文部委員会 第3号
- 発言数
- 90 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1951/10/30
会議録
○委員長(堀越儀郎君) それではこれより本日の委員会を開催いたします。文部大臣に対する一般質疑がまだ残つておりますが、大臣の御都合で二時過に外に出られますので二時頃まで続行して頂きます。残れば次回に譲りたいと思います。御了承おき願います。質疑のあるかたはどうぞ。
○若木勝藏君 私はこの際文部大臣に行政整理の件について伺いたいと思うのであります。行政整理というようなことにつきましては、これは行政の能率を向上させるというところに目的があるだろうと思うのであります。そういう観点からある場合に整理が行われるというような場合もあり得るだろうと思います。従つて当然これは機構改革というふうな方面にマッチして行わなければならない、こういうふうに思うのであります。そういう点をこの教職員の立場について考えてみまするならば、これは当然教育制度の改革であるとか、或いは教育財政の確立、そういうふうなことに伴つて考えられなければならない。そういうふうなことが必然であると私は考えております。こういう点から考えまして、先ず第一に私が伺いたいことは、文部省といたしまして又文部大臣といたしまして、今回の国立学校の職員の整理というようなことに対してどういうふうな計画を持つておられるか、これについて先ず伺いたいと思います。
○国務大臣(天野貞祐君) 若木さんのおつしやるように、機構改革というようなことが先ず先行して、それから人員の整理をするというようなことが順序だということは、私も御尤もな御意見だと思います。ただ行政のほうからいえば、やはり職員の給与を上げるというようなこととか又能率を上げるとかいうようなことから整理ということが行われるのも、これもいたし方ないかと思います。でありますから学校でも学校の事務職員などに対してそういうことが行われるというのはやむを得ない、或るところまで行われるのはやむを得ない。ただ教員というのは特別でありますから、事務職員並にこれを扱うということには私どもは徹底的に反対をして来たわけなんです。けれども何か教員のほうにも整理してよいところがあるならしなきやならんというようなことから、今度の整理ということもこれはいたし方ないかと思つたのですが、併しそれも極度に減らしてしまつて国立学校では三%ちよつと超すぐらいのものではないかと思つております。それにこれは本来補充を必要とする欠員ではありまするけれども、とにかく欠員もありますから、国立の学校に対しては殆んど迷惑を及ぼさないでもすむのではないか、そういう見通しを以てやつております。
○若木勝藏君 そういたしますと、今の御答弁から考えてみますると、結局今回の行政整理というふうなものについては、教育制度の改革というふうなことは余り考えておらない、むしろまあ財政上の方面からやむを得ずして人員の整理をするのだ、こういうふうに受取つて差支えありませんか。
○国務大臣(天野貞祐君) さようでございます。
○若木勝藏君 これは非常に私は重大な問題だと思うのであります。そういう立場から行政整理を進めて行くということになりますると、恐らく今後において教育者といたしましても、安心した状態において教職におるということはできないのじやなかろうかと思うのであります。併しただ単に天引の人員整理というふうなことは文部大臣としても恐らく考えないだろう、そういうふうな立場から。そうすると、今回は機構改革云々というようなことには当らぬといたしましても、どういうふうに一体それでは三%なら三%というふうなものを整理するか、こういうことが考えられて来なければならん。その三%の整理をする根拠について伺いたいと思います。
○国務大臣(天野貞祐君) 事務系統と違うからして教育公務員というものはそういう幾%ということは本来できないことなんです。が併し全然やらなういということも事実上できないのでもう極く少数だけを学校に関してやる、こうしたわけですが、それを実施するにはどういうようにするかという具体計画というものはまだでき上つておりませんです。併し人数を言えばそのくらいの人数がこちらへ割当てられることが避け得られないのではないか、こういう考えであります。
○若木勝藏君 そうすると、未だ実施計画ができておらんということになりますれば、もう追つてこれは定員法が上程されるのでないかと思うのでありますが、その間における文部省と行政管理庁長官ですか、そういう方面との折衝はどういうふうに行われたか、これについて伺いたい。
○国務大臣(天野貞祐君) 文部省が国立学校に対して整理する人員は、このくらいだということだけがきまつておるのです。でありまして別にそれをどういう内容においてやるかということは、長官と別に私どもは相談いたしませんのです。こちらで独自にやる考えであります。
○若木勝藏君 どういうふうな内容を以て三%を整理するかということについて私は伺いたいのでありますが、本日その点若し明らかにならないとすれば、私はその質問は保留いたしますが、その点をでき得るだけ明らかにしてもらいたいと思います。
○国務大臣(天野貞祐君) それは新規予算と関連させませんと、どういうようにやるということが十分きまつて行かんと思うのです。それと関連さしてよくその内容を検討して行こうという考えです。
○若木勝藏君 それでは今の問題は、予算がはつきりしなければできんというふうなお話でありましたけれども、すでにもう補正予算は提出されておるのじやないのですか。その関係においては明らかになつていなければならない。その点を伺いたい。
○国務大臣(天野貞祐君) この整理は一月から六月までにやるということになつておるので、今直ぐ整理の内容をきめておかなければならんということはない、それからきめて行こうという考えでございます。
