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12回国会参議院1951/11/14

文部委員会 第9号

発言数
123
登壇者
11
会派数
4
開催日
1951/11/14

会議録

堀越儀郎緑風会

○委員長(堀越儀郎君) これより本日の会議を開きます。地が財政委員会委員木村清司君と地方財政委員会事務局財務部長武岡憲一君のお二人においで願つておりますから御質疑のおありのかたは……。

矢嶋三義第一クラブ

○矢嶋三義君 十一月七日閣議で決定されたという地方公務員の給与改訂について閣議決定の内容について承わりたい。

木村清司地方財政委員会委員

○政府委員(木村清司君) 閣議決定の内容を説明するのは恐らくこれは地方自治庁のほうの役目ではないかと思つております。その点は……。

矢嶋三義第一クラブ

○矢嶋三義君 勿論そうでございますが、地方財政委員会はその閣議決定をどういうふうに了承されているかということを承わりたい。

木村清司地方財政委員会委員

○政府委員(木村清司君) そうですが。それなら私のほう……、地方財政委員会は政府機関の一部として内閣の閣議決定については地方財政分を担当する職分として協力して行きたい。こう考えております。従つてこの閣議決定の趣旨の徹底に協力する意向でございます。

矢嶋三義第一クラブ

○矢嶋三義君 私伺つていますのは、閣議決定の内容をどういうふうに了承されておられるかということです。閣議決定をされた、どういうことが閣議決定されたように了承されておられるか。

木村清司地方財政委員会委員

○政府委員(木村清司君) ここに書いてある文字通り解釈しております。

矢嶋三義第一クラブ

○矢嶋三義君 それでは具体的にお伺いいたしますが、閣議決定の内容は、財源措置をするのに当つて国家公務員と地方公務員の均等化を図るという立場から財源措置をしたのであるということを確認したことが閣議決定の内容か、更に一歩突進めてその内容を地方に実施せしめることが決定されたのか、そのいずれであるかという点ですね。地方財政委員会としてはどういうふうに了承されておられるか、その点を承わりたい。

木村清司地方財政委員会委員

○政府委員(木村清司君) 不均衡の調整を期待し、そしてこれを前提として検討されたものであるという趣旨でございますから、閣議決定では不均衡の調整自身をも期待するというように考えております。

矢嶋三義第一クラブ

○矢嶋三義君 こう申上げると釈迦に説法になりますけれども、地方財政平衡交付金法の精神というものは、その使途を拘束しないということが最も大事な点だと考えられておるわけでございますが、こういう通牒を自治庁次長名で出して、而もその実施を期待し、それを慫慂するような通牒を出すということは、平衡交付金に給与に関する限り紐を付けたことになつて、地方財政平衡交付金のほうの精神に反すると考えるのでありますが、地方財政委員会はどういうふうにお考えになりますか。

木村清司地方財政委員会委員

○政府委員(木村清司君) 地方財政全般に亘る監督指導と言いますか、そういう部面を政府としては担当しておるのでありますから、そういう意味において協力する、そういう趣旨であると考えております。

矢嶋三義第一クラブ

○矢嶋三義君 こういう通牒を流すことは別に平衡交付金法の精神に反しないとお考えでございますか。紐は付けないかどうかですね。

木村清司地方財政委員会委員

○政府委員(木村清司君) 平衡交付金の趣旨には直接紐は付いておりません。

矢嶋三義第一クラブ

○矢嶋三義君 この通牒によつて給与に関する限り不均衡の調整を期待し、その実施も又期待するという通牒を出すことは、そういうふうに切替えて欲しいということを地方に要望しておるわけですから、給与に関する限り平衡交付金に紐を付いて出さしたということにならないかどうか。

木村清司地方財政委員会委員

○政府委員(木村清司君) 直接紐を付けたとは思つておりません。

矢嶋三義第一クラブ

○矢嶋三義君 では、木村委員が先ほど言われた点おかしいではございませんか。更に不均衡の調整を期待し、その実施を又閣議としてはそれを希望し期待し決定したのだ、その趣旨に則つて自治庁次長は流したということになりますと、紐を付けないというのはおかしいことになりませんか。

木村清司地方財政委員会委員

○政府委員(木村清司君) これは紐を付けるかつけないかは法律の定めるところでありますから、法律違反はできないと思つております。

矢嶋三義第一クラブ

○矢嶋三義君 その法律違反のできないところをこの通牒はやつておる。そういう点に地方財政委員会は遺憾を私は感ぜられておるのではないか、それを重ねでお伺いしたい。

木村清司地方財政委員会委員

○政府委員(木村清司君) 地方財政平衡交付金に紐を付ける趣旨とは解釈しておりません。

矢嶋三義第一クラブ

○矢嶋三義君 平衡交付金に紐を付ける趣旨で通牒をし、それを是認して出されるということは、これは違法行為で以てのほかである。併し結果としてそうなるでしよう。それじやもう一歩私は突つこんでお伺いいたしますが、こういうふうに国家公務員と地方公務員の財源措置がこうなつておる、その不均衡の調整を是非やつて欲しい、こういう通牒を出すならば、それではそれを基準にして計算したところの教職員のべース改訂に要するところの費用、この費用というのは地財委も自治庁も文部省も大蔵省も認めたところの金額でありますが、いわゆる百七十億九千九百万円、この費用もこの数字も又通牒に書くべきではありませんか。地方公務員と国家公務員との不均衡を調整して欲しい、そういう精神によつて切替えた場合に教職員のベース改訂には百七十億九千九百万円所要である、その趣旨を十分徹底して欲しいということを私は当然書かるべきだと思います。どういうわけでしようか。

木村清司地方財政委員会委員

○政府委員(木村清司君) これは各団体がそれぞれ、適正な給与をしておればいいので、全体として相当なのかどうかは直接各団体に関連ないのではないかと思います。

矢嶋三義第一クラブ

○矢嶋三義君 どうも私のお伺いしておる点がぴんと来ないのですが、この通牒を出して徹底させるというわけでしよう。具体的に言えば教員のほうを三百七十五円に引下げてやるということを期待しておるわけですから、そこまで行つたならば、而も紐を付けないというならば、その線で切替えをやつたならば百七十億の金が要るのだということも当然明示すべきではないですか。それをやらないで、ただ三百七十五円に引下げる点だけを指示する、而もそれは紐付けにはならないという点は、これはどうしても了承できないと思うのですが、地方財政委員会としてはこの通牒に遺憾なことをお感じになりませんか。

木村清司地方財政委員会委員

○政府委員(木村清司君) 財政的見地から申しますると、その地方財政の大きな要素と申しますか、要素は給与の問題であります。給与の問題は給与が高いということと、もう一つは人員が適正かどうか、この二つが関連するわけでありますから、必ずしも財政的見地から見ますというと、非常に高い給与であつても、人数が非常に少くてやり得るというふうにしますればいいということになります。平衡交付金から見ますというと、理論的な筋の……一応政府で計算したところでありますから、我々計算した單価で以て算出されたところの財政需要の標準單位費用で配分いたすのであります。従つてそれは標準單位費用は理論的と申しますか、一応理論的な給与ベースと理論的な人員、双方コンビネーシヨンされたもので計算されたものであります。ただ我々は一般地方財政の監督と申しますか、指導監督と申しますか、指導監督の立場にあるわけでありますし、そういう地位に鑑みまして、政府が決定されたならば政府の閣議決定の趣旨の線に沿うて善処して行きたい、こう考えておる次第であります。

矢嶋三義第一クラブ

○矢嶋三義君 それではちよつと方向を変えて更にお伺いいたしますが、教職員の場合三百七十五円の差がある、それから町村吏員の場合五百七十六円の差がある、それから都道府県吏員の場合には四百六十二円の国家公務員との給与の不均衡がある、こういう数字の点ですが、これは地方財政委員会も了承するところの数字でございましようか。

木村清司地方財政委員会委員

○政府委員(木村清司君) これは大蔵省で関係官が調べた数字でありまして、私どもは直接それに対して責任を持つてそれが正しいということはなかなか言いかねると思うのです。併しながらこれを反駁する材料がありませんので、私どもは一応その数字を了承いたした次第であります。その数字を了承した次第でありますが、併しながらこれが明らかに間違つておるということが明らかな限度においては、改めてその数字を是正すべきものであろうと、こう考えております。

矢嶋三義第一クラブ

○矢嶋三義君 地方財政委員会は地方公共団体を財政的な面から保護する立場にあらしれますし、それから木村委員が申される通りに政府の一機関として政府が閣議決定されたことには協力する、これもわかるわけでございますが、地方公共団体を保護し、而も閣議決定されたことには協力する以上、こういうその出たらめな数字で打出されるのに対して、地方財政委員会が一言もないということは、私はどうも理解できないのですが、この数字で積算して、そうして流しておいて、それに副つてやつて欲しいということを通牒で流して、而も地方財政委員会はそれに協力するという、而もその数字がはつきりしないで、間違つておつたならば訂正せにやならんというような主張は、どうしても了解できないと思うのですが、その点どういうふうにお考えになられるか。

