農林委員会 第5号
- 発言数
- 60 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1951/10/30
会議録
○委員長(羽生三七君) それではこれより委員会を開きます。 この前の委員会で御決定を願いました農林省の林業試験場の林産研究施設拡充に関する件と、いま一つは農耕地土壌生産力増進対策に関する件。この両件をお手許へお配りいたしましたような文書にいたしまして、それぞれ関係各省或いは予算委員長等に申入れをいたしましたので、文書によつて御了承をお願いいたします。 —————————————
○委員長(羽生三七君) それでは日程によりまして、最初に肥料に関する件に入りたいと思いますが、御承知のように最近の電力事情によつて肥料の生産が非常に懸念せられており、なお価格の高騰が伝えられ、又一方肥料の輸出に対しましても、特別な考慮が払われねばならないような情勢もあるように言われておりますので、肥料問題は相当重要な段階に立つているように考えられます。然るに政府においては、かねて農林省において重要肥料対策として計画されていた肥料需給調整制度の実施を突如として見合わされたようであります。かれこれ事情が了解に苦しむような点もありますので、本日はこの間の事情を政府から聞きとりまして、皆さまの御検討を煩わしたいと思うわけであります。最初に農政局長からこの間の事情について説明を承わりたいと思います。
○政府委員(東畑四郎君) 肥料需給調整法につきましては、農政局長試案で一応御説明をいたしたのでありますが、その後大蔵省といろいろ折衝をいたしまして、大体二十五億のインベントリー・フアイナンスを以ちまして、これを実施しようという大体の案で進んでおつたのでございますが、関係方面とのいろいろ折衝の過程におきまして、向うの同意を得られなくて、留保されたという形で時間切れをいたしました。従いまして予算等が通らなかつたために、この臨時国会に法案の提出を結局するに至らなかつたのであります。勿論国内的にも各方面のいろいろな反対意見等があり、又その後起きました電力事情等の異変のために、その後の条件というものは、我々が立案いたしました当時とは若干変つておる点等もございまして、我々といたしましても、目下根本策につきまして、最近の事情等を汲みまして、更に検討を続けておるような次第でございます。 最近の肥料の需給状況につきましては、一応お配りしました資料の四というところに、「昭和二十六年肥料年度肥料需給見透しについて」というのが書いてございますが、お断わり申上げますけれども、当初計画、増産計画というのは一応政府できめました案でございますが、最後の欄の「最近の見込」というのは、これは単に農林省の事務のほうで作りました資料であります。本日通産省、それから安本のかたもお出でになつておりますので、最近の見通し等につきましては、安本なり通産省の責任者からお聞取りを願いたいと思いますが、この増産計画で御承知のように、硫安につきましては、大体昭和二十六肥料年度で百八十三万六千トン、石灰窒素で四十五万八午トン、計二百二十九万四千トンというまあ生産計画を立てておるのであります。繰越等の硫安十七万トンを加えますと、二百四十六万四千トンということになるのであります。国内消費、これはいろいろ議論のあるところでございますが、一応農林省といたしまして実績等を加味しまして、二百二十一万一千トンということになりますると、相当の余力が出る、そのうち差当り十万トンの輸出が本肥料年度でできるのじやないか、硫安を実は造つておつたのでありますが、その後電力事情等が思わしくないために、この硫安なり石灰窒素の生産計画が相当減産になるのでございまして、従いまして、更にこの需給計画等につきましては、刻々の情勢を織り込みまして、再検討をしなくちやならないのじやないかというように実は考えております。生産量等につきましては、私が申上げるよりは、通産、安本のほうからお聞取りを願いたいと考えております。
○説明員(渡部伍良君) それでは最近の生産状況について私からお話いたしたいと思います。只今農政局長からおお話がありましたように、六頁の表で見て頂きますと、六頁の窒素肥料について申上げますと、当初計画硫安百七十万七千トン、石灰窒素四十三万七千トン、合計二百十四万四千トンの硫安に換算しましての生産計画であつたのを、十五万トン増産しまして二百二十九万四千トンまで持つて行こう、こういう計画を立てたのであります。それには十月以降の硫安工場及び石灰窒素工場に対する電力を、当初計画よりも約三億キロワツト・アワー近く増配することによりまして、この数量を出そう、こういうことを計画しておつたのであります。併し大体八月、九月は当初の予定計画よりも多少余計できましたが、十月に入りまして、例年なれば、十月は秋の豊水期に入るのでありますが、逆に非常な渇水になりまして、十月の上旬では平年と申しますより、過去の九カ年の平均流水量の三割以上の減少を示すような状態であつたのであります。その結果二十日までの生産実績を見ますと、当初の予定計画に比較しまして、約四万トン近くの減産を見ておるような状態であります。最近例の台風以来各地に雨が降りまして、二十日以降の硫水量は、大体過去九カ年の平均流水量、一時は余計出ましたが、又すぐ下りまして、北陸、関西等は平均まで回復しておりませんが、ほかの九州とか、東北方面では平均流水量よりも余計出ているような状態でありますので、この減産量をどの程度カバーできるかというのが、今後の電気の供給量、雨の降る量に期待されておるわけであります。現在のところ電気の制限は御承知の通りな制限をやつております。併し肥料につきましては、公共事業及び石炭と同等に扱うような方針でいろいろ研究しておりますが、電解法或いは電気炉関係の製造には、一トン当りにしますと、このガス法に比べまして、約四倍以上の電力量を食いますので、できるだけガス法に電気を集中して、余裕があれば電解法も或いは電導のほうにも廻す。こういうふうな方針で、ガス法につきましては、無制限に近い量を配当するような考え方です。極力減産を防止する方針で進んでおります。最近平地では非常に天気が悪いのでありますが、電源地帯の雨量は必ずしも期待通りでありません。非常に我々としては心配しておるのであります。あらゆる措置を講じまして、減産の起らないように努めておる次第であります。