農林委員会 第2号
- 発言数
- 84 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1951/10/18
会議録
○委員長(羽生三七君) それではこれより農林委員会を開きます。 最初にお諮りしたいことがあるのでありますが、それは国際小麦協定加入承認の件が、当院に今予備付託として回付されておるわけでありますが、この件につきまして当農林委員会として外務委員会に連合審査の、連合委員会を開くように申入をしたいと思うのでありますが、御異議ございませんか。
○委員長(羽生三七君) じや御異議ないものとしてさように決定をいたします。 じや速記をやめて下さい。 午後一時四十三分速記中止 ―――――・――――― 午後二時四分速記開始
○委員長(羽生三七君) それでは引続いて米麦の統制廃止に関する問題について質疑を願うことといたします。幸い大臣が見えられましたので本日は主として大臣に対する御質問を願うわけでありますが、最初に私から申上げたいと思うことは、今般伝えられておる米麦の統制廃止の問題は未だ案件として別に議会に付託されたわけでもなく、私どもは新聞情報或いはその他まあ種種なる情報としてこれを聞いておるに過ぎないのでありまして、大臣のロから別に明白にこれを承わつたこともないわけであります。併しこの問題は與える影響が極めて大きく、生産者、消費者のみならず、国の財政経済の上にも重大な影響があると考えております。当参議院農林委員会におきましては、かねて以前から新農政確立に関する調査研究を院の承認を得まして行なつておるわけでありますが、この当委員会のこの調査研究は單に農業というセクシヨナリズムに問題を限定しておるわけではなく、広く国民経済一般との関連においてもこれを検討しておるわけでありまして、そういう意味から考えましても、今世上伝えられておるような主食の統制廃止というものが及ぼす影響は、日本農業の将来に関してどういう影響を與えるかという点からも考えなければならないし、又消費者に対してどういう影響を與えるかということも考えなければならないし、或いは又変転する国際情勢の中にあつて、日本の自立経済確立の意味から、果してそれが好ましいものであるかどうかという角度からも検討されなければならないし、又物価体系全体に及ぼす影響という角度からも検討されなければならないと思います。そういう意味におきまして、今日は大臣の御出席を煩わしたわけでありますが、大体のことは新聞級上等で知つておりますので、ここで重ねて大臣の御発言を待つことなしに、直ちに問題となつておるような点について質問を展開して頂くことから会議を進めて参りたいと思いますので、さよう御了承をお願いいたします。
○小林孝平君 私は只今委員長からお話がありました食糧問題について若干農林大臣の御所見を承わりたいと思います。 去る十一日の本院の本会議において吉田内閣総理大臣は「食糧事情は今や安定した状態となつたのに顧みて、政府は速かに現行主食の管理統制制度を撤廃する方針を決定」したと述べられているところによりまして、私たちは主食の統制に関する政府の意図を確認したのであります。これにつきまして、今吉田総理大臣が速かに撤廃すると言われておりまするけれども、この速かにというのは具体的に米及び麦についていつ撤廃されるのか、お伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(根本龍太郎君) お答えいたします。総理が施政方針演説におきまして、主食の統制撤廃を速かに実施したいと、そこで具体的にはいつからやるかということの問題でありまするが、これにつきましては方針は決定しておりまするけれども、未だ正式に閣議決定を見てはおらないのであります。従いまして只今米、麦についていつから統制を撤廃するかということは、私からも申上げることは困難でございます。ただ大体の方針といたしましては、すでに今国会に提案されておると存じまする定員法におきましては、明年の四月一日を大体目途としておることは事実でございます。併しこれにつきましては立法措置が当然伴うことでありますので、その時期並びに具体的な方法につきましては、いずれ諸般の準備の上、国会に提案された場合において具体的に申上げたい、かように存じておる次第であります。
○小林孝平君 只今農林大臣は大体四月の一日とおつしやいましたけれども、これは米と麦合せて四月一日でございますか。或は麦については又別個の期日をお考えになつておりますか、お伺いいたします。
○国務大臣(根本龍太郎君) お答えいたします。構想が二つございまして、同じ主食であるから四月に若しやるとすれば同時にやつたほうがいいではないかという意見もございますし、又他面におきましてはすでに第十国会でございますか、第十国会におきまして麦に関しましては統制を撤廃いたしたいという立法措置が講ぜられておつたのでありまするから、その意味からしましては麦についてはそれ以前にその措置を講ずべきであるという意見もありまするが、政府といたしましてはまだはつきりといつからやるということは考えておりませんが、現在の情勢からいたしますれば麦は四月以前にその措置を講ずるということになるかも知らんと考えております。
○小林孝平君 只今の御説明で米については四月、麦については四月以前に撤廃するかも知らん、こういうふうに御説明があつたのでありまするけれども、統制の廃止は当然米についても又麦についてもいずれも関係法律案の改正が行われなければならんし、又別個の法律案が提案されるとこういうふうに我々は考えておるのであります。ところが最近新聞紙上その他に伝えられるところによりますと、政府は国会の通過が非常に困難である。先般の第十国会におきまして参議院において百二十四票対六十四票という圧倒的多数を以てこの麦類の統制撤廃の法律は否決された、こういう経過に鑑みまして、当参議院に、国会に法案を提案することなく政令を以てやるというようなことが伝えられておるのでありまするけれども、私はこういうことは絶対ないというふうに考えておるのでありまして、政府は当然こういうような重要な問題は法律案を国会に提案して実施すべきものであると考えておるのであります。私はこの政令で以て実施できるかどうかという点については疑問があるのでありまするけれども、仮にこれが実施できるといたしましても政府はそういう政令を以ておやりになることはないであろうということをもう一度、もう一度でない、ここで農林大臣から確認して頂きたい、こういうふうに考えておるのであります。 更に私はこの機会に農林大臣としてでなく国会議員としての根本さんの御所見を承わりたいと思うのであります。こういうふうに仮にこういうような重要な事項が政令を以て行われるということは、新憲法下において国会の審議権を剥奪し、みずから国会の権威を失墜させるものであると私たちは考えておるのでありますが、これに対して議員としての根本さんの御所見も合せてお伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(根本龍太郎君) 小林さんにお答えいたします。麦について立法措置によらず政令によるかどうかということでありまするが。これも只今検討中でございまして従いまして明確に申上げることはできません。それから政令においてこれをなし得るかどうかということの法律論になりまするが、これについてはいずれ改めて御論議する機会もあるかと存じまするけれども、従前の解釈によりますければ現在の食管法は一つの授権法であります。政府がこれこれのことをなし得るという権限をきめておるのでありまして、従いまして現在の食管法による供出割当、或いは配給その他の問題は挙げて実は食管法に基く政令においてはその権限が與えられておるわけでありまするから、法律の解釈上からいうならば政令でなし得るという解釈が至当であると私は考えております。 従いましてこれを政令でやることが非民主的であるかどうかということの議論についてでありまするが、これは立法の趣旨から、法律の立場からするならば政令を以てやるということも可能であるという議論に立つならば私はその問題について非立憲とか、或いは非民主的ということはおのずから解釈されるのではないかとかように存じております。
○小林孝平君 私は本日は時間がありませんのでこの政令で以てやれるかどうかという問題については論議しないというつもりでおりましたところ、農林大臣から政令でやるということは可能であるというお話がありましたから、これはのちほど二、三の質問をいたしましてから、私は政令でやることは憲法にも違反するという点を農林大臣に質したと思うのでありまするけれども、その前に順序といたしましてこの法律案を提案されるということでございまするけれども、これは臨時国会に提案されるのであるか、或いは通常国会に提案されるのであるか、先ずお伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(根本龍太郎君) お答えいたします。只今なるべく速かに諸般の準備を整えて出したいと思つておりまするので、明確に臨時国会には出さん、或いは通常国会に出すということは明言いたしかねます。
○小林孝平君 この統制廃止の理由といたしまして先般の総理の施政方針演説に食糧事情が安定したと言われておるのでありまするが、かような結論を得られるに至つた経緯を資料を以て詳細に御説明願いたいと思うのであります。これは本日は時間がございませんので、この問題については急速に詳細なる資料を提出いたして頂きまして農林大臣から直接御説明をお願いいたしたいと思うのであります。 次に統制を廃止せんとする理由としては、ここでまだ二、三ありまするけれども、大臣が政令でやることが可能であるという、又違法でもないということをおつしやいましたので、この問題について二、三お尋ねいたしたいと思います。仮に政令でやるということになりますと、これは食糧管理法の第三條並びに第九條によつて供出の割当を政府はしなくともいい、或いは流通過程について自由にすることができるということはできまするけれども、これに関連いたしまして若し食管法の廃止、若しくは改正、或いは政府が考えられておりまするところの需給調整法というようなものが否決になつた際に政令でおやりになるということになりますと、その後農家が売りたい、この需給調整法の構想の法律でなく、実質上農家が売りたいというときに政府がそれをお買いになるのかならないのか、それをお聞きいたしたいのであります。