木村清司地方財政委員会委員

○政府委員(木村清司君) その数字を直接恐らく流しておらんだろうと思うのですがね。参考までに一応調査したところによればこういう程度の数字が出るが、なおよく検討して国家公務員の例に倣つて検討した上で、それが惡かつたならば直す、こういう趣旨だろうと思つております。私はそれ自身が政府がどの機関から流したか知りませんけれども、それが直接各団体に対して恐らく全国平均に出ておるだけであります。団体によつては正しいのであります。団体によつては部課長以上がオーバーしておる、或いは普通職員は差支えないとか、或いは部課長以上がよくて、一般部員が正しいとか、或いは一般の部員がいいか、一般職員はいいが教職員が高いとか、或いはその反対の場合もありまして、これは必ずしも……、そういういろいろ差がある。各団体によつていろいろ違つておる。或いは殊に町村によつてはサンプル調査でありまして一般の町村に決して適用されるとは思つておりません。一応こういう推定基準が出たというだけの話です。だからそういう意味において指示を使うだけであつて、お前の団体がこうと……、お前のほうが幾ら高いとか幾ら安いとかいうことは言えないだろうと思う。

矢嶋三義第一クラブ

○矢嶋三義君 單なる推定基準程度の数字を……、併し財源措置はこれを基準にやつたということを言つて流しておる。財源措置はこのデータを基礎としてやつたのだと、それは各都道府県知事もちやんともうその資料をキヤツチしております。そうなりますと、そういう例えば町村の場合、五百七十六円国家公務員より高いということは誰が考えても想像できないですが、この立場で地方の理事者は給与計算に対処するでしようし、取りも直さず地方公務員の低賃金ということを招来する。従つてこの数字を閣議で了承したこともおかしいし、それに地方財政委員会が協力するということはどうしても私は納得できないので、この際地方財政委員会はこの数字に対して当然私は異議を申出るべきではないかと思いますが、その用意はございませんか。

木村清司地方財政委員会委員

○政府委員(木村清司君) これは確かに或る団体が高いということは、全部の団体がその通りの数字が出るということは……、或る団体が高いということは確かである、従つて平均がどうなるかならんかということについては相当疑問はあるかと思うが、只今のところ反証の材料はない。且つ我々の立場から申しまするというと、平衡交付金の増額というものは、当然あれでは足らんということを申出ておる趣旨でもありますから、決して若し我々の言う通り平衡交付金百億増して頂ければ、その通り、その通り若しその団体において正しくあるならば平衡交付金も百億増してもらい、起債も五十億を増してもらつてあるならば、そういうことを若し入れられておるならばたとえそういう配布基準に相成りましても他に財源が出て来るわけでありましようし、正当な給与であるならば運用はできると、こう思うのでありますけれども、恐らく我々の要求通り出しておられないのであるから、切詰めた財源計算をしてもらいたいということは団体によつては苦しいことになると思うのでありますが、団体が大体既定通り予定しておる人員と予定しておる給与とを持つておる団体ならば、我々の大体給与については乏しいながらまあまあやつて行けるのじやないか、こう考えております。

矢嶋三義第一クラブ

○矢嶋三義君 平衡交付金の百億、或いは起債五十億というのは、これは既定の問題であると思う。そこで私は先ほどから木村委員が申される各公共団体にはそれぞれの差があるとか、或いはさつきから上げられたところの数字というものは、これは單なる推定基準であつて、これを一律に当てはめるということは無理だという点は私は了承するわけであります。それと、この地方公共団体のその財政規模に従つてそれぞれ政府の方針に副つて切替えられるであろうという点もまあ考えられるわけですが、そういう木村委員のお考え方から言えば、私はこの際その次のことを木村委員にお伺いいたしたいのですが、それはこの十一月八日地方自治庁次長名で各都道府県の知事に出した通牒ですね、その通牒に対しては地方財政委員会はこの通牒の内容並びに形式は地方財政委員会としては完全に了承できないところがある、従つてこの通牒の内容というものはただこの三百七十五というようなこういう推定基準によつて財源的措置をこういうふうにしたんだということだけを地方に流したものであつてその線に沿つて給与切替えをやるというようなことを期待し、それを指示する内容の問題ではないという趣旨の通牒を、地方自治庁次長名によつて改めて地方公共団体の首長に対して出すように地方財政委員会では要望されるのが最も適当ではないかと私は考えるのでありますが、如何でございましようか。

木村清司地方財政委員会委員

○政府委員(木村清司君) それはどうも政府のほうのお考えであつて、私ども直接それに対してはどうということは申上げかねますけれども、若し従来一つの地方財政の健全化というものの一つの柱に、地方公務員の給与ベースが適正であるということが有力な柱であるのだと、将来平衡交付金も増すことは地方公務員の給与ベースが適正化されておることが前提だというように政府当局でお考えになつておるものとするならば、不均衡の調整が……、不均衡があるならば速かに是正することはこれは容易ではないかと、こう考えております。

矢嶋三義第一クラブ

○矢嶋三義君 木村委員が不均衡というのは、あなたが先ほど認められたように、どんな不均衡があるということはわからないでしよう。わからないですから。平衡交付金を或る基準によつて財源措置をして流したならば、それは紐を付かないんだから、その平衡交付金の範囲内において地方はその地方の民間給与と、或いはその地方公共団体の財政規模と睨み合せて地方公務員法に示されておるように県の條例によつて、或いは町村の條例によつて決定すればいいわけですから、ただ政府としては財源措置はこうしてあるだけだということを流せば、あとかくかくにして欲しいということを期待したり、或いはこれを指示するというのは地方財政平衡交付金法の精神から言つても納得できんところがあるわけですから、私、地方財政委員会としては、この際地方自治庁とはしよつちゆう問題については交渉もするし、お互いに連絡をとつてやつていることですから、地方財政委員会の立場において、地方自治庁に対して今申上げたように財源措置はこうしてあるのだということを通知しただけで、あと三百七十五円の不均衡があるからこれを直すことを期待するとか、或いはそうして欲しいというような指示を意失した内容でないという説明の通牒を追つて出すように地方財政委員会が強く要望されるべきでちると思うのですが、どうしてそれをされないか、それを私切望するのですが、もう一遍これを伺いたい。

木村清司地方財政委員会委員

○政府委員(木村清司君) これはどうも我々の立場から、我々にそれを要望されるのはちよつと筋違いではないかと思つておりますが、こういうふうにこれはすでに政府の考え方は平衡交付金の増額を給与ペースの引上げと、国家公務員の給与の引上げと同時に平衡交付金も増してやらなければならない、そういう責任を政府が負うためには地方公務員が国家公務員並みにならなければ責任が負えん、こういう趣旨から出たものと私は推察しておるんですがね。その趣旨において私は了承して、その趣旨において決定されたならばその趣旨において協力するのが当然ではなかろうか、こう考えておるわけであります。

矢嶋三義第一クラブ

○矢嶋三義君 地方財政委員会は、地方財政を要望する立場にもあるわけなんですから、先ほどから出たこの四百六十二とか、五百七十六とか、三百七十五というこのデータ自身も地方財政委員会の確たる自信がないわけなんですから、そういうデータを基準にして財源措置をし、それに基いて流されたこの書面に対しては何らかの私は発言はあることは決して筋違いではない、当然なされなければならんと思うのですがね。

木村清司地方財政委員会委員

○政府委員(木村清司君) 私どもは今のところは一応その数字が或る程度の信憑性を持つておるものというふうに考えておるのであります。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 今の問題に関連してお聞きしますが、木村委員と、大体この前野村委員長の述べられたことについて食い違いがあるのです。野村委員長何と答えられたかというと、あの三百七十五円とか、四百六十二円を切下げるということは了承できない。はつきり言つておるんです、この委員会で。速記録で調べて下さい。そういう意向を表明されておる当委員会において……それともう一つ、矢嶋君が衝いておる点を明確にしますとこういうことです。あなたたちはすべて不満だから百億要求された、私たちはそれを支持して、昨日、一昨日、これは参議院において満場一致で以てこれを可決しておる。今予算委員会におきましては小委員会を更に作つてこの問題を取上げて、私もこの賛成のときに討論やつた。討論やつて両院が、衆議院もこれは全会一致を以てきまつておる増額決議案、両院が少くとも決議したものを、これを若しも外すようなことがあれば、こんなものは奴隷国家のやるべきことで、こんなことはやるべきでない、飽くまでこの決議を尊重して増額すべきだ、こういうことを言つて、昨日も私は吉田総理にその点を質しているんです。ただ尊重して言つておるわけで、あなたたちは自己矛盾に陷つておる。一方野村委員長は、それを認めないということを正式に表明しておいて、そうしておいて途中で今自治庁のほうが、政府側が出して、そうして若しもこういう増額は認めるんだ、こういうような形でやつてくれというような通牒をそのまま是認しておけば、若しそういう前提條件ができればそれは当然やはり増額が非常に困難になる……、どつちなんです。増額するということを地財委は要求しているのでありますか、それとも政府原案のようにやはり増額しないで、衆議院を通過した予算原案の通り進めたいと考えておられるのでありますか。その点そういう観点からするときに、その通牒というのは一体邪魔になるか、プラスになるかマイナスになるか、これであなたがたの態度は判定される。これは簡單な質問です。増額を要求されているのか……。