燐酸肥料につきましても、十月の上旬の燐酸肥料の計画は百六十万トンを当初生産して、これを国内に全部向けるという予定でありましたが、朝鮮、台湾等の輸出要請が非常にありましたので、燐鉱石を追加輸入しまして、十万トンだけ余計作つてこれを輸出のほうに向けよう、こういう計画でやつておつたのであります。併し先ほど申しましたような十月上旬の電力事情が非常にひどい。而もこれは過燐酸工場が関西及び京浜地帯に集中しておるので、電気の供給が非常に悪いというところもありまして、いわゆる休電日が連続しましたので、十月の生産は予定通り行つておりませんが、これにつきましては、過燐酸のほうは動力だけの電気でありますので、特別の措置を講ずることによつてこの減産分を防止するように努めたい、こういうふうに考えております。いずれにしましても、これから電気の事情は冬場の渇水期に向いますので、当初の計画にも渇水期を予定して計画は組んでおりますけれども、その予定よりも渇水がひどくなりますると、この生産を確保することが非常に困難になりますので、いろいろな措置を講じまして、どの程度減産を防止することができるかということは、今後にかかつておるような状態であります。加里のほうは今年の春非常にたくさん入れましだのがどんどん入つて来ておりますので問題はないと思います。むしろ来過ぎて困つておるような状態であります。簡単でありますが……。
○委員長(羽生三七君) ちよつと私からお尋ねいたしますが、肥料の需要量と供給量との関係をにらみ合わせて輸出問題もきまると思うのでありますが、日本の自立経済の確立の観点から、肥料の輸出ということも非常に重大なことになると思うのですが、それは何か東南アジア地域の諸地域から要請があれば、国内事情に関係なしに或る一定量を出さなければならないのか、それとも依然として国内需給が優先的に勘案されて、その後に対外輸出というものが考慮されるのか、その辺の事情をもうちよつと御説明願いたいと思います。
○説明員(渡部伍良君) 輸出の問題でありますが、国内の需要を再優先に考えなければならないという建前から、一応この増産分を以て輸出に当てる、当初計画は国内用に向ける。それ以上特別の措置を講じて増産したものを輸出に向ける、かようになつておつたのであります。その後外交上の問題或いは賠償交渉等の問題にからみまして、台湾、フイリピン等からの輸出要請は非常に熾烈なものがございます。その間我々事務当局の国内の需給状況、電力状況、電力の減による減産等も勘案しながら、上層部のほうでいろいろ外交上止むを得ない輸出について若干の数量が考えられておるようであります。その度合につきましては、私どもでは判定がしにくい分がかなりあるように考えます。
○委員長(羽生三七君) もう一つ伺いたいのでありますが、賠償は肥料を要求しておるということはないのでありますか。
○説明員(渡部伍良君) 賠償として現物賠償はあの条項の中に入つておりませんから、直接賠償で寄越せという話はまだ出ておらないようでありますが、賠償の問題に関連して、あれには加工賠償というのがありますが、その解釈の如何によつては、或いはそういう問題が起つて来るのではないか、これは私個人の想像でありますが、あの解釈が非常にむずかしいようでありますので、併し我々のところで賠償問題についてまだ本格的に検討を進めておりませんけれども、これは各省とも未だ相談しておりませんが、安本内部でいろいろ賠償対策を考えておるのには、肥料なんぞ賠償にとられては困るというような考え方でいろいろ検討しております。
○委員長(羽生三七君) 御質問ございましたら……。
○岡村文四郎君 肥料の生産のことは我々が心配したようではないようでありますが、電気の事情で今後多少心配も残るようでありますが、輸出をする場合に、生産ができたあとにそれによつて輸出をするのか、できるであろうというつもりでおやりになるのか。
○説明員(渡部伍良君) 生産の見通しが確実になつた上でやらなければならないと思いますが、先ほども申しましたように、最近フイリピンと台湾の問題は或る程度外交上の問題で相当無理しても出さなければいかんのじやないかという事態が起りそうであります。
○岡村文四郎君 いろいろ国際上の問題で今渡部次長のお話になりましたこともあるとは思いますが、何らかの方法で、若しそういう場合が起きますと、非常に国内が困つて参りますので、役所ばつかりでお困りになつておらないで、実はこういうふうでいかんと思うが、賠償だということを、前に我々にお聞かせを願うことができるかできんか。
○説明員(渡部伍良君) 非常にむずかしい問題でありますが、外交上の問題になりますので、私どもとしては国内に対する影響を相当重視して処置して頂きたいと、こういう意見を上のほうに出しておるのであります。その点はなおよく大臣のほうに申上げなければならないと思います。
○岡村文四郎君 前にも申上げたように、今日もお考えになつておるようですし、外交上の問題で率直にここで御返事ができないようでありますが、これも無理ないと思います。併しながら当委員会としては国内がいよいよ困るにもかかわらず、どうしてもそのほうに出さなければならんということになりそうな場合があるとすれば、製造部面で又考えなければならないことがあると思うのです。これはあとからではお話にならないので、若しそうなりそうな場合になりますと、先に製造部面に政府が手を打つて遺憾のないようにすべきだと思いますから、その方面にはそういうことのないように、後日申入れをしておく必要があると思います。あとでこの点をよくお考えを願いたいと思います。 それからもう一つ、これは統制を自由にいたしますと、如何なる品物も下つた傾向は曾つて見ておらんのでありまして、上るのは当然であり、価格が上ることによつて生産も殖えておると思つておりますが、日本の需要に間に合いまするような燐鉱石の輸入は可能であるかどうか、又輸出も少し見込まれておるようでありますが、そういうわけで今後の燐鉱石の見通しをちよつとお伺いしたいと思います。
○説明員(渡部伍良君) 燐鉱石の問題につきましては、只今のところ全然心配ないのであります。アメリカにおきましては、今月の初めでしたか、燐鉱石をいわゆるOIT物資に、統制物資の中に入れました。併しながら只今のところ燐鉱がアメリカで不足しておるという何もありませんし、更にだんだん南方の、昔の燐鉱の産地及びエジプトの産地もどんどん出ておりますので、戦争でも始まつて船腹が非常に窮窟になるということがない限り心配はないと思います。