○国務大臣(根本龍太郎君) お答えいたします。先ほどの御質問に対する答弁において若干混同した点があると思いますから申上げます。それは小林さんが先ほど聞いたのは、麦については政令でやるのかと、こういうお話であります。而もそれが麦について政令でやることが違法であるかないかと、こういう問題だつたと思います。それで麦につきましてはこれは只今小林さん御自身が食管法の解釈において申されたごとくに、これは流通過程と配給に対するところの権限は省令に委ねられております。従いましてこの解釈からして今まですでにいも類並びに雑穀についておのおの政令を以てこれは実施されておるのであります。従いまして主食全部について一切が統制がなくなる、即ち食管法の内容を全部政令を以て停止するということについてはいろいろの問題があると思いまするが、その一部についてやるということについては我々といたしましては、従前すでに皆さんがたが御承知のように雑穀並びにいも類において実施されたと同様な措置においてこれは非立憲的ではないと、かように解釈いたしておるのであります。 それからもう一つ先ほど要請されました資料につきましては速かに準備を整えましてお手許に差上げたいと思います。 それからもう一つは何ですか。一番最後の問題は。
○小林孝平君 政令でやるやつです。今農林大臣は混同してお答えになつたようにお話がありましたけれども、私は混同しておらんのでありまして、むしろそういう点が非常にあいまいになつておる。麦はいいけれども米は政令でできない。こういうふうな考えかたが一部に行われておるのでありますけれども、これは私は麦ができるというなら米についてもできる。それは政令で以て法律全般を停止するというのではなくて、政令で以てその食管法の関係條項を停止することができる、実施することができる。こういう考え方を取つておるのでありますから、農林大臣は麦はできるとお考えになつておりますけれども、米はどういうふうにお考えになつておるか、改めてお尋ねいたしたい。
○国務大臣(根本龍太郎君) お答えいたします。只今の問題は要するに政令において食管法で規定しておるところの一切の機能を停止できるかどうかということの問題かと思います。従いましてこの問題についてはいろいろと法の解釈上の問題があると存じます。従いまして今私その法案の全部について詳しく承知いたしておりませんので、後刻改めて研究の上お答えいたしたいと存じまするが、只今先ほど御指摘になりました麦についてやり得るならば、米についても従つてすべてについて政令でやり得るという解釈にならないかということの議論でありまするが、私は先ほど申しましたのは今の食管法第三條におきまして、米穀、大麦、裸麦、小麦又は雑穀の生産者は命令の定むるところにより、その生産したる米麦等にして命令を以て定めるものを政府に売渡すべしということがございまするが、これは明らかに米、麦その他について生産者は、従つて命令の定むるところでありまするから、この第三條に根拠して政府は政令を以てやり得るということでございます。従つてこの限りにおいてはこの流通秩序の問題と供出につきましては、政府の政令を以てやり得るという解釈のためにすでに雑穀といも類は、これは政令を以つて外しておるわけであります。
○小林孝平君 そこは大事なところでありまして、今初めは農林大臣は米についてはどうかあやしいというお話だつたけれども、これを御覽になつて直ちにこれは米麦の買入に関する政令を廃止すれば供出はできると、こういうふうにお考えになるほどすぐ意見が変つて来る。そこで私は仮にこの法律が通らない場合に、政府は政令で以て自由にしたという際に、農家が政府に麦を売りたいというときお買いになるかどうかということをお尋ねしたいのであります。
○国務大臣(根本龍太郎君) お答えいたします。需給調整法が成立しない場合において、現在の状況において政府が米麦を買い得るかということでありまするが、これは食管法の問題と関連はいたしますけれども、予算措置において事実上買つておるわけであります。それはすでに現在供出制度をやつておりまするが、これは超過供出ということを事実やつておるのであります。従つて政府の食管特別会計の予算内においてはこれは買い得る、かように存じております。
○小林孝平君 この問題は法律の解釈で細かいような問題だとお考えになるかも知れませんけれども、これが国会の審議権を奪うかどうかという非常に重大な憲法違反になるかどうかというような重大な問題でありますので、更にこれは御質問いたしたいと思うのであります。 今大臣は、これは予算的措置でできるとこうおつしやいましたけれども、それは大臣は恐らく食糧管理特別会計法で以てこれを買上げる。こういうようなお考えであろうと思うのでありますけれども、食糧管理特別会計法の第一條には、「食糧管理ノ為ニスル食糧ノ買入」と、こうなつておるのでありまして、この食管法の第三條で以て、供出の義務を規定しなければこの食糧管理のためにする食糧の買入という解釈に該当しない。飽くまでも食糧管理法、食糧管理特別会計法で買上げるので、食糧管理法に根拠を基かなければ買上げることができない、こういうふうに解釈しております。私はこの点も非常に重大な題問だと思いますので、農林大臣のお考えを伺います。
○国務大臣(根本龍太郎君) お答えいたします。まず御前提が、あなたの質問は、法律が現在において食管法が活きておるという前提であなたはお話であります。即ち食管法に代るべき需給調整法が成立しなかつたその場合において、政令を以て若し事実上麦について買入れないというような措置を講じた場合、その場合において然らば需給調整法がないから最低価格で買うことができないではないか、これは困るじやないかということでございまするが、その意味におきましてお答えしたのは、食管法は依然としてその意味においては活きておるのであります。活きておつて而もそれは予算上、食管特別会計法と予算がございますれば、食管法の建前からいたしましても、政府が時価で買入れるということは可能である。即ち従前におきましては食管法に基く割当以外に超過供出ということを認めておる。この意味においてこれはなし得る。かように私は只今考えておる次第であります。 もう一つお答えいたします。実はどうも議論が少し先行するようで、私自身も実は小林さんのお聞きしたことと少し離れて行つたような感じがするのでありますが、政令でやるかどうかということについてはまだ何にも実は意思が決定されていないのであります。一つの仮定の事実として政令において麦の統制撤廃が可能であるかどうかということの私の見解を質されたのに対し、私は先ほど申上げた理由においてこれは政令でもなし得ると考えておりまするが、まだ十分なる私自身の検討はいたしておりません。何故ならば決して私は今直ぐに政令を以て出すべしとの政府並びに私の結論が出ていないのであります。従いましてこの問題については具体的に内容がきまつて、更に政府が意思決定したときに改めて御論議して頂きたいと思う次第でございます。
○小林孝平君 大臣は問題を将来に延ばされたようでありますけれども、問題は非常に差迫まつておる。而も仮に四月以前に麦の統制を撤廃するということになれば問題は更に逼迫しておるのでありまして、これが政令でやるか、法律でやるかということは速かにきめなければならん。又それをきめることによつて、我々のこの問題は單に食糧の問題だけでなくして、国会全部の問題として非常に重要な問題でありますので、特に農林大臣にお尋ねしたのでありまして、この問題については更に農林大臣も篤と御研究された上に改めて数日中にこの問題を討議いたしたいと思うのでありまするけれども、私はこの際農林大臣に申上げておきたいのは、こういうふうに政令でやれば、例えば流通過程は自由になるけれども、第八條の二によりまして「農林大臣ハ毎月主要食糧ノ配給計画ヲ定メ之ヲ都道府県知事ニ指示ス」というふうになつて、政府は配給する義務がこの第八條の二にあるのでありまして、單に政令でやつたのではこの配給義務を政府は行わたいということで、これは又違法である、又憲法にも違反するというふうに私たちは解釈しておるのであります。 更に第八條の四に、これにはフリー・クーポン或いは通帳でなければ消費者は販売業者、これは生産者も含んでおりまするけれども、販売業者から食糧を買うことができないという規定があるのでありまして、若し三條並びに九條で以てこの流通過程並びに供出を自由にしたことでありますれば、今後消費者は米を買うことができない、消費者は餓死しなければならん。こういうふうになるのでありまして、それも法律の解釈は融通自在で、まあそれは適当にやろうということでありますれば私は非常に重要なる問題が今後起きて来る。我々は政府が提案される法律案の審議に対しても、改めてその態度を決定しなければならんというような状態にありまするから、農林大臣の愼重なる御検討をお願いし、かりそめにも政令でやるというようなことのないようにお願いいたしたいと思うのであります。この問題については更にのちに改めて検討いたしたいと思うのであります。 次に私は只今資料としてここに配付されました米の供出割当に関する資料というのが配付されてありますけれども、大臣の手許に行つておりましようか。大体この資料は農林省の調査に基いて作成されたものと思いますので、私は大臣もこの数字を確認されると思うので、次にこの資料について御若干の御質問をいたしたいと思うのであります。先ず米の第一回の予想収穫高は九月の二十五日に公表することになつておるのであります。ところが本日は十月の十八日で、すでに一カ月近くその所定の期日から過ぎておるのでありまするけれども、未だにこの予想収穫高が発表にならんのでありまするが、これは何か重大なる理由があつて発表されないのかどうか、お伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(根本龍太郎君) お答いたします。 