木村清司地方財政委員会委員

○政府委員(木村清司君) 要求しております。その原因を物価騰貴を大きい原因としておりますので、その給与ベース改訂のほうは非常に僅かの差であります。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 そうしますと、閣議決定、自治庁の線であのすでに衆議院を通過した政府原案の予算によつてあれをやるという形で、ああいうものは出されているんですか。そうしたらあなたたちの要求は、実現は困難な通牒を出されている、これに対して地財委としてはやはりそういうことについては了承できないと野村委員長は証明しているんですから当然これに対して、そういうものに対して当然独立機関であるところの地方財政委員会というのはそういう意思を表明することが可能であり、又すべきである、こういう矢嶋君の主張は私は正しいと、こういうふうに考えるんですが、どうでありますか。今のお話だと自己矛盾に陷つている。予算が通過しておれば、又出す、出さんは別問題になりますが、予算は通過していないんです。御承知のように予算委員会でやつているんです。どうなんですか。予算が通過しないうちにこういうような一つのものを出されてそのままにしておいたら、これは予算の今後の平衡交付金の増額問題に対しては非常に支障を来たす、私たちは同時に、予算委員として感ずる、どうですか。あなたがたの御意見は……。

木村清司地方財政委員会委員

○政府委員(木村清司君) 今の三百七十五円が正しいかどうかということは、私どもはこれは保証できない。但し国家公務員の例によつて再検討して欲しいということを先ほどから申上げました通りであります。財源計算の上におきましては、我々は理論的な給与ベースに理論的な人員というものを組合せて一つ一つ費用を配分して行くのであつてこれと直接関係はないわけであります。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 私はやはりお聞きしたいことにぴつたり真向つた御答弁を聞きたいんですね。私はどう聞いているかというと、増額を要求している、そうして予算はまだ通過していない、御承知のように……、そうでしよう。ところがああいう通知が流されれば、すでに原案の既定事実がそのまま地方に滲透してしまう。いいですか、そうしますというと、やはり或る公務員の中ではこれは仕方がないと言つて諦める人もなきにしもあらず、従つてそういう心の中では要求を持つていながらやはり要求に対する力というものは弱くなる面もある、而も地財委は最初から了承できないと野村委員長はそう言つておられますけれども、これははつきり速記録を調べればわかる、野村委員長は了承できないと言つているんですからこれはどういうことになるんですか。この委員会のそのものに意見の違いがある。野村委員長の一つの責任において、ここで現にこの一週間ばかり前に、矢嶋君聞いていなかつた……、実際これは了承できない。了承できないから百億の増額を我々は要求しておりますと言つているんです。それなのに政府のほうで一方的にこういうものを出されるのは予算が仮に通つておればだ、それは一部の例外はあるかも知れないが、予算が通らない今日そういうものを出すというのは地財委としては一体どう見ているか。これはとんでもない話だ。はつきり正確な御答弁を願いたい。

木村清司地方財政委員会委員

○政府委員(木村清司君) 我々は抽象的に国家公務員の例に倣つてやるということを了承しただけであつて、三百七十五円が高い低いというようなことはまだ考えてはおりません。一応そういう参考資料が出ているから参考として一応再検討して欲しいということを言えば言うだけの話だ、その程度に了承しております。ですから今の我々は飽くまで物価騰貴等の経費も要求して百億では少くとも足らんということを要求しております。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 だからですね、おかしいじやないですか。自治庁がそういうものを出して、あなたたちの要求がですね、本当に或いは邪魔になるかも知れない通牒なんです。これは認められますですな。どうです。そういうものは出たほうがいいか、出ないほうが増額運動のためにはいいとお考えでありますか。先ずこういう單純なことをお聞きしたい。どうですか。自治庁の通牒が出たほうが今後の参議院の予算委員会において修正する可能性があると見られておりますか、どうですか。

木村清司地方財政委員会委員

○政府委員(木村清司君) 私どもは予算を標準單位費用である国家公務員の算出によつて……。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 私のお聞きしていることについて……、委員長注意してもらいたい、私のお聞きしていることについてお答え願いたい。私は、そういうものを自治庁が出したことが予算修正のためにプラスになるか、マイナスになるか、どつちにお考えになつておるかということをお聞きしておる。これについてお答え願います。

木村清司地方財政委員会委員

○政府委員(木村清司君) 直接、私どもの要求の内容から申しますというと、直接は影響ないと考えております。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 直接影響がないというお考えですか。

木村清司地方財政委員会委員

○政府委員(木村清司君) はあ。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 これは甚だおかしいと思う。先ほど私は理由を述べましてお話したわけですけれども、こういうものはすでにこれが既定事実だから、衆議院も通つたのだし、この原案によつてこういうふうにやるべきだ、こういうふうなものを流されていて、そうして修正の邪魔にならないとおつしやるのですか、どういう考えですか。例を挙げて……。

木村清司地方財政委員会委員

○政府委員(木村清司君) 我々の要求は、国家公務員よりも高くしてくれという趣旨において、決して……、百億の要求費ができておらないということにおいて関係ないと申上げたのであります。    〔「議事進行」と呼ぶ者あり〕

矢嶋三義第一クラブ

○矢嶋三義君 さつきの続きをお伺いいたしますが、木村委員にどうしても私納得できないところを更にお伺いいたしますが、この地方財政平衡交付金の財源措置は、さつき申上げました四百六十二、五百七十六、三百七十五というこの数字を基礎にして財源措置をされているわけですね、この数字が正しかつたならば、この数字に従つて地方公共団体が給与の切替をやるときに苦労しないでしよう。けれども、この数字が間違つておつたならば、地方公共団体は切替に当つて財政的に非常に苦労するわけですね。そうすると地方財政委員会は、あなたがたは地方公共団体の財政の擁護の立場にあるわけでしよう。然らば五百七十、殊に市町村が五百七十差があるという数字については自信がないというわけですね。責任が持てないというわけでしよう。そういう数字を基礎にして、こういうふうにやつて欲しいと期待し、指示するような通牒を出すということは、財政的に地方公共団体を非常に苦しめることになるのじやないですか、これに対して地方財政の保護的立場にある委員会としては、当然私は一言言い述べるべきであるとこう思うのです。これはもうちよつと申上げますが、この数字については地方自治庁も呑んだ、文部省も呑んだ、これらについても自信がない、全く大蔵省が一方的に出した数字を呑んでいる。大蔵フアツシヨではないですか。これによつて地方公共団体が切替のときに非常に苦労をし、財政的に支障を来たすのです。それであなたのほうはそのデータについて問題がある、これを基礎にして出したところの財源措置を流して、而もその線をそういうふうにやることを期待し、それを指示するということは、地方財政平衡交付金の精神から言うても、地方財政を苦しめるという立場から言つても遺憾であるということを地方自治庁は当然私は主張すべきだと思うのでありますが、こうまで申上げてもおわかりにならんでしようかね、答弁を願います。

木村清司地方財政委員会委員

○政府委員(木村清司君) 財源措置という意味は、只今申上げておるのは、つまり平衡交付金の算定の標準單位費用を全部積み上げた財源措置でなしに、別の意味の二十四年度決算の既定、財政規模にプラスして行つた財政需要のものですから、直接は標準單位費用には関係ないのです。従つて地方財政平衡交付金法によつて配分するときには、基準的人員と基準的な單価とを組合せてそうしてその補正係数を加えて、標準的な單位を標準としてそれに補正係数を加えて流すのでありますから、直接今、この財源措置というか、全体の財源措置としてはこういうことになつておるけれども、全体の財源措置ですよ、その二百億の財源措置としてはこうなつておるけれども、配分するときにはそれには直接関係なしに国家公務員の例、地方標準団体の実例等を勘案して標準單位費用を定め、それに補正係数を定めて配分いたしますから、お説のようなことには直接にはならないということを御了承願いたいと思います。