○若木勝藏君 次に、それでは公立学校の職員の整理問題について伺いたいと思うのであります。これは今日の朝日新聞を見ますとこういうふうなことが出ておるのであります。地方行政簡素化本部の第一次案としまして、人員整理案、これには公立学校職員については簡素化本部の案だろうと思うのでありますが、五%ないし一〇%、ところが地方自治庁のほうでは小学校一〇%、中学校五%、文部省は各五%、大蔵省は各一〇%、こういうふうに出ておるのでありますが、これに関しましても私は先ほど国立学校の先生について申上げた通り、やはりこれは殊に地方の場合においては教育財政の確立というふうな点から考えられて来なければならない問題であると思うのでありますけれども、そういう機構改革の方面についての簡素化本部の案というものはさらにない。ただ機構改革としては、選挙管理委員会を縮小する、委員を六名と三名にする、それから教育委員を任命制とする。こういうふうな無関係のようなことが載つておりまして、この人員整理にはなんら関係を持つておらない。そこで私は文部省といたしまして小学校、中学校を各五分にするというふうなところの根拠についてお伺いしたい。
○国務大臣(天野貞祐君) 中学校、小学校につきましては、この前荒木委員のお尋ねと思いましたが、私はクラス数を調べ上げてそのクラス数から合理的な人数を出すという仕方で行つておるので、決して何%というやり方ではないということを申上げた。高等学校についても自分たちは一〇%というようなことは到底承認できないと言つてゆうべおそくまでやつておりますけれども、まだ片がついていないのです。学校には機構改革というふうのことは差当つて考えられないことでございますから、やはり財政のほうのことから考えるのはいたし方ないと思つております。
○若木勝藏君 そうすると、新聞に出ておるところの文部省の各五%というのは間違いですね。
○国務大臣(天野貞祐君) そういういろいろの折衝があつたのですけれどもまだ決定をみておりません。ゆうべおそくまでやつてもまだ決定に至つておりませんです。
○若木勝藏君 その点、文部省の公立学校の職員に対する整理の計画案というふうなものを私はもつと具体的に伺いたい。この点お願いしたいと思います。
○国務大臣(天野貞祐君) これは又事務当局に詳しく説明させることにいたします。
○高田なほ子君 只今の大臣が人員の整理に際して、クラス数を先ず考えてされるというふうなごう大まかな線を出されたと思うのであります。これはクラス数の実態からということが非常に私はお聞きしたい点なんですが、先頃兵庫県のかたからのいろいろ話を伺いましたところが、一学級の五十人の児童を全部五十七人に平均にしてしまつた、そうしてぐつと学級数を減らしているという、これは大臣が前以てこういうことをあらかじめあるであろうという予想をされた下に、こういうことが行われておつたのかどうなのか。その点をお聞きしたいと思います。
○国務大臣(天野貞祐君) 只今のことは私は初めて伺つたことでございます。そういう計画をしてものをやるというようなことは、高田さんにお願いしたいのですが私はそういうことは決してしているのじやない。そうじやなくして、反対に生徒の数を五十人で割つてそれでクラス数を出すというようなことが従来やられていることなんです。それではいけないのです。三十五人のクラスもあり得るのですから、現実に小さい学校などのクラスを調べて、そしてむしろクラスの数を多くして五十人平均より多くなるという見通しを以てやつておるのであつて、クラスの人数を殖やしてクラス数を減らそうなどということは、私どもの少しも考えたことではございませんです。
○高田なほ子君 御趣旨は大変よくわかりましたが、そうすると若し現実の問題として考えて参りますと、こういう五十七人なんというのは、これはべらぼうなやり方だと思うので、若し仮にクラス数をもとにして人員整理をやるというお考えの上に立つとするならば、合理的なこの編成にやり替えて然る後に人員整理を考えて行くのだというふうに私は了承するのですが、そういうふうなお考えであるのかどうか、よろしうございますか。
○国務大臣(天野貞祐君) そういう点については詳しく調べてありますから、先ほどの若木さんの場合と同じように事務当局から詳しい説明をさせることで御了承頂きたいと思います。
○高田なほ子君 そうしますと予算がはつきり出ないとこの人員整理の実態がまだ言えないというお話でありますが、そうすると予算よりもそういう合理的な編成を考えることのほうが先のように私は考えられるのですが、どちらが今作業として先行されているでしよう。
○国務大臣(天野貞祐君) 先ほどこの予算のことを申上げたのは国立学校について私は申したのでございます。公立の学校については只今申したような殊に小学校、中学校のクラスの数を考えて合理的な人数をはじき出して、現在何人おるかということを調べてそうしてする。だからなかなか整理ということはできないというふうに考えております。
○高田なほ子君 今朝のラジオでもすでにこのことはもう報道されておりまして、文部省側の意見というものがなかなか強硬であるので結論が出ないというふうに私は非常に善意に聞いたのでありますけれども、若しこれと反対の立場で以て結論が出ないというようなことになりはしないかということを私は危惧して聞いているのですが、それは先頃地方の陳情団のかたがた或いは日教組のかたがたが非常にこの問題を心配されて、今までも天野さんの人員を減らすどころか殖やさなければならないこういう御主張に対して、同じ考えを以て非常に心から文部省側に応援をし、又実態を十分に陳情しているにかかわらず、交渉なら会わないとかまだ回答ができないというような非常にすげない態度で追い帰したり合わなかつたりするということは、一体どういうところに原因があるのでしよう。そこのところを私は伺いたい。
○国務大臣(天野貞祐君) 私はどういうときにそういうことを文部省でしたか存じませんけれども、私ももうさまざまな用をいたしております。でありますからそのときにたまたま会議をしていたとか、たまたま何か差支えがあつたとかいうことでお断りをしたかと思うのであります。私自身は暇のある限りは幾らでも人に会うといつたような態度でいつもいたしております。決して今度人員を減らすことがいやなのにどうも減らせねばならんから、それを避けろというようなそういう複雑した考え方で私はやつておりませんです、一般に。ですから何かそれは特別そのときに差支えがあつたということだろうと思つておりますから、どうぞよろしく御了承願いたい。
○高田なほ子君 それでは最後にお伺いいたしますが、大体この問題の結論が出るのは、いつごろ一体結論をお出しになるつもりでございましようか。
○国務大臣(天野貞祐君) 地方行政簡素化本部では来月中に結論を得たいと言つているということでございます。