先ず小林さんがこの食糧行政、特に統制撤廃というような非常に重大な問題であるから愼重にせよということは有難く拜聽いたします。私もこの問題については非常に深く検討し、そうして各般の準備が整つてからこれは法案とし、或いは又行政措置として皆さんの御批判を受けなければならんと思つておるのでありまして、その意味におきまして方針は大体総理が申された通りでありまするけれども、これが実施のためには愼重を期すべきであるということで、閣僚懇談会を継続するのみならず、又関係の各省におきまして十分なる検討をお願いしておるわけであります。その意味におきましてこれが具体的な法案といたしまして、皆様に御審議願えるところの時期は今明確に言えないのはそういう点でございます。 それから只今この参議院の農林委員会における資料といたしまして、この米の供出割当に関する資料というのが出ておりまして、而もこれに関連いたしまして、昨年に比べて本年の米の収穫予想高の発表が非常に遅れておる、その理由如何、それは何か政治的な理由がありはしないかということでございましたが、これは小林さんも御承知のように本年は事後割当でございます。以前は事前割当でありましたが事後割当でありまして、而もこれは始んど実收に基くという建前になつているのであります。然るところ本年は東北地方或いは北陸地方が、春におきまして寒冷気味でありまして、相当これが成熟が遅れたのでありまして、中頃高温多照によつて相当立直りましたが、又秋になりまして気候が非常に遅れて来た、更に又九州その他西南部におきまして相当な災害が出た。こういうことでありますので、そういう点も勘案いたしまして、実は予想をできるだけ実收に近い数で発表いたしたいということで、これは検討いたしておるのであります。なぜなれば小林さんも御指摘のように、この予想収穫高が根拠となりまして割当をいたさなければなりませんので、その意味におきまして今資料が大体整いつつありまするので、これは御承知のようにサンプル、システムによるところの統計に基いてやるのでございまして、單なる申告ではございません。それから気象観測その他いろいろなケースで現われておりますので、そういう関係からいたしまして昨年に比して遅れているという事情でございます。
○小林孝平君 ほかの大臣ならいざ知らず、該博な農政に関する知識をお持ちの農林大臣が、只今のような御答弁をされるのは少し腑に落ちないのでありまして、予想収穫高はここにも書いてあるように、九月二十五日に第一回をやりまして、第二回目は十月二十五日にやる。それから推定実收高は十二月二十四日と、こういうふうになつておるのであります。いろいろ病虫害があつたとか、風水害があつたからその予想収穫高は遅れて来たというのは、それは随分前の農林統計を作成する時分の話でありまして、現在は科学的な統計組織を持つているのでありまして、今大臣がお話になつたような腰だめ的な統計というものは現在はないはずであります。大臣はそこを少しお考え違いになつているか、或いは政治的な御考慮をお加えになつて、そういうふうに御発言になつたのかわかりませんけれども、ともかくちやんと十月の二十五日に第二回をやることになつておるのでありますから、なぜ一カ月も遅れたかということについては、もう少し明確な御説明が必要だと思うのであります。特に統計組織については、農林大臣が就任後最初の委員会において、その統計組織の重要性を強調されたのでありますので、それが既定の二十五日に発表されないで一カ月も遅れているというようなことは、私は非常に重大なる間違いである。こういうふうに考えているのでありますが、大臣の御答弁が、私は何か政治的な考慮を加えられているのではないか。こういうように考えまして、この問題については、これ以上追求いたしませんけれども、ここでこの資料を見ますと、昭和二十五年度の産米はこの推定実收高という所を見ますと六千四百三十三万八千石と、こういうふうになつておるのであります。ところが昭和二十六年産米の収穫予想高九月十二日頃発表されましたものによりますと、六千四百十四万六千石と、昨年と比べますとほぼ同業である。そこで昨年の六千四百万石の実收高のありましたときに供出割当はどういうふうになつているかと申しますと、割当と書いておりまして供出確保数量とありますが、二千八百八十四万石を割当てているのであります。この供出割当というものは過酷であつてはなりませんけれども、統制を続ける以上は適正な割当が行われなければならんことは当然であります。 ところが最近伝えるところによりますと、政府はこの割当を二千万石ぐらいにしたい、これは私の推測するところ、或いは世上に伝わるところによりますと、僅かな数量を割当てておいて、実際上の統制撤廃の方向に持つて行こう、こういうような意図があるように私は考えているのでありますが、こういうふうに、この割当はもう数日中に行わなければならんのでありまするが、実際世上伝えられているように大体二千万石程度の割当をなさるのかどうか、こういう点をお尋ねいたします。
○国務大臣(根本龍太郎君) 本年度の割当数量については、先ほど申しましたように、予想収穫高を確実に把握いたしまして、それから更に本年度における諸般の事情を勘案して決定いたさなければならんのでありまして、未だ供出量については確定しておりません。近くこの問題については検討して明らかにいたしたいと存じます。
○小林孝平君 他の委員の発言もございますのでこれで終りますけれども、私はこういうふうにもう非常に早く割当をしなければならない、割当をしなければこれは統制解除になるかどうかということを不安に思つてその米がほうぼうに散じてしまう。こういうことで非常に急速に割当をしなければならないのでありますけれども、それが予想收獲高がよくわからないからいくらにするかわからん。こういうことでは、先ほど申上げたようにちやんと九月二十五日に予想収穫高を発表することになつているのでありますから、これに基いてやらないということは非常な私は失当の措置であると考えているのであります。特にまだわからないとおつしやいますけれども、伝えるところによると、できるだけ低く実質的に統制解除の事実を作り上げようというので二千万石程度の割当をなさろうとしておりますけれども、これも先ほど申上げた通りに、国会に当然法律を出して、国会の審議を経た後に統制解除をやるべきものでありまして、その際に僅かの数量を割当てて既成事実を作つて、うやむやに統制を解除しようというお考えが仮にあるとすれば、私は非常に大きな間違いである、根本農政における最初の汚点だと考えるのでありますから、一つ十分御考慮の上実施して頂きたいと思うのであります。
○委員長(羽生三七君) ちよつと今の小林委員の質問に関連して私から大臣に一言お尋ねしたいことがあるのですが、それは政令によつて主食の統制廃止を行い得るや否やの法的な解釈については私ここでかれこれ申しません。ただお伺いしたいことは、これはまだその問題は法律によるか、政令によるかは検討されておらないとの先ほどの御答弁でありましたが、それは米についてもさような御解釈か、麦、米併せて未だ検討中であるのか、麦は政令で以て行い、米は或いは法律の審議を仰ぐということを意味するのか。その間の事情をもう一度明確にお答え願いたいと思います。
○国務大臣(根本龍太郎君) 先ほど申上げましたように、二つについても実はまだ具体的にいかなる実行、或いは法的措置を講ずるかについては明確に政府として決定いたしているわけではございません。
○委員長(羽生三七君) もう一度お尋ねしますが、そうすると場合によつては米についても政令によることがあるとの含みでございますか。
○国務大臣(根本龍太郎君) いや、私は只今そういうことを考えておりません。
○岡村文四郎君 非常な大事な問題でありまするが、たくさんお尋ねになりたいかたがあると思います。大臣になかなか御出席を願う機会が少いので相当待つているかたがあると思いますから、私は二、三お尋ねをして他の質問者に譲ろうと思います。 小林委員からいろいろお尋ねがありましたが、これは統制を前提にしてのお尋ねであります。過日の総理の演説に食糧事情が安定したから速かに統制を撤廃したいというお話でありました。そこで今まだ何らの資料も来ておりませんし、小林委員の要求によつてあとからその資料が出ることになつておりますが、主食の統制は実に大事な問題でありまして、今すぐ外すということはありません、早くても来年の四月、遅ければ六月になるかも知れませんが、それでも上へ下への大騒ぎだと思つております。そうらしいようであります。そこで何を根拠にして、何も表を見なくてもこれとこれとこれがこうだから食糧は十分安定したと、そこで統制を撤廃するという意思を汲み取るということが、そうむずかしくなく簡單に言えるようにならなければならんと思うし、そのようなものと考えております。大臣はきまつているがまだ方法がきまつていないというお話でありますが、委員会の話と違います。又新聞におよその想定を書くのと違いまして、総理があの大演説の中に織込まれております以上は、完全に行い得ると思います。そうやられると思うのでありまするが、その先ず以て何をどういうわけで日本の食糧が安定していると見たかということをお尋ねいたします。