矢嶋三義第一クラブ

○矢嶋三義君 併し教職員の場合を具体的に例に取れば、給与切替については百七十億を要する、この百七十億というのは三百七十億をマイナスして出したものでしよう。それで算出したものでしよう。

武岡憲一事務局財務部長

○政府委員(武岡憲一君) 給与の單価といたしましては先ほど来お話がございますように、大蔵省が今年の六月現在でいわゆる実態調査をしたということで出ております、つまり教職員について申しますれば、三百七十五円高いというその單価を用いて計算しておるわけであります。

矢嶋三義第一クラブ

○矢嶋三義君 そうでしよう。だからさつきから申上げておる。都道府県や市町村や教職員のこの数字がはつきりしていなかつたならば、地方財政を苦しめることになるのでしよう。而もその数字については地方財政委員会は責任を持てない、その標準單位費用という数字を基盤にして流した数字について、閣議決定だから協力するということは、地方財政を苦しめる以外の何ものでもない、当然地方財政委員会としては異議があつて然るべきだと思うのですが、……。

武岡憲一事務局財務部長

○政府委員(武岡憲一君) 私からちよつと補足して申上げたいと思います。今回の平衡交付金の算定の基礎となりまする地方財政の規模の算定に当りましては、御指摘のように給与関係の單位はいずれも大蔵省がいわゆる実態調査をいたしまして、これが地方公務員の給与の実情であるということで出しました單価を元にいたして財源計算をいたしておるわけであります。併しながらこれは先ほど木村委員からも申上げましたように、財源計算上この数字を仮に用いておるわけでありまして、過般国会のほうに地方財政委員会から提出いたしました意見書におきましても、その備考に書いてございますように、一般職員については、府県職員については四百六十二円、教職員については三百七十五円、一般の市町村の職員については五百七十六円高いとされているので財源上これを計算した、こういうように註釈して特に断わつたのでありますが、そうやつて計算いたしましても、全体から申しますればなお市町村府県を通じまして地方財政としてはなお四百三十数億の不足をして参るというのが私たちの結論であります。その点が大蔵省と違つておるわけでありまして、給与の計算におきましては、大蔵省が正しいとする單価をそのまま用いましても、なお且つ全体の地方財政といたしましては不足をするというのが私たちの見解であります。この点に対して平衡交付金二百億と起債百五十億の財源措置が最小限必要であるということで意見書を提出した次第であります。そこでこの計算の前提となつておりますのは、今重ねて申上げましたように、大蔵省が一応算定をいたしておるものを仮に前提としては採用いたしたのでありますが、今回のこの関係規定の趣旨、又私どもが了解をいたしておりまする地方公務員の給与の改訂というものは、国家公務員と、それから地方公務員の給与の基準というものが非常に違うのだと、つまり地方のものがとにかく高いのだということが若し事実であるとするならば、現在の地方財政の運営上からいたしまして、国家公務員に準じた給与に直すほうが財政の運営上望ましいということは、これは考えられるのじやないかと思う。その点を期待しておるということを言つておるのでありまして、大蔵省が言う通り、教職員については三百七十五円高い、或いは一般の職員については四百六十二円高いということを是認しておるわけではないのであります。そういうふうに御了解願いたいと思います。

矢嶋三義第一クラブ

○矢嶋三義君 その大蔵省の数字を基礎にして計算した場合でも、なお地方財政委員会は四百三十数億不足だと、従つて平衡交付金を増額して欲しいという意見書が出ておるわけでございますね。そうすると、その数字によつて出されたものについてそういう意見書が出るのならば、その数字を是認したことになるではございませんか。若しもこの数字が調査の場合五百七十六というのが間違つていたとするならば、さなきだに四百三十数億足りないのに、なおなお足らなくなつて、地方財政は苦しくなつて来るのですね。その点で私はやはりどうしても了解できないのですが、更にこれをもうちよつと方向を変えて今度お伺いすれば、これは国家公務員と地方公務員の不均衡の調整を期待して通牒を出したわけですね。これに協力するとなれば、国家公務員よりも下のレベルにある、国家公務員よりも低い町村なんかたくさんありますね。そういうところの地方公務員を国家公務員並みになるように期待し、徹底して欲しいということを、地方財政委員会は当然大蔵省に要望すべきだと思うのですが、要望されましたか。それでなければ、高いのだけ下げるという大蔵省の一方的な大蔵フアッシヨに……、地方財政委員会が協力すると言いながらそれで国家公務員よりも下のレベルにあるものについてはその財源的措置をすることを大蔵省に対して要望しないということになると、地方財政委員会はおかしいと思う。

木村清司地方財政委員会委員

○政府委員(木村清司君) 我々は無論先ほど申上げましたように、間違つておるならば、間違つたものを将来は訂正する。仮に間違つておらないとしても、かくのごとき差異があるのだということを申しておる次第であります。それから低いものにつきましては、やはり我々といたしましては、地方の財源を、相当国家公務員並みの財源を地方にやるのだから、地方団体としては当然我々の財源供与の趣旨に副つて適正な待遇をするということを期待しておるものであります。

矢嶋三義第一クラブ

○矢嶋三義君 それは地方公共団体がその財政貧弱という立場からできないのならば、当然平衡交付金なんかで考慮してやらなければできないでしよう。その考慮をするためには、平衡交付金の増額ということが必要になつて来るし、それは地方財政委員会としては、大蔵省にそう要望すべきじやないかと思うのであります。

木村清司地方財政委員会委員

○政府委員(木村清司君) だから要求しておりますし、我々は仮に低いところがあつたといたしましても、低いところに低くやるのではなしに、高いからといつて余計やるという趣旨ではないのだと、財源供与は一種平等にやるというのが平衡交付金の立場であつて、たまたま高いところがあるからといつて高いものに均してやるとか、或いは低いから減らすとかいう趣旨は毛頭ないのであります。

矢嶋三義第一クラブ

○矢嶋三義君 だからこういうような通牒を出さないでもいいじやないですか。通牒を出すことによつて紐を付けて、こういうようにやれということを期待し、それを強制するような形でしよう。だからそういうものを財源的措置だけそうすれば、あなたがたが平衡交付金を流せば、それに副つて地方公共団体は條例なりでやるのだから、何もこういう通牒を出さなくてもよろしいじやありませんか。地方財政委員会としては、この通牒を出したことによつて平衡交付金の立法精神を守るというならば、当然地方自治庁に対しては遺憾の意を表明され、きつき私が申上げましたように、これはただ財源措置を講じたのだというだけを地方に流したのであつて、その実施について何ら拘束するものでないのだという通牒を追つて出すように地方自治庁に対しては要望されるのが、私は地方財政委員会の存在価値を証明するものだと思うのですが、最後にもう一遍その点是非御答弁をして頂きたいと思うのです。

木村清司地方財政委員会委員

○政府委員(木村清司君) 遺憾ながら、その点はどうも政府機関の一部として、地方公務員は国家公務員並みにしてくれと、それを前提として将来も平衡交付金の増額を考えようという政府の御意思だとすれば、それに従うのが当然じやないかと考えております。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 地財委は独立か……。

木村清司地方財政委員会委員

○政府委員(木村清司君) 私は独立……、内閣とは別でありますけれども、政府機関の一部には違いないと思つております。内閣とは独立しておりますけれども、内閣の閣議決定に直接拘束せられないという意味で独立しておるものと思いますけれども……。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 そんなことを私は言つておるのではなくて、閣議決定がどうあろうと、あなたがたの主張が増額を要求しておりながら、増額に反するような通牒に対してあなたがたが趣旨を貫徹できないということは自己矛盾ではないかと聞いているのです。反しておるのだ、明らかに反しておる。その点は私は木村委員が答えてもよいけれども、野村委員長がはつきりここで意思を表明したのだから、その点は認められるでしような。遺憾だと言つておる。遺憾だから増額を要求しておるのだとはつきり言つておる。あなたがたは非常にさつきから話があいまいなんです。野村委員長の公式声明を認むるや否や。