○高田なほ子君 それはわかつているのですがその過程に至るまでに、文部省としてまだ人員もきまつてない、予算がきまつてないから人員もきまらないというようなお話ですから、とにかく文部省の主体的な問題がはつきりしないことには簡素化本部にやたらに結論を出されては困るのです。私のお伺いしているのは文部省としての結論はいつ頃出るのか、こういう質問です。
○国務大臣(天野貞祐君) この国家公務員のほうについては、これはいつまでということをまだ聞いていませんが、地方のほうについては私どもは或る主張を以て今簡素化本部と非常に折衝をいたしているのです。それがきまらない間はどうにもならないのですよ。
○委員長(堀越儀郎君) 他に御質疑はありませんか。
○荒木正三郎君 私もこの前に行政整理の問題について、或いはベースアップの問題について大臣に質問をいたしました。今日も先ほどから御質問がありましたこの問題は非常に重要な問題でありますので、重ねて私は聞いてみたいと思うのです。国立学校の教職員の整理の問題については、来年はたしか新制大学は四年制が実施されるときになつていると思うのです。今年は三年まで来年初めて四年制が実施されるというふうに承知いたしているのですが、今度の行政整理についてはこのことも考慮した上でお考えになつておられるのか、その点を先ずお伺いしたい。
○国務大臣(天野貞祐君) それは十分に考慮した上でやつております。
○荒木正三郎君 そうすると、来年四年制になつても差支えないという目安を以て整理をされている、こういうふうに了承していいわけですか。
○国務大臣(天野貞祐君) その通りでございます。
○荒木正三郎君 それから今度の整理に当つては大学の事務職員がその大多数を占めているようでありますが、この事務の運営について支障があるかどうか、こういう問題について大学当局の意見を徴収されたようなことがありますか。
○国務大臣(天野貞祐君) 意見を徴してこれは支障が起らんように是非やりたいと思つております。
○荒木正三郎君 意見をこれから徴してというお話ですか。
○国務大臣(天野貞祐君) いやもうすでに徴したのです。
○荒木正三郎君 とすると大学当局の意見を徴してこれくらいの整理であれば事務に大きな支障はなくてやれる、こういうまあ判断に基いて行われているものと解釈していいわけですか。
○国務大臣(天野貞祐君) そうでございます。
○荒木正三郎君 それからこれら整理される人たちの将来の問題について、これは教職員だけの問題でないと思うのですが今度の整理は相当多数のかたに及ぶと思うのです。そういう整理された人たちの将来の問題については政府として如何ような考慮が払われておるのか、その点を伺いたいと思いますが。
○国務大臣(天野貞祐君) これは荒木さんの言われる通り本当を言うたらやめた人の行く先というようなものをなんとか工夫せねばならんと私らも思つておるのですが、文部省としては先ず初めごの三ヵ月、次に六ヵ月というようなときでも手当を従来より余分にやつておる。が併しそれで足るというわけではないからして転職とかいろいろなできるだけの斡旋を文部省がしたいと考えておるわけです。
○荒木正三郎君 この問題は私は非常に重要な問題であると思うのです。ただまあ理由があるにしても人員整理をしてその人たちの行く末がどうなるかわからないと、こういうことではやはりいろいろのよくない結果が生れて来ると思うのです。で、私は文部大臣が常に国民道徳の高揚ということについていろいろ御意見を出しておられますが、それとは直接関係がないにいたしましても、まあ多数の失業者を政府は出してそれに対する救済の途を十分講じていないというようなことは、私は一方で国民道徳の高揚というようなことを言つてもそれはまあ極端な言葉で言えば紙に画いた餅のようなものであつてなかなか実現しないと思うのです。お互いに我々の身にとつて考えてみてもわかるのですが、失業するということは今日やつばり生活の非常な脅威であると思うのです。国家の都合によつてこれは整理しなければならないということであれば私は一概には否定しません。併しながら成々お互い日本人なんです。それでそれをただ整理したらいいということでは私は国家の再建ということに重大な影響もありますし人心の不安ということもここから起つて来ると思うのです。それでこれだけの整理をするというからにはその行く先をどうするかということが同時に考えられなければこの整理は私は無謀な整理であると、こう言わざるを得ないのであります。こういう点について大臣はできるだけ行く先のことについても相談してやつて行きたいというその気持はよくわかります。併しこれを具体的にどうするかということがどうしても私ども欲しいと思うのです。そういう点について私重ねて大臣の所見を伺いたい。
○国務大臣(天野貞祐君) その点については私も荒木さんと同意見なんです。何か整理をするというにはその行く先ということがはつきりしなければ困ると私どもも痛感いたしております。けれども一方どうしてもここで整理しなければ給与を上げることも何もできないというようなことからこういう整理ということが始まつて来ておるのです。だけれどやめた人をすぐどこかにやるということができればそれが 一番いいのですが、差当つてそれができない。だから文部省としてはできるだけその相談に応じて何か転職のために尽力をしようというよりあなたからそれでは駄目だと言われてもいたし方ないと私現実ではどうも仕方がないというよりいたし方ございません。道徳高揚のことについてはそれは私は道徳要領を出せればそれでことが解決つくとは私は一つも思つておりません。世間からひとしく要求されるものですからその要求に応ずるということもいいのではないかと考えております。