○国務大臣(根本龍太郎君) 岡村さんにお答えいたします。御承知のように我が国の米穀に関する行政のあれを見ますと、明治の初年から大正の初めにおきましては、むしろ農村のほうの価格維持ということが問題でございました。特にこれは朝鮮、台湾が我が国の領土になるに至りまして、その感が強くなりました。むしろ日本の植民地から来るいわゆる台湾米、朝鮮米の移入による米価の安定、これが問題であつたのでありまするが、爾後だんだんに御承知のようにこれが戰時経済に移行するに及びまして、軍用の食糧なり或いは人口増という観点からいたしまして、かなり国内需給が困難でありました。そのときから御承知のような米穀法、或いは食糧統制法、更に食管法に移つたのでありますが、この時代におきましては御承知のように日本は海外から遮断されており、即ちアウタルキーの経済をやつておつたわけであります。その時代におきましては国内において、又は日本の力において、限られた地区から限られた量を以て国民の生活を安定させる。こういう観点からいたしまして立法措置を以て、或いは強権を以て、農民から供出をいたさせまして、それを今度は政府が責任を以て配給する。而もその配給においては量的な制限を加えまして、それ以上においては国民も全面的に消費規正がなされる、こういう段階になつておつたのであります。終戰後におきましてもこの事情は依然として緩和せられず、国際社会に復帰しない日本としましては、結局において占領車の格別なる措置においてこの不足の分を補つておつたのでありまするが、調印を見、やがて批准を経ますれば、これは全面的に我々は国際社会に復帰できる、こういう状況でございます。 そこで現在の状況におきましては、国内における農業生産も漸次回復いたしまして、農産物特に主食の点におきましては、おおむね戰前に近ずき更に戰前を越しておる現状でございまして、大体平年におきまして米につきましては毎年六千数百万石は確保できる。更に麦類については二千四、五百万石が確保できる、合せて八千五、六百万石は常に確保できております。従来台湾、朝鮮から輸入しておりました一千万石乃至一千五百万石に相当するところのもの、更にそれ以上人口の増に対応するところの食糧につきましては、現在におきましては小麦協定の参加或いは又F・A・Oの参加というような観点からいたしましても、又最近における国際食糧事情の好転からいたしましても外貨を以て十分に購い得るのであります。従いまして、この点につきましては、国民全体が必要とする食糧につきましては、内地生産と更に外国食糧の手当によつて十分に国民の所要するところのものは確保できる。かような観点が総理が申されたところの、食糧事情が改善されておる、従つて戰時立法としてなされるところの食管法を改正し、自然の経済の価格構成によつてこの取引を行わせる、而もそれによつて起るところのアンバランスは需給調整法を以て生産者並びに消費者の保護に当りたい、これが総理が申された構想であり、それが根拠でございます。併しこれは構想でございまして、これを現実に実施する場合においては幾多の問題がありまするので、その点が最もスムースに且つ生産者も消費者も十分に安心して行けるという具体策が必要であります。これにつきましては、岡村さん御指摘の通りに早くても明年の四月ということでありますので、その間に十分なる準備もいたし、又各方面の御意見も十分に参酌し、そしてこの問題は農林省の問題ばかりでなく、これの及ぼす影響は全体の日本の産業生産或いは産業構造或いは又労働対策、諸般の問題に関係がありまするので、この方針の下に各省と十分なる連絡検討の上成案を得て御審議願いたい、かように考えておる次第であります。
○岡村文四郎君 大臣のお話は非常に逃げ道が多いので、そういうことは困るのでありますが、実は前に申上げましたように、統制撤廃を必須としてお考えになつておるようですから、そのつもりにいたしておりますが、安定ということを言い得る時期ではありません。一体日本の政府が、なけなしのありもせないドルで外国から物を入れればいいという、何もかもそういうお考えをいたしておりますが、これはもうこういう島国の人間には最もいかんことであります。今はアメリカの意により、どうにか辛うじて賄いをつけておりますが、成るほど強権による法律で農家の供出をさせておりますが、だんだん慣れて参りまして、随分こごとがありましたが今では慣れて来たというものか、これがこういう時期だというのか、さほどの供出も苦にいたしておらんと思つております。 そこで私どもの論議いたしまするのは、生産者の立場或いは消費者の立場というのではなしに、日本食糧の立場で議論をするつもりであります。そこで私どもが国民の代表として議席を占めておりまする以上は、食糧が国民の需給に間に合わんという見当が立ちまする以上は、どこまでもそれはその立場で反対をさせなければならんのであります。そこで足らない物は輸入すると申されますが、実に不安なことであります。現在の日本の島国はどういう立場にあるのかということは、今やつております平和の調印論もその特別の委員会によりましていろいろと論ぜられておると思いますが、そういうふうに軽く物事を考えまして、若し一朝間違いますと八千三百万の国民はどうして一体やつて行くだろうか。農業者はどんなことがありましても決して食うには困りません。我々は農業者の立場に立つて決して食うことに心配はいたしておりませんが、そこで農業者は需要者に食糧を供給する責任を持つて、供給をする義務はいつも持つておると考えておらなければならんと思つております。そこで單なる今の僅かな輸入食糧がどうにか間に合うという程度で食糧統制を外すということは、如何にもいかんことだと考えております。 そこでもうたくさん申上げませんが、いろいろと御答弁されましても、私は政府のやることを絶対に信頼ができんと思います。そのことは二十六年度に生産をされました米がどんどん早場米の供出をされております。私この間石川県に行つて五カ村視察をして参りまして、早場米の状況を見て参りました。あの黄線を引いた三十トン積の急行列車にどんどん積込んで、一番日本で恐しい大阪方面に送つております。併しながらその米が未だに価格さえ一体きめることができないじやありませんか。日本の国内で生産をする米がその年どんどん出るようになつても、生産者価格もきめられないようなことで、一体食糧が緩和したから統制を外すなんということは、もつてのほかなんで、そこでこれからいろいろ出ましようが、そういうことを私は前提にして万事議論をするつもりでありますから、どうぞ十分に政府のほうもお考えになりまして、殊に今度の農林大臣は我々は今までの大臣と違うと思つておりますが、余りにも乗つて行かれては困ります。大臣首になつても私はそれでいいと思います。それが受持つた農林大臣の職責であり、これが日本の食糧でこうあるべきだということになりまして当然それだけの信念を持つてやつてもらいませんと、八千万余りの国民はどこにどうなるかわかりません。繰返して申上げますが、この島国日本の本国を、どういう国かわかりませんが、潜水艦で一回半廻らすほど持つているという国があるのであります。そういう国があるのに晏然として少しくらい輸入ができるからそれでよろしい、そんなあさはかな考ではいかないので、農林大臣はこの際今後の食糧は国内で生産をするように大努力をしてやつてもらいたい。私は完全にできるという自信を持つております。それが自信を持たずには申上げておりません。どうしたらできるかと申すなら、いくらでも申上げますが、そういうおつもりで、まだ当分はこのままでやつて行くよりしようがない。若し輸入が杜絶になつてもそれは方法はあります。今は米麦を主食にいたしておりまするから数量が減つておりますが、又元に戻して畑地で食糧を作れば相当とれます。私は現在でも日本のとれますものを食糧に充てればずつとまだ伸びると考えておりまするから、どうぞそういうおつもりで再び私どもに今言つておりますようなことを言わせないようなお考えを願いたい。若し今後需給調整法が出ましても、このつもりで参るのでありますから反対してかかることを十分お聞きとりを願つておきます。
○国務大臣(根本龍太郎君) お答えいたします。只今岡村さんの御議論では、結局現在日本においては食糧の自給度は非常に少い、従いまして外国に依存するということは相当危險がある、その意味において食糧自給度を高めるために増産のための施策を強行せよと、こういう御意見は全く賛成でございます。その意味におきまして、これは政府といたしましても増産計画を推進するのみならず、自由党といたしましても、私が政調会長時代から十カ年間における自給計画を立てまして、大体現在の邦貨に直して約八千億万円の投資をいたしますれば、大体十年後においては自給ができる、こういう構想を以ちまして、この構想の基礎に安本におきまする自立経済三カ年計画にその一部が盛り込まれておるという状況であります。但し岡村さんが言われました日本は非常に資源が少いのだ、資源が少い所においてはできるだけ統制経済をやることによつて行かなければいかない、即ち自給自足経済の立場をとるべきであるとの御意見のようにも拜聴いたしましたが、これは私どもの意見を異にするところでありまして、現在は鉄鋼なり、或いは綿花と言い、更にはその他の重要物資においてもこれは足りません。従つてこれは自給自足というような孤立経済では却つて日本の発展ができないのみならず、現在の八千四百万の国民の生活を保障することは不可能でございます。その意味におきまして、これは原材料を入れまして、それに加工し、全体としての国民経済力を増大せしむることによつて得たる外貨によつて、食糧並びに工業原料を入れて、全体としての日本の経済の発展を期する。こういう考え方でありまするので、従いまして、食糧もその一部として当分の間輸入するということは、これは当然採らなければならないことと考えるのであります。そういう観点からいたしますれば、これは外国からの入る食糧も、当然我が国における経済、特に食糧における供給源として考えて差支えない。それが不可能であるとの見通しになりますれば、これは問題の違いでありまするが、現在の状況においては外貨もそれに充当することは当然できる。又海外の事情におきましても、日本に対してこれをシヤツト・アウトするということはございませんので、これは十分に国民に安心して頂ける供給源と見ておる次第でございます。