武岡憲一事務局財務部長

○政府委員(武岡憲一君) 増額要求の数字につきまして少し行違いがあるようでございますから、私が説明申上げますと、今回意見書で地方財政委員会が提出をいたしております百五十億の起債、それから二百億の平衡交付金の増額、これの基となつておりますのは、先ほど来私が御説明申上げましたように、地方財政計画の数字が基礎になつておるわけでございます。その中に算定されております給与單価は、これも申上げましたように、大蔵省が計算をいたしておるものと同じものを実は採用いたしておるのであります。従いまして、理窟から申しますると、今回要求しておりまする交付金の百億増額というものの中には、国が教職員について三百七十五円高いと言つておる、それを一応前提としての数字でありまするから、それが仮にそれだけ実際は高くないと、従つてそれに伴つて実際に切替をやつた場合に必要となるところの財源がもつと余計に要るんだという場合のその増額分というのは、実は今度の百億の中には入つておらない勘定になるわけです。理窟でありますが……。そういう意味で先ほど来木村委員は申上げておるのでありまして、そういう意味で、直接には今度の計算で出しました百億の要求額と、給与を今どうするかと、給与切替の結果この財源が足らんのではないかという増額要求とは一応別だと考えておるわけでございます。従いまして、それでは若し実際に国家公務員の基準によつて地方公務員の給与の切替をやつた場合に、それが国家公務員と同じようにやつてもなお且つ今やつておる財源計算以上に必要であるということが明らかになつた場合にはどうするかという問題は、これは第二次の補正と言いまするか、その際に更に新たな財源措置をする必要が生じて来る、かように我々は考えておるわけであります。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 野村委員長の声明というのは、どんなものですか……あれの中にも食い違いがあるでしよう、五、六億ね。これは予算委員会で我々は説明を聞いておる。主計局次長が言つておる。そういう細かな問題はよいとして、木村委員のそういう何はどうなんですか。委員長ここで言明しておる。これは重要な問題です。いやしくも地方財政委員会の最高責任者がここで言明したことが、まるでそれと違つたような何がされて来る。本会議の討論でもすでにやつておる。野村委員長がここでこういうことを言つた、だから我我は百億のそういう増額を、そういうような問題について当然これは地方公務員のそういう既得権は認められるものだ、そういうことを前提としてあの平衡交付金があるじやないか、そういつた、尤もそれは今後我々が増額修正要求して、それが実現できる、これは地財委の見解に従おうと従うまいと、そんなことは別問題でありまして、現実に窮迫しておる問題でこれは要するわけです。併しあなたたちはもう少し考えを統一して来て頂いて、今の問題、野村委員長とよく相談してそういう食い違いでいつでも後先違うんです。而も独立しておるかしてないかもさつきのような答弁で私は地方財政委員会の性格というものは非常に気の毒だと思います。そうじやなくて、独立機関です、そういう点について根本的な問題があるのです。あなたたちは第一自分で調査を持つていないということが問題なんです。

木村清司地方財政委員会委員

○政府委員(木村清司君) 独立しておるから五人の委員のうちで多数で以てその委員会の意思を決定するということになつているのであります。政府からどうあるからどうということではなしに、五人の委員が寄つてきめた意思決定が、こういうこれに関しては政府と協力するのがいいだろう、こういうことに意思決定をしたのであつて、何も当然だとか、従属しておるとかいう意味ではないのであります。誤解のないように一つお願いいたします。

高田なほ子日本社会党

○高田なほ子君 これは私は岩間さんの発言は非常に緊要だと思う。少くともこれが地方公務員の給与に関する、給与の改訂に関する問題である場合、野村委員長の御発言というものはこの改訂に伴なつて非常に重要な私は問題と思う。それを今あなたの御発言と非常な齟齬を来たしておるということは、給与の問題に関するが故に私は重大だということ、それでこれはやはり一応速記録を十分に確かめて、野村委員長の御発言というものが、あなたの御発言と齟齬を来たしておるかどうかということを吟味して、再吟味して然る後に私は結論を出してもらいたいと、これは何としても大変な問題であります。これが一旦まかり間違つた場合には、折角法できめられておる地方公務員の給与というもの、それがこういう一片の通牒で以て拘束されるなんというようなことは、これは全くとんでもないことになる。どうか一つこれは速記録を十分調べて善処してもらいたい。

堀越儀郎緑風会

○委員長(堀越儀郎君) 他に御発言はございませんか。大臣は遅くなりますから明日にしましようか。それではちよつと休憩いたします。    午後三時十五分休憩    —————・—————    午後三時三十三分開会

堀越儀郎緑風会

○委員長(堀越儀郎君) それでは休憩前に引続き開会いたします。

矢嶋三義第一クラブ

○矢嶋三義君 大臣にお伺いいたします。いろいろお伺いいたしたい点もありますが、今当面一番問題になつております給与優遇、これについて大臣も御心配を頂いておると思いますけれども、不明確な点もございますので、若干お伺いいたしたいと思います。大臣は従来この給与優遇については非常に心配されて努力もされて今日まで来られている点については敬意を表するわけなんでございますが、実際はなかなか給与が向上しない、教職員は非常に生活に追われて、職務の遂行に支障を来たしておるという現状でありますが、当面千五百円のべース・アップに関しましては、大臣は再三既得権を守つて切替えたい、又その見込がある、こういうことを言明されておるわけでございますが、現在でも既得権を守つて千五百円のベース・アップはできると、こういうふうに把握されておられますか、その点を先ず伺いたい。

天野貞祐文部大臣

○国務大臣(天野貞祐君) 私は既得権というよりも既得の事実と言いたいのでありますが、既得の事実は尊重して行きたいと、原理的に言うならば、地方公務員が国家公務員よりも高く取るという理由はないのでありますけれども、現にそういう事実がある以上、そういう事実を尊重して行きたい。文部当局ではその事実が実現できるだけの配慮はしてあるということでありますから、事柄は決して簡單ではないと思いますが、併し私はできることではないかと思つております。

矢嶋三義第一クラブ

○矢嶋三義君 その配慮はしてあるという内容について承わりたい。

天野貞祐文部大臣

○国務大臣(天野貞祐君) それは事務当局から説明させます。

寺中作雄文部大臣官房会計課長

○政府委員(寺中作雄君) 三百七十五円を下げて切替するような地方財政計画になつておるということが問題になつておるわけでありますが、実際の運営においては、それだけの差額を下げないで実施できるという見込を文部省としては持つておる次第であります。と言いますのは、教員の数の計算におきまして全部で高等学校教官を入れまして、定員は六十一万ばかりになるのでありますが、実際の現員は約二万下廻つた数字であります。その地方財政計画に見込まれました教員数は、その定員のほうで計算がしてありますので、その多い定員で計算された財源が地方に付与されるということになれば、現在の俸給のレベルを下げないでやれるだけのものが地方財政の収入額として見込まれておるということになりますので、実際はいわゆる既得の事実を侵害しないでいいという見込を持つておる次第であります。

矢嶋三義第一クラブ

○矢嶋三義君 大臣は十一月七日の閣議に出席されたと考えますが、その閣議決定乃至地方公務員の給与の改訂についてという内容は、財源措置をかくかくにしたというそれのみを通牒するという意味において閣議決定がなされたのか、或いは更に何らか一歩進んだ内容を持つて閣議決定をされたのか、大臣としてどういうふうにこの閣議決定を了承しておるのか、それを承わりたいと思います。

天野貞祐文部大臣

○国務大臣(天野貞祐君) それは財源措置がなされたというだけのことで、それ以上のことはありません。

矢嶋三義第一クラブ

○矢嶋三義君 財源措置がかくかくになされたという通牒のみならば、地方公共団体が地方公務員法を県或いは市町村條例によつて如何に切替えるとも自由だ、従つて既得事実というものは守られる、こういうように大臣は考えられておると了承してよろしうございますか。

天野貞祐文部大臣

○国務大臣(天野貞祐君) 通牒されたことは、ただこういう財源措置がなされたというだけのことでありますから、あとは地方の自由というふうになし得ることだと信じております。

矢嶋三義第一クラブ

○矢嶋三義君 この通牒では不均衡の調整を期待し、而も公共団体に決定せしめるという案文は書れておるわけなんでありますが、若し大臣がそういうふうに閣議決定の内容を把握されたとしたならば、この案文に対しては大臣は当然異議を申立てるべきであると、こう考えるのですが、この案文でもなお大臣は、大臣が閣議決定の内容を把握されたことは通るとお考えになるのですか。

天野貞祐文部大臣

○国務大臣(天野貞祐君) その案文は必ずしも満足とは言えないかも知れませんが、前にあつた案文を訂正するには、自分の思う通り書くわけにも行かないから、それで私は自分の趣意を通せると思つたのであります。

矢嶋三義第一クラブ

○矢嶋三義君 その間において大臣が苦慮された点は想像にかたくないのでございますが、結論としてはそれは極めて遺憾なものだと考えられる。而も昨日の小野自治庁政務次官或いは今日の地方財政委員会の木村委員のごときは三百七十五円マイナスしてそうして切替えることを期待し、それを早急に実施されることをこちらは希望しているのだ。木村委員の言うには、もう少し突つこんで種々の内容を含んでいるのだ、こういう発言があつた。更に荻田次長は、中央の指示する方針の通りにやらない場合には起債を減額してこれを戒める手も場合によつてはあるのだと、これだけの発言をされているわけなんでございますが、その主張は大臣の期待とは随分と隔たること遠いと思うのでありますが、大臣は大臣の把握された内容において地方自治庁の次長に対して何らか意思表示をされる用意はございませんか。でなければ今のままでは大臣の期待というものは單なる期待であつて決して私は実現しない、こういうふうに考えるのであります。