○荒木正三郎君 道徳の高揚ですが、あの問題については大臣も本会議に答えられている問題でもありますので私は別個の機会に十分御質問いたしたいと、かように考えておりますので、本日はその問題は省略いたしますが、私は二年ほど前に大量の行政整理があつた、あの人たちが社会に出て行つて生活の脅威にさらされてそのことが如何に思想の不安を招来したかということを身を以て体験した一人なんです。今度はやはりこの問題についても十分な対策がないということは非常に私としては遺憾です。併しこれ以上大臣を追求してもまあ今ここでどうこうということはないのですから、ただ遺憾の意を表しておくにとどめたいと思うのです。 その次にはこの公立学校のやはり教職員の整理の問題ですが、これは大臣のお考えには私は基本的には賛成なんです。無理のないように実情をよく考えてその上でやりたい。こういうことですからその結果整理するような人員が出て来るかどうかもわからない、こういうお話ですからそれは非常に結構なんですが、併しこれも相当大きな不安を与えていることは事実です。教職員の人員整理については大きな不安を与える。ですからもう少し明確に現状をとにかく整理するのかしないのか、やはりこの点は私明瞭にして頂きたいと思うのです。そうしないと不安がいつまでも先に持ち越されると思うのです。その点について又整理することになるのかどうかわからないとこういうことでずが、文部省では相当計数的な整理をされておるということを聞いておるのですが、そういうものと睨み合せて行政整理の実質的な必要があるのかないのか、そういう点を明確にして頂きたいと思います。
○国務大臣(天野貞祐君) それは先ほどから申上げておりますように、地方行政簡素化本部と今折衝をしておりますので、自分たちはできるだけ整理をしないようなふうにしたいのです。そういうようには折衝しております。だからしてその折衝をやつておる事務官に来て頂いて、折衝の経過を皆さんに説明させるようにいたしたいと思います。
○荒木正三郎君 その点で後ほどそういう経過についてよくお話をお聞きすることにして頂きたいと思います。 次にベースアップの問題ですが、これも重ねて質問するわけなんですが、これも又重要な問題です。結局のところ今度の国家公務員に対しては千五百円のべースアツプをする、こういういうことにまあきまつたようですが、地方公務員に対しても千五百円のべースアツプができるのかどうか。これはまあ実際の教職員の不安になつておるわけであります。それでこの間からいろいろお聞きするとできるようでもあり、できないようでもありこの点も私ども一つもはつきり呑込めない。何とかもう少しはつきりしないものでしようか。
○国務大臣(天野貞祐君) これは私どもはつきりさせたいのですが、これは地方でなさることで、文部省が直接やることではないのですから、はつきりこうだと申上げかねますが、私この間地方の知事のかたがたと話をしてみたのです。そのときの話をしたかたがたはどうにでも都合をしてでも自分らはやらなければならん、こういう話で私も非常に意を強うして、是非そういうふうにやつてもらいたいということをお話したような次第でございます。
○荒木正三郎君 まあこの問題についても大臣が非常に努力しようという熱意を持つておられることは、私ども承知しておるのですから、大臣に対する質問はこれでやめます。ですがベースアツプについてはやはり平衡交付金の関係がある。その数字的な問題については後ほど事務系統のかたからゆつくり伺いたいと思います。これで終ります。
○木村守江君 ちよつとお伺いしますが、大臣は教職員の行政整理に際しては教育に支障のないような線のところで、決して教育に支障があるようなところまでは持つて行かないということをおつしやつていられますが、先に文部省が地方の公立学校に対して小学校は一・五の定員を持たなければ教育ができない、中学校は一・八の定員を持たなければ教育ができないというようなことを言つておられましたが、実際問題として一・五とか八というような問題でなくて、それよりもずつと下廻つておるのが現在の状態なんです。それよりもなお行政整理をしても教育に支障がないというような点はどの辺の定員の枠でありますか、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(天野貞祐君) 支障がないように私は努力するということでございまするが、必ずすると言いたいのですけれども、今努力しておる最中です。前に言つたように一・五とか一・八はそれは理想ですけれども、現在ではそれだけに行くということは、私は実情においてはむずかしいと思つております。だからもつと下廻つても実際に現在やつているところは決してそう行つていないのですから、定員は形はそうなつても実際なつていないのですから、実際にやつているところを調べて、それで支障のないような程度に落ち着けたいとこういう考えであります。
○木村守江君 今大臣ののお話によりますと、小学校は一・五、中学校は一・八という線は理想だと申されましたが、私はこれは理想というよりは、当り前の教育の恰好をするために必要な定員だというように解釈してもいいのじやないかと思うのです。ところが現在はこれよりも非常に下廻つておりまして、私は現在の定員より、殊に小中学校の教職員の定員が現在の数より下廻るような場合には、必然的に教育に支障のあるような状態が生れて来るのじやないかということを非常に心配をするのでありますが、そういうふうな点から私は現在の一・二乃至一・二三くらいの線より下廻るということはでき得ないのじやないかと思うのですが、如何でございますか。
○国務大臣(天野貞祐君) それが若しそれより下廻るなら支障を起すと思いますから、どうしたら一体その線が維持できるかということを考えて、先ほど来申しておりますようにクラスの数を調べてそうして現在こうなつているというようなことで、その線を維持したいと思つておるわけです。一・五とか一・八というのは私は理想と申しましたけれども、現在の日本の経済状態においては理想と言つてもよいのじやないかという考えであります。
○木村守江君 大臣の気持はよくわかりましたので、どうぞ如何なる場合が参りましても、教育に絶対に支障がないような線を確保されるように御努力をお願いする次第であります。 なおその次にお願いしたいのは、先ほども荒木君がちよつと触れられましたが、第一次、第二次のベースアップの問題と年末手当の問題です。御承知のように第一次、第二次のベースアップの金額が百二十七億五千万円、それから年末手当に要する金額が二十七億五千万円というような数字になつておりまして、このベースアップと付随して参りまする、或いは保険の負担金とか、或いは年金の負担金とかいろいろなその経費を計上いたしますと、これは実に莫大な数字になると考えるのです。ところが実際問題として今度の補正予算に組まれました平衡交付金並びに地方起債は、平衡交付金において百億円であり、それから地方起債において百五億円というような数を睨みまして、これはごのベースアップと年末手当に支障がないということをお考えになられますかどうかお伺いしたいのであります。