○岡村文四郎君 もう言わんで足りると思いますが、誤解があるといけませんから申上げます。私は輸入がいけないとは申上げておりません。そうして不足食糧はやむを得ず輸入することは当然でありますが、その輸入とても政府の計画通り一年も入つておりません。確かに毎年この計画より少いことは事実であります。そこで国内の足らない食糧を円満に、円滑にやるのには、どうしても統制でなくては駄目だという考えを持つております。これが外国の輸入食糧が日本の米より優位な品物が入つて参りまするとさほどでもないと思います。そこで今輸入されておりますものは恐らく外米のごとき、或いはその他のものでもなかなか国民は喜んでその配給を受けるものではなくて、やむを得ず受けておると思いまするが、若し統制を外されますと、大蔵大臣のおつしやるように、金のある者は米を食え、ない者は麦を食えということになることは当然だと思います。そこで非常に混乱を来たす。その混乱は場合によりますと制止できないような混乱までも起きはしないかという疑義を持つております。なにも好んでこの際そういうことはする必要がないのであります。そこで日本人の食糧政策のためには、先ず当分このままで置くべきであり、輸入はやむを得ずできなくなれば別でありますが、できておりますうちは現在の食糧数量が確保できますると国民も本業にいそしむ。それこそ自立財政になつて行くと思いまするが、それがそうでありませんというと、きつと混乱が起きることは保証してもいいとまで言いたいのであります。先ず大都市はその通りであり、小都市になりますと、田舎の小都市はそう困らんと思いますが、如何なる方法をとつてもそれはなかなかできないと思います。そこでこの際平地に波乱を起すようなことは絶対に考えないで、先ずこのままで当分行くことが日本の食糧の安定をする、農家の立場から申しますると、統制撤廃しますといつまでもそう高く売れますまいが、闇と公定価格の間くらいに売ることはそう面倒ではないと思います。私は農家の收入から申しますと、統制撤廃しろと、こう言いたいのでありますが、国会議員としてそういうことは言えません。だから現在の食糧事情から考えますと、統制撤廃はいけない、こういう立場をとつております。又需要者のことを考えますと、当然満足に入つて来なくなつて金のある者は米を食える。ない者は麦を食うということはここでは当然そうあるべきでそうかも知れませんが、誠に忍びない状態になると思いまするから、このままで行くことが平地に波乱を起さないゆえんであるということを申上げて置きます。 又自給自足は大臣のおつしやる通り、どこまでも自給自足の建前でその政策を立てて行きたい。私は今ちよつと価格のことを申上げましても十年先のことはわかりませんからいかんのでありますが、政府が四千七百億円の金を十年にお出しになる計画さえあれば、立派に十年後には食糧は自給できる計画を持つております。そう言えると思つておりますから申上げて置きます。誤解のないようにして置いてもらいたいと思います。
○江田三郎君 大臣は食糧の問題は愼重にやらなければならんということを言われたのでありますが、我々もそう考えているのでありまして、前の廣川農林大臣のときにもこの食糧に関しては愼重の上にも愼重にやつてもらいたい、そうしないととんでもない混乱を起すということを言つたのでありますが、愼重にやられると言いながら、而もまだああいうような、閣議で正式に決定を見ていない方針なのに首相に演説をさした。そうしてその結果、今どういうことが起きているか。私は正確なことはわかりませんけれども、新聞で見まするというと、すでに東京等で遅配の虞れありということが言われております。又生産地においても、私の郷里の岡山県においても、そういうことが言われております。ここへ持つて行つた無責任さに対して誰が責任をとるかということを私はお尋ねしたいのです。大臣はこの間うち二回もこの委員会に出席なさらなかつた。今日は遅れて来られましたけれども私は恐らく大臣は顔合せができなくて来られないのではないかと思つておつたのです。そういうことはどちらでもよろしいが、私がお尋ねしたいのは、もうすでに去年の例から行きますというと、十月の九日には中央農業調整委員会を開いて割当の審議をしておられる。そうして十一月の十二日、十三日には知事会議を開いておられる。この例から申しましても、もはや供出割当をしなければならんときは目の前に追つているわけでありますが、先ほど小林委員の質問に対しましてはまだ方針がきまらんということでありましたが、正確な数字はきまらなくても、去年と同じような生産者に保有量を持たして供出割当をするのか。或いは全然別な方針で供出割当をするかということくらいはきまつておらなければならんはずなのであります。若しもそれがきまつておらんといつたならば、これはもう食糧行政の放棄と言わざるを得ないのでありまして、その点は一体どうなつているかということだけをお尋ねして置きます。
○国務大臣(根本龍太郎君) お答えいたします。江田さんから、総理が施政方針演説におきまして速かに統制を撤廃いたしたい、こういう方針を述べられた限りにおいては、精細な資料的な準備はなくとも大体の構想ができているであろう、こういうことでございまするが、御承知のように、先ほどから申上げましたように、我々は国内生産量と更に輸入の見通し、この全体の観点からいたしまして安定している、こういう論拠。それからもう一つは、先ほど申上げましたように、この食糧統制、特に食管法に基くところの立法の趣旨は、戰時立法に出発しているのでありまして、我々といたしましては……。
○江田三郎君 その点はいい、聞いたからよろしい。
○国務大臣(根本龍太郎君) 次の問題は、本年の割当会議が遅れてている、速かにこれをやるべし。これは我々としても同感でございます。できるだけ速かに、大体本月の末日までには知事会議を開いてきめたいと存じております。 それから割当の方法につきましては、現行の食管法の建前においてこれは割当をいたしたい、こう考えております。
○江田三郎君 若し現行の食管法の建前において去年と余り違わない方針でやられるならば、今年の推定実收高は幾らになるかということは、はつきりわかりませんけれども、少くとも割当量が二千万石という数字にはならんということだけは我々は確信を持つて言えるわけでありますが、かような二千万石というような数字が巷間伝えられるというのはどこに根拠があつたのか、農林省としては全然そういうことを考えないで、去年と同じような方針でやられるのかどうかということをはつきり聞きたい。
○国務大臣(根本龍太郎君) 私は二千万石以下で割当てるということは考えておりません。但しこの我々が定員法その他において申上げておるごとくに、統制を撤廃するという方針であるならば、従いましてそれに応じたところの施策を講ずることこれ又当然であります。但しこの問題については、まだ閣議において正確にいつから統制を撤廃するということがきまつておりませんので、従いましてその供出量についても、その問題が前提條件になりまするので、只今この場においてどの程度割当てるかということは現在の私としては申しかねます。
○江田三郎君 すでに統制を撤廃するということがきまつておるならば、それならば、この割当量というものは大よその数字は言えるはずだと思うのであります。今大臣が言われますように、統制を撤廃するということになれば、それに従つた諸般の方式が出て来なければならないということですから、それならそれで統制を撤廃するときにはどのくらいの割当量だということは、およその見当がつくわけであります。私は細かいことを言つておるのではない、そういうことを何もかも否定しておいて、そうして片一方においては新聞にどしどし書かれた場合に、一体消費者というものはどういう気持を持つておるかということ、非常に不安を持つておるではありませんか。農家も消費者も一般に不安を持つているではありませんか。そのことを心配して今日もたくさんの傍聽のかたが来ているではありませんか。それなのに統制を撤廃するのだというそういうことを起さしておいて、何もきまらんということは非常に無責任な話だと思う。それが言えませんですか。一体どの程度の、この去年と同じような方式で割当てをするのかどうかということなんです、私の聞きたいのは……。去年と同じような自家保有を持たせて大体去年と同じような方式でやられるのかどうか、その一点もきめないのに、一体何を先走つてあの総理大臣に演説をやらせたのですか。
○国務大臣(根本龍太郎君) お答えいたします。先ほどから繰返して申しましたように、統制撤廃の方針でありまするが、その期日、いつからやるかということがまだ正式な決定を見ておりません。それからもう一つは、先ほども申しておきましたように、食管法の建前からしてそれを根拠において供出させまするので、その要素も当然これは政府で近く正式に決定した場合においてはその数量も由申上げたい、かように申しておるわけであります。
○江田三郎君 それをはつきり言えなければ言えんでよろしい。 もう一つ次の問題をお尋ねしておきますが、これは若し、この前の麦のときの経過から行きましても、我々参議院におきましては、政府で企図されるような方針が果してすらすら行くかどうかということは非常に問題だと思います。仮に国会において政府の企図されるところの統制撤廃という方針が否決された場合には、政令でおやりになるかどうかということはこれは一つはつきりして頂きたいと思う。一方におきまして、あなたがたのほうではすでに四月一日をもくろみまして定員法改正を出しておられる、食糧関係や或いはこの作報事務に関係する人の首切りをここでやらんとしておられる、そうして片一方においてこの食糧統制撤廃が通らないということになると、ちぐはぐなものになつて来ます。何か仕草をしなければならない、そういうときに定員法改正が通つた場合に、あの食糧の統制撤廃ということが国会で否決された場合にはどういう辻褄を合わされるのか、私は政令以外になかろうと思うが、その点は一体どうなされますか。
○国務大臣(根本龍太郎君) お答えをいたします。政府といたしましてはこの問題につきましては、国会において協賛を頂けると、こういう考えでおりまするので、従つて今のところ通らないということを考えての施策は講じておりません。