天野貞祐文部大臣

○国務大臣(天野貞祐君) 実施と財源措置とは違つていると思う。実施を勧奬と言いますか、実施を奬めるという原案に私は反対して来たのであるからして、この予算措置をこうしたんだという通牒は違うと思う。だからそういう意味でこれは地方に任されていると、私はそう思つております。

矢嶋三義第一クラブ

○矢嶋三義君 私の質問点でございますが、大臣は閣議においてこれはかくかくの財源措置をしたのだということだけを閣議決定して、それを流すことを了承したんだと、然らばこの文章は大臣が認められる通りに遺憾な点があるので、地方自治庁の次長に対してこれはかくかく財源措置をしたということだけを示したものであつて、それ以上の何ものもないのだからこの文章だけでは遺憾な点があつて誤解を招くから、そういう趣旨の説明を十分附加えたものを改めて地方自治庁次長名において各都道府県知事に流して欲しいということを大臣は要望されるのが、大臣の趣旨を貫徹する意味から言つても私は適当だと考えるのでありますが、そういう御用意があるかどうかという点を……。

天野貞祐文部大臣

○国務大臣(天野貞祐君) 私がその実施面について勧奬する、勧奬というの、は奬めるということなんです。それに反対したということは地方に明らかだと思つております。それでありますから地方でやろうと思えばそれでやるはずだと思う。自治庁に私のほうからそういう申入をするかどうかということは私はなおよく事務局と相談して見たいと思います。

矢嶋三義第一クラブ

○矢嶋三義君 自治庁のほうに要望するかどうかという点については事務当局と御相談なさるという御発言でございますが、十分協議なさつて善処して頂きたいと思うのでございますが、その前言に、大臣が申されました、勧奬することに反対したことは地方公共団体に十分わかると、こういうように発言をなさつておりますが、この文章では私はわからないと思います。だから私は大臣に対してはそれをよくわからせる意味において、又閣議決定の内容を徹底させる意味においてとらるべき最良の方法というものは自治庁次長名によつてこの趣旨を改めて流すことが最も適当である。然らば大臣は地方自治庁の次長に対してそういう要望を強くされることが最も期待されておることである。こういう立場で質問もし、要望したわけです。  更にもうちよつと今度話を返しましてお伺いいたしますが、この地方公務員と国家公務員の不均衡を是正する、その線に沿つての財源措置がなされるに当りましては大蔵省から提示されました国家公務員と地方公務員との給与差額が都道府県では四百六十二、市町村では五百七十六、教職員の場合は三百七十五という数字はこの基礎数字になつているわけでありますが、この数字を閣議において大臣は了承されたのでございますか、如何ですか。

天野貞祐文部大臣

○国務大臣(天野貞祐君) 了承したのでございます。

矢嶋三義第一クラブ

○矢嶋三義君 文部省の調査はこれと、これに対立するところの調査というものはなされておつて、その数字は一致したのでございますか、如何ですか。

辻田力文部省初等中等教育局長

○政府委員(辻田力君) 只今の御質問でございますが、このたびの平衡交付金予算の算定に際しまして、お話がございましたように、大蔵省は予算の積算につきましては地方公務員の給与は国家公務員の給与に比べまして府県職員では四百六十二円、市町村職員では五百七十六円、教職員では三百七十五円、それぞれ高くなつているということを通知しまして、これを財源計算の上からは差引くことを申して来たのでございます。文部省といたしましては文部省独自の調査を以てしよつちゆう説明いたしまして、最初から承服したわけではないのであります。地方財政委員会において若し地方公務員の給与の財源の措置がこれでよいということになりまして、我々のほうといたしましてもこれはいたし方ないということにいろいろ研究の結果なつたのであります。そこで……併し今回は特別に二・五%の昇給財源を見込んでもおりまするので、そのことは、但しそれだけの額を地方教職員の現実の給与から切下げることを要求するものでないと了解いたしまして、且つ又この程度の額なら本年度における教職員の現員と現給から見ますれば、どうやら千五百円のべ一ス・アップに必要な財源は確保されるという見通しを持つたからでありまして、併し我々はこれに非常に満足しておるというわけではございません。今後この問題については十分研究努力をいたしたいと思つております。

矢嶋三義第一クラブ

○矢嶋三義君 この三百七十五円という数字でございますが、平衡交付金法というのがバツクをしていますので、或いは昇給率の二・五%、或いは定員、そういうものと勘案して何とかうまく行けそうだから、だから三百七十五円という数字を不満足ながらも了承したと、こういう行き方は私は非常に遺憾だと思うのです。都道府県の問題にしても、市町村の問題にしても、教職員の問題にしても、大蔵省が一方的に算出し、而も自治庁においても、或いは文部省においても、地方財政委員会においても自信のない数字を基礎にして、そして問題を考えて行くということは、これは我が国の政治というものに科学性がないということを証明しておる歴然たるこれは一つの証拠であつて、こういうデータについては飽くまでも正確を期した上において論を今後進めて行かれるように特に私は要望するわけです。それはそれにとどめまして、これに関連するのでございますが、この前既得事実、大臣の言葉を以て言えば既得事実でありますが、それを確保するためには、寺中課長の言葉を借りて言えば、月給の高い教員と月給の安い教員と入替えることによつて既得事実は守られる、こういう発言がこの委員会場でありました。更に辻田局長の言葉では定員が二万人ばかり欠員があるので、それの操作によつて既得事実が守られるというような発言がございましたが、この点について私は大臣に承りたい。と申しますのは、一体今のこの教職員の停年制はありませんが、普通一体退職される年配というのは幾つくらいになつているか。普通は五十二、三歳でございます。これからいよいよ子供の教育費とか、或いはお嬢さんがあれば結婚するとか、そういういわゆる費用が非常に嵩んで来るという時代に教員は皆退職しておる。而も教員は潰しがきかないというのがこれは一般の輿論です、従つて何十年間も教職にあつた教職員の末路というものは誠に哀れな状況なんです。私どもの見解を以てすれば、少くともこれは六十歳ぐらいまで教職にあることができるようにしたいと考えておるのに寺中課長がそういうことを述べられるということは私としては納得できない。大臣がどう考えられるか、これが一つと、それから辻田局長は欠員の二万人によつて云々ということを言われますが、一体教育の現状において定員不足というものが教育に如何なる支障を来たし、更に教職員の勤労條件を如何に惡いものにしておるか、労働過重になつておるかという点についても大臣はどういうふうに考えておられるか。私は先般福岡県の教育庁から福岡県の綿密なる教職員の定員についての資料を頂きましたが、それによりますというと、結局教職員の出張とか病気とか会議とか、それらによる教職員の不在というのは大体一〇%だと、高、中、小について一〇%、そして自習率というものは平均二〇%から三〇%の生徒が自習しておる。これ以上定員が減つたのではどうにもならないし、むしろ定員は増してもらわなければならない。こういう切実な声を福岡県の教育庁から直接受けておるわけでございます。この定員の問題と、それから教職員の退職年齢の問題、これを、既得事実を守る方便として文部省はとつておるという点は私はどうも了解できないのですが、これについて大臣はどういうふうに考えられますか。

天野貞祐文部大臣

○国務大臣(天野貞祐君) 私も停年は六十歳、少くも六十歳でいいのではないかと思つております。それから第二の点については、これはあなたのように、そういうふうに四角四面に言われると非常に議論がしにくくなるのです。これは四角四面に言えば、何も地方公務員が国家公務員より余計取る事由はない、原理的には成り立たないと思います。だからそういう四角四面のことを言えば、それならこれは同じでいいと、こういう議論ができるわけです。けれども私はそうでなくて、やはり実際の仕事に即してものを考えて行く、やはり原理的に言えばそうであるが、実際に高いのですから、それが高いようなふうに工夫をしたい、その工夫をするのには今我々の立場では差当つてその欠員のところを使うより途がないからそれを使つて行こう、先に又新らしく考えを立てるにしても差当つてその事実を尊重して行きたい、こういう考えです。

矢嶋三義第一クラブ

○矢嶋三義君 それでは大臣、あの定員とに関連してお伺いいたしますが、地方公務員の地方行政簡素化本部でやつておる行政整理、これについては大臣はどういう見解を持ち、更には大臣の下僚をして地方行政簡素化本部に臨ませられておるか、その点を伺いたい。