○国務大臣(天野貞祐君) これは先ほども申したように文部省が直接やることでないんですからして、自分らが支障がない、こういうことを言い切ることはできませんけれども、先ほどもお話しましたように私は地方の有力な知事の二、三のかたについて是非これはやつてもらえんかといつたところが、自分らはどんなことをしてでもやる考えだということを有力なかたが言つておられるんですから、私はできることじやないかと期待しておるわけでございます。
○木村守江君 これは又理窟になりますが、結局第一次、第二次ベースアップで百二十七億五千万円と、それから年末手当の二十七億五千万円両方合せまして百五十五億円になります。百五十五億円にこれに付随した経費をまぜますと、私は少くとも平衡交付金と地方起債とを合したものの半分くらいがこれを教育に要するベースアツプと年末手当に当てがわれるような恰好で行くのが当前じやないかと思います。そういうところで初めてこの教職員のベースアップも年末手当も安心してもらえるんだという感じになると思いますが、この二百五億円の平衡交付金、地方起債から見ますと、これは三分の一くらいにしか当らないというような状態になりまして、ここに私は非常に地方の教職員の不安の念が増して来ると思いますが、大臣ここの御心配の点はありませんでしようか。
○国務大臣(天野貞祐君) 私はそれは非常に心配があると思いますし、その一番の根本はやはり平衡交付金というものの制度そのものにあるんじやないかと思います。だからして教育費というものを今の平衡交付金から、いわばはずしてほかの新らしい付け方で、すべてそういう不安のないようにするということを今計画をいたしておるわけであります。勿論今、はずすと言つたのは話弊がありますので言い換えますが、何かそれに修正を加えてそうして不安のないような、はつきり教育費がこれだけというものが行くようなことを新らしく考えておるわけでございます。
○木村守江君 余りくどいようですが、結局これは地方の都道府県でも金が余つておれば教育費を削減するということはないと思います。ところが絶対の金が少いという場合に一番圧力をこうむるのは教育費ということになるのでありますが、そういう点から教育費に要する金よりも、その他ですでに二百五、六十億円になるというような場合に、平衡交付金と地方起債とを両方まぜて二百五億円だというところに私は非常な難点があると思いますので、そういうところを考えますと、どうしても平衡交付金を増す以外に方法はないかと考えますが、大臣は如何でございますか。
○国務大臣(天野貞祐君) そういう点についても先ほど申上げましたように事務当局から又詳しい御説明をさせることにいたします。
○木村守江君 わかりました。
○若木勝藏君 今の木村委員の質問は非常に私は大事な点であると思うのでありますが、先ほど来大臣のお話だというと、その点は事務当局から詳細は出るだろうというようなお話でありましたが、私も考えてみますと平衡交付金の百億、現在の百五億の起債ではこれは到底問題の解決がつかないと見通されると思います。そこで文部大臣といたしましては地方教職員の立場から、もうすでにこれに対して何らか政治的手を打たれなければならん、事務的な折衝の範囲では解決がつかないと私は思うのであります。常にこの問題について、前国会でも最後まで教職員が非常に苦境に追込まれるような状態になつておることは大臣もよく御承知でありますが、今恐らくその問題について地方自治で有力な者も是非やりたいというふうなお話がある。そういうところで文相は非常に安心されておるようでありましたけれども、私としてはそんな安易な言葉に安心することはあり得ない。必ずここでもはや地方財委、或いは文部、大蔵、そういう関係からみてどうしてもこれは地方教職員のベースアップについて完成させるために何らかの手を打たなければならん。今平衡交付金ではとても駄目だということは文相は見通しがあるのじやないですか、それに対して何か文相としての構想はありませんでしようか、その点を伺いたい。
○国務大臣(天野貞祐君) 文部省としてはやはり今以上に平衡交付金を増してくれと大蔵大臣に言つても到底これはできないのであります。地方のほうにも今年は増収がございますことは御承知の通りでございますが、増収もあるのですから何とか地方のほうで工夫をしてもらうより仕方がないと私は思つております。決して人の言葉を聞いて安心するのじやありませんけれども、その方々はもう真実にどうあつても自分らはやるんだということを言つておられたからその言葉を私が信じても、ただ安易だとばかりは私は言れないと思います。これは文部省が直接やるのではないのですから、地方の人の言うことを信ずるより仕方がないし、又地方に私がお願いをするより仕方がないと思つております。
○若木勝藏君 もう一つ。今の文相の答弁を聞いて非常に私は残念に思うのでありますが、文相が地方知事が何とかしてくれるだろうというところに乗つておつてはこの問題は解決がつかないと思う。どうしても文相はここで一肌脱いで今初まつた問題でありませんから何らかの手を打たなければならない、こう私は考える。地方の知事に何とかしてもらつてこれを払いたいということでは解決がつかない。というのは知事自身がああいうふうに会議を持つて、居すわりまでやつて折衝をしておるというときに解決策はあるはずがない。どうしてもこの問題は国家財政に訴えるよりほかに解決の仕方はないと思う。そういう文相の決意が欲しいと思うのです。
○国務大臣(天野貞祐君) 結局これは先ほども申しておるように、平衡交付金制度というものが非常に難点を持つておるということだと思うのです。だからしてそれに対して別の制度で以てこういう教育費を賄うようなことを今考えておるわけでございます。
○若木勝藏君 それは非常に私は絶好の機会だと思うのです。若し文相がそういうふうにお考えなら平衡交付金制度で現に今度のベースアップをやるようになつておる、それでどうしてもいけないということになれば、将来その平衡交付金関係の問題を解決するための今恰好の事実が出ておる。この際実質的にべースアツプにからんでこの問題を遂行して行くのが文部省の立場である、こう考えるのです。その点の準備を御努力願いたいと思います。