○江田三郎君 曾つて廣川農林大臣、島村政務次官が同じようなことを言つた、麦のときに同じようなことを言つた、国会で協賛を頂けるものと言つたが、とうとう通らなかつた。併しあのときには通らなければ通らないでよろしいが、今度は片一方において定員法の問題がある、先に首を切つておる、今度はそうはいかない、愼重の上に愼重ということは、ただ政府の希望で、観測で通るであろうというだけではならないはずでありまして、政府のいう食糧事情の安定についても同じことである。安定しておる、安定しておると言いますけれども、現に三百万トン足らんじやないか、その足らん分は外国から買わなければならない。国際情勢はいろいろな緊迫を伝えておる、若し日本が戰争に捲き込まれなくとも世界のどつかで戦争が起きた場合、どこで日本のために足らない船を割いて日本の食糧を運んでくれる国がありますか。又日本がその時になつて、日本に食糧を買付ける経済力があるかどうか。将来の議論は別にいたしますけれども、少くとも今の問題だけは、これが国会で通らなかつた場合どうするということだけははつきりさせる義務があると思う。片一方において定員法の問題があるのでありますから、もう一遍お尋ねいたします。
○国務大臣(根本龍太郎君) これは今からこういう法律が通らなかつたならば、今はこうこうだということで私は討議を進めるべきではないと思います。政府といたしましては、若し不幸にして通らない場合においては、そのときその施策をいたします。そうして御批判を得たいと思います。そういうふうにすべての法律が通らない、或いは又予算が通らない場合はどうするということを前提にして論議することは、今適当でないと思います。
○江田三郎君 くどいようですけれども、もう一遍聞きます。若し食糧の統制撤廃というものが通らない場合には、定員法の改正は、政府の原案というものは、これも修正されますか。人の首切りに関係がある問題なんで、あなたは首を切る立場にあるんですけれども、首を切られる立場の者になつて見て下さい。その点は一体どうですか。
○国務大臣(根本龍太郎君) これは、政府の提案したものが否決されたという場合でございますが、これは国会の問題でございまして、政府がそれについて今意見を申す段階ではない、これは国会自身がきめることであります。
○江田三郎君 私の質問するのは……阿呆くさいからやめますけれども、あなたが大臣に就任せられて、第一回目の委員会に大臣がこの席に来られたとき、我々の先輩の楠見さんがこういうことを言つたことを私は覚えておる。知性の欠けた自由党の中で、只今知性のある農林大臣をお迎えした、ということをそのとき楠見さんが言つた。一体どういう調子で言われたかどうか知りませんけれども、私は覚えております。今あなたのお話を聞いて見ると、何も知性やなんかありやしない。ただ何も言わないということを以て最大の方針としておられるようでありまして、そういうことでは国民は一層不安を大きくするわけでありまして、あなたがたは通らなければ政令でやろうと考えておるかも知れないけれども、併しながら電気事業、あの九分割を政令でやつた結果が今日どうでありましようか、一年経たん今回、もう総理大臣自身が公益事業委員会の云々を言つておるではありませんか。この問題は電気よりはもつと深刻な問題ですよ、そういう態度は速かにお改めになつたほうが国民のためであるということを私は申しておきます。
○小林孝平君 今江田委員が質問いたしましたのに、農林大臣は定員法が通らなければ、統制撤廃の法律が通らなければ通らないで仕方がないと、こういうお話でありましたけれども、これは先般農林委員長が官房長官に会われまして、若し統制撤廃の法律が通らない場合は、定員法は元に戻すというお話があつたと聞いておりますが、それと矛盾いたしますが、この点は如何でしようか。
○国務大臣(根本龍太郎君) 私は通らなければそのままにしておくということではございません。定員法の問題は政府の原案として出ているのでありまして、これをどういうようにして原案の通りに可決して頂くか、或いは修正されるかは国会の権限でございます。その意味におきまして、私から今その点については国会のそれこそ審議権に干渉するごときことは申上げられません。
○小林孝平君 官房長官の言われましたことは、仮に定員法が通つたあと、法律が否決されましたならば、元に戻してもう一度定員法を修正いたしまして、政府は提案するとこういうふうに我々は了解しているのですが、農林大臣のお話と違いますが、どうでございましようか。
○国務大臣(根本龍太郎君) 結論においては同じでありまするが、私が申したのは、定員法の問題は御承知のようにこれは今回の整理は單なる天引ではございませんです。事務の簡素化に基くところの定員法の改正でございます。従いましてその基礎法であるところのものが変りますれば、当然これ又変ると思います。これは国会の権限であるということを申したわけでございます。
○小林孝平君 その点はそれといたしまして、もう一ついま江田委員からお話がありました際に、政府は統制撤廃の方針をとつておるからそれに関連するいろいろの措置をやる、現に定員法も出して首切りをやることになつておる。ところが首切りのほうはいま農林大臣或いは官房長官のお話を信用いたしますれば、又元に戻すということができるのでありまするけれども、農林大臣が米の割当は統制撤廃を前提として二千万石なら二千万石を割当てた際に、元に戻そうと思つたつて戻らない、あとからもう八百万石割当てようと思つたつて割当てることはできない。農林大臣が定員法の例をとつて御説明になつたことは少しも説明にならんとこういうふうに解決するのです。だからこの割当の点は、飽くまでも法律が通るまでは統制が継続されるという前提の下に割当をされなければならん、こういうふうに思うのでありまするけれども、農林大臣のお考えを承わりたいと思います。
○国務大臣(根本龍太郎君) 定員法とポ法との関係と相関連いたしまして現在の食管法が活きておる限りにおいては、勿論我々はそれを基礎にして割当をいたすわけであります。併しそれが若し我々が企図したことが通過できなかつたという場合における措置ということは、そのときに考えることでありまして、我々といたしましては統制撤廃という方針で今検討しているのでありまして、具体的にその法律の内容を明らかにして提案されたときに御議論して頂きたいと存じます。
○片柳眞吉君 時間はよろしうございますか。
○委員長(羽生三七君) まだ若干あります。
○片柳眞吉君 私はまだ法案が出ませんから、出ましたら内容につきましていろいろ聞きたいと思つておりますが、その前にとにかく主食の統制撤廃の方針だけは決定した。これだけは事実であります。ところが今日まで自由党の政調会の皆さんともいろいろの機会にお話合をしたわけであるが、かような統制撤廃をするという目的がどうもはつきりしておらない。單に自由党の公約だというようにはどうも私には理解ができないのでありまして、そこで今日は時間もありませんが、どういう目的であえてこの時期に統制を外すのかということを一つ大臣からお聞かせを願いたいと思うのであります。 第一に予想されますものは、講和が来ていろいろ財政上の支出も繁忙を加えて来るという意味から、財政上の理由から統制を外して行きたい、こういうことが言われておるようでありますが、併しこれは私は少くとも今度の国会に補正予算が出て初めて食管会計が一般会計の厄介になるわけでありまして、今日までは鐚一文も食管会計は一般会計の厄介になつておらない。こういう点から私は今度の問題につきましては、大蔵大臣が非常に積極的な御意見だそうでありまするけれども、少くとも今日までの食管会計の実態からすれば、何も大蔵大臣にそういう財政上の理由云々で言われる義理はないのじやないだろうか、ただ今後の事態を予想しますれば、一般の物価も上つて参りますから、従つて今後は消費者来価もこれ以上は上げない、生産者米価のほうは当然上つて来るという見通しになりましようから、今後を見れば或いは食管会計の二重価格という問題が相当幅が大きくなつて来ますので、そういう点を言うのであれば、一応財政上の理由ということにはなると思いますけれども、併し国民生活に重大な影響のある主要食糧について、この際政府が財政上の理由から忌避するということは、これは私やはり非常に問題としては大きいのではないか。ですから私の意見はいつも言つておりまするように、ともかく米は生産者か、消費者か、いずれかの面でこれは全国民の問題でありまするが、要するに生産者が米の増産ができ、消費者も一般大衆が何とか食つて行けるという意味におきましては、私は勇敢な二重価格をとるべきだと思つておりますが、併しまあその議論は別といたしましても、今後さような厄介なものになるから自由販売に任せて、或いは生産者の犠牲にするか、或いは消費者の負担にするかというわけであつて、この重大な食糧の価格操作を逃げておるというような私は感じがしてならないのであります。併しその場合には恐らく政府の側は、そういう場合においては或いは輸入食糧を管理するとか、或いは国産米も無制限に買入れるということを言われると思いますけれども、外国食糧を買つて来れば現在でも国際価格のほうが高いわけでありまするから、当然に相当の輸入補給金が要るわけでありまするし、又真僞のほどはわかりませんけれども、この際統制を外すに備えて外米を百万石入れようというような記事が出ておりますが、外麦よりも数十ドル高い外米をあえて買うということもこれは私はどうかと思いまするし、それから農家の価格を支持する意味で、希望があれば無制限に買うと言いまするけれども、私は買入価格の如何によつては或る程度入つて来ると思いますけれども、併し買入価格の決定如何では却つて入つて来ない。むしろ入つて来る場合を想定しますれば、例えば消費地近い農村であるとか、或いは出荷に便利な駅に近い農村は、これは自由販売のほうが有利でありましようから、そつちへ売つてしまう。むしろ駅から遠い、要するに運賃その他の経費のかかる所のものだけしか政府には集まつて来ない。これは要言しますればコストのかかる米だけを政府が買うという羽目になるのじやないかと思います。そういう点から見て行つても、私はむしろ財政上の負担がそういう方面から出て来るのじやないだろうかということも言えると思いまするし、又更に私は大きなことを言いますれば、社会不安を起していろいろな事態が起つて来れば、この際若干の国費を惜しんで片ほうでいろいろな問題が起きて来ますれば、私は全く本末顛倒だと思うのであります。そういう理由で私は今回の財政上の理由ということも合点が行かないのであります。