○岡村文四郎君 価格がいつでも上つて参りますことは、前にも申しますように自由経済の原則として当然であり、非常に需要が殖えて参つております関係で、なお更上ると思いますが、過燐酸が非常に昨年の八月当時ですか、九月ですか、それから本年十月とを見ますと、非常に騰貴工合がひどいようですが、これは品薄の関係でこうなのか、何か燐鉱石の原石だとか、或いは硫化鉱の関係でこうなつておるか、一応伺いたい。
○説明員(渡部伍良君) 燐酸肥料の価格は、昨年の朝鮮事変の勃発以来燐鉱の値段が非常に上りました。これが先ず第一の値上り要因であります。それから硫化鉱の値段は統制を外しましたので、これの値上りはそうひどくなかつたのでありますが、この春ストライキなどありまして、一時非常に窮窟になつたことがありますが、それが第二点の値上りであります。それから第三点は今年の八月以降、補給金を撤廃しましたので、それも関連して急に上つた、こういうふうになつております。このほかに去年の公団廃止以来、窒素肥料も燐酸肥料も同じでありますが、需要がこの時期にならんときに来ましたので、その関係で多少値段の変動、変動というか値上りが出て来ておると思います。過燐酸につきましては、最近燐鉱石を追加輸入して輸出するというのをきめましたのは先月でありますが、それまでは全然燐酸肥料の輸出ということは一切罷りならんというので問題になりませなんだので、輸出問題によつて燐酸肥料が価格が高騰したという原因は認められないと思います。今の主な値上りは三点だけであります。
○岡村文四郎君 これは私は渡部さんが一番よく知つておるので聞いておるので、そのおつもりでお答えを願いたいと思います。現在の硫安、過燐酸の製造工場が全能力を発揮して、問題は過燐酸の原料のことですが、原料が大いに入りまして、全能力を発揮すれば、もう少し製品ができるというお見通しか、今現在はもう山なんで、これ以上はなかなか困難であるというお見通しか、又過燐酸工場は機械が非常に傷むのでありますが、これを何らかの方法で国がこの施設を見れば又殖えるという見通しか、何かそういう増産に対する考えがありますか、どうか、聞きたい。
○説明員(渡部伍良君) 燐酸肥料の工場の能力はまだ相当余力はあります。但し我々のほうの調べでは、まあ或る有力な会社の工場が相当老朽しておるので予期しない故障が起つておつたのが、この春にも出ております。秋にも出ております。併し過燐酸の工場は御承知の通り、何と言いますか、極めて操作は箇単でありますから、硫安の工場等に比べまして、これを補修するということも容易であろうと思いますから、過燐酸の需要があれば、これに対する増産を押付けることは、工場の面からはそう問題はないと思います。ただ問題は余り過燐酸も、硫安も殖えると、硫化鉱の問題があろうと思います。これは今年の計画では約二百三十万トン入る計画でありますが、その予定通り行つております。併し一挙に硫安も過燐酸も何十万トン殖やすということになると、つまり硫化鉱の問題が、硫化鉱の鉱山の採掘設備を増強して行かなければならない。こういう問題がありますから、工場の生産増加よりも多少、問題があるかも知れないと思います。併し只今計画しておりますように、硫安十五万トンに、過燐酸十五万トンくらいの増産では、先ほど問題になつております電力事情の問題がありますが、その問題さえなければ能力的には問題はないと思います。只今のところは生産減で生産が落ちておるというところはないように承知しております。
○岡村文四郎君 肥料の需給の状態が統制撤廃後、戦争前に比べますと非常に変つて来ておると見ております。それは不需要期というのが、実は渡部さんよく御承知のようにあつたのでありますが、その不需要期が一体なくなつたのではないかということを考えております。それは例えば価格が非常に上るのではないかと農家が心配をしておりますために、資金の手当が付きさえすれば、金利とか、倉敷料とかいうものは問題なしに、買付をしておるように見えるのですが、安本のほうでもそうお考えになつておるかどうか。
○説明員(渡部伍良君) お説の通りであると思いますが、その原因は結局、統制撤廃後補給金を廃止するなり、いろいろの統制撤廃によつて原材料の石炭その他の値段が上るし、更に電力の料金を上げ、或いは又今度は運賃を上げる、こういうふうなのが続々と来ておりますので、今までのところ先に買つた人が皆得をしておるわけで、従いまして、そういう値上りの直接の明暸な原因がある限り、お話のように不需要期、需要期の区別は出て来ないんじやないかと思います。従つてこの春のように四、五の、昔なら需要最盛期に品がはけないと、こういうようなことが出て来ると、要するに需要期が繰上つておるのじやないか、こういうふうに考えられるのではないかと思います。
○岡村文四郎君 現在の工場が現在のままで、今は電気が非常に渇水のために不足をして減産をいたしておりますが、各地で発電設備を国も計画されておりますが、現在の設備そのままで発電が増強するようになると、非常な増産ができるかどうかお聞きしたいと思います。
○説明員(渡部伍良君) 現在の発電設備に一定の解釈が要るわけなんでありますが、いわゆる平水の発電力でやれば、現在程度の生産であると思います。それから又今統制がありませんので、ほかの産業、例えばアルミであるとか、鉄というような、電気を余計食う産業もありますので、結局大口の電気、いわゆる三千キロ以上の大口の工場には電気の割当をやつておりますが、それぞれの工場の需要をどういうふうに抑えるかという問題は、今のところ統制時代と違つて何を基礎にしてこの需要をどの程度に抑えなければいかんか、こういうはつきりした目途がございませんので、従つて主として過去の毎月の生産状況、それからそれの製品の市況とか、或いは輸出見込みとか、そういうものを土台にして各産業に対する電力の割当をやつております。従いまして現在の電源をより急速に開発しない限り、そういつた電力の各産業に対する配当の仕方では、肥料は非常に電気を余計食いますから、むずかしい問題が起つて来るのではないか、殊に最近日米経済協力等の関係から、アルミも二十六年度の計画で言えば三万六千トン造るという計画になつておりますが、これを七万トンも八万トンも造れというふうな要請も出て来ております。そうしますと、アルミでありますと、電解の硫安に比べても五倍以上の電気を食いますから、電気を食う産業がだんだん盛んになつて来ておりますので、それとの調整をはつきりした方針できめない限り、とても幾らでも増産できるというわけには行かないだろうと思います。