○岩間正男君 私も二、三点お伺いします。この前文相が国体のほうに行かれて時間が非常に少かつたのでいろいろな点を保留して置きました。大臣にお聞きしたいことは先ほどから問題になつております人員整理の問題ですが、この人員整理の問題と行政機構改革の関連、大体もう文部省は先ほどから何というかおつきあいで仕方がない、何ともこれはおつきあいでここで一応行政措置を認めなければならないというふうな形で文相は答弁されておるのですが、この実施の仕方を我々は無論これについて多くの意見を持つておりますがこの意見は申述べません。ただこの実施の仕方、方法についてどういつたような構想を持つておるかということは明らかにされない。 そこで私はこの行政機構改革と関連してお伺いしたいのですが、先ほどから六三制の問題が出ましたが六三制を堅持するかどうか、これについては堅持するということになつて文相は勿論首相も答弁されておる。併し同じようにそれを堅持してやつて行くとして、さて教育費の枠を拡大するということが非常に重要な問題になつて来ると思うのですが、その点についての見通しが今のところでは非常に少い。或る場合には総体的に物価なんかの値上りからして考えてみると枠がせばまつて行く、実質的に給与予算の枠が非常に縮小される。殊に講和後の日本の財政経済の態勢におきましてはそういうしわが押寄せられるということが非常にあるわけなんです。そうすると当然どこかにしわが寄つて、そこで問題になつておるところの大学機構の改革は、どういうふうにこれは考えられておるのでありますか。これも今までしばしば問題になつたところでありますけれども、六三制を仮に一応堅持するとして、又これによつて起るところの財政の負担というものがそういう大学のほうにかかつて来るわけです。この点が非常に今問題になつているところの大学の事務員の二千七百人ですがこの首切り、こういう問題が現実的に浮んで来るのですが、こういう問題と関連して私は今後文部大臣がおつきあいで引受けたところの首切り、これを行政改革とからんでどういうふうに持つて行くか、この点お伺いしたいと思います。
○国務大臣(天野貞祐君) やはり人員整理ということも結局これは財政の問題なんで、その給与を上げるとかいろいろなことに対して金が要るのに無いからどうしてもそういうことが起つて来るのだと思う。六三制を堅持するについてはそれが大学にどういう影響を及ぼして来るかという御質問でございますが、大学のほうはできるだけ今度は学部などは殖やさない。今まで作つたものはこれはそのまま育てて行くというようなところに影響を及ぼして来るということはいたし方ないと思つておりますが、併しそのために大学を無理に整理するとかそういうようなことは考えておりません。できたものはこれをどこまでも育てて行く考えであります。
○岩間正男君 この大学の制度のいろいろな変更が伝えられているのでありますが、いわゆる短期大学、或いは職業的な大学として地方にそういうものを作る。それから今までの旧帝大系のものは元のような学問に専念するというようなことでやる。こういうような大体の構想が伝えられておりますが、この点についてどうですか。
○国務大臣(天野貞祐君) 大学の整理といつても政令諮問委員会というもので結論を出すということになつておりますがそういうものも参考にする。併しこれはただ参考にするので、参考にして大学に若し整理が必要なところがあればするということもいいことでしようが、併し現在できているものをどうということは私は考えておりません。それはどこまでも育てて行くという考えでございます。
○岩間正男君 現在の学制については変更等の考えがないというわけでございうことになるのですか。これについて例えば整理をするという言葉が当てはまらないなら、これについて新たな構想で年限とかそういう組織の力とかそういう点で改革を文相は考えておられないということになるのですか。
○国務大臣(天野貞祐君) 例えばこの間政令諮問委員会で話が出ていたような、高等学校と上の二年をつけた五年の大学を作るとか、そういうようなことは私は将来実業学校にはあつてもいいのじやないか、或いは六三の三と上の三をつけた六年の学校というものも場合によつてはあることも可能ではないかと思つておりますが、そういうところを六三制を乱すようなそういう変更は一切しない考えでおります。
○岩間正男君 そうするとこれは将来の問題という今お話があつたと思うのですが、例えば二十七年度の予算と関連してそういう改革ということは考えておられるのでありますか、現実性についてお伺いいたします。
○国務大臣(天野貞祐君) 考えておりませんです。
○岩間正男君 そういたしますと、私の最初の質問がこれは文相によつて違つていたように明瞭にされたわけでありますが、どうも今の学制改革とそれから行政整理の関連というものを考えますと、どうもやはりそういう六三の枠が大学のほうに寄せられるような印象を非常に持つていたわけであります。併し只今の来年度の少くとも方法としてはそれは考えていないということでありますからこれは私の一つの取越し苦労であつたと思います。 次にお伺いしたいのは、教職員の資格審査法案の問題であります。これについてこの前の委員会において文相は、こういうものをなぜ作る必要があるかというたしか荒木君の質問だつたと思いますが、これに対しまして答弁された中に、この前終戦後いち早く教職をやめたもの、まあ自分で脛に傷があつたものでしようが、そういうものは追放される前にいち早くやめてしまつた。そういう形のものが残つていて、却つてそういう人が追放というものにならなかつた、つまり網にかからなかつた。そういうものをここで新たに審査し直す必要がある。そのためにこういう法案が必要なんだ。こういうような御答弁であつたのでありますが、この法案の骨子については我々はよく知らないのであります。この前文部省から出されましたところのこの骨子では何ら具体性がないのであります。実にこれは大網も大網、余りに漠としたものなんです。で、もう少しこれは問題になつている問題ですからこれについてその構想を明らかにして頂きたい。この前本当に文相が言われたときのそういう趣旨によつて作られたものであるか、その上どうなんですか、お伺いしたい。
○国務大臣(天野貞祐君) 今岩間さんの言われたように、これはどうもいろいろな問題点があると私は自分で考えて来ましたから研究をもつといたす考えでおります。併し私が初めにこういうものを是認した一つの理由は只今申したような点にあるのです。まるつきりこれを外してしまうと非常に不公平が出て来るということを私は身近かに知つておりますので、それでこういうものも余儀ないのかと思つたのですが、併しよく考えてみればまだいろいろな問題点を持つているからこれはもつと事務当局に研究してくれろと言つております。
