強制送還の途が開かれていないのであります。で、昨年の暮に岡崎官房長官が談話を発表せられまして、政府といたしましては、国内の治安、秩序の維持という建前から、これに有害なる行動のあつた朝鮮人諸君は強制送還の途を開きたいという声明をされたのでございまするが、その後今日までこの途は開かれておらないのでございまして、政府といたしましては、なおこの問題を研究をいたしておる状況にあるわけであります。勿論これにつきましては、独立いたしましたる朝鮮の政府と日本政府の間で或る程度の話合いも付けなければならない関係もございます。只今そういつた問題について一般的に朝鮮政府と日本政府が話合いをいたしておりますわけであります。この話合いの結果に基きまして、必要なる法的措置を講じなければならんと、こう考えております。
○委員長(小野義夫君) ちよつと私も一つ今の京大の学生問題について伺つておきたいのは、陛下がおいでになるときに、まあ議院の開会式においでになる場合は、前後の簡単ではあるけれども警備をして、そうしていよいよビルディングの中へお入りになるというところまで警備が続いておると思うのですが、今度の京都の大学で、まあ構内に入られて、そうしていよいよ表玄関のドアを排して中へ校長その他が御先導してお入りになるときのどこまでの警備を続けられましたのですか。
○国務大臣(大橋武夫君) 過日の京都大学に行幸の際におきまする警備の状況を申あげますと、陛下の列は、先ず先頭に先驅車が附いております。先驅車は自動車でございます。警察官が乗つております先駆車が付いております。そうしてその次に御召車が附いておりまして、それから後驅にもやはり警備のための警察官の自動車が附いて、これが門を入りまして、玄関の前に丁度御召車が停車するというような状況に相成つております。なお表門から玄関までの両側には、大学側におききまして、約百五十名の人がこの玄関に参りまする、丁度玄関、門を入りますると真中に芝生がございまして、それを左から廻りまして玄関の前に御召車がとまるというふうな状況でありまして、御退出の際はそれを今度右に廻りまして逆の方向から表門に出る、こういうことになつておりますが、その両側に約百五十名の人を大学が配し、この中に若干警察官も要請によりまして、警備のために配置されておるという状況でございます。ここに図面がございます。
○委員長(小野義夫君) 私どもこれは一人の希望ではないのですが、中山委員から今御説明のあつたがごとく、大学申請にして犯すべからざるようないわゆる警察権とか、その他警護等をなされては、それは学生感情に悪い感情を持つなどとかいうような、こういうことについては非常に疑問がある。若しそういうことを学生が主張するならば、我々の家庭というものは頗る神聖にして容易に犯すべからざるものは大学以上である。そこで今日の学園のあり方につきましては、むしろ社会が一種のそこに我々国民を不安に陥れ入れるような思想、若しくは行動の温床でもある、或いはなり得るようなことがありはしないかというようなことを識者は慮れておる。でありますから、各大学では警察権の中へ立入ることが不法であるとか何とかいうような、或いはそういうことは平生、大学の人間に一任すべきであるというような若し観察が普通の情勢となるということになりまするというと、各私立大学を初め、まだ官立学校なんというのは公吏的な人がその職を行うということはまだよろしいとしましても、単なる私立大学等に至りましては、一個のこれは何も公吏でも何でもないところの教職員がその位置に当つておるのであります。こういよううな観念を各入学の総長が持つておるということは、いろいろな寛嚴その度をどの辺に置くかということは銘々てんやわんやの立場においてやつておるように思うのでありますから、これは一つその法の権威を維持する意味において、私はこの大学総長の寄合い等については、相当法務総裁はその席に臨まれて警察力の強化というようなことは、これは分明国になればなるほどその実例は整備されておると思うのです。決してアメリカがデモクレシーで立派に治つておる国であるからと言つて、警察権の行使、若しくは整備について等閑であつてよろしいということはないのであります。でありますから、今後我々は政治家としてもそうであろうと思うのです。各政治家が相当激しい議論を持つておる場合においても、これらの人の擁護をしてもらうというようなことは当然のことであるのでありますから、いわんやそういう顯官或いは代議士その他に地位を持つておるかたが、警察の擁護を受けることは、大学の校内であろうと何であろうと、それは適当に守つてもらい、そういうことをしてこそ却つて学生諸君を正しき道に……そういうところでやつてはいかん、穏健なるやり方であれば……何も大学にお出でになつたときにやる必要はないのであります。東京に上京してそれぞれの機関が立憲的にあるのだから、京都大学の諸君がそういう思想感情を持つておるならば、ここへ堂々と議会に出て来て、代表者がそれぞれ陳情なり、その他言論を吐くべきだと思うのです。然るにこのような行為に出でずして、そういうことをやるというのは、私はむしろ警察権の整備が不完全であつたから、この機に乗じてやつたんではないかとも考えられるのでありますから、これに対して別に総裁の答弁は要らないですけれども、よほど警察の防禦的警備力を嚴正に充実して、そうしてかかる事件を未然に防ぐ点につきましては、大学たると、その他何たるとを問わず遠慮に及ばない。十分なる警備、堅き警備をしてかかる不祥事件が起きないように、諸般のことをやられることを…、むしろ私は、これは委員長として申上げるよりは、法務委員の一委員としての所見を申上げて希望としたいと思います。
○須藤五郎君 只今の委員長の御発言は我々の尊敬する自由主義者、委員長の御意見としては、私は余りに賛成しがたいと思うのです。そういう方向で行くならば、結局警察国家にならざるを得ないのです。警察国家にならないような方法はどういうふうにしたらいいかということを我々は研究して、そうして未然に防ぐような方向に持つて行かなければならない。そういう心配があるから、警察力をどんどん増強して、警察の力でもう一言半句も文句を言わさない方向へ持つて行くような御意見でしたならば、それは私は賛成しがたいと思うのですが。
○委員長(小野義夫君) ちよつと申上げますが、誤解があるので、私は警察国家というものは、例えば内偵をして、そうしていろいろな……。
○伊藤修君 議論は別として、今のお言葉は委員長としてのお言葉ですか、個人としてのお言葉ですか。
○委員長(小野義夫君) 個人としての意見です。
○伊藤修君 それだけでいい。個人の意見なら自由ですから……。
○委員長(小野義夫君) 誤解があるから補足しますが、私は警察国家と称するものは、人の行動の自由を拘束したり、或いは探偵を付けたり、或いはその他いろいろ投書よつて秘密なことをやつて、そうしてその人を処罰したり何かするということは、私はあの警察国家だという意味であつて、すべての人に自由がある、学生に自由があれば我々にも自由がある。そこで例えば丁度病気の伝染病を防ぐごとくにいろいろな事件が起きないようにすること、これが第一です。これは如何なる場合においても必要で、これこそ警察の任務であつて、それを警察権を濫用して人権を蹂躙したり、或いはその他人の言論、言い分を抑制する、こういうことこそ、いわゆる警察国家として非常に惡いことである。で、その病人のできないようにやるごとくに犯罪予防をやる、つまり泥棒が来ないように、その他事件の起きないように、そういうことを十分にやることが警察の完備ということになるのではないかと私は思う。須藤君の話は……、私は自由主義者ですから、決して彈圧主義者ではありません。
○須藤五郎君 それは私は委員長個人の意見として、私は……。
○委員長(小野義夫君) ちよつと私とほかのかたとの話の内容が違うようですから、ここで今回は散会いたします。 午後零時十八分散会