○岡村文四郎君 これは柿手さんのほうがいいとか思うのですが、実は過燐酸を例にしてみたいと思いますが、今現在の過燐酸の工場の経諸費、諸掛り全部打去つて本当の純益が一トン一千円だと、こうも言うし、言つている向きがあるようですが、それは実際にそうあるかないかということをお聞きしたい。一トン一千円、渡部さん知つておられたら……。
○説明員(柿手操六君) 価格の問題につきましては、実は今日物価庁が見えておらないので、物価庁のほうからお答えしたほうがいいかと思うのでありますが、私も生産担当官庁のものといたしまして、工場の原価についても、生産量を確保すると同時に、価格の問題につきましても、常に気を付けて研究はいたしております。只今お示しのトン当り一千円があるかどうかということつきましては、そこまで各社全体につきまして計数的な結論を申上げるほど詳しく研究をいたしておりませんので、計数的なお答えはできないと思います。
○岡村文四郎君 私の聞きたいのは非常に能率の悪い工場で調べたところで、そうなつておりますから、非常に能率の悪い工場ですから、能率のいい工場ならそれ以上儲かつていると思いますが、実は過燐酸という製造の仕事は余りにむずかしくない代りに、割合に利益の少ないものであつたのであります。終戦後この利益があるようになつている。それはどういうわけでそうなつたのか、価格が高くてそうなつたのか、又何かその利益があるように、どういうわけでできたか、お教えを願いたいのですが、どうですか。
○説明員(柿手操六君) 先ほどもお答えいたしましたように、どれだけ利益があるかということにつきましての確たるまだ私確信がないのであります。ただ工場によりまして、いろいろ違つているだろうと思うのです。というのは、先ほどもいろいろお話があつたように、燐鉱の工場の手持はいろいろな原価のものがあるわけであります。一年くらい前は十三、四ドルで入つたのが、朝鮮事変後、それが十ドルから十二ドル外国運賃が上りまして、二十五ドルから二十七、八ドルになつた、そういうものの在庫の燐鉱の形が、たくさん持つているものもあるし、少いところもあります。いろいろありまして燐鉱の手持ちの高い十三、四ドルから二十七、八ドルまでのいろいろな原価のものが各社へ入つていると思うのでありますが、只今の手持工合によつて、あれは統制撤廃してありますから、市価で五百円、五百五十円とかなりますから、高いものを持つているものはそう大した利潤はない、安いものを持つているものは非常に利益があるといういうな、結果が非常に工場によつてまちまちになつているということは想像されます。
○岡村文四郎君 それでは最後に、質問はこれでやめますが、今のお話を承わりますと、今までの話を総合して、現在の工場の事情で別に災害、不時の害がない以上は、日本の肥料の需給には大体間に合うという御確信があるようでありますが、そう考えてよろしいかどうか。
○説明員(渡部伍良君) 先に十月のような異常な電力の不足というようなこと、或いは又台風の非常な被害、そういうものがなければ、日本の需要を賄つてなお相当程度の輸出分を製造するだけの能力があるというふうに考えられます。
○池田宇右衞門君 只今のことと関連した問題でございますが、終戦後六カ年間における農家の主要物資たる米麦と、それから肥料のパリテイによつての値上りの程度がどの程度の指数を保つておるか。又昨年肥料が統制を撤廃されてから、農産物の物価と比較いたしまして、肥料の値上りのその差はどのくらいであるか。一番農家の聞きたいことと農家の知りたいところは、主要物資たる米麦と肥料の価格が均衡がとれておるかどうかということが、一番聞きたいところでありますが、これを最もわかりやすく御答弁を願いたいと思います。
○政府委員(東畑四郎君) 朝鮮事変以来の肥料とその他の値上り率について、一つは農林省の調査、一つは安本の総合市場物価指数から指数的に比べますと、硫安が一番最後の表にございますが、二十五年の六月三十四日以降の値上り指数は僅か一三九・九ということになります。石灰窒素が一四六・七、過燐酸が二〇一・五ということになりまして、過燐酸は非常に実は値上りをしておりますが、これは先ほど渡部次長から御説明申上げましたように、特に八月以後補助金が撤廃されたために急激に値上りをしたので、それ以前においては一三五・六の指数を示しております。これに対しまして、安本の総合物価指数から申上げますと、全体としての総合物価指数は一五九・五ということになつております。総合物価指数から比べますと、過燐酸等に比べまして、硫安、石灰窒素は値上り率は少いということになつております。特に生産財は一七三・四と非常な値上り率を示しておりますが、消費財が一三三・九となつております。特に食糧は一三三・二、大体の食糧の値上りというものと、従来肥料の値上りというのは大体パラレルに行つておるのでありますが、特に過燐酸石灰等は八月以後補給金の撤廃等によりまして、非常に値上り数が上昇しておるということになります。勿論これは非常に荒つぽい表でございますが、それによつて御了解を願いたいと思います。
○池田宇右衞門君 只今農政局長からの説明で了承しましたが、これを見ますると、農村の経営に対して一口で申しますならば、農村の生産費に対して生産に要するところの購入というものは、農村の支出と収入を見比べますと、いわゆる収入が減退して支出が多くなつておる。従つてそこに農村の経営が非常な困難の過程に入らざるを得ない。爾来日本農業は申すまでもなく小農経営でありまして、従つて小農経営をとるところの農村の協同組合も今日再建整備をしなければならない過程に置かれてある。この見地に立つて将来農政局長としてはやはり日本の農業は保護農業政策をとらなければならん。国家が相当に保護助成をして行かなければならないというような見地に立つて考えるときにおきまして、どのくらいの、どの程度の助長政策、保護政策をとつて農家の経営の安定化を図るというような対策をお持ちであるかどうか。お持ちでなかつたならば、今後この問題について十分な検討と、そこに農村の安定化を図るところの方策をお立て下さるように要望する。例えば指導費についても国費を以て支弁してやるというような方法を立てられなかつたならば、だんだんこうした方向と見合わせると、農村の経営が困難になるということは一目瞭然でわかつておる。これに対して農政局としては今後どういうような手を打つて対処して行くお考えですか。