ですからこの点について若し理由があるとしますれば、お聞かせを願いたいわけでありますが、併しその次に窮屈な統制ということは確かに私はこれは言えると思うのであります。従来のような供出制度が少くとも岡村さんの言われたように逐次気分が変つて来ておりまして、今年の麦あたりからはむしろ逆に買つて欲しいというような空気になつて来ておりますから、従来と同様の供出制を私は改めていい時期が来ていると思いますけれども、併し供出制が米なり麦の増産にマイナスになつておるかといいますと、これは私はマイナスにはなつておらんと思うのであります。この数年間勿論これは天候もありましたけれども、相当の豊作を示しておるわけであります。従つて統制があつて供出制があつたから米の増産に非常に障害になつておる、従つてこれを外せば米麦が非常に増産になるということでありますれば、これは私は一つの有力な理由になると思いますけれども、どうもこれも立証的にもさようなことは言えない。ただあるのは闇があるだけでありまするが、この場合に自由党の政調副会長の田中氏は或る新聞で闇がなくなると、これはまあ当然なわけでありまして、ただなくなつて米の価格が高くなる。我々は何も形式な闇だとかマル公を言うのではないのであつて、実際買うところの価格がどうなるかという問題が闇とかマル公とかいうことを言うゆえんであつて、それが少くとも農林省の一部で百十円という説が出ておりまするが、今日も全国の米屋さんのエキスパートとも会いましたが、それはとても百十円では入らんだろうということは、これは私も見ておりまするけれども、そうなつて来れば、闇がなくなることは当り前でありますが、実質はもつと価格が上ることを我々は心配をしておるわけでありまして、そういう点からも、どうも増産という見地からも今度の統制を外すという理由が薄弱ではないだろうか。そこでまあ田中さんの説は一つあるのだと、これは実は私は当否の問題でありませんから、大臣から若しお答えができませんければ、食糧庁長官でも結構でありますが、一つプラスは現在の統制下においては非常に人件費なり無駄な費用がかかつておるので、現在では三割近い中間経費がかかつておる。これは私も或る程度節約をする余地はあると思いまするが、この三割が自由経済になれば一割のマージンに減つて来るのだと、これは生産者か消費者か少くともどちらの面かが二割程度は中間経費の圧縮によつて利益が出るのだと、こういうことを田中さんも言つておりましたし、又吉武さんも言つておつたのじやないかと私は思いますが、これは少くとも従来の米価審議会で我々が公式の席上で政府から説明を受けたこと、又私の在官中に説明したことから申しましても、これは全く私は逆だと思うのであります。勿論現在の管理制度で無駄のある点はこれはあろうと思いますから、これをセーブするにはやぶさかではありませんけれども、自由経済になればその三割が一割になるということは、これは少くとも今までの政府の説明と全く逆でありまするし、それからもう一つ、私は過去の記憶を辿つてみますれば、当初米の小売価格を作つた際におきまして、一番最終段階の小売商のマージンを私は一割のマージンを付けておつたと思うのであります。従つて、それに産地から出て来る運賃諸掛り或いは産地の問屋さんのマージン等を加えて来ますれば、私は当然一割ということはないと思うのでありまして、而も戰争前の米というものは自給自足ができておつた当時のマージンであります。現在は恐らく三千数百万石しか出廻らんと思いますが、それに対して五千数百万石の米を食いたい需要があるわけでありまするから、需給のアンバランスも違つて来ておる今日からしまして、どうも私は当否よりも嘘であるか事実であるかという点におきまして、これは本日農林当局から責任ある御答弁を頂きたい。とにかくいろいろありまするけれども、どうも公約を忠実に履行するという以外に勿論これはどういう色彩も持つておりませんけれども、どうも折角講和ができて、而もいろいろ各種の底流が渦巻いておるこのときに、こういうことをあえて急いでやるという理由は私はないのではないかと思う。ですから、私は内容に入ることは又入りますが、一体どういう目的でこの統制を外されんとしまするか。丁度機会でありまするので、一つ明快な御答弁を願いたい。
○国務大臣(根本龍太郎君) お答えいたします。統制撤廃をなぜやるかということでございまするが、先ほども若干触れましたが、特に今は非常に実証的な且つ理論的な展開をされて参りまして、即ち池田大蔵大臣が考えるように、財政上の理由においてこれがなされるかどうかということでありまするが、御指摘の通り、只今のところは直ちにこれが財政上のプラスになるという面は、本年のインベントリー・フアイナンスに入れた一般会計の負担を軽くする、これ以外にないと思います。併し将来におきましても、片柳さんみずから御指摘のごとく、片柳さんが構想されておるごとき考え方をするならば、いわゆる二重価格制度をとるべしという片柳さんの御意見のようでありまするが、若しそういうふうな措置を講じなければ食糧事情が安定しないということになりますれば、これは大きな財政負担になるわけであります。その意味において、特にこれが人口の増ということと国内増産がそれに比例して上らないということになりますれば、ますますその点が出て来ると思います。その観点からして大蔵大臣は財政上の将来における膨脹を懸念しておるということは事実であると存じます。併しその理由においてのみこれがなされるということではございません。御承知のように現在の統制が残つておりまするのは主食と石油だけでございます。あとの物はすべて価格並びに配給を自由にし、統制を撤廃いたしたために、いわば日本の経済が国際経済に入りまして、国際経済との関連において日本の産業政策を考えて行くと、こういう立場でございます。但し今まで食管の建前からいたしまして、これについては実質上はでき得るだけ消費者を保護するという建前からいたしまして、補給金をつけまして外国から相当高い物を買いつつ、これによつて実は半面においては日本の農業生産物、特に主食を普通の自由市場において構成さるべかりし価格よりは立法的に、行政的に抑えておるという非難は今まで各野党の諸君から言われたと同様であります。この意味におきまして、農業の所得が立法的に行政的にセーブされておるということは確かにあると思います。これが統制がなくなりますれば、それだけ理窟といたしましても、実際上といたしましても、農産物、特に主食が国際価格に鞘寄せするという現象が起ることは当然であると思います。それだけ農業所得が殖えるということになると思います。従つて、それが増産の意欲を刺戟するということも事実であると存じます。こういう観点からいたしまして、農家の生産意欲を増しつつ実質上においても今までの限界的な段階にあるところの土地改良も、それだけ又農地調整並びに改良事業も促進される、こういうように考えます。ただその場合において消費者の利害の問題が出て来るのでありまするが、そのために日本の米価並びに需給に対して非常に大きなキヤスチング・ボートを握るものはやはり外国食糧の量とその価格であろうと存じます。その意味におきまして、構想といたしましては、外国食糧は全部政府が管理する、こういう建前をとつておるのであります。これによつて量と価格の調整を図つて、そうして消費者の不安をなくす、こういう観点でありまするので、財政上と増産の意欲を増しつつ、従つてこれによつて絶対の国内自給度を高めつつ、漸次やつて行く、こういう考え方でございます。
○政府委員(安孫子藤吉君) お答え申上げます。中間経費の点は、お話がございました二十六年の石当りの中間経費はパーセンテージにいたしまして一三・七五%でございます。これは集荷手数料、特別倉庫加算額、倉庫保管料、人件費、事務費、配給諸経費、目欠の合計が一三・七五%、これが中間経費でございます。それから昭和七、八年頃の中間経費は幾らかというと、いろいろな数字がございますが、併し当時こういう問題が相当……、内池簾吉さん、あの人の資料等を見ますと、中間経費が二一・三%という数字でございます。
○委員長(羽生三七君) 四時から閣議があるそうでありますので、少し前に終りたいと思いますが、なおこのほか楠見さんから委員外の発言を求められておりますので、片柳さんの発言が終つたあとで委員外の発言を願いたいと思います。
○片柳眞吉君 非常に簡單に、これは一つ農林大臣にお尋ねしたいのですが、今食糧庁長官の御答弁でも田中君の言つている政調会の意見が、事実をまるで逆に言つていることだけは、これは一つ自由党の政調会において御訂正を頂きないと思う。これは議論ではなく事実の問題なので、こういうものはやはり事実をはつきりつかんでおかないと非常に大きな問題でありますので、あの点は是非ともこれは一つ大臣も適当の機会に訂正するように御注意を頂きたいと思います。
○国務大臣(根本龍太郎君) 訂正というか、実情を述べておるわけなのです。
○政府委員(安孫子藤吉君) ちよつと蛇足でございますが、三〇%というのは恐らく二年か三年前のやつを生産者価格と消費者価格の差をそのままパーセントに出した数字じやないかと思います。その中には早場米奨励金、超過供出奨励金等が入つておるわけであります。生産者に還元されるものも含めて差をパーセンテージにしたら三〇%、こういうことじやないかと思います。
○片柳眞吉君 とにかく我々の常識から言つても、さつき言つたような米の小売価格だけでもマージンを一割ときめている。それが自由になつて全体の差が同じく一割ということはこれは絶対ないと思いまするから、間違いの点は一つ大臣から御訂正を願いたい。これを要求したいと思います。これはやはり議論になりますから詳しく申上げませんが、私は非常に簡單だと思うのでありまして、米だけはやはり生産者が有利になることも必要でありまするし、消費者のほうと両方見ませんと……。ですからここのところは自由になつて非常にむずかしいと思うのでありまして、これは価格も大体現状と違わないから、生産者が有利になれば消費者が困つて来る、消費者が安く買えて行けば生産者が困るのです。どうしても私はこの米といいますか、主要食糧は多く政府が間に入つてその間の調整をするという單純なことで行くのではないかと思いますが、これは議論になりますから、時間がありませんからあれになりまするけれども、そういう意味ではつきり私の意見を申上げたいと思います。