天野貞祐文部大臣

○国務大臣(天野貞祐君) それは決して現在の人を減らすということのないように交渉をさせておるわけです。

矢嶋三義第一クラブ

○矢嶋三義君 その点については、大臣の努力というものはまあ大臣の性格から私十分期待できると思います。見通しがございますか欠員の……。

天野貞祐文部大臣

○国務大臣(天野貞祐君) 私も実際に即して人が減らないようにしようと、今我々はこういう際になかなか原理的に一人も減らさんと、こういうようにやるということはなかなかむずかしい、実際問題として減らなければいいというような立場でやつておるわけで、ですからして減らないように是非ともやりたいと考えております。

矢嶋三義第一クラブ

○矢嶋三義君 まあ大臣が吉田内閣で文部大臣として苦労し、又言論が現実的になされることは或る程度いたし方ないとこう考えますけれども、大臣がさつき国家公務員よりも、地方公務員が高いならば同じようにするのは理窟から言えば原理的な真理だと、こういう御発言がありましたが、この点については大臣の今までの言動と相当反しているのではないか、非常に今まで天野文部大臣に期待しておつたのですが、と申しますのは、天野文部大臣は教職員は優遇せにやならない、教育は日本再建の基盤である、従つて教員別表というものをこしらえて教職員は特別に優遇したいと、今までそれを常に主張され努力されて来られたわけです。そこで若しも国家公務員である職員が地方公務員である教職員よりも若し安かつたならばその安いほうに地方公務員の足並を揃わせるように閣議決定がされるのに対して同調するよりは、大臣の今までの主張を一貫されて教職の重要性とその特殊性と、勤労條件のその特殊性、そういう立場から教職員がかくなければならないのだと言つて、低いところの国家公務員の教職員の、若し地方公務員の教職員が高いならばそこまで上げるように努力されるのが天野文部大臣の今までの歩いて来られた言動から一貫されておると思う。それを今原理的に言えば、若し地方公務員が高いならばそれを国家公務員並みに直ちに政府のほうで考えて下げるのが至当であるというような大臣の主張であつて……、変られたのではないかと思つて心配するのですか……。

天野貞祐文部大臣

○国務大臣(天野貞祐君) 矢嶋さんがそう心配されるのは非常に不思議なのです。私は教育公務員が普通公務員よりも優遇されるということを主張して来たけれども、国家教育公務員よりも地方教育公務員のほうが高くなければならんということを主張したことは一度もございません。私は教育公務員は一般公務員より高くなければならんということは主張したけれども、国家教育公務員よりも地方教育公務員が高くなければならんということを主張したことはないのです。だから原理的に言えば国家教育公務員と地方教育公務員は同じでいいのだ。けれども現在の事実を見れば地方教育公務員のほうが高くなつておるのだからそれを下げるという法はない。こういうのが私の論理であります。

矢嶋三義第一クラブ

○矢嶋三義君 私はそれをさつき私の言葉が誤つておつて、私は国家公務員である教職員よりも地方、公務員である教職員が高くなければならんということを大臣が言われたのに対して、若し高いとするならば地方公務員である教職員の給与を下げるということについては反対で、既得事実を飽くまでも確保されなければならないという立場において御努力をなさつておる点は多といたします。それを実現するためにさつき私が要望した点を是非とも今後とも実施して頂きたいと、こう考えるのでありますが、最後に私承わりたい点は、大臣はまあ非常に教育に熱心で教育者の生活についても御心配なさつておられ、閣議決定もさつき大臣が述べられたような内容に囚われて既得事実は守れるものだと考えておる、こう言われるのでありますが、通牒ですね、この通牒は吉田内閣の一国務大臣としてはどうお考えになられますか。もう少し砕いて申上げますれば、これはこういう通牒を出されれば確かにそれによつて地方は拘束される。まあ給与に関する限りは確かに平衡交付金の紐が付いて行くことに事実上私はなると思うのです。従つてこういう通牒を自治庁次長名において出すということは、地方公務員法で都道府県の地方公務員の給与は條例できめるとそういう立場と、それから教育公務員特例法で地方教職員の給与は国家公務員である教職員に準じてやる。それから地方財政平衡交付金法ではこの使途は拘束しない。そして地方の財政規模によつて、又民間給与とも睨み合せて條例できめるのだと、こういう精神から考えますと、こういうふうに期待する、こういうふうに徹底せしめるのだ、こういう通牒はこれは私は非常に遺憾なことだと考えるのですが、文部大臣は吉田内閣の国務大臣としてどういうふうにお考えになりますか。

天野貞祐文部大臣

○国務大臣(天野貞祐君) 私は若しも地方のこの平衡交付金に対してそういう指示をして紐が付けられるなら何も今日まで標準義務教育費の法律で苦労して来ない。だから紐が付けられないということはこれは原理的にはきまつたことだと思う、平衡交付金に関する限りは……。だからしてそういう地方で以てそれを実施することに対して何かこちらから喙を容れちやいけない、ただ閣議で以てきめたときにはこれは予算措置としてはこういう建前できめたのだと、こういうことを通告するということには、自治庁が通告されるということには私は反対するわけに行かない。ただ閣議できめた通りのことを通牒するに止めるというのです。けれどももう原理的には平衡交付金には何も紐が付かんのだということはこれは明らかなことだ、そういう建前から地方においても当然考えて頂きたいと思います。

矢嶋三義第一クラブ

○矢嶋三義君 最後に、大臣が了承されておる閣議決定の線ですね。それが徹底するように今後とも御善処願えますかどうか。

天野貞祐文部大臣

○国務大臣(天野貞祐君) その方法等については事務当局とよく相談をいたしたいと思います。

若木勝藏日本社会党

○若木勝藏君 私は矢嶋委員の質問と重複しない範囲で極く簡單に二、三点伺いたいと思うのであります。大臣が教職員の既得事実を重んじて、そうして文部当局といたしまして非常な配慮をされている、いわゆる三百七十五円の切下げができないように配慮をされておるということについては私は非常に敬意を払うものでありまするけれども、その配慮の方法といたしまして幾分ここに私は先ほどの御答弁で以て疑問を持ち、不安を感ずるものであります。それは先ほどの事務当局からの御答弁では二万人の欠員の操作、それから昇給停止の操作によつてやり得る、既得事実を守り得るというところの御答弁があつたようでありまするが、果してそういうことができるかどうかということに私は疑問と不安を持つのであります。と言いますのは、従来のごとくこの義務教育半額国庫負担というふうな制度であればそういうことは言い得るかも知れないけれども、平衡交付金制度になりました場合には恐らくそういうことによつて紐を付けることは私はできないと思う。そこに重大な点が私はあると思う。そういう点を私の納得の行くように一つ事務当局からでもようございますから御説明を願いたい。これは非常に重要なところであると思うのです。

天野貞祐文部大臣

○国務大臣(天野貞祐君) 私は若木さんの御質問でよくわからないのですが、現在は平衡交付金という制度で義務教育は賄われておる、だからそれを地方がどう使うかということは地方に任かされておる、不安を持つと言えば私が一番先不安を持つておる、それを不安を持たないようなことを今までいろいろ考えて、今後教育財政確立のために考えておる。だから現在不安を持つから不安を持たないようにせよと言つても、平衡交付金制度がある限りそういうことはできないと思う。

若木勝藏日本社会党

○若木勝藏君 今の大臣の答弁に対しては私又非常に不安を持つのですが、あなたは既得事実をそういうことによつて獲得できるということをおつしやつておるのに、今地方で自由だからということになればいよいよそれは地方によつてできない場合もあり得るということが考えられる。その点を伺いたい。

天野貞祐文部大臣

○国務大臣(天野貞祐君) それは既得の事実を自分らは尊重してできるだけそれが成立するように計算もしてあるし、いろいろな努力をしてあるけれども、必ずということは平衡交付金制度の性質上それはできない、それは平衡交付金だから……。だからして自分たちは新らしい制度を考えて教育財政を確立しようと苦労いたしておるわけなんです。ただ併し詳しいことはもう少し事務当局から御説明させます。