○政府委員(東畑四郎君) 農民の使います生産資材というものと、農家の売ります農産物というものの価格がアンバランスになりますと、即ちそれだけ農家生活なり、農家の経営が圧迫されるということは誠におつしやる通りでありまして、従いまして米価問題といい、いろいろな農業生産政策といい、すべての問題がそういう状態に農業を追込まないように実はやつておるのであります。協同組合等の再建整備等をやりまして今後発展をいたしますとか、或いは生産的な金融を付けますということも勿論でありますが、特に肥料のごとく、大体今の金肥だけで一割以上を占めておるのでありますが、そういうものの値上りというものにつきましては、米麦等につきましては、パリテイ等によつて或る程度のカヴアーはできますけれども、商品化しない農家でありますとか、或いはその他の農作物を作つておりますものにつきましては、肥料の値上り等は相当の影響がありますので、農林省といたしましても、やはり大いに生産を増強して頂きまして、成るたけコストの安い肥料を購入させるということがやはり農政の一番大きな眼目であると、こういうように考えております。
○白波瀬米吉君 ちよつと農政局長にお尋ねいたしますが、肥料の需給調整法がああいうようなことで取止めになつたのですが、あれは相当具体的な大きな構想の下に考えられておつたのですが、あれが取止めになるとすれば、何かそれに代るような案をお持ちになつておるのですか、或いは適当な機会にそういうものを考えられておりますか、どうか、ちよつとお伺いしたいと思います。
○政府委員(東畑四郎君) 肥料の需給調整法案が一応留保になりました経緯は先ほど申上げたのでありますが、先ほど渡部次長が申しましたように、最近のいろいろな諸条件等によりまして、いわゆる不需要期的な要素がだんだんなくなつておりまして、いつも肥料は値上げをするという方向に行つておりますために、我々としましては好ましからざる印象を抱いております。根本的には併し肥料が或る時期において非常に上りますことも勿論考えなければならないと思います。我々といたしましては、今事務当局として法案を出すべき条件ができておりませんので、この春肥等につきましては、具体的には法的な措置というものはできないのでありますけれども、ただ地域的な需給が非常に不均衡を来たしますので、肥料そのものが手に入らないというようなこと等につきましては、行政措置等で相当の考慮ができます。或いは中金等の余裕金等の運用を図りまして、農業協同組合等が購入いたします肥料等につきましては、金融的措置を付けて農民たちのためにその肥料の確保を図るというような措置を今実行せんとしております。そういうものを実行しつつ、今後の推移によりましては、更により根本的な方策等について検討しなければならないのじやないかというように実は考えております。
○白波瀬米吉君 今の御説明で非常に結構だと思うのですが、それはそういうふうにしたらいいとお考えになつておるのですか、そうではなしに、具体的に金融措置が一番必要ではないかと思うのですが、やはり農林中金あたりに肥料の調整の意味を以て或る程度の金融措置を農林省として指示されることになつておるのですか。
○説明員(柿手操六君) 農林中央金庫と日本銀行と連絡をいたしまして、若干の金額等につきまして、これを融資できるということで大体話を付けまして、具体的に全購連と各メーカーとの話合いを進めつつあるのであります。価格その他等につきましては、或る場合においては政府が斡旋に乗出す必要があるというように考えております。
○加賀操君 三十六年度の肥料の見通しですが、資料を肥料課でお作りになつたのですが、このお作りになつたのを読んでみますと、「これ以上の規正も予想されるので、この見込はむしろ甘過ぎる」と、こう前提をして書いてあるわけです。それから今渡部さんの話を聞きましても、そういう気がするのですし、それからもう一つは、電気があつたらというその前提で常にお話になつているのです。併し今電気がないのはこれは現実の問題なんです。それで見通しを誤まりますと実に混乱するのです。肥料もその通りだし、電力のほうも現在の混乱の来たのは余り政府が見通しを甘く見られた点にあるのじやないかと、こういう気がするわけです。それで私はこの見通しですが、これは甘過ぎる見通しですから、辛過ぎなくてもよろしいですから、当り前の味のする見通しがほしいと思うのです。これは二十六年度ですから、それを一つお伺いしたいわけですが、これはどういうわけかと言いますと、電力のほうで今非常に苦労しておるのですが、配電でなしに、今電力会社ですが、電力会社の融通がうまく行かんのです。これは現実に、渡部さんのお話みたいに電気があるところはあると、こういうのですが、併し四国みたいなところだとか、北海道のようなところは別ですが、今の段階においては非常に骨を折つておるのですが、融通がききませんから、きかなくても肥料のほうは作れるかどうか、こういう点ですが、私は非常にむずかしいと思つておりますのですが、そういう点を一つお伺いしたい。それからもう一つは、今公益委員会でも電力が足らないで非常に苦労しておりますし、私たちも心配をしておるので、今計画を立てておるのですが、この予定の三十二億キロワツト・アワーというものは、これは非常に大きな数ですが、こんな大きなものは恐らくどの電力会社を聞いてみましても、今のところ規制を緩和するというようなところまでは行かんというのが大体の電力会社の見通しなんです。そういうときですから、農林省及び通産省のほうで、政府として公益委員会に肥料だけはどうしても電力を確保しろと、こういう御交渉を今からおやりにならんと渇水期にお困りになるのではないかと思いますが、そういう交渉をしておられますかどうか。その二つの点だけをお伺いしておきます。