○委員長(羽生三七君) それじや委員外発言を楠見さんが求められておりますので、御了承願います。
○委員外議員(楠見義男君) 非常に貴重な時間を割愛して頂きましてお礼を申上げます。私は近く内閣委員会で定員法の審議に当らなければなりませんので、その観点から只今問題になつております統制撤廃の問題について二、三お伺いしたいと思います。 先ほど農林大臣は定員法の審議は国会の自由の意思に基いて審議せらるべきであるということを言われたのでありますが、まさにその通りであります。ただこの基礎法が変ればそれに即応して国会で、又政府で必要な処置を講ずべきであるということでありますが、その基礎法が実ははつきりしておらないであります。現在はつきりしておるのは食糧管理法が現行法通り続いておるということははつきりしておりますが、これをどうしようかという政府の方針が只今も伺つておりますとどうもはつきりしておらないようなのであります。先般も総理大臣の施政方針演説で伺いますと、明年四月以降の米の統制撤廃は断行するのであるということをはつきり言われたように聞いたのであります。これも今聞いておりますと、單に政府の構想であるかのごとき御答弁があつたのであります。そこで私は定員法を審議するに当つてその基礎の問題として伺いたいことは、統制撤廃、麦も又米も同様でありますが、政府が意図されておるような統制撤廃をする方法としてどういう方法があるか。一応予想されますのは政令でやるか、政令でやるにとについては法律上、現行法上のいろいろの解釈上の疑義があるのみでありますが、いずれにいたしましても政令でやるか、法律でやるか、この二つであると思うのでありますが、この二つ以外に何かやる方法があるかどうか。これを先ず伺いたい。
○国務大臣(根本龍太郎君) 御指摘の通り、それ以外の方法はないと存じております。
○委員外議員(楠見義男君) それでは時間もありませんから簡單にお伺いいたしますが、法律でやる場合にはこれは問題ありませんが、政令でやるという場合に、参議院で麦の統制撤廃の問題は先の通常国会で否決されたのであります。今回は私は実は会談のようでありますけれども、定員法の審議に当つてはその基礎をなす実体法を先ず審議すべきであると意見を持つておるのであります。先般も橋本行政管理庁長官にその意見を委員会で申述べましたときも、委員長もそれについては何ら御異存がないようでありました。そこで麦の問題に入るのですが、私どもは民主的な方法で以て国会でその可否をきめたい。そこで先般も通常国会でああいうふうな問題になつた法律でありますから、麦の統制撤廃をやる場合には再び国会に提出されるのが国会尊重の、いわゆる民主的なあり方であると思うのでありますが、農林大臣は国会に法律を出しておきめになるのか。よもや国会を尊重せず、無視して政令でおやりになるというようなことは万々ないと思うのでありますが、その点は如何でありますか。御返事によつては私は知性ある大臣という言葉はこの席で返上したいと思います。
○国務大臣(根本龍太郎君) この問題については先ほど小林さんに御説明いたした通りでありまして、現在政令でやるか、法律でやるかということはまだ未決定でございます。
○委員外議員(楠見義男君) その御答弁になつておる点は私も実は聞いたのでありますが、私は別の観点からお伺いをしておるので、国会でこれほど問題になつた案件を国会を無視して政令でおやりになる意思があるのかないのか。その点だけをお伺いしたい。
○国務大臣(根本龍太郎君) これは楠見さんの御意見を拜聽しただけでありまして、私は今この問題について答弁することを遠慮いたします。
○委員外議員(楠見義男君) 私の言つたことが聞えたか、聞えなかつたかということを聞いておるのではないので、あなたの御意見がどうかということを伺つておるのです。
○国務大臣(根本龍太郎君) 只今申した通り、私は意見を申上げることを今差控えます。
○委員外議員(楠見義男君) 私はこの委員会で知性ある大臣ということを申上げましたが、全く不覚の言葉でありまして、この機会に返上いたします。
○委員長(羽生三七君) 今の楠見さんのお尋ねになつた点は極めて重要な点があるので、それは先ほど小林委員の御質問と角度が異つているのであります。卸ち国会の審議をお考えなしに政令で行なつた場合は、先ほど農林大臣が言われたそれは、国会自身に権利があるのだから、国会の審議に委ねるということは、もうそれは消えてなくなつたことになるので、これは非常に重大な点が含まれておるので、その点は大臣において十分御記憶願いたいと思います。
○国務大臣(根本龍太郎君) それは私はそう解釈いたしません。
○山崎恒君 私は別の面から一つお伺いしておきますが、この統制撤廃の問題が一たび放送された今日、生産者も或いは消費者も非常な関心を持つておるのでありまして、殊にこの各県の消費者の団体が非常に反対の気勢を出しておるというようなことは、大臣は中央におりましても知つておるかどうか。同時に今回のこの問題は生産者も消費者も共に反対しておる声があるのを大臣は当局で御存じになつているかどうか、この点を先ず一つお聞きしたい。 次に早場米の供出でありますが、例年に比して最近の早場米の供出が、自由に放すというような報道につれてか、天候の加減か知らんが非常に供出が遅れておる。これはもう事実であると思うのでありますが、この点をどういう工合に見ておるか。又最近のこの闇米ですね、所によつてはもうすでに五十円くらいはね上つているという点が事実あるのですが、その点をどう見ているか。この点だけを一つお聞きいたしておきます。
○国務大臣(根本龍太郎君) 今年の早場米が例年に比して遅れているということは我々も承知しております。これは先ほどもちよつと御説明申上げましたが、早場米地区の今年の春におけるところの冷害気味と、それから秋になつて又非常に低温になつたということも事実あります。それからもう一つは脱穀調製の電力が非常に不足したため遅れておること、この二つの事業に基くものと考えております。 それから消費者の代表のかたがたがいろいろとこれに対して不安を持ち、陳情しておることも知つております。生産者の代表ともいうべき人々を一部にはそういう意見がありまするが、先般各県の販連の会長並びに指導連の会長のかたがたと会合したとき、いろいろ質問に答えて私どもの考えている点を申上げたところが、條件附きにおいて賛成のようであります。即ち資金の手当と、それから需給調整法の内容において若し十分であるならば、あえて反対しない、こういうような御意見のようでございます。
○赤澤與仁君 行政措置として甘藷なり雑穀をお外しになり、麦を外します場合におきましては、立法手続をお取りになりまして、それが国会で否決になりまして今日の結果になつておるのでありますが、この結果に対しまして、行政措置を立法手続によつて改めた、この過去の事実に対して、これはよかつたとお考えになつていらつしやいますか、まずかつたとお考えになつていらつしやいますか。過去の問題についての御意見を一言承わつて置きます。
○国務大臣(根本龍太郎君) 当時私、政府当局でありませんから、どういう措置であつたか存じませんけれども、当時は恐らくこの問題が政令を以てやることの至当なるか否かということについて、政府において十分に確信を持たなかつたから、そういう措置に出たのかとも存じます。従いまして、これは統制並びに解釈の問題において若干問題があつたのではなかろうかと考えるのであります。
○山崎恒君 私の質問に対しまして、大臣は早場米の供出がいろいろ東北地方の気候等の関係で遅れておると、成るほどその点は一応首肯もできるのですが、現実においてこれは政府の割当がすでに今年度は二千万石程度だというようなことが巷間に流布されておる、そうしますというと、従来よりももう供出は楽になるのだと、そこで自由におつ放せば闇米は上がるのだというような考えから、これはもう早場米の供出もすでに農家では遅疑して遅らしておるという点がないではないという点を考えておるかどうか、その点も一つ大臣のお考えをお伺いしておきたい。それから販連会議におきまして、大臣と質疑応答されたその際に、政府においては速かに資金として一千五百億程度のものは準備しておるのだということを成るほどおつしやられて首肯した点もあるかもわかりませんが、これはもう協同組合の経営の問題でありませんので、事実生産者の問題、生産者をおつ放せば一部にはいいところがあるかもわかりませんが、これはもう国民全体の問題といたしまして、事実これには協同組合といえども反対しておるような状況でありますので、その点は一つ十分お考えを願いたい。この点を申上げておきます。
○委員長(羽生三七君) 他に御質問もあろうかと思いますが……。
○江田三郎君 ちよつと三十秒ですから……。今の問題について附加えておきますけれども、二、三日前に農業協同組合及び農民組合その他の団体で全国農民代表者会議がありまして、これには販連も指導連も参加しております。その席で、統制撤廃は絶対反対という決議をして、あなたの所に決議文を持つて行つておりますからして、誤解のないように。販連もそれに参加しておりますから。
○委員長(羽生三七君) 他に御発言もあろうかと思いますが、時間の関係でこれで終りたいと思いますけれども、農林大臣に一口希望を申上げておきますが、実に成規に主食の統制撤廃に関する法案等も付託のない先に、あえてこの委員会を開きましたのは、国会の審議によれば格別、今問題になつたような形で政令等でこれが行われる場合におきましては、單に国会の自主性を尊重しないという非民主的な立場に立つのみならず、生産者、消費者或いは国家財政上與える影響極めて甚大だと考えまして、事前に政府の真意を質して善処方を促そうと考えたのが、今日の委員会開催の趣旨でありますので、委員各位の御発言によつて大要皆さんのお考えの内容をお汲みとり願えたことと思いますので、十分この意見を尊重されて善処されむことを希望いたします。 本日はこれを以つて散会いたします。 午後三時五十九分散会