○岩間正男君 これは十分に研究を遂げて頂きたいと思うのであります。我我がどうしても納得の行かないのは、この講和というようなものに関連して、いやすでに以前からでありますが、一年前からすでに追放解除というのが逆に行われております。つまり日本が民主化されたという前提なしにはそういう追放解除というものは非常におかしいものになりそうだと思います。ところが事実、現実にはすでにもうこれはあらゆる階層に亘つて、殊に旧陸軍軍人の関係あたりにおきましては厖大な数が追放を解除されている。ところがです、ところがここでまさに講和を迎えようという、こういう段階に来ているにかかわらず、更にそれを再審査しなければならない、誠にどうも奇妙な印象を受けざるを得ないのであります。これは何のための一体審査なんであるか。今まで問題になつていた者さえ解除されている時代である、日本が真に民主化されたということが、これは少くとも世の中ではそういうような基礎の上に立たなければできないようなことをしているのにかかわらず、それに対して一方でこういうような再審査をする、その必要がどこから生れて来たか、どうしてそういうものが一体必要か。これは文部省だけの考えであるか。文部省がそうだとすると日本の今とつている方向に対して一つの逆の方向をとつているように、極めて逆な奇妙な印象を与えているのであります。こういう点について文相はどう考えているか伺いたいと思います。
○国務大臣(天野貞祐君) これは教職は一般の公職とは違うと思うのであります。だから教職というものについては時にやはりそういう審査というようなことが考えられるのも一理あるのではないか。殊にその審査を文部省かなんかで一度やるというのじやなくして公平な立場で以てもう一度やろうというのです。その上に私が先ほど申したような、若しこれを何にもやらないとしたら非常に不公平が起る、現在まだ教職では解除にならない者さえ多くある、それがそれよりももつと激しいような人が何にもならないでいいというふうな非常な木公平が起る。教職というものは特別に考えようという考えでありますけれども、只今申上げましたように私も問題点があると思うからなおよく研究するようにと事務当局に言つているわけであります。
○岩間正男君 一般の公職とは違うというお答えを聞いたのでありますが、これは私は言葉尻を取つているようでまずいのでありますが、まあいずれにしてもしばしば出たのでありますが、あらゆる場合に若し主張されるならば文相はして頂きたい、こう思うのであります。待遇改善とか首切りの場合には一般のやはり公職と同じような点でこれはたやすく同調される。さて今度は教育の仕事に関するこういう点では違うのだ、これは長い間我々は、私も教員をしたのでありますが、はそういうところに追い込まれて来た、一般の人とは違うのだ、何か特殊な人種で霞を食つている人種のように言われて来た。それが教員の転落した、社会的、経済地位を失つた大きな原因であるというふうに私は考えるのでありますが、どうも只今の御答弁では、先ほどからの行政整理とか並びにベースアツプとか、そういうような問題と関連して考えますときに、どうもこういうところは違うのだ、こういう特殊性だけ非常に強調するというのはどうも矛盾のように考えるのでありますけれども、むしろベースアツプとか首切りの場合に教員の特殊性というものを文相は大いに主張して頂きたいと思うのでありますが、そうして首切りのごときは断固としてやめて頂きたいと思いますが、どうもそういう点で私は只今の答弁は非常におかしいと考えるわけであります。いずれにしろとにかくこういうような法案が出されるということにつきましては、いろいろな御説明はあるでありましようけれども、先ほど私が申しました日本の態勢の中に実に逆行する法案であるという印象はどんなに説明を頂いても払拭できない。恐らく世の中の人もそう考えると思うのであります。従つて研究中ということでありますが、研究の経過がどういうことになつているか、併しそれを発表できないということでありますならば、法案として提出される前に少くとも我々文部委員ぐらいには、そういう骨子について内容を示される覚悟があるか、それについて我々の意見も十分にお考えになる御用意があるかどうかこの点伺いたい。
○国務大臣(天野貞祐君) 岩間さんは私が行政整理に安易に同調したというふうに言われますけれども、併し私どものほうでは多いのは五割に及び少くとも二割である、それを教員の場合には国立学校でも三%幾らというふうにとめたというのは、それは微力ではありますけれども、決して教員というものと普通の人とを同じと考えていたわけではないのであります。漸くそこまで来たというのは決して同じと考えているわけではないということを御了承頂きたいと思います。教員というものはただ普通の公務員とはやはり違つた特殊の性質のものだから、それで諸君も整理をしてはいかんという論をされるわけだと思います。その特殊性を認めるということは何ら差支えないことだと私は思つております。 それから又今度できたらば内示してはどうか、それは内示したいと思います。
○委員長(堀越儀郎君) 岩間君まだ御質問あると思いますが、大臣はもう行かれますので木曜日の午後に保留してくれませんか。
○岩間正男君 もう少し簡単に。今の教員の特殊性というような問題でありますが、私はまあこれに対しましていろいろな意見を申述べる時間がありませんからやめますが、ただ一つ問題になつて参りますのは、やはり教員の待遇問題であります。この問題につきましては今までの既得権というものは相当認められなくちやならないはずであり、中労委の会長あたりも教員の特殊性、これは当然教職から来るところでいろいろなそういう教養とか研究の必要とかいうものについて一応検討され、内閣にも伝えられたはずであります。ところがこういう待遇の面におきましてもやはり低い。ただ問題なのは今官公吏の中でどうだかというような問題よりも、社会人としての教育者の立場から考えてみると、一般の民間の給与水準というものと比べて地位を確立することが非常に大きいと思います。我々は問題を論ずるときは一つの枠内に、小さい所に追い込められまして、国家公務員とどうであるとか、それからほかの役場の吏員とどうであるとかいうような所に問題を追い込められているのは甚だ心外に堪えない。少くもこれは社会性を非常に多く見たものではない、教員の場合には民間の給与水準との交錯というものは非常に深く考える必要があると思います。こういう点からのお考えを一つ私はお伺いしているのですが、文相はこの政府が出しているところの一万六十二円でありますか、こういうような賃金に対しましてどういうお考えをお持ちになりますか。又これは民間の給与というものを比較してどれほどの差があつて、その点についてはどういうふうに一体対策を考えなければならないか、どうお考えになつておりますか、この点を伺いたい。