○説明員(渡部伍良君) 先ず第一の点でありますが、端的に申しますと、増産計画と最近の見込、この狙いでございますが、この中間に来るだろうと、こういうことになるわけであります。その中間の具体的な数学が何ぼになるかというのが今後の見通し如何というわけになります。これは大体見込に書いておりますように、二〇%減の場合の生産量ということになつております。この間の十月の初めのやつが大体二〇%くらいになつております。ですから十月の後半はこれより回復しております。今後どの程度になるかというのは、二〇%でとどまるか、或いは二〇%が一〇%で済むか、或いは三〇%になるかということは、雨の量とその時期によつて順々に、一週間は或いは二〇%になる、一週間は或いは三〇%になると、こういうことになつて行くと思います。平均一〇%もつかと、こういうことになると思います。先ほど申しましたように、結局それが一〇%程度になれば肥料には制限をかけないということにするのですし、或いは二〇%になつた場合に、そのほかの産業に比べて、先ほど申しましたようにガス法には制限をかけないと、電解法には多少我慢してもらう、こういうやり方をやるわけです。それからもう一つ。この地域間の融通ですね、地域間の融通はお話の通り九分割の結果非常にむずかしくなつておりますし、十月の初めみたいな地域差ができますと、やりたくても融通の能力がないと、こういう問題も十月の初めには起きておつたようであります。併し幸いに肥料の減産が比較的電気の全体量の減少の割合に減つてないのは、先ほどお話に出ましたように四国と九州はむしろ予定より多くなつておる、昭和電工或いは北陸の富山日産の工場の減産で、それ自体でカヴアーする、こういうような事態も起きております。比較的一般に考えられたよりも減産率が少なくなつておると思います。 それから第二点は……。
○加賀操君 今公益委員会で……。
○説明員(渡部伍良君) わかりました。その問題は今頃お話じやなしに、規制の問題があるときから農林省、通産省、殊に通産省は省議を何回か開きまして、結局ほかの産業等との調整の問題でありますので、肥料を最優先にするということの案を作りまして出て来ております。その後も繰返し出て来ております。その結果先ほど申上げましたように、普通の場合であれば、石炭と肥料というものを最優先するということになつております。規制がだんだんと強化されるにつれて、先ず第一にガス法だけ電力を供給し、電解電炉の規制を強化して行く。二〇%も三〇%もになれば、これはもう肥料といえども相当の規制を受けなければならんということになりますが、今のところ……三〇%、四〇%は十月の初めには或いはそこまで追込れるのじやないかと思いましたけれども、延ばされるのじやないかという期待を持つております。
○加賀操君 では強く希望を申上げておきますが、大体この表にある最近の見込で国内の需要が満足される程度になつておるようですが、少し足らんところもありますが、そうすると大体二〇%の電力の不足ということを予定してあるのですから、先ず最低程度の肥料を需給する点において、今後公益委員会に現在より絶対に減さんように固く御努力願いたいと思いますが、これは希望ですから、はつきり申上げておきます。
○飯島連次郎君 肥料の流通過程の問題について一言。白波瀬委員の御質問と関連がありますので、これは農政局長に……。肥料の需給問題については農政局長が先頭に立たれて実に目ざましい活動をなされましたが、最近の経過を拝聴しますると、矢が折れて若干髀肉の歎をかこつておられるのが今日の状況でないかと思います。その力を一つ是非この際活用して頂きまして、私の承知しておる限りにおいて、これは極く東京の近くの関東の農村の五、六の実例でありますが、麦蒔期を控えて、御承知の通り二千七百の協同組合は再建整備という香ばしからざる対象になつておりますような状態ですから、こやしが買えない村の協同組合を通じては肥料の取扱いができないという情ない状態にある組合がかなりあります。で、結局県の経済連合会が現場に肥料を持つて出かけて行つて現金で売渡しをする。ところがまだ米の金が入らない現在の農家に現金で肥料の買える気遣いがない、従つて肥料を用いない、この秋の麦は素蒔きをしなければならないという状況にある、これに非常に困つておる、再建整備の対象になつておる組合のこれは偽わらざる実情なんです。ところが只今配布された表でもおわかりになる通り、窒素、燐酸、カリ、三要素を通じて肥料の最大の需要期、三、四という来春の最大の需要期を目睫の間に控えておつて、恐らく数カ月も出でずしてその軒の傾いておる組合が立直るとは考えられない、こういう組合が全国に恐らく千を以て数えるくらいありはしないかと考えますときに、肥料需給調整法が若干蹉跌を来たしたからといつて、これは我々としちや安閑として傍観することはできない。そこで只今農政局長の御答弁のあつた行政措置なり、農林中央金庫を通じての金融対策というお話でありましたが、こういう組合こそ我々組合仲間としては一日も等閑に附せない、何とかしなければならない組合であると考えますので、折角農政の最高指導者としての局長に、只今お話のあつた行政措置なり、或いは系統金融を通じての金融措置についてのもう一歩突込んだ具体的の措置を一つお伺いをしたい、これを以てそういう困つておる農家に対する一つの福音を私は伝えることにしたいと、こう思うわけであります。どうか極めて喜ばしい御回答を願いたいと、こう思うわけであります。
○政府委員(東畑四郎君) 農家が肥料の購入資金が欠けておる場合に、農業協同組合がこれを援肋し、補填することは当然でございますが、遺憾ながら農業協同組合のうち再建整備対象になるような組合等につきましては、現実問題として肥料の購入等ができない場合があるかと考えますが、我々といたしまして、再建整備組合という指定を急ぎまして、或る程度再建整備の軌道に乗りますのを、先ず少くとも本年末ぐらいまでにやりたいというように実は考えておりまして、目下各方面とブロック会議等において急がしておるが、再建整備組合等とはつきりと指定されました場合におきましては、たとえそこに相当の赤字が出ましても、これには肥料購入その他についてのルートができるんではないかというように実は考えております。全然協同組合等が不振を極めまして、農協そのものが存在しましても、殆んど死んでおるようなものにつきましては、我々としましては短期的に見ますると、これはやはり別個のルート等によつて肥料を促すよりほかはないのではないかという、そういう方面のことはできるわけでありまして、止むなき場合においては、協同組合以外の方式によらざるを得ないのではないかというように実は考えておるわけであります。
○飯島連次郎君 止むなき場合にはというのは、どういうことですか。
○政府委員(東畑四郎君) 農業協同組合等が再建整備にも乗らないような協同組合があるかと考えます。そういうような全く死に瀕しておるような、自力で立上れないような協同組合等については、これは肥料を円滑に配給する組織としてはむしろ不適当ではないかというような場合もあります。そういうような場合を申上げております。