若木勝藏日本社会党

○若木勝藏君 そこが私が非常に不安に思うところなんです。

内藤誉三郎文部省初等中等教育局庶務課長

○説明員(内藤誉三郎君) 教育費の算定の問題でございますが、只今大臣や会計課長から御説明がありましたように、今回の平衡交付金算定に当りましては、ともかく四月十日の現員現給の上に千五百円ベース・アップが可能であると私どもは考えたのであります。先ほど矢嶋委員の御説明で文部省は三百七十五円を呑んだのかというお話がありましたが、これは一方的に大蔵省の案を呑んだわけではないのでありまして、全国六十万に及ぶところの教員について学歴、勤続年数別に分けまして、九百三十種類に及んで細かい綿密な計算をいたしまして、大蔵当局と折衝したということを御承知願いたいと思います。ただ非常に非科学的な根拠においてこういうような計算を出すというような御質問がありましたが、そういうことはないということを申上げておきます。それから只今の問題につきましては、これは結局算定の基礎は、教育費の算定の基礎になりますので、平衡交付金を配分する場合、教育費をどう見るかということで、御承知の通り、只今の平衡交付金法によりますならば、小学校、中学校の経費は、学校と学級と生徒、この三本建になつておりますから、私どもが今回において確保いたしました財源は、当然その教育費の單位費用の中に織込まれるわけであります。この場合定員とか、或いは只今計算しました額、單価で計算した教育費の総額は、その中に織込められるのでありまして、従来のように定員とか、或いは定額とかいうようなことできめるわけではございませんので、教育費の総額を、増加した総額を、それを教育費の中に計算上は入れるわけであります。ですから計算の基礎を明らかにいたしますならば、地方では大体これでやるか、やらないかという見通しはつくわけでございます。ところが先ほど大臣がおつしやつたように、平衡交付金は紐付ではございませんので、それがどう使われるか、これは自由であります。又収入面におきまして地方の税収が、政府が見積つた二千五百億というものが確実に入るかどうかということは、私どもは不安なんですから、不安は平衡交付金自体にもございますので、その点については、只今大臣がおつしやつたように、別の構想で教育費を確保するというふうに努力しているのです。

若木勝藏日本社会党

○若木勝藏君 今事務当局からの御答弁がありましたが、それによつて私はいよいよ不安を感ずるのです。あなたがたのほうでは算定の基礎を教育費総額についてやる、併しそれが地方によつてどういうふうにこの既得事実が確保されるかという答弁にはなつておらない、極めてあいまいである、或いはなり得ないのではないかという気持が私にはするのです。その点について確保できるということをはつきり私に納得の行くように答弁を願いたい。

天野貞祐文部大臣

○国務大臣(天野貞祐君) 若木さんの御議論は私は無理だと思う。私どもは三百七十五円減らすと言うから、それを減らして国が、そういう平衡交付金というものの性質上、そういう紐付きをしてはいかんということを、私は一方において言つておる。人に向つては紐付きはいかん、自分のほうは紐付きでするという議論は矛盾している。

若木勝藏日本社会党

○若木勝藏君 どうもその点まだはつきりしないのでありますが、時間がありませんからそのくらいにいたしまして、大臣は非常に教育に熱心なことは私よくわかつておりますけれども、今回閣議におきまして三百七十五円高くなつておるというふうな、ああいう一つの閣議決定を了承されたということは非常に私は残念に思う。というのは、この二万人の欠員の操作によつてこれは既得の事実が確得されるから、これで先ず一安心である、そういうふうな建前からやられたとするならば、そのために昇給は停止されるし、定員のそれによつて新採用ができないというような状態に落込むことは明らかである。そういうことを犠牲にしながらあれを了承したということに対して私は非常に残念に思うので、この点について文部大臣の所見を承わりたい。

天野貞祐文部大臣

○国務大臣(天野貞祐君) 事務当局からお答えいたさせます。

堀越儀郎緑風会

○委員長(堀越儀郎君) 事務当局の答弁は明日にいたします。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 私は大体今までの交渉経過を見ておりまして、又我々議員団としましても大臣に要請しなければならん点から考えまして、こういう事態に立至つたことは先ず第一に不安に思います。なぜならば大臣は閣議でつまり既得の線については頑張る、こういうお話であつたのでありますが、周囲の事情でそこに落とされた、従つていわば前提條件についてはもうとても頑張れなかつたので、止むを得ず今度は文部予算の範囲内であつて、その枠内で操作をして何とかやれるだろう、こういうことになつたことは、いつでもこういう形が文部行政が全く教員の給与というものを本当に確立することがで直ない一つの形がそのまま出て来ておると思います。こういう点から考えますと、こういうような特別な次善の方法というようなことでいつでも操作されるやり方というものは、非常にこれは問題があると思います。これは我我了承できませんが、参考のために聞いておくのでありますが、大体二万の定員が不足して昇給財源の二%の問題なんですが、これは大体どういう財源に充てるのでありますか。簡單に一つこれを大臣に非常に重要なのでありますから、これは極めて明確にしてもらわないと困る、二万人でどうです。

内藤誉三郎文部省初等中等教育局庶務課長

○説明員(内藤誉三郎君) 二万人の数字についてはこれで幾らになるかというお話でございますが、四月から全部洗い直す計算と、今回の補正……。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 額を言つて下さい、額を……。

内藤誉三郎文部省初等中等教育局庶務課長

○説明員(内藤誉三郎君) 金額が違うわけでありますから、その資料によつてお答えをいたしたいと思いますから、後ほど資料を御提出いたします。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 二・五%ですか。

内藤誉三郎文部省初等中等教育局庶務課長

○説明員(内藤誉三郎君) それは資料によつてお答えいたします。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 これは少くともちよつとした数字でありますから、大臣も数字くらいは検討しておいて頂かないと困るのです。こういう方法と、こういう方法だと言つても困る。これは数字的にやはり検討して、できるかできないか、こういうことを先ず検討しなければならん。それを信じてこれで了承してしまつたが、実際やつて見たところがいろいろな点で欠点が起つた、数字的に問題にならないということでは理論に困る。こういう点からいつでもそうなんですが、文部省はこういうときにはいつでもデータを大きく示して科学的方向に近付くように努力してもらいたい。それからさつきも若木君から出たのですが、どうなんですか、これは。そうすると昇給しないのですか、ストップですか、それから定員については当然私は昇給財源として取られておるならばこれは昇給をなされるべきものだと思います。これがどうなるのであるか。それからここで一応今まで当然とらなくちやならない、犠牲においてやられておつたところの二万の不足、これがぎりぎりのところまで駄目になつてしまつた、とめられてしまつた、そういうことによつて逆に今度は現在の定員がもつと縮減されるということが起り得る。つまり前提條件で一歩退いてしまえば、そのあとに必ず今までの1政府のやり方では狭めて来て、それによつて出血が出るというようなことが起り得る、こういうことについてはどういうお考えを持つておられるか、お聞きしたい。

堀越儀郎緑風会

○委員長(堀越儀郎君) 最初申上げたように大臣はこれで退席いたします。明日引続き大臣の御出席をお願いいたします。

内藤誉三郎文部省初等中等教育局庶務課長

○説明員(内藤誉三郎君) 只今の昇給の件につきましては、従来は昇給財源というものは見込んでおりません。今回に限りまして一応形の上では三百七十五円という数字を出しましたのですが、それが二・五%上げたものから三百七十五円を引いた恰好にしたのであります。そういう意味で実質的には百六十円程度になつておるのであります。それから二万人の定員の件ですが、これは私どもとしては現員としてはぎりぎりの線に来ておりますが、この程度ならば何とか教育が崩壊せずに行くという私どもとしては見通しを持つておるのでありまして、これは各地方の実情に合せまして、学校の規模によつて一体最低どれだけ教員が要るかという数字を計算いたしますと、大体のところ現在の現員でほぼ足りるだろう、今後これ以上現員を割ることは教育の運営に支障があると私ども考えておりますが、この程度ならば何とかやつて行けるだろう、かような見地から一応四月十日の現員現給を基礎にいたしましてべース・アップが可能であるというふうに見込んだのであります。なお昇給につきましては、今後大体十月以降に一回の昇給が十二月にございますので、一気の昇給財源を見込んでおりますから、何とか操作ができると申上げたい。一応の計算の上ではなるようにしてあります。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 これは大臣がいないからあとで続行したいと思います。資料を出して頂きたいと思います。とにかくこういう事態が起つて、要求が非常に下から起つておる。この事態を何とか説明するためにこういうような調子をとられておる。いつでも次善の策で外濠を埋め内濠だけでの戰いでやる。こういうことによつていつでも追い込まれておるのが今までの通例である。ここから抜け出すことはできない。二・五%の昇給は一%だけはできる。こんなことは一つの弁解に過ぎない。こんなふうに既得権というものがどんどんきめられるような形に落ちて行く。これは資料を対照して先に行つてやりますけれども、我々は参考までに聞いておくのであります。依然としてこういうふうな文部省は次善の策で、閣議で文相は熾烈に頑張るだろうと思つた。少くとも私どもあのことは、何年か有志として日教組の組合員なんかに会いましたときには、相当な何を以て臨まれたけれども、どれだけ主張したか、閣議の内容も聞いて見たいような気がいたします。主張しないでうろうろしてしまつて、エキスパートがきめてしまつたから仕方がない、そんなざまの惡いことではどうにもできない。これはあなたに言つても仕方がないから明日やります。こういうことでは絶対了承できない、はつきりしておきます。

堀越儀郎緑風会

○委員長(堀越儀郎君) それではこれで散会いたします。    午後四時十七分散会

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