○国務大臣(天野貞祐君) 私は決して十分とは思つておりません。私は教育公務員は勿論のこと、一般公務員だつて決してこれで十分とは思つておりません、一般公務員の給与だつてもつと本当は高くしなければいけないと、それは平常から強く感じているものです。まして教育公務員についてはそうなんです。これが世間一般にしますれば、確に非常に低いということは明らかであります。が併しできるだけ一つ高くするために、教育公務員の別表というようなものも人事院にたびたび行つて話をして作るようにしておるわけでございます。現在の状態が決してこれでよいなどということは考えておりません。
○岩間正男君 少くとも只今教員の諸君並びに国鉄とか全逓の官公労働者の諸君が、最低線で忍びがたぎを忍んで何とか要求として出しておるのは人事院勧告、こういう案を何とか政府に承認させようとすることなんであります。ところが現在におきまして、政府案と人事院勧告の案とでは少くとも千二百円の開きがある。その人事院勧告が一般民間給与と比べてどうか。これは非常に重大なことだと思いますが、私は昨日の予算委員会におきまして、安本のそういう資料を手にしたのでありますが、これによりますと、これはすでに文相も御承知だと思いますが、大体民間におきましては、低いところの国鉄や全逓とか、その他の官公吏の現場の労働者を入れましても大体平均が一万一千四百八十九円ということになつておる、これは少くともそういう低いものを入れてありますからで、こういうものを抜いた純粋の民間給与でありますと少くとも一万二千円になつているのであります。そうしますと、現在出されておりますところの人事院勧告案から比べますと少くとも八百円ぐらいの開きがある、八百円も平均賃金において低い。これは当然現在の官公吏たちが要求として最低、とにかく忍びがたいけれどもまあ折角人事院が出した勧告であるから、何とかこの線だけは維持してもらいたいと言つて要求を出しておるのでありますが、これは私たちから見ますと当然過ぎるほど当然なところの要求である。こういうふうに考えられるのでありますが、文相は今も申上げましたような民間給与との比較、それから先ほど御答弁を頂いたところの、教員はどうしても低いから何とか高めなければならない、こういうような考えを照し合せまして、少くとも人事院勧告案というもののために要求を続けておるところの、こういうような教職員並びに一般の官公労労働者の立場に対しましてはどういうふうなお考えなのか、念のためにお伺いしておきたいと思うのであります。
○国務大臣(天野貞祐君) 私はですね、人事院勧告の線までのぼせることは、これは是非しなければならないことだと自分も思つておりますけれども、どうも日本の財政の状態からしてそれをできないと言われるごとなんですから、私としてはどうもいたしかたがないというよりしようがありません。
○岩間正男君 その点は文相に対しましていろいろ意見を申上げても仕方がないと思うのでありますが、併し文相もそういう点は確認されておる、併し国家財政の立場から何とも仕方がない。これは吉田内閣の現在そういう線でとつておる政策と非常に関連するのでありますが、これはやはり現実に食えないという実情にあるのでありまして、それによつて教育の運営というものに大きな影響を持つて来る。又教員の社会的地位、経済的地位はこれによつて非常に侵害されて来る。それによつて教育の具体的な運営というものは少くとも最低線を維持するということは非常に困る。そういう基本線を割つて来る問題とも関連するのでありまして、こういう点については、これは文相はですね、今まで殆んどこういう問題につきまして、閣議あたりではどういう態度をとつておられるかわからないのでありますが、もう少しこういう点を検討して頂いて十分にしつかりした、先ほど述べられたような意見を閣議で述べられることが必要じやないか、こういうふうに思うのであります。国家財政の立場から何とも仕方がない、仕方がないから仕方がない、こういうことではやはり一国の文政を担当しておるこれは文部大臣としてはやはり頼りない感じがするのでありますが、失礼な言葉かも知れませんが、こういう点についてこれは是非御検討を頂きたい、こういうふうに考えるのであります。時間がないようでありますから、私の質問はこれで終りまして、荒木君が……。
○荒木正三郎君 質問じやないのですが、我々がこの文部委員会いろいろ大臣に質問しておるゆえんのものは、何とかベースアツプが教職員の差別的な結果にならないようにという念願から、又行政整理についても、教職員の行政整理は教育に重大な支障を来たす、こういう考えがあるからいろいろ大臣に質問しておるわけなんですが、このことについて日本教職員組合が大臣に面会を申入れて、そうしてつぶさに実情をお話をしたい、又大臣の御所見も伺いたい、こういうことで本日文部省に行つているはずなんです。併し大臣はこれに対して面会をするともしないとも何とも返答がないと聞いておるがこれは甚だ遺憾に思う。大臣は予算委員会に出られる予定でありますから、それにおいでになつて、それが済んでから代表の方々に会つて十分に話をして頂きたい、私はこういうことを希望しておくわけなんであります。一つ善処して頂きたいと思います。
○委員長(堀越儀郎君) それでは文部大臣に対する質問はこれで打切りまして木曜の午後に続行いたします。続いて寺中会計課長及び内藤庶務課長が出席しておられますから、先ほどの若木君に対する御質問を続行いたします。速記はよろしうございます。 午後二時三十七分速記中止 —————・————— 午後三時四十九分速記開始
○委員長(堀越儀郎君) 速記を始めて下さい。本日はこれにて散会いたします。 午後三時五十分散会