○飯島連次郎君 やはり止むなき場合と言いましても、これは野垂れ死を傍観するわけには行きませんので、これが対策としては直接取扱つておる経済連合会或いはそれを裏付けとしている信用連合会等に対する、さつきの肥料に関する系統融資をして頂けば、その数が三割も二割もあるという、そういう大きな数ではありませんから、金額にすれば私は知れたものではないかと思うので、そういう方途、そういう措置を講ずる、つまり見込み或いは見通し等があるかどうか、これを一つ伺つて私の質問を終りたいと思うのであります。
○政府委員(東畑四郎君) 只今のところ、そういう組合等につきましての金融措置は考えておらなかつた次第であります。勿論我々としましては、如何なる村におきましても、そういう協同組合が肥料或いは食糧等を取扱いますことによつて発展するのであります。そういう組合等も今後の了簡如何によりましては、或いは肥料を扱うことによつて育成発展を願わざるを得ないかと考えております。今日のところでは、そういう協同組合等については遺憾ながらまだそういう措置を講じていない次第であります。
○飯島連次郎君 最後にこれは御質問でなくて希望ですが、そういう情ない組合に対しても、やはりこやしが切れてしまうと根も葉も枯れてしまいますので、どうか再建整備を念願しておられる限りは、どうかこやしが切れないように特別の金融措置についても、これは数の少いことですし、金額にすれば、そう、厖大な金額ではないと思いますので、特別に御調査をして頂いて、何とか来年の春のこやしが切れないように、素蒔きをして大きな減産を……農家が全くだんだん火が消えてしまうことのないように、これは特に希望を申上げておきます。
○山崎恒君 昨年度の肥料の統制を解除する当時我々は今日あるを予期して反対して参つたのでありますが、案に違わず、かような結果になつたということは、これはもう政府の責任であろうと思うのであります。而も非常な肥料の値上りを来しておりまして、農政局長初め非常な骨を折つて、需給調整法等の問題について何とかこれを食止めたいというようなお骨折りを願つたことは非常に私ども感激しておるんでありますが、ついにその案も挫折してしまつたというようなことで、只今の御説明では別の法案としてはもう見込みがない、何らか行政措置或いは金融の面で調節したいというような御説明でありまするが、米の統制の最近の問題と肥料とのこの問題は密接不可分であろうと思う。而もこの最近の米の統制の問題が一たび問題化して参りますというと、すでに供出米そのものが非常に出遅れしておる、これはもう農林大臣等の説明で早場米の供出の遅れておるのは、これはもう天候の加減だと言われておりますが、これはもう天候の加減ではなくして、売り惜みだということは明らかだろうと思います。政府は米の問題等も、強硬にこれを与党の自由党のほうでは取上げているようでありまするが、私どもは肥料の問題を解決せずして、この問題を一方的に統制を外すということがどうも農業政策上合点できない。而も肥料はこのまま手放して置きますというと、如何なる行政措置を講じますかわかりませんが、先ずこの米の値上りに比例いたしまして、特に生産コスト等は、米価が上りますれば勢い生産コストが上るわけでありますから、当然これはもう肥料は上つて来ると思う。このまま手放しにして置くと米価は、農林大臣あたりは百十円ぐらいでとどまるだろうということを非常に強調しておりますが、半面肥料はそれ以上の逆比例で上つて行くというような面が私は必ず出るだろうと思います。これに対して米の統制問題と比例しての肥料の将来の見通しというような点について、先ず局長の御意見を一つ拝聴いたしたいと思います。
○政府委員(東畑四郎君) 肥料の政策等につきましては、事重要な政策の根本でありまして、私がここで実は将来の政策について申述べるのははばかりたいと思いますが、先般の衆議院の農林委員会で農林大臣が、肥料の需給調整につきましては、関係方面と折衝中でありまして、一応留保になつており、その後の客観情勢等を検討の上、又改めてこういう問題について考えたいと思う、こういう農林大臣の実は御答弁がありました。それをそのままここに借用して、私から御返事申上げます。
○山崎恒君 農林行政を主として担当している局長として、これは局長個人の意見でもよろしいのですから、速記をとめて一つお伺いいたしたいとかように存じますが。
○政府委員(東畑四郎君) 私個人の意見も公の意見もないのであります。肥料の需給が不安定である。価格が暴騰することは農政局長として誠に困る点であります。ただ肥料が根本的に生産減退になり、需要に対して供給が非常に少いという場合においてどうするかということになりますと、実ははつきりとこれは輸入をして確保するか、或いは輸入ができない場合においては配給の割当をするか、この二つより方法がないと思いますが、併し最近の電力事情等は特異の例でありまして、日本の肥料生産は、先ほど安本から申されましたように、能力と言い、その他の条件と言い、決して内地の需要をカバーできないのじやなくて、大いに内地の需要を満たすに余りある程度の生産能力を持つております。我々といたしましては、やはり肥料の生産の増強を図ること自身がコストを下げるゆえんでもあるし、従つて又農家に対する価格を下げるゆえんでもあるというので、通産省と連絡をいたしまして、先ず優先的にこの肥料の生産増加を図ることに努めているわけであります。ただ根本的にやはり或る程度の価格安定施策をやる必要があるかどうか、ということは、そのときどきの状況によつて変ることでありますが、農林省で立案をいたしました当時におきましては、そういう需給調整的な措置が要るということは考えておつたのであります。私個人といたしましては、最近のような異常な事情等があるにいたしましても、今後といえども肥料について何らかそういう手がいるということは私個人としては必要であるという考えを持つております。
○岡村文四郎君 私は先に製造面だけをお聞きして、自分のことばかりだからいかんようだが、各委員の質問を聞いておりますと、これは輸入しているのだからどうにもしようがないと、こう言われればそれまででありますが、農政局長としてはそうではいかんと思うのですが、そこで飯島さんからお話のあつたような事柄が、私は飯島さんが恐らくそこのところを指しておつしやつていると思うのですが、いくら単協が最近整備をやつておりましても、これは別の問題である。そこで購連なり、信連がそれを考えてやつてくれればこれは片付きますが、若しそうでないとするならば、今の飯島さんのお話が、調査をした事実をつかまえることなしに、そういうことを聞くが、それでは困るから、その県の団体に向けて遺憾のないようにして欲しい。若しそれができない事情があれば、局長のほうでも努力をするという程度のほうがいいと思いますから、今から早急に一つ何とかしてやる必要があると思いますが、どうなんですか。それからその次は、どうも肥料の事情を今日お聞きしたのですが、計画から見まするのに、余り甘い計画だからピンと来ないので、大丈夫だという実は安心をするわけに行かないので困つておるのですが、御心配御無用、大丈夫というふうな一つ気力はないものかどうか。どこからでもいいから言つて下さい。どうもさつぱり今日までお聞きしたところは甘くて甘くて辛くない。いい加減な話をしておられるので実はがつかりしているが、一つ辛い話をして、安心しなさい、絶対に引受けます。価格の問題は特に今急に進めてもしようがないと思う。これはやがて行き詰つたときに方法を講ずるよりほかないので、我々は知つておつても方法は講ぜられないから投げている。せめて製品だけでも増産に事欠かんように出してもらわないと、そのあとで又局長がいい顔をして言つておられるが、若しか本当にとれなくなつて、百姓に重荷をかけるといけないから、せめて肥料だけでも安心をしろ、大丈夫あるということを一つもう少し元気のある話を聞かんと、何だか蛇の生殺しのような話を聞いてもしようがないから頼みます。
○政府委員(東畑四郎君) 第一点でございますが、事金融の問題でありまして、個々の事例によつてこれは解決するより以外にないのじやないかと思います。先ほどの飯島さんのお話は非常に抽象的なお話でございましたので、あのようなお話をいたしました。個々の村等の協同組合の事情によりまして、これは具体的に解決いたしたい。こういうように考えております。第二点につきましては、農林省といたしましては、最近の肥料事情等から見まして、そう楽観的な意見を吐くわけに行かないというふうに非常に心配をいたしております。
○委員長(羽生三七君) 私からもお願いして置きますが、先ほど岡村、加賀両委員からお話になつた点は、現在の段階でも、これは渇水期ではないのに異常渇水で電力事情が困つている。ところがこれから本格的な渇水期に入る場合に、ここに予想されるようなことの実現が可能であるか、その想定が非常に甘過ぎるという点が一点と、もう一つは、委員のかたから御発言がなかつたのですが、渡部次長からみずから御発言になつた問題でありますが、日米経済協力の一環として、若し産業構造上に非常な肥料産業に対する制圧と言いますか、何らかのブレーキがかかつたような場合には、問題の所在が又おのずから変つて来る等のことも予想されますので、これらの点も勘案して、これでやつて行けるという確信があるのか。或いはもう一つは、電力事情にのみ依存して、電力事情が好転しなければ駄目だというのか。それ以外にも電力事情と別個に何らか積極的な肥料増産対策というものが立てられておるか。それらも併せお話し願いたいと思います。
○説明員(渡部伍良君) 実は私どもも先ほどの農政局長と同じような意見を持つておるのでありますが、要するに端的に申しますと、五百万農家が肥料一俵余計に買いますと、二十三、四万トンになるわけであります。従いまして、先ほど岡村委員からお話しがありましたように、先高ということになりますと、どんどん買い急ぐわけであります。そうしますと、この表で一頁にありますように、農林省で調べた需要量の調査、硫安に換算いたしますと、二百五十万トン、過燐酸は百十四万トンあればいいというのが、二十五肥料年度にはすでに二百二十一万トン出ておるわけであります。この需要量の調査も相当ゆつくりした需要量の調査になつております。にもかかわらず、そういうふうに現実の配給要請が多くなるということは、値段の先の見通しの問題でありますので、ここに非常な問題があるのじやないかと思います。先ほど岡村委員は、値段はどうなつても量は確保してくれと、こうおつしやいましたが、そうは簡単に行かないと思います。目先の早い、先ほども飯島委員のお話しがありましたように、金融の多いところから先にどんどんとつてしまうということになると、工アー・ポケツトができるということになると思うので、先ほど農政局長が非常に苦心されておる需給調整の問題が出て来るのじやないかと思います。従いまして需要量に比べまして、その供給量が非常に不足するということは私ども考えないのでありますが、実際の配給問題としては、都合によるとこの春などにもありましたが、前の統制時代のように、難儀しております。そうでなくて、関東の近県或いはほうぼうの県でできておりますが、県でみずから県金庫から数千万円或いは億以上の金を融通いたしまして、協同組合等を動員いたしまして、或る程度県内で調整をとつておる県はうまく行つておるわけであります。従いまして先ほど農政局長が行政指導をやるということも、そういうことによつて、需給をやつととんとんになるかならないかというところをうまくやろうというのは、そこを狙つておるのじやないかと思います。従いまして簡単に手放しで量があるからというわけには行かないので、今のような配給の調整を政府がやらないとすれば、県なり団体の協力によつてやらない限り、値段も上るだろうし、地方によつてはエアー・ポケツトができる、こういうふうに考えます。それから日米経済協力の線からの要請がまだ具体的問題にはなつておりませんが、関係方面の担当官方面からしばしばほかの産業の担当官のほうに要請があるようです。まだ具体的の問題になつてはおりませんが、恐らく今の状態ではすぐの問題にはならないと思いますけれども、これも今後の国際情勢にかかるのではないかと思います。
○委員長(羽生三七君) それでは他の問題もありますので、この件に関しては質疑はこの程度で打切りますが、各議員が只今の御発言でおよそ御了解願えたと思いますが、一層肥料事情の安定のために御努力をお願いいたします。 —————————————
○委員長(羽生三七君) 引続いて食糧管理特別会計昭和二十六年度補正予算に関して若干の検討を行ないたいと思うのでありますが、この問題は御承知のように米麦統制廃止及び人員整理に関連して重要な関係を持つておりますので、この機会にこの内容を明らかにいたしたいと思うのであります。それでは先に政府から説明を承わつて、それから質問を願います。ちよつと速記をとめて……。 午後二時五十五分速記中止 —————・————— 午後三時十五分速記開始
○委員長(羽生三七君) 速記始めて……。本日はこれにて散会いたします。 午後三時十六分散会